(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クロスヘッドの進退方向から見たときに、前記トグルサポート腕部は、前記クロスヘッドの外周部に接触することにより、前記クロスヘッドを支持してガイドする、請求項1に記載の射出成形機。
前記トグル機構は、第1方向に進退する前記クロスヘッドと、前記第1方向に対し垂直な第2方向に間隔をおいて設けられる一対の前記リンク群とを有する、請求項1または2に記載の射出成形機。
前記第1方向から見たときに、前記クロスヘッドの中心を通り且つ前記第2方向に延びる直線を中心として線対称に、前記トグルサポート腕部が前記クロスヘッドに接触する、請求項3に記載の射出成形機。
前記第1方向から見たときに、前記クロスヘッドの中心を通り且つ前記第1方向および前記第2方向に対し垂直な第3方向に延びる直線を中心として線対称に、前記トグルサポート腕部が前記クロスヘッドに接触する、請求項3または4に記載の射出成形機。
前記トグルサポート腕部は、前記第1方向および前記第2方向に対し垂直な第3方向への、前記トグルサポート腕部からの前記クロスヘッドの抜けを防止する抜け止め部を含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の射出成形機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。各図面において、Z方向(第1方向)、Y方向(第2方向)、X方向(第3方向)は互いに垂直な方向である。Z方向はクロスヘッド151の進退方向であり、X方向は射出成形機の幅方向である。型締装置が横型である場合、Z方向およびX方向が水平方向、Y方向が上下方向(鉛直方向)である。
【0010】
(射出成形機)
図1は、一実施形態による射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。
図2は、一実施形態による射出成形機の型締時の状態を示す図である。
図1〜
図2に示すように、射出成形機は、型締装置100と、エジェクタ装置200と、射出装置300と、移動装置400と、制御装置700と、フレームFrとを有する。以下、射出成形機の各構成要素について説明する。
【0011】
(型締装置)
型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(
図1および
図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(
図1および
図2中左方向)を後方として説明する。
【0012】
型締装置100は、金型装置10の型閉、型締、型開を行う。型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定プラテン110、可動プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、および型厚調整機構180を有する。
【0013】
固定プラテン110は、フレームFrに対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型11が取付けられる。
【0014】
可動プラテン120は、フレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされる。フレームFr上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型12が取付けられる。
【0015】
固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、型閉、型締、型開が行われる。固定金型11と可動金型12とで金型装置10が構成される。
【0016】
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて連結され、フレームFr上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、トグルサポート130は、フレームFr上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
【0017】
尚、本実施形態では、固定プラテン110がフレームFrに対し固定され、トグルサポート130がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされるが、トグルサポート130がフレームFrに対し固定され、固定プラテン110がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされてもよい。
【0018】
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。各タイバー140は、型開閉方向に平行とされ、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
【0019】
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
【0020】
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配設され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群などで構成される。各リンク群は、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152および第2リンク153を有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられ、第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152および第2リンク153が屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
【0021】
尚、トグル機構150の構成は、
図1および
図2に示す構成に限定されない。例えば
図1および
図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
【0022】
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152および第2リンク153を屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されてもよい。
【0023】
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸171と、ねじ軸171に螺合するねじナット172とを含む。ねじ軸171と、ねじナット172との間には、ボールまたはローラが介在してよい。
【0024】
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、型締工程、型開工程などを行う。
【0025】
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型12を固定金型11にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、およびクロスヘッド151の速度を検出するクロスヘッド速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテン120の速度を検出する可動プラテン速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0026】
型締工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。型締時に可動金型12と固定金型11との間にキャビティ空間14(
図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間14に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。キャビティ空間14の数は複数でもよく、その場合、複数の成形品が同時に得られる。
【0027】
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定速度で型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型12を固定金型11から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型12から成形品を突き出す。
【0028】
型閉工程および型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程および型締工程におけるクロスヘッド151の速度や位置(型閉開始位置、速度切替位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、速度切替位置、型閉完了位置、および型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、速度が設定される。速度切替位置は、1つでもよいし、複数でもよい。速度切替位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、型開工程におけるクロスヘッド151の速度や位置(型開開始位置、速度切替位置、および型開完了位置を含む)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、速度切替位置、および型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、速度が設定される。速度切替位置は、1つでもよいし、複数でもよい。速度切替位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型締位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の速度や位置などの代わりに、可動プラテン120の速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
【0029】
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
【0030】
金型装置10の交換や金型装置10の温度変化などにより金型装置10の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型12が固定金型11にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
【0031】
型締装置100は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
【0032】
ねじ軸181およびねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転は、回転伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。尚、回転伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
【0033】
回転伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。尚、回転伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
【0034】
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させることで、ねじナット182を回転自在に保持するトグルサポート130の固定プラテン110に対する位置を調整し、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
【0035】
尚、本実施形態では、ねじナット182がトグルサポート130に対し回転自在に保持され、ねじ軸181が形成されるタイバー140が固定プラテン110に対し固定されるが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
例えば、ねじナット182が固定プラテン110に対し回転自在に保持され、タイバー140がトグルサポート130に対し固定されてもよい。この場合、ねじナット182を回転させることで、間隔Lを調整できる。
【0037】
また、ねじナット182がトグルサポート130に対し固定され、タイバー140が固定プラテン110に対し回転自在に保持されてもよい。この場合、タイバー140を回転させることで、間隔Lを調整できる。
【0038】
さらにまた、ねじナット182が固定プラテン110に対し固定され、タイバー140がトグルサポート130に対し回転自在に保持されてもよい。この場合、タイバー140を回転させることで間隔Lを調整できる。
【0039】
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。尚、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0040】
型厚調整機構180は、互いに螺合するねじ軸181とねじナット182の一方を回転させることで、間隔Lを調整する。複数の型厚調整機構180が用いられてもよく、複数の型厚調整モータ183が用いられてもよい。
【0041】
尚、本実施形態の型厚調整機構180は、間隔Lを調整するため、タイバー140に形成されるねじ軸181とねじ軸181に螺合されるねじナット182とを有するが、本発明はこれに限定されない。
【0042】
例えば、型厚調整機構180は、タイバー140の温度を調節するタイバー温調器を有してもよい。タイバー温調器は、各タイバー140に取付けられ、複数本のタイバー140の温度を連携して調整する。タイバー140の温度が高いほど、タイバー140は熱膨張によって長くなり、間隔Lが大きくなる。複数本のタイバー140の温度は独立に調整することも可能である。
【0043】
タイバー温調器は、例えばヒータなどの加熱器を含み、加熱によってタイバー140の温度を調節する。タイバー温調器は、水冷ジャケットなどの冷却器を含み、冷却によってタイバー140の温度を調節してもよい。タイバー温調器は、加熱器と冷却器の両方を含んでもよい。
【0044】
尚、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。竪型の型締装置は、下プラテン、上プラテン、トグルサポート、タイバー、トグル機構、および型締モータなどを有する。下プラテンと上プラテンのうち、いずれか一方が固定プラテン、残りの一方が可動プラテンとして用いられる。下プラテンには下金型が取付けられ、上プラテンには上金型が取付けられる。下金型と上金型とで金型装置が構成される。下金型は、ロータリーテーブルを介して下プラテンに取付けられてもよい。トグルサポートは、下プラテンの下方に配設され、タイバーを介して上プラテンと連結される。タイバーは、上プラテンとトグルサポートとを型開閉方向に間隔をおいて連結する。トグル機構は、トグルサポートと下プラテンとの間に配設され、可動プラテンを昇降させる。型締モータは、トグル機構を作動させる。型締装置が竪型である場合、タイバーの本数は通常3本である。尚、タイバーの本数は特に限定されない。
【0045】
尚、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
【0046】
(エジェクタ装置)
エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(
図1および
図2中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(
図1および
図2中左方向)を後方として説明する。
【0047】
エジェクタ装置200は、金型装置10から成形品を突き出す。エジェクタ装置200は、エジェクタモータ210、運動変換機構220、およびエジェクタロッド230などを有する。
【0048】
エジェクタモータ210は、可動プラテン120に取付けられる。エジェクタモータ210は、運動変換機構220に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構220に連結されてもよい。
【0049】
運動変換機構220は、エジェクタモータ210の回転運動をエジェクタロッド230の直線運動に変換する。運動変換機構220は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
【0050】
エジェクタロッド230は、可動プラテン120の貫通穴において進退自在とされる。エジェクタロッド230の前端部は、可動金型12の内部に進退自在に配設される可動部材15と接触する。エジェクタロッド230の前端部は、可動部材15と連結されていても、連結されていなくてもよい。
【0051】
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。
【0052】
突き出し工程では、エジェクタモータ210を駆動してエジェクタロッド230を設定速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、可動部材15を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータ210を駆動してエジェクタロッド230を設定速度で後退させ、可動部材15を元の待機位置まで後退させる。エジェクタロッド230の位置や速度は、例えばエジェクタモータエンコーダ211を用いて検出する。エジェクタモータエンコーダ211は、エジェクタモータ210の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、エジェクタロッド230の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド230の速度を検出するエジェクタロッド速度検出器は、エジェクタモータエンコーダ211に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0053】
(射出装置)
射出装置300の説明では、型締装置100の説明やエジェクタ装置200の説明とは異なり、充填時のスクリュ330の移動方向(
図1および
図2中左方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(
図1および
図2中右方向)を後方として説明する。
【0054】
射出装置300は、フレームFrに対し進退自在なスライドベース301に設置され、金型装置10に対し進退自在とされる。射出装置300は、金型装置10にタッチし、金型装置10内のキャビティ空間14に成形材料を充填する。射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360などを有する。
【0055】
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
【0056】
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(
図1および
図2中左右方向)に複数のゾーンに区分される。各ゾーンに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ゾーン毎に、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
【0057】
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置10に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
【0058】
スクリュ330は、シリンダ310内において回転自在に且つ進退自在に配設される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置10内に充填される。
【0059】
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
【0060】
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(
図2参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
【0061】
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(
図1参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
【0062】
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
【0063】
尚、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
【0064】
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
【0065】
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
【0066】
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される圧力を検出する。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する圧力を検出する。
【0067】
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
【0068】
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。
【0069】
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転数で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転数は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、スクリュ330の回転数を検出するスクリュ回転数検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0070】
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
【0071】
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置10内のキャビティ空間14に充填させる。スクリュ330の位置や速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切替(所謂、V/P切替)が行われる。V/P切替が行われる位置をV/P切替位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
【0072】
尚、充填工程においてスクリュ330の位置が設定位置に達した後、その設定位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切替が行われてもよい。V/P切替の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の速度を検出するスクリュ速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
【0073】
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置10に向けて押す。金型装置10内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。
【0074】
保圧工程では金型装置10内のキャビティ空間14の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間14の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間14からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間14内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮のため、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
【0075】
尚、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内にはスクリュが回転自在にまたは回転自在に且つ進退自在に配設され、射出シリンダ内にはプランジャが進退自在に配設される。
【0076】
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
【0077】
(移動装置)
移動装置400の説明では、射出装置300の説明と同様に、充填時のスクリュ330の移動方向(
図1および
図2中左方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(
図1および
図2中右方向)を後方として説明する。
【0078】
移動装置400は、金型装置10に対し射出装置300を進退させる。また、移動装置400は、金型装置10に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430などを含む。
【0079】
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切り替えることにより、第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
【0080】
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、制御装置700からの制御信号に応じた回転方向および回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
【0081】
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、およびピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
【0082】
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、射出装置300が前方に押される。射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型11に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
【0083】
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、射出装置300が後方に押される。射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型11から離間される。
【0084】
尚、本実施形態では移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
【0085】
(制御装置)
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、
図1〜
図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)701と、メモリなどの記憶媒体702と、入力インターフェース703と、出力インターフェース704とを有する。制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インターフェース703で外部からの信号を受信し、出力インターフェース704で外部に信号を送信する。
【0086】
制御装置700は、型閉工程や型締工程、型開工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。また、制御装置700は、型締工程の間に、計量工程や充填工程、保圧工程などを行う。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の開始から型締工程の終了までの間に行われる。型締工程の終了は型開工程の開始と一致する。尚、成形サイクル時間の短縮のため、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないためである。
【0087】
制御装置700は、操作装置750や表示装置760と接続されている。操作装置750は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。表示装置760は、制御装置700による制御下で、操作装置750における入力操作に応じた操作画面を表示する。
【0088】
操作画面は、射出成形機の設定などに用いられる。操作画面は、複数用意され、切り替えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置760で表示される操作画面を見ながら、操作装置750を操作することにより射出成形機の設定(設定値の入力を含む)などを行う。
【0089】
操作装置750および表示装置760は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。尚、本実施形態の操作装置750および表示装置760は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。
【0090】
(クロスヘッドおよびその周辺構造)
図3は、一実施形態による型締装置の要部を示す断面図であって、
図4のIII−III線に沿った断面図である。
図4は、
図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【0091】
トグルサポート130は、第2リンク153(
図1および
図2参照)が揺動自在に取付けられるトグルサポート本体部131と、クロスヘッド151をガイドするトグルサポート腕部132とを有する。
【0092】
トグルサポート本体部131は、Z方向視で略矩形状に形成される板状部を有する。板状部は、運動変換機構170のねじ軸171が挿し通される貫通穴を中央部に有する。トグルサポート本体部131は、板状部の他に、板状部の外周縁部からZ方向一方向(前方)に突出する筒状部をさらに有してもよい。筒状部は、Z方向視で四角枠状に形成され、クロスヘッド151が移動する空間を内部に形成する。トグルサポート本体部131には、
図1および
図2に示すように、第2リンク153の他に、型締モータ160やタイバー140が取付けられる。
【0093】
トグルサポート腕部132は、トグルサポート本体部131における可動プラテン120との対向面(前面)のY方向中央部に、X方向に間隔をおいて一対設けられる。トグルサポート腕部132は、トグルサポート本体部131のX方向両端部に一対設けられる。トグルサポート腕部132は、
図4に示すようにトグルサポート本体部131から前方に突出し、Z方向に真っ直ぐ延びている。トグルサポート腕部132によるクロスヘッド151の案内方式は、滑り案内、転がり案内のいずれでもよい。トグルサポート腕部132は、
図3に示すようにクロスヘッド151を挟みX方向に間隔をおいて一対設けられてよい。
【0094】
トグルサポート腕部132は、
図3に示すように、クロスヘッド151に接触してガイドするガイドレール133と、ガイドレール133を保持するガイドホルダ134とを含む。ガイドレール133のガイド方向はZ方向である。
【0095】
ガイドレール133は、
図4に示すようにZ方向に真っ直ぐ延びている。ガイドレール133は、
図3に示すように、Y方向両端面に凹部137を有する。凹部137は、Z方向に真っ直ぐ延びている。ガイドレール133のZ方向に垂直な断面形状は、
図3に示すように例えばH字状である。
【0096】
ガイドホルダ134は、ガイドレール133とは異なり、クロスヘッド151に接触しない。ガイドホルダ134は、
図4に示すようにZ方向に真っ直ぐ延びており、例えば板状に形成される。ガイドホルダ134のZ方向に垂直な断面形状は、
図3に示すように例えば矩形状である。
【0097】
ガイドホルダ134は、例えばX方向に垂直な面にガイドレール133が嵌め込まれる溝を有する。溝の底壁面には、ガイドレール133のX方向端面が全面固定されてもよい。また、溝の側壁面とガイドレール133との隙間にはくさび135が打ち込まれてよい。
【0098】
クロスヘッド151は、運動変換機構170が連結されるクロスヘッド本体部155と、クロスヘッド本体部155からY方向に延在して第3リンク154が揺動自在に取付けられるリンク取付部156と、クロスヘッド本体部155からX方向に延在してトグルサポート腕部132によってガイドされるスライダ部157とを有する。クロスヘッド本体部155、リンク取付部156、およびスライダ部157は、鋳造などで一体に成形されてよい。
【0099】
クロスヘッド本体部155は、
図4などに示すように、運動変換機構170が連結されるものである。例えば運動変換機構170のねじナット172がクロスヘッド本体部155に対し固定される。クロスヘッド本体部155は、例えば、Z方向に対し垂直な板状に形成され、Z方向視で矩形状に形成される。Z方向視で、クロスヘッド本体部155の中心部に、運動変換機構170が取付けられる。
【0100】
尚、型締時などにクロスヘッド本体部155に回転モーメントが作用するとき、回転モーメントが運動変換機構170に伝達されないように、運動変換機構170はピンなどでクロスヘッド本体部155に対し揺動自在に連結されてもよい。
【0101】
リンク取付部156は、
図3に示すように、クロスヘッド本体部155からY方向に突出する。リンク取付部156の先端部には、第3リンク154(
図1および
図2参照)がピンなどで揺動自在に取付けられる。リンク取付部156は、クロスヘッド本体部155を挟み、Y方向に間隔をおいて一対設けられてよい。
【0102】
リンク取付部156は、X方向に対し垂直なリンク取付板を、X方向に間隔をおいて複数有する。各リンク取付板は、クロスヘッド本体部155のY方向両端面からY方向に延びる。各リンク取付板は、クロスヘッド本体部155のY方向両端面からY方向に延び、途中からZ方向一方向(例えば前方)に傾斜してもよく、クロスヘッド本体部155よりもZ方向一方向に突出してもよい(
図11参照)。各リンク取付板の先端部には、リンク取付板をX方向に貫通する貫通穴が形成される。その貫通穴にピンが挿通されることで、ピンを介して第3リンク154がリンク取付部156に揺動自在に取付けられる。
【0103】
スライダ部157は、
図3に示すように、トグルサポート腕部132によってガイドされる。スライダ部157は、クロスヘッド本体部155を挟み、X方向に間隔をおいて一対設けられてよい。スライダ部157は、クロスヘッド本体部155を挟みX方向両側に設けられ、クロスヘッド本体部155のX方向両端面のY方向中央部に設けられる。
【0104】
スライダ部157は、ガイドレール133をY方向両側から挟む凸部158を有する。スライダ部157の凸部158は、ガイドレール133の凹部137の内部でZ方向に移動する。スライダ部157のZ方向に垂直な断面形状は、
図3に示すように例えばC字状である。
【0105】
ところで、Y方向に間隔をおいて設けられる一対の第3リンク154のバランスの崩れなどが原因で、型締時にクロスヘッド151が傾こうとすることがある。そのとき、クロスヘッド151は、主に、X方向を軸として回動しようとする。X方向を軸とする回動を、以下、ピッチング(pitching)とも呼ぶ。
【0106】
そこで、トグルサポート腕部132は、
図3に示すように、Z方向から見たときに、クロスヘッド151に外側から接触する。トグルサポート腕部132は、Z方向から見たときに、クロスヘッド151の外周部に接触することにより、クロスヘッド151を支持してガイドする。Z方向から見たときに、クロスヘッド151の外側にトグルサポート腕部132が配設され、トグルサポート腕部132のガイドレール133がクロスヘッド151によって四方を取り囲まれていない。よって、ガイドレール133をガイドホルダ134で補強でき、ガイドレール133の変形を抑制できるので、ガイドレール133によってガイドされるクロスヘッド151のピッチングを抑制できる。その結果、クロスヘッド151に連結されるねじ軸171の撓みを低減でき、ねじ軸171の破損を抑制できる。
【0107】
また、
図3に示すように、Z方向から見たときに、クロスヘッド151の中心159を通り且つX方向に延びる直線XL(以下、「水平線XL」とも呼ぶ。)を中心として線対称に、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触する。
【0108】
トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触する箇所とは、常に接触する箇所の他、一時的に接触する箇所を含む。例えば本実施形態では、凹部137の凸部158に接触する面が、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触する箇所である。
【0109】
上述の如く、Z方向から見たときに、水平線XLを中心として線対称に、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触する。よって、クロスヘッド151とトグルサポート腕部132との摩擦力が水平線XLを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151のピッチングを抑制できる。
【0110】
さらに、
図3に示すように、Z方向から見たときに、クロスヘッド151の中心159を通り且つY方向に延びる直線YL(以下、「鉛直線YL」とも呼ぶ。)を中心として線対称に、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触する。よって、クロスヘッド151とトグルサポート腕部132との摩擦力が鉛直線YLを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151のヨーイングを抑制できる。ヨーイング(yawing)とは、Y方向を軸とする回動のことである。
【0111】
トグルサポート腕部132のガイドレール133は、
図3に示すように、トグルサポート腕部132からのクロスヘッド151のX方向への抜けを防止する抜け止め部136を含んでもよい。トグルサポート腕部132は、上述如く、Z方向から見たときに、クロスヘッド151によって四方を取り囲まれていないためである。
【0112】
抜け止め部136は例えば凹部137等で構成される。抜け止め部136の役割について、
図5を参照して説明する。
図5は、一実施形態によるクロスヘッドのヨーイングを示す図である。
図5(a)は、ΔGAがΔGBよりも小さい場合のクロスヘッドのヨーイングを示す図である。
図5(b)は、ΔGAがΔGBよりも大きい場合のクロスヘッドのヨーイングを示す図である。ΔGAは、X方向一対の凸部158の内向き面同士の間隔G1(
図3参照)とX方向一対の凹部137の外向き面同士の間隔G2(
図3参照)との差(G1−G2)である。ΔGBは、X方向一対の凹部137の内向き面同士の間隔G3(
図3参照)とX方向一対の凸部158の外向き面同士の間隔G4(
図3参照)との差(G3−G4)である。
【0113】
クロスヘッド151のヨーイングは、例えばクロスヘッド151のX方向両端部で異なる大きさの摩擦力が生じる場合に生じうる。クロスヘッド151のヨーイングが生じると、X方向に間隔をおいて設けられる一対のトグルサポート腕部132の間隔が押し広げられようとする。一対のトグルサポート腕部132の間隔の広がりによるクロスヘッド151の抜けを、抜け止め部136によって防止できる。
【0114】
抜け止め部136は、
図3に示すように、クロスヘッド151の凸部158がZ方向から差し込まれる凹部137を、Y方向に間隔おいて一対有する。これにより、水平線XLを中心として線対称に、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触することができる。また、クロスヘッド151がZ方向を軸として回動しようとすることを抑制できる。Z方向を軸とする回動を、以下、ローリング(rolling)とも呼ぶ。
【0115】
図5(a)ではΔGAがΔGBよりも小さい。この場合、
図5(a)に示すようにクロスヘッド151が前面の点P1および後面の点P2で片側のトグルサポート腕部132に接触すると共に、クロスヘッド151が前面の点P3および後面の点P4で反対側のトグルサポート腕部132に接触することで、クロスヘッド151のヨーイングが止まる。
【0116】
尚、
図5(a)ではΔGAがΔGBよりも小さいが、ΔGBと同じでもよいし、ΔGBよりも大きくてもよい。
図5(b)ではΔGAがΔGBよりも大きい。この場合、
図5(b)に示すようにクロスヘッド151が後面の2点P5、P6で片側のトグルサポート腕部132に接触すると共に、クロスヘッド151が前面の2点P7、P8で反対側のトグルサポート腕部132に接触することで、クロスヘッド151のヨーイングが止まる。
【0117】
尚、本実施形態では凸部158がクロスヘッド151に形成されており凹部137がトグルサポート腕部132に形成されているが、凸部と凹部の配置は逆でもよい。クロスヘッド151のスライダ部157に凹部が形成され、トグルサポート腕部132のガイドレール133に凸部が形成されてよい。ガイドレール133の抜け止め部136は、クロスヘッド151の凹部がZ方向から差し込まれる凸部を、Y方向に間隔をおいて一対有してもよい。これにより、水平線XLを中心として線対称に、トグルサポート腕部132がクロスヘッド151に接触することができる。また、クロスヘッド151のローリングを抑制できる。
【0118】
尚、抜け止め部136は、クロスヘッド151の凸部158がZ方向から差し込まれる凹部137と、クロスヘッド151の凹部がZ方向から差し込まれる凸部とを、Y方向に間隔おいて含んでもよい。
【0119】
型締装置100は、
図4に示すように、X方向に間隔をおいて設けられる一対のトグルサポート腕部132の前端部同士を連結する連結バー173をさらに有してもよい。連結バー173とトグルサポート腕部132とは、別々に成形されてもよいし、一体に成形されてもよい。各トグルサポート腕部132の撓みをより抑制できる。
【0120】
連結バー173は、
図4に示すように、ねじ軸171から前方に延びる延長軸を支持する軸受174を保持してもよい。軸受174としては、例えば転がり軸受が用いられる。ねじ軸171の前端部が支持されるため、ねじ軸171の前端部が支持されない場合に比べ、ねじ軸171の撓みを抑制できる。ねじ軸171がクロスヘッド151を貫通する場合、つまりクロスヘッド151にねじナット172が取付けられる場合に特に有効である。
【0121】
図6は、一実施形態による運動変換機構の潤滑に用いる部材を示す断面図である。
図6(a)は、運動変換機構の潤滑に用いる部材の第1例を示す断面図である。
図6(b)は、運動変換機構の潤滑に用いる部材の第2例を示す断面図である。
【0122】
図6(a)に示す第1例では、型締装置100は、トグルサポート本体部131とクロスヘッド151との間に、ねじ軸171およびねじナット172を取り囲む後カバー175を有してもよい。後カバー175は、筒状に形成され、ねじ軸171およびねじナット172からの潤滑剤の飛散を防止すると共に、外部からの異物の侵入を防止する。潤滑剤としては、油またはグリースが用いられる。
【0123】
後カバー175からの潤滑剤の回収が容易になるように、後カバー175は前方に向かうほど先細りに形成されてもよく例えばテーパコーン状に形成されてもよい。後カバー175内において、潤滑剤が、重力によってトグルサポート本体部131側に流れ落ちる。トグルサポート本体部131は、クロスヘッド151とは異なり型開閉時に進退しないため、潤滑剤の回収が容易である。
【0124】
後カバー175の後端部はトグルサポート本体部131に取付けられ、後カバー175の前端部はクロスヘッド151に取付けられる。後カバー175は、スパイラル状などに形成され、クロスヘッド151の進退に伴い伸縮する。尚、後カバー175は、蛇腹状などに形成されてもよい。また、後カバー175は、ねじ軸171と共に回転するように、トグルサポート本体部131やクロスヘッド151に取付けられてもよい。
【0125】
型締装置100は、ねじ軸171およびねじナット172に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置176をさらに有してもよい。潤滑剤供給装置176は、例えばねじナット172に潤滑剤を供給し、ねじナット172経由でねじ軸171にも潤滑剤を供給する。後カバー175の内部で、ねじ軸171およびねじナット172を潤滑剤によって冷却できる。
【0126】
潤滑剤供給装置176は、例えば、後カバー175の内部から回収した潤滑剤を冷却する熱交換器と、回収した潤滑剤から不純物を除去するフィルターと、熱交換器で冷却され且つフィルターを通過した潤滑剤をねじナット172に戻す循環ポンプとを有してもよい。潤滑剤を循環させることで、潤滑剤の使用量を低減できる。
【0127】
型締装置100は、
図6(a)に示すように、クロスヘッド151と連結バー173との間に、ねじ軸171を取り囲む前カバー177を有してもよい。前カバー177は、筒状に形成され、ねじ軸171からの潤滑剤の飛散を防止すると共に、外部からの異物の侵入を防止する。
【0128】
前カバー177からの潤滑剤の回収が容易になるように、前カバー177は前方に向かうほど先細りに形成されてもよく例えばテーパコーン状に形成されてもよい。前カバー177内において、潤滑剤が、重力によってクロスヘッド151側に流れ落ちる。クロスヘッド151には、前カバー177から後カバー175に潤滑剤を送る流路179が形成されてもよい。流路179は前側から後側に向かうほど下方に傾斜し、潤滑剤は重力によって前カバー177から後カバー175に流れ落ちる。
【0129】
前カバー177の後端部はクロスヘッド151に取付けられ、前カバー177の前端部は連結バー173に取付けられる。前カバー177は、スパイラル状などに形成され、クロスヘッド151の進退に伴い伸縮する。尚、前カバー177は、蛇腹状などに形成されてもよい。また、前カバー177が連結バー173から取り外されていてもよく、その場合、前カバー177は伸縮不能とされてもよい。また、前カバー177は、ねじ軸171と共に回転するように、クロスヘッド151や連結バー173に取付けられてもよい。
【0130】
図6(b)に示す第2例では、
図6(a)に示す連結バー173が設けられておらず、ねじ軸171の前端部は自由端となっている。また、
図6(b)では、伸縮自在な前カバー177の代わりに、伸縮不能な前カバー178が設けれられている。
【0131】
前カバー178は、クロスヘッド151の前方において、ねじ軸171の周りを取り囲む。前カバー178は、筒状に形成され、ねじ軸171からの潤滑剤の飛散を防止すると共に、外部からの異物の侵入を防止する。
【0132】
前カバー178からの潤滑剤の回収が容易になるように、前カバー178は前方に向かうほど先細りに形成されてもよく例えばテーパコーン状に形成されてもよい。前カバー178内において、潤滑剤が、重力によってクロスヘッド151側に流れ落ちる。
【0133】
尚、本実施形態の型締装置100は、型締モータ160および運動変換機構170の組を1組有するが、複数組有してもよい。型締時に負荷を複数のねじ軸171に分散でき、ねじ軸171の破損をより抑制できる。例えば、一対の運動変換機構170が、クロスヘッド151の中心159に対し左右対称に設けられてよい。また、左側のねじ軸171から前方に延びる延長軸は、連結バー173の代わりに、左側のトグルサポート腕部132で支持されてもよい。同様に、右側のねじ軸171から前方に延びる延長軸は、連結バー173の代わりに、右側のトグルサポート腕部132で支持されてもよい。
【0134】
(変形、改良)
以上、射出成形機の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【0135】
図7は、
図3に示すトグルサポート腕部の変形例を示す断面図である。
図7(a)は、
図3に示すトグルサポート腕部の第1変形例を示す断面図である。
図7(b)は、
図3に示すトグルサポート腕部の第2変形例を示す断面図である。
図7(c)は、
図3に示すトグルサポート腕部の第3変形例を示す断面図である。
【0136】
図7(a)に示す第1変形例では、トグルサポート腕部132Aは、クロスヘッド151Aに接触してガイドするガイドレール133Aと、ガイドレール133Aを保持するガイドホルダ134Aとを含む。ガイドレール133Aのガイド方向はZ方向である。
【0137】
ガイドレール133Aおよびガイドホルダ134Aは、Z方向に真っ直ぐ延びている。ガイドホルダ134AのZ方向に垂直な断面形状は、横U字状である。ガイドホルダ134Aは、上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部とをつなぐ側壁部を含む。ガイドホルダ134Aの下壁部にガイドレール133Aが固定されている。
尚、ガイドホルダ134Aは、
図7(a)では上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部とをつなぐ側壁部を有するが、下壁部を少なくとも有すればよい。ガイドホルダ134Aは、上壁部を有しなくてもよい。また、ガイドホルダ134Aは、側壁部を有しなくてもよい。
【0138】
トグルサポート腕部132Aは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Aに外側から接触する。トグルサポート腕部132Aは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Aの外周部に接触することにより、クロスヘッド151Aを支持してガイドする。Z方向から見たときに、クロスヘッド151Aの外側にトグルサポート腕部132Aが配設され、トグルサポート腕部132Aのガイドレール133Aがクロスヘッド151Aによって四方を取り囲まれていない。よって、上記実施形態と同様に、ガイドレール133Aをガイドホルダ134Aで補強でき、ガイドレール133Aの変形を抑制できるので、ガイドレール133Aによってガイドされるクロスヘッド151Aのピッチングを抑制できる。その結果、クロスヘッド151Aに連結されるねじ軸171の撓みを低減でき、ねじ軸171の破損を抑制できる。
【0139】
Z方向から見たとき、クロスヘッド151Aの中心159Aを通り且つY方向に延びる鉛直線YLAを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Aがクロスヘッド151Aに接触する。よって、クロスヘッド151Aとトグルサポート腕部132Aとの摩擦力が鉛直線YLAを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Aのヨーイングを抑制できる。
【0140】
図7(b)に示す第2変形例では、上記実施形態や上記第1変形例とは異なり、トグルサポート腕部132Bは、ガイドレールとガイドホルダとが一体化したものである。トグルサポート腕部132Bのガイド方向はZ方向である。
【0141】
トグルサポート腕部132Bは、Z方向に真っ直ぐ延びている。トグルサポート腕部132BのZ方向に垂直な断面形状は、横U字状である。トグルサポート腕部132Bは、上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部をつなぐ側壁部を含む。上壁部と下壁部の互いに対向する面には、凹部137Bが形成されている。
尚、トグルサポート腕部132Bは、
図7(b)では上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部とをつなぐ側壁部を有するが、側壁部を有しなくてもよい。つまり、トグルサポート腕部132Bは、上壁部と下壁部とに分割されてもよい。また、トグルサポート腕部132Bは、下壁部のみを有し、上壁部を有しなくてもよい。
【0142】
クロスヘッド151Bのスライダ部157Bは、Y方向両端面に凸部158Bを有する。スライダ部157BのZ方向に垂直な断面形状は、横T字状である。スライダ部157Bの凸部158Bは、トグルサポート腕部132Bの凹部137Bの内部でZ方向に移動する。凹部137Bは、Z方向に真っ直ぐ延びている。
【0143】
トグルサポート腕部132Bは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Bに外側から接触する。トグルサポート腕部132Bは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Bの外周部に接触することにより、クロスヘッド151Bを支持してガイドする。Z方向から見たときに、クロスヘッド151Bの外側にトグルサポート腕部132Bが配設され、トグルサポート腕部132Bのガイドレールがクロスヘッド151Bによって四方を取り囲まれていない。よって、上記実施形態と同様に、トグルサポート腕部132Bのガイドレールを外側から補強でき、ガイドレールの変形を抑制できるので、ガイドレールによってガイドされるクロスヘッド151Bのピッチングを抑制できる。その結果、クロスヘッド151Bに連結されるねじ軸171の撓みを低減でき、ねじ軸171の破損を抑制できる。
【0144】
Z方向から見たとき、クロスヘッド151Bの中心159Bを通り且つY方向に延びる鉛直線YLBを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Bがクロスヘッド151Bに接触する。よって、クロスヘッド151Bとトグルサポート腕部132Bとの摩擦力が鉛直線YLBを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Bのヨーイングを抑制できる。
【0145】
また、Z方向から見たとき、クロスヘッド151Bの中心159Bを通り且つX方向に延びる水平線XLBを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Bがクロスヘッド151Bに接触する。よって、クロスヘッド151Bとトグルサポート腕部132Bとの摩擦力が水平線XLBを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Bのピッチングを抑制できる。
【0146】
トグルサポート腕部132Bは、トグルサポート腕部132Bからのクロスヘッド151Bの抜けを防止する抜け止め部136Bを含む。抜け止め部136Bは、クロスヘッド151Bの凸部158BがZ方向から差し込まれる凹部137Bを、Y方向に間隔おいて一対有する。
【0147】
図7(c)に示す第3変形例では、トグルサポート腕部132Cは、クロスヘッド151Cに接触してガイドするガイドレール133Cと、ガイドレール133Cを保持するガイドホルダ134Cとを含む。ガイドレール133Cのガイド方向はZ方向である。
【0148】
ガイドレール133Cおよびガイドホルダ134Cは、Z方向に真っ直ぐ延びている。ガイドホルダ134CのZ方向に垂直な断面形状は、横U字状である。ガイドホルダ134Cは、上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部とをつなぐ側壁部を含む。ガイドホルダ134Cの上下両壁部にガイドレール133Cが固定されている。ガイドレール133Cは、上下両壁部から内側に突出する凸部137Cを構成する。
尚、ガイドホルダ134Cは、
図7(c)では上壁部、下壁部、および上壁部と下壁部とをつなぐ側壁部を有するが、側壁部を有しなくてもよい。つまり、ガイドホルダ134Cは、上壁部と下壁部とに分割されてもよい。上壁部の下面には上側のガイドレール133Cが固定され、下壁部の上面には下側のガイドレール133Cが固定される。
【0149】
クロスヘッド151Cのスライダ部157Cは、Y方向両端面に凹部158Cを有する。スライダ部157CのZ方向に垂直な断面形状は、H字状である。スライダ部157Cの凹部158Cは、トグルサポート腕部132Cの凸部137Cに沿ってZ方向に移動する。凸部137Cは、Z方向に真っ直ぐ延びている。
【0150】
トグルサポート腕部132Cは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Cに外側から接触する。トグルサポート腕部132Cは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Cの外周部に接触することにより、クロスヘッド151Cを支持してガイドする。Z方向から見たときに、クロスヘッド151Cの外側にトグルサポート腕部132Cが配設され、トグルサポート腕部132Cのガイドレール133Cがクロスヘッド151Cによって四方を取り囲まれていない。よって、上記実施形態と同様に、ガイドレール133Cをガイドホルダ134Cで補強でき、ガイドレール133Cの変形を抑制できるので、ガイドレール133Cによってガイドされるクロスヘッド151Cのピッチングを抑制できる。その結果、クロスヘッド151Cに連結されるねじ軸171の撓みを低減でき、ねじ軸171の破損を抑制できる。
【0151】
Z方向から見たとき、クロスヘッド151Cの中心159Cを通り且つY方向に延びる鉛直線YLCを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Cがクロスヘッド151Cに接触する。よって、クロスヘッド151Cとトグルサポート腕部132Cとの摩擦力が鉛直線YLCを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Cのヨーイングを抑制できる。
【0152】
また、Z方向から見たとき、クロスヘッド151Cの中心159Cを通り且つX方向に延びる水平線XLCを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Cがクロスヘッド151Cに接触する。よって、クロスヘッド151Cとトグルサポート腕部132Cとの摩擦力が水平線XLCを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Cのピッチングを抑制できる。
【0153】
トグルサポート腕部132Cのガイドレール133Cは、トグルサポート腕部132Cからのクロスヘッド151Cの抜けを防止する抜け止め部136Cを含む。抜け止め部136Cは、クロスヘッド151Cの凹部158CがZ方向から差し込まれる凸部137Cを、Y方向に間隔おいて一対有する。
【0154】
図8は、第4変形例によるクロスヘッドおよびトグルサポートを示す図である。
図8(a)は、
図8(b)のA−A線に沿ったクロスヘッドおよびトグルサポートの断面図である。
図8(b)は、
図8(a)のB−B線に沿ったクロスヘッドおよびトグルサポートの断面図である。
【0155】
トグルサポート130Dは、第2リンク153(
図1および
図2参照)が揺動自在に取付けられるトグルサポート本体部131Dと、クロスヘッド151Dをガイドするトグルサポート腕部132Dとを有する。トグルサポート本体部131Dには、
図1および
図2に示す第2リンク153の他に、型締モータ160やタイバー140が取付けられる。
【0156】
トグルサポート腕部132Dは、
図8(b)に示すようにトグルサポート本体部131Dから前方に突出する。トグルサポート腕部132Dによるクロスヘッド151Dの案内方式は、滑り案内、転がり案内のいずれでもよい。トグルサポート腕部132Dは、クロスヘッド151Dを挟みX方向に間隔をおいて一対設けられてよい。
【0157】
トグルサポート腕部132Dは、
図8(a)に示すように、クロスヘッド151Dに接触してガイドするガイド133Dと、ガイド133Dを保持するガイドホルダ134Dとを含む。ガイド133Dのガイド方向はZ方向である。
【0158】
ガイド133Dは、
図8(b)に示すようにZ方向に間隔をおいて設けられ、クロスヘッド本体部155Dを挟んでZ方向両側に設けられる。ガイド133Dは、
図8(a)に示すように、Y方向両端面に凹部137Dを有する。凹部137Dは、Z方向に真っ直ぐ延びている。ガイド133DのZ方向に垂直な断面形状は、
図8(a)に示すように例えばH字状である。
【0159】
ガイドホルダ134Dは、ガイド133Dとは異なり、クロスヘッド151Dに接触しない。ガイドホルダ134Dは、
図8(b)に示すようにZ方向に真っ直ぐ延びている。ガイドホルダ134DのZ方向に垂直な断面形状は、
図8(a)に示すように例えば板状である。
【0160】
ガイドホルダ134Dは、例えばX方向に垂直な面にガイド133Dが嵌め込まれる溝を有する。溝の底壁面には、ガイド133DのX方向端面が全面固定されてもよい。また、溝の側壁面とガイド133Dとの隙間にはくさび135Dが打ち込まれてよい。
【0161】
クロスヘッド151Dは、運動変換機構170Dが連結されるクロスヘッド本体部155Dと、クロスヘッド本体部155DからY方向に延在して第3リンク154が揺動自在に取付けられるリンク取付部156Dと、クロスヘッド本体部155DからX方向に延在してトグルサポート腕部132Dによってガイドされる被ガイド部としての軸部157Dとを有する。
【0162】
クロスヘッド本体部155Dは、
図8(b)などに示すように、運動変換機構170Dが連結されるものである。例えば運動変換機構170Dのねじナット172Dがクロスヘッド本体部155Dに対し固定される。クロスヘッド本体部155Dは、例えば、Z方向に対し垂直な板状に形成され、Z方向視で矩形状に形成される。Z方向視で、クロスヘッド本体部155Dの中心部に、運動変換機構170Dが取付けられる。
【0163】
尚、型締時などにクロスヘッド本体部155Dに回転モーメントが作用するとき、回転モーメントが運動変換機構170Dに伝達されないように、運動変換機構170Dはピンなどでクロスヘッド本体部155Dに対し揺動自在に連結されてもよい。
【0164】
リンク取付部156Dは、
図8(a)に示すように、クロスヘッド本体部155DからY方向に突出する。リンク取付部156Dの先端部には、第3リンク154(
図1および
図2参照)がピンなどで揺動自在に取付けられる。リンク取付部156Dは、クロスヘッド本体部155Dを挟み、Y方向に間隔をおいて一対設けられてよい。
【0165】
リンク取付部156Dは、X方向に対し垂直なリンク取付板を、X方向に間隔をおいて複数有する。各リンク取付板は、クロスヘッド本体部155DのY方向両端面からY方向に延びる。各リンク取付板は、クロスヘッド本体部155DのY方向両端面からY方向に延び、途中からZ方向一方向(例えば前方)に傾斜してもよく、クロスヘッド本体部155DよりもZ方向一方向に突出してもよい。各リンク取付板の先端部には、リンク取付板をX方向に貫通する貫通穴が形成される。その貫通穴にピンが挿通されることで、ピンを介して第3リンク154がリンク取付部156Dに揺動自在に取付けられる。
【0166】
軸部157Dは、
図8(a)に示すように、トグルサポート腕部132Dによってガイドされる。軸部157Dは、クロスヘッド本体部155Dを挟み、X方向に間隔をおいて一対設けられてよい。軸部157Dは、クロスヘッド本体部155Dを挟みX方向両側に設けられ、クロスヘッド本体部155DのX方向両端面のY方向中央部からX方向に延びる突出部の先端部に固定される。軸部157Dは、クロスヘッド本体部155Dとは別に形成されクロスヘッド本体部155Dと連結されているが、クロスヘッド本体部155Dと一体に形成されてもよい。
【0167】
軸部157Dは、ガイド133DをY方向両側から挟む凸部158Dを有する。軸部157Dの凸部158Dは、ガイド133Dの凹部137Dの内部でZ方向に移動する。軸部157DのZ方向に垂直な断面形状は、
図8(a)に示すように例えばC字状である。
【0168】
トグルサポート腕部132Dは、
図8(a)に示すように、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Dに外側から接触する。トグルサポート腕部132Dは、Z方向から見たときに、クロスヘッド151Dの外周部に接触することにより、クロスヘッド151Dを支持してガイドする。Z方向から見たときに、クロスヘッド151Dの外側にトグルサポート腕部132Dが配設され、トグルサポート腕部132Dのガイド133Dがクロスヘッド151Dによって四方を取り囲まれていない。よって、上記実施形態と同様に、ガイド133Dをガイドホルダ134Dで補強でき、ガイド133Dの変形を抑制できるので、ガイド133Dによってガイドされるクロスヘッド151Dのピッチングを抑制できる。その結果、クロスヘッド151Dに連結されるねじ軸171Dの撓みを低減でき、ねじ軸171Dの破損を抑制できる。
【0169】
Z方向から見たとき、クロスヘッド151Dの中心159Dを通り且つY方向に延びる鉛直線YLDを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Dがクロスヘッド151Dに接触する。よって、クロスヘッド151Dとトグルサポート腕部132Dとの摩擦力が鉛直線YLDを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Dのヨーイングを抑制できる。
【0170】
また、Z方向から見たとき、クロスヘッド151Dの中心159Dを通り且つX方向に延びる水平線XLDを中心として線対称に、トグルサポート腕部132Dがクロスヘッド151Dに接触する。よって、クロスヘッド151Dとトグルサポート腕部132Dとの摩擦力が水平線XLDを中心として対称に生じるので、摩擦力によるクロスヘッド151Dのピッチングを抑制できる。
【0171】
トグルサポート腕部132Dのガイド133Dは、トグルサポート腕部132Dからのクロスヘッド151Dの抜けを防止する抜け止め部136Dを含む。抜け止め部136Dは、クロスヘッド151Dの凸部158DがZ方向から差し込まれる凹部137Dを、Y方向に間隔おいて一対有する。
【0172】
図9は、
図8(a)のIX−IX線に沿った断面図である。
図9(a)は、軸部が滑り案内される場合の断面図であってクロスヘッドの傾きをトグルサポート腕部で抑制している状態の断面図である。
図9(b)は、軸部が転がり案内される場合の断面図である。
図9において、クロスヘッドの傾きを誇張して示す。
【0173】
図9(a)では、ガイド133Dは、軸部157Dを滑り案内する。軸部157Dは、クロスヘッド本体部155DからZ方向両方向に延びており、Z方向に間隔をおいて設けられる複数のガイド133Dでガイドされる。一のガイド133Dはクロスヘッド本体部155Dよりも前方に設けられ、他の一のガイド133Dはクロスヘッド本体部155Dよりも後方に設けられる。
【0174】
複数のガイド133Dで、ガイドユニット139Dが構成される。尚、ガイドユニット139Dは、
図9では2つのガイド133Dで構成されるが、3つ以上のガイド133Dで構成されてもよい。
【0175】
軸部157DのZ方向寸法L1は、クロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも長い。また、ガイドユニット139DのZ方向寸法L3は、クロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも長い。
【0176】
ここで、ガイドユニット139DのZ方向寸法L3とは、最も前側に配設されるガイド133Dの前端と、最も後側に配設されるガイド133Dの後端との寸法のことである。ガイド133Dの数が3つ以上の場合について同様である。
【0177】
軸部157Dの傾きは、
図9(a)から明らかなように、軸部157Dとガイド133Dとのクリアランス、およびガイドユニット139DのZ方向寸法L3などで定まる。
【0178】
軸部157Dの傾きを決める要因の一つであるクリアランスが同じ場合、軸部157Dの傾きを決める要因の他の一つであるガイドユニット139DのZ方向寸法L3がクロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも長いと、同じときに比べて、軸部157Dの傾きを抑制でき、クロスヘッド本体部155Dの傾きを抑制できる。よって、クロスヘッド本体部155Dに取付けられる運動変換機構170Dの撓みを抑制でき、運動変換機構170Dの偏荷重による破損を抑制できる。
【0179】
ガイドユニット139DのZ方向寸法L3は、軸部157Dの傾きが所定の許容範囲内となるように、ひいては、運動変換機構170Dのねじ軸171Dの撓み量が所定の許容範囲内になるように設定される。
【0180】
例えば、ガイドユニット139DのZ方向寸法L3は、ねじ軸27の後端部に対するねじナット28の傾きが所定の許容範囲内になるように設定される。つまり、ガイドユニット139DのZ方向寸法L3は、ねじ軸27の軸方向一端部とねじ軸27の軸方向他端部との傾きが所定の許容範囲内になるように設定される。
【0181】
軸部157Dはトグルサポート130DをZ方向に貫通しているため、軸部157DのZ方向の移動はトグルサポート130Dによって妨げられない。そのため、クロスヘッド151DのZ方向可動範囲は、クロスヘッド本体部155DのZ方向可動範囲で定まる。よって、クロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも軸部157DのZ方向寸法L1を長くすることが型締装置のZ方向寸法の拡張につながることを抑制でき、型締装置のZ方向の拡張を抑制できる。
【0182】
図9(b)では、ガイド133Dは、軸部157Dを転がり案内する。ガイド133Dは、軸部157Dと接触する転動体138Dを有する。転動体138Dは、軸部157DのZ方向に延びる溝の内部で転動する。尚、軸部157Dには溝が形成されていなくてもよい。
【0183】
ガイド133Dは、複数の転動体138Dが循環する循環路を内部に有してよい。転動体138Dは、
図9(b)ではガイド133D側に保持されるが、軸部157D側に保持されてもよい。また、転動体138Dとして、
図9(b)ではボールが用いられるが、ローラが用いられてもよい。
【0184】
軸部157Dの傾きは、
図9(b)から明らかなように、軸部157Dとガイド133Dとのクリアランス、およびガイドユニット139DのZ方向寸法L3などで定まる。
【0185】
図9(b)では、
図9(a)と同様に、軸部157Dの傾きを決める要因の一つであるガイドユニット139DのZ方向寸法L3がクロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも長い。加えて、
図9(b)では、軸部の案内方式が転がり案内であるため、
図9(b)に示すように軸部157Dとガイド133Dとのクリアランスを小さくすることができる。ガイド133Dの転動体138Dが転がることで、ガイド133Dに軸部157Dを挿し通すことができる。
【0186】
図9(b)では、軸部157Dの傾きを決める要因の一つであるクリアランスを小さくすることができるため、軸部157Dの傾きをさらに抑制でき、クロスヘッド本体部155Dの傾きをさらに抑制できる。よって、クロスヘッド本体部155Dに取付けられる運動変換機構170Dの撓みをさらに抑制でき、運動変換機構170Dの偏荷重による破損をさらに抑制できる。
【0187】
尚、本変形例では、
図8(a)に示すように、ガイド133DのZ方向に垂直な断面形状がH字状、軸部157DのZ方向に垂直な断面形状がC字状に形成されているが、その形状の組合せは特に限定されない。その形状の組合せは、上記第1変形例の形状の組合せ(
図7(a)参照)、上記第2変形例の形状の組合せ(
図7(b)参照)、上記第3変形例の形状の組合せ(
図7(c)参照)などでもよい。
【0188】
図10は、
図1に示す運動変換機構の変形例を示す図である。
図10(a)は、運動変換機構の第1変形例を示す図である。
図10(b)は、運動変換機構の第2変形例を示す図である。
【0189】
図10(a)に示す第1変形例では、ねじナット172Eは、型締モータ160Eの回転子に対し同軸的に固定される。ねじナット172Eは、型締モータ160Eの回転子の中心線上に配設されるが、その中心線からずらして配設されてもよく、ベルトやプーリなどが型締モータ160Eの回転運動をねじナット172Eに伝達してもよい。一方、ねじ軸171Eの前側の延長軸は、クロスヘッド151Eに対し固定される。型締モータ160Eを作動させると、ねじナット172Eが回転し、ねじ軸171Eが進退することで、クロスヘッド151Eが進退する。運動変換機構170Eは、ねじ軸171Eやねじナット172Eを有する。ねじナット172Eは、
図10(a)に示すように、トグルサポート130Eに保持される軸受によって回転自在に支持されてもよい。
【0190】
図10(b)に示す第2変形例では、ねじナット172Fは、トグルサポート130Fに対し固定される。一方、ねじ軸171Fの後側の延長軸は、型締モータ160Fの回転子に対し同軸的にスプライン結合され、ねじ軸171Fの前側の延長軸は、クロスヘッド151Fに保持される軸受173Fに回転自在に支持される。ねじ軸171Fは、型締モータ160Fの回転子の中心線上に配設されるが、その中心線からずらして配設されてもよい。この場合、型締モータ160Fの回転運動はベルトやプーリなどを介して回転部材に伝達され、その回転部材に対しねじ軸171Fの後側の延長軸がスプライン結合されてもよい。型締モータ160Fを作動させると、ねじ軸171Fが回転しながら進退することで、軸受173Fと共にクロスヘッド151Fが進退する。運動変換機構170Fは、ねじ軸171Fやねじナット172Fに加えて、軸受173Fを有する。
【0191】
上記実施形態のトグル機構150は、型締モータ160による推力を増幅して可動プラテン120伝達するものとして用いられるが、エジェクタモータ210による推力を増幅してエジェクタロッド230に伝達するものとして用いられてもよい。この場合、トグル機構150は、可動プラテン120の後方において進退自在とされるスライドベースと、可動プラテン120との間に設けられる。可動プラテン120がトグルサポートに対応する。第1リンク152はスライドベースに対しピンなどで揺動自在に取付けられ、第2リンク153は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第1リンク152と第2リンク153とは、ピンなどで屈伸自在に連結され、例えば前進開始時に伸びた状態、前進完了時に曲がった状態とされる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。エジェクタモータ210の回転運動は、運動変換機構220によってクロスヘッド151の直線運動に変換される。エジェクタモータ210を作動させて、クロスヘッド151を進退させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、可動プラテン120に対しスライドベースが進退する。その結果、スライドベースと共にエジェクタロッド230が進退する。
【0192】
図11は、
図3に示すクロスヘッドおよびその変形例のクロスヘッドの傾きをトグルサポート腕部で抑制している状態を示す断面図である。
図11(a)は、
図3に示すクロスヘッドの傾きをトグルサポート腕部で抑制している状態の断面図であって、
図3のXI−XI線に沿った断面図である。
図11(b)は、変形例のクロスヘッドの傾きをトグルサポート腕部で抑制している状態を示す断面図である。
図11において、クロスヘッドの傾きを誇張して示す。
【0193】
図11(a)に示す被ガイド部としてのスライダ部157のZ方向寸法L1は、クロスヘッド本体部155のZ方向寸法L2と同じである。一方、
図11(b)に示す被ガイド部としてのスライダ部157のZ方向寸法L1は、クロスヘッド本体部155のZ方向寸法L2よりも長い。
【0194】
スライダ部157の傾きは、スライダ部157とガイドレール133とのクリアランス、およびスライダ部157のZ方向寸法L1などで定まる。尚、
図11(a)と
図11(b)とで、スライダ部157とガイドレール133とのクリアランスは同じである。
【0195】
図11(a)と
図11(b)とを比較すれば明らかなように、スライダ部157の傾きを決める要因の一つであるクリアランスが同じ場合、スライダ部157の傾きを決める要因の他の一つであるL1がL2よりも長いと、L1がL2と同じときに比べて、スライダ部157の傾きを抑制でき、クロスヘッド本体部155の傾きを抑制できる。よって、クロスヘッド本体部155に取付けられる運動変換機構170の撓みを抑制でき、運動変換機構170の偏荷重による破損を抑制できる。
【0196】
尚、
図11(b)に示すスライダ部157はクロスヘッド本体部155からZ方向両側(正方向側および負方向側)に突出するが、スライダ部157はクロスヘッド本体部155からZ方向片側(正方向側または負方向側)のみに突出してもよい。いずれにしろ、L1がL2よりも長いため、L1がL2と同じときに比べて、スライダ部157の傾きを抑制でき、クロスヘッド本体部155の傾きを抑制できる。よって、クロスヘッド本体部155に取付けられる運動変換機構170の撓みを抑制でき、運動変換機構170の偏荷重による破損を抑制できる。
【0197】
また、
図11(b)に示すスライダ部157の案内方式は滑り案内であるが、
図9(b)に示す軸部157Dと同様に、スライダ部157の案内方式は転がり案内であってもよい。、スライダ部157の傾きを決める要因の一つであるクリアランスを低減でき、スライダ部157の傾きをさらに抑制でき、クロスヘッド本体部155の傾きをさらに抑制できる。よって、クロスヘッド本体部155に取付けられる運動変換機構170の撓みをさらに抑制でき、運動変換機構170の偏荷重による破損をさらに抑制できる。
【0198】
図11に示す技術は、
図7に示すクロスヘッド151A、151B、151Cにも適用可能である。具体的には、
図7(a)に示すスライダ部157AのZ方向寸法が、クロスヘッド本体部155AのZ方向寸法よりも長くてもよい。
図7(b)に示すスライダ部157BのZ方向寸法が、クロスヘッド本体部155BのZ方向寸法よりも長くてもよい。
図7(c)に示すスライダ部157CのZ方向寸法が、クロスヘッド本体部155CのZ方向寸法よりも長くてもよい。
【0199】
また、
図11に示す技術は、
図8に示すクロスヘッド151Dにも適用可能である。具体的には、
図8に示す被ガイド部としての軸部157DのZ方向寸法L1がクロスヘッド本体部155DのZ方向寸法L2よりも長ければ、
図8に示す複数のガイドレール133Cの代わりに、
図3や
図4に示すガイドレール133が用いられてもよい。
【0200】
本出願は、2017年3月27日に日本国特許庁に出願した特願2017−061955号に基づく優先権を主張するものであり、特願2017−061955号の全内容を本出願に援用する。