(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置合わせ部は、前記参照画像に含まれる基準構造物を、前記所定の条件を満たす超音波画像データにおいて探索することで、前記所定の条件を満たす超音波画像と前記参照画像とを位置合わせする、請求項1に記載の超音波診断装置。
前記領域追跡部は、前記基準構造物を探索できない場合に、前記位置合わせ以降に前記画像生成部によって新たに生成される時系列の超音波画像において前記関心領域の追跡を継続する、請求項2に記載の超音波診断装置。
前記位置合わせ部は、前記基準構造物を探索できない場合に、前記関心領域を用いて、前記所定の条件を満たす超音波画像と前記参照画像とを位置合わせする、請求項2に記載の超音波診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置及びその制御プログラムを説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103とを備える。超音波プローブ101、入力装置102、及びディスプレイ103は、それぞれ装置本体100に接続される。
【0009】
超音波プローブ101は、複数の振動素子(圧電振動子)を有する。超音波プローブ101は、被検体Pの体表面に接触され、超音波の送受信(超音波走査)を行う。複数の振動素子は、後述する装置本体100が有する送信回路110から供給される駆動信号に基づいて、超音波を発生させる。発生した超音波は、被検体P内の音響インピーダンスの不整合面で反射され、組織内の散乱体によって散乱された成分等を含む反射波信号(受信エコー)として複数の振動素子にて受信される。超音波プローブ101は、複数の振動素子にて受信した反射波信号を、送信回路110へ送る。
【0010】
なお、本実施形態では、超音波プローブ101が、マトリクス状(格子状)に配列された複数の振動素子を有する2次元超音波プローブ(「2Dアレイプローブ」とも表記する)である場合を説明するが、これに限定されるものではない。例えば、超音波プローブ101は、所定方向に1次元で配列された複数の振動素子を有する1次元超音波プローブ(「1Dアレイプローブ」とも表記する)であってもよい。
【0011】
入力装置102は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体100に対して受け付けた各種設定要求を転送する。例えば、入力装置102は、ディスプレイ103に表示されている画像に対して関心領域(ROI:Region of Interest)を設定する指示を操作者から受け付ける。
【0012】
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者が入力装置102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。例えば、ディスプレイ103は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。また、ディスプレイ103のことをモニタと適宜称する。
【0013】
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて、超音波画像データを生成する装置である。
図1に示すように、装置本体100は、例えば、送信回路110と、受信回路120と、Bモード処理回路130と、ドプラ処理回路140と、画像生成回路150と、画像メモリ160と、記憶回路170と、処理回路180とを有する。送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130と、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、画像メモリ160、記憶回路170、及び処理回路180は、互いに通信可能に接続される。
【0014】
送信回路110は、パルサ回路等を有する。パルサ回路は、所定のレート周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生し、発生したレートパルスを超音波プローブ101に出力する。また、パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。
【0015】
また、送信回路110は、処理回路180による制御を受けて、パルサ回路が出力する駆動信号の振幅の値を出力する。また、送信回路110は、処理回路180による制御を受けて、超音波プローブ101に、超音波プローブ101から送信される超音波に対する遅延量を送信する。
【0016】
受信回路120は、A/D変換器及び受信ビームフォーマを有する。受信回路120は、超音波プローブ101から出力された反射波信号を受信すると、まず、A/D変換器が、反射波信号をデジタルデータに変換し、受信ビームフォーマが、これらの各チャンネルからのデジタルデータに対し整相加算処理を行って反射波データを生成し、生成した反射波データをBモード処理回路130及びドプラ処理回路140に送信する。
【0017】
Bモード処理回路130は、受信回路120から出力された反射波データを受信し、受信した反射波データに対して対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0018】
ドプラ処理回路140は、受信回路120から出力された反射波データを受信し、受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
【0019】
画像生成回路150は、Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140が生成したデータから超音波画像データを生成する。例えば、画像生成回路150は、Bモード処理回路130が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度で表したBモード画像データを生成する。また、例えば、画像生成回路150は、ドプラ処理回路140が生成したドプラデータから移動体情報を表すドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。
【0020】
ここで、画像生成回路150は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成回路150は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路150は、スキャンコンバート以外に、種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成回路150は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0021】
画像メモリ160は、画像生成回路150が生成した画像データ(Bモード画像データ、ドプラ画像データ等)を記憶するメモリである。また、画像メモリ160は、Bモード処理回路130及びドプラ処理回路140が生成したデータを記憶することも可能である。画像メモリ160が記憶するBモードデータ及びドプラデータは、例えば、操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路150を経由して表示用の超音波画像データとなる。
【0022】
記憶回路170は、超音波送受信、画像処理及び表示処理などを行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路170は、必要に応じて、画像メモリ160が記憶する画像データの保管等にも使用される。また、記憶回路170が記憶するデータは、図示しない通信インターフェースを介して、外部装置へ転送することができる。
【0023】
処理回路180は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路180は、入力装置102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路170から読み込んだ各種制御プログラムおよび各種データに基づき、送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150等の処理を制御する。また、処理回路180は、画像メモリ160が記憶する超音波画像データをディスプレイ103に表示させる。
【0024】
また、
図1に示すように、処理回路180は、位置合わせ機能181及び追跡機能182を実行する。ここで、例えば、
図1に示す処理回路180の構成要素である位置合わせ機能181と、追跡機能182とが実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路170に記録されている。処理回路180は、各プログラムを記憶回路170から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路180は、
図1の処理回路180内に示された各機能を有することとなる。なお、位置合わせ機能181及び追跡機能182の処理については、後述する。
【0025】
なお、装置本体100に内蔵される送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、及び処理回路180は、プロセッサ(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、集積回路等)のハードウェアにより構成される。
【0026】
また、
図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、心電計106に接続される。心電計106は、被検体Pの心電信号を検出する装置である。例えば、心電計106は、超音波走査される被検体Pの生体信号として、被検体Pの心電波形(Electrocardiogram:ECG)を取得する。心電計106は、取得した心電波形を装置本体100に送信する。なお、心電計106により検出された心電信号は、超音波画像データの撮像時間(当該超音波画像データを生成するために行われた超音波走査の実施時刻)と対応付けられて記憶回路170に格納される。これにより、撮像される超音波画像データの各フレームと、被検体Pの心時相とが対応付けられる。
【0027】
このように構成される超音波診断装置1は、超音波走査によりリアルタイムに生成する超音波画像と、X線CT(Computed Tomography)装置等の医用画像診断装置により撮像された参照画像とを位置合わせする。ここで、超音波診断装置1は、例えば、心臓の構造物を認識することによって、超音波画像と参照画像とを位置合わせする場合がある。かかる場合には、磁気センサを用いて超音波プローブ101の位置情報を取得することで、超音波画像と参照画像との位置合わせを行う方法(以下、磁気センサ法と称す)が考えられる。
図2は、磁気センサ法による超音波画像と参照画像との位置合わせを説明するための図である。
【0028】
図2では、左側にX線CT装置により撮像された参照画像10を示し、右側に超音波診断装置1により撮像された超音波画像20を示す。なお、
図2に示す参照画像10は、周期的な基準時相において撮像された画像である。また、
図2に示す例では、参照画像10の撮像された時相とは異なる時相で撮像された超音波画像20を示す。すなわち、
図2に示す例では、参照画像10の撮像された時相と超音波画像20の撮像された時相とが一致しない。なお、参照画像10が撮像された時相のことをCT時相とも言う。
【0029】
図2に示すように、参照画像10には、観察対象に対して観察用の関心領域10aが設定されている。ここで、
図2に示す磁気センサ法では、磁気センサを用いて超音波プローブ101の位置情報を取得することで、参照画像10と同じ時相で撮像された超音波画像20と参照画像10との位置合わせが行われる。そして、参照画像10と同じ時相で撮像された超音波画像20上に、観察用の関心領域10aに対応する観察用の関心領域20aが設定される。
【0030】
しかしながら、この方法では、参照画像10上で設定した観察用の関心領域10aに対応する観察用の関心領域20aが、心臓の拍動により超音波画像20上で位置ずれをおこしてしまう。例えば、
図2の右側の超音波画像20に示すように、観察用の関心領域20aは、参照画像10と同じ時相で撮像された超音波画像20上の位置から移動しない。このため、観察用関心領域20aが設定された位置が実際に観察対象となる位置から外れてしまう。
【0031】
また、経食道心エコー(Transesophageal Echocardiography:TEE)プローブでは磁気センサを用いた位置合わせが実現していない。すなわち、TEEプローブでは、磁気センサ法を適用できない。このため、TEEプローブにより撮像された超音波画像において、心臓の構造物を認識し位置合わせを行う場合、位置合わせの基準となる心臓の構造物が撮像領域外に出ると位置合わせ自体ができなくなる。この場合、関心のある観察対象も超音波画像上に表示できなくなる。
【0032】
そこで、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、参照画像と超音波画像とにおいて心臓の構造物を認識して、参照画像と超音波画像とを位置合わせする。続いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、心臓の構造物からの相対的な位置関係から、参照画像上で指定した観察用の関心領域を超音波画像上に設定する。そして、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、一度位置合わせを行った後、観察用の関心領域を超音波画像上でリアルタイムに追跡して動画像として表示する。
【0033】
そして、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、心電同期により、CT時相において、超音波画像上で心臓の構造物を認識して、位置合わせと、観察用の関心領域の設定を再度行う。例えば、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、1心拍毎にCT時相の超音波画像が生成される度に、超音波画像上で心臓の構造物を認識して、超音波画像と参照画像とを位置合わせする。
【0034】
また、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相で超音波画像での構造物認識ができなかった場合、観察用の関心領域の再設定を行わず、観察用の関心領域の追跡を継続する。
【0035】
このような処理は、処理回路180が位置合わせ機能181及び追跡機能182を実行することによって実現される。例えば、位置合わせ機能181は、画像生成回路150によって所定の条件を満たす超音波画像が生成される度に、所定の条件を満たす超音波画像と、予め取得された参照画像とを位置合わせする。ここで、所定の条件を満たす超音波画像は、周期的な基準時相に対応する超音波画像である。また、周期的な基準時相は、参照画像が撮像された時相である。
【0036】
追跡機能182は、位置合わせの結果に基づいて、参照画像に設定された観察用の関心領域を、所定の条件を満たす超音波画像において特定し、位置合わせ以降に画像生成回路150によって新たに生成される時系列の超音波画像において観察用の関心領域を追跡する。
【0037】
図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理手順を示すフローチャートであり、
図4Aから
図4Dは、第1の実施形態を説明するための図である。
図3では、超音波診断装置1全体の動作を説明するフローチャートを示し、各構成要素がフローチャートのどのステップに対応するかを説明する。
【0038】
ステップS1及びステップS2は、入力装置102により実現されるステップである。ステップS1では、入力装置102は、観察用の関心領域の設定を受け付ける。ここでは、X線CT装置において基準時相で撮像されたX線CT画像を参照画像とする。例えば、参照画像としてのX線CT画像は、X線CT装置により得られた3次元のボリュームデータから生成された2次元画像である。
図4Aの左側に示すように、ディスプレイ103には参照画像30が表示されている。そして、入力装置102は、ディスプレイ103に表示されている参照画像30上において、観察用の関心領域30aの設定を操作者から受け付ける。
【0039】
ステップS2では、入力装置102は、超音波走査の開始を受け付ける。これにより、処理回路180は、送信回路110及び受信回路120を制御して超音波走査を実行させる。なお、
図3では、心臓を検査部位として超音波走査を実行するものとして説明する。
【0040】
ステップS3は、画像生成回路150により実現されるステップである。ステップS3では、画像生成回路150は、超音波画像を生成する。例えば、画像生成回路150は、超音波の送受信により収集されたデータに基づいて、時系列の超音波画像を生成する。なお、以下では、画像生成回路150は、2次元の超音波画像を生成するものとして説明する。
【0041】
ステップS4からステップS7及びステップS10は、位置合わせ機能181に対応するステップである。処理回路180が記憶回路170から位置合わせ機能181に対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、位置合わせ機能181が実現されるステップである。ステップS4では、位置合わせ機能181は、超音波画像を取得する。
【0042】
ステップS5では、位置合わせ機能181は、ステップS4で取得した超音波画像の時相がCT時相であるか否かを判定する。ここで、位置合わせ機能181は、ステップS4で取得した超音波画像に対応付けられている心時相を取得し、参照画像が撮像された心時相と一致するか否かを判定する。位置合わせ機能181は、超音波画像に対応付けられている心時相と、参照画像が撮像された心時相とが一致する場合に、超音波画像の時相がCT時相であると判定する。そして、位置合わせ機能181は、取得した超音波画像の時相がCT時相であると判定しなかった場合(ステップS5、No)、ステップS9に移行する。
【0043】
一方、位置合わせ機能181は、取得した超音波画像の時相がCT時相であると判定した場合(ステップS5、Yes)、位置合わせを行う(ステップS6)。
図4Bの左側には、参照画像30を示す。また、
図4Bでは、参照画像30において、観察用の関心領域30aが設定されている。そして、
図4Bの右側には超音波画像40を示す。この超音波画像40に対応付けられている心時相と、参照画像30が撮像された心時相とが一致する。ここで、例えば、位置合わせ機能181は、参照画像30に含まれる基準構造物を、CT時相の超音波画像40において探索することで、CT時相の超音波画像40と参照画像30とを位置合わせする。ここで、基準構造物は、心臓の拍動の影響を受けない部位であり、例えば、弁や左心耳等である。
【0044】
より具体的には、位置合わせ機能181は、
図4Bの参照画像30において、基準構造物を含んだ領域を位置合わせ用の参照領域30bとして設定する。そして、位置合わせ機能181は、
図4Bの超音波画像40において、位置合わせ用の参照領域30bに対応する領域を探索する。
図4Bの例では、位置合わせ機能181は、超音波画像40において、位置合わせ用の参照領域30bに対応する位置合わせ用の参照領域40bを特定した場合を示す。
【0045】
ステップS7では、位置合わせ機能181は、基準構造物を探索できたか否かを判定する。例えば、位置合わせ機能181は、
図4Bの右側に示すように、位置合わせ用の参照領域30bに対応する位置合わせ用の参照領域40bを特定した場合には、基準構造物を探索できたと判定する。
【0046】
ここで、位置合わせ機能181は、基準構造物を探索できたと判定した場合(ステップS7、Yes)、ステップS8に移行する。一方、位置合わせ機能181は、基準構造物を探索できたと判定しなかった場合(ステップS7、No)、ステップS9に移行する。
【0047】
ステップS8及びステップS9は、追跡機能182に対応するステップである。処理回路180が記憶回路170から追跡機能182に対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、追跡機能182が実現されるステップである。ステップS8では、追跡機能182は、超音波画像に観察用の関心領域を設定する。
【0048】
例えば、追跡機能182は、ステップS6の位置合わせの結果に基づいて、参照画像に設定された観察用の関心領域を、CT時相の超音波画像において特定し、設定する。より具体的には、追跡機能182は、
図4Bの右側に示すように、参照画像30において設定された観察用の関心領域30aに対応する観察用の関心領域40aを、心臓の構造物からの相対的な位置関係から超音波画像40上で特定し、設定する。
【0049】
ここで、追跡機能182は、CT時相の超音波画像が生成される度に、参照画像30において設定された観察用の関心領域30aに対応する観察用の関心領域40aを超音波画像40上で特定する。
図4Cでは、時系列に生成される複数の超音波画像40と、心電波形50とを示す。また、
図4Cでは、CT時相における参照画像30を示す。例えば、
図4Cに示すように、追跡機能182は、CT時相である時間T1において、心臓の構造物からの相対的な位置関係から超音波画像40上で観察用の関心領域40aを設定する。そして、追跡機能182は、CT時相である時間T2において、心臓の構造物からの相対的な位置関係から超音波画像40上で観察用の関心領域40aを再設定する。
【0050】
ステップS9では、追跡機能182は、観察用の関心領域を追跡する。例えば、追跡機能182は、位置合わせ以降に画像生成回路150によって新たに生成される時系列の超音波画像において観察用の関心領域を追跡する。ここで、追跡機能182は、例えば、スペックルトラッキング法等により観察用の関心領域を追跡する。
【0051】
このように、追跡機能182は、ステップS5においてCT時相ではないと判定した場合、或いは、ステップS7において基準構造物を探索できなかった場合に、観察用の関心領域を追跡する。例えば、追跡機能182は、ステップS5においてCT時相ではないと判定した場合、
図4Cに示すCT時相である時間T1からCT時相である時間T2までの間、観察用の関心領域を追跡する。また、同様にして、追跡機能182は、
図4Cに示すCT時相である時間T2から次のCT時相である時間までの間、観察用の関心領域を追跡する。
【0052】
また、例えば、追跡機能182は、ステップS7において基準構造物を探索できなかった場合、観察用の関心領域の追跡を継続する。
図4Dでは、時系列に生成される複数の超音波画像40と、心電波形50とを示す。また、
図4Dでは、CT時相における参照画像30を示す。例えば、
図4Dに示すように、追跡機能182は、CT時相である時間T1において、心臓の構造物からの相対的な位置関係から超音波画像40上で観察用の関心領域40aを設定する。そして、追跡機能182は、CT時相である時間T2において、観察用の関心領域40aを再設定する際に、基準構造物を探索出来ず位置合わせに失敗した場合、観察用の関心領域40aを追跡する。すなわち、追跡機能182は、基準構造物を探索できない場合に、位置合わせ以降に画像生成回路150によって新たに生成される時系列の超音波画像において観察用の関心領域の追跡を継続する。
【0053】
ステップS10では、位置合わせ機能181は、終了を受け付けたか否かを判定する。ここで、位置合わせ機能181は、例えば、入力装置102を介して操作者から超音波走査の終了を受付けた場合(ステップS10、Yes)、処理を終了する。一方、位置合わせ機能181は、終了を受け付けたと判定しなかった場合(ステップS10、No)、ステップS4に移行して、新たに生成される超音波画像を取得する。
【0054】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において参照画像と超音波画像とを位置合わせして、観察用の関心領域を設定し、CT時相以外では観察用の関心領域を追跡する。これにより、第1の実施形態によれば、CT時相と異なる時相においても術前に設定した観察用の関心領域を心臓の動きと同期してリアルタイムに観察できる。
【0055】
また、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において観察用の関心領域を再設定する。これにより、第1の実施形態によれば、観察用の関心領域を追跡することによって生じる誤差をリセットすることが可能になる。
【0056】
更に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において、超音波画像の撮像範囲から位置合わせの基準となる基準構造物が外れて、参照画像と超音波画像とを位置合わせ出来ない場合でも、観察用の関心領域を追跡する。これにより、第1の実施形態によれば、観察用の関心領域を表示可能である。
【0057】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、CT時相の超音波画像において心臓の構造物を探索できない場合に、新たに生成される時系列の超音波画像において観察用の関心領域の追跡を継続する場合について説明した。第2の実施形態では、CT時相の超音波画像において心臓の構造物を探索できない場合に、観察用の関心領域を用いて、CT時相の超音波画像と参照画像とを位置合わせする場合について説明する。
【0058】
第2の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例は、位置合わせ機能181の一部の機能が異なる点を除いて、
図1に示す第1の実施形態に係る超音波診断装置1と同様である。第2の実施形態に係る位置合わせ機能181は、基準構造物を探索できない場合に、観察用の関心領域を用いて、CT時相の超音波画像と参照画像とを位置合わせする。
【0059】
図5は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1による処理手順を示すフローチャートであり、
図6は、第2の実施形態を説明するための図である。
図5では、超音波診断装置1全体の動作を説明するフローチャートを示し、各構成要素がフローチャートのどのステップに対応するかを説明する。なお、
図5に示す処理手順において、
図3に示す処理手順におけるステップと同様のステップについては、同一の符号を付与して詳細な説明を省略する。
図5に示すステップS11からステップS19は、
図3に示すステップS1からステップS9と同様であり、
図5に示すステップS21は、
図3に示すステップS10と同様である。なお、ステップS11において、入力装置102は、複数の観察用の関心領域の設定を受け付ける。すなわち、ステップS11において、観察用の関心領域は、複数設定される。
【0060】
ステップS20は、追跡機能182に対応するステップである。処理回路180が記憶回路170から追跡機能182に対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、追跡機能182が実現されるステップである。ステップS17において、位置合わせ機能181によって基準構造物を探索できたと判定されなかった場合(ステップS17、No)、ステップS20では、追跡機能182は、観察用の関心領域を基準として位置合わせを行う。
【0061】
図6では、時系列に生成される複数の超音波画像40と、心電波形50とを示す。また、
図6では、CT時相における参照画像30を示す。例えば、
図6に示すように、追跡機能182は、CT時相である時間T1において、心臓の構造物からの相対的な位置関係から超音波画像40上で観察用の関心領域40aを設定する。そして、追跡機能182は、CT時相である時間T2において、観察用の関心領域40aを再設定する際に、基準構造物を探索出来ず位置合わせに失敗した場合、観察用の関心領域40aを用いて、CT時相の超音波画像40と参照画像30とを位置合わせする。ここで、追跡機能182は、複数の観察用の関心領域40aを用いてCT時相の超音波画像40と参照画像30とを位置合わせする。
【0062】
上述したように、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において参照画像と超音波画像とを位置合わせして、観察用の関心領域を設定し、CT時相以外では観察用の関心領域を追跡する。これにより、第2の実施形態によれば、CT時相と異なる時相においても術前に設定した観察用の関心領域を心臓の動きと同期してリアルタイムに観察できる。
【0063】
また、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において観察用の関心領域を再設定する。これにより、第2の実施形態によれば、観察用の関心領域を追跡することによって生じる誤差をリセットすることが可能になる。
【0064】
更に、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、CT時相において、超音波画像の撮像範囲から位置合わせの基準となる基準構造物が外れても、観察用の関心領域を用いて、CT時相の超音波画像と参照画像とを位置合わせする。これにより、第2の実施形態によれば、超音波画像の撮像範囲から位置合わせの基準となる基準構造物が外れても、CT時相の超音波画像と参照画像とを位置合わせすることが可能になる。
【0065】
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、参照画像と超音波画像とにおいて心臓の構造物を認識して、参照画像と超音波画像とを位置合わせする場合について説明した。ところで、超音波プローブ101に位置センサが取り付けられている場合には、位置センサにより取得した超音波プローブ101の位置情報を用いて、参照画像と超音波画像とを位置合わせしてもよいものである。そこで、第3の実施形態では、位置センサにより取得した超音波プローブ101の位置情報を用いて、参照画像と超音波画像とを位置合わせする場合について説明する。なお、TEEプローブにおいて位置センサの取り付けが実現される場合、第3の実施形態は、TEEプローブを用いた超音波走査においても適用可能である。
【0066】
まず、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aの構成について説明する。なお、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aにおいて、
図1に示す第1の実施形態に係る超音波診断装置1と同様の構成については、同一の符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0067】
図7は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aの構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、装置本体100aと、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103と、位置センサ104と、トランスミッタ105とを有する。超音波プローブ101、入力装置102、ディスプレイ103、及びトランスミッタ105は、装置本体100aと通信可能に接続される。なお、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、心電計106に接続される。
【0068】
位置センサ104及びトランスミッタ105は、超音波プローブ101の位置情報を取得するための装置(位置検出システム)である。例えば、位置センサ104は、超音波プローブ101に取り付けられる磁気センサである。また、例えば、トランスミッタ105は、任意の位置に配置され、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する装置である。
【0069】
位置センサ104は、トランスミッタ105によって形成された3次元の磁場を検出する。そして、位置センサ104は、検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッタ105を原点とする空間における自装置の位置(座標)及び方向(角度)を算出し、算出した位置及び方向を処理回路180aに送信する。処理回路180aに送信された位置センサ104の3次元的な位置情報(位置及び方向)は、超音波プローブ101の位置情報、或いは超音波プローブ101により走査される走査範囲の位置情報に適宜変換されて利用される。例えば、位置センサ104の位置情報は、位置センサ104と超音波プローブ101との位置関係により超音波プローブ101の位置情報に変換される。また、超音波プローブ101の位置情報は、超音波プローブ101と走査範囲との位置関係により走査範囲の位置情報に変換される。なお、走査範囲の位置情報は、走査範囲と走査線上のサンプル点との位置関係により、各画素位置にも変換可能である。つまり、位置センサ104の3次元的な位置情報は、超音波プローブ101により撮像される超音波画像データの各画素位置に変換可能である。
【0070】
なお、本実施形態は、上記の位置検出システム以外のシステムにより、超音波プローブ101の位置情報を取得する場合であっても適用可能である。例えば、本実施形態は、ジャイロセンサや加速度センサ等を用いて、超音波プローブ101の位置情報を取得する場合であっても良い。
【0071】
装置本体100aは、
図7に示すように、送信回路110と、受信回路120と、Bモード処理回路130と、ドプラ処理回路140と、画像生成回路150と、画像メモリ160と、記憶回路170と、処理回路180aと、通信インターフェース190とを有する。送信回路110、受信回路120、Bモード処理回路130、ドプラ処理回路140、画像生成回路150、画像メモリ160、記憶回路170、処理回路180a、及び通信インターフェース190は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100aは、ネットワーク5に接続される。
【0072】
通信インターフェース190は、ネットワーク5を経由して院内の各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース190により、処理回路180aは、外部装置と通信を行う。例えば、処理回路180aは、超音波診断装置1a以外の医用画像診断装置により撮像された医用画像データ(X線CT(Computed Tomography)画像データやMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像データ等)をネットワーク5経由で受信する。
【0073】
第3の実施形態に係る位置合わせ機能181aは、画像生成回路150によって所定の条件を満たす超音波画像が生成される度に、所定の条件を満たす超音波画像と、予め取得された参照画像とを位置合わせする。ここで、第3の実施形態に係る位置合わせ機能181aは、位置センサ104から取得した超音波プローブ101の位置情報を用いて、所定の条件を満たす超音波画像と参照画像とを位置合わせする。
【0074】
第3の実施形態に係る追跡機能182aは、位置合わせの結果に基づいて、参照画像に設定された観察用の関心領域を、所定の条件を満たす超音波画像において特定する。そして、第3の実施形態に係る追跡機能182aは、位置合わせ以降に画像生成回路150によって新たに生成される時系列の超音波画像において観察用の関心領域を追跡する。
【0075】
続いて、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aによる処理の手順について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aによる処理手順を示すフローチャートである。
図8では、超音波診断装置1a全体の動作を説明するフローチャートを示し、各構成要素がフローチャートのどのステップに対応するかを説明する。なお、
図8に示す処理手順において、
図3に示す処理手順におけるステップと同様のステップについては、同一の符号を付与して詳細な説明を省略する。
図8に示すステップS31からステップS35は、
図3に示すステップS1からステップS5と同様であり、
図8に示すステップS38からステップS40は、
図3に示すステップS8からステップS10と同様である。
【0076】
ステップS36及びステップS37は、位置合わせ機能181aに対応するステップである。処理回路180aが記憶回路170から位置合わせ機能181aに対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、位置合わせ機能181が実現されるステップである。位置合わせ機能181aは、ステップS34で取得した超音波画像の時相がCT時相であると判定した場合、ステップS36において、位置情報を取得する。例えば、位置合わせ機能181aは、位置センサ104により算出された3次元的な位置情報を取得する。
【0077】
ステップS37では、位置合わせ機能181aは、超音波画像と参照画像とを位置合わせする。例えば、位置合わせ機能181aは、ステップS36で取得した位置情報を用いて、超音波画像と参照画像とを位置合わせする。位置合わせ機能181aは、ステップS36で取得した位置情報を、超音波プローブ101により撮像される超音波画像の各画素位置に変換する。続いて、位置合わせ機能181は、位置合わせ用の参照領域を参照画像において設定し、参照画像における位置合わせ用の参照領域の各画素位置と、超音波画像の各画素位置とを位置合わせする。
【0078】
このように、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、CT時相において参照画像と超音波画像とを位置合わせして、観察用の関心領域を設定し(ステップS38)、CT時相以外では観察用の関心領域を追跡する(ステップS39)。これにより、第3の実施形態によれば、CT時相と異なる時相においても術前に設定した観察用の関心領域を心臓の動きと同期してリアルタイムに観察できる。
【0079】
また、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、CT時相において観察用の関心領域を再設定する。これにより、第3の実施形態によれば、観察用の関心領域を追跡することによって生じる誤差をリセットすることが可能になる。
【0080】
なお、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、CT時相において、超音波画像の撮像範囲から位置合わせの基準となる基準構造物が外れた場合に、位置合わせを行わずに観察用の関心領域を追跡してもよい。
【0081】
また、第3の実施形態に係る超音波診断装置1aは、CT時相において、超音波画像の撮像範囲から位置合わせの基準となる基準構造物が外れて、参照画像と超音波画像とを位置合わせ出来ない場合、観察用の関心領域を用いて、超音波画像と参照画像とを位置合わせしてもよい。
【0082】
(その他の実施形態)
実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
【0083】
上述した実施形態では、位置合わせ機能181は、1心拍毎にCT時相の超音波画像が生成される度に、超音波画像と予め取得された参照画像とを位置合わせするものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、位置合わせ機能181は、複数心拍を1周期として超音波画像と参照画像とを位置合わせしてもよい。一例をあげると、位置合わせ機能181は、CT時相の超音波画像が2心拍分生成される度に、超音波画像と参照画像とを位置合わせする。
【0084】
また、上述した実施形態では、観察用の関心領域として、生体において関心のある1点を含んだ円形状で表現される場合を例に説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、観察用の関心領域は、計測等による直線や円形状で表現されてもよく、また、術前に計画したカテーテールを通す経路を示すガイドとなる線等で表現されてもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、位置合わせ用の参照領域と、観察用の関心領域とをそれぞれ異なる領域に設定する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、観察用の関心領域が構造物である場合には、位置合わせ用の参照領域と観察用の関心領域とが同じ領域に設定されてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、位置合わせ機能181は、位置合わせ用の参照領域を設定するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、位置合わせ機能181は、入力装置102を介して、参照画像上において位置合わせ用の参照領域の設定を操作者から受け付けてもよい。かかる場合、位置合わせ機能181は、操作者から受け付けた位置合わせ用の参照領域を用いて、超音波画像と参照画像とを位置合わせする。
【0087】
また、上述した超音波診断装置1及び1aによって設定される、観察用の関心領域の数や位置合わせ用の参照領域の数は、任意に変更可能である。また、位置合わせ用の参照領域を複数設定する場合、超音波診断装置1及び1aは、複数の位置合わせ用の参照領域を用いて位置合わせをする一方で、ディスプレイ103には、複数の位置合わせ用の参照領域のうちいずれか1つを表示するようにしてもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、2次元の参照画像と、2次元の超音波画像とを位置合わせして、関心領域を設定する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態に係る超音波診断装置1及び1aは、3次元の参照画像と、3次元の超音波画像とを位置合わせして、観察用の関心領域を設定してもよい。
【0089】
また、上述した実施形態では、心臓の超音波走査を例にしたが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、心臓以外にも、頭部、胸部、及び腹部等の超音波走査においても適用可能である。
【0090】
また、上述した実施形態では、心臓等周期的な運動を伴う観察対象を例にして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、腸管の蠕動等、周期的ではない運動を伴う観察対象にも適用可能である。かかる場合、実施形態に係る超音波診断装置1及び1aは、所定時相で撮像された参照画像と、非周期的に訪れる所定時相において撮像される超音波画像とを位置合わせし、観察用の関心領域を設定する。そして、実施形態に係る超音波診断装置1及び1aは、所定時相以外では、観察用の関心領域を追跡する。
【0091】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0092】
上記の実施形態の説明において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0093】
また、上記の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0094】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、運動を伴う観察対象を正確に表示することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。