特許第6976670号(P6976670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976670
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】感震リレーシステム
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20211125BHJP
   G01V 1/22 20060101ALI20211125BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H02B1/40 A
   G01V1/22
   G01V1/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-175751(P2020-175751)
(22)【出願日】2020年10月20日
(62)【分割の表示】特願2016-191480(P2016-191480)の分割
【原出願日】2016年9月29日
(65)【公開番号】特開2021-16298(P2021-16298A)
(43)【公開日】2021年2月12日
【審査請求日】2020年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金筒 崇宏
(72)【発明者】
【氏名】阿久根 善之
(72)【発明者】
【氏名】納所 大輔
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−195088(JP,A)
【文献】 特開2015−177660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40
G01V 1/22
G01V 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電路開閉機構を備える開閉部と、
地震の加速度、または、震度を検出する検出部と、
前記検出部で所定以上の加速度、または、震度を検出時に前記開閉部に遮断信号を出力する判定部と、
前記開閉部への遮断信号出力情報を記憶させる記憶部と、
前記開閉部が遮断された後、前記開閉部の復帰操作時に前記記憶部の前記遮断信号出力情報の有無を表示する表示部と、
を備える感震リレーシステムであって
電路開閉機構をトリップ動作させる引外し装置と、前記開閉部が、漏電表示ボタンを有する漏電ブレーカに形成され、
前記検出部、前記判定部、前記記憶部前記表示部、遮断信号を前記引外し装置に出力する出力部が感震リレーに形成され
前記感震リレーを前記漏電ブレーカに係止させ一体化させる感震リレーシステム。
【請求項2】
感震リレーと漏電ブレーカが共にテストボタンを備え、
感震リレーのテストボタンは感震リレーがブレーカに遮断信号を送信できるか否かをテストするために使用できる請求項1に記載の感震リレーシステム。
【請求項3】
前記開閉部は、系統電源が接続される一次側端子部と、負荷が接続される二次側端子部と、を備え、
前記開閉部の前記二次側端子部に接続した電源部が前記判定部に電源を供給する請求項1又は2に記載の感震リレーシステム。
【請求項4】
前記表示部は、前記開閉部の動作信号を表示可能とした請求項1乃至3の何れかに記載の感震リレーシステム。
【請求項5】
前記感震リレーの給電状態を示す電源表示と、後復帰操作時に前記記憶部の前記遮断信号出力情報の有無を表示する動作表示とを1つの前記表示部で表示する請求項1乃至の何れかに記載の感震リレーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震を検出することが可能な感震リレーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、地震を検出することが可能な感震リレーを用いて、地震検出時にブレーカを遮断させることは知られている。この感震リレーには、感震リレー自体が動作していることを示す表示や、地震発生後の所定の時間だけ表示される警告表示を行えるものがある。このような感震リレーは、地震発生から所定時間経過後にブレーカなどの配電機器に遮断信号を送信し、配電機器を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−177660号公報
【0004】
しかしながら、従来の技術では、感震リレーにより配電機器を遮断させても、復帰操作した際に、ブレーカの遮断要因を把握することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、復帰操作した際に、開閉部の遮断要因を把握できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、次のような手段を採用する。第一の手段は、電路開閉機構を備える開閉部と、地震の加速度、または、震度を検出する検出部と、検出部で所定以上の加速度、または、震度を検出時に開閉部に遮断信号を出力する判定部と、開閉部への遮断信号出力情報を記憶させる記憶部と、開閉部が遮断された後、開閉部の復帰操作時に記憶部の遮断信号出力情報の有無を表示する表示部と、を備えた感震リレーシステムである。
【0007】
第一の手段において、開閉部は、系統電源が接続される一次側端子部と、負荷が接続される二次側端子部と、を備え、開閉部の二次側端子部に接続した電源部が判定部に電源を供給する構成とすることが好ましい。
【0008】
第一の手段において、表示部は、開閉部の動作信号を表示可能とした構成とすることが好ましい。
【0009】
第一の手段において、感震リレーの給電状態を示す電源表示と、後復帰操作時に記憶部の遮断信号出力情報の有無を表示する動作表示とを1つの表示部で表示する構成とすることが好ましい。
【0010】
第一の手段において、開閉部、検出部、判定部、記憶部、表示部を同一筺体に収納した構成とすることが好ましい。
【0011】
第一の手段において、検出部、判定部、記憶部、表示部を同一筐体に形成した感震リレーと、開閉部であるブレーカと、からなる構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、復帰操作した際に、開閉部の遮断要因を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の感震リレーシステムのブロック図である。
図2】感震リレー及び漏電ブレーカを組み合わせた感震リレーシステムの斜視図である。
図3】感震リレー及び漏電ブレーカを組み合わせた感震リレーシステムの正面図である。
図4】感震リレーシステムが組み込まれた分電盤の正面図である。
図5】機械的表示手段の斜視図である。
図6】機械的表示手段の内部構造の概略図である。ただし、コイルへの通電によりプランジャを移動させる力が発生した状態を表している。
図7】機械的表示手段の内部構造の概略図である。ただし、コイルへの通電停止後に、表示保持部により表示部の移動が抑制された状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1に示すように、本実施形態の感震リレーシステム1は、電路開閉機構23を備える開閉部2と、地震の加速度、または、震度を検出する検出部31と、を備えている。また、検出部31で所定以上の加速度や震度を検出時に開閉部2に遮断信号を出力する判定部32と、開閉部2への遮断信号出力情報を記憶させる記憶部33と、開閉部2が遮断された後、開閉部2の復帰操作時に記憶部33の遮断信号出力情報の有無を表示する表示部34と、を備えている。したがって、復帰操作した後であっても、表示部34を確認すれば、判定部32の動作に起因して開閉部2が動作したか否かを把握することができる。
【0015】
本実施形態の開閉部2は、系統電源が接続される一次側端子部28と、負荷が接続される二次側端子部29と、を備えている。また、開閉部2の二次側端子部29に接続した電源部38が判定部32に電源を供給する構成となっている。このような構成であると、開閉部2が未動作の場合は、各機構部への動作への給電が行われない状態となるため、開閉部2が動作していないことを把握することが可能となる。なお、本実施形態では、二次側端子部29と、電源部38と接続されている電源端子43と、の間に電源線44が介在している。
【0016】
本実施形態の感震リレーシステム1は、図1乃至図3から理解されるように、感震リレー3、及び開閉部2からなる。また、本実施形態の開閉部2はブレーカである。本実施形態の感震リレーシステム1は、検出部31、判定部32、記憶部33、表示部34を同一筐体に形成した感震リレー3とブレーカとからなる構成であるため、既存のブレーカへ感震リレー3を取り付けるだけで利用することが可能となる。また、本実施形態では、図4に示すように、感震リレーシステム1を分電盤9に組み込んでいる。また、感震リレーシステム1を分電盤9の主幹ブレーカに接続しており、加速度及び/又は震度を検出した場合に、接続する負荷全体を遮断することを可能としている。なお、感震リレーシステム1は分岐ブレーカの一部に接続するものであっても良い。
【0017】
本実施形態では、検出部31として機能する感震センサ312により加速度が検出可能に構成されている。また、検出部31として機能する受信部311により震度が検出可能に構成されている。
【0018】
本実施形態の感震リレー3は、感震リレー3の前面に、リセットボタン35、テストボタン36及び表示部34、を備えている。このリセットボタン35は、地震及び/又は加速度を検出した後、自動遮断するまでの間に操作すると、表示部34の状態及び記憶部33の情報をリセットすることができる。また、テストボタン36は、感震リレー3がブレーカに遮断信号を送信できるか否かをテストするために使用されるボタンである。なお、本実施形態の感震リレー3は、遮断時間を変更可能な設定部37を備えている。本実施形態では、この設定部37は多段階に切替可能となっており、選択した設定により、地震及び/又は加速度を検出してから、遮断操作をするまでの時間を定めることができる。また、本実施形態の表示部34には、警報を発するために使用されるスピーカ42が備えられている。
【0019】
本実施形態の表示部34は、感震リレー3自体への給電を表示する「電源表示」、感震リレー3で地震を検出し所定時間の間に警報出力する「警報表示」、感震リレー3の復電時に判定部32より遮断信号を出力した旨の遮断信号出力情報が記憶部33に記憶されている場合に表示を行う「動作表示」をすることができる。これらの表示それぞれと一対一対応するように表示部34を三つ設ける構成とすることも可能であるが、感震リレー3の給電状態を示す電源表示と、後復帰操作時に記憶部33の遮断信号出力情報の有無を表示する動作表示とを1つの表示部34で表示する構成とすれば、複数の表示部34を設ける必要がなくなり、すっきりとした外観にすることができる。
【0020】
本実施形態では、電源表示、動作表示、警報表示は1つの表示部34で行い、記憶部33の情報からLEDで状態に応じて発行色を変更する。例えば電源表示では緑色の表示、警報表示では赤色、動作表示では橙色である。なお、本実施形態では、動作表示は復帰操作後の所定時間のみ表示し、その後電源表示に切り替わる。このように、状況に合わせて表示を変える構成であるため、利用者が動作状況を把握することが可能となる。なお、このような実施形態に限ることは無く、複数の表示部34を設ける構成とすることも可能である。
【0021】
本実施形態では、感震リレー3はブレーカ側面に隣接配置している。より詳しくは、感震リレー3のケース53側面にフックを設けてブレーカのベース部に係止した後、ブレーカのカバー部で係止し一体化することで、感震リレー3をブレーカ側面に隣接配置している。なお、感震リレー3はブレーカのケース53内に着脱する形態としても良い。
【0022】
本実施形態の感震リレーシステム1では、ブレーカの表示部(漏電表示ボタン27)と感震リレー3の表示部34は、分電盤9の中扉又は保護カバー45と隣接するように配置されている。本実施形態では、このブレーカの表示部と感震リレー3の表示部34をブレーカのハンドル設置面と略同一高さに形成しているため、すっきりとした外観にすることができる。
【0023】
本実施形態のブレーカは、漏電ブレーカ21であり、内部には、電路開閉機構23をトリップ動作させる引外し装置24を備えている。このブレーカは、内部のZCTで漏電検出した場合に、引外し装置24に信号を受けてコイルが励磁されることでプランジャが動作し、ブレーカ内の電路開閉機構23を動作させ漏電ブレーカ21を遮断させる。感震リレー3が動作したときは、出力部39を介して遮断信号が引外し装置24に送られて漏電ブレーカ21が動作する。なお、本実施形態のブレーカは感震リレー3と同じようにテストボタン26を備えている。
【0024】
引外し装置24は、可動鉄心を作動させる電磁ソレノイド、アーマチュアの先端に組み込まれたトリガレバー等からなる。電磁ソレノイドには外部リード線が接続されており、外部からトリップ指令を与えると引外し装置24の電磁ソレノイドが励磁され、アーマチュアを引き寄せる。これによりトリガレバーが動いて電路開閉機構23の係止を解除し、トリップ動作が行われる。なお、電路開閉機構23を開放させる方法としては、遮断信号が送信されたときブレーカの回路中に擬似漏電を流し、引外し装置24を動作させるものでも良い。
【0025】
本実施形態の漏電ブレーカ21には漏電表示ボタン27が形成されている。漏電が検出して遮断した場合には、表面部から漏電表示ボタン27が突出するように構成されているため、漏電で遮断したことが把握できる。この漏電表示ボタン27は感震リレー3から遮断信号が送信されて遮断された場合でも表面部から突出する。そのため、漏電ブレーカ21だけでは遮断原因が正確に把握できない。したがって感震リレー3での表示が必要となるが、本実施形態では、感震リレー3の表示部34で復帰動作後に遮断原因を確認することが可能となる。
【0026】
本実施形態では、感震リレー3の表示部34、漏電ブレーカ21の表示部34が各々形成されている。表1に示すように、地震検出時、漏電検出時、過電流検出時の各々の状況により表示部34の状態が異なるため、漏電ブレーカ21の遮断時の表示部34、漏電ブレーカ21投入後の感震リレー3の表示部34の状態を確認することで、漏電ブレーカ21の正確な遮断原因を把握することが可能となる。
【0027】
【表1】
【0028】
なお、上記した実施形態では、表示部34はLEDを使用するものとしたが、機械的に表示するものでも良い。例えば、判定部32により地震を検出し、遮断信号を送信したときにボタンが状態を表示する構成とすることも可能である。より詳しくは、機械的表示手段として、図5及び6に示すように、先端が色づけされた鉄芯のプランジャ52と、このプランジャ52が挿入されるケース53と、コイル54とを備えた構成とすることができる。この機械的表示手段では、加速度及び/又は地震情報が入力された際に、感震リレー3内の判定部32から出力がなされることにより、コイル54に電流が流れると、図6に示すように、プランジャ52が吸引、または押し出されてプランジャ52の色づけされた先端の位置が移動して表示が切り替わる。コイル54への通電が停止すると、プランジャ52は元に戻ろうとするが、永久磁石55やロック部等を備えた表示保持部56を用いて表示状態を維持させることで、図7に示すように、通電により移動した状態を保持することが可能となる。このような構成であれば、感震リレー3自体に電源が供給されていない場合でも、感震リレー3の動作を把握することができる。
【0029】
また、上記した例とは異なり、漏電ブレーカ21内に感震リレー3を搭載した、すなわち開閉部2、検出部31、判定部32、記憶部33、表示部34を同一筺体に収納した構成とすることも可能である。この場合、1つの機器内に搭載されることになるため、機器自体をコンパクトにすることが可能となる。また、表示部34が1つの機器で表示されるので、漏電ブレーカ21の要因で遮断したのか、感震リレー3の要因で遮断したのかを判断し易くすることができる。また、そのため、表示部も1つの表示部で全ての要因を判定したのち表示することが可能となる。例えば、表示部が開閉部2の動作信号を表示可能とすれば、漏電や過電流など、開閉部2自体の要因で遮断したことを把握することが可能となる。
【0030】
以上、一つの実施形態を中心に、いくつかの実施形態を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、ブレーカからの漏電を検出した場合に、感震リレーに情報を送信し、感震リレー上の表示部で表示する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 感震リレーシステム
2 開閉部
3 感震リレー
23 電路開閉機構
28 一次側端子部
29 二次側端子部
31 検出部
32 判定部
33 記憶部
34 表示部
38 電源部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7