特許第6977983号(P6977983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6977983コンクリートの製造方法およびコンクリート疲労強度の評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6977983
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】コンクリートの製造方法およびコンクリート疲労強度の評価方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20211125BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20211125BHJP
   E01C 7/14 20060101ALI20211125BHJP
   E01D 19/12 20060101ALI20211125BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   C04B28/02
   C04B18/14 A
   E01C7/14
   E01D19/12
   G01N33/38
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-146(P2017-146)
(22)【出願日】2017年1月4日
(65)【公開番号】特開2018-108906(P2018-108906A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2019年11月13日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術/構造物の補修・補強・更新に関する個別材料技術の研究開発/超耐久性コンクリートを用いたプレキャスト部材の製品化のための研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000211237
【氏名又は名称】ランデス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綾野 克紀
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆史
(72)【発明者】
【氏名】二井谷 教治
(72)【発明者】
【氏名】俵 道和
(72)【発明者】
【氏名】杉田 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】細谷 多慶
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−216284(JP,A)
【文献】 特開2012−197212(JP,A)
【文献】 特開2011−006305(JP,A)
【文献】 特開2014−034510(JP,A)
【文献】 松井繁之,[2108]移動荷重を受ける道路橋RC床版の疲労強度と水の影響について,コンクリート工学年次論文報告集,1987年,9-2,p.627−632
【文献】 松下博通,水中におけるコンクリートの圧縮疲労強度に関する研究,土木学会論文報告集,第296号,1980年04月,p.87-95
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B2/00−32/02, C04B40/00−40/06, C04B103/00−111/94
E01D 19/12
E01C 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中疲労耐久性に優れるコンクリートを製造する方法であって、
高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてコンクリート供試体を作製するステップと
作製した前記コンクリート供試体を水中に浸漬し、水中に浸漬した前記コンクリート供試体に対して、下限荷重が前記コンクリート供試体の静的強度の2.5%、上限荷重が前記コンクリート供試体の静的強度の25%である繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験を行い、前記コンクリート供試体が破壊するまでの繰り返し回数を計測するステップと、
計測した繰り返し回数が2000万回以上の水中疲労強度となる場合の前記コンクリート供試体に対応する前記コンクリート用組成物における高炉スラグ細骨材と、粗骨材と、セメントと、水の配合を求めるステップと、
求めた配合に基づいて組成した前記コンクリート用組成物を硬化させることにより、前記水中疲労試験においてコンクリートが破壊するまでの前記繰り返し回数が2000万回以上の水中疲労強度を有するコンクリートを製造するステップを有することを特徴とするコンクリートの製造方法
【請求項2】
前記結合材に対する水の質量比が0.25〜0.50であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの製造方法
【請求項3】
前記細骨材に対する高炉スラグ細骨材の質量比が0.60以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリートの製造方法
【請求項4】
前記水中疲労試験は、前記コンクリート供試体にJIS A 1148に記載のA法に基づく凍結融解試験によって所定サイクル以上の凍結融解を作用させた後、前記コンクリート供試体を水中に浸漬して繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンクリートの製造方法
【請求項5】
前記凍結融解試験において前記コンクリート供試体を浸漬させる溶液が塩水であることを特徴とする請求項4に記載のコンクリートの製造方法
【請求項6】
前記コンクリート用組成物は、空気連行剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンクリートの製造方法
【請求項7】
前記コンクリート用組成物は、消泡剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のコンクリートの製造方法
【請求項8】
前記コンクリート用組成物は、増粘剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のコンクリートの製造方法
【請求項9】
高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートの疲労強度を評価する方法であって、
水中に浸漬した前記コンクリート供試体に、下限荷重が前記コンクリート供試体の静的強度の2.5%、上限荷重が前記コンクリート供試体の静的強度の25%である繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験を行うことで、前記コンクリート供試体が破壊するまでの繰り返し回数を調べ、繰り返し回数に基づいて水中疲労耐久性を評価することを特徴とするコンクリート疲労強度の評価方法。
【請求項10】
前記水中疲労試験は、前記コンクリート供試体にJIS A 1148に記載のA法に基づく凍結融解試験によって所定サイクル以上の凍結融解を作用させた後、前記コンクリート供試体を水中に浸漬して繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験であることを特徴とする請求項に記載のコンクリート疲労強度の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートおよびその製造方法に関し、特に水中疲労耐久性に優れたコンクリートおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高度経済成長期に数多く建設された道路橋の劣化問題が顕在化している。特に問題となっているのは、旧道路橋示方書で設計された鋼桁の鉄筋コンクリート(RC)床版の劣化である。劣化の要因としては、設計荷重の増加、交通量の増加、薄い版厚の他に、塩害、中性化、アルカリ骨材反応、疲労、凍結融解、土砂化などの劣化作用がある。劣化した床版は更新工事によって主にプレキャストのプレストレスコンクリート(PC)床版に順次取り換えられる。PCはRCに比べてひび割れを許さない、水セメント比が小さく耐久性が高い、工場生産のため供用中の橋梁の工事による交通規制期間を最小限にできるといったメリットがある。
【0003】
一方、従来の高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートとして、例えば、特許文献1〜5に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−150862号公報
【特許文献2】特開2015−074603号公報
【特許文献3】特開2014−159354号公報
【特許文献4】特開2013−227185号公報
【特許文献5】特開2010−001208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、床版の土砂化などの劣化作用は、水が関与すると劇的に加速する。コンクリートの水中における疲労強度は、大気中で乾燥した状態にあるものと比べて著しく低下するからである。これについて水の影響を考慮した輪荷重走行疲労試験・解析を用いて説明する。この試験・解析は、RC床版の上面に吸水したマットを敷設した湿潤状態、RC床版の上面に水を張った湛水状態、RC床版の上面に何もない乾燥状態の各条件下で、RC床版に繰り返し輪荷重をかけた場合の疲労耐久性を調べたものである。図12に試験の様子を、図13に試験・解析結果を示す。
【0006】
図13に示すように、床版中央のたわみが12mmに達した時点で破壊するとした場合、破壊までの載荷回数は湿潤状態で約6万回、乾燥状態で約34万回、湛水状態で約1万回となる。このように、同じ強度の床版であっても湿潤状態、湛水状態ではそれぞれ乾燥状態の約1/5、約1/25という非常に少ない載荷回数で破壊することから、床版の疲労耐久性は水の影響を強く受けることがわかる。
【0007】
こうした水の影響と繰り返し荷重を受ける床版には、水中疲労に強いコンクリートを使用することが望ましいと考えられる。そこで、本発明者がコンクリートの水中疲労に関して鋭意研究したところ、高炉スラグ細骨材を用いることで、水中疲労に対する耐久性が向上することが判明した。本発明者は以上のような知見に基づき、以下の本発明に至った。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水中疲労耐久性に優れたコンクリートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリートは、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートであって、水中に浸漬した前記コンクリートの供試体に、下限荷重が前記供試体の静的強度の2.5%、上限荷重が静的強度の25%である繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験において、前記供試体が破壊するまでの繰り返し回数が2000万回以上の水中疲労耐久性を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記結合材が普通セメントのみからなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記結合材に対する水の質量比が0.25〜0.50であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記細骨材に対する高炉スラグ細骨材の質量比が0.60以上であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、砕砂のみからなる細骨材と、前記粗骨材と、早強セメントのみからなる結合材と、水と、空気連行剤のみを含有し、この結合材に対する水の質量比が前記コンクリートと同じである比較コンクリート用組成物を硬化させてなる比較コンクリートよりも、前記水中疲労試験における破壊するまでの繰り返し回数が大きく水中疲労耐久性に優れることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記水中疲労試験は、前記コンクリートの供試体にJIS A 1148に記載のA法に基づく凍結融解試験によって所定サイクル以上の凍結融解を作用させた後、この供試体を水中に浸漬して繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記凍結融解試験において前記供試体を浸漬させる溶液が塩水であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記コンクリート用組成物は、空気連行剤をさらに含有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記コンクリート用組成物は、消泡剤をさらに含有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、前記コンクリート用組成物は、増粘剤をさらに含有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、道路の床版として使用されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る他のコンクリートは、上述した発明において、プレキャスト床版として使用されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るコンクリートの製造方法は、上述したコンクリートを製造する方法であって、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを混練してコンクリート用組成物を作製し、作製したコンクリート用組成物を硬化させることによって水中疲労耐久性を有するコンクリートを製造することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る他のコンクリートの製造方法は、上述した発明において、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水と、消泡剤および空気連行剤とを混練して前記コンクリート用組成物を作製することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るコンクリートによれば、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートであって、水中に浸漬した前記コンクリートの供試体に、下限荷重が前記供試体の静的強度の2.5%、上限荷重が静的強度の25%である繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験において、前記供試体が破壊するまでの繰り返し回数が2000万回以上の水中疲労耐久性を有するので、水中疲労耐久性に優れたコンクリートを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1(1)、(2)は、水中疲労試験の様子を示す供試体の写真図である。
図2図2は、水中疲労試験に用いたコンクリート供試体の配合を示す図である。
図3図3は、凍結融解サイクル数と凍結融解0サイクル時点に対する割合の関係を示す図である。
図4図4は、早強セメントを用いた場合の比較図であり、(1)は凍結融解サイクル数と破壊までの繰り返し荷重の回数の関係を示す図、(2)は圧縮強度と材齢の関係を示す図である。
図5図5は、図4(1)のプロットに対して別の近似線を当てはめた場合の図である。
図6図6は、凍結融解サイクル数と破壊までの繰り返し荷重の回数の関係を示す図である。
図7図7は、凍結融解サイクル数と相対動弾性係数の関係を示す図である。
図8図8は、凍結融解サイクル数と圧縮強度の関係を示す図である。
図9図9は、50%破壊確率を示す図であり、(1)は砕砂+早強セメント(AE)の供試体(凍結融解300サイクル後)、(2)は高炉スラグ細骨材+普通セメント(Non−AE)の供試体(凍結融解550サイクル後)である。
図10図10は、50%破壊確率を示す図であり、(1)は高炉スラグ細骨材+早強セメント(Non−AE)の供試体(凍結融解300サイクル後)、(2)は砕砂+早強セメント(AE)の供試体(凍結融解300サイクル後)である。
図11図11は、50%破壊確率を示す図(高炉スラグ細骨材+高炉セメントB種(Non−AE)の供試体(凍結融解1200サイクル後))である。
図12図12は、輪荷重走行疲労試験の様子を示す写真図である。
図13図13は、輪荷重走行疲労試験・解析により得られた床版の疲労耐久性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係るコンクリートおよびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0026】
本発明に係るコンクリートは、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートであって、水中に浸漬した前記コンクリートの供試体に、所定の繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験において、前記供試体が破壊するまでの繰り返し回数が所定回数以上の水中疲労耐久性を有するものである。
【0027】
高炉スラグ細骨材は、高炉で銑鉄を製造する際に副生される高炉スラグを粒度調整した細骨材であり、その主成分はCaO、SiO、Al、MgOである。この高炉スラグ細骨材は、非晶質な高炉スラグ細骨材を用いることが好ましい。非晶質な高炉スラグ細骨材としては、例えば、高炉スラグを水で急冷した高炉水砕スラグを軽破砕し、固結防止剤を添加したものを用いることができる。高炉水砕スラグの製造において急冷される直前の溶融高炉スラグの温度は1400℃〜1500℃であり、急冷することにより結晶への原子配列が行われないまま固結してガラス質(非結晶)となる。高炉スラグ細骨材の品質は、JIS A 5011−1に規定されている。
【0028】
細骨材(S)に対する高炉スラグ細骨材(BFS)の質量比(BFS/S)は0.6〜1.0とするのが好ましい。つまり細骨材(S)100質量部に対して、高炉スラグ細骨材(BFS)が60〜100質量部であることが好ましい。なお、細骨材としては、高炉スラグ細骨材に加えて例えば砂岩砕砂などの一般的な細骨材を用いることができる。
【0029】
粗骨材としては、例えば砂岩砕石などの一般的な粗骨材を用いることができる。粗骨材の使用量としては、結合材(B)に対する粗骨材(G)の質量比(G/B)が1.0〜5.0とするのが好ましい。つまり結合材(B)100質量部に対して、粗骨材(G)が100〜500質量部であることが好ましい。
【0030】
結合材のセメントとしては、例えば、普通セメント、早強セメント、超早強セメント、中庸熱セメント、低熱セメント、高炉セメントA種、B種、C種などのセメントを用いることができる。この中でも特に普通セメントが好ましい。また、結合材(B)に対するセメント(C)の質量比(C/B)は1.0とするのが好ましい。つまり結合材(B)100質量部に対して、セメント(C)が100質量部であることが好ましい。
【0031】
水の使用量としては、結合材(B)に対する水(W)の質量比(W/B)が0.25〜0.50であること、つまり結合材(B)100質量部に対して、水(W)が25〜50質量部であることが好ましい。
【0032】
また、本発明のコンクリートは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、さらにその他の成分を含有しても構わない。例えば、AE剤などの空気連行剤、消泡剤、増粘剤などを含有してもよい。
【0033】
本発明のコンクリートは、所定の水中疲労試験において、破壊するまでの繰り返し回数が所定回数以上(例えば2000万回以上)の水中疲労耐久性を有するものである。この水中疲労試験は、水中に浸漬したコンクリートの供試体に、所定の繰り返し荷重を載荷する試験である。載荷する繰り返し荷重の上下限は、例えば供試体の静的強度に対する比率を用いて定義することができる。例えば繰り返し荷重の下限荷重を供試体の気中の静的圧縮強度の2.5%、上限荷重を気中の静的圧縮強度の25%に定義してもよいし、この他の比率を採用しても構わない。
【0034】
また、凍結融解作用を加えた後のコンクリートの供試体に対して、上記の水中疲労試験を適用してもよい。例えば、コンクリートの供試体に対してJIS A 1148:2010に記載のA法に基づく凍結融解試験によって所定サイクル以上(例えば300サイクル以上)の凍結融解を作用させた後、この供試体を水中に浸漬して上記の繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験を適用してもよい。さらに、この凍結融解試験の供試体を浸漬させる溶液として塩水(例えば、質量パーセント濃度で10%の塩化ナトリウム水溶液)を用いてもよい。一般的には、塩水を用いて凍結融解試験を行った方が、真水で行うよりも過酷な条件下での試験となる。
【0035】
上記のコンクリートを製造する場合には、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを混練してコンクリート用組成物を作製し、作製したコンクリート用組成物を養生し、硬化させることによって製造すればよい。コンクリート用組成物を作製する場合には、例えば、細骨材と、粗骨材と、結合材と、水と、消泡剤およびAE剤などの空気連行剤を添加して混練することによって、エントラップトエアを除去するとともにエントレインドエアを入れ、凍結融解抵抗性をより高めたコンクリート用組成物を作製してもよい。
【0036】
このようにして得られる本発明のコンクリートは、水中疲労耐久性に優れている。このため、本発明のコンクリートは、高い水中疲労耐久性が要求される道路や橋梁のコンクリート構造物、寒冷地や塩害環境下のコンクリート構造物の材料として有効である。特に、土砂化などの疲労劣化が水の影響を受けて劇的に加速しやすい道路や橋梁の床版の材料として好適である。この場合、RC床版、PC床版の材料として用いてもよいし、工場生産されるプレキャスト床版の材料として使用してもよい。
【0037】
また、塩水を用いた凍結融解試験により凍結融解作用を加えた後の水中疲労試験において、破壊するまでの繰り返し回数が所定回数以上の水中疲労耐久性を有するコンクリートであれば、凍害と塩害に対する抵抗性にも優れている。このようなコンクリートは、耐塩害性が要求される建造物等の施工や、冬季に融雪剤が散布される山間部の高速道路といった凍害と塩害が複合して生じ得る場所に対して特に有効である。また、こうした用途以外にも例えば、寒冷地における海岸構造物、海洋構造物、水路構造物、道路構造物、擁壁構造物の耐凍害性と耐塩害性が要求される現場で好適に用いられる。
【0038】
<本発明の作用効果の検証>
次に、本発明の作用効果について、図1図11を参照しながら説明する。上述したように本発明者がコンクリートの水中疲労に関して調べたところ、高炉スラグ細骨材を用いることで、水中疲労耐久性が向上することが明らかとなった。以下に、この知見を得るに至った試験について説明する。
【0039】
(コンクリートの水中疲労試験)
コンクリートの水中疲労試験は、図1に示すように、水中に浸漬した標準サイズの円柱コンクリート供試体に所定の繰り返し荷重を作用させ、供試体が破壊するまでの繰り返し荷重の回数などを調べるものである。供試体には、あらかじめ所定サイクルの凍結融解を作用させたものを用いている。凍結融解は、JIS A 1148:2010に記載のA法の凍結融解試験に基づいて作用させるものとし、供試体を浸漬する凍結融解試験液としては塩水(質量パーセント濃度で10%の塩化ナトリウム水溶液)を用いた。一般的には、塩水を用いて凍結融解試験を行った方が、真水で行うよりも過酷な条件下での試験となる。また、水中疲労試験における繰り返し荷重の下限荷重は供試体の気中の静的圧縮強度の2.5%とし、上限荷重は気中の静的圧縮強度の25%とした。なお、供試体は、基本的にコンクリートの打込みから24時間は型枠内で養生を行い、脱型後から試験開始まで水中で養生したものを使用している。
【0040】
(使用材料および配合)
本試験で用いたコンクリートの供試体の使用材料および配合を図2に示す。
セメントは、早強ポルトランドセメント(密度:3.13g/cm)、普通ポルトランドセメント(密度:3.15g/cm)、高炉セメントB種(密度:3.04g/cm)を用いた。細骨材は、硬質砂岩砕砂(表乾密度:2.64g/cm)、高炉スラグ細骨材(表乾密度:2.77g/cm)を用いた。粗骨材は、硬質砂岩砕石(最大寸法:20mm、表乾密度:2.75g/cm)を用いた。
【0041】
コンクリートの水結合材比(W/B)は35%で、単位水量(W)は155kg/mである。結合材量(B)、細骨材率(s/a)、細骨材量(S)(硬質砂岩砕砂(CSS)、高炉スラグ細骨材(BFS))、粗骨材量(G)、空気量(Air)、混和剤量は図2に示すとおりである。混和剤には、AE剤、ポリカルボン酸系高性能減水剤、消泡剤および増粘剤を用いた。
【0042】
図2において、配合番号1は早強セメント(HPC)と砕砂を100%使用したAEコンクリート、配合番号2は普通セメント(OPC)と砕砂を100%使用したAEコンクリート、配合番号3は高炉セメントB種(BB)と砕砂を100%使用したAEコンクリート、配合番号4は早強セメント(HPC)と高炉スラグ細骨材を100%使用したNon−AEコンクリート、配合番号5は普通セメント(OPC)と高炉スラグ細骨材を100%使用したAEコンクリート、配合番号6は普通セメント(OPC)と高炉スラグ細骨材を100%使用したNon−AEコンクリート、配合番号7は高炉セメントB種(BB)と高炉スラグ細骨材を100%使用したNon−AEコンクリートである。目標空気量は配合番号1〜3、5で空気量4.5%、配合番号4、6、7で空気量2.0%である。なお、以下の説明において、AEコンクリートはAE剤を用いたコンクリート、Non−AEコンクリートはAE剤を用いないコンクリートを意味する。
【0043】
(試験結果および考察)
図3は、早強セメントと砕砂を用いたAEコンクリート(配合番号1)について、凍結融解サイクル数と凍結融解0サイクル時点に対する割合の関係を示したものである。この図に示すように、凍結融解作用を受けても、コンクリートの圧縮強度(静的強度)と、耐凍害性の指標の一つである相対動弾性係数はそれほど低下しない。しかし、破壊までの繰り返し荷重の回数、つまり水中疲労強度は、凍結融解の影響を受けて静的強度以上に大きく低下することがわかる。なお、図において純粋な水中疲労特性(凍結融解を作用させないときの水中疲労)を知りたい場合には、凍結融解のサイクル数が0回のときの値を見ればよい。サイクル数が0回は、水中疲労試験の前に凍結融解を作用させていないことを意味している。
【0044】
図4は、早強セメントを用いた場合の細骨材の違いを比較したものであり、(1)は凍結融解のサイクル数と破壊までの繰り返し荷重の回数の関係、(2)は圧縮強度と材齢の関係を示している。図5は、図4(1)のプロットに対して別の近似線を当てはめた場合である。図中、「高炉スラグ細骨材」と表記されているプロットは、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号4)、「砕砂」と表記されているプロットは、砕砂を用いたAEコンクリート(配合番号1)である。
【0045】
図4(1)、図5において凍結融解のサイクル数が0回のときの値をみると、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号4)も、砂を用いたAEコンクリート(配合番号1)も700万回程度で破壊している。凍結融解のサイクル数が大きくなると、破壊までの繰り返し荷重の回数はいずれも低下する。つまり、塩水中での凍結融解作用による水中疲労強度はいずれも低下する。この水中疲労強度は、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートの方が若干ではあるが全般的に高い傾向を示している。例えば、凍結融解100サイクルでは高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートは600万回程度で破壊するが、砕砂を用いたAEコンクリートでは400万回程度で破壊する。
【0046】
図4(2)の圧縮強度の変化に示すように、材齢が経つと、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートの圧縮強度は、砕砂を用いたAEコンクリートよりも大きくなっていく。上述したように、各コンクリートにおいて繰り返し荷重の下限荷重は各コンクリートの圧縮強度の2.5%、上限荷重は圧縮強度の25%に設定しており、各コンクリートとも応力強度比では同じ割合(2.5%〜25%)の繰り返し荷重となっている。より具体的には、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートでは2.1〜20.8N/mm、砕砂を用いたAEコンクリートでは1.5〜14.7N/mmの繰り返し荷重を載荷している。このため、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートの方に、より大きな繰り返し荷重をかけていることになる。上述したように水中疲労強度は高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートの方が、砕砂を用いたAEコンクリートよりも高いが、これは応力強度比を合わせた結果である。したがって、高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートが持つ実際の水中疲労強度はさらに高いものと推察される。
【0047】
図6は、高炉スラグ細骨材を用いた場合のセメントの違いを比較したものである。図中、「早強セメント」と表記されているプロットは、早強セメントを用いたNon−AEコンクリート(配合番号4)、「普通セメント」と表記されているプロットは、普通セメントを用いたNon−AEコンクリート(配合番号6)、「高炉セメントB種」と表記されているプロットは、高炉セメントB種を用いたNon−AEコンクリート(配合番号7)、「普通セメント(AE)」と表記されているプロットは、普通セメントを用いたAEコンクリート(配合番号5)である。
【0048】
この図から、早強セメントを用いたコンクリートは他のものに比べて早期に破壊することがわかる。つまり水中疲労強度の低下は、早強セメントを用いたものが顕著である。また、凍結融解のサイクル数が0回のときの値をみると、使用するセメント種類によってコンクリートの水中疲労強度は大きく異なることがわかる。例えば、早強セメントを用いたものは繰り返し荷重の回数が700万回で壊れるが、普通セメント、高炉セメントB種を用いたものは2000万回でも壊れなかった。上述したように、水中疲労強度は高炉スラグ細骨材を用いたものの方が、砕砂を用いたものよりも高くなるが、図6に示すように、高炉スラグ細骨材とともに用いるセメント種類を普通セメントや高炉セメントB種にすると、水中疲労強度は早強セメントを用いたものよりもさらに高くなることがわかる。このことは、凍結融解作用を受けても同じことがいえる。
【0049】
また、普通セメントを用いたもの、特に普通セメントを用いたAEコンクリート(配合番号5)は凍結融解のサイクル数が300回を越えても、水中疲労強度の低下が少ない。高炉セメントB種を用いたものの水中疲労強度は、ばらつきが大きい。なお、図には示されていないが、2000万回の繰り返し荷重で壊れなかった普通セメントを用いた供試体に対して、塩水中で300サイクルの凍結融解を作用させた後、再び繰り返し荷重を載荷して水中疲労試験を行ったところ、240万回まで耐えられた。
【0050】
図7および図8は、高炉スラグ細骨材を用いた場合のセメントの違いを比較したものである。図中の「早強セメント」等の表記は、図6の場合と同様、配合番号4〜7に対応している。
【0051】
図7に示すように、塩水中での凍結融解作用による相対動弾性係数は、高炉セメントB種を用いたNon−AEコンクリート(配合番号7)と、普通セメントを用いたAEコンクリート(配合番号5)の場合には、凍結融解のサイクル数が1200回において100%程度を維持している。したがって、これらのコンクリートは非常に優れた凍結融解抵抗性を有していることがわかる。一方、早強セメントを用いたNon−AEコンクリート(配合番号4)の場合は300回程度、普通セメントを用いたNon−AEコンクリート(配合番号6)の場合は550回程度で相対動弾性係数は大きく低下することがわかる。
【0052】
図8に示すように、塩水中での凍結融解作用によって圧縮強度は低下するが、その強度低下の度合いは、早強セメントを用いたものが最も大きいことがわかる。また、AE剤を用いることで、圧縮強度は2割程度小さくなるが、塩水中での凍結融解作用による強度低下は小さくなることがわかる。
【0053】
図9は、凍結融解作用後の水中疲労試験により得られた50%破壊確率を示したものである。図9(1)は早強セメントと砕砂を用いたAEコンクリート(配合番号1)の場合(凍結融解300サイクル後)、図9(2)は普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号6)の場合(凍結融解550サイクル後)である。この破壊確率の試験では、ほぼ壊れかけたと判断されるサイクルまで塩水中で凍結融解を行った複数の供試体を使って、さらに破壊するまで水中疲労試験を行っている。例えば、普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号6)の供試体は、550サイクルの凍結融解を繰り返すとほぼ壊れかけた状態となる。この壊れかけた供試体をその状態で水中疲労試験にかけて破壊までの繰り返し荷重の回数を調べる。そして、得られた破壊までの繰り返し荷重の回数をプロットして、その回帰直線を使って、50%の確率で破壊する繰り返し荷重の回数を推定する。こうして得られたものが、図9である。
【0054】
この図に示すように、50%破壊確率は、早強セメントと砕砂を用いたものでは約87万回、普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたものでは約43万回と推定される。50%破壊確率は双方とも同程度のオーダー(10万回のオーダー)である。つまり凍結融解300サイクル後の早強セメントと砕砂を用いたAEコンクリートと、凍結融解550サイクル後の普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートの水中疲労強度が同等であることがわかる。しかし、水中疲労試験前に作用させた凍結融解サイクル数は、それぞれ300サイクル、550サイクルであり、普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたものの方が2倍程度大きい。したがって、普通セメントと高炉スラグ細骨材を用いたものは、Non−AEコンクリートであっても、早強セメントと砕砂を用いたAEコンクリートより、凍結融解作用を受けた後の水中疲労強度が高いといえる。
【0055】
図10は、凍結融解作用後の水中疲労試験により得られた50%破壊確率であり、早強セメントを用いた場合の細骨材の違いを比較したものである。図10(1)は早強セメントと高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号4)の場合、図10(2)は早強セメントと砕砂を用いたAEコンクリート(配合番号1)の場合である。いずれも打設から40週(9か月)水中養生した後に、塩水中で300サイクルの凍結融解を作用させた後、水中疲労試験を実施している。
【0056】
この図に示すように、50%破壊確率は、砕砂を用いたものでは約87万回、高炉スラグ細骨材を用いたものでは1844万回と推定される。図10(1)の高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリートでは、3本の供試体のうち2本は2000万回を過ぎても破壊に至らず、残りの1本も1566万回まで破壊に至らなかった。これらのことから、高炉スラグ細骨材を用いたものの方が、砕砂を用いたものに比べて、高い水中疲労耐久性を有していることがわかる。また、セメント種類が早強セメントでかつ、Non−AEコンクリートであっても、高炉スラグ細骨材を用いることで、水中疲労強度が高くなることがわかる。
【0057】
図11は、凍結融解作用後の水中疲労試験により得られた50%破壊確率であり、高炉セメントB種と高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号7)の場合である。打設から13週水中養生した後に、塩水中で1200サイクルの凍結融解を作用させた後、水中疲労試験を実施している。この図に示すように、50%破壊確率は93万回と推定される。高炉セメントB種と高炉スラグ細骨材を用いたNon−AEコンクリート(配合番号7)の場合には、塩水中で1200サイクルの凍結融解を作用させた後であっても、高い水中疲労耐久性を有していることがわかる。
【0058】
以上の試験結果を考慮すると、本発明のコンクリートは、所定の比較コンクリートよりも、上記の水中疲労試験における破壊するまでの繰り返し回数が大きく水中疲労耐久性に優れたものと定義することもできる。ここで、比較コンクリートとしては、例えば砕砂のみからなる細骨材と、粗骨材と、早強セメントのみからなる結合材と、水と、AE剤(空気連行剤)のみを含有する比較コンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートを挙げることができる。ただし、比較コンクリート用組成物における結合材に対する水の質量比は、本発明のコンクリートをなすコンクリート用組成物における結合材に対する水の質量比と同じである。この比較コンクリートの条件を満たすものとしては、例えば配合番号1のコンクリートがある。また、本発明のコンクリートの条件を満たすものとしては、例えば配合番号4〜7の高炉スラグ細骨材からなるコンクリートがある。
【0059】
以上説明したように、本発明に係るコンクリートによれば、高炉スラグ細骨材を含む細骨材と、粗骨材と、セメントを含む結合材と、水とを含有するコンクリート用組成物を硬化させてなるコンクリートであって、水中に浸漬した前記コンクリートの供試体に、下限荷重が前記供試体の静的強度の2.5%、上限荷重が静的強度の25%である繰り返し荷重を載荷する水中疲労試験において、前記供試体が破壊するまでの繰り返し回数が2000万回以上の水中疲労耐久性を有するので、水中疲労耐久性に優れたコンクリートを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るコンクリートおよびその製造方法は、土砂化などの劣化作用を受けやすいコンクリートに有用であり、特に道路橋の床版のコンクリートに適している。
図1
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図10
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