特許第6977438号(P6977438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大日本印刷株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977438
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】内装袋付容器および蓋体付容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20211125BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B65D81/32 C
   B65D81/34 U
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-180469(P2017-180469)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-55793(P2019-55793A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】加 戸 卓
(72)【発明者】
【氏名】土 田 雅 子
(72)【発明者】
【氏名】仙 頭 和佳子
(72)【発明者】
【氏名】石 川 洋
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−367476(JP,A)
【文献】 特開2005−059863(JP,A)
【文献】 特開2001−139069(JP,A)
【文献】 特開2009−067418(JP,A)
【文献】 特開2009−096546(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0142914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を露出した状態で収納する収納部を画成する胴部と、前記胴部の上部に連接されたフランジ部とを含む容器と、
前記容器の前記収納部を覆うよう配置され、追加フランジ部を有するとともに、前記フランジ部に取り付けられた蓋体とを備え、
前記蓋体は前記容器と反対側へ引込んで、追加内容物を収納する追加収納部を形成し、前記追加フランジ部に前記追加収納部を密封するフィルム材が接合され、このフィルム材は加熱されて前記追加収納部の内圧が高まった際、開封して前記追加内容物を前記容器側へ排出する開封部を有し、
前記開封部は発熱インクから形成された線状開封部またはハーフカットから形成された線状開封部を有し、かつ平面視でH字状の形状を有する、蓋体付容器。
【請求項2】
前記内容物としてごはん、お粥、麺類、焼物、揚物の少なくともいずれかが用いられる、請求項記載の蓋体付容器。
【請求項3】
前記追加内容物として、調味料、具材、ソースの少なくともいずれかが用いられる、請求項1または2記載の蓋体付容器。
【請求項4】
内容物を露出した状態で収納する収納部を画成する胴部と、前記胴部の上部に連接されたフランジ部とを含む容器と、
前記容器の前記収納部を覆うよう、前記フランジ部の上面に配置されたフィルムからなる蓋とを備え、
前記フランジ部の上面と前記蓋の下面との間に、前記フランジ部の上面と前記蓋の下面との間を接合する接合部が形成され、
前記蓋の一部が前記蓋から上方へ突出して形成された一対の側部を有し、追加内容物を収納する内装袋が設けられ、
前記一対の側部は、前記蓋側の端部が密閉されて、前記内装袋を密閉する密閉部を形成し、
前記内装袋加熱されて内圧が高まった際、前記密閉部が開封して前記追加内容物を前記容器側へ排出する、内装袋付容器。
【請求項5】
前記内容物としてごはん、お粥、麺類、焼物、揚物の少なくともいずれかが用いられる、請求項記載の内装袋付容器。
【請求項6】
前記追加内容物として、調味料、具材、ソースの少なくともいずれかが用いられる、請求項4または5記載の内装袋付容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごはんまたは麺等の内容物を収納する収容部が形成された容器と、ソースまたは具材等の追加内容物を収納する内装袋とを備えた内装袋付容器、およびごはんまたは麺等の内容物を収納する収容部が形成された容器と、ソースまたは具材等の追加内容物を収納する蓋体とを備えた蓋体付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理済あるいは半調理済の食品などのごはんまたは麺類等内容物を、トレイなどのプラスチック製の容器に収容し、フィルムなどからなる蓋で密封したものが多く市場に出回っている。内容物は、プラスチック製の容器に収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。このような容器は、電子レンジにより加熱された際、容器内部の膨張空気を脱気させる構造をもつ(特許文献1参照)。
【0003】
また電子レンジ用容器としては、容器内に、ソースまたは具材等の追加内容物を収納する内装袋が配置される内袋付容器も開発されている。このような内装袋付容器を使用する場合、まず容器内から内装袋を取出して、内装袋を開封し、内装体内の追加内容物を容器上の内容物上に注ぐ。次に内容物を収納した容器を電子レンジにより加熱し、追加内容物とともに内容物を加熱している。
【0004】
しかしながら、使用に際して容器から内装袋を取出して開封し、その後内装袋から追加内容物を容器内の内容物上に注ぎ、その後追加内容物とともに内容物を電子レンジで加熱する作業は煩雑である。
【0005】
このような場合、容器から内装袋を取出すことなく、容器内に内装袋を配置したままにして電子レンジにより容器と内装袋を加熱するだけで、自動的に加熱された内容物上に加熱された追加内容物を注ぐことができれば都合が良い。
【0006】
あるいは容器を蓋体で覆うとともに蓋体内に予め追加内容物を収納し、電子レンジにより容器と蓋体を加熱するだけで、自動的に加温された内容物上に加温された追加内容物を注ぐことができれば都合が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平3−87688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、内装袋を容器内に配置したままで電子レンジにより加熱するだけで、加熱された内容物上に加熱された追加内容物を自動的に掛けることができる内装袋付容器、および電子レンジにより容器と蓋体を加熱するだけで自動的に加熱された内容物上に加熱された追加内容物を自動的に掛けることができる蓋体付容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内容物を露出した状態で収納する収納部を画成する胴部と、前記胴部の上部に連接されたフランジ部とを含む容器と、前記容器の前記収納部を覆うよう配置され、追加フランジ部を有するとともに、前記フランジ部に取り付けられた蓋体とを備え、前記蓋体は前記容器と反対側へ引込んで、追加内容物を収納する追加収納部を形成し、前記追加フランジ部に前記追加収納部を密封するフィルム材が接合され、このフィルム材は加熱されて前記追加収納部の内圧が高まった際、開封して前記追加内容物を前記容器側へ排出する開封部を有する、蓋体付容器である。
【0010】
本発明は、前記開封部は発熱インクから形成された線状開封部を有する、蓋体付容器である。
【0011】
本発明は、前記開封部はハーフカットから形成された線状開封部を有する、蓋体付容器である。
【0012】
本発明は、前記開封部は線状ヒートシール部を有する、蓋体付容器である。
【0013】
本発明は、前記追加内容物としてごはん、お粥、麺類、焼物、揚物の少なくともいずれかが用いられる、蓋体付容器である。
【0014】
本発明は、前記追加内容物として、調味料、具材、ソースの少なくともいずれかが用いられる、蓋体付容器である。
【0015】
本発明は、内容物を露出した状態で収納する収納部を画成する胴部と、前記胴部の上部に連接されたフランジ部とを含む容器と、前記容器の前記収納部を覆うよう、前記フランジ部の上面に配置されたフィルムからなる蓋とを備え、前記フランジ部の上面と前記蓋の下面との間に、前記フランジ部の上面と前記蓋の下面との間を接合する接合部が形成され、前記蓋の一部が前記蓋から上方へ突出して、一対の側部を有し、基端部が密閉されて密閉部を形成するとともに追加内容物を収納する合掌部からなる内装袋が形成され、前記内装袋の密閉部は加熱されて内圧が高まった際、開封して前記追加内容物を前記容器側へ排出する、内装袋付容器である。
【0016】
本発明は、前記追加内容物としてごはん、お粥、麺類、焼物、揚物の少なくともいずれかが用いられる、内装袋付容器である。
【0017】
本発明は、前記追加内容物として、調味料、具材、ソースの少なくともいずれかが用いられる、内装袋付容器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る内装袋付容器においては、内装袋を容器内に配置したままで、電子レンジにより加熱するだけで、加熱された内容物上に加熱された追加内容物を自動的に掛けることができる。また本発明に係る蓋体付容器においては、蓋体を容器に取り付けたたままで、電子レンジにより加熱するだけで、加熱された内容物上に加熱された追加内容物を自動的に掛けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本発明の第1の実施の形態における蓋体付容器を示す側断面図。
図2A図2Aは蓋体を示す断面図。
図2B図2Bは開封部を示す蓋体の裏面図。
図2C図2C図2BのC−C線断面図。
図2D図2Dは開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図2E図2Eは開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図2F図2Fは開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図3図3はフィルム材の積層構成を示す断面図。
図4A図4Aは蓋体を示す側断面図。
図4B図4Bは開封部を示す蓋体の裏面図。
図4C図4C図4BのC−C線断面図。
図4D図4D開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図4E図4E開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図4F図4F開封部の変形例を示す蓋体の裏面図。
図5図5はフィルム材の積層構成を示す断面図。
図6A図6Aは蓋体を示す側断面図。
図6B図6Bは開封部を示す蓋体の裏面図。
図6C図6C図6BのC−C線断面図。
図6D図6D図6CのD部拡大図。
図7A図7Aは本発明の第2の実施の形態における内装袋付容器を示す側断面図。
図7B図7Bは蓋の積層構成を示す断面図。
図8図8は蓋と内装袋の製造工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施の形態>
以下、図1乃至図6Dを参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。
【0021】
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0022】
<蓋体付容器>
まず図1乃至図6Dを参照して、蓋体付容器10の概略を説明する。図1は、蓋体付容器10を示す側断面図であり、図2A図2Fは、発熱インクから形成された線状開封部を示す図であり、図3はフィルム材の積層体を示す断面図であり、図4A図4Fはハーフカットから形成された線状開封部を示す図であり、図5はフィルム材の積層体を示す断面図であり、図6A図6Dは線状ヒートシール部を示す図である。
【0023】
蓋体付容器10は、内容物1を収納するための収納部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に連接されたフランジ部22とを有する容器20と、容器20の収納部25を覆うよう配置され、追加フランジ部32と、容器20のフランジ部22に嵌合される嵌合部36とを有する蓋体30とを備えている。
【0024】
また蓋体30は容器20と反対側へ引込んで追加内容物5aを収納する追加収納部38を形成する。さらにまた蓋体30の追加フランジ部32に、追加収納部38を密封するフィルム材11が接合されて接合部35を形成している。またフィルム材11には、加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、開封して追加内容物5aを容器20側へ排出する開封部8が設けられている。
【0025】
また蓋体付容器10において、内容物1が加熱されることによって収納部25で発生した蒸気は容器20のフランジ部22と蓋体30の嵌合部36との間から外方排出される。
【0026】
なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、一方の部材と他方の部材のうち少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、一方の部材と他方の部材を取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、一方の部材と他方の部材とは別個の構成要素を用いて、一方の部材を他方の部材に取り付けることを意味している。
【0027】
容器20に収容される内容物は、少なくとも水を含む。内容物1の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、ごはん、麺類、お粥、焼き物、揚げ物などの惣菜を挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収納部25の圧力が高まるので、収納部25内の蒸気は、上述のように容器20のフランジ部22と蓋体30の嵌合部36との間から外方へ排出される。
【0028】
また蓋体30の追加収納部38内に収納される追加内容物5aとしては、内容物1上に注がれる調味料、ソース、具材が考えられる。
【0029】
以下、容器20、フィルム材11、および蓋体30について更に説明する。
【0030】
〔容器20〕
図1に示すように、容器20は、収納部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、例えば、底面21aと、底面21aの外縁に沿って一周にわたって広がるよう底面21aから立設された側面21bと、を含む。底面21aには、上方へ隆起した隆起部が形成されていてもよい。フランジ部22は、胴部21の側面21bの上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「側面」、「上部」、「上縁」や後述する「上面」、「下面」、「水平方向」などの用語は、容器20の収納部25が上方に開口するように蓋体付容器10が載置されている状態を基準として蓋体付容器10、容器20、フィルム材11および蓋体30やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。また、「外側」とは、平面視における容器20の収納部25の中心から遠ざかる側である。また、後述する「内側」とは、容器20の収納部25の中心に近づく側である。
【0031】
図1において、符号Tは、容器20の厚みを表す。容器20の厚みTは、例えば、0.1mm以上且つ1.0mm以下である。容器20の厚みTが小さくなるほど、例えば、容器20の厚みTが100μm以上且つ300μm以下の場合に、容器20の側面21bやフランジ部22に変形が生じやすく、厚みTが200μm以下の場合に、変形がより生じやすい。
【0032】
容器20はゴム成分やエチレン成分を含む場合、容器20の変形が生じやすい。
【0033】
容器20が、例えば、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンで構成されている場合は、ゴム成分やエチレン成分を含まないホモポリプロピレンに比べて剛性や耐熱性が低下する。
【0034】
容器20を作製する方法としては、射出成形法やシート成形法が採用され得る。射出成形によって容器20を製造する場合、成形性を確保するため、容器20の高さH1を、フランジ部22の対向する外縁間の距離L1、L2(図2B参照)、以下にすることが好ましい。シート成形法とは、プラスチック製のシートに型を押し付けてシートに所望の形状を形成する方法である。容器20を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを挙げることができる。
【0035】
また、プラスチック製のシートを、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、100μm以上300μm以下の厚みを有するシートを用いることができる。シートを構成する積層体の例としては、例えば、CPP/CNy/CPPやLLDPE/CNy/LLDPEを挙げることができる。ここで、「CPP」は無延伸ポリプロピレンであり、「CNy」は無延伸ナイロンであり、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0036】
〔蓋体30〕
蓋体30は容器20の収納部25を覆うように容器20のフランジ部22に設けられる。この場合、蓋体30は上面31aと側面31bとを有する胴部31と、胴部31の下端に設けられ、容器20のフランジ部22に重なる追加フランジ部32と、追加フランジ部32に連接され、フランジ部22に勘合する嵌合部36とを有する。そして胴部31は容器20と反対側へ引込んで追加収納部38を形成している。
【0037】
なお蓋体30は、全体としてポリプロピレン製、ポリスチレン製などとなっている。
【0038】
〔フィルム材11〕
フィルム材11は、図1に示すように、蓋体30の追加収納部38を覆うよう追加フランジ部32に配置され、接合部35によって追加フランジ部32の下面に接合されている。フィルム材11の上面11Aは、追加フランジ部32の下面に接合され得るよう構成されている。
【0039】
フィルム材11は、図3に示すように順次積層された、下面11B側の第1基材層11a、接着剤層11b、シーラント層11cを含む積層体を有し、この積層体の第1基材層11aと接着剤層11bとの間に、後述する発熱層からなり、開封部8を構成する開封線状部13が部分的に設けられている。このような積層材としては、例えば、第1基材層となる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、無機酸化物の蒸着層、発熱層、接着剤層、第2基材層となる二軸延伸ナイロン、接着剤層、シーラント層となる無延伸ポリプロピレンが順に積層された積層体を用いることができる。
【0040】
その他、基材層を構成する材料としては、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)(12μm厚)、などのポリエステル系樹脂、および延伸ナイロン(ONy)(15μm厚)などのポリアミド系樹脂からなる積層体を用いることができる。その他基材層としては、、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材層は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材層の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
【0041】
シーラント層11cを構成する材料としては、無延伸ポリプロピレン(CPP)(50μm厚)を用いることができる。その他シーラント層11cとしては低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層11cは、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層11cは、無延伸であることが好ましい。
【0042】
シーラント層11cの厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい。
【0043】
フィルム材11は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が蓋体付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、フィルム材11に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材層を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材層とシーラント層との間に設けられていてもよいし、基材層のシーラント層とは反対側の面に設けられていてもよい。
【0044】
第1基材層11aとシーラント層11cとを積層する方法としては、ドライラミネート法などを挙げることができる。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層11cと、第1基材層11aを含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、第1基材層11aとシーラント層11cは、接着剤層11bにより貼り合わされる。
【0045】
接着剤層11bを構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着剤の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
【0046】
〔接合部35〕
接合部35は、蓋体30の追加フランジ部32の下面とフィルム材11の上面11Aとを接合して蓋体30の追加収納部38を外部から封止する。図2A図2Fに示すように、接合部35は、蓋体30の追加フランジ部32の下面とフィルム材11の上面11Aとの間に、平面視において追加収納部38を囲むように一周にわたって連続的に形成されている。接合部35は、蓋体30またはフィルム材11の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部35は、接着剤などの、蓋体30およびフィルム材11とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部35を蓋体30とフィルム材11との間に形成することにより、蓋体30の追加収納部38を外部から封止することができる。
【0047】
〔開封部8〕
次に図2A図2Fおよび図3により、フィルム材11に設けられた開封部8について説明する。
【0048】
上述のようにフィルム材11には、蓋体付容器10が加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、開封して追加内容物5aを容器20側へ排出する開封部8が設けられている。この開封部8はフィルム材11の第1基材層11a側に、発熱インクを設けることにより形成された線状開封部13からなっている。
【0049】
線状開封部13は、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に延びて設けられている(図2A乃至図2C参照)。
【0050】
なお、図2A図2Cにおいて、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に延びる線状開封部13を設けた例を示したが、これに限らずフィルム材11に、発熱インクにより形成されたX字状の線状開封部13を設けてもよく(図2D参照)、フィルム材11に、発熱インクにより形成されたH字状の線状開封部13を設けてもよく(図2E参照)、フィルム材11に発熱インクにより形成されたU字状の線状開封部13を設けてもよい(図2F参照)。
【0051】
次に線状開封部13を形成する発熱インクについて述べる。
【0052】
発熱インクは電子レンジ内でマイクロ波を受けて発熱し、フィルム材11を溶融して開封するようになっている。
【0053】
このような発熱インクにより形成された発熱層は、マイクロ波を受けて発熱し、前記発熱層を設けた領域のフィルム材11の一部が加熱溶融され、追加内容物5aの加熱で上昇した内圧により加熱溶融したフィルム材11の一部が開封して内圧を逃がすものである。発熱インクはマイクロ波を吸収して発熱する導電性材料を含むが、この導電性材料は、特に限定するものではないが、インキ化するということを考慮すると、カーボンブラック、銀、アルミニウム、ITO(酸化インジウム錫)等々が適当であり、容易に印刷用インキ、たとえば、グラビア印刷用インキとすることができる点からカーボンブラックが好適である。表面抵抗率としては10Ω/□以上107Ω/□以下が望ましい。この理由としては、10Ω/□未満ではマイクロ波が反射するために発熱量が低下し、107Ω/□超では抵抗が大きすぎて発熱量が低下するためである。
【0054】
また発熱インキは、導電性材料の他、樹脂と、溶媒を含む。そして発熱インキを塗布した後、溶媒を揮発させることにより開封線状部13を形成することができる。
【0055】
さらに樹脂として、例えばウレタン樹脂が挙げられる。また、樹脂としてポリアニリン系樹脂、ポリチオフェン系樹脂、ポリアセチレン系樹脂などの導電性高分子を用いてもよい。
【0056】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0057】
はじめに、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いた射出成形法によって、一体的に形成された胴部21及びフランジ部22を有する容器20を作製する。
【0058】
続いて、容器20の収納部25に内容物1を露出した状態で充填する。また、蓋体30の追加収納部38に追加内容物5aを充填し、蓋体30の追加フランジ部32にフィルム材11をヒートシールにより接合する。次に容器20の収納部25を覆ってフィルム材11が接合された蓋体30を被せ、蓋体30の嵌合部36を容器20のフランジ部22に嵌合する。
【0059】
このようにして容器20と、容器20を覆うとともにフィルム材11が接合された蓋体30とからなる蓋体付容器10が得られる。
【0060】
使用に際し、使用者は蓋体付容器10を電子レンジ(図示せず)内へいれる。次に電子レンジにより蓋体付容器10を加熱する。この際、容器20の収納部25内にある内容物内部に含まれる水分が蒸発して収納部25内の圧力が高まっていく。次に収納部25内の蒸気は収納部25から容器20のフランジ部22と蓋体30の嵌合部36との間を通って外方へ放出される。
【0061】
この間、蓋体30の追加収納部38内の追加内容物5aも加熱され、追加内容物5a内部に含まれる水分が蒸発して追加収納部38内の圧力が高まる。
【0062】
次に追加収納部38内の蒸気は、フィルム材11の開封部8を破断させる。このようにしてフィルム材11は開封部8から開封し、追加収納部38内の追加内容物5aは開封部8から容器20内排出される。
【0063】
この際、追加収納部38内の追加内容物5aは開封部8から下方へ落下して収納部25内の内容物1上に注がれる。
【0064】
例えば収納部25内の内容物1がスパゲティのような麺類であり、追加収納部38内の追加内容物5aがスパゲティに注がれるミートソースの場合、収納部25内の加熱されたスパゲティ1上に加熱されたミートソース5aを容易に注ぐことができる。
【0065】
以上のように本実施の形態によれば、蓋体付容器10を電子レンジで加熱する際、追加収納部38内から予め追加内容物5aを取り出して、この追加内容物5aを容器20の収納部25内の内容物1上に注いだ後容器20を電子レンジに入れる必要はなく、追加収納部38内に追加内容物5aを入れたまま蓋体付容器10を電子レンジに入れて加熱するだけで容器20の収納部25内に収納された内容物1を加熱することができるとともに、加熱された内容物1上に加熱された追加内容物5aを自動的に掛けることができる。
【0066】
<本発明の変形例>
次に図4A図4Fおよび図5により、フィルム材11に設けられた開封部の変形例について説明する。
【0067】
上述のようにフィルム材11には、蓋体付容器10が加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、開封して追加内容物5aを容器20側へ排出する開封部8が設けられている。この開封部8はフィルム材11の第1基材11a側に、ハーフカットを設けることにより形成された線状開封部14からなっている(図5参照)。
【0068】
すなわち、フィルム材11は図5に示すように、順次積層された、第1基材層11a、接着剤層11b、シーラント層11cを含む積層体を有し、この積層体の第1基材層11aから接着剤層11bを貫通して、ハーフカットにより形成された線状開封部14が設けられている。このような積層材としては、例えば、第1基材層となる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、接着剤層、シーラント層となる無延伸ポリプロピレンが順に積層された積層体を用いることができ、ハーフカットは、第1基材層となる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、接着剤層を貫通して形成されている。あるいは、第1基材層となる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、接着剤層、第2基材層となる二軸延伸ナイロン、接着剤層、シーラント層となる無延伸ポリプロピレンが順に積層された積層体を用いることができ、ハーフカットは、第1基材層となる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、接着剤層、第2基材層となる二軸延伸ナイロン、接着剤層を貫通して形成されている。
【0069】
線状開封部14は、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に延びて設けられている(図4A乃至図4C参照)。
【0070】
なお、図4A図4Cにおいて、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に延びる線状開封部14を設けた例を示したが、これに限らずフィルム材11に、ハーフカットにより形成されたX字状の線状開封部14を設けてもよく(図4D参照)、フィルム材11に、ハーフカットにより形成されたH字状の線状開封部14を設けてもよく(図4E参照)、フィルム材11にハーフカットにより形成されたU字状の線状開封部14を設けてもよい(図4F参照)。
【0071】
次に図6A図6Dにより、フィルム材11に設けられた開封部8の他の変形例について説明する。
【0072】
上述のようにフィルム材11には、蓋体付容器10が加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、開封して追加内容物5aを容器20側へ排出する開封部8が設けられている。この開封部8はフィルム材11の2側縁をヒートシールすることにより得られた線状ヒートシール部15からなっている(図6D参照)。この線状ヒートシール部15は、加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、開封して追加内容物5aを容器20側へ排出するようになっている。
【0073】
線状ヒートシール部15は、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に延びて設けられている(図6A乃至図6D参照)。
【0074】
なお、図6A図6Dにおいて、フィルム材11の対向する長手方向の2外縁間に沿って直線状に形成された線状ヒートシール部15は、イージピールシール部からなり、加熱されて追加収納部38の内圧が高まった際、容易に破断することができる。
【0075】
<第2の実施の形態>
次に図7A図7Bおよび図8により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0076】
図7A図7Bおよび図8に示す第2の実施の形態は、内装袋5を含む内装袋付容器10Aからなる。
【0077】
図7A図7Bおよび図8に示すように、内装袋付容器10Aは内容物1を収納するための収納部25が形成された胴部21と、胴部21に連接されたフランジ部22とを有する容器20と、容器20の収納部25を覆う上面41と下面42を有するフィルムからなる蓋40と、蓋40を容器20のフランジ部22に接合する接合部55とを備える。また内装袋付容器10Aの接合部55は、その一部が容易に破断される構造をもち、内容物1が加熱されることによって収納部25で発生した蒸気を収納部25の外方へ排出する蒸気抜き機構を構成する。また蓋40の上面41には、追加内容物5aを収納する内装袋5が設けられている。この内装袋5については後述する。
【0078】
図7A図7Bおよび図8に示す第2の実施の形態において、図1図6Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。次に、第2の実施の形態の構成部分について説明する。
【0079】
(蓋)
蓋40は、容器20の収納部25を覆うようフランジ部22の上面に配置され、接合部55によってフランジ部22の上面に接合されている。蓋40の下面42は、フランジ部22の上面に接合され得るよう構成されている。蓋40は、後述のように内装袋5と一体に成形され、蓋40の下面42を構成するシーラント層45と、シーラント層45に接着剤層46を介して積層された基材層44と、を少なくとも含む(図7A図7B参照)。
【0080】
基材層44を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロン(Ny)などのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材層44は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材層44の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
【0081】
シーラント層45を構成する材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層45は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層45は、無延伸であることが好ましい。
【0082】
シーラント層45は、好ましくは、イージーピール性を備える。イージーピール性とは、蓋40を容器20のフランジ部22から剥離させるときに、蓋40がその下面42において、すなわちシーラント層45の界面において、フランジ部22の上面23から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層45を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂が挙げられる。
【0083】
なお、蓋40を容器20のフランジ部22から剥離させる形態が、シーラント層45の界面における剥離(フランジ部22の上面23とシーラント層45の表面の間の剥離)に限られることはない。例えば、シーラント層45の凝集破壊によって、蓋40がフランジ部22から剥離してもよく、また、蓋40を構成する一の層及びそれに隣接する他の層との間の層間剥離によって、蓋40がフランジ部22から剥離してもよい。
【0084】
シーラント層45の厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい。
【0085】
蓋40は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が内装袋付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、蓋材に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材層44を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材層44とシーラント層45との間に設けられていてもよいし、基材層44のシーラント層45とは反対側の面に設けられていてもよい。
【0086】
基材層44とシーラント層45とを積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材層44を含むフィルムの上にシーラント層45を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層45と、基材層44を含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、図7Bに示すように、蓋40は、基材層44とシーラント層45との間に位置し、接着剤からなる接着剤層46を更に含む。
【0087】
なお、溶融押出法で蓋40を作製する場合にも、溶融押出法で用いられるアンカーコート剤を含む接着剤層46が蓋40に存在することがある。
【0088】
接着剤層46を構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着剤層46の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
【0089】
〔接合部〕
接合部55は、フランジ部22の上面と蓋40の下面とを接合して容器20の収納部25を外部から封止する。接合部55は、フランジ部22の上面と蓋40の下面との間に、平面視において収納部25を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。接合部55は、容器20又は蓋40の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、接合部55は、接着剤などの、容器20および蓋40とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。接合部55を蓋40とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収納部25を外部から封止することができる。
【0090】
〔内装袋〕
次に追加内容物5aを収納した内装袋5について説明する。
【0091】
図7A図7Bおよび図8に示すように、追加内容物5aを収納した内装袋5は、軟質性フィルムを折畳むことによって蓋40と一体に構成される。
【0092】
すなわち図8に示すように、蓋40を構成する軟質性フィルム50Aを巻き取ってなる軟質性フィルムの巻体50を準備する。
【0093】
次にこの巻体50から蓋40を構成する軟質性フィルム50Aを繰り出し、この軟質性フィルム50Aを所定長さに切断した後、折畳み部51を介して2つ折れして折畳み、軟質性フィルム50Aの両端部の一部をヒートシールして一対の周縁シール部6、6を形成する。その後、軟質性フィルム50Aのうち一対の周縁シール部6、6内の空間にヒートシールされて密閉部48となる開口から追加内容物が収納され、この開口がヒートシールされて密閉部48が形成される。
【0094】
このように軟質性フィルム50Aをヒートシールすることにより一対の周縁シール部6と密閉部48が形成され、一対の周縁シール部6、6と密閉部48とにより囲まれる領域内部に追加内容物5aが収納される。この場合、軟質性フィルム50Aのうち折畳み部51と、一対の周縁シール部6と、密閉部48とにより合掌部からなる内装袋5が形成され、軟質性フィルム50Aの他の部分は蓋40を構成する。そしてこの蓋40は内装袋5を上方に突出させた状態で、上述のように容器20のフランジ部22にヒートシールにより接合される。
【0095】
このように合掌部からなる内装袋5は、図7Aおよび図7Bに示すように、蓋40の一部が蓋40から上方へ突出して形成された内装袋5ともいうことができ、内装袋5は蓋40側に形成された密閉部48と、密閉部48から上方へ延びる一対の側部49a、49bとを有する。
【0096】
また内装袋5の上端部は密封された折畳み部51からなる。ところで内装袋5の下端部を構成する密閉部48は、内装袋付容器10が加熱されて内装袋5の内圧が高まった際に容易に開封して追加内容物5aを容器20内に排出するよう構成されている。
【0097】
図7A図7Bおよび図8に示す実施の形態において、蓋40となる軟質性フィルム50Aをヒートシールして一対の周縁シール部6、6内に追加内容物5aを収納した後、密閉部48を形成する。その後蓋40を容器20のフランジ部22に接合することにより、内装袋5をもった蓋40を容易かつ簡単に容器20のフランジ部22に設けることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 内容物
5 内装袋
5a 追加内容物
8 開封部
10 蓋体付容器
10A 内装袋付容器
11 フィルム材
13 線状開封部
14 線状開封部
15 線状ヒートシール部
20 容器
21 胴部
22 フランジ部
25 収納部
30 蓋体
31 胴部
32 追加フランジ部
35 接合部
36 嵌合部
40 蓋
48 密閉部
49a、49b 側部
50 巻体
50A 軟質性フィルム
51 折畳み部
55 接合部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8