(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のデータ管理装置及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理端末1の構成を示す斜視図である。
図2は、情報処理端末1の主要な機能構成を示すブロック図である。
情報処理端末1は、CPU(コンピュータ、画像取得手段、入力域設定手段、登録手段、画面生成手段)11と、RAM12と、ROM13と、電源部14と、表示部15と、タッチパネル16と、操作キー(入力手段)17と、通信装置18と、イメージスキャナ(入力手段)19と、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)装置20と、GPS(Global Positioning System)装置21と、等を備えて構成される。このうち、表示部15、タッチパネル16、操作キー17、通信装置18、イメージスキャナ19、NFC装置20及びGPS装置21の各々は、所定の機能を有するデバイスを構成する。情報処理端末1の各部は、バス22を介して接続されている。
【0012】
情報処理端末1は、タッチパネル16や操作キー17に対するユーザの入力操作に応じて、通信装置18、イメージスキャナ19、NFC装置20又はGPS装置21により外部から情報を取得し、取得した情報や当該情報に対して所定の処理を行った結果を表示部15の表示画面に表示させたり、通信装置18によりデータサーバーといった所定の外部装置に送信したりすることができる。情報処理端末1は、各デバイスとして小型のものを用いることで、ユーザが携帯して使用することができるようになっている。
情報処理端末1は、例えば、運輸・物流業における積荷の輸送状況等の管理、流通小売業における商品の売上、棚卸等の管理、製造業における部品の流動、製品の出荷等の管理、ライフライン業における保守点検結果の入力や送信といった用途に用いることができる。
【0013】
CPU11は、ROM13に記憶されている各種のプログラムを読み出してRAM12のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って情報処理端末1の各部の動作を制御する。
【0014】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種プログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0015】
ROM13には、CPU11により実行される各種の制御プログラムやアプリケーションプログラム、設定データなどの各種データが記憶される。具体的には、ROM13には、OS131、制御支援プログラム132、業務アプリケーション133、開発支援プログラム(プログラム)134、キーワード定義データ135などが記憶されている。
なお、ROM13に代えて、又はROM13に加えて、データの書き込みや消去が可能な記憶部が設けられていても良い。
【0016】
電源部14は、バッテリーや外部電源の電圧を所定の電圧に変換して情報処理端末1の各部に供給する。
【0017】
表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどにより構成される。表示部15は、CPU11から出力された制御信号に従って、業務アプリケーション133による処理結果や、タッチパネル16及び操作キー17による入力内容などを表示画面に表示する。
【0018】
タッチパネル16は、表示部15の表示画面に重ねられて設けられ、表面に対する接触を入力操作として検出して、接触が検出された位置に係る信号をCPU11に出力する。よって、タッチパネル16により、表示部15の表示画面における位置を特定する入力操作を受け付けることができる。タッチパネルとしては、表面が指先などにより接触されることによる内部の導電膜と表面との間の静電容量の変化に基づいて接触を検出する静電容量方式のほか、抵抗膜方式、電磁誘導方式といった各種方式のものを用いることができる。
【0019】
操作キー17は、テンキーや各種の機能キーを含む物理的な操作ボタンである。当該操作キー17を押下する入力操作がなされると、当該入力操作が所定の信号に変換されてCPU11に出力される。
【0020】
通信装置18は、ワイヤレスWANモジュールや無線LANモジュール等の、外部との間のデータの送受信を行う装置である。
【0021】
イメージスキャナ19は、所定の規則に従って生成されたバーコードを読み取って得られた信号をデコードし、CPU11に出力する。なお、信号のデコード処理の少なくとも一部はCPU11により行われても良い。
本実施形態のイメージスキャナ19は、レーザースキャナであり、レーザーダイオードからの出射光のバーコードでの反射光を受光して、検出された反射光の強度分布をデジタル信号に変換する。なお、イメージスキャナ19は、レーザースキャナに限られず、LED光源からの出射光のバーコードでの反射光をCCDにより受光するCCDスキャナなどを用いても良い。また、二次元バーコードを読み取ることが可能なものが用いられても良い。
また、イメージスキャナ19は、所定の情報が追記された伝票(
図6参照)を撮影し、撮影した伝票画像(イメージデータ)をCPU11に出力する。
【0022】
NFC装置20は、非接触ICカードに埋め込まれたRFタグとの間でRFID(Radio Frequency Identification)方式により近距離無線通信を行い、非接触ICカードの情報を取得してCPU11に出力する。
【0023】
GPS装置21は、全地球測位システムに係る測位衛星からの送信電波を受信して情報処理端末1の現在位置を取得する。GPS装置21は、受信した送信電波を増幅、周波数変換、復号して必要な情報を取得し、CPU11に出力する。
【0024】
次に、情報処理端末1におけるデバイスの制御方法について説明する。
図3は、情報処理端末1におけるソフトウェアの階層構造を示す図である。
図3に示されるように、ソフトウェアの最下層には、各デバイス(ハードウェア)に対応するデバイスドライバが設けられている。具体的には、表示部15、タッチパネル16、操作キー17、通信装置18、イメージスキャナ19、NFC装置20及びGPS装置21の各デバイスにそれぞれ対応して、デバイスドライバ15d〜21dが設けられている。
【0025】
また、これらのデバイスドライバ15d〜21dのうち、デバイスドライバ15d〜18dの上層にはOS131が設けられ、デバイスドライバ19d〜21dの上層には制御支援プログラム132が設けられている。また、OS131及び制御支援プログラム132の上層には、業務アプリケーション133が設けられている。この業務アプリケーション133は、開発支援プログラム134により作成される。
【0026】
OS131は、情報処理端末1を動作させるための基本ソフトウェアであり、デバイスドライバ15d〜18dにより表示部15、タッチパネル16、操作キー17、通信装置18の動作の制御、管理を行うほか、RAM12における記憶領域の管理や、CPU11により実行されるプロセスの管理などを行い、ユーザや業務アプリケーション133に対して基本的なユーザインターフェースを提供する。
【0027】
業務アプリケーション133は、情報処理端末1においてユーザの業務に係る所望の情報処理を行うためのアプリケーションプログラムである。業務アプリケーション133は、OS131を介して表示部15を動作させて、所定の表示画面を表示させる。また、業務アプリケーション133は、OS131を介してタッチパネル16及び操作キー17に対する入力操作に係る情報を取得し、当該入力操作に応じてCPU11に所定の処理を行わせ、ステータス情報や処理結果などを表示部15の表示画面に表示させる。また、業務アプリケーション133は、OS131を介して通信装置18を動作させて、上記処理結果などを外部装置に送信させたり、外部装置から必要な情報を受信させたりする。
【0028】
本実施形態の情報処理端末1に組み込まれたOS131は、イメージスキャナ19、NFC装置20及びGPS装置21についてはサポートしていない。したがって、業務アプリケーション133は、OS131を介してイメージスキャナ19、NFC装置20及びGPS装置21を動作させることはできない。
そこで、本実施形態では、イメージスキャナ19、NFC装置20及びGPS装置21の動作の制御について業務アプリケーションを支援するための制御支援プログラム132が、OS131とは別個に設けられている。制御支援プログラム132は、OS131により情報処理端末1が動作している間、常に動作する常駐プログラムである。
【0029】
開発支援プログラム134は、業務アプリケーション133を作成するためのプログラムである。
以下では、開発支援プログラム134の機能及び動作について説明する。
【0030】
図4は、開発支援プログラム134の主要な機能を示すブロック図である。
開発支援プログラム134は、罫線枠判別部134a、OCR(Optical Character Reader)部134b、キーワード判別部134c、タイトル検出部134d、入力フィールド設定部134e及び登録部134fを有する。開発支援プログラム134は、これらの各部の機能を実現させる手段としてCPU11を機能させる。
以下、開発支援プログラム134の各部の機能について説明する。当該各部の機能は、開発支援プログラム134の各部に従ってCPU11が動作することで実現されるが、以下の説明では、便宜上、開発支援プログラム134の各部を動作主体として説明する。
【0031】
罫線枠判別部134aは、イメージスキャナ19により撮影された伝票画像を解析して、罫線枠を抽出する。ここで、イメージスキャナ19により撮影される伝票D1の一例を、
図5に示す。
【0032】
図5は、イメージスキャナ19により撮影される伝票D1の一例を示す図である。
伝票D1には、日付や伝票番号を記入する領域の他、納品される商品の情報(具体的には、番号、品名、規格番号、数量、備考)を記入可能な記入欄R1が設けられている。
本実施形態では、
図5に示す伝票D1に対し所定の情報(罫線枠、キーワード)を追記したものを、イメージスキャナ19により撮像する。
【0033】
図6は、所定の情報が追記された伝票D1の一例を示す図である。
伝票D1には、
図6に示すように、「伝票番号:」の文字及びその下の空白をそれぞれ囲う罫線枠W1と、伝票番号及び数量の各項目の記入欄に記入された「キー入力」とのキーワードK1と、規格番号の項目の記入欄に記入された「スキャン」とのキーワードK2と、が追記されている。すなわち、伝票D1には、伝票D1に入力する入力手段(操作キー17、イメージスキャナ19)を特定する入力方法情報が入力情報の入力位置と対応付けて追記されている。なお、具体的に追記を行う方法については特に限定されるものではない。追記されるキーワードが、後述するOCR部134bによって正しく文字認識処理を行うことができれば、任意の方法によって追記を行うこととしてよい。追記する方法は、例えば、ユーザによる手書き入力であってもよいし、プリンタ等の装置による印字であってもよい。
本実施形態では、
図6に示す伝票D1が、イメージスキャナ19により撮像される。罫線枠判別部134aは、イメージスキャナ19により撮影された
図6に示す伝票D1の画像を解析して、罫線枠(
図6に示す例では、罫線枠W1、記入欄R1を形成する罫線枠)を抽出する。
【0034】
OCR部134bは、罫線枠判別部134aにより判別された罫線枠内に対して文字認識処理を行う。
【0035】
キーワード判別部134cは、OCR部134bにより罫線枠判別部134aにより判別された罫線枠内に対してOCR処理(文字認識処理)を行わせ、当該OCR処理の結果と、ROM13に記憶されているキーワード定義データ135とに基づいて、罫線枠内に所定のキーワード(入力方法情報)が含まれているか否かを判別する。
【0036】
図7は、キーワード定義データ135の内容例を示す図である。
キーワード定義データ135では、複数のキーワードの各々が、いずれかの入力処理と対応付けられて記憶されている。本実施形態のキーワードは、「スキャン」、「SCAN」、「キー入力」及び「手動入力」であり、いずれも文字のみからなる。また、「スキャン」及び「SCAN」のキーワードには、イメージスキャナ19によりバーコードの読取動作を行わせる「スキャン入力」が対応付けられて記憶されている。また、「キー入力」及び「手動入力」のキーワードには、操作キー17により手動で入力動作を行わせる「キー入力」が対応付けられて記憶されている。
【0037】
キーワード判別部134cは、罫線枠内のOCR処理の結果得られた文字列が、キーワード定義データ135に示されているキーワードのいずれかと一致するか否かを判別する。
図6に示す例では、キーワード判別部134cは、伝票番号及び数量の各項目の記入欄(罫線枠)内に「キー入力」の文字からなるキーワードが、規格番号の項目の記入欄(罫線枠)内に「スキャン」の文字からなるキーワードが、それぞれ含まれていると判別する。
【0038】
タイトル検出部134dは、ユーザにより選択されたタイトル位置(最上行又は最左列)の罫線枠内の表示内容を、タイトルとして検出する。
図6に示す例では、「最上行」の罫線枠内の表示内容(伝票番号、番号、品名、規格番号、数量、備考)を、タイトルとして検出する。
【0039】
入力フィールド設定部134eは、罫線枠内に含まれている所定のキーワードと対応付けられた入力処理(入力手段)の入力フィールドを設定する。例えば、罫線枠内に含まれている所定のキーワードが「スキャン」の場合、「スキャン」と対応付けられた「(イメージスキャナ19による)スキャン入力」の入力フィールドを設定する。また、罫線枠内に含まれている所定のキーワードが「キー入力」の場合、「キー入力」と対応付けられた「(操作キー17による)キー入力」の入力フィールドを設定する。
【0040】
登録部134fは、全ての罫線枠に対する処理に対してコンパイル等の処理を行い、情報処理端末1で実行可能な状態(プログラム)として保存する処理を行う。
【0041】
次に、開発支援プログラム134に基づくCPU11によるプログラム生成処理の制御手順について説明する。
図8は、プログラム生成処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。以下では、開発支援プログラム134に基づいて動作するCPU11を動作主体として説明する。
【0042】
まず、CPU11は、イメージスキャナ19により所定の情報が追記された伝票(
図6参照)を撮影させ、撮影された伝票画像を取得する(ステップS101)。
【0043】
次に、CPU11は、タイトル位置を指定する(ステップS102)。具体的には、CPU11は、伝票のフィールドのタイトルが最上行にあるか最左列にあるかをユーザに選択させ、選択されたタイトルの位置をタイトル位置として指定する。
図6に示す例では、伝票のフィールドのタイトル(伝票番号、番号、品名、規格番号、数量、備考)が最上行に位置しているため、タイトル位置として「最上行」を指定する。なお、予めタイトル位置が設定されている場合には、ステップS102によるユーザの選択を省略することも可能である。
【0044】
次に、CPU11は、ステップS101で取得した伝票画像を解析して、罫線枠を抽出する(ステップS103)。ステップS103で抽出された罫線枠は、リスト化されてROM13等に記憶される。
【0045】
次に、CPU11は、ステップS103で抽出された罫線枠内に対してOCR処理(文字認識処理)を行う(ステップS104)。
【0046】
次に、CPU11は、ステップS104におけるOCR処理の結果と、ROM13に記憶されているキーワード定義データ135とに基づいて、罫線枠内に所定のキーワードが含まれているか否かを判別する(ステップS105)。すなわち、CPU11は、所定の記載フォーマット(伝票D1)における所定の記載領域(罫線枠)に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する本発明の判別手段として機能する。
CPU11は、罫線枠内に所定のキーワードが含まれていると判別した場合(ステップS105:YES)、次のステップS106へと移行する。
一方、CPU11は、罫線枠内に所定のキーワードが含まれていないと判別した場合(ステップS105:NO)、次の罫線枠へと移動し(ステップS110)、その後ステップS104へと移行して、再度ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0047】
次に、CPU11は、ステップS102で指定したタイトル位置の罫線枠内の表示内容を、タイトルとして設定する(ステップS106)。
図6に示す例では、「最上行」の罫線枠内の表示内容(伝票番号、番号、品名、規格番号、数量、備考)を、タイトルとして設定(プログラムソースに追記)する。
【0048】
次に、CPU11は、罫線枠内に含まれている所定のキーワードと対応付けられた入力処理(入力手段)の入力フィールドを設定する(ステップS107)。すなわち、CPU11は、ステップS105で入力方法情報が記載されていると判別された場合に、入力項目への入力開始操作が検出された際に起動される入力手段を入力方法情報に基づいて設定する本発明の設定手段として機能する。なお、この入力フィールドは、単に情報が入力されるだけでなく、業務データファイル等の所定の記憶部にその入力された情報をタイトルと対応付けて出力することが可能なフィールドとして設定される。具体的には、CPU11は、キーワード定義データ135を参照して、罫線枠内に含まれている所定のキーワードと対応付けられた入力処理を抽出し、当該抽出した入力処理の入力フィールドを設定する。この際には、当該入力フィールドへの入力内容を業務データファイルに出力できるよう設定が行われる。以上から、所定のキーワードの数だけ、入力フィールドが設定される。そして、CPU11は、上記の設定・追加内容を生成プログラムにソースコードとして追加する。
【0049】
次に、CPU11は、全ての罫線枠を処理したか否かを判定する(ステップS108)。
CPU11は、全ての罫線枠を処理したと判定した場合(ステップS108:YES)、次のステップS109へと移行する。
一方、CPU11は、全ての罫線枠を処理していないと判定した場合(ステップS108:NO)、次の罫線枠へと移動し(ステップS110)、その後ステップS104へと移行して、再度ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0050】
次に、CPU11は、プログラム登録処理を行う(ステップS109)。具体的には、CPU11は、全ての罫線枠に対する処理に対してコンパイル等の処理を行い、情報処理端末1で実行可能な状態として保存する処理を行う。
【0051】
以上の処理により、伝票の入力業務を情報処理端末1で実行するためのプログラム(入力業務プログラム)が生成される。
図9に、入力業務プログラムの起動画面の一例を示す。
【0052】
図9の起動画面15aは、業務アプリケーション133(入力業務プログラム)の動作画面である。すなわち、起動画面15aは、業務アプリケーション133により生成された画像データに基づいてCPU11に所定の処理を行わせ、OS131及びデバイスドライバ15dを介して表示部15を動作させることで表示される。起動画面15aは、情報処理端末1の電源を入れて起動した状態で表示部15に表示されるようになっている。
この起動画面15aには、「伝票番号:」の文字からなるタイトルT1と、「規格番号」の文字からなるタイトルT2と、「数量」の文字からなるタイトルT3と、が表示されている。
また、タイトルT1の右方には、タイトルT1の入力フィールド(入力域)となる入力ボックスIB1が表示され、各タイトルT2の右方には、タイトルT2の入力フィールドとなる入力ボックスIB2がそれぞれ表示され、各タイトルT3の右方には、タイトルT3の入力フィールドとなる入力ボックスIB3がそれぞれ表示されている。各入力ボックスIB1〜IB3は、入力データを取得したりテキストを表示させたりするためにOS131により提供される機能を用いて設けられたものであり、イメージスキャナ19によるバーコードの読み取り又は操作キー17から数値入力を行うことで数値データが表示されるようになっている。
また、起動画面15aの右下部には、各入力ボックスIB1〜IB3に入力された情報を業務データファイルに登録するための登録ボタンB1が表示されている。
上記の起動画面15aは、CPU11に所定の処理を行わせることで表示される。
【0053】
次に、開発支援プログラム134に基づくCPU11による入力業務プログラムの動作例について説明する。
図10は、入力業務プログラムの動作例を示すフローチャートである。以下では、開発支援プログラム134に基づいて動作するCPU11を動作主体として説明する。
【0054】
まず、CPU11は、現在選択されている入力フィールドがスキャンフィールドであるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、入力フィールドは、起動画面15aの起動時に、一番上の入力フィールド(
図9では入力ボックスIB1)が選択された状態となっている。以降、各入力フィールドの入力処理が終わるごとに、自動的に次の入力フィールドが選択された状態となる。なお、ユーザのタッチ操作や操作キー17による操作により入力フィールドを選択可能な構成としてもよい。また、スキャンフィールドは、入力処理としてスキャン入力が割り当てられた入力フィールド(本実施形態では規格番号の入力フィールド)のことである。
CPU11は、現在選択されている入力フィールドがスキャンフィールドであると判定した場合(ステップS201:YES)、イメージスキャナ19を起動させ(ステップS202)、ステップS202で起動させたイメージスキャナ19による読み取り内容(例えば、スキャン対象の情報(本実施形態では規格番号)がコード変換されたバーコード)を入力フィールドに入力する(ステップS203)。
一方、CPU11は、現在選択されている入力フィールドがスキャンフィールドで
ないと判定した場合(ステップS201:NO)、ステップS204へと移行する。
【0055】
次に、CPU11は、現在選択されている入力フィールドがキー入力フィールドであるか否かを判定する(ステップS204)。キー入力フィールドは、入力処理としてキー入力が割り当てられた入力フィールド(本実施形態では伝票番号及び数量の入力フィールド)のことである。
CPU11は、現在選択されている入力フィールドがキー入力フィールドであると判定した場合(ステップS204:YES)、ユーザにより当該入力フィールドにキー入力された情報を入力フィールドに入力する(ステップS205)。
一方、CPU11は、現在選択されている入力フィールドがキー入力フィールドでないと判定した場合(ステップS204:NO)、ステップS206へと移行する。
【0056】
次に、CPU11は、登録ボタンB1が押下されたか否かを判定する(ステップS206)。
CPU11は、登録ボタンB1が押下されたと判定した場合(ステップS206:YES)、次のステップS207へと移行する。
一方、CPU11は、登録ボタンB1が押下されていないと判定した場合(ステップS206:NO)、ステップS101へと移行して、再度ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0057】
次に、CPU11は、入力情報を業務データファイルに登録する(ステップS207)。
図11に、業務データファイルF1のフォーマットの一例を示す。
業務データファイルF1は、伝票番号F11、規格番号1F12、数量1F13、規格番号2F14、数量2F15、規格番号3F16、数量3F17、のフィールドを有する。
図10に示す入力業務プログラムの動作により各入力ボックスIB1〜IB3に入力された情報は、対応する各フィールドF11〜F17に格納される。
【0058】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、入力方法情報としての所定のキーワードが文字のみからなる例を用いて説明したが、これに限られず、所定のキーワードは、図形や記号からなる標識であっても良い。また、所定のキーワードは、文字、図形及び記号のうち二以上の組み合わせからなる標識であっても良い。したがって、所定のキーワードは、テキストコードにより表示される文字や記号のほか、画像データにより表示される図形を含んでいても良い。
これらの場合にも、キーワード定義データ135では、起動画面15aにおいてキーワードを特定できる態様でキーワードが記憶され、各キーワードとデバイスの動作とが対応付けられて記憶される。
【0059】
また、上記実施形態では、開発支援プログラム134により入力業務プログラムを生成する構成としていたが、これら2つのプログラムが実現する機能を1つのプログラムによって実現する構成としてもよい。具体的には、
図8のステップS109において入力業務プログラムを生成するのではなく、
図9に示すような入力画面を生成し、生成された入力画面を用いて
図10のフローチャートに示す動作を行わせることにより、一つのプログラムで開発支援プログラム134と入力業務プログラムの2つの機能を実現することが可能となる。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る開発支援プログラム134は、コンピュータ(CPU11)を、所定の記載フォーマットにおける所定の記載領域に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する判別手段、判別手段により入力方法情報が記載されていると判別された場合に、入力項目への入力開始操作が検出された際に起動される入力手段(操作キー17、イメージスキャナ19)を入力方法情報に基づいて設定する設定手段、として機能させる。
このような開発支援プログラム134を情報処理端末1に組み込むことで、業務アプリケーション133の開発者は、特別な知識を有しなくとも、情報処理端末1に組み込まれる業務アプリケーション133を開発することができる。よって、情報処理端末1のアプリケーションプログラムの開発を容易に行うことができる。
また、開発支援プログラム134は、取得した伝票の画像に基づいて、入力情報の入力域を入力手段と対応付けて設定するため、入力情報を入力するユーザは、その入力時に入力手段を意識することなく、入力操作を行うことができる。よって、入力操作に掛かる負荷を低減することができる。
【0061】
また、開発支援プログラム134は、判別手段として、記載フォーマットに記載領域が含まれるか否かを判別し、記載領域が含まれると判別された場合に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する。
これにより、記載フォーマットに記載領域が含まれていない場合の処理を省略することができるので、処理に掛かるコストを低減することができる。
【0062】
また、記載領域は、記載フォーマットに含まれる罫線枠であり、入力方法情報は、罫線枠に囲まれた情報である。
これにより、ユーザにとって、入力情報の記載領域を視覚的にわかりやすく認識することができるので、入力操作に掛かる負荷や誤入力を低減することができる。
【0063】
また、入力方法情報は、文字、図形若しくは記号、又はこれらの組み合わせから構成することができるため、入力方法情報を、ユーザが入力手段(デバイス)との対応関係を直観的に把握しやすい構成とすることができる。また、情報処理端末1の起動画面15aのデザイン性を高めることができる。
【0064】
また、上記実施形態に係る情報処理端末1は、CPU11を備え、CPU11は、所定の記載フォーマットにおける所定の記載領域に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別し(判別手段)、判別手段により入力方法情報が記載されていると判別された場合に、入力項目への入力開始操作が検出された際に起動される入力手段(操作キー17、イメージスキャナ19)を入力方法情報に基づいて設定する(設定手段)。
このような構成によれば、業務アプリケーション133の開発者は、特別な知識を有しなくとも、情報処理端末1に組み込まれる業務アプリケーション133を開発することができる。よって、情報処理端末1のアプリケーションプログラムの開発を容易に行うことができる。
また、開発支援プログラム134は、取得した伝票の画像に基づいて、入力情報の入力域を入力手段と対応付けて設定するため、入力情報を入力するユーザは、その入力時に入力手段を意識することなく、入力操作を行うことができる。よって、入力操作に掛かる負荷を低減することができる。
【0065】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM13等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROMやフラッシュメモリ等により構成される可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0066】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係るプログラム及び情報処理端末の実施形態の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、
図12に示すように、
図10のフローチャートに示す動作によって入力された情報を、印刷可能な形で、
図5に示す状態の伝票D1に自動的に入力するようにしてもよい。
【0067】
具体的には、まず、ユーザは、
図5に示す状態の伝票D1に基づいて、入力テンプレートを作成しておく。
次いで、
図9に示す各入力フィールドと入力テンプレートにおける入力位置とを、検出されたタイトルを比較することで対応付ける。
次いで、ユーザが、
図9に示す起動画面15aにおいて、入力手段(操作キー17、イメージスキャナ19)を介して各入力フィールド(入力ボックスIB1〜3)に情報を入力した後に「登録ボタンB1」を選択すると、CPU11は、入力ボックスIB1〜3に入力された情報が、入力テンプレートの対応する入力位置に記載された伝票画像D2を生成し、表示部15に表示させる(
図12参照)。以上の処理により、情報が入力された伝票画像D2を容易に作成することができる。すなわち、CPU11は、入力手段を介して入力された情報を入力項目に表示させる本発明の表示制御手段として機能する。
これにより、
図10のフローチャートに示す動作において各デバイスにより入力された情報を、単にデータファイルに登録するだけでなく、伝票に自動出力することができる。
【0068】
また、上記実施形態では、
図6に示すように、伝票D1に追記するキーワードを各項目(規格番号、数量等)の記入欄に記入する構成を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、各項目の記入欄に記入する代わりに、各項目名が記入されている欄に、各項目名に続けて記入するようにしてもよい。そうすることで、各項目の記入欄の全てにキーワードを記入する必要がなくなるため、伝票D1にキーワードを追記する手間を低減することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、
図6及び
図8のステップS102等に示すように、伝票のフィールドのタイトルを最上行又は最左列に統一するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、項目ごとに、タイトルを最上行又は最左列に任意に配置可能な構成としてもよい。例えば、伝票番号は「最左列」、規格番号及び数量は「最上行」に配置するようにしてもよい。
【0070】
また、キーワード定義データ135において、キーワードに対応するデバイスの動作に加え、当該動作のオプション(デバイスを動作させるための処理のオプション)を設定し、当該オプションを反映させたデバイスの制御を行うようにしても良い。例えば、イメージスキャナ19によるバーコードの読み取り動作について、読み取るバーコードの種別やバーコードの最大長さを指定するオプションを動作標識Maに対応付けて設定することで、バーコードの読み取り精度を向上させても良い。
【0071】
また、制御支援プログラム132によりキーワードの検出結果に基づいて制御されるデバイスは、イメージスキャナ19に限られず、NFC装置20、GPS装置21、イメージリーダ、カメラ、プリンタ、スピーカー等の、所定の機能を有する種々のデバイスであっても良い。また、上記実施形態における表示部15や通信装置18が制御支援プログラム132により制御されても良い。
【0072】
また、起動画面15aにおける位置を特定するための入力操作を受け付ける入力手段は、タッチパネル16に限られない。例えば、操作キー17や、各種公知のポインティングデバイスデバイス等により起動画面15aにおける位置を特定するための入力操作が行われても良い。
【0073】
また、伝票画像を取得する方法としては、イメージスキャナ19による撮影に限られず、カメラによる撮影や通信装置18により外部からイメージファイル(jpeg等)を取得する方法であってもよい。
【0074】
また、伝票画像の処理〜プログラム生成に関しては、PC上のクロス開発環境で実行するようにし、その後、情報処理端末1に転送する構成としてもよい。
【0075】
また、生成されたプログラム(入力業務プログラム)のソースを開発環境上でモデファイ可能に構成してもよい。
【0076】
また、起動画面15aは、業務アプリケーション133により生成されたものに限られない。例えば、通信装置18により外部から取得した情報リソース(HTMLファイル等)に基づいてウェブブラウザにより構成された表示画面であっても良い。また、起動画面15aは、GUI(Graphical User Interface)を用いて構成されたものに限られず、CUI(Character User Interface)を用いて構成されたものであっても良い。
【0077】
また、キーワード定義データ135を書き込み可能な記憶部に記憶させておき、これらの定義データの追加や変更を行うことができるようにしても良い。また、キーワードの定義に関しては、iniファイル等に登録するようにして、拡張可能な構成としてもよい。
【0078】
また、OS131がデバイスドライバを介して全てのデバイスの制御を行うことができる場合には、制御支援プログラム132を設けないこととしても良い。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
コンピュータを、
所定の記載フォーマットにおける所定の記載領域に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する判別手段、
前記判別手段により前記入力方法情報が記載されていると判別された場合に、前記入力項目への入力開始操作が検出された際に起動される入力手段を前記入力方法情報に基づいて設定する設定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項2>
前記コンピュータを、
前記入力手段を介して入力された情報を前記入力項目に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
<請求項3>
前記判別手段は、前記記載フォーマットに前記記載領域が含まれるか否かを判別し、前記記載領域が含まれると判別された場合に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のプログラム。
<請求項4>
前記記載領域は、前記記載フォーマットに含まれる罫線枠であり、
前記入力方法情報は、前記罫線枠に囲まれた情報である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプログラム。
<請求項5>
前記入力方法情報は、文字、図形若しくは記号、又はこれらの組み合わせである、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプログラム。
<請求項6>
所定の記載フォーマットにおける所定の記載領域に、当該記載領域に対応した入力項目に情報を入力する際の入力方法情報が記載されているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記入力方法情報が記載されていると判別された場合に、前記入力項目への入力開始操作が検出された際に起動される入力手段を前記入力方法情報に基づいて設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理端末。