(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
WFD接続を行うためには、端末装置において、適切なSSIDを選択する操作等を行う必要があり、端末装置の操作に慣れていないユーザーにとって煩雑である。そこでWFD接続(本接続)を容易に確立するために、まず、仮接続用のアクセスポイントを用いた仮接続を行い、当該仮接続においてWFD用のSSIDを電子機器から端末装置に送信する手法が用いられる。
【0006】
しかし、この手法を1つの無線通信デバイス(無線チップ)しか搭載していない電子機器で実現する場合、一旦、WFD接続用のアクセスポイントを停止し、既存の無線通信を全て切断する必要がある。電子機器と端末装置とのWFD接続数が上限値(例えば4つ)に達している状態で、新規端末が仮接続を利用すると、一旦全てのWFD接続が切断され、その後、早いもの勝ちで上限数+1個の端末装置が電子機器にWFD接続を試行する。そのため、仮接続を利用する新規端末が、必ず電子機器とWFD接続するとは限らない。
【0007】
特許文献1の手法は、無線接続が上限数を超える場合、既存の無線接続を1台切断することで、新規端末を無線接続する。そのため、仮接続を利用することで、一旦全てのWFD接続を切断することを前提とした場合、特許文献1の手法は適用できない。
【0008】
本発明の幾つかの態様によれば、既存の無線接続が一旦切断される場合に、新規接続端末との無線接続を確実性の高い態様で実行する電子機器、通信システム及び無線通信方法等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信部の通信制御を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記無線通信部が複数の端末装置と無線接続している状態で、前記複数の端末装置とは異なる新規接続端末との無線接続が開始されると、前記複数の端末装置との無線接続を切断し、前記新規接続端末との無線接続が確立するのを待ってから、前記複数の端末装置との無線接続を確立する電子機器に関係する。
【0010】
本発明の一態様では、新規接続端末との無線接続の開始により、一旦、複数の端末装置との無線接続を切断し、新規接続端末との無線接続が確立するのを待ってから、複数の端末装置との再接続を行う。このようにすれば、複数の端末装置との既存の無線接続が切断されてしまう場合であっても、新規接続端末との無線接続の確立を、確実に実行することが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記新規接続端末との無線接続が開始されると、前記複数の端末装置との無線接続に用いられる第1内部アクセスポイントを停止し、前記第1内部アクセスポイントとは異なる第2内部アクセスポイントが起動された場合に、前記第2内部アクセスポイントによる無線接続を用いて前記新規接続端末の識別情報を取得し、前記第1内部アクセスポイントを再起動して、前記識別情報に基づいて前記新規接続端末との無線接続を確立してもよい。
【0012】
このように、第2内部アクセスポイントを用いた無線接続で識別情報を取得し、当該識別情報を第1内部アクセスポイントでの無線接続に利用することで、新規接続端末との無線接続を、他の端末装置よりも優先して行うことが可能になる。
【0013】
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1内部アクセスポイントの再起動後、前記識別情報に基づいて前記新規接続端末との無線接続が確立されるまで、前記複数の端末装置との無線接続を拒否してもよい。
【0014】
このようにすれば、新規接続端末との無線接続を、他の端末装置よりも優先して行うことが可能になる。
【0015】
また本発明の一態様では、前記処理部は、所与の条件がみたされた場合に、前記新規接続端末との無線接続の確立前であっても、前記複数の端末装置との無線接続の確立を許可してもよい。
【0016】
このようにすれば、新規接続端末との無線接続に何らかの異常が発生した場合にも、複数の端末装置との再接続を適切に実行することが可能になる。
【0017】
また本発明の一態様では、前記第1内部アクセスポイントを再起動して以降の所定タイミングから前記新規接続端末との無線接続を確立するタイミングまでの経過時間が閾値を超えた場合、又は、前記第1内部アクセスポイントが再起動して以降に前記端末装置が前記電子機器に接続要求を行う度合いが閾値を超えた場合、前記所与の条件がみたされてもよい。
【0018】
このようにすれば、複数の端末装置との再接続を許可すべきか否かを、適切な条件により判定することが可能になる。
【0019】
また本発明の一態様では、前記無線通信は、WFD(Wi-Fi Direct)方式の通信であってもよい。
【0020】
このようにすれば、WFD規格に準拠した無線接続を適切に実行することが可能になる。
【0021】
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記無線通信部に最大接続数に達する端末装置が無線接続している状態で、前記新規接続端末との無線接続が開始されると、前記複数の端末装置との無線接続を切断し、前記新規接続端末との無線接続が確立するのを待ってから、前記複数の端末装置との無線接続を確立する処理を実行し、前記無線通信部に最大接続数に達する端末装置が無線接続していない状態で、前記新規接続端末との無線接続が開始されると、当該処理を実行しなくてもよい。
【0022】
このようにすれば、既存の無線接続が最大接続数に達しているか否かに応じて適切に処理を切り替えることが可能になる。例えば、既存の無線接続が最大接続数に達しており、そのままでは新規接続端末との無線接続の確立が難しい状況において、新規接続端末との無線接続の確立を、確実に実行することが可能になる。
【0023】
また本発明の他の態様は、上記の電子機器と、前記新規接続端末と、を含む通信システムに関係する。
【0024】
また本発明のさらに他の態様は、複数の端末装置との無線接続が確立している状態で、前記複数の端末装置とは異なる新規接続端末との無線接続が開始されると、前記複数の端末装置との無線接続を切断し、前記新規接続端末との無線接続が確立するのを待ってから、前記複数の端末装置との無線接続を確立する無線通信方法に関係する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0027】
1.通信システム
図1は、本発明の通信システム10の一例を模式的に示す図である。通信システム10は、端末装置100と、電子機器200を含む。
【0028】
端末装置100は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置であってもよいし、PC等の装置であってもよい。端末装置100は、
図4を用いて後述する新規接続端末300と既存接続端末400を含む。なお、端末装置100が新規接続端末300として扱われるか、既存接続端末400として扱われるかは、電子機器200に対する接続状況に応じて異なる。
【0029】
電子機器200は、例えばプリンター(印刷装置)である。或いは電子機器200は、スキャナー、ファクシミリ装置又はコピー機であってもよい。電子機器200は、複数の機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)であってもよく、印刷機能を有する複合機もプリンターの一例である。或いは電子機器200は、プロジェクター、頭部装着型表示装置、ウェアラブル機器(リスト型ウェアラブル機器等)、生体情報測定機器(脈拍計、歩数計又は活動量計等)、ロボット、映像機器(カメラ等)、携帯情報端末(スマートフォン、携帯ゲーム機等)又は物理量計測機器等であってもよい。なお、通信システム10は
図1の構成に限定されず、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、
図1では1つの端末装置100を示したが、
図4で後述するように、本実施形態では1つの電子機器200に対して複数の端末装置100の接続が想定される。また、構成要素の省略や追加等の変形実施が可能である点は、後述する
図2や
図3においても同様である。
【0030】
端末装置100と電子機器200は、無線による通信が可能である。ここでの無線通信は、Wi−Fiの規格に準拠した通信であり、より具体的にはWFDの規格に準拠した通信である。具体的には、端末装置100及び電子機器200の一方の機器が内部アクセスポイント(ソフトウェアアクセスポイント)を起動し、他方の機器は、当該内部アクセスポイントに接続する。なお、本実施形態ではWFD接続について説明するが、端末装置100及び電子機器200が、それぞれ外部のアクセスポイント(例えば無線LANルーター)に対して接続可能に構成されることは妨げられない。
【0031】
図2は、端末装置100の構成の一例を示すブロック図である。端末装置100は、処理部110(プロセッサー)、無線通信部120(通信インターフェース)、表示部130(ディスプレイ)、操作部140(操作ボタン等)、報知部150(報知インターフェース)、記憶部160(メモリー)を含む。
【0032】
処理部110(プロセッサー、コントローラー)は、無線通信部120、表示部130、操作部140、報知部150、記憶部160の各部の制御を行う。
【0033】
処理部110が行う本実施形態の各処理(各機能)は、プロセッサー(ハードウェアを含むプロセッサー)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するメモリー(記憶装置)により実現できる。ここでのプロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシター等)で構成することができる。プロセッサーは、例えばCPUであってもよい。ただし、プロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。またプロセッサーは、複数のCPUにより構成されていてもよいし、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。
【0034】
無線通信部120は、少なくとも1つの通信デバイス(無線通信デバイス)により実現される。無線通信部120は、Wi−Fi規格に準拠した無線通信を実行する無線通信デバイス(無線通信チップ)を含む。ただし、無線通信部120は、Wi−Fi規格以外の規格に準拠した無線通信を実行する無線通信デバイスを含んでもよい。Wi−Fi規格以外の規格とは、例えばBluetooth(登録商標)であってもよく、狭義にはBLE(Bluetooth Low Energy)である。
【0035】
表示部130は、各種情報をユーザーに表示するディスプレイ等で構成され、操作部140は、ユーザーからの入力操作を受け付けるボタン等で構成される。なお、表示部130及び操作部140は、例えばタッチパネルにより一体的に構成してもよい。報知部150は、ユーザーに対する報知を行う。報知部150は、例えば音による報知を行うスピーカーであってもよいし、振動による報知を行う振動部(振動モーター)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0036】
記憶部160(記憶装置、メモリー)は、データやプログラムなどの各種の情報を記憶する。処理部110や無線通信部120は例えば記憶部160をワーク領域として動作する。記憶部160は、SRAM、DRAMなどの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置(HDD)などの磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、記憶部160はコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令が処理部110(プロセッサー)により実行されることで、端末装置100の各部(通信部、処理部)の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、処理部110(プロセッサー)のハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。また、端末装置100は不図示の撮像部(カメラ)を有し、記憶部160は、当該撮像部で撮像された画像データ(静止画、動画を含む)を記憶する。
【0037】
図3は、電子機器200の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図3は、印刷機能を有する電子機器200(プリンター)を示しており、以下の説明においても、電子機器200がプリンターである例について説明する。ただし、電子機器200をプリンター以外に拡張可能な点は上述したとおりである。電子機器200は、処理部210(プロセッサー)、無線通信部220(通信インターフェース)、表示部230(ディスプレイ)、操作部240(操作パネル)、印刷部250、記憶部260(メモリー)を含む。
【0038】
処理部210(プロセッサー、コントローラー)は、電子機器200の各部(無線通信部、記憶部、印刷部等)の制御を行ったり、本実施形態の各種の処理を行ったりする。例えば処理部210は、メインCPU、サブCPUなどの複数のCPU(MPU、マイコン)を含むことができる。メインCPU(メイン制御基板)は、電子機器200の各部の制御や全体的な制御を行う。サブCPUは、例えば電子機器200がプリンターである場合には、印刷についての各種の処理を行う。或いは通信処理のためのCPUを更に設けてもよい。
【0039】
処理部210が行う本実施形態の各処理(各機能)は、プロセッサー(ハードウェアを含むプロセッサー)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するメモリー(記憶装置)により実現できる。ここでのプロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシター等)で構成することができる。プロセッサーは、例えばCPUであってもよい。ただし、プロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU、或いはDSP等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。またプロセッサーは、複数のCPUにより構成されていてもよいし、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。
【0040】
無線通信部220は、少なくとも1つの通信デバイス(無線通信デバイス)により実現される。無線通信部220は、Wi−Fi規格に準拠した無線通信を実行する無線通信デバイス(無線通信チップ)を含む。ただし、無線通信部220は、Wi−Fi規格以外の規格に準拠した無線通信を実行する無線通信デバイスを含んでもよい。
【0041】
表示部230は、各種情報をユーザーに表示するディスプレイ等で構成され、操作部240は、ユーザーからの入力操作を受け付けるボタン等で構成される。なお、表示部230及び操作部240は、例えばタッチパネルにより一体的に構成してもよい。
【0042】
印刷部250は、印刷エンジンを含む。印刷エンジンとは、印刷媒体への画像の印刷を実行する機械的構成である。印刷エンジンは、例えば搬送機構やインクジェット方式の吐出ヘッド、当該吐出ヘッドを含むキャリッジの駆動機構等を含む。印刷エンジンは、搬送機構により搬送される印刷媒体(紙や布)に対して、吐出ヘッドからインクを吐出することで、印刷媒体に画像を印刷する。なお、印刷エンジンの具体的構成はここで例示したものに限られず、レーザー方式でトナーにより印刷するものでもよい。また印刷部250は、印刷エンジンの稼働状態に関わる各種の物理量を検出するセンサーや、検出結果をカウントするカウンター等を含んでもよい。センサーやカウンターを用いることで、例えば搬送機構の駆動量(モーターの回転量)や、吐出ヘッドの往復回数、インクの消費量等の情報を取得できる。
【0043】
記憶部260(記憶装置、メモリー)は、データやプログラムなどの各種の情報を記憶する。処理部210や無線通信部220は例えば記憶部260をワーク領域として動作する。記憶部260は、半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、磁気記憶装置であってもよいし、光学式記憶装置であってもよい。記憶部260は、印刷部250から出力されるデータを、プリンターの稼働状況を表す情報として記憶する。
【0044】
また記憶部260(記憶装置)は、端末装置100から無線通信により送信されるデータを記憶してもよい。ここでのデータは、例えば印刷部250での印刷に用いられる印刷データである。ただし、端末装置100からのデータの記憶は、電子機器200が内蔵する記憶部260で行われるものには限定されない。例えば電子機器200は、不図示のインターフェースを有し、当該インターフェースを介して接続される外部記憶装置に端末装置100からのデータが記憶されてもよい。外部記憶装置とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)により接続されるHDDやSSD(solid state drive)、フラッシュメモリーであってもよいし、カードスロットに挿入されるSDカード(microSDカード等の関連する規格の記憶装置を含む)であってもよいし、電子機器200に接続可能な他の記憶装置であってもよい。
【0045】
2.処理の詳細
図4は、本実施形態で想定される接続状態を説明する模式図である。電子機器200は、無線通信部220が起動している内部アクセスポイントにより、N台の端末装置100(既存接続端末400)と無線接続されている。なお、本実施形態にかかる無線通信は、WFD(Wi-Fi Direct)方式の通信であり、内部アクセスポイントは、WFD接続用の内部アクセスポイントである。ただし、本実施形態の無線接続を他の通信規格に拡張して考えてもよい。以下、既存接続端末400との接続に用いられている内部アクセスポイントを、第1内部アクセスポイントと表記する。また、ここでの内部アクセスポイントとは、直接接続される2つの機器(端末装置100及び電子機器200)のいずれかの無線通信部で起動されるアクセスポイントであり、これら以外の外部機器(例えば無線LANルーター)で起動される外部アクセスポイントとは異なるアクセスポイントである。本実施形態では、第1内部アクセスポイント及び第2内部アクセスポイントは、電子機器200の無線通信部220により起動される。
【0046】
また、ここでのNはWFD接続の上限数を表す値であり、電子機器200は第1内部アクセスポイントにより、同時にN台の端末装置100からの接続を受付可能である。例えばN=4であるが、Nの具体的な数値は種々の変形実施が可能である。
【0047】
また、既存接続端末400とは、後述する仮接続を利用した新たな端末装置100(新規接続端末300)の接続操作が開始された時に、既に電子機器200との無線接続が確立されている端末装置100を表す。既存接続端末400は、電子機器200と無線接続(WFD接続)可能な装置であればよく、本実施形態の新規接続端末300となりうる装置(仮接続を実行可能な装置)であってもよいし、新規接続端末300となることが想定されない装置(仮接続を行わない装置)であってもよい。
【0048】
この状況において、それまで電子機器200と無線接続されていなかった端末装置100を、仮接続を利用して電子機器200に接続するための操作が行われたとする。以下、この新たに接続が開始される端末装置100を、既存接続端末400と区別するため、新規接続端末300と表記する。この場合、第1内部アクセスポイントへの接続端末は既に上限数に到達しているため、そのままでは新規接続端末300と電子機器200の無線接続を確立できない。
【0049】
ここでの新規接続端末300は、ユーザーによる接続操作が進行中の装置であり、ユーザーは当該新規接続端末300と電子機器200との間で、データの送受信を行うことを望んでいると推定される。例えば電子機器200がプリンターであれば、ユーザーは新規接続端末300に保存されている写真等のデータをプリンターで印刷するために、接続操作を行っていると推定できる。それに比べて、N台の既存接続端末400の中には、過去のタイミングで既に必要なデータの送受信が完了しており、無線接続の確立を維持する必要性の低い装置が含まれる可能性がある。
【0050】
つまり
図4に示した状況では、電子機器200は、新たに接続が試行される新規接続端末300との無線接続を、既存接続端末400よりも優先して行うことが望ましい。
【0051】
本実施形態では、ユーザーの利便性向上のために、仮接続を利用することを想定している。ここでの仮接続とは、本接続の確立に利用される情報である接続用情報の送受信を行う接続であり、接続用情報以外の情報の送受信を想定していない。接続用情報は、本接続用アクセスポイントの識別情報(第1内部アクセスポイントのSSID)やパスワードを含む情報である。本接続とは、接続用情報とは異なる情報、例えば電子機器200で処理対象となる情報(印刷データ)を端末装置100から受信するための接続を表す。
【0052】
仮接続を利用しない場合、例えば電子機器200による第1内部アクセスポイントの起動後、ユーザーが端末装置100の表示部130に表示されるSSIDの一覧画面から、第1内部アクセスポイントのSSIDを選択することで、端末装置100と電子機器200の間で本接続(WFD接続)が行われる。しかし、端末装置100の操作に慣れていないユーザーにとって、SSIDを表示する画面を開く操作や、SSIDを選択する操作は煩雑であり、利便性に欠ける。仮接続を用いることで、当該仮接続によりSSID等の情報が端末装置100に送信されるため、ユーザーが端末装置100上で本接続用のSSIDを選択する操作が不要となる。
【0053】
ただし、電子機器200のコストを考慮すれば、無線通信部220がWi−Fiの通信規格に準拠した複数の無線通信デバイス(複数のWi−Fiチップ)を有することが難しい場合も多い。無線通信デバイスが1つである場合、本接続用の内部アクセスポイント(第1内部アクセスポイント)と、仮接続用の内部アクセスポイント(以下、第2内部アクセスポイントと表記する)を同時に起動することはできず、一方の起動時には他方を停止する必要がある。
【0054】
つまり、本実施形態で想定する状況では、新規接続端末300の接続要求を受け付けた場合、仮接続の実行のために第1内部アクセスポイントが停止され、N台の既存接続端末400の全ての無線接続が切断される。仮接続による接続用情報の送受信が完了し、第1内部アクセスポイントが再起動された場合、N台の既存接続端末400、及び新規接続端末300の全てが、一斉に第1内部アクセスポイントに対する接続要求を行う。この場合、例えば接続要求が早かった順にN台の端末装置100が電子機器200と無線接続されることになり、接続要求の順序によっては、新規接続端末300と電子機器200の無線接続が実現されない。
【0055】
特許文献1の手法では、N台の既存接続端末400のうち、いずれか1台との無線接続を切断して1台分の空きを作ることで、新規接続端末300と電子機器200との無線接続を実現する。特許文献1の手法は仮接続を一切考慮しておらず、それまでの内部アクセスポイント(第1内部アクセスポイント)を起動し続けることを前提としている。仮接続の利用を前提とした状況で、新規接続端末300との確実な無線接続を行う場合、特許文献1の手法をそのまま適用することは難しい。
【0056】
以上の課題に対して、本実施形態に係る電子機器200は、
図3に示したように、無線通信を行う無線通信部220と、無線通信部220の通信制御を行う処理部210と、を含む。そして処理部210は、無線通信部220が複数の端末装置100(既存接続端末400)と無線接続している状態で、複数の端末装置100とは異なる新規接続端末300との無線接続が開始されると、複数の端末装置100との無線接続を切断し、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、複数の端末装置100との無線接続を確立する。
【0057】
ここで、「新規接続端末300との無線接続が開始される」とは、電子機器200において、既存接続端末400とは異なる装置と接続を試行するための処理が開始されることを表し、例えば第1内部アクセスポイントの停止や、第2内部アクセスポイントの起動を含む仮接続用の一連の処理が開始されることに対応する。
図5を用いて後述するように、仮接続を開始するトリガーがユーザーによる操作であることに鑑みれば、「新規接続端末300との無線接続が開始される」とは仮接続を指示するユーザー操作が行われたことを表してもよい。なお、電子機器200は、第2内部アクセスポイントの起動後、第2内部アクセスポイントのSSIDをブロードキャストすることが想定され、ブロードキャスト信号はユーザーが想定している新規接続端末300以外の装置でも受信可能である。即ち、電子機器200は最終的に新規接続端末300との本接続(WFD接続)を確立できればよく、「新規接続端末300との無線接続が開始」された際に、新規接続端末300がいずれの装置であるかを特定している必要はない。
【0058】
このように本実施形態では、新規接続端末300との無線接続の開始により既存接続端末400との無線接続が切断された場合に、新規接続端末300との無線接続が確立されるのを待ってから、既存接続端末400との再接続が行われる。言い換えれば、新規接続端末300との接続確立を条件として、既存接続端末400との再接続が実行される。本実施形態の手法によれば、新規接続端末300と既存接続端末400が同時に本接続用の第1内部アクセスポイントに対する接続要求を開始したとしても、新規接続端末300との接続を確実に行うこと、及び、既存接続端末400を適切に再接続することが可能になる。特許文献1の手法では、既存接続端末400のうちの1台は切断が確定しており再接続が実行されないし、他のN−1台については接続を維持すればよいため、やはり再接続を考慮する必要がない。つまり特許文献1では、新規接続端末300の接続において既存接続端末400との接続順序(接続優先度)をそもそも考慮しなくてよい状況を想定している。その点、本実施形態は、全ての既存接続端末400が一旦切断されてしまう状況において、新規接続端末300を確実に接続しつつ、既存接続端末400の再接続を考慮した手法であり、特許文献1とは明確に相違する。
【0059】
具体的には、処理部210は、新規接続端末300との無線接続が開始されると、複数の端末装置100との無線接続に用いられる第1内部アクセスポイントを停止し、第1内部アクセスポイントとは異なる第2内部アクセスポイントが起動された場合に、第2内部アクセスポイントによる無線接続を用いて新規接続端末300の識別情報を取得する。その後、第1内部アクセスポイントを再起動して、上記識別情報に基づいて新規接続端末300との無線接続を確立する。ここでの識別情報は、新規接続端末300を一意に特定可能な情報である。識別情報は、例えば新規接続端末300のMACアドレスであるが、他の情報を用いてもよい。
【0060】
このように、第2内部アクセスポイントを用いた無線接続、即ち、第1内部アクセスポイントのSSIDやパスワードを送受信する仮接続において、電子機器200は、新規接続端末300の識別情報を取得しておく。仮接続で取得しておいた識別情報を用いることで、再起動後の第1内部アクセスポイントに接続要求をしてきた端末装置100が、新規接続端末300であるか否かを判別できる。
【0061】
さらに処理部210は、第1内部アクセスポイントの再起動後、識別情報に基づいて新規接続端末300との無線接続が確立されるまで、複数の端末装置100(既存接続端末400)との無線接続を拒否する。つまり処理部210は、識別情報に基づいて、接続要求をしてきた端末装置100についての判定を行い、新規接続端末300であれば接続を許可し、既存接続端末400(新規接続端末300以外)であれば接続を拒否する。そして、新規接続端末300との接続が確立されたら、それ以降については通常の手順により(例えば接続要求が早い順に)既存接続端末400との接続を確立する。
【0062】
このようにすれば、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、既存接続端末400との無線接続を確立する処理を、新規接続端末300の識別情報を用いて実現することが可能になる。なお、識別情報は仮接続の際に取得可能である。即ち、第1内部アクセスポイントのSSID等を新規接続端末300に送信するための仮接続において、識別情報の受信も可能であるため、識別情報の送受信のために新たな無線接続を追加する必要が無く、効率的な構成、通信制御により本実施形態の手法を実現できる。
【0063】
なお、処理部210は、狭義には、無線通信部220に最大接続数に達する端末装置100(N台の既存接続端末400)が無線接続している状態で、新規接続端末300との無線接続が開始されると、複数の端末装置100との無線接続を切断し、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、複数の端末装置100との無線接続を確立する処理を実行する。さらに処理部210は、無線通信部220に最大接続数に達する端末装置100が無線接続していない状態で、新規接続端末300との無線接続が開始されると、当該処理を実行しない。
【0064】
即ち、本実施形態の手法は、新規接続端末300の追加により、端末数が最大接続数(N)を超えてしまう場合において特に有効であり、既存接続端末400が最大接続数に達していない場合、処理部210は、新規接続端末300との無線接続の確立を待つ処理をスキップする。この場合、既存接続端末400と新規接続端末300の合計はN以下であるため、全ての装置が同時に第1内部アクセスポイントに対する接続要求を行い、接続要求が早かった順に無線接続が行われたとしても、電子機器200と新規接続端末300の無線接続が確立される蓋然性が高い。
【0065】
ただし、電子機器200と新規接続端末300の無線接続をより確実にするのであれば、既存接続端末400が最大接続数に達していない場合に、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、複数の端末装置100との無線接続を確立する処理を実行することは妨げられない。例えば、新規接続端末300との無線接続の開始後、第1内部アクセスポイントの再起動までの間(厳密には新規接続端末300の接続確立までの間)に、既存接続端末400とも新規接続端末300とも異なる端末装置100(以下、第3の端末装置)が現れる可能性がある。
【0066】
第3の端末装置は、例えば、過去に第1内部アクセスポイントを用いて電子機器200と無線接続が行われた装置であり、第1内部アクセスポイントのSSIDやパスワードを記憶している装置である。端末装置100によっては、過去に接続した履歴のあるアクセスポイントが発見された場合、当該アクセスポイントに対して自動で接続を試行する設定がされている。このような第3の端末装置が、第1内部アクセスポイントの再起動までの間に電子機器200の近傍に移動してきた場合、既存接続端末400、新規接続端末300、及び第3の端末装置が同時に第1内部アクセスポイントに対する接続要求を行うことになり、場合によっては端末数が最大接続数を超えてしまう。その点、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、既存接続端末400との無線接続を確立すれば、このような状況下でも新規接続端末300との無線接続を確実に実行できる。なお、識別情報を用いる本実施形態の手法であれば、既存接続端末400だけでなく、第3の端末装置の無線接続についても、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから試行されることになる。
【0067】
図5は、本実施形態の処理を説明するシーケンス図である。新規接続端末300の接続開始前は、電子機器200はWFDを起動中である(S101)。具体的には、電子機器200の無線通信部220は、第1内部アクセスポイントを起動している。そして、N台(
図5ではN=4の例を示している)の既存接続端末400は、第1内部アクセスポイントに対してWFD接続を行っている(S102)。
【0068】
新規接続端末300の接続が開始されると、電子機器200に対して、ユーザーによる接続開始操作が行われる(S103)。電子機器200は、S103の操作に基づいて、起動していたWFDを終了(第1内部アクセスポイントを停止)する(S104)。WFDの終了に伴い、4台の既存接続端末400はWFD接続が切断され(S105)、各既存接続端末400は第1内部アクセスポイントのSSIDの探索処理を開始する(S106)。また、電子機器200は、第1内部アクセスポイントの停止後、仮接続用の第2内部アクセスポイントを起動する(S107)。
【0069】
また、新規接続端末300の接続が開始されると、端末装置100(新規接続端末300)に対しても、ユーザーによる接続開始操作が行われる。具体的には、ユーザーは新規接続端末300にあらかじめインストールされている接続用アプリケーションソフトウェアを開始する操作を行う(S108)。
【0070】
接続用アプリケーションソフトウェアには、仮接続用の第2内部アクセスポイントに接続するための情報(SSID等)があらかじめ含められている。そのため、新規接続端末300の処理部110は、接続用アプリケーションソフトウェアに従って動作することで、第2内部アクセスポイントのSSIDのスキャンを開始する(S109)。第2内部アクセスポイントのSSIDを発見したら(S110)、当該第2内部アクセスポイントに無線接続を行う(S111)。
【0071】
電子機器200は、S111で無線接続を行ってきた端末装置100である新規接続端末300のMACアドレスを記憶部260の所定領域に記憶する(S112)。また、本接続に必要な接続用情報を新規接続端末300に送信する(S113)。
【0072】
S113の処理により、本接続の実行に必要な情報の送受信が完了したため、新規接続端末300は第2内部アクセスポイントとの無線接続を切断し、S113で電子機器200から送信された情報を用いて、第1内部アクセスポイントのSSIDの探索処理を開始する(S114)。また電子機器200は、第2内部アクセスポイントを停止し、本接続用(WFD用)の第1内部アクセスポイントを起動する(S115)。
【0073】
4台の既存接続端末400は、S106でSSIDの探索を開始しているため、S115で第1内部アクセスポイントが起動された場合、SSIDを発見し、第1内部アクセスポイントに対する接続要求を行う(S116)。ただし、既存接続端末400のMACアドレスは、電子機器200がS112で保存したMACアドレスと異なるため、電子機器200は既存接続端末400からの接続要求を拒否する(S117)。各既存接続端末400は、電子機器200との無線接続が確立されていないため、接続要求を継続する(S118)。
【0074】
一方、新規接続端末300も、S114でSSIDの探索を開始しているため、S115で第1内部アクセスポイントが起動された場合、SSIDを発見し、第1内部アクセスポイントに対する接続要求を行う(S119)。新規接続端末300のMACアドレスは、電子機器200がS112で保存したMACアドレスと一致するため、電子機器200は新規接続端末300からの接続要求を許可し(S120)、新規接続端末300と電子機器200のWFD接続が確立される(S121)。
【0075】
新規接続端末300と4台の既存接続端末400の接続要求の順序は、状況に応じて異なる。しかしどのような順序であったとしても、S116〜S121に示した処理を行うことで、既存接続端末400の接続確立前に、新規接続端末300の接続が確立されるため、新規接続端末300と電子機器200の無線接続を確実に実行することが可能である。
【0076】
また、電子機器200は、S112で保存しておいたMACアドレスに対応する新規接続端末300との接続が確立されたら、当該MACアドレスを削除する(S122)。MACアドレスの削除後に、既存接続端末400が電子機器200への接続要求を行った場合(S123)、電子機器200は、MACアドレスの一致判定を行わずに、接続要求があった順に、最大接続数に到達するまで、接続を許可する(S124)。
図5の例であれば、接続最大数が4であって、S121で新規接続端末300の接続が完了しているため、S124では3台までの接続要求が許可される。これにより、4台の既存接続端末400のうち、3台の接続が完了し、残りの1台は切断状態となる(S125)。
【0077】
3.変形例
以下、いくつかの変形例について説明する。
【0078】
図5では、電子機器200は、MACアドレスが記憶されているか否かで、接続要求に対する処理を変化させる。そして、S117に示したように、MACアドレスが記憶されている場合、MACアドレスの異なる端末装置100からの接続要求が拒否される。また
図5では、一度記憶されたMACアドレスは、MACアドレスが一致する端末装置100(新規接続端末300)からの接続があるまで削除されない。しかし、S112でのMACアドレスの記憶の後、新規接続端末300の接続が正常に行われないケースもあると考えられる。例えば、S112の処理後、新規接続端末300が故障やバッテリー切れにより動作を停止する場合等が考えられる。この場合、S119の接続要求が行われないため、S122の処理も行われず、MACアドレスが記憶部260に残り続けてしまう。結果として、S116〜S118の処理が繰り返されてしまい、MACアドレスが異なる既存接続端末400がいつまでたっても電子機器200とWFD接続できない。
【0079】
よって処理部210は、所与の条件がみたされた場合に、新規接続端末300との無線接続の確立前であっても、複数の端末装置100(既存接続端末400)との無線接続の確立を許可する。このようにすれば、異常等により新規接続端末300との無線接続が確立されなかった場合にも、既存接続端末400と電子機器200の再接続が可能になる。
【0080】
ここで、第1内部アクセスポイントを再起動して以降の所定タイミングから、新規接続端末300との無線接続を確立するタイミングまでの経過時間が閾値を超えた場合に、上記所与の条件がみたされる。或いは、第1内部アクセスポイントが再起動して以降に端末装置100(既存接続端末400のいずれか)が電子機器200に接続要求を行う度合いが閾値を超えた場合に、上記所与の条件がみたされる。
【0081】
第1内部アクセスポイントを再起動して以降の所定タイミングとは、例えば電子機器200による第1内部アクセスポイントの再起動(
図5のS115)のタイミングであってもよいし、第1内部アクセスポイント再起動後、既存接続端末400からの最初の接続要求があったタイミングであってもよいし、他のタイミングであってもよい。新規接続端末300が正常に動作していれば、
図5のS114で第1内部アクセスポイントのSSIDの探索を開始しているため、S119の接続要求、及び接続完了までの時間は極端に長くならないと考えられる。つまり、上記所定タイミングからの経過時間があまりにも長い場合、新規接続端末300との通信に何らかの異常が発生していると判定できるため、新規接続端末300との接続確立を待たずに、既存接続端末400との無線接続を許容する。例えば、所与の閾値を設定しておき、上記所定タイミングからの経過時間が当該閾値以上の場合に、既存接続端末400との無線接続の確立が許可される。
【0082】
また、端末装置100が電子機器200に接続要求を行う度合いとは、例えば既存接続端末400による接続要求の累積回数である。ここでの累積回数は、複数の既存接続端末400のそれぞれについてカウントされてもよいし、全ての既存接続端末400の接続要求を合算してカウントされてもよい。接続要求の累積回数が多い場合も、新規接続端末300による接続が確立されないまま長い時間が経過していることになる。よって、この場合も累積回数の閾値を設定しておき、累積回数が当該閾値以上の場合に、既存接続端末400との無線接続の確立が許可される。
【0083】
図6は、電子機器200が所与の端末装置100からの接続要求を受信した場合の動作を説明するフローチャートである。電子機器200の処理部210は、接続要求を受信した場合、記憶部260の所定領域に、MACアドレスが記憶されているか否かを判定する(S201)。MACアドレスが記憶されていない場合(S201でNo)、処理部210は、端末装置100からの接続を許可する(S202)。S201でNoとは、例えば新規接続端末300との無線接続が正常に完了している状態で、既存接続端末400からの接続要求があった場合に対応する。
【0084】
MACアドレスが記憶されている場合(S201でYes)、接続要求をしてきた端末装置100のMACアドレスと、記憶部260に記憶されているMACアドレスが一致するか否かを判定する(S203)。一致する場合(S203でYes)、接続要求をしてきた端末装置100は新規接続端末300であるため、記憶しているMACアドレスを削除し(S204)、接続を許可する(S202)。なお、S204の処理は、S202の処理の後に行われてもよい。
【0085】
MACアドレスが一致しない場合(S203でNo)、接続要求をしてきた端末装置100は、既存接続端末400であると推定できる。よって、上記所与の条件を判定し、接続を許可するか否かを決定する。具体的には、第1内部アクセスポイントの起動から所定時間が経過しているか否かを判定する(S205)。所定時間が経過している場合(S205でYes)、上記所与の条件が満たされているため、MACアドレスを削除し(S204)、接続を許可する(S202)。
【0086】
S205でNoの場合、端末装置100からの接続要求が所定回数以上であるか否かを判定する(S206)。所定回数以上の場合(S206でYes)、上記所与の条件が満たされているため、MACアドレスを削除し(S204)、接続を許可する(S202)。S206でもNoの場合、上記所与の条件が満たされてないため、端末装置100からの接続要求を拒否する(S207)。
【0087】
なお、
図6では、所与の条件として経過時間(待機時間)と接続要求の度合いの両方を用いる例を示したが、いずれか一方を用いてもよい。また、経過時間(待機時間)や接続要求の度合いに種々の変形実施が可能である点は上述したとおりである。
【0088】
また、本実施形態の手法は、
図1に示したように、上記の電子機器200と、新規接続端末300(端末装置100)と、を含む通信システム10に適用できる。
【0089】
また、本実施形態の端末装置100(新規接続端末300)、電子機器200は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の端末装置100等が実現される。具体的には、非一時的な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0090】
また本実施形態の手法は、複数の端末装置100(既存接続端末400)との無線接続が確立している状態で、複数の端末装置100とは異なる新規接続端末300との無線接続が開始されると、複数の端末装置100との無線接続を切断し、新規接続端末300との無線接続が確立するのを待ってから、複数の端末装置100との無線接続を確立する無線通信方法に適用できる。
【0091】
以上、本発明を適用した実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、各実施形態やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施形態や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。