(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特定の実施形態による腔内支持構造またはステントは、従来技術に見受けられる特定の欠陥を解消する。詳細には、支持構造を体腔内に再配置するかまたは内腔から回収することができる。
【0007】
本発明の特定の実施形態は、生体内腔内に移植することが可能な支持装置を含む。支持装置は、複数のスイベル接合部によって相互連結された複数の長細の支柱部材を含み得る。スイベル接合部は、ステント部材と協働して、圧縮方向と拡張方向との間において形状構造を調節可能に規定する。
【0008】
より詳細には、形状構造は、円筒形状、円錐形状またはアワーグラス型形状のうちの1つであり得る。スイベル接合部は、第1の支柱部材および第2の支柱部材を備えた剪刀機構を形成し得る。さらに、支柱部材は、一連の連結された剪刀機構として配置され得る。装置は、可動域内においてスイベル接合部を付勢する作動機構をさらに含み得る。
【0009】
装置は、形状構造へ接続された人工弁をさらに含み得る。
【0010】
本発明の別の特定の実施形態は、生体内腔内に移植することが可能な医療用ステントを含み得る。医療用ステントは、第1の支柱部材および第2の支柱部材を含む複数の長細の支柱部材と、第1の支柱部材および第2の支柱部材を接続させるスイベル接合部とを含み得る。
【0011】
詳細には、スイベル接合部は、第1の支柱部材および第2の支柱部材を備えた剪刀機構を形成し得る。スイベル接合部は、第1の支柱部材および第2の支柱部材を二等分することができる。スイベル接合部は、第1の支柱部材の第1の端部を第2の支柱部材の第1の端部と相互接続させることができる。
【0012】
複数の支柱部材は、一連の連結された剪刀機構として配置され得る。支柱部材は、非線形にすることもできる。これらの支柱部材は、円筒形状、円錐形状またはアワーグラス型形状のうちの1つを形成するように配置され得る。
【0013】
ステントは、支柱部材を可動域内においてスイベル接合部の周囲において付勢するための力を付与する調節機構をさらに含み得る。
【0014】
ステントは、支柱部材へ接続された人工弁を含み得る。
【0015】
本発明の特定の実施形態は、回転可能であるかまたは従来のものである人工弁を含み得る。
【0016】
回転可能な人工弁は、支柱部材へ接続された第1の構造部材と、第1の構造部材に対して回転可能な第2の構造部材と、複数の可撓性弁部材とを含み得る。これら複数の可撓性弁部材により第1の構造部材が第2の構造部材へと接続されることにより、第2の構造部材が第1の構造部材に対して回転すると、弁部材を開口と閉鎖状態との間で付勢することが可能になる。詳細には、第2の構造部材の回転は、生体流体の自然な流れに応答して発生し得る。
【0017】
従来の人工弁は、2つの支柱部材の交差部において交連を有する複数の可撓性の弁小葉を含み得る。人工弁は、支柱部材へ接続されたスカート材料をさらに含み得る。
【0018】
本発明の別の特定の実施形態は、スプリントデバイスを含み得る。スプリントデバイスは、第1の支柱部材および第2の支柱部材を含む複数の長細の支柱部材と、第1の支柱部材および第2の支柱部材を接続させる旋回接合部とを含み得る。
【0019】
詳細には、旋回接合部は、剪刀機構を第1の支柱部材および第2の支柱部材と共に形成する。旋回接合部は、第1の支柱部材および第2の支柱部材を二等分し得る。旋回接合部は、第1の支柱部材の第1の端部を第2の支柱部材の第1の端部と相互接続させ得る。
【0020】
複数の支柱部材は、らせん状であり得、円筒形状を形成するように配置することができる。円筒形状は、複数の支柱へと接続して、テーパー形状を形成することができる。
【0021】
スプリントデバイスは、ポリマーコーティングをさらに含み得る。ポリマーコーティングに起因して、デバイスを自己拡張させることができる。
【0022】
スプリントデバイスの改変例は、圧迫を生成する圧縮要素を持ち得る。
【0023】
本発明の別の特定の実施形態は、リングデバイスを含み得る。リングデバイスは、第1の支柱部材および第2の支柱部材を含む複数の長細の支柱部材と、第1の支柱部材および第2の支柱部材を接続させる旋回接合部とを含み得る。
【0024】
詳細には、旋回接合部は、剪刀機構を第1の支柱部材および第2の支柱部材と共に形成し得る。旋回接合部は、第1の支柱部材および第2の支柱部材を二等分し得る。旋回接合部は、第1の支柱部材の第1の端部と第2の支柱部材の第1の端部と相互接続させ得る。
【0025】
複数の支柱部材は曲線状であり得、円筒形状を形成するように配置することができる。
【0026】
リングデバイスは、ポリマーコーティングをさらに含み得る。ポリマーコーティングにより、デバイスを自己拡張させることができる。
【0027】
リングデバイスの改変例は、圧迫を生成する圧縮要素を持ち得る。
【0028】
本発明の実施形態による支持構造の特定の利点として、体内における人工弁の回収および再配置が容易である点がある。展開後において弁が誤配置されるかまたは機能障害とみなされる場合、支持構造により当該弁を容易に配置して新規の移植部位において再度展開させることもできるし、あるいは完全に体内から除去することもできる。デバイスのこのフィーチャにより、深刻な合併症を回避することができ、また、体内におけるデバイスの誤配置を修復することにより、生命を救うことができる。
【0029】
一実施形態において、生体適合性の連接型支持構造が提供され得る。この連接型支持構造は、管状構造を含む。管状構造は、中央ルーメン、中央軸、複数の別個の内側支柱、および複数の別個の外側支柱を含む。複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含む。複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱を含む連接部を含む。複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱を含む連接部を含む。複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない。複数の別個の内側支柱または複数の別個の外側支柱からの少なくとも1つの支柱は、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含む。少なくとも1つの支柱の第1の端部は、当該支柱のネット長の約少なくとも25%だけ最も近接する連接部から離隔して配置され得る。複数の別個の外側支柱それぞれの第1の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配置され得る。複数の別個の外側支柱それぞれの第2の端部を最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔することができる。複数の別個の内側支柱それぞれの第1の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配置することができる。複数の別個の内側支柱それぞれの第2の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配置することができる。
【0030】
管状構造を含み、中央ルーメン、中央軸、複数の別個の内側支柱、複数の別個の外側支柱、および少なくとも1つの弓形支柱を含む。複数の別個の内側支柱、複数の別個の外側支柱および少なくとも1つの弓形支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部および両者間のネット長を含み、複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まず、少なくとも1つの弓形支柱は、複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱から選択された第1の支柱との第1の連接部と、同じ複数の別個の内側支柱または複数の別個の外側支柱から選択された第2の支柱との第2の連接部とを含む。第1の支柱および第2の支柱は、直接隣接する支柱であり得る。最小の1つの弓形支柱は内側弓形支柱であり得、第1の支柱および第2の支柱は、複数の別個の内側支柱から選択され得る。最小の1つの弓形支柱は、複数の内側弓形支柱であり得る。最小の1つの弓形支柱は、外側弓形支柱であり得る。第1の支柱および第2の支柱は、複数の別個の外側支柱から選択される。最小の1つの弓形支柱は、複数の外側弓形支柱であり得る。生体適合性の連接型支持構造は、複数の外側弓形支柱と複数の別個の外側支柱との間に配置された第2の構造をさらに含み得る。第2の構造は、円周管状バルーンであり得る。
【0031】
さらに別の実施形態において、生体適合性の連接型構造が提供される。この生体適合性の連接型構造は、管状構造を含む。管状構造は、中央ルーメン、中央軸、複数の別個の内側支柱、複数の別個の外側支柱、および少なくとも2つのラジアル支柱を含む。複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含む。少なくとも2つのラジアル支柱はそれぞれ、外側端部、内側端部および両者間のネット長を含む。各外側端部は、少なくとも1つの支柱へ接続され得る。少なくとも1つの支柱は、複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱から選択される。少なくとも2つのラジアル支柱の内側端部は共に接続され、複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含む。複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含む。複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まない。複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない。少なくとも2つのラジアル支柱の内側端部は、中央にアライメントされた接続アパチャへ接続される。少なくとも2つのラジアル支柱の内側端部は、ループ構造を用いて接続アパチャにおいて接続され得る。少なくとも2つのラジアル支柱は、第1の複数のラジアル支柱と、第2の複数のラジアル支柱とを含み得る。第1の複数のラジアル支柱の各外側端部は、少なくとも1つの支柱の第1の端部へ接続され得る。少なくとも1つの支柱は、複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱から選択される。第2の複数のラジアル支柱の各外側端部は、少なくとも1つの支柱の第2の端部へ接続され得る。少なくとも1つの支柱は、複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱から選択される。第1の複数のラジアル支柱の内側端部は、共に接続され、第2の複数のラジアル支柱の内側端部は、共に接続される。第1の複数のラジアル支柱の内側端部は、第1の展開構造へ取り付けられ、第2の複数のラジアル支柱の内側端部は、第2の展開構造へ取り付けられる。第1の複数のラジアル支柱の内側端部は、展開構造の第1の領域へ取り付けられ、第2の複数のラジアル支柱の内側端部は、展開構造の第2の領域へ取り付けられる。展開構造は、ねじ回し機構を含み得る。生体適合性の連接型構造は、管状構造へ恒久的に取り付けられた達カテーテルをさらに含み得る。送達カテーテルは、管状構造へ電気的に接続された複数のワイヤを含み得る。
【0032】
別の実施形態において、生体適合性の連接型構造が提供される。この生体適合性の連接型構造は、管状構造を含む。管状構造は、中央ルーメン、中央軸、複数の別個の内側支柱、および複数の別個の外側支柱を含む。複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含む。複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも4つの異なる別個の外側支柱との連接部を含む。複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも4つの異なる別個の内側支柱との連接部を含む。複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まない。複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない。複数の別個の内側支柱または複数の別個の外側支柱からの少なくとも1つの支柱は、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含む。複数の別個の内側支柱、複数の別個の外側支柱および連接部の間から、本質的に自己拡張力が提供される。管状構造は、本質的に安定した非拡張の座屈状態を含み得る。複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱は、管状構造の第1の外周に沿ってアライメントされた第1の1組のセルと、第1の1組のセルに直接隣接しかつ管状構造の第2の外周に沿ってアライメントされた第2の1組のセルとを形成するように構成され得る。複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも5つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み得る。複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも5つの異なる別個の内側支柱との連接部を含む。複数の別個の内側支柱および複数の別個の外側支柱は、第2の1組のセルに直接隣接しかつ管状構造の第3の外周に沿ってアライメントされた第3の1組のセルを形成するようにさらに構成される。
【0033】
別の実施形態において、付属スプリントが提供される。付属スプリントは、連接可能な構造を備えたフレームを含む。連接可能な構造は、中央ルーメン、複数の別個の内側支柱、複数の別個の外側支柱を含む。複数の別個の内側支柱はそれぞれ、複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含む。複数の別個の外側支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含む。複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まない。複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない。連接可能な構造を備えたフレームは、円筒領域およびテーパー領域をさらに含み得る。連接可能な構造を備えたフレームは、複数の別個の曲線状支柱をさらに含み得る。複数の曲線状支柱はそれぞれ、複数の曲線状支柱中の各他の曲線状支柱との連接部を含む。複数の曲線状支柱はそれぞれ、複数の別個の内側支柱のうち少なくとも1つおよび複数の別個の外側支柱のうち少なくとも1つとの連接部を含む。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
生体適合性の連接型支持構造であって、
管状構造であって、
中央ルーメンと、
中央軸と、
複数の別個の内側支柱と、
複数の別個の外側支柱と、
を含む、管状構造、
を含み、
前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含み、
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、前記複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、前記複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の内側支柱または前記複数の別個の外側支柱からの少なくとも1つの支柱は、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含み、
前記少なくとも1つの支柱の前記第1の端部は、前記支柱のネット長の約少なくとも25%だけ最も近接する連接部から離隔して配置される、
生体適合性の連接型支持構造。
(項目2)
前記複数の別個の外側支柱それぞれの第1の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配置される、項目1に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目3)
前記複数の別個の外側支柱それぞれの前記第2の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配される、項目2に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目4)
前記複数の別個の内側支柱それぞれの第1の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配される、項目1〜3のいずれか一項に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目5)
前記複数の別個の内側支柱それぞれの第2の端部は、最も近接する連接部からそのネット長の約少なくとも25%だけ離隔して配される、項目1〜4のいずれか一項に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目6)
生体適合性の連接型支持構造であって、
管状構造であって、
中央ルーメンと、
中央軸と、
複数の別個の内側支柱と、
複数の別個の外側支柱と、
少なくとも1つの弓形支柱と、
を含む管状構造、
を含み、
前記複数の別個の内側支柱、前記複数の別個の外側支柱および前記少なくとも1つの弓形支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部、および両者間のネット長を含み、
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、前記複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、前記複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まず、
前記少なくとも1つの弓形支柱は、前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱から選択された第1の支柱との第1の連接部と、同じ複数の別個の内側支柱または複数の別個の外側支柱から選択された第2の支柱との第2の連接部とを含む、
生体適合性の連接型支持構造。
(項目7)
前記第1の支柱および前記第2の支柱は、直接隣接する支柱である、項目6に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目8)
前記最小の1つの弓形支柱は、内側弓形支柱であり、
前記第1の支柱および第2の支柱は、前記複数の別個の内側支柱から選択される、項目6に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目9)
前記最小の1つの弓形支柱は、複数の内側弓形支柱である、項目8に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目10)
前記最小の1つの弓形支柱は、外側弓形支柱であり、
前記第1の支柱および第2の支柱は、前記複数の別個の外側支柱から選択される、
項目6に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目11)
前記最小の1つの弓形支柱は、複数の外側弓形支柱である、項目10に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目12)
前記複数の外側弓形支柱と、前記複数の別個の外側支柱との間に配置された第2の構造をさらに含む、項目11に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目13)
前記第2の構造は、円周管状バルーンである、項目12に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目14)
生体適合性の連接型構造であって、
管状構造であって、
中央ルーメンと、
中央軸と、
複数の別個の内側支柱と、
複数の別個の外側支柱と、
少なくとも2つのラジアル支柱と、
を含む、管状構造、
を含み、
前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部および両者間のネット長を含み、
前記少なくとも2つのラジアル支柱はそれぞれ、外側端部、内側端部および両者間のネット長を含み、
各外側端部は、前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱から選択された少なくとも1つの支柱へ接続され、
前記少なくとも2つのラジアル支柱の前記内側端部は、共に接続され、
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、前記複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、前記複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない、
生体適合性の連接型支持構造。
(項目15)
前記少なくとも2つのラジアル支柱の前記内側端部は、中央にアライメントされた接続アパーチャにおいて接続される、項目14に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目16)
前記少なくとも2つのラジアル支柱の前記内側端部は、接続アパーチャにおいてループ構造を用いて接続される、項目14に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目17)
前記少なくとも2つのラジアル支柱は、第1の複数のラジアル支柱および第2の複数のラジアル支柱を含み、
前記第1の複数のラジアル支柱の各外側端部は、前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱から選択された少なくとも1つの支柱の前記第1の端部へ接続され、
前記第2の複数のラジアル支柱の各外側端部は、前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱から選択された少なくとも1つの支柱の前記第2の端部へ接続される、
項目14に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目18)
前記第1の複数のラジアル支柱の前記内側端部は共に接続され、前記第2の複数のラジアル支柱の前記内側端部は共に接続される、項目17に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目19)
前記第1の複数のラジアル支柱の前記内側端部は、第1の展開構造へ取り付けられ、前記第2の複数のラジアル支柱の前記内側端部は、第2の展開構造へ取り付けられる、
項目18に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目20)
前記第1の複数のラジアル支柱の前記内側端部は、展開構造の第1の領域へ取り付けられ、前記第2の複数のラジアル支柱の前記内側端部は、前記展開構造の第2の領域へ取り付けられる、項目18に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目21)
前記展開構造はねじ回し機構を含む、項目20に記載の生体適合性の連接型支持構造。(項目22)
前記管状構造へ恒久的に取り付けられた送達カテーテルをさらに含む、項目14に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目23)
前記送達カテーテルは、前記管状構造へ電気的に接続された複数のワイヤを含む、項目22に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目24)
生体適合性の連接型構造であって、
管状構造であって、
中央ルーメンと、
中央軸と、
複数の別個の内側支柱と、
複数の別個の外側支柱と、
を含む、管状構造、
を含み、
前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、第1の端部、第2の端部および両者間のネット長を含み、
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも4つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも4つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、前記複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、前記複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の内側支柱または前記複数の別個の外側支柱からの少なくとも1つの支柱は、第1の端部、第2の端部および両者間のネット長を含み、
前記複数の別個の内側支柱、前記複数の別個の外側支柱および前記連接部の間から、本質的に自己拡張力が提供される、
生体適合性の連接型構造。
(項目25)
前記管状構造は、本質的に安定した非拡張の座屈状態を含む、項目24に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目26)
前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱は、前記管状構造の第1の外周に沿ってアライメントされた第1の1組のセルと、前記第1の1組のセルに直接隣接しかつ前記管状構造の第2の外周に沿ってアライメントされた第2の1組のセルとを形成するように構成される、項目24に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目27)
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも5つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも5つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱および前記複数の別個の外側支柱は、前記第2の1組のセルに直接隣接しかつ前記管状構造の第3の外周に沿ってアライメントされた第3の1組のセルを形成するようにさらに構成される、
項目26に記載の生体適合性の連接型支持構造。
(項目28)
付属スプリントであって、
連接可能な構造を備えたフレームであって、
中央ルーメンと、
複数の別個の内側支柱と、
複数の別個の外側支柱と、
を含む、フレーム、
を含み、
前記複数の別個の内側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の外側支柱の少なくとも3つの異なる別個の外側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の外側支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱の少なくとも3つの異なる別個の内側支柱との連接部を含み、
前記複数の別個の内側支柱の別個の内側支柱は、前記複数の別個の内側支柱のその他の別個の内側支柱との連接部を含まず、
前記複数の別個の外側支柱の別個の外側支柱は、前記複数の別個の外側支柱のその他の別個の外側支柱との連接部を含まない、
付属スプリント。
(項目29)
前記連接可能な構造を備えたフレームは、円筒領域およびテーパー領域をさらに含む、項目28に記載の付属スプリント。
(項目30)
前記連接可能な構造を備えたフレームは、複数の別個の曲線状支柱をさらに含み、前記複数の曲線状支柱はそれぞれ、前記複数の曲線状支柱中の各他の曲線状支柱との連接部を含み、前記複数の曲線状支柱はそれぞれ、前記複数の別個の内側支柱のうち少なくとも1つおよび前記複数の別個の外側支柱のうち少なくとも1つとの連接部を含む、項目28に記載の付属スプリント。
【0034】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は、添付図面中に示すような以下の本発明の特定の実施形態のより詳細な記載から明らかとなる。異なる図面全体において、類似の記号は、類似の部分を指す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理の例示が強調される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の特定の実施形態は、腔内支持構造(ステント)および人工弁を含む。
【0037】
図1は、特定の腔内支持構造の斜視図である。図示のように、支持構造10は医療用ステントであり、複数の長手方向の支柱部材11を含む。これらの支柱部材11は、複数のスイベル接合部15によって相互接続される。詳細には、スイベル接合部15により、相互接続された支柱部材11が相互に回転することが可能になる。図示のように、18本の支柱11がある。
【0038】
支柱部材11は、硬質または半硬質の生体適合性の材料から作製される(例えば、プラスチックまたは他のポリマーおよび合金(例えば、ステンレススチール、タンタル、チタン、ニッケルチタン(例えば、ニチノール)、およびコバルトクロム(例えば、ELGILOY)))。各支柱の寸法は、所望の用途に応じて選択することができる。特定の実施形態において、各支柱部材はステンレススチール製であり、厚さは0.005〜0.020インチである。より詳細には、各支柱は、厚さが0.010インチの300シリーズステンレススチールである。支柱11が全て同じ厚さを有するものとして図示されているが、支柱の厚さは、支柱上において変化させることが可能である(例えば、支柱長さに沿って厚さを徐々に増減することが可能である)。さらに、個々の支柱の厚さを他の同一支持構造の個々の支柱と異ならせてもよい。
【0039】
図示のように、各支柱部材11は棒形状であり、前面11fおよび裏1lbを有する。しかし、支柱部材は異なるジオメトリを有してもよい。例えば、幅を均一にする代わりに、支柱の幅を長さに沿って変更することができる。さらに、個々の支柱を、別の同一支持構造の支柱と異なる幅にしてもよい。同様に、同一支持構造内において支柱長さを個々に異ならせてもよい。移植部位に応じて、特定の寸法を選択することができる。
【0040】
さらに、支柱は、非平坦な構造であり得る。詳細には、支柱は、曲率を含み得る(例えば、ステント構造の内径に対して凹状または凸状の形状の曲率)。支柱は、ねじれ形状であり得る。支柱の非平坦性または平坦性は、支柱を構成する材料の特性となり得る。例えば、支柱は、多様な状態において、支柱形状の形状記憶変化または熱応答性変化を示し得る。このような状態は、圧縮構成または拡張構成のステントによって規定され得る。
【0041】
さらに、支柱部材11は、平滑なまたは荒い表面テクスチャを持ち得る。詳細には、陥凹表面にした場合、支柱において引っ張り強さが得られる。加えて、荒さまたは陥凹によって得られるさらなる摩擦により、支持構造の移植部位における固定を支援し、組織成長による支持構造10の不規則な封入を促進して、移植部位において支持構造10を経時的に安定させることができる。
【0042】
特定の場合において、ステントは、相互にスタックされた複数の部材である支柱を含み得る。同一のステント内において、いくつかの支柱は、多層構成内において相互にスタックされた長細の部材を含み得、および他の支柱は、単一厚さの部材によって構成される単一層であり得る。単一の支柱内において、部材の単一層の領域および多層領域があり得る。
【0043】
各支柱部材11はまた、支柱部材11の長さに沿って間隔を空けて配置された複数のオリフィス13を含む。前面11f上において、オリフィスは皿頭17であり、締め具頭部を受容する。特定の実施形態において、各支柱部材11の長さに沿って均等間隔を空けて配置されたオリフィス13が13個あるが、これよりも多数または少数のオリフィスを用いてもよい。オリフィス13が支柱部材11に沿って均一の直径および均一の間隔で設けられている様子が図示されているが、いずれも必須ではない。
【0044】
支柱部材11は、一連の4棒リンク機構として配置される。支柱部材11は、スイベル可能なまたは旋回締め具25によって相互接続される(例えば、アライメントされたオリフィス13を通じて延びるリベット)。他のスイベル可能なまたは旋回締め具25も利用可能であり(例えば、ボルト、ボルトインソケット構造、ネイルまたはアイレット)、また、締め具を支柱11中にいったい形成することが可能である(例えば、凹みまたはオリフィスと相互作用するピーニングされた半球、または雄雌接続ことが理解されるべきである。オリフィス13により、締め具の受容に加えて組織成長のためのさらなる経路も得られ、これにより、支持構造10が経時的に安定化され、封入される。
【0045】
図2は、
図1のステントの4つの支柱部の斜視図である。図示のように、2つの外側支柱部材11−1および11−3が2つの内側支柱部材11−2および11−4と重複し、その裏部は相互に連通する。
【0046】
詳細には、第1の支柱部材11−1は、リベット25−1を用いることにより、中間スイベル接合部15−1により第2の支柱部材11−1へスイベル可能に接続される。リベット25−1は、支柱部材11−1および11−2を二等分するオリフィス13を用いる。同様に、第3の支柱部材11−3もスイベル可能に接続されて、中間スイベル接合部15−7によりリベット25−7を用いて第4の支柱部材11−4を二等分する。中間スイベル接合部15−1および15−7は、剪刀リンク機構または機構内の剪刀接合部として機能することが理解されるべきである。図示のように、その結果得られた剪刀アームは、等しい長さを有する。中間接合部15−1および15−7は、接合された支柱部材を二等分する必要はなく、支柱部材の長手方向中心からオフセットしたオリフィス13を用いることができ、これにより剪刀アーム長さが不均等になることも理解されるべきである。
【0047】
中間剪刀接合部15−1に加えて、第1の支柱部材11−1は、遠位アンカースイベル接合部15−5により、第3の支柱部材11−3によってによってスイベル可能に接続される。遠位アンカースイベル接合部15−5は、支柱部材11−1および11−3の遠位端部の近隣に配置される。同様に、第1の支柱部材11−1も、近位アンカースイベル接合部15−3により、第4の支柱部材11−4へスイベル可能に接続される。近位アンカースイベル接合部15−3は、支柱部材11−1および11−4の近位端部の近隣に配置される。アンカーリベット25−3および25−5上への応力を低減するために、支柱11の遠位端部および近位端部を曲線状またはねじれ形状とすることにより、接合された支柱間において同一平面上の界面が得られる。
【0048】
理解されるように、支持構造10(
図1)は、連続する一連の剪刀機構の鎖を相互連結することにより、作製される。その後、この一連の剪刀機構を被覆することにより、最終の剪刀機構を鎖中の第1の剪刀機構と接続させる。リンク機構を作動させることにより、リンクを開口または閉鎖させることが可能になり、その結果、ステント10が拡張または圧縮される(
図1)。
【0049】
図1に戻って、スイベル接合部15を用いることにより、ステント直径を圧縮することができ、これにより、生体内腔(例えば、動脈)を通じた選択された位置への挿入が可能となる。その後、ステントを拡張させて、内腔内における選択された位置においてステントを固定することができる。さらに、拡張後のステントを再度圧縮して、体内からの除去または内腔内への再配置が可能となる。
【0050】
図3は、
図1の圧縮された支持構造の斜視図である。圧縮状態のステント10は、長さが最大となり、直径が最小となる。この最大長さは、支柱部材の長さによって制限される。支柱部材の長さは、特定の実施形態において15mmである。最小直径は、支柱部材の幅によって制限される。支柱部材の幅は、特定の実施形態において0.052インチである。
【0051】
図4は、
図1の支持構造が完全拡張状態にある様子の斜視図である。図示のように、完全拡張支持構造10は環を形成して、弁形成リングとして用いることができる。詳細には、ステント円周の一端が組織へ取り付けられると、ステントの圧縮により、当該組織が収縮する。ステントは漸進的かつ逆行可能な圧縮または拡張をする能力があるため、デバイスを用いて、組織を個々に収縮させて、心臓弁の能力を増加させることができる。これは、僧帽弁疾患(例えば、僧帽逆流または僧帽弁逸脱)の治療において有用な治療であり得る。
【0052】
支持構造10は、開放的手術処置時において患者体内に移植することが可能であるが、閉鎖的手術の方が望ましい場合が多い。そのため、支持構造10は、外科医が移植部位から遠隔位置から支持構造を拡張または圧縮することを可能にする作動機構を含み得る。剪刀リンク機構は円筒状に被覆されているため(
図1)、隣接する剪刀接合部間の距離を増加させるかまたはアンカー接合部間の距離を低減することにより、作動機構により、ステント直径を拡張させることができる。
【0053】
図5は、特定のアクチュエータ機構を有する
図2の支持構造の斜視図である。図示のように、アクチュエータ機構30は、二重ねじ式ロッド32を含む。二重ねじ式ロッド32は、支持構造10の内部に配置される(
図1)。アクチュエータ機構30は支持構造10の外部に配置してもよいことが理解されるべきである。内部に配置した場合または外部に配置した場合に関係なく、アクチュエータ機構30は、同一の様態で動作する。ロッドは、近位端部上に右側ねじ山34Rを含み、遠位端部上に左側ねじ山34Lを含む。ロッド32は、一対のねじ式薄型支持マウント35−3および35−5を用いてアンカー点15−3および15−5に取り付けられる。ロッド32の各端部は、六角ドライバ(図示せず)を受容する六角頭37−3および37−5によって終端する。理解されるように、ロッド32を1方向に回転させると、アンカー点25−3および25−5が外方に付勢されて、リンク機構が圧縮される。一方、ロッド32を他法の方向に回転させると、アンカー点25−3および25−5が内方に付勢されて、リンク機構が拡張される。
【0054】
図6は、別の特定のアクチュエータ機構を有する
図2の支持構造の斜視図である。図示のように、アクチュエータ機構30’は、支持構造10の内側に配置された単一のねじ式32’を含む(
図1)。ロッド32’は、一端上にねじ山34’を含む。ロッド32’は、一対の支持マウント35’−3および35’−5を用いて薄型アンカー点15−3および15−5へ取り付けられる。一対の支持マウント35’−3および35’−5のうち1つはねじ式であり、ロッドねじ山34’と噛み合う。ロッド32’の非ねじ式端部は、保持停止部39’を含む。保持停止部39’は、支持マウント35’−5を支持して、支持構造を圧縮する。ロッド32’の各端部は、六角ドライバ(図示せず)を受容する六角頭37’−3および37’−5によって終端される。ここでも、ロッド32’を1方向に回転させると、アンカー点25−3および25−5は外方に付勢されて、リンク機構が圧縮され、ロッド32’が他方の方向に回転されると、アンカー点25−3および25−5は内方に付勢されて、リンク機構を拡張させる。
【0055】
加えて、支柱は重複しているため、1つの支柱を他方の支柱にスライドさせている間にラチェット機構を利用することができる。例えば、各支柱の一体部分であるフィーチャの相互作用に起因して、ステントを漸進的直径においてロックすることができる。このようなフィーチャの一例として、支柱表面上の雄コンポーネント(例えば、隆起)があり、2つの支柱が相互にスライドする際、隣接する支柱表面上の雌コンポーネント(例えば、穴)と噛み合う。このような構造は、方向を有するように作製することができ、これにより、ステントの拡張時においてステントを拡張構成において漸進的にロックすることができる。このようなステントは、従来のバルーンまたは本出願中に記載される他の作動機構を用いて拡張させることができる。
【0056】
図5および
図6の支持構造10は、閉鎖的外科手術時において移植されることを意図しているため、アクチュエータ機構は、外科医によって遠隔的に制御される。典型的な手術において、支持構造10は、繋留型腔内カテーテルを用いて体腔(例えば、大腿動脈)を通じて移植される。よって、アクチュエータ機構30は、カテーテルを介して制御することができる。
【0057】
図7は、
図5および
図6のアクチュエータ機構と共に用いることが可能な特定の支持構造および制御カテーテルアセンブリの斜視図である。制御カテーテル40は、生体内腔(例えば、人体動脈)を通じて支持構造と共に挿入されるような寸法になっている。図示のように、制御カテーテル40は、可撓性の駆動ケーブル42を含む。駆動ケーブル42は、アクチュエータ機構の六角頭37および37’(
図5および
図6)と取り外し可能に噛み合う遠位端部上においてドライバ44を有する。ケーブル42の近位端部は、六角頭46を含む。手術時において、ケーブル42の近位六角頭46は、外科医によって親指ホイールまたは他の適切な操縦機(図示せず)によって操作される。六角頭46の回転はケーブル42によってドライバヘッド44へと伝達されて、アクチュエータロッド30および30’を回転させる(
図5および
図6)。
【0058】
ケーブル42は、可撓性外側シース48によって収容される。外側シース48の遠位端部は、支持構造10とインターフェースをとるような形状にされたリップまたは突起49を含む。ケーブル42が回転すると、外側シース49は、支持構造10と相互作用して、その結果得られるトルクを打ち消す。
【0059】
ねじ山を用いることにより、ロッドは自己ロックして、支持構造を所望の直径で維持する。特定の実施形態において、ロッド32および32’は、直径1.0mmを有し、ねじ山カウントは240巻き/インチである。ねじ式駆動機構について述べているが、特定の外科用途に応じて、リンク機構を作動させるための他の技術を用いてもよい。例えば、アクチュエータ機構を(ステントの内部または外部ではなく)支柱部材の厚さ内に配置してもよい。例えば、当該分野において公知のウォーム歯車またはラックアンドピニオン機構を用いることができる。当業者であれば、他の腔内作動技術を認識する。他の状況において、支持構造を外部作動機構が不要な開放型手術時に移植することができる。
【0060】
記載の支持構造においては他の用途(例えば、薬剤送達)があるが、特定の実施形態において、人工弁を支持する。詳細には、支持構造は、大動脈弁置換などのための人工弁と共に用いられる。
【0061】
図8は、特定の回転型人工弁アセンブリの斜視図である。人工弁100は、開口位置にある様子が図示されている3つの小葉構成を含む。これらの小葉は、生体適合性の材料から導出される(例えば、動物心膜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ)、ヒトの心膜、化学処理された心膜、グルタルアルデヒド処理された心膜、組織工学材料、組織工学材料のための骨格、自己心膜、死体心膜、ニチノール、ポリマー、プラスチック、PTFE、または当該分野において公知の他の任意の材料)。
【0062】
小葉101a、101bおよび101cは、固定円筒部材105および非固定円筒部材107へ取り付けられる。各小葉101の片側は、非固定円筒部材107へ取り付けられる。各小葉101の他方側は、固定円筒部材105へ取り付けられる。各小葉101は、円筒部材105および107の長手方向軸に対して概して垂直な方向に取り付けられる。この実施形態、各小葉101は可撓性であり、概して矩形形状であり、固定部材105および非固定部材107の取り付け部において180度ねじれている。各小葉101は、内側縁102および外側縁103を有する。1つの小葉101cの縁102cおよび103cを図示してうr。当該分野において公知のように、これらの小葉は、生体材料または非生体材料あるいは双方の組み合わせから作製することができる。
【0063】
弁を作動させて閉鎖させる1つの方法として、血流または心臓周期の通常の圧力変化から付与される力の利用がある。より詳細には、心臓から開口弁を通じて送られる血液は、
図8に矢印によって示す方向に移動する。その直後に、遠位または下流の血圧が弁上の近位圧力に相対して上昇し、その結果、弁上に負圧が発生する。
【0064】
図9は、
図8の弁アセンブリが閉鎖状態にある様子の斜視図である。この矢印方向の負圧に起因して、小葉101および非固定部材107が固定円筒部材105に向かって軸方向に変位する。小葉101が長手方向軸に対して垂直面から水平面に移動すると、正味の反時計回りのトルク力が非固定部材107および小葉101上へ付与される。このトルク力は、小葉101上へ求心力を付与する。
【0065】
図10は、完全閉鎖後の
図8の弁アセンブリの斜視図である。弁100の完全閉鎖は、図示のように小葉101が弁中心へ変位し、および非固定円筒部材107が固定部材105上へ配置された場合に発生する。
【0066】
弁100の開口部の機能は、弁閉鎖のステップを逆行する(すなわち、
図10〜
図8の順序をたどる)ことにより、理解することができる。
【0067】
弁100を大動脈弁置換としてみなすと、心臓収縮期に入るまでは弁100は
図10に示すように閉鎖状態のままである。収縮期において、心筋力が強制的に収縮すると、弁近位側(心臓に最も近接する側)へ付加される血圧は、閉鎖弁の遠位側(下流)上への圧力よりも高くなる。この圧力傾斜に起因して、小葉101および非固定円筒部材107は、固定部材105から軸面に沿って離隔方向に変位する。弁100は、すぐに
図9に示す半閉鎖遷移状態をとる。
【0068】
小葉101は、水平方向から垂直方向において軸面に沿って細長形状であるため、正味のトルク力が小葉101および非固定円筒部材107上へ付与される。弁100は開口しているため、閉鎖時と対照的に、弁開口のために付与されるトルク力は、弁閉鎖のために付与されるトルク力と反対方向である。
図9に示す実施形態の構成の場合、弁を開口させるトルク力は反対方向に働く。
【0069】
これらのトルク力に起因して、小葉101は非固定部材107と共に弁100の長手方向軸周囲を回転する。その結果、遠心力が各小葉101上へ付加される。小葉101は中心からラジアル変位して、弁を有効に開口させ、その結果血液を心臓から離隔方向において
図8中の矢印方向に流動させる。
【0070】
上記をまとめると、弁は、3つの力をつなげることにより一方向の血流を提供するように、受動的に機能する。すなわち、先行移動の方向性を符号化しつつ、軸力、トルク力およびラジアル力が連続的かつ逆行可能な様態で変換される。第1に、血流の軸力および圧力に起因して、小葉101および非固定部材107が軸面に沿って固定部材105に相対して変位する。これは、小葉101および非固定部材107上への回転力へ変換される。その後、トルク力に起因して、小葉101が弁中心に沿ってまたは弁中心から離隔方向にラジアル面に沿って変位する。ラジアル面は、弁100を開閉させる。弁100は、心臓周期によって弁へ初期に付与された軸力の方向に応じて、経路の開閉を受動的に追随する。
【0071】
体内においては、固定円筒部材105を移植部位における位置に固定することができる一方、小葉101の非固定部材107および遠位端部は軸面に沿って自由に変位する。人工弁を大動脈弁置換として用いる場合、固定部材105は大動脈根内に固定される。心臓からの血圧または流れが増加すると、弁100は閉鎖構成から開口構成へと変化し、血液が弁100から放出される。
【0072】
図8〜
図10の回転弁の特定の利点およびさらなる実施形態について、上記の親仮特許出願中に記載がある。
【0073】
図11は、
図8〜
図10の弁および
図1の支持構造の斜視図である。閉鎖位置に示すように、弁の固定部材105は、支持構造10へ取り付けられる。弁の非固定部材107は、支持構造10へ取り付けられない。これにより、非固定部材107は、弁開口または閉鎖時において軸面に沿って小葉101と共に変位することができる。この特定の実施形態において、弁100は、図示のように支持構造10の一端により近接する位置を占有する。
【0074】
図12は、
図11の弁が開口位置にある様子の斜視図である。上記したように、非固定部材107は支持構造10へ取り付けられていないため、軸面に沿って小葉101と共に自由に変位可能である。することができる。この特定の実施形態において、完全開口時において、非固定部材107および小葉101は、支持構造10内に保持される。
【0075】
ステント弁110は、上記したような閉鎖的手術時において移植することができる。しかし、ステント本体内において非固定部材が動作することに起因して、アクチュエータ機構が圧縮および拡張し、ステントはステント内に配置されない。
【0076】
体内における弁の位置決めと、移植手術とについて、ステント弁110のさらなる実施形態が上記の親仮特許出願中に記載されている。加えて、生体弁を支持構造上にドレープすることができる。さらなる実施形態が当業者にとって明らかである。
【0077】
図13は、
図1の支持構造へ取り付けられた従来の生体弁の斜視図である。図示のように、ステント弁120は、上記したような支持構造10へ取り付けられた人工装具生体弁121を含む。
【0078】
生体弁121は、3つの可撓性の半円形の小葉121a、121bおよび121cを含む。これらの小葉121a、121bおよび121cは、
図8を参照して述べたような生体適合性材料から導出され得る。隣接する小葉は、対として支持構造10上の交連123x、123yおよび123zへ取り付けられる。詳細には、交連123x、123yおよび123zは、間隔を空けて配置された支持構造10上の遠位アンカー点13x、13yおよび13zに対応する。18支柱ステント内において、交連は、各第3の遠位アンカー点において対応する締め具25を介して構造10へ取り付けられる。
【0079】
交連から、小葉側部は、隣接する斜め支柱へ接続される。すなわち、第1の小葉121aの側部は、支柱11−Xaおよび11−Zaへそれぞれ縫合される。第2の小葉121bの側部は、支柱11−Xbおよび11−Ybへそれぞれ縫合される。第3の小葉121cの側部は、支柱11−Ycおよび11−Zcへそれぞれ縫合される。これらの縫合は、斜め支柱上の剪刀旋回点において終了する。
【0080】
図示の構成において、隣接する支柱11は、ステントの端部において複数のアーチ128が得られるように相互に取り付けられる。隣接する小葉を適切なアーチ128x、128yおよび128zを規定する支柱それぞれへ取り付けることにより、小葉取り付けのためのポストまたは交連が形成される。図示の構成において、3つの小葉121a、121bおよび121cがある。3つの小葉121a、121bおよび121cはそれぞれ、対向する境界のうち2つに沿って支柱へ取り付けられる。これらの交連は、ステント内の3つの等距離のアーチ128x、128yおよび128zによって形成される。
【0081】
隣接する支柱に対して支柱を角度付けされた方向において設けることにより、小葉121a、121bおよび121cを三角形構成内のステントへ取り付けることができる。この三角形構成は、ネーティブの大動脈小葉の角度付けされた取り付けをシミュレートする。ネーティブの弁において、その結果、小葉間の解剖学的構造(小葉間三角部として知られる)が得られる。解剖学的な小葉間三角部は人体内のネーティブの大動脈小葉に対して構造完全性および耐久性を提供すると考えられているため、人工弁内ににおいてこの構造をシミュレートすると有利である。
【0082】
小葉を支柱へ取り付ける1つの方法として、多重支柱間に小葉を挟む方法がある。その後、複数の層を縫合によって相互に保持する。小葉を支柱間に挟むことにより、小葉上への力の分散が支援され、また、小葉を通じた縫合の破断の回避が支援される。
【0083】
各小葉121a、121bおよび121cの残りの側部は、図示のように中間支柱部材上において小葉シームによって環状に縫合される。支柱間の残りの空間は、生体適合性のスカート125によってドレープされ、これにより、弁の移植部位への密封が支援され、弁傍漏出が制限される。図示のように、スカート125は、弁小葉の下側および小葉間のステントのこれらの部分を被覆するような形状にされる。
【0084】
より詳細には、弁のベースにおけるスカート125は、ステント壁部を形成する材料の肉薄の層である。スカート材料は、心膜組織、ポリエステル、PTFE、または他の材料、あるいは成長中の組織を受容するのに適した材料(例えば、組織成長の促進または感染の抑制を可能にする化学処理材料)の組み合わせであり得る。スカート層は、弁周囲の漏出(または「弁傍」漏洩)を低減または排除するように機能する。この目的のため、スカート材料層をステントへ取り付ける方法は以下を含めて複数ある。
【0085】
・スカート層は、ステントの内側または外側に設けることができる。
【0086】
・スカート層は、ステントの下部を占有し得る。
【0087】
・スカート層は、ステントの下部および上部を占有し得る。
【0088】
・スカート層は、ステントの上部のみを占有し得る。
【0089】
・スカート層は、交連ポストを規定する支柱間の領域を占有し得る。
【0090】
・スカート層は、小葉材料と連続し得る。
【0091】
・スカート層は、支柱または複数の部位へ縫合され得る。または、
【0092】
・体内における展開時においてスカート層をステントの下部へ固定し、牽引および押し上げて、ステントの外側を被覆することができる。
【0093】
上記のリストは、必ずしも限定的なものではない。なぜならば、当業者であれば、特定の用途のための別のドレープ技術を認識し得る。
【0094】
図14は、
図13の弁構造が全体の内側のスカートを有する様子を示す斜視図である。ステント弁120’は、人工装具生体弁12を含む。人工装具生体弁12は、支持構造10へ取り付けられた3つの小葉121a’、121b’および121c’を有する。スカート層125’は、ステント10の内面を被覆する。よって、弁小葉121a’、121b’および121c’は、スカート層125’へ縫合される。
【0095】
図15は、
図13の弁構造が全体の外側のスカートを有する様子を示す斜視図である。ステント弁120’’は、人工装具生体弁121’’を含む。人工装具生体弁121’’は、
図13に記載するような支持構造10へ取り付けられた3つの小葉121a’’、121b’’および121c’’を有する。スカート層125’’は、ステント10の外面を被覆する。
【0096】
生体弁構造120、120’および120’’は、上記したような閉鎖的手術時において移植することができる。しかし、ステントを圧縮および拡張させるためのアクチュエータ機構は、例えばステント10の外面上のアクチュエータ機構の取り付けにより、交連点を回避しかつスカート層125、125’および125’’への損傷を制限するように取り付けられる。
【0097】
上記した実施形態においては、直線型支柱棒および等しい長さの剪刀アームを有する支持構造について述べたが、他のジオメトリも利用可能である。その結果得られる形状は、円筒以外であり、特定の用途においてより良好な性能を持ち得る。
【0098】
図16は、円錐形状の支持構造構成における支柱部材の配置構成の斜視図である。円錐構造10’において、支柱部材11は、(中間剪刀旋回部が支柱を二等分しない点以外は)
図2に示すように配置される。詳細には、中間剪刀旋回部(例えば、15’−1、15’−7)により、接合された支柱部材(例えば、11’−1、1−2および1−3、14)は、長さが5/12および7/12である不均等なセグメントに分割される。よって、完全に組み立てられると、得られた支持構造は、拡張時の円錐形状に適合する。例示目的のため、ステント10’は単一の−ねじ式アクチュエータ32’(
図6)と共に図示されているが、このステント実施形態において必要な要素ではない。
【0099】
ステント10’は、ステント10’を含む個々の支柱部材11に凸状または凹状曲率を付加することにより、拡張構成時において円錐形をとり得る。これは、記憶材料(例えば、形状記憶または温度感受性ニチノール)を用いることにより、達成することができる。
【0100】
弁を円錐形ステント10’内に方向付けることにより、弁のベースは円錐形ステントのより幅狭部内に設けられ、弁の非ベース部分は円錐のより幅広部分内に設けられる。あるいは、弁ベースをステントの最も幅広部分内に設けてもよく、弁の非ベース部はステントの非幅広部分に設けられる。
【0101】
体内における円錐形ステント10’の方向は、血流に接近する方向または離隔方向であり得る。他の体腔(例えば、呼吸器管または消化器管)内において、ステントを軸面に対するいずれかの方向に方向付けることができる。
【0102】
図17は、アワーグラス形状の支持構造構成の斜視図である。この構成において、中間旋回点15’’−1、15’’−7および15’’−9(ウエスト)の周囲の円周は、ステント10’’のいずれかの端部における円周よりも小さい。図示のように、アワーグラス形状の支持構造10’’は、支柱部材11’’の数を6個まで低減し、先行する実施形態よりも支柱部材11’’を短くすることにより、達成される。このような短尺化の結果、支柱部材11’’ごとのオリフィス13’’の数が低減する。支柱の数およびジオメトリに起因して、各支柱部材11’’は、点19’’において長手方向面に沿って捻じれを含む。この捻じれにより、接合された支柱15’’−3間において同一平面上の界面が得られる。
【0103】
アワーグラス型ステント構成は、凹状または凸状曲率を個々の棒11’’内に付加することによっても得ることができる。この曲率は、材料の特性であり得る(例えば、形状記憶または熱感受性ニチノール)。曲率は、圧縮されたステント状態においては不在であり得、ステントが拡張状態であるときに発生する。
【0104】
上記した支持構造のいずれも、ステント点のいずれかまたは双方の端部においてアンカー接合部を超えて延びることが可能であるに留意されたい。一連のステントを端部同士を繋げる様態で接続することにより、さらなるステント長さおよびジオメトリを作製することができる。詳細には、アワーグラス形状のステントは、幅狭端部において2つの円錐形ステントを接合することにより、達成することができる。アワーグラス型形状は、
図14に示すように中間剪刀旋回部を中心から外して組み立てることにより、変更することも可能である。
【0105】
図18Aおよび
図18Bは、連接型管状構造1800の別の実施形態を示す。も構造1800の内側支柱1802および外側支柱1804のうち少なくと1つは、支柱1802および1804の端部連接部1806および1808を超えて延びる。
図18Bに示すように、構造1800が座屈状態になった場合、支柱1802および1804は、概して直線型構成となり、(構造1800の長手方向軸に対して)若干オフセットしかつ概して長手方向の方向を含む。
図18Aに示す拡張状態において、支柱1802および1804の中間セグメント1810および1812は、アーチ形構成(例えば、らせんの一部)をとり、構造1800の長手方向軸に対して鋭角をとる。
図18A(および
図1)に示すように、拡張状態においては、外側支柱1816はそれぞれ、構造1800の長手方向軸を横断する構造外周に対して同一の角度付けされた方向を主に含む。一方、内側支柱1814はそれぞれ、外周に対して反対方向に角度付けされた方向を含む。しかし、支柱1802および1804の端部セグメント1814および1816は端部連接部1806および1808の一端のみにおいて支持されているため、概して直線型構成となり、隣接する中間セグメント1810および1812に対して接線角度方向となる。端部セグメント1814および1816は、構造1800の中間外周よりも大きな(例えば、放物型形状の)第1の外周および第2の外周に対して全体的に構造1800を提供することができる。第1の外周および第2の外周と、中間外周との間の相対的なサイズ差は、端部セグメント1814および1816の長さならびに構造1800へ提供される拡張レベルによって影響を受け得るため、より小さな拡張レベルと、より大きなサイズ差(例えば、より顕著な放物型形状とより円筒型の形状)との間のサイズ差は、拡張レベルが高くなるほど相対的に小さくなる。
【0106】
図19Aおよび
図19Bに示す別の実施形態において、連接型構造1900は、内側弓形支柱1902および/または外側弓形支柱1904のいずれかをさらに含み得る。例示目的のため、選択された支柱1902および1904のみを構造1900上に示しているが、構造1900上の各利用可能な位置まで複数の各種類の弓形支柱1902および1904が企図される。各弓形支柱1902および1904は、各第1の端部1914および1916において内側支柱1910または外側支柱1912へ取り付けられた第1の端部1906および1908と、対向する各端部1926および1928において異なる内側または外側支柱1922および1924へ取り付けられた第2の端部1918および1920とを含む。典型的には、異なる内側または外側支柱1922および1924は、元々の支柱1910および1912に直接隣接する(ただし、必ずしも常にそうではない)。あるいは、弓形支柱を異なる支柱1922および1924の対向する端部1926および1928に取り付ける代わりに、弓形支柱を支柱1922および1924の中間位置または中間連接部へ取り付けてもよい(例を非限定的に挙げると、下記に述べる
図20中の多レベル連接型構造2000の中間連接部のうちいずれか)。
図19Bに図示のように、例示的な外側支柱1904は、構造1900が座屈状態にあるとき、概して直線型の構成を含む。しかし、
図19Aに示す拡張状態において、弓形支柱1902および1904の第1の端部1906および1908ならびに第2の端部1918および1920は共に近接するため、弓形支柱1902および1904はラジアル方向に内方または外方に弓状に曲がる。いくつかの改変例において、弓形支柱1902および1904を用いて、他の構造(図示せず)を内側弓形支柱1902および1904と主要な支柱1910、1912、1922および1924との間において円周方向に保持することができる。一例において、他方の構造は、管状バルーン、弾性シール、スカート、または細長の治療送達機構(例えば、電極、薬剤溶出または薬剤点滴)を含み得る。
【0107】
図20は、管状連接型構造2000を含む連接型構造の別の例を示す。管状連接型構造2000は、管状連接型構造2000を含む。管状連接型構造2000は、より長尺の支柱2002および2004を(端部連接部2012および2014に加えて)1つよりも多くの中間連接部2006、2008および2010と共に含む。これらのさらなるフィーチャにより、支柱2002および2004を配置して、2組以上のセル2016、2018および2020を異なる外周2022、2024および2026に沿ってアライメントして配置することができる。また、より長尺の構造2000が得られることに加えて、より長尺の支柱2002および2004の利用において少なくとも2組のセル2016および2018を形成した場合、(構造2000の支柱2002および2004に作用するさらなる機構または力が無くても)構造2000が自己拡張することが可能となるという驚くべきことが判明した。仮説に縛られることは望まないが、このような構造2000の固有の自己拡張性は、座屈状態において支柱2002および2004の全体的曲率レベルが高くなることによって得ることができる。座屈状態の結果、支柱2002および2004上に作用する応力およびひずみが高くなり、座屈状態の抵抗を十分に上回って、相対的に直線状となり拡張状態となり、その結果可能なエネルギーが低減する。さらに驚くべきことに、支柱が2つの中間連接部および2組のアライメントされたセル(それぞれは
図20に示す実施形態未満である)を含む構造の実施形態において、構造は本質的に安定した座屈状態を有し、正味の摩擦力は支柱の拡張力を超えるが、構造が座屈状態から若干拡張して、構造の正味の摩擦力が(例えば、内側支柱および外側支柱間の重複する表面積未満まで)の点まで較的低下した場合においても、構造においては少なくとも一定の自己拡張能力があった。これとは対照的に、
図1および
図3に示す実施形態は、どんなの構成(例えば、完全座屈、部分的座屈/拡張、および完全拡張)に配置されても、本質的に安定するように構成される。
【0108】
図21は、連接型構造2100の別の実施形態の模式図である。連接型構造2100は、1組のラジアル支柱2102を含む。外側端部2104は内側支柱へ接続されかつ/または外側支柱2106および内側端部2106が他方の内側端部2106へ接続される。
図21においては、1組のラジアル支柱が構造2100の一端に配置された様子を示しているが、他の実施形態において、第2の1組の支柱を構造の他端に設けてもよい。ラジアル支柱2102は、構成に応じて、内側支柱および/または外側支柱2106へラジアル拡張力を付与してもよいし、付与しなくてもよい。
図22Aにおいて、内側端部2106は共にリジッド固定され、内側端部2106が直線状になろうとする際、より高い拡張力が付加され得る。
図22A中の端部2106をアライメントされた端部2106上のアパチャ2108共に図示しているが、もちろん、アパチャ無しまたはアライメントされたアパチャ無しで端部2共にリジッド固定することも可能である。さらに、
図22Aは、各ラジアル支柱が単一のピンまたは取り付け構造へ取り付けられた様子を示すが、他の改変例において、複数のピンまたは取り付け構造を用いてもよい(例えば、複数対のラジアル支柱またはラジアル支柱群のうち一部を固有のピンまたは取り付け構造に取り付けることができる)。これとは対照的に、
図22Bにおいて、ゆるく固定された端部2106を可撓性または硬質ループまたはリング2110をアパチャ2108において用いて行うことにより、少なくとも一定のチルト、旋回または応力軽減が可能となり、これにより、ラジアル支柱から任意の有意な拡張力が付与されなくなる。
【0109】
いくつかの実施形態において、2組のラジアル支柱を含む構造を用いて、組織の無線周波数またはヒータープローブ焼灼を行うことができる。さらなる実施形態において、キャビティまたは管状の身体構造中の組織の円周焼灼が可能となるように、構造を構成することができる。構造サイズおよびラジアル拡張レベルまたはラジアル座屈への抵抗に応じて、焼灼構造を(内側および外側内腔および/またはラジアル支柱の固有の機械的特性を介して座屈に抵抗することによりキャビティまたは内腔内への侵入に有意に抵抗しつつ)キャビティまたは内腔の開口部を焼灼するように選択することができる。このような焼灼デバイスは、例えば、不整脈治療のための肺静脈の周囲の焼灼または高血圧治療のための腎臓動脈周囲の焼灼に用いることができる。
【0110】
1組または2組のラジアル支柱を含む構造は、多様な機構のうち任意のものを用いて展開させることができる。
図23中において、例えば、各1組のラジアル支柱2302および2304は、別個の展開構造2306および2308と連接する。これらの展開構造2306および2308は、展開構造2306および2308が可撓性または硬質であるかに応じて、展開構造2306および2308の牽引および/または押圧により展開可能なように構成される。
図24に示す構造2400のような他の例において、双方の組のラジアル支柱2402および2404を共通の展開構造またはアセンブリ2406へ取り付けることができる。この場合、支柱2402および204の取り付け部のうち少なくとも1つまたは双方を長手方向に変位させることにより、構造2400の拡張および/または座屈を発生させる。いくつかのさらなる改変例において、共通の展開構造またはアセンブリ2406は、フックまたは他の突起を含むカテーテルを含み得る。これらのフックまたは他の突起は、ラジアル支柱のアパチャを解放可能に保持するように構成される。
【0111】
図25A〜25Cに示す別の実施形態において、連接型構造は、円筒近位領域2510および閉鎖遠位領域2520を含み得る。図示のように、支持構造2500はスプリントデバイスであり、複数のらせん状の支柱部材2511と、複数の曲線状支柱部材2519とを含む。らせん状の支柱部材2511は、複数の旋回またはスイベル接合部によって相互接続されて、中央ルーメン2550を有する円筒構造を形成する。曲線状の支柱部材2519は、1つ以上の旋回接合部によって相互接続されて、テーパー形状を形成する。このテーパー形状は、円筒構造の遠位端部へと接続されて、閉鎖端部を形成する。これらの旋回接合部により、相互接続された支柱部材2511および2519が相互に回転することが可能になる。図示のように、らせん状の支柱部材2511が12個と、曲線状支柱部材2519が6個ある。しかし、他の改変例において、他の数の支柱部材が設けられる。
【0112】
旋回またはスイベル接合部を、アライメントされたオリフィスを通じて延びた回転可能な旋回締め具(例えば、リベット)によって相互接続させることができる。アライメントされたオリフィスは、支柱回転軸の横断面に対する支柱部材のチルトを可能なようにさらに構成され得る。他の回転可能締め具も利用可能である(例えば、ねじ、ボルト、ボルトインソケット構造、ネイルまたはアイレット)、また、締め具を支柱2511および2519内に一体形成してもよい(例えば、オリフィス凹みと相互作用するピーニングされた半球または雄雌接続)ことが理解されるべきである。
【0113】
支柱部材2511および2519は、硬質または半硬質の生体適合性の材料から作製され得る(例えば、プラスチックまたは他のポリマーおよび合金(例えば、ステンレススチール、タンタル、チタン、ニッケル−チタン(例えば、ニチノール)、およびコバルトクロム(例えば、ELGILOY))。各支柱の寸法は、所望の用途に応じて選択することができる。特定の実施形態において、各支柱部材は、厚さ0.005〜0.020インチのステンレススチールから作製される。より詳細には、各らせん状の支柱2511は、厚さ0.010インチの300シリーズのステンレススチールであり、各曲線状の支柱2519は、厚さ0.005インチの300シリーズのステンレススチールである。支柱2511および2519が全て均一の厚さのものとして図示しているが、支柱の厚さは各支柱によって異なってもよい(例えば、支柱長さに沿った厚さの漸進的増減)。さらに、同一の支持構造内において個々の支柱の厚さをその他の他の個々の支柱と異ならせてもよい。
【0114】
図示のように、各支柱部材2511および2519は、前面2511fおよび2519fそれぞれと、裏面2511bおよび2519bそれぞれとを含む。特定の実施形態において、各支柱部材の幅は、0.010〜0.250インチであり得る。より詳細には、各らせん状の支柱2511の幅は0.050インチであり、各曲線状支柱2519の幅は0.020インチである。しかし、支柱部材は異なるジオメトリにしてもよい。例えば、均一の幅の代わりに、支柱の幅を長さによって変化させてもよい。さらに、個々の支柱は、同一支持構造内において別の支柱と異なる幅を有してもよい。同様に、同一支持構造において支柱長さを支柱間において異ならせてもよい。特定の実施形態において、各らせん状の支柱2511は長さ3〜10インチであり、各曲線状支柱2519は長さ1.5〜5インチである。より詳細には各らせん状の支柱は長さ5インチであり得、各曲線状支柱は長さ2インチである。特定の寸法を、意図される用途に応じて選択することができる。
【0115】
支柱の形状は、変化し得る。支柱の非平坦性または平坦性あるいは直線性レベルは、支柱を構成する材料の特性であり得る。例えば、支柱は、多様な状態において形状の形状記憶変化または熱応答性変化を示し得る。このような状態は、圧縮構成または拡張構成におけるステントによって規定され得る。
【0116】
さらに、支柱部材2511および2519は、平滑な表面テクスチャまたは荒い表面テクスチャを持ち得る。詳細には、陥凹表面により、支柱において引っ張り強さが得られる。
【0117】
特定の場合において、構造は、相互に積層された複数の部材である支柱を含み得る。同一構造内において、いくつかの支柱は、多層構成において相互に積層された長細部材を含み得、他の支柱は、単一厚さの部材によって構成された単一層であり得る。単一の支柱内において、部材の単一層および多層の領域があり得る。
【0118】
いくつかの場合において、支柱部材は、支柱部材の長さに沿って間隔を空けて配置された複数のオリフィス2513を含み得る。前面上において、オリフィスを皿頭状にすることにより、締め具頭部を受容することができる。特定の実施形態において、均等間隔を空けて配置された6個のオリフィス2513が各曲線状支柱部材2519の長さに沿って設けられているが、より多数またはより少数のオリフィスも利用可能である。これらのオリフィス2513が支柱部材2519に沿って均一の直径および均一の間隔である様子が図示されているが、上記条件はいずれも必須ではない。らせん状の支柱部材2511上に図示されているオリフィスは無いが、らせん状の支柱部材2511は、長さに沿ってオリフィス2513または凹部を持ち得る。
【0119】
らせん状の支柱部材2511は、円筒形状2510内には配置され得、曲線状支柱部材2519は、テーパー形状2520内に配置されえる。テーパー形状2520の近位端部を円筒形状2510の遠位端部へスイベル可能に接続することにより、構造2500の閉鎖遠位端部が得られる。他の改変例において、構造2500は、開口した遠位端部を持ち得る。他の改変例において、支柱は、円筒形状2510と曲線状形状2520とのああ間において連続し得る。
【0120】
構造2500は、身体の一部のためのスプリントデバイスとして機能するように構成され得る。詳細には、スプリントデバイス2500は、陰茎周囲に配置されるように構成され得る。他の改変例において、スプリントデバイスは、身体の他の部分(例えば、腕、脚、指またはつま先)の周囲に配置されるように構成され得る。
【0121】
図25A〜
図25Cに示すように、円筒形状2510は、右側および左側のらせん状の支柱部材2511を含む。各右側支柱部材2511aは、外側支柱部材であり得る。各左側らせん状の支柱部材2511bは、内側支柱部材であり得る。各外側の右側の個々の支柱部材2511aは、個々の内側の左側柱部材2511bの支柱部材へ回転可能に接続され得、裏側は相互に方向付けられる。
【0122】
詳細には、各外側の右側支柱部材2511aは、遠位アンカーピン接合部2515および近位アンカーピン接合部2935により、内側の左側支柱部材2511bへ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515は、支柱部材2511aおよび2511bの遠位端部の近隣に設けられ、近位アンカーピン接合部2935は、支柱部材2511aおよび2511bの近位端部の近隣に設けられる。各外側の右側支柱部材2511aはまた、5つの残りの内側の左側支柱部材2511bそれぞれに剪刀ピン接合部2955を介して回転可能に接続してもよい。
【0123】
より詳細には、外側の右側支柱部材2511a−1は、遠位アンカーピン接合部2515−1により内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515−1は、支柱部材2511a−1および2511b−1の遠位端部の近隣に設けられる。外側の右側支柱部材2511a−1も、近位アンカーピン接合部2535−1により、内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。近位アンカーピン接合部2535−1は、支柱部材2511a−1および2511b−1の遠位端部の近隣に設けられる。
【0124】
加えて、ピン接合部2515−1の近位において、外側の右側支柱部材2511a−1は、剪刀ピン接合部2955を介して内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−6との接続部の近位において、支柱部材2511a−1は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−5との接続部の近位において、支柱部材2511a−1は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−4との接続部の近位において、支柱部材2511a−1は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−3との接続部の近位において、支柱部材2511a−1は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−1および2511b−2間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2935−1が設けられ得る。
【0125】
加えて、ピン接合部2515−1の近位において、内側の左側支柱部材2511b−1が剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−2との接続部の近位において、支柱部材2511b−1は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材291la−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−3との接続部の近位において、支柱部材2511b−1は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−4との接続部の近位において、支柱部材2511b−1は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−5との接続部の近位において、支柱部材2511b−1は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−1および2511a−6間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2935−1が設けられる。
【0126】
類似のパターンの連接部が、残りの外側の右側支柱部材2511aと内側の左側支柱部材2511bとの間に存在する。より詳細には、外側の右側支柱部材2511a−2は、遠位アンカーピン接合部2515−2により、内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515−2は、支柱部材2511a−2および2511b−2の遠位端部の近隣に設けられる。外側の右側支柱部材2511a−2も、近位アンカーピン接合部2935−2により、内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。近位アンカーピン接合部2935−2は、支柱部材2511a−2および2511b−2の遠位端部の近隣に設けられる。
【0127】
加えて、ピン接合部2515−2の近位において、外側の右側支柱部材2511a−2は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−1との接続部の近位において、支柱部材2511a−2は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−6との接続部の近位において、支柱部材2511a−2は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−5との接続部の近位において、支柱部材2511a−2は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−4との接続部の近位において、支柱部材2511a−2は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−2および2511b−3間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−2が設けられ得る。
【0128】
加えて、ピン接合部2515−2の近位において、内側の左側支柱部材2511b−2は、剪刀ピン接合部2955を介して外側の右側支柱部材2511a−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−3との接続部の近位において、支柱部材2511b−2は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−4との接続部の近位において、支柱部材2511b−2は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−5との接続部の近位において、支柱部材2511b−2は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−6との接続部の近位において、支柱部材2511b−2は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−2および2511a−1間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−2が設けられ得る。
【0129】
外側の右側支柱部材2511a−3は、遠位アンカーピン接合部2515−3により、内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515−3は、支柱部材2511a−3および2511b−3の遠位端部の近隣に配置される。外側の右側支柱部材2511a−3は、近位アンカーピン接合部2535−3により、内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。近位アンカーピン接合部2535−3は、支柱部材2511a−3および2511b−3の遠位端部の近隣に配置される。
【0130】
加えて、ピン接合部2515−3の近位において、外側の右側支柱部材2511a−3は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−2との接続部の近位において、支柱部材2511a−3は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−1との接続部の近位において、支柱部材2511a−3は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−6との接続部の近位において、支柱部材2511a−3は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−5との接続部の近位において、支柱部材2511a−3は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−3および2511b−4間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2935−3が設けられ得る。
【0131】
加えて、ピン接合部2515−3の近位において、内側の左側支柱部材2511b−3は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−4との接続部の近位において、支柱部材2511b−3は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−5との接続部の近位において、支柱部材2511b−3は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−6との接続部の近位において、支柱部材2511b−3は、剪刀ピン接合部2955を介して外側の右側支柱部材2511a−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−1との接続部の近位において、支柱部材2511b−3は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−3および2511a−2間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−3が設けられ得る。
【0132】
外側の右側支柱部材2511a−4は、遠位アンカーピン接合部2515−4により、内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515−4は、支柱部材2511a−4および2511b−4の遠位端部の近隣に配置される。外側の右側支柱部材2511a−4は、近位アンカーピン接合部2535−4により、内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。近位アンカーピン接合部2535−4は、支柱部材2511a−4および2511b−4の遠位端部の近隣に配置される。
【0133】
加えて、ピン接合部2515−4の近位において、外側の右側支柱部材2511a−4は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−3との接続部の近位において、支柱部材2511a−4は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−2との接続部の近位において、支柱部材2511a−4は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−1との接続部の近位において、支柱部材2511a−4は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−6との接続部の近位において、支柱部材2511a−4は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−4および2511b−5間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2935−4が設けられ得る。
【0134】
加えて、ピン接合部2515−4の近位において、内側の左側支柱部材2511b−4は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−5へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−5との接続部の近位において、支柱部材2511b−4は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−6との接続部の近位において、支柱部材2511b−4は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−1との接続部の近位において、支柱部材2511b−4は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−2との接続部の近位において、支柱部材2511b−4は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−4および2511a−3間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−4が設けられ得る。
【0135】
外側の右側支柱部材2511a−5は、遠位アンカーピン接合部2515−5により、内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。遠位アンカーピン接合部2515−5は、支柱部材2511a−5および2511b−5の遠位端部の近隣に配置される。外側の右側支柱部材2511a−5はまた、近位アンカーピン接合部2535−5により、内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続され得る。近位アンカーピン接合部2535−5は、支柱部材2511a−5および2511b−5の遠位端部の近隣に配置される。
【0136】
加えて、ピン接合部2515−5の近位において、外側の右側支柱部材2511a−5は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−4との接続部の近位において、支柱部材2511a−5は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−3との接続部の近位において、支柱部材2511a−5は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−2との接続部の近位において、支柱部材2511a−5は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−1との接続部の近位において、支柱部材2511a−5は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−5および2511b−6間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−5が設けられ得る。
【0137】
加えて、ピン接合部2515−5の近位において、内側の左側支柱部材2511b−5は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−6へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−6との接続部の近位において、支柱部材2511b−5は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−1へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−1との接続部の近位において、支柱部材2511b−5は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−2へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−2との接続部の近位において、支柱部材2511b−5は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−3へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511a−3との接続部の近位において、支柱部材2511b−5は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−4へ回転可能に接続され得る。支柱部材2511b−5および2511a−4間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2935−5が設けられ得る。
【0138】
外側の右側支柱部材2511a−6は、遠位アンカーピン接合部2515−6により、内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続される。遠位アンカーピン接合部2515−6は、支柱部材2511a−6および2511b−6の遠位端部の近隣に配置される。外側の右側支柱部材2511a−6はまた、近位アンカーピン接合部2535−6により、内側の左側支柱部材2511b−6へ回転可能に接続される。近位アンカーピン接合部2535−6は、支柱部材2511a−6および2911b−6の遠位端部の近隣に配置される。
【0139】
加えて、ピン接合部2515−6の近位において、外側の右側支柱部材2511a−6は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−5へ回転可能に接続される。支柱部材2511b−5との接続部の近位において、支柱部材2511a−6は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−4へ回転可能に接続される。支柱部材2511b−4との接続部の近位において、支柱部材2511a−6は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−3へ回転可能に接続される。支柱部材2511b−3との接続部の近位において、支柱部材2511a−6は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−2へ回転可能に接続される。支柱部材2511b−2との接続部の近位において、支柱部材2511a−6は、剪刀ピン接合部2555を介して内側の左側支柱部材2511b−1へ回転可能に接続される。支柱部材2511a−6および2511b−1間との接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−6が設けられる。
【0140】
加えて、ピン接合部2515−6において近位、内側の左側支柱部材2511b−6は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−1へ回転可能に接続される。支柱部材2511a−1との接続部の近位において、支柱部材2511b−6は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−2へ回転可能に接続される。支柱部材2511a−2との接続部の近位において、支柱部材2511b−6は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−3へ回転可能に接続される。支柱部材2511a−3との接続部の近位において、支柱部材2511b−6は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−4へ回転可能に接続される。支柱部材2511a−4との接続部の近位において、支柱部材2511b−6は、剪刀ピン接合部2555を介して外側の右側支柱部材2511a−5へ回転可能に接続される。支柱部材2511b−6および2511a−5間の接続部の近位において、近位アンカーピン接合部2535−6が設けられる。
【0141】
曲線状支柱部材2519は、閉鎖テーパー遠位領域2520を形成するように配置される。6個の曲線状支柱部材2519は、遠位端部において旋回接合部2565によって回転可能旋回締結具(例えば、リベット)を用いて相互接続される。他の回転可能締め具も利用可能である(例えば、ねじ、ボルト、ボルトインソケット構造、ネイルまたはアイレット)、また、締め具を支柱2519中に一体形成することができる(例えば、凹みまたはオリフィスと相互作用するピーニングされた半球または雄雌接続)ことが理解されるべきである。各曲線状支柱部材2519は、2つの相互接続されたらせん状の支柱2511の遠位端部の近位端部において接続され得る。テーパー遠位領域2520はまた、他の数の曲線状支柱部材を含み得ることが理解されるべきである。1つの改変例において、テーパー遠位領域は、6個の曲線状支柱部材を含み得る。各曲線状支柱部材は、両端において円筒領域2520の遠位端部へ接続され、6個の曲線状支柱部材は、各曲線状支柱部材の長さを二等分する旋回接合部により相互接続される。
【0142】
他の実施形態において、
図25A〜
図25Cのデバイスは、デバイス2500の円筒領域2510の近位部のみを含むように改変することができ、これにより、
図26に示すように円筒形状および中央ルーメン2650を有するリング構造2600が得られる。図示のように、リング構造2600は、6個の右側の外側らせん状の支柱部材2611aと、6個の左側の内側らせん状の支柱部材2611bとを持ち得るが、他の改変例において、他にも4個、5個、7個、8個、9個、10個以上の各らせん状の支柱部材が設けられ得る。各右側のらせん状の支柱部材2611aは、遠位端部においてアンカー旋回接合部2615において左側のらせん状の支柱部材2611bへ回転可能に接続され得る。各右側のらせん状の支柱部材2611aは、近位端部において別の左側のらせん状の支柱部材2611bへアンカー旋回接合部2635において回転可能に接続され得る。アンカー旋回接合部2615および2635間において、各右側のらせん状の支柱部材2611aは、3つの旋回接合部2655において3つの左側のらせん状の支柱部材2611bへ回転可能に接続され得る。アンカー旋回接合部2615および2635間において、各左側のらせん状の支柱部材2611bは、3つの右側のらせん状の支柱部材に対する3つの旋回接合部2655へ回転可能に接続され得る。
【0143】
図26はまた、らせん状の支柱部材2611が支柱部材2611の長さに沿って間隔を空けて配置された複数のオリフィス2613を含む改変例を示す。前面上において、オリフィスを皿頭状にすることにより、締め具頭部を受容することができる。
図26中の改変例において、均等間隔を空けて配置された10個のオリフィス2613が各曲線状支柱部材2611の長さに沿って設けられているが、より多数またはより少数のオリフィスも利用可能である。オリフィス2613を支柱部材2611に沿って均一の直径および均一の間隔のものとして図示しているが、上記条件はいずれも必須ではない。2つの開口オリフィス2613を各旋回接合部間に各支柱部材2611の長さに沿って設けているが、接合部間により多数またはより少数のオリフィスを設けることが可能である。
【0144】
リンク機構を作動させてリンクを開閉させることにより、スプリント構造2500およびリング構造2600を拡張または圧縮させることができる。構造2500および2600は、可逆的に拡張および圧縮させることができる。構造2500の近位領域2510および閉鎖テーパー領域2520は、リンク機構を一領域内において作動させることにより、全体構造2500が拡張または圧縮されるように、接続される。構造2500および2600は、軸方向に座屈し得、その後、陰茎または他の身体部分上へ配置できるように拡張することができる。構造2500および2600の直径は、意図される用途に応じて選択することができる。陰茎上の配置のための特定の実施形態において、1つの改変例において、直径は、1〜2インチであり得る。より詳細には、直径は、1.5インチであり得る。
【0145】
図25A〜
図25Cおよび
図26に示すように、スプリントデバイス2500およびリング構造2600は、ポリマーコーティング2530を含み得る。図示のように、ポリマーはラテックスであるが、他の実施形態において他のポリマー(例えば、ビニール)であってもよい。
図25A〜
図25Cおよび
図26に示すようなポリマーコーティングは、構造2500および2600の内側および外側に設けられ得る。他の実施形態において、このポリマーコーティングは、外面または内面のみに設けられ得る。構造2500および2600と接触する組織を保護する機能に加えて、ポリマーコーティング2530は、構造2500および2600が座屈状態にあるときに力を付加して構造2500および2600を拡張させることにより、構造2500および2600を自己拡張させることもできる。他の例において、織物カバーまたは編組カバーを各支柱またはアグリゲート中のスプリントデバイス2500上に設けることができ、PTFEまたはePTFE、ポリエステル、ポリエチレン、混合物、コポリマーおよびそのブロックコポリマーなどの材料を含み得る。
【0146】
スプリントデバイス2500はまた、圧縮要素2540を含み得る。
図25B〜
図25Cは、スプリントデバイス2500上に配置されたコンドームの形態をした圧縮要素2540を示す。圧縮要素2540は、ラジアル方向に内方の圧迫を生成し得る。陰茎上へ配置する場合、この圧迫により、陰茎からの血液流動を低減することにより、陰茎内の血液をより大量に維持することが可能になる。圧縮要素2540は、他の形態もとり得る(例えば、弾性リング)。リング構造2600は、ラジアル方向に内方の圧迫を生成する圧縮要素2640を同様に含み得ることが認識されるべきである。圧縮要素2640は、コンドーム、弾性リングまたは他の形態であり得る。
【0147】
本発明の特定の実施形態により、従来技術に比して顕著な利点が得られる(例えば、構造および用途)。以下に特定の利点について概要を述べるが、さらなる利点もあり得るため、この概要は必ずしも完全なリストではない。
【0148】
このデバイスにより、ユーザは、経皮的な心臓弁移植時において発生し得る深刻な合併症に注意を向けることができる。デバイスは体内への移植時において取り出し可能かつ再配置可能であるため、外科医は、移植時における弁位置異常または移動に起因する深刻な合併症を回避することができる。これらの合併症の例を挙げると、冠動脈の閉塞、大量の弁傍漏出または不整脈がある。
【0149】
また、デバイスの挿入外形が肉薄であるため、このデバイスは、血管アクセス合併症を低減することもできる。デバイスはこのように薄型である理由の1つとして、独自のジオメトリがあり、その結果、ステント圧縮時においてステント内の隣接する支柱が重複することができる。バルーンまたはシースを不要にすることにより、デバイスの薄型形状がさらに強化される。デバイスの肉薄の外形により、患者体内における血管アクセス経路の選択肢を有利に増加させることができる。例えば、デバイスにより、胸壁を通じたより侵襲性の高いアプローチを以前受けていた患者中の脚内の動脈を通じて人工弁を送達することができる。よって、このデバイスは、血管アクセスが困難な大型デバイスを患者体内において用いることに関連する合併症を低減することを目的とする。
【0150】
生体弁の実施形態により、小葉を可撓性の交連支柱へ取り付けることにより、耐久性の向上が可能になる。可撓性の支柱により、心臓周期に起因して小葉に付加される応力およびひずみを分散させることが可能になる。多層支柱を用いることにより、小葉を支柱間に挟むことが可能になり、その結果、小葉取り付けが補強され、縫合の破断が回避される。この弁は、所望の小葉形態をさらにとるため、小葉上への応力およびひずみがさらに低減される。すなわち、ステントへ小葉を角度付けされた様態で取り付けることは、ネーティブの人体の大動脈弁の小葉間三角部パターンに類似する。これらの特性により、経皮心臓弁置換治療の寿命が大幅に向上する。
【0151】
このデバイスは、ステントの漸進的拡張または圧縮に起因する不整脈の合併症を低減または排除することができる。ステントは、展開のためにねじ機構を用いることが可能であるため、ステントを全ての半径において自己ロックまたは自己ロック解除することができる。その結果、展開をより制御することができ、また、各患者内のデバイスの拡張または圧縮の個別化の可能性も得られる。手術時の任意の段階においてデバイスの拡張または圧縮を逆行することが可能であるため、外科医は、デバイス拡張を容易に逆行することができ、これにより不整脈を軽減することができる。加えて、移植時に不整脈が検出された場合、デバイスを再配置することが可能であるため、問題がさらに排除される。
【0152】
本デバイスは、デバイスの配置および再配置を必要に応じて高精度に行うことが可能であるため、弁傍漏洩を低減または排除することができる。その結果、弁傍漏洩の発生および重篤度を大幅に低減することができる。
【0153】
本デバイスは、バルーンに関連する合併症を排除する。展開のねじ機構において、ねじの機械的利点が利用される。その結果、ステントを強制的に拡張させることが可能になる。ステントの剪刀リンク機構中の支柱の旋回によって発生されるレバーアームにより、さらなる拡張力がステントへ伝達される。ステントを拡張させる際にバルーンは不要である。加えて、デバイスを強制的に拡張させることが可能であるため、患者内における移植手術時における事前バルーンまたは事後バルーンの必要が低減または排除される。
【0154】
本デバイスの場合、体内における位置決めがより予測可能かつ高精度に行われる。なぜならば、圧縮位置と拡張位置との間のステント高さの差が小さいからである。このような「短縮の低減」により、外科医がデバイスを体内の所望の位置に位置決めする作業が支援される。体内においてデバイスを再配置することが可能であるため、デバイスを各個人内に高精度に位置決めする能力もさらに得られる。
【0155】
機械的利点に加えて、本デバイスにより、弁置換のためのより侵襲性の低い手段を用いることにより、より多数の患者を治療することが可能になる。例えば、デバイスにより、外科的な開胸弁置換の候補ではない合併症患者に対し、治療の選択肢を提供することが可能になる。また、デバイスは肉薄の外形をとることが可能であるため、血管アクセスが悪いこと(例えば、蛇行、石灰化または細い動脈)に起因して治療を受けることができなかった患者にも、治療の選択肢を提供することが可能になる。弁の耐久性により、外科的開胸弁置換の候補とならなければ健康を得られなかった患者にも、侵襲性の低い手術の利用を広げることができる。また、デバイスを強制的に完全拡張させるかまたはアワーグラス型または円錐形状をとることが可能であるため、大動脈不全および大動脈狭窄と診断された患者への治療用途にも、デバイスを利用することができる。
【0156】
また、本デバイスは、以前の移植におけるプロテーゼの変性の患者に対しても、「バルブインバルブ」手術の提供により、侵襲性の低い治療を提供することができる。本デバイスは、患者の変性プロテーゼを除去することなく、不全弁の内部に高精度に位置決めすることができる。そのため、手術の「やり直し」および関連する危険性無く機能的弁置換を提供することにより、患者を支援することができる。
【0157】
本発明について特定の実施形態を参照しつつ詳細に図示および記載してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に含まれる発明の範囲から逸脱することなく、実施形態の形態および詳細において多様な変更が可能であることを理解する。本明細書中に開示される方法において、ステップは連続して行う必要はない。本明細書中の各実施形態中に記載されるフィーチャは、本明細書中の他の実施形態において用いられるように適合され得る。