(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシステム1の概略構成を例示した図である。
システム1は、文書の複写機能、読み取った文書の画像データを生成する機能、画像データが示す画像を記録媒体に形成する機能を有する画像処理装置10を備えている。
また、システム1は、ユーザが入力した情報を受け付けたりユーザに対して情報を出力したりする端末装置20を備えている。
また、システム1は、画像処理装置10や端末装置20からの要求を受けてサービスを提供するサーバ装置30を備えている。
また、システム1は、後述する電子文書の文書情報D1を用いて予め定められた処理を行うなど、文書情報D1を管理する装置である管理装置40を備えている。
画像処理装置10、端末装置20、サーバ装置30及び管理装置40は装置間を通信可能に接続する通信回線50に接続されており、通信回線50を介して互いに通信を行うことが可能となっている。
【0009】
第1の実施形態に係るシステム1は、文書の一例としての信書を送受信するのに適している。信書とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書である。信書は、請求書の類、会議招集通知の類、許可書の類、証明書の類、ダイレクトメールであることを例示することができる。請求書の類の中には、納品書、領収書、見積書、願書、申込書、契約書等が含まれる。会議招集通知の中には、結婚式等の招待状、業務報告文書等が含まれる。許可書の類の中には、免許書、認定書、表彰状等が含まれる。証明書の類の中には、印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本の写し、住民票の写し等が含まれる(なお、住民票の原本、戸籍謄本の原本は役所で管理されている物であり、役所から発行される物は住民票の写し、戸籍謄本の写しである)。ダイレクトメールの中には、文書自体に受取人が記載されている文書等が含まれる。
【0010】
図2(a)〜
図2(d)は、第1の実施形態に係るシステム1にて取り扱われる文書P及び文書Pに含まれる情報の一例を示す図である。
図2(a)に示すように、文書Pは、差出人が端末装置20にてアプリケーション等を用いて作成した電子文書が、受取人によって画像処理装置10にて印刷されるものである。
図2(a)には、文書Pの一例として請求書を示している。
文書Pは、数字および文字などの差出人の意志や事実を通知する内容である文書要素E1と、枠、下線などの非文書要素E2と、文書Pを一意に特定する識別要素E3とを含んでいる。
画像処理装置10にて文書Pが印刷される際には、
図2(b)に示した、電子文書のイメージファイル(印刷画像)である文書画像I1と、
図2(c)に示した、文書Pの原本性を保証するための識別情報画像I2とが作成される。文書画像I1は、文書要素E1および非文書要素E2を画像化したものである。識別情報画像I2は、識別要素E3を画像化したものである。
また、識別情報画像I2は、予め定められた場所(予め定められたページ、ページ内における予め定められた位置)に形成される。特に、第1の実施形態における文書Pにおいては、識別情報画像I2は、文書Pの第1ページに形成される。これは、後述するように、文書Pを画像読取部108にて読み取る際に識別情報画像I2の有無を判断する作業を容易にするためである。
さらに、サーバ装置30は、文書Pに関連付ける情報として、電子文書内の数字や文字などの情報が含まれる、
図2(d)に示した、文書情報D1を作成する。サーバ装置30は、文書要素E1に基づいて文書情報D1を作成する。
【0011】
第1の実施形態に係るシステム1において、文書Pの差出人は、サーバ装置30を介して文書Pの受取人に対して文書Pを送ることが可能である。具体的には、まず、差出人は、端末装置20を用いて文書Pの基となる電子文書を作成し、作成した電子文書を、サーバ装置30に登録する。受取人は、差出人が登録した電子文書に基づく文書Pを、画像処理装置10にて印刷する(記録媒体に電子文書の画像を形成する)ことで受領する。また、サーバ装置30は、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する。
なお、本明細書において、「記録媒体」は、画像を形成可能な媒体であれば、その材質は問わない。代表例は紙である。OHPシートや金属板等であっても良い。
【0012】
このように、第1の実施形態に係るシステム1は、サーバ装置30が、差出人が郵便を投函する郵便ポストのように機能し、画像処理装置10が、受取人が郵便を受け取る郵便受けとして機能する。そして、システム1は、画像処理装置10を介して文書Pの送受を行うという電子的な郵便サービスを実現している。
【0013】
図3は、第1の実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成を例示したブロック図である。
画像処理装置10は、バス101に接続された、CPU(Central Processing Unit)102と、ROM(Read Only Memory)103と、RAM(Random Access Memory)104と、記憶部105とを有している。また、画像処理装置10は、バス101に接続された、操作部106と、表示部107と、画像読取部108と、画像形成部109と、通信部110とを有している。
【0014】
ROM103は、CPU102により実行される制御プログラムを記憶している。CPU102は、ROM103に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM104を作業エリアにして制御プログラムを実行する。CPU102により制御プログラムが実行されると、CPU102により画像処理装置10の各部が制御される。これにより、画像処理装置10は、例えば、記録媒体に画像を形成して出力すること、文書を読み取って文書の画像データを生成すること、通信回線50を介して他の装置と通信を行うことが可能となる。
記憶部105は、記憶装置を具備しており、例えば通信部110で受信した情報(データ)や画像処理装置10で生成された情報(データ)を記憶する。
【0015】
操作部106は、ユーザ操作を受け付けるための複数の操作手段を備えている。操作手段は、ハードウェアキーであっても良いし、表示部107に表示され、押圧された位置に応じた制御信号を出力するタッチパネルによって構成してもよい。
表示部107は、例えば液晶ディスプレイを有する表示装置であり、CPU102の制御の下、例えば画像処理装置10を操作するためのメニュー画面や画像処理装置10に関するデータを表示する。
【0016】
画像読取部108は、プラテンガラス(不図示)と、光を原稿の被読取面(画像面)へ照射する光照射ユニット(不図示)と、光照射ユニットから原稿の被読取面へ光が照射されて原稿の被読取面で反射した反射光を導く導光ユニット(不図示)と、導光ユニットによって導かれた光の光学像を結像する結像レンズ(不図示)とを備えている。また、画像読取部108は、結像レンズによって結像された光を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の光電変換素子で構成され、結像された光学像を検出する検出部(不図示)と、検出部と電気的に接続されて、検出部によって得られた電気信号が送られる画像処理部(不図示)とを備えている。
そして、画像読取部108は、原稿搬送部(不図示)によって搬送される原稿の画像、及びプラテンガラスに載せられた原稿の画像を読み取る。
【0017】
画像形成部109は、一定の間隔を置いて並列的に配置されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の複数の画像形成ユニット(不図示)を備えている。各画像形成ユニットは、感光体ドラム(不図示)と、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電器(不図示)と、トナーで現像し可視化する現像器(不図示)と、現像器に対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ(不図示)とを有している。
また、画像形成部109は、感光体ドラムに対してレーザ光を照射する光学系ユニット(不図示)と、感光体ドラムに形成された各色のトナー像を中間転写ベルト(不図示)上に多重転写させる中間転写ユニット(不図示)とを備えている。また、画像形成部109は、中間転写ユニット上に重畳されて形成されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写ユニット(不図示)と、記録媒体上に形成されたトナー像を加熱及び加圧して定着する定着装置(不図示)とを備えている。
通信部110は、通信回線50に接続されており、通信回線50に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェース(通信I/F)として機能する。
【0018】
なお、CPU102によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いて画像処理装置10にダウンロードさせてもよい。
【0019】
図4は、第1の実施形態に係る端末装置20のハードウェア構成を例示したブロック図である。
図4に示すように、端末装置20は、CPU201と、メインメモリ202及びHDD(Hard Disk Drive)203とを備える。CPU201は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリ202は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。HDD203は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
また、端末装置20は、外部との通信を行うための通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)204と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構205と、キーボードやマウス等の入力デバイス206とを備える。
【0020】
また、
図4は、サーバ装置30のハードウェア構成を例示したブロック図として捉えることもできる。すなわち、サーバ装置30は、CPU201と、メインメモリ202と、HDD203と、通信I/F204と、表示機構205と、入力デバイス206とを備えている。
【0021】
また、
図4は、管理装置40のハードウェア構成を例示したブロック図として捉えることもできる。すなわち、管理装置40は、CPU201と、メインメモリ202と、HDD203と、通信I/F204と、表示機構205と、入力デバイス206とを備えている。
管理装置40は、例えば、文書Pが請求書であり、文書情報D1が請求金額等である場合には、会計処理を行う装置であることを例示することができる。そして、管理装置40には、サーバ装置30に登録された電子文書の文書情報D1が入力されるようになっている。
【0022】
なお、CPU201によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネット等の通信手段を用いて端末装置20、サーバ装置30、管理装置40にダウンロードさせてもよい。
【0023】
図5は、第1の実施形態に係るサーバ装置30の機能構成を示すブロック図である。
サーバ装置30は、端末装置20から、差出人から送信要求された文書Pの電子文書を受信する文書受信部31と、文書受信部31が受信した電子文書を記憶する文書記憶部32とを有している。
また、サーバ装置30は、文書記憶部32に記憶された電子文書の印刷ジョブや、電子文書の文書情報D1を生成する生成部33と、文書受信部31が受信した電子文書を文書記憶部32に記憶したり、生成部33に印刷ジョブや文書情報D1の生成を指示したりする文書管理部34とを有している。
また、サーバ装置30は、差出人が登録した電子文書の印刷を受取人に許可する印刷トークンを発行するトークン発行部35と、受取人からの印刷トークン及び後述する送信タイミング選択情報を受信するトークン受信部36とを有している。
また、サーバ装置30は、文書Pの識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)を受信する識別情報受信部37を有している。
【0024】
文書受信部31、生成部33、文書管理部34、トークン発行部35、トークン受信部36及び識別情報受信部37は、CPU201がHDD203に記憶されている制御プログラムを読み出し、メインメモリ202を作業エリアにして制御プログラムを実行することで実現される。文書記憶部32は、HDD203にて実現される。
文書受信部31、トークン受信部36、識別情報受信部37は、通信I/F204を介して、それぞれ電子文書、印刷トークン及び送信タイミング選択情報、識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)を受信する。トークン発行部35は、通信I/F204を介して、受取人に対して印刷トークンを発行する。トークン発行部35は、受取人に対して、例えばE−MAILで送信することを例示することができる。
【0025】
第1の実施形態に係るサーバ装置30においては、文書記憶部32は、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信するタイミングとして、受取人により、以下の(1)、(2)の内のいずれが選択されたかを、この電子文書に関連付けて記憶することが可能になっている。
(1)文書Pを印刷したとき
(2)文書Pをスキャンしたとき(文書Pの画像を読み取ったとき)
これにより、差出人は、電子文書の文書情報D1の送信タイミングとして、上記(1)、(2)の内のいずれかを、受取人が選択できるように設定することができる。受取人は、電子文書の文書情報D1の送信タイミングとして、上記(1)、(2)の内のいずれかを選択することができる。
上記(1)、(2)の内のいずれかの選択を促す通知(送信タイミング選択通知)は、トークン発行部35が受取人に対して印刷トークンを発行するとともに行うことを例示することができる。また、受取人が上記(1)、(2)の内のいずれを選択したかの情報(送信タイミング選択情報)は、トークン受信部36が印刷トークンの受信とともに受信することを例示することができる。
【0026】
そして、文書記憶部32は、文書Pの識別情報(識別要素E3)、文書Pの電子文書と、当該電子文書に含まれる文書情報D1と、文書情報D1を画像処理装置10に送信するタイミング(上記(1)又は(2)のいずれか)とを関連付けて記憶する。つまり、文書記憶部32は、文書Pの電子文書に関連付けて、文書情報D1の送信タイミングとして、文書P(電子文書)の印刷を行うときであること、又は文書Pをスキャンしたときであることを記憶する。
【0027】
文書管理部34は、トークン受信部36が画像処理装置10から印刷トークンを受信した場合には、生成部33に、電子文書の印刷ジョブを生成させるとともに、印刷ジョブを画像処理装置10に送信させる。印刷ジョブの中には、電子文書のイメージファイル(印刷画像)である文書画像I1と、文書Pの識別情報のイメージファイル(印刷画像)である識別情報画像I2とを作成する旨の指示が含まれる。
また、文書管理部34は、トークン受信部36が受取人から上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択されたことを受信した場合であって、文書Pの印刷指示を受けた場合には、生成部33に、文書記憶部32に記憶されている文書情報D1を画像処理装置10に送信させる。
また、文書管理部34は、トークン受信部36が受取人から上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択されたことを受信した場合であって、識別情報受信部37が識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)を受信した場合には、生成部33に、文書記憶部32に記憶されている文書情報D1を画像処理装置10に送信させる。
【0028】
図6−1及び
図6−2は、第1の実施形態に係るシステム1における動作例を示したシーケンス図である。
図6に示した動作例は、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択された場合の動作例を示している。
【0029】
差出人は、受取人に送る文書Pの電子文書をサーバ装置30に登録する(S601)。これにより、サーバ装置30の文書記憶部32が文書Pの電子文書を記憶する(S602)。
また、差出人は、電子文書の文書情報D1の送信タイミングとして、上記(1)、(2)の内のいずれかを受取人が選択することの要求(送信タイミング選択要求)をサーバ装置30に登録する(S603)。これにより、サーバ装置30の文書記憶部32は、送信タイミング選択要求を、S601の処理に基づいて記憶した電子文書に関連付けて記憶する(S604)。
【0030】
サーバ装置30は、差出人が登録した電子文書の印刷を受取人に許可する印刷トークンを生成する(S605)。これは、文書管理部34がトークン発行部35に指示し、トークン発行部35が印刷トークンを生成する処理である。そして、トークン発行部35は、受取人に対して文書Pが送られている旨の情報とともに文書Pの印刷トークンを発行する。また、トークン発行部35は、受取人に上記(1)、(2)のいずれかの選択を促す通知(送信タイミング選択通知)を行う(S606)。
【0031】
受取人は、印刷トークンを受信するとともに上記(1)、(2)のいずれかの選択を促す通知(送信タイミング選択通知)を受信する(S607)。
受取人は、取得した印刷トークンを用いて画像処理装置10に印刷指示を行う。また、受取人は、上記(1)、(2)のいずれかを選択する送信タイミング選択を行う(S608)。本シーケンスにおいては、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択されたものとする。受取人は、これらの印刷指示や送信タイミング選択を、画像処理装置10の操作部106を操作することで行っても良いし、設置されているPC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話やタブレット型端末などの携帯型端末などを介して行っても良い。印刷トークンを利用する方法は、サーバ装置30から送信された印刷トークンを画像処理装置10又はサーバ装置30にアップロードすることを例示することができる。
なお、サーバ装置30は、受取人に対して、文書Pが送られている旨の情報とともに文書Pの識別情報を送信し、受取人は、文書Pの識別情報に含まれる数字を、画像処理装置10の操作部106や、設置されているPC又は携帯型端末に対して入力するようにしても良い。
また、サーバ装置30は、受取人に対して、文書Pが送られている旨の情報とともにQRコード(登録商標)などのコード情報を送信し、受取人は、コード情報を、画像処理装置10の画像読取部108で読み取るようにしても良い。
【0032】
画像処理装置10は、印刷指示及び送信タイミングとして受取人が選択した情報(送信タイミング選択情報)を取得した(S609)後に、取得した印刷指示及び送信タイミング選択情報をサーバ装置30に送信する(S610)。
サーバ装置30は、印刷指示及び送信タイミング選択情報を取得した(S611)後に、画像処理装置10に対して印刷ジョブを送信する(S612)。これは、文書管理部34が、生成部33に文書の印刷ジョブを生成させ、生成部33が、印刷ジョブを生成するとともに生成した印刷ジョブを画像処理装置10に送信する処理である。印刷ジョブの中には、電子文書のイメージファイル(印刷画像)である文書画像I1と、文書Pの識別情報のイメージファイル(印刷画像)である識別情報画像I2とを作成する旨の指示が含まれる。
画像処理装置10は、印刷ジョブを受信した後に電子文書の印刷を実行する(S613)。これにより、受取人は、文書Pを受領する。その後、画像処理装置10は、印刷結果をサーバ装置30に送信する(S614)。
【0033】
サーバ装置30は、印刷結果を受信した(S615)後に、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択されていることを把握し、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する(S616)。これは、文書管理部34が、文書情報D1の送信タイミングとして文書P(電子文書)の印刷を行うときであることが文書記憶部32に記憶されていることを確認して、生成部33が、予め生成して文書記憶部32に記憶している文書情報D1を画像処理装置10に送信する処理である。
画像処理装置10は、文書情報D1を受信した(S617)後に、文書情報D1を受信した結果をサーバ装置30に送信する(S618)。
【0034】
サーバ装置30は、文書情報受信結果を受信した(S619)後に、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信することを禁止する処理を行う(S620)。サーバ装置30は、上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)のタイミングで文書情報D1を画像処理装置10に送信することを禁止する。
【0035】
一方、画像処理装置10は、受信した電子文書の文書情報D1を管理装置40に送信する(S621)。
これにより、管理装置40は、文書情報D1を受信する(S622)。管理装置40は、文書情報D1を用いて予め定められた処理を行う。
【0036】
図7は、第1の実施形態に係るサーバ装置30が行う印刷指示受信時処理を示すフローチャートである。サーバ装置30は、印刷指示受信時処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
サーバ装置30は、画像処理装置10から新たに登録された文書Pに対する印刷指示及び送信タイミング選択結果を受信したか否かを判断する(S701)。そして、印刷指示及び送信タイミング選択結果を受信した場合(S701でYes)、サーバ装置30は、画像処理装置10に対して登録されている文書Pの印刷ジョブを送信する(S702)。そして、サーバ装置30は、送信タイミング選択結果、つまり上記(1)又は(2)のいずれが選択されたかの結果を文書Pに関連付けて記憶する(S703)。
【0037】
サーバ装置30が画像処理装置10に対して印刷ジョブを送信することにより、画像処理装置10は、差出人がサーバ装置30に登録した電子文書の画像を記録媒体に形成(文書Pを印刷)し、印刷が完了した結果をサーバ装置30に通知する。
サーバ装置30は、画像処理装置10から印刷が完了した結果の通知(印刷完了通知)を受信したか否かを判断する(S704)。そして、印刷完了通知を受信した場合(S704でYes)、送信タイミングとして上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択されているか否かを判断する(S705)。印刷完了通知を受信していない場合(S704でNo)、印刷完了通知を受信するまで待機する。
【0038】
上記(1)が選択されている場合(S705でYes)、サーバ装置30は、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する(S706)。その後、サーバ装置30は、上述した電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信することを禁止する処理を行う(S707)。これにより、サーバ装置30は、再度、画像処理装置10から文書Pに対する印刷指示を受信したことに起因して、画像処理装置10に対して文書Pの印刷ジョブを送信後に印刷完了通知を受信したとしても、文書Pの文書情報D1を画像処理装置10に送信しない。ただし、文書Pの文書情報D1を送信可能な上限値を2回以上に設定可能にし、上限値に達するまでは、文書情報D1を画像処理装置10に複数回送信するようにしても良い。
【0039】
他方、上記(1)が選択されていない場合(S705でNo)、本処理を終了する。つまり、サーバ装置30は、上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択されている場合には、画像処理装置10から文書Pに対する印刷指示を受信したことに起因して、画像処理装置10に対して文書Pの印刷ジョブを送信後に印刷完了通知を受信したとしても、文書Pの文書情報D1を画像処理装置10に送信しない。
【0040】
図6に示した動作例においては、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択された場合の動作例であるため、サーバ装置30は、印刷結果を受信した(S615)後に、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する(S616)。しかしながら、上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択された場合には、サーバ装置30は、印刷結果を受信しても電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信しない。
図7のフローチャートにおいて、上記(1)が選択されている場合(S705でYes)、サーバ装置30は、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信し(S706)、上記(1)が選択されていない場合(S705でNo)、本処理を終了する通りである。
【0041】
これに対して、受取人により上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択された場合(文書情報D1の送信タイミングとして文書Pをスキャンしたときであることが文書記憶部32に記憶されている場合)には、サーバ装置30は、文書Pがスキャンされたことを契機として電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する。なお、サーバ装置30が印刷ジョブを送信する画像処理装置10と、文書Pがスキャンされ後述するように識別情報を送信する画像処理装置10とは異なっていても良い。また、サーバ装置30が印刷ジョブを送信する画像処理装置10と、電子文書の文書情報D1を送信する画像処理装置10とは異なっていても良い。
以下に、この処理について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る画像処理装置10が行う送信処理を示すフローチャートである。画像処理装置10は、送信処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
【0042】
受取人により、文書Pのスキャンが要求された場合、画像処理装置10は、文書Pの画像を画像読取部108にて読み取る(S801)。その後、画像処理装置10は、読み取った画像を解析し、識別情報画像I2が含まれているか否かを判断する(S802)。識別情報画像I2が含まれている場合(S802でYes)、画像処理装置10は、サーバ装置30に対して、識別情報を送信する(S803)。なお、画像処理装置10は、文書Pの識別情報画像I2を読み取り、読み取った識別情報画像I2を識別情報としてそのままサーバ装置30に送信しても良いし、識別情報画像I2そのものではなく、識別情報画像I2に基づいて得られる情報(例えば識別情報画像I2に記載された数字)をサーバ装置30に送信しても良い。さらに、識別情報画像I2に数字等が記載されている場合には、受取人による手入力等によってその数字をサーバ装置30に送信しても良い。
【0043】
画像処理装置10から識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)を受信したサーバ装置30は、後述するように、電子文書の文書情報D1又は禁止通知を画像処理装置10に送信する。
画像処理装置10は、サーバ装置30に対して識別情報を送信した後、電子文書の文書情報D1を受信したか否かを判断する(S804)。電子文書の文書情報D1を受信した場合(S804でYes)、画像処理装置10は、文書情報D1を受信した結果(文書情報受信結果)をサーバ装置30に送信する(S805)。また、画像処理装置10は、受信した電子文書の文書情報D1を管理装置40に送信する(S806)。
サーバ装置30においては、文書情報受信結果を受信した後に、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信することを禁止する処理を行う。
【0044】
画像処理装置10は、電子文書の文書情報D1を受信していない場合(S804でNo)、禁止通知を受信したか否かを判断する(S807)。禁止通知を受信した場合(S807でYes)、画像処理装置10は、本処理を終了する。他方、禁止通知を受信していない場合(S807でNo)、S804以降の処理を再度行う。
【0045】
図9は、第1の実施形態に係るサーバ装置30が行う識別情報受信時処理を示すフローチャートである。サーバ装置30は、識別情報受信時処理を、予め設定された一定時間(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
サーバ装置30は、画像処理装置10から識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる識別情報)を受信したか否かを判断する(S901)。識別情報(識別情報画像I2又は識別情報画像I2に基づいて得られる識別情報)を受信した場合(S901でYes)、サーバ装置30は、受信した識別情報に関連付けられた電子文書を記憶しているか否かを判断する(S902)。記憶している場合(S902でYes)、サーバ装置30は、送信タイミングとして上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択されている(文書Pをスキャンしたときであることが文書記憶部32に記憶されている)か否かを判断する(S903)。上記(2)が選択されている場合(S903でYes)、識別情報に関連付けられた電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信する(S904)。
一方、上記(2)が選択されていない場合(S903でNo)、つまり上記(1)が選択されている場合には、サーバ装置30は、電子文書の文書情報D1の送信が禁止されている旨の禁止通知を画像処理装置10に送信する(S905)。
【0046】
以上説明したように、第1の実施形態に係るシステム1は、文書Pの電子文書と当該電子文書に含まれる文書情報D1とを関連付けて記憶する記憶部の一例としての文書記憶部32と、当該電子文書の印刷要求を受けた場合に、文書記憶部32に記憶された電子文書の印刷指示(印刷ジョブ)を送信するとともに文書情報D1を送信する送信部の一例としての生成部33とを備えるシステムである。
それゆえ、第1の実施形態に係るシステム1によれば、文書Pを電子情報化するために、手入力したり、OCR(光学文字認識)を利用するために文書Pをスキャンしたりして、受取人が文書Pの文書情報D1を文書Pから直接的に抽出する場合と比較して、文書Pの文書情報D1を取得する際の受取人の手間が抑制される。
【0047】
また、第1の実施形態に係るシステム1は、電子文書の画像を形成する画像形成装置の一例としての画像処理装置10を備え、生成部33は、画像処理装置10に、印刷指示(印刷ジョブ)を送信するとともに文書情報D1を送信する(S612、S616)。そして、画像処理装置10は、外部装置の一例としての管理装置40に、生成部33から受信した文書情報D1を送信する(S621)。
文書記憶部32は、文書情報D1の送信タイミングを電子文書に関連付けて記憶し、生成部33は、送信タイミングとして電子文書の印刷を行うときであることが記憶されている場合には、当該電子文書の印刷指示(印刷ジョブ)を送信するのと同時に(
図7に示した印刷指示受信時処理における同一処理フローにて)文書情報D1を送信する(S702及びS706)。これにより、第1の実施形態に係るシステム1によれば、印刷指示を送信するのと同時に文書情報D1を送信しない場合と比較して、早期に文書情報D1が送信される。
【0048】
なお、上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択された場合において、サーバ装置30は、複数回、電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信しても良い。つまり、文書情報D1を送信可能な上限値を2回以上に設定可能にし、上限値に達するまでは、サーバ装置30は、文書情報D1を画像処理装置10に複数回送信するようにしても良い。例えば、サーバ装置30は、S903の処理にて、上記(2)(文書Pをスキャンしたとき)が選択されていると判断した後に、文書情報D1を送信可能な上限値に達しているか否かを判断し、上限値に達していない場合には識別情報に関連付けられた電子文書の文書情報D1を画像処理装置10に送信し(S904)、上限値に達している場合には文書情報D1の送信が禁止されている旨の禁止通知を画像処理装置10に送信しても良い(S905)。
【0049】
なお、上述した実施形態においては、電子文書の文書情報D1の送信タイミングを受取人に選択するのを設定(要求)するのは、差出人である(S603)が、特にかかる態様に限定されない。差出人以外の者が設定しても良い。例えば、受取人が、文書情報D1の送信タイミングとして上記(1)、(2)のいずれかを選択し、受取人自らが、サーバ装置30に登録しても良い。
【0050】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係るシステム1は、第1の実施形態に係るシステム1に対して、サーバ装置30が、電子文書の文書情報D1を管理装置40に送信する点が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0051】
図10は、第2の実施形態に係るシステム1における動作例を示したシーケンス図である。
図10に示した動作例は、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択された場合の動作例を示している。
図6−1及び
図6−2を用いて説明したS601〜S615の処理は、同一であるため、説明を省略する。
図10には、S610〜S615の処理をも示している。
【0052】
サーバ装置30は、印刷結果を受信した(S615)後に、受取人により上記(1)(文書Pを印刷したとき)が選択されていることを把握し、電子文書の文書情報D1を管理装置40に送信する(S1016)。
管理装置40は、文書情報D1を受信した(S1017)後に、文書情報D1を受信した結果をサーバ装置30に送信する(S1018)。また、管理装置40は、文書情報D1を受信した後、文書情報D1を用いて予め定められた処理を行う。
サーバ装置30は、文書情報受信結果を受信した(S1019)後に、電子文書の文書情報D1を管理装置40に送信することを禁止する処理を行う(S1020)。
【0053】
第2の実施形態に係るシステム1によれば、サーバ装置30の生成部33が画像処理装置10に印刷指示(印刷ジョブ)を送信するとともに文書情報D1を送信するのと比較して、管理装置40に早期に文書情報D1が送信される。
【0054】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係るシステム1は、第1の実施形態に係るシステム1に対して、電子文書の文書情報D1の画像処理装置10への送信タイミングが上記(1)(文書Pを印刷したとき)に予め設定されている点が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
第3の実施形態に係るシステム1のサーバ装置30は、画像処理装置10から印刷結果を受信したことを契機としてのみ、文書情報D1を画像処理装置10に送信する。つまり、第3の実施形態に係るサーバ装置30は、文書Pがスキャンされたことを契機としては文書情報D1を画像処理装置10に送信しない。
【0055】
第3の実施形態に係るサーバ装置30の文書記憶部32は、文書Pの電子文書や当該電子文書に含まれる文書情報D1と関連付けて、文書情報D1を画像処理装置10に送信するタイミングや文書Pの識別情報を記憶しない。それゆえ、第3の実施形態に係るシステム1においては、文書Pは、文書Pを一意に特定する識別要素E3を含んでいない。また、差出人が、電子文書の文書情報D1の送信タイミングを受取人が選択できるように設定することも、受取人が、文書情報D1の送信タイミングを選択することもできない。
【0056】
以上説明した第3の実施形態に係るシステム1は、第1の実施形態に係るシステム1と比較してシンプルな構成であるが、文書Pの電子文書と当該電子文書に含まれる文書情報D1とを関連付けて記憶する文書記憶部32と、当該電子文書の印刷要求を受けた場合に、文書記憶部32に記憶された電子文書の印刷指示(印刷ジョブ)を送信するとともに文書情報D1を送信する生成部33とを備える。
それゆえ、第3の実施形態に係るシステム1によれば、文書Pを電子情報化するために、手入力したり、OCR(光学文字認識)を利用するために文書Pをスキャンしたりして、受取人が文書Pの文書情報D1を文書Pから直接的に抽出する場合と比較して、文書Pの文書情報D1を取得する際の受取人の手間が抑制される。
【0057】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係るシステム1は、第1の実施形態又は第3の実施形態に係るシステム1に対して、画像処理装置10が文書情報D1を管理装置40に送信する前に受取人の許可を必要とする点が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
第4の実施形態に係るシステム1の画像処理装置10は、サーバ装置30から文書情報D1を受信した後に、受取人に対して、受信した文書情報D1を管理装置40に送信しても良いか否かの確認を行う。そして、画像処理装置10は、文書情報D1を管理装置40に送信しても良い旨の確認が取れた場合に文書情報D1を管理装置40に送信する。このように、第3の実施形態に係る画像処理装置10は、文書情報D1を管理装置40に送信しても良いとの確認が取れるまで管理装置40への文書情報D1の送信を保留する。受取人の確認を取る手法としては、画像処理装置10の操作部106のハードウェアキーの予め定められたキー(例えば送信許可キー)が押下されたとの情報を得ることを例示することができる。あるいは、画像処理装置10の操作部106のタッチパネル、又はPC(パーソナルコンピュータ)や携帯型端末の表示画面に予め定められたボタン(例えば送信許可ボタン)を表示するとともに、この表示されたボタンが押下されたとの情報を得ることで受取人の確認が取れたと判断しても良い。
【0059】
このように、第4の実施形態に係る画像処理装置10が文書情報D1を管理装置40に送信しても良い旨の確認が取れた場合に文書情報D1を送信することで、利便性が向上する。つまり、画像処理装置10にて印刷された文書Pを受け取った受取人は、文書Pに印字された文書情報D1の内容を確認する期間が得られる。それゆえ、受取人は、文書Pに印字された文書情報D1の内容が正しいと判断した場合には、画像処理装置10に対して管理装置40への文書情報D1の送信を許容し、文書Pに印字された文書情報D1の内容に誤りがあると判断した場合には、管理装置40への文書情報D1の送信を許容しないようにすることが可能となる。
【0060】
なお、第4の実施形態に係る画像処理装置10は、サーバ装置30から文書情報D1を受信した後、予め定められた期間(例えば10分)が経過した後に文書情報D1を管理装置40に送信するようにし、送信前に受取人から送信キャンセルの指示があった場合には送信しないようにしても良い。受取人は、文書Pの識別情報画像I2(又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)に基づいて、文書情報D1を特定して送信をキャンセルすると良い。また、送信キャンセルの指示を受けた画像処理装置10は、文書Pの識別情報画像I2(又は識別情報画像I2に基づいて得られる情報)に基づいて、送信キャンセルの指示があった文書情報D1を特定し、送信を禁止すると良い。
【0061】
上述した第1の実施形態〜第4の実施形態においては、画像処理装置10又はサーバ装置30が管理装置40へ送信するのは、文書Pに印字される数字や文字などの文書情報D1であるが、特に文書情報D1に限定されない。画像処理装置10又はサーバ装置30が管理装置40へ送信するのは、例えば、電子文書が付随して持つその電子文書自身についての付加的なデータであるメタデータであっても良い。