(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の抵抗特徴が、前記皮膚上構成要素が前記遠位位置に固定されているときに前記皮膚上構成要素の近位方向の移動を防止するように構成される、請求項1に記載のセンサ挿入機アセンブリ。
前記センサ挿入機アセンブリが、少なくとも1つの遠位延在脚部を備え、前記第1の固定特徴が、前記脚部の遠位に面する表面に配置された粘着剤を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサ挿入機アセンブリ。
前記センサ挿入機アセンブリが、少なくとも1つの遠位延在部材を備え、前記第1の固定特徴が、前記皮膚上構成要素の対応する構造と摩擦係合するように構成された前記遠位延在部材の表面を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサ挿入機アセンブリ。
前記皮膚上構成要素と結合させるように構成されたセンサアセンブリをさらに備え、第3の固定特徴が、前記センサアセンブリを近位位置に解除可能に固定するように構成され、第4の固定特徴が、前記センサアセンブリを前記皮膚上構成要素に固定するように構成される、請求項1〜20のいずれか一項に記載のセンサ挿入機アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0103】
特定の実施形態及び実施例が下で開示されるが、本発明の主題は、具体的に開示される実施形態を超えて、他の代替の実施形態及び/または使用にも、ならびにその修正物及び同等物にも及ぶ。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載の範囲は、下で説明される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示される任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの活動または動作を任意の適切なシーケンスで行うことができ、また、必ずしも、開示される任意の特定のシーケンスに限定されるわけではない。様々な動作は、特定の実施形態を理解する際に役立ち得る方式で、複数の個別の動作として1つずつ説明される場合があるが、説明の順序は、これらの動作が順序依存であることを意味するものと解釈するべきではない。加えて、本明細書に記載される構造、システム、及び/またはデバイスは、一体的な構成要素として、または別個の構成要素として具現化することができる。
【0104】
様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点が説明される。必ずしも、全てのそのような態様または利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、様々な実施形態を、必ずしも本明細書で教示または提案される得る他の態様または利点を達成するわけではないが、本明細書で教示される1つの利点または一群の利点を達成または最適化する方式で実行することができる。
【0105】
システムの序論
米国特許出願公開第US2013/0267811(A1)号は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれ、
図1は、受容者(例えば、人物)に取り付けた連続分析物センサシステム100がどのようなものであるかを説明する概略図である。分析物センサシステム100は、(受容者から遠隔に位置付けることができる)他のデバイス110〜113と通信する。皮膚上センサアセンブリ600を備える経皮分析物センサシステム102は、使い捨て筐体とすることができる基部(図示せず)を介して、受容者の皮膚に固着される。
【0106】
システムは、経皮分析物センサ200と、分析物情報を無線で伝送するための電子装置ユニット(互換的に「センサ電子装置」または「伝送機」と称される)500とを含む。受信機は、システム102に対して遠隔に位置付けることができる。いくつかの実施形態において、受信機は、受容者などの人物に情報を表示することができる、表示画面を含む。例示的な受信機としては、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータ等のコンピュータが挙げられる。いくつかの実施形態において、受信機は、Apple社によって製造されるApple Watch(登録商標)、iPhone(登録商標)、及びiPad(登録商標)とすることができる。さらなる実施形態において、システム102は、輸液デバイス等の薬物送達デバイスを患者の皮膚に適用する際に使用するように構成することができる。そのような実施形態において、システムは、センサの代わりに、またはそれに加えて、カテーテルを含むことができ、カテーテルは、液状薬剤または他の流体を送達するように構成された輸液ポンプに接続される。実施形態において、カテーテルは、例えば本明細書で説明されるようにセンサを展開するのとほぼ同じ方式で皮膚の中へ展開することができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、受信機は、電子装置ユニット500に機械的に結合されて、受信機が電子装置ユニット500からデータ(例えば、分析物データ)を受信することを可能にする。ユーザの利便性を高めるために、いくつかの実施形態において、受信機は、電子装置ユニット500に機械的に結合することを必要とせず、それでも、長距離にわたって(例えば、受信機が電子装置ユニット500から数フィート、さらには数マイルにあるときに)電子装置ユニット500からデータを受信することができる。
【0108】
使用中には、センサ200の感知部分を受容者の皮膚の下に配置することができ、センサ200の接点部分を電子装置ユニット500に電気的に接続することができる。電子装置ユニット500は、受容者の皮膚に固着させた粘着剤パッチに取り付けられた筐体と係合させることができる。
【0109】
皮膚上アセンブリ600は、好都合で安全な適用を提供するように適合されるアプリケータを使用して受容者に取り付けることができる。そのようなアプリケータはまた、電子装置ユニット500を基部に取り付けるために、受容者の皮膚を通してセンサ200を挿入するために、及び/またはセンサ200を電子装置ユニット500に接続するために使用することもできる。電子装置ユニット500が基部と係合され、センサ200が皮膚の中へ挿入された(そして、電子装置ユニット500に接続された)時点で、センサアセンブリは、アプリケータから取り外すことができる。
【0110】
連続分析物センサシステム100は、分析物の濃度を示す出力信号を提供するセンサ構成を含むことができる。出力信号(例えば、未処理のデータ、フィルタ処理したデータ、平滑化したデータ、及び/または別様に、変換したデータ等の、センサデータを含む)は、受信機に送信される。
【0111】
いくつかの実施形態において、分析物センサシステム100は、米国特許出願公開第US2011/0027127(A1)号で説明されるように、経皮グルコースセンサを含み、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、センサシステム100は、(例えば、米国特許第6,565,509号で説明されるように、米国特許第6,579,690号で説明されるように、米国特許第6,484,046号で説明されるように)連続グルコースセンサを含み、また、経皮センサを備える米国特許第6,565,509号、米国特許第6,579,690号、及び米国特許第6,484,046号の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0112】
いくつかの実施形態において、センサシステム100は、(例えば、米国特許第6,512,939号で説明されるように)連続グルコースセンサを含み、また、補充可能な皮下センサを備える。いくつかの実施形態において、センサシステム100は、(例えば、米国特許第6,477,395号で説明されるように、米国特許第6,424,847号で説明されるように)連続グルコースセンサを含み、また、血管内センサを備える。米国特許第6,512,939号、米国特許第6,477,395号、及び米国特許第6,424,847号の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0113】
本明細書で説明される実施形態と共に使用することに適した様々な信号処理技術及びグルコース監視システムの実施形態は、米国特許出願公開第US2005/0203360(A1)号及び米国特許出願公開第US2009/0192745(A1)号で説明され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。センサは、センサを皮膚上で維持することができる筐体を通して延在させることができ、また、センサの、電子装置ユニット500内に提供することができる、センサ電子装置への電気的接続部を提供することができる。
【0114】
いくつかの実施形態において、センサは、ワイヤから形成されるか、またはワイヤの形態である。ワイヤの遠位端部は、(ワイヤを受容者の組織の中へ挿入することを容易にするために)鋭利にして円錐形状を形成することができる。センサは、露出した細長い導電性コア(例えば、金属ワイヤ)または各々が導電性である場合もあり、もしくはそうでない場合もある1層、2層、3層、4層、5層、もしくはそれ以上の層の金属で被覆した細長い導電性コアなどの、細長い導電体を含むことができる。細長いセンサは、長くかつ細くすることができるが、それでも柔軟かつ強固である。例えば、いくつかの実施形態において、細長い導電体の最小寸法は、0.1インチ未満、0.075インチ未満、0.05インチ未満、0.025インチ未満、0.01インチ未満、0.004インチ未満、及び/または、0.002インチ未満である。
【0115】
センサは、円形断面を有することができる。いくつかの実施形態において、細長い導電体の断面は、卵形状、長方形、三角形、多角体、星形状、C字形状、T字形状、X字形状、Y字形状、不規則形状、または同類の形状とすることができる。いくつかの実施形態では、導電性ワイヤ電極がコアとして用いられる。そのような電極には、(例えば、電気的絶縁のために提供される介在絶縁層によって)1つまたは2つの追加的な導電層を追加することができる。導電層は、任意の適切な材料で構成することができる。特定の実施形態では、ポリマーまたは他の結合剤中に導電性粒子(すなわち、導電性材料の粒子)を含む導電層を用いることが望ましくなり得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、細長い導電体を形成するために使用される材料(例えば、ステンレス鋼、チタン、タンタル、プラチナ、プラチナ−イリジウム、イリジウム、特定のポリマー、及び/または同類の材料)は、強固かつ硬質にすることができ、したがって、破損に耐えることができる。例えば、いくつかの実施形態において、細長い導電体の最大引張強度は、80kPsiを超えかつ500kPsi未満であり、及び/または細長い導電体のヤング率は、160GPaを超えかつ220GPa未満である。細長い導電体の降伏強度は、60kPsiを超えかつ2200kPsi未満であり得る。
【0117】
電子装置ユニット500は、センサ200に解除可能に結合させることができる。電子装置ユニット500は、連続分析物センサデータの測定及び処理と関連付けられる電子回路を含むことができる。電子装置ユニット500は、センサデータの処理及び較正と関連付けられるアルゴリズムを行うように構成することができる。例えば、電子装置ユニット500は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第US2009/0240120(A1)号及び米国特許出願公開第US2012/0078071(A1)号で説明されるように、センサ電子装置モジュールの機能の様々な態様を提供することができる。電子装置ユニット500は、分析物センサ200等のグルコースセンサを介して分析物のレベルの測定を可能にする、ハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを含むことができる。
【0118】
例えば、電子装置ユニット500は、ポテンショスタット、センサ200に電力を供給するための電源、信号処理構成要素、データ記憶構成要素、ならびに電子装置ユニット500と1つ以上の受信機、リピータ、及び/またはデバイス110〜113等の表示デバイスとの間の一方向または双方向のデータ通信のための通信モジュール(例えば、テレメトリモジュール)を含むことができる。電子装置は、プリント回路基板(PCB)等に貼着され得、種々の形態をとり得る。例えば、電子装置は、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラ、及び/またはプロセッサ等の、集積回路(IC)の形態をとることができる。電子装置ユニット500は、データの記憶、データストリームの分析、分析物センサデータの較正、分析物値の推定、推定した分析物値と時間に応じて測定した分析物値との比較、推定した分析物値の変動の分析、及び同類のこと等の、センサ情報を処理するように構成されたセンサ電子装置を含むことができる。センサ分析物データを処理するためのシステム及び方法の例は、米国特許第7,310,544号、米国特許第6,931,327号、米国特許出願公開第2005/0043598(A1)号、米国特許出願公開第2007/0032706(A1)号、米国特許出願公開第2007/0016381(A1)号、米国特許出願公開第2008/0033254(A1)号、米国特許出願公開第2005/0203360(A1)号、米国特許出願公開第2005/0154271(A1)号、米国特許出願公開第2005/0192557(A1)号、米国特許出願公開第2006/0222566(A1)号、米国特許出願公開第2007/0203966(A1)号、及び米国特許出願公開第2007/0208245(A1)号でより詳細に説明され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
キーフォブリピータ110、医療用デバイス受信機111(例えば、インスリン送達デバイス及び/または専用のグルコースセンサ受信機)、スマートフォン112、ポータブルコンピュータ113、及び同類のもの等の、1つ以上のリピータ、受信機、及び/または表示デバイスは、(例えば、電子装置ユニット500からデータを受信するために)電子装置ユニット500に通信可能に結合させることができる。電子装置ユニット500は、伝送機と称することもできる。いくつかの実施形態において、デバイス110〜113は、電子装置ユニット500にデータを伝送する。センサデータは、センサ電子装置ユニット500から、キーフォブリピータ110、医療用デバイス受信機111、スマートフォン112、ポータブルコンピュータ113、及び同類のもの、のうちの1つ以上に伝送することができる。いくつかの実施形態において、分析物値は、表示デバイスに表示される。
【0120】
電子装置ユニット500は、任意の適切な通信プロトコルを介して、デバイス110〜113及び/または任意の数の追加的なデバイスと通信することができる。例示的な通信プロトコルとしては、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス、IEEE802.11、802.15、802.20、802.22、及び他の802通信プロトコルを含む、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信規格、ZigBee、無線(例えば、セルラ)電気通信、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、及び/または独自の通信プロトコルが挙げられる。
【0121】
追加的なセンサ情報は、米国特許第7,497,827号及び米国特許第8,828,201号で説明される。米国特許第7,497,827号及び米国特許第8,828,201号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0122】
本明細書で示される、または説明される任意のセンサは、分析物センサ、グルコースセンサ、及び/または任意の他の適切なセンサとすることができる。任意の実施形態の状況において説明されるセンサは、本明細書で説明される、または参照により組み込まれる任意のセンサとすることができる。したがって、例えば、
図7に示されるセンサ138は、分析物センサ、グルコースセンサ、本明細書で説明される任意のセンサ、及び参照により組み込まれる任意のセンサとすることができる。本明細書で示される、または説明されるセンサは、任意の分析物を感知し、測定し、検出し、及び/または該分析物と相互作用するように構成することができる。
【0123】
本明細書で使用される場合、「分析物」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、さらに、分析することができる生体液(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、尿、汗、唾液等)中の物質または化学成分を指すが、これらに限定されない。分析物としては、自然発生物質、人工物質、代謝物質、または反応生成物を挙げることができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、感知領域、デバイス、システム、及び方法による測定のための分析物は、グルコースである。しかしながら、他の分析物も同様に企図され、ケトン体、アセチルCoA、アカルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、アルファ−フェトプロテイン、アミノ酸プロファイル(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン)、アンドレノステンジオン、アンチピリン、アラビニトールエナンチオマー、アルギナーゼ、ベンゾイルエクゴニン(コカイン)、ビオチニダーゼ、ビオプテリン、c反応性タンパク質、カルニチン、カルノシナーゼ、CD4、セルロプラスミン、ケノデオキシコール酸、クロロキン、コレステロール、コリンエステラーゼ、コルチゾール、テストステロン、コリン、クレアチンキナーゼ、クレアチンキナーゼMMアイソザイム、サイクロスポリンA、d−ペニシラミン、デ−エチルクロロキン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、DNA(アセチル化多型、アルコール脱水素酵素、α1−抗トリプシン、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、分析物−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、Dパンジャブ、β−サラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV−1、HTLV−1、レーベル遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21−デオキシコルチゾール)、デスブチルハロファントリン、ジヒドロプテリジン還元酵素、ジフテリア/破傷風抗毒素、赤血球アルギナーゼ、赤血球プロトポルフィリン、エステラーゼD、脂肪酸/アシルグリシン、トリグリセリド、グリセロール、遊離β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン、遊離赤血球ポルフィリン、遊離チロキシン(FT4)、遊離トリ−ヨードチロニン(FT3)、フマリルアセトアセターゼ、ガラクトース/gal−1−リン酸塩、ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼ、ゲンタマイシン、分析物−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタチオン、グルタチオンペリオキシダーゼ、グリココール酸、グリコシル化ヘモグロビン、ハロファントリン、ヘモグロビン変異体、ヘキソサミニダーゼA、ヒト赤血球炭酸脱水酵素I、17−α−ヒドロキシプロゲステロン、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、免疫反応性トリプシン、乳酸塩、鉛、リポタンパク質((a)、B/A−1、β)、リゾチーム、メフロキン、ネチルマイシン、フェノバルビトン、フェニトイン、フィタン酸/プリスタン酸、プロゲステロン、プロラクチン、プロリダーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キニン、位トリ−ヨードチロニン(rT3)、セレン、血清膵臓リパーゼ、シソマイシン、ソマトメジンC、特異的抗体(アデノウイルス、抗核抗体、抗ゼータ抗体、アルボウイルス、オーエスキー病ウイルス、デング熱ウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ランブル鞭毛虫(Giardia duodenalisa)、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV−1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ、麻疹/流行性耳下腺炎/風疹、らい菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、熱帯熱マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸系発疹ウイルス、リケッチア(ツツガムシ病)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ原虫、梅毒トレポネーマ(Trepenoma pallidium)、クルーズ/ランゲルトリパノソーマ、水疱性口炎ウイルス(vesicular stomatis virus)、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス)、特異的抗原(B型肝炎ウイルス、HIV−1)、アセトン(例えば、スクシニルアセトン)、アセト酢酸、スルファドキシン、テオフィリン、チロトロピン(TSH)、チロキシン(T4)、チロキシン結合グロブリン、微量元素、トランスフェリン、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、尿素、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ、ビタミンA、白血球、及び亜鉛プロトポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
血液または腸液中二天然に存在する塩、糖、タンパク質、脂質、ビタミン、及びホルモンもまた、ある特定の実施形態において分析物を構成し得る。分析物は、生体液中に天然に存在し得るか、または内生的であり得、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体等である。あるいは、分析物は、体内に導入され得るか、または外生的であり得、例えば、撮像のための造影剤、放射性同位体、化学薬剤、フルオロカーボン系合成血液、または薬物もしくは薬学的組成物であり、インスリン、グルカゴン、エタノール、大麻(マリファナ、テトラヒドロカンナビノール、ハシッシュ)、吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、塩化炭化水素、炭化水素)、コカイン(クラックコカイン)、興奮剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、Ritalin、Cylert、Preludin、Didrex、PreState、Voranil、Sandrex、Plegine)、抑制剤(バルビツール酸塩、メタカロン、Valium、Librium、Miltown、Serax、Equanil、Tranxene等の精神安定剤)、幻覚剤(フェンシクリジン、リセルグ酸、メスカリン、ペヨーテ、シロシビン)、麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、Percocet、Percodan、Tussionex、Fentanyl、Darvon、Talwin、Lomotil)、デザイナードラッグ(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、及びフェンシクリジンの類似体、例えば、Ecstasy)、タンパク質同化ステロイド、ならびにニコチンが挙げられるが、これらに限定されない。薬物及び薬学的組成物の代謝産物もまた、企図される分析物である。例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3−メトキシチラミン(3MT)、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5−ヒドロキシトリプタミン(5HT)、及び5−ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)等の、神経化学物質及び体内で生成される他の化学物質等の分析物もまた、分析することができる。
【0126】
本明細書で説明される多数の実施形態は、粘着剤(例えば、
図7の粘着剤126)を使用する。粘着剤の1つの目的は、基部、センサモジュール、及び/またはセンサを受容者に(例えば、受容者の皮膚に)結合させることができることである。粘着剤は、皮膚に粘着させるように構成することができる。粘着剤は、(例えば、粘着剤と基部との間に位置付けられた)パッドを含むことができる。粘着剤パッドの情報を含む追加的な粘着剤の情報は、2015年8月25日に出願された米国特許出願第14/835,603号で説明される。米国特許出願第14/835,603号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
遠位の基部の場所
上で述べたように、システムは、皮膚上センサアセンブリを受容者の皮膚に適用することができる。システムは、グルコースセンサを皮膚に結合させる粘着剤を備える基部を含むことができる。
【0128】
いくつかのアプリケータにおいて、基部は、ユーザが針を基部と共に遠位に移動させるまで、アプリケータの奥深くに隠される。この手法に関する1つの難題は、(受容者の皮膚上の)挿入場所がセンサ及び/または針の挿入に対して理想的に準備されていないことである。例えば、アプリケータの遠位端部は、皮膚を押圧する輪とすることができる。皮膚に対するアプリケータの圧力は、輪内の皮膚の領域に凸形状を形成させることができる。加えて、輪内の皮膚は、容易に圧縮され過ぎる可能性があり、よって、皮膚の十分な弾力及び硬さが不足する。この状態において、センサ及び/または針は、皮膚を直ちに穿刺することなく、皮膚を下向きに押圧する場合があり、不適当なセンサ及び/または針の挿入をもたらし得る。
【0129】
いくつかの実施形態において、基部は、グルコースセンサが基部から遠隔に位置付けられ、かつ入れ子式アセンブリ内に位置付けられている間、基部がシステムの遠位端部から突出するように、入れ子式アセンブリに結合される。この構成は、基部が、(例えば、皮膚を圧縮することによって)皮膚の挿入場所にセンサ及び/または針を挿入するための準備をすることを可能にする。したがって、これらの実施形態は、センサ及び/または針の挿入の信頼性を劇的に改善することができ、一方で、センサ及び/または針の挿入と関連付けられる痛みを低減させる。
【0130】
システムは、グルコースセンサが基部に取り付けられないように、かつグルコースセンサを基部に対して移動させることができるように、グルコースセンサモジュールに対して遠位である位置に基部を保持することができる。グルコースセンサモジュールを基部に向かって遠位に移動させることは、グルコースセンサを基部に取り付けることができる。この移動は、アプリケータを圧縮した結果として起こり得る。
【0131】
図2は、皮膚上センサアセンブリ600(
図4に示される)の少なくとも一部分を受容者(例えば、人物)の皮膚に適用するためのアプリケータシステム104の斜視図を図示する。システムは、シェル120及びキャップ122を有する無菌バリアを含むことができる。キャップ122は、シェル120上へねじ込み、外部の汚染物質からシステム104の一部分を保護することができる。
【0132】
電子装置ユニット500(例えば、バッテリを有する伝送機)は、無菌バリアシェル120に着脱可能に結合させることができる。残りのアプリケータシステム104は、滅菌することができ、次いで、(電子装置ユニット500が、残りのアプリケータシステム104によって滅菌されないように)電子装置ユニット500を無菌バリアシェル120に結合させることができる。
【0133】
ユーザは、電子装置ユニット500を無菌バリアシェル120から取り外すことができる。ユーザはまた、アプリケータシステム104が(分析物感知のために)センサの少なくなくとも一部分を皮下位置に配置した後に、(
図6に示されるように)電子装置ユニット500を基部128に結合させることもできる。
【0134】
多数の異なる滅菌プロセスを、本明細書で説明される実施形態と共に使用することができる。無菌バリア120及び/またはキャップ122は、ガスの通過を阻止することができる(例えば、密閉封止することができる)。密閉封止体は、ねじ山140(
図3に示される)によって形成することができる。ねじ山140は、それらが変形して封止体を作成するように対応することができる。ねじ山140は、無菌バリアシェル120とキャップ122との間に位置付けることができる。
【0135】
キャップ122は、キャップ122及びシェル120のうちの一方がキャップ122及びシェル120のうちのもう一方よりも硬くなるように、ポリプロピレンで作製することができ、シェル120は、ポリカーボネートで作製することができる(逆も可能である)。この硬さ(または柔軟性)の違いは、構成要素の一方が変形して、ねじ山140の封止体を作成することを可能にする。
【0136】
いくつかの実施形態において、シェル120及びキャップ122のうちの少なくとも1つは、ガス透過性の材料を含み、滅菌ガスがアプリケータシステム104に進入することを可能にする。例えば、
図60の状況で説明されるように、システムは、カバー272hを含むことができる。
【0137】
以下、
図3を参照すると、ねじ山140は、4分の1回転、全回転の少なくとも15パーセント、及び/または全回転の少なくとも50パーセントで、キャップ122をシェル120から結合解除するように構成することができる。いくつかの実施形態は、ねじ山140を含まない。いくつかのねじ山付きの実施形態において、キャップ122は、(例えば、組み立て中に間)シェル120上へ均一に押し付けることができる。
【0138】
キャップ122は、キャップ122をシェル120から除去することが脆弱部材142を制動するように構成された脆弱部材142によって、シェル120に固定することができる。脆弱部材142は、プラスチックソーダ瓶の安全リング(脆弱部分を有する)のように構成することができる。プラスチックソーダ瓶からキャップを緩めることは、安全リングをソーダ瓶のキャップから分離させる。この手法は、不正の証拠を提供する。同様に、アプリケータシステム104は、(キャップ122をシェル122から除去することによって脆弱部材142が破壊されていることにより)不正の証拠を提供することができる。
【0139】
米国特許出願公開第US2013/0267811(A1)号、2015年5月15日に出願された米国特許出願公開第62/165,837号、及び2015年10月21日に出願された米国特許出願第62/244,520号は、アプリケータシステムの実施形態に関する追加的な詳細を含む。米国特許出願公開第US2013/0267811(A1)号、米国特許出願公開第62/165,837号、及び米国特許出願第62/244,520号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0140】
図3は、システム104の断面図を図示する。グルコースセンサモジュール134は、グルコースにセンサ138を基部128(例えば、「筐体」)に結合させるように構成される。入れ子式アセンブリ132は、グルコースセンサモジュール134が基部128に対して近位に、かつ基部128から遠位に位置付けられるように、近位開始位置に位置付けられる。入れ子式アセンブリ132は、入れ子式アセンブリ132を押し縮めることが、1つ以上の機械的相互係止(例えば、スナップ嵌め、干渉特徴)を介して、グルコースセンサモジュール134を基部128に接続するように構成される。
【0141】
無菌バリアシェル120は、入れ子式アセンブリ132に結合される。キャップ122を除去した後に、システム104は、(システム104の遠位部分が皮膚に押圧されている間)無菌バリアシェル120を遠位に圧縮することがセンサ138(
図4に示される)を受容者の皮膚の中へ挿入して、経皮グルコース分析物センサ138を配置するように構成される。本明細書で示される多数の図面において、無菌バリアシェル120及びキャップ122は、他の特徴をより明確にするために隠されている。
【0142】
入れ子式アセンブリ132を押し縮めることはまた、以前に基部の遠位端部に対して近位に位置付けられたグルコースセンサ138の少なくとも2.5ミリメートルが基部128から遠位に突出するように、基部128の孔を通してグルコースセンサ138の少なくとも2.5ミリメートルを押し出す。したがって、いくつかの実施形態において、基部128は、入れ子式アセンブリ132の遠位部分に対して静止した状態を維持することができ、一方で、入れ子式アセンブリ132の押し縮め運動は、グルコースセンサモジュール134を基部128に向かって移動させ、次いで、センサモジュール134を基部128に結合させる。
【0143】
センサモジュール134と基部128との相対運動は、(例えば、皮膚を圧縮することによって)基部が皮膚の挿入場所にセンサ及び/または針を挿入するための準備をすること可能にすること等の、多数の利点を有する。基部128の開始位置はまた、基部128が、アプリケータシステム104内部に位置付けられ得る針から人々を保護することも可能にする。例えば、基部128が入れ子式アセンブリの近位開始位置においてセンサモジュール134に直接結合された場合、針は、基部128から遠位に突出し得る。露出した針は、潜在的に危険であり得る。対照的に、基部128の遠位開始位置は、基部128が、不用意な針の挿入から人々を保護することを可能にする。針の保護は、特に介護者(
図4に示される皮膚上センサアセンブリ600の対象となる受容者ではない)にとって重要である。
【0144】
図4は、基部128を含む皮膚上センサアセンブリ600の斜視図を図示する。粘着剤126は、基部128を受容者の皮膚130に結合させることができる。粘着剤126は、皮膚粘着に適した発泡粘着剤とすることができる。グルコースセンサモジュール134は、グルコースセンサ138を基部128に結合させるように構成される。
【0145】
アプリケータシステム104(
図2に示される)は、粘着剤126を皮膚130に結合させることができる。システム104はまた、グルコースセンサモジュール134を基部128に固定して(例えば、スナップ嵌め及び/または干渉特徴等の機械的相互係止を介して結合させて)、グルコースセンサ138が基部128に結合されることを確実にする。したがって、粘着剤126は、グルコースセンサ138を受容者の皮膚130に結合させることができる。
【0146】
グルコースセンサモジュール134が基部128に結合された後、ユーザ(またはアプリケータ)は、スナップ嵌め及び/または干渉特徴等の機械的相互係止を介して、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)を基部128に結合させることができる。電子装置ユニット500は、グルコースセンサ138によって感知されるグルコース指標を測定及び/または分析することができる。電子装置ユニット500は、情報(例えば、測定値、分析物データ、グルコースデータ)を、遠隔に位置付けられたデバイス(例えば、
図1に示される110〜113)に伝送することができる。
【0147】
図5は、スナップ嵌め及び/または干渉特徴等の機械的相互係止を介して、基部128に結合された電子装置ユニット500の斜視図を図示する。基部128の遠位面上の粘着剤126は、センサアセンブリ600を皮膚に結合させるように構成される。
図6は、基部128に結合された電子装置ユニット500の別の斜視図を図示する。
【0148】
図1〜
図6の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、多数の実施形態は、
図4に示される皮膚上センサアセンブリ600を使用することができ、また、
図2に示される無菌バリアシェル120を使用することができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。方法の任意の態様または実施形態は、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、システムの任意の態様または実施形態は、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0149】
図7〜
図11は、
図3からのアプリケータシステム104の断面図を図示する。
図7〜
図11では、入れ子式アセンブリ132をより容易に考察するために、無菌バリアシェル120及びキャップ134が隠されている。
【0150】
入れ子式アセンブリ132は、皮膚上センサアセンブリ600を受容者の皮膚(
図4に示される)に適用するためのシステムの一部である。入れ子式アセンブリ132は、システムの一部分を受容者に適用することができる。システムの追加的な一部分は、アプリケータシステム104がセンサアセンブリ600の初期部分を受容者に結合させた後に、皮膚上センサアセンブリ600に追加することができる。例えば、
図4に示されるように、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)は、アプリケータシステム104(
図3に示される)が基部128、グルコースセンサモジュール134、及び/またはグルコースセンサ138を受容者の皮膚130に結合させた後に、皮膚上センサアセンブリ600に結合させることができる。
【0151】
いくつかの実施形態において、アプリケータシステム104(
図3に示される)は、以下の品目、すなわち、電子装置ユニット500、グルコースセンサモジュール134、グルコースセンサ138、基部128、及び粘着剤126、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、及び/または全てを受容者の皮膚に結合させる。電子装置ユニット500は、アプリケータシステム104が電子装置ユニット500を受容者の皮膚に結合させるように構成されるように、アプリケータシステム104の内部に位置付けることができる。
【0152】
図7は、経路154に沿って近位開始位置から遠位位置まで第2の部分152(例えば、「針ガード」)に対して遠位に移動するように構成された第1の部分150(例えば、「プッシャ」)を有する、入れ子式アセンブリ132を図示する。
図7は、近位開始位置における入れ子式アセンブリ132を図示する。
図8は、近位開始位置と遠位位置との間を移動する入れ子式アセンブリ132を図示する。
図11は、遠位位置における入れ子式アセンブリ132を図示する。経路154(
図7に示される)は、近位開始位置と遠位位置との間の行程を表す。
【0153】
第1の一組の品目は、第1の部分150に対して不動とすることができ、第2の一組の品目は、第1の一組の品目が第2の一組の品目に対して移動している間、第2の部分152に対して不動とすることができる。
【0154】
以下、
図7を参照すると、グルコースセンサ138及びセンサモジュール134は、(例えば、経路154の近位部分の間、それらが第1の部分150に対して不動であるように)第1の部分の150に結合される。基部128は、基部128がシステムの遠位端部から突出する(例えば、基部が入れ子式アセンブリ132の遠位端部から突出する)ように、第2の部分152に結合に結合される。基部128は、(例えば、グルコースセンサ138の少なくとも一部分が基部128に強固に結合された後に)最終的にグルコースセンサ138を皮膚に結合させるように構成された粘着剤126を備える。
【0155】
図7において、グルコースセンサ138及びセンサモジュール134は、システムが第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることを介してグルコースセンサ138を基部128に結合させるように構成されるように、基部128がシステムの遠位端部から(例えば、入れ子式アセンブリ132の遠位端部から)突出している間、第2の部分152内に位置付けられる。
図7〜
図11に示される進行は、第2の部分152に対して第1の部分150を遠位に移動させることを図示する。
【0156】
センサモジュール138は、(上で説明したように)第1の部分150を遠位位置まで移動させることがセンサモジュール134を基部128に結合させるように、第1の部分150の遠位部分に結合される。グルコースセンサ138は、第1の部分150が近位開始位置に位置付けられている間、センサモジュール134に結合される(例えば、センサモジュール134に対して不動である)。グルコースセンサ138は、遠位突出部分及び近位部分を含むことができる。近位部分は、遠位突出部分をセンサモジュール134に対して屈曲させることができる場合であっても、近位部分がセンサモジュール134に対して移動することができないように、センサモジュール134に強固に結合させることができる。
【0157】
針156(例えば、「C字形状の」針)は、グルコースセンサ138及び針156が基部128に対して、かつ第2の部分152に対して遠位に移動するように、第1の部分150に結合される。システムは、針156を近位に格納するように構成された針解除機構158をさらに備えることができる。
【0158】
針156は、多数の異なる形態を有する。多数の異なる種類の針156を、本明細書で説明される実施形態と共に使用することができる。
図51〜
図55は、本明細書で説明される実施形態のいずれかと共に使用することができる様々な針の実施形態を図示する。
【0159】
針156は、センサ138を受容者の皮膚の中へ誘導することができる。センサ138の遠位部分は、(
図42に示されるように)針156のチャネル内に位置付けることができる。あるときには、センサ138の遠位端部は、センサ138及び針156が受容者に挿入されるにつれて、針156から突出して、受容者の組織に引っ掛かる。その結果、センサ138が歪み、皮下組織の中へ十分深く挿入できない場合がある。換言すれば、いくつかの実施形態において、センサワイヤは、組織の中へ誘導されるC字形状の針156のチャネル内に配置されなければならず、また、展開中にチャネル330内に保持されなければならない。
【0160】
センサ138がチャネル330から突出する(それによって、受容者の中へ適切に挿入することできない)という危険性は、
図51に図示される実施形態によって大幅に減少させることができる。この実施形態において、粘着剤376は、グルコースセンサ138の遠位部分を針156のチャネル330に接着させる。針156を格納することは、粘着剤376の接着を破壊して、針156が格納されている間(さらに、針156が格納された後に)、センサ138の遠位部分が皮下の場所にとどまることを可能にすることができる。
【0161】
センサ138がチャネル330から突出する(それによって、受容者の中へ適切に挿入することできない)という危険性は、
図52及び
図53に図示される実施形態によって大幅に減少させることができる。この実施形態において、針156aは、それはスロット378によって分離することができる2つの側部を備える。センサ138は、針156aの2つの側部が(スロット378を広げるように)離れて移動するまでセンサ138がチャネル330aから出てくることができないように、スロット378の幅よりも広い幅を有することができる。
【0162】
図54に図示される実施形態は、本明細書で説明される他の実施形態のいずれかと共に使用することができる。針156bは、チャネル330bの遠位端部にランプ部380を含む。針156bの遠位端部は、円錐先端382を含むことができる。ランプ部380は、針156bが入れ子式アセンブリ132(
図7に示される)の中へ格納されるにつれて、センサ138を針156bのチャネル330bから押し出すように構成することができる。
【0163】
図55は、
図7において、または本明細書で説明される任意の他の実施形態において針156として使用することができる、異なる針156c、156d、156e、156fの断面図を図示する。針156cは、密封チャネル330cを含む。針156d、156e、156fは、C字形状の針であるが、いくつかの実施形態において、多数の他のC字形状の針を使用することができる。針156dの端部は、互いに対して角度をなすことができる。いくつかの実施形態において、針の端部は、156dによって示されるように対向する様式で、互いから離れて角度をなすことができる。いくつかの実施形態において、針の端部は、広がり縁部を有することができ、広がり縁部は、センサが鋭利な縁部と接触することを防止するために丸みが付けられる。針156eの端部は、互いに対して平行及び/または平坦とすることができる。チャネル330fの外側部分は、(他の針156d、156eの場合のように湾曲壁によってではなく)直線状及び/または互いに対して平行である壁によって形成することができる。いくつかの針156dは、レーザー切断を介して製造することができ、いくつかの針156eは、ワイヤ放電加工(「EDM」)を介して製造することができ、いくつかの針156fは、打ち抜き加工を介して製造することができる。
【0164】
図7に示されるように、針ハブ162は、針156に結合される。針ハブは、外方へ突出する解除特徴160を含む。いくつかの実施形態において、解除特徴は、1つ、2つ、またはそれ以上のフレキシブルアームを含むことができる。解除特徴160の外方縁部164は、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることが針格納機構158を解除点まで遠位に移動させるように、第1の部分150の内方に面するオーバーハング166(例えば、アンダーカット、デテント)に引っ掛かる。
【0165】
解除点において、第2の部分152の近位突出部170は、解除特徴160に係合し(
図9に示される)、これは、解除特徴160が第1の部分150のオーバーハング166にもはや引っ掛からなくなるまで、解除機構160を内方へ屈曲させる(
図10に示される)。解除特徴160が第1の部分150のオーバーハング166にもはや引っ掛からなくなると、針が基部128から遠位にもはや突出しなくなり、入れ子式アセンブリ132の内部に完全に隠されるまで、針格納機構158のばね234が、針156及び針ハブ162を、第1の部分150に対して、かつ第2の部分152に対して近位に押す(
図11に示される)。
【0166】
針156は、針を含まない実施形態を作製するために、
図7に図示される実施形態から除去することができる。したがって、針156は、いくつかの実施形態において使用されない。例えば、グルコースセンサ138の遠位端部は、円錐形状で形成して、針156を使用することなく、グルコースセンサ138を皮膚の中へ挿入することを可能にすることができる。別途注記のない限り、本明細書で説明される実施形態は、針156の有無にかかわらず形成することができる。
【0167】
いくつかの実施形態において、針は、グルコースセンサ138(例えば、グルコースセンサの少なくとも遠位の一部分)を皮膚の中へ誘導することを補助することができる。いくつかの実施形態において、針は、システムの一部ではなく、また、グルコースセンサ138を皮膚の中へ誘導することを補助するために使用されない。針の実施形態及び針のない実施形態において、皮膚の穿刺は、重要な考慮事項である。皮膚に適切に穿刺できないことは、グルコースセンサ138の不適当な配置につながり得る。
【0168】
グルコースセンサ138及び/または針156によって皮膚に穿刺する前に皮膚に張力を付与することは、グルコースセンサ138の適切な配置を達成することの安定性を劇的に改善することができる。グルコースセンサ138及び/または針156によって皮膚に穿刺する前に、及び皮膚に穿刺する瞬間に、遠位突出形状(例えば、凸形状)によって皮膚を圧縮することによって、皮膚に張力を付与することを達成することができる。
【0169】
図12Aは、
図7に示される断面の一部分を図示する。基部128は、第2の部分152に対して(及び残りの入れ子式アセンブリ132に対して)遠位に位置付けられた、任意選択的な遠位に面する突出部174を含む。遠位突出部174は、凸状であり、また、ドーム状に形成される。いくつかの実施形態において、遠位突出部174が有するは、ブロック形状、星形状、及び円筒形状を有する。基部128のいくつかの実施形態は、突出部174を含まない。
【0170】
遠位突出部174は、基部128の任意の他の部分よりも遠位に位置付けることができる。遠位突出部174は、孔176を通って粘着剤126(
図5にも示される)内に延在させることができる。凸状突出部174の遠位部分は、粘着剤126に対して遠位に位置付けることができ、一方で、凸状突出部174の近位部分は、粘着剤126に対して近位に位置付けることができる。
【0171】
遠位突出部174は、針156及び/またはグルコースセンサ138が通過することができる孔180を有する。遠位突出部174は、遠位突出部174が穿刺に対する皮膚の抵抗を低減させるように構成されるように、皮膚を圧縮することができる。
【0172】
図12Bは、以下の特徴を除いて、
図7及び
図12Bに図示される基部128と同じである、基部128bの断面図を図示する。基部128bが突出部174を含まない。基部128bが孔180bの遠位側部上にファンネル186(例えば、丸み)を含む。
【0173】
図12Aに示される実施形態と同様に、センサ138(例えば、分析物センサ)及び/または針156(
図12Aに示される)は、孔180b(
図12Bに示される)を通過することができる。ファンネル182、186は、互いの鏡像とすることができ、または異なる形状とすることができる。基部128bは、本明細書で説明される実施形態のいずれかと共に使用することができる。
【0174】
図13は、粘着剤126の一部分の斜視図を図示する。針156は、多数の異なる形状及び断面を有する。いくつかの実施形態において、針156は、グルコースセンサ138の少なくとも一部分を配置することができるスロット184(例えば、
図42及び
図43に示されるチャネル330)を含む。
【0175】
スロット184を有する針156は、遠位突出部の孔180及び粘着剤126の孔176を通過する。グルコースセンサ138の一部分は、針156がグルコースセンサ138の一部分をスロット184から押しのけることなく基部128(
図12Aに示される)に対して遠位に移動するように構成されるように、スロット184内に位置付けられる。遠位突出部174は、入れ子式アセンブリ132(
図7に示される)の第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動して皮膚に穿刺するための準備をしている間、遠位突出部174が皮膚に張力を付与するように構成されるように、凸状である。
【0176】
上で述べたように、粘着剤126は、基部128の遠位突出部174の少なくとも一部分が通過することができる孔176を備える。遠位突出部174が(例えば、孔176の下に位置付けられた)第2の孔内で皮膚の少なくとも一部分に張力を付与することができるように、遠位突出部174は、粘着剤126の孔176内に位置付けられる。孔176は、円形状または任意の他の適切な形状とすることができる。孔176は、遠位突出部174の少なくとも大部分が孔176を通って延在するようにサイズ決定することができる。孔176の外周は、孔176の外周が遠位突出部174を残りの基部128と接続する突出部174の外周に対して半径方向外方に位置付けられるように、突出部174の外側に位置付けることができる。
【0177】
いくつかの実施形態において、粘着剤126の孔176は、粘着剤126が遠位突出部174のいずれも覆わないほどの十分な大きさである。いくつかの実施形態において、粘着剤126は、遠位突出部174の少なくとも一部分、さらにはその大部分を覆う。したがって、粘着剤126は、平面である必要はなく、また、遠位突出部174の上の領域において遠位に隆起させることができる。
【0178】
いくつかの実施形態において、粘着剤126は、針出口領域からさらに半径方向外側の他の領域よりも針出口領域を取り囲む領域において粘着剤126の厚さが厚くなるように、不均一な厚さを有する。したがって、遠位突出部174は、基部128の一部ではなく、粘着剤126の一部とすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、基部128が粘着剤126を備え、遠位突出部174を基部128のプラスチックによって、または基部128の発泡粘着剤126によって形成することができる。
【0179】
針156は、遠位端部198と、ヒール194とを含む。ヒール194は、針の先端部の角度部分の近位端部である。角度部分の目的は、鋭利な端部を形成して、組織の穿通を容易にすることである。センサ138は、遠位端部208を有する。
【0180】
針156及びセンサ138の組織の中への挿入中に、最初に針156及びセンサ138がシステムから遠位に突出するにつれて、及び/または針156及びセンサ138が入れ子式アセンブリ内に位置付けられている間、センサ138の端部208を、ヒール194から少なくとも0.1mmミリメートル近位に、ヒール194から少なくとも1ミリメートル近位に、ヒール194から少なくとも3ミリメートル近位に、及び/もしくはヒール194の±5ミリメートル以内に位置付けることができ、ならびに/またはセンサ138の端部208を、針156の遠位端部198から少なくとも0.3ミリメートル近位に、及び/もしくは遠位端部198から2ミリメートル未満近位に位置付けることができる。
【0181】
以下、
図12Aを参照すると、遠位突出部174は、粘着剤126の遠位面から少なくとも0.5ミリメートルかつ5ミリメートル未満突出させることができる。粘着剤126が非平面の遠位表面を有する実施形態において、遠位突出部174は、粘着剤126の平均の遠位場所から少なくとも0.5ミリメートルかつ5ミリメートル未満突出させることができる。
【0182】
上で説明したように、いくつかの実施形態において、基部は、グルコースセンサが基部から遠隔に位置付けられ、かつ入れ子式アセンブリ内に位置付けられている間、基部がシステムの遠位端部から突出するように、入れ子式アセンブリに結合される。しかしながら、他の実施形態において、基部は、第1の部分が入れ子式アセンブリの第2の部分に対して遠位に移動するにつれて、基部が入れ子式アセンブリの内部に完全に位置付けられ、かつ基部がセンサと共に遠位に移動するように、入れ子式アセンブリに結合される。
【0183】
例えば、
図59は、入れ子式アセンブリ132fの第1の部分150が近位開始位置に位置付けられている間、センサモジュール134に、かつセンサ138に結合された基部128を図示する。基部128は、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動するにつれて、遠位に移動する。基部128は、第1の部分150が近位開始位置に位置付けられている間、第1の部分150の遠位端部分に結合させることができる。本明細書で説明される特徴及び実施形態の全ては、
図59の状況で説明される基部128の位置決めと共に構成し、使用することができる。
【0184】
本明細書で説明される実施形態の全ては、第1の部分が入れ子式アセンブリの第2の部分に対して遠位に移動するにつれて、基部が入れ子式アセンブリの内部に完全に位置付けられ、かつ基部がセンサと共に遠位に移動するように、入れ子式アセンブリに結合された基部と共に使用することができる。本明細書で説明される実施形態の全ては、グルコースセンサが基部から遠隔に位置付けられ、かつ入れ子式アセンブリ内に位置付けられている間、基部がシステムの遠位端部から突出するように、入れ子式アセンブリに結合された基部と共に使用することができる。
【0185】
センサモジュールドッキング及び基部の取り外し
上で説明したように、センサ及び/または針の挿入中に、皮膚に対して基部を維持することは、かなりの医療的な利点を可能にする。しかしながら、皮膚に対して基部を維持することは、挿入プロセス中に、センサを基部に対して移動させることが必要であり得る。挿入された時点で、センサを基部に結合させて、センサが基部から不注意に押しのけることを防止する必要がある。したがって、(ユーザに対して過度な負担になることなく)センサを基部に対して移動させることを可能にし、さらに、センサを基部に係止することを可能にするシステムに対する必要性が存在する。
【0186】
センサ及び/または針の遠位移動中に、皮膚に対して基部を維持することは、センサ(及びセンサモジュール)を入れ子式アセンブリの第1の部分に固定し、かつ基部を入れ子式アセンブリの第2の部分に固定する独特の結合システムによって、多数の実施形態において可能になる。入れ子式アセンブリの第2の部分に向かって第1の部分を移動させることは、一時的にセンサを保持する間、センサを基部と整列させることができる。次いで、システムは、センサを基部に結合させることができる。最後に、システムは、基部及びセンサを入れ子式アセンブリ(使い捨てとするか、または異なるセンサと共に再使用可能とすることができる)から取り外すことができる。
【0187】
図4に図示されるように、センサモジュール134及びグルコースセンサ138は、最初は、基部128に結合されない。センサモジュール134及びグルコースセンサ138を、入れ子式アセンブリ132を圧縮することを介して、かつ基部128を入れ子式アセンブリ132から取り外す前に、基部128に結合させることは、かなりの難題であり得るが、本明細書で説明される実施形態の多くによって可能になる。
【0188】
図7及び
図14に図示されるように、センサモジュール134(及びグルコースセンサ138)は、それらが入れ子式アセンブリ132を介して間接的に結合される場合であっても、基部128から遠隔に位置付けることができる。換言すれば、センサモジュール134(及びグルコースセンサ138)は、基部128が入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に結合されている間、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150に結合させることができる。この状態において、センサモジュール134及びグルコースセンサ138は、(例えば、センサモジュール134及びグルコースセンサ138が、経路に沿って近位開始位置から遠位位置まで移動して、センサモジュール134及びグルコースセンサ138を基部128に「ドッキングする」ように)基部128に対して移動させることができる。
【0189】
センサモジュール134及びグルコースセンサ138を基部128と「ドッキングさせた」後に、システムは、入れ子式アセンブリ132から基部128を取り外して、センサモジュール134、グルコースセンサ138、及び基部128を粘着剤126によって皮膚に結合させ、一方で、入れ子式アセンブリ132及びシステムの他の部分を廃棄することを可能にすることができる。
【0190】
図7に示されるように、センサモジュール134は、第1の部分150が近位開始位置にある間、第1の部分150に結合され、また、基部128から少なくとも5ミリメートルに位置付けられる。システムは、(
図11に示されるように)第1の部分150を遠位位置の方へ移動させることがセンサモジュール134を基部128に結合させるように構成される。グルコースセンサ138は、第1の部分150が近位開始位置に位置付けられている間、センサモジュール134に結合される。グルコースセンサ138は、基部128がシステムの遠位端部から突出している間、第2の部分152内に位置付けられる。
【0191】
矢印188は、
図7における近位方向を図示する。矢印190は、
図7における遠位方向を図示する。線172は、水平方向を図示する。本明細書で使用される場合、水平とは、中心軸196に対する垂直の±20度以内を意味する。
【0192】
図15は、
図7に示されるシステムの一部分の断面の斜視図を図示する。断面は、基部128の孔180を通して切断している。可視部分は、センサモジュール134と、センサ138と、封止体192と、針156と、基部128と、粘着剤126とを含む。センサモジュール134は、近位開始位置にある。封止体192は、流体(例えば、体液)がグルコースセンサモジュール134に進入することを阻止するように構成される。
【0193】
グルコースセンサ138は、センサモジュール134に機械的に結合される。グルコースセンサ138は、センサモジュール134の内側部分の中へ延び、また、センサモジュール134の内側部分において相互接続部に電気的に結合される。
図15では、センサモジュール134の内側部分の中のグルコースセンサ138の近位部分をより容易に視認するために、相互接続部が隠されている。また、
図15では、可視部分の明瞭な観察を可能にするために、システムの多数の他の部分も隠されている。
【0194】
多数の実施形態において、センサモジュール134は、下でさらに詳細に説明されるスナップ嵌めを介して、センサモジュール134が基部128にスナップするまで、
図15に示される位置から移動する。
図11は、基部128にスナップされたセンサモジュール134を図示する。近位開始位置から「ドッキングした」位置までのこの移動は、(
図7に示され、
図7〜
図11において進行が図示される)経路154に沿って移動することによって達成することができる。(経路154を表す矢印は、必ずしも一定の比率で描かれているわけではない。)
【0195】
以下、
図7及び
図15を参照すると、センサモジュール134は、経路154の第1の部分の間、第1の部分150に対して不動であり、基部128は、入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に対して不動である。システムは、経路154の第2の部分の間、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させ、センサモジュール134を基部128に向かって移動させ、センサ138の一部分を基部128の孔180を通して移動させ、センサモジュール134を基部128に結合させ、そして、結合させたセンサモジュール134及び基部128を入れ子式アセンブリ132から取り外すことを可能にするように構成される。
【0196】
図7は、システムの近位端部から遠位端部に配向された垂直中心軸196を図示する。(
図7では、経路154を表す矢印を不明瞭にすることを回避し、また、針156を不明瞭にすることを回避するために、中心軸196の一部が隠されている。)
【0197】
図15は、センサモジュール134のフレックスアーム202を図示する。フレックスアーム202は、水平に配向され、また、センサモジュール134を基部128の突出部に固定するように構成される。いくつかの実施形態において、フレックスアーム202は、基部128に対してセンサモジュール134の回転を防止する、及び/または妨げるための整列アームである。
【0198】
図16は、フレックスアーム202を介して、センサモジュール134が基部128に結合された断面斜視図を図示する。相互接続部204は、近位に突出して、センサモジュール134を電子装置ユニット500(例えば、伝送機)に接続する。
【0199】
以下、
図15及び
図16を参照すると、フレックスアーム202は、センサモジュール134の外周部から延在する。基部128は、基部128の平面の水平部分から延在する突出部206を備える。
【0200】
以下、
図16を参照すると、基部128の近位突出部206の各々は、センサモジュール134のフレックスアーム202に結合される。したがって、近位突出部206のフレックスアーム202への結合は、センサモジュール134を基部128に結合させる。
【0201】
各近位突出部206は、各近位突出部206の中心軸から少なくとも45度の角度で延在する、係止突出部212を含むことができる。いくつかの実施形態において、係止突出部212は、(例えば、
図15に示されるように)水平に延在する。各水平係止突出部212は、フレキシブルアーム202の端部分210に結合される。
【0202】
各フレキシブルアーム202の端部分210は、フレキシブルアーム202の大部分の中心軸に対して45度を超え、かつ135度未満の角度で延在させることができる。各フレキシブルアーム202の端部分210は、(例えば、
図15に示されるように)水平係止突出部を含むことができる。
【0203】
図15及び
図16において、第1の水平係止突出部は、第1のフレキシブルアーム202の端部分210に結合される。第2の水平係止突出部212は、基部128の第1の近位突出部206に結合される。
図16において、第1の水平係止突出部は、第2の水平係止突出部212の下で遠位に位置付けられて、センサモジュール134を基部128に固定する。システムは、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150を遠位位置(
図11に示される)まで移動させることが第1のフレックスアーム202を屈曲させて、フレックスアーム202の第1の水平係止突出部が第2の水平係止突出部212に対して遠位に移動することを可能にするように構成される。したがって、フレックスアーム202は、係止突出部212と基部128の遠位面との間に固定される。
【0204】
フレックスアーム202の少なくとも一部分(例えば、端部分210)は、基部128の水平係止突出部212の下で遠位に位置付けられて、センサモジュール134を基部128に固定する。システムは、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150を遠位位置まで移動させることがフレックスアーム202(例えば、端部分210)を残りのセンサモジュール134から(例えば、外方へ)屈曲させて、フレックスアーム202の水平係止突出部が近位突出部206の係止突出部212の周囲を進むことを可能にするように構成される。したがって、フレックスアーム202の少なくとも一部分は、基部128の近位突出部206の水平係止突出部212に対して遠位に移動させることができる。
【0205】
センサモジュール134は、複数のフレックスアーム202を有することができ、基部は、センサモジュール134を基部128に結合させるように構成された複数の近位突出部206を有することができる。いくつかの実施形態において、第1のフレックスアーム202は、(例えば、
図15及び
図16に示されるように)第2のフレックスアーム202に対してセンサモジュール134の反対側に位置付けられる。
【0206】
いくつかの実施形態において、基部128は、(例えば、
図15及び
図16に示されるフレックスアーム202のように)フレックスアームを備え、センサモジュール134は、基部128のフレックスアームに結合させる突出部を備える。センサモジュール134の突出部は、いくつかの実施形態において突出部が基部128のフレックスアームに向かって遠位に延在することを除いて、
図15及び
図16に示される突出部206と類似し得る。したがって、基部128は、基部128またはセンサモジュール134がフレックスアームを含むかどうかにかかわらず、フレックスアーム及び噛合突出部によってセンサモジュール134に結合させることができる。
【0207】
いくつかの実施形態において、センサモジュールは、グルコースセンサに結合される。システムは、システムの近位端部から遠位端部に配向された垂直中心軸を備える。基部は、水平に配向され、かつセンサモジュールに結合された第1のフレックスアームを備える。センサモジュールは、第1のフレックスアームに結合されて、センサモジュールを基部に結合させる、第1の遠位突出部を備える。第1の水平係止突出部は、第1のフレキシブルアームの端部分に結合される。第2の水平係止突出部は、センサモジュールの第1の遠位突出部に結合される。第2の水平係止突出部は、第1の水平係止突出部の下で遠位に位置付けられて、センサモジュールを基部に固定する。システムは、入れ子式アセンブリの第1の部分を遠位位置まで移動させることが第1のフレックスアームを屈曲させて、第2の水平係止突出部が第1の水平係止突出部に対して遠位に移動することを可能にするように構成される。センサモジュールは、基部の第2のフレックスアームに結合された第2の遠位突出部を備える。第1の遠位突出部は、第2の遠位突出部に対してセンサモジュールの反対側に位置付けられる。
【0208】
センサモジュール134を基部128にドッキングさせることは、第1の部分150が基部128に向かってセンサモジュール134を移動させる間、センサモジュール134を入れ子式アセンブリ132の第1の部分150に固定することを含むことができる。このセンサモジュール134を入れ子式アセンブリ132の第1の部分150に固定することは、信頼性が高いことを必要とするが、センサモジュール134は、適切な段階で第1の部分150から取り外すことができるように一時的である。センサモジュール134を入れ子式アセンブリ132の第1の部分150に固定する構造は、一般に、ドッキングプロセスを妨げることを回避することを必要とする。
【0209】
図17は、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150の断面図を図示する。
図17は、グルコースセンサモジュール134及び針156を示す。いくつかの実施形態は、針156を含まない。
図17では、第1の部分150のフレックスアーム214、216の明瞭な観察を提供するために、多数の品目が隠されている。
【0210】
第1の部分150は、第1のフレックスアーム214及び第2のフレックスアーム216を備え、第1の位置150が近位開始位置(
図7に示される)にある間、該アームは、遠位に突出し、センサモジュール134の上へラッチ係合して、センサモジュール134を第1の位置150に解除可能に固定する。フレックスアーム214、216は、フレックスアーム214、216の遠位端部がセンサモジュール134の遠位面に巻き付くように、センサモジュール134の外周部に結合させることができる。いくつかの実施形態において、フレックスアーム214、216の遠位端部は、第1の部分150が近位開始位置にある間、センサモジュール134の遠位に位置付けられる。
【0211】
図17では、基部128が隠されているが、
図17に図示される状態において、センサモジュール134は、第1の部分150が近位開始位置にある間、基部128から遠隔に位置付けられて、センサモジュール134から基部128まで少なくとも3ミリメートルの距離を提供する。この距離は、経皮挿入中に針156及び/またはグルコースセンサ138が皮膚を穿刺し、皮膚の中へ進むときに、基部を皮膚上に静置することを可能にするために重要であり得る。
【0212】
以下、
図7及び
図17を参照すると、センサモジュール134は、システムが第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることを介してセンサモジュール134を基部128に結合するように構成されるように、基部128がシステムの遠位端部から突出している間、第2の部分152内に位置付けられる。センサモジュール134は、センサモジュール134が入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に対して移動可能な場合であっても、基部128がシステムの遠位端部から突出している間、第2の部分152内に位置付けられる。したがって、第1の部分150は、第2の部分152の内部領域を通して基部128を移動させることなく、入れ子式アセンブリ132の第2の部分152の内部領域を通してセンサモジュール134を移動させる。
【0213】
システムは、システムの近位端部から遠位端部に配向された垂直中心軸196を備える。第1の部分150の第1のフレックスアーム214及び第2のフレックスアーム216は、センサモジュール134が(垂直中心軸196に沿って測定される)第1の垂直保持強度で第1の部分150に解除可能に係合されるように、センサモジュール134を第1の部分150に固定する。
【0214】
図15及び
図16に示されるように、センサモジュール134は、センサモジュール134が第2の垂直保持強度で基部128に結合されるように、少なくとも1つのフレックスアーム202を介して、基部128に結合される。フレックスアーム202は、センサモジュール134の外周部から延在させることができる。フレックスアーム202は、基部128の一部とすることができる。
【0215】
以下、
図17を参照すると、いくつかの実施形態において、第2の垂直保持強度は、センサモジュール134が基部128に結合された時点で第1の部分150を遠位に押し続けることが、第1の部分150の第1及び第2のフレックスアーム214、216に打ち勝って、第1の部分150からセンサモジュール134を取り外すように、第1の垂直保持強度よりも大きい。
【0216】
いくつかの実施形態において、第2の垂直保持強度は、第1の垂直保持強度よりも少なくとも50パーセント大きい。いくつかの実施形態において、第2の垂直保持強度は、第1の垂直保持強度よりも少なくとも100パーセント大きい。いくつかの実施形態において、第2の垂直保持強度は、第1の垂直保持強度よりも400パーセント未満大きい。
【0217】
図6は、受容者に取り付けられた状態の皮膚上センサアセンブリ600を図示する。皮膚上センサアセンブリ600は、グルコースセンサ138及び/またはセンサモジュール134(
図7に示される)を含むことができる。いくつかの実施形態において、皮膚上センサアセンブリ600は、針156を含む。しかしながら、いくつかの実施形態において、皮膚上センサアセンブリ600は、針156を含まない。
【0218】
上で説明したように、センサ及び/または針の挿入中に、皮膚に対して基部を維持することは、かなりの医療的な利点を可能にする。しかしながら、皮膚に対して基部を維持することは、基部をアプリケータから取り外すことを難しくし得る。例えば、いくつかの従来技術のシステムにおいて、基部は、基部が針と共に下向きに遠位に移動した後に取り外す。この比較的長い行程は、いくつかの基部取り外し機構を可能にすることができる。対照的に、針が基部に向かって移動するにつれて基部を固定位置に維持するときには、基部を解除することが問題を含み得る。
【0219】
本明細書で説明される多数の実施形態は、センサ138及び/または針156の挿入中に、皮膚に対して基部128を維持することを可能にする。
図7〜
図11の状況において上で述べたように、センサモジュール134が基部128に結合された後に、センサモジュール134及び基部128は、入れ子式アセンブリ132から取り外して、グルコースセンサ138を受容者に固定し、入れ子式アセンブリを廃棄、リサイクル、または再使用することを可能にすることを必要とする。
【0220】
図7〜
図11に示されるように、いくつかの実施形態は、センサモジュール134が基部128に向かって移動するにつれて、基部128を入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に対して固定位置に保持する。以下、
図18を参照すると、センサモジュール134が基部128に取り付けられた時点で、システムは、基部128を第2の部分152に結合させるフレックスアーム220を屈曲させることによって、基部128を解除することができる。
図18は、(遠位突出部222がフレックスアーム220に接触することを介して)遠位突出部222がフレックスアーム220を屈曲させるように構成されるように、フレックスアーム220と整列される第1の部分150の遠位突出部222を図示するために、センサモジュール134が基部128とドッキングする前の状態におけるシステムを示す。
【0221】
遠位突出部222は、(
図11及び
図16に示されるように)センサモジュール134が基部128に結合された後に、フレックスアーム220を屈曲させて、基部128を入れ子式アセンブリ132(
図7示される)から取り外す。フレックスアーム220は、ランプ部224を含むことができる。遠位突出部222の遠位端部は、
図18の矢印228によって示されるように、ランプ部224に接触することができ、次いで、遠位に移動し続けて、フレックスアーム220を遠位に屈曲させることができる。この屈曲は、フレックスアーム220を基部128の係止特徴230から結合解除することができる。この係止解除は、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることによって達成され、これは、矢印226によって示されるように遠位突出部222を移動させる。
【0222】
図18に示されるシステムの利点は、(矢印228によって示されるように屈曲するアーム220の)係止解除移動が、(例えば、矢印226によって表されるように)入力される力に対して垂直(±20度以内)であることである。)。したがって、システムは、最大保持能力(例えば、係止特徴230の)が、アーム220を基部128から係止解除するために必要な力よりも何倍も大きくなるように設計することができる。その結果、システムは、製造の変動性及び通常の使用の変動性に対して、信頼性を極めて高くすること、及び影響され難くすることができる。
【0223】
対照的に、保持力及び係止解除力が同じ軸に沿って(例えば、±20度以内で)配向された場合、保持力は、典型的に、係止解除力以下である。しかしながら、
図18に示される独特の構造は、保持力を係止解除力よりも少なくとも2倍大きく(いくつかの事例では、少なくとも4倍大きく)することを可能にする。その結果、システムは、基部128の不用意な係止解除を防止することができ、一方で、ユーザによって、またはシステムの別の部分(例えば、モーター)によって容易に提供する程度に十分低い係止解除力を有する。
【0224】
このシステムの別の利点は、動作の係止及び係止解除の順序を制御することである。換言すれば、構造は、尚早の係止及び係止解除が生じないようにすることである。医療の状況では、信頼性が最も重視されるので、この制御は極めて有益である。例えば、いくつかの実施形態において、プロセスは、次の順序に従う。センサモジュール134が基部128に結合する。次いで、第1の部分150がセンサモジュール134を解除する。次いで、第2の部分152が基部128を解除する。いくつかの実施形態において、様々な係止及び係止解除構造の垂直の場所は、この順序が、第1の部分150が以前に説明した経路に沿って近位開始位置から遠位位置まで移動することが可能である唯一の順序であることを確実にするために最適化される。(いくつかの実施形態は、異なる係止及び係止解除の動作順序を使用する。)
【0225】
図7は、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150が近位開始位置に位置付けられている間、システムの遠位端部から突出する基部128を図示する。センサモジュール134、及びグルコースセンサ138の少なくとも大部分は、基部128に対して遠隔に位置付けられる。システムは、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることを介して、センサモジュール134及びグルコースセンサ138を基部128に結合させるように構成される。
【0226】
以下、
図18及び
図19を参照すると、基部128は、第1の垂直保持力で、入れ子式アセンブリ132(
図7に示される)の第2の部分152の第2の半径方向突出部232(例えば、係止特徴)に解除可能に結合された第1の半径方向突出部230(例えば、係止特徴)を備える。第1の半径方向突出部230は、内方へ突出し、第2の半径方向突出部232は、外方へ突出する。システムは、第1の部分150を遠位位置まで移動させることが第1の半径方向突出部230に対して第2の半径方向突出部232を移動させて、基部128を入れ子式アセンブリ132から取り外すように構成される。
【0227】
入れ子式アセンブリ132の第1の部分150は、遠位に突出する第1のアーム222を備える。入れ子式アセンブリ132の第2の部分152は、遠位に突出する第2のフレックスアーム220を備える。第1のアーム222及び第2のフレックスアーム220は、(それらの中心軸の間で測定したときに)互いの25度以内に配向することができる。システムは、第1の部分150を経路154(
図7に示される)に沿って近位開始位置から遠位位置まで移動させることが、第1のアーム222に第2のフレックスアーム220を偏向させ、それによって、第2のフレックスアーム220を、基部128を取り外して、基部128を入れ子式アセンブリ132(
図7に示される)から結合解除することを可能にするように構成される。したがって、フレックスアーム220は、第2の部分152を基部128に解除可能に結合させるように構成される。
【0228】
第1の部分150が近位開始位置にあるときに、第1の部分150の第1のアーム222を第2の部分152の第2のフレックスアーム220と少なくとも部分的に垂直に整列させて、第1の部分が遠位位置まで移動するにつれて、第1のアーム222が第2のフレックスアーム220を偏向させることを可能にする。
【0229】
第1のアーム222及び第2のアーム220は、第1のアーム222の少なくとも一部分が第2のアーム220の突出部(例えば、ランプ部224)の上で近位に位置付けられるように、遠位に配向することができる。この突出部は、第1のアーム222と突出部との間の衝突が、(基部128を第2の部分152から取り外すために)第2のアーム220を偏向させることを可能にするように構成することができる。
【0230】
図18に図示される実施形態において、第1の部分150が近位開始位置にあるときに、第1のアーム222の少なくとも一区間が、第2のフレックスアーム220の少なくとも一部分の上に直接位置付けられて、第1の部分150が上で説明した遠位位置へ移動するにつれて、第1のアーム222が第2のフレックスアーム220を偏向させることを可能にする。第2のフレックスアーム220は、第1の水平突出部(例えば、係止特徴232)を備える。基部128は、第1の水平突出部とラッチ係合されて、基部128を入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に結合させる、第2の水平突出部(例えば、係止特徴230)を備える。第1の部分150の第1のアーム222は、第2の部分152の第2のフレックスアーム220を偏向させて、第2の部分152から基部128をラッチ係合解除し、そして、入れ子式アセンブリ132から基部128をラッチ係合解除する。
【0231】
以下、
図7を参照すると、システムは、第1の位置において、グルコースセンサ138を基部128に結合させるように構成される。システムは、第1の位置に対して遠位である第2の位置において、基部128を入れ子式アセンブリ132から取り外すように構成される。
【0232】
第3のフレックスアーム(例えば、
図15のフレックスアーム202)は、第1の位置において、グルコースセンサ138を基部128に結合させる。第2のフレックスアーム(例えば、
図18のフレックスアーム220)は、第2の位置において基部から取り外す。第2の位置は、グルコースセンサ138が基部128に固定された後まで基部128を入れ子式アセンブリ132に固定するようにシステムが構成されるように、第1の位置に対して遠位である。
【0233】
ばねの圧縮
グルコースセンサ挿入アプリケータにおいて使用する針は、危険であり得る。例えば、不用意な針刺しは、病気を移し得る。ばねを使用して針を格納することは、針による負傷の危険性を低減させることができる。
【0234】
以下、
図7を参照すると、C字形状の針156を支持する針ハブ162を格納するために、ばね234(例えば、コイルばね)を使用することができる。針ハブ162は、(針156を格納することを可能にするために)挿入深さの底部において解除することができる。例えば、針156が最大遠位位置に到達したときに、ラッチ236を解除して、ばね234が針156を保護筐体の中へ(例えば、保護筐体とすることができる第1の部分150の中へ)近位に押し込むことを可能にすることができる。
【0235】
多くのアプリケータは、予圧縮ばねを使用する。多くのアプリケータは、ユーザがアプリケータを圧縮するときにユーザによって圧縮される、実質的に未圧縮のばねを使用する。予圧縮ばねの1つの不利な点は、ばね力が構成要素をクリープさせる(例えば、経時的に形状を変化させる)可能性があり、これが、設計の信頼性を危うくし得ることである。非圧縮ばねの1つの不利な点は、(アセンブリが近位開始位置にあるときに)入れ子式アセンブリの第1の部分及び第2の部分が互いに対して僅かに自由に移動することができることである。この第1の部分及び第2の部分の「チャタリング」は、アセンブリを弱く、かつ脆く見えるようにし得る。
【0236】
本明細書で説明される構成要素の多くは、(ばねは、しばしば金属であるが)プラスチックから成型することができる。プラスチック構成要素におけるクリープを防止することは、アプリケータが製造されるときに、及び長期間の後に同じように機能することを確実にするよう補助することができる。クリープの危険性を低減させるための1つの方法は、保管中にプラスチックを変形させる十分大きい(例えば、保管中の)荷重下に部品を配置しないことである。
【0237】
展開中にばねにエネルギーを蓄積することによって格納エネルギーを生成することは、システムに対する荷重の持続を制限する。例えば、ばねの格納力は、(完全予圧縮ばねの大きい格納力と共にシステムを保管するのではなく)入れ子式アセンブリを押し縮めることによって、少なくとも部分的に生成することができる。
【0238】
経皮及び埋め込み可能なセンサは、周囲組織におけるインビボ特性及び生理的応答の影響を受ける。例えば、センサの埋め込み後のセンサ精度の低下は、一般的に観察される1つのよく見られる現象である。この現象は、あるときには「降下回復」プロセスと称される。降下回復は、埋め込み可能なセンサの挿入によるトラウマによって、及び恐らくは、埋め込み領域の近くの神経束の刺激によってトリガーされ、その結果、神経束が埋め込み領域への血流を低減させると考えられる。
【0239】
代替的に、降下回復は、近隣の血管への損傷に関連し、その結果、血管痙攣事象をもたらし得る。ある期間にわたる埋め込み領域における血流の任意の局所的停止は、センサの領域におけるグルコース量の低減につながる。この間、センサは、感度が低減し、また、正確にグルコースを追跡することができない。したがって、降下回復は、抑制されたグルコース信号として現れる。降下回復からの抑制信号は、しばしば、埋め込み後1日目以内の信号に現れ、最も一般的には、埋め込み後の最初12時間以内に現れる。降下回復は、通常、6〜8時間以内に解消する。
【0240】
降下回復の識別は、センサが短期の生理的応答に一時的にだけ影響を受けている、及び数時間以内に通常の機能に戻る可能性があるので埋め込み片を除去する必要がない、という情報を患者、医師、または他のユーザに提供することができる。
【0241】
針が体内にある時間を最小にすることは、降下回復等の現象につながり得る組織のトラウマに対する機会を制限する。素早い針の格納は、針が体内にある時間を制限することを補助する。大きいばね格納力は、針を素早く格納することができる。
【0242】
図7に図示される実施形態は、「チャタリング」の問題を解決し、かなりのクリープを回避し、また、素早い針の格納を可能にする。実施形態は、僅かに前荷重を与えたばね234を、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150と第2の部分152との間に配置する。換言すれば、第1の部分150が近位開始位置にあるときに、ばね234は、ばね234の緩和長さが、ばね234が入れ子式アセンブリ132の内部に存在するチャンバの長さよりも長いので、僅かに圧縮された状態にある。
【0243】
いくつかの実施形態において、ばね234の緩和長さは、チャンバの長さよりも少なくとも4パーセント長い。いくつかの実施形態において、ばね234の緩和長さは、チャンバの長さよりも少なくとも9パーセント長い。いくつかの実施形態において、ばね234の緩和長さは、チャンバの長さよりも18パーセント未満長い。いくつかの実施形態において、ばね234の緩和長さは、チャンバの長さよりも30パーセント未満長い。
【0244】
ばね234は、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動するときに、さらに圧縮される。いくつかの実施形態において、この僅かな前荷重は、典型的な完全に予圧縮したばねの圧縮長さよりもはるかに短い圧縮長を有する。いくつかの実施形態において、前荷重は、完全に圧縮したばね234の圧縮長さの25パーセント未満である、ばね234の圧縮長さを生じさせる。いくつかの実施形態において、前荷重は、完全に圧縮したばね234の圧縮長さの3パーセントを超える、ばね234の圧縮長さを生じさせる。僅かな前荷重は、「チャタリング」を排除し、一方で、システム内の非ばね構成要素のかなりのクリープを生じさせるには小さ過ぎる力を有する。
【0245】
ばね234は、第1の部分150の近位端部の孔238を介して、第1の部分150の中へ挿入することができる。次いで、針ハブ162(及び取付けられたC字形状の針156)は、(例えば、第1の部分150の近位端部の孔238を介して)入れ子式アセンブリの第1の部分150の近位側を通して荷重される。
【0246】
針ハブ162は、半径方向スナップ(例えば、針ハブ162の解除特徴160)が第1の部分150の区間(ラッチ236を参照されたい)に係合するまで、第1の部分150を通って摺動する。したがって、ばね234は、僅かな前荷重によって、針ハブ162と入れ子式アセンブリ132の第1の部分150の遠位部分との間に配置される。
【0247】
ばね234は、アプリケータの起動及び入れ子式中に(例えば、第1の部分150を第2の部分152の中へ押し縮めている間)、さらに圧縮される。行程の底部において(例えば、遠位終了位置において)針ハブ162の半径方向スナップは、(
図7〜
図11の進行によって示されるように)入れ子式アセンブリ132内の特徴(例えば、突出部170)によって半径方向内方へ押し込まれる。これは、針ハブ162を解除し、ばね234が伸長して、針156を受容者の近位に(そして、第1の部分150及び/または第2の部分152の中へ)駆動することを可能にする。
【0248】
図7に示されるように、基部128は、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150が近位開始位置に位置付けられ、かつグルコースセンサ138が基部128に対して遠隔に位置付けられている間、システムの遠位端部から突出する。グルコースセンサ138が第1の部分150に結合され、基部128が入れ子式アセンブリ132の第2の部分152に結合されるので、グルコースセンサ138は、入れ子式アセンブリ132を介して、基部128に移動可能に結合される。
【0249】
システムは、針156を格納するように構成されたばね234を含む。針156は、グルコースセンサ138を皮膚に挿入するのを容易にするように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、針156を含まない。
【0250】
第1の部分150が近位開始位置にあるときに、ばね234は、第1の圧縮状態にある。システムは、第1の部分150を近位開始位置から遠位に移動させることがばね234の圧縮を増加させるように構成される。第1の圧縮状態は、張力付与状態で第1の部分150及び第2の部分152を配置する。ラッチ係合特徴は、張力付与状態で第1の部分150及び第2の部分152を保持する。換言すれば、近位開始位置において、ラッチ係合特徴は、ばね234が第2の部分152に対して近位に第1の部分150を押すことを防止するように構成される。ラッチ係合特徴は、第1の圧縮状態に抵抗する。
【0251】
いくつかの実施形態において、第1の圧縮状態の位置エネルギーは、針156を格納するために必要な位置エネルギーの量よりも少ない。部分的に予圧縮したばね234のこの低い位置エネルギーは、典型的に、クリープを生じさせるには不十分であり、さらに典型的に、上で説明した「チャタリング」を排除するには十分である。
【0252】
冗長なシステムは、針156(及びいくつかの事例では、センサ138)は、それらが受容者の中へ挿入された後に、受容者から常時除去することができることを確実にするよう補助することができる。極端な事例において、必要な針除去力がばね格納力よりも大きい場合、ユーザは、入れ子式アセンブリ132全体を近位に引っ張って、受容者から針156及び/またはセンサ138を除去することができる。
【0253】
いくつかの実施形態は、副格納ばねを含む。換言すれば、いくつかの実施形態において、
図7のばね234は、実際には、2つの同心のばねである。(いくつかの実施形態において、ばね234は、実際には、ただ1つのばねである。)副ばねは、主格納ばねよりも短くすることができる。副格納ばねは、追加的な針格納力を提供することができ、また、力プロファイルの追加的な調整を可能にすることができる。
【0254】
多くのユーザは、自分たちが(ゴミとして)廃棄する材料の量を最小限にすることを望む。展開後に針156をアプリケータの後方へ移動させることは、展開後に簡単にアクセスして、針156を除去することを可能にする。
【0255】
図20は、針156、針ハブ162、及びばね234が、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150の近位端部の孔238から近位に除去された直後のそれらの斜視図を図示する。
【0256】
孔238は、アプリケータの近位端部の開口部である。孔238は、針156、針ハブ162、及び/またはばね234を除去することを可能にするように構成される。この開口部は、除去可能なカバー(例えば、ステッカー、ヒンジ付の蓋)によって覆うことができる。
【0257】
図21及び
図22は、除去可能なカバー272が第1の部分150に結合されて、針156を入れ子式アセンブリ132から除去することができる孔238を覆う場合の斜視図を図示する。ヒンジ274は、(
図22に示されるように)カバー272が回転して孔238を閉じること、及び(
図21に示されるように)回転して孔238を開くことができるように、カバー272を第1の部分150に結合させることができる。
【0258】
カバー272を除去することは、ユーザが針156を鋭利物廃棄容器に投入し、新しい針を有するアプリケータを再使用することができるように、ユーザが、アプリケータ(例えば、入れ子式アセンブリ132)から針156を除去することを可能にすることができる。アプリケータから針156を除去することはまた、残りのアプリケータを一般ごみ収集器の中へ投入して、鋭利物廃棄容器によって保持する必要があるごみの量を低減させることも可能にすることができる。
【0259】
図20〜
図22及び
図60の状況で説明される特徴は、本明細書で説明される実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0260】
図60は、別の入れ子式アセンブリ実施形態132hの斜視図を図示する。カバー272hは、入れ子式アセンブリ132hの近位端部に粘着されて、(
図21及び
図22の状況で説明されるように)針を格納した後に針を取り出すように構成された孔を覆う。カバー272hを入れ子式アセンブリ132hから剥がすことは、ユーザが、針156(
図7に示される)を鋭利物廃棄容器の中へ廃棄することを可能にすることができる。
【0261】
この実施形態において、カバー272hは、E.I.du Pont de Nemours and Company (「DuPont」)によって製作されるTyvekラベル等の可撓性膜である。カバー272hは、入れ子式アセンブリ132hの近位端部にカバー272hを接着させるための粘着剤を含むことができる。
【0262】
いくつかの実施形態において、第2のカバー272は、入れ子式アセンブリ132hの遠位端部に粘着されて、センサ138(
図7に示される)が通過する入れ子式アセンブリ132hの端部を覆う。入れ子式アセンブリ132hの遠位端部はまた、プラスチックキャップ122hによって覆うこともできる。
【0263】
カバー272hは、カバー272hの材料を通過させて、入れ子式アセンブリ132hの内部の滅菌を容易にするために、滅菌プロセスを可能にするように構成することができる。例えば、滅菌ガスにカバー272hを通過させることができる。
【0264】
図60の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図60の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図59及び
図61〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。
【0265】
入れ子式アセンブリ132hは、
図7の状況で説明されるものと同じ内部特徴及び構成要素を使用することができる。1つの重要な違いは、第1の部分150hが(
図7に示されるように第2の部分152の内側部分を摺動するのではなく)第2の部分152の外面を摺動することである。また、入れ子式アセンブリ132hは、(
図2に示されるように)無菌バリアシェル120を使用しない。
【0266】
図7〜
図22の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図7〜
図22の状況で説明される実施形態は、
図23〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0267】
力プロファイル
以下、
図7を参照すると、いくつかの実施形態において、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることは、典型的に、システムの遠位端部を受容者の皮膚に対して配置し、次いで、システムの近位端部に遠位力を印加することを伴う。この遠位力は、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させて、針156及び/またはグルコースセンサ138を皮膚の中へ展開する。
【0268】
展開の方向において軸方向に生成される最適なユーザの力は、偶発的な尚早の展開を防止することと挿入の容易さとの間の釣り合いである。遠位作動の特定の部分における理想的な力は、遠位作動の別の部分において、理想よりもはるかに小さくなり得る。
【0269】
ユーザは、皮膚表面に対してアプリケータ(例えば、入れ子式アセンブリ132)を配置し、(例えば、アプリケータの近位端部を押し下げることによって)アプリケータに対して遠位に力を印加する。ユーザが生成した力が閾値を超えたときに、アプリケータが押し縮められ(例えば、遠位に入れ子にし)、そして、ユーザは、センサを身体の中へ駆動する。
【0270】
いくつかの実施形態は、偶発的な尚早の展開を低減させ、完全かつ適切な展開の可能性を劇的に増大させ、また、患者の不快感を低減させる、独特の力プロファイルを含む。特定の構造は、これらの独特の力プロファイルを可能にする。例えば、以下の構造、ずなわち、入れ子式アセンブリ132を近位開始位置に保持する構造、センサモジュール134を基部128に取り付ける構造、センサモジュール134を第1の部分150から解除する構造、針156が尚早に格納されることを防止する構造、針156を格納する構造、基部128を第2の部分152から解除する構造、遠位位置における衝突を吸収する構造、及び入れ子式アセンブリ132を遠位終了位置に保持する構造は、本明細書で説明される独特の力プロファイルを可能にすることができる。これらの構造は、本明細書の様々な節において説明される。
【0271】
いくつかの実施形態は、皮膚上センサアセンブリ600を受容者の皮膚130(
図4に示される)に適用するためのシステムを含む。以下、
図7を参照すると、システムは、経路154に沿って近位開始位置から遠位位置まで第2の部分152に対して遠位に移動するように構成された第1の部分150を有する入れ子式アセンブリ132と、第1の部分150に結合されたグルコースセンサ138と、針156が第1の部分に対して近位に移動することを妨げるように構成可能なラッチ236とを備えることができる。
【0272】
第1の部分150は、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動することを妨げる固定機構(例えば、
図7における240及び242の組み合わせ)によって、近位開始位置に解除可能に固定される。システムは、遠位位置に到達する前に、及び/または遠位位置に到達することによって、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に移動させることがラッチ236を解除し、それによって、針156をシステムの中へ近位に格納させるように構成される。
【0273】
いくつかの実施形態において、固定機構は、第1の部分150と第2の部分152との間の干渉部によって形成される。干渉部は、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動することを妨げるように構成することができる。例えば、第1の部分150の半径方向外方の突出部240は、第1の部分150を遠位に移動させることが力の閾値に打ち勝って、第1の部分150及び/または第2の部分152を変形させて、半径方向外方の突出部240が第2の部分152の近位端部242に対して遠位に移動することを可能にすることを必要とするように、第2の部分152の近位端部242と衝突させることができる。
【0274】
システムは、経路154に沿って測定される第1の力プロファイルを含むことができる。
図23に示されるように、力プロファイル244は、Y軸上に力、及びX軸上に進行距離を含むことができる。以下、
図7及び
図23を参照すると、力プロファイル244は、中心軸196に沿って測定することができる。
【0275】
力プロファイル244を測定することができる1つの方法は、皮膚に対して入れ子式アセンブリ132を配置し、荷重セル等の力ゲージを入れ子式アセンブリ132の近位端部に配置し、力ゲージの重量を補償するために測定システムを較正し、次いで、力ゲージの近位側を押圧して、経路154に沿って近位開始位置から遠位位置まで入れ子式アセンブリ132を駆動することである。
図23は、この種類の試験手順に基づく、力と近位開始位置からの距離との関係を図示する。
【0276】
第1の力プロファイル244は、固定機構(例えば、240及び242)に打ち勝つことと一致する第1の大きさ246と、ラッチ236を解除すること(例えば、針格納機構を解除すること)と一致する第3の大きさ250と、固定機構に打ち勝つことに対して遠位であり、かつラッチ236を解除することに対して近位である、経路154の中間部分と一致する第2の大きさ248とを備えることができる。
【0277】
いくつかの実施形態において、第2の大きさ248は、ラッチ236を解除し始める前に、針格納ばね(例えば、
図7のばね234)を圧縮することと関連付けられるピーク力である。このピーク力は、少なくとも0.5ポンド、少なくとも1.5ポンド、4ポンド未満、及び/または6ポンド未満とすることができる。
【0278】
いくつかの実施形態において、第3の大きさ250は、針格納機構を解除することと関連付けられるピーク力である。このピーク力は、少なくとも1ポンド、少なくとも2ポンド、4ポンド未満、及び/または6ポンド未満であることができる。
【0279】
いくつかの実施形態において、第2の大きさ248は、経路154の中間部分の間、針の加速を促進して、針156(またはグルコースセンサ138)が皮膚を最初に穿刺するときに適切な針の速度を可能にするようにシステムが構成されるように、第1の大きさ246及び第3の大きさ250未満である。
【0280】
第1の大きさ246は、固定機構(例えば、240及び242)に打ち勝つために必要とされるピーク力とすることができる。このピーク力は、少なくとも5ポンド、少なくとも6ポンド、10ポンド未満、及び/または12ポンド未満とすることができる。第1の大きさ246は、第2の大きさ248よりも少なくとも100パーセント大きくすることができる。第1の大きさ246は、第2の大きさ248よりも少なくとも200パーセント大きくすることができる。第2の大きさ248は、ばね234の圧縮が、針156が近位に格納し始める直前に到達する最大ばね圧縮の少なくとも50パーセントである、力プロファイル244の一部分の間であり得る。力プロファイル244の傾斜は、(ばね圧縮の増加につれて増加するばね力により)第2の大きさ248が測定される時間中に少なくとも1ミリメートルにわたって正であり得る。
【0281】
第1の大きさ246は、ユーザが十分な力を印加してラッチ236を解除しない限り、システムがグルコースセンサ挿入サイクルの開始を妨げるように構成されるように、第3の大きさ250よりも大きく(及び/または第2の大きさ248よりも大きく)することができる。例えば、突出部240を近位端部242に対して遠位に移動させるために必要な力は、針156を格納するために必要な力よりも大きくなるように意図的に設計することができる。
【0282】
十分な安全マージンを提供するために、第1の大きさ246は、第3の大きさ250よりも少なくとも50パーセント大きくすることができる。いくつかの実施形態において、第1の大きさ246は、第3の大きさ250よりも少なくとも75パーセント大きくすることができる。システムが、経路154に沿って第1の大きさ246に対して必要とされる力を考慮して第1の大きさ246が必要以上に高くなることを回避するために、第1の大きさ246は、第3の大きさ250よりも250パーセント未満大きくすることができる。
【0283】
第2の力プロファイル252は、経路154の中間部分と一致させることができる。例えば、第2の大きさ248は、第2の力プロファイル252の一部とすることができる。この第2の力プロファイル252は、傾斜が(ばね圧縮の増加につれて増加するばね力により)少なくとも1ミリメートル、少なくとも2.5ミリメートル、8ミリメートル未満、及び/または15ミリメートル未満にわたって正である期間を含むことができる。
【0284】
システムが針156を入れ子式アセンブリ132の中へ格納することを可能にするように構成されたばね234を圧縮させることに応答して、第2の力プロファイル252の近位ミリメートルは、第2の力プロファイル252の遠位ミリメートルよりも低い平均力を備える。
【0285】
システムはまた、(経路154に沿って測定される)第1の力プロファイル254も含む。第1の力プロファイル254は、固定機構の近位半分を過ぎて遠位に移動することと一致する第1の平均の大きさ、及び固定機構の遠位半分を過ぎて遠位に移動することと一致する第2の平均の大きさを備える。第1の平均の大きさは、ユーザが十分な力を印加してセンサ挿入サイクルを完了しない限り、システムがセンサ挿入サイクルを開始することを妨げるように構成されるように、第2の平均の大きさよりも大きい。
【0286】
第1の力ピーク256は、固定機構の近位半分を過ぎて遠位に移動させることと一致する。第1の力ピーク256は、第2の平均の大きさよりも少なくとも25パーセント高い。
【0287】
第1の力プロファイル254は、固定機構に打ち勝つことと一致する第1の大きさ246と、固定機構を停止させること(例えば、固定機構の遠位部分を過ぎて移動させること)と一致する後続の大きさを備える。第1の大きさ246は近位ベクトルを備え、後続の大きさは、遠位ベクトルを備える。
図23は、ゼロの力において切り捨てられているので、
図23では、遠位ベクトルがゼロの大きさを有するように見えるが、実際の値は、負(例えば、負の2ポンド)である。
【0288】
近位ベクトルは、システムが第1の部分150の第2の部分152に対する遠位移動に抵抗していることを意味する。遠位ベクトルは、固定機構の第2の半分が皮膚に向かって及び/または皮膚の中へ針156及び/またはセンサ138を推進することを補助することができることを意味する。換言すれば、遠位ベクトルは、第1の部分150の第2の部分152に対する遠位移動を支援する。
【0289】
第3の力プロファイル260は、以下の事象により、すなわち、センサモジュール134の基部128へのドッキング、基部の第2の部分152からの取り外し(したがって、入れ子式アセンブリ132からの取り外し)、第2の部分152の近位突出部170による針ハブ162の解除特徴160の内方への離脱、ラッチ236の解除、針156の第1の部分150の内部チャンバへの格納、及び/または第1の部分150の遠位位置への当たり(例えば、行程の終了)、により、多数のピークを含むことができる。
【0290】
図7に示されるように、固定機構は、第1の部分150を遠位に移動させることが力の閾値に打ち勝って、第1の部分150及び/または第2の部分152を変形させて、半径方向外方の突出部240が第2の部分152の近位端部242に対して遠位に移動することを可能にするように、第2の部分152の近位端部242と衝突するように構成された(第1の部分150の)半径方向外方の突出部240とすることができる。半径方向外方の突出部240は、第2の部分152を楕円形に変形させて、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動することを可能にするように構成される。
【0291】
図24は、別の固定機構を図示する。少なくとも第1の部分150の区間は、第1の部分150を第2の部分152に対して遠位に押すことが力の閾値よりも大きい力を必要とするように、第2の部分152の近位端部242に干渉する。力の閾値は、第1の部分150及び第2の部分152のうちの少なくとも1つを変形させて、
図24において破線の円の内側に示される干渉部266に打ち勝つために必要とされる最小の力である。
【0292】
様々な実施形態において、多数の異なる干渉部の幾何学的配列及び種類が使用される。干渉部は、第1の部分150と第2の部分152との間とすることができる。干渉部は、針ハブ162と第2の部分152との間とすることができる。例えば、干渉部は、針ハブ162の遠位移動に抵抗することができる。
【0293】
いくつかの実施形態において、第1の部分150は、先細部262を含む。第1の部分150の干渉区間が干渉領域266を過ぎて遠位に移動した時点で、先細部262は、システムを、干渉部266が第1の部分150の遠位移動をもはや妨げないようにする。
【0294】
第2の部分152はまた、先細部263も有することができる。先細部263は、先細部263に沿って近位から遠位に測定したときに、内部サイズがより大きくなるように、第2の部分152の内面になすことができる。
【0295】
第2の部分152の干渉部分242は、上で説明した変形を支援するために(
図24に示されるように)ランプ部を含むことができる。第1の部分150の干渉区間は、第2の部分152の干渉区間に対して近位に位置付けられる。
【0296】
固定機構は、固定機構が第2の部分152を楕円形に変形させて、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に移動することを可能にするように構成されるように、(例えば、
図24の干渉部266によって示されるように)第2の部分152の半径方向内方の突出部に干渉する、第1の部分150の半径方向外方の突出部(例えば、
図7の240)を備えることができる。
【0297】
図24〜
図32の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図24〜
図32の状況で説明される実施形態は、
図1〜23及び
図33〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0298】
図25は、針ホルダー(例えば、針ハブ162)が第1の部分150の第2の部分152bに対する遠位移動に抵抗するように構成された一実施形態の一部分の断面図を図示する。第2の部分152bは、第2の部分152bが固定機構の少なくとも一部であるフレックスアーム276を含むことを除いて、(例えば、
図7に示されるように)他の第2の部分150に類似する。フレックスアーム276は、針ホルダーに解除可能に結合させて、(
図7に示されるように)近位開始位置において第1の部分150を第2の部分152bに解除可能に固定する。
【0299】
針156(
図7に示される)は、針ホルダー162によって第1の部分150に格納可能に結合される。針ホルダー162は、フレックスアーム276に干渉する面取り及び/またはランプ部278により、第1の部分150の第2の部分152bに対する遠位移動に抵抗するように構成される。第1の部分150を遠位に押すことは、フレックスアーム276がランプ部278から離れて移動するように、フレックスアーム276を外方へ偏向させるために必要な力に打ち勝つことを必要とする。
【0300】
図27は、別の固定機構、脆弱解除280の斜視図を図示する。
図26は、脆弱リング282の上面図を図示する。リング282は、半径方向内方へ突出する2つの脆弱タブ284を含む。いくつかの実施形態において、タブ284は、互いに対してリング282の両側の半径方向内方の突出部である。脆弱部材(例えば、リング282)は、システムの第1の部分150の一部、第2の部分152の一部、または任意の他の部分とすることができる。例えば、脆弱部材は、成型した第2の部分152の特徴とすることができる。
【0301】
リング282は、第1の部分150が第2の部分152に対して遠位に押されたときにタブ284を破壊することを可能にするように構成された脆性材料で作製することができる。例えば、第1の部分150の区間は、第1の部分150が(脆弱解除280によって
図27に示されるように)近位開始位置にあるときに、タブ284の上で近位に位置付けることができる。第1の部分150を遠位に移動させることは、第1の部分150の区間を屈曲させ、及び/または該区間にタブ284を破壊させる。
【0302】
いくつかの実施形態において、第1の部分150の半径方向外方の突出部286は、タブ284を屈曲させ、及び/または該タブを破壊するように構成される。本明細書で説明されるリング282、タブ284、及び他の構成要素は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエチレン、及びポリエーテルエーテルケトン等のプラスチックから成型することができる。(ばね、相互接続部、及び針は、鋼で作製することができる。)いくつかの実施形態において、リング282は、少なくとも0.2ミリメートルの厚さ、少なくとも0.3ミリメートルの厚さ、0.9ミリメートル未満の厚さ、または1.5ミリメートル未満の厚さである。
【0303】
リング282は、入れ子式アセンブリ132の第1の部分150と第2の部分152との間に固定することができる。リング282は、リング282が第2の部分152の近位端部に静置されるように、第1の部分150の外周に巻き付けることができ、また、第2の部分152に対して近位に位置付けることができる。
【0304】
リング282は、第1の部分150が近位開始位置にある間、第1の部分150と第2の部分152との間の脆弱結合を可能にする。
図27において、システムは、第1の部分150を遠位位置まで移動させることが脆弱結合(例えば、脆弱解除280)を破壊するように構成される。
【0305】
いくつかの実施形態において、タブ284は、リング282の一部ではない。タブ284は、第2の部分152の一部または第1の部分150の一部とすることができる。
【0306】
図27はまた、磁石システム290も含む。磁石システム290は、磁石と、磁石が金属要素(例えば、金属円板)に引き付けられるように十分に近接する金属要素とを含む。例えば、第2の部分152は、磁石を含むことができ、第1の部分150は、金属要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、第2の部分152は、金属要素を含むことができ、第1の部分150は、磁石を含むことができる。
【0307】
磁石及び金属要素は、それらが(
図7に示される)中心軸196から半径方向外方に配向された直線に沿って位置付けられるように位置付けることができる。この構成は、第1の部分150の移動に抵抗するために、金属要素を十分に引き付けるように磁石を位置決めすることができる。例えば、第1の部分150が近位開始位置にあるときに、磁石システム290の磁力は、第1の部分の遠位移動に抵抗することができる。したがって、磁石は、第1の部分150が近位開始位置にある間、第1の部分150を第2の部分152に解除可能に結合させる。
【0308】
いくつかの実施形態において、ユーザは、内部ばねを圧縮することができ、またはばねを事前に圧縮しておく(例えば、工場において完全に圧縮しておく)ことができる。入れ子式アセンブリは、ばね力を解除して針及び/またはセンサを皮膚の中へ移動させるように構成されたボタン291を含むことができる。
【0309】
図60の状況で説明されるカバー272hは、
図27に示される第1の部分150の近位端部に粘着させることができる。カバー272hは、本明細書で説明される実施形態のいずれかと共に使用することができる。
【0310】
図31は、第1の部分150e及び第2の部分152eを有する入れ子式アセンブリ132eの側面図を図示する。第1の部分150eは、第2の部分152eの内壁に位置付けられた半径方向内方のランプ部296に係合するように構成された半径方向外方の突出部286eを含む。ユーザが遠位の軸方向の力を第1の部分150e印加したときに、突出部286eは、ランプ部296と衝突する。ランプ部の角度は、第1の部分150eを第2の部分152eに対して回転させる。この回転は、遠位力に抵抗し、また、固定機構として作用する。突出部286eがランプ部296の遠位端部を超えて移動した時点で、ランプ部296は、もはや回転しなくなり、したがって、もはや固定機構として作用しない。
【0311】
本明細書で説明される実施形態の多くは、人物の圧縮力に依存する。多数の独特の構造は、本明細書で説明される力プロファイルを可能にする。本構造は、人物がシステムの一部分を遠位に押すことによって生じる圧縮力が信頼性の高い性能をもたらすことを確実にするのを補助する。人々がシステムを下向きに押して適切な力を生成することに依存する1つの難題は、入力される力がユーザによって大幅に異なり得ることである。単一のユーザでも、異なるときに異なる入力される力を印加する可能性がある。
【0312】
この変動性に対する1つの解決策は、ユーザ生成の入力される力に対する必要性をモーター生成の力に置き換えることである。モーターは、信頼性の高い入力される力を提供することができる。モーターはまた、近位開始位置から遠位位置までの経路の異なる区間において力を変動させることも可能にする。
【0313】
図28〜
図30は、針156及び/またはグルコースセンサ138を皮膚の中へ駆動するためにモーター290c、290dを含む、入れ子式アセンブリ132c、132dの実施形態を図示する。モーター290c、290dは、ロッドを遠位及び近位に押すために内部磁気システムを使用する、線形アクチュエータとすることができる。線形アクチュエータはまた、ロッドを遠位及び近位に押すために回転入力を線形運動に変換することもできる。ロッドの移動は、針156、針ハブ162c、入れ子式アセンブリ132c、132dの第1の部分150c、150d、入れ子式アセンブリ132c、132d、センサモジュール134、及び/またはセンサ138を含むシステムの様々な部分を移動させることができる。モーター290c、290dは、モーター290c、290dに電気を供給するために、内臓バッテリを含むことができる。
【0314】
図28は、モーター290cが針ハブ162cをモーター290cに対して、かつ第2の部分152cに対して遠位に押す一実施形態の斜視断面図を図示する。針ハブ162cは、モーター292cの筐体の内外に摺動するロッドを含むことができる。針ハブ162cの遠位移動は、針156及び/またはセンサ138(
図7に示される)の少なくとも一部分を皮膚の中へ押し込むことができる。針ハブ162cの遠位移動は、センサモジュール134が基部128とドッキングするように、センサモジュール134を遠位に移動させることができる。この結合は、基部128の入れ子式アセンブリ132cからの取り外しに先行することができる。
【0315】
図29及び
図30は、別のモーターの実施形態の側断面図を図示する。この実施形態において、モーター292dのロッド294は、結合されて、入れ子式アセンブリ132dの第2の部分152dに対して不動である。モーター292dは、入れ子式アセンブリ132dの第1の部分150dに結合され、該第1の部分に対して不動である。その結果、モーター292dの筐体の中へロッド294を引き込むことは、第1の部分150dを第2の部分152dに対して遠位に移動させる。グルコースモジュール134は、(本明細書で説明されるように)第1の部分150dの遠位部分に結合される。したがって、グルコースセンサ138は、受容者の皮膚の中へ遠位に移動し、グルコースモジュール134は、基部128に結合される。
図29及び
図30に図示されるように、実施形態は、針を含まない。類似する実施形態は、針を含むことができる。
【0316】
図32は、入れ子式アセンブリ132の斜視断面図を図示する。いくつかの実施形態において、第1の部分150の突出部302は、第2の部分152の孔304と結合する。突出部302は、第1の部分150が遠位位置に到達することに応じて、孔304とラッチ係合するように遠位に配向することができる。
【0317】
いくつかの実施形態において、第2の部分152の突出部302は、第1の部分150の孔304と結合する。突出部302は、第1の部分150が遠位位置に到達することに応じて、孔304とラッチ係合するように近位に配向することができる。
【0318】
突出部302は、少なくとも10ミリメートル、少なくとも15ミリメートルの長さ、及び/または50ミリメートル未満の長さであるフレックスアームとすることができる。突出部302は、突出部302の大部分の中心軸に対してある角度で突出する端部分を含むことができる。この角度は、少なくとも45度、少なくとも75度、110度未満、または135度未満とすることができる。
【0319】
突出部302を孔304に結合させることは、針156が格納状態にある間、第1の部分150を(近位開始位置の遠位にあり、かつ遠位位置の3ミリメートル以内にある)下向きの位置に永続的に係止することができる。この係止は、システムが再使用されることを防止することができ、また、針刺しによる負傷を防止することができる。
【0320】
図23の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図23の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図22及び
図24〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0321】
相互接続部
以下、
図4を参照すると、多数の実施形態において、電子装置ユニット500は、電流を測定することができるように、センサ138を通して電圧バイアスを駆動する。したがって、システムは、受容者のグルコースレベルを分析することができる。センサ138と電子装置ユニット500との間の電気的接続部の信頼性は、正確なセンサデータ測定のために極めて重要である。
【0322】
多数の実施形態において、受容者または介護者は、センサ138と電子装置ユニット500との間に電気的接続部を生じさせる。封止体192は、電子装置ユニット500がグルコースセンサモジュール134上へ押圧されるときの流体の進入を防止することができる。酸化及び腐食は、システムの電気抵抗を変化させることがあり、また、信号におけるエラー及びノイズの発生源である。
【0323】
電気的接続部は、機械的に安定していなければならない。電気システムの部品間の相対運動は、信号ノイズを生じさせることがあり、それは、正確なグルコースデータを取得することを妨げ得る。
【0324】
低抵抗の電気的接続部は、より電力効率が良い。電力効率は、電子装置ユニット500のバッテリ寿命を最長にすることを補助することができる。
【0325】
受容者または介護者が電気相互接続部及び/または封止体192を圧縮しなければならない実施形態において、必要な力を最小にすることは、ユーザの満足度を増大させる。ユーザが印加する力を少なくすることは、伝送機をより設置し易くする。必要な力が大き過ぎる場合、ユーザ及び介護者は、不注意に十分な力を印加することができない場合があり、これは、システムの信頼性及び性能を危うくし得る。ユーザが電子ユニット500を基部128及びセンサモジュール134に結合させるために印加する必要がある力は、相互接続部を圧縮するために必要な力に強い影響を受ける。したがって、より小さい圧縮力を有する電気相互接続部に対する必要性が存在する。
【0326】
製造のばらつき、受容者の移動、及び受容者が皮膚上センサアセンブリ600を使用している間の温度の変動には、(合理的に可能な最小及び最大圧縮状態を包含する)能動的圧縮範囲の全体を通して強固な電気的接続部を提供することが必要である。したがって、能動的圧縮範囲内の圧縮変動に対して許容性がある電気的接続部に対する必要性が存在する。
【0327】
金属的ばね(例えば、コイルばねまたは板ばね)は、センサ138と電子装置ユニット500との間で圧縮されて、電子装置ユニット500を基部128に結合させるために必要とされる圧縮力が少ない強固で信頼性の高い電気的接続部を提供することができる。
【0328】
図33は、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)が基部128にスナップされる直前の、皮膚上セニョールアセンブリの斜視図を図示する。電子装置ユニット500を基部128に結合させることは、シール192を圧縮して、流体の進入を防止することができ、また、相互接続部(例えば、ばね306)を圧縮して、グルコースセンサ138と電子装置ユニット500との間の電気的接続部310を作成することができる。
【0329】
電気的接続部310を作成すること、及び/または電子装置ユニット500を基部128に結合させることは、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)をスリープモードから復帰させることができる。例えば、(例えば、センサモジュール134及び/または基部128の)導電部材は、電子装置ユニット500の電気接点(例えば、電子装置ユニット500のバッテリの電気接点)に接触することができ、これは、電子装置ユニット500をスリープモードから復帰させることができる。センサモジュール134及び/または基部128の導電部材は、回路を閉じて電気がバッテリから電子装置ユニット500の他の部分に流れることを可能にする、バッテリジャンパとすることができる。
【0330】
したがって、電気的接続部310を作成すること、及び/または電子装置ユニット500を基部128に結合させることは、電子装置ユニット500を「起動して」、電子装置ユニット500が情報を他のデバイス110〜113(
図1に示される)に無線伝送することを可能にすること、及び/または該無線伝送の準備を行うことができる。米国特許出願公開第US2012/0078071(A1)号は、伝送機の起動に関する追加的な情報を含む。米国特許出願公開第US2012/0078071(A1)号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0331】
電子装置ユニット500の遠位面は、ばね306の近位端部分に接触する平面電気接点を含むことができる。ばね306の遠位端部分は、グルコースセンサ138の様々な導電性素子に接触することができる。したがって、ばね306は、電子装置ユニット500をグルコースセンサ138の様々な導電性素子に電気的に結合することができる。図示される実施形態において、2つの金属的ばね306は、グルコースセンサ138及び電子装置ユニット500に電気的に接続する。いくつかの実施形態は、1つのばね306を使用する。他の実施形態は、3つ、4つ、5つ、10個、またはそれ以上のばね306を使用する。
【0332】
金属的ばね306(例えば、金めっきしたばね)は、センサモジュール134においてセンサワイヤ138の上側に配置される。センサ138は、硬質ポリマー基部128とばね306の底面との間に位置付けられる。ばね306の頂面は、電子装置モジュール500の底部に位置付けられたパラジウム電極に接触する。硬質電子装置モジュール500及び硬質ポリマー基部128は、1つにまとめて、センサ138及びばね306との圧縮サンドイッチを作成する。
【0333】
ばね306は、それらの中心軸が入れ子式アセンブリ132の中心軸196(
図7に示される)の25度以内にあるように配向される。ばね306は、螺旋形状を有することができる。ばね306は、コイルばねまたは板ばねとすることができる。
【0334】
ばね306は、平面である、研削された、正方形の、正方形で研削された、または任意の他の適切な構成である端部を有することができる。ばね306を作製するために、金、銅、チタン、及び青銅を使用することができる。ばね306は、ばね鋼から作製することができる。いくつかの実施形態において、ばね306を作製するために使用される鋼は、非常に高い降伏強度を有する低合金の中炭素鋼または高炭素鋼とすることができる。ばね306は、圧縮ばね、ねじりばね、定常ばね、可変ばね、螺旋ばね、平ばね、機械加工ばね、片持ちばね、竹の子ばね、釣り合いばね、板ばね、V字形状ばね、及び/またはワッシャばねとすることができる。
【0335】
いくつかの実施形態は、ばね荷重ピンシステムを使用する。ばねシステムは、差込口を含むことができる。ピンは、ピンが差込口の内外を部分的に摺動することができるように、差込口の内部に部分的に位置付けることができる。ばねは、ばねがピンを電子装置ユニット500に向かって外方に付勢するように、差込口の内部に位置付けることができる。差込口は、電子装置ユニット500をばね荷重ピンシステムに押圧することが電子装置ユニット500及びセンサ138を電気的に結合させるように、センサ138に電気的に結合させることができる。
【0336】
Oyster Bay,New York,U.S.A.のMill−Max Mfg.Corp.(「Mill−Max」)は、ニッケルに金めっきした黄銅合金シェルを有するばね荷重ピンシステムを製造している。1つのMill−Maxばね荷重ピンシステムは、ステンレス鋼ばね及び発注コード0926−1−15−20−75−14−11−0を有する。
【0337】
いくつかの実施形態において、電子装置ユニット500は、電子装置ユニット500の様々な電気的構成要素(例えば、伝送機)に電力を提供するために、バッテリを含む。
【0338】
いくつかの実施形態において、基部128は、電子装置ユニット500の外側に位置付けられたバッテリ314を含むことができる。バッテリ314は、電子装置ユニット500を基部128に結合させることがバッテリ314を電子装置ユニット500に結合させるように、電気的接続部310に電気的に結合させることができる。米国特許出願公開第US2009/0076360(A1)号の
図22B及び22Cは、いくつかの実施形態において、(本明細書の
図33に示される基部128の形態を含む多数の形態を有することができる)基部の一部とすることができる、バッテリ444を図示する。米国特許出願公開第US2009/0076360(A1)号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0339】
図34は、センサモジュール134の斜視図を図示する。突出部308は、ばね306をセンサモジュール134に固定することができる。(
図34をより明確にするために、全ての突出部308にラベルが付されるとは限らない。)突出部308は、遠位に突出させることができる。
【0340】
少なくとも3つ、少なくとも4つ、及び/または10個未満の突出部308を、ばね306の外周に接触するように構成することができる。突出部308は、間隙によって分離することができる。間隙は、ばね306が突出部308の間に挿入されるにつれて、突出部308が外方へ撓曲することを可能にする。電子装置ユニット500を基部128に結合させる下向きの力は、ばね306をセンサ138を押し当てて、ばね306をセンサ138に電気的に結合させることができる。センサ138は、突出部308の少なくとも2つの間に延ばすことができる。
【0341】
図33は、受容者の経皮グルコース監視用に構成された皮膚上センサシステム600を図示する。皮膚上センサシステム600は、
図7に示される他の構成要素と共に使用することができる。センサモジュール134は、
図35及び
図37に示されるセンサモジュール134d、134eと置き換えることができる。したがって、
図35及び
図37に示されるセンサモジュール134d、134eは、
図7に示される他の構成要素と共に使用することができる。
【0342】
以下、
図33及び
図34を参照すると、システム600は、センサモジュール筐体312と、皮下感知用に構成された第1の区間138a及びセンサモジュール筐体312に機械的に結合された第2の区間138bを有するグルコースセンサ138a、138bと、センサモジュール筐体312に機械的に結合され、かつグルコースセンサ138a、138bに電気的に結合された電気相互接続部(例えば、ばね306)とを含むことができる。ばねは、円錐ばね、螺旋ばね、または本明細書で述べられる、または電気的接続部に適した他の種類の任意のばねとすることができる。
【0343】
センサモジュール筐体312は、ばね306の外周の周囲に位置付けられた少なくとも2つの近位突出部308を備える。近位突出部308は、ばね306を配向することを補助するように構成される。グルコースセンサ138bのセグメントは、近位突出部308の間に(ばね306の遠位に)位置付けられる。
【0344】
センサモジュール筐体312は、基部128に機械的に結合される。基部128は、基部128を受容者の皮膚に結合させるように構成された粘着剤126を含む。
【0345】
近位突出部308は、電子装置ユニット500を基部128に結合させることがばね306を電子装置500ユニットの第1の電気接点及びグルコースセンサ138bの第2の電気接点に押圧して、グルコースセンサ138a、138bを電子装置ユニット500に電気的に結合させるようにばね306を配向する。
【0346】
以下、
図33及び
図35〜
図38を参照すると、システム600は、センサモジュール筐体312d、312eと、皮下感知用に構成された第1の区間138a及びセンサモジュール筐体312d、312eに機械的に結合された第2の区間138bを有するグルコースセンサ138a、138bと、センサモジュール筐体312d、312eに機械的に結合され、かつグルコースセンサ138a、138bに電気的に結合された電気相互接続部(例えば、板ばね306d、306e)とを含むことができる。
図7に示されるセンサモジュール134の代わりに、センサモジュール134d、134eを使用することができる。板ばね306d、306eは、電子装置ユニット500が基部128と結合することに応じて屈曲するように構成することができる。
【0347】
本明細書で使用される場合、片持ちばねは、ある種類の板ばねである。本明細書で使用される場合、板ばねは、上下に一緒に保持される湾曲した金属のいくつかのストリップで作製することができる。多数の実施形態において本明細書で使用される場合、板ばねは、(湾曲した金属の多数の層ではなく)湾曲した金属の1つのストリップ(例えば、1つの層)だけを含む。例えば、
図35の板ばね306dは、金属の1つの層または金属の多数の層で作製することができる。いくつかの実施形態において、板ばねは、(板ばねが片持ちばねであるように)一方の端部に平坦な金属の1つの層を含む。
【0348】
図35及び
図36に示されるように、センサモジュール筐体312dは、グルコースセンサ138bの第2の区間の少なくとも一部分が位置付けられるチャネル322dを有する近位突出部320dを備える。チャネル322dは、領域が板ばね306dに電気的に結合されるように、グルコースセンサ138bの第1の領域を位置決めする。
【0349】
図36の断面斜視図に示されるように、板ばね306dは、第1の領域から離れて弧を描き、近位に突出して、電子装置ユニット500(
図33に示される)に電気的に結合する。板ばね306dの少なくとも一部分は、「W字」形状を形成する。板ばね306dの少なくとも一部分は、「C字」形状を形成する。板ばね306dは、近位突出部320dの周囲で屈曲する。板ばね306dは、近位に突出して、電子装置ユニット500(
図33に示される)に電気的に結合する。封止体192は、板ばね306dへの流体の進入を妨げるように構成される。
【0350】
板ばね306dは、電子装置ユニット500を基部128(
図33に示される)に結合させることが、板ばね306dを電子装置ユニット500の第1の電気接点及びグルコースセンサ138bの第2の電気接点に押圧して、グルコースセンサ138a、138bを電子装置ユニット500に電気的に結合するように配向される。封止体192の近位高さは、電子装置ユニット500が板ばね306dに接触する前に封止体192と接触するように、板ばね306dの近位高さよりも高くすることができる。
【0351】
以下、
図33及び
図37〜
図38を参照すると、センサモジュール筐体312eは、グルコースセンサ138bの第2の区間の少なくとも一部分が位置付けられたチャネル322eを備える。板ばね306eの遠位部分は、板ばね306eの近位部分がチャネル322eから近位に突出するように、チャネル322e内に位置付けられる。
【0352】
センサモジュール筐体312eは、チャネル322eを横断する(例えば、チャネル322eと交差する)溝326eを備える。板ばね306eは、板ばねの回転を妨げるために溝内に位置付けられたタブ328を備える。板ばね306eの少なくとも一部分は、「C字」形状を形成する。
【0353】
図36及び
図38は、2つの板ばね形状を図示する。他の実施形態は、他の種類の板ばねを使用する。
図33〜
図38に示される要素は、組み合わることができる。
【0354】
以下、
図33〜
図38を参照すると、相互接続部306、306d、306eは、パラジウム接点、合金、クラッド材料、導電性めっき材料、金めっき部分、銀材料、及び/または任意の適切な導体を含むことができる。本明細書で説明される相互接続部306、306d、306eは、5オーム未満、20オーム未満、及び/または100オーム未満の抵抗を有することができる。多数の相互接続部の実施形態は、約2.7オーム以下の抵抗を可能にし、これは、より高い抵抗の変形例と比較して、バッテリ寿命を大幅に延ばすことができる。
【0355】
相互接続部306、306d、306eを圧縮するために(例えば、電子装置ユニット500が基部128に結合されるときに)必要な力を低減させることは、結合エラー及び難しさを低減させることができる。例えば、必要な力が高い場合、電子装置ユニット500を基部128に結合させることに不注意に失敗する確立はかなり高い。いくつかの事例において、必要な力が高過ぎる場合、一部のユーザは、電子装置ユニット500を基部128に結合させることができない。したがって、電子装置ユニット500を基部128に結合させるためにより少ない力を必要とするシステムに対する必要性が存在する。
【0356】
本明細書で説明される多数の実施形態(例えば、ばねの実施形態)は、電子装置ユニット500を基部128に結合させるために必要な力を大幅に低減させる。相互接続部306、306d、306eは、能動的圧縮範囲にわたって少なくとも0.05ポンド、0.5ポンド未満、1ポンド未満、3ポンド未満、及び/または4.5ポンド未満の圧縮力を有することができる。
【0357】
いくつかの実施形態において、相互接続部306、306d、306eは、ばねを実質的に非圧縮位置である緩和位置から20パーセント圧縮するために、1ポンド未満の圧縮力を必要とし得る。いくつかの実施形態において、相互接続部306、306d、306eは、ばねを実質的に非圧縮位置である緩和位置から25パーセント圧縮するために、1ポンド未満の圧縮力を必要とし得る。いくつかの実施形態において、相互接続部306、306d、306eは、ばねを実質的に非圧縮位置である緩和位置から30パーセント圧縮するために、1ポンド未満の圧縮力を必要とし得る。いくつかの実施形態において、相互接続部306、306d、306e(独立請求項への従属性を変更する)は、ばねを実質的に非圧縮位置である緩和位置から50パーセント圧縮するために、1ポンド未満の圧縮力を必要とし得る。
【0358】
ばね306、306d、306eは、2.6ミリメートル、少なくとも0.5ミリメートル、及び/または4ミリメートル未満の高さを有することができる。封止体192は、2.0ミリメートル、少なくとも1ミリメートル、及び/または3ミリメートル未満の高さを有する。いくつかの実施形態では、ばね306、306d、306eは、それらの緩和状態(すなわち、実質的に非圧縮状態)において、封止体192の頂部から(例えば、遠位に)少なくとも0.2ミリメートル及び/または1.2ミリメートル未満突出する。
【0359】
電子装置ユニット500が基部128に結合されるときに、ばね306、306d、306eの圧縮は、24パーセント、少なくとも10パーセント、及び/または50パーセント未満のパーセント圧縮によって、0.62ミリメートル、少なくとも0.2ミリメートル、1ミリメートル未満、及び/または2ミリメートル未満とすることができる。ばね306、306d、306eの能動的圧縮範囲は、16〜40パーセント、8〜32パーセント、40〜57パーセント、29〜47パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも10パーセント、及び/または66パーセント未満とすることができる。
【0360】
いくつかの実施形態において、センサ138と電子装置ユニット500との間の電気的接続部は、工場において作成される。この電気的接続部は、流体の進入を防止するために工場において封止することができるが、電気的接続の健全性を危うくし得る。
【0361】
電気的接続部は、以下の手法、すなわち、電極を(垂直変形が必要でないように)導電性エラストマーに穿刺することができる、センサをコイルばねの隣接するコイルの間に「挟む」(例えば、圧縮する)ことができる、導電性エポキシ、ろう付け、レーザー溶接、及び抵抗溶接、のうちのいずれかを介して作製することができる。
【0362】
以下、
図4、
図6、
図7、及び
図33を参照すると、1つの鍵となる電気的接続部が、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)とセンサモジュール134との間にある。別の鍵となる電気的接続部は、センサモジュール134とグルコースセンサ138との間にある。どちらの接続部も、センサモジュール134を基部128に接続し、次いで、基部128及びセンサモジュール134を電子装置ユニット500(例えば、伝送機)に接続することを可能にするために強固でなければならない。安定なセンサモジュール134は、将来に信号ノイズを生じさせることなく、センサモジュール134を基部128に結合させることを可能にする。
【0363】
これらの2つの鍵となる電気的接続部は、工場において(例えば、受容者または介護者がシステムを受け取る前に)行うことができる。これらの電気的接続部はまた、ユーザが電子装置ユニット500を基部128及び/またはセンサモジュール134に取り付けるときに、受容者または介護者によって作製することもできる。
【0364】
いくつかの実施形態において、グルコースセンサ138とセンサモジュール134の間の接続部は、工場において(例えば、受容者または介護者がシステムを受け取る前に)作製することができ、次いで、ユーザが電子装置ユニット500をセンサモジュール134及び/または基部128に結合させることができる。いくつかの実施形態において、電子装置ユニット500は、工場において(例えば、受容者または介護者がシステムを受け取る前に)センサモジュール134及び/または基部128に結合させることができ、次いで、ユーザがこのアセンブリをグルコースセンサ138に結合させることができる。
【0365】
図33〜
図38の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で識別される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図33〜38の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図32及び
図39〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0366】
以下、
図33を参照すると、バッテリ314は、電子装置ユニット500の内部に位置付けることができ、または基部128の一部とすることができる。バッテリ314の寿命を最長にすることは、多くの理由から重要である。例えば、電子装置ユニット500は、使用する前に数ヶ月、さらには数年にわたって保管することができる。バッテリ413がこの保管中に大幅に消耗した場合、受容者が(例えば、分析物を測定するために)電子装置ユニットを使用することができる日数が急激に減少し得る。
【0367】
いくつかの実施形態において、電子装置ユニット500は、保管中に(例えば、受容者が受け取る前に)低電力消費状態(例えば、「スリープ」モード)にある。この低消費電力状態は、バッテリ314を消耗させ得る。したがって、保管中の、及び/または電子装置ユニット500が基部128に結合される前のバッテリの電力消費を低減させるか、さらには排除するシステムに対する必要性が存在する。
【0368】
図33の状況で説明したように、電気的接続部310を作成すること、及び/または電子装置ユニット500を基部128に結合させることは、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)をスリープモードから復帰させることができる。例えば、(例えば、センサモジュール134及び/または基部128の)導電部材は、電子装置ユニット500の電気接点(例えば、電子装置ユニット500のバッテリの電気接点)に接触することができ、これは、電子装置ユニット500をスリープモードから復帰させることができ、及び/またはバッテリから電力を流れさせ始めることができる。センサモジュール134及び/または基部128の導電部材は、回路を閉じて電気がバッテリから電子装置ユニット500の他の部分に流れることを可能にする、バッテリジャンパとすることができる。
【0369】
したがって、電気的接続部310を作成すること、及び/または電子装置ユニット500を基部128に結合させることは、電子装置ユニット500を「起動して」、電子装置ユニット500が情報を他のデバイス110〜113(
図1に示される)に無線伝送することを可能にすること、及び/または該無線伝送の準備を行うことができる。米国特許出願公開第US2012/0078071(A1)号は、電子装置ユニット500の起動(例えば、伝送機の起動)に関する追加的な情報を含む。米国特許出願公開第US2012/0078071(A1)号の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0370】
図65は、センサモジュール134jの一部分の斜視図を図示する。
図65では、センサモジュール134jが本明細書で説明される任意のばねまたはセンサを使用できることを明確にするために、ばね及びセンサなどのいくつかの品目が隠されている。センサモジュール134jは、本明細書で説明される(例えば、
図34〜
図40に示されるような)ばね306、306d、306e、センサ138、138a、138b、突出部308、チャネル322d、322e、及び溝326e、のうちのいずれかを使用することができる。センサモジュール134jは、本明細書で説明される任意の他のセンサモジュールの代わりに使用することができる。センサモジュール134jは、
図7の状況で説明される実施形態において使用することができ、また、本明細書で記載される入れ子式アセンブリのいずれかと共に使用することができる。
【0371】
図66は、
図65に示されるセンサモジュールの側断面図を図示する。以下、
図65〜
図70を参照すると、センサモジュール134jは、導電性ジャンパ420f(例えば、金属を含むことができる導電接続)を含む。導電性ジャンパ420fは、電子装置ユニット500をセンサモジュール134j及び/または基部128に結合させることに応じて、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)の2つの電気接点428a、428bを電気的に結合するように構成される。
【0372】
導電性ジャンパ420fは、2つの電気的接続部426(例えば、
図34〜
図38に示されるばね306、306d、306e)の間に少なくとも部分的に位置付けることができる。導電性ジャンパ306fは、導電性リンク422fによって結合された2つのばね306fを含むことができる。ジャンパ420fの第1のばね306fは、第1の接点428aに結合させることができ、ジャンパ420fの第2のばね306fは、第2の接点428bに結合させることができ、これらは、バッテリが電子装置ユニット500に電気を提供することを可能にするための電気回路を完成することができる。ばね306fは、板ばね、コイルばね、円錐ばね、及び/または任意の他の適切なタイプのばねとすることができる。いくつかの実施形態において、ばね306fは、接点428a、428bと結合された近位突出部である。
【0373】
図66に示されるように、導電性リンク422fは、センサ138b(
図34に示される)が導電性リンク422fのアーチ形部分の下を通る、及び/またはそれを通過するように、アーチ形にすることができる。いくつかの実施形態において、導電性リンク422fは、導電性リンク422fが封止領域の内側に(例えば、封止体192の内部に)位置付けられたセンサ138bの一部分の上を交差するように、センサ138bに対して垂直の±35度以内に配向される。
【0374】
図67は、
図65及び
図66に示されるセンサモジュール134jに類似するセンサモジュール134kの一部分の斜視図を図示する。
図68は、
図67に示されるセンサモジュール134kの上面図を図示する。
【0375】
以下、
図67及び
図68を参照すると、センサモジュール134kは、異なる種類の導電性ジャンパ420gを含み、これは、導電性リンク422gによって導電的に結合された2つの螺旋ばね306gを含む。導電性リンク422gは、センサ138b(
図34に示される)の上または下を交差するように構成される。
図67及び
図68に示されるように、ばね306gは、円錐ばねであるが、いくつかの実施形態は、円錐ばねを使用しない。ばね306gは、電子装置ユニット500の2つの電気接点428a、428bを電気的に結合させて、電子装置ユニット500内の電気の流れを開始するように構成される。したがって、導電性ジャンパ420gは、電子装置ユニット500を「起動する」ことができる。導電性ジャンパ420gは、本明細書で説明されるセンサモジュールのいずれかと共に使用することができる。
【0376】
図69及び
図70は、電子装置ユニット500が基部128に結合される直前の電子装置ユニット500の斜視図を図示する。
図70に示されるように、電子装置ユニット500は、導電性ジャンパ420f(
図65及び
図66に示される)、420g(
図67及び
図68に示される)に電気的に結合されるように構成された2つの電気接点428a、428bを有することができる。電子装置ユニット500はまた、ばね306、306d、306e(
図34〜
図38に示される)及び/またはセンサ138(
図39に示される)と電子装置ユニット500との間の任意の他の種類の電気的接続部426に電気的に接続されるように構成された2つの電気接点428c、428dも有することができる。
【0377】
電子装置ユニット500をセンサモジュール134k及び/または基部128に結合させることは、電気接点428a、428bを導電性ジャンパ420f(
図65に示される)、420g(
図67に示される)に電気的及び/または機械的に結合させることができる。
【0378】
電子装置ユニット500をセンサモジュール134k及び/または基部128に結合させることは、電気接点428c、428dを、ばね306、306d、306e(
図34〜
図38に示される)及び/またはセンサ138(
図39に示される)と電子装置ユニット500との間の(例えば、
図67に示されるような)任意の他の種類の電気的接続部426に電気的及び/または機械的に結合させることができる。
【0379】
図65〜
図70の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図65〜
図70の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図64の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0380】
針の角度及びオフセット
図43は、「C字形状の」針156の正面図を示す。
図42は、C字形状の針156の底面図を図示する。針156は、チャネル330を含む。皮下感知用に構成されたグルコースセンサ138(
図7においてラベルが付される)の区間138a(
図34に示される)は、(
図40に示されるように)チャネル330内に配置することができる。
【0381】
針156は、センサ138を受容者の皮膚の中へ誘導することができる。センサ138の遠位部分は、針156のチャネル330内に位置付けることができる。あるときには、センサ138の遠位端部は、センサ138及び針156が受容者に挿入されるにつれて、針156から突出して、受容者の組織に引っ掛かる。その結果、センサ138が歪み、皮下組織の中へ十分深く挿入できない場合がある。換言すれば、いくつかの実施形態において、センサワイヤは、組織の中へ誘導されるC字形状の針156のチャネル330内に配置されなければならず、また、展開中にチャネル330内に保持されなければならない。
【0382】
センサ138がチャネル330から突出する(それによって、受容者の中へ適切に挿入できない)といった危険性は、特定の角度338(
図41に示される)及びオフセット336(
図40に示される)でセンサ138を針156のチャネル330内に配置することによって大幅に減少させることができる。
図42の位置B334は、チャネル330から突出するセンサを図示する。
【0383】
角度338及びオフセット336は、センサ138の弾性変形を生じさせて、(
図42において位置A332によって示されるように)センサ138をチャネル300の底部に押す力を生じさせ、一方で、不適当な角度338及びオフセット336の潜在的に有害な影響を回避する。角度338及びオフセット336はまた、センサ138の塑性変形を生じさせて、皮膚の中への挿入中にセンサ138がチャネル330から押しのけられる危険性を最小にする方法でセンサ138を成形することを補助する。
【0384】
いくつかの実施形態において、角度338及びオフセット336は、挿入性能を最適にするようにセンサ138の一部分を成形する。例えば、角度338は、センサ138の一部分を針156のチャネル330に配置する前にセンサ138を屈曲させることができる。
【0385】
図39に図示されるように、グルコースセンサ138bの一部分(
図34においてもラベルが付される)は、(いくつかの実施形態では、トンネルである)遠位に面するチャネル342に配置することができる。このチャネル342は、グルコースセンサ138bを針156のチャネル330(
図43に示される)に向かって配向することを補助することができる。
【0386】
図41に図示されるように、グルコースセンサ138は、センサモジュール筐体312(
図34に示される)に結合されたグルコースセンサ138の一部分と、受容者の中へ挿入されるように構成されたグルコースセンサの一部分との間の角度338を含むことができる。いくつかの実施形態において、角度338は、センサ138をセンサモジュール筐体312(
図34に示される)に結合させる前に、及び/またはセンサ138の一部分を針156のチャネル330(
図43に示される)内に配置する前に形成することができる。
【0387】
以下、
図41を参照すると、110度未満である角度338は、(例えば、0.06インチプラス0.06インチ及び/またはマイナス0.03インチのオフセットによる)展開を失敗させることになり得る。いくつかの実施形態において、125度未満である角度338は、(例えば、0.06インチプラス0.06インチ及び/またはマイナス0.03インチのオフセットによる)展開を失敗させることになり得る。145度(プラス5度及び/またはマイナス10度)の角度338は、展開を失敗させる可能性を低減させることができる。いくつかの実施形態において、角度338は、少なくとも120度及び/または155度未満である。
【0388】
いくつかの実施形態において、製造方法は、センサ138の一部分を針156のチャネル330内に配置する前に、センサ138を屈曲させることを含む。この製造方法において、角度は、センサモジュール筐体312(
図34に示される)に結合されたグルコースセンサ138の一部分、及び受容者の中へ挿入されるように構成されたグルコースセンサの一部分の中心軸から測定される。この角度測定によれば、70度を超える角度は、(例えば、0.06インチプラス0.06インチ及び/またはマイナス0.03インチのオフセットによる)展開を失敗させることになり得る。いくつかの実施形態において、55度を超える角度は、(例えば、0.06インチプラス0.06インチ及び/またはマイナス0.03インチのオフセットによる)展開を失敗させることになり得る。35度(プラス10度及び/またはマイナス5度)の角度は、展開を失敗させる可能性を低減させることができる。いくつかの実施形態において、角度は、少なくとも25度及び/または60度未満である。
【0389】
大き過ぎるオフセット336(
図40に示される)は、センサ138がチャネル330(
図42に示される)に確実に保持されなくなり得る。換言すれば、大きいオフセット336は、センサ138が位置A332に確実にではなく、位置B334に位置付けられることになる。小さ過ぎるオフセット336は、大き過ぎる応力をセンサ138に及ぼし得るので、センサ138を破壊し得る。これらの要因を考慮して、いくつかの実施形態において、オフセット336は、少なくとも0.02インチ、少なくとも0.04インチ、0.08インチ未満、または0.13インチ未満である。いくつかの実施形態において、オフセット336は、0.06インチ以上及び/または0.10インチ以上である。オフセット336は、
図40に示されるように針156の針元から測定される。
【0390】
いくつかの実施形態において、センサ138の屈曲の少なくとも一部分は、張力緩和を含むことができる。例えば、センサ138の屈曲は、張力緩和をセンサ138に提供するために、ポリマーチューブまたはエラストマーチューブの中に封入することができる。いくつかの場合では、センサ138の全屈曲をポリマーチューブまたはエラストマーチューブに封入することができる。いくつかの実施形態において、チューブは、軟質ポリマーで構成される。ポリマーチューブまたはエラストマーチューブは、熱収縮プロセスによってセンサ138を封入することができる。いくつかの実施形態では、シリコーンゲルをチャネル342(
図39に示される)において、もしくはその近くで、または近位突出部320d(
図35に示される)の下側の少なくとも一部分に沿って、センサに塗布することができる。
【0391】
針チャネル幅344(
図42に示される)は、0.012インチとすることができる。いくつかの実施形態において、幅344は、0.010インチ以上及び/または0.015インチ以下である。チャネル330の幅344は、グルコースセンサ138を位置付けることができる最も狭い幅で測定される。
【0392】
以下、
図40を参照すると、基部128のファンネル182は、針156及び/またはグルコースセンサ138を孔180の中へ誘導することを補助することができる。ファンネル182及び孔180は、保管及び展開中に、センサ138をC字形状の針156に固定することを補助することができる。例えば、孔180は、センサ138が針156のチャネル330(
図42に示される)を出るための(孔180内の)余分な空間が存在しない程度に小さくすることができる。
【0393】
ファンネル182及び孔180の別の役割は、針156及び/またはセンサ138の受容者の中への挿入中に、針156及び/またはセンサ138を座屈力に対して支持することである。
【0394】
ファンネル182及び孔180はまた、(それらが非常に小さいため、例えば、針の展開前に指が針156に到達できないようにするので)不用意な針刺しによる負傷から保護する。
【0395】
センサモジュール134は、(例えば、センサモジュール134及びファンネル182の幾何学的配列のため)ファンネル182及び孔180を通過することができない。センサモジュール134が基部128を通過することを防止することは、基部128が受容者から取り外されるときに、センサモジュール134が受容者の身体から除去されることを確実にする。角度338は、センサ138の全てが孔180を通過することを防止して、基部128が受容者から取り外されるときに、センサ138が受容者の本体から除去されることを確実にすることができる。
【0396】
図39〜
図43の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図39〜
図43の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図38及び
図44〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0397】
針を含まないこと
いくつかの実施形態は、グルコースセンサを皮下組織に挿入することを補助するために、針を使用する。しかしながら、一部の人々は、針を恐れる。加えて、針の廃棄は、容易に入手することができない鋭利物廃棄容器を使用することが必要になり得る。
【0398】
多数の実施形態は、センサを挿入するために針を使用しないが、これは、人々がセンサの挿入をより快適に感じることを補助することができ、また、アプリケータまたはその一部分を廃棄するために鋭利物廃棄容器を使用する必要性を排除することができる。
【0399】
米国特許出願公開第US2011/0077490(A1)号、米国特許出願公開第US2014/0107450(A1)、及び米国特許出願公開第US2014/0213866(A1)は、いくつかの針を含まない実施形態を説明する。米国特許出願公開第US2011/0077490(A1)号、米国特許出願公開第US2014/0107450(A1)、及び米国特許出願公開第US2014/0213866(A1)の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0400】
本明細書で説明される実施形態のいずれかは、針の有無にかかわらず使用することができる。例えば、
図1〜
図50の状況で説明される実施形態は、針の有無にかかわらず使用することができる。例えば、
図7に示される実施形態は、針156を含むことなく、非常に類似した方法で使用することができる。この針を含まない実施形態において、第1の部分150を遠位に移動させることは、(針156を使用することなく)グルコースセンサ138の遠位部分を皮膚の中へ駆動する。針を含まない実施形態において、センサ138は、(孔180によって支持されるときに)センサ138が座屈しないように、十分な座屈抵抗を有することができる。センサ138の遠位先端部を鋭くすることもまた、受容者の中への針を含まない挿入を容易にすることができる。
【0401】
図56は、
図56の実施形態が針を含まないことを除いて、
図7に示される実施形態に非常に類似する一実施形態を図示する。入れ子式アセンブリ132bは、センサ138(任意の種類の分析物センサとすることができる)を受容者の身体に押し込む。
図56に示される実施形態は、(
図7に示されるような)針ハブ162、ばね234、針格納機構158を含まないが、本明細書の他の実施形態の状況において説明される品目及び特徴のいずれかを含むことができる。
【0402】
図57は、センサモジュール134及びセンサ138の基部128への結合に備えて、センサモジュール134及びセンサ138を基部128に向かって移動させるために、入れ子式アセンブリ132bの第2の部分152に対して遠位に移動する第1の部分150を図示する。
【0403】
図58は、第2の部分152に対して遠位終了位置にある第1の部分150を図示する。センサモジュール134及びセンサ138は、基部128に結合される。基部128は、(
図4〜6の状況で説明されるように)粘着剤126を受容者の皮膚に結合させたままにしながら、入れ子式アセンブリ132bを廃棄することができるように、もはや入れ子式アセンブリ132bに結合されない。
【0404】
図56〜
図58に図示される実施形態は、
図2及び
図3に示されるアプリケータシステム104に一体化することができる。
【0405】
図12A〜
図50の状況で説明される品目及び特徴はまた、
図56〜
図58で図示される実施形態と共に使用することもできる。品目及び特徴は、冗長性を低減させるために、特定の実施形態の状況で説明される。しかしながら、全ての図面に示される品目及び特徴は、組み合わせることができる。本明細書で説明される実施形態は、本明細書で説明される品目及び特徴の互換性を図示するように設計されている。
【0406】
図44及び
図45は、入れ子式アセンブリ132gの別の実施形態を図示する。この実施形態は、第2の部分152gに対して遠位に移動して、グルコースセンサ138gを基部128gの孔を通して受容者に押し込む、第1の部分150gを含む。
【0407】
入れ子式アセンブリ132gの第1の部分150g(例えば、プッシャ)は、(例えば、グルコースセンサ138gがセンサモジュール134gから突出するときに)グルコースセンサ138gの実質的に水平な区間を支持する遠位突出部352を含むことができる。遠位突出部352の端部は、グルコースセンサ138gの少なくとも一部分が位置付けられた溝354を含むことができる。溝354は、グルコースセンサ138gを保持することを補助することができる。遠位突出部352は、(例えば、グルコースセンサ138gを受容者の組織に遠位に押し込むために)グルコースセンサ138gに対する軸方向の支持を提供することができる。
【0408】
基部128gは、グルコースセンサ138gの遠位端部を基部128gの孔180gの中へ誘導することを補助するために近位に面するファンネル182gを含むことができる。孔180gは、センサ138gが受容者の組織の中へ挿入されるときに、センサ138gを半径方向に支持することができる。
【0409】
入れ子式アセンブリ132gの第1の部分150gが近位開始位置にあるときに、グルコースセンサ138gの遠位端部は、グルコースセンサ138gを適切な遠位方向に誘導することを補助するために、孔180g内に位置付けることができる。
【0410】
孔180gは、基部128gの凸状の遠位突出部174gから出ることができる。凸状の遠位突出部174gは、センサ挿入前に皮膚に張力を付与することを補助することができる。他の実施形態においてより完全に説明されるように、基部128gは、センサモジュール134gが基部128gに向かって遠位に移動し、次いで、基部128gに結合されるときに、受容者の皮膚に対して静置することができる。
【0411】
入れ子式アセンブリ132g(例えば、アプリケータ)は、針を含まない。その結果、いかなる鋭利物もアプリケータになく、これは、使用後の鋭利物の保護に対する必要性を排除する。この設計特徴は、格納ばねまたは針ハブに対する必要性をなくす。センサワイヤ138gの遠位端部は、針の挿入に対する必要性を軽減する程度まで鋭利にすることができる。
【0412】
入れ子式アセンブリ132g(例えば、アプリケータ)は、第1の部分150gと、第2の部分152gとを含むことができる。基部128gは、第1の部分150gの遠位端部に結合させることができる。グルコースセンサ138g及びセンサモジュール134gは、アプリケータがばね、針、または針ハブを必要としないように、第1の部分150gが入れ子式アセンブリ132gの第1の部分150gと第2の部分152gとの間の干渉部によって近位開始位置に固定されるように、及び/または干渉部の分離閾値よりも大きい遠位力を印加することが(例えば、センサ138gが組織の中へ挿入され、センサモジュール134gが基部128gに結合されるまで)第1の部分150gを第2の部分152gに対して遠位に移動させるように、第1の部分150gの遠位端部に結合させることができる。
【0413】
図46及び
図47は、類似する、針を含まない実施形態を図示する。この実施形態は、
図45に示される遠位突出部352を使用しない。代わりに、センサモジュール134hは、グルコースセンサ138hがすなわち少なくとも45度及び/または135度未満である屈曲を含むようにセンサ138hを遠位に方向付ける、遠位に配向されたチャネル358を含む。通信路カバー362は、グルコースセンサ138hを、遠位に配向されたチャネル358内に固定する。
【0414】
図44〜
図47に図示される実施形態は、
図2及び
図3に示されるアプリケータシステム104に一体化することができる。以下、
図2を参照すると、電子装置ユニット500(例えば、バッテリを有する伝送機)は、無菌バリアシェル120に着脱可能に結合させることができる。残りのアプリケータシステム104は、滅菌することができ、次いで、(電子装置ユニット500が、残りのアプリケータシステム104によって滅菌されないように)電子装置ユニット500を無菌バリアシェル120に結合させることができる。
【0415】
図12A−43及び
図48〜
図70の状況で説明される品目及び特徴はまた、
図44〜
図47に図示される実施形態と共に使用することもできる。品目及び特徴は、冗長性を低減させるために、特定の実施形態の状況で説明される。しかしながら、全ての図面に示される品目及び特徴は、組み合わせることができる。本明細書で説明される実施形態は、本明細書で説明される品目及び特徴の互換性を図示するように設計されている。
【0416】
図44〜
図47の状況で記載される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図44〜
図47の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図43及び
図48〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0417】
いくつかの実施形態において、センサ138は、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)を基部128に結合させることに応じて、(例えば、受容者の皮膚の中へ)展開することができる。センサ138は、任意の種類の分析物センサ(例えば、グルコースセンサ)とすることができる。
【0418】
センサ138の尚早の展開は、センサ138の間違った人物への挿入、及び/または不十分なセンサ挿入深さを生じさせることがあり得る。尚早の展開は、いくつかの実施形態において脆弱であり得るセンサ138を破損することがあり得る。したがって、尚早にセンサを展開する可能性を低減させる必要性が存在する。
【0419】
尚早のセンサ展開の可能性を低減させるための1つの方法は、システムが(例えば、電子装置ユニット500を基部128に結合させるために)初期抵抗を含むことである。初期抵抗は、初期抵抗に打ち勝つ前に、力の蓄積を必要とし得る。初期抵抗に打ち勝ったときに、センサ138は、典型的に、(例えば、少なくとも0.5ポンド、1ポンド、及び/または5ポンド未満であり得る、力の蓄積により)初期抵抗を伴わない事例よりも速く展開される。この素早い展開は、センサ挿入プロセスと関連付けられる痛みを低減させることができる。
【0420】
いくつかの実施形態において、初期抵抗に打ち勝った後に電子装置ユニット500を基部128に結合させることに対する抵抗は、初期抵抗の10パーセント未満、初期抵抗の40パーセント未満、及び/または初期抵抗の少なくとも5パーセント未満である。初期抵抗に打ち勝った後に電子装置ユニット500を基部128に結合させることに対して低い抵抗を有することは、高速なセンサ挿入を可能にすることができ、これは、センサ挿入プロセスと関連付けられる痛みを低減させることができる。
【0421】
図56〜
図58は、センサ138を受容者の皮膚の中へ展開する第1の部分150を図示する。いくつかの実施形態において、第1の部分150は、電子装置ユニット500を基部128に結合させることがセンサ138を受容者の皮膚に押し込むように、
図4に示される電子装置ユニット500と置き換えられる。以下、
図4及び
図56〜
図58を参照すると、(他の実施形態で説明されるような)突出部240は、電子装置ユニットを第2の部分152に対して遠位に移動させること、及び/または電子装置ユニット500を基部128に結合させることが突出部240の初期抵抗に打ち勝つことを必要とするように、電子装置ユニット500の一部分とすることができる。
【0422】
電子装置ユニット500を基部128に結合させることに応じてセンサ138が(例えば、受容者の皮膚の中へ)展開されるように構成されたいくつかの実施形態では、入れ子式アセンブリ132bが使用されない。代わりに、基部128の特徴は、電子装置ユニット500を基部128に結合させるために、初期抵抗を提供する。
図33の係止特徴230は、いくつかの他の実施形態において、異なる目的に使用されるが、基部128の係止特徴230は、電子装置ユニット500の対応する特徴と結合させることができる。この結合は、初期抵抗に打ち勝つことを必要とし得る。
【0423】
図1〜
図70の状況で説明される特徴及び実施形態のいずれかは、電子装置ユニット500(例えば、伝送機)を基部128に結合させることに応じてセンサ138が(例えば、受容者の皮膚の中へ)展開される、全ての態様及び実施形態に適用することができる。
垂直係止
【0424】
入れ子式アセンブリ(例えば、アプリケータ)を使用してグルコースセンサを挿入した後に、グルコースセンサを挿入するために使用される針が、不注意に別の人物に穿通する可能性がある。この危険性から保護するために、入れ子式アセンブリは、センサが受容者の中へ挿入された後に、入れ子式アセンブリの第1の部分が第2の部分に対して遠位に移動することを防止することによって、その後の針刺しによる負傷から人々を保護することができる。
【0425】
図48は、第1の部分150i及び第2の部分152iを含む入れ子式アセンブリ132iの斜視断面図を図示する。以下、
図48〜
図50を参照すると、第1の部分150iは、第2の部分152iに対して遠位に入れ子状になるように構成される。入れ子式アセンブリ132iの第2の部分152iは、第1の部分150iが遠位に移動するにつれて、入れ子式アセンブリ132iの第1の部分150iのロックアウト特徴366を過ぎて摺動することができる、近位突出部364を含むことができる。
【0426】
近位突出部364は、近位突出部364がロックアウト特徴366に係合した時点で、近位突出部364の弾性変形が、近位突出部364をロックアウト特徴366の底部に押し込むように構成された力を作成するように付勢される。
【0427】
近位突出部364は、最初に第1の部分150iが遠位に移動するときに、ロックアウト特徴366に引っ掛からない。第1の部分150iが遠位終了位置にある時点で、ばねは、第1の部分150iを第2の近位位置に押すことができる。開始の近位位置に戻るのではなく、近位突出部364は、(近位突出部364の付勢及びロックアウト特徴366の遠位に面する切り欠き368により)ロックアウト特徴366に引っ掛かる。
【0428】
近位突出部364の近位端部がロックアウト特徴366に捕捉された時点で、近位突出部364の強固さは、入れ子式アセンブリ132iの第1の部分150iが2回目に遠位に移動することを防止する。
【0429】
第1の部分150iが第2の部分152iに対して遠位に移動するにつれて、第1の部分150iのランプ部370は、近位突出部364を外方へ(ロックアウト特徴366に向かって)押す。近位突出部364は、第1の部分150iの2つの遠位突出部372の間に位置付けることができる。遠位突出部372は、近位突出部364をランプ部370に沿って誘導することができる。
【0430】
近位突出部364の一部分がランプ370に沿って摺動するにつれて(第1の部分150iが遠位に移動するにつれて)、ランプ部は、以前に2つの遠位突出部372の間にあった近位突出部364の一部分がもはや遠位突出部372の間になくなるまで、近位突出部364を屈曲させる。近位突出部364の部分がもはや2つの遠位突出部372の間になくなると、近位突出部364は、切り欠き368に引っ掛かった状態になる。切り欠き368は、遠位突出部372の一部とすることができる。
【0431】
入れ子式アセンブリ132iの第2の部分152iは、中心軸に対して0〜45度の角度に配向することができる近位突出部364を含むことができる。入れ子式アセンブリ132iの第1の部分150iは、近位突出部364を、第1の部分150iが遠位に移動するときには第1の経路に従わせ、次いで、第1の部分150iが近位に移動するときには第2の経路に従わせる特徴を含むことができる。第2の経路は、第1の部分150iが2回目に遠位に移動することを防止する係止特徴366を含む。
【0432】
第1の部分150iは、近位突出部364を第1の経路に沿って誘導するランプ部370を含むことができる。第1の部分150iの遠位突出部(例えば、ランプ部370)は、第1の部分150iが近位に移動するにつれて、近位突出部364に付勢して、近位突出部364を第2の経路に進入させることができる。近位突出部364は、フレックスアームとすることができる。係止366は、近位突出部364の近位端部に引っ掛かる、遠位に面する切り欠き368を備えることができる。
【0433】
図48及び
図50に示されるように、入れ子式アセンブリ132iは、センサモジュール134iを含むことができる。センサモジュール134iは、本明細書で説明されるセンサモジュールのいずれかとすることができる。
【0434】
図48〜
図50の状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で識別される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図48〜
図50の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図47及び
図51〜
図70の状況で記載される実施形態と組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0435】
二重ばねアセンブリ
部分的なセンサ挿入は、最適に及ばない感知につながり得る。いくつかの事例において、部分的なセンサ挿入は、(針が保護筐体の中へ格納されないことによる)針刺し事故を生じさせ得る。したがって、完全なセンサ挿入を確実にするシステムに対する必要性が存在する。
【0436】
図61〜
図64に図示される実施形態は、十分な位置エネルギーがシステムに蓄積されるまでセンサ挿入が生じないようにすることによって、部分的なセンサ挿入の確率を劇的に低減させる。位置エネルギーは、第1のばね402に蓄積される。
【0437】
システムは、
図7に図示される実施形態からの多数の品目(例えば、基部128及びセンサモジュール134)を含む。システムは、任意選択の針156及び針ハブ162を含む。
図61〜
図64に図示される実施形態はまた、針156、第2のばね234、針ハブ162、及び針格納機構158を除去することによって、針を含まないように構成することもできる。
【0438】
入れ子式アセンブリ132kは、3つの部分150k、152k、392を有する。第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることが、(第1のばね402を圧縮することによって)エネルギーを第1のばね402に蓄積させる。第1の部分150kが第2の部分152kから係止解除されると、圧縮された第1のばね402に蓄積されたエネルギーを使用して、第1の部分150kを第2の部分152kに対して遠位に押して、センサ138(
図7に示される)を受容者の皮膚の中へ駆動する。
【0439】
第1のばね402が十分に圧縮される(したがって、十分な蓄積エネルギーを有する)まで、第1の部分150kが第2の部分152kに対して遠位に移動しないことを確実にするために、第1の部分150kは、第2の部分152kに係止される。第1のばね402が十分に圧縮される(したがって、十分な蓄積エネルギーを有する)と、システムは、第1の部分150kを第2の部分152kから係止解除して、蓄積エネルギーが、センサ138(及び、いくつかの実施形態において、針156)を受容者の皮膚の中へ移動させることを可能にする。
【0440】
入れ子式アセンブリ132kは、第3の部分392が第2の部分152kに対して十分に遠位位置に到達することに応じて、第3の部分392を第2の部分152kに係止することができる。突出部408は、孔410と結合して、第3の部分392を第2の部分152kに係止することができる。
【0441】
いくつかの実施形態は、係止突出部408を含まず、また、第3の部分392が第2の部分152kに対して十分に遠位位置に到達することに応じて、第3の部分392を第2の部分152kに係止しない。
【0442】
いくつかの実施形態において、十分な遠位位置とは、近位開始位置に対して少なくとも3ミリメートル、少なくとも5ミリメートル、及び/または30ミリメートル未満遠位である。
【0443】
入れ子式アセンブリ132kは、第1の部分150kが第2の部分152kに対して十分に遠位位置に到達することに応じて、第1の部分150kを第2の部分152kに係止することができる。突出部412(例えば、遠位突出部)は、(例えば、入れ子式アセンブリ132kの中心軸に対して垂直の±30度以内である表面において)孔414と係合して、第1の部分150kを第2の部分152kに係止することができる。
【0444】
いくつかの実施形態は、センサを受容者の皮膚の中へ挿入することを補助するために、針156を含む。針156を含む実施形態において、入れ子式アセンブリ132kは、
図7の状況で説明される針格納機構158を含むことができる。第1の部分150kを第2の部分152kに対して十分に遠位位置に移動させることは、針格納機構158をトリガーして(例えば、ラッチを解除して)、第2のばね234が針156を格納することを可能にする。
【0445】
図61は、皮膚上センサアセンブリ600(
図4〜
図6に示される)を受容者の皮膚に適用するためのシステムを図示する。システムは、経路に沿って近位開始位置(例えば、
図61に示される位置)から遠位位置(例えば、
図64に示される位置)まで第2の部分152kに対して遠位に移動するように構成された第1の部分を有する入れ子式アセンブリ132kと、第1の部分150kに結合されたセンサ138(
図64に示される)と、センサ138を皮膚に結合させるように構成された粘着剤126を備える基部128とを備える。入れ子式アセンブリ132kは、第2の部分152kに対して遠位に移動するように構成された第3の部分392をさらに備えることができる。
【0446】
いくつかの実施形態において、第1の部分150kは、第2の部分152kが入れ子式アセンブリ132kの中心軸に対して垂直に切った断面において第1の部分150kに巻き付くように、第2の部分152kの内部に位置付けられる。
【0447】
いくつかの実施形態において、第1のばね402は、第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることが第1のばね402を圧縮するように、第3の部分392と第2の部分152kとの間に位置決めされる。第1のばね402は、金属螺旋ばね及び/または金属円錐ばねとすることができる。いくつかの実施形態において、第1のばね402は、第3の部分392の一部として、第2の部分152kの一部として、または第1の部分150kの一部として成型される特徴である。第1のばね402は、成型プラスチックとすることができる。
【0448】
入れ子式アセンブリ132kは、第1のばね402が、近位開始位置において圧縮されないように、及び/または保管中に圧縮されないように構成することができる。いくつかの実施形態において、入れ子式アセンブリ132kは、(例えば、第3の部分392、第2の部分152k、及び第1の部分150kのうちの少なくとも1つ等の他の構成要素の不利益なばねの緩和及び/またはクリープを回避するために)第1のばね402が近位開始位置において、及び/または保管中に15パーセントを超えて圧縮されないように構成することができる。
【0449】
針156を含むいくつかの実施形態は、針ハブ162を含まない。これらの実施形態において、第2のばね234は、第1の部分150kを第2の部分152kに対して遠位に移動させることが第2のばね234を圧縮して、第2のばね234が第1の部分150kを第2の部分152kに対して近位に押し、(例えば、センサ挿入後に)針156を格納するように、第2の部分152kと第1の部分150kとの間に位置付けることができる。
【0450】
いくつかの実施形態において、第2のばね234は、入れ子式アセンブリ132kが近位開始位置にある間、圧縮される。例えば、第2のばね234は、ユーザが入れ子式アセンブリ132kを受け取ったときに、第2のばね234が既に圧縮されている(針156を格納するのに十分圧縮されている)ように、入れ子式アセンブリ132kを組み立てている間に工場において圧縮することができる。
【0451】
第2のばね234は、本明細書の他の実施形態の状況で(例えば、
図7の実施形態の状況で)説明されるばね234と関連付けられる属性及び特徴のいずれかを有することができる。
【0452】
いくつかの実施形態において、センサモジュール134(例えば、分析物センサモジュール)及びセンサ138(例えば、分析物センサ)の基部128に対する移動は、(例えば、
図7〜
図11によって図示される進行によって示されるような)他の実施形態の状況において説明されるようであり得る。
【0453】
入れ子式アセンブリ132kの近位開始位置において、第1の部分150kは、第2の部分152kに係止することができる。システムは、第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることが第1の部分150kを第2の部分152kから係止解除するように構成することができる。
【0454】
いくつかの実施形態において、第1のフック396を有する第1の近位突出部394は、第2の部分152kの第1の孔398を通過して、第1の部分150kを第2の部分152kに係止する。第3の部分392は、第1の遠位突出部404を備えることができる。システムは、第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることがランプ部406に係合して第1の近位突出部394を屈曲させて、第1の部分150kを第2の部分152kから係止解除するように構成することができる。
【0455】
いくつかの実施形態において、センサ138は、システムが第1の部分150kを第2の部分152kに対して遠位に移動させることによってセンサ138を基部128に結合させるように構成されるように、基部128がシステムの遠位端部から突出している間、第2の部分152k内に位置付けられる。
【0456】
いくつかの実施形態において、センサモジュール134は、第1の部分150kを遠位位置まで移動させることがセンサモジュール134を基部128に結合させるように、第1の部分150kの遠位部分に結合される。この結合は、本明細書の他の実施形態の状況において説明されるようになり得る。センサ138は、第1の部分150kが近位開始位置に位置付けられている間、センサモジュール134に結合させることができる。
【0457】
システムは、第1のばね402が第1の部分150kを第2の部分152kに対して遠位に移動させる前に、第3の部分392が第2の部分152kに対して遠位に移動するように構成することができる。システムは、第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることが第2の部分150kから第1の部分150kを係止解除し、第3の部分392を第2の部分152kに係止するように構成することができる。
【0458】
第1の突出部408は、第2の部分152k及び第3の部分392のうちの少なくとも1つの孔410と係合して、第3の部分392を第2の部分152kに係止する。
【0459】
いくつかの実施形態において、システムは、第1の部分150kが第2の部分152kに対して遠位に移動することに応じて、第1の部分150k及び第2の部分152kのうちの少なくとも1つの孔414と結合して第1の部分150kを第2の部分152kに係止する、第2の突出部412を備える。
【0460】
いくつかの実施形態において、第1のばね402は、第3の部分392を第2の部分152kに対して遠位に移動させることが第1のばね402を圧縮し、第1の部分150kを第2の部分152kから係止解除するように、第3の部分392と第2の部分152kとの間に位置決めされ、圧縮された第1のばね402が第1の部分150kを第2の部分152kに対して遠位に押すことを可能にし、センサ138の少なくとも一部分をシステムの遠位端部から押し出し、針格納機構158をトリガーして、第2のばね234が針156を格納することを可能にする。
【0461】
さらに別の態様において、本明細書では、事前に接続されたセンサアセンブリ(すなわち、センサ展開の前に少なくとも1つの電気接点に電気的に結合された分析物センサ)を有する、二重ばねに基づくセンサ挿入デバイスが開示される。そのようなセンサ挿入デバイスは、針によるユーザの皮膚の中への便利で信頼性の高い挿入、ならびにセンサが挿入された後の針の信頼性の高い格納を提供し、これらは、便利さをユーザに提供し、同様に、挿入機構の予測性及び信頼性も提供する特徴である。自動挿入及び自動格納を有する二重ばねに基づくセンサ挿入デバイスの信頼性及び便利さは、センサ挿入デバイスの分野におけるかなりの進歩を提供する。さらに、そのようなデバイスは、安全性及び保存安定性の両方を提供することができる。
【0462】
いくつかの実施形態において、挿入デバイスは、第1のばねと、第2のばねとを含むことができる。そのような実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、入れ子式アセンブリの第1の部分及び第2の部分等の、入れ子式アセンブリの一部分と一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、別々に形成し、入れ子式アセンブリの一部分に動作可能に結合させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、挿入ばねは、入れ子式アセンブリの一部分と一体的に形成することができ、一方で、格納ばねは、入れ子式アセンブリの一部分に動作可能に結合された別個の部分である。
【0463】
いくつかの実施形態では、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、エネルギー付与中に圧縮を受けるように構成されるのではなく、エネルギー付与中に張力の付与を受けるように構成することができる。これらの実施形態において、ばねと入れ子式アセンブリの一部分との間の結合、ならびに(例えば、静止状態における、ならびに起動中、展開中、及び格納中の)アセンブリの移動部分間の結合は、システム内の所望の活動及び反応を駆動するように、及び/または容易にするように調整することができる。挿入プロセスを駆動するために張力を付与した格納ばねを用いる一実施形態において、格納ばねは、入れ子式アセンブリの第2の部分に結合させること、または該第2の部分と一体的に形成することができる。そのような実施形態において、格納ばねは、静止状態において事前に張力を付与することができる。他のそのような実施形態において、格納ばねは、静止状態では張力を付与せず、センサ挿入プロセス中に張力を付与することができる。
【0464】
いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、システムが静止状態にあるときに、実質的に非エネルギー付与状態及び/または非応力状態とすることができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、システムが静止状態にあるときに、エネルギー付与状態及び/または応力状態とすることができる。本明細書で使用される場合、「エネルギー付与(した)」という用語は、システム内で所望の活動及び反応を行うための十分な位置エネルギーがばねに蓄積されていることを意味する。いくつかの実施形態において、第1のばねは、ユーザがより少ない量の力を印加して第1のばねを完全にエネルギー付与状態にすることができるように、静止状態において部分的にエネルギー付与することができる。いくつかの実施形態において、第2のばねは、(静止状態、またはユーザによるエネルギー付与後、のいずれかにおいて)第1のばねに蓄積されるエネルギーが第2のばねにエネルギー付与するために力を提供することができるように、静止状態において部分的にエネルギー付与することができる。いくつかの実施形態において、第1のばねに蓄積されるエネルギーは、第2のばねにエネルギー付与して皮膚から針を少なくとも格納するために十分な力を提供することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、静止状態の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%圧縮するか、または張力を付与することができる。他の実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、静止状態の50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、または0%圧縮するか、または張力を付与することができる。
【0465】
第1のばね及び第2のばねが静止状態において実質的に非エネルギー付与状態である実施形態において、該ばねは、同じ量、類似する量、または完全に異なる量だけ応力を付与することができる。第1のばね及び第2のばねが静止状態において事実上エネルギー付与状態である実施形態において、該ばねは、同じ量、類似する量、または完全に異なる量だけ応力を付与することができる。第2のばねが静止状態において実質的に非エネルギー付与状態である実施形態において、第1のばねは、システム内の所望の移動(例えば、所望の方向における第1の部分の移動)ならびに第2のばねのエネルギー付与の両方を駆動するために十分なエネルギーを蓄積するように構成することができる。
【0466】
以下、
図71〜
図75を参照すると、皮膚上センサアセンブリを受容者の皮膚に適用するためのシステム104mの別の実施形態が図示される。
図71〜
図75に図示される実施形態は、十分な位置エネルギーがシステムに蓄積されるまでセンサ挿入が生じないようにすることによって、不完全なセンサ挿入の可能性を低減させることができる。センサを挿入するための位置エネルギーは、第1のばね402m等のアクチュエータに蓄積することができる。実施形態は、制御された速度、制御された力、及び改善されたユーザエクスペリエンス等の他の利点を提供することができる。
【0467】
システム104mは、
図7に図示される実施形態からの多数の特徴(例えば、針156、基部128、及びセンサモジュール134)を含むことができる。システム104mは、限定されないが、針ハブ162m、第2のばね234m、及び針格納機構158m等の、代替の要素を含むことができる。
図71〜
図75に図示される実施形態はまた、針156、第2のばね234m、針ハブ162m、及び針格納機構158mを除去することによって、針を含まないように構成することもできる。そのような実施形態において、センサは、自己挿入可能なセンサとすることができる。
【0468】
システム104mは、第1の部分150m、第2の部分152m、及び第3の部分392mを含む、
図61〜
図64に図示される実施形態の特徴に類似する多数の特徴(例えば、入れ子式アセンブリ132m)を含むことができ、第3の部分392mが第2の部分152mに対する十分に遠位位置に到達して、第1のばね402mを圧縮し、十分なエネルギーをばね402mに蓄積して、センサ138(及びいくつかの実施形態において針156)の挿入を受容者の皮膚の中へ駆動するまで、第1の部分150mを第2の部分152mに解除可能に係止するように構成された係止特徴396m及び398m、第3の部分392mが第2の部分152mに対して十分に遠位位置に到達することに応じて、(例えば、第2の部分152mに対する第3の部分392mの近位移動を防止するために)第3の部分392mを第2の部分152mに係止するように構成された係止特徴408m及び410m、少なくとも第3の部分392mが第2の部分152mに係止された後に、及び/または第1のばね402mが十分に圧縮された後に、係止特徴396m及び398mを係止解除するように構成された係止解除特徴404m及び406m、第1の部分150mが第2の部分152mに対して十分に遠位位置に到達して、センサ138(及びいくつかの実施形態において針156)を受容者の皮膚の中へ駆動することに応じて、第1の部分150mを第2の部分152mに係止するように構成された係止特徴412m及び414m、ならびに針ハブ162mが十分に遠位位置に到達し、それによって、第2のばね234mが針156を格納した時点で、(例えば、第1の部分150m対する針ハブ162mの近位移動を可能にするために)針ハブ162mを第1の部分150mから係止解除するように構成された針格納機構158mを伴う。
【0469】
図71は、静止状態(例えば、消費者に提供されるとき、アプリケータシステムのユーザによる起動及び展開の前)におけるアプリケータシステム104mの断面斜視図を図示する。図面に図示されるように、第1のばね402mは、第1のばねが実質的にエネルギー付与されないように、張力付与状態でも、圧縮状態でもないようにすることができる。いくつかの実施形態において、第1のばね402mは、第1のばねが静止状態において実質的にまたは殆どエネルギー付与されないように、僅かに張力付与状態か、または僅かに圧縮状態とすることができる(例えば、15パーセントを超えて張力付与も圧縮もされない)。いくつかの実施形態において、第1のばねは、事実上非エネルギー付与状態とすることができ、例えば、静止状態において、システムにおける任意の種類の連鎖反応を作成しない程度まで最小限にエネルギー付与することができる。
【0470】
図71〜
図75に図示される実施形態において、第1のばね402mは、第3の部分392mの一部として一体的に形成される。いくつかの実施形態において、第1のばね402mは、限定されないが、第1の部分150m、第2の部分152m等の、システム104mの他の構成要素の一部として一体的に形成することができる。
図71〜
図75に図示されるもの等の一体的に形成されたばねは、システム内の部品数の低減ならびに組み立てプロセスの量の低減を含む、利点を提供する。第1のばね402mは、成型プラスチックとすることができる。
図71に図示されるように、静止状態では、第2のばね234mもまた、実質的に非エネルギー付与状態である(例えば、15パーセントを超えて張力付与も圧縮もされない)。第2のばね234mは、針ハブ162mの一部として一体的に形成される。いくつかの実施形態において、第2のばね234mは、限定されないが、第1の部分150m、第2の部分152m、基部128等の、システム104mの他の構成要素の一部として一体的に形成されることができる。第2のばね234mは、成型プラスチックとすることができる。そのような構成は、システム104mの製造及び組み立てを単純化することができ、一方で、保管中及び/または展開前の、第1のばね402m、第2のばね234m、または他のシステムの構成要素104mの不利益な緩和及び/またはクリープを回避する。また、他の実施形態では、第1のばね402m及び/または第2のばね234mが金属で構成され得ることも企図される。
【0471】
いくつかの実施形態において、第1のばね402m及び/または第2のばね234mは、限定されないが、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、PC/ABS配合物、ナイロン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(pp)、及びアセタール等の、成型プラスチックで構成することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね402mまたは第2のばね234mは、10lb/インチ未満のばね定数を有する。
【0472】
アプリケータシステム104は、一方の構成要素をもう一方に対して移動させることによって、エネルギー付与することができる。例えば、第3の部分392mを第2の部分152mに対して遠位に移動させることは、第2の部分152mが受容者の皮膚または別の表面に配置されるときに、第1のばね402mを第1の部分150mに対して圧縮するにつれて該第1のばねにエネルギーを蓄積することができる。第3の部分392mは、係止特徴408m及び410m(
図73を参照されたい)が一緒に係合するまで、遠位に移動させることができる。いくつかの実施形態において、第3の部分392mは、係止解除特徴404mが係止特徴396mに係合するまで、さらに遠位に移動させることができる。係止解除特徴404mは、係止特徴396mを係合及び解除し、第1の部分150mを遠位に移動させることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、係止特徴396mが係止特徴398mから係合解除される前に、係止特徴408m及び410mを一緒に係合させる。他の実施形態において、係止解除特徴404mは、係止特徴396mを係合し、係止特徴396mを係止特徴398mから係合解除させ、係止特徴408m及び410mを一緒に係合させることができる。いくつかの実施形態において、係止特徴408mは、フック部分を特徴とする突出部であり、係止特徴410mは、角度付き表面を特徴とする孔であり、係止解除特徴404mは、角度付き表面を特徴とする遠位突出部であり、係止特徴396mは、ランプ部406mを特徴とするフックであり、係止特徴398mは、開口である。センサモジュール134は、第1のばね402mがエネルギー付与されている間、近位開始位置にとどまる。
【0473】
図72は、第1の部分150mを第2の部分152mから係止解除するように、第1のばね402mが圧縮され、係止解除特徴404m及び406mが係合された状態のアプリケータシステム104mの断面斜視図を図示する。第1の部分150mが第2の部分152mから係止解除されるまで、センサモジュール134は、その近位開始位置にとどまり、第2のばね234mは、実質的に非エネルギー付与状態のままである。
図73は、アプリケータシステム104mの回転断面斜視図を図示し、第3の部分392mの第2の部分152mに対する近位移動を防止するように係合される係止特徴408m及び410mを示す。いくつかの実施形態において、
図73に図示されるように、システムは、開口部410mと協働して、展開前に第3の部分392が落下すること、または別様にはシステム104mの残部から分離することを防止するように構成された副係止特徴409mを含むことができる。
【0474】
図74は、第2の部分152mに対する第1の部分150mの係合解除によってシステム104mが起動された状態の、アプリケータシステム104mの断面斜視図を図示する。
図74で分かるように、第1の部分150m及び第2の部分152mが係合解除または解除されると、第1のばね402mに蓄積された位置エネルギーが、針ハブ162m及びセンサモジュール134と共に、第1の部分150mを遠位方向に駆動する。この移動は、第2のばね234mを圧縮し、センサモジュール134が基部128に係合され、針156が基部128の遠位に延在する遠位挿入位置まで、針156及びセンサモジュール134を遠位に展開する。針156及びセンサモジュール134が遠位挿入位置に到達すると、係止特徴412m、414m(
図73を参照されたい)が係合して、第1の部分150mの第2の部分152mに対する近位移動を防止し、針格納機構158mの係止解除特徴(例えば、近位突出部170m、解除特徴160m、ならびに解除特徴160mの端部164m及び第1の部分150mのオーバーハング166mを備えるラッチ236m)が協働して、ラッチ236mを解除する。随意に、ユーザは、第2のばね243mが起動された後にクリック音を聞くことができ、該クリック音は、キャップが適所に係止されたことをユーザに知らせることができる。
【0475】
ラッチ236mが解除されると、圧縮された第2のばね234mに蓄積された位置エネルギーが針ハブ162mを近位方向に逆に駆動し、一方で、第1の部分150mは、センサモジュール134と共に、遠位展開された位置にとどまる。蓄積された位置エネルギーは、0.25ポンド〜4ポンドであり得る。好ましい実施形態において、蓄積された位置エネルギーは、約1〜2ポンドである。
図75は、センサモジュール134が遠位展開位置において基部128に結合され、針ハブ162mが近位格納位置に格納された、アプリケータシステム104mの断面斜視図を図示する。
【0476】
実施形態に従って構成されたシステムは、センサを挿入するための本質的に安全で保存安定なシステムを提供することができる。無荷重状態(すなわち、実質的に非圧縮状態かつ実質的に未起動状態)のばねは、尚早に打ち出すことができない。実際、そのようなシステムは、第1のばねまたは第2のばねが保管中に実質的に非エネルギー付与状態であるので、ユーザからの直接的な相互作用を伴わない不慮の打ち出しを行うことが殆どできない。さらに、システムの要素は、事前にエネルギー付与した挿入デバイスと比較して、経時的な力または相の変化(クリープ、環境、時間依存性の負荷状態による欠陥等)に晒されないので、起動前の、実質的に非圧縮状態のばねを有するシステムが、保存安定性を保有することが想定される。実質的に非圧縮状態の第1及び第2のばねは、実質的に非エネルギー付与状態の第1のばね404mが、近位位置から遠位位置までセンサを駆動するのに十分なエネルギーを与えるように、さらには、エネルギーを第2のばね234mに伝達して針を完全格納位置まで駆動するように構成されたシステムを提供することができる。
【0477】
他の実施形態はまた、これらの利点を達成するように構成することもできる。例えば、
図76〜
図79は、皮膚上センサアセンブリをホストの皮膚に適用するためのシステム104nの別の実施形態を図示する。システム104nは、
図71〜
図75に図示される実施形態の特徴に類似する多数の特徴(例えば、第1の部分150n、第2の部分152n、及び第3の部分392nを含む入れ子式アセンブリ132n、針ハブ162n、第1のばね402n、ならびに第2のばね234n)を含む。
図76〜
図79に図示される実施形態において、第1のばね402nは、第3の部分392nとは別に形成され、該第3の部分に動作可能に結合される。第2のばね234nは、針ハブ162nとは別に形成され、該針ハブに動作可能に結合される。第1のばね及び/または第2のばねは、各々、円形断面を有する螺旋ばねで構成することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び/または第2のばねは、各々、正方形または非円形断面を有する螺旋ばねで構成することができる。第1のばね及び/または第2のばねは、限定されないが、ステンレス鋼、鋼、または他の種類の金属等の、金属で構成することができる。代替的に、いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、アプリケータアセンブリの一部分と一体的に形成することができる。例えば、限定されないが、いくつかの実施形態において、第1のばねは、第1の部分と一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、第2のばねは、針ハブと一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び/または第2のばねは、限定されないが、PCまたはABS等の、成型プラスチックとすることができる。
【0478】
図76は、第1のばね402n及び第2のばね234nがどちらも非応力状態かつ非エネルギー付与状態である、静止状態におけるシステム104nの側断面図を図示する。静止状態において、第1の部分150nは、少なくとも軸方向において、第2の部分152nに対して固定することができ、一方で、第3の部分392nは、少なくとも遠位方向において、第1の部分150nに対して移動可能である。第1の部分150n及び第2の部分152nは、任意の適切な様式で、例えば、第1の部分150n及び第2の部分152nに結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴(例えば、
図71〜
図75で説明されるような係止特徴、または類似する特徴)を協働させることによって、互いに対して固定することができる。システム104nは、針ハブ162nに解除可能に結合された皮膚上構成要素134nを含む。皮膚上構成要素は、直接的であるか、間接的であるかにかかわらず、例えば粘着剤パッチを介して、
図3に関連して説明されるセンサモジュール134、または組み合わせたセンサモジュール及び基部アセンブリ、または一体化したセンサモジュール/基部/伝送機アセンブリ、または受容者の皮膚に望ましく適用される任意の他の構成要素等の、センサモジュールを備えることができる。
【0479】
図76に図示される静止状態において、皮膚上構成要素134nは、システム104nの近位端部と遠位端部との間で、近位開始位置に配置される。針156の遠位端部はまた、システム104nの近位端部と遠位端部との間に配置することもできる。静止状態において、第1のばね402nの遠位端部は、第1の部分150nの近位に面する表面に当接する。第3の部分392nの近位に面する表面への力の印加は、第3の部分392nを第1の部分150nに対して遠位に移動させ、第1のばね402nを圧縮し、したがって、エネルギーを付与する。いくつかの実施形態において、このプロセスは、
図71に関連して説明されるばねエネルギー付与プロセスに類似し得る。
【0480】
図77は、第1のばね402nにエネルギー付与した状態の
図76のアプリケータシステムの側断面図を図示する。第3の部分392nが十分に遠位に移動して、第1のばね402nにエネルギー付与したときに、第3の部分392nは、少なくとも軸方向の方向において、第2の部分152nに対して固定される。同時に、またはほぼ同時に(例えば、一斉に、または続いて)第1の部分150nは、少なくとも遠位方向において、第2の部分152nに対して移動可能になる。第3の部分392n及び第2の部分150nは、任意の適切な様式で、例えば、第3の部分392n及び第2の部分152nに結合された、またはこれらの一部を形成する係止特徴(例えば、
図71〜
図75で説明されるような係止特徴、または類似する特徴)を協働させることによって、互いに対して固定することができ、該第3の部分及び第2の部分は、第3の部分392nが十分に遠位位置に到達した時点で互いと係合するように構成される。第1の部分150n及び第2の部分152nは、それらを
図76に図示される静止構成において一緒に結合させた係止特徴を解除するように構成された構造(複数可)(
図76〜
図79に示さず)によって、互いに対して移動できるようにすることができる。第1の部分150nは、システムが静止位置にある間、かつばね392nへのエネルギー付与中に、針ハブ162nの解除特徴160nと協働して針ハブ162nを第1の部分150nに対して固定するオーバーハング(あるときには、デテント、アンダーカット、及び/または針ハブ係合特徴と称される)166nを含む。
【0481】
図78は、第1の部分150n及び第2の部分152nが係止解除された状態で、第1のばね402nを起動し、その中に蓄積されたエネルギーが第1の部分150nを遠位方向に駆動することを可能にする状態の、システム104nの側断面図を図示する。第1の部分150nの移動はまた、針ハブ162n(ならびに針ハブ162nに結合された皮膚上構成要素134n)も遠位方向に付勢し、第2のばね234nを第2のばね152nの近位に面する表面に対して圧縮し、皮膚上構成要素134nを基部128nに結合させ、そして、針156を
図78に図示される遠位挿入位置に駆動する。針ハブ162nが十分に遠位位置に到達してこれらの機能を達成したときに、解除特徴160nの端部が第2の部分152nのランプ部170nに接触し、解除特徴160nを(システム104nの中心軸に向かって)内方に圧縮し、解除特徴160nの端部をオーバーハング166nから係合解除する。いくつかの実施形態において、このプロセスは、
図74に関連して説明されるばね圧縮プロセスと類似し得る。いくつかの実施形態において、ランプ部170nは、近位に面するランプ部である。他の実施形態において、ランプ部170nは、遠位に面するランプ部(図示せず)である。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の解除特徴は、システムの特定の構成要素の相対的な回転運動によって、例えば、第1の部分の第2の部分に対するねじり運動または他の回転運動等によって、内方に圧縮する(または別様には解除する)ように構成することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の解除特徴は、
図78に示されるようにシステムの軸に対してほぼ平行に延在させる代わりに(またはこれに加えて)、システムの軸に対して垂直な方向に延在させることができ、及び/またはシステムの軸の周りに円周方向に延在させることができる。
【0482】
図79は、針ハブ162nがオーバーハング166との係合から解除され、第2のばね234nを起動し、そして、そこに蓄積されたエネルギーが針ハブ162nを近位方向に駆動することを可能にする状態の、システム104nの側断面図を図示する。針ハブ162nを近位位置に格納するにつれて、皮膚上構成要素134nは、針ハブ162nから結合解除されて展開位置にとどまり、基部128nに結合される。
【0483】
図80〜
図85は、皮膚上センサアセンブリをホストの皮膚に適用するためのシステム104pの別の実施形態を図示する。
図80〜
図85に図示されるようなセンサ挿入システムは、第2のばね234pが既に圧縮されているので、第2のエネルギー付与したばね234pのばね変位における高められた予測性を提供することができる。そのような構成は、針が皮膚から十分な距離に格納されることを適切に確実にすることを支援することができる。いくつかの実施形態において、事前にエネルギー付与した格納ばねを組み込んだシステムは、効果的かつ信頼性の高い挿入及び格納を提供することができ、一方で、例えば展開前に挿入ばね及び格納ばねがどちらも実質的に非エネルギー付与状態であるシステムよりも、ユーザが印加する必要がある力の量が少なく、そのような構成を少なくとも一部のユーザに対してより好都合にする。さらに、いくつかの実施形態において、1つ以上の金属ばねを組み込んだシステムは、効果的かつ信頼性の高い挿入及び格納を提供することができ、一方で、挿入ばね及び格納ばねがどちらもプラスチックで構成されるシステムよりも、ユーザが印加する必要がある力の量が少ない。システム104pは、
図76〜
図79に図示される実施形態の特徴に類似する多数の特徴(例えば、第1の部分150p、第2の部分152p、及び第3の部分392pを含む入れ子式アセンブリ132p、針ハブ162p、第1のばね402p、第2のばね234p、皮膚上構成要素134n、ならびに基部128p)を含む。
図80〜
図85に図示される実施形態において、第1のばね402pは、第3の部分392pとは別に形成され、該第3の部分に動作可能に結合される。第2のばね234pは、針ハブ162pとは別に形成され、該針ハブに動作可能に結合される。第1のばね及び/または第2のばねは、金属で構成することができる。代替的に、いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、アプリケータアセンブリの一部分と一体的に形成することができる。例えば、限定されないが、いくつかの実施形態において、第1のばねは、第1の部分と一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、第2のばねは、針ハブと一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、第1のばね及び/または第2のばねは、成型プラスチックとすることができる。
【0484】
図80は、第1のばね402pが実質的に非応力状態かつ非エネルギー付与状態であるが、第2のばね234nが事前にエネルギー付与された(例えば、圧縮された)、静止状態におけるシステム104pの側断面図を図示する。
図80に図示される静止状態において、第1の部分150pは、第1の部分150pの第2の部分152pに対する近位移動または遠位移動を防止するように、第2の部分152pに係止される。第1の部分150p及び第2の部分152nは、任意の適切な様式で、例えば、第1の部分150p及び第2の部分152pに結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴396p及び398p(
図84及び
図85を参照されたい)を協働させることによって、一緒に係止することができる。針ハブ162nはまた、第1の部分150pにも解除可能に固定される。針ハブ162nは、任意の適切な様式で、例えば、針ハブ162pの解除特徴(あるときには、針ハブ抵抗特徴と称される)160pを係合または圧縮するように構成された第1の部分150pの特徴によって、第1の部分150pに固定することができる。
【0485】
図80に図示される静止状態において、皮膚上構成要素134pは、針156の遠位端部がシステム104pの近位端部と遠位端部との間に配置されるように、近位開始位置に配置される。静止状態において、第1のばね402pの遠位端部は、第1の部分150pの近位に面する表面に当接する。第3の部分392pの近位に面する表面への力の印加は、第3の部分392pを第1の部分150pに対して遠位に移動させ、第1のばね402pを圧縮し、したがって、エネルギーを付与する。いくつかの実施形態において、このプロセスは、
図76に関連して説明されるばね通電プロセスと類似し得る。
【0486】
図81は、第3の部分392nが十分に遠位位置まで移動して、第1のばね402pにエネルギー付与し、第3の部分392pを第2の部分152pに任意選択的に係止した後の、
図80のシステム104pの側断面図を図示する。第3の部分392n及び第2の部分150nは、任意の適切な様式で、例えば、第3の部分392p及び第2の部分152pに結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴(例えば、
図76〜
図79で説明される係止特徴、または類似する特徴)を協働させることによって、互いに係止することができる。第3の部分392pが第2の部分152pに係止するのと同時に、またはほぼ同時に(例えば、一斉に、または続いて)、係止解除特徴404p及び406p(
図84及び
図85を参照されたい)は、協働して、第1の部分150pと第2の部分152pとの間の係止を解除する。
【0487】
図82は、第1のばね402pを起動させて第1の部分150pを遠位方向に駆動した状態の、システム104pの側断面図を図示する。第1の部分150pの移動はまた、針ハブ162p(ならびに針ハブ162pに結合された皮膚上構成要素134p)も遠位方向に付勢し、皮膚上構成要素134pを基部128pに結合させ、さらに、針156をシステム104pの遠位端部を過ぎて遠位方向に駆動する。針ハブ162pが
図82に図示される遠位挿入位置に到達した時点で、またはそれとほぼ同時に(例えば、直前に、一斉に、または続いて)、解放特徴160pの端部は、第2の部分152pのランプ部170pに接触し、解放特徴160pを内方へ(システム104pの中心軸に向かって)圧縮させ、針ハブ162pを第1の部分150pから係止解除し、そして、第2のばね234pを解除または起動する。いくつかの実施形態において、ランプ部170pは、近位に面するランプ部である。他の実施形態において、ランプ部170pは、遠位に面するランプ部(図示せず)である。第2のばね234pの起動は、針ハブ162pを近位方向に付勢する。
【0488】
図83は、針ハブ162pが第1の部分150pから係止解除され、近位位置に格納された状態の、システム104pの側断面図を図示する。針ハブ162pを近位位置に格納するにつれて、皮膚上構成要素134pは、針ハブ162pから結合解除されて展開位置にとどまり、基部128pに結合される。
【0489】
図84は、係止特徴396p、398p及び係止解除特徴404p、406p等の、システム104pの特定の部分をより良く図示するために、第1の部分150p及び第3の部分392pを断面で示す、静止状態におけるシステム104pの斜視図を図示する。
図85は、同様に第1の部分150p及び第3の部分392pを断面で示し、第1のばね402pがエネルギー付与されたが、まだ起動していない状態の、システム104pの別の斜視図を図示する。
【0490】
図86〜
図88は、挿入ばねが予圧縮状態であり、かつ格納ばねが実質的に非圧縮状態である、皮膚上センサアセンブリを受容者の皮膚に適用するためのシステム104qの別の実施形態を図示する。そのようなシステムは、ユーザが、より少ない工程で針の挿入及び格納を起動することを可能にする。利点としては、第1のばねが既に圧縮されており、それによって、ユーザの皮膚の中への適切な針の挿入を確実にすることを支援することから、比較的より小さいアプリケータサイズ、及びより予測可能な第1のばねのばね変位を挙げることができることが企図される。いくつかの実施形態において、事前にエネルギー付与した挿入ばねを組み込んだシステムは、効果的かつ信頼性の高い挿入及び格納を提供することができ、一方で、例えば挿入ばね及び格納ばねの両方が展開前に実質的に非エネルギー付与状態であるシステムよりも、必要とされるユーザが印加する力の量が少なく、そのような構成を少なくとも一部のユーザに対してより好都合にする。システム104qは、
図76〜
図79に図示される実施形態の特徴に類似する多数の品目(例えば、第1の部分150q、第2の部分152q、及び第3の部分392qを含む入れ子式アセンブリ132q、針ハブ162q、第1のばね402q、第2のばね234q、皮膚上構成要素134q、ならびに基部128q)を含む。システム104qにおいて、第1のばね402qは、第3の部分392qとは別に形成され、該第3の部分に動作可能に結合される。第2のばね234qは、針ハブ162qとは別に形成され、該針ハブに動作可能に結合される。第1のばね及び/または第2のばねは、金属で構成することができる。代替的に、いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、アプリケータアセンブリの一部分と一体的に形成することができる。
【0491】
図86は、第1のばね402qが既にエネルギー付与状態であるが、第2のばね234qが実質的に非エネルギー付与状態である(例えば、ほぼ非圧縮状態または非応力状態で、部分的にエネルギー付与することができる)、静止状態におけるシステム104qの側断面図を図示する。
図86に図示される静止状態において、第1の部分150qは、第2の部分152qに対する第1の部分150qの近位移動または遠位移動を防止するように、第2の部分152qに係止される。第1の部分150q及び第2の部分152qは、任意の適切な様式で、例えば、第1の部分150q及び第2の部分152qに結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴(例えば、
図76〜
図79で説明される係止特徴または他の適切な係止特徴)を協働させることによって、一緒に係止することができる。針ハブ162qはまた、第1の部分150qにも解除可能に係止される。針ハブ162qは、任意の適切な様式で、例えば、針ハブ162qの解除特徴160qを係合または圧縮するように構成された第1の部分150qの特徴によって、第1の部分150qに係止することができる。第3の部分392q及び第2の部分152qもまた、第3の部分392p及び第2の部分152qの軸方向における相対運動を防止するように、一緒に係止される。第3の部分392q及び第2の部分152qは、任意の適切な様式で、例えば、第3の部分392q及び第2の部分152qに結合させる、または該部分の一部を形成することができる係止特徴(
図86〜89には図示せず)によって、一緒に係止することができる。
図80に図示される静止状態において、皮膚上構成要素134qは、針156の遠位端部がシステム104qの近位端部と遠位端部との間に配置されるように、近位開始位置に配置される。
【0492】
システム104qの展開をトリガーするために、第1の部分150qを第2の部分152qに結合させている係止特徴を係止解除し、これらの2つの部分を結合解除し、それによって、第1のばね402qを解除または起動することができる。係止特徴は、例えば、システム104qの頂面もしくは側面の上もしくは中に配置されたボタン、または第3の部分392qをシステムの軸を中心に回転させたときに、係止特徴を第1の部分150q及び/または第2の部分152qに対して係合解除するように構成されたねじり解除特徴などの、ユーザが起動するトリガー機構によって係止解除することができる。トリガー機構のいくつかの実施例は、
図92〜
図104に関連して説明される。
【0493】
図87は、第1の部分150q及び第2の部分152qが係止解除された後の、システム104qの側断面図を図示する。
図87で分かるように、第1のばね402qは、第1のばね402qが伸長するにつれて、第1の部分150qを遠位方向に駆動する。第1の部分150qの移動はまた、針ハブ162q(ならびに針ハブ162qに結合された皮膚上構成要素134q)も遠位方向に付勢し、皮膚上構成要素134qを基部128qに結合させ、第2のばね234qを圧縮し、そして、針156をシステム104qの遠位端部を過ぎて遠位方向に駆動する。針ハブ162qが
図87に図示される遠位挿入位置に到達した時点で、またはそれとほぼ同時に(例えば、直前に、一斉に、または続いて)、解放特徴160qの端部は、第2の部分152qの接触インターフェース特徴170qに接触し、解放特徴160qを内方へ(システム104qの中心軸に向かって)圧縮させ、針ハブ162qを第1の部分150qから係止解除し、そして、現在エネルギー付与されている第2のばね234qを起動する。いくつかの実施形態において、干渉特徴170qは、近位に面する干渉特徴である。他の実施形態において、干渉特徴170qは、遠位に面する干渉特徴(図示せず)である。
【0494】
ユーザまたは機構による第2のばね234qの起動は、針ハブ162qを近位方向に付勢し、一方で、基部128qに結合されている皮膚上構成要素134qは、展開遠位位置にとどまる。
図88は、皮膚上構成要素134qが展開位置にあり、針ハブ162qが近位位置に格納された状態の、システム104qの側断面図を図示する。
【0495】
図89〜
図91は、皮膚上センサアセンブリを受容者の皮膚に適用するためのシステム104rの別の実施形態を図示する。
図89〜
図91を参照して図示されるシステム104rは、第1のばね402rが既に圧縮されており、それによって、ユーザの皮膚の中への適切な針の挿入を確実にすることを支援することから、該第1のばねの予測可能なばね変位を提供することが企図される。さらに、圧縮した第2のばね234rが、予測可能なばね変位を提供し、また、針がユーザの皮膚から適切に格納されることを適切に確実にすることを支援することが企図される。いくつかの実施形態において、事前にエネルギー付与した挿入ばね及び格納ばねを組み込んだシステムは、効果的かつ信頼性の高い挿入及び格納を提供することができ、一方で、例えば挿入ばね及び格納ばねの一方または両方が展開前に実質的に非エネルギー付与状態であるシステムよりも、必要とされるユーザが印加する力の量が少なく、そのような構成を少なくとも一部のユーザに対してより好都合にする。システム104rは、
図76〜
図79に図示される実施形態の特徴に類似する多数の品目(例えば、第1の部分150r、第2の部分152r、及び第3の部分392rを含む入れ子式アセンブリ132r、針ハブ162r、第1のばね402r、第2のばね234r、皮膚上構成要素134r、ならびに基部128r)を含む。
図89〜
図91に図示されるように、第1のばね402r及び第2のばね234rは、どちらも事前に圧縮されている。システム104rにおいて、第1のばね402rは、第3の部分392rとは別に形成され、該第3の部分に動作可能に結合される。第2のばね234rは、針ハブ162rとは別に形成され、該針ハブに動作可能に結合される。第1のばね及び/または第2のばねは、金属で構成することができる。代替的に、いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねの一方または両方は、アプリケータアセンブリの一部分と一体的に形成することができる。
【0496】
図89は、第1のばね402r及び第2のばね234rがどちらも事前にエネルギー付与された(例えば、針の挿入及び格納プロセスを駆動するために十分に圧縮された)、静止位置におけるシステム104rの側断面図を図示する。
図89に図示される静止状態において、第1の部分150rは、第2の部分152rに対する第1の部分150rの近位移動または遠位移動を防止するように、第2の部分152rに係止される。第1の部分150r及び第2の部分152rは、任意の適切な様式で、例えば、第1の部分150r及び第2の部分152rに結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴(例えば、
図80〜
図83に関連して説明される係止特徴、または他の適切な係止特徴)を協働させることによって、一緒に係止することができる。針ハブ162rはまた、第1の部分150rにも解除可能に係止される。針ハブ162rは、任意の適切な様式で、例えば、針ハブ162rの解除特徴160rを係合または圧縮するように構成された第1の部分150rの特徴によって、第1の部分150rに係止することができる。第3の部分392r及び第2の部分152rもまた、第3の部分392p及び第2の部分152rの少なくとも軸方向における相対運動を防止するように、一緒に係止される。第3の部分392r及び第2の部分152rは、任意の適切な様式で、例えば、第3の部分392r及び第2の部分152rに結合させる、または該部分の一部を形成することができる係止特徴(
図89〜91には図示せず)によって、一緒に係止することができる。
図89に図示される静止状態において、皮膚上構成要素134rは、針156の遠位端部がシステム104rの近位端部と遠位端部との間に配置されるように、近位開始位置に配置される。
【0497】
システム104rの展開をトリガーするために、第1の部分150rを第2の部分152rに結合させている係止特徴を係止解除し、これら2つの部分を結合解除し、それによって、第1のばね402rを解除または起動することができる。
図90は、第1の部分150r及び第2の部分152rが係止解除された後の、システム104rの側断面図を図示する。
図90で分かるように、第1のばね402rは、第1のばね402rが伸長または圧縮するにつれて、第1の部分150rを遠位方向に駆動する。第1の部分150rの移動はまた、皮膚上構成要素134rが基部128rに結合されるまで、かつ針156がシステム104rの遠位端部を超えて遠位挿入位置に到達するまで、針ハブ162r(ならびに針ハブ162rに結合された皮膚上構成要素134r)も遠位方向に付勢する。針ハブ162rが
図87に図示される遠位挿入位置に到達した時点で、またはそれとほぼ同時に(例えば、直前に、一斉に、または続いて)、解放特徴160rの端部は、第2の部分152rの対応するインターフェース特徴170rに接触し、解放特徴160rを内方へ(システム104rの中心軸に向かって)圧縮させ、針ハブ162rを第1の部分150rから係止解除し、そして、第2のばね234rを解除または起動する。
【0498】
第2のばね234rの起動は、針ハブ162rを近位方向に駆動し、一方で、基部128rに結合されている皮膚上構成要素134rは、展開遠位位置にとどまる。
図91は、皮膚上構成要素134rが展開位置にあり、針ハブ162rが近位位置に格納された状態の、システム104rの側断面図を図示する。この構成から、システム104rを、展開した皮膚上構成要素134r及び基部128rから除去し、分離することができる。
【0499】
図92〜
図100は、センサ挿入デバイスの偶発的な打ち出しを防止するための安全特徴を備えた、皮膚上センサアセンブリを受容者の皮膚に適用するためのシステム104sのさらに別の実施形態を図示する。システム104sは、
図76〜
図79に図示される実施形態の特徴に類似する多数の品目(例えば、第1の部分150s、第2の部分152s、及び第3の部分392sを含む入れ子式アセンブリ132s、針ハブ162s、第1のばね402s、第2のばね234s、皮膚上構成要素134s、ならびに及び基部128s)を含む。システム104sにおいて、第1のばね402sは、第3の部分392sとは別に形成し、該第3の部分392sに動作可能に結合させることができる。第2のばね234sは、針ハブ162sとは別に形成し、該針ハブに動作可能に結合させることができる。第1のばね及び/または第2のばねは、金属で構成することができる。代替的に、いくつかの実施形態において、第1のばね及び第2のばねのいずれかまたは両方は、アプリケータアセンブリの一部分と一体的に形成することができる。
【0500】
図92は、第1のばね402sが非応力状態かつ非エネルギー付与状態であるが、第2のばね234sが既にエネルギー付与されている(例えば、圧縮されている)、静止状態におけるシステム104sの側面図を図示する。システム104sは、第1の部分150sの展開または第1のばね402sの起動を自動的にトリガーすることなく、第1のばね402sにエネルギー付与する(圧縮する)ことができるコッキング機構702を含む。システム104sはまた、システムがコックされた後に第1のばね402sを起動するように構成されたトリガーボタン720も含む。
図93は、コックされた後であるが、トリガーされる前の、アプリケータシステム104sの側面図を図示する。
【0501】
図94は、実質的に非圧縮状態の第1のばね402sを示す、静止状態におけるシステム104sの断面斜視図を図示する。コッキング機構702は、一対の近位延在レバーアーム704を含み、各近位延在レバーアームが、半径方向に延在する角度付きタブ706を有する。いくつかの実施形態において、レバーアーム704は、
図94に示されるように、第2の部分152sと一体的に形成することができ、一方で、他の実施形態において、レバーアーム704は、第2の部分152sから分離させて、該第2の部分に動作可能に結合させることができる。
図94に図示される静止状態において、角度付きタブ706は、第3の部分392sの第2の部分152sに対する近位移動を防止するように、第3の部分392sの遠位開口708を通って延在する。角度付きタブ706はまた、
図95に図示されるように、十分な量の力が第3の部分392sに印加されて、角度付きタブ706を変形させ、角度付きタブ706及びレバーアーム704を内方へ偏向させない限り、かつ偏向させるまで、第3の部分392sの第2の部分152sに対する遠位移動を阻止するようにも構成される。
【0502】
十分な力が(例えば、ユーザの手または親指によって)第3の部分392sに遠位方向に印加されるにつれて、角度付きタブ706は、内方へ偏向し、遠位開口708との係合から解除され、第3の部分392sが第2の部分152sに対して遠位に移動することを可能にする。これは、ユーザが、第1のばね402sを圧縮し、エネルギー付与することを可能にする。
図96に図示されるように、第3の部分392sが遠位位置に十分に到達して、センサを受容者の皮膚の中へ駆動するために十分に第1のばね402sを圧縮したときに、角度付きタブ706は、第3の部分392sの近位開口710と係合して、第3の部分392sの第2の部分152sに対する位置を係止する。角度付きタブ706は、近位開口710に係合するときに、第3の部分392sの第2の部分152sに対する近位移動を防止するように、「クリック」音を生成するように構成することができ、よって、ユーザは、これらの部品がいつ係合したのかを感じること、及び/または聞くことができる。
図96に図示される構成において、システム104sは、第3の部分392がコックされた位置にある場合にエネルギー付与される。システム104sは、センサを展開する準備ができているが、ユーザによってさらなる活動がなされるまで展開しない。
【0503】
図97は、コックされているが、非トリガー状態のシステム104sの側断面図を図示する。この状態において、第1の部分150sは、第1の部分150sの第2の部分152sに対する近位移動または遠位移動を防止するように、第2の部分152sに係止される。第1の部分150s及び第2の部分152sは、任意の適切な様式で、例えば、第1の部分150s及び第2の部分152sに解除可能に結合された、またはこれらの一部を形成する解除可能な係止特徴396s及び398sを協働させることによって、一緒に係止することができる。トリガーボタン720は、ユーザによって十分に遠位位置に押圧された時点で、係止特徴396sの係止解除特徴406sと協働して、第1の部分150sを第2の部分152sから結合解除するように構成された遠位延在突出部722を含む。トリガーボタン720は、
図92〜
図100に図示されるように、第3の部分392sに動作可能に結合させることができ、または、例えば第3の部分の近位または側面内に形成されたレバーアームとして、第3の部分と一体的に形成することができる。いくつかの実施形態において、トリガーボタンは、(遠位方向の力の印加がシステムをトリガーして起動するように)システムの頂部に、または(半径方向内方方向で、針の展開方向に対して垂直な力の印加がシステムをトリガーして起動するように)システムの側部に配置することができる。
【0504】
図98は、トリガーボタン720が十分に押圧されて、突出部722に係止特徴396sを半径方向内方へ撓曲させ、該係止特徴を開口398sから係合解除し、第1の部分150sを第2の部分152sから係合解除する、エネルギー付与状態のシステム104sの側断面図を図示する。
図99に図示されるように、トリガーボタン720を押圧することによって、第1のばね402が起動し、皮膚上構成要素134sが基部128sに結合されるまで、第1の部分150s及び針ハブ162sを、それらに結合された皮膚上構成要素と共に、遠位方向に押す。針ハブ162sが
図99に図示される遠位挿入位置に到達した時点で、またはそれとほぼ同時に(例えば、直前に、一斉に、または続いて)、針ハブ162s及び第1の部分150sの対応する解除特徴を(例えば、
図76〜
図91のうちのいずれかで説明される解除特徴、または任意の他の適切な解除特徴を介して)係合させることができ、針ハブ162sを第1の部分150sから係止解除し、そして、第2のばね234sを解除または起動する。第2のばね234sの起動は、針ハブ162sを近位方向に付勢する。
【0505】
図100は、皮膚上構成要素134sが展開位置にあり、針ハブ162sが近位位置に格納された状態の、
図92のアプリケータシステムの側断面図を図示する。針ハブ162sを近位位置に格納するにつれて、皮膚上構成要素134sは、針ハブ162sから結合解除されて展開位置にとどまり、基部128sに結合される。この構成から、システム104sの残部を、展開した皮膚上構成要素134s及び基部128sから除去し、分離することができる。
【0506】
図61〜
図99のいずれかの状況で説明される特徴のいずれかは、本明細書で特定される全ての態様及び実施形態に適用することができる。例えば、
図61〜
図64の状況で説明される実施形態は、
図1〜
図60及び
図65〜
図70の状況で説明される実施形態と組み合わせることができる。別の例として、
図92〜
図109の状況で説明される実施形態のいずれかは、
図1〜
図60及び
図65〜
図91及び
図110〜
図143の状況で説明される実施形態のいずれかと組み合わせることができる。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0507】
トリガー機構及び安全係止
いくつかの実施形態において、第1のばねに十分にエネルギー付与してセンサの挿入を駆動するための十分な力の印加はまた、第1のばねを起動する役割も果たす。他の実施形態において、第1のばねにエネルギー付与することは、第1のばねの起動から結合解除させることができ、ユーザが第1のばねにエネルギー付与する(例えば、圧縮する)こと、及びシステムの展開をトリガーすることの一部に関して別個の活動を必要とする。
【0508】
例えば、
図92〜
図100に図示される実施形態は、ユーザがエネルギー付与するアクチュエータの状況におけるトリガー機構を含む。そのような実施形態において、ユーザは、最初に、システム104sをコックして、第1のばね402sにエネルギー付与し、次いで、別個の活動において、トリガーボタン720を使用して第1のばね402sの起動をトリガーする。係止特徴は、ユーザによる解除が容易であり、トリガー機構と組み合わせたときに、片手での使用を可能にする。
【0509】
いくつかの実施形態において、システムが静止状態にあるときに、アクチュエータまたは挿入ばねは、既にエネルギー付与されている。これらの実施形態において、
図92〜
図100の状況で説明されるトリガー機構等のトリガー機構は、ばねにエネルギー付与するためのユーザによるいかなる活動も伴わずに、既にエネルギー付与されている挿入ばねを起動するために使用することができる。
【0510】
図101は、側部トリガーボタン730を有する、1つのそのようなアプリケータシステム104tの側面図を図示する。システム104tは、
図86〜
図88の状況の範囲で図示されるシステム104qまたは
図89〜
図91の状況の範囲で図示されるシステム104rに実質的に類似して構成することができ、同じ参照番号は、同じ部品を示す。
図101で分かるように、トリガーボタン730は、第3の部材392tに動作可能に結合される。
【0511】
図102は、トリガー機構を図示するために第1の部分150t及び第3の部分392tを断面で示す、システム104tの別の側面図を図示する。
図102で分かるように、トリガーボタン730は、システム104tの中心軸に向かって半径方向内方へ延在する突出部732を含む。突出部732は、第1の部分150tの係止特徴396tと半径方向に整列される。ユーザがトリガーボタン730に横向きの(例えば、半径方向内方の)力を働かせたときに、突出部732は、係止特徴396tを半径方向内方へ付勢し、該係止特徴を、第2の部分152tのレッジ特徴398t(例えば、
図84及び
図85に図示されるレッジ係止特徴398pに類似して構成することができる)との係合から解除し、そして、第1のばね402tを起動する。他の実施形態において、係止特徴396、398は、キー/キー溝機構の協働構造を備えることができ、該構造は、特徴396、398が(例えば、半径方向に印加される力、軸方向に印加される力、ねじり運動もしくは回転力、または他の種類の起動を使用して)互いに対して特定の配向になったときに解除するように構成される。
【0512】
図103は、一体化された側部トリガーボタン730を有する、別のアプリケータシステム104uの側面図を図示する。システム104uは、
図86〜
図88の状況の範囲で図示されるシステム104qまたは
図89〜
図91の状況の範囲で説明されるシステム104rに実質的に類似して構成することができ、同じ参照番号は同じ部品を示す。
図103で分かるように、トリガーボタン740は、第3の部材392uに一体的に形成される遠位延在レバーアームである。
図104は、トリガー機構をより良く図示するために第1の部分150u及び第3の部分392uを断面で示す、システム104uの別の側面図を図示する。
図104で分かるように、トリガーボタン740は、第1の部分150uの半径方向延在タブ742と半径方向に整列される。タブ742は、レバーアームとして作用する細長い部材394uを介して、係止特徴396uに接続される。いくつかの実施形態において、タブ742、係止特徴396u、及び細長い部材394uは、一緒に一体的に形成される。ユーザがトリガーボタン740上の横向きの(例えば、半径方向内方の)力を働かせたときに、ボタン740は、タブ742を半径方向内方へ押し、係止特徴396uを、第2の部分152uの係止特徴398uとの係合から解除し、そして、第1のばね402uを起動する。
【0513】
図92〜
図104のうちのいずれかにおいて説明されるようなトリガー機構は、事前にエネルギー付与したアクチュエータまたは挿入ばねを備える実施形態において、ならびにユーザがエネルギー付与するアクチュエータまたは挿入ばねを備える実施形態において使用することができる。
【0514】
いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、挿入ばねの尚早なエネルギー付与及び/または作動を防止するように構成された安全機構を含むことができる。
図105〜
図109は、安全係止機構750を組み込んだ1つのそのようなシステム104vを図示する。
図105は、システム104vの斜視図を図示する。システム104vは、
図71〜
図87の状況の範囲で図示されるシステム104m、104n、104pのうちのいずれかに実質的に類似して構成することができ、同じ参照番号は同じ部品を示す。安全係止機構750は、解除ボタン760を含み、該解除ボタンは、
図105に示される第3の部分392vと一体的に形成することができ(
図103〜
図104に関連して説明されるトリガーボタン740に類似する)、または第3の部分392vに動作可能に結合させることができる。システム104vにおいて、解除ボタン760は、第3の部分392vの側部に一体的に形成されたレバーアームを備えるが、他の構成(例えば、頂部ボタン)も企図される。解除ボタンは、第3の部分の側部もしくは頂部から半径方向に突出するように構成することができ、または第3の部分392vの周囲表面と同一平面状である外面と共に構成することができる。
【0515】
図106は、安全機構750が係止構成にあり、かつ第1のばね402vが非エネルギー付与状態の、システム104vの一部分の断面斜視図を図示する。安全機構750は、第2の部分の近位延在係止タブ752と、第3の部分392vの内方延在オーバーハング(またはアンダーカット)754とを含む。
図106に図示される係止構成において、タブ752は、半径方向に外方へ撓曲され、その近位端部は、オーバーハング754によって拘束され、第3の部分392vの第2の部分152vに対する遠位移動を防止し、したがって、ばね392vのエネルギー付与を防止する。解除ボタン760は、タブ752の一部分と半径方向に整列して内方へ延在する突出部758を含む。解除ボタン760に印加される横方向(例えば半径方向内方の)力は、タブ752を半径方向内方へ押し、タブ752の近位端部をオーバーハング754の角度付き表面756に対して摺動させ、そして、オーバーハング754との係合を解除し、よって、タブ752を
図108に示されるような非応力構成に解除することができる。タブ752が解除された時点で、第3の部分392vを第2の部分152vに対して遠位に移動させて、例えば第1のばね402vにエネルギー付与することができる。いくつかの実施形態において、
図109に図示されるように、タブ752は、例えば第3の部分392vの遠位に面する表面762に当接することによって、所望の閾値を超えた第3の部分392vのさらなる遠位移動を防止するように構成することができる。
【0516】
安全係止機構750は、ユーザによってエネルギー付与されるように構成されたシステムの状況で図示されているが、いくつかの実施形態では、事前にエネルギー付与したシステムはまた、例えば既にエネルギー付与したばねの尚早のトリガーまたは起動を防止するために、安全ロック機構も用いることができる。
【0517】
いくつかの実施形態において、センサ挿入機アセンブリの構成要素の係止及び係止解除(ならびに/または結合及び結合解除)は、次の順序に従うことができる。センサ挿入機アセンブリが、第3の部分392が第1の部分150に対して係止され、第1の部分150が第2の部分152に対して係止され、そして、センサモジュール134が(任意選択的に針ハブ162を介して)第1の部分150に結合される、静止状態で始まる。挿入ばね402のエネルギー付与またはトリガーの前に、第3の部分392を第1の部分150及び/または第2の部分150に対して係止解除する。次いで、まだエネルギー付与されていない場合は、第3の部分392の遠位移動によって挿入ばね402にエネルギー付与する。次いで、第3の部分392を第2の部分152に対して係止する。次いで、第1の部分150を第2の部分152から解除して、挿入ばね402を起動する。挿入ばね402を展開するときに、センサモジュール134を基部128に結合させる。次いで、第1の部分150(及び/または針ハブ162)がセンサモジュール134を解除し、第2の部分152が基部128を解除する。いくつかの実施形態において、アセンブリの軸に沿った様々な係止及び係止解除(及び/または結合及び結合解除)構造の場所は、この順序が、可能である唯一の順序であることを可能にするために最適化される。(いくつかの実施形態は、異なる係止及び係止解除の動作順序を使用する。)
【0518】
図92〜
図109に図示されるようなシステムは、挿入ばねが荷重状態にあるときに挿入ばねを解除するために、信頼性の高いトリガー機構を提供する。そのようなシステムは、打ち出し易さ、(ユーザが挿入デバイスの両側を保持し、同じ手を使用して挿入デバイスを打ち出すことを可能にすることによる)片手での打ち出しを含む、いくつかの利点をユーザに提供することが企図される。頂部トリガーを備えたシステムは、側部ボタンを有するシステムよりも小さい幅プロファイルを提供することができ、一方で、ユーザの器用さをあまり必要としない。
【0519】
展開後の解除
いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、皮膚上構成要素(例えば、センサモジュール134、センサアセンブリ(例えば、センサ、電気接点、及び任意選択的に封止構造を備える)、センサモジュール及び基部の組み合わせ、一体化されたセンサモジュール及び伝送機、一体化されたセンサモジュール及び伝送機及び基部、または受容者の皮膚に望ましく取り付けられる任意の他の構成要素もしくは構成要素の組み合わせ)を、センサ挿入機システム内の近位開始位置から、ホストの皮膚に取り付けることができる遠位展開位置まで移動させるように構成され、一方で同時に、センサ(皮膚上構成要素の一部を形成することができる)をホストの皮膚の中へ挿入する。いくつかの実施形態において、センサは、展開及び/または挿入プロセス中に、皮膚上構成要素の電気接点に結合される。他の実施形態において、皮膚上構成要素は、事前に接続されており、すなわち、展開及び/または挿入プロセスが始まる前に、センサが皮膚上構成要素の電気接点に結合されている。センサアセンブリは、例えばシステムの製造または組み立て中に、事前に接続することができる。
【0520】
したがって、いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、少なくとも挿入機システムの展開前に、または展開まで、皮膚上構成要素をその近位開始位置に解除可能に固定するように構成することができ、また、挿入機システムが展開された後に、皮膚上構成要素を遠位位置に解除するように構成することもできる。いくつかの実施形態において、システムは、皮膚上構成要素が近位開始位置から遠位展開位置まで移動するにつれて、または該皮膚上構成要素が遠位展開位置に到達した時点で、展開プロセス中に、皮膚上構成要素を基部及び/または粘着剤パッチに結合させるように構成することができる。いくつかの実施形態において、システムは、皮膚上構成要素が遠位位置に展開され、かつ針ハブ(該当する場合)が格納された後に、皮膚上構成要素、基部、及び/または粘着剤パッチとは別に(または分離可能になるように)構成することができる。
【0521】
実施形態において、様々な機械的相互係止(例えば、スナップ嵌め、摩擦嵌め、干渉特徴、エラストマーグリップ)及び/または粘着剤を使用して、皮膚上構成要素をセンサ挿入機システムに結合させ、それを近位開始位置に解除可能に固定することができ、及び/または皮膚上構成要素が展開された時点で、皮膚上構成要素(及び該当する場合は、基部)を粘着剤パッチに結合させることができる。加えて、様々な機械的特徴(例えばスナップ嵌め、摩擦嵌め、干渉特徴、エラストマーグリップ、プッシャ、ストリッパプレート、脆弱部材)及び/または粘着剤を使用して、皮膚上構成要素が遠位展開位置に到達した時点で、該皮膚上構成要素をセンサ挿入機システムから結合解除することができる。さらに、様々な機械的特徴、(例えば、スナップ嵌め、摩擦嵌め、干渉特徴、エラストマーグリップ、プッシャ、ストリッパプレート、脆弱部材)及び/または粘着剤を使用して、皮膚上構成要素が遠位位置に展開され、かつ針ハブ(該当する場合)が格納された後に、皮膚上構成要素、基部、及び/または粘着剤パッチをシステムの残部から分離すること、係止解除すること、または別様には分離可能にすることができる。
【0522】
以下、
図110〜
図119を参照すると、いくつかの実施形態によるセンサ挿入機システム104wが図示されている。システム104wは、
図105〜
図109の状況の範囲で図示されるシステム104vまたは
図71〜
図75の状況の範囲で説明されるシステム104mに実質的に類似して構成することができ、同じ参照番号は同じ部品を示す。システム104wは、例えば、第1の部分150w、第2の部分152w、及び第3の部分392wを含む入れ子式アセンブリ132wと、安全機構750と、針ハブ162wと、第1のばね402wと、第2のばね234wと、皮膚上構成要素134wと、基部128wとを含む。
【0523】
図110は、皮膚上構成要素134wが近位開始位置に固定された状態の、静止状態及び係止状態におけるシステム104wの断面斜視図を図示する。この状態において、ならびに
図111に図示される係止解除状態及び
図112に図示されるエネルギー付与状態において、皮膚上構成要素134wは、固定部材800によって近位開始位置に固定される。
図110で分かるように、システム104wは、係止突出部408wの遠位端部から延在するレッジとして構成された副係止特徴409wを含み、該副係止特徴は、開口部410wと協働して、第3の部分392が、展開前に、第2の部分152wに対して近位方向に移動することを防止するように構成される。
図110〜
図119に図示される実施形態において、固定部材800は、針ハブ162wと一体的に形成される。他の実施形態において、固定部材は、第1の部分150wと一体的に形成することができる。さらに他の実施形態において、固定部材は、針ハブ162w及び/または第1の部分150wとは別に形成し、それらに動作可能に結合させることができる。固定部材800は、針158と実質的に平行して延在する。
図110〜
図119に図示される実施形態において、固定部材800は、一対の遠位延在脚部802(
図115及び
図116を参照されたい)を備える。しかしながら、いくつかの実施形態は、1つの遠位延在脚部802だけを含むことができ、一方で、他の実施形態は、3つ、4つ、またはより多くの脚部802を含むことができる。1つの脚部802だけを備えた実施形態において、脚部は、皮膚上構成要素の中央領域または外周に粘着させる、または別様には結合させるように構成することができる。2つ以上の脚部802を備えた実施形態において、脚部は、皮膚上構成要素の中心の周りで対称的または非対称的に皮膚上構成要素に粘着させる、または別様には結合させるように構成することができる。脚部802は、卵形状の断面を有することができ、または円形状、正方形状、三角形状、曲線形状、L字形状、O字形状、U字形状、V字形状、X字形状、もしくは任意の他の規則形状もしくは不規則形状、または形状の組み合わせを有することができる。実施形態において、固定部材800は、脚部、柱、突出部、及び/または細長い部材を備えることができ、または皮膚上構成要素を近位開始位置に保持するための任意の他の適切な構成を有することができる。
【0524】
図113は、挿入ばね402wが起動され、格納ばね234wがエネルギー付与され、ならびに針ハブ162w及び固定部材800が遠位展開位置に移動された状態の、起動状態におけるシステム104wの断面斜視図を図示する。皮膚上構成要素134wはまた、この段階まで固定部材800に結合され、遠位展開位置へも移動している。皮膚上構成要素134wが遠位展開位置に到達したときに、該皮膚上構成要素は、基部128wに結合される。
【0525】
図114は、皮膚上構成要素が基部128wに結合され、針ハブ162wが(固定部材800と共に)近位位置まで格納された後の、システム104wの断面斜視図を図示する。皮膚上構成要素134wが基部128wに結合された後に、抵抗部材804は、皮膚上構成要素134wが基部128wから離れる望ましくない近位移動に抵抗することによって、皮膚上構成要素134wを固定部材800から結合解除することを容易にする。一般に、抵抗部材804は、皮膚上構成要素134wに解除可能に結合された固定部材800が近位方向に移動するにつれて、皮膚上構成要素134wが近位方向に移動する任意の傾向を阻止もしくは防止し、または別様にはこれに抵抗するように構成されたバックストップもしくはバッキング構造とすることができる。この段階で第1の部分150wが第2の部分152wに固定され、針ハブ162wが第1の部分150wから解除されるので、針ハブ162wを近方向に格納することができ、一方で、第1の部分150w(及び抵抗部材804)は、遠位位置に埋め込まれたままであり、皮膚上構成要素134wの近位移動を阻止する。格納ばね234wに蓄積されるエネルギーは、保持力に打ち勝ち、かつ皮膚上構成要素134wを固定部材800から結合解除し、針ハブ162を近位方向に付勢するのに十分である。蓄積される位置エネルギーは、0.25ポンド〜4ポンドであり得る。好ましい実施形態において、蓄積される位置エネルギーは、約1〜2ポンドである。
【0526】
いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、格納機構が起動されるのとほぼ同時に皮膚上構成要素が基部と結合するように構成することができる。いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、格納機構が起動される前に、第2のばねが起動される前に、または別様には第2のばねが針ハブを展開位置から離れて近位方向に格納し始める前に、皮膚上構成要素が基部と結合するように構成することができる。いくつかの実施形態において、センサ挿入機システムは、皮膚上構成要素が基部と結合して、少なくとも0.05秒後に、少なくとも0.1秒後に、少なくとも0.2秒後に、少なくとも0.3秒後に、少なくとも0.4秒後に、少なくとも0.5秒後に、少なくとも0.6秒後に、少なくとも0.7秒後に、少なくとも0.8秒後に、少なくとも0.8秒後に、少なくとも1秒後に、または1秒を超えて後に、第2のばねが起動されるように構成することができる。他の実施形態において、センサ挿入機システムは、皮膚上構成要素が基部と結合して、最大0.05秒後に、最大0.1秒後に、最大0.2秒後に、最大0.3秒後に、最大0.4秒後に、最大0.5秒後に、最大0.6秒後に、最大0.7秒後に、最大0.8秒後に、最大0.8秒後に、または最大1秒後に、第2のばねが起動されるように構成することができる。
【0527】
皮膚上構成要素134wは、現在、基部128wと結合されている。基部128w(及び粘着剤パッチ)は、最初に、アンダーカットまたは係止特徴230w(類似して
図18〜
図19に示される)に結合されたラッチまたはフレックスアーム220wによって、第2の部分152wに結合される。センサ138の挿入中に第1の部分150wがその最遠位位置に到達したときに、第1の部分150wのラッチ解除特徴は、第2の部分152wのラッチをアンダーカットから押し出す。これは、基部128wを第2の部分152wから結合解除し、したがって、ユーザが皮膚からシステム104wの残部を取り出すことを可能にし、粘着剤パッチ、基部128w、及び皮膚上構成要素134wだけが皮膚上に残る。
【0528】
図110〜
図119に図示される実施形態において、抵抗部材804は、第1の部分150wと一体的に形成される。他の実施形態において、抵抗部材は、第2の部分152wと一体的に形成することができる。さらに他の実施形態において、抵抗部材は、第1の部分150w及び/または第2の部分152wとは別に形成し、それらに動作可能に結合させることができる。
図110〜
図119に図示される実施形態において、抵抗部材804は、第1の部分150wの遠位に面する表面を備える。
【0529】
システム104wは、粘着剤806を介して皮膚上構成要素134wを基部128wに結合させるように構成することができる。
図115は、基部128wを除去して皮膚上構成要素134wの遠位に面する表面に配置された粘着剤806を図示した状態の、展開中の皮膚上構成要素134wの固定を示す、針ハブ162wの斜視図を図示する。粘着剤806は、接触状態で皮膚上構成要素134wを基部128wに結合させるように構成することができる。粘着剤806の代替として、またはこれに加えて、いくつかの実施形態は、接触時に皮膚上構成要素を基部に結合させるように、基部の近位に面する表面に配置された粘着剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、粘着剤は、感圧性粘着剤とすることができる。いくつかの実施形態において、固定部材は、システムの軸方向に対して垂直に延在する平面に沿ってだけ、皮膚上構成要素を針ハブに結合させるように構成することができる。加えて、または代替的に、固定は、皮膚上構成要素を横方向または半径方向の方向に結合させるように構成することができる。
【0530】
図116は、基部128wを除去して固定部材800の遠位に面する表面に配置された粘着剤808を図示した状態の、皮膚上構成要素134wからの結合解除を示す、針ハブ162wの斜視図を図示する。粘着剤808は、皮膚上構成要素134wが近位開始位置にある間に、及び該皮膚上構成要素の近位方向への移動中に、皮膚上構成要素134wを固定部材800に結合させるように、ならびに皮膚上構成要素134wが基部128wに結合された後に皮膚上構成要素134wを固定部材800から解除することを可能にするように構成することができる。粘着剤808の代替として、またはこれに加えて、いくつかの実施形態は、皮膚上構成要素134wの近位に面する表面に配置された粘着剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、粘着剤は、感圧性粘着剤とすることができる。いくつかの実施形態において、粘着剤808は、皮膚上構成要素を基部に結合させる粘着剤806の接着強度が皮膚上構成要素を固定部材に結合させる粘着剤808の接着強度を上回るように、粘着剤806よりも少ない表面積及び/または低い粘着強度を有することができる。他の実施形態において、粘着剤808の接着強度は、粘着剤806の接着強度と同じ、またはそれ以上とすることができる。これらの実施形態では、展開後に皮膚上構成要素134wを固定部材800から結合解除することを容易にするために、抵抗部材を用いることができる。
【0531】
図117は、抵抗部材804を図示する、システム104wの一部分の斜視図を図示する。抵抗部材804は、少なくとも皮膚上構成要素134wが遠位展開位置にあるときに、皮膚上構成要素134wの近位に面する表面の上側に静置するように、及び/または該表面と接触するように構成される。抵抗部材804は、針ハブ162w及び固定部材800を近位方向に格納するときに、皮膚上構成要素134wの近位移動を阻止する役割を果たすことができる。抵抗部材804は、パンチ及びダイ製造または射出成形プロセスにおけるストリッパプレートに類似する方式で機能することができる。
【0532】
実施形態において、抵抗部材は、皮膚上構成要素を基部から結合解除することに抵抗することに適した任意の構成を有することができる。
図110〜
図119に図示される実施形態において、抵抗部材804は、曲線状の断面を有し、皮膚上構成要素134wの外周の周りに約300度の円弧にわたって延在する。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素134wの外周の周りに、約30度、60度、90度、120度、150度、180度、210度、240度、270度、300度、もしくは330度の円弧にわたって、またはこれらの数字よりも大きい、小さい、もしくはこれらの数字のいずれかによって定義される範囲内の円弧にわたって延在させることができる。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素の外周の周りに連続的または不連続的に延在させることができる。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素の全周の周りに延在させることができる。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、固定特徴800が逆(例えば、近位)方向に移動するときに皮膚上構成要素134wを遠位位置に保持する、1つ以上の接点または表面を備えることができる。
【0533】
他の実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素134wの外周の周りで複数の場所に接触するように構成される、複数の離散部材(例えば、脚部)を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素の中心点の周りに互いから離れて配置された少なくとも2つの脚部を含むことができる。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素の中心点の周りに約180度に配置された3つの脚部を含むことができる。いくつかの実施形態において、抵抗部材804は、皮膚上構成要素の中心点の周りに約120度に配置された2つの脚部を含むことができる。そのような実施形態において、脚部は、皮膚上構成要素の周りに対称的に(例えば、放射対象で、または鏡映/左右対称で)配設することができる。
【0534】
図117はまた、第1の部分150w及び/または抵抗部材804に形成することができる、またはそれらに一体的に結合させることができるロケーター特徴810を図示する。ロケーター特徴810は、第1の部分150w及び/または抵抗部材804の遠位延在タブを備えることができる。ロケーター特徴810は、組み立て中のセンサモジュール134wの第1の部分150w及び/または抵抗部材804に対する適切な位置決めを確実にするように、皮膚上構成要素の対応する凹部812(
図119を参照されたい)と整列するように構成することができる。
【0535】
図118は、粘着剤806に接触することによって基部128wに結合させる前の、センサモジュール134wの斜視図を図示する。基部128w自体は、粘着剤パッチ900の近位面に(例えば、粘着剤によって)結合される。
図119は、粘着剤パッチ900上の基部128wに結合させた後のセンサモジュール134wの斜視図を図示する。
【0536】
実施形態において、抵抗部材を提供することは、針ハブが近位方向に格納されるにつれて、固定部材に対する反力を生じさせることによって、皮膚上構成要素の基部への信頼性の高い転送を容易にすることができる。反力は、固定部材が皮膚上構成要素から分離することを可能にし、一方で、皮膚上構成要素が基部(該当する場合)から、及び/または粘着剤パッチから係合解除されることを阻止または防止する。実施形態において、格納ばねは、針の格納及び皮膚上構成要素の針ハブからの結合解除の両方を行うために、十分なエネルギーを蓄積し、提供するように構成することができる。抵抗部材及び固定部材の組み合わせはまた、(皮膚上構成要素が遠位展開位置に到達したときに、ならびに/または基部及び/もしくは粘着剤パッドに結合させたときに)(例えば、近位開始位置における、及び皮膚上構成要素の遠位展開位置に向かう移動中の)固定構成から、解除構成への皮膚上構成要素の位置制御を提供するように構成することもできる。
【0537】
システムが静止状態または保管状態にあるときに遠位展開位置で始まる基部を提供することが、システムが展開される前に針(及びユーザ)を保護する役割を果たすことができることが企図される。例えば、静止状態または事前展開状態においてシステムの遠位端部に結合された基部は、ユーザがシステムの遠位端部に到達すること、及びユーザ自身を穿刺することを防止することができる。したがって、この構成は、針刺し事故を潜在的に低減させることができる。加えて、静止状態または事前展開状態においてシステムの遠位端部に結合された基部は、展開前に、皮膚に対する粘着剤部分の設置を容易にする。例えば、そのような構成によって、ユーザは、センサ挿入機システムの本体を使用して、粘着剤パッチを皮膚に粘着させるために遠位方向に力を印加することを支援することができる。加えて、基部は、展開中に針を皮膚の中へ誘導するために、構造的支持体を提供することができる。
【0538】
図120〜
図122は、いくつかの実施形態に従って、皮膚上構成要素を基部に結合させるための別の構成を図示する。
図120は、皮膚上構成要素134xを基部128xに結合させる前の、皮膚上構成要素134x及び基部128xの側面図を示す。皮膚上構成要素134xは、遠位延在センサ138を含み、基部128xは、粘着剤パッチ900に結合される。
図121は、これらの同じ構成要素の斜視図を図示する。基部128xは、近位に面する表面816の周りに延在する近位延在リッジ814を有するフレキシブルエラストマー部材を備える。基部128xは、皮膚上構成要素134xの形状に対応するように構成された形状を有する。
図120及び
図121に図示されるように、緩和状態において、及び皮膚上構成要素134xと接触する前に、基部128xは、変形した若干凸状の湾曲を有する。基部128x及び粘着剤パッチ900は、この構成において、センサ挿入機アセンブリの他の構成要素に結合させることができる。
図122に図示されるように、展開中に、皮膚上構成要素134xが基部128xに接触し始めるにつれて、近位に面する表面816が皮膚上構成要素134xの遠位表面に合うよう撓曲し、リッジ814を皮膚上構成要素134xの外周の周りで確実に把持させる。
【0539】
図123は、いくつかの実施形態による、別の挿入機システム104yの一部分の斜視図を図示する。システム104yは、本明細書で図示されるシステム104のいずれかに実質的に類似して構成することができ、同じ参照番号は、同じ部品を示す。挿入機システム104yは、センサモジュール及び基部の組み合わせを含む、皮膚上構成要素134yを含む。実施形態において、センサモジュール及び基部の組み合わせは、
図123に図示されるように互いに一体的に形成するか、または互いに動作可能に結合させることができる。システム104yはまた、少なくともシステム104yが起動されるまで、皮膚上構成要素134yを近位開始位置に解除可能に固定するように構成された固定部材800yを含む。固定部材800yは、針ハブ162yと一体的に形成され、また、皮膚上構成要素134yの近位面の様々な場所に(例えば、粘着剤808を介して)解除可能に結合するように構成された3つの近位延在脚部802yを含む。第3の(またはさらなる)脚部802yは、センサモジュールをバランスさせること、及び展開中及び/または格納中に一方の側部またはもう一方の側部に該センサモジュールが傾斜するのを防止することを補助することができることが企図される。システム104yはまた、抵抗部材804も含む。抵抗部材804は、第1の部分150yと共に一体的に成型することができる。
【0540】
図124は、固定部材800yの構成を図示するためにシステム104yの残部を除去した状態の、皮膚上構成要素134y及び針ハブ162yの別の斜視図を図示する。
図125は、皮膚上構成要素134yが解除構成にあり、針ハブ162yから分離された状態で、また、図示の目的で2つの脚部802yを除去した状態の、
図123に示されるアプリケータシステムの一部分の斜視図を図示する。抵抗部材804yは、皮膚上構成要素134yのセンサモジュール部分を包含するように、または少なくとも部分的に包含するように構成することができる。抵抗部材804yは、1つ以上の細長い部材、柱、脚部、及び/または突出部を備えることができ、または皮膚上構成要素の針ハブ162yからの解除を容易にするための任意の他の適切な構成を有することができる。抵抗部材804y(またはその任意の一部分)は、
図125に図示されるように、曲線状の断面を有することができ、または円形状、正方形状、三角形状、卵形状、L字形状、O字形状、U字形状、V字形状、X字形状、もしくは任意の他の規則形状もしくは不規則形状、または形状の組み合わせを有することができる。
【0541】
図125に示されるように、システム104yは、皮膚上構成要素134yの遠位に面する表面に配置された粘着剤パッチ818を含むことができる。粘着剤パッチ818は、接触状態で皮膚上構成要素134yを皮膚に結合させるように構成することができる。いくつかの実施形態において、粘着剤パッチは、感圧性粘着剤とすることができる。いくつかの実施形態において、粘着剤パッチ818は、両面粘着剤であり、粘着剤は、粘着剤パッチ818の近位に面する表面、及び粘着剤パッチ818の遠位に面する表面の両方に配置される。近位に面する粘着剤は、皮膚上構成要素134yの遠位端部と結合させるように構成することができ、遠位に面する粘着剤は、皮膚と結合させるように構成することができる。他の実施形態において、粘着剤パッチ818の近位に面する表面は、これらに限定されないが、熱かしめ、締め付け、溶接、または接着等の結合プロセスによって、皮膚上構成要素の遠位に面する表面と結合させるように構成される。いくつかの実施形態において、粘着剤パッチ818は、展開前に、着脱可能なライナーによって覆うことができる。他の実施形態において、粘着剤パッチ818は、展開前に、システム内で露出させる(例えば、覆わない)ことができる。
【0542】
代替的に、いくつかの実施形態において、粘着剤パッチ818は、センサ挿入プロセスの一部として接触時に皮膚上構成要素を粘着剤パッチ818に結合させるように、粘着剤が粘着剤パッチ818の近位に面する表面に配置された状態で、展開前に、システムの遠位端部に解除可能に固定することができる。加えて、そのような実施形態において、粘着剤パッチ818は、皮膚上構成要素を皮膚に結合させるために粘着剤パッチ818の遠位に面する表面に配置された粘着剤を含むことができる。
【0543】
そのような構成は、展開プロセス及び挿入プロセス中に結合及び結合解除される、より少ない構成要素を含むことができ、これは、実施形態に従って構成されたシステムの信頼性を増大させることができる。例えば、実施形態に従って構成されたシステムは、システム構成要素を皮膚に不適当に転送する機会を低減させることができる。加えて、(静止状態においてシステムの遠位端部に配置される粘着剤パッチとは対照的に)静止状態においてシステム内に配置される粘着剤パッチを備える実施形態は、システムを、皮膚に粘着させる前に所望に応じて何度でも皮膚上により容易に再位置付けすることを可能にすることができることが企図される。
【0544】
図126〜
図128は、いくつかの実施形態に従って、皮膚上構成要素を近位位置に解除可能に固定するための別の構成を図示する。
図126は、センサモジュールを備えた皮膚上構成要素134zへの固定を示す、固定部材800zの一部分の斜視図を図示する。固定部材800zは、少なくとも1つの脚部802zを含むことができる。図に示されるように、固定部材800zは、2つの近位延在脚部802zを含む。皮膚上構成要素134zは、センサモジュールから横方向に延在する2つのエラストマーグリップ824を含む。グリップ824は、皮膚上構成要素134zを近位位置に解除可能に固定するために、脚部802zの横方向に面する表面と協働するようにサイズ決定され、成形される。
図126〜
図128に図示される実施形態において、グリップ824は、センサモジュールと一体的に形成され、軸方向に対して垂直に延在する面において見たときに、腕木形状の断面を有する。実施形態において、固定部材800z及びグリップ824は、例えば摩擦嵌め、締まり嵌め、または対応するアンダーカット係合特徴を介して、皮膚上構成要素134zが固定部材800zをグリップ824に解除可能に結合させることを可能にするように、任意の適切な協働構成を有することができる。いくつかの実施形態は、皮膚上構成要素134zの追加的な固定を提供するために、固定部材800zと皮膚上構成要素134zとの間に配置された粘着剤を追加的に用いることができる。
【0545】
図127は、グリップ824の構成を図示するために皮膚上構成要素134zのセンサモジュールを断面で示す、固定部材800zの一部分の斜視図を図示する。
図127はまた、例えば針ハブ162zの格納中に、皮膚上構成要素134zの遠位展開位置への展開後に、皮膚上構成要素134zの近位移動に抵抗するように構成された結合解除特徴804zを示す。結合解除特徴804zは、針ハブ162zを近位方向に格納するときに、センサ挿入機システムの残部に対して固定することができ、固定部材800zとグリップ824との間の摩擦嵌め(及び該当する場合は粘着剤)に打ち勝って、固定部材800zをグリップ824から解除するための十分な抵抗を提供する。
図128は、皮膚上構成要素134zを固定部材800zから結合解除した後の、皮膚上構成要素134zの斜視図を図示する。
【0546】
図129〜
図131は、いくつかの実施形態に従って、皮膚上構成要素を解除可能に固定するためのさらに別の構成を図示する。
図129は、第2の部分150aaを断面で示し、固定部材800aaによる皮膚上構成要素134aaの近位位置における固定を示す、センサ挿入機アセンブリ104aaの一部分の斜視図を図示する。皮膚上構成要素134aaは、一体的に形成されたセンサモジュール/基部アセンブリを備えることができる。図に示されるように、固定部材800aaは、皮膚上構成要素134aaの一部分に結合されたエラストマーキャップを備える。示されるように、固定部材800aaは、皮膚上構成要素134aa内に形成された突出部(または首部)826に結合させることができる。
図130は、固定部材800aa及び突出部826の構成をより良く図示するために固定部材800aaの一部分を切り取った状態で示す、
図129のアセンブリ104aaの一部分の斜視図を図示する。突出部826は、針158が皮膚上構成要素134aaを通って近位方向に延在するときに、該針を取り囲むように、または少なくとも部分的に取り囲むように構成することができる。突出部826はまた、固定部材800aaを皮膚上構成要素134aaに固定するようにも構成することができる。固定部材800aaは、開口部828と針158との間に摩擦嵌めを生じさせるようにサイズ決定され、成形された開口部828を有する。
図129及び
図130に図示される構成において、針158が固定部材800aa及び突出部826を通って遠位に延在する状態で、固定部材800aaと針158との間の摩擦嵌めは、皮膚上構成要素134aaの針158に対する少なくとも遠位移動に抵抗する役割を果たす。
【0547】
図129〜
図131に図示される実施形態はまた、抵抗部材804aaも含むことができる。この抵抗部材は、
図110〜
図128において説明される任意の抵抗部材と実質的に類似し得る。抵抗部材804aaは、第1の部分150aaの遠位に面する表面を含むことができ、また、
図117の状況において説明される抵抗部材804に類似する構成を有することができる。抵抗部材804aaは、第2のばね及び針ハブ(図示せず)が固定部材800aaと針158との間の摩擦嵌めに打ち勝つことを可能にするために、遠位方向の十分な抵抗を提供することができる。これは、針158を皮膚から離れて格納すること、及び同時に、針を固定部材800aaから結合解除することを可能にすることが企図される。
図131は、図示する目的で皮膚上構成要素134aaの突出部826及び固定部材800aaを切り取った状態で示す、皮膚上構成要素134aaを針158から結合解除した後の、アセンブリ104aaの一部分の斜視図を図示する。
【0548】
図132〜
図133は、いくつかの実施形態に従って、皮膚上構成要素を近位位置に解除可能に固定するための別の構成を図示する。
図132は、センサモジュールを備えた皮膚上構成要素134abへの固定を示し、第2の部分150abを断面で示す、固定部材800abの一部分の斜視図を図示する。固定部材800abは、少なくとも1つの係合特徴を含むことができる。図に示されるように、少なくとも1つの係合特徴は、2つの近位延在脚部802abとすることができる。皮膚上構成要素134abは、少なくとも1つの受容特徴を含むことができる。示されるように、少なくとも1つの受容特徴は、皮膚上構成要素134abから横方向に延在する2つのエラストマーグリップ824abとすることができる。グリップ824abは、変形可能であり、また、摩擦嵌めまたは締まり嵌めを介して脚部802abを受容し、それによって、皮膚上構成要素134abを近位位置に解除可能に固定するようにサイズ決定され、成形される。
図132〜
図133に図示される実施形態において、固定部材800abの脚部802abは、円形断面を有する。グリップ824abは、センサモジュールと一体的に形成され、また、軸方向に対して垂直に延在する面において見たときに、環状の断面を有する。グリップ824abは、各々が、摩擦係合を介して脚部802abを受容するように構成することができる開口部を含むことができる。実施形態において、固定部材800ab及びグリップ824abは、固定部材800abをグリップ824abに解除可能に結合させるために、任意の適切な協働構成を有することができる。いくつかの実施形態は、皮膚上構成要素134abの近位開始位置における追加的な固定を提供するために、固定部材800abと皮膚上構成要素134abとの間に軸方向に配置された粘着剤を追加的に用いることができる。
図133は、皮膚上構成要素134abを針ハブ162abから結合解除した後の、針ハブ162ab及び皮膚上構成要素134abの斜視図を図示する。
【0549】
図134〜
図136は、皮膚上構成要素を近位位置に解除可能に固定するためのさらに別の構成を図示する。
図134は、固定部材800acが皮膚上構成要素134acを針ハブ162acに解除可能に結合させるように構成された状態の、アセンブリ134acの一部分の分解斜視図を図示する。固定部材800acは、少なくとも1つの係合特徴を含むことができる。図に示されるように、固定部材800acは、2つの近位延在脚部802acを含むことができる。皮膚上構成要素134acは、センサモジュールから横方向に延在する2つのエラストマーグリップ824acを含む。グリップ824acは、皮膚上構成要素134acを近位位置に確実に保持するために、スナップ嵌めで脚部802acを受容するように成形され、サイズ決定される。
図134〜
図136に図示される実施形態において、固定部材800acの脚部802acは、円形断面を有し、グリップ824acを受容するように構成された陥凹区間832を伴う。グリップ824acは、センサモジュールと一体的に形成することができ、各グリップは、グリップ824acをセンサモジュールに結合させる脆弱リンク830を有する。グリップ824acは、軸方向に対して垂直に延在する面において見たときに、環状の断面を有し、該グリップは、脚部の陥凹区間832を安全な相互係止係合で受容するように構成される。実施形態において、固定部材800ab及びグリップ824abは、固定部材800acをグリップ824acに確実に結合させて、針ハブ162acを展開するときに、及び展開後に格納するときに、脚部802acに沿ったグリップの滑りを防止するために、任意の適切な協働構成を有することができる。いくつかの実施形態は、近位開始位置における、及び展開中の皮膚上構成要素134acの追加的な固定を提供するために、固定部材800acと皮膚上構成要素134abとの間に軸方向に配置された粘着剤を追加的に用いることができる。
【0550】
図135は、固定部材800acが皮膚上構成要素134acに確実に結合された状態の、システム104acの一部分の斜視図を図示する。いくつかの実施形態は、皮膚上構成要素134acの近位開始位置における追加的な固定を提供するために、固定部材800acと皮膚上構成要素134acとの間に軸方向に配置された粘着剤を追加的に用いることができる。脆弱リンク830は、最小の力閾値で剪断するように、または別様には取り外せるように構成され、展開後に針ハブ162を近位方向に格納するときに、グリップ824acを皮膚上構成要素134acの残部から分離し、皮膚上構成要素824acを展開遠位位置に残す。
図136は、脆弱リンク830が破壊され、固定部材800acが皮膚上構成要素134acから結合解除された状態の、システム104acの一部分の斜視図を図示する。いくつかの実施形態では、針ハブ162acを格納するときの皮膚上構成要素134acの近位移動を防止するために、抵抗部材を用いることもでき、脆弱リンク830の破壊を容易にする。
【0551】
展開前に皮膚上構成要素を近位開始位置に解除可能に固定するために、皮膚上構成要素とセンサ挿入機システムの第2の部分との間に脆弱結合を用いることもできる。例えば、
図137〜
図140は、皮膚上構成要素134adがシステム104ad内で近位位置に解除可能に固定された状態の、センサ挿入機システム104adの様々な斜視図を図示する。皮膚上構成要素134adは、粘着剤パッチ900ad上に配置されたセンサモジュール及び基部の組み合わせを含むことができる。皮膚上構成要素134adを第2の部分152adに解除可能に固定することを容易にするために、第2の部分152adは、少なくとも1つの遠位延在突出部834を含むことができる。図に示されるように、第2の部分152adは、粘着剤パッチ900ad内に形成された、または別様には該粘着剤パッチから延在する対応するソケット836と確実に結合させるように構成された4つの遠位延在突出部834を含む。ソケット836は、脆弱リンク838を介して、粘着剤パッチ900adに接続され、該脆弱リンクは、粘着剤パッチ900adと一体的に形成することもできる。
図137に図示される静止状態において、粘着剤パッチ900adは、ソケット836をポスト838に結合させることによって近位位置に固定される。システム104adが展開され、遠位方向の力が皮膚上構成要素134adに印加されたときに、脆弱リンク838が取り外され、粘着剤パッド900ad(及び既に結合させた皮膚上構成要素134ad)が遠位展開位置まで移動することを可能にする。
図138は、脆弱リンク838が取り外され、粘着剤パッチ900adが固定から解除された状態の、センサ挿入機システム104adの斜視図を図示する。
図139及び
図140は、それぞれ、脆弱リンク838が完全な状態で、かつ取り外した構成にある、粘着剤パッチ900ad及び皮膚上構成要素134adの斜視図を図示する。脆弱リンク838が取り外され、(パッチ900adと共に)皮膚上構成要素134adが遠位位置に展開されると、システム104adの残部は、受容者の皮膚から容易に持ち上げて、除去することができる。
【0552】
図141は、基部及び粘着剤パッチをセンサ挿入機アセンブリに解除可能に固定するための別の構成を図示する。
図141は、第1の部分150ae、第2の部分152ae、及び第3の部分392aeを断面で示した状態の、システム104aeの一部分の断面斜視図を図示する。システム104aeは、近位開始位置に解除可能に固定された皮膚上構成要素134aeを含む。システム104aeはまた、粘着剤パッチ900aeに結合させた基部128aeも含む。基部128ae及び粘着剤パッチ900aeは、遠位位置において、システム104aeの遠位端部に配置される。基部128aeは、第2の部分152aeから半径方向内方へ延在する複数のリブ840を介して、システム104aeに結合される。リブ840は、摩擦嵌め/締まり嵌めによって基部128aeの縁部を把持するようにサイズ決定し、成形することができる。リブ840と基部128aeとの間の摩擦嵌め/締まり嵌めは、保管中及び展開前に基部128aeをシステム104aeに確実に結合させるほど十分に強くなるが、粘着剤パッチ900aeと受容者の皮膚との間の粘着剤結合が摩擦嵌めの強度に打ち勝つには十分に弱くなるように構成することができる。したがって、粘着剤パッチ900aeが受容者の皮膚に粘着されると、第2の部分152aeを基部128aeから持ち上げることができ、そして、基部128を近位方向に引っ張ることなく、センサシステム104aeを除去することができる。いくつかの実施形態において、基部128aeは、エラストマー材料で構成することができる。さらに、いくつかの実施形態において、基部128aeは、皮膚上構成要素134aeの硬度値未満の硬度値を有する。他の実施形態において、基部128aeは、皮膚上構成要素134aeの硬度値を超える硬度値を有する。
【0553】
図142及び
図143は、粘着剤パッチを任意選択的に基部を含むセンサ挿入機システムに解除可能に固定するためのさらに別の構成を図示する。
図142は、粘着剤パッチ900afがシステム104afの第2の部分152afに結合された状態の、センサ挿入機システム104afを示す。
図143は、パッチ900afが第2の部分152afから分離された状態の、システム104afを示す。
図143に示されるように、第2の部分152afは、遠位に面する表面に配置された複数の粘着剤ドット842または第2の部分152afの縁部を含む。粘着剤ドット842は、保管中及び展開前に粘着剤パッチ900af(及び該当する場合は基部)をシステム104afに確実に結合させるほど十分に強くなるが、粘着剤パッチ900afと受容者の皮膚との間の粘着剤結合が粘着剤ドット842の強度に打ち勝つには十分に弱くなるように構成することができる。したがって、粘着剤パッチ900afが受容者の皮膚に粘着されると、第2の部分152afをアプリケータパッチ900af(及び該当する場合は基部)から持ち上げることができ、そして、粘着剤パッチ900af(及び該当する場合は基部)を近位方向に引っ張ることなく、センサシステム104afを除去することができる。粘着剤ドット842の代替として、またはこれに加えて、いくつかの実施形態は、粘着剤パッチ900afの近位に面する表面に配置された粘着剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、粘着剤は、感圧性粘着剤とすることができる。
解釈
【0554】
説明及び図示を容易にするために、いくつかの事例において、詳細な説明は、連続グルコース監視環境に関する例示的なシステム及び方法を記述しているが、本発明の範囲は、その特定の環境に限定されるものではないことを理解するべきであり、また、当業者は、本明細書で説明されるシステム及び方法を様々な形態で具現化することができることを認識するであろう。故に、本明細書で開示される任意の構造的及び/または機能的な詳細は、システム及び方法を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、他の状況において有利になり得るシステム及び方法を実践するために、当業者に1つ以上の方法を教示するための代表的な実施形態及び/または配設の属性として提供されるものである。
【0555】
例えば、限定されることなく、説明される監視システム及び方法は、受容者及び/または別の当事者の、もしくはこれらに関連する、1つ以上の分析物(例えば、グルコース、乳酸塩、カリウム、pH、コレステロール、イソプレン、及び/またはヘモグロビン)及び/または他の血液もしくは体液の成分の濃度測定するセンサを含むことができる。
【0556】
一例として、限定されることなく、本明細書で説明される監視システム及び方法の実施形態としては、指先穿刺による血液採取、血液分析物の試験ストリップ、非侵襲性のセンサ、着用可能なモニタ(例えば、スマートブレスレット、スマートウォッチ、スマートリング、スマートネックレスもしくはペンダント、トレーニングモニタ、フィットネスモニタ、健康及び/もしくは医療用モニタ、クリップオンモニタ等)、粘着センサ、センサを組み込んだスマート織物及び/もしくは衣類、センサを含む靴インサート及び/またはインソール、経皮的な(すなわち、経皮)センサ、ならびに/または嚥下、吸入、もしくは埋め込み可能なセンサが挙げられ得る。
【0557】
いくつかの実施形態において、限定されることなく、監視システム及び方法は、本明細書で説明されるセンサの代わりに、またはこれに加えて、受容者及び/もしくは別の当事者の、もしくはこれらに関連する情報を測定するための、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/もしくはロメーターを含む慣性測定ユニット、運動、高度、位置、及び/もしくは場所センサ、バイオメトリックセンサ、例えば光学心拍モニタ、光電式指尖容積脈波(PPG)/パルスオキシメーター、蛍光モニタ、及びカメラを含む光学センサ、着用可能な電極、心電図(EKGまたはECG)センサ、脳電図(EEG)センサ、及び/または筋電図(EMG)センサ、化学センサ、例えば伸び、変位、圧力、重量、または衝撃を測定するためのフレキシブルセンサ、ガルバノメトリックセンサ、容量センサ、電界センサ、温度/熱センサ、マイクロホン、振動センサ、超音波センサ、ピエゾ電気/ピエゾ抵抗センサ、及び/もしくはトランスデューサ等の、他のセンサを備えることができる。
【0558】
本明細書で説明される工程のいずれも、必須または不可欠ではない。工程のいずれかを調整または修正することができる。他のまたは追加の工程を使用することができる。本明細書のある実施形態、フローチャート、または実施例において説明または図示される工程、プロセス、構造、及び/またはデバイスのいずれかの任意の部分は、異なる実施形態、フローチャート、または実施例において説明または図示される工程、プロセス、構造、及び/またはデバイスのいずれかの任意の他の部分と組み合わせて、またはそれらの代わりに使用することができる。本明細書で提供される実施形態及び実施例は、離散的であること、及び互いから分離することを意図しない。
【0559】
本明細書で提供される節の見出し及び小見出しは、非限定的である。節の見出し及び小見出しは、その見出し及び小見出しが関係する節において説明される実施形態の全範囲を表すもの、または限定するものではない。例えば、「トピック1」というタイトルの節は、トピック1に関連しない実施形態を含むことができ、他の節において説明される実施形態は、「トピック1」の節内で説明される実施形態に適用し、該実施形態と組み合わせることができる。
【0560】
デバイス、システム、実施形態、及びプロセスのいくつかは、コンピュータを使用する。前の節において説明したルーチン、プロセス、方法、及びアルゴリズムの各々は、コンピュータ命令を実行するように構成された1つ以上のコンピュータ、コンピュータプロセッサ、または機械によって実行されるコードモジュールにおいて具現化することができ、それらによって完全にまたは部分的に自動化することができる。コードモジュールは、ハードドライブ、固体メモリ、ラッシュメモリ、光ディスク、及び/または同類のもの等の、任意の種類のコンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体または有形のコンピュータ記憶デバイスに記憶することができる。プロセス及びアルゴリズムは、特定用途向け回路に部分的または全体的に実装することができる。開示されるプロセス及びプロセス工程の結果は、例えば揮発性もしくは不揮発性記憶装置等の、任意のタイプの非一時的なコンピュータ記憶装置に永続的にまたは別様に記憶することができる。
【0561】
本明細書に示される態様の特徴のいずれも、本明細書に特定される全ての他の態様及び実施形態に適用可能である。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、本明細書で説明される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、または3つ以上の実施形態を全体的または部分的に組み合わせることが可能であり得る。さらに、一実施形態の特徴のいずれかを、他の態様または実施形態に対して任意選択的とすることができる。ある方法の任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって行うことができ、あるシステムの任意の態様または実施形態を、別の態様または実施形態の方法を行うように構成することができる。
【0562】
上で説明した種々の特徴及びプロセスは、互いとは独立に使用することができ、または種々の方法で組み合わせることができる。全ての可能な組み合わせ及び部分的組み合わせは、本開示の範囲内であることが意図される。加えて、特定の方法、事象、状態、またはプロセスブロックは、いくつかの実現形態において省略することができる。本明細書で説明される方法、工程、及びプロセスはまた、いかなる特定のシーケンスにも限定されず、それらに関連するブロック、工程、または状態は、適切である他のシーケンスで行うことができる。例えば、説明されるタスクまたは事象は、具体的に開示される順序以外の順序で行うことができる。複数の工程を単一のブロックまたは状態に組み合わせることができる。例示的なタスクまたは事象は、直列的に、並列的に、または他の何らかの方式で行うことができる。タスクまたは事象は、開示される例示的な実施形態に追加するか、またはそこから除去することができる。本明細書で説明される例示的なシステム及び構成要素は、説明されるものと異なるように構成することができる。例えば、要素を、開示された例示的な実施形態に追加する、そこから除去する、またはそれと比較して再配列することができる。
【0563】
本明細書で使用される、数ある中でも、「できる(can)」、「かもしれない(could)」、「してもよい(might)」、「得る(may)」、「例えば(e.g.,)」等の条件付き言語は、別途具体的に提示されない限り、または別様に使用される文脈内で理解されるように、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/またはステップを含む一方で、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/もしくはステップが、いかなる形であれ1つ以上の実施形態に必要であること、または、著者による入力もしくは表示の有無に関わらず、これらの特徴、要素、もしくはステップが任意の特定の実施形態に含まれていようと、そこで実行されようと、1つ以上の実施形態が、決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」等の用語は、同義語であり、開放様式で包括的に使用され、追加的な要素、特徴、作用、動作等を排除しない。また、「または(or)」という用語は、例えば要素のリストを接続するために使用されるときに、「または」という用語が、そのリストの中の要素の1つ、いくつか、もしくは全てを意味するように、その包括的な意味合いで使用される(また、その排他的な意味では使用されない)。「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句等の接続的な言語は、別途具体的に提示されない限り、品目、用語等をX、Y、Zのいずれかとすることができることを伝えるために一般に使用されるとして、文脈に従って理解される。したがって、そのような接続的な言語は、一般に、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、Zの少なくとも1つが存在することを必要とすることを示唆することを意図しない。
【0564】
「及び/または」という用語は、「及び」をいくつかの実施形態に適用し、「または」をいくつかの実施形態に適用することを意味する。したがって、A、B、及び/またはCは、ある文において書かれるA、B、及びCと置き換えることができ、また別の文において書かれるA、B、またはCと置き換えることができる。A、B、及び/またはCは、いくつかの実施形態がA及びBを含むことができ、いくつかの実施形態がA及びCを含むことができ、いくつかの実施形態がB及びCを含むことができ、いくつかの実施形態がAだけを含むことができ、いくつかの実施形態がBだけを含むことができ、いくつかの実施形態がCだけを含むことができ、ならびにいくつかの実施形態がA、B、及びCを含むことができることを意味する。「及び/または」という用語は、不必要な冗長性を回避するために使用される。
【0565】
本明細書で引用される全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許または特許出願が本明細書に含まれる本開示に矛盾する範囲では、本明細書は、そのような任意の矛盾する材料に優先する、及び/または先行することが意図される。
【0566】
別途定義されない限り、全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、当業者にとって通常かつ慣例的な意味が与えられ、本明細書に明示的に定義されない限り、特別またはカスタマイズされた意味に制限されるものではない。本開示のある特定の特徴または態様を説明する際の特定の用語の使用は、その用語が本明細書で再定義されて、その用語が関連している本開示の特徴または態様の任意の具体的な特性を含むように制限されることを暗示すると見なされるものではないことに留意されたい。本出願に使用される用語及び語句、ならびにそれらの変化形は、特に添付の特許請求の範囲において、別途明示されない限り、制限とは対照的な制約のないものと見なされるべきである。
【0567】
特定の例示的な実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、単なる例として提示されたものであり、本明細書で開示される本発明の範囲を限定することを意図しない。したがって、いかなる上の説明においても、任意の特定の特徴、特性、ステップ、モジュール、またはブロックが必要もしくは不可欠であることを示唆することを意図しない。実際に、本明細書で説明される新しい方法及びシステムは、種々の他の形態で具現化することができ、さらに、本明細書で開示される本発明の趣旨から逸脱することなく、本明細書で説明される方法及びシステムの形態において、種々の省略、置換、及び変更を行うことができる。