(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
「電子機器」、「電子部品」、「モジュール」、「半導体装置」の記載について説明する。一般的に、「電子機器」とは、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット端末、電子書籍端末、ウェアラブル端末、AV機器(AV:Audio Visual)、電化製品、住宅設備機器、業務用設備機器、デジタルサイネージ、自動車、又は、システムを有する電気製品などをいう場合がある。また、「電子部品」、又は「モジュール」とは、電子機器が有するプロセッサ、記憶装置、センサ、バッテリ、表示装置、発光装置、インターフェース機器、RFタグ(RF:Radio Frequency)、受信装置、送信装置などをいう場合がある。また、「半導体装置」とは、半導体素子を用いた装置、又は、電子部品又はモジュールが有する、半導体素子を適用した駆動回路、制御回路、論理回路、信号生成回路、信号変換回路、電位レベル変換回路、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路、記憶回路、メモリセル、表示回路、表示画素などをいう場合がある。
【0030】
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0031】
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について説明する。
【0033】
図1(A)に、本発明の一態様の表示装置の外観の一例を示す。表示装置100は、表示素子として液晶素子、発光素子などのうち一種類を有する表示装置であり、表示素子は、表示部102に有する。
【0034】
表示装置100は、基材101上に表示部102と、ゲートドライバ103と、レベルシフタ104と、ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、を有する。表示部102と、ゲートドライバ103と、レベルシフタ104と、は、基材101上に形成されている。ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、は、ICチップなどの構成として、異方性導電接着剤、又は異方性導電フィルムなどを用いて、COG(Chip On Glass)方式などで、基材101上に実装されている。なお、その実装する様子は、
図1(B)に示している。そして、表示装置100は、外部からの信号などの入力手段として、FPC(Flexible Print Circuit)110と電気的に接続されている。なお、ソースドライバIC111、及び/又はコントローラIC112は、COG方式でなく、COF(Chip On Film)方式でFPC110などに実装されてもよい。
【0035】
加えて、基材101上には、各回路を電気的に接続するための配線131乃至配線134が形成されている。表示装置100において、コントローラIC112は、配線131を介して、FPC110と電気的に接続され、また、ソースドライバIC111は、配線132を介して、コントローラIC112と電気的に接続されている。表示部102は、配線133を介して、ソースドライバIC111と電気的に接続されている。レベルシフタ104は、配線134を介して、コントローラIC112と電気的に接続されている。
【0036】
ゲートドライバ103は、表示部102と電気的に接続され、レベルシフタ104は、ゲートドライバ103と電気的に接続されている。
【0037】
配線131とFPC110と、の接続部120には、異方性を有する導電性の接着剤などを有している。これによって、FPC110と配線131との間で電気的な導通が可能となる。
【0038】
ゲートドライバ103は、表示部102が有する複数の画素回路を選択する機能を有し、ソースドライバIC111は、表示部102が有する画素回路に対して画像データを送信する機能を有する。
【0039】
基材101上に形成されている表示部102と、ゲートドライバ103と、レベルシフタ104と、は、例えば、OSトランジスタを備えることで構成することができる。つまり、基材101上にOSトランジスタを形成する工程を行うことで、表示部102と、ゲートドライバ103と、レベルシフタ104と、を構成することができる。
【0040】
一方、基材101上に実装されているソースドライバIC111と、コントローラIC112と、は、例えば、Siトランジスタを備えることで構成することができる。Siトランジスタによって、ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、のそれぞれのICチップ(集積回路)を構成する場合、Siトランジスタを形成する基材は、例えば、Siウェハを用いるのが好適である。つまり、Siウェハ上にSiトランジスタを形成することによって、ソースドライバIC111と、又はコントローラIC112と、を構成することができる。
【0041】
ところで、コントローラIC112の詳細は実施の形態3で説明するが、コントローラIC112は、フレームメモリ、レジスタなどを有する。これらのような回路の場合、ロジックプロセスのSiトランジスタ(以後、ロジック用Siトランジスタと呼称する。)を適用して、構成するのが好適である。
【0042】
更に、フレームメモリ、レジスタなど、情報を保持する回路を構成する場合、該情報に相当する電位を保持するトランジスタは、オフ電流が非常に低い性質を有するOSトランジスタとするのが好適である。つまり、コントローラIC112は、ロジック用Siトランジスタと、OSトランジスタと、を備える構成であるのがより好適である。具体例としては、Siウェハ上にロジック用Siトランジスタを形成し、次に該ロジック用Siトランジスタ上に層間膜を形成し、当該層間膜上に、OSトランジスタを形成すればよい。
【0043】
ソースドライバIC111の詳細は実施の形態3で説明するが、ソースドライバIC111は、シフトレジスタ、レベルシフタ、デジタルアナログ変換回路、バッファなどを有する。これらのような回路の場合、ドライバIC向けのプロセス(高耐圧プロセス)のSiトランジスタ(以後、高耐圧用Siトランジスタと呼称する。)を適用して、構成するのが好適である。
【0044】
なお、高耐圧用Siトランジスタは、ロジック用Siトランジスタと比較して、熱処理への耐性が低い場合がある。そのため、高耐圧用Siトランジスタと、熱処理が必要なOSトランジスタと、を適用してソースドライバIC111を構成した場合、本来の性能を発揮することが困難な場合がある。そのため、ソースドライバIC111は、高耐圧用Siトランジスタのみで構成するのが好ましい。
【0045】
上述のとおり、OSトランジスタを形成した基材101上に、ロジック用Siトランジスタ、及びOSトランジスタを適用したコントローラIC112と、高耐圧用Siトランジスタを適用したソースドライバIC111と、を実装することによって、熱処理の耐性がそれぞれ異なる、ロジック用Siトランジスタと、高耐圧用Siトランジスタと、OSトランジスタと、を表示装置100に備えることができる。つまり、このような構成にすることによって、熱処理の条件の違いによるトランジスタ特性の劣化を防ぐことができ、トランジスタ特性の良好なロジック用Siトランジスタ、高耐圧用Siトランジスタ、OSトランジスタ、の全てを一つの装置に用いることができる。その結果、駆動性能が高い表示装置を実現することができる。
【0046】
また、
図1(A)の表示装置100と別の構成例の表示装置を
図2(A)に示す。表示装置100Aは、表示素子として反射素子と発光素子を有するハイブリッド表示装置であり、反射素子と、発光素子と、は表示部106に有する。
【0047】
表示装置100Aは、基材101上に表示部106と、ゲートドライバ103aと、ゲートドライバ103bと、レベルシフタ104aと、レベルシフタ104bと、ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、を有する。表示部106と、ゲートドライバ103aと、ゲートドライバ103bと、レベルシフタ104aと、レベルシフタ104bと、は、基材101上に形成されている。ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、は、ICチップなどの構成として、異方性導電接着剤、又は異方性導電フィルムなどを用いて、COG方式などによって、基材101上に実装されている。なお、その実装の様子は、
図2(B)に示している。そして、表示装置100Aは、外部からの信号などの入力手段として、FPC110と電気的に接続されている。なお、ソースドライバIC111、及び/又はコントローラIC112は、COG方式でなく、COF方式でFPC110などに実装されてもよい。
【0048】
加えて、基材101上には、各回路を電気的に接続するための配線131乃至配線135が形成されている。表示装置100において、コントローラIC112は、配線131を介して、FPC110と電気的に接続され、ソースドライバIC111は、配線132を介して、コントローラIC112と電気的に接続され、表示部106は、配線133を介して、ソースドライバIC111と電気的に接続されている。レベルシフタ104aは、配線135を介して、コントローラIC112と電気的に接続され、レベルシフタ104bは、配線134を介して、コントローラIC112と電気的に接続されている。
【0049】
配線131とFPC110と、の接続部120には、異方性を有する導電性の接着剤などを有している。これによって、FPC110と配線131との間で電気的な導通が可能となる。
【0050】
ゲートドライバ103aは、表示部106が有する反射素子又は発光素子の一方を選択する機能を有し、ゲートドライバ103bは、表示部106が有する反射素子又は発光素子の他方を選択する機能を有する。ソースドライバIC111は、表示部106が有する反射素子、及び/又は発光素子に対して画像データを送信する機能を有する。
【0051】
基材101上に形成されている表示部106と、ゲートドライバ103aと、ゲートドライバ103bと、レベルシフタ104aと、レベルシフタ104bと、は、例えば、OSトランジスタを備えることで構成することができる。つまり、基材101上にOSトランジスタを形成する工程を行うことで、表示部106と、ゲートドライバ103aと、ゲートドライバ103bと、レベルシフタ104aと、レベルシフタ104bと、を構成することができる。
【0052】
ソースドライバIC111と、コントローラIC112と、のそれぞれのICチップに備えることができるトランジスタは、表示装置100の説明を参照する。つまり、表示装置100と同様に、ソースドライバIC111は、高耐圧用Siトランジスタを適用して構成し、コントローラIC112は、ロジック用SiトランジスタとOSトランジスタとを適用して構成するのが好ましい。
【0053】
上述のとおり、表示装置100と同様に、OSトランジスタを形成した基材101上に、ロジック用Siトランジスタ、及びOSトランジスタを適用したコントローラIC112と、高耐圧用Siトランジスタを適用したソースドライバIC111と、を実装することによって、熱処理の耐性がそれぞれ異なる、ロジック用Siトランジスタと、高耐圧用Siトランジスタと、OSトランジスタと、を表示装置100Aに備えることができる。その結果、駆動性能が高い表示装置を実現することができる。
【0054】
また、表示装置100、又は表示装置100Aにタッチセンサユニットを設けることができる。
図3に、表示装置100、又は表示装置100Aに設けることができるタッチセンサユニットを示し、
図4に表示装置100にタッチセンサユニットを設けた例を示す。
【0055】
タッチセンサユニット200は、基材201上にセンサアレイ202と、TS(タッチセンサ)ドライバIC211と、センス回路212と、を有する。また、
図3では、TSドライバIC211と、センス回路212と、をまとめて周辺回路215と図示している。センサアレイ202は、基材201上に形成され、TSドライバIC211と、センス回路212と、は、ICチップなどの構成として、異方性導電接着剤、又は異方性導電フィルムなどを用いて、COG方式などによって、基材201上に実装されている。そして、タッチセンサユニット200は、外部との信号の入出力手段として、FPC213、FPC214と電気的に接続されている。なお、TSドライバIC211と、センス回路212と、はCOG方式でなく、COF(Chip On Film)方式でそれぞれFPC213、FPC214などに実装されてもよい。
【0056】
加えて、基材201上には、各回路を電気的に接続するための配線231乃至配線234が形成されている。タッチセンサユニット200において、TSドライバIC211は、配線231を介して、センサアレイ202と電気的に接続され、更に、TSドライバIC211は、配線233を介して、FPC213と電気的に接続されている。センス回路212は、配線232を介して、センサアレイ202と電気的に接続され、更に、センス回路212は、配線234を介して、FPC214と電気的に接続されている。
【0057】
配線233とFPC213と、の接続部220には、異方性を有する導電性の接着剤などを有している。これによって、FPC213と配線233との間で電気的な導通を行うことができる。同様に、配線234とFPC214と、の接続部221にも、異方性を有する導電性の接着剤などを有しており、これによって、FPC214と配線234との間で電気的な導通を行うことができる。
【0058】
タッチセンサユニット200は、表示装置100、又は表示装置100Aと重畳するように設けることによって、表示装置100、又は表示装置100Aにタッチパネルの機能を付加することができる。
図4は、表示装置100にタッチセンサユニット200を重ねて、表示装置100にタッチパネルの機能を実装した例を示している。
【0059】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0060】
(実施の形態2)
次に、実施の形態1で説明した表示装置100に適用できる基材101、及び基材101上に形成することができる回路について説明する。
【0061】
<基材101>
基材101としては、例えば、絶縁体基板、導電体基板を用いることができる。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。導電体基板としては、例えば、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。更には、絶縁体基板に導電体、又は半導体が設けられた基板、導電体基板に半導体、又は絶縁体が設けられた基板などがある。またはこれらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
【0062】
また、基材101としては、可撓性を有する基板を用いることができる。なお、可撓性を有する基板に素子を設ける方法としては、非可撓性の基板上に素子を作製した後、該素子を剥離し、可撓性を有する基板に該素子を転置する方法がある。その場合には、非可撓性の基板と該素子との間に剥離層を設けるとよい。なお、基材101として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基材101が伸縮性を有してもよい。また、基材101は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基材101の厚さは、例えば、5μm以上かつ700μm以下、好ましくは10μm以上かつ500μm以下、さらに好ましくは15μm以上かつ300μm以下とする。基材101を薄くすると、表示装置100を軽量化することができる。また、基材101を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基材101上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な表示装置を提供することができる。
【0063】
可撓性を有する基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。可撓性を有する基板としては、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可撓性を有する基板としては、例えば、線膨張率が1×10
−3/K以下、5×10
−5/K以下、または1×10
−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)などがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性を有する基板として好適である。
【0064】
<表示部が有する画素回路>
次に、表示部102、及び表示部106のそれぞれが有する画素回路について、説明する。
【0065】
表示部102の画素回路は、前述したとおり、表示素子として液晶素子、発光素子などのうち一種類を有し、表示素子の種類によって、表示部102の画素回路の構成が異なる。
【0066】
例えば、表示部102の表示素子として、液晶素子を適用した場合の画素回路の一例を
図5(A)に示す。画素回路21は、トランジスタTr1と、容量素子C1と、液晶素子LDと、を有する。
【0067】
トランジスタTr1の第1端子は、配線SLと電気的に接続され、トランジスタTr1の第2端子は、液晶素子LDの第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr1のゲートは、配線GL1と電気的に接続されている。容量素子C1の第1端子は、配線CSLと電気的に接続され、容量素子C1の第2端子は、液晶素子LDの第1端子と電気的に接続されている。液晶素子LDの第2端子は、配線VCOM1と電気的に接続されている。
【0068】
配線SLは、画素回路21に画像信号を供給する信号線として機能する。配線GL1は、画素回路21を選択する走査線として機能する。配線CSLは、容量素子C1の第1端子の電位、換言すると、液晶素子LDの第1端子の電位を保持するための容量配線として機能する。配線VCOM1は、液晶素子LDの第2端子に、共通電位として、0V、またはGND電位などの固定電位を与えるための配線である。
【0069】
表示部102の表示素子として、液晶素子を適用した場合、表示部102の画素回路を上述した画素回路21にすることによって、表示部102に画像を表示することができる。
【0070】
また、例えば、表示部102の表示素子として、発光素子を適用した場合の画素回路の一例を
図5(B)に示す。なお、該発光素子は、有機EL(Electro Luminescence)素子とする。画素回路22は、トランジスタTr2と、トランジスタTr3と、容量素子C2と、発光素子EDと、を有する。
【0071】
トランジスタTr2の第1端子は、配線DLと電気的に接続され、トランジスタTr2の第2端子は、トランジスタTr3のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr2のゲートは、配線GL2と電気的に接続されている。トランジスタTr3の第1端子は、発光素子EDの第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr3の第2端子は、配線ALと電気的に接続されている。容量素子C2の第1端子は、トランジスタTr3の第2端子と電気的に接続され、容量素子C2の第2端子は、トランジスタTr3のゲートと電気的に接続されている。発光素子EDの第2端子は、配線VCOM2と電気的に接続されている。
【0072】
配線DLは、画素回路22に画像信号を供給する信号線として機能する。配線GL2は、画素回路22を選択する走査線として機能する。配線ALは、発光素子EDに電流を与えるための電流供給線として機能する。配線VCOM2は、発光素子EDの第2端子に、共通電位として、0V、またはGND電位などの固定電位を与えるための配線である。
【0073】
容量素子C2は、トランジスタTr3の第2端子と、トランジスタTr3のゲートと、の間の電圧を保持する機能を有する。これにより、トランジスタTr3に流れるオン電流を一定に保持することができる。なお、トランジスタTr3の第2端子と、トランジスタTr3のゲートと、の寄生容量が大きい場合、容量素子C2を設けなくてもよい。
【0074】
また、表示部102の表示素子として、発光素子を適用する場合、画素回路22と別の構成である、
図5(C)に示す画素回路23の構成としてもよい。
【0075】
画素回路23は、画素回路22が有するトランジスタTr3にバックゲートを設けた構成であり、トランジスタTr3のバックゲートは、トランジスタTr3のゲートと電気的に接続されている。このような構成にすることにより、トランジスタTr3に流れるオン電流を増加することができる。
【0076】
また、表示部102の表示素子として、発光素子を適用する場合、画素回路22、及び画素回路23と別の構成として、
図5(D)に示す画素回路24の構成としてもよい。
【0077】
画素回路24は、画素回路22が有するトランジスタTr3にバックゲートを設けた構成であり、トランジスタTr3のバックゲートは、トランジスタTr3の第1端子と電気的に接続されている。このような構成にすることにより、トランジスタTr3のしきい値電圧のシフトを抑えることができる。そのため、トランジスタTr3の信頼性を高めることができる。
【0078】
また、表示部102の表示素子として、発光素子を適用する場合、画素回路22乃至画素回路24と別の構成として、
図5(E)に示す画素回路25の構成としてもよい。
【0079】
画素回路25は、トランジスタTr2乃至トランジスタTr4と、容量素子C3と、発光素子EDと、を有する。
【0080】
トランジスタTr2の第1端子は、配線DLと電気的に接続され、トランジスタTr2の第2端子は、トランジスタTr3のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr2のゲートは、配線MLと電気的に接続され、トランジスタTr2のバックゲートは、配線GL3と電気的に接続されている。トランジスタTr3の第1端子は、発光素子EDの第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr3の第2端子は、配線ALと電気的に接続され、トランジスタTr3のゲートは、トランジスタTr3のバックゲートと電気的に接続されている。トランジスタTr4の第1端子は、発光素子EDの第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr4の第2端子は、配線MLと電気的に接続され、トランジスタTr4のゲートは、配線MLと電気的に接続され、トランジスタTr4のバックゲートは配線GL3と電気的に接続されている。容量素子C3の第1端子は、トランジスタTr3のゲートと電気的に接続され、容量素子C3の第2端子は、トランジスタTr3の第1端子と電気的に接続されている。発光素子EDの第2端子は、配線VCOM2と電気的に接続されている。
【0081】
配線DLは、画素回路25に画像信号を供給する信号線として機能する。配線GL3は、トランジスタTr2及びトランジスタTr4のしきい値電圧を制御するために、定電位を印加する配線として機能する。配線MLは、トランジスタTr2のゲート、トランジスタTr4の第2端子、及びトランジスタTr4のゲートに、電位を印加する配線であり、画素回路22を選択する走査線として機能する。配線ALと、配線VCOM2と、については、画素回路22の配線AL、及び配線VCOM2の説明を参照する。
【0082】
このような構成にすることにより、トランジスタTr2及びトランジスタTr4のしきい値電圧を制御することで、表示部106が有する複数の発光素子EDの輝度のばらつきを補正することができる。そのため、画素回路25を表示部102に適用することで、表示品質が良好な表示装置100を提供することができる。
【0083】
次いで、表示部106の画素回路について、説明する。表示部106は、前述したとおり、ハイブリッド表示装置が備える表示部であるため、反射素子と、発光素子と、を有する。つまり、表示部106が有する画素構成は、表示部102が有する画素構成と異なる。ここでは、反射素子として、液晶素子を用い、かつ発光素子として、有機EL素子を用いる場合を例に挙げて、表示部106に適用できる画素回路について説明する。
【0084】
図6(A)は、表示部106に適用できる画素回路の一例を示している。画素回路31は、前述した画素回路21と、画素回路22と、を有する。画素回路31では、画素回路21に対応した画像信号を配線SLによって供給し、画素回路22に対応した画像信号を配線DLによって供給することで、液晶素子LDによって表現される輝度と、発光素子EDによって表現される輝度と、を個別に制御することができる。
【0085】
なお、
図6(A)では、画素回路21と、画素回路22と、を1つずつ有する画素回路の例を示したが、表示部106が有する画素回路の構成はこれに限定されない。表示部106が有する画素回路は、複数の画素回路21を有してもよいし、複数の画素回路22を有してもよい。
【0086】
一例として、
図6(B)に、1つの画素回路21と、4つの画素回路22と、を有する画素回路を示す。画素回路32は、画素回路21と、画素回路22a乃至画素回路22dと、を有し、画素回路22a乃至画素回路22dは、いずれも画素回路22と同じ構成となっている。
【0087】
画素回路22aと、画素回路22cと、のそれぞれが有するトランジスタTr2のゲートは、配線GL2aと電気的に接続され、画素回路22bと、画素回路22dと、のそれぞれが有するトランジスタTr2のゲートは、配線GL2bと電気的に接続されている。
【0088】
画素回路22aと、画素回路22bと、のそれぞれが有するトランジスタTr2の第1端子は、配線DLaと電気的に接続され、画素回路22cと、画素回路22dと、のそれぞれが有するトランジスタTr2の第1端子は、配線DLbと電気的に接続されている。
【0089】
画素回路22a乃至画素回路22dのそれぞれが有するトランジスタTr3の第2端子は、配線ALと電気的に接続されている。
【0090】
配線GL2a、及び配線GL2bは、画素回路22の配線GL2と同様の機能を有し、配線DLa、及び配線DLbは、画素回路22の配線DLと同様の機能を有する。
【0091】
上述したように、画素回路22a乃至画素回路22dでは、画素回路22aと画素回路22cが配線GL2aを共有し、画素回路22bと画素回路22dが配線GL2bを共有しているが、画素回路22a乃至画素回路22dの全てが一の配線GL2を共有していてもよい。この場合、画素回路22a乃至画素回路22dは、互いに異なる4つの配線DLに電気的に接続されるようにすることが望ましい。
【0092】
ところで、画素回路22a乃至画素回路22dのそれぞれが有する発光素子EDから発せられる光が、異なる領域の波長を有することで、表示部106を備える表示装置は、カラー画像を表示することができる。
【0093】
例えば、画素回路22aが有する発光素子EDから発せられる光を赤色光とし、画素回路22bが有する発光素子EDから発せられる光を緑色光とし、画素回路22cが有する発光素子EDから発せられる光を青色光とすることによって、画素回路32は、光の三原色を発光することができる。そのため、画素回路32は、供給される画像信号によって、様々な色を再現することができる。
【0094】
また、上述に加えて、例えば、画素回路22dが有する発光素子EDから発せられる光を白色光とすることによって、表示部106の発光輝度を高めることができる。また、該白色光の色温度を調整することにより、表示部106を備える表示装置の表示品位を高めることができる。
【0095】
図7(A)は、表示部106に適用でき、かつ画素回路31、及び画素回路32と異なる画素回路を示している。画素回路33は、前述した画素回路21と、画素回路23と、を有する。画素回路33では、画素回路31と同様に、画素回路21に対応した画像信号を配線SLによって供給し、画素回路23に対応した画像信号を配線DLによって供給することで、液晶素子LDによって表現される輝度と、発光素子EDによって表現される輝度と、を個別に制御することができる。
【0096】
また、画素回路23は、前述したとおり、トランジスタTr3のゲートと、トランジスタTr3のバックゲートと、が電気的に接続されているので、トランジスタTr3のオン電流を増加することができる。
【0097】
なお、
図7(A)の画素回路33では、画素回路21と、画素回路23と、を1つずつ有する例を示したが、表示部106が有する画素回路の構成はこれに限定されない。表示部106が有する画素回路は、複数の画素回路21を有してもよいし、複数の画素回路23を有してもよい。例えば、表示部106が有する画素回路は、
図6(B)に示した画素回路32と同様に、1つの画素回路21と、4つの画素回路23と、を有する構成であってもよい。その場合の回路構成は、
図6(B)に示した画素回路32の回路構成において、画素回路22a乃至画素回路22dのそれぞれが有するトランジスタTr3のゲートと、トランジスタTr3のバックゲートと、を電気的に接続した構成となる(図示しない。)。
【0098】
図7(B)は、表示部106に適用でき、かつ画素回路31乃至画素回路33と異なる画素回路を示している。画素回路34は、前述した画素回路21と、画素回路24と、を有する。画素回路34では、画素回路31及び画素回路33と同様に、画素回路21に対応した画像信号を配線SLによって供給し、画素回路24に対応した画像信号を配線DLによって供給することで、液晶素子LDによって表現される輝度と、発光素子EDによって表現される輝度と、を個別に制御することができる。
【0099】
また、画素回路24は、前述したとおり、トランジスタTr3の第1端子と、トランジスタTr3のバックゲートと、が電気的に接続されているので、トランジスタTr3のしきい値電圧のシフトを抑えることができる。
【0100】
なお、
図7(B)の画素回路34では、画素回路21と、画素回路23と、を1つずつ有する例を示したが、表示部106が有する画素回路の構成はこれに限定されない。表示部106が有する画素回路は、複数の画素回路21を有してもよいし、複数の画素回路24を有してもよい。例えば、表示部106が有する画素回路は、
図6(B)に示した画素回路32と同様に、1つの画素回路21と、4つの画素回路24と、を有する構成であってもよい。その場合の回路構成は、
図6(B)に示した画素回路32の回路構成において、画素回路22a乃至画素回路22dのそれぞれが有するトランジスタTr3の第1端子と、トランジスタTr3のバックゲートと、を電気的に接続した構成となる(図示しない。)。
【0101】
図8は、表示部106に適用でき、かつ画素回路31乃至画素回路34と異なる画素回路を示している。画素回路35は、前述した画素回路21と、画素回路25と、を有する。画素回路35では、画素回路31及び画素回路34と同様に、画素回路21に対応した画像信号を配線SLによって供給し、画素回路25に対応した画像信号を配線DLによって供給することで、液晶素子LDによって表現される輝度と、発光素子EDによって表現される輝度と、を個別に制御することができる。
【0102】
また、画素回路25は、前述したとおり、トランジスタTr2のバックゲートと、トランジスタTr4のバックゲートと、が配線GL3と電気的に接続されているので、トランジスタTr2と、トランジスタTr4と、のそれぞれのしきい値電圧を制御することができる。これにより、表示部106が有する複数の発光素子EDの輝度のばらつきを補正することができる。
【0103】
なお、
図8の画素回路35では、画素回路21と、画素回路25と、を1つずつ有する例を示したが、表示部106が有する画素回路の構成はこれに限定されない。表示部106が有する画素回路は、複数の画素回路21を有してもよいし、複数の画素回路25を有してもよい。例えば、表示部106が有する画素回路は、
図6(B)に示した画素回路32と同様に、1つの画素回路21と、4つの画素回路25と、を有する構成であってもよい。その場合の回路構成を
図9に示す。画素回路36は、画素回路21と、画素回路25a乃至画素回路25dと、を有し、画素回路25a乃至画素回路25dは、いずれも画素回路25と同じ構成となっている。
【0104】
画素回路25aと、画素回路25cと、のそれぞれが有するトランジスタTr2のバックゲートとトランジスタTr4のバックゲートは、配線GL3aと電気的に接続され、画素回路25bと、画素回路25dと、のそれぞれが有するトランジスタTr2のバックゲートとトランジスタTr4のバックゲートは、配線GL3bと電気的に接続されている。
【0105】
画素回路25aと、画素回路25bと、のそれぞれが有するトランジスタTr2の第1端子は、配線DLaと電気的に接続され、画素回路25cと、画素回路25dと、のそれぞれが有するトランジスタTr2の第1端子は、配線DLbと電気的に接続されている。
【0106】
画素回路25aと、画素回路25bと、のそれぞれが有するトランジスタTr4の第2端子は、配線MLaと電気的に接続され、画素回路25cと、画素回路25dと、のそれぞれが有するトランジスタTr4の第2端子は、配線MLbと電気的に接続されている。
【0107】
画素回路25a乃至画素回路25dのそれぞれが有するトランジスタTr3の第2端子は、配線ALと電気的に接続されている。
【0108】
配線GL3a、及び配線GL3bは、画素回路25の配線GL3と同様の機能を有し、配線DLa、及び配線DLbは、画素回路25の配線DLと同様の機能を有し、配線MLa、及び配線MLbは、画素回路25の配線MLと同様の機能を有する。
【0109】
上述したように、画素回路25a乃至画素回路25dでは、画素回路25aと画素回路25cが配線GL3aを共有し、画素回路25bと画素回路25dが配線GL3bを共有しているが、画素回路25a乃至画素回路25dの全てが一の配線GL3を共有していてもよい。この場合、画素回路25a乃至画素回路25dは、互いに異なる4つの配線DLに電気的に接続されるようにすることが望ましい。
【0110】
ところで、画素回路25a乃至画素回路25dのそれぞれが有する発光素子EDから発せられる光が、画素回路32と同様に、異なる領域の波長を有することで、表示部106を備える表示装置は、カラー画像を表示することができる。この構成については、画素回路32の記載を参酌する。
【0111】
<ゲートドライバ>
次に、基材101上に形成できるゲートドライバ103の一例について、説明する。
【0112】
<<ゲートドライバの回路構成>>
図10(A)は、ゲートドライバ103の一例の回路図を示す。ゲートドライバ103は、回路SR[1]乃至回路SR[m]と、回路SR_D[1]と、回路SR_D[2]と、を有する。ゲートドライバ103では、回路SR[1]乃至回路SR[m]と、回路SR_D[1]と、回路SR_D[2]と、によって、シフトレジスタが構成されている。なお、mは、1以上の整数で、表示部102、又は表示部106の1列に有する画素回路の数を有する。
【0113】
図10(B)、(C)を用いて、回路SR[1]乃至回路SR[m]、回路SR_D[1]、回路SR_D[2]のそれぞれが有する各端子について、説明する。
図10(B)において、回路SRは、回路SR[1]乃至回路SR[m]のうちの一として、表記し、
図10(C)において、回路SR_Dは、回路SR_D[1]、回路SR_D[2]のどちらかとして表記している。
【0114】
回路SRは、端子IT、端子OT、端子RT、端子ST、端子PT、端子IRT、端子C1T、端子C2T、及び端子C3Tを有する。また、回路SR_Dは、端子IT、端子OT、端子ST、端子PT、端子IRT、端子C1T、端子C2T、及び端子C3Tを有する。
【0115】
端子ITは、スタートパルス信号、又は、前段の回路SRの端子STから出力される信号が入力される入力端子である。端子OTは、表示部102、又は表示部106が有する画素回路と電気的に接続される出力端子である。端子STは、次段の回路SRに信号を送信するための出力端子である。端子RTには、次々段の回路SRの端子STからの信号が入力される。
【0116】
スタートパルス信号SPは、ゲートドライバ103を駆動するときに入力される信号である。スタートパルス信号SPは、1フレーム分の画像を表示装置100に映す度に、コントローラIC112から、レベルシフタ104を介して、ゲートドライバ103に入力される。
【0117】
端子PTには、端子OTから出力される信号のパルス幅を制御する信号(以後、パルス幅制御信号と表記する。)が入力される。パルス幅制御信号PWC1乃至パルス幅制御信号PWC4は、配線GL[1]乃至配線GL[m]、配線GL_DUM、及び配線GL_OUTに出力するパルス信号の幅を制御する信号である。
【0118】
端子IRTには、初期化リセット信号INI_RESが入力される。端子C1T、端子C2T、端子C3Tには、それぞれ異なるクロック信号が入力される。
【0119】
クロック信号CLK2は、クロック信号CLK1と同じ波形、周期であり、クロック信号CLK1の周期の1/4遅れて送信される。クロック信号CLK3は、クロック信号CLK1の反転信号となっており、クロック信号CLK4は、クロック信号CLK2の反転信号となっている。
【0120】
次に、ゲートドライバ103の具体的な回路構成について、説明する。回路SR[1]の端子ITには、スタートパルス信号SPが入力される。回路SR[i](iは、1以上m−1以下の整数である。)の端子STは、回路SR[i+1]の端子ITと電気的に接続されている。回路SR[m]の端子STは、回路SR_D[1]の端子ITと電気的に接続され、回路SR_D[1]の端子STは、回路SR_D[2]の端子ITと電気的に接続される。
【0121】
回路SR[p](pは、1以上m−2以下の整数である。)の端子RTは、回路SR[p+2]の端子STと電気的に接続される。回路SR[m−1]の端子RTは、回路SR_D[1]の端子STと電気的に接続され、回路SR[m]の端子RTは、回路SR_D[2]の端子STと電気的に接続されている。
【0122】
回路SR[x](xは、1以上m以下の整数である。)の端子OTは、配線GL[x]と電気的に接続されている。回路SR_D[1]の端子OTは、配線GL_DUMと電気的に接続され、回路SR_D[2]の端子OTは、配線GL_OUTと電気的に接続されている。配線GL_DUMは、ダミー配線として機能し、配線GL_OUTは、回路SR_D[2](ゲートドライバ103のシフトレジスタの最終段)にまでスタートパルス信号が達したことを、情報信号として送信する機能を有する。
【0123】
回路SR[x]、回路SR_D[1]、及び回路SR_D[2]のそれぞれの端子IRTは、初期化リセット信号INI_RESが入力される。
【0124】
回路SR[s](sは1以上m以下で、かつs=4a+1を満たす整数である。なお、aは0以上の整数である。)の端子C1Tには、クロック信号CLK1が入力され、回路SR[s]の端子C2Tには、クロック信号CLK2が入力され、回路SR[s]の端子C3Tには、クロック信号CLK3が入力される。回路SR[s]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC1が入力される。
【0125】
回路SR[s+1]の端子C1Tには、クロック信号CLK2が入力され、回路SR[s+1]の端子C2Tには、クロック信号CLK3が入力され、回路SR[s+1]の端子C3Tには、クロック信号CLK4が入力される。回路SR[s+1]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC2が入力される。
【0126】
回路SR[s+2]の端子C1Tには、クロック信号CLK3が入力され、回路SR[s+2]の端子C2Tには、クロック信号CLK4が入力され、回路SR[s+2]の端子C3Tには、クロック信号CLK1が入力される。回路SR[s+2]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC3が入力される。
【0127】
回路SR[s+3]の端子C1Tには、クロック信号CLK4が入力され、回路SR[s+3]の端子C2Tには、クロック信号CLK1が入力され、回路SR[s+3]の端子C3Tには、クロック信号CLK2が入力される。回路SR[s+3]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC4が入力される。
【0128】
なお、
図10(A)のゲートドライバ103において、回路SR[m−1]へのクロック信号及びパルス幅制御信号の入力については、回路SR[s+2]に入力されるクロック信号及びパルス幅制御信号の入力の記載と同様である。また、回路SR[m]へのクロック信号及びパルス幅制御信号の入力については、回路SR[s+3]に入力されるクロック信号及びパルス幅制御信号の入力の記載と同様である。加えて、回路SR_D[1]へのクロック信号及びパルス幅制御信号の入力については、回路SR[s]に入力されるクロック信号及びパルス幅制御信号の入力の記載と同様であり、回路SR_D[2]へのクロック信号及びパルス幅制御信号の入力については、回路SR[s+1]に入力されるクロック信号及びパルス幅制御信号の入力の記載と同様である。
【0129】
なお、本明細書において、クロック信号CLK1、クロック信号CLK2、クロック信号CLK3、クロック信号CLK4、パルス幅制御信号PWC1、パルス幅制御信号PWC2、パルス幅制御信号PWC3、パルス幅制御信号PWC4、及びスタートパルス信号SPをまとめてタイミング信号と呼称する場合がある。そして、本発明の一態様の表示装置において、該タイミング信号は、コントローラIC112によって生成されるものとする。
【0130】
なお、
図10(A)のゲートドライバ103は、回路SR[1]、回路SR[2]、回路SR[3]、回路SR[4]、回路SR[5]、回路SR[6]、回路SR[m−1]、回路SR[m]、回路SR_D[1]、回路SR_D[2]、配線GL[1]、配線GL[2]、配線GL[3]、配線GL[4]、配線GL[5]、配線GL[6]、配線GL[m−1]、配線GL[m]、配線GL_DUM、配線GL_OUT、端子IT、端子OT、端子RT、端子ST、端子PT、端子IRT、端子C1T、端子C2T、端子C3T、クロック信号CLK1、クロック信号CLK2、クロック信号CLK3、クロック信号CLK4、パルス幅制御信号PWC1、パルス幅制御信号PWC2、パルス幅制御信号PWC3、パルス幅制御信号PWC4、初期化リセット信号INI_RESのみ記載しており、それ以外の回路、配線、符号については省略している。
【0131】
次に、回路SR[1]乃至回路SR[m]の回路構成について説明する。
図11は、
図10(B)の回路SRの構成を示している。
【0132】
回路SRは、pチャネル型トランジスタを用いず、nチャネル型トランジスタを用いて構成されている。回路SRは、トランジスタTr11乃至トランジスタTr23と、容量素子C11と、を有している。なお、トランジスタTr11乃至トランジスタTr23は、バックゲートを有する構成となっている。
【0133】
図11の回路SRに記載している配線VDDLは、高レベル電位である電位VDDを与える配線である。また、
図11の回路SRに記載している配線GNDLは、GND電位を与える配線である。
【0134】
トランジスタTr11の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr11の第2端子は、トランジスタTr21の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr11のゲート及びバックゲートは、端子ITと電気的に接続されている。トランジスタTr12の第1端子は、トランジスタTr21の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr12の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr12のゲート及びバックゲートは、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続されている。なお、トランジスタTr11の第2端子と、トランジスタTr12の第1端子と、の接続部を、ノードN11と記載する。
【0135】
トランジスタTr13の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr13の第2端子は、トランジスタTr14の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr13のゲート及びバックゲートは、端子C3Tと電気的に接続されている。トランジスタTr14の第2端子は、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr14のゲート及びバックゲートは、端子C2Tと電気的に接続されている。容量素子C11の第1端子は、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、容量素子C11の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続されている。
【0136】
トランジスタTr15の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr15の第2端子は、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr15のゲート及びバックゲートは、端子RTと電気的に接続されている。トランジスタTr16の第1端子は、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr16の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr16のゲート及びバックゲートは、端子ITと電気的に接続されている。
【0137】
トランジスタTr17の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr17の第2端子は、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr17のゲート及びバックゲートは、端子IRTと電気的に接続されている。
【0138】
トランジスタTr18の第1端子は、トランジスタTr21の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr18の第2端子は、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr18のゲート及びバックゲートは、配線VDDLと電気的に接続されている。トランジスタTr19の第1端子は、端子C1Tと電気的に接続され、トランジスタTr19の第2端子は、端子STと電気的に接続されている。トランジスタTr20の第1端子は、端子STと電気的に接続され、トランジスタTr20の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr20のゲート及びバックゲートは、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと電気的に接続されている。
【0139】
トランジスタTr21の第2端子は、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと電気的に接続され、トランジスタTr21のゲート及びバックゲートは、配線VDDLと電気的に接続されている。トランジスタTr22の第1端子は、端子PTと電気的に接続され、トランジスタTr22の第2端子は、端子OTと電気的に接続されている。トランジスタTr23の第1端子は、端子OTと電気的に接続され、トランジスタTr23の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続されている。
【0140】
次に、回路SR_D[1]及び回路SR_D[2]の回路構成について説明する。
図12は、
図10(C)の回路SR_Dの構成を示している。
【0141】
回路SR_Dは、回路SRから端子RTを除いた構成になっている。そのため、回路SR_Dは、回路SRからトランジスタTr15を除いた構成になっている。
【0142】
なお、
図11の回路SR、及び
図12の回路SR_Dが有する全てのトランジスタは、バックゲートを備える構成となっており、ゲートとバックゲートとが電気的に接続されている構成となっている。この構成にすることにより、トランジスタに流れるオン電流を増加することができる。
【0143】
なお、
図11の回路SR、及び
図12の回路SR_Dが有する全てのトランジスタは、バックゲートを備える構成となっているが、バックゲートを備えないトランジスタで回路SR、及び回路SR_Dを構成してもよい。この場合、回路SR、及び回路SR_Dが有する全てのトランジスタは、
図11及び
図12ではゲートとバックゲートとが電気的に接続されている構成になっているので、ゲートのみを所定の素子、又は配線に電気的に接続する構成とすればよい。
【0144】
<<ゲートドライバの動作>>
次に、ゲートドライバ103の動作について説明する。
図13は、ゲートドライバ103の動作例を示すタイミングチャートであり、時刻T0から時刻T10までにおける、クロック信号CLK1、クロック信号CLK2、クロック信号CLK3、クロック信号CLK4、パルス幅制御信号PWC1、パルス幅制御信号PWC2、パルス幅制御信号PWC3、パルス幅制御信号PWC4、及びスタートパルス信号SPの電位の変化を示している。また、ゲートドライバ103の出力配線となる、配線GL[1]、配線GL[2]、配線GL[3]、配線GL[4]、配線GL[m−1]、配線GL[m]、配線GL_DUM、配線GL_OUTの電位の変化も示している。
【0145】
〔回路SR[1]〕
図10より、回路SR[1]の端子C1Tには、クロック信号CLK1が入力され、回路SR[1]の端子C2Tには、クロック信号CLK2が入力され、回路SR[1]の端子C3Tには、クロック信号CLK3が入力され、回路SR[1]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC1が入力される。
【0146】
時刻T1において、ゲートドライバ103の回路SR[1]の端子ITに、スタートパルス信号として、高レベル電位が入力される。これにより、トランジスタTr11と、トランジスタTr16と、が導通状態となる。
【0147】
トランジスタTr11が導通状態になることにより、トランジスタTr12の第1端子と、トランジスタTr18の第1端子と、トランジスタTr21の第1端子と、に電位VDDが印加されることになる。なお、トランジスタTr18と、トランジスタTr21と、は回路の構成上、常に導通状態となるので、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと、に電位VDDが印加される。これにより、トランジスタTr19と、トランジスタTr22と、が導通状態となる。
【0148】
そのため、端子PTと端子OTとが電気的に導通し、かつ端子C1Tと端子STとが電気的に導通する。
【0149】
トランジスタTr16が導通状態になることにより、トランジスタTr12のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr20のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと、にGND電位が印加される。このため、トランジスタTr12と、トランジスタTr20と、トランジスタTr23と、は非導通状態となる。
【0150】
時刻T2において、ゲートドライバ103に、クロック信号CLK1として高レベル電位が入力される。これにより、回路SR[1]において、端子C1Tから高レベル電位が入力され、トランジスタTr19を介して、端子STに高レベル電位が印加される。
【0151】
時刻T3において、ゲートドライバ103に、パルス幅制御信号PWC1として高レベル電位が入力される。これにより、回路SR[1]において、端子PTから高レベル電位が入力され、トランジスタTr22を介して、端子OTに高レベル電位が印加される。このため、回路SR[1]の端子OTと電気的に接続されている配線GL[1]は、高レベル電位となる。
【0152】
時刻T4において、ゲートドライバ103に、クロック信号CLK2として高レベル電位が入力される。これにより、回路SR[1]において、端子C2Tから高レベル電位が入力され、トランジスタTr14のゲート及びバックゲートに高レベル電位が印加される。このため、トランジスタTr14は、導通状態となる。
【0153】
時刻T5において、ゲートドライバ103の回路SR[1]の端子ITに、スタートパルス信号として、低レベル電位が入力される。これにより、トランジスタTr11と、トランジスタTr16と、が非導通状態となる。
【0154】
トランジスタTr11が非導通状態になることにより、ノードN11はフローティング状態となる。このため、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと、の電位は、VDDを保持することになる。したがって、トランジスタTr19と、トランジスタTr22と、は、導通状態のままとなる。
【0155】
時刻T6において、ゲートドライバ103に、パルス幅制御信号PWC1として低レベル電位が入力される。これにより、回路SR[1]において、端子PTから低レベル電位が入力され、トランジスタTr22を介して、端子OTに低レベル電位が印加される。このため、回路SR[1]の端子OTと電気的に接続されている配線GL[1]は、低レベル電位となる。
【0156】
時刻T7において、ゲートドライバ103に、クロック信号CLK1として低レベル電位が入力され、加えて、クロック信号CLK3として高レベル電位が入力される。これにより、回路SR[1]において、端子C1Tから低レベル電位が入力され、トランジスタTr19を介して、端子STに低レベル電位が印加される。また、回路SR[1]において、端子C3Tから高レベル電位が印加されるため、トランジスタTr13のゲート及びバックゲートに高レベル電位が印加される。このため、トランジスタTr13は、導通状態となる。
【0157】
このとき、トランジスタTr14も導通状態であるため、トランジスタTr12のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr20のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと、容量素子C11と、に電位VDDが印加される。このため、トランジスタTr12と、トランジスタTr20と、トランジスタTr23と、は導通状態となる。
【0158】
トランジスタTr20が導通状態となることにより、端子STにGND電位が印加されることになる。加えて、トランジスタTr23が導通状態となることにより、端子OTにGND電位が印加されることになる。
【0159】
トランジスタTr12が導通状態となることにより、トランジスタTr11の第2端子と、トランジスタTr18の第1端子と、トランジスタTr21の第1端子と、にGND電位が印加されることになる。なお、トランジスタTr18と、トランジスタTr21と、は回路の構成上、常に導通状態となるので、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと、にGND電位が印加される。これにより、トランジスタTr19と、トランジスタTr22と、が非導通状態となる。
【0160】
容量素子C11の第1端子には、電位VDDが印加される。トランジスタTr16は、非導通状態であるため、容量素子C11には、電位VDDが保持される。ところで、トランジスタTr16は、端子ITから高レベル電位が入力されないと、導通状態とならない。換言すれば、容量素子C11は、端子ITから高レベル電位が入力されるまで、電位VDDを保持することになる。
【0161】
〔回路SR[2]以降〕
回路SR[2]の場合、
図10より、回路SR[2]の端子C1Tには、クロック信号CLK2が入力され、回路SR[2]の端子C2Tには、クロック信号CLK3が入力され、回路SR[2]の端子C3Tには、クロック信号CLK4が入力され、回路SR[2]の端子PTには、パルス幅制御信号PWC2が入力される。
【0162】
また、回路SR[1]の動作では、時刻T2から時刻T7の間において、端子STが高レベル電位となる、と説明した。つまり、時刻T2から時刻T7の間で、回路SR[1]の端子STから出力された高レベル電位が、回路SR[2]の端子ITに入力される。
【0163】
回路SR[2]は、回路SR[1]と同様の回路構成となっているので、回路SR[2]は、回路SR[1]と同様に動作する。回路SR[2]の端子ITには、時刻T2から時刻T7までの間に、高レベル電位が入力されるため、回路SR[2]の端子ITが高レベル電位で、かつ回路SR[2]の端子PTにパルス幅制御信号PWC2として高レベル電位が入力されたとき、回路SR[2]の端子OTから高レベル電位が出力される。つまり、回路SR[2]の端子OTと電気的に接続されている配線GL[2]は、高レベル電位となる。また、クロック信号CLK2が高レベル電位のときに(時刻T4から時刻T8までの間に)、回路SR[2]の端子STから高レベル電位が出力される。そして、時刻T8から時刻T9までの間において、回路SR[2]の端子STから、低レベル電位が出力され、回路SR[2]の容量素子C11に、電位VDDが保持される。
【0164】
回路SR[3]以降も、端子ITに高レベル電位が入力され、かつ所定のタイミングで、端子C1T、端子C2T、端子C3T、端子PTに高レベル電位が入力されることによって、回路SR[1]及び回路SR[2]と同様の動作で、端子OT、及び端子STから高レベル電位を出力することができる。
図14に、ゲートドライバ103の、時刻T0から時刻T10までを含め、時刻T10以降のタイミングチャートを示す。配線GL[m]から高レベル電位が出力されたあとは、帰線期間の途中で、回路SR[1]の端子ITにスタートパルス信号として、高レベル電位が入力される。なお、帰線期間とは、配線GL[m]の電位が高レベル電位から低レベル電位に下がってから、スタートパルス信号の電位が高レベル電位から低レベル電位に下がるまでの期間をいう。
【0165】
〔回路SRの端子RT〕
ところで、回路SR[p]の端子RTは、回路SR[p+2]の端子STと電気的に接続されている。つまり、回路SR[p+2]の端子STから高レベル電位が出力されたときに、回路SR[p]の端子RTに高レベル電位が入力されるため、回路SR[p]のトランジスタTr15が導通状態となる。これにより、トランジスタTr12のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr20のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと、容量素子C11と、に電位VDDが印加される。
【0166】
トランジスタTr20が導通状態となることにより、端子STにGND電位が印加されることになる。加えて、トランジスタTr23が導通状態となることにより、端子OTにGND電位が印加されることになる。更に加えて、トランジスタTr12が導通状態となることにより、トランジスタTr11の第2端子と、トランジスタTr18の第1端子と、トランジスタTr21の第1端子と、にGND電位が印加されることになる。なお、トランジスタTr18と、トランジスタTr21と、は回路の構成上、常に導通状態となるので、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと、にGND電位が印加される。これにより、トランジスタTr19と、トランジスタTr22と、が非導通状態となる。
【0167】
つまり、回路SR[p]の端子RTに、回路SR[p+2]の端子STから高レベル電位が出力されたとき、回路SR[1]の、時刻T7から時刻T8までの動作と同様に、端子OT、及び端子STから、それぞれGND電位が出力される。
【0168】
〔回路SRの端子IRT〕
また、回路SR[1]乃至回路SR[m]、回路SR_D[1]、回路SR_D[2]のそれぞれの端子IRTには、初期化リセット信号INI_RESが入力される。初期化リセット信号INI_RESが高レベル電位のとき、上述の各回路のそれぞれの端子IRTには、高レベル電位が入力される。このため、各回路のトランジスタTr17は導通状態となる。
【0169】
これにより、トランジスタTr12のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr20のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr23のゲート及びバックゲートと、容量素子C11とに、電位VDDが印加される。
【0170】
トランジスタTr20が導通状態となることにより、各回路の端子STにGND電位が印加されることになる。加えて、トランジスタTr23が導通状態となることにより、各回路の端子OTにGND電位が印加されることになる。加えて、トランジスタTr12が導通状態となることにより、トランジスタTr11の第2端子と、トランジスタTr18の第1端子と、トランジスタTr21の第1端子と、にGND電位が印加されることになる。なお、トランジスタTr18と、トランジスタTr21と、は回路の構成上、常に導通状態となるので、トランジスタTr19のゲート及びバックゲートと、トランジスタTr22のゲート及びバックゲートと、にGND電位が印加される。これにより、トランジスタTr19と、トランジスタTr22と、が非導通状態となる。
【0171】
つまり、初期化リセット信号INI_RESとして、高レベル電位が入力されたとき、回路SR[1]乃至回路SR[m]、回路SR_D[1]、回路SR_D[2]のそれぞれの端子OT、端子STは、GND電位を出力する。
【0172】
<レベルシフタの構成例1>
次に、基材101上に形成できるレベルシフタ104について説明する。レベルシフタ104の一例として、
図15に構成例を示す。
【0173】
図15に示すレベルシフタ600は、レベルシフタ104の一例であり、pチャネル型トランジスタを用いず、nチャネル型トランジスタを用いて構成されている。レベルシフタ600は、トランジスタTr31乃至トランジスタTr36と、容量素子C31と、容量素子C32と、を有する。
【0174】
トランジスタTr31の第1端子は、入力端子IN1と電気的に接続され、トランジスタTr31の第2端子は、トランジスタTr35のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr31のゲートは、トランジスタTr31の第1端子と電気的に接続されている。つまり、トランジスタTr31はダイオード接続の構成となっている。トランジスタTr32の第1端子は、入力端子IN0と電気的に接続され、トランジスタTr32の第2端子は、トランジスタTr36のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr32のゲートは、トランジスタTr32の第1端子と電気的に接続されている。トランジスタTr32はダイオード接続の構成となっている。トランジスタTr33の第1端子は、トランジスタTr35のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr33の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr33のゲートは、入力端子IN0と電気的に接続されている。トランジスタTr34の第1端子は、トランジスタTr36のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr34の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr34のゲートは、入力端子IN1と電気的に接続されている。トランジスタTr35の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr35の第2端子は、出力端子OUTと電気的に接続されている。トランジスタTr36の第1端子は、配線GNDLと電気的に接続され、トランジスタTr36の第2端子は、出力端子OUTと電気的に接続されている。
【0175】
容量素子C31の第1端子は、トランジスタTr35のゲートと電気的に接続され、容量素子C31の第2端子は、出力端子OUTと電気的に接続されている。容量素子C32の第1端子は、トランジスタTr36のゲートと電気的に接続され、容量素子C32の第2端子は、配線GNDLと電気的に接続されている。
【0176】
なお、容量素子C31の第1端子と、トランジスタTr35のゲートと、の接続部をノードN31と呼称する。加えて、容量素子C32の第1端子と、トランジスタTr36のゲートと、の接続部をノードN32と呼称する。
【0177】
配線VDDLは、後述する高レベル電位よりも高い電位を供給する配線であり、配線GNDLは、GND電位を供給する配線である。
【0178】
図16は、レベルシフタ600の動作例を示すタイミングチャートである。該タイミングチャートは、時刻T1乃至時刻T4における、入力端子IN1、入力端子IN0、出力端子OUT、ノードN31、及びノードN32の電位の変化を示している。
【0179】
入力端子IN1には、低レベル電位(
図16ではLowと表記している。)、又は、高レベル電位(
図16ではHighと表記している。)、のどちらかが印加され、入力端子IN0には、低レベル電位、又は、高レベル電位、のどちらかが印加される。
【0180】
出力端子OUTには、高レベル電位よりも高い電位VDD、またはGND電位が出力される。
【0181】
時刻T1において、入力端子IN1には、高レベル電位が入力され、入力端子IN0には、低レベル電位が入力される。トランジスタTr31は、ダイオード接続の構成となっているため、トランジスタTr31の第2端子と電気的に接続されているノードN31の電位が高レベル電位まで上昇する(
図16では、V1まで上昇する旨を図示している。)。また、トランジスタTr34のゲートに高レベル電位が印加されるため、トランジスタTr34は、導通状態となり、トランジスタTr34の第1端子と電気的に接続されているノードN32の電位はGND電位まで下降する。トランジスタTr33のゲートには、低レベル電位が印加されるため、トランジスタTr33は、非導通状態となる。
【0182】
ここで、ノードN31と、トランジスタTr35と、に着目する。トランジスタTr35は導通状態であるため、出力端子OUTから出力される電位は、徐々に上昇する。加えて、トランジスタTr36は非導通状態であるため、出力端子OUTから出力される電位の上昇に伴って、容量素子C31の第2端子の電位も上昇する。このため、容量素子C31のブースティング効果により、ノードN31の電位も上昇する(
図16では、V2まで上昇する旨を図示している。)。つまり、トランジスタTr35のゲートの電位が高くなるため、トランジスタTr35に流れるオン電流が増加する。これにより、出力端子OUTから出力される電位は、VDDまで上昇することになる。
【0183】
時刻T2において、入力端子IN1には、低レベル電位が入力される。また、入力端子IN0には、時刻T2以前から引き続き、低レベル電位が入力される。トランジスタTr31は、入力端子IN1から入力された低レベル電位により、非導通状態となり、トランジスタTr32は、入力端子IN0から入力された低レベル電位により、引き続き、非導通状態となる。加えて、トランジスタTr34のゲートには、低レベル電位が入力されるため、トランジスタTr34は、非導通状態となる。上述の動作によって、ノードN31、及びノードN32は、フローティング状態となり、ノードN31、及びノードN32のそれぞれの電位は保持される。このため出力端子OUTから出力される電位に変化は生じない。
【0184】
時刻T3において、入力端子IN1には、時刻T3以前から引き続き、低レベル電位が入力される。また、入力端子IN0には、高レベル電位が入力される。トランジスタTr32は、ダイオード接続の構成となっているため、トランジスタTr32の第2端子と電気的に接続されているノードN32の電位が上昇する。トランジスタTr33のゲートは、入力端子IN0からの高レベル電位が入力されるため、導通状態となり、トランジスタTr33の第1端子と電気的に接続されているノードN31の電位はGND電位まで下降する。
【0185】
ここで、トランジスタTr36に着目する。トランジスタTr36は導通状態であるため、出力端子OUTから出力される電位は、徐々に下降し、GND電位となる。
【0186】
時刻T4において、入力端子IN1には、時刻T4以前から引き続き、低レベル電位が入力される。また、入力端子IN0には、低レベル電位が入力される。トランジスタTr31は、入力端子IN1から入力された低レベル電位により、引き続き、非導通状態となり、トランジスタTr32は、入力端子IN0から入力された低レベル電位により、非導通状態となる。加えて、トランジスタTr33のゲートには、低レベル電位が入力されるため、トランジスタTr33は、非導通状態となる。上述の動作によって、ノードN31、及びノードN32は、フローティング状態となり、ノードN31、及びノードN32のそれぞれの電位は保持される。このため出力端子OUTから出力される電位に変化は生じない。
【0187】
このように、レベルシフタ104を
図15に示すレベルシフタ600の構成にすることによって、入力電圧を高電位側にレベルシフトすることができる。なお、レベルシフタ600は、例えば、発光素子のゲートドライバに入力するタイミング信号をレベルシフトする機能として用いればよい。
【0188】
<レベルシフタの構成例2>
また、上述したレベルシフタとは別の構成例について説明する。
【0189】
初めに、別の構成例のレベルシフタを説明する前に、該レベルシフタを構成するバッファ回路、及び差動アンプについて説明する。
【0190】
<<バッファ回路>>
図17(A)にバッファ回路621の構成例を示す。バッファ回路621は、トランジスタTr81乃至トランジスタTr88と、容量素子C81と、容量素子C82と、を有する。
【0191】
トランジスタTr81の第1端子は、入力端子INaと電気的に接続され、トランジスタTr81の第2端子は、トランジスタTr85のゲートと、トランジスタTr87のゲートと、に電気的に接続され、トランジスタTr81のゲートは、トランジスタTr81の第1端子と電気的に接続されている。つまり、トランジスタTr81はダイオード接続の構成となっている。トランジスタTr82の第1端子は、入力端子INbと電気的に接続され、トランジスタTr82の第2端子は、トランジスタTr86のゲートと、トランジスタTr88のゲートと、に電気的に接続され、トランジスタTr82のゲートは、トランジスタTr82の第1端子と電気的に接続されている。トランジスタTr82はダイオード接続の構成となっている。トランジスタTr83の第1端子は、トランジスタTr85のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr83の第2端子は、配線VSSLと電気的に接続され、トランジスタTr83のゲートは、入力端子INbと電気的に接続されている。トランジスタTr84の第1端子は、トランジスタTr86のゲートと電気的に接続され、トランジスタTr84の第2端子は、配線VSSLと電気的に接続され、トランジスタTr84のゲートは、入力端子INaと電気的に接続されている。トランジスタTr85の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続されている。トランジスタTr86の第1端子は、配線VSSLと電気的に接続されている。トランジスタTr85の第2端子は、トランジスタTr86の第2端子と電気的に接続されている。トランジスタTr87の第1端子は、配線VDDLと電気的に接続され、トランジスタTr87の第2端子は、出力端子OTBFと電気的に接続されている。トランジスタTr88の第1端子は、配線VSSLと電気的に接続され、トランジスタTr88の第2端子は、出力端子OTBFと電気的に接続されている。
【0192】
容量素子C81の第1端子は、トランジスタTr85のゲートと電気的に接続され、容量素子C81の第2端子は、トランジスタTr85の第2端子と電気的に接続されている。容量素子C82の第1端子は、トランジスタTr86のゲートと電気的に接続され、容量素子C82の第2端子は、配線VSSLと電気的に接続されている。
【0193】
なお、容量素子C81の第1端子と、トランジスタTr85のゲートと、の接続部をノードN81と呼称する。加えて、容量素子C82の第1端子と、トランジスタTr86のゲートと、の接続部をノードN82と呼称する。更に、トランジスタTr85の第2端子と、トランジスタTr86の第2端子と、の接続部をノードN83と呼称する。
【0194】
配線VDDLは、電位VDDを与える配線であり、配線VSSLは、電位VSSを与える配線である。なお、電位VDDは、電位VSSよりも高い電位であるとする。
【0195】
次に、バッファ回路621の動作例について説明する。
【0196】
図17(B)は、バッファ回路621の動作例を示すタイミングチャートである。該タイミングチャートは、時刻T11乃至時刻T14における、入力端子INa、入力端子INb、出力端子OTBF、ノードN81、ノードN82の電位の変化を示している。
【0197】
入力端子INaには、低レベル電位として電位VSS2、又は、高レベル電位として電位VDD2のどちらかが印加され、入力端子INbには、電位VSS2、又は、電位VDD2のどちらかが印加される。
【0198】
電位VSS2は、電位VSSよりも低い電位、又は電位VSSと同等の電位であり、電位VDD2は、電位VDDよりも低い電位である。
【0199】
出力端子OTBFには、入力端子INa、及び入力端子INbの電位に応じて、電位VDD、又は電位VSSのどちらかが出力される。
【0200】
時刻T11において、入力端子INaには、電位VDD2が入力され、入力端子INbには、電位VSS2が入力される。トランジスタTr81は、ダイオード接続の構成となっているため、トランジスタTr81の第2端子と電気的に接続されているノードN81の電位が上昇する(
図17(B)では、V11まで上昇する旨を図示している。)。また、トランジスタTr84のゲートに電位VDD2が印加されるため、トランジスタTr84は、導通状態となり、トランジスタTr84の第1端子と電気的に接続されているノードN82の電位は電位VSSまで下降する。トランジスタTr83のゲートには、電位VSSが印加されるため、トランジスタTr83は、非導通状態となる。
【0201】
ここで、ノードN81と、トランジスタTr85と、に着目する。トランジスタTr85は導通状態であるため、ノードN83の電位は、徐々に上昇する。加えて、トランジスタTr86は非導通状態であるため、ノードN83の電位の上昇に伴って、容量素子C81の第2端子の電位も上昇する。このため、容量素子C81のブースティング効果により、ノードN81の電位も上昇する(
図17(B)では、V12まで上昇する旨を図示している。)。つまり、トランジスタTr85のゲートの電位が高くなるため、トランジスタTr85に流れるオン電流が増加する。これにより、ノードN83の電位は、電位VDDまで上昇することになる。
【0202】
ところで、トランジスタTr87のゲートの電位は、ノードN81の電位と等しいため、前述したノードN83の電位の上昇に伴って、トランジスタTr87に流れるオン電流は、増加する。また、ノードN82は、電位VSSとなっているため、トランジスタTr88は、非導通状態となっている。そのため、出力端子OTBFから、電位VDDが出力される。
【0203】
時刻T12において、入力端子INaには、電位VSS2が入力される。また、入力端子INbには、時刻T12以前から引き続き、電位VSS2が入力される。トランジスタTr81は、入力端子INaから入力された電位VSS2により、非導通状態となり、トランジスタTr82は、入力端子INbから入力された電位VSS2により、引き続き、非導通状態となる。加えて、トランジスタTr84のゲートには、電位VSS2が入力されるため、トランジスタTr84は、非導通状態となる。上述の動作によって、ノードN81、及びノードN82は、フローティング状態となり、ノードN81、及びノードN82のそれぞれの電位は保持される。このため出力端子OTBFから出力される電位に変化は生じない。
【0204】
時刻T13において、入力端子INaには、時刻T13以前から引き続き、電位VSS2が入力される。また、入力端子INbには、電位VDD2が入力される。トランジスタTr82は、ダイオード接続の構成となっているため、トランジスタTr82の第2端子と電気的に接続されているノードN82の電位が上昇する。トランジスタTr83のゲートは、入力端子INbからの電位VDD2が入力されるため、導通状態となり、トランジスタTr83の第1端子と電気的に接続されているノードN81の電位は電位VSSまで下降する。また、トランジスタTr86のゲートは、同様に、入力端子INbからの電位VDD2が入力されるため、導通状態となり、ノードN83の電位は電位VSSまで下降する。
【0205】
ここで、トランジスタTr88に着目する。トランジスタTr88のゲートは、入力端子INbからの電位VDD2が入力されるため、導通状態となり、出力端子OTBFから出力される電位は、徐々に下降し、電位VSSとなる。
【0206】
時刻T14において、入力端子INaには、時刻T14以前から引き続き、電位VSS2が入力される。また、入力端子INbには、電位VSS2が入力される。トランジスタTr81は、入力端子INaから入力された電位VSS2により、引き続き、非導通状態となり、トランジスタTr82は、入力端子INbから入力された電位VSS2により、非導通状態となる。加えて、トランジスタTr83のゲートには、電位VSS2が入力されるため、トランジスタTr83は、非導通状態となる。上述の動作によって、ノードN81、及びノードN82は、フローティング状態となり、ノードN81、及びノードN82のそれぞれの電位は保持される。このため出力端子OTBFから出力される電位に変化は生じない。
【0207】
このように、バッファ回路621を
図17(A)に示す回路構成にすることで、入力端子INa、及び入力端子INbの入力電位に応じて、出力端子OTBFから電位VDD、又は電位GNDを出力することができる。
【0208】
なお、バッファ回路621は、
図15のレベルシフタ600の回路にトランジスタTr87、及びトランジスタTr88を加えた構成となっている。レベルシフタ600では、容量素子C31の第2端子は、出力端子OUTと電気的に接続された構成となっており、バッファ回路621では、容量素子C81の第2端子は、出力端子OTBFと電気的に接続されていない構成となっている。つまり、バッファ回路621のノードN83の電位は、出力端子OTBFの電位の影響(例えば、バッファ回路621の外部から出力端子OTBFに印加される電位の影響など。)を受けないため、レベルシフタ600の出力端子OUTから出力される電位よりも、安定した電位を出力することができる。
【0209】
<<差動アンプ>>
次に、差動アンプの具体的な構成例について説明する。
【0210】
図18(A)に差動アンプの一例を示している。差動アンプ622は、トランジスタTr91乃至トランジスタTr97と、容量素子C91と、を有する。
【0211】
トランジスタTr91の第1端子は、配線VDD2Lと電気的に接続され、トランジスタTr91の第2端子は、トランジスタTr93の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr91のゲートは、トランジスタTr91の第2端子と電気的に接続され、トランジスタTr91のバックゲートは、配線VBGLと電気的に接続されている。トランジスタTr92の第1端子は、配線VDD2Lと電気的に接続され、トランジスタTr92の第2端子は、トランジスタTr94の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr92のゲートは、トランジスタTr92の第2端子と電気的に接続され、トランジスタTr92のバックゲートは、配線VBGLと電気的に接続されている。トランジスタTr93の第2端子は、トランジスタTr95の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr93のゲートは、入力端子INDと電気的に接続されている。トランジスタTr94の第2端子は、トランジスタTr95の第1端子と電気的に接続され、トランジスタTr94のゲートは、配線REFLと電気的に接続されている。トランジスタTr95の第2端子は、配線VSS2Lと電気的に接続され、トランジスタTr95のゲートは、配線VBIASLと電気的に接続されている。
【0212】
トランジスタTr96の第1端子は、配線VDD2Lと電気的に接続され、トランジスタTr96の第2端子は、出力端子OTDと電気的に接続され、トランジスタTr96のゲートは、トランジスタTr92の第2端子と電気的に接続され、トランジスタTr96のバックゲートは、配線VBG2Lと電気的に接続されている。トランジスタTr97の第1端子は、出力端子OTDと電気的に接続され、トランジスタTr97の第2端子は、配線VSS2Lと電気的に接続され、トランジスタTr97のゲートは、配線VBIASLと電気的に接続されている。
【0213】
容量素子C91の第1端子は、トランジスタTr92の第2端子と電気的に接続され、容量素子C91の第2端子は、出力端子OTDと電気的に接続されている。
【0214】
次に、差動アンプ622の動作例について説明する。
【0215】
図18(B)は、差動アンプ622の動作例を示すタイミングチャートである。該タイミングチャートは、時刻T21乃至時刻T24における、入力端子IND、出力端子OTD、配線VBIASL、配線VBGL、配線VBG2Lの電位の変化を示している。
【0216】
入力端子INDには、高レベル電位として電位VDL、又は低レベル電位として電位GNDの一方が印加される。加えて、配線VDD2Lには、電位VDD2が印加され、配線VSS2Lには、電位VSS2が印加される。
【0217】
配線REFLは、参照電位を与える配線であり、参照電位は、入力端子INDに入力される電位と比較される。その比較結果に応じて、出力端子OTDから出力される電位が、電位VDD2、又は電位VSS2の一方に定まる。なお、電位VDD2より低く、かつ電位VSS2よりも高い電位が出力端子OTDから出力される場合もあるが、ここでは簡単のため、出力端子OTDから出力される電位は、電位VDD2、又は電位VSS2とする。なお、本動作例において、参照電位は、電位VDLよりも低く、電位GNDよりも高い電位であるとする。例えば、参照電位を(電位VDL+電位GND)/2の電位として、配線REFLから与える構成としてもよい。
【0218】
なお、配線VBGLは、トランジスタTr91、及びトランジスタTr92のそれぞれのバックゲートに電位を与える配線である。特に、配線VBGLの電位を高電位とすることにより、トランジスタTr91、及びトランジスタTr92は、電流源として機能する。具体的には、トランジスタTr91の第2端子とゲートが等電位になっているので、トランジスタTr91のゲート−ソース間電圧は0Vとなる。このとき、トランジスタTr91のバックゲートの電位を高電位にすることで、トランジスタTr91の電圧−電流特性をマイナス側にシフトすることができる(以後、これをノーマリーオン状態と呼称する。)。このため、トランジスタTr91のゲート−ソース間電圧が0Vであっても、トランジスタTr91の第1端子から第2端子の方向に電流が流れる。なお、トランジスタTr91の第2端子の電位は、電位VDD2よりもトランジスタTr91のしきい値電圧分低下した電位となる。
【0219】
また、トランジスタTr92のゲート−ソース間電圧も0Vとなっているため、上述と同様に、トランジスタTr92のバックゲートの電位を高電位にすることで、トランジスタTr92の第1端子から第2端子の方向に電流が流れる。なお、トランジスタTr92の第2端子の電位は、電位VDD2よりもトランジスタTr92のしきい値電圧分低下した電位となる。
【0220】
また、配線VBG2Lは、トランジスタTr96のバックゲートに電位を与える配線であり、特に、配線VBG2Lの電位を高電位とすることで、トランジスタTr96を電流源として機能する。具体的には、トランジスタTr96のバックゲートの電位を高電位にすることで、トランジスタTr96をノーマリーオン状態にすることができる。このため、トランジスタTr96のゲート−ソース間電圧、つまり、容量素子C91に保持されている電位が0Vであっても、トランジスタTr96の第1端子から第2端子の方向に電流が流れる。
【0221】
なお、配線VBIASLは、調整電位を与える配線であり、差動アンプ622が適切に動作するような電位を供給する。
【0222】
時刻T21において、入力端子INDには、電位VDLが入力される。また、配線VBGLと、配線VBG2Lと、には、高レベル電位(
図18(B)では、Highと表記する。)が入力される。
【0223】
このとき、トランジスタTr93のゲートの電位は電位VDLであり、トランジスタTr94のゲートの参照電位よりも高くなっている。そのため、トランジスタTr93のオン電流は、トランジスタTr94のオン電流よりも大きくなる。
【0224】
ところで、トランジスタTr95のオン電流は、トランジスタTr95のゲートに印加されている調整電位と、ソース(ここでは、トランジスタTr95の第2端子)の電位と、によって定まる。また、キルヒホッフの法則より、トランジスタTr95のオン電流は、トランジスタTr93のオン電流と、トランジスタTr94のオン電流と、の和と等しくなる。
【0225】
トランジスタTr91、及びトランジスタTr92では、それぞれのバックゲートに高レベル電位が印加されているため、トランジスタTr91、及びトランジスタTr92のそれぞれは、電流源として機能する。トランジスタTr94のオン電流は、トランジスタTr93のオン電流よりも小さいため、容量素子C91の第1端子に電荷が保持される。なお、容量素子C91の第1端子の電位は、電位VDD2からトランジスタTr92のしきい値電圧分低下した電位(以後、VDD2−V
thと記載する。)となる。
【0226】
ここで、トランジスタTr96に着目する。トランジスタTr96のゲートの電位は、容量素子C91の第1端子の電位とほぼ等しいため、VDD2−V
thとなる。更に、トランジスタTr96のバックゲートに高レベル電位が印加されているため、トランジスタTr96はノーマリーオン状態となっている。そのため、トランジスタTr96の第1端子から第2端子に電流が流れる。
【0227】
また、トランジスタTr97のゲートには、調整電位が印加されているため、トランジスタTr97は導通状態となり、トランジスタTr97の第1端子から第2端子に電流が流れる。ところで、トランジスタTr96のオン電流は、トランジスタTr96のゲートにVDD2−V
thが印加され、かつトランジスタTr96のバックゲートに高電位が印加されているため、トランジスタTr97のオン電流よりも大きくなる。そのため、出力端子OTDから出力される電位は、電位VDD2となる。
【0228】
時刻T22において、入力端子INDには、電位GNDが入力される。また、配線VBGLと、配線VBG2Lと、には、時刻T22以前から引き続き、高レベル電位が入力される。
【0229】
このとき、トランジスタTr93のゲートの電位は電位GNDとなるので、トランジスタTr93のオン電流は、トランジスタTr94のオン電流よりも小さくなる。また、トランジスタTr93のサイズなどによっては、トランジスタTr93は非導通状態となるが、本動作例では、トランジスタTr93には、トランジスタTr94のオン電流よりも小さい、オン電流が生じるものとする。
【0230】
ところで、前述したとおり、トランジスタTr95のオン電流は、トランジスタTr93のオン電流と、トランジスタTr94のオン電流と、の和と等しい。しかし、トランジスタTr94のオン電流は、トランジスタTr93のオン電流よりも大きいため、容量素子C91の第1端子に保持された電荷は放電され、容量素子C91の第1端子の電位は、電位VSS2の近傍まで低下する。
【0231】
ここで、トランジスタTr96に着目する。トランジスタTr96のゲートの電位は、容量素子C91と第1端子の電位とほぼ等しいため、電位VSS2の近傍の電位となる。このため、トランジスタTr96のオン電流は、時刻T22直前のオン電流よりも小さくなる。
【0232】
トランジスタTr97のゲートには、調整電位が印加されているため、トランジスタTr97は導通状態となっており、時刻T22以前から引き続き、トランジスタTr97の第1端子から第2端子に電流が流れている。トランジスタTr97のオン電流は、トランジスタTr96のオン電流よりも大きいため、出力端子OTDから出力される電位は、電位VSS2となる。
【0233】
時刻T23において、配線VBGLと、配線VBG2Lと、には低レベル電位が印加される。つまり、トランジスタTr91、トランジスタTr92、及びトランジスタTr96のそれぞれのバックゲートに低レベル電位が印加されることになり、トランジスタTr91、トランジスタTr92、及びトランジスタTr96のそれぞれが非導通状態となる。このようにすることで、トランジスタTr91、トランジスタTr92、及びトランジスタTr96に流れる貫通電流を削減して、差動アンプ622の消費電力を低減することができる。つまり、入力端子INDの電位が電位GNDであることが分かっている場合、例えば、表示装置がIDS駆動(IDS駆動については後述する。)の実施期間、又は帰線期間などの、タイミング信号が長期間、低レベル電位になる場合において、配線VBGLと、配線VBG2Lと、の電位を低レベル電位とすることで、低消費電力化が実現できる。
【0234】
<<回路610>>
ここで、レベルシフタ600と異なる別のレベルシフタの構成例について説明する。
【0235】
図19(A)に示す回路610は、レベルシフタ620と、ロジック回路630と、を有する。ロジック回路630は、レベルシフタ620への入力信号を生成する回路である。
【0236】
ロジック回路630は、フリップフロップ回路DSR1と、フリップフロップ回路DSR2と、AND回路LGaと、AND回路LGbと、を有する。但し、AND回路LGaと、AND回路LGbと、は、それぞれ第2入力端子に入力された信号の論理を反転する機能を有する。実際の構成としては、AND回路の2つある入力端子の一方にインバータを電気的に接続する構成とすればよい。
【0237】
フリップフロップ回路DSR1の入力端子は、配線INLと電気的に接続され、フリップフロップ回路DSR1の出力端子は、フリップフロップ回路DSR2の入力端子と、AND回路LGaの第1入力端子と、AND回路LGbの第2入力端子と、に電気的に接続され、フリップフロップ回路DSR1のクロック入力端子は、配線CLKLと電気的に接続されている。フリップフロップ回路DSR2の出力端子は、AND回路LGaの第2端子と、AND回路LGbの第1端子と、に電気的に接続され、フリップフロップ回路DSR2のクロック入力端子は、配線CLKLと電気的に接続されている。
【0238】
なお、配線INLは、ロジック回路630に入力信号を供給する配線であり、配線CLKLは、ロジック回路630を駆動するためのクロック信号を供給する配線である。
【0239】
ロジック回路630は、配線INLに入力された信号をレベルシフトする場合において、クロック信号に同期して、出力端子LOTa、及び出力端子LOTbからそれぞれ対応したパルス信号を出力する機能を有する。
【0240】
レベルシフタ620は、差動アンプ622_1と、差動アンプ622_2と、バッファ回路621と、を有する。差動アンプ622_1、及び差動アンプ622_2には、前述した差動アンプ622を適用することができる。
【0241】
差動アンプ622_1の入力端子INDは、AND回路LGaの出力端子LOTaと電気的に接続され、差動アンプ622_1の出力端子OTDは、バッファ回路621の入力端子INaと電気的に接続されている。差動アンプ622_2の入力端子INDは、AND回路LGbの出力端子LOTbと電気的に接続され、差動アンプ622_2の出力端子OTDは、バッファ回路621の入力端子INbと電気的に接続されている。バッファ回路621の出力端子OTBFは、配線OTLと電気的に接続されている。なお、差動アンプ622_1の出力端子OTDと、バッファ回路621の入力端子INaと、の電気的に接続間をノードNDaとし、差動アンプ622_2の出力端子OTDと、バッファ回路621の入力端子INbと、の電気的に接続間をノードNDbとする。
【0242】
次に、回路610の動作例について説明する。
【0243】
図19(B)は、回路610の動作例を示すタイミングチャートである。該タイミングチャートは、時刻T31乃至時刻T36における、配線CLKL、配線INL、出力端子LOTa、出力端子LOTb、ノードNDa、ノードNDb、配線OTLの電位の変化を示している。
【0244】
時刻T31において、配線INLに、低レベル電位L(GND)から高レベル電位H(VDL)に遷移する信号が入力される。
【0245】
時刻T32において、ロジック回路630は、該信号の遷移後の最初のクロック信号の立ち上がりエッジに同期して、出力端子LOTaから高レベル電位H(VDL)のパルス信号を出力する。その結果、差動アンプ622_1の入力端子INDに、高レベル電位H(VDL)が入力されるため、差動アンプ622_1の出力端子OTDから、電位VDD2が出力される。したがって、ノードNDaの電位は、電位VDD2となる。
【0246】
一方、出力端子LOTbからは、低レベル電位L(GND)が出力され、差動アンプ622_2の入力端子に低レベル電位L(GND)が入力される。したがって、差動アンプ622_2の出力端子OTDから、電位VSS2が出力され、ノードNDbの電位が、電位VSS2となる。
【0247】
そのため、バッファ回路621の入力端子INaには、電位VDD2が入力され、バッファ回路621の入力端子INbには、電位VSS2が入力される。バッファ回路621は、入力端子INaに電位VDD2が、入力端子INbに電位VSS2が入力されることにより、出力端子OTBFから、電位VDDが出力される。したがって、回路610の配線OTLから電位VDDが出力される。
【0248】
なお、出力端子LOTaから出力されたパルス信号の長さは、配線CLKLに入力されたクロック信号の1周期の長さとなる。したがって、時刻T33において、出力端子LOTaから出力されたパルス信号は、低レベル電位L(GND)に低下し、それに伴い、差動アンプ622_1の出力端子OTD、及びノードNDaの電位は、電位VSS2まで低下する。なお、バッファ回路621の出力端子OTBFから出力される電位は、時刻T33以前から引き続き、電位VDDとなる。したがって、回路610の配線OTLからは、電位VDDが出力される。
【0249】
時刻T34において、配線INLに、高レベル電位H(VDL)から低レベル電位L(GND)に遷移する信号が入力される。
【0250】
時刻T35において、ロジック回路630は、該信号の遷移後の最初のクロック信号の立ち上がりエッジに同期して、出力端子LOTbから高レベル電位H(VDL)のパルス信号を出力する。その結果、差動アンプ622_2の入力端子INDに、高レベル電位H(VDL)が入力されるため、差動アンプ622_2の出力端子OTDから、電位VDD2が出力される。したがって、ノードNDbの電位は、電位VDD2となる。
【0251】
一方、出力端子LOTaからは、低レベル電位L(GND)が出力され、差動アンプ622_1の入力端子に低レベル電位L(GND)が入力される。したがって、差動アンプ622_1の出力端子OTDから、電位VSS2が出力され、ノードNDaの電位が、電位VSS2となる。
【0252】
そのため、バッファ回路621の入力端子INaには、電位VSS2が入力され、バッファ回路621の入力端子INbには、電位VDD2が入力される。バッファ回路621は、入力端子INaに電位VSS2が、入力端子INbに電位VDD2が入力されることにより、出力端子OTBFから、電位VSSが出力される。したがって、回路610の配線OTLから電位VSSが出力される。
【0253】
なお、出力端子LOTbから出力されたパルス信号の長さは、配線CLKLに入力されたクロック信号の1周期の長さとなる。したがって、時刻T36において、出力端子LOTbから出力されたパルス信号は、低レベル電位L(GND)に低下し、それに伴い、差動アンプ622_2の出力端子OTD、及びノードNDbの電位は、電位VSS2まで低下する。なお、バッファ回路621の出力端子OTBFから出力される電位は、時刻T36以前から引き続き、電位VSSとなる。したがって、回路610の配線OTLからは、電位VSSが出力される。
【0254】
このように、レベルシフタ104を
図19(A)に示すレベルシフタ620として、レベルシフタ620への入力信号をロジック回路630で生成する構成にすることによって、入力電位を高電位側又は低電位側にレベルシフトすることができる。なお、レベルシフタ620は、例えば、液晶素子のゲートドライバに入力するタイミング信号をレベルシフトする機能として用いればよい。
【0255】
上述した、画素回路21乃至画素回路25、画素回路31乃至画素回路36が有するトランジスタTr1乃至トランジスタTr4、そして、ゲートドライバ103などが有するトランジスタTr11乃至トランジスタTr23、トランジスタTr31乃至トランジスタTr36、トランジスタTr81乃至トランジスタTr88、及びトランジスタTr91乃至トランジスタTr97は、OSトランジスタを適用することができる。
【0256】
特に、上述のゲートドライバ103をOSトランジスタのみで構成する場合、OSトランジスタはSiトランジスタよりも電界効果移動度が低い場合があるため、ゲートドライバ103に入力するタイミング信号は、高電圧にするのが好ましい。その場合、ゲートドライバ103に入力するタイミング信号を、上述したレベルシフタ600、レベルシフタ620などによって昇圧するような構成にする必要がある。つまり、
図1に示した表示装置100において、レベルシフタ104としてレベルシフタ600(レベルシフタ620)を適用して、コントローラIC112から、タイミング信号をレベルシフタ600(レベルシフタ620)に送信し、該タイミング信号をレベルシフタ600(レベルシフタ620)によってレベルシフトして、ゲートドライバ103に入力する構成にするのがよい。
【0257】
また、レベルシフタ104として、レベルシフタ620を適用する場合、ロジック回路630は、
図1に示した表示装置100において、コントローラIC112に作製するのが好ましい。ロジック回路630は、CMOS(Complementary MOS)の構成にすることによって、回路規模を小さくすることができる。そのため、ロジック回路630は、Siトランジスタのみで構成する、又は、SiトランジスタとOSトランジスタとで構成する、のが好ましい。
【0258】
このような構成とする場合、レベルシフタ104もOSトランジスタのみで構成するのがよい。このような構成にすることによって、消費電力の低減、信号遅延の低減、そして、動作特性の向上を実現することができる。また、基材101上にゲートドライバ103と同時に形成することができるため、表示装置100の作製工程を短縮することができる。
【0259】
なお、本実施の形態は、表示装置100だけでなく、表示装置100Aに対しても有効である。
【0260】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0261】
(実施の形態3)
次に、実施の形態1で説明した表示装置100、又は表示装置100Aに実装できるソースドライバIC、又はコントローラICのチップについて説明する。
【0262】
<ソースドライバIC>
図20にソースドライバICの一例をブロック図として示す。ソースドライバIC111は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)レシーバ710と、シリアルパラレル変換回路720と、シフトレジスタ回路730と、ラッチ回路740と、レベルシフタ750と、パストランジスタ論理回路760と、抵抗ストリング回路770と、外部補正回路780と、BGR回路790(Band Gap Reference)と、バイアスジェネレータ800と、バッファアンプ900と、を有している。なお、
図20では、ソースドライバIC111は、バイアスジェネレータ800を2つ有している。
【0263】
LVDSレシーバ710は、外部のホストプロセッサと電気的に接続されている。LVDSレシーバ710は、該ホストプロセッサからのビデオ信号を受信する機能を有し、LVDSレシーバ710は、差動信号をシングルエンドの信号に変換して、シリアルパラレル変換回路720に該信号を送信する。
図20では、ビデオ信号として、アナログ電圧信号DA,DB0、アナログ電圧信号DA,DB1、アナログ電圧信号DA,DB2、アナログ電圧信号DA,DB3、アナログ電圧信号DA,DB4、アナログ電圧信号DA,DB5、アナログ電圧信号DA,DB6、及びアナログ電圧信号DA,DB7がLVDSレシーバに入力されている。なお、LVDSレシーバ710は、クロック信号CLOCK及びクロック信号CLOCKBの入力により、逐次動作が行われ、また、LVDSレシーバ710は、スタンバイ信号STBYにより、スタンバイ状態にする(一時停止する)ことができる。なお、クロック信号CLOCKBは、クロック信号CLOCKの反転信号である。
【0264】
シリアルパラレル変換回路720は、LVDSレシーバ710と電気的に接続されている。シリアルパラレル変換回路720は、LVDSレシーバ710からのシングルエンドの信号を受信する機能を有し、シリアルパラレル変換回路720は、シングルエンドの信号をパラレル変換して、BUS[127:0]の信号として内部バスに送信する。
【0265】
シフトレジスタ回路730は、シリアルパラレル変換回路720と電気的に接続され、ラッチ回路740はシフトレジスタ回路730と電気的に接続されている。シフトレジスタ回路730は、シリアルパラレル変換回路720と同期して、内部バス上のデータを各ラインのラッチ回路740に格納するタイミングを指定する機能を有する。
【0266】
レベルシフタ750は、ラッチ回路740と電気的に接続されている。レベルシフタ750は、ラッチ回路740に全てのラインのデータが格納されたときに、それぞれのデータをレベルシフトする機能を有する。
【0267】
パストランジスタ論理回路760は、レベルシフタ750と、抵抗ストリング回路770と電気的に接続されている。なお、パストランジスタ論理回路760と抵抗ストリング回路770によってDAC(Digital to Analog Converter)が構成される。抵抗ストリング回路770には、8ビットの信号(
図20ではVR0−VR255と記載)が入力され、該信号に応じた電位をパストランジスタ論理回路760に出力する。パストランジスタ論理回路760は、該電位の供給によって、レベルシフトされた各データをデジタルアナログ変換する機能を有する。
【0268】
バッファアンプ900は、パストランジスタ論理回路760と電気的に接続されている。バッファアンプ900は、デジタルアナログ変換されたデータを増幅して、データ信号として増幅されたデータ(
図20ではS[2159:0]と記載)を画素アレイに送信する機能を有する。
【0269】
BGR回路790は、ソースドライバIC111を駆動するための基準となる電圧を生成する機能を有する。BGR回路790は、バイアスジェネレータの一方及び他方のそれぞれと電気的に接続されている。
【0270】
バイアスジェネレータ800の一方は、BGR回路790と、バッファアンプ900と、に電気的に接続されている。バイアスジェネレータ800の一方は、BGR回路790で生成した基準となる電圧から、バッファアンプ900を動作させるためのバイアス電圧を生成する機能を有する。なお、バイアスジェネレータ800の一方には、LVDSレシーバ710と同じタイミングでスタンバイ信号STBYが入力され、この信号によって、バイアスジェネレータ800の一方をスタンバイ状態にする(一時停止する、又はアイドリングストップの状態にする)ことができる。
【0271】
バイアスジェネレータ800の他方は、外部補正回路780に電気的に接続されている。バイアスジェネレータ800の他方は、BGR回路790で生成した基準となる電圧から、外部補正回路780を動作させるためのバイアス電圧を生成する機能を有する。なお、外部補正回路780を動作させる必要が無いとき、バイアスジェネレータ800の他方には、スタンバイ信号CMSTBYが送信され、この信号によって、バイアスジェネレータ800の他方をスタンバイ状態にする(一時停止する、又はアイドリングストップの状態にする)ことができる。
【0272】
外部補正回路780は、画素が有するトランジスタと電気的に接続されている。画素アレイにおいて、それぞれの画素トランジスタに電圧電流特性のバラツキが存在する場合、その表示装置に映す画像に対して影響を与えるため、表示装置の表示品位の低下を引き起こす要因となる。外部補正回路780は、該画素トランジスタに流れる電流量を計測して、該電流量に応じて該画素トランジスタに流れる電流量を適切にする機能を有する。なお、外部補正回路780には、セット信号CMSETが入力され、この信号によって、外部補正回路780の初期化が行われる。また、外部補正回路780には、クロック信号CMCLKが入力され、この信号によって外部補正回路780が動作する。また、外部補正回路780には、画素回路が有するトランジスタからの信号(
図20ではS[719:0]と記載)が入力され、外部補正回路780に別に印加されている参照電位VREF1、及び参照電位VREF2を基準として、画像補正に関する判定が行われる。その補正に関する判定結果を、出力信号としてCMOUT[11:0]がソースドライバIC111の外部にあるイメージプロセッサに送信される。該イメージプロセッサはCMOUT[11:0]の内容に基づいて、映像データの補正を行う。
【0273】
なお、ソースドライバIC111は、外部補正回路780を有する構成でなくてもよい。例えば、外部補正回路780は、ソースドライバIC111に設けず、画素アレイが有するそれぞれの画素に補正回路を設ける構成であってもよい。また、例えば、外部補正回路780は、ソースドライバIC111に設けず、後述するコントローラICに設ける構成としてもよい。
【0274】
ソースドライバIC111の各回路を実現するには、高耐圧Siトランジスタを用いるのが好適である。また、高耐圧Siトランジスタを用いることで、ソースドライバIC111が有する回路の微細化が可能となる場合があるため、これによって、高精細な表示装置を実現することができる。
【0275】
<コントローラIC>
図21は、表示装置100に適用できるコントローラIC400の構成例のブロック図を示している。コントローラIC400は、コントローラIC112の一例であり、インターフェース450、フレームメモリ451、デコーダ452、センサコントローラ453、コントローラ454、クロック生成回路455、画像処理部460、メモリ470、タイミングコントローラ473、レジスタ475、及びタッチセンサコントローラ484を有する。
【0276】
なお、コントローラIC400は、COG方式で、基材上に実装されるのが好ましい。また、場合によっては、コントローラIC400は、COF方式でFPCなどに実装されてもよい。なお、
図21は、コントローラIC400が有する機能を詳細に説明するため、ホスト装置440、レベルシフタ104、ゲートドライバ103、表示部102、ソースドライバIC111、及びタッチセンサユニット200も図示している。また、実施の形態1で説明したとおり、レベルシフタ104、ゲートドライバ103、及び表示部102は、OSトランジスタを備える構成として、該基材上に形成されていることが好ましい。
【0277】
コントローラIC400とホスト装置440との通信は、インターフェース450を介して行われる。ホスト装置440からは、画像データ、各種制御信号等がコントローラIC400に送られる。また、コントローラIC400からは、タッチセンサコントローラ484が取得したタッチ位置などの情報が、ホスト装置440に送られる。なお、コントローラIC400が有するそれぞれの回路は、ホスト装置440の規格、表示装置100の仕様等によって、適宜取捨される。
【0278】
フレームメモリ451は、コントローラIC400に入力された画像データを保存するためのメモリである。ホスト装置から圧縮された画像データが送られる場合、フレームメモリ451は、圧縮された画像データを格納することが可能である。デコーダ452は、圧縮された画像データを伸長するための回路である。画像データを伸長する必要がない場合、デコーダ452は処理を行わない。または、デコーダ452を、フレームメモリ451とインターフェース450との間に、配置することもできる。
【0279】
画像処理部460は、画像データに対して各種画像処理を行う機能を有する。例えば、画像処理部460は、ガンマ補正回路461、調光回路462、調色回路463を有する。
【0280】
画像処理部460で処理された画像データは、メモリ470を経て、
図1のソースドライバIC111に出力される。メモリ470は、画像データを一時的に格納するためのメモリであり、ラインバッファと呼ばれることがある。ソースドライバIC111は、入力された画像データを処理し、表示部102のソース線に書き込む機能をもつ。
【0281】
タイミングコントローラ473は、ソースドライバIC111、タッチセンサコントローラ484、表示装置100に形成されているゲートドライバ103で使用するタイミング信号を生成する機能を有する。なお、本発明の一態様では、ゲートドライバ103に入力されるタイミング信号が、表示装置100に形成されているレベルシフタ104でレベルシフトされてから、ゲートドライバ103に送信される構成となっている。ゲートドライバ103は、表示部102の画素を選択する機能を有する。
【0282】
タッチセンサコントローラ484は、
図21のタッチセンサユニット200のTSドライバIC211、センス回路212を制御する機能をもつ。センス回路212で読み出されたタッチ情報を含む信号は、タッチセンサコントローラ484で処理され、インターフェース450を介して、ホスト装置440に送出される。ホスト装置440は、タッチ情報を反映した画像データを生成し、コントローラIC400に送出する。なお、コントローラIC400で、画像データにタッチ情報を反映する構成も可能である。
【0283】
クロック生成回路455は、コントローラIC400で使用されるクロック信号を生成する機能を有する。コントローラ454は、インターフェース450を介してホスト装置440から送られる各種制御信号を処理し、コントローラIC400内の各種回路を制御する機能を有する。また、コントローラ454は、コントローラIC400内の各種回路への電源供給を制御する機能を有する。以下、使われていない回路への電源供給を一時的に遮断することを、パワーゲーティングと呼ぶ。
【0284】
なお、パワーゲーティングが行われる回路は、領域490内の回路に限定せず、例えば、ゲートドライバ103、レベルシフタ104、ソースドライバIC111、表示部102などに対しても行ってもよい。
【0285】
特に、表示部102が前述したOSトランジスタを有する場合、OSトランジスタはオフ電流が非常に小さい特性を有するため、表示素子に画像データを長時間保持することができる。つまり、静止画の場合において、画像データのリフレッシュを行う必要が無いため、このとき、表示装置100が有する所定の回路をパワーゲーティングすることができる。本明細書では、このような動作をアイドリングストップ(本明細書ではIDSと呼称する。)駆動と呼ぶこととする。
【0286】
レジスタ475は、コントローラIC400の動作に用いられるデータを格納する。レジスタ475が格納するデータには、画像処理部460が補正処理を行うために使用するパラメータ、タイミングコントローラ473が各種タイミング信号の波形生成に用いるパラメータなどがある。レジスタ475は、複数のレジスタで構成されるスキャンチェーンレジスタを備える。
【0287】
センサコントローラ453には、光センサ443が電気的に接続されている。光センサ443には外光445を検知し、検知信号を生成する。センサコントローラ453は該検知信号を基に、制御信号を生成する。センサコントローラ453で生成される該制御信号は、例えば、コントローラ454に出力される。なお、光センサ443は、必ずしも有さなくてもよい。
【0288】
調光回路462は、表示部102に表示する画像データの明るさ(輝度ともいう。)を調整する機能を有する。ここでは、当該調整を調光、あるいは調光処理と呼ぶ。特に、調光処理は、光センサ443と組み合わせて行うことができる。この場合、光センサ443及びセンサコントローラ453を用いて測定した、外光445の明るさに応じて、表示部102に表示する画像データの輝度を調整することができる。
【0289】
調色回路463は、表示部102に表示する画像データの色彩(色調ともいう)を補正することができる。ここでは、当該補正を調色、あるいは調色処理と呼ぶ。
【0290】
画像処理部460は、表示装置100の仕様によって、RGB−RGBW変換回路など、他の処理回路を有する場合がある。RGB−RGBW変換回路とは、RGB(赤、緑、青)画像データを、RGBW(赤、緑、青、白)画像信号に変換する機能をもつ回路である。すなわち、表示装置100がRGBW4色の画素を有する場合、画像データ内のW(白)成分を、W(白)画素を用いて表示することで、消費電力を低減することができる。なお、表示装置100がRGBYの4色の画素を有する場合、RGB−RGBW変換回路はこれに限らず、例えば、RGB−RGBY(赤、緑、青、黄)変換回路を用いることができる。
【0291】
<パラメータ>
ガンマ補正、調光、調色などの画像補正処理は、入力の画像データXに対して出力の補正データYを作成する処理に相当する。画像処理部460が使用するパラメータは、画像データXを、補正データYに変換するためのパラメータである。
【0292】
パラメータの設定方式には、テーブル方式、関数近似方式がある。
図22(A)に示すテーブル方式では、画像データX
nに対して、補正データY
nをパラメータとしてテーブルに格納される。テーブル方式では、当該テーブルに対応するパラメータを格納するレジスタを多数必要とするが、補正の自由度が高い。一方、あらかじめ経験的に画像データXに対する補正データYを決められる場合には、
図22(B)のように、関数近似方式を採用する構成が有効である。a
1、a
2、b
2等がパラメータである。ここで、区間毎に線形近似する方法を示しているが、非線形関数で近似する方法も可能である。関数近似方式では、補正の自由度は低いが、関数を定義するパラメータを格納するレジスタが少なくて済む。
【0293】
タイミングコントローラ473が使用するパラメータは、例えば、
図22(C)に示すように、タイミングコントローラ473の生成信号が、基準信号に対して低レベル電位“L”(またが高レベル電位“H”)となるタイミングを示すものである。パラメータRa(またはRb)は、基準信号に対して“L”(または“H”)となるタイミングが、クロック何周期分であるかを示している。
【0294】
上記、補正のためのパラメータは、レジスタ475に格納することができる。また、上記以外にレジスタ475に格納できるパラメータとしては、EL補正回路464のデータ、ユーザが設定した表示装置100の輝度、色調、省エネルギー設定(表示を暗くする、または表示を消す、までの時間)、タッチセンサコントローラ484の感度などがある。
【0295】
<パワーゲーティング>
コントローラ454は、ホスト装置440から送られる画像データに変化がない場合、コントローラIC400内の一部回路をパワーゲーティングすることができる。具体的には、一部回路とは、例えば、領域490内の回路(フレームメモリ451、デコーダ452、画像処理部460、メモリ470、タイミングコントローラ473、レジスタ475)を指す。ホスト装置440から画像データに変化がないことを示す制御信号をコントローラIC400に送信し、当該制御信号をコントローラ454で検出した場合にパワーゲーティングする構成が可能である。
【0296】
また、パワーゲーティングを行う回路は、コントローラIC400が有する回路に限定せず、例えば、ソースドライバIC111、レベルシフタ104、ゲートドライバ103などに対して、行ってもよい。
【0297】
領域490内の回路は、画像データに関する回路と、表示装置100を駆動するための回路であるため、画像データに変化がない場合は、一時的に領域490内の回路を停止することができる。なお、画像データに変化がない場合でも、表示部102の画素に使用されるトランジスタがデータを保持できる時間(アイドリングストップが可能な時間)を考慮してもよい。また、表示部102の画素が反射素子として液晶素子を適用した場合において、液晶素子が焼き付き防止のため行う反転駆動の時間を考慮してもよい。
【0298】
例えば、コントローラ454はタイマ機能を組み込むことで、タイマで測定した時間に基づいて、領域490内の回路への電源供給を再開するタイミングを決定してもよい。なお、フレームメモリ451もしくはメモリ470に画像データを保存しておき、当該画像データを反転駆動時に表示部102に供給する画像データとする構成が可能である。このような構成とすることで、ホスト装置440から画像データを送信することなく反転駆動が実行できる。したがって、ホスト装置440からのデータ送信量を低減でき、コントローラIC400の消費電力を低減することができる。
【0299】
以下、フレームメモリ451、レジスタ475の具体的な回路構成を説明する。なお、パワーゲーティングすることができる回路として説明した、領域490内の回路、センサコントローラ453、およびタッチセンサコントローラ484等は、この限りではない。コントローラIC400の構成、ホスト装置440の規格、表示装置100の仕様等によって、様々な組み合わせが考えられる。
【0300】
<フレームメモリ451>
図23(A)に、フレームメモリ451の構成例を示す。フレームメモリ451は、制御部502、セルアレイ503、周辺回路508を有する。周辺回路508は、センスアンプ回路504、ドライバ505、メインアンプ506、入出力回路507を有する。
【0301】
制御部502は、フレームメモリ451を制御する機能を有する。例えば、制御部502は、ドライバ505、メインアンプ506、および入出力回路507を制御する。
【0302】
ドライバ505には、複数の配線WL、複数の配線CSELが電気的に接続されている。ドライバ505は、複数の配線WL、複数の配線CSELに出力する信号を生成する。
【0303】
セルアレイ503は、複数のメモリセル509を有する。メモリセル509は、配線WL、LBL(またはLBLB)、BGLに、電気的に接続されている。配線WLはワード線であり、配線LBL、LBLBは、ローカルビット線である。
図23(A)の例では、セルアレイ503の構成は、折り返しビット線方式であるが、開放ビット線方式とすることもできる。
【0304】
図23(B)に、メモリセル509の構成例を示す。メモリセル509は、トランジスタMW1、容量素子CS1を有する。メモリセル509は、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)のメモリセルと同様の回路構成を有する。
【0305】
トランジスタMW1は、OSトランジスタである。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、OSトランジスタでメモリセル509を構成することで、容量素子CS1から電荷がリークすることを抑えられるため、フレームメモリ451のリフレッシュ動作の頻度を低減できる。また、電源供給が遮断されても、フレームメモリ451は長時間画像データを保持することが可能である。また、電圧Vbg_w1を負電圧にすることで、トランジスタMW1の閾値電圧を正電位側にシフトさせることができ、メモリセル509の保持時間を長くすることができる。
【0306】
ここでいう、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。トランジスタがnチャネル型である場合、例えば、しきい値電圧が0V乃至2V程度であれば、ソースに対するゲートの電圧が負の電圧であるときの、ソースとドレインとの間に流れる電流をオフ電流と呼ぶことができる。また、オフ電流が極めて小さいとは、例えば、チャネル幅1μmあたりのオフ電流が100zA(z;ゼプト、10
−21)以下であることをいう。オフ電流は小さいほど好ましいため、この規格化されたオフ電流が10zA/μm以下、あるいは1zA/μm以下とすることが好ましく、10yA/μm(y;ヨクト、10
−24)以下であることがより好ましい。
【0307】
OSトランジスタのチャネル形成領域に有する金属酸化物(酸化物半導体)のバンドギャップは3.0eV以上であるため、OSトランジスタは熱励起によるリーク電流が小さく、また上掲のようにオフ電流が極めて小さい。チャネル形成領域に適用される金属酸化物は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含むことが好ましい。このような金属酸化物としては、In−M−Zn酸化物(元素Mは、例えばAl、Ga、YまたはSn)が代表的である。電子供与体(ドナー)となる水分または水素等の不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、酸化物半導体をi型(真性半導体)にする、あるいはi型に限りなく近づけることができる。ここでは、このような金属酸化物は高純度化された金属酸化物と呼ぶことができる。高純度化された金属酸化物を適用することで、チャネル幅で規格化されたOSトランジスタのオフ電流を数yA/μm以上数zA/μm以下程度に低くすることができる。
【0308】
セルアレイ503が有する複数のメモリセル509の、トランジスタMW1はOSトランジスタである一方、その他の回路のトランジスタは、例えば、シリコンウエハに作製されるSiトランジスタとすることができる。これにより、セルアレイ503をセンスアンプ回路504に積層して設けることができる。よって、フレームメモリ451の回路面積を縮小でき、コントローラIC400の小型化につながる。
【0309】
セルアレイ503は、センスアンプ回路504に積層して設けられている。センスアンプ回路504は、複数のセンスアンプSAを有する。センスアンプSAは隣接する配線LBL、LBLB(ローカルビット線対)、配線GBL、GBLB(グローバルビット線対)、複数の配線CSELに電気的に接続されている。センスアンプSAは、配線LBLと配線LBLBとの電位差を増幅する機能を有する。
【0310】
センスアンプ回路504には、4本の配線LBLに対して1本の配線GBLが設けられ、4本の配線LBLBに対して1本の配線GBLBが設けられているが、センスアンプ回路504の構成は、
図23(A)の構成例に限定されない。
【0311】
メインアンプ506は、センスアンプ回路504および入出力回路507に接続されている。メインアンプ506は、配線GBLと配線GBLBの電位差を増幅する機能を有する。メインアンプ506は省略することができる。
【0312】
入出力回路507は、書き込みデータに対応する電位を配線GBLと配線GBLB、またはメインアンプ506に出力する機能、配線GBLと配線GBLBの電位、またはメインアンプ506の出力電位を読み出し、データとして外部に出力する機能を有する。配線CSELの信号によって、データを読み出すセンスアンプSA、およびデータを書き込むセンスアンプSAを選択することができる。よって、入出力回路507は、マルチプレクサなどの選択回路が不要であるため、回路構成を簡単化でき、占有面積を縮小することができる。
【0313】
<レジスタ475>
図24は、レジスタ475の構成例を示すブロック図である。レジスタ475は、スキャンチェーンレジスタ部475A、およびレジスタ部475Bを有する。スキャンチェーンレジスタ部475Aは、複数のレジスタ430を有する。複数のレジスタ430によって、スキャンチェーンレジスタが構成されている。レジスタ部475Bは、複数のレジスタ431を有する。
【0314】
レジスタ430は、電源が遮断された状態でもデータが消失しない不揮発性レジスタである。レジスタ430を不揮発化するため、ここでは、レジスタ430は、OSトランジスタを用いた保持回路を備えている。
【0315】
他方、レジスタ431は揮発性レジスタである。レジスタ431の回路構成には特段の制約はなく、データを記憶することが可能な回路であればよく、ラッチ回路、フリップフロップ回路などで構成すればよい。画像処理部460、およびタイミングコントローラ473は、レジスタ部475Bにアクセスし、対応するレジスタ431からデータを取り込む。あるいは、画像処理部460、およびタイミングコントローラ473は、レジスタ部475Bから供給されるデータにしたがって、処理内容が制御される。
【0316】
レジスタ475に格納しているデータを更新する場合、まず、スキャンチェーンレジスタ部475Aのデータを変更する。スキャンチェーンレジスタ部475Aの各レジスタ430のデータを書き換えた後、スキャンチェーンレジスタ部475Aの各レジスタ430のデータを、レジスタ部475Bの各レジスタ431に一括してロードする。
【0317】
これにより、画像処理部460、およびタイミングコントローラ473等は、一括して更新されたデータを使用して、各種処理を行うことができる。データの更新に同時性が保たれるため、コントローラIC400の安定した動作を実現できる。スキャンチェーンレジスタ部475Aとレジスタ部475Bとを備えることで、画像処理部460、およびタイミングコントローラ473が動作中でも、スキャンチェーンレジスタ部475Aのデータを更新することができる。
【0318】
コントローラIC400のパワーゲーティング実行時には、レジスタ430において、保持回路にデータを格納(セーブ)してから電源を遮断する。電源復帰後、レジスタ430のデータをレジスタ431に復帰(ロード)して通常動作を再開する。なお、レジスタ430に格納されているデータとレジスタ431に格納されているデータとが整合しない場合は、レジスタ431のデータをレジスタ430にセーブした後、あらためて、レジスタ430の保持回路にデータを格納する構成が好ましい。データが整合しない場合としては、スキャンチェーンレジスタ部475Aに更新データを挿入中などが挙げられる。
【0319】
図25に、レジスタ430、レジスタ431の回路構成例を示す。
図25には、スキャンチェーンレジスタ部475Aの2段分のレジスタ430と、これらレジスタ430に対応する2個のレジスタ431を示している。
【0320】
レジスタ430は、保持回路57、セレクタ58、フリップフロップ回路59を有する。セレクタ58とフリップフロップ回路59とでスキャンフリップフロップ回路が構成されている。
【0321】
保持回路57には、信号SAVE2、LOAD2が入力される。保持回路57は、トランジスタTr41乃至Tr46、容量素子C41、C42を有する。トランジスタTr41、Tr42はOSトランジスタである。トランジスタTr41、Tr42をメモリセル509のトランジスタMW1(
図23(B)参照)と同様にバックゲート付きのOSトランジスタとしてもよい。
【0322】
トランジスタTr41、Tr43、Tr44および容量素子C41により、3トランジスタ型のゲインセルが構成される。同様に、トランジスタTr42、Tr45、Tr46および容量素子C42により、3トランジスタ型のゲインセルが構成される。2個のゲインセルによって、フリップフロップ回路59が保持する相補データを記憶する。トランジスタTr41、Tr42がOSトランジスタであるので、保持回路57は、電源が遮断された状態でも長時間データを保持することが可能である。レジスタ430において、トランジスタTr41、Tr42以外のトランジスタはSiトランジスタで構成すればよい。
【0323】
保持回路57は、信号SAVE2に従い、フリップフロップ回路59が保持する相補データを格納し、信号LOAD2に従い、保持しているデータをフリップフロップ回路59にロードする。
【0324】
フリップフロップ回路59の入力端子には、セレクタ58の出力端子が電気的に接続され、データ出力端子には、レジスタ431の入力端子が電気的に接続されている。フリップフロップ回路59は、インバータ60、インバータ61、インバータ62、インバータ63、インバータ64、インバータ65、アナログスイッチ67、及びアナログスイッチ68を有する。アナログスイッチ67、及びアナログスイッチ68の導通状態は、スキャンクロック(Scan Clockと表記)信号によって制御される。フリップフロップ回路59は、
図25の回路構成に限定されず、様々なフリップフロップ回路59を適用することができる。
【0325】
セレクタ58の2個の入力端子の一方には、レジスタ431の出力端子が電気的に接続され、他方には、前段のフリップフロップ回路59の出力端子が電気的に接続されている。なお、スキャンチェーンレジスタ部475Aの初段のセレクタ58の入力端子は、レジスタ475の外部からデータが入力される。セレクタ58は、信号SAVE1に基づいて、2個ある入力端子のどちらかの信号を、出力端子側に出力する。具体的には、セレクタ58は、前段のフリップフロップ回路59から送られるデータ、又はレジスタ431から送られるデータのどちらかを選択して、フリップフロップ回路59に入力する機能を有する。
【0326】
レジスタ431は、インバータ71、インバータ72、インバータ73、クロックドインバータ74、アナログスイッチ75、及びバッファ76を有する。レジスタ431は信号LOAD1に基づいて、フリップフロップ回路59のデータをロードする。そして、ロードしたデータは、端子Q1、及び端子Q2から出力される。なお、レジスタ431のトランジスタはSiトランジスタで構成すればよい。
【0327】
<コントローラICの他の構成例>
以下に、コントローラIC400とは別のコントローラICの構成例を説明する。
【0328】
図26は、表示装置100Aに適用できるコントローラIC112の構成例のブロック図を示している。
図26に示すコントローラIC400Aは、コントローラIC112の一例であり、コントローラIC400の変形例である。コントローラIC112は、領域491を有し、コントローラ454は、領域491内の回路への電源供給を制御する。なお、コントローラIC400Aの説明は、コントローラIC400と異なる部分のみを扱い、コントローラIC400と共通する部分に関しては、説明を省略する。
【0329】
なお、コントローラIC400Aは、COG方式で、基材上に実装されるのが好ましい。また、場合によっては、コントローラIC400Aは、COF方式でFPCなどに実装されてもよい。なお、
図26は、コントローラIC400Aが有する機能を詳細に説明するため、レベルシフタ104a、レベルシフタ104b、ゲートドライバ103a、ゲートドライバ103b、表示部106、ソースドライバIC111、及びタッチセンサユニット200も図示している。また、実施の形態1で説明したとおり、レベルシフタ104a、レベルシフタ104b、ゲートドライバ103a、ゲートドライバ103b、及び表示部106は、OSトランジスタを備える構成として、該基材上に形成されていることが好ましい。
【0330】
実施の形態1、及び実施の形態2で述べたとおり、表示装置100Aは、ハイブリッド表示装置であるため、表示装置100Aの表示部106の画素10に、表示素子として、反射素子10aと発光素子10bと、を有する。反射素子10aは、反射光を利用して表示装置に画像を映す表示素子であり、液晶などを適用することができる。また、発光素子10bは、自発光によって、表示装置に画像を映す表示素子であり、有機ELなどを適用することができる。なお、発光素子10bは、有機ELに限定せず、例えば、バックライトを備えた透過型液晶素子、LED、又は量子ドットを利用した表示素子などとしてもよい。ここでは、反射素子10aとして液晶素子を適用し、発光素子10bとして有機EL素子を適用した場合のコントローラIC400Aの説明を行う。
【0331】
実施の形態1で述べたとおり、ソースドライバIC111は、表示装置100Aの基材101上に、COG方式で、実装されている。なお、本構成例では、ソースドライバIC111は、ソースドライバIC111a、ソースドライバIC111bを有している。ソースドライバIC111aは、反射素子10a、及び発光素子10bの一方を駆動する機能を有し、ソースドライバIC111bは、反射素子10a、及び発光素子10bの他方を駆動する機能を有する。なお、ここでは2種類のソースドライバIC111a、111bで表示部106のソースドライバを構成しているが、ソースドライバの構成はこれに限定されない。例えば、反射素子10aを駆動するためのソースドライバと、発光素子10bを駆動するためのソースドライバと、の双方を駆動できるソースドライバICを表示装置100Aに備えてもよい。
【0332】
また、実施の形態1で述べたとおり、ゲートドライバ103a、103bは、基材101上に形成されている。ゲートドライバ103aは、反射素子10a、及び発光素子10bの一方に対して走査線駆動を行う機能を有し、ゲートドライバ103bは、反射素子10a、及び発光素子10bの他方に対して走査線駆動を行う機能を有する。なお、ここでは2種類のゲートドライバ103a、103bで表示部106のゲートドライバを構成しているが、ゲートドライバの構成はこれに限定されない。例えば、反射素子10aを駆動するためのゲートドライバと、発光素子10bを駆動するためのゲートドライバと、の双方を駆動できるゲートドライバを表示装置100Aに備えてもよい。
【0333】
表示装置100Aは、発光素子10bとして、有機EL素子を適用しているので、コントローラIC400Aの画像処理部460に、EL補正回路464を備えることができる。EL補正回路464は、発光素子10bを駆動するソースドライバIC(ソースドライバIC111a、又はソースドライバIC111b)に、発光素子10bを流れる電流を検出する電流検出回路を備えている場合に、設けられる。EL補正回路464は、該電流検出回路から送信される信号に基づいて、発光素子10bの輝度を調節する機能を有する。
【0334】
コントローラIC400Aは、コントローラIC400と同様に、センサコントローラ453に、光センサ443を電気的に接続することができる。光センサ443には外光445を検知し、検知信号を生成する。センサコントローラ453は該検知信号を基に、制御信号を生成する。センサコントローラ453で生成される該制御信号は、例えば、コントローラ454に出力される。
【0335】
ところで、画像処理部460は、反射素子10aと発光素子10bが同じ画像データを表示する場合、反射素子10aが表示する画像データと、発光素子10bが表示する画像データと、を分けて作成する機能を有する。この場合、上述した光センサ443及びセンサコントローラ453を用いて測定した、外光445の明るさに応じて、反射素子10aの反射強度、及び発光素子10bの発光強度を調整する(調光処理を行う)ことができる。
【0336】
晴れの日の日中に外で表示装置100Aを使用する場合、反射素子10aのみで十分な輝度が得られるときは、発光素子10bを光らせる必要は無い。これは、発光素子10bで表示を行おうとしても、外光の強度に負けて良好な表示が得られないからである。また、夜間や暗所で表示装置100Aを使用する場合、発光素子10bを光らせて表示を行う。
【0337】
外光の明るさに応じて、画像処理部460は、反射素子10aのみで表示を行う画像データを作成、もしくは発光素子10bのみで表示を行う画像データを作成、もしくは反射素子10aと発光素子10bを組み合わせて表示を行う画像データを作成することができる。外光の明るい環境においても、又は、外光の暗い環境においても、表示装置100Aは良好な表示を行うことができる。さらに、外光の明るい環境においては、発光素子10bを光らせないことで、又は発光素子10bの輝度を低くすることで、表示装置100Aの消費電力を低減することができる。
【0338】
また、反射素子10aの表示に、発光素子10bの表示を組み合わせることで、色調を補正することができる。このような色調補正のためには、上述した光センサ443及びセンサコントローラ453に、外光445の色調を測定する機能を追加すればよい。例えば、夕暮れ時の赤みがかかった環境において表示装置100を使用する場合、反射素子10aによる表示のみでは、G(緑)成分が足りない、B(青)成分が足りない、またはその両方の成分が足りなくなるため、発光素子10bを発光させることで、色調を補正する(調色処理を行う)ことができる。
【0339】
また、反射素子10aと発光素子10bは、異なる画像データを表示することができる。一般に、反射素子として適用できる液晶や電子ペーパーなどは、動作速度が遅いものが多い(絵を表示するまでに時間を要する。)。そのため、反射素子10aに背景となる静止画を表示し、発光素子10bに動きのあるマウスポインタ等を表示することができる。静止画に対しては、前述したIDS駆動を行い、動画に対しては、発光素子10bを光らせることで、表示装置100Aは、なめらかな動画表示と低消費電力を両立することができる。この場合、フレームメモリ451には、反射素子10aと発光素子10b、それぞれに表示する画像データを保存する領域を設ければよい。
【0340】
コントローラIC400Aに、TSドライバIC211およびセンス回路212の一方または双方を設けてもよい。コントローラIC400についても同様である。
【0341】
<<動作例>>
表示装置100Aに関するコントローラIC400Aと、レジスタ475の動作例について、出荷前と、表示装置100Aを有する電子機器の起動時、および通常動作時に分けて説明する。
【0342】
<出荷前>
出荷前には、表示装置100Aの仕様等に関するパラメータを、レジスタ475に格納する。これらのパラメータには、例えば、画素数、タッチセンサ数、タイミングコントローラ473が各種タイミング信号の生成に用いるパラメータ、ソースドライバIC(ソースドライバIC111a又はソースドライバIC111b)に発光素子10bを流れる電流を検出する電流検出回路を備えている場合、EL補正回路464の補正データ等がある。これらのパラメータは、レジスタ475以外に、専用のROMを設けて格納してもよい。
【0343】
<起動時>
表示装置100Aを有する電子機器の起動時には、ホスト装置440より送られるユーザ設定等のパラメータを、レジスタ475に格納する。これらのパラメータには、例えば、表示の輝度や色調、タッチセンサの感度、省エネルギー設定(表示を暗くする、または表示を消す、までの時間)、また、ガンマ補正のカーブやテーブル等がある。なお、当該パラメータをレジスタ475に格納する際、コントローラ454からレジスタ475にスキャンクロック信号及び当該スキャンクロック信号に同期して当該パラメータに相当するデータが送信される。
【0344】
<通常動作>
通常動作には、動画等を表示している状態、静止画を表示中でIDS駆動が可能な状態、表示を行わない状態等に分けられる。動画等を表示している状態は、画像処理部460、およびタイミングコントローラ473等は動作中であるが、レジスタ475のデータ変更は、スキャンチェーンレジスタ部475Aに対して行われるため、画像処理部460等への影響はない。スキャンチェーンレジスタ部475Aのデータ変更が終わった後、スキャンチェーンレジスタ部475Aのデータをレジスタ部475Bへ一括してロードすることで、レジスタ475のデータ変更が完了する。また、画像処理部460等は当該データに対応した動作に切り替わる。
【0345】
静止画を表示中でIDS駆動が可能な状態では、レジスタ475は、例えば、領域490内の他の回路と同様、パワーゲーティングすることができる。この場合、パワーゲーティングの前に、スキャンチェーンレジスタ部475Aが有するレジスタ430内では、信号SAVE2に従い、フリップフロップ回路59が保持する相補データを保持回路57に格納する作業が行われる。
【0346】
パワーゲーティングから復帰する際は、信号LOAD2に従い、保持回路57が保持しているデータをフリップフロップ回路59にロードし、信号LOAD1に従い、フリップフロップ回路59のデータをレジスタ431にロードする。このようにして、パワーゲーティング前と同じ状態で、レジスタ475のデータは有効となる。なお、パワーゲーティングの状態であっても、ホスト装置440よりレジスタ475のパラメータ変更要求があった場合、レジスタ475のパワーゲーティングを解除し、パラメータを変更することができる。
【0347】
表示を行わない状態では、例えば、領域490内の回路(レジスタ475を含む)は、パワーゲーティングすることができる。この場合、ホスト装置440も停止することがあるが、フレームメモリ451およびレジスタ475は不揮発性であるので、パワーゲーティングから復帰する際には、ホスト装置440の復帰を待たずに、パワーゲーティング前の表示(静止画)を行うことができる。
【0348】
例えば、表示装置100Aのセンサコントローラ453に、開閉センサ444を電気的に接続する構成を考える。特に、折りたたみ式の携帯電話の表示部に、その構成を有する表示装置100Aを適用した場合、開閉センサ444の信号によって、携帯電話が折りたたまれ、表示装置100Aの表示面が使用されないことが検出されたとき、領域490内の回路に加えて、センサコントローラ453、およびタッチセンサコントローラ484等をパワーゲーティングすることができる。
【0349】
携帯電話が折りたたまれたとき、ホスト装置440の規格によっては、ホスト装置440が停止する場合がある。ホスト装置440が停止した状態で、携帯電話が再び展開されても、フレームメモリ451およびレジスタ475は不揮発性であるので、ホスト装置440から画像データ、各種制御信号等が送られる前に、フレームメモリ451内の画像データを表示することができる。
【0350】
このように、レジスタ475はスキャンチェーンレジスタ部475Aとレジスタ部475Bを有し、スキャンチェーンレジスタ部475Aに対してデータ変更を行うことで、画像処理部460およびタイミングコントローラ473等へ影響を与えることなく、スムーズなデータ変更を行うことができる。また、スキャンチェーンレジスタ部475Aの各レジスタ430は、保持回路57を有し、パワーゲーティング状態への移行と復帰をスムーズに行うことができる。
【0351】
ロジック用Siトランジスタと、OSトランジスタと、を同じ基材に有することができる。例えば、Siウェハ上に、ロジック用Siトランジスタを形成し、その上層にOSトランジスタを形成する構成を適用することによって、上述した、コントローラIC400、コントローラIC400Aを実現することができる。
【0352】
なお、本発明の一態様の構成は、
図21に示す表示装置100、又は
図26に示す表示装置100Aに限定されない。状況に応じて、場合によって、又は、必要に応じて、
図21に示す表示装置100、又は
図26に示す表示装置100Aの構成要素を適宜取捨選択することができる。例えば、
図21の表示装置100、又は
図26の表示装置100Aが折りたたみ式の構造を有さない電子機器の表示装置として適用する場合、
図21の表示装置100、又は
図26の表示装置100Aは、開閉センサ444を有さなくてもよい。
【0353】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0354】
(実施の形態4)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明したホスト装置440の具体的な構成例について、説明する。
【0355】
図27は、ホスト装置440の構成例を示すブロック図である。なお、
図27は、ホスト装置440と電気的に接続されている表示装置100と、デバイス1100と、も図示している。
【0356】
ホスト装置440は、ディスプレイインターフェース1001と、GPU(Graphics Processing Unit)1002と、プロセッサ1003と、デバイスインターフェース1004と、メモリ1005と、データバス1050と、を有している。
【0357】
ディスプレイインターフェース1001と、GPU1002と、プロセッサ1003と、デバイスインターフェース1004と、メモリ1005と、は、データバス1050を介して、お互いに電気的に接続されている。
【0358】
ディスプレイインターフェース1001は、コントローラIC400が有するインターフェース450と電気的に接続されている。ディスプレイインターフェース1001は、コントローラIC400と、ホスト装置440との間の交信、及び制御を行う装置である。
【0359】
GPU1002は、表示装置100に送信する画像データを処理する装置である。特に、GPU1002は、3D画像の表示に必要な計算を行うことができるため、プロセッサ1003の処理量を減らすことができる。
【0360】
プロセッサ1003は、演算装置、及び制御装置として機能し、ホスト装置440内の各種装置の動作全般を制御する。プロセッサ1003には、セントラルプロセシングユニット(CPU)やマイクロプロセッサ(MPU)などを用いることができる。
【0361】
デバイスインターフェース1004は、ホスト装置440と、外部機器に相当するデバイス1100と、の間の交信、及び制御を行う装置である。デバイス1100としては、例えば、キーボード、マウス、外付けの記憶装置、マイク、又はスピーカなどが挙げられる。
【0362】
メモリ1005は、情報を保持する装置である。情報を一時的に保持する場合、揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などを適用することができ、情報を常に保持する場合、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ、磁気メモリなど)、ROM(Read Only Memory)などを適用することができる。また、上記に挙げた揮発性メモリ、及び不揮発性メモリの両方を適用することができる。
【0363】
なお、本実施の形態は、表示装置100だけでなく、表示装置100Aに対しても有効である。
【0364】
なお、本実施の形態で説明したホスト装置440の構成は一例であり、状況によって、場合によって、又は必要に応じて、適宜、構成要素を取捨することができる。例えば、デバイスインターフェースの数を、
図27に示したとおり1個だけではなく、複数個有してもよい。また、例えば、高負荷な画像処理を行わない場合は、GPU1002を取り除いた構成としてもよい。
【0365】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0366】
(実施の形態5)
本実施の形態では、ハイブリッド表示装置である表示装置100Aの具体的な構成例について、説明する。
【0367】
<断面図>
図28は、表示装置100Aの断面図を示している。なお、
図28の表示装置100Aは、実施の形態2で説明した画素回路35、又は画素回路36を有する構成とする。
【0368】
図28の表示装置100Aは、基板300と基板301の間に、表示部306Eと、表示部306Lとが積層された構成となっている。具体的に、
図28では、表示部306Eと表示部306Lとが接着層304により接着されている。
【0369】
そして、
図28では、表示部306Eの画素が有する発光素子302、トランジスタTr3、及び容量素子C2と、表示部306Eの駆動回路が有するトランジスタTrEDとを図示している。なお、発光素子302は、他の実施の形態で示した発光素子10bに相当する。また、トランジスタTr3、及び容量素子C2は、それぞれ実施の形態2で説明している。
【0370】
また、
図28では、表示部306Lの画素が有する液晶素子303と、トランジスタTr1と、容量素子C1と、表示部306Lの駆動回路が有するトランジスタTrLDとを図示している。なお、液晶素子303は、他の実施の形態で示した反射素子10aに相当する。トランジスタTr1、及び容量素子C1は、実施の形態2で説明している。
【0371】
トランジスタTr3は、バックゲートとしての機能を有する導電層311と、導電層311上の絶縁層312と、絶縁層312上において導電層311と重なる半導体層313と、半導体層313上の絶縁層316と、絶縁層316上に位置し、ゲートとしての機能を有する導電層317と、導電層317上に位置する絶縁層318のさらに上に位置し、半導体層313と電気的に接続されている導電層314及び導電層315と、を有する。
【0372】
また、導電層315は、導電層319と電気的に接続され、導電層319は導電層320に電気的に接続されている。導電層319は導電層317と同一の層に形成されており、導電層320は導電層311と同一の層に形成されている。
【0373】
また、導電層311及び導電層320と同一の層に、トランジスタTr2(図示しない。)のバックゲートとしての機能を有する導電層321が位置している。導電層321上には絶縁層312が位置し、絶縁層312上には導電層321と重なる領域を有する半導体層322が位置する。半導体層322にはトランジスタTr2(図示しない。)のチャネル形成領域が含まれる。半導体層322上には絶縁層318が位置し、絶縁層318上には導電層323が位置する。導電層323は半導体層322に電気的に接続されており、導電層323はトランジスタTr2(図示しない。)のソース電極またはドレイン電極としての機能を有する。
【0374】
トランジスタTrEDは、トランジスタTr3と同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
【0375】
トランジスタTr3、導電層323、トランジスタTrED上には、絶縁層324が位置し、絶縁層324上には絶縁層325が位置する。絶縁層325上には導電層326及び導電層327が位置する。導電層326は導電層314と電気的に接続されており、導電層327は導電層323と電気的に接続されている。導電層326及び導電層327上には絶縁層328が位置し、絶縁層328上には導電層329が位置する。導電層329は導電層326に電気的に接続されており、発光素子302の画素電極としての機能を有する。
【0376】
導電層327と絶縁層328と導電層329とが重なる領域が、容量素子C2として機能する。
【0377】
導電層329上には絶縁層330が位置し、絶縁層330上にはEL層331が位置し、EL層331上には対向電極としての機能を有する導電層332が位置する。導電層329とEL層331と導電層332とは、絶縁層330の開口部において電気的に接続されており、導電層329とEL層331と導電層332とが電気的に接続された領域が発光素子302として機能する。発光素子302は、導電層332側から破線の矢印で示す方向に光を放射する、トップエミッション構造を有する。
【0378】
導電層329と導電層332とは、一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。導電層329と導電層332の間に、発光素子302の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層331に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層331において再結合し、EL層331に含まれる発光物質が発光する。
【0379】
なお、半導体層313、322に金属酸化物(酸化物半導体)を用いる場合、表示装置の信頼性を高めるには、絶縁層318は酸素を含む絶縁材料を用いることが望ましく、絶縁層324には水又は水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが望ましい。
【0380】
絶縁層325または絶縁層330として有機材料を用いる場合、絶縁層325または絶縁層330が表示装置の端部に露出していると、絶縁層325または絶縁層330を介して発光素子302等に表示装置の外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不純物の侵入により、発光素子302が劣化すると、表示装置の劣化につながる。そのため、
図28に示すように、絶縁層325及び絶縁層330が、表示装置の端部に位置しないことが好ましい。
【0381】
発光素子302は、接着層333を介して着色層334と重なる。スペーサ335は、接着層333を介して遮光層336と重なる。
図28では、導電層332と遮光層336との間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。
【0382】
着色層334は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。
【0383】
なお、本発明の一態様は、カラーフィルタ方式に限られず、塗り分け方式、色変換方式、又は量子ドット方式等を適用してもよい。
【0384】
表示部306Lにおいて、トランジスタTr1は、バックゲートとしての機能を有する導電層340と、導電層340上の絶縁層341と、絶縁層341上において導電層340と重なる半導体層342と、半導体層342上の絶縁層343と、絶縁層343上に位置し、ゲートとしての機能を有する導電層344と、導電層344上に位置する絶縁層345のさらに上に位置し、半導体層342と電気的に接続されている導電層346及び導電層347と、を有する。
【0385】
また、導電層340と同一の層に導電層348が位置する。導電層348上には絶縁層341が位置し、絶縁層341上には導電層348と重なる領域に導電層347が位置する。導電層347と絶縁層341と導電層348とが重なる領域が、容量素子C1として機能する。
【0386】
トランジスタTrLDは、トランジスタTr1と同様の構成を有するので、詳細な説明は割愛する。
【0387】
トランジスタTr1、容量素子C1、トランジスタTrLD上には、絶縁層360が位置し、絶縁層360上には導電層349が位置する。導電層349は導電層347と電気的に接続されており、液晶素子303の画素電極としての機能を有する。導電層349上には配向膜364が位置する。
【0388】
基板301には、共通電極としての機能を有する導電層361が位置する。具体的に、
図28では、基板301上に接着層362を介して絶縁層363が接着されており、絶縁層363上に導電層361が位置する。そして、導電層361上には配向膜365が位置し、配向膜364と配向膜365の間には液晶層366が位置する。
【0389】
図28では、導電層349が可視光を反射する機能を有し、導電層361が可視光を透過する機能を有することで、破線の矢印で示すように基板301側から入射した光を、導電層349において反射させ、再度基板301側から放射させることができる。
【0390】
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸化亜鉛などが挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
【0391】
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、またはこれらの金属材料を含む合金等が挙げられる。そのほか、金、白金、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、またはこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料または合金に、ランタン、ネオジム、またはゲルマニウム等が添加されていてもよい。アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。
【0392】
なお、
図28では、バックゲートを有するトップゲート型のトランジスタを用いた表示装置の構成について説明したが、本発明の一態様に係る表示装置はバックゲートを有さないトランジスタを用いていても良いし、バックゲート型のトランジスタを用いていても良い。
【0393】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0394】
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、金属酸化物(酸化物半導体)を用いることができる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などを適用できる。特に、トランジスタに用いる金属酸化物は、実施の形態7で説明するCAC−OSを用いるのが好ましい。
【0395】
特にシリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0396】
半導体層は、例えば少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該金属酸化物を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
【0397】
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、またはジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
【0398】
半導体層を構成する金属酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
【0399】
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
【0400】
なお、本実施の形態では、反射型表示素子として液晶素子を用いた表示装置の構成を例示したが、反射型表示素子として、液晶素子のほかに、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることができる。
【0401】
また、発光型表示素子として、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。
【0402】
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
【0403】
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
【0404】
なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0405】
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
【0406】
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
【0407】
<画素部>
図29は、表示装置100Aの表示部106が有する1つの画素の上面図の一例を示している。具体的には、
図29は、表示部106が有する画素513における、液晶素子の表示領域のレイアウトと、発光素子の表示領域のレイアウトとを示している。
【0408】
図29では、画素513が、液晶素子の表示領域514と、黄色に対応する発光素子の表示領域515と、緑色に対応する発光素子の表示領域516と、赤色に対応する発光素子の表示領域517と、青色に対応する発光素子の表示領域518とを有する。
【0409】
なお、緑色、青色、赤色、黄色にそれぞれ対応する発光素子を用いて色再現性の良い黒を表示する際、発光素子の面積あたりに流れる電流量は、黄色に対応する発光素子が最も小さいことが求められる。
図29(B)では、緑色に対応する発光素子の表示領域516と、赤色に対応する発光素子の表示領域517と、青色に対応する発光素子の表示領域518とが、ほぼ同等の面積を有し、それらに対して黄色に対応する発光素子の表示領域515の面積はやや小さいため、色再現性の良い黒を表示することが可能である。
【0410】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0411】
(実施の形態6)
本実施の形態では、タッチセンサユニット200について、説明する。
【0412】
図30に、タッチセンサユニット200の回路の構成例を示す。タッチセンサユニット200は、センサアレイ202、TSドライバIC211、センス回路212を有する。また、
図30では、TSドライバIC211と、センス回路212と、をまとめて周辺回路215と図示している。
【0413】
ここでは、タッチセンサユニット200が相互容量タッチセンサユニットである例を示す。センサアレイ202は、m本(mは1以上の整数)の配線DRL、n本(nは1以上の整数)の配線SNLを有する。配線DRLはドライブ線であり、配線SNLはセンス線である。ここでは、第α番目の配線DRLを配線DRL<α>と呼び、第β番目の配線SNLを配線SNL<β>と呼ぶこととする。容量素子CT
αβは、配線DRL<α>と配線SNL<β>との間に形成される容量素子である。
【0414】
m本の配線DRLはTSドライバIC211に電気的に接続されている。TSドライバIC211は配線DRLを駆動する機能を有する。n本の配線SNLはセンス回路212に電気的に接続されている。センス回路212は、配線SNLの信号を検出する機能を有する。TSドライバIC211によって配線DRL<α>が駆動されているときの配線SNL<β>の信号は、容量素子CT
αβの容量値の変化量の情報をもつ。n本の配線SNLの信号を解析することで、タッチの有無、タッチ位置などの情報を得ることができる。
【0415】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0416】
(実施の形態7)
<CAC−OSの構成>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタに用いることができるCAC(Cloud‐Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
【0417】
CAC−OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0418】
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0419】
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InO
X1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、In
X2Zn
Y2O
Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaO
X3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、Ga
X4Zn
Y4O
Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInO
X1、またはIn
X2Zn
Y2O
Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0420】
つまり、CAC−OSは、GaO
X3が主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0421】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO
3(ZnO)
m1(m1は自然数)、またはIn
(1+x0)Ga
(1−x0)O
3(ZnO)
m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0422】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0423】
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0424】
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0425】
なお、GaO
X3が主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0426】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0427】
CAC−OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0428】
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0429】
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
【0430】
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaO
X3が主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0431】
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaO
X3などが主成分である領域と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0432】
ここで、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域は、GaO
X3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、金属酸化物としての導電性が発現する。従って、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域が、金属酸化物中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0433】
一方、GaO
X3などが主成分である領域は、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaO
X3などが主成分である領域が、金属酸化物中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0434】
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaO
X3などに起因する絶縁性と、In
X2Zn
Y2O
Z2、またはInO
X1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(I
on)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0435】
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0436】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0437】
(実施の形態8)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した表示装置100、又は表示装置100Aを有する電子機器の一例について、説明する。下記の一例に示す電子機器は、実施の形態1で説明した表示装置100、又は表示装置100Aを有することができる。又は、下記の一例に示す電子機器は、表示装置100、又は表示装置100Aに加えて、タッチセンサユニット200を有することができる。特に、本明細書に開示するコントローラICを下記に例示する電子機器に備えることによって、該電子機器の消費電力を低減することができる。
【0438】
なお、本実施の形態で説明する本発明の一態様は、表示装置に限定せず、反射素子と発光素子との両方を有する表示素子を備えるハイブリッド表示装置、又は該表示装置を有する電子機器であってもよい。
【0439】
<タブレット型情報端末>
図31(A)は、タブレット型の情報端末5200であり、筐体5221、表示部5222、操作ボタン5223、スピーカ5224を有する。また、表示部5222に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5223に情報端末5200を起動する電源スイッチ、情報端末5200のアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、又は表示部5222を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、
図31(A)に示した情報端末5200では、操作ボタン5223の数を4個示しているが、情報端末5200の有する操作ボタンの数及び配置は、これに限定されない。
【0440】
また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、マイクを有する構成であってもよい。この構成により、例えば、情報端末5200に携帯電話のような通話機能を付することができる。
【0441】
また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、カメラを有する構成であってもよい。また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、フラッシュライト、又は照明の用途として発光装置を有する構成であってもよい。
【0442】
また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、筐体5221の内部にセンサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する構成であってもよい。特に、ジャイロ、加速度センサなどの傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、
図31(A)に示す情報端末5200の向き(鉛直方向に対して情報端末がどの向きに向いているか)を判断して、表示部5222の画面表示を、情報端末5200の向きに応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
【0443】
また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、指紋、静脈、虹彩、又は声紋など生体情報を取得する装置を有する構成であってもよい。この構成を適用することによって、生体認証機能を有する情報端末5200を実現することができる。
【0444】
また、図示していないが、
図31(A)に示した情報端末5200は、マイクを有する構成であってもよい。この構成を適用することによって、情報端末5200に通話機能を付することができる。また、情報端末5200に音声解読機能を付することができる場合がある。情報端末5200に音声解読機能を設けることで、音声認識によって情報端末5200を操作する機能、更には、音声や会話を判読して会話録を作成する機能、などを情報端末5200に有することができる。これにより、例えば、会議などの議事録作成として活用することができる。
【0445】
また、表示部5222として、可撓性を有する基材を用いてもよい。具体的には、表示部5222は、可撓性を有する基材上にトランジスタ、容量素子、及び表示素子などを設けた構成としてもよい。この構成を適用することによって、
図31(A)に示した情報端末5200のように平らな面を有する筐体5221だけでなく、曲面を有するような筐体の電子機器を実現することができる。
【0446】
また、情報端末5200は、表示部5222として可撓性を有する基材を用いて、表示部5222を自由に折りたたむことができる構造を有してもよい。このような構成を
図31(B)に示す。情報端末5300は、情報端末5200と同様のタブレット型の情報端末であり、筐体5321a、筐体5321b、表示部5322、操作ボタン5323、スピーカ5324を有している。
【0447】
筐体5321aと筐体5321bと、は、ヒンジ部5321cにより結合されており、ヒンジ部5321cによって、2つ折りが可能となっている。また、表示部5322は、筐体5321a、筐体5321b、及びヒンジ部5321cに設けられている。
【0448】
表示部5222に適用できる可撓性を有する基材としては、可視光に対する透光性を有する材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリハロゲン化ビニル樹脂、アラミド樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。また、これらの材料を混合または積層して用いてもよい。
【0449】
なお、
図31(B)に示す情報端末5300において、表示部5222にコントローラICやドライバICなどを実装する場合、表示部5222の2つ折りの部分には、コントローラICやドライバICなどを実装しないように作製するのが好ましい。このように実装することで、2つ折りした際にできる湾曲部とコントローラICやドライバICなどと、の干渉が起こらなくなる。
【0450】
情報端末5200、又は情報端末5300に本明細書に開示する表示装置100又は、表示装置100Aを適用することにより、IDS駆動時において、情報端末5200、又は情報端末5300の消費電力を低減することができ、また、情報端末5200、又は情報端末5300に高精細な画像を表示することができる。
【0451】
<携帯型ゲーム機>
本発明の一態様の表示装置は、携帯型ゲーム機に適用することができる。
図32(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5101、筐体5102、表示部5103、表示部5104、マイクロフォン5105、スピーカ5106、操作キー5107、スタイラス5108等を有する。なお、
図32(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5103と表示部5104とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0452】
<携帯情報端末>
本発明の一態様の表示装置は、携帯情報端末に適用することができる。
図32(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
【0453】
<ノート型パーソナルコンピュータ>
図32(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。本発明の一態様の表示装置は、表示部5402に用いることができる。
【0454】
<スマートウォッチ>
本発明の一態様の表示装置は、スマートウォッチに適用することができる。
図32(D)はウェアラブル端末の一種であるスマートウォッチであり、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905などを有する。また、表示部5902に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5903にスマートウォッチを起動する電源スイッチ、スマートウォッチのアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、または表示部5902を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、
図32(D)に示したスマートウォッチでは、操作ボタン5903の数を2個示しているが、スマートウォッチの有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、操作子5904は、スマートウォッチの時刻合わせを行うリューズとして機能する。また、操作子5904は、時刻合わせ以外に、スマートウォッチのアプリケーションを操作する入力インターフェースとして、用いるようにしてもよい。なお、
図32(D)に示したスマートウォッチでは、操作子5904を有する構成となっているが、これに限定せず、操作子5904を有さない構成であってもよい。
【0455】
<ビデオカメラ>
本発明の一態様の表示装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図32(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
【0456】
<携帯電話>
本発明の一態様の表示装置は、携帯電話に適用することができる。
図32(F)は、情報端末の機能を有する携帯電話であり、筐体5501、表示部5502、マイク5503、スピーカ5504、操作ボタン5505を有する。また、表示部5502に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン5505に携帯電話を起動する電源スイッチ、携帯電話のアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、または表示部5502を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。
【0457】
また、
図32(F)に示した携帯電話では、操作ボタン5505の数を2個示しているが、携帯電話の有する操作ボタンの数は、これに限定されない。また、図示していないが、
図32(F)に示した携帯電話は、カメラを有する構成であってもよい。また、図示していないが、
図32(F)に示した携帯電話は、フラッシュライト、または照明の用途として発光装置を有する構成であってもよい。
【0458】
<移動体>
上述した表示装置は、移動体である自動車の運転席周辺に適用することもできる。
【0459】
例えば
図33は、自動車の室内におけるフロントガラス周辺を表す図である。
図33では、ダッシュボードに取り付けられた表示パネル5701、表示パネル5702、表示パネル5703の他、ピラーに取り付けられた表示パネル5704を図示している。
【0460】
表示パネル5701乃至表示パネル5703は、ナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示パネルに表示される表示項目やレイアウトなどは、ユーザの好みに合わせて適宜変更することができ、デザイン性を高めることが可能である。表示パネル5701乃至表示パネル5703は、照明装置として用いることも可能である。
【0461】
表示パネル5704には、車体に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、ピラーで遮られた視界(死角)を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。表示パネル5704は、照明装置として用いることも可能である。
【0462】
<ヘッドマウントディスプレイ>
図34(A)は、ウェアラブル端末の一種である頭装着型電子機器(ヘッドマウントディスプレイ)の外観を示し、該ヘッドマウントディスプレイは、筐体6001、ハウジング6002、配線6003、ヘッドセット6004、接続部6005、イヤーパッド6006を有する。なお、これらの構成要素などによって、頭に装着可能な構造体を構成する。配線6003は、画像データ、音声データ、音楽データなどを送信するデータ線、及び電力を供給する配線などとして機能する。
【0463】
なお、
図34(A)では、ヘッドホンを組み合わせたヘッドマウントディスプレイを示しているが、ヘッドホンではなくイヤホンを代わりに適用したヘッドマウントディスプレイでもよい。その意味では、ハウジング6002、ヘッドセット6004、イヤーパッド6006は有さなくてもよい。
【0464】
図34(B)は、
図34(A)に示したヘッドマウントディスプレイを、顔に装着する面を図示している。ヘッドマウントディスプレイは、表示部6007、クッション部6008を有している。クッション部6008を有することで、クッション部6008が装着する人間の顔の形に合うように形づくるため、ヘッドマウントディスプレイの装着したときのズレを防ぐことができる。
【0465】
表示部6007は、人間の眼に近い位置にあるため、高い解像度を有することが好ましい。表示部6007の解像度が高いほど、表示部6007が映し出す画像は、より現実に近いものとして認識することができる。表示部6007の解像度としては、例えば、300ppi以上が好ましく、1000ppi以上がより好ましく、2000ppi以上が更に好ましく、4000ppi以上がより更に好ましい。
【0466】
特に、表示装置に実装する、ソースドライバなどのICチップは、微細化が容易であるため、高解像度の表示装置を実現することができる。つまり、本発明の一態様の表示装置と、ヘッドマウントディスプレイと、を組み合わせることにより、より現実に近い映像を表示できるヘッドマウントディスプレイを実現することができる。
【0467】
また、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、および発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、または様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、発光素子または発光装置は、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物および無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LEDチップ(白色LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電子放出素子、カーボンナノチューブを用いた表示素子、液晶素子、電子インク、エレクトロウェッティング素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェロメトリック・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、圧電セラミックディスプレイなど)、または、量子ドットなどの少なくとも一つを有している。これらの他にも、表示素子、表示装置、発光素子または発光装置は、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していてもよい。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)またはSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、または電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。量子ドットを各画素に用いた表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。なお、量子ドットは、表示素子としてではなく、バックライトの一部に設けてもよい。量子ドットを用いることにより、色純度の高い表示を行うことができる。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。なお、LEDチップを用いる場合、LEDチップの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体層などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体層などを設けて、LEDチップを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体層との間に、AlN層を設けてもよい。なお、LEDチップが有するGaN半導体層は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDチップが有するGaN半導体層は、スパッタ法で成膜することも可能である。また、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子においては、表示素子が封止されている空間(例えば、表示素子が配置されている素子基板と、素子基板に対向して配置されている対向基板との間)に、乾燥剤を配置してもよい。乾燥剤を配置することにより、MEMSなどが水分によって動きにくくなることや、劣化しやすくなることを防止することができる。
【0468】
また、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0469】
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
【0470】
<実施の形態で述べた本発明の一態様に関する付記>
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0471】
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
【0472】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0473】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
【0474】
<序数詞に関する付記>
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
【0475】
<図面を説明する記載に関する付記>
実施の形態について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0476】
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0477】
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0478】
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0479】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0480】
また、図面において、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
【0481】
また、図面において、同一の要素又は同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0482】
<言い換え可能な記載に関する付記>
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。また、本明細書等では、ゲート以外の2つの端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合や、第3端子、第4端子と呼ぶ場合がある。また、本明細書等に記載するトランジスタが2つ以上のゲートを有するとき(この構成をデュアルゲート構造という場合がある)、それらのゲートを第1ゲート、第2ゲートと呼ぶ場合や、フロントゲート、バックゲートと呼ぶ場合がある。特に、「フロントゲート」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができる。また、「バックゲート」という語句は、単に「ゲート」という語句に互いに言い換えることができる。なお、ボトムゲートとは、トランジスタの作製時において、チャネル形成領域よりも先に形成される端子のことをいい、「トップゲート」とは、トランジスタの作製時において、チャネル形成領域よりも後に形成される端子のことをいう。
【0483】
トランジスタは、ゲート、ソース、及びドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子として機能する端子である。ソース又はドレインとして機能する2つの入出力端子は、トランジスタの型及び各端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。また、本明細書等では、ゲート以外の2つの端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合や、第3端子、第4端子と呼ぶ場合がある。
【0484】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0485】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0486】
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によっては、又は、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0487】
なお本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」などの用語は、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」という用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、「配線」という用語を、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号線」「電源線」などの用語を、「配線」という用語に変更することが可能な場合がある。「電源線」などの用語は、「信号線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」などの用語は、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という用語を、場合によっては、又は、状況に応じて、「信号」などという用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」などの用語は、「電位」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0488】
<語句の定義に関する付記>
以下では、上記実施の形態中で言及した語句の定義について説明する。
【0489】
<<半導体の不純物について>>
半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
【0490】
<<トランジスタについて>>
本明細書において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル形成領域を有しており、ゲート−ソース間に電圧を与えることでチャネル形成領域にチャネルを形成することができ、ドレイン−ソース間に電流を流すことができる。
【0491】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0492】
<<スイッチについて>>
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。又は、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
【0493】
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
【0494】
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
【0495】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
【0496】
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
【0497】
<<接続について>>
本明細書等において、XとYとが接続されている、と記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とを含むものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも含むものとする。
【0498】
ここで使用するX、Yなどは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0499】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。
【0500】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
【0501】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同じであるとする。
【0502】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
【0503】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。又は、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。又は、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0504】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0505】
<<平行、垂直について>>
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
【0506】
<<三方晶、菱面体晶について>>
本明細書において、結晶が三方晶又は菱面体晶である場合、六方晶系として表す。