特許第6977097号(P6977097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 群創光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977097
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   G02F1/1368
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-69124(P2020-69124)
(22)【出願日】2020年4月7日
(62)【分割の表示】特願2016-75212(P2016-75212)の分割
【原出願日】2016年4月4日
(65)【公開番号】特開2020-129113(P2020-129113A)
(43)【公開日】2020年8月27日
【審査請求日】2020年4月20日
(31)【優先権主張番号】104128305
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510134581
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Innolux Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】顔 崇紋
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲ユー▼宗
(72)【発明者】
【氏名】王 兆祥
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲テ▼裕
【審査官】 横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−199708(JP,A)
【文献】 特開2010−230888(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/144517(WO,A1)
【文献】 特開平05−275698(JP,A)
【文献】 特開2006−317840(JP,A)
【文献】 特開2016−015404(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0206907(US,A1)
【文献】 中国実用新案第204596791(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/136−1/1368
G09F 9/30−9/46
H01L 21/336,29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
第一基板と、
第二基板と、
前記第一基板と前記第二基板との間に位置する表示媒体層と、
前記第一基板上に位置する能動層と、
前記能動層上に位置する第一絶縁層と、
前記第一絶縁層上に位置し、第一方向に延びるゲート線を含む第一電極層と、
第一電極層上に位置する第二絶縁層と、
前記第二絶縁層上に位置し、導電パターンと、前記第一方向と直交する第二方向に延びるデータ線とを含み、前記データ線及び前記導電パターンがそれぞれ第一コンタクトホール及び第二コンタクトホールによって前記能動層に電気的に接続される第二電極層と、を含み、
前記ゲート線は、第一ゲート線部及び第二ゲート線部からなり、
前記第一ゲート線部は、前記能動層と重なり、
前記導電パターンは、前記ゲート線に近接する非直線状の側辺を有し、
前記第一ゲート線部の前記第一基板への投影と前記導電パターンの前記第一基板への投影との間には、第一最小距離D2を有し、
前記第二ゲート線部の前記第一基板への投影と前記導電パターンの前記第一基板への投影との間には、第二最小距離D3を有し、
前記第一最小距離D2は、前記第二最小距離D3よりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一最小距離D2は、1.0〜5.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第二最小距離D3は、0.5〜4.5μmであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第二最小距離D3と前記第一最小距離D2との比率は、0.50〜0.95であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第二最小距離D3と前記第一最小距離D2との比率は、0.80〜0.90であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第二電極層上に位置する第三絶縁層と、
前記第三絶縁層上に位置し、第三コンタクトホールによって前記導電パターンに電気的に接続される画素電極層と、をさらに含み、
前記第三コンタクトホールの前記第一基板への投影は、前記第一方向に第一最大幅W1を有し、前記第二方向に第二最大幅W2を有し、
前記第一最大幅W1は、前記第二最大幅W2と異なることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第一最大幅W1は、前記第二最大幅W2よりも広く、
前記第二最大幅W2と前記第一最大幅W1との比率は、0.5〜0.8であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第一最大幅W1は、前記第二最大幅W2よりも狭く、
前記第一最大幅W1と前記第二最大幅W2との比率は、0.5〜0.8であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)は、低放射、小型及び低エネルギー消費等の利点により、従来のブラウン管を用いたディスプレイ(cathode ray tube display,CRT)から置き換わってきつつあり、ノートパソコン、個人用の携帯情報端末(personal digital assistant,PDA)、フラットテレビまたは携帯電話等の電子情報製品に幅広く適用されている。
【0003】
従来の液晶ディスプレイの駆動方式では、外部のソースドライバ回路(source driver)及びゲートドライバ回路(gate driver)によってパネル上の画素が駆動されて画像の表示が行われる。近年、ゲートドライバ回路を液晶パネルに組み込む等、ドライバ回路を表示パネルに直接に作製するようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0082914号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0188117号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の薄膜トランジスタでは、ゲート及びドレインに寄生容量が発生しやすいため、駆動時に画素ユニットが寄生容量による影響を受けやすく、いわゆるフィードスルー効果(feed through effect)が生じる。表示装置の画面には、このようなフィードスルー効果によってフリッカー(image flicker)が生じるため、表示装置の画質が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る表示装置は、第一基板と、第二基板と、前記第一基板と前記第二基板との間に位置する表示媒体層と、前記第一基板上に位置する能動層と、前記能動層上に位置する第一絶縁層と、前記第一絶縁層上に位置し、第一方向に延びるゲート線を含む第一電極層と、第一電極層上に位置する第二絶縁層と、前記第二絶縁層上に位置し、導電パターンと、前記第一方向と直交する第二方向に延びるデータ線とを含み、前記データ線及び前記導電パターン部がそれぞれ第一コンタクトホール及び第二コンタクトホールによって前記能動層に電気的に接続される第二電極層と、を含む。前記ゲート線は、第一ゲート線部及び第二ゲート線部からなる。前記第一ゲート線部は、前記能動層と重なる。前記第一ゲート線部の前記第一基板への投影と前記導電パターンの前記第一基板への投影との間には、第一最小距離D2を有する。前記第二ゲート線部の前記第一基板への投影と前記導電パターンの前記第一基板への投影との間には、第二最小距離D3を有する。前記第一最小距離D2は、前記第二最小距離D3よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の表示装置によれば、特定の形状に設計された導電パターンによりゲート線との間の寄生容量が減少するため、フィードスルー効果を低減することができ、表示装置の画面におけるフリッカーの発生を抑えるとともに、表示装置の性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
図2A図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図2B図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図2C図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図2D図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図2E図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図2F図1の2−2’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図3】本発明の第二実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
図4】本発明の第三実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
図5】本発明の第四実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
図6A図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図6B図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図6C図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図6D図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図6E図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図6F図5の6−6’線における表示装置の断面構成を示す概略図である。
図7】本発明の第五実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
図8】本発明の第六実施形態に係る表示装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る表示装置について、詳しく説明する。後述する、異なる実施形態または実施例は、単に本発明を実施するための例示的なものであって、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。また、特定の構成要素及び配列形態は、単に本発明を説明するためのものである。本発明を明確にするために、異なる実施形態には符号やフラグを重複して使用する。このような重複する符号やフラグの使用は、異なる実施形態及び/又は構成に関連性があることを意図していない。なお、第一材料層が第二材料層上または第二材料層の上に位置する場合とは、第一材料層が第二材料層に直接に接触する場合や、第一材料層と第二材料層の間に一層または複数層の他の材料層をあける場合が含まれることを意図している。なお、後者の場合には、第一材料層が第二材料層に直接に接触しない場合が含まれる。
【0010】
詳細に説明したり図示したりする構成要素は、当業者が熟知する様々な形態であってもよい。また、ある層が他の層または基板「上」に位置する場合は、ある層が他の層または基板上に「直接に」位置する場合、ある層が他の層または基板上に位置する場合、またはある層が他の層と基板との間に介装される場合が含まれることを意図している。
【0011】
さらに、図面に示す本発明の各構成要素は簡潔かつ便宜に表示され、かつその形状や厚さが拡大されることが可能である。また、図面に示す各構成要素について、詳細に説明するが、図示されない構成要素または詳細に説明されない構成要素は、当業者が熟知する形態であることを理解されたい。なお、特定の実施形態は、単に本発明の実用に関する特定形態の例示的なものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
また、明細書及び請求項に記載されている序数、例えば「第一」、「第二」、「第三」などの用語は、請求項の構成要素の修飾に用いられ、構成要素の順番、限定された数、又は製造方法の順序を示すものではなくて、単にある構成要素を同名の他の構成要素と区別するためのものである。
【0013】
本発明の実施形態に係る表示装置では、特定の形状に設計された導電パターン(例えば、ドレインとされる)によりゲート線との間の寄生容量(parasitic capacitance)が減少するため、フィードスルー効果(feed through effect)を低減することができ、表示装置の画面におけるフリッカー(image flicker)の発生を抑えるとともに、表示装置の性能を高めることができる。本発明の実施形態に係る表示装置は、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(low−temperature polysilicon thin film transistor,LTPS−TFT)を含んでもよい。この低温ポリシリコン薄膜トランジスタは、チャンネルの能動層として、例えば、L字状またはU字状であってもよい。
【0014】
図1は、本発明の第一実施形態に係る表示装置10の概略平面図である。なお、能動層、第一電極層及び第二電極層の関係を説明するために、図1では、第一基板、能動層、第一電極層及び第二電極層のみを示し、他の構成要素(例えば、第二基板、第一基板と第二基板との間に位置する液晶層などの表示媒体層)の表示を省略する。表示装置10は、第一基板12上に配置された能動層14を含む。能動層14は、第一方向Xに延びる第一能動層部14Aと、第一方向Xと直交する第二方向Yに延びる第二能動層部14Bとからなってもよい。本発明の各実施形態において、直交とは、第一方向Xと第二方向Yのなす角度が90度であり、且つ10度の誤差が許容されることを意味する。さらに、第一能動層部14Aは、第二能動層部14Bに接続される。図1に示すように、能動層14の形状は、例えばL字状であってもよい。第一電極層16は、第一絶縁層(図示せず)上に配置される。第一絶縁層は、第一基板12上に配置されてもよい。能動層14は、第一基板12によって覆われる。言い換えれば、第一電極層16は、第一絶縁層によって能動層14から隔離されている。第一電極層16は、第一方向Xに延びるゲート線16Aと、第二方向Yに延びるとともにゲート線16Aに接続する突出部16Bとを含んでもよい。図1に示すように、第一電極層16の形状は、例えばT字状であってもよい。第一電極層16の突出部16Bは、能動層14の第一能動層部14Aと部分的に重なる。一方、第一電極層16のゲート線16Aは、能動層14の第二能動層部14Bと部分的に重なる。第二絶縁層(図示せず)は、第一絶縁層上に配置されてもよい。第一電極層16は、第二絶縁層によって覆われる。第二電極層18は、第二絶縁層上に配置される。
【0015】
図1に示すように、第二電極層18は、第二方向Yに延びるデータ線18Aと、導電パターン18Bとを含む。データ線18A及び導電パターン18Bは、直接に接触せずに互いに電気的に接続され、且つそれぞれが第一電極層16の突出部16Bの左右両側に位置する。言い換えれば、データ線18Aの第一基板12への投影は、第一電極層16における突出部16Bの第一基板12への投影によって第一基板12における導電パターン18Bの一部の投影から隔離されている。すなわち、第一電極層16における突出部16Bの第一基板12への投影は、データ線18Aの第一基板12への投影と導電パターン18Bの一部の第一基板12への投影との間にある。データ線18Aは、第一絶縁層及び第二絶縁層を貫通するコンタクトホール(図示せず)によって能動層14に電気的に接続される。導電パターン18Bは、第一絶縁層及び第二絶縁層を貫通するもう1つのコンタクトホール(図示せず)によって能動層14に電気的に接続される。
【0016】
導電パターン18Bは、第一導電パターン部18B1及び第二導電パターン部18B2からなる。第一導電パターン部18B1は、第二導電パターン部18B2とゲート線16Aとの間に配置される。すなわち、第二導電パターン部18B2は、第一導電パターン部18B1によってゲート線16Aから隔離されている。詳細には、第一導電パターン部18B1の第一基板12への投影は、第二導電パターン部18B2の第一基板12への投影とゲート線16Aの第一基板12への投影との間にある。図1に示すように、第一導電パターン部18B1は、第二導電パターン部18B2に接続され、且つ第二導電パターン部18B2との間に第一方向Xに延びる境界面19が形成される。
【0017】
また、第二導電パターン部18B2の第一基板12への投影は、第二方向Yで突出部16Bの第一基板12への投影と少なくとも部分的に重なる。ここで、第一導電パターン部18B1は第一方向Xに第一最大幅Aを有し、第二導電パターン部18B2は第一方向Xに第二最大幅Bを有する。第一最大幅Aは第二最大幅Bよりも狭いため、重なりによって導電パターン18Bと第一電極層16(例えば、突出部16B)との間に生じた寄生容量を減少させることができ、これによりフィードスルー効果を低減し、表示装置の画面のフリッカーを抑えることができる。
【0018】
本発明の一部の実施形態では、第一最大幅Aは約2.0〜14.0μmで、第二最大幅Bは約3.0〜15.0μmであってもよい。さらに、第一最大幅Aと第二最大幅Bとの比率は0.50〜0.90であり、好ましくは、0.75〜0.85である。また、本実施形態では、フィードスルー効果をより一層低減するために、第一導電パターン部18B1の第一基板12への投影と突出部16Bの第一基板12への投影との最小距離D1を0よりも大きくしてもよい。本実施形態によれば、最小距離D1は0.1〜1.0μmであってもよい。
【0019】
図2A乃至図2Fは、図1に示す表示装置10の製造フローを、図1の2−2’線における表示装置10の断面構成の変化として表す。まず、図2Aに示すように、第一基板12を供給し、さらにこの第一基板12上に能動層14を形成する。第一基板12は、石英、ガラス、シリコン、金属、プラスチックまたはセラミックス材であってもよい。能動層14の形状は、例えばL字状であってもよい。図1に示すように、能動層14は、第一方向Xに延びる第一能動層部14Aと、第二方向Yに延びる第二能動層部14Bからなってもよい。第一能動層部14Aは、第二能動層部14Bに接続される。能動層14は、低温ポリシリコン(low temperature polysilicon,LTPS)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(indium gallium zinc oxide,IGZO)、または本技術領域でよく使用する他の金属酸化物半導体材料であってもよいが、これらに限定されない。
【0020】
図2Bに示すように、第一基板12上に第一絶縁層20を形成する。能動層14は、第一絶縁層20によって覆われる。第一絶縁層20の材質としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または無機絶縁材料(例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、シリコンオキシ窒化物、炭化シリコン、アルミナまたはこれらの材質の組合せ)を用いてもよい。次に、図2Cに示すように、第一絶縁層20上に第一電極層16を形成する。第一電極層16は、第一方向Xに延びるゲート線16Aと、第二方向Yに延びる突出部16Bとを含んでもよい。ゲート線16Aは、突出部16Bに接続される(図1を参照)。第一電極層16の材質としては、アルミ(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)または他の合金を用いてもよい。
【0021】
次に、図2Dに示すように、第一絶縁層20上に第二絶縁層22を形成する。第一電極層16は、第二絶縁層22によって覆われる。第二絶縁層22の材質としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または無機絶縁材料(例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、シリコンオキシ窒化物、炭化シリコン、アルミナまたはこれらの材質の組合せ)を用いてもよい。なお、第二絶縁層22の材質は、第一絶縁層20の材質と同一であってもよいし、異なってもよい。次に、図2Eに示すように、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール21、23を形成する。コンタクトホール21、23は、それぞれ第二能動層部14Bの上面及び第一能動層部14Aの上面を露出させるように形成される。
【0022】
最後、図2F及び図1に示すように、第二絶縁層22上に第二電極層18を形成する。第二電極層18は、第二方向Yに延びるデータ線18A及び導電パターン18Bを含む。データ線18A及び導電パターン18Bは、直接に接触せずに互いに電気的に接続され、且つそれぞれ第一電極層16の突出部16Bの左右両側に位置する。すなわち、突出部16Bの第一基板12への投影は、データ線18Aの第一基板12への投影と、導電パターン18Bの一部の第一基板12への投影との間にある。データ線18Aは、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール21によって第二能動層部14Bに電気的に接続される。一方、導電パターン18Bは、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール23によって第一能動層部14Aに電気的に接続される。本発明の一部の実施形態では、表示装置10は、第一基板12上に配置されて能動層14の下方に位置する遮光層(図示せず)をさらに含んでもよい。遮光層は、例えばブラックマトリックスであってもよい。ブラックマトリックスの材料としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または金属材料を用いてもよい。さらに、能動層14は、絶縁層(図示せず)によって遮光層から隔離されていてもよい。
【0023】
本発明の第二実施形態において、第一導電パターン部18B1の第一基板12への投影と、突出部16Bの第一基板12への投影との最小距離D1は0であってもよい。すなわち、図3に示すように、第一導電パターン部18B1の第一基板12への投影は、突出部16Bの第一基板12への投影に近接する。また、本発明の第三実施形態において、第一導電パターン部18B1の第一基板12への投影は、突出部16Bの第一基板12への投影と部分的に重なってもよい。なお、図4に示すように、重なり部分の幅は、第一方向Xに約0.1〜0.5μmである。
【0024】
図5は、本発明の第四実施形態に係る表示装置の概略平面図である。なお、能動層、第一電極層及び第二電極層の関係を説明するために、図5では、第一基板、能動層、第一電極層及び第二電極層のみを示し、他の構成要素(例えば、第二基板、第一基板と第二基板との間に位置する液晶層や絶縁層などの表示媒体層)の表示を省略する。表示装置10は、第一基板12上に配置された能動層14を含む。能動層14は、第一能動層部14A及び第二能動層部14Bからなってもよい。第一能動層部14Aの第一基板12への投影はL字状である。第一能動層部14Aは、第一方向Xに延びる第一部分と、第二方向Yに延びる第二部分とからなる。第二能動層部14Bは、第二方向Yに延び、且つ第一能動層部14Aに接続される。図5に示すように、能動層14の形状は、例えばU字状であってもよい。第一電極層16は、第一絶縁層(図示せず)上に配置される。第一絶縁層は、第一基板12上に配置されてもよい。能動層14は、第一絶縁層によって覆われる。言い換えれば、第一電極層16は、第一絶縁層によって能動層14から隔離されている。第一電極層16は、例えば、第一方向Xに延びるゲート線であって、第一ゲート線部16C及び第二ゲート線部16Dからなっていてもよい。ここで、第一電極層16の第一能動層部14Aと重なる部分は、第一ゲート線部16Cと定義される。すなわち、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第一ゲート線部16Cの第一基板12への投影をカバーする。第一電極層16の第一能動層部14Aと重ならない部分は、第二ゲート線部16Dと定義される。すなわち、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第二ゲート線部16Dの第一基板12への投影に近接する。つまり、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第二ゲート線部16Dの第一基板12への投影と重ならない。第二絶縁層(図示せず)は、第一絶縁層上に配置されてもよい。第一電極層16は、第二絶縁層によって覆われる。第二電極層18は、第二絶縁層上に配置される。
【0025】
また、図5に示すように、第二電極層18は、第二方向Yに延びるデータ線18Aと、導電パターン18Bとを含む。データ線18A及び導電パターン18Bは、直接に接触せずに互いに電気的に接続される。データ線18Aは、第一絶縁層及び第二絶縁層を貫通するコンタクトホール(図示せず)によって能動層14に電気的に接続される。導電パターン18Bは、第一絶縁層及び第二絶縁層を貫通するもう1つのコンタクトホール(図示せず)によって能動層14に電気的に接続される。本実施形態において、導電パターン18Bは、非直線状の側辺25(例えば、凹陥縁部)を有する。非直線状の側辺25は、導電パターン18Bの第一電極層16に近接する側辺である。また、第一ゲート線部16Cの第一基板12への投影と導電パターン18Bの第一基板12への投影との間の最小距離D2は、第二ゲート線部16Dの第一基板12への投影と導電パターン18Bの第一基板12への投影との間の最小距離D3よりも大きい。これにより、導電パターン18Bと第一電極層16との間に生じた寄生容量が減少されるため、フィードスルー効果が低減して、表示装置の画面のフリッカーを抑えることができる。本発明の一部の実施形態において、最小距離D2は約1.0〜5.0μmであり、最小距離D3は約0.5〜4.5μmであってもよい。なお、最小距離D3と最小距離D2との比率(D3/D2)は約0.50〜0.95であってもよいが、好ましくは、約0.80〜0.90である。
【0026】
図6A乃至図6Fは、図5に示す表示装置10の製造フローを、図5の6−6’線における表示装置10の断面構成の変化として表す。まず、図6Aに示すように、第一基板12を供給し、さらにこの第一基板12上に能動層14を形成する。第一基板12は、石英、ガラス、シリコン、金属、プラスチックまたはセラミックス材であってもよい。能動層14の形状は、例えばU字状であってもよい。図5に示すように、能動層14は、第一能動層部14A及び第二能動層部14Bからなってもよい。第一能動層部14Aの第一基板12への投影はL字状である。第一能動層部14Aは、第一方向Xに延びる第一部分と、第二方向Yに延びる第二部分からなる。第二能動層部14Bは、第二方向Yに延び、且つ第一能動層部14Aに接続される。能動層14は、低温ポリシリコン、インジウムガリウム亜鉛酸化物、または本技術領域でよく使用する他の金属酸化物半導体材料であってもよいが、これらに限定されない。
【0027】
次に、図6Bに示すように、第一基板12上に第一絶縁層20を形成する。能動層14は、第一絶縁層20によって覆われる。第一絶縁層20の材質としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または無機絶縁材料(例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、シリコンオキシ窒化物、炭化シリコン、アルミナまたはこれらの材質の組合せ)を用いてもよい。次に、図6Cに示すように、第一絶縁層20上に第一電極層16を形成する。第一電極層16は、第一方向Xに延びてゲート線とされてもよい。第一電極層16は、第一ゲート線部16C及び第二ゲート線部16Dからなっていてもよい。ここで、第一電極層16の第一能動層部14Aと重なる部分は、第一ゲート線部16Cと定義される。すなわち、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第一ゲート線部16Cの第一基板12への投影をカバーする。また、第一電極層16の第一能動層部14Aと重ならない部分は、第二ゲート線部16Dと定義される。すなわち、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第二ゲート線部16Dの第一基板12への投影に近接する。つまり、図5に示すように、第一能動層部14Aの第一基板12への投影は、第二ゲート線部16Dの第一基板12への投影と重ならない。第一電極層16の材質としては、アルミ(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)、タングステン(W)または他の合金を用いてもよい。
【0028】
次に、図6Dに示すように、第一絶縁層20上に第二絶縁層22を形成する。第一電極層16は、第二絶縁層22によって覆われる。第二絶縁層22の材質としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または無機絶縁材料(例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、シリコンオキシ窒化物、炭化シリコン、アルミナまたはこれらの材質の組合せ)を用いてもよい。なお、第二絶縁層22の材質は、第一絶縁層20の材質と同一であってもよいし、異なってもよい。次に、図6Eに示すように、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール21、23を形成する。コンタクトホール21、23は、それぞれ第二能動層部14Bの上面及び第一能動層部14Aの上面を露出させるように形成される。
【0029】
最後、図6F及び図5に示すように、第二絶縁層22上に第二電極層18を形成する。第二電極層18は、第二方向Yに延びるデータ線18A及び導電パターン18Bを含む。データ線18A及び導電パターン18Bは、直接に接触せずに互いに電気的に接続される。また、データ線18Aは、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール23によって第二能動層部14Bに電気的に接続される。一方、導電パターン18Bは、第一絶縁層20及び第二絶縁層22を貫通するコンタクトホール21によって第一能動層部14Aに電気的に接続される。本発明の一部の実施形態では、表示装置10は、第一基板12上に配置されて能動層14の下方に位置する遮光層(図示せず)をさらに含んでもよい。遮光層は、例えばブラックマトリックスであってもよい。ブラックマトリックスの材料としては、有機絶縁材料(例えば、感光性樹脂)または金属材料を用いてもよい。さらに、能動層14は、絶縁層(図示せず)によって遮光層から隔離されていてもよい。本発明の他の実施形態において、遮光層の第一基板12への投影は、導電パターン18Bの第一基板12への投影と部分的に重なってもよいし、重ならなくてもよい。
【0030】
図7に示す本発明の第五実施形態では、表示装置10は、第二絶縁層(図示せず)上に配置される第三絶縁層24をさらに含む。第二電極層18は、第三絶縁層24によって覆われる。コンタクトホール27は、第三絶縁層24を貫通して導電パターン18Bを露出させる。これにより、後で形成される画素電極(図示せず)は、コンタクトホール27によって導電パターン18Bに電気的に接続されることが容易になる。コンタクトホール27の第一基板12への投影は、第一方向Xに最大幅W1を有し、第二方向Yに最大幅W2を有する。最大幅W1は、最大幅W2と異なる。例えば、図7に示すように、コンタクトホール27の第一基板12への投影の、第一方向Xにおける最大幅W1を、コンタクトホール27の第一基板12への投影の、第二方向Yにおける最大幅W2よりも広くしてもよい。このように、上記のコンタクトホール27の形状の設計により、ゲート線16A及びコンタクトホール27を遮蔽するブラックマトリックス(図示せず)の第二方向Yにおける幅を短縮することができ、容易に開口率を向上させることができる。ここで、最大幅W1は約3.0〜15.0μmであり、最大幅W2は約2.0〜13.0μmである。さらに、最大幅W2と最大幅W1との比率(W2/W1)は約0.5〜0.8であってもよいが、好ましくは、約0.65〜0.75である。
【0031】
一方、図8に示す本発明の第六実施形態においては、コンタクトホール27の第一基板12への投影の、第一方向Xにおける最大幅W1を、コンタクトホール27の第一基板12への投影の、第二方向Yにおける最大幅W2よりも狭くしてもよい。このように、上記のコンタクトホール27の形状の設計により、画素電極と導電パターン18Bとの間に一定の接触面積を維持する状態において、画素ピッチ(pixel pitch)を減少させ、画素セルの集積度を高めることができる。ここで、最大幅W1は約2.0〜13.0μmであり、最大幅W2は約3.0〜15.0μmである。さらに、最大幅W1と最大幅W2との比率(W2/W1)は約0.5〜0.8であってもよいが、好ましくは、0.65〜0.75である。
【0032】
以上、本発明の実施形態及び長所について説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を含む各種の変動や潤色は、本発明の保護を求める範囲内に属するものであることを理解されたい。また、本発明の保護を求める範囲は、明細書に記載されている特定の実施形態の製造工程、装置、製造、構成要素の組成、設備、方法及び工程に限定されない。なお、当業者であれば、本発明に開示されている内容から、既存または将来に開発される製造工程、装置、製造、構成要素の組成、設備、方法及び工程を理解すべきであり、さらに本発明の実施形態とほぼ同じ機能またはほぼ同じ欠課を得ることができる。そのため、本発明の保護を求める範囲は、上記の製造工程、装置、製造、構成要素の組成、設備、方法及び工程を含む。また、各請求項によって個別の実施形態が構成され、且つ本発明の保護を求める範囲は、各請求項及び実施形態の組合せを含む。
【符号の説明】
【0033】
10 表示装置
12 第一基板
14 能動層
14A 第一能動層部
14B 第二能動層部
16 第一電極層
16A ゲート線
16B 突出部
16C 第一ゲート線部
16D 第二ゲート線部
18 第二電極層
18A データ線
18B 導電パターン
18B1 第一導電パターン部
18B2 第二導電パターン部
19 境界面
2−2’、6−6’ 破線
20 第一絶縁層
21、23、27 コンタクトホール
22 第二絶縁層
24 第三絶縁層
25 非直線状の側辺
A 第一最大幅
B 第二最大幅
D1、D2、D3 最小距離
W1、W2 最大幅
X 第一方向
Y 第二方向
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8