特許第6976662号(P6976662)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000002
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000003
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000004
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000005
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000006
  • 特許6976662-蓋付き容器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976662
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 50/06 20060101AFI20211125BHJP
   B65D 43/02 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B65D50/06
   B65D43/02 200
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-35969(P2018-35969)
(22)【出願日】2018年2月28日
(65)【公開番号】特開2019-151355(P2019-151355A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2020年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−132455(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0210450(US,A1)
【文献】 特開平09−165060(JP,A)
【文献】 特開2008−247443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 50/06
B65D 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(23)の外縁に沿ってフランジ(24)が形成された有底筒状からなる容器本体(2)と、
前記フランジ(24)に組み付く内枠体(3)と、
前記内枠体(3)に組み付く外枠部(41)と該外枠部(41)の内側に前記開口部(23)を閉塞する頂壁(42)を備えた蓋体(4)と、
前記開口部(23)を閉塞した状態の前記蓋体(4)に係合して前記蓋体(4)を係止するロック部材(34)とを有すると共に、前記内枠体(3)、前記蓋体(4)及び前記ロック部材(34)が一体に成形されてなる蓋付き容器であって、
前記内枠体(3)と前記蓋体(4)との間が第1ヒンジ(43)を介して回動可能に連結され、且つ前記内枠体(3)と前記ロック部材(34)との間が第2ヒンジ(35)を介して回動可能に連結され、さらに、前記ロック部材(34)が前記蓋体(4)を係止しているロック状態と前記ロック部材(34)が前記蓋体(4)を係止していない非ロック状態との間で前記第2ヒンジ(35)を介して回動可能に連結されており、
前記ロック部材(34)は、操作板(34A)と該操作板(34A)上に所定の間隔を有して立設された内側係止片(342)と外側係止部(341)とを有して構成され、前記外側係止部(341)と前記内枠体(3)の外壁(33)との間が前記第2ヒンジ(35)で連結されており、前記操作板(34A)を前記蓋体(4)の前記頂壁(42)と対向する位置に回動させることにより前記蓋体(4)が係止されるロック状態に設定され、且つ前記操作板(34A)を前記容器本体(2)の側壁(22)と対向する位置に回動させることにより非ロック状態に設定され、前記外枠部(41)が、前記操作板(34A)と前記内側係止片(342)と前記外側係止部(341)とで囲まれた部分に嵌合されることでロック状態に設定されるものであり、
前記容器本体(2)の前記側壁(22)には、非ロック状態にした前記操作板(34A)が嵌合する嵌合凹部(221)が設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項2】
前記容器本体(2)が矩形形状であって、前記第1ヒンジ(43)が設けられている辺に直交する方向の一対の辺に対応する内枠体(3)の部分に、一対の前記ロック部材(34)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載された蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば幼児や認知症患者等であって蓋体を開けることを許容しない者(以下、非対象者という)による開蓋を防止すると共に、非対象者以外の者(以下、対象者という)の蓋体については開蓋を許容するチャイルドレジスタンス機能を備えた箱型容器に関する。
【0002】
従来の容器は、使用したい時に直ぐに蓋体を取り外せるように、単純な嵌合構造を有するものが多く、蓋体の取り外し易さと装着し易さに着眼したものが多かった(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このように蓋体の取り外し易さと装着し易さのみに重点をおいたため、結果的に蓋体を引っ張る操作だけで、誰にでも蓋体を簡単に取り外すことができ、内容物の取り出しが自由に行えるようになってしまっている。
【0003】
使用者が収納又は充填される内容物の特性を十分に理解している通常の使用状況においては、このような蓋体の取り外し易さは便利なものであってなんら問題は無く、とても望ましい形態である。しかしながら、収納又は充填される内容物の特性を十分に理解しえない者でも簡単に蓋体の取り外しが行えるという懸念を併せ持つことになる。
【0004】
すなわち、非対象者が中身の内容物の危険度を理解しないままに取り扱って不用意に容器の蓋を取り外して内容物に触れたり、内容物を誤飲したりすることが起こり得る。
こうした問題に対応するために充填する容器又はその蓋体に、非対象者では容易に取り外しのできない機能、即ち、所謂チャイルドレジスタンス機能を付与することが求められている。このチャイルドレジスタンス機能を有する容器は、例えば、従来技術である容器の蓋体が、ただ単に蓋体と容器本体とを引き離す方向に蓋体を引っ張る操作だけで取り外せるのに対し、ただ蓋体を引っ張る操作だけでは蓋体を取り外せず、蓋体を引っ張る前に又は同時に蓋体を引っ張るのとは別の操作を蓋体等に対して行い、それによって蓋体を取り外すように構成されている。
【0005】
チャイルドレジスタンス機能のための蓋体等に対して行われる操作は、従来の閉蓋具における蓋体取り外し操作に比べ、複雑になり過ぎず、対象者に対しては従来の蓋体の取り外しの容易さは十分確保すると共に、非対象者による開蓋操作に対してはその取り外しを防止できることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平3−17056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、非対象者による開蓋操作を防止すると共に、対象者による開蓋操作を許容するチャイルドレジスタンス機能を備える蓋付き容器を創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る蓋付き容器は、開口部の外縁に沿ってフランジが形成された有底筒状からなる容器本体と、前記フランジに組み付く内枠体と、前記内枠体に組み付く外枠部と該外枠部の内側に前記開口部を閉塞する頂壁を備えた蓋体と、前記開口部を閉塞した状態の前記蓋体に係合して前記蓋体を係止するロック部材とを有すると共に、前記内枠体、前記蓋体及び前記ロック部材が一体に成形されてなる蓋付き容器であって、前記内枠体と前記蓋体との間が第1ヒンジを介して回動可能に連結され、且つ前記内枠体と前記ロック部材との間が第2ヒンジを介して回動可能に連結され、さらに、前記ロック部材が前記蓋体を係止しているロック状態と前記ロック部材が前記蓋体を係止していない非ロック状態との間で、前記第2ヒンジを介して回動可能に連結されており、
第1の態様において、ロック部材は、操作板と該操作板上に所定の間隔を有して立設された内側係止片と外側係止部とを有して構成され、前記外側係止部と内枠体の外壁との間が前記第2ヒンジで連結されており、操作板を蓋体の頂壁と対向する位置に回動させることにより蓋体が係止されるロック状態に設定され、且つ操作板を容器本体の側壁と対向する位置に回動させることにより非ロック状態に設定され、前記外枠部が、操作板と内側係止片と外側係止部とで囲まれた部分に嵌合されることでロック状態に設定されるものであり、
前記容器本体が矩形形状であって、前記第1ヒンジが設けられている辺に直交する方向の一対の辺に対応する内枠体の部分に、一対の前記ロック部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、内枠体に回動可能に連結されているロック部材が、内枠体に組み付く外枠部を備えた蓋体に係合して、閉塞した状態の蓋体をさらに係止するので、幼児等が簡単に蓋体を取り外して開けることができない。
また、内枠体と外枠部との間が第1ヒンジを介して回動可能に連結されると共に、内枠体とロック部材との間も第2ヒンジを介して回動可能に連結されている構成であるため、すなわち、内枠体と蓋体とロック部材とが一体となる構成であるため、三者を一体にて形成が可能であることから、製造コストが低減できるという効果を有している。
【0011】
また本態様によれば、ロック部材が、操作板、該操作板上に立設された内側係止片及び外側係止部を有しているので、操作板を操作することにより、内側係止片と外側係止部とで外枠部(蓋体)をしっかりと係止させることができるため、幼児等の非対象者らにとってはより蓋体を取り外し難い状態となり、チャイルドレジスタンス機能を十分に発揮することができる。
【0012】
また、ロック部材を回動させることにより、蓋体をロック状態と非ロック状態という2つの状態にすることが可能であるため、容器の使用方法として、対象者が容器の蓋を取り外す場合には非ロック状態にして蓋を開け易い状態を確保し、非対象者に容器本体の蓋を開けさせたくない場合には、ロック状態にして蓋を開け難い状態を確保することができる。
【0013】
さらに、蓋体に備えられた外枠部が、操作板と内側係止片と外側係止部とで囲まれた部分に嵌合されることでロック状態になることから、蓋体自体が外枠部部分でかなりしっかりとロック部材によって係止されるので、蓋体は開け難くなりチャイルドレジスタンス機能をより一層高めることができる。
【0015】
更に本態様によれば、非ロック状態時には、容器本体の側壁にロック部材の操作板が嵌合する嵌合凹部が設けられているので、幼児等以外の者が容器の蓋を取り外すことがわかっている場合には、ロック部材を嵌合凹部に嵌合させて側壁に収めることにより、ロック部材の揺動を防止し蓋体を取り外す際にはロック部材が邪魔にならないという効果を有している。
【0016】
本発明の第の態様に係る蓋付き容器は、第1の態様において、前記容器本体が矩形形状であって、前記第1ヒンジが設けられている辺に直交する方向の一対の辺に対応する内枠体の部分に、一対の前記ロック部材が設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、チャイルドレンジスタンス機能をより一層強化することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、閉塞した蓋体に対して蓋体を係止するロック部材が、ロック状態と非ロック状態の2つの状態を確保できる構成であるため、チャイルドレジスタンス機能と、幼児等以外の者が蓋体(蓋)を開ける際には、容易に容器の蓋体を開けることができる機能の双方の機能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る蓋付き箱型容器の実施形態(ロック状態)を示す斜視図。
図2】本発明に係る蓋付き箱型容器の実施形態(非ロック状態)を示す斜視図。
図3】本発明に係る蓋付き箱型容器の実施形態において開蓋状態を示す斜視図。
図4図3におけるC−C線の一部断面図。
図5図2におけるB−B線の断面図。
図6図1におけるA−A線の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明に係る蓋付き容器の実施形態について説明するが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。
【0020】
最初に図1図4を参照にして本態様の蓋付き容器の構成を説明する。
【0021】
本態様における蓋付き容器1は、合成樹脂を用いて、容器本体2はシート成形で蓋体4はインジェクションで薄肉に形成されている。また、本発明の蓋付き容器に収納される対象は、例えば、粉体状に形成した内容物、フィルムによって覆われた液体若しくは粉体を略ボール状に形成した内容物又は固体状の内容物であり、この内容物には、例えば洗剤や薬剤など幼児等の非対象者に触れさせたくないものが含まれる。
【0022】
図1図3には、底面部21から立ち上がる側壁22を有し、底面部21に対向する側に開口部23(図3図4参照)が形成された容器本体2と、開口部23の外縁に沿って設けられたフランジ24(図4参照)に組み付く内枠体3(図3図4参照)と、内枠体3に組み付く外枠部41(図1図2参照)と、開口部23を閉塞する外枠部41を備えた蓋体4(図1等参照)とから構成された有底筒状からなる蓋付き容器1が示されている。
本態様では、容器本体2は有底角筒状の形状を有しているが、当該形状に限定されるものではない。例えば円形形状のものであってもよい。
【0023】
なお、図1図3において、蓋体4を形成する長辺のうち、奥側にある長辺を一方の長辺とし、当該一方の長辺がある側を容器本体2の背面側、手前側にある長辺を他方の長辺とし、当該他方の長辺がある側を容器本体2の前面側とする。また、蓋体4を形成する短辺のうち、右側にある短辺を一方の短辺とし、当該一方の短辺がある側を容器本体2の右側面側、左側にある短辺を他方の短辺とし、当該他方の短辺がある側を容器本体2の左側面側とする
【0024】
本態様の蓋付き容器1は、図1で示されるようにロック部材34の操作板34Aが蓋体4の頂壁42と対向する位置にあるロック状態と、図2で示されるように後述のロック部材34の操作板34Aが容器本体2の右側面及び図示しない左側面の側壁22に設けられた嵌合凹部221に嵌合した状態にある非ロック状態の2つの状態を採用できる構成となっている。図3においては、蓋体4が開けられている状態が示されている。
当該構成により、幼児等の非対象者に対しては、ロック状態にして蓋を開け難い状態を確保することが可能となる。
【0025】
本態様の蓋付き容器1は、図4に示すように、容器本体2(図1等参照)とその外縁に沿ってフランジ24が設けられており、フランジ24に組み付く様に内枠体3が設けられている。
蓋体4は、内枠体3に組み付く外枠部41と外枠部41の内側に開口部23を閉塞する頂壁42(図1等参照)を備えており、内枠体3と蓋体4に備えられた外枠部41との間が背面側に設けられた第1ヒンジ43を介して連結され、蓋体4が回動可能(開閉可能)な構成となっている。
【0026】
ここで、内枠体3について説明する。
図3及び図4に示すように、内枠体3は、フランジ24(図4参照)の上面に接触する内枠体上面壁32と、内枠体上面壁32から側壁22の内周面に当接して底面部21に向かって形成された内枠体内壁31と、内枠体上面壁32から容器本体2の外側に垂下設される内枠体外壁33とを有して構成されており、それぞれがフランジ24を囲むようにして、フランジ24に組み付いている。
【0027】
次に、内枠体3に組み付く蓋体4に備えられた外枠部41について説明する。図1に示したように、外枠部41は、内枠体上面壁32(図4参照)に載置される外枠部上面壁412と、外枠部上面壁412から内枠体内壁31(図3参照)に当接するように形成された外枠部内壁411と、外枠部上面壁412から容器本体2の外側に垂下設される外枠部外壁413とを有して構成されており、それぞれがフランジ24を囲むようにして、内枠体3に組み付いている。なお、頂壁42(図1参照)が外枠部内壁411の下端から水平方向に連接されている。
【0028】
また、図2に示したように、蓋体4の一方の短辺及び他方の短辺を形成している外枠部上面壁412の一部には、ロック部材34が係合する凹部412a、412bが設けられている。そして、蓋体4の背面側において内枠体3と外枠部41とがヒンジ43で連結(図4参照)され、図2では矢印方向に蓋体4が開蓋可能な構成となっている。
【0029】
次に、主に図5及び図6を参照しながら、本態様のロック部材34の構成及び使用状態について説明する。
図5は、図2におけるB−B線の断面図であり、ロック部材34が使用されていない状態(非ロック状態)を示している。
当該ロック部材34は、内枠体3の内枠体外壁33の下端331に、第2ヒンジ35を介して回動可能に連結されている。そして、ロック部材34には、ロック部材34を回動させる際に指等でロック部材34を操作する操作板34Aと、この操作板34A上に所定の間隔を有して立設(図5において側壁22に対してほぼ直角方向)された内側係止片342及び外側係止部341が設けられている。尚、操作板34Aの先端部(第2ヒンジ35と逆側の端部)は指先で操作される部分である。
【0030】
図6は、図1におけるA−A線の断面図であり、ロック部材34が使用されている状態(ロック状態)を示している。
このロック状態において、ロック部材34の操作板34A、内側係止片342及び外側係止部341で囲まれた部分は、蓋体4に備えられた外枠部41を構成する凹部412a412bと嵌合するように構成されている。
【0031】
以上がロック部材34の構成であるが、図2に示しように、ロック部材34を使用しない時(非ロック状態)は、側壁22に設けた嵌合凹部221にロック部材34を嵌合させて、収納しておくことが可能な構成となっている。このような構成により、ロック部材34の揺動を防ぐことが出来ると共に、蓋体4を開ける際にロック部材34が邪魔にならないという利点を有している。
【0032】
そして、ロック部材34は、図5の非ロック状態から、操作板34Aを指等で矢印方向に引っ張り上げ、第2ヒンジ35を軸として蓋体4の頂壁42側へ約270度回動させ、最終的には操作板34Aが頂壁42と対向する状態にまでロック部材34を回動させることにより、図6のロック状態となる。
【0033】
このロック状態では、図1に示したように、蓋体4に備えられた外枠部41の凹部412aが、ロック部材34の操作板34A、内側係止片342及び外側係止部341で囲まれた部分に嵌合された状態になっている。このように、外枠部41がロック部材34の操作板34A、内側係止片342及び外側係止部341で囲まれた部分に嵌合された状態となるので、蓋体4が容器本体2にしっかりと係止され、蓋体4は開け難くなり幼児等の非対象者では簡単に開けることが出来ない状態となる。すなわち、チャイルドレジスタンス機能を十分に発揮している状態となる。
【0034】
次に、ロック状態から非ロック状態にするには、図1において、ロック部材34の先端部を指先等で操作し矢印方向(外側)に回動させる。引き続き、ロック部材34を側壁22に対向させるように回動させ、側壁22に設けた嵌合凹部221に操作板34Aが嵌合するまで回動させる。この一連の操作により、蓋付き容器1は図2に示した非ロック状態になる。
【0035】
図2の非ロック状態において、内枠体内壁31の内壁面に外枠部内壁411の内周の壁面が係合して蓋体4が開かないで閉じている状態、すなわち、内枠体内壁31の内壁面と外枠部内壁411の内周の壁面がある程度の摩擦抵抗をもって係合している場合には、蓋体4を対象者が開ける使用方法が可能となる。
つまり、本態様では、対象者に対しては非ロック状態を用いた使用方法が、非対象者に対してはロック状態を用いた使用方法が可能である。
【0036】
なお、図5及び図6においては、右側面側のロック部材34について説明したが、図示しない左側面側に設けられたロック部材についても、構造は右側面側のロック部材34と同様である。
また、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、趣旨の変更を加えることができる。
【0037】
本態様では、例えば図2に示したように、ロック部材34を操作板34Aが右側面の側壁22及び図示しない左側面の側壁22と対向するように内枠体3に設けているが、ロック部材を設ける個数は2つとは限らない。また、側面だけでなく前面であってもよい。
【0038】
さらに、ロック部材34を複数設けるときは、例えば、図2に示した態様のように各ロック部材34が対向する反対の位置に設けるのが好ましい。それによりさらにさらにチャイルドレジスタンス機能をより一層高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、強固なチャイルドレジスタンス機能を高めた蓋付き容器の容器分野に用途展開が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 :蓋付き容器
2 :容器本体
3 :内枠体
4 :蓋体
21 :底面部
22 :側壁
23 :開口部
24 :フランジ
31 :内枠体内壁
32 :内枠体上面壁
33 :内枠体外壁
34 :ロック部材
35 :第2ヒンジ
41 :外枠部
42 :頂壁
43 :第1ヒンジ
211:嵌合凹部
331:内枠体外壁下端
341:外側係止部
342:内側係止片
34A:操作板
411:外枠部内壁
412:外枠部上面壁
413:外枠部外壁
412a:凹部
412b:凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6