特許第6977918号(P6977918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977918
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装着具
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20211125BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20211125BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   G09F9/00 312
   H04N5/64 511A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-74261(P2017-74261)
(22)【出願日】2017年4月4日
(65)【公開番号】特開2018-180037(P2018-180037A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:平成29年2月7日、公開を行った場所:株式会社WHITE(東京都港区赤坂2−14−27 国際新赤坂ビル東館15階)
(73)【特許権者】
【識別番号】517118526
【氏名又は名称】竹之内 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】竹之内 博史
【審査官】 山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0011425(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0195728(US,A1)
【文献】 特開平06−110016(JP,A)
【文献】 特開2016−224908(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0025990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01,27/02
G09F 9/00
H04N 5/64
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
MEDLINE(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像表示装置を装着することによって、ヘッドマウントディスプレイとして使用可能なディスプレイ装着具であって、
後方面、上方面及び下方面に設けられる展開収縮構造によって、両側面を結ぶ横方向に収縮され長さが短くなったり、該横方向に展開され長さが長くなったりすると共に、前記後方面にはレンズを設置するための孔が該後方面の長手方向の1/2から振り分け位置に設置され、前記前方面に、該前方面に装着した前記画像表示装置に表示される画像をユーザーが後方から前記レンズを介して視認できるようにするための開口部を備える胴体部を有し、
前記胴体部が収縮されたとき、前記レンズの表裏面が前記横方向に垂直となるように、かつ、前記胴体部が展開されたとき、前記レンズが前記孔の位置まで可動な状態となるように、前記レンズが前記胴体部内に収納されることを特徴とするディスプレイ装着具。
【請求項2】
前記展開収縮構造が、同形の三角形を向きが互い違いになるように配置し、隣り合う前記三角形どうしの境界が折り目となり、該折り目に従って折り込んだり、該折り目を伸ばしたりすることによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装着具。
【請求項3】
前記胴体部の両側面、かつ、前記前方面の端部に配置され、前記画像表示装置を当該ディスプレイ装着具に固定するための固定部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ装着具。
【請求項4】
前記胴体部の両側面上方から後方のユーザー側に延び、先端に、該ユーザーの頭部に装着されるバンドに係止させるための鉤状部位を備え、前記孔に設置した前記レンズを前記ユーザーの目の付近に定常的に配置させるためのベルト部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のディスプレイ装着具。
【請求項5】
前記胴体部の前記前方面に前記画像表示装置を装着した場合、前記胴体部の内部が閉空間となることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のディスプレイ装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スマートホンなどの画像表示装置を装着することによって、ヘッドマウントディスプレイとして機能するディスプレイ装着具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブルコンピューター(Wearable Computer)とは、その名の通り、身に着けて持ち歩くことができるコンピューターのことであり、腕時計型のものや眼鏡型のものなどがある。
【0003】
ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、以下、単に「HMD」という。)もウェアラブルコンピューターの一種であり、頭部に装着するディスプレイ装置のことである。HMDは、娯楽的・趣味的な用途からスポーツ分野や医療分野にまで幅広く利用されており、その研究開発も盛んに行われている。
【0004】
例えば、特許文献1では、「いろいろな大きさの画面の画像表示装置を簡単に取り付け取り外しができ、取り付け後に画像表示装置を直接操作できる透過型ヘッドマウントディスプレイ」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−081021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような従来のディスプレイ装着具には、未使用時(収納時)に、装着具そのものの大きさが大きく、収納場所が嵩み、邪魔になるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、スマートホンなどの画像表示装置を装着することによってHMDとして機能し、未使用時のコンパクト化を図り、収納が嵩まず、邪魔になり難いディスプレイ装着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示するディスプレイ装着具の一形態は、画像表示装置を装着することによって、ヘッドマウントディスプレイとして使用可能なディスプレイ装着具であって、後方面、上方面及び下方面に設けられる展開収縮構造によって、両側面を結ぶ横方向に収縮され長さが短くなったり、該横方向に展開され長さが長くなったりすると共に、前記後方面にはレンズを設置するための孔が該後方面の長手方向の1/2から振り分け位置に設置され、前記前方面に、該前方面に装着した前記画像表示装置に表示される画像をユーザーが後方から前記レンズを介して視認できるようにするための開口部を備える胴体部を有し、前記胴体部が収縮されたとき、前記レンズの表裏面が前記横方向に垂直となるように、かつ、前記胴体部が展開されたとき、前記レンズが前記孔の位置まで可動な状態となるように、前記レンズが前記胴体部内に収納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示するディスプレイ装着具は、スマートホンなどの画像表示装置を装着することによってHMDとして機能し、未使用時のコンパクト化を図り、収納が嵩まず、邪魔になり難い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係るディスプレイ装着具(展開時)の前方斜視図である。
図2】本実施の形態に係るディスプレイ装着具(展開時)の後方図である。
図3】本実施の形態に係るディスプレイ装着具(収縮時)の斜視図である。
図4】本実施の形態に係る胴体部に係る展開図である。
図5】本実施の形態に係る胴体部内部の間仕切り部材に係る展開図である。
図6】本実施の形態に係るレンズ保持部に係る展開図である。
図7】本実施の形態に係るレンズ保持部に係る展開図である。
図8】本実施の形態に係るレンズ保持部に係る展開図である。
図9】本実施の形態に係るレンズ保持部に係る展開図である。
図10】本実施の形態に係る胴体部側面、固定部及びベルト部に係る展開図である。
図11】本実施の形態に係る胴体部側面、固定部及びベルト部に係る展開図である。
図12】本実施の形態に係るディスプレイ装着具の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係るディスプレイ装着具の構造)
【0012】
図1乃至11を使用して、本実施の形態に係るディスプレイ装着具(以下、単に「装着具」という。)1の構造について説明する。装着具1は、スマートホン36などの画像表示装置34と組み合わせて使用することによって、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)38として機能させることができる器具である。
【0013】
図1及び2は、装着具1を展開(拡張)させたときの状態を表す図であり、図3は装着具1を収縮させたときの状態を表す図である。図1乃至3で示すように、装着具1は、胴体部2、固定部24、ベルト部26、レンズ保持部30を有する。
【0014】
胴体部2は、前方面4、後方面6、上方面8、下方面10、側面12を有し、装着具1を装着したユーザー46側から見て奥側に配置される面を前方面4、手前側にある面を後方面6、上側に配置される面を上方面8、下側に配置される面を下方面10、左右両側に配置される面を側面12、とそれぞれ定義する。
【0015】
胴体部2は、後方面6、上方面8及び下方面10に設けられる展開収縮構造40によって、両側面12を結ぶ横方向(展開・収縮方向)42に収縮され長さが短くなったり、横方向42に展開され長さが長くなったりする。展開収縮構造40とは、所謂蛇腹状の構造であり、山折りと谷折りとを繰り返して構成される構造である。
【0016】
図4は、胴体部2の展開図であるが、図4で示すように、展開収縮構造40は、同形の三角形20を向きが互い違いになるように配置すると共に、三角形20どうしの境界線が折り目となり、当該折り目について山折り・谷折りを繰り返して構成される形態としても良い。なお、展開収縮構造40は、上記のように横方向42に収縮・拡張される機能を発揮するのであれば、その構成は限定されない。
【0017】
胴体部2の後方面6は、レンズ32を設置するための2つの孔18を有し、2つの孔18は、後方面6の長手方向(横方向42)の1/2から振り分け位置に配置される。レンズ32は、画像表示装置34に表示される画像について、ゆがみを補正してユーザー46が視認できるようにするためのものであり、外径、焦点距離等の仕様は、胴体部2の大きさ、画像のゆがみの度合い等に応じて適宜適切なものを選択する。
【0018】
胴体部2の前方面4は、前方面4に装着した画像表示装置34に表示される画像をユーザー46が後方からレンズ32を介して視認できるようにするための開口部14を備え、開口部14は、前方面4と略同じ大きさである。
【0019】
画像表示装置34は、前方面4の開口部14に合わせて装着させるが、画像表示装置34を装着したとき、胴体部2の内部16は、六方が閉ざされた空間となる。そのため、ユーザー46がレンズ32付近に目を近付け、画像表示装置34に表示される画像をレンズ32を介して見るとき、胴体部2の内部16には外部からの光が入り難い状態となり、ユーザー46はより鮮明に画像を見ることができる。
【0020】
図5は、胴体部2内に設置される間仕切り部材の展開図であり、間仕切り部材は、胴体部2において横方向42の中央に配置され、胴体部2内を2つの空間に間仕切るためのものある。間仕切り部材は、1つのレンズ32に1つの胴体部2内閉空間を割り当てる役割を果たし、それによって、右目用の画像をユーザー46の右目でのみ視認できるようになり、左目用の画像をユーザー46の左目でのみ視認できるようになる。
【0021】
図6乃至9は、レンズ保持部30を構成する部品の展開図であり、図6乃至9で示すように、レンズ保持部30は、胴体部2内において、レンズ32を保持するための部材である。レンズ32は、レンズ保持部30によって、胴体部2が収縮されたとき、表裏面が横方向42に垂直となる(レンズ32の厚み方向が横方向42と略同じになる)ように、かつ、胴体部2が展開されたとき、レンズ32が孔18の位置まで可動な状態となるように、胴体部2内に収納される。一般的にレンズ32の厚さはその外径よりも小さいため、装着具1は、レンズ32の外径に拘束されることなく、収縮時の展開・収縮方向42の厚さを薄くすることができる。
【0022】
図3で示すように、装着具1は、上記特徴を備える胴体部2を有するため、収縮時に、展開・収縮方向42の厚さを薄くすることができ、よって、未使用時のコンパクト化が図られ、収納が嵩まず、邪魔になり難い。
【0023】
図10及び11は、胴体部2の側面12、固定部24、ベルト部26の展開図である。図1、2、10及び11で示すように、固定部24は、胴体部2の両側面12、かつ、前方面4の端部に配置される部位であって、画像表示装置34を装着具1に(胴体部2の前方面4の位置に)固定するためのものである。固定部24は、画像表示装置34と接する部分に、両面テープ、面ファスナー等の画像表示装置34を固定するための機構を備えている。
【0024】
なお、面ファスナーが採用される場合、画像表示装置34に面ファスナーの雄部を設置し、固定部24に面ファスナーの雌部を設置することが必要となる。装着具1は、装着部1をHMD38として機能させるとき、固定具24を備えることによって、画像表示装置34から手を放して使用することが可能となる。
ただし、ユーザー46は、画像表示装置34が固定部24から外れ、落下するリスクが有ることに留意する必要がある。
【0025】
図1、2、10及び11で示すように、ベルト部26は、胴体部2の孔18に設置したレンズ32をユーザー46の目の付近に定常的に配置させるための部位であり、胴体部2の各側面12上方から後方のユーザー46側に延びる部材である。ベルト部26は、先端に、ユーザー46の頭部に装着されるバンド44に係止させるための鉤状部位28を備える。装着具1は、バンド44に鉤状部位28を係止させることによって、手を使わずとも、ユーザー46に対する装着具1の位置を安定させることができる。また、バンド44にベルト部26を係止させる態様を採用することによって、装着具1の使用時に、ユーザー46の顔に胴体部2の端部が当たることによって生じる痛みを和らげることができる。
なお、図4乃至11で示す展開図において、ハッチング処理が施された部分は各部品を貼り合わせるための“のり代”を表している。
【0026】
上記のような構成を備えることによって、装着具1は、スマートホン36などの画像表示装置34を装着することによってHMD38として機能し、未使用時のコンパクト化が図られ、収納が嵩まず、邪魔になり難い。装着具1は、収縮時、胴体部内部16に収納されるレンズ32の向きを展開・収縮方向42に厚さが出ないように配置することによって、コンパクト化を図っている。
【0027】
また、装着具1は、画像表示装置34を装着しHMD38として使用するとき、胴体部2内に外部の光が入り難い構成となっているため、画像表示装置34が表示する画像をより良い状態で見ることができる。
【0028】
さらに、装着具1は、ベルト部26(鉤状部位28)によって装着具1をバンド44に係止めさせるとき、ユーザー46の手を自由な状態にすると共に、係止位置を適宜調整することによって、装着具1の端部がユーザー46の顔に当たって生じる痛みを和らげることができる。
(本実施の形態に係るディスプレイ装着具の使用方法)
図1乃至3、12を用いて、装着具1の使用方法について説明する。図12は、装着具1の使用状態を示す図である。
【0029】
図1乃至3で示すように、未使用時の装着具1は、展開・収縮方向42に収縮され、コンパクト化が図れらているので、ユーザー46は、装着具1を使用する際、展開・収縮方向42に展開する。
【0030】
次に、ユーザー46は、胴体部2内に収納されているレンズ32を後方面6の孔18の位置まで移動させ、孔18にレンズ32を設置する。レンズ32は、左目用・右目用があるので、ユーザー46は、これらのレンズ32を左右の孔18にそれぞれ設置する。
【0031】
図12で示すように、次に、ユーザー46は、展開した装着具1において、胴体部2の前方面4に画像表示装置34を装着する。このとき、画像表示装置34は、ユーザー46の手によって装着具1に固定される形態であっても良く、胴体部2の前方面4両端に配置される固定部24によって装着具1に固定される形態であっても良い。
【0032】
上記手順の後、ユーザー46は、胴体部2の孔18に設置されるレンズ32を介して、画像表示装置34に表示される画像を閲覧することによって、画像表示装置34に表示される画像を楽しむことができる。つまり、ユーザー46は、画像表示装置34を装着した装着具1をHMD38として機能させることができる。
【0033】
このとき、ユーザー46は、画像表示装置34を装着した装着具1を手を使って面前に固定する形態であっても良く、自らの頭部に着けたバンド44にベルト部26の鉤状部位28を係止させることによって面前に固定する形態であっても良い。ベルト部26を使用する場合、2つの鉤状部位28(係止部位)間の距離を調整することによって、ユーザー46は、装着具1との当接部位において痛みが出ないように、装着具1と自分との距離を適切に調整することができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 ディスプレイ装着具
2 胴体部
4 胴体部の前方面
6 胴体部の後方面
8 胴体部の上方面
10 胴体部の下方面
12 胴体部の側面
14 胴体部の開口部
16 胴体部の内部
18 胴体部の孔
20 三角形
22 三角形どうしの境界
24 固定部
26 ベルト部
28 鉤状部位
30 レンズ保持部
32 レンズ
34 画像表示装置
36 スマートホン
38 ヘッドマウントディスプレイ
40 展開収縮構造
42 展開・収縮方向
44 バンド
46 ユーザー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12