特許6976875IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

セレン化水素ガス検知器を利用し水溶性セレンの定量分析方法並びにそれを利用したセレン含有排水の排水処理システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、硫黄化合物を含む排水、例えば石炭火力発電所から排出される脱硫排水等に含まれる6価セレンを定量分析するに有用な水溶性セレンの分析方法並びにそれを利用したセレン含有排水の排水処理システム

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、特許文献2記載のセレン化水素ガス検知器を利用したセレンモニターは、排水中の全セレン(4価セレンと6価セレンとが合算されたもの)の濃度を定量分析することはできるが、4価セレンだけあるいは6価セレンだけを定量分析することはできない。 ところが、4価セレンは通常の排水処理(凝集沈殿処理)によって除去できるのに対し、6価セレンは処理が難しく、専用の排水処理設備において6価セレンを4価セレンもしくは金属セレンに還元する必要がある。それにも拘わらず石炭火力発電所の排煙脱硫排水には、含まれる6価と4価のセレンの割合が定まっておらず、6価と4価のセレンが半分半分のケースもあれば、6価セレンが大部分を占めるケースもある。このことから、セレン処理設備を効率的に運用するためには、処理対象である6価セレンの濃度の精確なモニタリング(定量分析)が有効であり、排水のセレン濃度を化学形態別に自動測定する技術(化学形態別セレンモニター)が求められる。 そこで、本発明は、セレン化水素ガス検知器を利用して排水中の6価セレン濃度を簡易に定量分析し得る水溶性セレンの分析方法を提供することを目的とする。また、本発明は、セレン処理設備を効率的に運用し得るセレン含有排水の排水処理システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

かかる課題を解決するため、本願発明の水溶性セレン分析方法は、脱硫排水から採取された分析用試料に水素化ホウ素ナトリウムと塩酸とを添加して常温で反応させ分析用試料中の4価セレンをセレン化水素ガスとして分析用試料中から離脱させると同時に分析用試料中の硫黄化合物も硫化水素ガスとして分析用試料中から離脱させる水素化除去工程と、セレン化水素ガス並びに硫化水素ガスを除去した分析用試料中にさらに塩酸を添加し・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、分析用試料に対し水素化ホウ素ナトリウムと塩酸とを添加して常温で反応させることにより、分析用試料中の4価セレンがセレン化水素ガスとなって分析用試料中から離脱し、同時にセレン化水素ガス検知器の測定妨害要因となる分析用試料中の不安定な硫黄化合物も硫化水素(ガス)となって分析用試料中から離脱する。結果、分析用試料中には6価セレンのみが残ることから、これを塩酸還元工程で四価セレンに還元してから、再び水素化ホウ素ナトリウムを添加して反応させセレン化水素ガスを発生させ、このセレン化水素ガスをセレン化水素ガス検知器に導いて、セレン化水素ガス検知器により検出された信号値に基づいて、等価6価セレン濃度を求めることができる。つまり、本発明にかかる方法によれば、6価セレン濃度を直接的に定量分析できる。 請求項2記載の発明によれば、分析用試料から採取された分析用試料の一部を使って6価セレン濃度を直接的に定量分析する一方で、分析用試料の一部を使って全セレン濃度を直接的に定量分析できるので、脱硫排水システムのセレン処理設備の適切な運用を可能とすることができる。つまり、6価セレン処理が不要である場合には、6価セレン専用排水処理設備をバイパスさせることで排水処理経費を節減できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明にかかる排水中の6価セレンを定量分析する水溶性セレンの化学形態別分析方法の工程の一実施形態を示す原理図である。

【図2】6価セレンを定量分析する水溶性セレンの分析方法を実施するセレンモニター(6価セレン定量化ライン)の一実施形態を示すブロック図である。

【図3】全セレンを定量分析する水溶性セレンの分析方法を実施するセレンモニター(全セレン定量化ライン)の一実施形態を示すブロック図である。

【図4】火力発電所の脱硫排水処理設備における水溶性セレンの測定箇所を示す説明図である。

【図5】本発明のセレン含有排水の排水処理システムの一実施形態を示すブロック図である。

【図6】セレンモニターの検量線(繰り返し数n=5、相関係数r2 = 0.990、センサ#16、膜厚200μmの隔膜)の一例を示すグラフである。

【図7】公定法による試験中の排水セレン濃度の経時変化を示すグラフである。

【図8】試験中の化学形態別セレン濃度(ICP-OES)の経時変化を示すグラフである。

【図9】試験中のセレンモニターの校正値信号出力(上)と、セレン濃度(下)の経時変化を示すグラフである。

【図10】セレンモニターによるセレン濃度と公定法(ICP-OES)によるセレン濃度との相関を示すグラフである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

S1 4価セレン及び硫黄化合物の水素化除去工程   S2 塩酸還元工程   S3 セレン水素化工程   A 分析用試料   B 水素化除去済み分析用試料   C 還元処理済み分析用試料   D 水素化済み分析用試料   1 6価セレンモニター(6価セレン定量化ライン)   2 全セレンモニター(全セレン定量分析ライン)   100 排水処理ライン   101 6価セレン専用排水処理設備   102 凝集沈殿排水処理設備   103 制御部   104 切り替え弁   105 迂回路

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