特許第6977503号(P6977503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977503
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】ワニ口クリップ保持具
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/24 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   H01R11/24
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-223883(P2017-223883)
(22)【出願日】2017年11月21日
(65)【公開番号】特開2019-96434(P2019-96434A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2020年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】杉本 修治
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−026663(JP,A)
【文献】 特開昭51−083986(JP,A)
【文献】 特開2007−020623(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3047424(JP,U)
【文献】 実開昭57−204168(JP,U)
【文献】 特開2011−090882(JP,A)
【文献】 特開2002−164099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R11/22−11/24
H01R31/06
H01R 9/00
H01R 9/15− 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子台に接続されるリード線のワニ口クリップに用いられるワニ口クリップ保持具であって、
前記端子台に取り外し可能に固定される固定部と、
前記固定部に取り付けられていると共に前記端子台の端子ねじを挟んでいる状態のワニ口クリップを保持することが可能である保持部と、
を備え
前記固定部は、
細板状の第1の固定片および第2の固定片と、
前記第1の固定片の幅方向に対して直交する方向に前記第2の固定片が開閉可能に設けられ、かつ、前記第1の固定片の端部に対して前記第2の固定片の端部が閉じる方向に力を与えるばねと、
を備え、
前記第1の固定片の端部と前記第2の固定片の端部とで前記端子台の立壁を挟む、
ことを特徴とするワニ口クリップ保持具。
【請求項2】
前記第1の固定片の端部と前記第2の固定片の端部とには、前記端子台の立壁にT字状を形成するように設けられている板状の平板部を挟むために、溝が設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載のワニ口クリップ保持具。
【請求項3】
前記保持部は、
細板状の第1の保持片および第2の保持片と、
前記第1の保持片の幅方向に対して前記第2の保持片が開閉可能に設けられ、かつ、前記第1の保持片の端部に対して前記第2の保持片の端部が閉じる方向に力を与えるばねと、
を備え、
前記第1の保持片の端部と前記第2の保持片の端部とで、前記端子台の端子ねじを挟んでいるワニ口クリップを保持する、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のワニ口クリップ保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リード線の先端に接続されているワニ口クリップを保持するワニ口クリップ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
ワニ口クリップはリード線の導線の先端に接続されて使用される。例えば、配電盤の試験等で試験回路を構成するため、盤内に設置されている端子台の端子ねじに試験リード線を接続することがある。このとき、リード線のワニ口クリップで端子ねじを挟んでリード線を接続し、試験回路を構成する。しかし、端子ねじは小さいうえに頭部が湾曲しているため、掴みにくく固定しにくい。また、ワニ口クリップが接続されているリード線に例えば作業者の工具等が軽く触れた場合に、リード線に対する引っ張りや振れによる応力で、ワニ口クリップが外れることがあった。
【0003】
ワニ口クリップの外れを防ぐための解決手法としては、次のような取着ユニット(例えば、特許文献1参照。)がある。この取着ユニットは、端子ねじに導通接触させる接触子を先端に持つ計測用端子を備えている。さらに、計測用端子を支持対象に固定するための取着具を備えている。この取着ユニットでは、接触子にはマグネット材が使用されて、磁力により端子ねじに接触子が接触する。
【0004】
また、ワニ口クリップの外れを防ぐために、次のようなリード線接続具(例えば、特許文献2参照。)がある。このリード線接続具は、導電性の筒本体を備えている。筒本体の外周は絶縁性の被覆体で被覆されている。筒本体にはスリットが間隔をあけて二つ形成され、端子ねじの頭部に係止可能な二つの係止爪がスリット間に設けられている。そして、リード線接続具の筒本体は、スリットと係止爪とにより、端子ねじを挟むような構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−219345号公報
【特許文献2】特開2009−170264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の接続用の器具には、以下のような課題が残されている。マグネット材を用いた接触子を端子ねじに接触させる取着ユニットでは、磁力によりリード線を端子ねじに接触させる。このために、端子ねじと接触子との間で接触の不具合が発生する可能性がある。
【0007】
また、スリットと係止爪とにより端子ねじを挟むリード線接続具では、端子ねじに取り付けて、リード線を接続する構造である。これにより、端子ねじ側の接続は確実となっている。しかし、リード線側ではプラグ端子またはクリップにて接続しているため、リード線に応力がかかった場合、その部分が外れる課題は残されている。
【0008】
この発明の目的は、前記の課題を解決し、ワニ口クリップの端子ねじからの外れと、端子ねじの接続を確実にするワニ口クリップ保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、端子台に接続されるリード線のワニ口クリップに用いられるワニ口クリップ保持具であって、前記端子台に取り外し可能に固定される固定部と、前記固定部に取り付けられていると共に前記端子台の端子ねじを挟んでいる状態のワニ口クリップを保持することが可能である保持部と、を備え、前記固定部は、細板状の第1の固定片および第2の固定片と、前記第1の固定片の幅方向に対して直交する方向に前記第2の固定片が開閉可能に設けられ、かつ、前記第1の固定片の端部に対して前記第2の固定片の端部が閉じる方向に力を与えるばねと、を備え、前記第1の固定片の端部と前記第2の固定片の端部とで前記端子台の立壁を挟む、ことを特徴とするワニ口クリップ保持具である。
【0010】
請求項1の発明では、固定部が端子台に固定され、保持部が固定部に取り付けられる。そして、保持部は、端子台の端子ねじを挟んでいる状態のワニ口クリップを保持する。
【0012】
請求項の発明は、請求項に記載のワニ口クリップ保持具において、前記第1の固定片の端部と前記第2の固定片の端部とには、前記端子台の立壁にT字状を形成するように設けられている板状の平板部を挟むために、溝が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項の発明は、請求項1または2に記載のワニ口クリップ保持具において、前記保持部は、細板状の第1の保持片および第2の保持片と、前記第1の保持片の幅方向に対して前記第2の保持片が開閉可能に設けられ、かつ、前記第1の保持片の端部に対して前記第2の保持片の端部が閉じる方向に力を与えるばねと、を備え、前記第1の保持片の端部と前記第2の保持片の端部とで、前記端子台の端子ねじを挟んでいるワニ口クリップを保持する、ことを特徴とする
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、固定部が端子台に固定された状態で、端子ねじを挟んでいるワニ口クリップを保持部が保持すると、この保持部は固定部に取り付けられているので、端子ねじを挟んでいるワニ口クリップは端子台に固定されることになる。これにより、ワニ口クリップの端子ねじからの外れを防ぐ。また、端子ねじを挟んでいるワニ口クリップを保持するので、端子ねじとの接続を確実にすることができる。
【0015】
また、請求項1の発明によれば、固定部では、ばねによって第1の固定片および第2の固定片が閉じられているので、端子台の立壁に固定部を固定することを可能にする。
【0016】
請求項の発明によれば、各固定片の端部には溝が設けられているので、端子台の立壁に設けられている平板部を確実に挟むことを可能にする。
【0017】
請求項の発明によれば、保持部では、ばねによって第1の保持片および第2の保持片が閉じられているので、端子台の端子ねじを挟んでいるワニ口クリップを確実に保持することを可能にする。

【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態1によるワニ口クリップ保持具を示す斜視図である。
図2図1の正面図である。
図3】端子台の正面図である。
図4】端子台の側面図である。
図5】固定部を分解した様子を示す正面図である。
図6】固定部を分解した様子を示す図であり、図6(a)は第1の固定片の右側面図であり、図6(b)は第2の固定片の左側面図である。
図7】挟持部の他例を示す図であり、図7(a)は半円形の挟持部を示す図であり、図7(b)は三角形状の挟持部を示す図である。
図8】保持部を分解した様子を表す正面図である。
図9】保持部に軸を取り付けた様子を示す図である。
図10】ワニ口クリップ保持具の使用法を説明する図である。
図11】この発明の実施の形態2によるワニ口クリップ保持具を示す正面図である。
図12】この発明の実施の形態3によるワニ口クリップ保持具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
【0020】
(実施の形態1)
この実施の形態によるワニ口クリップ保持具を図1図2に示す。なお、図2図1のワニ口クリップ保持具を矢印a方向から見た図である。このワニ口クリップ保持具は固定部1と保持部2とで構成されている。
【0021】
固定部1はリード線を接続するための器具に固定される。この実施の形態では、配電盤内に設置されている端子台に、リード線の導線に接続されているワニ口クリップを保持して固定する場合を例としている。ここで端子台について説明する。端子台としては、例えば図3図4に示す端子台100がある。図4図3の端子台100を長手方向bから見た図である。
【0022】
端子台100は端子台本体110を備えている。端子台本体110には平面部分111が形成され、この平面部分111を長手方向bに2分割するように、隔壁120が立壁として形成されている。隔壁120の先端部分には平板部121が設けられている。平板部121の表面は平面状に形成されている。つまり、隔壁120はT字状に作られている。
【0023】
端子台100の隔壁120には、この隔壁120と直交するように、側壁130が立壁として設けられている。端子台本体110と隔壁120と平板部121と各側壁130とは、絶縁材によって一体的に作られている。さらに、隔壁120と側壁130とで囲まれた端子台本体110の平面部分111、つまり絶縁性の立壁で仕切られた端子台本体110の平面部分111には、端子ねじ140がバネ座金141等を介在して設けられている。図示を省略しているが、端子台本体110を介在して端子ねじ140には配電盤の信号線等が接続されている。そして、先に述べた平板部121には、信号線の名称や端子番号等のプレートを貼り付けることが可能である。
【0024】
こうした構造の端子台本体110に対してワニ口クリップ保持具が使用される。このワニ口クリップ保持具の構造を以下で説明する。
【0025】
ワニ口クリップ保持具の固定部1は、図5図6に示すように、2つの固定片11、12で主に構成されている。図6(a)は一方の固定片11を矢印cから見た図であり、図6(b)は他方の固定片12を矢印dから見た図である。固定片11、12は絶縁材で作られている。固定片11と固定片12とは、端子台100の平板部121を挟むために、への字形をした細長い板状体である。固定片11、12は、への字形の屈曲部分で互いに開閉するように組み合わされている。このために、一方の固定片11の屈曲部分には、接合穴11Aが設けられ、さらに、接合穴11Aの両側壁には貫通孔11Bが開けられている。他方の固定片12の屈曲部には、この屈曲部に切欠き加工をして凸部12Aが形成されている。さらに、凸部12Aには貫通孔12Bが開けられている。この貫通孔12Bは、固定片11の貫通孔11Bに比べて大きく開けられている。固定片11の接合穴11Aに固定片12の凸部12Aをかみ合わせて、接合穴11Aと凸部12Aの隙間にばね13を挿入し、絶縁材で作られた軸14を固定片11、12の貫通孔11B、12Bに差し込む。そして、固定片11の幅と同じ長さの軸14を、固定片11の貫通孔11Bに固定する。
【0026】
これにより、固定片11に対して固定片12が開閉可能に軸14で支持される。しかも、固定片11の一方の端部11Cと固定片12の一方の端部12Cとが開く方向に、ばね13が端部11C、12Cに力を与える。これにより、固定片11の他方の端部11Dと固定片12の他方の端部12Dとが通常は閉じている。そして、固定片11の一方の端部11Cと固定片12の一方の端部12Cとが人手により閉じられたときに、固定片11の他方の端部11Dと固定片12の他方の端部12Dとが開くことになり、端子台100の隔壁120を挟むことが可能になる。
【0027】
固定片11、12の他方の端部11D、12Dには、互いに向かい合うように、切欠き11E、12Eが設けられている。これは、端子台100の平板部121を確実に挟むための溝である。つまり、切欠き11E、12Eにより挟持部が形成されている。この実施の形態では、挟持部の切欠き11E、12Eがコ字状をしているが、この他にも、切欠き11E、12Eは図7(a)に示すような半円形状や、図7(b)に示すような三角形状であってもよい。この他にも各種の形状がある。
【0028】
固定片11の一方の端部11C(図5)には、先端に所定の深さの保持穴11Fが設けられている。保持穴11Fは、保持部2を取り付けるためのものである。
【0029】
保持部2(図1)は端子台100に接続されたワニ口クリップを保持する。このために、保持部2は、図8に示すように、保持片21、22で主に構成され、保持片21、22は絶縁材で作られている。保持片21と保持片22とは、ワニ口クリップを保持するために、湾曲した細長い板状体に窪みを持ち、この窪みの部分で互いに開閉するように組み合わされている。この仕組みは固定部1の固定片11、12と同じである。このために、一方の保持片21の窪み部分には、接合穴21Aが設けられ、さらに、接合穴21Aの両壁には貫通孔21Bが開けられている。他方の保持片22の屈曲部には、この屈曲部に切欠き加工をして凸部22Aが形成されている。さらに、凸部22Aには貫通孔22Bが開けられている。貫通孔22Bは、保持片21の貫通孔21Bに比べて大きく開けられている。一方の保持片21の接合穴21Aに他方の保持片22の凸部22Aをかみ合わせて、接合穴21Aと凸部22Aの隙間にばね23を挿入し、絶縁材で作られ、かつ、保持片21の幅に比べて長く作られている軸24を、保持片21、22の貫通孔21B、22Bに差し込む。そして、軸24を保持片21の貫通孔21Bに固定する。軸24の長さは、保持片21の幅に比べて長く作られているので、図9に示すように、保持片21から軸24が突き出した状態になる。
【0030】
これにより、保持片21に対して保持片22が開閉可能になり、かつ、保持片21の一方の端部21Cと保持片22の一方の端部22Cとが開く方向に、ばね23が端部21C、22Cに力を与える。これにより、保持片21の他方の端部21Dと保持片22の他方の端部22Dとが通常は閉じている。そして、保持片21の一方の端部21Cと保持片22の一方の端部22Cとが人手により閉じられたときに、保持片21の他方の端部21Dと保持片22の他方の端部22Dとが開くことになる。これにより、ワニ口クリップを保持可能な状態になる。
【0031】
こうした保持部2は、固定部1に次のようにして取り付けられている。固定部1に設けられた保持穴11F(図5)に対して、保持片21から突き出している軸24(図9)を差し込んで固定する。このとき、細長い板状の固定部1の幅方向e(図1)に対して、細長い板状の保持部2の長さ方向fが直交するように、かつ、固定部1の幅方向eと保持片21、22の他方の端部21D、22Dの開閉方向gとが同じになるように、固定部1に対して保持部2が取り付けられている。これにより、固定片11、12は端子台100の隔壁120に取り付け可能な状態になると共に、保持片21、22はワニ口クリップを保持可能な状態になる。
【0032】
以上がこの実施の形態によるワニ口クリップ保持具の構成である。次に、このワニ口クリップの使い方について説明する。作業者は、図10に示すように、ワニ口クリップ保持具の固定部1の一方の端部11C、12Cを手で摘む。なお、図10ではワニ口クリップ220を挟んだ状態を示すために、保持部2を斜めに傾けて描いてある。作業者が端部11C、12Cを手で摘むと、他方の端部11D、12Dが開く。この状態で、作業者は、配電盤内に設置されている端子台100の隔壁120の平板部121を挟む。この後、作業者は固定部1の一方の端部11C、12Cから手を離す。これにより、固定部1の挟持部が端子台100の平板部121を挟み、固定部1が端子台100に固定される。
【0033】
次に、作業者は、保持部2の一方の端部21C、22Cを手で摘む。これにより、他方の端部21D、22Dが開く。この状態で、作業者は、保持部2の他方の端部21D、22Dの間にワニ口クリップ220が位置するようにして、ワニ口クリップ220で端子台100の端子ねじ140を挟む。これにより、リード線210が端子ねじ140に電気的に接続される。この後、作業者は、保持部2の一方の端部21C、22Cから手を離すと、他方の端部21D、22Dが閉じて、保持部2はワニ口クリップ220を挟んで保持する。
【0034】
これにより、固定部1は端子台100に固定され、保持部2は固定部1に取り付けられ、さらに、保持部2はワニ口クリップ220を保持しているので、ワニ口クリップ220は、端子ねじ140を挟んだ状態で端子台100に固定されることになる。
【0035】
こうして、この実施の形態によれば、端子ねじ140を挟んだ状態でワニ口クリップ220が端子台100に固定されるので、ワニ口クリップ220の端子ねじ140からの外れを防止し、端子ねじ140との接続を確実にすることを可能にする。また、この実施の形態によれば、試験回路に器具を介して接続することはせずに、端子ねじ140を摘んだワニ口クリップ220を保持して固定するので、ワニ口クリップ220を端子ねじ140に直接に接続すればよく、端子ねじ140を何度も摘み直すこともなくなり、確実にリード線210を接続することができると共に、ワニ口クリップ220の外れ防止をすることができる。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ワニ口クリップ保持具が一対の固定部1と保持部2とで構成されたが、この実施の形態では、次のようにしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。この実施の形態では、図11に示すように、実施の形態1によるワニ口クリップ保持具の保持部2を2つ設けた構成である。
【0037】
このために、この実施の形態では、固定部1の固定片11の一方の端部11Cに板状の連結材15を取り付ける。さらに、保持部2の軸24を取り付けるための取付け穴15Aを、連結材15の両端部分に設ける。そして、各取付け穴15Aに保持部2の軸24を取り付けることにより、この実施の形態によるワニ口クリップ保持具が形成される。
【0038】
この実施の形態によれば、固定部1を端子台100に一度設置すれば、2つのワニ口クリップを保持することを可能にする。
【0039】
なお、この実施の形態では、固定部1に対して2つの保持部2を設置したが、保持部2の設置数はこれに限定されることはない。
【0040】
(実施の形態3)
この実施の形態では、実施の形態1によるワニ口クリップ保持具を次のようにしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。この実施の形態では、図12に示すように、保持部2は次のようにして固定部1に取り付けられている。
【0041】
固定部1に設けられた保持穴11Fに対して、保持片21から突き出している軸24(図9)を差し込んで固定する。このとき、固定部1の幅方向e(図1)に対して、保持部2の保持片21、22の長さ方向fが同じになるように、かつ、固定部1の幅方向eが保持片21、22の他方の端部21D、22Dの開閉方向gと直交するように、固定部1に対して保持部2が取り付けられている。これにより、固定片11、12は端子台100の側壁130に取り付け可能な状態になると共に、保持片21、22はワニ口クリップを保持可能な状態になる。
【0042】
この実施の形態によれば、端子台100の側壁130に固定部1を取り付けて、ワニ口クリップ220を保持部2で保持することを可能にする。
【0043】
なお、この実施の形態において、保持部2を固定部1に対して直角方向に回る構造としてもよい。これにより、1つのワニ口クリップ保持具により、端子台100の隔壁120または側壁130にワニ口クリップを固定することを可能にする。
【符号の説明】
【0044】
1 固定部
11、12 固定片
11A 接合穴
11B 貫通孔
12A 凸部
12B 貫通孔
13 ばね
14 軸
2 保持部
21、22 保持片
100 端子台
110 端子台本体
120 隔壁
121 平板部
130 側壁
140 端子ねじ
210 リード線
220 ワニ口クリップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12