特許第6976952号(P6976952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エシコン エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976952
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】外科用器具のための電池ドレーン回路
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】3
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2018-535817(P2018-535817)
(86)(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公表番号】特表2018-531127(P2018-531127A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】US2016052770
(87)【国際公開番号】WO2017058591
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年9月20日
(31)【優先権主張番号】14/868,747
(32)【優先日】2015年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ラインバック・リチャード・エル
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・シェーン
【審査官】 家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0071711(US,A1)
【文献】 特表2015−507968(JP,A)
【文献】 特開2015−006388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)遠位端部分及び近位端部分を有するシャフトアセンブリであって、前記遠位端部分は、それから遠位に突出するエンドエフェクタを含む、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記近位端部分を受容するように構成されたハンドルアセンブリであって、電池ドックを含む、ハンドルアセンブリと、
(c)電池ユニットであって、前記電池ドックによって受容されるように構成され、そのため、前記シャフトアセンブリ又は前記ハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、前記電池ユニットは、
(i)電池であって、
(A)陽極接点、及び
(B)陰極接点、を備える、電池と、
(ii)放電ドレーンであって、
(A)制御装置、及び
(B)電池電力ドレーン要素であって、前記制御装置は、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、前記電池ドックの前記電池ユニットの挿入に反応して、前記電池から電力を排出するように構成されている、電池電力ドレーン要素、を含む、放電ドレーンと、を含む、電池ユニットと、を備え、
前記放電ドレーンが、前記制御装置及び前記電池電力ドレーン要素と通信しているスイッチ素子を更に備え、前記スイッチ素子は、選択的に閉鎖して、それにより、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に置き、それにより、前記電池から電力を排出するように動作可能であり、
前記スイッチ素子が、MOSFETトランジスタを含み、
前記制御装置が、タイマーと、前記MOSFETトランジスタと前記タイマーとの間で電気通信している光アイソレータとを含み、前記タイマーは、前記光アイソレータを介して、前記MOSFETトランジスタに接続され、前記光アイソレータは、前記タイマーから放電信号を受け取り、前記タイマーから受け取った前記放電信号を前記MOSFETトランジスタに転送するように構成され、
前記電池電力ドレーン要素が、抵抗器を含み、
前記電池ユニットを前記電池ドックに挿入して電力を最初に排出した場合、又は、前記電池ユニットを前記電池ドックに挿入した場合に、前記タイマーは、所定の時間量に達するまで、時間の経過を算出し始め、前記タイマーが前記所定の時間量を算出した場合に、前記タイマーは、前記光アイソレータを介して前記放電信号を前記MOSFETトランジスタに送信して、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に置き、前記抵抗器を通して電力を誘導し、これにより、前記電池から電力の残りの部分を排出する、外科用器具。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが、組織を切断し、かつ組織にステープルを適用するように動作可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記シャフトアセンブリが、前記ハンドルアセンブリから選択的に取り外し可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な種類の外科用器具が1つ又は2つ以上の電池セルによって給電され得る。そのような器具は、例えば、内視鏡環境、腹腔鏡環境及び開腹環境を含む、様々な外科的環境で使用され得る。電池駆動外科用器具は、例えば、カッター、把持器及び/又はステープラなどのモータ駆動器具を含み得る。電池駆動外科用器具はまた、例えば、RFカッター/凝固器具、超音波カッター/凝固器具、及び/又はレーザーカッター/凝固器具などの、非モータ駆動器具を含み得る。
【0002】
電池駆動外科用器具は、一次セルを利用し得、これは予め充電されており、単一の放電(例えば、単回使用)を目的とする。単一の放電セルを使用することは、セルの再殺菌及び再充電と関連し得る困難を回避する。しかしながら、一次セルは、輸送、保管及び廃棄に関する課題を提示し得る。例えば、一部の充電したセルは、一度しか使用されていない場合があり、かなりの量の電荷が残っている場合があるため、適切に放電されないと有害な廃棄物を生じる可能性がある。リスクを緩和するため、一部の管轄では、セルが輸送及び廃棄され得る条件を統制する規則を有する。より大量のエネルギーが貯蔵されるセル及び電池は、より厳しく、かつ場合によってはより高価である安全対策によって、輸送、保存及び廃棄されることを必要とし得る。
【0003】
電池駆動外科用器具の例としては、外科用ステープラが挙げられる。かかるステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を互いに実質的にシールするように動作可能である。あくまで例示の外科用ステープラが以下に開示されている。すなわち、1989年2月21日に発行された「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題する米国特許第4,805,823号、1995年5月16日に発行された「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題する米国特許第5,415,334号、1995年11月14日に発行された「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,465,895号、1997年1月28日に発行された「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,597,107号、1997年5月27日に発行された「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,632,432号、1997年10月7日に発行された「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,673,840号、1998年1月6日に発行された「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,704,534号、1998年9月29日に発行された「Surgical Clamping Mechanism」と題する米国特許第5,814,055号、2005年12月27日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第6,978,921号、2006年2月21日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題する米国特許第7,000,818号、2006年12月5日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題する米国特許第7,143,923号、2007年12月4日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi−Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題する米国特許第7,303,108号、2008年5月6日に発行された「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題する米国特許第7,367,485号、2008年6月3日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題する米国特許第7,380,695号、2008年6月3日に発行された「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two−Piece E−Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第7,380,696号、2008年7月29日に発行された「Surgical Stapling and Cutting Device」と題する米国特許第7,404,508号、2008年10月14日に発行された「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題する米国特許第7,434,715号、2010年5月25日に発行された「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題する米国特許第7,721,930号、2013年4月2日に発行された「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許第8,408,439号、及び2013年6月4日に発行された「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許第8,453,914号である。上に引用した米国特許のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
上述した外科用ステープラは、内視鏡手術において使用されるものとして記載されているが、このような外科用ステープラは、開口処置及び/又は他の非内視鏡手術でも使用することができることを理解されたい。ほんの一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科手術では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ又は2つ以上の臓器に到達させることもできる。かかる手術では、肺につながる血管を切断及び閉鎖するためにステープラが使用される場合もある。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除するのに先立ってステープラによって切断して閉鎖することができる。外科用ステープラを他の様々な状況及び手術で使用できることは言うまでもない。
【0005】
開胸術に特に好適であり得る又は使用され得る外科用ステープラの例は、2014年8月28日に公開された「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許出願公開第2014/0243801号、2014年8月28日に公開された「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239041号、2014年8月28日に公開された「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2014/0239042号、2014年8月28日に公開された「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239036号、2014年8月24日に公開された「Surgical Instrument with Articulation Lock having a Detenting Binary Spring」と題する米国特許出願公開第2014/0239040号、2014年8月28日に公開された「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239043号、2014年8月28日に出願された「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239037号、2014年8月28日に公開された「Surgical Instrument with Multi−Diameter Shaft」と題する米国特許出願公開第2014/0239038号、及び2014年8月28日に公開された「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許出願公開第2014/0239044号に開示されている。上に引用した米国特許出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
いくつかの手術器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を作製又は使用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことで、より良く理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符号は、同じ要素を特定する。
図1】交換式シャフトアセンブリ、ハンドルアセンブリ及び取り外し可能な電池アセンブリを含む、例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。
図2】器具のハンドルアセンブリから分解されたシャフトアセンブリ及び電池アセンブリを示した、図1の器具の斜視図を示す。
図3図1の器具のハンドルアセンブリ及び電池アセンブリの分解図を示す。
図4】シャフトアセンブリがハンドルアセンブリに動作可能に連結された、図1の線4−4に沿って切り取った図1の器具の断面側面図を示す。
図5】ハンドルアセンブリ及び電源を有する、別の例示的な外科用ステープル留め器具の側面図を示す。
図6A】ハンドルアセンブリとの取り付け前の、図5のハンドルアセンブリから分離した電源の概略図を示す。
図6B図5のハンドルアセンブリと取り付けられた電源の概略図を示す。
図6C】ハンドルアセンブリとの取り付け後の、図5のハンドルアセンブリから分離した電源の概略図を示す。
図7】ハンドルアセンブリとの取り付けの時間から測定される、図5の電源の電圧レベルのグラフを示す。
図8】例示的な電力ドレーンを含む、図5の外科用器具の簡略化された回路図を示す。
図9】例示的な電池ユニットの形態の、図5の電源の斜視図を示す。
図10】キャップが電池ユニットから取り外された、図9の電池ユニットの別の斜視図を示す。
図11】キャップ及びケーシングが電池ユニットから取り外された、図9の電池ユニットの更に別の斜視図を示す。
図12A】開放位置にある別の例示的な電力ドレーンの断面側面図を示す。
図12B】閉鎖位置にある図12Aの電力ドレーンの断面側面図を示す。
図13図12Aの電力ドレーンの斜視図を示す。
図14】明確にするために様々な構成要素が省略された、ハンドルアセンブリの例示的なドックに取り付けられた別の例示的な電池ユニットを示す。
図15】シャフトアセンブリ及びハンドルアセンブリを有する、更に別の例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。
図16】ハンドルアセンブリから分離した電源を示した、図15の器具の部分分解斜視図を示す。
図17】明確にするために様々な構成要素が省略された、図16の器具及び電源の拡大部分分解斜視図を示す。
図18図15の器具の電池ドックの斜視図を示す。
図19図16の電源の左側分解斜視図を示す。
図20図16の電源の右側分解斜視図を示す。
図21】明確にするために様々な構成要素が省略された、図15の器具の背面斜視断面図を示す。
図22】明確にするために様々な構成要素が省略された、図15の器具の背面拡大斜視断面図を示す。
図23A】例示的な電力ドレーンが開放位置にある、電源の略中心線に沿って切り取った図15の器具の拡大断面平面図を示す。
図23B図23Aの電力ドレーンが閉鎖位置にある、電源の略中心線に沿って切り取った図15の器具の拡大断面平面図を示す。
図24A】明確にするためにある特定の構成要素が省略され、かつ図23Aの電力ドレーンが開放位置にある、電源の略中心線に沿って切り取った図15の器具の拡大断面平面図を示す。
図24B】明確にするためにある特定の構成要素が省略され、かつ図23Aの電力ドレーンが閉鎖位置にある、電源の略中心線に沿って切り取った図15の器具の拡大断面平面図を示す。
図25】例示的な電力ドレーン回路の概略回路図を示す。
図26】外科用器具との図25の電力ドレーン回路の例示的な使用を示した、フローチャートを示す。
図27】例示的な代替電力ドレーン回路の概略回路図を示す。
図28】外科用器具との図27の電力ドレーン回路の例示的な使用を示した、フローチャートを示す。
図29】別の例示的な代替電力ドレーン回路の概略回路図を示す。
図30】外科用器具との図29の電力ドレーン回路の例示的な使用を示した、フローチャートを示す。
【0008】
図面は、いかなる様式でも限定することを意図するものではなく、本技術の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものも含め、様々な他の方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、図示される厳密な配置構成に限定されないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施するうえで想到される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して個別に考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科器具を把持する操作者又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、操作者又は他の操作者により近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又は他の操作者から更に離れた要素の位置を指す。同様に、「左側」及び「右側」という用語は、外科用器具を把持する操作者又は他の操作者に対して本明細書で定義される。本明細書において記載される外科用器具は、切断及びステープル留めのためのモータ式器具を含むが、本明細書において記載される電池構成は、例えば、カッター、把持具、ステープラ、RFカッター/凝固器具、超音波カッター/凝固器具、及びレーザーカッター/凝固器具などの、任意の好適な種類の電気外科用器具と共に使用され得ることが理解される。
【0012】
I.例示的な外科用器具の概要
図1は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動の外科用切断及び締結器具(10)を示す。例示された実施形態において、外科用器具(10)は、筐体(12)を有するハンドルアセンブリ(11)を含む。筐体(12)の少なくとも一部分は、臨床医が把持し、操作し、かつ作動させるように構成されたハンドル(14)を形成する。筐体(12)は、1つ又は2つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ(18)が動作可能に連結されている、交換式シャフトアセンブリ(16)への動作可能な取り付けのために構成されている。本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフトアセンブリの、様々な独自の、かつ新規な構成が、ロボット制御式の外科用システムに関連して効果的に用いられることもできることが理解されるであろう。したがって、「筐体」という用語はまた、本明細書に開示される交換式シャフトアセンブリ及びそれらの対応する同等物を作動させるために使用され得る、少なくとも1つの制御運動を生成及び適用するように構成されている、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別様に動作可能に支持する、ロボットシステムの筐体又は同様の部分を包含してもよい。「フレーム」という用語は、手持型外科用器具の一部分を指し得る。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表してもよい。例えば、本明細書に開示される交換式シャフトアセンブリは、2015年7月7日に発行された「Surgical Stapling Instruments with Rotatable Staple Deployment Arrangements」と題する米国特許第9,072,535号に開示された、様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法と共に用いられ得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
ハンドルアセンブリ(11)は、本明細書に列挙される様々な参考文献に記載されるように、組織を切断し、かつ組織にステープルを適用するように動作可能であるエンドエフェクタ(18)を含む、交換式シャフトアセンブリ(16)に関連して示されている。筐体(12)は、異なるサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、異なるシャフトの長さ、サイズ及びタイプなどを有する交換式シャフトアセンブリに関連した使用のために構成されてもよい。加えて、ハンドルアセンブリ(11)はまた、例えば、高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などのエネルギーの他の運動及び形態を、様々な外科用途及び処置に関連した使用のために適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む、様々な他の交換式シャフトアセンブリと共に効果的に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具(複数可)を利用して組織を締結することができる。例えば、中に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。そのようなカートリッジの様々な例は、本明細書に列挙される様々な参考文献に開示されている。
【0014】
図1は、交換式シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)に動作可能に連結された、外科用器具(10)を例示する。図2、3は、ハンドル(14)の筐体(12)への交換式シャフトアセンブリ(16)の取り付けを示す。ハンドル(14)は、ねじ、スナップ特徴、接着剤などによって相互接続され得る、一対の相互接続可能なハンドル筐体セグメント(22、24)を含む。例示された配置において、ハンドル筐体セグメント(22、24)は、協働して、臨床医によって把持及び操作され得るピストルグリップ部分(26)を形成する。以下で更に詳細に考察されるように、ハンドル(14)は、その中に複数の駆動システムを動作可能に支持し、それら駆動システムは、それに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリ(16)の対応する部分に対して、様々な制御運動を生成及び適用するように構成されている。
【0015】
ハンドル(14)は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム(28)を更に含む。例えば、フレーム(28)は、全体として(30)と示される「第1の」又は閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、その閉鎖駆動システは、それに動作可能に取り付けられたか又は連結された交換式シャフトアセンブリ(16)に閉鎖及び開放運動を適用するために用いられ得る。一例において、閉鎖駆動システム(30)は、フレーム(28)によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ(32)の形態のアクチュエータを含む。より具体的には、閉鎖トリガ(32)は、ピン(34)によって筐体(14)に枢動可能に連結される(図4Aを参照されたい)。そのような配置は、閉鎖トリガ(32)が臨床医によって操作されることを可能にし、そのため、臨床医がハンドル(14)のピストルグリップ部分(26)を把持したとき、閉鎖トリガ(32)が、開始位置又は「非作動」位置からピストルグリップ部分(26)に向かって「作動」位置へと、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと容易に枢動し得る。閉鎖トリガ(32)は、ばね又は他の付勢構成(図示せず)によって非作動位置へと付勢されてもよい。様々な例において、閉鎖駆動システム(30)は、閉鎖トリガ(32)に枢動可能に連結された閉鎖リンク機構アセンブリ(36)を更に含む。閉鎖リンク機構アセンブリ(36)は、ピン(図示せず)によって閉鎖トリガ(32)に枢動可能に連結された第1の閉鎖リンク(図示せず)と第2の閉鎖リンク(38)とを含んでもよい。第2の閉鎖リンク(38)また、本明細書において「取り付け部材」とも称され得、横方向取り付けピン(37)を含んでもよい。
【0016】
更に図1〜3を参照すると、第1の閉鎖リンク(図示せず)は、フレーム(28)に枢動可能に連結された閉鎖解放アセンブリ(44)と協働するように構成されている。少なくとも1つの例において、閉鎖解放アセンブリ(44)は、解放ボタンアセンブリ(46)を有し、遠位に突出するロッキングポール(図示せず)がその上に形成される。解放ボタンアセンブリ(46)は、解放ばね(図示せず)によって反時計回りの方向に枢動され得る。臨床医が閉鎖トリガ(32)をその非作動位置からハンドル(14)のピストルグリップ部分(26)に向かって押下すると、第1の閉鎖リンク(図示せず)が、ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)と保持係合する点に向かって上向きに枢動し、それにより、閉鎖トリガ(32)が非作動位置に戻ることを防ぐ。したがって、閉鎖解放アセンブリ(44)は、閉鎖トリガ(32)を完全作動位置でロックする働きをする。臨床医が閉鎖トリガ(32)を作動位置からロック解除して非作動位置に戻したいとき、臨床医は単純に、閉鎖解放ボタンアセンブリ(46)を枢動させ、そのため、ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)との係合から外れて動かされる。ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)との係合から外れて動いたとき、閉鎖トリガ(32)は、枢動して非作動位置に戻り得る。他の閉鎖トリガロック及び解放構成が用いられてもよい。
【0017】
交換式シャフトアセンブリ(16)は、ステープルカートリッジ(20)を中で動作可能に支持するように構成された細長い下顎部(48)を備える、外科用エンドエフェクタ(18)を含む。本例のエンドエフェクタ(18)は、細長いチャネル(48)に対して枢動可能に支持されるアンビル(50)を更に含む。交換式シャフトアセンブリ(16)は、シャフトアセンブリ(16)の長手方向軸に対して所望の位置にエンドエフェクタ(18)を解放可能に保持するように構成され得る、関節ジョイント(52)と関節ロック(図示せず)とを更に含む。ほんの一例として、エンドエフェクタ(18)、関節ジョイント(52)及び関節ロック(図示せず)は、2014年9月18日に公開された「Articulatable Surgical Instrument Comprising an Articulation Lock」と題する米国特許公開第2014/0263541号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であってもよい。あるいは、エンドエフェクタ(18)、関節ジョイント(52)及び関節ロック(図示せず)は、本明細書に列挙される任意の他の参考文献(複数可)の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であってもよく、又は任意の他の好適な方法で構成され、かつ動作可能であってもよい。
【0018】
交換式シャフトアセンブリ(16)は、ノズル部分(56、58)で構成される近位筐体又はノズル(54)を更に含む。交換式シャフトアセンブリ(16)は、エンドエフェクタ(18)のアンビル(50)を閉鎖及び/又は開放するために利用され得る閉鎖管(60)を更に含む。シャフトアセンブリ(16)はまた、シャーシ(64)内で摺動可能に支持され、そのため、シャーシ(64)に対して軸方向に動かされ得る、閉鎖シャトル(62)を含む。閉鎖シャトル(62)は、第2の閉鎖リンク(38)に取り付けられた取り付けピン(42)への取り付けのために構成されている、近位に突出する一対のフック(66)を含む。閉鎖管(60)の近位端(68)(図5Aを参照されたい)は、それに対する相対回転のために閉鎖シャトル(62)に連結される。閉鎖ばね(図示せず)が閉鎖管(60)上に軸支され、閉鎖管(60)を近位方向(PD)に付勢する働きをし、それによって、シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)に動作可能に連結されたとき、閉鎖トリガ(32)を非作動位置へと枢動させる働きをし得る。代替のシャフトアセンブリの1つ又は2つ以上の特徴に関する更なる詳細は、以下により詳しく提供される。
【0019】
交換式シャフトアセンブリ(16)は、関節ジョイント(52)を更に含む。しかしながら、他の交換式シャフトアセンブリが、関節屈曲可能でなくてもよい。一例として、関節ジョイント(52)は、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ(70)を含む。二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ(70)は、米国特許公開第2014/0263541号に記載される様々な方法で、アンビル(50)上の開放タブと係合するためのエンドエフェクタ閉鎖スリーブアセンブリ(72)を含み、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本例のシャフトアセンブリ(16)は関節ジョイント(52)を含むが、他の交換式シャフトアセンブリは、関節動作能力を欠いていてもよい。
【0020】
図2〜4を参照すると、シャーシ(64)は、フレーム(28)の遠位取り付けフランジ部分(78)内に形成された、対応するダブテールスロット(76)内に受容されるように適合された、シャーシ上に形成された少なくとも1つの、好ましくは2つの先細取り付け部分(図示せず)を含む。各ダブテールスロット(76)は、取り付け部分(図示せず)を中に配置して受容するように、先細であってもよく、又は言い換えればある程度V字形であってもよい。シャフト取り付けラグ(図示せず)が、中間発射シャフト(82)の近位端上に形成される。したがって、交換式シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)に連結されたとき、シャフト取り付けラグ(図示せず)は、長手方向駆動部材(86)の遠位端に形成された発射シャフト取り付けクレードル(84)内に受容される。
【0021】
シャフトアセンブリ(16)の一例は、シャフトアセンブリ(16)をハンドルアセンブリ(11)に、より具体的にはフレーム(28)に着脱可能に連結するためのラッチシステム(88)を含む。例えば、ラッチシステム(88)は、シャーシ(64)に対して移動可能に連結されている、ロック部材又はロックヨーク(90)を含む。例示された実施形態において、例えば、ロックヨーク(90)は、2つの離間して下向きに延在する脚部(図示せず)を備えたU字形を有する。脚部(図示せず)はそれぞれ、シャーシ(64)に形成された対応する孔(図示せず)内に受容されるように適合された、脚部上に形成された枢動ラグ(図示せず)を有する。そのような配置は、シャーシ(64)へのロックヨーク(90)の枢動可能な取り付けを促進する。ロックヨーク(90)は、フレーム(28)の遠位取り付けフランジ部分(78)の対応するロック戻り止め又は溝(98)との解放可能な係合のために構成された、2つの近位に突出するロックラグ(図示せず)を含む。様々な形態において、ロックヨーク(90)は、ばね又は付勢部材(図示せず)によって近位方向に付勢される。ロックヨーク(90)の作動は、シャーシ(64)に載置されたラッチアクチュエータアセンブリ(102)上に摺動可能に載置された、ラッチボタン(100)によって達成されてもよい。ラッチボタン(100)は、ロックヨーク(90)に対して近位方向に付勢されてもよい。以下で更に詳細に考察されるように、ロックヨーク(90)は、ラッチボタン(100)を遠位方向に付勢することによってロック解除位置へと動かされてもよく、それはまた、ロックヨーク(90)を、フレーム(28)の遠位取り付けフランジ部分(78)との保持係合から外れて枢動させる。ロックヨーク(90)がフレーム(28)の遠位取り付けフランジ部分(78)と「保持係合」しているとき、ロックラグ(図示せず)は、遠位取り付けフランジ部分(78)内の対応するロック戻り止め又は溝(98)内に保持されて収まっている。
【0022】
組織を切断及び締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフトアセンブリを用いる場合、エンドエフェクタ(18)の作動中に交換式シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)から不注意に分離されることを防止することが望ましいことがある。例えば、使用中、臨床医は、閉鎖トリガ(32)を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。いったん標的組織がエンドエフェクタ(18)内に所望の配向で位置付けられると、臨床医は、次いで、閉鎖トリガ(32)を完全に作動させて、アンビル(50)を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めの位置でクランプしてもよい。その場合、閉鎖駆動システム(30)は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ(18)にクランプされた後、シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)から不注意に分離されることを防止することが望ましいことがある。
【0023】
この目的で、ロックヨーク(90)は、閉鎖シャトル(62)上に形成された対応するロックラグ(図示せず)と接触するように適合された、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック(図示せず)を含む。閉鎖シャトル(62)が非作動位置にある(即ち、第1の駆動システム(30)が非作動で、アンビル(50)が開放されている)とき、ロックヨーク(90)を遠位方向に枢動させて、交換式シャフトアセンブリ(16)をハンドルアセンブリ(11)からロック解除してもよい。その位置にあるとき、ロックフック(図示せず)は、閉鎖シャトル(62)上のロックラグ(図示せず)に接触しない。しかしながら、閉鎖シャトル(62)が作動位置に動かされた(即ち、第1の駆動システム(30)が作動し、アンビル(50)が閉鎖位置にある)とき、ロックヨーク(90)がロック解除位置へと枢動されることが防止される。言い換えると、臨床医がロックヨーク(90)をロック解除位置へと枢動させようとした場合、又は例えば、ロックヨーク(90)が、別の場合では遠位に枢動し得るような様式で不注意に突き当たるか又は接触した場合、ロックヨーク(90)上のロックフック(図示せず)は、閉鎖シャトル(62)上のロックラグ(図示せず)に接触し、ロックヨーク(90)のロック解除位置への動きを防止する。
【0024】
ハンドル制御基板(109)上の電気コネクタ(108)は、外科用器具(10)を操作するために発射駆動システム(110)と通信している。発射駆動システム(110)は、ハンドル(14)の発射トリガ(112)をシャフトアセンブリ(16)の中間発射シャフト(82)と動作可能に接続する。本例の発射駆動システム(110)は、ハンドルアセンブリ(11)のピストルグリップ部分(26)に位置する電気モータ(114)を用いる。様々な例において、モータ(114)は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ(114)としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータが挙げられ得る。モータ(114)は、一例において、取り外し可能な電源ユニット(118)を備える電源(116)によって電力供給される。図3、4で分かるように、本例の電池ユニット(118)は、遠位筐体部分(122)への取り付けのために構成された、近位筐体部分(120)を備える。近位筐体部分(120)及び遠位筐体部分(122)は、その中で複数の電池(124)を動作可能に支持するように構成されている。電池(124)はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(「LI」)電池又は他の好適な電池を含んでよい。遠位筐体部分(122)は、モータ(114)に同様に動作可能に連結された、制御回路基板アセンブリ(109)への取り外し可能かつ動作可能な取り付けのために構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池(124)が、外科用器具(10)用の電源(116)として使用されてもよい。加えて、電源(116)は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0025】
上述のように、交換式シャフトアセンブリ(16)の少なくとも5つのシステムが、ハンドル(14)の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に連結され得る。第1のシステムは、シャフトアセンブリ(16)のフレーム又はスパインをハンドル(14)のフレーム(28)と連結及び/又は整合する、フレームシステムを備える。第2のシステムは、ハンドル(14)の閉鎖トリガ(32)、並びにシャフトアセンブリ(16)の閉鎖管(60)及びアンビル(50)を動作可能に接続し得る閉鎖駆動システム(30)である。上で概説したように、シャフトアセンブリ(16)の閉鎖シャトル(62)は、第2の閉鎖リンク(38)上にあるピン(42)と係合する。第3のシステムは、ハンドル(14)の発射トリガをシャフトアセンブリ(16)の中間発射シャフト(82)と動作可能に接続する発射駆動システムである。上で概説したように、シャフト取り付けラグ(80)は、長手方向駆動部材(86)のクレードル(84)と動作可能に接続する。第4のシステムは、シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)と動作可能に係合されて、シャフトアセンブリ(16)とハンドル(14)との間で電力を伝導し、かつ/又は信号を通信するという信号を、マイクロコントローラなど、ハンドル(14)内のコントローラに送ることができる、電気システムである。例えば、シャフトアセンブリ(16)は、シャフト回路基板(図示せず)に動作可能に載置された電気コネクタ(106)を含む。電気コネクタ(106)は、ハンドル制御基板(図示せず)上の対応する電気コネクタ(108)との噛合係合のために構成されている。回路及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許公開第2014/0263541号に見出すことができ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。第5のシステムは、シャフトアセンブリ(16)をハンドル(14)に解放可能にロックするためのラッチシステム(88)である。
【0026】
本明細書に開示される様々なシャフトアセンブリ(16)は、センサ、及び筐体(12)内の制御装置との電気通信を必要とする他の様々な構成要素を用いてもよい。これらのシャフトセンブリ(16)は、一般に、筐体に対して回転することが可能であるように構成されており、互いに対して回転してもよい2つ又は3つ以上の構成要素間でのそのような電気通信を容易にする接続を必要とする。本明細書に開示されるタイプのエンドエフェクタを用いると、コネクタ装置は、本質的に比較的堅牢でもある一方、シャフトアセンブリコネクタ部分に嵌合するように、ある程度コンパクトでなければならない。上記に加えて、器具(10)は、2014年3月26日に出願された「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」と題する米国特許出願第14/226,142号の教示の少なくとも一部に従って構築され、かつ動作可能であってもよく、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。加えて又は代替的に、器具(10)は、本明細書に列挙される他の様々な参考文献のうちのいずれかの教示の少なくとも一部に従って構築され、かつ動作可能であってもよい。
【0027】
II.例示的な電源及び様々な電池ユニット
図5は、以下に記載される違いを除いて器具(10)と実質的に同一である、別の例示的な器具(500)を例示する。外科用器具(500)は、ピストルグリップ(501)と、ハンドル(502)と、トリガ(504)と、エンドエフェクタ(505)とを備える。ハンドル(502)、トリガ(504)、及びエンドエフェクタ(505)は、上記のエンドエフェクタ(18)及びハンドルアセンブリ(11)を有するシャフトアセンブリ(16)に関して記載される方法と同様の方法で動作してもよい。
【0028】
外科用器具(500)のハンドル(502)は、少なくとも1つの電池ユニット(506)を収納する。電池ユニット(506)は、単一の電池、又は直列及び/若しくは並列構成において配置される複数の電池を含んでもよい。ハンドル(502)は、電池ユニット(506)が取り付けられ得る電池ドック(508)を含む。電池ドック(508)は、電池ユニット(506)を外科用器具(500)に連結するための任意の好適な構造を含んでもよい。例えば、電池ドック(508)は、例示されるように、電池ユニット(506)の少なくとも一部を受容するように構成されたハンドル(502)内に空洞を備えてもよい。他の変形形態において、電池ドック(508)は、様々な他の構造を使用して実装されてもよい。例えば、電池ドック(508)のいくつかの変形形態は、電池ユニット(506)によって受容されるポストを含んでもよい。加えて又は代替的に、ピストルグリップ(501)は、電池ドック(508)を備えてもよい。
【0029】
以下でより詳細に考察されるように、本例の電池ドック(508)は、ハンドル(502)への電池ユニット(506)の取り付け後、電池ユニット(506)と相互作用するように構成された突出部分を備える。いったん取り付けられると、電池ユニット(506)は、外科用器具(500)の回路(514)に電気的に接続され、電力を提供する。回路(514)は、示されるように、エンドエフェクタ(505)内のハンドル(502)内に、又は外科用器具(500)内の位置の任意の組み合わせで位置し得る。使用中、回路(514)は、エンドエフェクタ(505)における少なくとも1つの外科用器具の動作に電力を供給してもよい。例えば、回路(514)は、電動カッター、ステープラ、把持具又は他の機械的装置を動作させるための、電気モータを含んでもよい。モータに加えて又はその代わりに、回路(514)は、RF、超音波、又は他のタイプの非モータ駆動の外科用器具を実装するための好適な回路構成要素を含んでもよい。
【0030】
図6A〜6Cは、電池ユニット(506)、及び器具(500)の一部分を概略的に示す。電池ユニット(506)は、外科用器具(500)への取り付け後、電池ユニット(506)内の回路を自動的に閉じる電力ドレーン(512)を含んでもよい。電力ドレーン(512)は、経時的に電池ユニット(506)の電荷をゆっくりと低減させる働きをする。いったん電池ユニット(506)が十分に排出されると、それは、例えば、無害廃棄物として廃棄され得る。電池ユニット(506)は、一体電圧源(510)を含む。いくつかの変形形態において、電圧源(510)は、リチウム電池を含み、CR123セル及びCR2セルからなる群から選択される少なくとも1つのセルを含む。理解されるように、任意の好適な電圧源が使用され得る。電池ユニット(506)は、スイッチ(516)が閉鎖されたとき、電圧源(510)に電気的に連結されるドレーン(512)を更に含む。電池ユニット(506)及び外科用器具(500)はそれぞれ、外科用器具(500)への電池ユニット(506)の取り付け後に接触させられる導電接点(518、520)をそれぞれ含む。
【0031】
図6Aは、非取り付け位置にある電池を例示する。スイッチ(516)は、開放状態にあり、電源(510)は、完全に充電された状態にある。図6Bは、取り付け位置にある電池ユニット(506)を例示する。電池ユニット(506)の導電接点(518)は、外科用器具(500)の接点(520)と電気通信しており、それにより、電池ユニット(506)が回路(514)にエネルギーを供給することを可能にする(図5を参照されたい)。取り付け位置において、スイッチ(516)は、閉鎖状態に移行して、電圧源(510)を電力ドレーン(512)に電気的に連結する。エネルギーは、外科用器具(500)の動作中に電圧源(510)から電力ドレーン(512)を通って流動する。換言すれば、電力ドレーン(512)は、電池ユニット(506)が動作電力を外科用器具(500)に供給しているのと同時に、電圧源(510)から電荷を排出する。以下でより詳細に考察されるように、外科用器具(500)の一部分は、電池ユニット(506)を外科用器具(500)に取り付けて、スイッチ(516)を開放状態から閉鎖状態へと移行させる間に、電力ドレーン(512)と物理的に相互作用してもよい。図6Cは、非取り付け位置にある電池ユニット(506)を例示する。本例において、スイッチ(516)は、電池ユニット(506)が外科用器具(500)から分離された後でさえ閉鎖状態のままで、電圧源(510)を排出し続ける。
【0032】
図7は、1つの非限定的な実施形態に従った、外科用器具(500)への取り付け時から測定される、経時的な電池ユニット(506)の電圧レベルのグラフ(600)である。グラフ(600)は、電池ユニット(506)の6Vセルの電圧レベルを例示する。グラフ(600)は、電池ユニット(506)の一例を単純に表す。理解されるように、グラフ(600)は6VDC供給電源を例示するが、電池ユニット(506)は、例えば、9VDC、12VDC又は18VDCなどの任意の好適な電圧を供給し得る。以下でより詳細に考察されるように、電池ユニット(506)は、並列及び/又は直列構成で配置された複数のセルを含んでもよい。グラフ(600)は、3つの例示的な放電曲線(602、604、606)を含む。第1の放電曲線(602)によって例示されるように、電源(510)の電圧は、約28時間後に2.0ボルトを下回る。第2の放電曲線(604)によって例示されるように、電源(510)の電圧は、約30時間後に2.0ボルトを下回る。第3の放電曲線(606)によって例示されるように、電源(510)の電圧は、約33時間後に2.0ボルトを下回る。放電曲線の全体的な形状は、例えば、外科的処置中の外科用器具(500)の活動レベルに依存し得る。例えば、第1の放電曲線(602)と関連する外科用器具(500)は、外科的処置中、第3の放電曲線(606)と関連する外科用器具(500)よりも頻繁に使用された。
【0033】
いくつかの変形形態において、抵抗素子が、電圧源の電力レベルを低減させるために使用される。図8は、電力ドレーン(612)を含む、電池ユニット(616)の簡略化された回路図である。電池ユニット(616)は、例えば、その接点(618)を通して、外科用器具(500)に取り付けられてもよい。この例において、電池ユニット(616)は、第1のセルの群(610)及び第2のセルの群(611)を含む。ほんの一例として、セルの群(610、611)は、リチウム電池を含んでもよい。セルの群(610、611)はそれぞれ、並列構成で配置された複数の別々のセル(610a、610b、611a、611b)を有してもよい。例えば、セルの群(610、611)はそれぞれ、6VDCであってもよく、完全に充電されたときに電池ユニット(616)の接点(618)において12VDCを生成するように、直列構成で配置されてもよい。しかしながら、セル(610a、610b、611a、611b)は、直列若しくは並列で、又はその任意の他の組み合わせで互いに電気的に接続されてもよい。
【0034】
本例において、電力ドレーン(612)は、第1の抵抗素子(622)及び第2の抵抗素子(624)を含む。いくつかの変形形態において、電池ユニット(616)は、それぞれ2つ超又は2つ未満の抵抗素子又は他の回路を有する、複数の電力ドレーン(612)を含む。例示された例において、抵抗素子(622)は、スイッチ(630)を通して、セルの群(610)の陽極(626)及び陰極(628)にわたって連結される。抵抗素子(624)はまた、スイッチ(636)を通して、セルの群(611)の陽極(632)及び陰極(634)にわたって連結される。スイッチ(630、636)は、外科用器具(500)への電池ユニット(616)の取り付け後に閉鎖されて、セルの群(610、611)の排出を開始するように構成されている。
【0035】
電力ドレーン(612)によって利用される抵抗素子の値は、実施に基づき異なり得る。いくつかの変形形態において、抵抗素子(622)は、1ワットの電力定格で、約90オーム〜約110オームの範囲内、又はより具体的には、約97オーム〜約104オームの範囲内、又は更により具体的には、102.9オームの値の抵抗値を有する。必要な抵抗値の判定は、少なくとも部分的には電圧源の容量、電圧源の電圧レベル、及び排出曲線の所望の時間的長さに基づき得る。例えば、いくつかの変形形態において、セルの群(610)の電池容量は、1400mAhであり、電圧レベルは、6VDCであり、目標排出時間は、24時間である。1400mAhを24時間で割ると、0.0582Aの電流を生じる。オームの法則を使用して、6Vを0.582Aで割ると、102.9オームの抵抗値を生じる。0.583の電流及び102.9オームの抵抗値で、抵抗器が浪費する電力は、0.350Wである。理解されるように、異なる電圧レベル、電池容量及び所望の放電時間は、異なる抵抗値をもたらす。
【0036】
図9〜11は、図8に示される電池ユニット(616)の回路を実装する電池ユニット(800)の斜視図である。電池ユニット(800)は、内部空洞(810)を画定するケーシング(802)を含む。内部空洞(810)は、ケーシング(802)の中央部分に例示されるが、内部空洞(810)が任意の好適な位置に位置付けられ得ることが理解されるであろう。ケーシング(802)は、1つ又は2つ以上の機械的ラッチ(806、808)を利用して、ケーシング(802)に固定されるキャップ(804)によって被覆される。図10は、内部にある複数のセル(812)を示すためにキャップ(804)が取り外された、電池ユニット(800)を例示する。任意の好適な数及び/又はタイプのセル(812)が使用されてもよい。例えば、CR123及び/CR2セルが使用され得る。図11は、セル(812)を露出するためにケーシング(802)の一部分が取り外された、電池ユニット(800)を例示する。
【0037】
図12A及び12Bは、並進可能な電力ドレーン(812)を含む、例示的な電池ユニット(800)の断面図を例示する。電力ドレーン(812)は、内部空洞(810)内に位置付けられてもよく、内部空洞(810)内において矢印(815)の方向に並進可能であってもよい。図12Aは、開放位置における電力ドレーン(812)を示し、図12Bは、閉鎖状態にある電力ドレーン(812)を示す。電力ドレーン(812)は、少なくとも2つの接点(816、818)を含んでもよい。電力ドレーン(812)が開放位置にあるとき、接点(816、818)の一部分は、指部(820、822)などのケーシング(802)の非導電部分と接触してもよい。本例において、接点(816、818)は、弾性的に付勢されて、ドレーン(812)の矢印(815)の方向への動きに抵抗するために、指部(820、822)に対して力を及ぼす。また、指部(820、822)は、図12A及び12Bに示されるように、1つ又は2つ以上の突出部又はステップダウン部分を画定してもよい。本例の電池ユニット(800)はまた、電極(824、826)を含む。電極(824、826)はそれぞれ、電池ユニット(800)内に収容されるセルの陰極又は陽極に電気的に連結されてもよい。閉鎖位置(図12B)において、接点(816、818)は、電極(824、826)と電気的に接続され、それにより、電圧源が電力ドレーン(812)を通って放電することを可能にする。以下でより詳細に考察されるように、電力ドレーン(812)は、外科用器具(500)への電池ユニット(800)の取り付け後、開放位置から閉鎖位置へと並進してもよい。
【0038】
図13は、1つの非限定的な例に従った、電力ドレーン(812)の斜視図である。ドレーン(812)の接点(816、818)は、ドレーン(812)のベース部分(830)に連結される。同様に、ドレーン(812)の接点(836、838)は、ドレーン(812)のベース部分(830)に連結される。様々な例によると、接点(816、818)は、回路基板(832)に載置された抵抗素子(図示せず)を介して互いに電気的に接続されてもよい。同様に、接点(836、838)は、回路基板(832)に載置された抵抗素子を介して互いに電気的に接続されてもよい。例示されるように、接点(816、818、836、838)は、内向きに圧縮されたときに外向きの位置に向かって接点(816、818、836、838)を弾性的に付勢するための屈曲部又は湾曲部を有してもよい。加えて、この例において、接点(816、818、836、838)のそれぞれの遠位端は、内向きに回転された区分を有する。ベース部分(830)は、電池ユニット(800)が外科用器具(500)に取り付けられたときに外科用器具(500)と係合する、接触表面(840)を含む。この係合によって、電池ドレーン(812)は、ケーシング(800)に対して並進し得る。
【0039】
図14は、電池ドック(850)に取り付けられた電池ユニット(800)を例示する。明確性のため、様々な構成要素が取り除かれた。ここで、図12A〜14を参照すると、電池ドック(850)は、電池ユニット(800)の空洞(810)(図9を参照されたい)によって受容されるようにサイズ決定された突出部材(858)を含む。取り付け前、電力ドレーン(812)は、開放位置にある(図12A)。電池ドック(850)への電池ユニット(800)の取り付け中、突出部材(858)は、空洞(810)内に挿入され、電池ユニット(800)は、電池ドック(850)に対し、矢印(862)によって示される方向に動かされる。最終的に、突出部材(858)の遠位端(860)は、電力ドレーン(812)の接触表面(840)と接触する。操作者が電池ユニット(800)を取り付け続けると、電力ドレーン(812)は、ケーシング(802)に対して、矢印(864)によって示される方向に並進し、閉鎖位置(図12Bを参照されたい)に動く。この閉鎖位置において、電池ユニット(800)は、ゆっくり排出し始める。電池ユニット(800)が電池ドック(850)から取り外されるとき、電力ドレーン(812)は、図12Bに示される位置に留まってもよい。このようにして、電池ユニット(800)のセル(図示せず)は、廃棄前又は廃棄中のいずれかにおいて、抵抗素子にわたっていかなる残りの電荷も排出し得る。
【0040】
上記の教示と組み合わされ得る外科用器具及び電池ユニットに関する追加の詳細は、2012年3月22日に公開された「Surgical Instruments and batteries for Surgical Instruments」と題する米国特許公開第2012/0071711号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、及び2010年9月17日に出願された「Power Control Arrangement for Surgical Instrument and batteries」と題する米国特許第8,632,525号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。当然のことながら、上記の開示はまた、本明細書に列挙される任意の他の参考文献の教示と容易に組み合わされ得る。
【0041】
III.遅延電池ドレーンを備える、例示的な外科用器具
上記の外科用器具(10、500)は、電力ドレーン(512、612、812)を含む電池ユニット(118、506、616、800)を有する電源(116、510)を提供するが、外科用器具(10、500)及び関連する外科的処置の現在及び将来の改善が、電池ユニット(118、506、616、800)に更なる要求を押し付ける可能性があることを理解されるであろう。そのような外科用器具(10、500)は、これらの外科的処置中、特に同時に使用中の電力ドレーン(512、612、812)と組み合わせて、十分な電力の電荷を保持しない場合がある。したがって、外科的処置が完了する後まで、電池ユニット(1010)の放電を遅延させるように構成された電力ドレーン(1012)を有する、電池ユニット(1010)を備えた、外科用器具(1000)を提供することが望ましいことがある。それにより、外科用器具(1000)は、外科的処置を実施し、後に、無害廃棄物として電池ユニット(1010)を廃棄するために排出を実施するための十分な電力を有する可能性が高い。以下で考察される特徴が、上記で考察された外科用器具(10、500)に容易に組み込まれ得ることが理解されるべきである。この目的で、同様の番号は、上記に記載される同様の特徴をより詳細に示す。
【0042】
A.マイクロプロセッサを使用する例示的な電池ドレーン
図15〜17は、シャフトアセンブリ(16)及びハンドルアセンブリ(1014)を有する、例示的な外科用器具(1000)を示す。上記で考察されたハンドルアセンブリ(11)(図1を参照されたい)と同様に、ハンドルアセンブリ(1014)は、シャフトアセンブリ(16)と動作可能に連結し、閉鎖システム(30)を介してエンドエフェクタ(18)を動作させるように構成されている。ハンドルアセンブリ(1014)は、電池ユニット(1010)などの電源を受容するように構成された電池ドック(1018)を有する、ハンドル(1016)を更に含む。それにより、電池ユニット(1010)は、ハンドル(1016)と機械的に接続され、ハンドルアセンブリ(1014)及びシャフトアセンブリ(16)と電気的に接続されて、外科的処置中の使用のために、システム(30)及びエンドエフェクタ(18)を閉鎖するための電力を提供する。
【0043】
電池ユニット(1010)は、再利用可能であってもよいハンドルアセンブリ(1014)に対して分離可能である。例えば、図16、17は、設置のために電池ドック(1018)に挿入されている電池ユニット(1010)を示し、それは、クリップ(1022)を協働ドック戻り止め(図示せず)と係合させ、電池ドック(1018)内に電池ユニット(1010)を固定すること、及び電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)内に適切に設置されたというフィードバックを操作者に提供することの両方を行う。当然のことながら、電池ドック(1018)内に電池ユニット(1010)を固定するための代替構造が、代替の変形形態において同様に使用され得ることが理解されるであろう。
【0044】
図17は、設置前のハンドルアセンブリ(1014)のドックフレーム(1020)上に載置された、電池ユニット(1010)及び電池ドック(1018)の更なる詳細を示す。電池ユニット(1010)は、複数の電池(1028)(図19を参照されたい)を中に集合的に収容する電池ベース(1026)に取り付けられた、電池カバー(1024)を含む。電池ベース(1026)はまた、電池ベース(1026)の底部に沿って長手方向に延在する、一対の対向する細長いガイドスロット(1030)を含む。電池ドック(1018)は、右側の細長いガイド部材(1032b)と並列であり、かつそれからオフセットされた左側の細長いガイド部材(1032a)を含む。ガイド部材(1032a、1032b)は、ガイドスロット(1030)内に受容されるように構成されている。したがって、ガイドスロット(1030)及びガイド部材(1032a、1032b)は、電池ユニット(1010)の挿入及び取り外し中に、電池ユニット(1010)がガイドドック(1018)の内外に摺動するとき、協働的に電池ユニット(1010)を長手方向に誘導する。加えて、電池ドック(1018)は、サドル(1034)上へと横方向に上向きに電池ユニットを誘導するように構成されたランプ(1033)を更に含み、サドル(1034)は、外科用器具(1000)の使用中に電池ユニット(1010)を支持するように構成されている。
【0045】
電池ドック(1018)は、ガイド部材(1032a、1032b)の遠位端に位置付けられた電池バルクヘッド(1035)を更に含む。電池バルクヘッド(1035)は、それから近位に延在して、それに対して電池ユニット(1010)を付勢し、取り外しのために電池ユニット(1010)を近位に付勢する、ばね(1036)を有する。電池ドック(1018)はまた、使用中に電池ユニット(1010)によって電力供給されるドック回路基板(1038)を含む。本例において、ドック回路基板(1038)は、それに接続され、電池ユニット(1010)内の残りの電力量、ハンドルアセンブリ(1014)との電池ユニット(1010)の動作可能な接続、及び/又はハンドルアセンブリ(1014)とシャフトアセンブリ(16)の動作可能な接続などの外科用器具(1000)の動作状態を操作者に示すように構成された、LED光(1040)の形態の複数のインジケータを有する。しかしながら、ドック回路基板(1038)及びLED光(1040)が、外科用器具(1000)に関する他の形態の状態情報をユーザに示すように代替的に構成され得ることが理解されるであろう。更に、ドック回路基板(1038)が、外科用器具(1000)に臨床機能を提供するように構成された追加の電子機器を含んでもよいことが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載される発明が、本明細書に記載されるドック回路基板(1038)に制限されることを意図していない。また、LED光(1040)が単なる実例であり、任意の他の好適な形態(複数可)のインジケータ(複数可)が、LED光(1040)に加えて又はその代わりに使用され得ることが理解されるべきである。
【0046】
図18は、上記のガイド部材(1032a、1032b)、ランプ(1033)、サドル(1034)、電池バルクヘッド及び回路基板(1038)を支持するドックシャーシ(1042)を有する、電池ドック(1018)をより詳細に示す。加えて、電池ドック(1018)は、ガイド部材(1032a、1032b)に沿ってそれぞれ延在する、一対の対向する細長い基板接点(1044)を有する。各基板接点(1044)の遠位端がドック回路基板(1038)に電気的に接続される一方で、各基板接続(1044)の近位端は、電池ユニット(1010)からドック回路基板(1038)に電力を通信するために、電池ユニット(1010)と係合するように構成されている。更に、電池ドック(1018)は、サドル(1034)から上向きに、かつ左側ガイド部材(1032a)から近位に延在する、スイッチアーム(1046)などの細長い突出部材を有する。スイッチアーム(1046)は、以下で更に詳細に考察されるように、ドレーン(1012)を動作させるためにドレーン(1012)の一部分と係合するように構成されている。
【0047】
図19、20に示されるように、電池ユニット(1010)は、電池カバー(1024)と、電池ベース(1026)と、電池カバー及びベース(1024、1026)内に直列に整合された3つの電池(1028)とを含む。電池ユニット(1010)は、電力回路(1050)及び電力ドレーン回路(1052)を有する電池回路(1048)を更に含む。電池回路は、(1048)と、遠位導電部材(1054)と、近位導電部材(1056)とを含む。遠位導電部材(1054)が電力陰極接点(1058)と放電陰極接点(1060)とを含む一方で、近位導電部材(1054)は、同様に、電力陽極接点(1062)と放電陽極接点(1064)とを含む。したがって、電力陰極接点及び電力陽極接点(1058、1062)が電力回路(1050)の一部である一方で、放電陰極接点及び放電陽極接点(1060、1064)は、電力ドレーン回路(1052)の一部である。電力陰極接点及び放電陰極接点(1058、1060)並びに電力陽極接点及び放電陽極接点(1062、1064)は、電池(1028)の集合体の陰極(1066)及び陽極(1068)に電気的に接続されるように構成されている。電力回路(1050)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)と動作可能に接続したとき、ドック回路基板(1038)に電力を供給する。対照的に、電力ドレーン回路(1052)は、電池(1028)を排出するために選択的に閉鎖するように構成されている。
【0048】
この目的で、電力ドレーン(1012)は、最初に電池(1028)を電力ドレーン回路(1052)に選択的に接続し、第2に電池(1028)の排出を遅延させ、第3に電池(1028)の排出を開始及び完了するために、放電スイッチ(1070)と、放電回路基板(1072)を有する電力ドレーン回路(1052)とを含む。図21、22に示される例において、放電スイッチ(1070)は、ブロッカー位置から解放位置に近位に摺動するために、電池ベース(1026)内に並進可能に載置される。ブロッカー位置において、放電スイッチ(1070)は、ハンドルアセンブリ(1014)との設置前に放電陰極接点(1060)を被覆して、ドレーン回路(1052)に電池(1028)を電気的に接続するための物理的障壁を提供する。したがって、放電陰極接点(1060)は、開放位置で保持されるが、放電スイッチ(1070)に対して閉鎖位置に向かって付勢される。しかしながら、電池ドック(1018)への電池ユニット(1010)の挿入は、スイッチアーム(1046)を放電スイッチ(1070)と係合させ、放電スイッチ(1070)を解放位置に摺動させ、それにより、放電陰極接点(1060)を解放し、電池(1028)を電力ドレーン回路(1052)に接続する。電池ベース(1026)及び放電スイッチ(1070)はそれぞれ、放電スイッチ(1070)を解放位置で固定し、かつ放電スイッチ(1070)がブロッカー位置に戻ることを防ぐために、協働するベース戻り止め及びスイッチ戻り止め(1074、1078)を有する。一例として、図23A及び24Aは、設置前に放電スイッチがブロッカー位置にある、開放位置での電力ドレーン回路(1052)との接続から離れて保持された放電陰極接点(1060)を示す。対照的に、図23B及び24Bは、設置後に放電スイッチが解放位置にある、閉鎖位置での電力ドレーン回路(1052)に対して付勢された放電陰極接点(1060)を示す。
【0049】
図25は、電池(1028)の排出を遅延させ、かつ開始するための放電回路基板(1072)を備えた、例示的な電力ドレーン回路(1052)を概略的に示す。ドレーン回路(1052)は、抵抗器(1078)などの抵抗器素子と、金属酸化物半導体電界効果(「MOSFET」)トランジスタ(1080)などのスイッチ素子と、マイクロプロセッサ(1082a)、ホール効果センサ(1082b)、及び光アイソレータ(1082c)の集合体などの制御装置とを更に含む。この例において、ドレーン回路(1052)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されるまで、抵抗器(1078)にわたって電力を排出するのを遅延させるように構成されている。
【0050】
制御装置(1082a、1082b、1082c)に関して、ホール効果センサ(1082b)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されたときを感知し、かつ感知された取り外しをマイクロプロセッサ(1082a)に通信するように構成されている。機械的、電気的、及び磁気的な様々な構造が、取り外しをマイクロプロセッサ(1082a)に通信するために使用され得ることが理解されるであろう。例えば、電池ドック(1018)は、ホール効果センサ(1082b)に近接した磁石(図示せず)を含んでもよく、そのため、電池ドック(1018)からのホール効果センサ(1082b)の取り外し後の磁場の低減は、ホール効果センサ(1082b)に、この取り外しをマイクロプロセッサ(1082a)に通信させる。制御装置(1082a、1082b、1082c)の一部分(1082b)を用いて取り外しを感知するための代替の方法を考えると、代替のセンサがそのように使用されてもよい。加えて、ホール効果センサ(1082b)は、代替的に、その取り外しを感知するように構成された、リードスイッチ、マイクロスイッチなどの任意の形態の近接センサであってもよい。
【0051】
マイクロプロセッサ(1082a)は、光アイソレータ(1082c)を介してMOSFETトランジスタ(1080)に接続される。光アイソレータ(1082c)は、マイクロプロセッサ(1082a)からMOSFETトランジスタ(1080)に放電信号を送る一方で、MOSFETトランジスタ(1080)及び抵抗器(1078)をマイクロプロセッサ(1082a)から電気的に絶縁するように構成されている。MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって陰極(1066)を陽極(1068)に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチとして作用する。放電信号を受信する前に、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって開放回路を維持して、陰極(1066)からの電力が抵抗器(1078)を通って流動することを防止する。放電信号を受信した後、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって回路を閉鎖して、陰極(1066)からの電力を抵抗器(1078)を通して誘導し、抵抗器(1078)にわたって電池(1028)を効果的に排出する。それにより、電力ドレーン回路(1052)による電池(1028)の排出は、電池ドック(1018)からの電池ユニット(1010)の取り外しまで遅延される。図25は、電池(1028)の2つのセットのための2つのそのようなドレーン回路(1052)を示す。しかしながら、より多くの又はより少ないドレーン回路(1052)が、電池(1028)を排出するためにそのように使用され得ることが理解されるであろう。
【0052】
図26は、図16、17、21及び25、26に関連した電力ドレーン回路(1052)を有する、外科用器具(1000)の例示的な使用のフローチャートを示す。ブロック(2000)に示されるように、ユーザは、電池ユニット(1010)を電池ドック(1018)に挿入して、電池ユニット(1010)をハンドルアセンブリ(1014)及びシャフトアセンブリ(16)に動作可能に接続する。したがって、スイッチアーム(1046)は、ブロッカー位置から解放位置に放電スイッチ(1070)を誘導し、放電陰極接点(1060)は、開放位置から閉鎖位置に動いて、電池(1028)をドレーン回路(1052)に接続する。ブロック(2002)に示されるように、この結果として、電池ドック(1018)内の電池ユニット(1010)の挿入が検出される。ブロック(2004)に示されるように、ほぼ同時に、ホール効果センサ(1082b)は、マイクロプロセッサ(1082a)に挿入を通信する。ブロック(2006)に示されるように、マイクロプロセッサ(1082a)が、MOSFETトランジスタ(1080)が陰極(1066)及び陽極(1068)にわたって抵抗器(1078)を接続することを防止すると同時に、ユーザは、外科用器具(1000)を用いて患者に外科的処置を実施する。
【0053】
ブロック(2008)に示されるように、処置後、ユーザは、電池ドック(1018)から電池ユニット(1010)を取り外す。ホールエフェクタセンサ(1082b)は、ブロック(2010)に示されるように、電池ドック(1018)からの電池ユニット(1010)の取り外しを検出し、ブロック(2012)に示されるように、取り外しをマイクロプロセッサ(1082a)に通信する。次いで、ブロック(2014)に示されるように、マイクロプロセッサ(1082a)は、光アイソレータ(1082c)を介して放電信号をMOSFETトランジスタ(1080)に送信して、陰極と陽極との間(1066、1068)で抵抗器(1078)を用いて電力ドレーン回路(1052)を閉鎖する。ブロック(2016)に示されるように、ドレーン回路(1052)の閉鎖は、抵抗器(1078)を通して電力を誘導し、それにより、ブロック(2018)に示されるように、電池(1028)から電力の残りの部分を効果的に排出する。還元すれば、ドレーン(1012)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されるまで、電池ユニット(1010)からの電力の排出を遅延させる。次いで、ブロック(2020)に示されるように、排出された電池ユニット(1010)は、適切に廃棄されてもよい。
【0054】
B.タイマーを使用する例示的な電池ドレーン
図27は、上記の電力ドレーン回路(1052)の代わりに器具(1000)に容易に組み込まれ得る、例示的な代替の電力ドレーン回路(1152)を示す。具体的には、図27は、電池(1028)の排出を遅延させ、かつ開始するための放電回路基板(1172)を備えた、ドレーン(1112)の電力ドレーン回路(1152)を概略的に示す。この例の電力ドレーン回路(1152)は、抵抗器(1078)などの抵抗器素子と、金属酸化物半導体電界効果(「MOSFET」)トランジスタ(1080)などのスイッチ素子と、タイマー(1182a)及び光アイソレータ(1182b)の集合体などの制御装置とを更に含む。この例において、電力ドレーン回路(1152)は、電力が最初に電池(1028)から放電されてから所定の時間量が経過するまで、抵抗器(1078)にわたる電力の排出を遅延させるように構成されている。
【0055】
集合的な制御装置(1182a、1182b)に関して、タイマー(1182a)は、電池ドック(1018)内の電池ユニット(1010)の挿入後、電池(1028)が最初に電力を放電するときを感知するように構成されており、タイマー(1182a)は、初期の放電から時間の経過を算出し始める。タイマー(1182a)に加えて、代替の例は、アナログタイマー回路、デジタルタイマー、タイマープログラムを有するマイクロプロセッサ、又は他のタイミング装置の形態のタイマーを更に含んでもよい。時間の経過を算出するための代替の方法を考えると、代替のタイマーがそのように使用されてもよい。所定の時間量は、任意の所望の時間量であってもよいが、所望の時間量の一例は、外科的処置を完了するための予測された時間と同じくらい長い時間量である。当然のことながら、他の所望の時間がタイマー(1182a)にプログラムされてもよい。いずれの場合も、タイマー(1182a)は、所定の時間量の経過後、MOSFETトランジスタ(1080)に向かって放電信号を通信する。
【0056】
タイマー(1182a)は、光アイソレータ(1182b)を介してMOSFETトランジスタ(1080)に接続される。光アイソレータ(1182b)は、タイマー(1182a)からMOSFETトランジスタ(1080)に放電信号を送る一方で、MOSFETトランジスタ(1080)及び抵抗器(1078)をタイマー(1182a)から電気的に絶縁するように構成されている。放電信号を受信する前に、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって開放回路を維持して、陰極(1066)からの電力が抵抗器(1078)を通って流動することを防止する。タイマー(1182a)から放電信号を受信した後、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって回路を閉鎖して、陰極(1066)からの電力を抵抗器(1078)を通して誘導し、抵抗器(1078)にわたって電池(1028)を効果的に排出する。それにより、電力ドレーン回路(1152)による電池(1028)の排出は、電力の初期放電から所定の時間量が経過するまで遅延される。図27は、電池(1028)の2つのセットのための2つのそのような電力ドレーン回路(1152)を示すが、しかしながら、より多くの又はより少ないドレーン回路(1152)が、電池(1028)を排出するためにそのように使用され得ることが理解されるであろう。
【0057】
図28は、図16、17、21及び27、28に関連したドレーン回路(1152)を有する、外科用器具(1000)の例示的な使用のフローチャートを示す。ブロック(3000)に示されるように、ユーザは、電池ユニット(1010)を電池ドック(1018)に挿入して、電池ユニット(1010)をハンドルアセンブリ(1014)及びシャフトアセンブリ(16)に動作可能に接続する。したがって、スイッチアーム(1046)は、ブロッカー位置から解放位置に放電スイッチ(1070)を誘導し、放電陰極接点(1060)は、開放位置から閉鎖位置に動いて、電池(1028)をドレーン回路(1152)に接続する。動作可能な接続後、外科用器具(1000)は、タイマー(1182a)を開始することなく、停止してもよく、又はユーザによって一般的に取り扱われてもよい。しかしながら、ブロック(3002)に示されるように、いったんユーザが電池(1028)を誘導して、電力を最初に放電すると、ブロック(3004)に示されるように、タイマー(1128a)は、電力の初期の放電から所定の時間量に達するまで、時間の経過を算出し始める。ブロック(3006)に示されるように、この計算は、操作者が器具(1000)を使用して患者を処置するときに継続する。
【0058】
ブロック(3008)に示されるように、いったん所定の時間量がタイマー(1182a)によって算出されると、タイマー(1182a)は、光アイソレータ(1182b)を介して放電信号をMOSFETトランジスタ(1080)に送信して、陰極と陽極との間(1066、1068)で抵抗器(1078)を用いてドレーン回路(1152)を閉鎖する。ブロック(3010)に示されるように、ドレーン回路(1152)の閉鎖は、抵抗器(1078)を通して電力を誘導し、ブロック(3012)に示されるように、電池(1028)から電力の残りの部分を効果的に排出する。還元すれば、ドレーン(1112)は、所定の時間量が経過するまで、電池ユニット(1010)からの電力の排出を遅延させる。次いで、ブロック(3014)に示されるように、排出された電池ユニット(1010)は、適切に廃棄されてもよい。
【0059】
この例において、タイマー(1182a)は、最初に電力が電池(1028)から放電された後の時間を計算し始める(即ち、所定の持続時間が経過したかどうかを決定し始める)(例えば、外科的処置における器具(1000)の使用中)。いくつかの他の変形形態において、タイマー(1182a)は、電力が最初に電池(1028)から放電されたときにかかわらず、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)に挿入された後の時間を計算し始める(即ち、所定の持続時間が経過したかどうかを決定し始める)(例えば、外科的処置における器具(1000)の使用中)。タイマー(1182a)による時間の計算を引き起こすために依存し得る他の事象は、本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0060】
C.センサを使用する例示的な電池ドレーン
図29は、上記の電力ドレーン回路(1052)の代わりに器具(1000)に容易に組み込まれ得る、別の例示的な代替の電力ドレーン回路(1252)を示す。具体的には、図29は、電池(1028)の排出を遅延させ、かつ開始するための放電回路基板(1272)を備えた、ドレーン(1212)の電力ドレーン回路(1252)を概略的に示す。電力ドレーン回路(1252)は、抵抗器(1078)などの抵抗器素子と、金属酸化物半導体電界効果(「MOSFET」)トランジスタ(1080)などのスイッチ素子と、ホール効果センサ(1282)などの制御装置とを更に含む。本例において、電力ドレーン回路(1252)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されるまで、抵抗器(1078)にわたって電力を排出するのを遅延させるように構成されている。
【0061】
制御装置に関して、ホール効果センサ(1282)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されたときを感知し、かつ感知された取り外しをMOSFETトランジスタ(1080)に直接通信するように構成されている。機械的、電気的、及び磁気的な様々な構造が、取り外しをマイクロプロセッサ(1082a)に通信するために使用され得ることが理解されるであろう。例えば、電池ドック(1018)は、各ホール効果センサ(1282)に近接した一対の磁石(図示せず)を含んでもよく、そのため、電池ドック(1018)からのホール効果センサ(1282)の取り外し後の磁場の低減は、ホール効果センサ(1282)に、この取り外しをMOSFETトランジスタ(1080)に通信させる。制御装置の一部分(1282)を用いて取り外しを感知するための代替の方法を考えると、代替のセンサがそのように使用されてもよい。加えて、ホール効果センサ(1082b)は、代替的に、その取り外しを感知するように構成された、リードスイッチ、マイクロスイッチなどの任意の形態の近接センサであってもよい。
【0062】
ホール効果センサ(1282)は、MOSFETトランジスタ(1080)に直接接続され、それは、抵抗器(1078)にわたって陰極(1066)を陽極(1068)に選択的に電気的に接続するように構成されたスイッチとして作用する。放電信号を受信する前に、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって開放回路を維持して、陰極(1066)からの電力が抵抗器(1078)を通って流動することを防止する。ホール効果センサ(1282)から放電信号を受信した後、MOSFETトランジスタ(1080)は、抵抗器(1078)にわたって回路を閉鎖して、陰極(1066)からの電力を抵抗器(1078)を通して誘導し、抵抗器(1078)にわたって電池(1028)を効果的に排出する。それにより、電力ドレーン回路(1252)による電池(1028)の排出は、電池ユニット(1010)の取り外しまで遅延される。図29は、電池(1028)の2つのセットのための2つのそのような電力ドレーン回路(1252)を示す。しかしながら、より多くの又はより少ない電力ドレーン回路(1252)が、電池(1028)を排出するためにそのように使用され得ることが理解されるであろう。
【0063】
図30は、図16、17、21及び29、30に関連したドレーン回路(1252)を有する、外科用器具(1000)の例示的な使用のフローチャートを示す。ブロック(4000)に示されるように、ユーザは、電池ユニット(1010)を電池ドック(1018)に挿入して、電池ユニット(1010)をハンドルアセンブリ(1014)及びシャフトアセンブリ(16)に動作可能に接続する。したがって、スイッチアーム(1046)は、ブロッカー位置から解放位置に放電スイッチ(1070)を誘導し、放電陰極接点(1060)は、開放位置から閉鎖位置に動いて、電池(1028)を電力ドレーン回路(1252)に接続する。したがって、ブロック(4002)に示されるように、電力ドレーン回路(1252)は、電池ドック(1018)への電池ユニット(1010)の挿入を検出する。次いで、ブロック(4004)に示されるように、操作者は、器具(1000)を使用して患者を処置する。この例において、電力ドレーン回路(1252)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)内に配設されたままである限り、外科的処置がかなりの期間にわたって延長する場合でさえ、外科的処置中に電池(1028)を排出しない。
【0064】
ブロック(4006)に示されるように、処置後、操作者は、電池ドック(1018)から電池ユニット(1010)を取り外す。ブロック(4008)に示されるように、ホールエフェクタセンサ(1282)は、電池ドック(1018)からの電池ユニット(1010)の取り外しを検出し、ブロック(4010)に示されるように、放電信号をMOSFETトランジスタ(1080)に直接送信して、ブロック(4012)に示されるように、陰極と陽極との間(1066、1068)で抵抗器(1078)を用いてドレーン回路(1252)を閉鎖する。ブロック(4014)に示されるように、ドレーン回路(1252)の閉鎖は、抵抗器(1078)を通して電力を誘導し、電池(1028)から電力の残りの部分を効果的に排出する。還元すれば、ドレーン(1212)は、電池ユニット(1010)が電池ドック(1018)から取り外されるまで、電池ユニット(1010)からの電力の排出を遅延させる。次いで、ブロック(4016)に示されるように、排出された電池ユニット(1010)は、適切に廃棄されてもよい。
【0065】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点においても提示され得るいずれの請求項の適用範囲をも制限することを目的としたものではない点が理解されるべきである。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者らによって、又は本発明者らの利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも必須なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、これらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなるの理由によっても追加されたものとして見なされるべきではない。
【実施例】
【0066】
(実施例1)
外科用器具であって、(a)遠位端部分及び近位端部分を有するシャフトアセンブリであって、遠位端部分は、それから遠位に突出するエンドエフェクタを含む、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの近位端部分を受容するように構成されたハンドルアセンブリであって、電池ドックを含む、ハンドルアセンブリと、(c)電池ユニットであって、電池ドックによって受容されるように構成され、そのため、シャフトアセンブリ又はハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、(i)電池であって、(A)陽極接点、及び(B)陰極接点、を備える、電池と、(ii)放電ドレーンであって、(A)制御装置、及び(B)電池電力ドレーン要素であって、制御装置が、電池電力ドレーン要素を陽極接点及び陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、電池ドックとの電池ユニットの連結又は電池ドックからの電池ユニットの取り外しのいずれかに反応して、電池から電力を排出するように構成されている、電池電力ドレーン要素、を含む、放電ドレーンと、を含む、電池ユニットと、を備える、外科用器具。
【0067】
(実施例2)
制御装置が、電池ドックからの電池ユニットの分離を感知するように構成され、そのため、制御装置要素が、電池電力ドレーン要素を陽極接点及び陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、電池ドックからの電池ユニットの取り外しに反応して、電池から電力を排出するように構成されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0068】
(実施例3)
制御装置は、電池ユニットが電池ドックから分離されていることを示す信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサを含む、実施例2に記載の外科用器具。
【0069】
(実施例4)
制御装置は、電池ユニットが電池ドックから分離されているときを感知するように構成されたホール効果センサを含み、ホール効果センサは、マイクロプロセッサに信号を送信するように更に構成されている、実施例3に記載の外科用器具。
【0070】
(実施例5)
放電ドレーンが、制御装置及び電池電力ドレーン要素と通信しているスイッチ素子を更に備え、スイッチ素子は、選択的に閉鎖して、それにより、電池電力ドレーン要素を陽極接点及び陰極接点と通信た状態に置き、それにより、電池から電力を排出するように動作可能である、実施例1〜4のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0071】
(実施例6)
スイッチ素子が、MOSFETトランジスタを含む、実施例5に記載の外科用器具。
【0072】
(実施例7)
制御装置が、マイクロプロセッサと、MOSFETトランジスタとマイクロプロセッサとの間で電気通信している光アイソレータとを含み、光アイソレータは、マイクロプロセッサからMOSFETトランジスタに信号を転送するように構成されている、実施例6に記載の外科用器具。
【0073】
(実施例8)
電池電力ドレーン要素が、抵抗器を備える、実施例1〜7のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0074】
(実施例9)
制御装置がタイマーを含み、タイマーは、電池ドックへの電池ユニットの取り付けを感知し、かつすぐに反応して追跡を開始するように構成され、タイマーは、電池電力ドレーン要素を陽極接点及び陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、電池ドックへの電池ユニットの取り付けから所定の時間量が経過した後、電池から電力を排出するように更に構成されている、実施例1〜8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0075】
(実施例10)
タイマーが、外科的処置中のエンドエフェクタの使用中及び後の時間を追跡し続けるように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
【0076】
(実施例11)
放電ドレーンが、電池ドックへの電池ユニットの取り付けに反応して、開放位置から閉鎖位置に選択的に動くように構成された放電接点を更に含み、陽極接点及び陰極接点のうちの少なくとも一方が、開放位置で放電ドレーンから電気的に接続解除され、陽極接点及び陰極接点のそれぞれが、閉鎖位置で放電ドレーンに電気的に接続されている、実施例1〜10のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0077】
(実施例12)
放電接点が、閉鎖位置に向かって付勢され、電池電力ドレーン要素が、ブロッカー位置から解放位置に選択的に動くように構成された放電スイッチを含み、放電スイッチは、電池ユニットが電池ドックに取り付けられる前に、開放位置で放電接点を保持するように構成され、放電スイッチは、電池ドックへの電池ユニットの取り付けに反応して、放電接点を閉鎖位置まで解放するように構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
【0078】
(実施例13)
電池ユニットが、ベース戻り止めを有し、放電スイッチが、対応するスイッチ戻り止めを有し、ベース戻り止め及びスイッチ戻り止めは、解放位置で放電スイッチを協働的に固定するように構成されている、実施例12に記載の外科用器具。
【0079】
(実施例14)
電池ドックが、その中に延在する突出部材を含み、突出部材は、電池ユニットを電池ドックに取り付ける際、放電スイッチと係合し、かつブロッカー位置から解放位置に放電スイッチを動かすように構成されている、実施例13に記載の外科用器具。
【0080】
(実施例15)
エンドエフェクタが、組織を切断し、かつ組織にステープルを適用するように動作可能である、実施例1〜14のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0081】
(実施例16)
シャフトアセンブリが、ハンドルアセンブリから選択的に取り外し可能である、実施例1〜15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0082】
(実施例17)
外科用器具であって、(a)遠位端部分及び近位端部分を有するシャフトアセンブリであって、遠位端部分は、それから遠位に突出するエンドエフェクタを含む、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの近位端部分を受容するように構成されたハンドルアセンブリであって、電池ドックを含む、ハンドルアセンブリと、(c)電池ユニットであって、電池ドックによって受容されるように構成され、そのため、シャフトアセンブリ又はハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、電池ユニットは、(i)ケーシングと、(ii)ケーシング内に位置付けられ、かつ少なくとも1つの電池に電気的に接続するように構成された陽極接点及び陰極接点と、(iii)放電接点、及び所定の入力を感知するように構成された制御装置、を含む放電ドレーンであって、放電接点は、電池ドックへの電池ユニットの取り付けに反応して、開放位置から閉鎖位置に選択的に動くように構成され、陽極接点及び陰極接点のうちの少なくとも一方は、開放位置で放電ドレーンから電気的に接続解除され、陽極接点及び陰極接点のそれぞれは、閉鎖位置で放電ドレーンに電気的に接続され、制御装置は、所定の入力を感知した際にのみ、陽極接点及び陰極接点に接続された少なくとも1つの電池から、残りの電力を排出するように構成されている、放電ドレーンと、を含む、電池ユニットと、を備える、外科用器具。
【0083】
(実施例18)
制御装置が、所定の入力として、電池ドックからの電池ユニットの分離を感知するように構成されている、実施例17に記載の外科用器具。
【0084】
(実施例19)
制御装置が、所定の時間量を算出するように構成されたタイマーを含み、制御装置が、少なくとも1つの電池からの電力の放電を感知するように構成され、そのためて、タイマーは、電力の放電から所定の時間量の算出を開始し、所定の時間量の経過が、所定の入力である、請求項17〜18のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用器具。
【0085】
(実施例20)
外科用器具の少なくとも1つの電池から残りの電力を放電する方法であって、外科用器具は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延在するシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタと、電池ユニットとを含み、電池ユニットは、少なくとも1つの電池と放電ドレーンとを含み、ハンドルアセンブリは、電池ユニットを受容するように構成された電池ドッグを含み、そのため、電池ユニットは、シャフトアセンブリ又はハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、方法は、(a)少なくとも1つの電池からハンドルアセンブリ又はシャフトアセンブリのうちの少なくとも一方に電力を放電することと、(b)電池ドックから電池ユニットを分離することと、(c)電池ドックから電池ユニットを分離する行為を感知することと、(d)電池ドックから電池ユニットを分離する行為を感知することに反応して、少なくとも1つの電池を放電ドレーンと連結することと、(e)電池ユニットが電池ドックから分離された状態のままである間、放電ドレーンを介して少なくとも1つの電池から残りの電力を排出することと、を含む、方法。
【0086】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれの変形形態も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、他の様々な特徴を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一例として、本明細書で記載される器具のいずれもが、本明細書において、参照することにより組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示される様々な特徴の1つ又は2つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0087】
また、本明細書で言及する値の一切の範囲はかかる範囲の上下限を含むと読み取るべきであることを理解されたい。例えば、「およそ2.5センチメートル〜およそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ〜およそ1.5インチ)」に及ぶと表現された範囲は、それらの上方境界と下方境界との間の値を含むことに加えて、およそ2.5センチメートル及びおよそ3.8センチメートル(およそ1.0インチ及びおよそ1.5インチ)を含むと解釈されなければならない。
【0088】
参照により本明細書に援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるいかなる矛盾する記載にも優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する、任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0089】
上述の装置の変形形態は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0090】
上述の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、変形形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設で、又は手術の直前に操作者によって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0091】
あくまで一例として、本明細書に記載される変形形態は、手術の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置くことができる。放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の他の任意の技術を用いて滅菌され得る。
【0092】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0093】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)遠位端部分及び近位端部分を有するシャフトアセンブリであって、前記遠位端部分は、それから遠位に突出するエンドエフェクタを含む、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記近位端部分を受容するように構成されたハンドルアセンブリであって、電池ドックを含む、ハンドルアセンブリと、
(c)電池ユニットであって、前記電池ドックによって受容されるように構成され、そのため、前記シャフトアセンブリ又は前記ハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、前記電池ユニットは、
(i)電池であって、
(A)陽極接点、及び
(B)陰極接点、を備える、電池と、
(ii)放電ドレーンであって、
(A)制御装置、及び
(B)電池電力ドレーン要素であって、前記制御装置は、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、前記電池ドックとの前記電池ユニットの連結又は前記電池ドックからの前記電池ユニットの取り外しのいずれかに反応して、前記電池から電力を排出するように構成されている、電池電力ドレーン要素、を含む、放電ドレーンと、を含む、電池ユニットと、を備える、外科用器具。
(2) 前記制御装置が、前記電池ドックからの前記電池ユニットの分離を感知するように構成され、そのため、制御装置要素が、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、前記電池ドックからの前記電池ユニットの取り外しに反応して、前記電池から電力を排出するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記制御装置は、前記電池ユニットが前記電池ドックから分離されていることを示す信号を受信するように構成されたマイクロプロセッサを含む、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記制御装置は、前記電池ユニットが前記電池ドックから分離されているときを感知するように構成されたホール効果センサを含み、前記ホール効果センサは、前記マイクロプロセッサに前記信号を送信するように更に構成されている、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記放電ドレーンが、前記制御装置及び前記電池電力ドレーン要素と通信しているスイッチ素子を更に備え、前記スイッチ素子は、選択的に閉鎖して、それにより、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に置き、それにより、前記電池から電力を排出するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
【0094】
(6) 前記スイッチ素子が、MOSFETトランジスタを含む、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記制御装置が、マイクロプロセッサと、前記MOSFETトランジスタと前記マイクロプロセッサとの間で電気通信している光アイソレータとを含み、前記光アイソレータは、前記マイクロプロセッサから前記MOSFETトランジスタに前記信号を転送するように構成されている、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記電池電力ドレーン要素が、抵抗器を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記制御装置がタイマーを含み、前記タイマーは、前記電池ドックへの前記電池ユニットの取り付けを感知し、かつすぐに反応して追跡を開始するように構成され、前記タイマーは、前記電池電力ドレーン要素を前記陽極接点及び前記陰極接点と通信した状態に選択的に置き、それにより、前記電池ドックへの前記電池ユニットの取り付けから所定の時間量が経過した後、前記電池から電力を排出するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記タイマーが、外科処置中の前記エンドエフェクタの使用中及び後の時間を追跡し続けるように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0095】
(11) 前記放電ドレーンが、前記電池ドックへの前記電池ユニットの取り付けに反応して、開放位置から閉鎖位置に選択的に動くように構成された放電接点を更に含み、前記陽極接点及び前記陰極接点のうちの少なくとも一方が、前記開放位置で前記放電ドレーンから電気的に接続解除され、前記陽極接点及び前記陰極接点のそれぞれが、前記閉鎖位置で前記放電ドレーンに電気的に接続されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記放電接点が、前記閉鎖位置に向かって付勢され、前記電池電力ドレーン要素が、ブロッカー位置から解放位置に選択的に動くように構成された放電スイッチを含み、前記放電スイッチは、前記電池ユニットが前記電池ドックに取り付けられる前に、前記開放位置で前記放電接点を保持するように構成され、前記放電スイッチは、前記電池ドックへの前記電池ユニットの取り付けに反応して、前記放電接点を前記閉鎖位置まで解放するように構成されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 前記電池ユニットが、ベース戻り止めを有し、前記放電スイッチが、対応するスイッチ戻り止めを有し、前記ベース戻り止め及び前記スイッチ戻り止めは、前記解放位置で前記放電スイッチを協働的に固定するように構成されている、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記電池ドックが、その中に延在する突出部材を含み、前記突出部材は、前記電池ユニットを前記電池ドックに取り付ける際、前記放電スイッチと係合し、かつ前記ブロッカー位置から前記解放位置に前記放電スイッチを動かすように構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記エンドエフェクタが、組織を切断し、かつ組織にステープルを適用するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
【0096】
(16) 前記シャフトアセンブリが、前記ハンドルアセンブリから選択的に取り外し可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(17) 外科用器具であって、
(a)遠位端部分及び近位端部分を有するシャフトアセンブリであって、前記遠位端部分は、それから遠位に突出するエンドエフェクタを含む、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記近位端部分を受容するように構成されたハンドルアセンブリであって、電池ドックを含む、ハンドルアセンブリと、
(c)電池ユニットであって、前記電池ドックによって受容されるように構成され、そのため、前記シャフトアセンブリ又は前記ハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、前記電池ユニットは、
(i)ケーシングと、
(ii)前記ケーシング内に位置付けられ、かつ少なくとも1つの電池に電気的に接続するように構成された陽極接点及び陰極接点と、
(iii)放電接点、及び所定の入力を感知するように構成された制御装置、を含む放電ドレーンであって、前記放電接点は、前記電池ドックへの前記電池ユニットの取り付けに反応して、開放位置から閉鎖位置に選択的に動くように構成され、前記陽極接点及び前記陰極接点のうちの少なくとも一方は、前記開放位置で前記放電ドレーンから電気的に接続解除され、前記陽極接点及び前記陰極接点のそれぞれは、前記閉鎖位置で前記放電ドレーンに電気的に接続され、前記制御装置は、前記所定の入力を感知した際にのみ、前記陽極接点及び前記陰極接点に接続された前記少なくとも1つの電池から、残りの電力を排出するように構成されている、放電ドレーンと、を含む、電池ユニットと、を備える、外科用器具。
(18) 前記制御装置が、前記所定の入力として、前記電池ドックからの前記電池ユニットの分離を感知するように構成されている、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記制御装置が、所定の時間量を算出するように構成されたタイマーを含み、前記制御装置が、前記少なくとも1つの電池からの電力の放電を感知するように構成され、そのため、前記タイマーは、前記電力の前記放電から前記所定の時間量の算出を開始し、前記所定の時間量の経過が、前記所定の入力である、実施態様17に記載の外科用器具。
(20) 外科用器具の少なくとも1つの電池から残りの電力を放電する方法であって、前記外科用器具は、ハンドルアセンブリと、前記ハンドルアセンブリから遠位に延在するシャフトアセンブリと、前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタと、電池ユニットとを含み、前記電池ユニットは、少なくとも1つの電池と放電ドレーンとを含み、前記ハンドルアセンブリは、前記電池ユニットを受容するように構成された電池ドックを含み、そのため、前記電池ユニットは、前記シャフトアセンブリ又は前記ハンドルアセンブリのうちの少なくとも一方と電気通信しており、前記方法は、
(a)前記少なくとも1つの電池から前記ハンドルアセンブリ又は前記シャフトアセンブリのうちの少なくとも一方に電力を放電することと、
(b)前記電池ドックから前記電池ユニットを分離することと、
(c)前記電池ドックから前記電池ユニットを分離する行為を感知することと、
(d)前記電池ドックから前記電池ユニットを分離する行為を感知することに反応して、前記少なくとも1つの電池を前記放電ドレーンと連結することと、
(e)前記電池ユニットが前記電池ドックから分離された状態のままである間、前記放電ドレーンを介して前記少なくとも1つの電池から残りの電力を排出することと、を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
図29
図30