特許第6976914号(P6976914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976914
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】光学検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20211125BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   G01N21/84 E
   G01N21/88 Z
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-173038(P2018-173038)
(22)【出願日】2018年9月14日
(65)【公開番号】特開2020-46232(P2020-46232A)
(43)【公開日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】大野 博司
(72)【発明者】
【氏名】神川 卓大
(72)【発明者】
【氏名】羽藤 武宏
(72)【発明者】
【氏名】加納 宏弥
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−093196(JP,A)
【文献】 特開2007−263787(JP,A)
【文献】 特開2006−324013(JP,A)
【文献】 特開2014−160683(JP,A)
【文献】 特開2003−107390(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0130932(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 − G01N 21/958
G03B 15/02
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象と対向する撮像光学系と、
前記撮像光学系の周囲に設けられた1以上の光源と、
前記撮像光学系の光軸に沿って筒状に延びるとともに、その端面が前記1以上の光源と対向した導光体と、
前記導光体の内面に設けられ、前記端面から前記導光体内に入射された光を内部全反射させる全反射面と、
前記導光体の外面に設けられ、前記光源から前記導光体内に入射された光を前記検査対象に向けて反射するミラー面と、
前記導光体の内面に設けられ、前記ミラー面で反射された光を前記検査対象に向けて透過させる透過面と、
を備える光学検査装置。
【請求項2】
前記全反射面は、前記透過面よりも前記光源に近い領域が存在する請求項1に記載の光学検査装置。
【請求項3】
前記撮像光学系の入射瞳面から前記検査対象までの距離をlとし、
前記導光体から射出される主光線の配光角をθとし、
前記光軸から前記内面の最近接距離をRとし、
前記光軸に沿う方向に関する前記入射瞳面からの前記導光体の延長距離をLとしたとき、
【数1】
の関係を満たす請求項1又は請求項2に記載の光学検査装置。
【請求項4】
前記導光体の前記内面は、前記撮像光学系の視野範囲よりも外側に位置する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項5】
前記導光体の前記内面と前記外面との間の厚み寸法は、前記撮像光学系から遠ざかるにつれて小さくなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項6】
前記1以上の光源は、前記光軸を中心とする1つの円周上に配置される請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項7】
前記導光体は、円筒形である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項8】
前記導光体の前記内面の直径は、前記光源から遠ざかるにつれて大きくなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項9】
前記導光体の前記内面に沿うように、前記端面から前記1以上の光源に向けて突出するとともに、前記導光体と連続して設けられた筒状の導光凸部を備え、
前記導光凸部の厚み寸法は、前記内面と前記外面との間の厚み寸法よりも小さい請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項10】
前記導光体の前記ミラー面は、前記光軸から遠ざかる方向に凸になった円弧面である請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項11】
前記導光体の前記内面は、前記光軸に近づく方向に凸になった円弧面である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項12】
前記導光体は、方形の筒状である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項13】
前記ミラー面は、前記導光体の前記検査対象側の端部の外側に設けられた面取り部に設けられる請求項1〜6、請求項12のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項14】
前記1以上の光源は、方形の筒状の前記導光体の角部に対応する位置に設けられる請求項12に記載の光学検査装置。
【請求項15】
前記1以上の光源と熱的に接続されたヒートシンクを備える請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項16】
前記1以上の光源を実装した基板であって、前記撮像光学系を通すための貫通孔部を有する基板を備える請求項1〜15のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項17】
前記1以上の光源は、互いに間隔を空けた複数であり、
前記複数の光源に含まれる光源同士は、互いに色が異なる請求項1〜16のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項18】
前記1以上の光源は、互いに間隔を空けた複数であり、
前記複数の光源に含まれる光源は、互いに独立に点灯可能である請求項1〜17のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検査対象を光学的に検査可能な光学検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の凹凸の非接触検査の一つに、斜入射の照明を用いて凹凸部で光を散乱させ、その散乱光を撮像するという方法がある。物体の方位方向によらず、検査を行うためには、斜入射のリング照明を用いることが従来から行われる。ここで、被検物に対する照明の入射角にばらつきがないほど精度のよい検査が行える。つまり、照明の配光角の角度幅が狭いほど精度のよい検査ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−209726号公報
【特許文献2】特開2002−328094号公報
【特許文献3】特開2010−251168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のリング照明は、入射角の幅が大きいという課題があった。さらに、測定領域の寸法の2乗に比例して光源(LED)の数が増えてしまい、検査装置が高額になる課題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高精度な検査を可能にしつつ、光源の数を低減した光学検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の光学検査装置は、検査対象と対向する撮像光学系と、前記撮像光学系の周囲に設けられた1以上の光源と、前記撮像光学系の光軸に沿って筒状に延びるとともに、その端面が前記1以上の光源と対向した導光体と、前記導光体の内面に設けられ、前記端面から前記導光体内に入射された光を内部全反射させる全反射面と、前記導光体の外面に設けられ、前記光源から前記導光体内に入射された光を前記検査対象に向けて反射するミラー面と、前記導光体の内面に設けられ、前記ミラー面で反射された光を前記検査対象に向けて透過させる透過面と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の光学検査装置を示した斜視図である。
図2図2は、図1に示す光学検査装置を光軸を含む面で切断して示した断面図である。
図3図3は、図2に示す光学検査装置の位置、寸法、角度の関係を示す模式図である。
図4図4は、図2に示す光学検査装置において、光源から射出された光線の光線追跡シミュレーションの結果の一部を抜粋して示した模式図である。
図5図5は、図1に示す光学検査装置において、光源から射出された光線の光線追跡シミュレーションの結果を用いて計算した配光分布を示した図である。
図6図6は、第2実施形態の光学検査装置の導光体および1以上の光源を示した斜視図である。
図7図7は、第2実施形態の光学検査装置を光軸を含む面で切断して示した断面図である。
図8図8(a)は、第2実施形態の光学検査装置の光線追跡シミュレーションを用いて解析した照度分布を示す図であり、図8(b)は、図8(a)の照度分布のうち、図6のF8(b)−F8(b)線の位置での照度分布を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、実施形態にかかる光学検査装置について図面を参照しつつ説明する。光学検査装置は、検査対象の表面の形状などを詳細に検査することができる。以下の実施形態の光学検査装置で対象とする検査の例としては、例えば、硬貨や紙幣の真贋の検査や、工場の製造ラインにおける製品の不具合(例えば、ひび割れ等)の有無等の検査が挙げられるが、光学検査装置は、それ以外の検査にも用いることができる。
【0009】
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜に省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1に本実施形態の光学検査装置11の斜視図を示し、図2図1の光学検査装置11の光軸14を含む面で光学検査装置11を切断した断面図を示す。図1図2に示すように、光学検査装置11は、検査対象23と対向する撮像光学系12と、撮像光学系12の周囲に設けられた1以上の光源13と、撮像光学系12の光軸14に沿って設けられた筒状の導光体15と、1以上の光源13が実装された基板16と、基板16に取り付けられたヒートシンク17と、を備える。
【0011】
本実施形態において、1以上の光源13は、複数(例えば、4個)で構成されるが、光源13の数としては複数(例えば、4個)に限定されるものではない。光源13の数は、1つでもよいし、5つ以上又は3以下の複数であっても当然によい。光源13のそれぞれは、例えばLED(light emitting diode)で構成される。
【0012】
複数の光源13は、互いに間隔を空けて設けられている。複数の光源13は、例えば、光軸14を中心とする1つの円の円周上に配置されている。複数の光源13は、略均等な間隔を空けて配置されており、光軸14を基準に回転対象の位置に配置されている。より具体的には、複数の光源13は、4回回転対象の位置に配置される。すなわち、複数の光源13は、光軸14回りに、0°の方位角の位置、90°の方位角の位置、180°の方位角の位置、270°の方位角の位置の4か所に配置される。ここで、回転対称とは、対象物を回転対称軸に対して回転させたとき、回転角が360°未満でもとの対象物に一致することを意味する。複数の光源13は、例えば、白色のLEDで構成される。光源13が射出する光は、可視光に限らず、赤外光や紫外光であってもよい。
【0013】
撮像光学系12は、一般的なデジタルカメラで構成される。図3に示すように、撮像光学系12は、瞳面を構成するレンズ21と、撮像素子22(CCDやCMOS)と、を有する。撮像光学系12は、検査対象23の静止画を取得することができるが、検査対象23の動画を取得できるようにしてもよい。光軸14(主光軸)は、レンズ21と撮像素子22によって規定される。撮像光学系12は、その外側のレンズケース12Aがヒートシンク17と接するように設けられてもよい。これによって、撮像光学系12の熱をヒートシンク17側に逃がすことができる。
【0014】
図2に示すように、ヒートシンク17は、熱伝導性の良好な金属である銅やアルミニウム合金等で形成されている。ヒートシンク17は、複数の放熱用のフィン17Aを有する。ヒートシンク17は、例えば、基板16上の導電性金属(例えば、銅)の構造(パッド、スルーホール)等を介して、複数の光源13と熱的に接続されていてもよいし、或いは直接的に複数の光源13と接触するようにこれらと熱的に接続されていてもよい。ヒートシンク17は、例えば、開口部17Bを有していてもよく、開口部17Bの内側に撮像光学系12が通されていてもよい。
【0015】
基板16は、一般的なプリント回路板で構成される。基板16には、制御回路24と、画像処理用回路25(画像処理チップ)と、複数の光源13と、画像記録用の記憶装置26と、が実装されている。図2に示すように、基板16および撮像光学系12は、電源27から電力供給を受ける。制御回路24は、複数の光源13と電気的に接続されており、複数の光源13に含まれる光源13の1つ1つを個別に点灯・消灯することができる。制御回路24は、CPU、ROM、RAM等で実現されてもよいし、CPUの代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。あるいは、制御回路24をワンチップマイコン等で実現してもよい。
【0016】
図2に示すように、基板16は、貫通孔部16Aを有する。撮像光学系12は、貫通孔部16Aに通されて基板16に固定されている。したがって、本実施形態では、1以上の光源13、撮像光学系12、およびヒートシンク17が基板16に固定されて一体化されている。したがって、光学検査装置11を分解してメンテナンスする場合等に、基板16、1以上の光源13、撮像光学系12、およびヒートシンク17の取り扱いが容易である。
【0017】
撮像光学系12は、制御回路24および画像処理用回路25と電気的に接続されている。制御回路24は、撮像光学系12で取得した像を、画像処理用回路25で画像処理させ、図示しないディスプレイ等の表示部に表示させることができる。また、制御回路24は、画像処理用回路25で画像処理された画像を、必要に応じて記憶装置26で記憶させることもできる。或いは、制御回路24は、通信ケーブルや無線LAN等を通じて他のパソコン等に画像情報を送信してもよい。記憶装置26は、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリ系の記憶装置で構成されるが、HDD(Hard Disk Drive)等の他の記憶装置であっても当然によい。
【0018】
導光体15は、透光性の材料によって、中空の円筒形に構成されている。導光体15の中心軸は、撮像光学系12の光軸14と一致している。導光体15の内面31の直径(内径)は、撮像光学系12から遠ざかるにつれて大きくなっている。導光体15は、内部に、十分に大きな中空領域15Aを有している。したがって、導光体15の内面31が撮像光学系12の視野範囲18に入らないようになっている。このため、本実施形態では、撮像光学系12の視野角が広く確保される。
【0019】
導光体15は、光に対して透明な材料であればよく、たとえばアクリル等の透光性の樹脂材料を好適に用いることができるが、導光体15の材料はこれに限られるものではない。導光体15の材料としては、ポリカーボネート、ガラスなどであってもよい。導光体15は、射出成形や機械加工(旋盤やNC旋盤等による切削加工)によって形成できる。
【0020】
図2図4に示すように、導光体15は、内面31(内周面)と、外面32(外周面)と、撮像光学系12側の第1端面33(入射面、端面)と、検査対象23側の第2端面34と、内面31に設けられた全反射面35と、内面31に設けられた透過面36と、を有する。内面31は主光軸14に近い側の面であり、外面32は主光軸14から遠い側の面である。図2に示すように、導光体15の内面31と外面32との間の厚み寸法Wは、撮像光学系12(1以上の光源13)から遠ざかるにつれて小さくなっている。第1端面33は、1以上の光源13と対向している。
【0021】
図2に示すように、外面32は、光源13から導光体15内に入射された光を検査対象23に向けて反射するミラー面37で構成される。導光体15のミラー面37は、光軸14から遠ざかる方向に凸になった円弧面である。ミラー面37には、外面32にアルミニウム等を蒸着させることによって、ミラー面形成の処理がされている。ただし、ミラー面37の形成方法としては、この限りではなく、例えば、ミラー面37を備えた別部材を外面32に密着させ、外面32で反射を起こさせる構造としてもよい。
【0022】
内面31は、光軸14に近づく方向に凸になった円弧面で構成される。内面31は、撮像光学系12側に位置した全反射面35と、検査対象23側に位置した透過面36と、を有する。全反射面35は、透過面36よりも光源13に近い位置に設けられる。外面32と異なり、内面31は、透明である。内面31には、表面処理、例えばバフ研磨等がなされて平滑化されている。ただし、内面31に対する表面処理としてはこの限りではない。内面のうち、透過面36をサンドブラスト処理等で荒らして、透過面36を透過する光を拡散できる拡散面としてもよい。
【0023】
全反射面35は、第1端面33から導光体15内に入射された光を内部全反射させることができる。透過面36は、ミラー面37で反射された光を検査対象23に向けて透過させる。その際、透過面36は、透過面36を透過する光を屈折させる。
【0024】
図2図4に示すように、第1端面33は、平坦面44と、平坦面44から段状に突出した導光凸部45と、を有する。導光凸部45は、環状をなしており(図1参照)、各光源13の発光面と対向している。導光凸部45は、頂面45Aと、側面45Bと、を有する。導光凸部45は、導光体15の内面31に沿って1以上の光源13に向けて突出している。導光凸部45の厚み寸法は、内面31と外面32との間の厚み寸法Wよりも小さくなっている。第2端面34は、第1端面33と対向している。
【0025】
導光体15は、基板16に対して嵌め合いやねじ止め等で固定されている。光学検査装置11は、撮像光学系12、1以上の光源13、導光体15、基板16、およびヒートシンク17を取り囲むケースを有していてもよく、ケースを介して導光体15と基板16とが互いに位置決めされていてもよい。
【0026】
導光体15からの光が照射される照射野(検査面42)は、導光体15の先端である第2端面34から、例えば、5mmの位置に設置されるが、これに限定されるものではない。本実施形態の光学検査装置11は、例えば、検査対象23を硬貨とする検査に好適に用いることができる。光学検査装置11は、硬貨の凹凸形状等を好適に検査して、硬貨の真贋の判断に用いることができる。
【0027】
図3に示すように、撮像光学系12の入射瞳面41から結像面42までの距離をlとする。通常、結像面42と照射面を一致させることにより、鮮明な画像を取得できる。また、照射光の主光線43の配光角をθとする。また,その主光線43が導光体15より射出された点の結像面42(照射面と一致する場合は照射面)からの距離をhとし、主光軸14からの距離をrとする。導光体15は、入射瞳面41から主光軸14に沿って結像面42に向かって延長される構成となっており、その延長距離Lは少なくとも距離lより短い。つまり、
【数1】
である。これにより、照射面と結像面42を一致させることができ、鮮明な画像を取得できる。
【0028】
また、さらに、幾何学より、
【数2】
という関係がある。ここで、rとして導光体15の内面の主光軸14からの距離が最も小さいものをRとする。このとき、
【数3】
となり、導光体15の延長距離Lは、少なくとも
【数4】
でなければならない。
【0029】
以上から、下記の関係を導くことができる。
【数5】
【0030】
次に、図2図4図5等を参照して、本実施形態の光学検査装置11の作用について説明する。
【0031】
光源13(LED)から射出された光は、第1端面33の導光凸部45(頂面45A)から導光体15内に入射される。導光凸部45に入射された光のうち、内側(検査対象23)に向かう光は、内面31の全反射面35において外側のミラー面37側に反射される(図2図4参照)。ミラー面37に到達した光は、内側の透過面36に向けて反射される。透過面36において微小な角度だけ屈折されて、検査対象23に照射される。
【0032】
導光凸部45に入射された光のうち、外側に向かう光は、導光凸部45の側面45Bで内部全反射されて内側の全反射面35に案内される。全反射面35に案内された光は、上記と同様に内部全反射されてミラー面37側に案内される。ミラー面37に到達した光は、内側の透過面36に向けて反射される。透過面36において微小な角度だけ屈折されて、検査対象に照射される。
【0033】
図4に示すように、光源13から導光凸部45(頂面45A)内に入射されることなく、平坦面44に直接に入射された光は、同じく全反射面35において内部全反射されて、外側のミラー面37側に案内される。ミラー面37に到達した光は、内側の透過面36に向けて反射される。透過面36において微小な角度だけ屈折されて、検査対象23に照射される。撮像光学系12は、このように検査対象23に照射され、検査対象23で反射された光(散乱光)を検出することで、検出対象23の画像を取得できる。
【0034】
本実施形態では、図1に示すように、導光体15は回転対称形(円筒形)であり、外側にミラー面37を設け、内側に全反射面35および透過面36を設ける。このような構成にすることで、エタンデュの保存則を利用し、光線折り畳みにより、領域を広げ発散角を小さくすることができる。
【0035】
エタンデュの保存則とは、ある面での断面積をAとし、その面における各点の平均的な発散角をΘとする。ある面とは異なる面での断面積をAとし、その面における各点の平均的な発散角をΘとする。nは、導光部を構成する材料の屈折率である。このとき量Eは、
【数6】
のように、光線束が伝搬されても保存される。これがエタンデュの保存則である。
【0036】
本実施形態では、少ない光源13を用いて、この光源13から出て第1端面33(入射面)からの光を検査対象の方向に案内しつつ、当該光を導光体15の周方向および厚み方向に広げることで、検査対象23の近くにある透過面36を出る光の発散角を小さくできる。
【0037】
つまり、本実施形態の光学検査装置11によれば、導光体15を用いることで、少ない光源13を用いて、照射領域を広げることで狭配光を実現できる。このように狭配光を実現できれば、検査対象23への入射角にばらつきがなくなり、検査対象23に対してより高精度な検査を行うことができる。
【0038】
図5に光線追跡シミュレーションを用いて計算した配光分布を示す。本図に示すように、導光体15と光源13を組み合わせることで、狭配光の斜入射照明を実現することができる。本実施形態では、配光角を−55°および55°として光を射出した。シミュレーション結果によれば、配光角の角度幅は約10°となった。従来の一般的な砲弾型LEDの配光角の角度幅は20°以上であるので、これに比して十分な狭配光が実現されたことが理解できる。
【0039】
また光源13から導光体15に入射した光線は、導光体15内を伝搬するに従い、周方向(主光軸14を回転軸としたときの回転方向)に広がることが可能となる。つまり、光源13からの光線が均一に広げられる。
【0040】
本実施形態では、光源13、撮像光学系12、および基板16を一体化することで、製造コストが低減されるとともに、装置構成をコンパクトにできる。これと同時に、放熱用のヒートシンク17も基板16と一体化できる。これにより、光源13の冷却を促進して光学検査装置11の信頼性を向上しつつ、別途にヒートシンク17を設けた場合に比して、ヒートシンク17に関わるコストも低減できる。さらに、光学検査装置11をコンパクトにすることもできる。
【0041】
第1実施形態によれば、以下のことがいえる。
【0042】
光学検査装置11は、検査対象23と対向する撮像光学系12と、撮像光学系12の周囲に互いに間隔を空けて設けられた1以上の光源13と、撮像光学系12の光軸14に沿って筒状に延びるとともに、その端面が1以上の光源13と対向した導光体15と、導光体15の内面31に設けられ、前記端面から導光体15内に入射された光を内部全反射させる全反射面35と、導光体15の外面32に設けられ、光源13から導光体15内に入射された光を検査対象23に向けて反射するミラー面37と、導光体15の内面に設けられ、ミラー面37で反射された光を検査対象23に向けて透過させる透過面36と、を備える。
【0043】
この構成によれば、光源13から射出され導光体15内に入射された光を導光体15内で広げることで、エタンデュの法則を利用して、透過面36から検査対象に向かう光を狭配光にすることができる。これによって、検査対象23の高精度な検査を実施することができる。また、導光体15を利用して光を広げるようにしているために、従来に比して光源13の数を少なくすることができる。したがって、本実施形態によれば、高い検査精度を確保しつつ、光源13の数を低減できるという極めて優れた2つの効果を同時に実現できる。また、導光体15の構造も簡単であり、且つ、部品点数も少なく実現できることから、光学検査装置11全体の製造コストを低減できる。
【0044】
上記構成によれば、光源13および撮像光学系12を検査対象23から離して設置することができる。これによって、熱源となる光源13および撮像光学系12から検査対象を離すことができ、熱によって検査対象に悪影響を及ぼすことを防止できる。また、光源13および撮像光学系12を比較的近い位置に配置できる構造となるために、これらをまとめて冷却することも容易であり、光学検査装置11の冷却性を向上して光学検査装置11の信頼性を向上できる。
【0045】
この場合、全反射面35は、透過面36よりも光源13に近い位置に設けられる。また、全反射面35と透過面36は共通領域を有してもよい。また、全反射面35と透過面36は共通であってもよい。この構成によれば、エタンデュの法則を利用して導光体15内で光を拡散する前に、導光体15外に光が漏れ出してしまうことを防止できる。これによって、透過面36から検査対象23に向かう光を狭配光にして、高精度な検査を実現できる。全反射面35と透過面36の共通領域を設けることで、全体的にコンパクトにできるという利点がある。また、全反射面35と透過面36を完全に共通にすることで、さらなるコンパクト化が可能という利点がある。
【0046】
この場合、撮像光学系12の入射瞳面41から検査対象23までの距離をlとし、導光体15から射出される主光線43の配光角をθとし、光軸14から内面31の最近接距離をRとし、光軸14に沿う方向に関する入射瞳面41からの導光体15の延長距離をLとしたとき、
【数7】
の関係を満たす。
【0047】
この構成によれば、配光角θの光線43を撮像光学系12の結像面42と光軸14との交点に向けて射出することができる。つまり、照射野の中心に所望の配光角の光を射出できる。
【0048】
導光体15の内面31は、撮像光学系12の視野範囲18よりも外側に位置する。この構成によれば、撮像光学系12の視野範囲18を導光体15によって邪魔してしまうことがなく、撮像光学系12で取得できる視野を十分に広くすることができる。
【0049】
導光体15の内面31と外面32との間の厚み寸法Wは、撮像光学系12から遠ざかるにつれて小さくなる。この構成によれば、例えば、光源13から遠い位置で内面31の角度を斜めにすることができる。これによって、光源13から遠い位置で導光体15から光を内側に漏れやすくすることができる。これによって、内面31において、光源13に近い位置に全反射面35を設け、光源13から遠い位置に透過面36を設けるという構造を簡単に実現できる。
【0050】
導光体15は、円筒形である。この構成によれば、光源13からの光を導光体15内で偏りなく広げることができ、光源13の数を低減したことによる影響を最小限にすることができる。また、構造を単純化することができるために、導光体15の製造コストを低減できる。
【0051】
この場合、導光体15の内面の直径は、光源13から遠ざかるにつれて大きくなる。この構成によれば、光源13から遠い位置で内面31の角度を斜めにすることができる。これによって、光源13から遠い位置で導光体15から光を内側に漏れやすくすることができる。したがって、内面31において、光源13に近い位置に全反射面35を設け、光源13から遠い位置に透過面36を設けるという構造を簡単に実現できる。
【0052】
光学検査装置11は、導光体15の内面31に沿うように、前記端面から1以上の光源13に向けて突出するとともに、導光体15と連続して設けられた筒状の導光凸部45を備え、導光凸部45の厚み寸法は、内面31と外面32との間の厚み寸法よりも小さい。この構成によれば、光源13から導光体15内に入射された光のうち、直接的にミラー面37側に向かう光を全反射面35に向けて内部全反射させることができる。これによって、導光体15の第1端面33から入射した光が、設計意図と違う方向であるミラー面37側に直接進んでしまうことを防止して、設計通りに正しい経路で光を案内できる。これによって、検査対象に到達できる光線の数を増加させることができ、器具効率(光源13の全光束に対し、照明として利用される光束の割合))の高い照明を実現できる。これによって、光源13の数を少なくした場合でも、検査対象23(検査面42)が暗くなってしまうことが防止される。
【0053】
導光体15のミラー面37は、光軸14から遠ざかる方向に凸になった円弧面である。この構成によれば、ミラー面37によっていわゆる凹面鏡の構造を実現でき、検査対象23に到達できる光線の数を増加して、器具効率を向上(検査面42を明るく)できる。
【0054】
導光体15の内面31は、光軸14に近づく方向に凸になった円弧面である。この構成によれば、光源13に近い位置では、光軸14に略沿った方向に内面31を延ばし、光源13から遠い位置では、光軸14に対して斜め方向に内面31を延ばす構造をとることができる。これによって、単純な構造によって、全反射面35と透過面36とを実現することができ、導光体15構造を簡略化して導光体15の製造コストを低減できる。また、この構成によれば、全反射面35と透過面36との間で、厳密な境界を設ける必要がなくなる。したがって、全反射面35と透過面36との中間地点では、ある光線に対しては全反射面35として働き、他の光線に対しては透過面36として働く。このように全反射面35と透過面36との間の境界をグレーにすることで、マイナーな光線も検査対象23に向かわせることができ、結果的に器具効率の向上に寄与できる。
【0055】
光学検査装置11は、前記1以上の光源13と熱的に接続されたヒートシンク17を備える。この構成によれば、光源13およびその周辺の機器において放熱性を向上することができる。これによって、熱によって光源13が故障してしまう不具合を生じることが防止され、光学検査装置11の信頼性を向上できる。
【0056】
光学検査装置11は、1以上の光源13を実装した基板16であって、撮像光学系12を通すための貫通孔部16Aを有する基板16を備える。この構成によれば、撮像光学系12と1以上の光源13とを略同じ高さに設置することができる。これによって、発熱部品を一か所に集めることができ、これらを冷却するためのヒートシンク17等の設計が容易になる。また、基板16と撮像光学系12を一体にすることができ、これらを個別に設置する場合に比して、設置スペースを低減できる。
【0057】
1以上の光源13は、複数であり、複数の光源13に含まれる光源は、互いに独立に点灯可能である。この構成によれば、どの光源13から射出された光線であるのかを区別することができる。これによって、撮像光学系12で得られた撮像画像から、検査対象23の散乱光の情報をより詳細に取得することができ、検査の精度をより一層向上できる。
【0058】
以下の変形例、および第2実施形態では、主として、上記第1実施形態および第1実施例とは異なる部分について説明し、それらと共通する部分については、図示および説明を省略する。
【0059】
(変形例)
本変形例では、光学検査装置11において、複数の光源13の色が互いに異なっている。それ以外の点は、上記実施形態と共通している。
【0060】
例えば、複数の光源13のうち1つを赤色LEDで構成し、複数の光源13のうち他の1つを青色LEDとし、複数の光源13のうち他の1つを緑色LEDとし、複数の光源13のうち他の1つを白色LEDとしてもよい。複数の光源13の色の組み合わせは、この例に限られず、任意の色の組み合わせにしても当然によい。本変形例によれば、どの方位から射出された光線かを色によって区別することができる。すなわち、撮像光学系12で撮像された色から、より詳細な散乱情報が取得できるという効果がある。
【0061】
[第2の実施形態]
図6図8を参照して、第2実施形態の光学検査装置11について説明する。本実施形態では、導光体15の構成が異なっているが、他の部分は第1実施形態と共通している。
【0062】
導光体15は、透光性の材料によって、中空の方形筒状(升状)に構成されている。複数の光源13(4個の光源13)は、方形の筒状の導光体15の角部に対応する4か所に設けられる。導光体15の中心軸は、撮像光学系12の光軸14と一致している。導光体15は、内部に、十分に大きな中空領域15Aを有している。したがって、導光体15の内面が撮像光学系12の視野範囲18に入らないようになっている。このため、本実施形態では、撮像光学系12の視野角が広く確保される。また、本実施形態では、導光体15を方形筒状とすることによって、導光体15の高さを自由に変更可能となっている。
【0063】
導光体15は、光に対して透明な材料であればよく、たとえばアクリル等の透光性の樹脂材料を好適に用いることができるが、導光体の材料はこれに限られるものではない。導光体15の材料としては、ポリカーボネート、ガラスなどであってもよい。導光体15は、射出成形や機械加工(フライス盤やNCフライス盤等による切削加工)によって形成できる。
【0064】
図6図7に示すように、導光体15は、内面31(内周面)と、外面32(外周面)と、撮像光学系12側の第1端面33(入射面)と、内面31に設けられた平坦な全反射面35と、内面31に設けられた平坦な透過面36と、を有する。内面31は主光軸14に近い側の面であり、外面32は主光軸14から遠い側の面である。本実施形態では、導光体15の内面31と外面32との間の厚み寸法Wは、全反射面35および次に述べる第2全反射面47との間では、一定に維持されている。
【0065】
内面31の全反射面35および透過面36は、透明である。全反射面35は、透過面36よりも光源13に近い位置に設けられる。内面31の全反射面35および透過面36には、表面処理、例えばバフ研磨等がなされて平滑化されている。ただし、内面31に対する表面処理としてはこの限りではない。内面31の透過面36をサンドブラスト処理等で荒らして、透過面36を透過する光を拡散できる拡散面としてもよい。全反射面35は、第1端面33から導光体15内に入射された光を内部全反射させることができる。透過面36は、ミラー面37で反射された光を検査対象23に向けて透過させる。その際、透過面36は、透過面36を透過する光を屈折させる。
【0066】
本実施形態では、全反射面35と透過面36との間に境界は存在せず、両者は連続的である。したがって、全反射面35と透過面36との中間地点では、ある光線に対しては全反射面35として働き、他の光線に対しては透過面36として働く。このように全反射面35と透過面36との間の境界をグレーにすることで、マイナーな光線も検査対象に向かわせることができ、結果的に器具効率の向上に寄与できる。
【0067】
外面32は、光源13側(撮像光学系12側)に設けられた平坦な第2全反射面47と、検査対象23側に設けられたミラー面37と、を有する。第2全反射面47は、透明である。第2全反射面47は、1以上の光源13から導光体15内に入射された光を内部全反射させることができる。外面32の第2全反射面47には、表面処理、例えばバフ研磨等がなされて平滑化されている。
【0068】
ミラー面37は、導光体15の検査対象23側の端部の外側に設けられた面取り部46に形成されている。すなわち、面取り部46は、導光体15の検査対象23側の端部の角部を面取りした形状に形成される。この形状は、導光体15の先端部に約45°の角度のテーパーを設けたとも言い換えられる。
【0069】
ミラー面37は、光源13から導光体15内に入射された光を検査対象23に向けて反射できる。ミラー面37には、外面32の面取り部46にアルミニウム等を蒸着させることによって、ミラー面処理がされている。ただし、ミラー面37の形成方法としては、この限りではなく、例えば、ミラー面37を備えた別部材を外面32に密着させ、外面32の面取り部46で反射を起こさせる構造としてもよい。
【0070】
本実施形態においても、ミラー面37が設けられる位置において、導光体15の内面31と外面32との間の厚み寸法Wは、撮像光学系12から遠ざかるにつれて小さくなっている。
【0071】
導光体15からの光が照射される照射野は、導光体15の先端である第2端面34から、例えば、5mmの位置に設置されるが、これに限定されるものではない。
【0072】
図7図8(a)、(b)を参照して、本実施形態の光学検査装置11の作用について説明する。1以上の光源13から導光体15に入射された光は、全反射面35で内部全反射されるとともに、第2全反射面47においても内部全反射される。これらの面で内部全反射される回数は、複数回であってもよい。全反射面35で内部全反射された光は、ミラー面37に到達し、ミラー面37で検査対象23側に反射される。ミラー面37で反射された光は、透過面36で屈折されて、検査対象23に向けて透過される。撮像光学系12は、このように検査対象23に照射され、検査対象23で反射された光(散乱光)を検出することで、検出対象23の画像を取得できる。
【0073】
図8(a)に、光線追跡シミュレーションを用いた照度分布を示す。図8(b)は、図6のF8(b)−F8(b)線の位置(光軸14と交わる直線上)で、図8(a)の照度分布を示した図である。両図より、照射野(検査面42)において、略均一な照度分布が実現されていることがわかる。なお、図8(b)で、5E+04は、5×10の意味である。同図の単位はLuxである。
【0074】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。
【0075】
導光体15は、方形の筒状である。この構成によれば、導光体15の形状を単純にして、導光体15の製造コストを低減できる。
【0076】
ミラー面37は、導光体15の検査対象23側の端部の外側に設けられた面取り部46に設けられる。この構成によれば、面取り部46においてミラー面37を形成して検査対象23に光を案内する構造としているために、導光体15の高さを問わない形状にすることができる。すなわち、検査対象23に対して、例えば、光源13等からの熱の影響を及ぼしたくない場合には、導光体15の高さを高くして、検査対象23と光源13との距離を大きくすることもできる。また一方で、例えば、設置スペースの関係から導光体15をコンパクト化したい場合には、導光体15の高さを低く抑えて光学検査装置11をコンパクト化することもできる。したがって、光学検査装置11の設計の自由度を向上することができ、種々の検査機器や製造機械、生産ライン等への採用が期待できる。
【0077】
1以上の光源13は、方形の筒状の導光体15の角部に対応する位置に設けられる。この構成によれば、導光体15において光源13からの光を周方向に均一に広げることができる。これによって、照射野(検査面42)において十分な明るさを確保することができる。また、光源13から射出され導光体15内に入射された光を導光体15内で広げることで、エタンデュの法則を利用して、透過面36から検査対象23に向かう光を狭配光にすることができる。これによって、高精度な検査を実施することができる。さらに、光源13の数も4個で済み、光源の数を低減することができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、各実施形態及び変形例に記載された発明を適宜に組み合わせて一つの発明を実現することも当然にできる。
【符号の説明】
【0079】
11…光学検査装置、12…撮像光学系、13…光源、14…光軸、15…導光体、16…基板、16A…貫通孔部、23…検査対象、24…制御回路、31…内面、32…外面、33…第1端面、35…全反射面、36…透過面、37…ミラー面、45…導光凸部、46…面取り部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8