(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の導電性粒子が連続して形成された導電部と、当該導電部を保持するゴム状弾性体でなるベース部とを備え、一方と他方の接続対象部材どうしを、当該導電部を通じて導電接続する導電ゴムコネクタにおいて、
前記一方と他方の接続対象部材の少なくとも何れか一方に対して接触する突出部が形成されており、当該突出部にはその表面に円環状に表出する前記導電部と、当該導電部の内側に表出する非導電性の島状非導電部を備え、
前記接続対象部材に対して前記突出部の表面を滑らせ、当該突出部の中の導電部を前記接続対象部材の接続位置に合わせ、前記突出部の先端からは外れた位置で前記接続対象部材と導電接続するように構成されることを特徴とする導電ゴムコネクタ。
複数の導電性粒子が連続して形成された導電部と、当該導電部を保持するゴム状弾性体でなるベース部とを備え、一方と他方の接続対象部材どうしを、当該導電部を通じて導電接続する導電ゴムコネクタにおいて、
前記一方と他方の接続対象部材の少なくとも何れか一方に対して接触する突出部が形成されており、当該突出部には前記突出部の先端から外れた位置でその表面に円環状に表出する前記導電部と、当該導電部の内側に島状に表出して前記接続対象物に対して接触可能に前記突出部の先端に位置する非導電性の島状非導電部を備えることを特徴とする導電ゴムコネクタ。
前記突出部が前記一方と他方の接続対象部材の何れか一方に対して接触するものであり、何れか他方に対して接触する接触部には表面が平坦な平坦状表面を有する平坦接触部が形成されている請求項1〜請求項6何れか1項記載の導電ゴムコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、電子機器の小型化、薄型化が進み、機器の筺体内のスペースがより一層少なくなり、回路基板と筐体の間の隙間もまた狭くなっている。こうした状況において機器内への部品の取付けも複雑化しており、導電ゴムコネクタの取付けも容易ではなくなってきている。例えば、回路基板の上に置いた導電ゴムコネクタを筺体で上から挟み込むためには大きな力を要する場合や、そうした作業自体が困難な場合もあり、予め形成された回路基板と筐体との狭い隙間の間に後から導電ゴムコネクタを挿入する必要も生じてきた。
【0005】
しかしながら、前述の公報に記載された技術はいずれも圧縮荷重を小さくする目的でなされたものであり、導電部を上下方向から真直ぐに圧接して挟んで用いることが想定されて作製されているため、回路基板と筐体との隙間に挿入しようとすると、回路基板や筺体にこすれて折れ曲がる等の不具合が生じ易く、取付け作業が困難であった。また、挿入時に導電部の表面が摩耗して欠けてしまう恐れもあった。
【0006】
そこで本発明は、機器への取付け易さ、即ち、接続対象部材への取付けを容易に行うことができ、また、接続対象部材間が狭いような場合であって、導電ゴムコネクタを正しく配置することが難しい場合であっても所期の導電目的を達成することができる導電ゴムコネクタを提供することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、複数の導電性粒子が連続して形成された導電部と、当該導電部を保持するゴム状弾性体でなるベース部とを備え、一方と他方の接続対象部材どうしを、当該導電部を通じて導電接続する導電ゴムコネクタについて、前記一方と他方の接続対象部材の少なくとも何れか一方に対して接触する突出部が形成されており、当該突出部にはその表面に円環状に表出する前記導電部と、当該導電部の内側に表出する非導電性の島状非導電部を有することを特徴とする導電ゴムコネクタを提供する。
【0008】
この導電ゴムコネクタは、複数の導電性粒子が連続して形成された導電部と、当該導電部を保持するゴム状弾性体でなるベース部とを備え、一方と他方の接続対象部材どうしを、当該導電部を通じて導電接続するため、例えば、回路基板とその回路基板を備える機器の筺体との間に設けて、これらの接続対象部材間を導電接続することができる。そして、回路基板上の電子部品に溜まった静電気や電磁波のノイズを機器の筐体に逃がすアース目的で用いることができる。
【0009】
また導電ゴムコネクタは、一方と他方の接続対象部材の少なくとも何れか一方に対して接触する突出部が形成されており、当該突出部にはその表面に円環状に表出する前記導電部と、当該導電部の内側に表出する非導電性の島状非導電部を有するため、突出部に円環状に表出する導電部を通じて接続対象部材と導電接続することができる。そして、この突出部の表面に表出する導電部は、その突出部の先端を除いて表れる円環状部分であるため、導電ゴムコネクタを接続対象部材に対して斜めに接触させることができる。したがって、接続対象部材に対して導電ゴムコネクタを垂直に取付けず、斜めに取付けることもでき、接続対象部材間で導電ゴムコネクタを垂直に正置できない場合であっても所期の導電目的を達成することができる。
【0010】
前記導電ゴムコネクタは、前記突出部の前記表面が曲面状表面となる曲面接触部に構成できる。突出部を、曲面状表面を有する曲面接触部としたため、接続対象部材間に導電ゴムコネクタを挟む際に予め固定された接続対象部材間に導電ゴムコネクタの曲面状表面を滑らせながら配置させるスライド取付け(または「スライド挿入」ともいう)を行うことができる。
【0011】
前記導電ゴムコネクタは、前記突出部の表面が半球状またはドーム状に構成できる。突出部の表面を半球状またはドーム状としたため、スライド取付けを行い易く、また、接続対象部材に対して導電ゴムコネクタを傾斜させて接続させる際に滑らかに接続することができ、傾斜角の違いに対する許容性が高い。また、島状非導電部の形成が容易である。
【0012】
前記導電ゴムコネクタは、前記島状非導電部は前記突出部の表面以外の内部部分では導電部に囲まれているように構成できる。島状非導電部は突出部の表面以外の内部部分では導電部に囲まれており、この構成を導電部側から見れば島状非導電部の部分以外は全体が連続している導電部を形成している。そのため、円環状に表出する導電部の全体が接続対象部材と接触しなくても導電性を確保することができる。
【0013】
前記導電ゴムコネクタは、前記島状非導電部が、前記ゴム状弾性体中における前記導電性粒子が少なく導電性を有しない部位であるように構成できる。ゴム状弾性体中における導電性粒子が少ないことで導電性を有しない部位を島状非導電部としたため、島状非導電部中に導電性粒子を含有することもできる。そのため、磁性導電性粒子を磁場配向させる方法で島状非導電部を形成することができる。
【0014】
前記導電ゴムコネクタは、前記突出部が前記一方と他方の接続対象部材の何れか一方に対して接触するものであり、何れか他方に対して接触する接触部には表面が平坦な平坦状表面を有する平坦接触部が形成されているように構成できる。
【0015】
前記突出部を設けた側と反対側の接続対象部材との接触部には表面が平坦な平坦状表面を有する平坦接触部を形成したため、突出部を設けた側とは反対側においては、従来の導電ゴムコネクタと同様に、接続対象部材に対して略垂直に正置する取付けを行うことができる。そのため、予め平坦接触部を対応する接続対象部材上に配置した後、もう一方の接続対象部材で押圧する取付け方法を採用することもできる。
【0016】
また本発明は、前記何れかの導電ゴムコネクタを前記接続対象部材に対して導電接続するように取付ける導電ゴムコネクタの取付け方法であって、前記接続対象部材に対して前記突出部の表面を滑らせ、当該突出部の中の導電部を前記接続対象部材の接続位置に合わせ、前記突出部の先端からは外れた位置で前記接続対象部材と導電接続する導電ゴムコネクタの取付け方法を提供する。
【0017】
本発明では、前記何れかの導電ゴムコネクタを前記接続対象部材に対して導電接続するように取付ける導電ゴムコネクタの取付け方法について、前記接続対象部材に対して前記突出部の表面を滑らせ、当該突出部の中の導電部を前記接続対象部材の接続位置に合わせ、前記突出部の先端からは外れた位置で前記接続対象部材と導電接続するため、予め接続対象部材どうしが固定された隙間に後から導電ゴムコネクタを取付けることができる。
【0018】
突出部の表面を滑らせるスライド取付けの一例としては、取付け開始時に島状非導電部を接続対象部材に接触させた後、曲面状表面を接続対象部材の表面に対して摺動させて、接続対象部材の所望の導電接続箇所と、導電ゴムコネクタの曲面接触部に表出した円環状の導電部と接続させる方法を挙げることができる。こうしたスライド取付けを行っても突出部の先端からは外れた円環状の導電部で接続対象部材と接続でき所望の導通状態を達成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、接続対象部材間に滑らせながら挿入して接続するスライド取付けを行うことができ、スライド取付けにより接続対象部材との間で導電接続をすることができる。また、接続対象部材に対して導電ゴムコネクタを傾斜させて導電接続することができ、あるいは接続対象部材に対して導電ゴムコネクタを曲げて導電接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態の導電ゴムコネクタの平面図である。
【
図3】
図1の導電ゴムコネクタのIII−III線断面図である。
【
図4】
図1の導電ゴムコネクタを製造する金型の縦断面図である。
【
図5】
図4の金型に原料組成物を注入した状態の説明図である。
【
図6】
図4の金型から導電ゴムコネクタを脱型した状態の説明図である。
【
図7】曲面接触部と金型の関係を示す一説明図であり、分
図7(a)は曲面接触部に対応する部分の上型の一断面図であり、分
図7(b)はその上型から生じた曲面接触部の正面図と平面図である。
【
図8】曲面接触部と金型の関係を示す別の説明図であり、分
図8(a)は曲面接触部に対応する部分の上型の別の断面図であり、分
図8(b)はその上型から生じた曲面接触部の正面図と平面図である。
【
図9】
図1の導電ゴムコネクタを接続対象部材間に挟んだ状態を説明する説明図である。
【
図10】
図1の導電ゴムコネクタを接続対象部材間に挟んだ別の状態を説明する説明図である。
【
図11】第2実施形態の導電ゴムコネクタの平面図である。
【
図12】
図11の導電ゴムコネクタを接続対象部材間に挟んだ状態を説明する説明図である。
【
図13】第3実施形態の導電ゴムコネクタの平面図である。
【
図14】
図13の導電ゴムコネクタが複数結合した状態の導電ゴムコネクタの平面図である。
【
図15】
図14の導電ゴムコネクタを接続対象部材間に挟んだ状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の導電ゴムコネクタおよびその製造方法について実施形態に基づいて詳しく説明する。各実施形態において重複する部位には同じ符号を付け、また重複する機能、材質、製造方法、作用効果等についてはその説明を省略する。
【0022】
第1実施形態[
図1〜
図9]:
本実施形態の導電ゴムコネクタ11の平面図を
図1に、正面図を
図2にそれぞれ示す。この導電ゴムコネクタ11は、一方側と他方側の接続対象部材を導電接続する機能を奏するものであり、複数の導電性粒子が連続して形成された導電部12と、当該導電部12を保持するゴム状弾性体でなるベース部13とを有している。また、
図1の上下方向にはそれぞれ接続対象部材に接触させる「突出部」としての曲面接触部14及び「突出部」としての平坦接触部15が形成されている。すなわち「突出部」は、導電ゴムコネクタ11では、
図1の上側を仮に一方側とすると、その一方側では曲面状表面14aを有する曲面接触部14となっており、
図1の下側を仮に他方側とすると、その他方側では平坦状表面15aを有する平坦接触部15となっている。
【0023】
ベース部13はまた、外形が略円柱状の基台部13aや、その基台部13aから側方に円板状に突出する側出部13bが形成されており、さらに曲面接触部14や平坦接触部15の一部もベース部13である。一方、導電部12は、複数の導電性粒子が密集、連続して形成されており、導電ゴムコネクタ11の一方側と他方側で外面に表出し、その部分以外の周囲部分はベース部13で覆われている。
【0024】
前記基台部13aから一方側に突出した突出部である曲面接触部14は、その表面が曲面状表面14a、即ち
図1では半球状表面として形成されている。そしてこの曲面状表面14aには、
図1や
図2で示すように、円環状に導電部12の表面が表出するとともに、その内側であって、曲面状表面14aの中央部分に非導電性の島状非導電部16が表出している。
【0025】
図3には、導電ゴムコネクタ11の縦断面図を示す。この
図3で示すように、島状非導電部16は曲面状表面14a以外の部分では導電部12に囲まれている。換言すれば、導電ゴムコネクタ11を上下方向に円柱状に貫く導電部12が、その曲面接触部14側の中央で島状非導電部16により妨げられ、曲面状表面14aに円環状に表出している。なお、
図3は
図1のIII−III線断面図であるが、
図1の中心を通る縦断面は全て
図3と同形状に表れる。
【0026】
一方、
図2で示すように、導電ゴムコネクタ11の他方側で側出部13bから突出する突出部は、その表面が平坦な平坦接触部15として形成されている。この平坦接触部15は、
図3で示すように、上下方向に貫く導電部12が中央に形成され、その周囲をゴム状弾性体でなるベース部13が覆っており、平坦状表面15aには導電部12が円状に表出している。そのため、この平坦接触部15には島状非導電部は形成されていない。
【0027】
次にこれらの各部を構成する原料部材について説明する。ベース部13や島状非導電部16は、ゴム状弾性体からなり、その材質としては、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスリホンゴム、ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ化系熱可塑性エラストマー、イオン架橋系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。耐熱性や低圧縮永久歪みが求められるためシリコーンゴムを用いることが好ましい。なお、後述する磁性導電性粒子の磁場配向により導電部12を製造する場合には、ベース部13や島状非導電部16は、ゴム状弾性体中に磁性導電性粒子が混入している場合もあり得る。
【0028】
また、島状非導電部16は、導電性粒子が無く低硬度のゴム状弾性体となっている場合には、その表面に耐久性や滑り性を高める処理をすることとしても良い。例えば島状非導電部16の表面に、耐摩耗性や滑り性のある塗料やゴム状弾性体を薄く塗布するほか、架橋剤を塗布して表面硬度を高めたり、ハロゲン処理等の薬品処理をしたりすることが可能である。
【0029】
導電部12は、ゴム状弾性体中に導電性粒子が連なって形成されたものであり、導電性粒子には導電性のある金属やカーボンを用いることができる。さらに磁性導電性粒子を用いると磁場によって高密度に粒子を配列させて導電性を高めた導電部とすることができる。こうした導電性粒子としては、より具体的には例えば、ニッケル、コバルト、鉄などの強磁性体金属又はそれらを含む合金の粒子や、ニッケル、コバルト、鉄、フェライトなどの強磁性体金属を金、銀、白金、アルミニウム、銅、パラジウム、クロム、ステンレスなどの良導電性金属で被覆した粒子、導電性又は絶縁性の粒子の表面をニッケル、コバルト、鉄などで被覆した粒子、カーボンなどの導電性粒子、樹脂や絶縁性セラミックなどを磁性導電体でめっきした粒子などを挙げることができる。導電性粒子の形状は、球状以外にも繊維状や、細線状、鱗片状などとすることができる。
【0030】
導電ゴムコネクタ11を製造するには、導電部12となる磁性導電性粒子をゴム状弾性体中に磁場配向させる方法を採用することができる。硬化してゴム状弾性体となる液状ゴム中に磁性導電性粒子を分散させた原料組成物Lと、
図4で示すように、磁性ピンPを配した上型Daと下型Dbからなる金型Dを準備する。そして、この金型Dに原料組成物Lを注入し(
図5)、磁場を印加して液状ゴム中に磁性導電性粒子を磁場配向させる。そして液状ゴムを硬化させることで導電ゴムコネクタ11を得ることができる(
図6)。なお、
図4〜
図6では3つの導電ゴムコネクタ11を形成する例を示しており、複数の導電ゴムコネクタ11の集合体として成形する場合には、脱型後、個々の導電ゴムコネクタ11に分断する。
【0031】
次には、曲面接触部14を形成する上型Daと磁性ピンPとの関係についてより具体的に説明する。
図7(a)には曲面接触部14を形成する部分の上型Daの一例である上型Da1を示す。この上型Da1では曲面接触部14となるキャビティ(凹部)Cの直径が2rのときに、そのキャビティCの中央部分に直径が約rの磁性ピンP1を設けている。
図7(b)にはこの上型Da1から形成される導電ゴムコネクタ11aの曲面接触部14部分の正面図と平面図を示す。この
図7(b)で示すように、上型Da1から得られる曲面接触部14は、島状非導電部16が曲面状表面14aの頂点部分にわずかに小さく表れ、その周りに、磁性ピンP1の外形の大きさに対応する外周を有する導電部12が表れる。
【0032】
また、
図8(a)には曲面接触部14を形成する別の上型Da2を示す。この上型Da2では曲面接触部14となるキャビティ(凹部)Cの直径が2rのときに、そのキャビティCと同様の大きさとなる直径が2rの磁性ピンP2を設けている。
図8(b)で示すように、この上型Da2から形成される導電ゴムコネクタ11bの曲面接触部14は、島状非導電部16が曲面状表面14aの中央部分に大きく表れ、その周りに、磁性ピンP2の外形の大きさに対応する外周を有する導電部12が表れる。
【0033】
こうした島状非導電部16が形成される理由は次のように考えられる。曲面接触部14を形成するには、この曲面接触部14に対応して半球状に凹んだキャビティCを有する上型Daを用いるが、磁性ピンPもこのキャビティCに対応するように表面が曲面状に凹んだものを用いることとなる。このように周囲よりも中央部分が凹んだ磁性ピンPを用いると、磁極(磁性ピンP)の中心よりも端部に強い磁力が発生することになる。その結果、磁力の弱い磁性ピンPの中央部分は導電性粒子の集まりが少なくなり、導電性粒子密度が低い島状非導電部16が形成されるものと思われる。
【0034】
上述のように、半球状の曲面接触部14を備える導電ゴムコネクタ11において、その半球の半径がrとすると、その曲面接触部14に対応する部分の金型に直径r以上2r以下程度の大きさとなる磁性ピンPを設けた金型Dとすることが好ましい。曲面接触部14に磁場を印加する磁極の直径をr以上にすることで、曲面接触部14の先端頂上に導電性粒子の少ない島状非導電部16を形成し、その周囲に導電性粒子の多い導電部12を形成することが容易になる。磁極の直径がr未満であると曲面接触部14の先端頂上にも導電性粒子が集まり、その先端頂上も導電部12になり易くなり、島状非導電部16の形成が難しくなる。また、磁極の直径が2rを超えると、島状非導電部16が形成され易くなるものの、曲面接触部14の範囲を超えて基台部13aにまで導電部が形成されるようになるからであり、2r以下とすることで曲面接触部14の外側に導電部12が形成されることを防止することができる。
【0035】
曲面接触部14の曲面状表面14aをドーム状とする場合には、半球状とする場合に比べてその頂部の突出程度が小さいものとなる。そのため、磁性導電性粒子を用いて磁場配向させる場合には、曲面状表面14aの頂部部分の磁力の弱まり程度は小さくなり島状非導電部16が生じ難くなる。そのため、ドーム形状とする場合には、ドーム状曲面接触部14の底面の半径がrとすると、その曲面接触部14に対応する部分の金型には、直径がrを超える程度の大きさとなる磁性ピンPを設けた金型Dとすることが好ましい。直径の上限は半球状の場合と同じ2r以下である。
【0036】
磁性導電性粒子を磁場配向させるこうした製造方法によれば、ベース部13のゴム状弾性体中に導電性粒子が高密度に配置して導通経路となった導電部12がベース部13を貫通するように形成できるだけでなく、曲面接触部14において円環状に導電部12の表面を表出させることができ、その円環状の内側の先端頂上部分には、導電性粒子が少ない非導電性の島状非導電部16を形成することができる。さらに上述の製造方法によれば、少ない導電体量で導電率を高めることができ、また柔らかい導電部12を形成できる点で好ましい。さらに、細く小さな導電部12を容易に形成することができる点でも好ましい。
【0037】
次に、導電ゴムコネクタ11を接続対象部材間に取付ける方法について説明する。一例としては、最初に接続対象部材に対して導電ゴムコネクタ11の島状非導電部16を接触させ、次に導電ゴムコネクタ11を摺動させながらスライドさせて接続対象部材の導電部位に対して導電部12が接触する位置まで傾かせた(スライド挿入)後、固定する方法である。島状非導電部16はゴム状弾性体中の導電性粒子が少ないため、接続対象部材に対してスライドさせて摩擦しても導電性粒子が脱落したり、表面が欠けたりすることが起こり難いという利点がある。またこの方法では、
図9で示すように、曲面接触部14と接触する接続対象部材1は導電部12の配向方向に対して垂直ではなく傾斜した傾斜面として接触させることができる。
【0038】
接続対象部材を導電部12の配向方向に対して傾斜させて接触させる場合の傾斜角度は10度以上45度以下であることが好ましい。10〜45度とすることで導電部12に対する接続を確実にすることができる。またスライド挿入に限らず、後述の平坦接触部15と接続対象部材2との固着手段を用いることもできる。なお、
図9では導電部12を導電性粒子の集合体として表している。
【0039】
一方で、平坦接触部15側は、回路基板等の接続対象部材2と導電接続される。接続対象部材2上の端子部に導電ゴムコネクタ11の平坦接触部15側の導電部12を合わせて固定配置し、接続対象部材2と導電ゴムコネクタ11とを一緒に筺体等の接続対象部材1に差し込むことで、接続対象部材1に対してスライド挿入することができる。平坦接触部15と接続対象部材2との固定配置は、接続対象部材2側に、平坦接触部15に対応する嵌合部位を形成しておき、平坦接触部15を接続対象部材2に対して嵌合固着させる方法や、導電部12の表出面以外に粘着剤や両面テープを付けて接続対象部材2に固着する方法、導電部12と接続対象部材2の端子部とをハンダ接続する方法などによって行うことができる。
【0040】
また、導電ゴムコネクタ11を接続対象部材間に取付ける場合の別の方法としては、最初に接続対象部材に対して導電ゴムコネクタ11の島状非導電部16を接触させる点では先の例と同じであるが、次に導電ゴムコネクタ11を摺動させながらスライドさせるのではなく、
図10で示すように、導電ゴムコネクタ11の先端を曲げて、接続対象部材の導電部位に対して導電部12を接触させて固定する方法がある。従来の導電ゴムコネクタでは、導電ゴムコネクタが折り曲げられることは避けるべきであるが、導電ゴムコネクタ11によれば、折れ曲がっても導電部12が接続対象部材1に導電接続するため、こうした用い方を採用することもできる。
【0041】
このように、導電ゴムコネクタ11では、曲面接触部14の頂部先端の島状非導電部16で滑らせて、または基台部13aを曲げることで、筺体等の接続対象部材1に対して島状非導電部16の周囲にある導電部12の表出部を接触させて電気的接続することができるようになる。
【0042】
第2実施形態[
図11,
図12]:
本実施形態の導電ゴムコネクタ21の正面図を
図11に示す。この導電ゴムコネクタ21は、一方側だけでなく他方側の突出部も曲面接触部14としている。
図12には、導電ゴムコネクタ21を接続対象部材1,2の間に挟んだ状態を示す。この
図12で示すように、上側の曲面接触部14と接触する接続対象部材1だけでなく、下側の曲面接触部14と接触する接続対象部材2もまた導電部12の配向方向に対して垂直ではなく傾斜した傾斜面として接触させることができる。
【0043】
第3実施形態[
図13〜
図15]:
本実施形態の導電ゴムコネクタ31の正面図を
図13に示す。この導電ゴムコネクタ31は板状部材38が一体形成されたものである。板状部材38は樹脂フィルムや金属板などであり、回路形成されたフレキシブルプリント基板等とすることもできる。板状部材38は、導電部12に対して略垂直に設けられるが、一方側から他方側に連なる導電部12を分断するものではなく、切り欠きや穴を設けて導電部12を貫通させている。
【0044】
図14で示すように、導電性粒子の集合体で形成される導電部12を複数個有する導電ゴムコネクタ31aとすれば、板状部材38を金属板で形成することでこの金属板の部分も導電部とすることができる。これにより複数の導電部12を、金属板を通じて導通させることができる。導電ゴムコネクタ31aは、例えば
図15で示す接続対象部材3のように、表面に凹凸があって導電部12との接触を十分に行い難い接続対象部材である場合に、一つの導電部12が接続対象部材3と導電接続していなくても、他の導電部12が接続対象部材3と導電接続させることができ、接続対象部材2を接続対象部材3にグランド接続するような用途に用いることができる。
【0045】
また、板状部材38がフレキシブルプリント基板等の回路基板であれば、こうした回路基板と一体となった導電ゴムコネクタ31aとすることができ、この場合は回路基板上の導電性部位に導電部12を接触させて導通させることができる。導電ゴムコネクタ31,31aでは、板状部材38を有するため、スライド挿入し易く、取扱い性に優れている。
【0046】
上記実施形態は例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、「突出部」としての曲面接触部14及び「突出部」としての平坦接触部15の表面形状は、半球状やドーム形状等の曲面状表面14aとすることが好ましいが、これ以外にも半円柱状(かまぼこ形状)等とすることができ、さらには円錐状や円錐台形状、四角錐状等とすることもできる。角部分が多くあると接続対象部材との摺動で摩耗して導電性粒子が脱落しやすくなるが、接続対象部材の形状や接続時の傾斜の程度等により突出部の形状を好適に変更できる。こうした形状にするには、半球状やドーム形状として形成した曲面接触部の表面を削ることで所望の形状に変更できる。