【実施例】
【0083】
合成実施例
方法A
中間体I−1の合成
【化35】
Cs
2CO
3を
R−1(22.0g、118mmol)及び
R−2(47.6g、129mmol)のアセトン(250mL)中溶液に加える。この混合物を80℃で2日間加熱する。この混合物を水(200mL)で希釈し、CH
2Cl
2(100mL×2)で抽出する。次いで、有機物を収集し、濃縮して、
I−1(25g)を得る。m/z=382.1[M+H]。
【0084】
方法B
中間体I−2の合成
【化36】
水素化ナトリウム(14.3g;372.2mmol)を
R−1(58g;310.2mmol)のDMA(460mL)中溶液に加える。30分後、
R−3(130.2g;341.2mmol)を加え、80℃で18時間加熱する。この反応物を室温まで冷却し、MeOH(250mL)及び水(35mL)で希釈する。次いで、この反応物を一晩激しく撹拌する。不均質な混合物を減圧ろ過し、乾燥後、ピラゾール異性体の1:1混合物として固体(96g)を得る。固体をCH
2Cl
2(240mL)と組み合わせ、一晩激しく撹拌する。不均質な混合物を減圧ろ過して、オフホワイト色の固体(40g)を得る。この固体をCH
2Cl
2(58mL)と合わせ、激しく撹拌する。2時間後、不均質な溶液を5分間超音波処理し、次いで、5℃まで冷却し、1時間撹拌する。この不均質な溶液を減圧ろ過し、固体を、冷えたCH
2Cl
2(2×)で洗浄し、収集し、乾燥して、
I−2(27.7g)を得る。合わせたろ液をi−PrOH(180mL)で希釈し、3時間激しく撹拌する。この不均質な溶液をろ過し、固体を少量のi−PrOH(2×)で洗浄する。このろ液を減圧下で濃縮して、残留物を得る。その残留物をCH
2Cl
2(32mL)と合わせ、5分間超音波処理する。更に1時間撹拌した後、この溶液を0℃まで冷却し、1時間撹拌する。この不均質な溶液をろ過し、固体を収集し、乾燥して、更なる量の
I−2(5.6g)を得る。単離された
I−2の総量は、33.3gである。m/z 394.0/396.0[M+H]。
【0085】
方法C
中間体I−3の合成
【化37】
I−1(1.1g、2.9mmol)、
R−4(1.71g、3.2mmol)、2M 炭酸カリウム水溶液(2.9ml、5.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(333mg、0.3mmol)及びDME(6mL)を合わせ、マイクロ波チューブ中に密閉し、熱的に一晩、120℃で加熱する。この混合物をろ過し、次いで、水(100mL)で希釈し、EtOAc(4×200mL)で抽出する。合わせたEtOAc層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜60% EtOAc/ヘプタン)により精製して、
I−3(1.2g)を得る。m/z=500.5[M+H]。
【0086】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表6】
【0087】
方法D
中間体I−5の合成
【化38】
R−1(2.0g、10.7mmol)、
R−4(6.4g、60%、11.8mmol)、2M Cs
2CO
3水溶液(10.7ml;21mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.2g;1.1mmol)及びDME(6mL)をマイクロ波チューブ中で合わせ、マイクロ波中で2時間、135℃まで加熱する。この混合物をろ過し、次いで、水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、粗製の残留物を提供し、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中の0〜100% EtOAc)により精製して、
I−5(3.2g)を得る。m/z=382.1[M+H]。
【0088】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表7】
【0089】
方法E
中間体I−8の合成
【化39】
水素化ナトリウム(250mg、6.5mmol)を
I−5(1.64g、5.4mmol)のDMA(10mL)中溶液に加える。5分後、
R−3(2.26g、5.9mmol)を加え、70℃で18時間加熱する。この混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(4×10mL)で抽出する。合わせたEtOAc抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、次いで、減圧下で濃縮する。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の0〜50% EtOAc)により精製して、
I−8(1.1g)を提供する。m/z=514.5[M+H]。
【0090】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表8】
方法F
中間体I−10の合成
【化40】
I−3(845mg、1.7mmol)をTHF(15mL)中に溶解させる。この溶液に1M
R−5のTHF中溶液(5.1ml、5.1mmol)を加える。この混合物を70℃で一晩撹拌する。この反応溶液を飽和NH
4Cl(水溶液)とEtOAcの間で分配する。層を分離し、有機層を減圧下で濃縮する。少量のCH
2Cl
2を残留物に加え、得られた固体をろ過して、
I−10(900mg)を得る。m/z=370.3[M+H]。
【0091】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表9】
【0092】
方法G
中間体I−13の合成
【化41】
炭酸カリウム(270mg、1.94mmol)を
I−10(143mg、0.39mmol)のDMA(5mL)中溶液に加える。5分後、
R−6(110mg、0.47mmol)を加え、この溶液を18時間、70℃まで加熱する。粗製の溶液をシリカカラム上に直接ロードし、精製して(勾配:ヘプタン中の0〜60% EtOAc)、
I−13(71mg)を得る。m/z=528.4[M+H]。
【0093】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表10】
【0094】
方法H
中間体I−21の合成
【化42】
R−7(19.2g、99.1mmol)の撹拌したDMA(54mL)中溶液に、炭酸カリウム(27.4g、198.1mmol)を加える。次いで、
R−8(23.0g、109mmol)をゆっくり加える。この反応物を室温で6時間撹拌する。次いで、この反応物を水でクエンチし、EtOAcで抽出する。EtOAcを減圧下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン中の10% EtOAc)により精製して、
I−21(18g)を得る。m/z=324.4[M+H]。
【0095】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表11】
【0096】
方法I
中間体I−31の合成
【化43】
1LフラスコにDMF 100mL中の
R−7(25g、128.8mmol)及び炭酸カリウム(35.6g、257.7mmol)を入れる。この混合物に
R−9(33.9g、141.7mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌するにまかせる。次いで、この反応物をろ過し、濃縮する。残留物をCH
2Cl
2中に溶解させ、celiteに通してろ過する。このろ液を濃縮して、
I−31(45.4g)を提供する。m/z=353.4[M+H]。中間体
I−31を、更に精製することなくその後の工程に使用する。
【0097】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表12】
【0098】
方法J
中間体I−52の合成
【化44】
1LフラスコにDMF 100mL中の
R−7(75g、386.5mmol)及びK
2CO
3(106.7g、773mmol)を入れる。これに
R−10(101.6g、425.2mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌するにまかせる。この反応物をろ過し、濃縮する。残留物をCH
2Cl
2中に溶解させ、Celiteに通してろ過する。このろ液を濃縮して、
I−52(136g)を提供する。m/z=353.0[M+H]。中間体
I−52を、更に精製することなくその後の工程に使用する。
【0099】
方法K
中間体I−53混合物の合成
【化45】
R−7(5.0g、25.8mmol)、アセトニトリル(29mL)及び炭酸カリウム(7.1g、51.5mmol)の混合物に、
R−11(3.9mL、25.6mmol)を加える。この混合物をAr下で18時間撹拌する。次いで、この反応物を濃縮し、残留物をEtOAcと水の間で分配する。層を分離し、水層をEtOAc(2×)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、
I−53(8.75g)を得る。m/z=271.0[M+H]。中間体
I−53混合物を、更に精製することなくその後の工程に使用する。
【0100】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表13】
【0101】
方法L
中間体I−60の合成
【化46】
I−2(1.1g、2.8mmol)、
1−53(1.12g、4.16mmol)、炭酸セシウム(1.81g、5.5mmol)をマイクロ波チューブ中で合わせ、この容器をArでフラッシュする。DME(6.6mL)及びPd(PPh
3)
4(320mg、0.28mmol)を加え、この容器を脱気し、熱的に一晩、125℃まで加熱する。この混合物をCeliteに通してろ過し、このCeliteをEtOAc及び水で洗浄する。層を分離し、水層をEtOAc(2×)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の10〜80% EtOAc)により精製して、
I−60(407mg)を得る。m/z=542.2[M+H]。
【0102】
方法M
中間体I−61の合成
【化47】
I−2(1.0g、1.31mmol)、
I−30(790mg、2.8mmol)、炭酸セシウム(1.6g、5.1mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.29g、0.25mmol)及びDME(6mL)をマイクロ波チューブ中で合わせ、熱的に一晩、125℃まで加熱する。この混合物をろ過し、次いで、水(30mL)で希釈し、EtOAc(4×30mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗製の残留物を提供する。粗製の材料をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の0〜100% EtOAc)を介して精製して、
I−61(1.1g)を得る。m/z=474.3[M+H]。
【0103】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表14】
【0104】
方法N
中間体I−87の合成
【化48】
I−2(0.7g、1.8mmol)、
I−39(1.5g、3.5mmol)、炭酸セシウム(1.15g、3.5mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.2g、0.21mmol)をマイクロ波チューブ中で合わせる。脱気したジオキサン(8mL)及び水(2mL)を加える。この反応容器をAr下で密閉し、マイクロ波中、125℃で60分間加熱する。この反応物を分液ロートに移し、EtOAcで希釈し、水及びブラインで濯ぐ。有機物を乾燥し、ろ過し、減圧下でエバポレートする。次いで、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜55% EtOAc/ヘプタン)により精製して、
I−87(710mg)を得る。m/z=622.2[M+H]。
【0105】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表15】
【0106】
方法O
中間体I−95の合成
【化49】
I−2(310mg、0.78mmol)、
I−21(380mg、1.17mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(175mg、0.63mmol)及びリン酸カリウム(500mg、2.3mmol)を20mLマイクロ波バイアル中のジオキサン(8mL)及び水(2mL)と合わせる。この溶液にArを通して10分間バブリングする。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を加え、この反応物にArを通して更に5分間バブリングする。この反応物を密閉し、マイクロ波中、120℃で60分間加熱する。rtまで冷却した後、この反応溶液を水で希釈し、EtOAc(2×)で抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の10〜90% EtOAc)により精製して、
I−95(340mg)を得る。m/z=514.3[M+H]。
【0107】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表16】
【0108】
方法P
中間体I−101の合成
【化50】
1LフラスコにAr脱気したDMA 225mL及び水 75mL中の
I−2(32.0g、80.8mmol)、
I−31(56.9g、161.5mmol)、炭酸セシウム(52.6g、161.5mmol)及びPd(PPh
3)
4を入れる。このフラスコにアルゴン下でコンデンサーを取り付け、次いで、予め加熱した反応ブロック上で140℃に加熱する。45分後、この反応物をrtまで冷却し、次いで、ろ過する。固体を最少量のEtOAcで濯ぐ。合わせたろ液を2L分液ロートに移し、水(約750mL)で希釈し、EtOAc(750mL)で抽出する。次いで、EtOAcを更なる水(750mL)、次いで、ブライン 750mLで濯ぐ。次いで、有機物を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜75% EtOAc/ヘプタン)により、
I−101(25g)を得る。不純物の画分を単離し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0〜75% EtOAc/ヘプタン)により再度精製して、
I−101(7.5g)を得る。合計33gの
I−101(75%)。m/z=560.4[M+H]。
【0109】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表17】
【0110】
方法Q
中間体I−103の合成
【化51】
ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−KP)[水素 ビス(ジメチルホスフィニト−KP)]プラチナ(II)(79mg、0.19mmol)を水(3.0mL)及びエタノール(15mL)中の
I−95(1.0g、1.9mmol)に加える。この不均質な反応物を80℃まで加熱する。18時間後、この反応物をrtまで冷却する。この反応物を減圧下で濃縮する。残留物をEtOAcと合わせ、ろ過する。このろ液を減圧下で濃縮して、
I−103(500mg)を得る。m/z=532.3[M+H]。この生成物を、更に精製することなくその後の工程に使用する。
【0111】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表18】
【0112】
方法R
中間体I−130の合成
【化52】
I−102(61.5g;113.6mmol)をエタノール(200mL)及び水(40mL)中に溶解させる。ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−KP)[水素 ビス(ジメチルホスフィニト−KP)]プラチナ(II)(2.91g;6.8mmol)を加え、この反応物を80℃で16時間撹拌するにまかせる。この反応溶液を水で希釈し、5% MeOH/CH
2Cl
2で希釈し、有機層を収集し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の0〜100% EtOAc、次いで、CH
2Cl
2中の0〜20% MeOH)により精製して、
I−130(57.2g)を得る。m/z=560.3[M+H]。
【0113】
方法S
中間体I−131の合成
【化53】
密閉可能容器中、ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−KP)[水素 ビス(ジメチルホスフィニト−KP)]プラチナ(II)(2.91g;6.8mmol)(863mg、2.0mmol)を
I−101(11.4g、20.2mmol)の水(30mL)及びエタノール(100mL)中溶液に加える。この容器を密閉し、一晩、95℃まで加熱する。この反応物を減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、Celiteに通してろ過する。このろ液を減圧下で濃縮し、
I−131(12g)を得る。m/z=560.4[M+H]。この材料(
I−131)を、更に精製することなく使用する。
【0114】
方法T
中間体I−132の合成
【化54】
I−109(1.04g、2.5mmol)、
I−41(1.5g、5.0mmol)、炭酸セシウム(1.64g、5.0mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.29g、0.25mmol)をマイクロ波チューブ中で合わせる。脱気したジオキサン(8mL)及び水(2mL)を加える。この反応容器をAr下で密閉し、マイクロ波中、125℃で60分間加熱する。この反応物を分液ロートに移し、EtOAcで希釈し、水及びブラインで濯ぐ。有機物を乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。次いで、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、DCM中の0〜20% MeOH)により精製して、
I−132(1000mg)を得る。m/z=517.4[M+H]。
【0115】
方法U
中間体I−133の合成
【化55】
I−95(1.34g、2.6mmol)をトリメチルオルトホルマート(
R−12)(17.4mL)中で140℃まで加熱する。18時間後、過剰のトリメチルオルトホルマートを減圧下で除去する。黄色の残留物を無水エタノール(15mL)で希釈し、ナトリウムボロハイドライド(
R−13)(118mg、3.1mmol)を加え、この混合物をrtで撹拌する。3時間後、溶媒を減圧下で除去する。残留物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の10〜80% EtOAc)により精製して、
I−133(920mg)を得る。m/z=528.3[M+H]。
【0116】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表19】
【0117】
方法V
中間体I−136の合成
【化56】
ヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−KP)[水素 ビス(ジメチルホスフィニト−KP)]プラチナ(II)(70mg、0.16mmol)を、水(0.8mL)及びエタノール(2.4mL)中の
I−133(890mg、1.7mmol)に加える。この不均質な反応物を80℃まで加熱する。18時間後、この反応物をrtまで冷却する。更なるヒドリド(ジメチル亜ホスフィン酸−KP)[水素 ビス(ジメチルホスフィニト−KP)]プラチナ(II)(80mg、0.19mmol)を加え、この反応物を96時間、80℃まで加熱する。この反応物を減圧下で濃縮し、EtOAcと水の間で分配する。層を分離し、水層をEtOAc(2×)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の30〜100% EtOAc)により精製して、
I−136(500mg)を得る。m/z=546.4[M+H]。
【0118】
下記中間体を類似する方法で調製する:
【表20】
【0119】
方法W
実施例1の合成
【化57】
I−110(84mg、0.17mmol)を4.0M HClのジオキサン中溶液(0.427ml、1.7mmol)で処理し、rtで0.5時間撹拌する。この反応物を減圧下で濃縮して、
I−158(120mg)を得る。塩化アクリロイルのCH
2Cl
2(5mL)中溶液(0.03ml、0.37mmol)に、
I−158及びDIEA(0.15mL、0.84mmol)を加える。rtで一晩撹拌した後に、塩化アンモニウム飽和水溶液(4mL)を加え、この混合物をEtOAc(4×20mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残留物をRHPLC(カラム:Luna PFP(2) Prep;勾配:水(0.1% TFA)中の25%〜30% ACN)により精製して、
実施例1(5mg)を得る。
【0120】
下記化合物を類似する方法で製造する:実施例
26。
【0121】
方法X
実施例2の合成
【化58】
I−139(220mg、0.42mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中溶液に、4.0M HClのジオキサン中溶液(2.0mL;8.0mmol)を加え、この反応物をrtで16時間撹拌する。この溶液を減圧濃縮して、
I−159(175mg)を得る。
【0122】
2−ブチン酸(35mg;0.41mmol)のTHF(5mL)中溶液に、イソブチルクロロホルマート(62mg;0.45mmol)及びN−メチルモルホリン(166mg;1.6mmol)を加える。この反応物をrtで15分間撹拌し、次いで、
I−159(175mg;0.41mmol)のTHF(10mL)中溶液に移し、rtで1時間撹拌する。次いで、この混合物をCH
2Cl
2中の10% MeOHと水との間で分配し、相分離器に通してろ過し、ろ液を濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中の0〜100% 酢酸エチル、次いで、CH
2Cl
2中の0〜20% MeOH)により精製して、減圧下での濃縮後に、実施例
2(127mg)を得る。
【0123】
下記化合物を類似する方法で製造する:実施例
3〜9、
13、
14、
19、
24、
27〜29、
34〜37、
44、
52〜60。
【0124】
方法Y
実施例12の合成
【化59】
I−130(57g、102mmol)のCH
2Cl
2(250mL)中溶液に、4.0M HClのジオキサン中溶液(101.9mL、407.4mmol)を加える。この反応溶液をrtで16時間撹拌するにまかせ、次いで、減圧下で濃縮して、
I−160(57.5g)を得、これを更に精製することなく使用する。
【0125】
2−ブチン酸(11.6g、138mmol)のIPAc(228mL)中溶液を0℃まで冷却し、イソブチルクロロホルマート(18mL、138mmol)、続けて、N−メチルモルホリン(50.5mL、460mmol)を逐次的に滴加して加える。この溶液を0℃で15分間撹拌し、次いで、
I−160(57g、115mmol)のIPAc(200mL)中溶液に移す。この反応混合物を1時間撹拌し、次いで、水(300mL)で希釈し、3時間、50℃まで温め、次いで、rtで一晩撹拌する。不均質な混合物を減圧ろ過し、固体を水で洗浄し、収集し、乾燥して、実施例
12(39g)を得る。ろ液を収集し、層を分離する。IPAc層を濃縮し、残留物をEtOAc中に懸濁させ、均質な溶液が観察されるまで加熱する。この溶液をrtまで冷却し、得られた沈殿物をろ過し、収集し、乾燥して、更に実施例
12(8.2g)を得る。
【0126】
方法Z
実施例22の合成
【化60】
I−131(77.4g、138.3mmol)のCH
2Cl
2(250mL)中溶液に、MeOH(50mL)、続けて、4M HClのジオキサン中溶液(138.3mL、553.3mmol)を加える。この反応溶液をrtで4時間撹拌するにまかせ、次いで、減圧下で濃縮して、
I−161(69.6g)を得、これを更に精製することなく使用する。
【0127】
2−ブチン酸(14.3g、168.4mmol)のIPAc(350mL)中溶液を0℃まで冷却し、イソブチルクロロホルマート(25.4g、182.4mmol)、続けて、N−メチルモルホリン(57.3g、561mmol)を逐次的に滴加して加える。この溶液を0℃で30分間撹拌するにまかせ、次いで、
I−161(69.6g、140.3mmol)のIPAc(350mL)中溶液に移す。この溶液をrtまで温め、1時間撹拌し、次いで、水(800mL)で希釈し、45分間、50℃まで温める。次いで、この混合物をrtまで冷却し、30分間撹拌し、次いで、ろ過する。固体を収集し、乾燥して、実施例
22(55g)を得る。
【0128】
方法AA
実施例25の合成
【化61】
I−139(624mg、1.15mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中溶液に、HClのジオキサン中溶液(4M、2.8mL、11.5mmol)を滴加して加える。この溶液をデカンテーションし、残留物を減圧下で乾燥して、
I−162(571mg)を得る。粗製の材料(
I−162)を更に精製することなく使用する。
【0129】
I−162(571mg、1.51mmol)のDMF(10mL)中溶液及びDIEA(0.60mL、3.4mmol)を15分間撹拌し、次いで、2−ブチン酸(97mg、1.51mmol)及びHATU(440mg、1.1mmol)を加える。30分後、NH
4Cl飽和水溶液(50mL)を加え、この混合物をEtOAcで抽出する。有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗製の残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc中の0〜10% MeOH)により精製して、実施例
25(55mg)を得る。
【0130】
下記化合物を類似する方法で製造する:実施例
15〜18、
21、
23、
30〜33、
38、
39、
40、
41、
51。
【0131】
方法AB
実施例43の合成
【化62】
I−103(1.2g、2.3mmol)のCH
2Cl
2(15mL)中溶液に、HClのジオキサン中溶液(4M、5mL、20mmol)を加える。この混合物をrtで1時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し、残留物をCH
2Cl
2中でトリチュレートする。固体をろ過し、収集し、乾燥して、
I−163(1.09g)を得、これを更に精製することなく使用する。
【0132】
アクリル酸(50mg、0.69mmol)及びHATU(264mg、0.69mmol)のDMA(2.5mL)中溶液に、
I−163(250mg、0.53mmol)及びDIEA(0.47mL、2.7mmol)を加える。rtで一晩撹拌した後に、この反応物を減圧下で濃縮して、残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2中の0〜10% MeOH)により精製して、実施例
43(106mg)を得る。
【0133】
下記化合物を類似する方法で調製する:実施例
20、
42、
48。
【0134】
方法AC
実施例45の合成
【化63】
I−137(100mg、0.21mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中溶液に、TFA(1.5mL)を加え、この混合物をrtで一晩撹拌する。この反応物を減圧下で濃縮して、
I−164を得、これを更に精製することなく使用する。
【0135】
2−ブチン酸(20mg、0.24mmol)及びEDC(78mg、0.41mmol)のDMF(1mL)中溶液に、DIEA(0.12mL、0.80mmol)を加える。15分後、
I−164(100mg、0.27mmol)を加える。rtで一晩撹拌した後に、この反応物を減圧下で濃縮する。RHPLC(10〜90%:ACN/0.1% TFAを含むH
2O)による精製で、実施例
45(9mg)を得る。
【0136】
方法AD
実施例47の合成
【化64】
I−106(87mg、0.159mmol)をCH
2Cl
2(5mL)中に溶解させる。TFA(1mL)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌する。この溶液を減圧下で濃縮し、残留物をMeOH中に溶解させ、Agilent StratoSpheres SPEカラム(MP PL−HCO
3)(500mg)に通してろ過する。このろ液を減圧下で濃縮して、
I−165を得、これを更に精製することなく使用する。
【0137】
2−ブチン酸(17mg、0.207mmol)及びHATU(79mg、0.21mmol)のDMA(1mL)中溶液に、
I−165(71mg、0.159mmol)及びDIEA(0.083mL、0.48mmol)を加える。rtで一晩撹拌した後に、NH
4Cl飽和水溶液(4mL)を加え、この混合物をEtOAc(4×20mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2中の1〜6% MeOH)により精製して、実施例
47(21mg)を得る。
【0138】
下記化合物を類似する方法で製造する:実施例
46、
49、
50。
【0139】
方法AE
実施例48の合成
【化65】
DMF(1mL)中の
I−164(100mg、0.27mmol)、アクリル酸(28mg、0.4mmol)、TBTU(127mg、0.4mmol)及びトリエチルアミン(40mg、0.4mmol)をバイアルに入れる。rtで一晩撹拌した後に、溶媒を減圧下で除去して、残留物を提供し、これをRHPLC(10〜80% MeCN/水+0.1% TFA)により精製して、実施例
48(20mg)を得る。
【0140】
方法AF
実施例11の合成
【化66】
I−132(1.0g、1.94mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中溶液に、TFA(3mL)を滴加して加える。rtで3時間後、溶媒を除去して、残留物を提供し、これをMeOH中に溶解させ、Agilent StratoSpheres SPEカラム(MP PL−HCO
3)(500mg)に複数回通過させる。カートリッジをMeOHで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して、
I−167(806mg)を提供し、これを更に精製することなく使用する。
【0141】
2−ブチン酸(197mg、2.3mmol)のEtOAc(10mL)中溶液に、イソブチルクロロホルマート(350mg、2.5mmol)、続けて、N−メチルモルホリン(0.79g、7.7mmol)を加える。この混合物を10分間撹拌し、次いで、
I−167(806mg、1.9mmol)のTHF(10mL)中溶液に加え、rtで30分間撹拌する。この反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮する。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、CH
2Cl
2中の0〜10% MeOH)により精製して、実施例
11(370mg)を得る。
【0142】
下記化合物を類似する方法で製造する:実施例
10。
【0143】
治療的使用
それらの生物学的特性に基づいて、本発明による式(I)で示される化合物又はそれらの互変異体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、それらの混合物及び上記言及された全ての形態の塩は、それらがBTKに対する良好な阻害作用を示す点で、自己免疫障害及びアレルギー性障害を処置するのに適している。
【0144】
このような疾患は、例えば:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、シェーグレン病、血管炎、強皮症、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性湿疹、B細胞リンパ腫、多発性硬化症、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、炎症性腸疾患、移植片対宿主病、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎及びブドウ膜炎を含む。
【0145】
式(I)で示される化合物は、それら自体又は本発明による少なくとも1つの他の活性物質との組み合わせにおいて、及び/又は場合により、少なくとも1つの他の薬理活性物質との組み合わせでも使用され得る。他の薬理活性物質は、免疫モデュレーション剤、抗炎症剤又は化学療法剤であってもよい。このような剤の例は、これらに限定されるものではないが、シクロホスファミド、ミコフェノレート(MMF)、ヒドロキシクロロキニン、グルココルチコイド、コルチコステロイド、免疫抑制剤、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害剤、腫瘍壊死因子レセプター(TNF)受容体アンタゴニスト及びメトトレキサートを含む。
【0146】
好適な調製物は、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、液剤(特に、注射用液剤(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用液剤)、エリキシル剤、乳剤又は分散性散剤を含む。薬学的活性物質の含有量は、組成物全体としての0.1〜90wt%、好ましくは0.5〜50wt%の範囲、即ち、以下で特定される用量範囲を達成するのに十分な量であるべきである。特定された用量は、必要に応じて、1日に複数回与えられ得る。
【0147】
好適な錠剤は、例えば、活性物質を公知の賦形剤(例えば、不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはラクトース)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン若しくはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン若しくはゼラチン)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム若しくはタルク)及び/又は放出を遅延させるための剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセタートフタラート若しくはポリビニルアセタート))と混合することにより得てもよい。また、錠剤は、複数の層を含んでもよい。
【0148】
コート錠剤は、錠剤と同様に製造されたコアを錠剤コーティングに通常使用される物質(例えば、コリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖)によりコートすることによって調製してもよい。遅延した放出を達成し又は不適合性を防止するために、コアは、多くの層からなっていてもよい。同様に、錠剤コーティングは、遅延した放出を達成するために、場合によっては、錠剤について上記言及された賦形剤を使用した多くの層からなることができる。
【0149】
本発明による活性物質又はそれらの組み合わせを含有するシロップ剤又はエリキシル剤は、更に、甘味料(例えば、サッカリン、シクラマート、グリセロール又は糖)及び風味増強剤(例えば、香料(例えば、バニリン又はオレンジエキス))を含有してもよい。また、それらは、懸濁助剤若しくは増粘剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、湿潤剤(例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物等)又は保存剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾアート)を含有してもよい。
【0150】
注射及び注入用液剤は、通常の方法(例えば、乳化剤及び/又は懸濁化剤を場合により使用し、等張剤、保存剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾアート)又は安定剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩)の添加することにより、一方、水が希釈剤として使用される場合、例えば有機溶媒を溶媒和物化させる剤(solvating agent)又は可溶化助剤として場合により使用してもよい)で調製し、注射用バイアル若しくはアンプル又は注入用ボトル内に移してもよい。
【0151】
1つ以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質を不活性な担体(例えば、ラクトース又はソルビトール)と混合し、それらをゼラチンカプセル内に充填することにより調製してもよい。
【0152】
好適な坐剤は、例えば、この目的で提供される担体(例えば、中性脂肪若しくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体)と混合することより製造してもよい。
【0153】
使用され得る賦形剤は、例えば、水、薬学的に許容し得る有機溶媒(例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、ピーナッツ油又はゴマ油)、単官能又は多官能アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール))、担体(例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)等、糖(例えば、ショ糖、ラクトース及びグルコース))、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)を含む。
【0154】
該調製物は、通常の方法により、好ましくは、経口又は経皮経路により、最も好ましくは、経口経路により投与される。経口投与について、錠剤は、当然、上記言及された担体とは別に、添加剤(例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウム)を、種々の添加剤(例えば、デンプン(好ましくは、ジャガイモデンプン)、ゼラチン等)と共に含有してもよい。更に、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルク)を錠剤化プロセスのために同時に使用してもよい。水性懸濁剤の場合には、活性物質は、上記言及された賦形剤に加えて、種々の風味増強剤又は着色剤と組み合わせてもよい。
【0155】
非経口的使用のために、活性物質と好適な液体担体との溶液を使用してもよい。
【0156】
静脈内使用についての用量は、1時間当たりに1〜1000mg、好ましくは、1時間当たりに5〜500mgの間である。
【0157】
しかしながら、体重、投与経路、薬物に対する個々の応答、その製剤の性質、及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、特定された量とは異なる必要があり得る。このため、幾つかの場合には、上記で与えられた最少用量未満での使用で十分であり得るし、一方、他の場合には、上限を超えなければならない場合があり得る。大量に投与する場合、それらを1日にわたって多くのより少ない用量に分割するのが望ましいかもしれない。
【0158】
生物学的特性の説明
BTK v.EGFR阻害アッセイ
BTK Lanthscreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイ:
Lanthscreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイ(Life Technologies)を、試験化合物がBTKに結合する能力を定量するために行う。このアッセイは、ユーロピウムラベル抗His抗体を使用するTR−FRET検出を用いた、Alexa Fluor647ラベルキナーゼトレーサー#236のヒト全長Hisタグ付きBTK(Life Technologies cat #PV3587)のATP結合部位への結合及び解離に基づいている。このアッセイは、384ウェルの低容量NBSブラックプレート(Corning)中で構築され、そこでは、2nM BTK及び種々の濃度でのDMSO中の試験化合物を、50mM HEPES、pH 7.4、10mM MgCl
2、1mM EGTA、100μM Na
3VO
4及び0.01% Brij 35からなるアッセイバッファー中、28℃で30分予めインキュベーションする。次いで、2nM Eu−抗His抗体及び30nM キナーゼトレーサーを加え、28℃で60分間インキュベーションする。インキュベーション後、TR−FRETシグナルをEnvisionプレートリーダー(励起:340nm;発光:615及び665nm)において読み取る。665:615nm発光比を算出し、対照及びブランクウェルと比較してPOCに変換する。
【0159】
ODN2006及び抗hIgDを用いて共刺激されたB細胞におけるIL−6生成阻害
初代CD19+ B細胞(AllCells # PB010F)を融解し、10% HI FBSを含有するRPMI中、384ウェルの組織培養プレート中に20,000個/ウェルで播種する。この細胞を試験化合物(0.5% DMSO終濃度)で処理し、37℃、5% CO2で1時間インキュベーションする。次いで、細胞を5μg/mL ヤギF(ab’)2抗ヒトIgD(SouthernBiotech # 2032)及び2μM ODN 2006(InvivoGen # tlrl-2006)により刺激し、37℃、5% CO
2で18〜24時間インキュベーションする。上清中のIL−6をMeso Scale Discoveryキット♯ K211AKB−6を使用して測定する。
【0160】
上皮成長因子により刺激されたA431ヒト上皮細胞におけるEGFR自己リン酸化阻害
A431細胞(ATCC # CRL-1555 FZ)を融解し、10% FBSを含有するDMEM中、384ウェルの組織培養処理プレート中に15,000個/ウェルで播種する。37℃、5% CO
2で24時間インキュベーションした後に、この細胞を試験化合物(1% DMSO終濃度)で処理し、37℃、5% CO
2で16時間インキュベーションする。EGF(Millipore, 01-107)を終濃度60ng/mLで加え、10分間インキュベーションする。培地を除去し、細胞を溶解させ、ホスホEGFRを測定する(Meso Scale Diagnostics, N31CB-1)。
【0161】
本発明の代表的な化合物を試験し、BTK阻害を示す(表1)。このため、これらは、自己免疫障害の処置に臨床上の有益性を示す能力を有する。加えて、本発明の化合物は、表IIにおける実施例により表わされたように、他の関連するキナーゼを上回ってBTK阻害に選択的である。例えば、表IIに表わされるデータから、本発明の化合物は、EGFRを上回る高度のBTK選択性を有することが示される。この表において、BTK活性を初代CD19
+ B細胞におけるIL−6生成により測定し、EGFR活性をA431細胞におけるEGFRリン酸化により測定する。
【0162】
【表21】
【0163】
したがって、当業者により理解され得るように、本発明の化合物は、細胞アッセイにおけるEGFRに対するその高い選択性により示されたように、オフターゲット活性に起因する有害作用に対してより低い潜在性を有する。
【0164】
BTK v.BMX、TEC及びTXK阻害アッセイ
本発明の好ましい化合物は、公知のBTK阻害剤に対して、他の関連するキナーゼBMX、TEC及びTXKを上回る一定範囲のBTKの選択的な阻害を表わす。下記のものを試験化合物として使用する:本発明の化合物、及び公知のBTK阻害剤である1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]プロパ−2−エン−1−オン(比較化合物A、イブルチニブ)、5−アミノ−1−(7−ブタ−2−イノイル−7−アザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)−3−(4−イソプロポキシフェニル)ピラゾール−4−カルボキサミド(比較化合物B、特許文献1の実施例168)、N−(3−(5−フルオロ−2−(4−(2−メトキシエトキシ)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(比較化合物C、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics
2013, 346:219-228)。
【0165】
BTK、BMX及びTXKアッセイ
Z’−LYTE(商標)アッセイ(Life Technologies):
Z’−LYTEアッセイは、FRETに基づく結合酵素フォーマットを利用し、タンパク質分解性開裂に対するリン酸化及び非リン酸化ペプチドの感度の違いに基づいている。ヒトリコンビナントBTK(全長、Hisタグ付き)、BMX(全長、Hisタグ付き)又はTxk(全長、GSTタグ付き)の活性を、クマリン及びフルオレセインによりラベルされた合成FRETペプチド基質のリン酸化を測定することにより推定する。10μLアッセイ混合物は、50mM HEPES(pH 7.5)、0.01% Brij−35、10mM MgCl2、1mM EGTA、2μM FRETペプチド基質(Z’−LYTE(商標) BTK及びBMX用のTyr 1ペプチド、並びにTXK用のTyr 06ペプチド)及びキナーゼ(1.3〜9.3ng BTK;2.8〜45.0ng BMX;2.3〜93.6ng TXK)を含有する。インキュベーションを黒色のポリプロピレン384ウェルプレート(Corning)において22℃で行う。アッセイ前に、キナーゼ、FRETペプチド基質及び段階希釈した試験化合物を一緒に、アッセイバッファー(7.5μL)中で10分間予めインキュベーションし、4×ATPを含有するアッセイバッファー 2.5μL(BTKについて25μM;BMX及びTXKの両方について100μM)を加えることによりアッセイを開始する。60分間のインキュベーション後、このアッセイ混合物をZ’−LYTE(商標)展開試薬(development reagent) 5μLを加えることによりクエンチし、1時間後、クマリン(445nm)及びフルオレセイン(520nm)の発光を、Envisionプレートリーダーを使用する400nmでの励起後に測定する。発光比(445nm/520nm)を測定して、基質リン酸化の度合いを定量する。
【0166】
TECアッセイ
Lanthscreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイ(Life Technologies):
BMXについてのLanthscreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイを、1nM ヒトリコンビナント全長TEC(Hisタグ付き)キナーゼ及び1nM Alexa Fluor647ラベルキナーゼトレーサー#178を代わりに使用したこと以外は、BTKについて上記されたのと同様に行う。
【0167】
本発明の代表的な化合物を、基質(Z’−LYTE(商標)アッセイ、Life Technologies)のリン酸化を測定してBTK、BMX及びTXKの阻害について、並びに「トレーサー」(Lanthscreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイ、Life Technologies)の解離を測定してTECの阻害について評価する。
【0168】
【表22】
【0169】
これらの結果から、本発明の化合物は、他のキナーゼと比較して、少なくとも約10倍までBTK阻害に選択的であることが示される。表IIIを参照のこと
【0170】
In−Vivoアッセイ−本発明の化合物と比較化合物A、B及びCとの間の比較
in vivo試験と平行して、本発明の選択した化合物及び比較化合物A〜Cを、遠隔測定機器を取り付けた覚醒ラットにおいて、用量又は上記治療関連濃度での平均動脈圧(MAP)におけるそれらの影響を決定するのに評価する。下記化合物を1日1回(qd)10mg/kg po及び1日1回30mg/kg poにおいて、5日の経過にわたって評価する:本発明の
実施例12及び
22並びに比較化合物
A〜
C、即ち、1−[(3R)−3−[4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル]−1−ピペリジル]プロパ−2−エン−1−オン(比較化合物A、イブルチニブ)、5−アミノ−1−(7−ブタ−2−イノイル−7−アザスピロ[3.4]オクタン−2−イル)−3−(4−イソプロポキシフェニル)ピラゾール−4−カルボキサミド(比較化合物B、特許文献1の実施例168)及びN−(3−(5−フルオロ−2−(4−(2−メトキシエトキシ)フェニルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(比較化合物C、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics
2013, 346:219-228)。
【0171】
実験プロトコール
(遠隔測定装置を取り付けられた)全ての動物を、代謝ケージ中に1匹で収容する。ラットを代謝ケージに少なくとも3日間慣れさせ、次いで、ビヒクルを4日目まで投与する。血圧、心拍数及び体重をベースライン期間の間に収集し、動物をこれらのパラメータに基づいて3つの群にランダム化する(n=8〜9/群)。処置群は:ビヒクル及び試験化合物(1日1回 10mg/kg po及び30mg/kg po)とし;動物を化合物で5日間処置する。翌日、ラットに再度試験化合物を投与し、血漿サンプルを、T
max(n=3〜9/群)を捕えるために、投与後の複数の時点での化合物暴露について尾の出血により収集する。平均動脈圧(MAP)及び心拍数(HR)を、試験を通して継続的に収集する。統計学的分析を、化合物投与の5日の間での平均24時間の平均値に基づいてGraphPad Prismを使用して実施する(ダネットの事後検定(post-test)(vs.ビヒクル)と一元配置分析;p<0.05は、統計学的に有意と考えられる)。
【0172】
【表23】
【0173】
結果から、本発明の化合物(例えば、
実施例12及び
22)が、比較化合物A、B及びCと比較して、ラットにおけるMAPに影響を引き起こさないことが示される。当業者により理解され得るように、ラットでの平均動脈圧における有意な変化は、臨床の現場における有害な心血管イベントのより高いリスクを示し得る。したがって、本発明の化合物がMAPにおける統計学的に有意な影響を表わさないという事実は、驚くべきことであり、予期しなかったことである。表IV及び
図1を参照のこと。
【0174】
本願で引用された全ての特許文献、及び非特許文献又は文献は、それらの全体が参照により本明細書中に援用される。