特許第6976690号(P6976690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6976690発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置、及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976690
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置、及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20211125BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20211125BHJP
   B29C 48/025 20190101ALI20211125BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20211125BHJP
   C08J 9/18 20060101ALN20211125BHJP
【FI】
   B29B9/06
   B29C44/00 E
   B29C48/025
   B29C48/25
   !C08J9/18CER
   !C08J9/18CEZ
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-21402(P2017-21402)
(22)【出願日】2017年2月8日
(65)【公開番号】特開2018-126933(P2018-126933A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2019年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】丸橋 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 香屋子
【審査官】 山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−207093(JP,A)
【文献】 特開2001−116194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00− 7/94
B29B 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を有するダイを備え、前記ダイを通して、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂を押出し造粒する発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置であって、
前記ダイの上流側に連結され、前記溶融樹脂の前記ダイへの移送、及び外部への排出を切替える切替弁を備え、
前記切替弁により外部へ排出される溶融樹脂を溶融状態で装置を運転する空間とは別の空間へ隔離するための配管が設けられていることを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
【請求項2】
前記配管は、前記配管の温度を制御する温度調節機構を備える、請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
【請求項3】
前記配管の温度が、溶融樹脂のガラス転移温度+50℃〜溶融樹脂のガラス転移温度+160℃の範囲内である、請求項1または2に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
【請求項4】
ダイを通して発泡剤および熱可塑性樹脂を含む溶融樹脂を押出す押出工程を含む、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、
前記押出工程前に、切替弁により、溶融樹脂を外部へ排出する排出工程と、
外部へ排出された溶融樹脂を溶融状態で前記樹脂粒子を製造する空間とは別の空間へ隔離する隔離工程と、を含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
【請求項5】
前記隔離工程では、前記溶融樹脂を、配管を介して、前記別の空間へ隔離することを特徴とする請求項4に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
【請求項6】
前記隔離工程では、前記配管の温度が前記溶融樹脂のガラス転移温度+50℃〜前記溶融樹脂のガラス転移温度+160℃の範囲内に維持された状態で、前記溶融樹脂を前記別の空間へ隔離することを特徴とする請求項5に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置、及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡性熱可塑性樹脂粒子を用いて得られる熱可塑性樹脂発泡成形体は、軽量性、断熱性、及び緩衝性などを有するバランスに優れた発泡体であり、従来から食品容器箱、保冷箱、緩衝材、及び住宅等の断熱材として広く利用されている。
【0003】
特許文献1には、樹脂供給装置内でポリスチレン系樹脂に発泡剤を添加、混練し、発泡剤含有溶融樹脂を樹脂供給装置先端に取り付けたダイから冷却用液体中に押出すと同時に、押出物を切断し液体中で冷却固化することにより発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2,3には、押出機から排出される溶融樹脂を搬送する技術が開示されている。具体的には、特許文献2,3には、スクリュ式押出機運転初期の、物性あるいは性状が定常状態に安定しない溶融樹脂を、ダイバータバルブにより外部に排出し、排出した高温の樹脂を切断、冷却固化して搬送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-077114号公報
【特許文献2】特開2007-181949号公報
【特許文献3】特開2008-296467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水中切断装置が連結されたスクリュ式押出機を用いた造粒技術では、立ち上げ処理前の溶融樹脂等、性質が安定しない溶融樹脂をダイバータバルブにより排出するが、排出される溶融樹脂は高温であるために、その取り扱いが危険であることが課題となる。この課題解決のために、特許文献2及び3に開示された技術では、ダイバータバルブの排出口から外部へ排出された高温の溶融樹脂を切断後、外部に露出した状態で冷却水により固化した固化物を外部に搬送することによって、高温の溶融樹脂を安全に取り扱っている。
【0007】
ところで、特許文献1に記載されたような発泡剤を含むポリスチレン系溶融樹脂は、ダイバータバルブの排出口から外部へ排出されると、溶融樹脂中に溶解されていた発泡剤が発散し、可燃性ガスが装置周辺に充満する危険がある。このため、発泡剤を含むポリスチレン系樹脂をダイバータバルブから排出する場合、特許文献2及び3に記載の技術では、可燃性ガスの発生を阻止することはできない。また、当該溶融樹脂がダイバータバルブから外部に排出されると嵩高い発泡体になるため、排出量が膨大になってくると搬送作業の負荷が大きくなることが懸念される。
【0008】
本発明の一態様は、ダイバータバルブから排出される発泡剤含有溶融樹脂を安全に隔離できる搬送手段を備えた発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置、及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置は、複数の孔を有するダイを備え、前記ダイを通して、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂を押出し造粒する発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置であって、前記ダイの上流側に連結され、前記溶融樹脂の前記ダイへの移送、及び外部への排出を切替える切替弁を備え、前記切替弁により外部へ排出される溶融樹脂を、溶融状態で装置を運転する空間とは別の空間へ隔離するための配管が設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、ダイを通して発泡剤および熱可塑性樹脂を含む溶融樹脂を押出す押出工程を含む、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、前記押出工程前に、切替弁により、溶融樹脂を外部へ排出する排出工程と、外部へ排出された溶融樹脂を、溶融状態で前記樹脂粒子を製造する空間とは別の空間へ隔離する隔離工程と、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、発泡性熱可塑性樹脂粒子を安全に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置100の概略構成を示す図である。
図2】排出工程及び押出工程におけるダイバータバルブ22の様子を示す断面図であり、(a)は、排出工程でのダイバータバルブ22の様子を示し、(b)は、押出工程でのダイバータバルブ22の様子を示す。
図3】配管23内を流れる溶融樹脂Pの温度を制御する温度調節機構24の概略構成を模式的に示した図である。
図4】本発明の実施形態2に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置100Aの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置>
以下、本発明の実施の一形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置100の概略構成を示す図である。製造装置100は、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂(以下、単に溶融樹脂と呼ぶ場合がある)を押出し、水中にてカットすることにより発泡性熱可塑性樹脂粒子を造粒するための装置である。
【0014】
図1に示されるように、製造装置100は、溶融樹脂を押出すための押出機10と、ダイ20と、ダイホルダ21と、カッター3と、カッティングチャンバー4と、管路5と、送水ポンプ6と、水槽7と、脱水処理部8と、容器9と、を備えている。
【0015】
押出機10の溶融樹脂の押出方向の下流側には、ダイホルダ21及びダイ20が設けられている。ダイホルダ21及びダイ20のうち、ダイ20は、最も下流側に設けられている。ダイ20は、押出機10から押出された溶融樹脂が吐出される樹脂吐出面20aを有する。そして、ダイホルダ21は、ダイ20を保持する部材であり、ダイバータバルブ22(切替弁)を備えている。すなわち、ダイ20の上流側に、ダイバータバルブ22が設けられている。また、ダイ20における押出機10と反対側には、カッティングチャンバー4が設けられている。なお、製造装置100において、溶融樹脂は、押出機10による押出しにより、ダイ20へ向けて流れることになる。このような溶融樹脂の流れから、押出機10及びダイ20において、溶融樹脂が吐出される側を、下流側とし、その反対側を上流側としている。また、上流側から下流側へ向かう溶融樹脂の流れ方向(溶融樹脂の押出方向)に対して垂直な方向を側方としている。
【0016】
押出機10には、熱可塑性樹脂を供給するためのホッパー11、及び発泡剤を供給するための発泡剤供給管12が設けられている。発泡剤供給管12は、図示しない発泡剤貯蔵部に接続されている。そして、高圧ポンプ13により、発泡剤貯蔵部にて貯蔵されている発泡剤が発泡剤供給管12を介して押出機10へ供給される。なお、図1では、ホッパー11は、熱可塑性樹脂を供給するために1つ設けられているが、ホッパー11の数は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の原料の特性、種類、数等に応じて適宜設定することができる。また、発泡剤供給管12は、押出機10に接続されているが、押出機10以外の部材に接続されていてもよい。
【0017】
カッティングチャンバー4には、管路5が接続されている。そして、管路5の一端は、送水ポンプ6を介して水槽7に接続されている。一方、管路5の他端には、脱水処理部8が設けられている。製造装置100では、送水ポンプ6の駆動により、水槽7内の水が、カッティングチャンバー4へ供給され、カッティングチャンバー4から脱水処理部8に流れ込むようになっている。
【0018】
カッティングチャンバー4は、ダイ20の樹脂吐出面20aに水槽7からの水流を接触させるためのチャンバーである。カッティングチャンバー4には、カッター3が収容されている。カッター3は、ダイ20の樹脂吐出面20aに設けられたダイ孔(図2参照)から吐出される溶融樹脂を切断し粒子化するための部材である。
【0019】
製造装置100では、ホッパー11を介して供給された熱可塑性樹脂等の原料は、押出機10内にて溶融混練される。そして、この溶融混練物は、ダイ20側へ移送されつつ、発泡剤供給管12から高圧ポンプ13により発泡剤が混合される。そして、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂は、さらに混練されながら移動しダイ20のダイ孔から押出される。そして、溶融樹脂は、ダイ20の樹脂吐出面20aのダイ孔から吐出されると、カッター3により粒状に切断され造粒されると同時に、カッティングチャンバー4内を循環する水と接触して急冷される。
【0020】
このように造粒された発泡性熱可塑性樹脂粒子は、カッティングチャンバー4から循環水の流れに乗って管路5を通過し脱水処理部8へ運ばれる。そして、脱水処理部8にて、循環水と分離されるとともに、脱水乾燥される。乾燥された発泡性熱可塑性樹脂粒子は、容器9にて貯留される。
【0021】
押出機10は、造粒する樹脂の種類等に応じて、従来公知の押出機から適宜選択して使用することができ、例えばスクリュを用いた押出機が挙げられる。スクリュを用いた押出機としては、例えば、単軸押出機や二軸押出機を採用することが可能であり、二軸押出機を採用する場合のスクリュ回転方向は、同方向であっても異方向であっても構わない。また、押出機10は2つ以上を設けられていてもよい。例えば押出機10が2つ設けられている場合は、2つの押出機10を直列に連結したタンデム型の構成を採用することが可能である。
【0022】
押出機10が1つ設けられている場合、溶融樹脂の滞留時間を短時間に抑え易く、樹脂の劣化を抑制し易いというメリットがある。一方、押出機10が2つ以上設けられている場合、樹脂と他の添加剤等とをより均一に混合し易いというメリットがある。このようなことを考慮し、押出機10の構成を決定することができる。
【0023】
ここで、ダイバータバルブ22は、押出機10により溶融混練された溶融樹脂のダイ20への移送、及び外部への排出を切り替える切替弁である。押出機10にて溶融混練された溶融樹脂の物性または性状が定常状態に安定しない場合、製造装置100各部の温度が定常状態に安定しない場合、さらにはカッティング不良やダイス孔閉塞などの理由で造粒を一時的に停止する場合には、溶融樹脂は、ダイ20へ供給されることなく、ダイバータバルブ22により外部へ排出される。そして、溶融樹脂の物性または性状および製造装置100各部の温度が定常状態に安定した場合、または、カッティング不良やダイス孔閉塞を解消して造粒を再開させる場合には、溶融樹脂は、ダイバータバルブ22によりダイ20へ供給される。なお、カッティング不良は、カッティングチャンバー4およびカッター3を清掃することにより解消される。以下、溶融樹脂がダイバータバルブ22により外部へ排出されている段階を排出工程とし、溶融樹脂がダイバータバルブ22によりダイ20へ供給されている段階を押出工程とする。
【0024】
押出機10とダイバータバルブ22との間には必要に応じてギアポンプやスクリーンチェンジャー、スタティックミキサー、スタティッククーラーなどの設備があっても良い。
【0025】
図2は、排出工程及び押出工程におけるダイバータバルブ22の様子を示す断面図であり、図2の(a)は、排出工程でのダイバータバルブ22の様子を示し、図2の(b)は、押出工程でのダイバータバルブ22の様子を示す。ダイホルダ21は、押出機10の下流側に固定されている。また、ダイホルダ21における押出機10と反対側の部分にはダイ20が固定されている。そして、ダイホルダ21に備えられたダイバータバルブ22は、側方に可動するように構成されている。
【0026】
図2の(a)及び(b)に示されるように、ダイホルダ21は、押出機10のシリンダ部分に連通して設けられており、上流側から下流側へ向かって延びる上流側流路21a、及び下流側流路21bが形成されている。また、ダイバータバルブ22は、上流側から下流側に貫通する第1流路22aと、上流側から側方へ延びダイホルダ21の側面へ抜ける第2流路22bと、を有する。そして、ダイホルダ21では、ダイバータバルブ22の側方の移動に応じて、上流側流路21aと第2流路22bとが接続する構成(図2の(a))、及び上流側流路21aと下流側流路21bとが第1流路22aによって中継される構成(図2の(b))とに切り替わるようになっている。
【0027】
図2の(a)に示された排出工程では、上流側流路21aと第2流路22bとが接続することにより、溶融樹脂Pの下流側流路21bへの流れが遮断され、溶融樹脂Pが第2流路22bを介して外部へ排出される。一方、図2の(b)に示された押出工程では、上流側流路21aと下流側流路21bとが第1流路22aによって中継されることにより、溶融樹脂Pは、下流側流路21bを介して、ダイ20へ移送される。
【0028】
ダイ20は、その上流側の部分に、下流側流路21bと連通する流路20bが設けられている。また、流路20b内には、上流側へ突出した円錐状凸部20cが、流路20bの側壁と間隔を開けて形成されている。また、ダイ20の下流側には、複数の樹脂流路20dが設けられている。樹脂流路20dは、流路20bに連通するとともに、樹脂吐出面20aのダイ孔20eまで延びる流路であり、樹脂吐出面20aに対して直交する方向に延在する。また、樹脂流路20dは、ダイ20の中心軸線を中心とした円周に沿って、一定の間隔で配置されている。ダイ20は、特に限定されないが、例えば、ダイ孔20eが直径0.3mm〜2.0mm、望ましくは0.4mm〜1.0mmであるものが挙げられる。
【0029】
押出工程では、図2の(b)に示されるように、下流側流路21bを通過した溶融樹脂Pは、流路20bにおいて円錐状凸部20cの周面に沿って流れる。そして、複数の樹脂流路20dを通過し、樹脂吐出面20aに形成されたダイ孔20eから吐出される。
【0030】
製造装置100では、排出工程においては、図2の(a)に示されるように、ダイバータバルブ22を移動させることにより上流側流路21aと第2流路22bとを接続させる。そして、第2流路22bを介して、溶融樹脂Pを外部に排出する。
【0031】
ここで、外部に排出される溶融樹脂Pは、主に発泡剤を含む熱可塑性溶融樹脂である。このため、ダイバータバルブの排出口から外部へ排出されると、溶融樹脂Pは、発泡体となり可燃性ガスが発生する。そこで、本実施形態に係る製造装置100では、ダイバータバルブ22の第2流路22bの出口に着脱可能に接続する配管23が設けられている。この配管23は、図1に示されるように、製造装置100が設置された空間Aと別の空間Bまで延びており、溶融樹脂を空間Aから空間Bへ溶融状態で隔離するための配管である。また、図2の(b)に示された構成では、押出工程において、配管23は、排出工程と同様に、ダイバータバルブ22の第2流路22bの出口に接続されている。しかし、押出工程における配管23及び第2流路22bの構成は、図2の(b)に示された構成に限定されない。配管23は、押出工程において、第2流路22bと接続していなくてもよい。
【0032】
排出工程では、配管23は、ダイバータバルブ22の第2流路22bに接続されている(図2の(a))。このため、第2流路22bから排出された溶融樹脂Pは、外部に露出することなく配管23を通過して、製造装置100を運転する空間Aとは別の空間Bに溶融状態で隔離される。それゆえ、本実施形態によれば、ダイバータバルブ22により製造装置100外へ排出される溶融樹脂Pを溶融状態のまま空間Aとは別の空間Bへ隔離することができる。このように可燃性ガスが発生しやすい溶融状態である溶融樹脂Pを外部に露出することなく隔離できるので、製造装置100を運転する可燃性ガスの着火源となりうる電気機器が多数設置されている空間A内の可燃性ガスの充満を回避することができる。したがって、空間Bでは製造装置100を運転していないため、着火源対策や換気措置をとりやすいため、安全に発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【0033】
図3に示されるように、配管23は、配管23の温度を制御する温度調節機構24を備えている。図3では配管23全体に温度調節機構24が備えられているが、配管23を流れる溶融樹脂が固化して配管づまりを発生しない程度であれば、部分的に温度調節機構24が備えられる形態であってもよい。温度調節機構24は、配管23の温度を測定する温度測定部25と、配管23を一定の温度範囲に維持するために加熱する温調加熱部26と、を備えている。
【0034】
温度調節機構24を用いた温度調節では、温調加熱部26により加熱された配管23の温度を温度測定部25により測定する。そして、配管23の温度が一定の温度範囲の下限未満になった場合、配管23の温度が高くなるように、温調加熱部26の動作を制御する。また、配管23の温度が一定の温度範囲の上限を超えた場合、配管23の温度が低くなるように、温調加熱部26の動作を制御する。
【0035】
なお、配管23の温度を安定化するために、配管23の周囲に、断熱性シートや保温性シートが巻き付けられていてもよい。
【0036】
また、温調加熱部26は、配管の温度調節に使用される公知の構成を適用することができる。例えば、電気ヒーター等の加熱器により配管23を加熱する構成、または蒸気もしくは熱オイルといった熱媒体を配管23の周囲に循環させる構成等が挙げられる。
【0037】
具体的には、配管23は、その外周全体にジャケットが取りつけられていることが好ましい。ジャケットには、熱媒体の循環ラインが接続され、この循環ラインを介して熱媒オイルまたは蒸気の温度制御機構に接続されている。温度制御機構は、配管23に設けた温度測定部25により測定された配管23の温度に基づいて熱媒オイル又は蒸気の温度を制御することができる。ジャケット内に温度制御された熱媒オイル又は蒸気が循環することで、配管23を一定の温度に制御することができる。配管23を加熱する熱媒オイルまたは蒸気の温度調節は、PI制御、又はPID制御で行うことが好ましい。
【0038】
また、配管23の温度制御は、アルミ鋳塊中にシーズヒータを鋳込んだアルミ鋳込みヒータとヒータの温度を制御する温度制御機構とを一体化した温度制御型のアルミ鋳込みヒータによって行なうこともできる。熱媒オイルヒータと同様に、アルミ鋳込みヒータで加熱しても、アルミの熱伝導の良さにより、配管23を一定の温度に制御することができる。
【0039】
また、温度調節機構24は、配管23の温度が、溶融樹脂Pのガラス転移温度+50℃〜溶融樹脂Pのガラス転移温度+160℃の範囲内、好ましくはガラス転移温度+70℃〜ガラス転移温度+140℃の範囲内、より好ましくはガラス転移温度+90℃〜ガラス転移温度+120℃の範囲内になるように温度制御する。このような温度範囲で配管23の温度が制御されることにより、配管23を通過する溶融樹脂Pは、確実に溶融状態となり、空間Aから空間Bへ円滑に溶融樹脂Pを隔離することができる。
【0040】
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の原料>
本実施形態において、発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造するための原料として、熱可塑性樹脂及び発泡剤の他に、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。例えば、難燃剤、熱安定剤、ラジカル発生剤、加工助剤、耐候性安定剤、造核剤、発泡助剤、帯電防止剤、輻射伝熱抑制剤、及び、着色剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0041】
また、本実施形態で用いられる熱可塑性樹脂は、公知の熱可塑性樹脂を含有することができ、例えば、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(耐熱PS)、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(HIPS)、N−フェニルマレイミド−スチレン−無水マレイン酸の三次元共重合体及び、それとASとのアロイ(IP)などのスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、シクロオレフィン系(共)重合体などのポリオレフィン系樹脂及びこれらに分岐構造、架橋構造を導入してレオロジーコントロールされたポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXDナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネートなどのポリエステル系樹脂、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE)、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などのエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも、安価で、且つ、発泡成形が容易であるので、スチレン系樹脂が好ましい。
【0042】
本実施形態で用いられる発泡剤は、公知の発泡剤を使用できるが、炭化水素系発泡剤が好ましい。高発泡化しやすい観点から、炭素数4〜5の炭化水素がより好ましく、例えば、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタンが挙げられる。これらは一種のみを使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
<発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法>
本実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法は、ダイを通して熱可塑性樹脂を含む溶融樹脂を押出す押出工程を含み、前記押出工程前に、ダイバータバルブにより、溶融樹脂を外部へ排出する排出工程と、外部へ排出された溶融樹脂を、溶融状態で前記樹脂粒子を製造する空間とは別の空間へ隔離する隔離工程と、を含む方法であれば、特に限定されない。例えば、上述した製造装置100を用いた製造方法が挙げられる。以下、図1及び図2を参照して、製造装置100を用いた、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法について説明する。
【0044】
まず、本実施形態に係る製造方法においては、ホッパー11から熱可塑性樹脂を押出機10に投入し、例えば、100℃以上、300℃以下の樹脂温度で溶融する。熱可塑性樹脂の分解抑制の観点からは、110℃以上、250℃以下の樹脂温度で熱可塑性樹脂を溶融することが好ましい。なお、製造される発泡性熱可塑性樹脂粒子の種類・特性等に応じて、上述した熱可塑性樹脂以外の他の添加剤を押出機10に投入してもよい。この場合、他の添加剤をあらかじめ熱可塑性樹脂とブレンドしたものを押出機10に投入することにより、熱可塑性樹脂と同時に添加することができる。あるいは、押出機10に熱可塑性樹脂を投入するホッパー11とは別の添加口を設けておき、この添加口から他の添加剤を押出機10に投入してもよい。
【0045】
また、2機の押出機10を用いたタンデム型の構成を採用する場合、単軸押出機−単軸押出機、二軸押出機−単軸押出機の構成を採用することが好ましく、上流側に二軸押出機を採用した二軸押出機−単軸押出機の構成がより好ましい。この場合、押出機10への原料供給が安定し、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、他の添加剤が均等に分散され易く、得られる熱可塑性樹脂型内発泡成形体の難燃性が安定かつ高度に発現し、1つの熱可塑性樹脂型内発泡成形体から切り出した試験片ごとの難燃レベルも安定したものとなり易い。
【0046】
次いで、高圧ポンプ13により発泡剤供給管12から発泡剤を押出機10に添加する。
【0047】
このように押出機10内にて、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂Pを溶融混練した後、溶融樹脂Pを、ダイ20を通して押出すことになる(押出工程)。本実施形態に係る製造方法では、例えば実際に押出工程を実施する前に、ダイバータバルブ22により溶融樹脂Pを外部へ排出する(排出工程)。排出工程では、押出機10による押出し動作を実施し溶融混練を行う。そして、第2流路22bを上流側流路21aに連通するようにダイバータバルブ22を操作して、得られた溶融樹脂Pを下流側流路21b側へ供給せずに装置外部へ排出する。
【0048】
本実施形態に係る製造方法では、溶融樹脂Pを、溶融状態で発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する空間Aとは別の空間Bへ隔離する隔離工程を実施する。配管23がダイバータバルブ22の第2流路22bに接続されている。それゆえ、隔離工程では、装置外部へ排出された溶融樹脂Pを、配管23を介して、製造装置100を運転する空間Aとは別の空間Bへ隔離する。隔離工程では、配管23の温度が溶融樹脂Pのガラス転移温度+50℃〜溶融樹脂Pのガラス転移温度+160℃の範囲内に維持された状態で、溶融樹脂Pを別の空間Bへ隔離することが好ましい。
【0049】
このように可燃性ガスが発生しやすい溶融状態である溶融樹脂Pを外部に露出することなく別の空間Bへ隔離できるので、製造装置100を運転する空間A内の可燃性ガスの充満を回避することができる。
【0050】
上記排出工程及び上記隔離工程は、例えば溶融樹脂Pの物性または性状および製造装置100各部の温度が定常状態に安定するまで実施される。また、上記排出工程及び上記隔離工程は、カッティング不良やダイス孔閉塞を解消するまで実施される。そして、溶融樹脂Pの物性または性状が定常状態に安定する、あるいはカッティング不良やダイス孔閉塞を解消された時点で、溶融樹脂Pを、ダイ20を通して押出す押出工程に移行する。
【0051】
より具体的には、製造装置100各部の温度、溶融樹脂Pの温度または圧力等を測定し、測定値の経時変動がなく安定化したときに排出工程及び隔離工程から押出工程へ移行する。また、原料の処方を切り替えてから所定時間経過後に、排出工程及び隔離工程から押出工程へ移行する。また、カッティングチャンバー4内の清掃やダイス孔の開通により造粒可能と判断されたときに排出工程及び隔離工程から押出工程へ移行する。
【0052】
押出工程では、まず、ダイバータバルブ22を操作して、第1流路22aを上流側流路21aと下流側流路21bとの間に配置し、溶融樹脂Pを樹脂流路20d側へ供給する。それに伴い、カッティングチャンバー4に水を導入し、かつ、カッター3を回転させる。
【0053】
ダイ20より押出される直前の溶融樹脂Pの温度は、発泡剤を含まない状態での熱可塑性樹脂の[ガラス転移温度+40℃]以上、[ガラス転移温度+100℃]以下、より望ましくは[ガラス転移温度+50℃]以上、[ガラス転移温度+70℃]以下であることが望ましい。このような温度であれば、ダイ孔20eが詰まりにくく、かつ所望の粒子形状の発泡性熱可塑性樹脂粒子が得られやすい。また、発泡性熱可塑性樹脂粒子が意図せず発泡してしまうこともなく、ダイ20から押出された溶融樹脂Pの粘度も適度なものとなり、溶融樹脂Pがカッター3に巻きつくこともなく、安定した発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造が可能となる。
【0054】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図4は、本実施形態に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置100Aの概略構成を示す図である。図4では、本実施形態に係る製造装置の特徴点を明確にするため、管路5、送水ポンプ6、水槽7、脱水処理部8、及び容器9を省略している。
【0055】
本実施形態に係る製造装置100Aは、押出機10Aとダイ20との間に混合冷却部30が配置された点が主に前記実施形態1と異なる。また、押出機10Aには、原料を供給するホッパー11が設けられており、発泡剤供給管12は設けられていない。なお、押出機10Aに発泡剤供給部を設けられることを除くものではない。
【0056】
製造装置100Aでは、押出機10Aの下流側にギアポンプ14、混合冷却部30の上流側にギアポンプ16が配置されている。そして、ギアポンプ14とギアポンプ16とを中継する継続配管15が配置されている。発泡剤供給管12及び高圧ポンプ13は、継続配管15に設けられている。それゆえ、製造装置100Aでは、溶融樹脂は、押出機10Aにて溶融混練された後、ギアポンプ14により継続配管15へ移送されたときに発泡剤供給管12から発泡剤が供給されることになる。
【0057】
本実施形態のように、発泡剤を押出機10Aの下流側に接続された継続配管15において添加する場合、添加した発泡剤が押出機10Aのホッパー11からバックフロー(ガス抜け)することなく、安定して熱可塑性樹脂中に含有される。その結果、得られる個々の発泡性熱可塑性樹脂粒子に含まれる発泡剤含有量のばらつきが低減する。
【0058】
そして、このように発泡剤が供給された溶融樹脂は、ギアポンプ16により混合冷却部30へ移送される。混合冷却部30は、上流側から下流側へ向けて、スタティックミキサー31、ギアポンプ32、スタティッククーラー33、及びギアポンプ34がこの順に配置された配管構成である。スタティックミキサー31は、溶融樹脂を均一混合するために有用である。また、スタティッククーラー33は、溶融樹脂を所定の温度に冷却するのに有用である。混合冷却部30では、スタティックミキサー31による混合機能とスタティッククーラー33による冷却機能により、溶融樹脂が混合冷却される。
【0059】
また、ギアポンプは、溶融樹脂の流れの圧力を維持する、あるいは適宜昇圧するために有用な部材である。本実施形態に係る製造装置100Aは、押出機10Aからダイ20へ向かう流路にギアポンプ14、16、32、及び34が設けられた構成であるので、流路中の溶融樹脂の圧力を維持し易く、安定した吐出量を実現することができる。
【0060】
本実施形態に係る製造装置100Aでは、押出機10Aとダイ20との間に混合冷却部30が配置されているので、押出機10Aからダイ20へ向かう流路中で、溶融混合された溶融樹脂を冷却することになる。
【0061】
このようなことから、押出機10Aとダイ20との間の流路における溶融樹脂の樹脂温度は、発泡剤を含まない状態での熱可塑性樹脂の[ガラス転移温度+40℃]以上、[ガラス転移温度+100℃]以下、より望ましくは[ガラス転移温度+50℃]以上、[ガラス転移温度+70℃]以下であることが望ましい。
【0062】
また、混合冷却部30において、スタティックミキサー31、及びスタティッククーラー33は、別々に設けられた構成であってもよく、一体化した構成であってもよい。例えば、スタティックミキサー31、スタティッククーラー33、またはスタティックミキサー31とスタティッククーラー33を一体化したものは、SULZER社、FLUITEC社、STAMIXCO社等から入手可能である。ギアポンプ14、16、32、及び34は、PSI−POLYMER SYSYTEM社、EXTRUSION AUXILIARY SERVICES社等から入手可能である。継続配管15は、各種添加剤等の添加口を設けるか設けないか、更には使用温度や圧力等を考慮し、容易に作製可能であり、前述の各社等、あるいは押出機メーカーに問い合わせれば、入手可能である。
【0063】
また、図4に示された構成では、混合冷却部30は、スタティックミキサー31及びスタティッククーラー33を備えた構成である。しかし、混合冷却部30の構成は、溶融樹脂を混合しつつ冷却することが可能であれば、特に限定されない。例えば、混合冷却部30は、単軸押出機を備えた構成であってもよい。
【0064】
また、図4に示された構成では、ダイホルダ21の上流側の部分がギアポンプ34の下流側の端部と接続しており、実施形態1同様の操作が実施される。
【0065】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0066】
本発明の態様1に係る製造装置は、複数の孔を有するダイを備え、前記ダイを通して、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂を押出し造粒する発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置であって、前記ダイの上流側に連結され、前記溶融樹脂の前記ダイへの移送、及び外部への排出を切替える切替弁を備え、前記切替弁により外部へ排出される溶融樹脂を、溶融状態で装置を運転する空間とは別の空間へ隔離するための配管が設けられている構成である。
【0067】
上記の構成によれば、切替弁により装置外へ排出される溶融樹脂を、外部に露出することなく、上記配管を通して、溶融状態のまま別の空間へ隔離することができる。このように可燃性ガスが発生しやすい溶融状態である溶融樹脂を外部に露出することなく隔離できるので、製造装置を運転する空間内の可燃性ガスの充満を回避することができる。したがって、上記の構成によれば、安全に発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【0068】
本発明の態様2に係る製造装置は、態様1において、前記配管は、前記配管の温度を制御する温度調節機構を備える構成であってもよい。これにより、効率的に溶融樹脂を溶融状態のまま別の空間に隔離することができる。
【0069】
本発明の態様3に係る製造装置は、態様1または2において、前記配管の温度が、溶融樹脂のガラス転移温度+50℃〜溶融樹脂のガラス転移温度+160℃の範囲内であってもよい。これにより、確実に溶融樹脂を溶融状態のまま別の空間に隔離することができる。
【0070】
本発明の態様4に係る製造方法は、ダイを通して発泡剤および熱可塑性樹脂を含む溶融樹脂を押出す押出工程を含む、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法であって、前記押出工程前に、切替弁により、溶融樹脂を外部へ排出する排出工程と、外部へ排出された溶融樹脂を、溶融状態で前記樹脂粒子を製造する空間とは別の空間へ隔離する隔離工程と、を含む構成である。これにより、熱可塑性樹脂及び発泡剤を含む溶融樹脂から安全に発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【0071】
本発明の態様5に係る製造方法は、態様4において、前記隔離工程では、前記溶融樹脂を、配管を介して、前記別の空間へ隔離してもよい。
【0072】
本発明の態様6に係る製造方法は、態様5において、前記隔離工程では、前記配管の温度が前記溶融樹脂のガラス転移温度+50℃〜前記溶融樹脂のガラス転移温度+160℃の範囲内に維持された状態で、前記溶融樹脂を前記別の空間へ隔離してもよい。
【符号の説明】
【0073】
10、10A 押出機
20 ダイ
22 ダイバータバルブ(切替弁)
23 配管
24 温度調節機構
100、100A 製造装置
A 空間(装置を運転する空間)
B 別の空間
図1
図2
図3
図4