(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ノズルは、前記サブプレートに設けられた嵌合部が前記ベースプレートに設けられた被嵌合部に嵌合されており、前記嵌合部の外側面及び前記被嵌合部の内側面の少なくとも一方に形成された複数の溝が前記嵌合により前記複数の第2噴出孔を形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴出器。
前記複数の第2噴出孔は、前記ベースプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方に設けられている複数の貫通孔である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴出器。
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの少なくとも一部を覆うノズルカバーに設けられた軸周りに回動することで前記作動位置と前記非作動位置との間で移動可能である、請求項2に記載の液体噴出器。
前記第1噴出孔は、前記第1ノズルの径方向中心位置を軸方向に貫く貫通孔であり、前記第1ノズルは、径方向外側から中心に向かって旋回する流路を形成するスピン溝を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体噴出器。
前記連結部材は、前記スピン溝に対向するスピンエレメントを有し、前記スピン溝を前記スピンエレメントに対して中心軸線周りに回転させることで、前記スピン溝の径方向中心位置に内容物を供給することで形成される第1の噴出パターンと、前記スピン溝の径方向外側端に内容物を供給することで形成される第2の噴出パターンとを切り換え可能である、請求項8に記載の液体噴出器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の液体噴出器は、ノズルの回転により霧の状態を変化させることができるが、いずれの噴射パターンにおいても凹溝(スピン溝)を共用しているため、シャワー状態で噴出させるような態様が異なる噴射パターンを設けることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明の目的とするところは、異なる噴射パターンを容易に設けることが可能な液体噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体噴出器は、
容器の内容物を吸引及び圧送するポンプを有し容器の口部に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の先端に固定される連結部材と、
該連結部材に保持され、内容物を噴出させる第1噴出孔を有する第1ノズルと、
該第1ノズルからの内容物を噴出態様を変えて噴出させる複数の第2噴出孔を有する第2ノズルと
を備える液体噴出器であって、
前記第2ノズルは、ベースプレートと、該ベースプレートに対してヒンジ部を介して一体形成されたサブプレートとを有し、該サブプレートは前記ヒンジ部で折り返すことで前記ベースプレートに重ねて配置され、
前記サブプレートが前記ベースプレートに重ねられた状態で、前記第1ノズルからの内容物を通過させ噴出態様を変えて噴出させる作動位置
と内容物を通過させない非作動位置との間で移動可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記第2ノズルは、内容物の噴出方向に直交する軸周りに回動することで前記作動位置と前記非作動位置との間で移動可能であることが好ましい。
【0008】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記複数の第2噴出孔は、前記第1噴出孔よりも直径が小さく、前記第1噴出孔の径方向外側に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記第2ノズルは、前記サブプレートに設けられた嵌合部が前記ベースプレートに設けられた被嵌合部に嵌合されており、前記嵌合部の外側面及び前記被嵌合部の内側面の少なくとも一方に形成された複数の溝が前記嵌合により前記複数の第2噴出孔を形成することが好ましい。
【0010】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記複数の第2噴出孔は、前記ベースプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方に設けられている複数の貫通孔であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記第2ノズルは、前記複数の第2噴出孔の径方向外側において、前方に突出する環状突部を有することが好ましい。
【0012】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記第2ノズルは、前記第1ノズルの少なくとも一部を覆うノズルカバーに設けられた軸周りに回動することで前記作動位置と前記非作動位置との間で移動可能であることが好ましい。
【0013】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記第1噴出孔は、前記第1ノズルの径方向中心位置を軸方向に貫く貫通孔であり、前記第1ノズルは、径方向外側から中心に向かって旋回する流路を形成するスピン溝を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明の液体噴出器は、上記構成において、前記連結部材は、前記スピン溝に対向するスピンエレメントを有し、前記スピン溝を前記スピンエレメントに対して中心軸線周りに回転させることで、前記スピン溝の径方向中心位置に内容物を供給することで形成される第1の噴出パターンと、前記スピン溝の径方向外側端に内容物を供給することで形成される第2の噴出パターンとを切り換え可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、異なる噴射パターンを容易に設けることが可能な液体噴出器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の様々な形態を詳細に説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、後述するカバー9の頂壁が位置する側を上方(
図1における上側)とし、装着キャップ10が設けられる側を下方(
図1における下側)とする。また、第2ノズル40が設けられる側を前方(
図1における左側)とし、その反対側を後方(
図1における右側)とする。また、上下方向および前後方向に対して直交する方向(
図1における紙面に垂直な方向)を左右方向とする。径方向外側とは、前後方向に沿う第1ノズル6及び第2ノズル40の中心軸線Cを通り中心軸線Cに垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線Cに向かう方向を意味するものとする。
【0018】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る液体噴出器100は、容器20の口部21に取り付けられる装着キャップ10と、装着キャップ10を回転自在且つ抜け出し不能に保持する噴出器本体1と、容器20内に垂下する吸い上げパイプ17と、噴出器本体1に揺動可能に支持され、噴出器本体1が有するポンプ2を駆動可能な操作レバー3と、噴出器本体1の前部に固定される連結部材4と、連結部材4を介して噴出器本体1に取付けられ、内容物を外界に向けて噴出させる第1ノズル6と、第1ノズル6からの内容物を噴出態様を変えて噴出させる第2ノズル40と、噴出器本体1の上方および側方を覆うカバー9とを備えている。
【0019】
装着キャップ10は、円筒状となる側壁26の内面に、容器20の口部21に設けたねじ部に適合するねじ部26aを有している。また、側壁26の上方には、中央部に上部開口22を区画する天壁23が設けられている。
【0020】
本実施形態において噴出器本体1は、複数の部材から構成されていて、装着キャップ10は、その一つをなすボディ32に連結したインテイク33に取り付けられる。ボディ32は、装着キャップ10の上部開口22に挿通される円筒状の連結筒部32aを有する。また連結筒部32aの上方には、連結筒部32aよりも小径となる縦筒32cが設けられていて、縦筒32cの上方には、前方に向けて延在し、縦筒32cに連通する横筒32dが設けられている。横筒32dの前端部は、連結部材4の外筒部4jに嵌合している。横筒32dの下方には、縦筒32cから前方に向けて突出する円筒状の嵌合壁32eが設けられている。
【0021】
また、縦筒32cの内側には、インテイク33の筒部33aが配置されている。さらに、インテイク33の筒部33aの内側には、ポンプ2によって吸引された内容物の逆流を防止する第1逆止弁33b及び第2逆止弁33cが設けられている。第1逆止弁33bは、ポンプ2により内容物を吸引する際には開状態となり、吸引した内容物を加圧、圧送するときは閉状態となる。一方、第2逆止弁33cは、ポンプ2により内容物を吸引する際には閉状態となり、吸引した内容物を第1ノズル6に向けて加圧、圧送するときは開状態となる。筒部33aの下方には、径方向外側に延在するフランジ33fが設けられている。フランジ33fの下方には、容器20の口部21上端とフランジ33fとで挟持されるパッキンが設けられている。
【0022】
また、ボディ32の嵌合壁32eの内側には、シリンダー部材34が設けられている。シリンダー部材34は、嵌合壁32eに嵌合保持される円筒状のシリンダー筒34aと、シリンダー筒34aの径方向内側に設けられる円筒状の区画筒34bとを同心二重配置で設けたものであり、シリンダー筒34a及び区画筒34bの後方側は、奥壁34cでつながっている。
【0023】
奥壁34cには、縦筒32cに設けた孔に入り込むと共に、インテイク33の孔33dに連通する孔34dが設けられている。更に、シリンダー筒34aには、シリンダー筒34aの内外を連通させると共に、嵌合壁32eとシリンダー筒34aとの間に形成される隙間を介して嵌合壁32eの孔32fに連通する外気導入口34eが側面側に設けられている。
【0024】
シリンダー部材34の内側には、シリンダー部材34の内側を封止してシリンダー室Rを形成するピストン35が配置されている。ピストン35は、シリンダー筒34aの内周面に摺動可能に当接する環状の摺動部35aを有していて、摺動部35aには、前方に向けて延在するとともに前方側の端部を閉塞した周壁部35bが設けられている。なお、摺動部35aは、操作レバー3が牽曳されていない状態において、シリンダー部材34の前記した外気導入口34eを塞ぐ。
【0025】
噴出器本体1には枢軸61により回動自在に操作レバー3が装着され、この操作レバー3はピン部材62によりピストン35の先端に回動自在に連結されている。また、操作レバー3には、一端が噴出器本体1に固定保持された湾曲形状の板ばね63の先端が係止され、この板ばね63により、操作レバー3はポンプ2から離れる方向(
図1中においては枢軸61を中心とした時計回り方向)に付勢されている。
【0026】
本実施形態では、ポンプ2は、シリンダー部材34とピストン35とで構成されているが、このような構成に限らず、操作レバー3の牽曳に伴うポンプ2の駆動により、容器20からの内容物を吸引、加圧、そして内部通路Pに圧送し、第1ノズル6又は第2ノズル40から噴出させることができるものであれば、種々の構成ないし構造のものを用いることができる。
【0027】
第1ノズル6は、
図1に示すように連結部材4からの内容物を噴出させる第1噴出孔6aを有し、連結部材4によって保持される部材である。第1噴出孔6aは、ポンプ2によって圧送された内容物を直吐出又は霧状態で噴出させるための開孔である。
【0028】
第1ノズル6の前方には、第1噴出孔6aを覆う位置に第2ノズル40を配置可能である。第2ノズル40は、第1ノズル6上に形成された軸6s周りに回動可能に構成されている。そして、第2ノズル40は、第1噴出孔6aを前方から覆い、第1噴出孔6aからの内容物に対して更に第2噴出孔を通過させることで噴出態様を変えて噴出させる「作動位置」(
図1に実線で図示)と、当該作動位置から第2ノズル40を軸6s周りに時計回りで略180度回転させることで、第1噴出孔6aからの内容物に対して第2噴出孔を通過させないでそのまま噴出させる「非作動位置」(
図1の上部に二点鎖線で図示)との間で移動可能に構成されている。
【0029】
第2ノズル40は、
図1に示すように、軸6s周りに回動可能な状態で第1ノズル6に装着されたベースプレート42と、ベースプレート42に対してヒンジ部44を介して一体的に形成されたサブプレート45とを備えている。サブプレート45は、図示するように、ヒンジ部44で折り返すことでベースプレート42と重なるように配置され、サブプレート45に形成された筒状の嵌合部46が、ベースプレート42に貫通孔として形成された被嵌合部43に嵌合している。なお、
図1には、成形直後のヒンジ部44で折り返しされていない状態のサブプレート45を二点鎖線で併せて示している。
図1に示す第2ノズル40の「動作状態」では、ベースプレート42に形成された周壁42aが第1ノズル6の嵌合筒部6gの内周面に嵌合することで、第2ノズル40が第1ノズル6に対して回転しないように固定されている。そして、周壁42aを嵌合筒部6gから引き抜くことで、第2ノズル40は第1ノズル6に対して回動可能な状態へと戻る。
【0030】
図2は、「作動位置」にある第2ノズル40等を、前方から見た正面図である。
図2において、第1噴出孔6aは、第2ノズル40により前方から覆われており、視認することができない。サブプレート45に設けられた嵌合部46の外側面には、図示するように、周方向8箇所に溝46aが形成されている。複数の溝46aは、嵌合部46がベースプレート42の被嵌合部43に嵌合することで、ベースプレート42との間に複数の第2噴出孔を形成する。本実施形態において、第2噴出孔は、中心軸線Cを中心とする円周上の8箇所に等間隔で配置されている。第2噴出孔は、第1噴出孔6aよりも直径が小さく形成されており、内容物をシャワー状態で噴出させるための開孔である。第2噴出孔は、複数設けられていればよく、その配置等は上記態様に限定されない。
【0031】
また、図示の例では、溝46aが半円状の断面形状を有するように構成されているが、この態様には限定されず、任意の断面形状を有していてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、複数の溝46aを嵌合部46の外側面に形成したが、この態様には限定されない。溝46aは、被嵌合部43側の内側面に設けてもよいし、嵌合部46と被嵌合部43の双方に設けるようにしてもよい。
【0033】
このように、嵌合部46の外側面に複数の溝46aを形成し、嵌合部46が被嵌合部43に嵌合することで複数の溝46aがベースプレート42との間に第2噴出孔を形成するように構成することで、小さな直径の第2噴出孔をより安定的に形成することができる。
【0034】
サブプレート45の前端には、
図1及び
図2に示すように、複数の溝46a(第2噴出孔)の径方向外側において前方に突出する環状突部46eが設けられている。このように環状突部46eを形成しておくことで、第2噴出孔から内容物を噴出させた後に、第2噴出孔から僅かな内容物が漏れ出た場合でも、この環状突部46eにより径方向外側に垂れてしまうのを抑制することができる。
【0035】
サブプレート45の嵌合部46は、図示するようにアーム部46bを介して外枠部46cに連結されている。そして、外枠部46cがヒンジ部44に連結されることで、サブプレート45は、ベースプレート42と一体に構成されている。
【0036】
ここで、連結部材4からの内容物を、直吐出と霧状態との間で切り換えて噴出する仕組みについて説明する。
【0037】
図3は、第1噴出孔6a、その径方向外側に形成されているスピン溝6b、及び連結部材4からの内容物を第1噴出孔6aに導く流入口6cの構成を示している。スピン溝6bは、図示するように径方向内側に向かって周方向に旋回する流路を形成しており、流入口6cから入った内容物にスピンを与えつつ第1噴出孔6aへと導く。スピン溝6bは、
図1に示すように、第1噴出孔6aの上流側に隣接して配置されている。流入口6cは、
図4(c)等に示すように、第1噴出孔6aから後方に向けて延在しスピンエレメント4aを径方向外側から囲む周壁の内周面に形成される切り欠きである。流入口6cは、
図3に示すようにスピン溝6bと同じ周方向位置に形成されている。
図3に示す第1噴出孔6a、スピン溝6b及び流入口6cは、第1ノズル6を上流側から見た場合の部分拡大図である。
【0038】
一方、連結部材4側には、
図1に示すように、スピン溝6bに対向してスピンエレメント4aが設けられている。
図4(a),(b)は、噴射パターンを直吐出に設定したときの、スピンエレメント4aの(a)正面図、(b)右側面図である。また、
図4(c)は、噴射パターンを直吐出に設定したときの、第1ノズル6部分の拡大断面図である。なお、本実施形態に係る液体噴出器100は、連結部材4が噴出器本体1に固定され、連結部材4に対して第1ノズル6が中心軸線C周りに回転することで、スピン溝6bとスピンエレメント4aとの相対位置が変化し内容物の噴出パターンが変化する。しかし、
図4乃至
図6では、理解の促進のため、第1ノズル6側を同じ方向から図示し、第1ノズル6に対して連結部材4を中心軸線C周りに回転させた図を用いて説明する。すなわち、
図4乃至
図6では、第1ノズル6のスピン溝6bが鉛直方向に方向付けられる(
図3参照)ように第1ノズル6を基準に図示しており、連結部材4側を中心軸線C周りに回転して表示している。
【0039】
利用者が、中心軸線C周りに第1ノズル6の回転調整を行い、噴射パターンを直吐出に設定すると、スピンエレメント4aは、
図4(a)に示すように、第1切り欠き部4a1が流入口6c及びスピン溝6bと同じ方向に方向付けられる。第1切り欠き部4a1は、
図4(b)に示すように、第1噴出孔6aに向かう内容物が径方向外側から中心軸線Cに向かって徐々に径方向内側に導かれるように流路が形成されている。利用者が、
図1の操作レバー3を手動で操作し、ポンプ2に向けてストローク端位置まで引くと、第1逆止弁33bが閉じ、ピストン35が区画筒34b内に押し込まれてポンプ2内の液圧が高められ、ポンプ2内の液体が孔34dから第2逆止弁33cを介して内部通路Pに送出される。そして、内部通路Pから連結部材4に圧送された内容物は、
図4(c)に矢印で示すように、第1噴出孔6aに向けて徐々に径方向内側に案内され、大部分の内容物がスピン溝6bを経由しないで流入口6cから第1噴出孔6aに到達する。従って、第1噴出孔6aを通過した内容物は、旋回を伴わず、直吐出される。
【0040】
次に、第1ノズル6の回転調整によって、噴出パターンを霧状態に設定した場合について
図5を用いて説明する。噴出パターンを霧状態に設定したとき、スピンエレメント4aは、
図5(a)に示すように、第2切り欠き部4a2が流入口6c及びスピン溝6bと同じ方向に方向付けられる。第2切り欠き部4a2は、
図5(b)に示すように、流入口6cから入り第1噴出孔6aに向かう内容物がスピンエレメント4aの外周側を中心軸線Cに平行に流れるように流路が形成されている。そして、第2切り欠き部4a2に沿って導かれた内容物は、スピン溝6bを外周端から中心に向かって通過する際に旋回しながら第1噴出孔6aに到達する(
図3、及び
図5(c)参照)。そして、旋回を伴った内容物は、第1噴出孔6aから霧状となって吐出される。
【0041】
次に、第1ノズル6の回転調整によって、噴出を停止状態に設定した場合について
図6を用いて説明する。
図6(a)に示すように、噴出を停止状態に設定したとき、スピンエレメント4aは、いずれの切り欠き部4a1,4a2もスピン溝6bと同じ方向に方向付けされない。従って、内部通路Pを通じて圧送された内容物は、切り欠き部4a1,4a2を通じて第1噴出孔6aに到達することができず、スピンエレメント4aにおいて遮断されるため、内容物は噴出されない。
【0042】
次に、噴出パターンをシャワー状態に設定する場合について
図7を用いて説明する。噴出パターンをシャワー状態とするためには、第2ノズル40を軸6s周りに回転させ、
図1及び
図7に示すように、ベースプレート42に形成された周壁42aを第1ノズル6の嵌合筒部6gの内周面に嵌合させることで、第2ノズル40が第1ノズル6に対して回転しないように固定された状態(作動位置)とする。これによって、
図1の内部通路Pから連結部材4に圧送された内容物は、第1噴出孔6aを通過した後、更に溝46a(第2噴出孔)を通過して、シャワー状態で噴出される。
【0043】
なお、
図7に示す例では、スピン溝6bとスピンエレメント4aとの相対位置を
図4に示す「直吐出」と同一にして行う場合について説明したが、この態様には限定されない。噴出パターンをシャワー状態に設定するためには、第2ノズル40が「作動位置」にあればよく、スピン溝6bとスピンエレメント4aとの相対位置は、例えば
図5に示す「霧状態」と同一にして行うように構成してもよい。
【0044】
第2ノズル40は、
図2に示す複数の溝46aに代えて、
図8に示すように、中心軸線C周りに複数の第2噴出孔46fを同一円周上に形成するようにしてもよい。第2噴出孔46fは、円形状の孔としているが、用途に応じてさまざまな孔形状としてもよい。
【0045】
なお、複数の溝46aに代えて第2噴出孔46fを設ける場合、第2噴出孔46fは、
図8に示すようにサブプレート45側に設けてもよいし、ベースプレート42側に設けてもよい。また、第2噴出孔46fは、サブプレート45側とベースプレート42側の双方に設けてもよい。
【0046】
以上述べたように、本実施形態では、容器20の内容物を吸引及び圧送するポンプ2を有し容器20の口部21に装着される噴出器本体1と、噴出器本体1の先端に固定される連結部材4と、連結部材4に保持され、内容物を噴出させる第1噴出孔6aを有する第1ノズル6と、第1ノズル6からの内容物を噴出態様を変えて噴出させる複数の第2噴出孔を有する第2ノズル40とを備える液体噴出器100であって、第2ノズル40は、ベースプレート42と、ベースプレート42に対してヒンジ部44を介して一体形成されたサブプレート45とを有し、サブプレート45はヒンジ部44で折り返すことでベースプレート42に重ねて配置され、第1ノズル6からの内容物を通過させ噴出態様を変えて噴出させる作動位置と、内容物を通過させない非作動位置との間で移動可能であるように構成した。このような構成を採用することによって、態様が異なる噴射パターンを容易に設けることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、第2ノズル40は、内容物の噴出方向に直交する軸6s周りに回動することで作動位置と非作動位置との間で移動可能であるように構成した。このような構成を採用することによって、第2ノズル40を第1ノズル6に対して容易に移動させて態様が異なる噴射パターンに設定すること可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、複数の第2噴出孔は、第1噴出孔6aよりも直径が小さく、第1噴出孔6aの径方向外側に設けられるように構成した。このような構成を採用することによって、第2ノズル40を「動作状態」へと移動させて内容物をシャワー状に噴出させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、第2ノズル40は、サブプレート45に設けられた嵌合部46がベースプレート42に設けられた被嵌合部43に嵌合され、嵌合部46の外側面及び被嵌合部43の内側面の少なくとも一方に形成された複数の溝46aが嵌合により複数の第2噴出孔を形成するように構成した。このような構成を採用することによって、溝46aを他の部材に当接させて孔を形成することができるので、小さな直径の第2噴出孔をより安定的に形成することができる。
【0050】
また、本実施形態では、第2ノズル40は、複数の第2噴出孔の径方向外側において、前方に突出する環状突部46eを有するように構成した。このような構成の採用によって、第2噴出孔から内容物を噴出させた後に、第2噴出孔から僅かな内容物が漏れ出た場合でも、この環状突部46eにより径方向外側に垂れてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、複数の第2噴出孔46fが、ベースプレート42及びサブプレート45の少なくとも一方に設けられている複数の貫通孔であるように構成した。このような構成の採用によって、第2噴出孔46fの形状を安定して形成することができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1噴出孔6aは、第1ノズル6の径方向中心位置を軸方向に貫く貫通孔であり、第1ノズル6は、径方向外側から中心に向かって旋回する流路を形成するスピン溝6bを有するように構成した。このような構成の採用によって、スピン溝6bを通過する内容物を旋回させて第1噴出孔6aに導くことで霧状に噴出させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、連結部材4は、スピン溝6bに対向するスピンエレメント4aを有し、スピン溝6bをスピンエレメント4aに対して中心軸線C周りに回転させることで、スピン溝6bの径方向中心位置に内容物を供給することで形成される第1の噴出パターンと、スピン溝6bの径方向外側端に内容物を供給することで形成される第2の噴出パターンとを切り換え可能であるように構成した。このような構成の採用によって、第2ノズル40が非作動位置にあるときに、内容物の噴出パターンを直吐出と霧状態の間で切り換えることができる。
【0054】
次に本発明の第2実施形態に係る液体噴出器200について説明する。なお、第2実施形態に係る液体噴出器200は、第1実施形態と比較して、第1ノズル6の前面及び側面をノズルカバー7で覆い、当該ノズルカバー7に第2ノズル40を回動可能に装着する軸7sを形成した他は、第1実施形態の構成と近似している。従って、ここでは、第1実施形態との差異点を中心に説明する。また、発明の詳細な説明及び図面において、第1実施形態と同一の機能を有する部材については同一の符号を付して説明する。
【0055】
図9は、本発明の第2実施形態に係る液体噴出器200の右側面断面図である。
図9に示すように、本実施形態では、第1ノズル6のほぼ前面及び上下左右側面を覆うノズルカバー7が設けられている。ノズルカバー7には、図示するように軸7sが設けられており、第2ノズル40が当該軸7s周りに回動可能に取り付けられている。このように、第1ノズル6にノズルカバー7を装着し、ノズルカバー7に対して第2ノズル40を回動可能に取り付けることで、内容物をシャワー状態で噴出する機能を有していない液体噴出器に対してノズルカバー7を装着し、内容物をシャワー状に噴出する機能を容易に追加することができる。なお、ノズルカバー7を装着する場合、第2ノズル40の周壁42aがノズルカバー7の嵌合筒部7gに嵌合することで、第2ノズル40の「動作状態」が維持される。
【0056】
なお、本実施形態では、ノズルカバー7が第1ノズル6のほぼ前面及び上下左右側面を覆うように構成したが、この態様には限定されない。例えば、ノズルカバー7が第1ノズル6の上下左右側面の一部のみを覆うように構成してもよい。
【0057】
以上述べたように、本実施形態では、第2ノズル40が、第1ノズル6の少なくとも一部を覆うノズルカバー7に設けられた軸7s周りに回動することで作動位置と非作動位置との間で移動可能であるように構成した。このような構成を採用することによって、内容物をシャワー状に噴出する機能を有していない液体噴出器に対してノズルカバー7を装着することで、内容物をシャワー状態で噴出する機能を容易に追加することができる。
【0058】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0059】
例えば、本実施形態では、予め液体噴出器としてユニット化されているが、本発明に従えば、ユニットさせることなく、容器20に対して個々のパーツを組み付けるものとすることもできる。
【0060】
また、本実施形態では、第2ノズル40は、軸6s,7s周りに回動可能に構成したが、この態様には限定されず、第2ノズル40は、第1ノズル6に対して並進移動可能に構成してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、溝46a又は第2噴出孔46fは、中心軸線C周りの同一円周上に配置するように構成したが、この態様には限定されない。溝46a又は第2噴出孔46fは同一円周上に限定されず、他の位置に配置されていてもよい。特に第2噴出孔46fを配置する場合には、嵌合部46又は被嵌合部43上の任意の位置に配置することができる。