【文献】
今月の一押し!ものモノ紹介,子供の科学 7月号,株式会社誠文堂新光社,2001年07月01日,P118,ISSN:1345−8825
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したようにカプセル自体を組立人形の一部として用いて人形体(玩具)を作る場合、カプセルに収容されている小さな部品をカプセルに取り付けただけでは、カプセルの大きさと同等か少し大きい程度の大きさの人形体しか得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、カプセル状態で提供でき、組立後にはより大きな人形体が得られる組立玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る組立玩具は、中空の収容体と、前記収容体に収容される複数の部品とを有し、前記中空の収容体と前記各部品とが組み立てられる組立状態において人形体となる組立玩具であって、前記収容体は前記人形体の胴体部の少なくとも一部を形成可能であり、前記各部品は、前記胴体部に連結され、前記人形体の頭部の少なくとも一部を形成可能な頭部部品と、前記胴体部あるいは前記頭部の少なくとも一部を形成するその他部品と、からなり、前記組立状態において、前記頭部部品は前記収容体の上部に配置され、前記収容体に前記各部品が収容された収容状態において、前記頭部部品は前記その他部品の少なくとも一部を収容可能である。また、本発明に係る組立玩具は、収容体と、前記収容体に収容可能な複数の部品と、を有し、前記収容体と前記複数の部品とが組み立てられる組立状態において人形体となる組立玩具であって、前記収容体は、前記人形体の胴体の少なくとも一部を形成可能な胴体部品であり、前記複数の部品は、前記胴体部品に連結され、前記人形体の頭部の少なくとも一部を形成可能な頭部部品と、前記胴体部品あるいは前記頭部部品に取付可能なその他部品と、を含み、前記頭部部品は、前記その他部品に含まれるいずれかの部品の一部分を収容可能な空間を有し、前記組立状態において、前記頭部部品は前記胴体部品の上部に配置され、前記収容体に前記複数の部品が収容された収容状態において、前記頭部部品は前記空間に前記その他部品に含まれるいずれかの部品の一部分を収容する。
また、本発明に係る組立玩具は、収容体と、前記収容体に収容可能な複数の部品と、を有し、前記収容体と前記複数の部品とが組み立てられる組立状態において人形体となる組立玩具であって、前記複数の部品は、前記収容体に連結され、前記人形体の少なくとも一部を形成可能な収容体部品と、前記収容体あるいは前記収容体部品に取付可能なその他部品と、を含み、前記収容体部品は、前記その他部品に含まれるいずれかの部品の一部分を収容可能な収容空間を有し、前記組立状態において、前記収容体部品と前記収容体とは上下方向に連結して配置され、前記収容体に前記複数の部品が収容された収容状態において、前記収容体部品は前記収容空間に前記その他部品に含まれるいずれかの部品の一部分を収容する。
【0007】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、前記組立状態において、前記その他部品が取付可能な取付部を有してもよい。
【0008】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記取付部は、前記その他部品の一部が挿入可能な開口であり、前記その他部品は、その一部が前記取付部に対して嵌入されてもよい。
【0009】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記収容体は、互いに分割可能な第1部材及び第2部材を有し、前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ前記収容体に前記頭部部品を連結するための第1部材結合部及び第2部材結合部を備えてもよい。
【0010】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記第1部材結合部及び前記第2部材結合部は、前記頭部部品の一部を挿入可能な開口であってもよい。
【0011】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、前記第1部材結合部及び前記第2部材結合部に対して挿入してから係止可能な第1係止爪及び第2係止爪を有してもよい。
【0012】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記第1係止爪は前記第1部材結合部に対してのみ挿入後に結合可能であり、前記第2係止爪は前記第2部材結合部に対してのみ挿入後に結合可能であってもよい。
【0013】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、前記組立状態において、前記収容体に対して線接触する環状の縁部を有し、前記第1係止爪及び前記第2係止爪は、前記縁部の内側において互いに対向するように配置されてもよい。
【0014】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記第1係止爪及び前記第2係止爪のうちの少なくとも一方は、他方に対して近づくように設けられていてもよい。
【0015】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記収容体の前部及び前記頭部部品の前部が同一方向を向いて組み立てられた場合にのみ前記縁部が前記収容体に対して線接触可能であってもよい。
【0016】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、前記縁部の内側に前記その他部品の少なくとも一部を収容可能な空間を有してもよい。
【0017】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、互いに略碗形状の第1頭部部品及び第2頭部部品を有し、前記収容体は、前記収容状態において、前記第1頭部部品及び前記第2頭部部品が互いに重なり合った状態として収容可能であってもよい。
【0018】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記収容体における前記頭部部品が配置される箇所と反対側に接地面を有し、前記第1部材結合部及び前記第2部材結合部は、前記接地面に対する距離が異なる位置に設けられてもよい。
【0019】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記収容体は、前記接地面を覆う被覆部材と前記接地面に前記被覆部材を支持可能な被覆部材支持部を有し、前記被覆部材は、表面が凸状の球面であるとともに、裏面が前記被覆部材用支持部により支持可能であってもよい。
【0020】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記接地面が平坦であってもよい。
【0021】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記その他部品は、前記胴体部の少なくとも一部と前記頭部部品の少なくとも一部の両方を被覆可能な人形体被覆部品を含み、
前記人形体被覆部品は、前記頭部部品に係止されてもよい。
【0022】
また、本発明に係る組立玩具においては、前記頭部部品は、顔面意匠が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、カプセル状態で提供でき、組立後にはより大きな人形体が得られる人形型玩具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施形態である人形型玩具の組立状態の構成を示す全体正面図であり、
図2は、本発明の実施形態である人形型玩具の収容状態を示す全体斜視図である。
【0026】
図1に示すように、組立玩具10は、組立後の組立状態では例えば招き猫のような人形体として形成されており、下側に胴体部11を有し、胴体部11の上側には頭部12を有する。一方、
図2に示すように、組立前の販売時等の収容状態では、収容体20に被覆部材40が取り付けられて、全体略球状を呈している。
図3(a)に示すように、収容体20の内部には、部品30が収容されている。部品30は、頭部部品31及びその他部品32等を有する。なお、部品30及び被覆部材40については、詳細を後述する。本実施の形態においては、収容体20に部品30を収容した状態で人形型玩具10を自動販売機(図示せず)から提供することを想定しており、収容体20は自動販売機から転がして落下させるかたちでの提供ができる必要があるため、収容体20の外形を形成する外側面は、球状に近い形であることが好ましいが、完全な球状でなくとも、自動販売機から転がして落下させる態様での提供が可能な形状であればよい。この点に鑑みて、本実施の形態においては、収容体20に組立玩具10の形象に対応する多少の凹凸が設けられたり、収容体20に部品30の一部を取り付けるための開口部等を含んだりしていても、自動販売機からの提供が可能な形状であれば「略球状」であるものとして扱う。
【0027】
図3(a)及び
図4に示すように、収容体20は、互いに分割可能な略半球状の第1部材21及び第2部材22を有しており、それぞれ第1部材開口部211及び第2部材開口部221を有している。したがって、第1部材開口部211及び第2部材開口部221を合わせるように第1部材21と第2部材22とを係合することにより、内部に部品30を収容するための略球状の収容空間Sが形成される。
【0028】
第1部材21には、第1部材連結部23が設けられ、第2部材22には第2部材連結部24が設けられている。第1部材連結部23は、一端側が第1部材21に設けられ、他端(先端)側が第1部材縁部211から外側に突出した棒状部材となっている。また、第2部材連結部24は、第1部材連結部23の先端が嵌入可能な連結孔241を有する筒状となっている。第2部材連結部24は、第2部材22から外側に突出していない。
【0029】
第1部材連結部23及び第2部材連結部24は、対向する位置に2か所以上設けられており、少なくとも後述の接地面27付近に位置する第1部材21及び第2部材22の下端部に設けるのが望ましい。また、第1部材連結部23と第2部材連結部24とは着脱可能となっており、収容体20を分割して部品30を取り出した後に、第1部材21と第2部材とを再度連結して胴体部11の少なくとも一部を形成することができるようになっている。このとき、第1部材21が胴体部11の前面を構成し、第2部材22が胴体部11の背面を構成する。
【0030】
また、第1部材21及び第2部材22の外側面は胴体部11の外形を形成するようになっており、第1部材21と第2部材22とを組み合わせることにより胴体部11を形成可能となっている(
図5参照)。第1部材21及び第2部材22の底面は、胴体部11を載置(すなわち、組立玩具10を載置)する際の接地面27となっており、第1部材21と第2部材22を接合した際に一個の平坦面となるように形成されている。
なお、
図3(a)では、部品30としての頭部部品31が組み合わせられた状態であり、かつ、頭部部品31内に耳部品33、肢部品34、小判部品35(
図16参照)等が収容された状態が示されているが、
図3(b)に示すように、頭部部品31が分割されていてもよい。
【0031】
図4及び
図12に示すように、第1部材21及び第2部材22の上端には、頭部部品31を載置するための第1部材上面212及び第2部材上面222がそれぞれ設けられている。また、第1部材上面212には第1部材結合部25が設けられ、第2部材上面222には第2部材結合部26が設けられている。第1部材結合部25及び第2部材結合部26は、本実施の形態においては、頭部部品31の一部を挿入可能な開口であり、例えば矩形状を呈しているものとして記載しているが、このような態様に限定される必要はなく、第1部材結合部25及び第2部材結合部26は、例えば突起部として形成されてもよい。ただし、収容体20の外側面の態様を考慮すると、開口として形成する方が好ましい。
【0032】
図5に示すように、第1部材上面212及び第2部材上面222は、頭部12が取り付けられる連続した取付面であり、第2部材上面222の方が第1部材上面212よりも高くなるように傾斜している。このため、接地面27から第1部材結合部25の距離H1は、接地面27から第2部材結合部26の距離H2よりも大きくなっている。
【0033】
図2及び
図16に示すように、胴体部11の前側を構成する第1部材21の前面には、その他部品32を取付けるための胴体部品取付部28が形成されている。本実施の形態においては、胴体部品取付部28は開口として形成される。胴体部品取付部28は一直線上に3個形成されており、両端の第1胴体部品取付部281及び第3胴体部品取付部283は左右対称の矩形状を呈しており、中央の第2胴体部品取付孔282は左右非対称の例えば台形状を呈している。第1部材結合部25及び第2部材結合部26と同様に、胴体部品取付部28は、例えば突起部として形成されてもよい。ただし、収容体20の外側面の態様を考慮すると、部品を取付け可能な開口として形成する方が好ましい。
【0034】
図6に示すように、接地面27の中央部における第2部材22側には、収容体20として使用する際に接地面27を覆う被覆部材40を取付けるための被覆部材支持部271が設けられており、本実施の形態においては、被覆部材支持部271は開口であるものとして説明する。被覆部材40は表面41が凸状の球面であり、接地面27に取り付けた際に収容体20が全体として球状に近くなるようになっている(
図2参照)。また、被覆部材40の裏面42には、被覆部材支持部271に対向する位置に突起部43が設けられており、被覆部材支持部271が開口である場合、突起部43を被覆部材支持部271に挿嵌することにより、被覆部材40が収容体20に支持される。第1部材結合部25及び第2部材結合部26と同様に、被覆部材支持部271は、例えば突起部として形成されてもよい。ただし、接地面27の態様を考慮すると、部品を支持可能な開口として形成する方が好ましい。
【0035】
次に、収容体20に収容される部品30について説明する。
図3(a)に示すように、部品30は、大きく分けて頭部部品31とその他部品32とを有する。頭部部品31は、胴体部11に連結されて頭部12の少なくとも一部を形成可能な部品である。その他部品32は、胴体部11や頭部12の少なくとも一部を形成する部品、または、人形体の態様としては胴体に繋がるが組立玩具10としては頭部12に支持される部品であり、小判部品35、耳部品33、肢部品34(
図16参照)等を有する。
【0036】
図7〜
図9に示すように、頭部12を構成する頭部部品31は全体略球状を呈しており、前側の第1頭部部品311と後側の第2頭部部品312とから構成されている。第1頭部部品311及び第2頭部部品312は、収容状態において収容体20に収容可能な大きさの略半球状(略碗形状)を呈している。なお、
図3(a)に示すように、収容状態においては第1頭部部品311及び前記第2頭部部品312が接続された状態で収容体20に収容されてもよい。また、
図3(b)に示すように、収容状態においては第1頭部部品311及び前記第2頭部部品312が互いに重なり合った状態で収容体20に収容されてもよい(
図11参照)。第1頭部部品311及び前記第2頭部部品312が互いに重なり合った状態で収容体20に収容する場合の方が、第1頭部部品311及び前記第2頭部部品312が重なり合った部分だけ第1頭部部品311と前記第2頭部部品312とを接続したときの大きさを大きくすることが可能となる。
【0037】
図11に示すように、第1頭部部品311の内側には第1頭部部品連結部317が設けられており、第1頭部部品連結部317は、第2頭部部品312方向に突出した複数本(例えば、3本)の棒状部材として形成することができる。一方、第2頭部部品312の内面には、第1頭部部品連結部317を連結可能な第2頭部部品連結部318が設けられており、第2頭部部品連結部318は、棒状部材である第1頭部部品連結部317が連結可能な連結受部318が設けられている。第1頭部部品連結部317が棒状部材として形成されている場合は、連結孔を有する筒状部材として連結受け部318を形成することができ、第1頭部部品連結部317の先端部を連結受部318の連結孔に挿嵌することにより、第1頭部部品311と第2頭部部品312とを連結して、頭部部品31を形成することができる。なお、第1頭部部品311の前面には、顔面意匠Fが形成されている(
図7参照)。
【0038】
図10及び
図11に示すように、第1頭部部品311及び第2頭部部品312は、下部が切り欠かれていて、それぞれ胴体部11の第1部材上面212及び第2部材上面222に接触する第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314を有する。第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314は、組立状態において、収容体20に対して線接触する環状の縁部を形成している。頭部部品31は、縁部の内側が例えば凹状となっており、縁部の内側にその他部品32の少なくとも一部を収容可能な内部空間を有する。
【0039】
第1頭部部品下面313には、第1部材結合部25に対して結合可能な第1頭部部品結合部が設けられており、本実施の形態においては、第1部材結合部25が開口であることに応じて、第1頭部部品結合部は、第1部材結合部25に対して挿入後に結合可能な第1係止爪315として説明する。また、第2頭部部品下面314には、第2部材結合部26に対して結合可能な第2頭部部品結合部が設けられており、本実施の形態においては、第2部材結合部26が開口であることに応じて、第2頭部部品結合部は、第2部材結合部26に対して挿入後に結合可能な第2係止爪316として説明する。ただし、第1部材結合部25及び第2部材結合部26が突起部として形成されている場合は、突起部と結合可能な開口として第1係止爪315及び第2係止爪316を形成する必要がある。ここで、第1係止爪315と第2係止爪316とは、第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314で形成される縁部の内側において互いに対向するように配置されている(
図12参照)。
【0040】
図10に示すように、第1係止爪315は、第1頭部部品下面313に設けられた第1支持部315aと、第1支持部315aの先端(下端)から外側に突出する第1爪部315bを有する。また、第2係止爪316は、第2頭部部品下面314に設けられた第2支持部316aと、第2支持部316aの先端(下端)から外側に突出する第2爪部316bを有する。すなわち、第1係止爪315および第2係止爪316は、一部が湾曲した形状となっている。なお、第1支持部315a及び第2支持部316aのうちの少なくとも一方は、他方に対して近づくように延在する。すなわち、第1係止爪315および第2係止爪316のうちの少なくとも一方は他方に対して近づくように設けられる。
【0041】
したがって、
図12に示すように、第1係止爪315を第1部材結合部25に挿入すると、第1爪部315bが第1部材上面212の内面に結合される。同様に、第2係止爪316を第2部材結合部26に挿入すると、第2爪部316bが第2部材上面222の内面に結合される。これにより、頭部12が胴体部11から脱落するのを防止できる。なお、第1係止爪315は第1部材結合部25に対してのみ挿入後に結合可能であり、第2係止爪316は第2部材結合部26に対してのみ挿入後に結合可能となっている。
【0042】
このため、
図13に示すように、収容体20の前部及び頭部部品31の前部が同一方向を向いて組み立てられた正常な位置関係にある場合にのみ、頭部部品31の第1部材上面212及び第2部材上面222がそれぞれ収容体20の第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314に対して線接触するようにしてもよい。なお、
図14に示すように、収容体20の前部及び頭部部品31の前部が同一方向を向いていない場合には、組み立てることができないが、無理に頭部部品31を収容体20に取り付ける場合に頭部部品31の第1部材上面212及び第2部材上面222と収容体20の第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314との間に隙間Gを発生させることで、収容体20と頭部部品31とが正常な位置関係にないことが把握できるようにしてもよい。
【0043】
図3(a)に示すように、収容体20に各部品30が収容された収容状態においては、第1頭部部品311及び第2頭部部品312が組み合わせられた頭部部品31の内部にその他部品32(耳部品33、肢部品34)が収容されている。
一方、前述したように、頭部部品31を構成する第1頭部部品311及び第2頭部部品312が分割されている場合、
図3(b)に示すように、収容体20に各部品30が収容された収容状態においては、頭部部品31はその他部品32の少なくとも一部を収容可能となっている。したがって、例えば、第1頭部部品311の内側に第2頭部部品312が重ねられている場合(
図11参照)には、その他部品32の少なくとも一部は第2頭部部品312の内側に収容されており、例えば肢部品34の一部は頭部部品31からはみ出している。
【0044】
図7〜
図9に示すように、頭部部品31は、組立状態において、その他部品32が取付可能な取付部36を有する。例えば、頭部部品31の上部右位置には右耳部品331が取り付けられる右耳取付部361が設けられ、頭部部品31の上部左位置には左耳部品332が取り付けられる左耳取付部362を有する。右耳取付部361及び左耳取付部362は、台形状の開口である。また、第1頭部部品311の右側側面には、肢部品34を取付ける肢部品取付部363が設けられている。肢部品取付部363は、矩形の開口である。このように、頭部部品に対して取り付ける位置によって開口部の形状を変えておくことが好ましい
【0045】
図15に示すように、左耳部品332は、耳部品取付突部323が設けられている。耳部品取付突起部333は、頭部部品31に設けられている左耳取付部362の形状に対応した台形状となっている。したがって、耳部品取付突起部333を左耳取付部362である開口に挿嵌することにより、左耳部品332を頭部部品31に取り付けることができる。ここでは、左耳部品332を示しているが、右耳部品331についても同様である。本実施の形態においては、左耳部品332の突起部を頭部部品31に設けられた開口に挿嵌するものとして説明したが、このような態様に限定される必要はなく、左耳部品332に取付用の開口を形成し、頭部部品31に突起部を形成することも可能である。ただし、頭部部品31を収容体20に収容することを考慮すると、頭部部品31の外側面には突起部が形成されないことが好ましく、頭部部品31に設けられる部品取付部としては、開口であることが好ましい。 なお、肢部品34にも頭部部品31の肢部品取付部363に取り付けるための取付部が設けられているが、耳部品33の取付部と同様なので、詳細な説明及び図示は省略する。
【0046】
以上のように、頭部部品31のような胴体部11に取り付ける大きい部品と右耳取付部361及び左耳部品332のような頭部部品31に取り付ける小さい部品で取り付け方法を異ならせることができる。具体的には、頭部部品31のような胴体部11に取り付ける大きい部品は、第1係止爪315や第2係止爪316のように、先端で湾曲する爪部を有することで、より安定して胴体部11に取り付けることができる。一方、右耳取付部361及び左耳部品332のような頭部部品31に取り付ける小さい部品は、先端で湾曲する爪部を有しない直線状に伸びる突起部を挿入するだけで取り付け可能にすることで単純な形状で容易に取り付けることができる。また、このように取り付け方法を異ならせることで、取り付けられる側の部材に形成される開口の大きさも異ならせることができる。具体的には、頭部部品31を胴体部11に取り付けるときの胴体部11の開口である第1部材結合部25及び第2部材結合部26の大きさは、右耳取付部361及び左耳部品332を取り付けるときの頭部部品31の開口である右耳取付部361及び左耳取付部362よりも小さく形成することができる。胴体部11は、収容体として機能する部材であるため、収容体20をカプセル状態で提供する態様を考慮すると、外形への影響が少なくなるように上述のような小さい開口で形成することが好ましい。
【0047】
また、
図16に示すように、小判部品35は全体長円形状を呈しており、外周縁に沿って縁壁351が設けられている。縁壁351の先端面には、胴体部品取付部28が開口で形成されていることに応じて、小判部品35を胴体部11に取り付けるための第1突起部352及び第3突起部354が設けられており、小判部品35の内面355中央には、第2突起部353が設けられている。第1突起部352は胴体部11前面に設けられている第1胴体取付部281に取り付けられ、第3突起部354は胴体部11の第3胴体取付部283に取り付けられる。
そして、台形状の第2突起部353は、胴体部11に設けられている台形状の第2胴体取付部282に取り付けられる。このため、第2突起部353と第2胴体取付部282の取付方向が一致しなければ取り付けられないので、小判部品35に取付方向を間違うことが防止される。
図17には、小判部品35が適正に取り付けられた胴体部11が示されている。
【0048】
次に、組立玩具10を用いた遊戯動作について説明する。
自動販売機等から収容状態の組立玩具10を購入すると(
図2参照)、収容体20を第1部材21と第2部材22とに分割して、内部から部品30を取り出す(
図3(a)参照)。続いて、空になった第1部材21と第2部材22とを連結して胴体部11を形成する(
図5参照)。一方、部品30の中から第1頭部部品311と第2頭部部品312を取り出し、第1頭部部品311と第2頭部部品312とを連結して頭部部品31を形成する(
図7参照)。
【0049】
次いで、頭部部品31を胴体部11の上側に取り付け(
図12及び
図13参照)、頭部部品31に耳部品33及び肢部品34を取付けて(
図15参照)、頭部12を形成する。また、胴体部11に小判部品35を取付ける(
図16参照)。
このようにして、組立玩具10を組み立てることができる(
図1参照)。なお、組立後あるいは組立前の収容体20や部品30に着色や模様を付して、個性ある組立玩具10を形成することもできる。
【0050】
次に、本実施形態に係る組立玩具の作用、効果について説明する。
本実施形態に係る組立玩具10では、略球状に形成された中空の収容体20に部品30を収容して自動販売機から転がして落下させる態様で販売等される。そして、販売後は、収容体20によって人形体の胴体部11の少なくとも一部を形成可能となっている。組立後に胴体部11の上側に配置される部品30として収容されている人形体の頭部部品31は、収容状態においてその他部品32の少なくとも一部を収容可能となっている。
【0051】
このため、収容体20に収容される頭部部品31にさらにその他部品32の一部を収容する収容空間が設けられるので、頭部部品31をより大きく形成することができる。これにより、カプセル状態の収容体20で提供でき、組立後には収容体20に比してより大きな組立玩具10が得られる。
【0052】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、組立状態において、その他部品32が取付可能な取付部36を有する。
このため、収容状態では、頭部部品31に取り付けるその他部品32を頭部部品31と別個に頭部部品31が有する収容空間に収容できるので、収容体20に収容される頭部部品31をより大きく形成するすることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31の取付部36はその他部品32の一部が挿入可能な開口であり、その他部品32は、その一部が取付部36に対して嵌入される。
このため、その他部品32の一部を取付部36に圧入して取り付けるので、その他部品32側に係止爪等を設ける必要がなく、構造を簡易化できる。
【0054】
また、本実施形態に係る人形型玩具10では、収容体20は互いに分割可能な第1部材21及び第2部材22で構成されており、第1部材21及び第2部材22は、それぞれ頭部部品31を連結するための第1部材結合部25及び第2部材結合部26を有する。
このため、分割可能な部材の連結を頭部部品31側でさらに補助することができ、組立玩具10の組み立ての安定性が向上する。
【0055】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、第1部材結合部25及び第2部材結合部26は、頭部部品31の一部を挿入可能な開口である。
このため、頭部部品31の一部を第1部材結合部25及び第2部材結合部26に挿入することにより、簡易な構造で頭部12を形成することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、胴体部11の第1部材結合部25及び第2部材結合部26に対して挿入後に結合可能な第1係止爪315及び第2係止爪316を有する。
このため、第1係止爪315を第1部材結合部25に挿入して結合するとともに、第2係止爪316を第2部材結合部26に挿入して結合することにより、確実に頭部部品31を胴体部11に取り付けることができる。
【0057】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、第1係止爪315は第1部材結合部25に対してのみ挿入後に結合可能であり、第2係止爪316は第2部材結合部26に対してのみ挿入後に結合可能である。
このため、胴体部11に対して頭部12を誤った向きに取り付けるのを防止できる。
【0058】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、組立状態において、収容体20に対して線接触可能な環状の第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314を有する。そして、第1係止爪315及び第2係止爪316は、環状の第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314において互いに対向するように配置されている。
このため、頭部部品31を胴体部11に対して正しい向きに取り付けることができる。
【0059】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、第1係止爪315及び第2係止爪316のうちの少なくとも一方は、他方に対して近づくように設けられる。
このため、第1係止爪315及び第2係止爪316を、確実に第1部材係止部25及び第2部材係止部26に挿入して係止することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、収容体20の前部及び頭部部品31の前部が同一方向を向いて組み立てられた場合にのみ、第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314が収容体20の第1部材上面212及び第2部材上面222に対して隙間なく線接触可能にした。
このため、収容体20に対して誤った向きに頭部部品31を取り付けようとすると、第1頭部部品下面313及び第2頭部部品下面314と、第1部材上面212及び第2部材上面222との間に隙間Gができるので、誤装着を防止することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、内側が凹状の殻部材であるので、その他部品32の少なくとも一部を収容可能な内部空間を形成することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、互いに略碗形状の第1頭部部品311及び第2頭部部品312を有し、収容体20は、収容状態において、第1頭部部品311及び第2頭部部品312が互いに重なり合った状態として収容可能となっている。
このため、頭部部品31を収容する空間を小さくすることができ、頭部部品31をより大きな形状とすることが可能となる。
【0063】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、収容体20における頭部部品31が配置される箇所と反対側の下側に接地面27を有し、接地面27に対する第1部材係止部25の距離H1よりも接地面27に対する第2部材係止部26の距離H2を大きくした。
このため、頭部部品31を胴体部11に対して反対向きに取り付けると、顔の上下方向の向きがおかしくなるので、誤装着を防止することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、収容体20の接地面27に被覆部材用支持部271が設けられている。また、接地面27を覆う被覆部材40には、裏面42側に突起部43が設けられている。このため、突起部43が被覆部材用支持部271に支持されるすることにより、容易に被覆部材40を収容体20の接地面27に取り付けることができる。なお、被覆部材40は、表面が凸状の球面である。
このため、収容体20の接地面27に被覆部材40を取付けることにより、収容体20の全体形状を球状に近づけることができ、販売に適した形状とすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、接地面27が平坦なので、人形型玩具10を載置した際に安定する。
【0066】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、その他部品32に胴体部11の少なくとも一部と頭部部品31の少なくとも一部の両方を被覆可能な部品として肢部品34が含まれ、肢部品34は、頭部部品31に係止される。胴体部11は収容体20により構成されるため、開口や突起等の取付部を設けないことが望ましく、頭部12に肢部品34を取り付けることにより、販売に適した形状とすることができる。。
【0067】
また、本実施形態に係る組立玩具10では、頭部部品31は、顔面意匠Fが形成されているので、人形型玩具10に種々の面白みを加味することができる。また、人形型玩具10の前後を明確にすることができる。
【0068】
なお、本発明の人形体の手首関節構造及び人形体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、頭部部品31を二分割して第1頭部部品311と第2頭部部品312とで構成する場合について説明したが、頭部部品31を分割しない場合にも適用可能である。
このようにしても、前述した実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。