(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977172
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】スプロケットガード
(51)【国際特許分類】
B62J 13/00 20060101AFI20211125BHJP
B62M 9/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
B62J13/00 B
B62M9/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-532698(P2020-532698)
(86)(22)【出願日】2018年12月11日
(65)【公表番号】特表2021-506657(P2021-506657A)
(43)【公表日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】US2018064998
(87)【国際公開番号】WO2019118494
(87)【国際公開日】20190620
【審査請求日】2020年6月29日
(31)【優先権主張番号】15/840,227
(32)【優先日】2017年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】コーディー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシリオティス,クリス
【審査官】
田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04741724(US,A)
【文献】
実開昭62−178289(JP,U)
【文献】
特開2014−231281(JP,A)
【文献】
実開昭61−027782(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0161146(US,A1)
【文献】
特開2011−207244(JP,A)
【文献】
実開昭54−128239(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0257376(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0353155(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0289927(US,A1)
【文献】
米国特許第05316522(US,A)
【文献】
米国特許第04798565(US,A)
【文献】
米国特許第04044621(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 13/00
B62M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプロケット径方向スポークを有し、かつ外周縁上に歯を有するスプロケットを備え、前記歯は第1平面(CL1)内に配置され、
各スプロケット径方向スポークは前記スプロケットに対応する第1円筒面に連続し、
軸心とこの軸心に垂直な第2平面(CL2)とを有するとともに、円形部材径方向スポークを有する円形部材とを備え、各円形部材径方向スポークは前記円形部材に対応する第2円筒面に連続し、
外方円筒面を有するカラーと、
前記カラーに係合する固定具とを備え、
前記第1平面(CL1)は前記第2平面(CL2)からずれて平行であり、
前記第1円筒面と前記第2円筒面は前記外方円筒面に係合し、前記第1円筒面と前記第2円筒面と前記外方円筒面は前記第2平面(CL2)と同一面内にある
スプロケットガード。
【請求項2】
前記歯が無端状部材に係合する請求項1に記載のスプロケットガード。
【請求項3】
前記歯がベルトに係合する請求項1に記載のスプロケットガード。
【請求項4】
前記固定具がねじ付きである請求項1に記載のスプロケットガード。
【請求項5】
前記スプロケットが前記カラーを受容する凹部を有する請求項1に記載のスプロケットガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスプロケットガードに関し、特に、同一平面上にあるスプロケット面とガード面と固定具カラー面とを有する改造が可能であるスプロケットガードに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、交通手段と同時にレクリエーションの、ますますよりポピュラーな形態になりつつある。長年にわたって広く再設計されてきた分野は自転車の駆動機構である。
【0003】
再設計された駆動機構のひとつの特徴的な要素はフロントスプロケットアセンブリである。フロントスプロケットアセンブリは、靴紐と衣服が絡まるのを防止するために、スプロケットに近接したチェーン/スポーク保護具が設けられている。
【0004】
一般的に従来のチェーン/スポーク保護具は、軸方向スナップフィットを用いてクランクハブに取付けられるか最大スプロケットに取付けられる。これらの従来技術のスポーク/チェーン保護具は概ね良好に作用するが、これらは通常、オリジナル要素として取付けられる。これらの場合、ガードを変更する機会は最小である。製造して組み付けることが比較的単純である現在の自転車のクランクを変更することができる要素に対する需要がある。
【0005】
上記を考慮すると、この開示から、改良された自転車のスプロケットガードに対する必要性があることは当業者にとって自明である。
【0006】
この技術の代表は自転車のスプロケットアセンブリを開示する米国特許第8888629号であり、これはスプロケット要素とチェーン保護具を含む。スプロケット要素は、中心回転軸の周りの外周に配置された複数の歯と、少なくとも1の第1取付け要素とを有する。チェーン保護具は、保護部と、保護部の径方向内側に配置された取付け部とを有する。取付け部は、スプロケット要素とチェーン要素の間の相対回転移動に応じて第1取付け要素に係合する、少なくとも1の第2取付け要素を有する。
【0007】
必要なものは、同一平面上にあるスプロケット面とガード面と固定具カラー面とを有し、改造が可能であるスプロケットガードである。本発明はこの必要性に合致する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の主な特徴は、同一平面上にあるスプロケット面とガード面と固定具カラー面とを有し、改造が可能であるスプロケットガードを提供することである。
【0009】
本発明の他の特徴は、本発明の次の記載と添付した図面により示され、明らかになる。
【0010】
本発明は、スプロケット径方向スポークを有し、かつ外周縁上に歯を有するスプロケットを備え、歯は平面CL1内に配置され、各スプロケット径方向スポークは第1円筒面に連続し、円形部材径方向スポークを有する円形部材とを備え、各円形部材径方向スポークは第2円筒面に連続し、外方円筒面を有するカラーと、カラーに係合する固定具とを備え、第1円筒面と第2円筒面は外方円筒面に係合し、全ての面は平面CL2と同一面内にあり、平面CL1は平面CL2からずれているスプロケットガードである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は前方斜視図である。ガード10はクランクスプロケットの外周縁と協働する。クランクは自転車に用いられる。
【0013】
ガード10は円形であり、カラー32に係合するネジ付き固定具30を用いてスプロケット20に取付けられる。ワッシャ31は、固定具30が使用中に緩まないことを確実にする。
【0014】
カラー32は外方円筒面33を有する。面33は受容面21に係合する。面21は円筒状であり、スプロケット20の2つのスポーク22a、22bの間に形成される。面21は公知のスプロケットにおいて一般的である。
【0015】
面21は面33に係合する。各径方向スポーク22a、22bは、歯23を回転軸A−Aに沿って軸方向に変位させるオフセット22cを有する。歯23はベルトあるいは他の無端状部材に係合する。
【0016】
ガード10は径方向スポーク11a、11bを有する。スポーク11a、11bの頂点11Cは円筒面13を有する。面13は面33に係合する。
【0017】
図2は後方斜視図である。歯23は回転軸A−Aに垂直な平面CL1上にある。ガードの外方リング14は回転軸A−Aに垂直な平面CL2の上にある。平面CL1は平面CL2から距離xだけずれている。オフセット22cにより、現在のスプロケットを、スプロケット20に取付け穴を穿設する必要なしに、ガード10に変更することが可能になる。カラー32、面13および面
21は平面CL2と同一面内にある。カラー32の外縁は凹部25に係合し、これによりカラー32の位置をスプロケット20に関して位置決めする。凹部25は、スポーク22a、22bの間において、スプロケット20の内側に位置し、これにより装着された装置の審美的外観を高める。
【0018】
図3は側方斜視図である。複数の固定具30がガードを現在のスプロケットに取付けるために使用可能である。
【0019】
図4はクランクの側面図である。クランクアーム40は従来公知のようにして、クランクの各側部から突出する。ガード10は、靴紐やズボンの裾がスプロケットに接触または無端状部材に巻き込まれることを防止する。
【0020】
スプロケットガードは、スプロケット径方向スポークを有し、かつ外周縁上に歯を有するスプロケットを備え、歯は平面CL1内に配置され、第1円筒面に連続するスプロケット径方向スポークと、円形部材径方向スポークを有する円形部材とを備え、各円形部材径方向スポークは第2円筒面に連続し、外方円筒面を有するカラーと、カラーに係合する固定具とを備え、第1円筒面と第2円筒面は平面CL2内で外方円筒面に係合し、平面CL1は平面CL2からずれている。
【0021】
図5は自転車の側面図である。クランク70は自転車のボトムブラケット80に取付けられる。ベルトB(あるいはチェーン)はスプロケット20と後輪90のハブとの間に係合する。自転車はまた、フレームFとシートSと前輪91とハンドルバーHを有し、これらは全て公知である。
【0022】
本発明の1つの形態が説明されたが、当業者がここに記載された発明の精神と範囲から逸脱することなく、構成と部分の関係において変形が施されてもよい。