特許第6976905号(P6976905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976905
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷装置の印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20211125BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20211125BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B41F15/08 303E
   B41M1/12
   H05K3/34 505D
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-107682(P2018-107682)
(22)【出願日】2018年6月5日
(65)【公開番号】特開2019-209601(P2019-209601A)
(43)【公開日】2019年12月12日
【審査請求日】2020年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 猛志
(72)【発明者】
【氏名】小峯 正道
【審査官】 長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−058047(JP,A)
【文献】 特開平07−329275(JP,A)
【文献】 特開2018−024121(JP,A)
【文献】 特開2018−039173(JP,A)
【文献】 米国特許第05436028(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00−15/46
B41M 1/00−3/18
H05K 3/32−3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業位置に配置された第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材を印刷位置に配置された基板に印刷するスキージと、
前記第1マスクを用いて前記スキージにより印刷される前記基板上の第1領域とは異なる第2領域を印刷する際に用いられる前記第2マスクに、前記作業位置に配置された前記第1マスクを交換するマスク交換機構とを備え、
前記作業位置に配置された前記第1マスク上の前記塗布材を前記スキージにより前記基板上の前記第1領域に印刷した後の前記第1マスク上の前記塗布材の第1配置位置、および、前記作業位置に配置された前記第2マスク上の前記塗布材を前記スキージにより前記基板上の前記第2領域に印刷した後の前記第2マスク上の前記塗布材の第2配置位置を記憶するように構成されている、印刷装置。
【請求項2】
前記第1配置位置に基づいて、前記第1マスクを用いた前記スキージによる次回の印刷における前記スキージの印刷方向を設定し、かつ、前記第2配置位置に基づいて、前記第2マスクを用いた前記スキージによる次回の印刷における前記スキージの印刷方向を設定するように構成されている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記マスク交換機構により、前記作業位置に配置された前記第1マスクの前記第2マスクへの交換と、前記作業位置に配置された前記第2マスクの前記第1マスクへの交換とを繰り返し行う場合、前記第1配置位置および前記第2配置位置は、それぞれ、前記マスク交換機構による交換が行われる度に更新して記憶される、請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記マスク交換機構は、前記第1マスクおよび前記第2マスクを収納するマスク収納部を含み、
前記マスク収納部にアクセス可能な開口と、前記開口を開閉する扉部とを含むカバー部材と、
前記第1マスクまたは前記第2マスクの上の前記塗布材の位置を検知する塗布材検知部とをさらに備え、
前記扉部の開状態を検知した場合、前記扉部の開状態を検知した際に前記マスク収納部に収納されていた前記第1マスクまたは前記第2マスクの上の前記塗布材の配置位置を、前記塗布材検知部により検知し直すように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記扉部の開状態を検知した場合、前記扉部の開状態を検知した際に前記マスク収納部に収納されていた前記第1マスクまたは前記第2マスクが前記作業位置に配置されたことに基づいて、前記作業位置に配置された前記第1マスクまたは前記第2マスクの上の前記塗布材の配置位置を前記塗布材検知部により検知するように構成されている、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記塗布材検知部により、前記扉部の開状態を検知した際に前記マスク収納部に収納されていた前記第1マスクまたは前記第2マスクの上の前記塗布材の配置位置を検知する場合、記憶されていた前記第1配置位置または前記第2配置位置を最初に検知するように構成されている、請求項4または5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記塗布材検知部により、前記第1マスク上の前記第1配置位置または前記第2マスク上の前記第2配置位置を最初に検知した際に前記塗布材がなかったことに基づいて、前記第1マスク上における前記第1配置位置とは反対側の位置または前記第2マスクの上における前記第2配置位置とは反対側の位置を検知するように構成されている、請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1マスクは、前記基板上の前記第1領域を印刷する第1パターンを有し、
前記第2マスクは、前記第1領域を保護するとともに、前記基板上の前記第2領域を印刷する第2パターンを有し、
前記スキージにより前記基板上の前記第1領域に前記塗布材を前記作業位置の前記第1マスクを用いて前記第1パターンとして印刷したことに基づいて前記第1マスク上の前記塗布材の前記第1配置位置を記憶し、前記マスク交換機構により前記作業位置の前記第1マスクを前記第2マスクに交換した後、前記スキージにより前記基板上の前記第2領域に前記塗布材を前記作業位置の前記第2マスクを用いて前記第2パターンとして印刷したことに基づいて前記第2マスク上の前記塗布材の前記第2配置位置を記憶するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
作業位置に配置された第1マスクを用いて基板上の第1領域に塗布材を印刷するステップと、
前記第1マスク上の前記塗布材の第1配置位置を記憶するステップと、
前記作業位置に配置された前記第1マスクを第2マスクに交換するステップと、
前記作業位置に配置された前記第2マスクを用いて前記基板上の前記第1領域とは異なる第2領域に前記塗布材を印刷するステップと、
前記第2マスク上の前記塗布材の第2配置位置を記憶するステップとを備える、印刷装置の印刷方法。
【請求項10】
前記第1配置位置に基づいて、前記第1マスクを用いたスキージによる次回の印刷における前記スキージの印刷方向を設定するステップと、
前記第2配置位置に基づいて、前記第2マスクを用いた前記スキージによる次回の印刷における前記スキージの印刷方向を設定するステップとをさらに備える、請求項9に記載の印刷装置の印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷装置および印刷装置の印刷方法に関し、特に、作業位置に配置されたマスクを交換するマスク交換機構を備える印刷装置および印刷装置の印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業位置に配置されたマスクを交換するマスク交換機構を備える印刷装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、第1スクリーンマスクと、第2スクリーンマスクと、第1マスク保持装置(マスク交換機構)と、第2マスク保持装置(マスク交換機構)とを備えるスクリーン印刷機が開示されている。第1マスク保持装置は、第1スクリーンマスクを第1マスク保持位置(作業位置)と第1マスク退避位置との間で移動可能である。第2マスク保持装置は、第2スクリーンマスクを第2マスク保持位置(作業位置)と第2マスク退避位置との間で移動可能である。また、スクリーン印刷機は、第1スクリーンマスクまたは第2スクリーンマスクにはんだを供給するはんだ供給装置を備えている。
【0004】
また、上記特許文献1に記載のスクリーン印刷機では、第1マスク保持位置に配置された第1スクリーンマスクに、はんだ供給装置によりはんだを供給したことに基づいて、基板上にスクリーン印刷が行われる。スクリーン印刷機では、第1スクリーンマスクを用いたスクリーン印刷の完了に基づいて、第1スクリーンマスクが第1マスク保持位置から第1マスク退避位置に移動される。スクリーン印刷機では、第1スクリーンマスクが第1マスク退避位置に移動されたことに基づいて、第2スクリーンマスクが第2マスク退避位置から第1マスク保持位置に移動される。これにより、第1スクリーンマスクから第2スクリーンマスクへの交換が行われる。そして、スクリーン印刷機では、第2スクリーンマスクに、はんだ供給装置によりはんだを供給したことに基づいて、基板上にスクリーン印刷が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5937932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に記載のスクリーン印刷機では、第1スクリーンマスクおよび第2スクリーンマスクの交換を行った場合、印刷を行うためには、交換が行われた第1スクリーンマスクまたは第2スクリーンマスク上のはんだの位置を知る必要がある。はんだの位置を知る方法として、第1スクリーンマスクまたは第2スクリーンマスク上のはんだの位置を検知部により検知することが考えられる。しかしながら、検知部により検知する場合には、第1スクリーンマスクおよび第2スクリーンマスクのそれぞれにより基板上にスクリーン印刷を行う度に、第1スクリーンマスクおよび第2スクリーンマスクのそれぞれの上のはんだ(塗布材)の位置を検知する必要があると考えられる。このため、第1スクリーンマスクおよび第2スクリーンマスクを用いた印刷の作業時間が増大しやすいという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、塗布材の配置位置の検知に起因する第1マスクおよび第2マスクを用いた印刷の作業時間の増大を抑制することが可能な印刷装置および印刷装置の印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面による印刷装置は、作業位置に配置された第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材を印刷位置に配置された基板に印刷するスキージと、第1マスクを用いてスキージにより印刷される基板上の第1領域とは異なる第2領域を印刷する際に用いられる第2マスクに、作業位置に配置された第1マスクを交換するマスク交換機構とを備え、作業位置に配置された第1マスク上の塗布材をスキージにより基板上の第1領域に印刷した後の第1マスク上の塗布材の第1配置位置、および、作業位置に配置された第2マスク上の塗布材をスキージにより基板上の第2領域に印刷した後の第2マスク上の塗布材の第2配置位置を記憶するように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による印刷装置では、上記のように、作業位置に配置された第1マスク上の塗布材をスキージにより基板上の第1領域に印刷した後の第1マスク上の塗布材の第1配置位置を記憶する。また、印刷装置では、作業位置に配置された第2マスク上の塗布材をスキージにより基板上の第2領域に印刷した後の第2マスク上の塗布材の第2配置位置を記憶する。これにより、次回の第1マスクまたは第2マスクを用いたスキージによる塗布材の基板への印刷の際に、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を検知部により検知する必要がないので、塗布材の配置位置の検知に起因する第1マスクおよび第2マスクを用いた印刷の作業時間の増大を抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による印刷装置において、好ましくは、第1配置位置に基づいて、第1マスクを用いたスキージによる次回の印刷におけるスキージの印刷方向を設定し、かつ、第2配置位置に基づいて、第2マスクを用いたスキージによる次回の印刷におけるスキージの印刷方向を設定するように構成されている。このように構成すれば、第1マスクまたは第2マスクの上のはんだの配置位置を検知することなく、スキージの印刷方向を適切な印刷方向に設定することができる。その結果、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を検知する場合に比べて、印刷装置の作業時間を短縮することができる。
【0011】
上記第1の局面による印刷装置において、好ましくは、マスク交換機構により、作業位置に配置された第1マスクの第2マスクへの交換と、作業位置に配置された第2マスクの第1マスクへの交換とを繰り返し行う場合、第1配置位置および第2配置位置は、それぞれ、マスク交換機構による交換が行われる度に更新して記憶される。このように構成すれば、塗布材の最新の第1配置位置および塗布材の最新の第2配置位置を記憶することができるので、第1マスクまたは第2マスクを用いて基板に塗布材を確実に印刷することができる。
【0012】
上記第1の局面による印刷装置において、好ましくは、マスク交換機構は、第1マスクおよび第2マスクを収納するマスク収納部を含み、マスク収納部にアクセス可能な開口と、開口を開閉する扉部とを含むカバー部材と、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の位置を検知する塗布材検知部とをさらに備え、扉部の開状態を検知した場合、扉部の開状態を検知した際にマスク収納部に収納されていた第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を、塗布材検知部により検知し直すように構成されている。このように構成すれば、オペレータにより第1マスク上の塗布材の第1配置位置または第2マスク上の塗布材の第2配置位置が変更されたとしても、正しい第1マスク上の塗布材の第1配置位置または第2マスク上の塗布材の第2配置位置を取得することができる。
【0013】
上記第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を、塗布材検知部により検知し直す印刷装置において、好ましくは、扉部の開状態を検知した場合、扉部の開状態を検知した際にマスク収納部に収納されていた第1マスクまたは第2マスクが作業位置に配置されたことに基づいて、作業位置に配置された第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を塗布材検知部により検知するように構成されている。このように構成すれば、塗布材検知部による第1マスクおよび第2マスクの上の塗布材の配置位置の検知を同じ作業位置で行うことができるので、第1マスクおよび第2マスクの上の塗布材の検知を容易に行うことができる。
【0014】
上記第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を、塗布材検知部により検知し直す印刷装置において、好ましくは、塗布材検知部により、扉部の開状態を検知した際にマスク収納部に収納されていた第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を検知する場合、記憶されていた第1配置位置または第2配置位置を最初に検知するように構成されている。このように構成すれば、オペレータにより第1マスク上の塗布材の第1配置位置または第2マスク上の塗布材の第2配置位置が変更されなかった場合、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を迅速に検知することができるので、塗布材検知部による作業時間を増大するのを極力抑制することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、塗布材検知部により、第1マスク上の第1配置位置または第2マスク上の第2配置位置を最初に検知した際に塗布材がなかったことに基づいて、第1マスク上における第1配置位置とは反対側の位置または第2マスクの上における第2配置位置とは反対側の位置を検知するように構成されている。このように構成すれば、オペレータにより第1マスク上の塗布材の第1配置位置または第2マスク上の塗布材の第2配置位置が変更された場合、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材が配置されている可能性が最も高い位置を塗布材検知部により検知させることができる。その結果、第1マスク上の第1配置位置または第2マスク上の第2配置位置を最初に検知した際に塗布材がなかった場合にも、塗布材検知部による検知の作業時間をより増大しにくくすることができる。
【0016】
上記第1の局面による印刷装置において、好ましくは、第1マスクは、基板上の第1領域を印刷する第1パターンを有し、第2マスクは、第1領域を保護するとともに、基板上の第2領域を印刷する第2パターンを有し、スキージにより基板上の第1領域に塗布材を作業位置の第1マスクを用いて第1パターンとして印刷したことに基づいて第1マスク上の塗布材の第1配置位置を記憶し、マスク交換機構により作業位置の第1マスクを第2マスクに交換した後、スキージにより基板上の第2領域に塗布材を作業位置の第2マスクを用いて第2パターンとして印刷したことに基づいて第2マスク上の塗布材の第2配置位置を記憶するように構成されている。このように構成すれば、デュアルレーンの印刷装置または2台の印刷装置を用いることなく、基板上の第1領域および第2領域のそれぞれに第1パターンおよび第2パターンの塗布材の印刷を行うことができるので、稼働率の増大を抑制することができ、かつ、印刷装置のサイズの大型化を抑制することができる。
【0017】
この発明の第2の局面による印刷装置の印刷方法は、作業位置に配置された第1マスクを用いて基板上の第1領域に塗布材を印刷するステップと、第1マスク上の塗布材の第1配置位置を記憶するステップと、作業位置に配置された第1マスクを第2マスクに交換するステップと、作業位置に配置された第2マスクを用いて基板上の第1領域とは異なる第2領域に塗布材を印刷するステップと、第2マスク上の塗布材の第2配置位置を記憶するステップとを備える。
【0018】
この発明の第2の局面による印刷装置の印刷方法では、上記のように、作業位置に配置された第1マスク上の塗布材を基板上の第1領域に印刷した後の第1マスク上の塗布材の第1配置位置が記憶される。また、印刷装置の印刷方法では、作業位置に配置された第2マスク上の塗布材を基板上の第2領域に印刷した後の第2マスク上の塗布材の第2配置位置が記憶される。これにより、次回の第1マスクまたは第2マスクを用いたスキージによる塗布材の基板への印刷の際に、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を検知部により検知する必要がないので、塗布材の配置位置の検知に起因する第1マスクおよび第2マスクを用いた印刷の作業時間の増大を抑制することが可能な印刷装置の印刷方法を得ることができる。
【0019】
上記第2の局面による印刷装置の印刷方法において、好ましくは、第1配置位置に基づいて、第1マスクを用いたスキージによる次回の印刷におけるスキージの印刷方向を設定するステップと、第2配置位置に基づいて、第2マスクを用いたスキージによる次回の印刷におけるスキージの印刷方向を設定するステップとをさらに備える。このように構成すれば、第1マスクまたは第2マスクの上のはんだの配置位置を検知することなく、スキージの印刷方向を適切な印刷方向に設定することができる。その結果、第1マスクまたは第2マスクの上の塗布材の配置位置を検知する場合に比べて、印刷装置の作業時間を短縮することが可能な印刷装置の印刷方法を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、塗布材の配置位置の検知に起因する第1マスクおよび第2マスクを用いた印刷の作業時間の増大を抑制することが可能な印刷装置および印刷装置の印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態による印刷装置の全体構成を示した平面図である。
図2図1の100−100線に沿った模式的な断面図である。
図3】第1実施形態による印刷装置の全体構成を示した側面図である。
図4図4(A)は、第1昇降部および第2昇降部により上側マスク収納部および下側マスク収納部を上昇させた状態を示した模式図である。図4(B)は、第1昇降部および第2昇降部により上側マスク収納部および下側マスク収納部を下降させた状態を示した模式図である。
図5図5(A)は、第1マスクの平面図である。図5(B)は、第2マスクの平面図である。
図6図6(A)は、第1マスクを用いて基板上に第1パターンを印刷した状態の基板を示した平面図である。図6(B)は、第1パターンを印刷した状態の基板に第2マスクを重ねた状態を示した平面図である。図6(C)は、第2マスクを用いて基板上に第2パターンを印刷した状態の基板を示した平面図である。
図7】第1および第2実施形態による印刷装置における制御的な構成を示したブロック図である。
図8図8(A)は、第1マスクを用いて基板にはんだを印刷した状態を示した側面図である。図8(B)は、第1マスクを下側マスク収納部に収納する状態を示した側面図である。図8(C)は、第2マスクを上側マスク収納部から作業位置に移動させている状態を示した側面図である。図8(D)は、第2マスクを作業位置に配置した状態を示した側面図である。
図9図9(A)は、第2マスクを用いて基板にはんだを印刷した状態を示した側面図である。図9(B)は、第2マスクを上側マスク収納部に収納する状態を示した側面図である。図9(C)は、第1マスクを下側マスク収納部から作業位置に移動させている状態を示した側面図である。図9(D)は、第1マスクを作業位置に配置した状態を示した側面図である。
図10図10(A)は、第1マスクを用いて基板にはんだを印刷した状態を示した側面図である。図10(B)は、第1マスクを下側マスク収納部に収納する状態を示した側面図である。図10(C)は、第2マスクを上側マスク収納部から作業位置に移動させている状態を示した側面図である。図10(D)は、第2マスクを作業位置に配置した状態を示した側面図である。
図11】第1実施形態による印刷装置の印刷処理を示したフローチャートである。
図12】第2実施形態による印刷装置の一部を示した模式的な断面図である。
図13図13(A)は、第1マスクを用いて基板にはんだを印刷するとともに扉部を開いた状態を示した側面図である。図13(B)は、第1マスクを下側マスク収納部に収納する状態を示した側面図である。
図14図14(A)は、第2マスクを上側マスク収納部から作業位置に移動させた状態を示した側面図である。図14(B)は、第2マスク上のはんだの配置位置を検知した状態を示した側面図である。
図15図15(A)は、第2マスク上のはんだの奥側の配置位置を検知した状態を示した側面図である。図15(B)は、第2マスク上のはんだの前側の配置位置を検知した状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1図10を参照して、本発明の第1実施形態による印刷装置1について説明する。図1に示すように、印刷装置1は、一対のコンベア3cにより基板B(図2参照)をX1方向に搬送し、印刷位置において基板BにはんだS(図8参照)を印刷する装置である。なお、基板Bは、電子部品(図示せず)が実装されるプリント基板である。ここで、一対のコンベア3cによる基板Bの搬送方向(X1方向)およびその逆方向(X2方向)をX方向とし、水平方向においてX方向に略直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に略直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、はんだSは、特許請求の範囲の「塗布材」の一例である。
【0024】
印刷装置1は、搬入コンベア1aにより搬入された基板Bの表面に対して、マスクMに形成された複数の開口Hにより構成された所定のパターンで印刷作業を行った後、印刷済みの基板Bを搬出コンベア1bにより搬出するように構成されている。なお、図1は、マスクMによる基板Bへの印刷作業を行う作業位置Wから後述するマスク交換ユニット7に、マスクMを移動させた状態の図である。
【0025】
具体的には、印刷装置1は、図2に示すように、基台2と、印刷テーブルユニット3と、カメラユニット4と、マスククランプ部材5(図1参照)と、スキージユニット6と、マスク交換ユニット7と、制御装置8(図7参照)とを備えている。
【0026】
印刷テーブルユニット3は、基台2上に設けられ、基板Bを保持するとともに、マスクMに対して位置合わせするように構成されている。具体的には、印刷テーブルユニット3は、X軸移動機構(図示せず)と、Y軸移動機構(図示せず)と、R軸移動機構(図示せず)と、Z軸移動機構3aと、印刷テーブル3bと、一対のコンベア3cとを含んでいる。
【0027】
X軸移動機構は、X軸駆動部31(図7参照)を駆動源とし、印刷テーブル3bをX方向に移動させる。Y軸移動機構は、Y軸駆動部32(図7参照)を駆動源とし、印刷テーブル3bをY方向に移動させる。R軸移動機構は、R軸駆動部33(図7参照)を駆動源とし、印刷テーブル3bをZ方向に延びる中心軸線周りの回転方向であるR方向に移動させる。Z軸移動機構3aは、Z軸駆動部34(図7参照)を駆動源とし、印刷テーブル3bをZ方向(上下方向)に移動させる。
【0028】
印刷テーブル3bは、テーブル本体11と、テーブル本体11上に設けられる一対のブラケット部材12と、複数のバックアップピン13が配置された支持板14と、支持板14をZ方向に移動させる支持板駆動部15とを有している。一対のブラケット部材12の各上部には、一対のコンベア3cが設けられている。バックアップピン13は、支持板駆動部15により支持板14をZ1方向(上方向)に移動させることによって、後述するスキージ61によりはんだSを基板Bに印刷する際に基板BをZ2方向(下方向)から支持するように構成されている。
【0029】
図1に示すように、一対のコンベア3cは、X方向に沿って延びるように設けられている。また、一対のコンベア3cは、Y方向に所定距離を隔てて互いに平行に配置されている。また、一対のコンベア3cは、搬送する基板Bの幅に対応させてY方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、基板幅軸駆動部16(図7参照)の駆動により、一対のコンベア3cの間隔(幅)が調整される。
【0030】
カメラユニット4は、図2および図3に示すように、マスクMおよび基板Bを撮像するように構成されている。具体的には、カメラユニット4は、基板カメラ40aおよびマスクカメラ40bを有する撮像部40と、カメラX軸移動機構41およびカメラY軸移動機構42とを有している。基板カメラ40aは、バックアップピン13に支持された基板Bの印刷テーブル3bに対する相対位置を認識するように構成されている。マスクカメラ40bは、マスククランプ部材5に保持されたマスクMの位置を認識するように構成されている。
【0031】
このように、印刷装置1では、基板カメラ40aおよびマスクカメラ40bを用いてマスクMに対する基板Bの相対位置を認識させた後、印刷テーブルユニット3のX軸移動機構、Y軸移動機構およびR軸移動機構によってマスクMに対する基板Bの相対位置(水平面内の位置および傾き)が正確に位置決めされる。そして、印刷装置1では、マスクMに対する基板Bの相対位置を正確に位置決めした状態で、支持板駆動部15によって基板Bの上面がマスクMの下面に当接される。
【0032】
マスククランプ部材5は、図3に示すように、マスクMを用いて基板Bに所定のパターンによりはんだSを印刷する際、マスクMを作業位置Wに保持するように構成されている。具体的には、マスククランプ部材5は、マスクMのX1方向側の端部を保持する第1マスク保持部5aと、マスクMのX2方向側の端部を保持する第2マスク保持部5bとを有している。
【0033】
第1マスク保持部5aは、マスクMのX1方向側の端部をZ2方向(下方向)およびX1方向から支持する。第2マスク保持部5bは、マスクMのX2方向側の端部をZ2方向(下方向)から支持するとともに、マスクMのX2方向側の端部をX2方向からX1方向に向かって押圧する。
【0034】
スキージユニット6は、図2および図3に示すように、Y方向に往復移動することにより、マスクMの上面上に供給されたはんだSをマスクMの上面に沿って掻きながら移動させるように構成されている。具体的には、スキージユニット6は、スキージ61と、スキージ61を印刷方向(Y方向)に移動させるスキージY軸駆動部62と、スキージ61を上下方向(Z方向)に移動させるスキージZ軸駆動部63と、スキージ61をZ方向に延びる回動軸線周りに回動させるスキージR軸駆動部64(図7参照)と、スキージ61をX方向に延びる回動軸線回りに回動させるスキージ回動駆動部65とを含んでいる。
【0035】
スキージ61は、X方向に延びるように形成されている。スキージ61は、所定の印圧(荷重)をZ1方向(上方向)からZ2方向(下方向)に向かってかけながら、マスクMに供給されたはんだSを基板Bに印刷するように構成されている。スキージY軸駆動部62は、Y軸モータ62aと、Y方向に延びるボールねじ62bとを有している。スキージZ軸駆動部63は、Z軸モータ63aと、ベルト63bと、Z方向に延びるボールねじ63cとを有している。
【0036】
スキージユニット6は、図2に示すように、マスクMをY方向にスライド移動させるマスクスライダ66を含んでいる。マスクスライダ66は、Z方向(上下方向)に移動可能なスライド部66aと、スライド部66aを収容する収容部66bとを有している。マスクスライダ66は、たとえばエアシリンダにより構成されており、スライド部66aはエアシリンダのロッドにより構成され、収容部66bはエアシリンダのシリンダにより構成されている。
【0037】
マスクスライダ66は、スキージY軸駆動部62によりスキージ61をY方向に移動させることによって、一体的にY方向に移動するように構成されている。また、マスクスライダ66では、作業位置WのマスクMのフレームFにスライド部66aが水平方向に当接可能な高さ位置まで、スライド部66aが収容部66bから突出するようにZ2方向(下方向)に移動する。マスクスライダ66では、作業位置WのマスクMのフレームFにスライド部66aが水平方向に当接しない高さ位置まで、スライド部66aが収容部66bに収容されるようにZ1方向(上方向)に移動する。
【0038】
マスク交換ユニット7は、図4(A)および図4(B)に示すように、マスククランプ部材5に保持されるマスクM、および、交換用のマスクMを収納可能に構成されている。ここで、マスククランプ部材5に保持されたマスクMは、第1マスクM1である。また、交換用のマスクMは、第2マスクM2である。第2マスクM2は、第1マスクM1を用いた印刷が完了したタイミングで交換される。
【0039】
具体的には、マスク交換ユニット7は、上側マスク収納部7aと、下側マスク収納部7bと、第1昇降部7cと、第2昇降部7dと、第1ガイドレール(図示せず)と、第2ガイドレール(図示せず)とを含んでいる。なお、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bは、各々、特許請求の範囲の「マスク収納部」の一例である。
【0040】
上側マスク収納部7aは、第2マスクM2を収納可能に構成されている。具体的には、上側マスク収納部7aは、X1方向側に配置された第1保持部71と、X2方向側に配置された第2保持部72とを有している。上側マスク収納部7aは、第1保持部71および第2保持部72により、第2マスクM2のX方向の両端部をZ2方向(下方向)から支持する。これにより、上側マスク収納部7aは、第2マスクM2を保持する。
【0041】
下側マスク収納部7bは、第1マスクM1を収納可能に構成されている。具体的には、下側マスク収納部7bは、X1方向側に配置された第3保持部73と、X2方向側に配置された第4保持部74とを有している。下側マスク収納部7bは、第3保持部73および第4保持部74により、第1マスクM1のX方向の両端部をZ2方向(下方向)から支持する。これにより、下側マスク収納部7bは、第1マスクM1を保持する。
【0042】
第1昇降部7cおよび第2昇降部7dは、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bを一体的に昇降させるように構成されている。第1昇降部7cは、X1方向側の基台2に配置されている。第1昇降部7cは、エアシリンダにより構成されている。第2昇降部7dは、X2方向側の基台2に配置されている。第2昇降部7dは、エアシリンダにより構成されている。
【0043】
マスク交換ユニット7では、図4(A)に示すように、第1昇降部7cおよび第2昇降部7dにより上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bを一体的に上昇させることにより、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bが上昇位置Upに配置される。マスク交換ユニット7では、図4(B)に示すように、第1昇降部7cおよび第2昇降部7dにより上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bを一体的に下降させることにより、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bが下降位置Dwに配置される。このように、マスク交換ユニット7では、第1昇降部7cおよび第2昇降部7dにより、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bが上昇位置Upおよび下降位置Dwに昇降可能に構成されている。
【0044】
第1マスクM1は、図5(A)に示すように、平面視において矩形形状に形成されている。第1マスクM1は、所定のパターンとして第1パターンPt1(図6(A)参照)を基板B上に形成する複数の開口H1と、複数の開口H1以外の領域である非印刷領域Np1とを有している。また、第1マスクM1は、外周部に取り付けられたフレームF1を有している。ここで、第1マスクM1の開口H1は、基板Bに取り付けられる小型の電子部品(極小電子部品)に対応した幅および深さを有している。第2マスクM2は、図5(B)に示すように、平面視において矩形形状に形成されている。第2マスクM2は、所定のパターンとして第2パターンPt2(図6(C)参照)を基板B上に形成する複数の開口H2と、複数の開口H2以外の領域である非印刷領域Np2と、第1マスクM1を用いて印刷される第1パターンPt1に対応して非印刷領域Np2内に設けられた保護部Gとを有している。また、第2マスクM2は、外周部に取り付けられたフレームF2を有している。ここで、第2マスクM2の開口H2は、基板Bに取り付けられる大型の電子部品に対応した幅および深さを有している。
【0045】
印刷装置1では、図6(A)に示すように、第1マスクM1を用いてスキージ61により基板B上の第1領域R1にはんだSが第1パターンPt1により印刷される。印刷装置1では、図6(B)に示すように、第1領域R1を第1マスクM1により印刷した基板Bに第2マスクM2を重ねた状態にすると、第2マスクM2の保護部Gにより基板B上の第1領域R1が保護されるとともに、基板B上の第2領域R2に第2マスクM2の第2パターンPt2が配置される。印刷装置1では、図6(C)に示すように、第2マスクM2を用いて基板B上の第1領域R1における第1パターンPt1により印刷されたはんだSを保持した状態で、スキージ61により基板B上の第2領域R2が第2パターンPt2により印刷される。なお、第2領域R2は、基板B上の領域のうち第1領域R1を除いた領域である。
【0046】
このような第1パターンPt1および第2パターンPt2を基板B上に順次印刷するために、印刷装置1は、図2に示すように、第1マスクM1を用いてスキージ61により印刷される基板B上の第1領域R1とは異なる第2領域R2を印刷する際に用いられる第2マスクM2に、作業位置Wに配置された第1マスクM1を交換するマスク交換機構9を備えている。マスク交換機構9は、第1マスクM1および第2マスクM2を収納する上記した上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bと、第1マスクM1および第2マスクM2を作業位置Wとマスク交換ユニット7との間を移動させる上記したマスクスライダ66とを含んでいる。印刷装置1では、マスク交換機構9により、搬入される複数枚の基板Bの各々に対して、第1マスクM1および第2マスクM2の順に作業位置Wに配置させる作業が繰り返し行われる。
【0047】
(制御装置)
また、制御装置8は、図7に示すように、主制御部8aと、記憶部8bと、駆動制御部8cと、IO制御部8dと、カメラ制御部8eとを有している。主制御部8aは、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。記憶部8bは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などにより構成され、基板データD1、マシンデータD2、第1配置位置A1、第2配置位置A2、第1印刷方向Pd1、第2印刷方向Pd2および印刷プログラムを記憶している。主制御部8aは、記憶部8bに記憶された印刷プログラムに基づいて印刷装置1の各部を制御する機能を有している。ここで、基板データD1は、基板Bの種類の情報、基板Bのサイズの情報および基板Bの種類毎の印刷枚数の情報などを含んでいる。マシンデータD2は、スキージユニット6のY方向の移動限界位置の情報などを含んでいる。第1配置位置A1および第2配置位置A2の詳細については、後述する。第1印刷方向Pd1および第2印刷方向Pd2の詳細については、後述する。
【0048】
主制御部8aは、駆動制御部8cにより、スキージユニット6を制御するように構成されている。具体的には、駆動制御部8cにより、スキージY軸駆動部62、スキージZ軸駆動部63およびスキージR軸駆動部64の駆動が制御されて、スキージ61がY方向およびZ方向に移動されるとともに、スキージ61がZ方向に延びる回動軸線周りに回動される。
【0049】
主制御部8aは、駆動制御部8cにより、印刷テーブルユニット3を制御するように構成されている。具体的には、主制御部8aは、駆動制御部8cにより、X軸駆動部31、Y軸駆動部32、R軸駆動部33およびZ軸駆動部34の駆動を制御して、X方向、Y方向およびZ方向に基板Bを移動させるとともに、Z方向に延びる回動軸線周りに基板Bを回動させる。また、主制御部8aは、駆動制御部8cにより、支持板駆動部15の駆動を制御して、支持板14を移動させることにより、バックアップピン13をZ方向(上下方向)に移動させる。また、主制御部8aは、駆動制御部8cにより、基板幅軸駆動部16の駆動を制御して、一対のコンベア3cのY方向の間隔(幅)を調整させる。また、主制御部8aは、駆動制御部8cにより、基板搬送軸駆動部17の駆動を制御して、基板BをX方向に搬送させる。
【0050】
主制御部8aは、駆動制御部8cにより、カメラユニット4を制御するように構成されている。具体的には、主制御部8aは、駆動制御部8cにより、カメラX軸移動機構41、カメラY軸移動機構42の駆動を制御して、X方向およびY方向にカメラユニット4を移動させる。
【0051】
主制御部8aは、カメラ制御部8eにより、カメラユニット4を制御するように構成されている。具体的には、主制御部8aは、カメラ制御部8eにより、基板カメラ40aによる基板Bの撮像動作を制御する。主制御部8aは、カメラ制御部8eにより、マスクカメラ40bによるマスクMの撮像動作を制御する。
【0052】
また、主制御部8aは、IO制御部8dにより、スキージユニット6を制御するように構成されている。具体的には、主制御部8aは、IO制御部8dにより、マスクスライダ66のスライド部66aのZ方向(上下方向)の摺動動作を制御する。
【0053】
また、主制御部8aは、IO制御部8dにより、マスク交換ユニット7を制御するように構成されている。具体的には、主制御部8aは、IO制御部8dにより、第1昇降部7cのZ方向(上下方向)の摺動動作および第2昇降部7dのZ方向(上下方向)の摺動動作を制御する。
【0054】
(印刷処理)
第1実施形態の印刷装置1は、図8図10に示すように、第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1および第2マスクM2上の第2配置位置A2を、基板B上にはんだSを印刷するごとに記憶部8bに記憶させて、第1配置位置A1および第2配置位置A2を更新する印刷処理を行うように構成されている。なお、第1配置位置A1および第2配置位置A2は、制御装置8により、スキージY軸駆動部62に設けられたエンコーダ(図示せず)の測定値に基づいて取得される。なお、印刷処理は、特許請求の範囲の「印刷装置の印刷方法」の一例である。
【0055】
具体的には、制御装置8は、作業位置Wに配置された第1マスクM1上のはんだSをスキージ61により基板B上の第1領域R1(図6(A)参照)に印刷した後の第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1を記憶部8bに記憶するように構成されている。この際、制御装置8は、記憶された第1配置位置A1に基づいて、第1マスクM1を用いたスキージ61による次回の印刷におけるスキージ61の印刷方向を設定するように構成されている。また、制御装置8は、作業位置Wに配置された第2マスクM2上のはんだSをスキージ61により基板B上の第2領域R2(図6(C)参照)に印刷した後の第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を記憶するように構成されている。この際、制御装置8は、記憶された第2配置位置A2に基づいて、第2マスクM2を用いたスキージ61による次回の印刷におけるスキージ61の印刷方向を設定するように構成されている。
【0056】
以下に、第1マスクM1および第2マスクM2の順にマスクMを交換して基板B上にマスクMを重ねてはんだSの印刷を繰り返し行うとともに、第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1および第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を更新する印刷処理について一例を示して説明する。
【0057】
制御装置8は、ディスペンサ(図示せず)により供給された第1マスクM1上の最初のはんだSの第1配置位置A1(たとえば、Y2方向側(前側))を記憶するように構成されている。
【0058】
図8(A)に示すように、制御装置8は、スキージ61をY1方向に移動させて、作業位置Wに配置された第1マスクM1上の第1配置位置A1のはんだSをY1方向(第1印刷方向Pd1)に移動させることにより、基板B上にはんだSを第1パターンPt1に印刷するように構成されている。なお、第1印刷方向Pd1は、第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1に基づいて設定されるスキージ61の移動方向である。この際、制御装置8は、第1マスクM1上の第1配置位置A1を、Y2方向側(前側)からY1方向側(奥側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置8は、更新された第1配置位置A1に基づいて、次回の第1マスクM1を用いたスキージ61による印刷の印刷方向(第1印刷方向Pd1)を、Y2方向に設定するように構成されている。なお、第1印刷方向Pd1は、特許請求の範囲の「印刷方向」の一例である。
【0059】
制御装置8は、図8(B)および図8(C)に示すように、作業位置Wに配置された第1マスクM1を用いた印刷の完了に基づいて、作業位置Wに配置された第1マスクM1を上側マスク収納部7aに配置された第2マスクM2に交換するように構成されている。すなわち、制御装置8は、マスクスライダ66により第1マスクM1を下側マスク収納部7bに移動させたことに基づいて、上側マスク収納部7aを下降位置Dwに配置してマスクスライダ66により第2マスクM2を作業位置Wに移動させるように構成されている。そして、図8(D)に示すように、マスクスライダ66により第2マスクM2を作業位置Wに移動させたことに基づいて、上側マスク収納部7aを上昇位置Upに配置するように構成されている。
【0060】
制御装置8は、ディスペンサ(図示せず)により供給された第2マスクM2上の最初のはんだSの第2配置位置A2(たとえば、Y1方向側(奥側))を記憶するように構成されている。
【0061】
図9(A)に示すように、制御装置8は、スキージ61をY2方向(第2印刷方向Pd2)に移動させて、作業位置Wに配置された第2マスクM2上の第2配置位置A2のはんだSをY2方向(前側)に移動させることにより、基板B上にはんだSを第2パターンPt2に印刷するように構成されている。第2印刷方向Pd2は、第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2に基づいて設定されるスキージ61の移動方向である。この際、制御装置8は、第2マスクM2上の第2配置位置A2を、Y1方向側(奥側)からY2方向側(前側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置8は、更新された第2配置位置A2に基づいて、次回の第2マスクM2を用いたスキージ61による印刷の印刷方向(第2印刷方向Pd2)を、Y1方向に設定するように構成されている。なお、第2印刷方向Pd2は、特許請求の範囲の「印刷方向」の一例である。
【0062】
制御装置8は、図9(B)に示すように、作業位置Wに配置された第2マスクM2を用いた印刷の完了に基づいて、作業位置Wに配置された第2マスクM2を下側マスク収納部7bに配置された第1マスクM1に交換するように構成されている。すなわち、制御装置8は、作業位置Wに配置された第2マスクM2を用いた印刷の完了に基づいて、上側マスク収納部7aを下降位置Dwに配置し、マスクスライダ66により第2マスクM2を上側マスク収納部7aに移動させるように構成されている。
【0063】
この際、一対のコンベア3cに載置された基板Bは、搬出コンベア1bに搬出され、新たな基板Bが搬入コンベア1aにより搬入されて一対のコンベア3cに載置される。
【0064】
制御装置8は、図9(C)および図9(D)に示すように、第2マスクM2を上側マスク収納部7aに収納したことに基づいて、下側マスク収納部7bを上昇位置Upに配置してマスクスライダ66により第1マスクM1を作業位置Wに移動させるように構成されている。
【0065】
制御装置8は、図10(A)に示すように、スキージ61をY2方向(第1印刷方向Pd1)に移動させて、作業位置Wに配置された第1マスクM1上の第1配置位置A1のはんだSをY2方向(前側)に移動させることにより、基板B上にはんだSを第1パターンPt1に印刷するように構成されている。この際、制御装置8は、第1マスクM1上の第1配置位置A1を、Y1方向側(奥側)からY2方向側(前側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置8は、更新された第1配置位置A1に基づいて、次回の第1マスクM1を用いたスキージ61による印刷の印刷方向(第1印刷方向Pd1)を、Y1方向に設定するように構成されている。
【0066】
制御装置8は、図10(B)および図10(C)に示すように、作業位置Wに配置された第1マスクM1を用いた印刷の完了に基づいて、作業位置Wに配置された第1マスクM1を上側マスク収納部7aに配置された第2マスクM2に交換するように構成されている。すなわち、制御装置8は、マスクスライダ66により第1マスクM1を下側マスク収納部7bに移動させたことに基づいて、上側マスク収納部7aを下降位置Dwに配置してマスクスライダ66により第2マスクM2を作業位置Wに移動させるように構成されている。そして、図10(D)に示すように、マスクスライダ66により第2マスクM2を作業位置Wに移動させたことに基づいて、上側マスク収納部7aを上昇位置Upに配置するように構成されている。
【0067】
制御装置8は、基板Bの種類を変更する所定のタイミングまで、上記した作業を繰り返し行わせ、第1パターンPt1および第2パターンPt2のはんだSを印刷した基板Bを製造するように構成されている。
【0068】
このように、制御装置8は、マスク交換機構9により、作業位置Wに配置された第1マスクM1の第2マスクM2への交換と、作業位置Wに配置された第2マスクM2の第1マスクM1への交換とを繰り返し行う場合、第1配置位置A1および第2配置位置A2を、それぞれ、マスク交換機構9による交換を行う度に更新して記憶するように構成されている。具体的には、制御装置8は、スキージ61により基板B上の第1領域R1にはんだSを作業位置Wの第1マスクM1を用いて第1パターンPt1として印刷したことに基づいて、第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1を記憶するように構成されている。また、制御装置8は、マスク交換機構9により作業位置Wの第1マスクM1を第2マスクM2に交換した後、スキージ61により基板B上の第2領域R2にはんだSを作業位置Wの第2マスクM2を用いて第2パターンPt2として印刷したことに基づいて、第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を記憶するように構成されている。
【0069】
(印刷処理のフローチャート)
以下に、印刷処理について図11を参照して説明する。印刷処理は、第1マスクM1および第2マスクM2を用いて基板B上にはんだSを順次印刷する際に、第1マスクM1のはんだSの第1配置位置A1および第2マスクM2のはんだSの第2配置位置A2を記憶部8bに記憶させておく処理である。なお、順次印刷とは、第1マスクM1を用いた印刷を行った後に第2マスクM2を用いた印刷を同じ基板B上に行う印刷である。
【0070】
図11に示すように、ステップS1において、印刷装置1では、作業位置Wの第1マスクM1上のはんだSがスキージ61を第1印刷方向Pd1に移動させることにより印刷される。つまり、印刷装置1では、作業位置Wに配置された第1マスクM1を用いて基板B上の第1領域R1にはんだSが印刷される。ステップS2において、制御装置8では、第1印刷方向Pd1に移動した第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1が取得される。つまり、制御装置8では、第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1が記憶部8bに記憶される。
【0071】
ステップS3において、制御装置8では、第1配置位置A1に対応する第1印刷方向Pd1が設定される。つまり、制御装置8では、記憶された第1配置位置A1に基づいて次回の第1マスクM1を用いて基板B上の第1領域R1に印刷する第1印刷方向Pd1が設定される。ステップS4において、印刷装置1では、第1マスクM1がマスク交換ユニット7(下側マスク収納部7b)に収納される。ステップS5において、印刷装置1では、マスク交換ユニット7(上側マスク収納部7a)内の第2マスクM2が作業位置Wに移動される。このようにして、印刷装置1では、作業位置Wに配置された第1マスクM1が第2マスクM2に交換される。
【0072】
ステップS6において、印刷装置1では、作業位置Wの第2マスクM2上のはんだSがスキージ61を第2印刷方向Pd2に移動させることにより印刷される。つまり、印刷装置1では、作業位置Wに配置された第2マスクM2を用いて基板B上の第1領域R1とは異なる第2領域R2にはんだSが印刷される。ステップS7において、制御装置8では、第2印刷方向Pd2に移動した第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が取得される。つまり、制御装置8では、第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が記憶部8bに記憶される。
【0073】
ステップS8において、制御装置8では、第2配置位置A2に対応する第2印刷方向Pd2が設定される。つまり、制御装置8では、記憶された第2配置位置A2に基づいて次回の第2マスクM2を用いて基板B上の第2領域R2に印刷する第2印刷方向Pd2が設定される。ステップS9において、印刷装置1では、第2マスクM2がマスク交換ユニット7(上側マスク収納部7a)に収納される。ステップS10において、印刷装置1では、マスク交換ユニット7(下側マスク収納部7b)内の第1マスクM1が作業位置Wに移動される。このようにして、印刷装置1では、作業位置Wに配置された第2マスクM2が第1マスクM1に交換される。
【0074】
ステップS11において、制御装置8では、第1パターンPt1および第2パターンPt2のはんだSの基板B上への印刷が全ての基板Bに対して印刷終了したか否かが判断される。制御装置8では、印刷終了の場合は印刷処理が終了され、印刷終了ではない場合はステップS1に戻る。
【0075】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
第1実施形態では、上記のように、制御装置8は、作業位置Wに配置された第1マスクM1上のはんだSをスキージ61により基板B上の第1領域R1に印刷した後の第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1を記憶部8bに記憶するように構成されている。また、制御装置8は、作業位置Wに配置された第2マスクM2上のはんだSをスキージ61により基板B上の第2領域R2に印刷した後の第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を記憶部8bに記憶するように構成されている。これにより、次回の第1マスクM1または第2マスクM2を用いたスキージ61によるはんだSの基板Bへの印刷の際に、第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知部により検知する必要がないので、はんだSの配置位置の検知に起因する第1マスクM1および第2マスクM2を用いた印刷の作業時間の増大を抑制することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置8は、第1配置位置A1に基づいて、第1マスクM1を用いたスキージ61による次回の印刷におけるスキージ61の印刷方向を設定するように構成されている。また、制御装置8は、第2配置位置A2に基づいて、第2マスクM2を用いたスキージ61による次回の印刷におけるスキージ61の印刷方向を設定するように構成されている。これにより、第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知することなく、スキージ61の印刷方向を適切な印刷方向に設定することができるので、印刷装置1の作業時間を短縮することができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置8は、マスク交換機構9により、作業位置Wに配置された第1マスクM1の第2マスクM2への交換と、作業位置Wに配置された第2マスクM2の第1マスクM1への交換とを繰り返し行う場合、第1配置位置A1および第2配置位置A2を、それぞれ、マスク交換機構9による交換が行われる度に更新して記憶部8bに記憶するように構成されている。これにより、はんだSの最新の第1配置位置A1およびはんだSの最新の第2配置位置A2を記憶することができるので、第1マスクM1または第2マスクM2を用いて基板にはんだSを確実に印刷することができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置8は、スキージ61により基板B上の第1領域R1にはんだSを作業位置Wの第1マスクM1を用いて第1パターンPt1として印刷したことに基づいて第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1を記憶するように構成されている。制御装置8は、マスク交換機構9により作業位置Wの第1マスクM1を第2マスクM2に交換した後、スキージ61により基板B上の第2領域R2にはんだSを作業位置Wの第2マスクM2を用いて第2パターンPt2として印刷したことに基づいて第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を記憶するように構成されている。これにより、デュアルレーンの印刷装置1または2台の印刷装置1を用いることなく、基板B上の第1領域R1および第2領域R2のそれぞれに第1パターンPt1および第2パターンPt2のはんだSの印刷を行うことができるので、稼働率の増大を抑制することができ、かつ、印刷装置1のサイズの大型化を抑制することができる。
【0080】
[第2実施形態]
次に、図12図14を参照して、本発明の第2実施形態による印刷装置201の構成について説明する。第2実施形態では、マスク交換ユニット7内の第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が移動させられている場合が考慮されていない上記第1実施形態とは異なり、マスク交換ユニット7内の第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が移動させられている場合が考慮された例について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0081】
印刷装置201は、図12に示すように、マスク交換ユニット7およびスキージユニット6などを覆うカバー部材209と、第1マスクM1または第2マスクM2上のはんだSの位置を検知する塗布材検知部210とを備えている。カバー部材209は、印刷装置201内の機器への塵または埃の付着を抑制、および、印刷装置201内の機器へのアクセスを制限するように構成されている。具体的には、カバー部材209は、マスク交換ユニット7にアクセス可能な開口209aと、開口209aを開閉する扉部209bとを含んでいる。塗布材検知部210は、第1マスクM1または第2マスクM2上に光を照射し、反射した光によりはんだSの有無を検知するように構成されている。
【0082】
(印刷処理)
第2実施形態の印刷装置201は、図12および図13に示すように、扉部209bの開状態を検知したことに基づいて、第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検査するように構成されている。なお、扉部209bの開状態は、タッチセンサ(図示せず)などにより検知される。
【0083】
具体的には、制御装置208(図7参照)は、タッチセンサからの検知信号に基づいて扉部209bの開状態を検知した場合、扉部209bの開状態を検知した際にマスク交換ユニット7に収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を、塗布材検知部210により検知し直すように構成されている。この際、制御装置208は、塗布材検知部210により、扉部209bの開状態を検知した際にマスク交換ユニット7に収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知する場合、記憶されていた前回の第1配置位置A1または第2配置位置A2を最初に検知するように構成されている。
【0084】
以下に、扉部209bを開状態にした場合の印刷処理について一例を示して説明する。
【0085】
制御装置208は、ディスペンサ(図示せず)により供給された第1マスクM1上の最初のはんだSの第1配置位置A1(たとえば、Y2方向側(前側))を記憶部8bに記憶するように構成されている。制御装置208は、ディスペンサ(図示せず)により供給された第2マスクM2上の最初のはんだSの第2配置位置A2(たとえば、Y1方向側(奥側))を記憶部8bに記憶するように構成されている。
【0086】
図13(A)に示すように、制御装置208は、スキージ61をY1方向に移動させて、作業位置Wに配置された第1マスクM1上の第1配置位置A1のはんだSをY1方向に移動させることにより、基板B上にはんだSを第1パターンPt1に印刷するように構成されている。この際、制御装置208は、第1マスクM1上の第1配置位置A1を、Y2方向側(前側)からY1方向側(奥側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置208は、更新された第1配置位置A1に基づいて、次回の第1マスクM1を用いたスキージ61による印刷の印刷方向(第1印刷方向Pd1)を、Y2方向に設定するように構成されている。
【0087】
印刷装置201では、上記した処理を行っている間に、オペレータにより扉部209bが開けられ、扉部209bが開状態になったことが検知される場合がある。この際、図13(B)に示すように、制御装置208は、第2配置位置A2を記憶部8bに別に保持した状態で、上側マスク収納部7aに収納されていた第2マスクM2上の第2配置位置A2を、Y1方向側(奥側)から不明に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置208は、更新された第2配置位置A2に基づいて、次回の第2マスクM2を用いたスキージ61による印刷の印刷方向(第2印刷方向Pd2)を、不明に設定するように構成されている。
【0088】
制御装置208は、図13(B)および図14(A)に示すように、作業位置Wに配置された第1マスクM1を用いた印刷の完了に基づいて、作業位置Wに配置された第1マスクM1を上側マスク収納部7aに配置された第2マスクM2に交換するように構成されている。すなわち、制御装置208は、マスクスライダ66により第1マスクM1を下側マスク収納部7bに移動させたことに基づいて、上側マスク収納部7aを下降位置Dwに配置してマスクスライダ66により第2マスクM2を作業位置Wに移動させるように構成されている。
【0089】
図14(B)に示すように、制御装置208は、作業位置Wに配置された第2マスクM2を用いたスキージ61による印刷を行う前に、第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を、塗布材検知部210のはんだ位置計測によって検知するように構成されている。この際、制御装置208は、保持していた前回の第2配置位置A2(奥側)を最初のはんだ位置計測として検知するように構成されている。そして、制御装置208は、第2マスクM2上のはんだSを検知したことに基づいて、第2マスクM2上の第2配置位置A2を、不明からY1方向側(奥側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置208は、更新された第2配置位置A2に基づいて、今回の第2マスクM2を用いたスキージ61による印刷の印刷方向を、Y2方向に設定するように構成されている。
【0090】
このように、制御装置208は、扉部209bの開状態を検知した場合、扉部209bの開状態を検知した際にマスク交換ユニット7に収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2が作業位置Wに配置されたことに基づいて、作業位置Wに配置された第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を塗布材検知部210により検知するように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0091】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0092】
第2実施形態では、上記のように、制御装置208は、扉部209bの開状態を検知した場合、扉部209bの開状態を検知した際に上側マスク収納部7aまたは下側マスク収納部7bに収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を、塗布材検知部210により検知し直すように構成されている。これにより、オペレータにより第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が変更されたとしても、正しい第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2を取得することができる。
【0093】
また、第2実施形態では、上記のように、制御装置208は、扉部209bの開状態を検知した場合、扉部209bの開状態を検知した際に上側マスク収納部7aまたは下側マスク収納部7bに収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2が作業位置Wに配置されたことに基づいて、作業位置Wに配置された第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を塗布材検知部210により検知するように構成されている。これにより、塗布材検知部210による第1マスクM1および第2マスクM2の上のはんだSの配置位置の検知を同じ作業位置Wで行うことができるので、第1マスクM1および第2マスクM2の上のはんだSの検知を容易に行うことができる。
【0094】
また、第2実施形態では、上記のように、制御装置208は、塗布材検知部210により、扉部209bの開状態を検知した際に上側マスク収納部7aまたは下側マスク収納部7bに収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知する場合、記憶されていた第1配置位置A1または第2配置位置A2を最初に検知するように構成されている。これにより、オペレータにより第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が変更されなかった場合、第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの第2配置位置A2を迅速に検知することができるので、塗布材検知部210による作業時間を増大するのを極力抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0095】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0096】
たとえば、上記第2実施形態では、制御装置208は、塗布材検知部210により、扉部209bの開状態を検知した際にマスク交換ユニット7に収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知する場合、記憶されていた前回の第1配置位置A1または第2配置位置A2を最初に検知するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置は、塗布材検知部により、第1マスク上の前回の第1配置位置または第2マスク上の前回の第2配置位置を検知した際にはんだがなかったことに基づいて、第1マスク上における第1配置位置とは反対側の位置または第2マスク上における第2配置位置とは反対側の位置を検知するように構成されていてもよい。すなわち、図15(A)および図15(B)に示すように、制御装置308(図7参照)は、記憶されていた前回の第2配置位置A2(奥側)を最初のはんだ位置計測として検知し、記憶されていた前回の第2配置位置A2(奥側)にはんだSがなかったことに基づいて、第1配置位置A1(前側)をはんだ位置計測として検知するように構成されている。そして、制御装置308は、第2マスクM2上のはんだSを検知したことに基づいて、第2マスクM2上の第2配置位置A2を、不明からY2方向側(前側)に更新させて記憶部8bに記憶するように構成されている。そして、制御装置308は、更新された第2配置位置A2に基づいて、今回の第2マスクM2を用いたスキージ61による印刷の印刷方向を、Y1方向に設定するように構成されている。これにより、オペレータにより第1マスクM1上のはんだSの第1配置位置A1または第2マスクM2上のはんだSの第2配置位置A2が変更された場合、第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSが配置されている可能性が最も高い位置を塗布材検知部210により検知させることができる。この結果、第1マスクM1上の第1配置位置A1または第2マスクM2上の第2配置位置A2を最初に検知した際にはんだSがなかった場合にも、塗布材検知部210による検知の作業時間をより増大しにくくすることができる。
【0097】
また、第2実施形態では、制御装置208は、塗布材検知部210により、扉部209bの開状態を検知した際にマスク交換ユニット7に収納されていた第1マスクM1または第2マスクM2の上のはんだSの配置位置を検知する場合、記憶されていた前回の第1配置位置A1または第2配置位置A2を最初に検知するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置は、塗布材検知部により、扉部の開状態を検知した際にマスク交換ユニットに収納されていた第1マスクまたは第2マスクの上のはんだの配置位置を検知する場合、第1マスクまたは第2マスクの上の任意の位置から検知するように構成されていてもよい。
【0098】
また、上記第1および第2実施形態では、マスク交換ユニット7は、上側マスク収納部7aと、下側マスク収納部7bとを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスク交換ユニットは、3個以上の収納部を含んでいてもよい。
【0099】
また、上記第1および第2実施形態では、エアシリンダにより構成された第1昇降部7cおよび第2昇降部7dが、上側マスク収納部7aおよび下側マスク収納部7bを昇降させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーボモータにより構成された第1昇降部および第2昇降部が、上側マスク収納部および下側マスク収納部を昇降させてもよい。
【0100】
上記第1および第2実施形態では、マスクスライダ66が、スキージユニット6にスキージ61と一体的に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスクスライダは、スキージユニットと別体に設けられてもよい。
【0101】
また、上記第1および第2実施形態では、マスクスライダ66が、エアシリンダである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、マスクスライダは、エアシリンダ以外の、フック、磁力または空気圧によるチャック機構などであってもよい。
【0102】
また、上記第1実施形態では、説明の便宜上、制御装置8の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1、201、301 印刷装置
7a 上側マスク収納部(マスク収納部)
7b 下側マスク収納部(マスク収納部)
9 マスク交換機構
61 スキージ
209 カバー部材
209a 開口
209b 扉部
210 塗布材検知部
A1 第1配置位置
A2 第2配置位置
B 基板
M1 第1マスク
M2 第2マスク
Pd1 第1印刷方向(印刷方向)
Pd2 第2印刷方向(印刷方向)
Pt1 第1パターン
Pt2 第2パターン
R1 第1領域
R2 第2領域
S はんだ(塗布材)
W 作業位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15