特許第6976971号(P6976971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976971
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】ニコチン粒子送達消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24F 42/20 20200101AFI20211125BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20211125BHJP
   A24F 42/60 20200101ALI20211125BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20211125BHJP
【FI】
   A24F42/20
   A61M15/06 A
   A61M15/06 C
   A24F42/60
   A24F47/00
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-563904(P2018-563904)
(86)(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公表番号】特表2019-524061(P2019-524061A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】IB2017053546
(87)【国際公開番号】WO2018007887
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2020年5月28日
(31)【優先権主張番号】16178336.0
(32)【優先日】2016年7月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ズベール ジェラール
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0367366(US,A1)
【文献】 特表2009−533113(JP,A)
【文献】 特表2006−522672(JP,A)
【文献】 米国特許第03508558(US,A)
【文献】 特開昭49−130094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン吸入器(200)で使用するための物品(100)であって、
容器(110)であって、
容器の第一の端(111)から反対側の容器の第二の端(113)に延び、かつ空洞(116)を画定する、側壁(112)を備える本体と、
前記容器の第一の端(111)を密封する貫通可能な膜(115)と、
前記容器の第二の端(113)を通して前記空洞(116)の中へと延びる空気出口(118)と、
前記本体側壁(112)を通し、かつ前記空洞(116)の中へと延びる空気吸込み口(117)であって、前記容器の第二の端(113)より前記容器の第一の端(111)に近い空気吸込み口(117)と、を備える容器と
前記空洞(116)の中に配置された貫通可能なカプセル(120)であって、ユーザーの肺の中への吸入送達用にサイズ設定されたニコチンを含む粒子を包含するカプセル(120)と、を備える物品。
【請求項2】
前記貫通可能な膜(115)が、穿孔された後に再び封じるように構成された弾性材料である、請求項1に記載の物品(100)。
【請求項3】
前記貫通可能な膜(115)が金属箔である、請求項1に記載の物品(100)。
【請求項4】
前記空気吸込み口(117)が前記空洞(116)の質量中心長軸方向軸からずれており、かつ前記空気吸込み口(117)から前記空気出口(118)に流れる空気が前記カプセル(120)の長軸方向軸を中心として前記カプセルを回転させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項5】
前記空洞(116)が円形断面形状を有し、かつ前記空気吸込み口(117)の延びる方向が前記空洞(116)の前記円形断面形状に対して接線方向成分を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項6】
前記容器(110)が二つの空気吸込み口(117)を備え、前記二つの空気吸込み口(117)が前記容器の第二の端(113)より前記容器の第一の端(111)に近い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項7】
前記空洞(116)が円形断面形状を有し、かつ前記二つの空気吸込み口(117)の延びる方向が前記空洞(116)の前記円形断面形状に対して接線方向成分を備える、請求項6に記載の物品(100)。
【請求項8】
前記空洞(116)が円形断面形状および第一の直径(D)を有し、また前記カプセル(120)が前記第一の直径(D)よりも小さい第二の直径を有し、前記第二の直径が前記第一の直径(D)の約80%〜約99%の範囲であるか、または前記第二の直径が前記第一の直径(D)の約90%〜約98%の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項9】
前記ニコチンを含む粒子が、約10マイクロメートル以下、または約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲の空気動力学的中央粒子径を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項10】
前記ニコチンがニコチン塩またはニコチン塩水和物を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項11】
前記ニコチンが、ロイシンまたはL−ロイシンなどのアミノ酸を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項12】
前記カプセル(120)が、風味を含む粒子を包含し、この粒子が約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル〜約150マイクロメートルの範囲の空気動力学的中央粒子径を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項13】
前記空気出口(118)の上に配置された空気出口密封層をさらに備え、前記密封層が前記空気出口(118)を露出するために穿孔されるように、または剥離可能なように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項14】
前記空気吸込み口(117)の上に配置された空気吸込み口密封層をさらに備え、前記密封層が前記空気吸込み口(117)を露出するために穿孔されるように、または剥離可能なように構成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品(100)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の物品(100)を備える吸入器(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン粒子を包含するカプセルを収容する容器を含む物品に関する。カプセルは、空気が容器を通して流れる時、長軸方向軸を中心として回転してもよい。
【背景技術】
【0002】
ニコチン粒子吸入器は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量でニコチン粒子を肺に提供するために常に適切なわけではない。ニコチン粒子吸入器は、消費されると簡単に交換可能であるニコチン粒子消耗品を常に含むわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ニコチン粒子を保持するカプセルを収容する物品を提供することが望ましく、このカプセルは吸入器のモジュール式の構成要素であってもよく、また消費されると簡単に交換可能であってもよい。物品が従来の喫煙方法の吸入量または気流量でニコチン粒子を消費者に送達するのを容易にすることが望ましい。この消耗品物品は、上述の問題のうちの一つ以上を軽減する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、容器の空洞内に配置された容器およびカプセルを備える物品を目的とする。カプセルはニコチンを含む粒子を包含する。容器は、容器の第一の端から反対側の容器の第二の端に延び、かつ空洞を画定する本体を含む。膜は容器の第一の端を密封する。空気出口は容器の第二の端を通して空洞の中へと延びる。空気吸込み口は本体の側壁を通して空洞の中へと延びる。空気吸込み口は容器の第二の端よりも容器の第一の端に近い。
【0005】
容器を通した気流管理は、カプセルを回転させ、またニコチン粒子を(貫通したら)気流の中へと放出することが好ましい。容器は、消費の前または吸入器装置の中への挿入の前に、密封されていてもよく、または気密であってもよい。
【0006】
物品はニコチン粒子吸入器で使用するために適切であることが好ましい。物品は、複数回使用ニコチン粒子吸入器のモジュール式の構成要素であってもよい。物品は、複数回使用吸入器の中で簡単に交換可能であってもよい。消費されると、物品は複数回使用吸入器から取り外され、処分されてもよい。カプセルを容器の中に保存するために、容器は吸入器の中への挿入の前に密封されていてもよい。
【0007】
有利なことに、本明細書に記載の物品は、再使用可能または複数回使用吸入器と組み合わされた時、モジュール式の構成要素の手法を提供する。物品は、消費の前または吸入器装置の中への挿入の前に、密封されていてもよく、または気密であってもよい。容器を通した気流管理は、吸入中および消費中にカプセルを回転させてもよい。この回転は、物品を通して動く吸入空気中でニコチン粒子を懸濁およびエアロゾル化してもよい。カプセルはまた風味粒子を備えてもよい。これらの風味粒子は、ニコチン粒子よりも大きくてもよく、またニコチン粒子をユーザーの肺に送るのを助け、一方で風味粒子はユーザーの口または口腔に優先的に残る。
【0008】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を意味する。
【0009】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性または芳香特性を変化させる、また変化させるよう意図される、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を意味する。「風味剤」または「風味」という用語は、風味抽出物製造業組合(FEMA)の風味成分ライブラリに開示された化合物、および特にGRAS風味付け物質に関する出版物3〜27(例えば、Hall,R.L.& Oser,B.L.,Food Technology,February 1965 pg 151−197)、GRAS風味付け物質27(S.M.Cohen et al.,Food Technology Aug.2015 pg.40−59)、および介在するGRAS風味付け物質に関する出版物4〜26に開示された化合物を意味することが好ましい。本開示の目的において、ニコチンは風味剤または風味としては考えられない。
【0010】
本明細書で述べる粒子のサイズは、粒子の空気動力学的粒子径を意味することが好ましい。空気動力学的粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0011】
本明細書に記載のニコチン粒子送達消耗品または物品は、吸入器または乾燥粉末吸入器と組み合わせられて、ニコチン粒子を消費者に送達してもよい。複数のこれらの物品は吸入器と組み合わせられて、キットを形成してもよい。ニコチン粒子は従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内の吸入量または気流量で、吸入器で送達されてもよい。
【0012】
吸入器物品は、マウスピース部分と遠位端部分の間に延びる吸入器本体を含んでもよい。吸入器容器空洞は、マウスピース部分と遠位端部分の間の吸入器本体の中に画定されてもよい。物品(ニコチン粒子送達消耗品)は、吸入器容器空洞と嵌合する外表面を画定してもよい。消費者は、物品を吸入器容器空洞の中へと挿入するために、または枯渇した物品(消費者に送達されたニコチン粒子)を満杯または未使用の物品で吸入器容器空洞の中へと交換するために、吸入器容器空洞にアクセスしてもよい。
【0013】
空気吸込み口は、吸入器本体の側壁を通して吸入器容器空洞の中へと延びてもよい。マウスピース空気チャネルは、吸入器容器空洞と、マウスピースの近位端とに流体接続している。吸入器本体を通して延びる空気吸込み口(複数可)は、吸入器の容器空洞の中へと定置された物品の側壁を通して延びる空気吸込み口(複数可)と嵌合または整列されてもよい。容器の第二の端を通して延びる物品の空気出口は、吸入器本体のマウスピース空気チャネルと嵌合または整列してもよい。物品が吸入器容器の空洞の中へと定置されると、空気は空気吸込み口から空洞を通って、空気出口を通ってマウスピース空気チャネルへと、物品を通じて流れてもよい。
【0014】
吸入器本体は、サイズおよび形状が喫煙物品または紙巻たばこに似ていてもよい。
【0015】
物品は空洞を画定する容器を含む。カプセルは空洞の中に配置されている。容器はカプセルを空洞の中に収容するように構成されている。空洞は空洞長さの少なくとも一部分に沿って延びる円形断面を有する。空洞は中央軸または質量中心長軸方向軸を有してもよい。空洞はカプセルの形状に類似する形状を有することが好ましい。空洞は円形断面形状および第一の直径を有してもよく、またカプセルは第一の直径より小さい第二の直径を有してもよい。第二の直径は第一の直径の約80%〜約99%の範囲であってもよく、または第二の直径は第一の直径の約90%〜約98%の範囲であってもよい。
【0016】
容器はカプセルを収容するように構成された容器の第二の端を含み、カプセルが容器の第二の端を通過するのを防止する。容器の第二の端は、容器の本体と一体型の横壁によって画定されてもよい。容器の第二の端は、容器の本体に固定された端キャップによって画定されてもよい。一つ以上の空気出口は、空気が物品空洞から物品の外部に流れることを可能にするように容器の第二の端を通して延びてもよい。
【0017】
膜は容器の第一の端を密封してもよい。カプセルは、開放している第一の端を通して容器の空洞の中へと定置されてもよく、その後、カプセルを物品の空洞の中に保持するために、膜は開放している第一の端を密封してもよい。膜は気密密封またはバリアを形成してもよい。
【0018】
膜は貫通可能な材料で形成されてもよい。吸入器は、膜を通過し、容器の中のカプセルを穿孔する貫通要素を含んでもよい。貫通要素が膜から引っ込むと、膜は再密封されてもよい。再び封じることができる膜はセプタム様の要素を含んでもよい。再び封じることができる膜は、ゴム、シリコーン、ポリマーで共積層化された金属箔、またはラテックス、およびこれに類するものなどの弾性材料で形成されてもよい。別の方法として、貫通要素が膜から引っ込むと、膜は再密封されてもよい。膜は再密封されない場合があり、例えば金属箔を含む。
【0019】
空気吸込み口は、容器本体の側壁を通して空洞の中へと延びてもよい。空洞の長さは、約15mm〜約25mm、または約20mm〜約24mmの範囲であってもよい。空洞の内径は、約5mm〜約10mm、または約6mm〜約8mmの範囲であってもよい。サイズ3のカプセルをぴったりと収容する時に、空洞の長さは約20mmであって、空洞の内径は約6.6mmであってもよい。サイズ1のカプセルをぴったりと収容する時に、空洞の長さは約24mmであって、空洞の内径は約7.7mmであってもよい。
【0020】
空気吸込み口は、容器の第二の端よりも容器の第一の端に近くてもよい。空気吸込み口は、容器の第一の端からの全長の約30%、または約25%、または約20%、または約15%、または約10%以内に位置してもよい。空気吸込み口は、容器の第一の端から約5mm以内、または約4mm以内、または約3mm以内、または約2mm以内に位置してもよい。空気吸込み口は、容器の第一の端から約1mm〜約5mm、または容器の第一の端から約2mm〜約4mmに位置してもよい。
【0021】
空気吸込み口は、容器空洞の質量中心長軸方向(中央)軸、または空洞の中に収容されたカプセルの質量中心長軸方向(中央)軸からずれていてもよい。ずれている空気吸込み口は、消費者による吸入中に容器内で、カプセルの回転またはスピンを誘発する。空気吸込み口は、空洞の内径が約5mm〜約10mmまたは約6mm〜約8mmである場合、カプセルまたは容器空洞の長軸方向(中央)軸から、約1mmまたは約2mmまたは約3mmまたは約4mmずれていてもよい。一つ以上の空気吸込み口の直径は、約0.5〜1.5mm、または約0.7〜約0.9mmであってもよい。空気吸込み口は、容器の中に収容されたカプセルの外径の接線方向に空気を向けることが好ましい。
【0022】
物品容器は、その中心軸に沿って(ある長さの距離だけ)延び、かつ円筒状の容器を形成する、円形断面形状を有することが好ましい。容器は、ある半径と、中心軸に沿って延びる長さとを有する直円筒を画定することが好ましい。空気吸込み口は、円筒状の容器に対して接線方向に容器に入ってもよい。二つ以上の空気吸込み口が、円筒状の容器に対して接線方向に容器空洞に入る。これらの空気吸込み口は相互に反対向きであり、第一の空気吸込み口は第一の方向で円筒状の容器に対して接線方向に空気を向け、かつ第二の空気吸込み口は、第一の方向と対向するまたは反対方向である、第二の方向で円筒状の容器に対して接線方向に空気を向けることが好ましい。これらの対向する空気吸込み口は、容器の中に収容されたカプセルの反対側に吸入空気を向け、容器の中に収容されたカプセルの回転を促進してもよい。
【0023】
カプセルは、消費の前または吸入器の中への定置の前に、物品の中に密封されてもよい。物品は、密封されたまたは気密の容器もしくは袋の中に収容されてもよい。物品は、物品上の一つ以上の空気吸込み口または一つ以上の空気出口を覆う一つ以上の剥離可能な密封層を含んでもよい。空気出口密封層が、空気出口上に配置されてもよい。この密封層は、空気出口を暴露するために穿孔されるように、または剥離可能となるように構成されてもよい。空気吸込み口密封層が、空気吸込み口の上に配置されてもよい。この密封層は、空気吸込み口を暴露するために穿孔されるように、または剥離可能となるように構成されてもよい。吸入器は、物品を吸入器の中へ挿入すると、または吸入器を起動すると、これらの密封層のうちの一方または両方を穿孔するように構成された空気吸込み口貫通要素または空気出口貫通要素を含んでもよい。
【0024】
空気が物品を通って(空気吸込み口から容器を通って空気出口へと)流れる時に、カプセルは、その長軸方向軸または中央軸を中心として回転するように構成されている。カプセルは、吸入器の一部を形成しうる貫通要素によって貫通または穿孔されてもよい気密材料で形成されてもよい。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセルの中のニコチン粒子の消費の前に貫通要素によって貫通または穿孔される場合がある。カプセルはポリマー材料で形成されることが好ましい。ポリマー材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルはサイズ1〜サイズ4のカプセル、またはサイズ3のカプセルであることが好ましい。
【0025】
カプセルは、固体ニコチン粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチンを含む粒子」とも呼ばれる)および随意の風味粒子を包含する。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意の風味粒子を包含してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を包含してもよい。カプセルは、約5〜50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10〜30回の吸入または「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を包含しうることが好ましい。各々の吸入または「吸煙」は、約0.1mg〜約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg〜約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達する場合がある。
ニコチン粒子は、採用される特定の製剤に基づいてニコチンの任意の有用な濃度を有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約5重量%〜最高約30重量%、または約5重量%〜約25重量%、または約5重量%〜約20重量%、または約5重量%〜約15重量%、または約7重量%〜約13重量%のニコチンを有してもよい。毎回の「吸煙」で、約50〜約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されることが好ましい。
【0026】
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または包含してもよい。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または包含することが好ましい。カプセルは、約5mg〜約300mgのニコチン粒子、または約10mg〜約200mgのニコチン粒子を保持または包含してもよい。
【0027】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドまたは組み合わせられた時、ユーザーに送達される各々の吸入または「吸煙」毎に望ましい風味を提供する量の風味粒子が存在する。
【0028】
ニコチン粒子は、優先的にユーザーの肺の中へと吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末システムを形成する。
【0029】
カプセルは、少なくとも約5mgの粉末システム、または少なくとも約10mgの粉末システムを保持または包含してもよい。カプセルは、約900mg未満の粉末システム、または約300mg未満の粉末システム、または約150mg未満の粉末システムを保持または包含することが好ましい。カプセルは、約5mg〜約300mgの粉末システム、または約10mg〜約200mgの粉末システムを保持または包含してもよい。
【0030】
粉末システムは、粒子サイズが約10マイクロメートル以下、または約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル〜約3マイクロメートルの範囲であるニコチン粒子から成る粉末システムの少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
【0031】
粉末システム中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬的に許容される遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であることが好ましい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物には例えば、ピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ−ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。例えば、サリチル酸ニコチンは抗炎症薬または鎮痛剤として解熱のために投与されてもよく、フマル酸ニコチンは多発性硬化症を治療するために投与されてもよく、モノ−ピルビン酸ニコチンは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療または減量のために投与されてもよい。
【0032】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。アミノ酸はL−ロイシンなどのロイシンであることが好ましい。ニコチンを含む粒子にL−ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、従ってニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。
【0033】
同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減し、従ってニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。従って、本明細書に記載の粉末システムは自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、各々の粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。
【0034】
ニコチン塩粒子が被覆された粒子または複合材料粒子である場合、ニコチンは表面修飾したニコチン塩であることが好ましい。好ましい被覆材料または複合材料はL−ロイシンである。一つの特に有用なニコチン粒子は、L−ロイシンを含む重酒石酸ニコチンである。
【0035】
粉末システムは風味粒子を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中へと吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。
【0036】
粉末システムは、約20マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル以上の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。粉末システムは、約50マイクロメートル〜約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズの粒子から成る粉末システムの風味の少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%を有してもよい。
【0037】
風味剤または風味は、固体の風味として(摂氏約22度の室温および1気圧で)提供されてもよく、風味製剤、風味含有材料および風味前駆体を含んでもよい。風味剤は、一つ以上の天然風味剤、一つ以上の合成風味剤、または天然風味剤と合成風味剤との組み合わせを含んでもよい。本明細書に記載の風味剤は、ニコチン構成要素の味覚特性または芳香特性をその消費中または吸入中に変化させるために、または変化させることを意図するために選択および利用される感覚刺激性の化合物、組成物、または材料である。
【0038】
風味剤または風味は、天然起源または合成起源のさまざまな風味材料を指す。これらには、単一の化合物および混合物が含まれる。風味または風味剤は、消費中のニコチン構成要素の体験を高める風味特性を有することが好ましい。風味は、可燃性喫煙物品の喫煙の結果から得られるものと類似する体験を提供するように選択されることが好ましい。例えば、風味または風味剤は、口充足感および複雑さなどの風味特性を高める場合がある。複雑さは、単一の感覚属性が支配的になることなく、より豊かな風味の全体的なバランスが取れていることとして、一般的に知られている。口充足感は、消費者の口および喉の中での豊かさと量の知覚として説明される。
【0039】
適切な風味には例えば、たばこ、煙、メントール、ミント(ペパーミントおよびスペアミントなど)、チョコレート、甘草、柑橘類およびその他の果実風味、ガンマ八量体、バニリン、エチルバニリン、口臭消臭風味、スパイス風味(シナモンなど)、サルチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、およびジンジャー油、およびこれに類するものなどの任意の天然風味または合成風味が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
その他の適切な風味には、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、これらの組み合わせまたはブレンド、およびこれに類するものから成る群から選択される風味化合物が含まれてもよい。適切な風味化合物は例えば、フェニル酢酸、ソラノン、メガスチグマトリエノン、2−ヘプタノン、ベンジルアルコール、cis−3−ヘキセニルアセタート、吉草酸、吉草酸アルデヒド、エステル、テルペン、セスキテルペン、ノートカトン、マルトール、ダマセノン、ピラジン、ラクトン、アネトール、iso−s吉草酸、その組み合わせ、およびこれに類するものから成る群から選択されてもよい。
【0041】
風味のさらなる特定の実施例は、現在の文献から見いだされる場合があり、また風味付け、すなわち、臭いまたは味覚を製品に付与する当業者に周知である。
【0042】
風味剤は力価の高い風味剤であってもよく、吸入気流内で結果的に200百万分率未満となるレベルで使用・検出される場合がある。こうした風味剤の例は、β−ダマセノン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、フェニルアセトアルデヒド、グアイアコール、およびフラネオールなどの主なたばこ芳香化合物である。その他の風味剤は、より高い濃度レベルで人間によってのみ感知されうる。本明細書で力価がより低い風味剤と呼ばれるこれらの風味剤は一般に、吸入空気内に放出される風味剤が結果的に、桁違いに多い量のレベルで使用される。力価のより低い適切な風味剤には例えば、天然メントールまたは合成メントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、およびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、およびリナロールが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減する化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムである。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減し、また風味粒子の間の引力を低減する場合があり、従って風味粒子の凝集を低減する場合がある。ひいては、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する。従って、本明細書に記載の粉末システムは、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。粉末システムは自由流動であることが好ましい。
【0044】
乾燥粉末吸入用の従来的な製剤は一般に、活性粒子が吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末システムは担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、粒子サイズが約50マイクロメートルより大きい、ラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は製剤中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されうる。
【0045】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末システムは、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量と類似の吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にする場合がある。さらに、ニコチンは担体を含まないか、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないため、吸入器の気流経路は単純な幾何学的形状または単純な構成を有する場合がある。
【0046】
ニコチン粒子と風味は、単一のカプセル内に組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味はそれぞれ、低減された接着力を有してもよく、それらが安定した粒子製剤をもたらし、この場合ではニコチンを含む粒子と風味含む粒子が組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズは実質的に変化しない。別の方法として、粉末システムは、単一のカプセルの中に収容されたニコチン粒子と、第二のカプセルの中に収容された風味粒子とを含む。
【0047】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子を検知するように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末システムの全重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
【0048】
ニコチン粒子送達消耗品(物品)および吸入器は、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではなく、また単純化された貯蔵および気流経路を有する。有利なことに、吸入器の中のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末システムをエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を支援する場合がある。従って、この吸入器は、上述のニコチン粒子を肺の中へと深く送達するために、従来の吸入器の典型的な高い吸入量を必要としない。
【0049】
吸入器は、約5L/分未満、または約3L/分未満、または約2L/分未満、または約1.6L/分の流量を使用してもよい。流量は約1L/分〜約3L/分、または約1.5L/分〜約2.5L/分の範囲であることが好ましい。吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)喫煙方法のそれと同様であり、約1.6L/分であることが好ましい。
【0050】
吸入器は、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用されてもよい。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられ、第一の工程では、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少容量が口腔の中に引き出され、それに続く第二の工程では、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少容量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。どちらの工程も消費者によって制御される。第一の吸入工程中に、消費者は吸入されるニコチンの量を決定してもよい。第二の工程中に、消費者は肺の中へとより深く引き出される第一の量を希釈するための量を決定してもよく、気道の上皮表面に送達される活性薬剤の濃度が最大化される。この喫煙のメカニズムは時に、「吸煙−吸入−吐出」と呼ばれる。
【0051】
金属または剛直な針などの貫通要素は、容器内に受けられるカプセルを通る単一の開口部を形成してもよい。貫通要素は、容器の第一の端を密封する膜を通過してもよい。
【0052】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0053】
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流が吸入器の本体を通して遠位端部分からマウスピース部分へと引き出される際の吸入気流の方向に関して説明された吸入器の要素の相対的な位置を意味する。
【0054】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0055】
本明細書で使用される「または」は一般的に、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0056】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0057】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、例示的なニコチン粒子送達消耗品または物品100の斜視概略図である。
図2図2は、例示的なニコチン粒子送達消耗品または物品100の斜視概略図である。
図3図3は、例示的なニコチン粒子送達消耗品または物品100の断面概略図である。
図4図4は、モジュール式の物品またはニコチン粒子送達消耗品100が中に配置された例示的な吸入器200の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
概略図の縮尺は必ずしも正確なものではなく、図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を図示する。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および精神に則るものと理解される。
【0060】
ここで図1および図2の例示的なニコチン粒子送達消耗品100または物品、および図3の断面を参照する。ニコチン粒子送達消耗品または物品100は、容器の第一の端111から反対側の容器の第二の端113に延び、かつ空洞116を画定する本体または側壁112を有する容器110を含む。カプセル120は空洞116の中に配置されている。カプセル120はニコチンを含む粒子を包含する。図2は容器110から飛び出されているカプセル120を図示する。ニコチン粒子送達消耗品または物品100は、カプセル120を容器110の中へと挿入することによって、かつ膜115を容器の第一の端111の上に適用して容器の第一の端111を密封し、かつカプセル120を容器110の中に保持することによって形成されてもよい。
【0061】
容器110は、容器本体または側壁112に固定されている、またはこれらと一体型の横壁114と、横壁114を通して空洞116の中へと延びる空気出口118とを含む。膜115は容器の第一の端111を密封する。空気吸込み口117は側壁112または本体112を通して空洞116の中へと延びる。空気吸込み口117は、容器の第一の端111の近傍であり、または容器の第二の端113よりも容器の第一の端111に近い。空洞116は長さの値Lおよび直径の値Dを有する。空気吸込み口117は容器の近位端111からある距離L1を置いて近傍である。
【0062】
ニコチン粒子送達消耗品または物品100は、再使用可能な吸入器200のモジュール式または交換可能な構成要素であってもよい。図4は、モジュール式の例示的なニコチン粒子送達消耗品または物品100が中に配置された例示的な吸入器200の断面概略図である。
【0063】
例示的な吸入器200はマウスピース部分210および取り外し可能な遠位部分220を含む。マウスピース部分210は、マウスピース空気チャネル214と気流連通している容器空洞212を含む。マウスピース部分210は、ニコチン粒子送達消耗品または物品100の空気出口118と嵌合または整列する一つ以上のマウスピース空気出口216を含む。一つ以上の吸入気流チャネルは、ニコチン粒子送達消耗品または物品100の一つ以上の空気吸込み口117と嵌合する。
【0064】
容器空洞212は、ニコチン粒子送達消耗品または物品100を嵌合するように構成されている。容器空洞212を露出して、モジュール式の使用済みまたは枯渇したニコチン粒子送達消耗品または物品100を未使用または満杯の粒子送達消耗品または物品100と交換するために、取り外し可能な遠位部分220はマウスピース部分210から取り外されてもよい。
【0065】
遠位部分220は、ばね要素などの弾性要素228とともに、プランジャータイプの要素であってもよい貫通要素225を含む。貫通要素225は、貫通針221を含む。貫通要素225を押圧することは、貫通針221が膜115を通過してカプセル120を穿孔することを可能にする。ニコチン粒子送達消耗品または物品100を通した気流管理は、カプセル120をその長軸方向軸を中心として回転させる。次いで、ニコチンおよび随意の風味粒子は、吸入器物品200を通して気流の中へと混入される。
【0066】
ニコチン粒子送達消耗品または物品100が消費されると、枯渇したニコチン粒子送達消耗品または物品100は次いで、容器空洞212から取り出されて、新しいニコチン粒子送達消耗品または物品100と交換される。一つ以上の密封層(図示せず)が剥離して取り外されて、または容器空洞212の要素によって穿孔されて、ニコチン粒子送達消耗品または物品100を通して気流を提供する。
図1
図2
図3
図4