特許第6978035号(P6978035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978035
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】抗ウイルス性組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 41/10 20060101AFI20211125BHJP
   A01N 47/12 20060101ALI20211125BHJP
   A01N 47/44 20060101ALI20211125BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20211125BHJP
   D01F 1/10 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   A01N41/10 A
   A01N47/12 Z
   A01N47/44
   A01P1/00
   D01F1/10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-99350(P2017-99350)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2018-193337(P2018-193337A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義晃
【審査官】 阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−167011(JP,A)
【文献】 特表2013−538782(JP,A)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0413874(KR,Y1)
【文献】 特開2012−211428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 41/10
A01N 47/12
A01N 47/44
A01P 1/00
D01F 1/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび/ または3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートを含有する抗ウイルス性組成物
さらに一般式(I)で示される1種以上のグアニジン化合物および/またはその塩を含有する抗ウイルス性組成物であって、対象とするウイルスがネコカリシウイルスであることを特徴とする抗ウイルス性組成物

(式中、mは1または2を示し、nは4〜20を示す)
【請求項2】
一般式(I)で示されるグアニジン化合物が、m=1で示されるポリヘキサメチレングアニジンである請求項1に記載の抗ウイルス性組成物。
【請求項3】
一般式(I)で示されるグアニジン化合物が、m=2で示されるポリヘキサメチレンビグアニジンである請求項1に記載の抗ウイルス性組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物を添加した繊維または不織布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維もしくは不織布、または繊維製品もしくは不織布製品、または塗料やコーティング剤に対して、特にインフルエンザウイルスを対象とした抗ウイルス性機能を付与することが可能な抗ウイルス性組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウイルスは遺伝子をもつものの、それ単独では生育できない、生物とは異なる非細胞性生物として分類されている。その遺伝子はカプシドと呼ばれる外殻タンパク質の中に保持され、遺伝子がDNAかまたはRNAかによって二種類に大別され、カプシドが脂質二重膜からなるエンベロープで覆われているものとそうでないものとに分類される。具体的には、遺伝子がDNAでエンベロープをもつものとしてヘルペスウイルスなどが、遺伝子がDNAでエンベロープをもたないものとしてアデノウイルスなどが、遺伝子がRNAでエンベロープをもつものとしてインフルエンザウイルスなどが、遺伝子がRNAでエンベロープをもたないものとしてノロウイルス、ポリオウイルスなどが挙げられる。
【0003】
インフルエンザウイルスの感染によるインフルエンザは例年冬に感染者が増加し、国内だけでも100万人を超える患者が発生すると言われており、その感染に伴う経済活動の停滞は大きな損失であり、インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス効果を有する組成物が望まれている。
【0004】
ジヨードメチル−p−トリルスルホンや3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートが微生物、とくに真菌に対して優れた効果を示すことは知られており(例えば、非特許文献1、非特許文献2)、幅広い形で実用化されている。しかしながらこれらの化合物がウイルスに対して効果を有することは知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本防菌防黴学会事典編集委員会編「防菌防黴剤事典」、昭和61年8月22日、p149、p221
【非特許文献2】高麗寛紀「日本防菌防黴学会誌」、2017年、Vol.45、No.3、p123−134
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、コットンやポリエステルなどの繊維、ポリプロピレンやポリエステルなどの不織布、アルキド樹脂や合成樹脂エマルションなどの塗料、コーティング剤、表面処理剤に対して加工することが可能であり、インフルエンザなどのウイルスに対して抗ウイルス効果を示す抗ウイルス性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意種々の研究を実施した結果、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび/または3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートが抗ウイルス性能を発揮することを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、
(1)ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび/または3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートを含有する抗ウイルス性組成物に関する。
また本発明は、
(2)さらに一般式(I)で示される1種以上のグアニジン化合物および/またはその塩を含有する抗ウイルス性組成物に関する。
一般式(I)
(式中、mは1または2を示し、nは4〜20を示す)
また本発明は、
(3)一般式(I)で示されるグアニジン化合物が、m=1で示されるポリヘキサメチレングアニジンである抗ウイルス性組成物に関する。
また本発明は、
(4)一般式(I)で示されるグアニジン化合物が、m=2で示されるポリヘキサメチレンビグアニジンである抗ウイルス性組成物に関する。
また本発明は、
(5)対象がインフルエンザウイルスであることを特徴とする抗ウイルス性組成物に関する。
または本発明は、
(6)抗ウイルス性組成物を添加した繊維または不織布に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の抗ウイルス性組成物を用いて、繊維や不織布、塗料や表面処理剤、コーティング剤などに加工することにより、繊維製品やフィルター、壁材や床材などの内装建材、自動車などの輸送機器、冷蔵庫やエアコンなどの家電やその部材、雑貨などの各種プラスチック製品、包装紙などの包装材料に抗ウイルス性を付与することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の抗ウイルス性組成物は、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび/または3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートを含有する抗ウイルス性組成物であり、またさらに1種以上のグアニジン化合物および/またはその塩を含有するものであり、これら化合物を含有する製剤を調製するために、溶媒や界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、粘度調整剤、金属封鎖剤、光安定剤、紫外線吸収剤、他の抗菌成分などを配合することが可能である。
【0010】
本発明で使用するジヨードメチル−p−トリルスルホン(以下DIMTSと省略する)は、公知の技術によって製造することが可能であるが、例えば、「ヨートル(登録商標)DP95」(DIMTSを95重量%含有)として三井化学社から販売されているもの、「AMICAL(登録商標)48」(DIMTSを95重量%含有)としてダウ社から販売されているものが利用可能である。
【0011】
本発明で使用する3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(以下IPBCと省略する)は、公知の技術によって製造することが可能であるが、例えば、「OMACIDE(登録商標) IPBC」としてLONZA社から市販されているもの、「PREVENTOL(登録商標) MP−100」としてLANXESS社から市販されているものが利用可能である。
【0012】
本発明で使用する一般式(I)
一般式(I)
(式中、mは1または2を示し、nは4〜20を示す)
で示されるグアニジン化合物および/またはその塩は、公知の技術によって製造することができ、重合数nについては4〜20の化合物が使用可能であるが、好ましくは6〜16の範囲、より好ましくは8〜14の範囲のものを使用することができる。またこのグアニジン化合物の末端は、水素原子が挙げられる。これらを満足するものとして、例えば、「PROXEL(登録商標) IB」(ポリヘキサメチレンビグアニジン(以下PHMB)と省略する)の塩酸塩を20%重量%含有)としてLONZA社から販売されているもの、「BG−1」(ポリヘキサメチレンビグアニジンの塩酸塩を20重量%含有)として三洋化成工業社から市販されているものや、「アモルデン(登録商標) DS25L」(ポリヘキサメチレングアニジン(以下PHMGと省略する)のリン酸塩を25重量%含有)として大和化学工業社から市販されているものが利用可能である。
【0013】
本発明の抗ウイルス性組成物の製剤を行う上で配合可能な溶媒としては、水の他、エタノールやイソプロパノール、フェノキシエタノール、ベンジルアルコールなどの一価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤およびその誘導体、グリセリン、ジグリセリンなどのグリセリン系溶剤およびその誘導体、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどの環状有機溶媒、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルなどのエステル系溶媒、メチルナフタレン、フェニルキシリルエタン、アルキルベンゼンなどの芳香族系溶媒、ノルマルパラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素溶媒、菜種油、綿実油、大豆油、ヒマシ油などが使用することができる。これら溶媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用することも可能である。
【0014】
界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油などのノニオン界面活性剤や、アルキルサルフェート塩、アルキルエーテルサルフェート塩、アルキルスルホサクシネート塩、アルキルスルホネート塩、アルキルアリルスルホネート塩、脂肪酸アミドスルホネート塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルホスフェート塩、アルキルエーテルホスフェート塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩などのアニオン界面活性剤や、アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤や、グリシン型、ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤を使用することができる。これら界面活性剤は単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0015】
pH調整剤としては、コハク酸やクエン酸、酒石酸、酢酸などの有機酸やそれらの塩、リン酸やポリリン酸、ホウ酸などの無機酸やそれらの塩などが使用可能であり、消泡剤としては、鉱油系、シリコーン系、ポリエーテル系などの消泡剤が使用可能であり、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素アンモニウムなどが使用可能であり、粘度調整剤としてはキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアガム、ジェランガム、プルランなどが使用可能であり、金属封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸および/またはその塩、ニトリロ三酢酸および/またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸および/またはその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸および/またはその塩、トリエチレンテトラミン六酢酸および/またはその塩、1,3−プロパンジアミン四酢酸および/またはその塩、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸および/またはその塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸および/またはその塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸および/またはその塩、ジヒドロキシエチルグリシンおよび/またはその塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸および/またはその塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸および/またはその塩、ニトリロトリスメチレンリン酸および/またはその塩などが使用可能であり、光安定剤としては、アミド系化合物やヒドラジド系化合物のラジカル連鎖開始阻止剤、ヒンダートアミン系化合物、フェノール系酸化防止剤に代表されるラジカル捕捉剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤に代表される過酸化物分解剤などが使用可能であり、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物などが使用可能である。
【0016】
他の抗菌成分としては、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、1−[[(3−ヨード−2−プロピニル)オキシ]メトキシ]−4−メトキシベンゼン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、(±)−α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、(RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−エチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、メチレンビスチオシアネート、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(2−プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾール、2−ブロモーニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、ジンクビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)、o−フェニルフェノール、o−フェニルフェノールナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、パラクロロメタキシレノール、p−オキシ安息香酸アルキルエステル、塩化ベンザルコニウム、塩化ジメチルジデシルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム炭酸/重炭酸塩、ジメチルジデシルアンモニウムプロピオネート、1,4−ビス(3,3’−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシブタン)ブロミドなどが使用可能である。
【0017】
本発明の抗ウイルス性組成物の剤型は、とくに限定されず、可溶化製剤や乳剤、フロアブル製剤、サスポエマルション製剤、水和剤などにより提供することが可能であり、また必要に応じてフロアブル製剤とサスポエマルション製剤の組み合わせ、可溶化製剤とフロアブル製剤の組み合わせのように2種類以上の剤型を組み合わせることも可能である。
【0018】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(抗ウイルス性組成物の調製)
【実施例1】
【0019】
ヨートルDP95 21部、ニューカルゲンCP−120(竹本油脂社、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル) 4部、イオン交換水 21部、ノプコNXZ(サンノプコ社製、鉱油系消泡剤) 0.1部を十分混合した後、パールミルで10分間粉砕した後、キサンタンガムの1重量%溶液 30部とイオン交換水 23.9部を混合したものを実施例1とした(DIMTS 20部)。
【実施例2】
【0020】
OMACIDE IPBC 20部、ニューカルゲンCP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 75部を十分混合して溶解したものを実施例2とした(IPBC 20部)。
【実施例3】
【0021】
ヨートルDP95 10.5部、OMACIDE IPBC 10部、ニューカルゲン CP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 74.5部を十分混合して溶解したものを実施例3とした(DIMTS 10部、IPBC 10部)。
【実施例4】
【0022】
ヨートルDP95 5.3部、ニューカルゲンCP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 64.7部、PROXEL IB 25部を十分混合して溶解したものを実施例4とした(DIMTS 5部、PHMB 5部)。
【実施例5】
【0023】
OMACIDE IPBC 5部、ニューカルゲンCP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 65部、PROXEL IB 25部を十分混合して溶解したものを実施例5とした(IPBC 5部、PHMB 5部)。
【実施例6】
【0024】
ヨートルDP95 5.3部、ニューカルゲンCP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 69.7部、アモルデンDS25L 20部を十分混合して溶解したものを実施例6とした(DIMTS 5部、PHMG 5部)。
【実施例7】
【0025】
OMACIDE IPBC 5部、ニューカルゲンCP−120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 70部、アモルデンDS25L 20部を十分混合して溶解したものを実施例7とした(IPBC 5部、PHMG 5部)。
【実施例8】
【0026】
ヨートルDP95 2.6部、OMACIDE IPBC 2.5部、ニューカルゲンCP‐120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 64.9部、PXOXEL IB 25部を十分混合して溶解したものを実施例8とした(DIMTS 2.5部、IPBC 2.5部、PHMB 5部)。
【実施例9】
【0027】
ヨートルDP95 2.6部、OMACIDE IPBC 2.5部、ニューカルゲンCP‐120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 69.9部、アモルデンDS25L 20部を十分混合して溶解したものを実施例9とした(DIMTS 2.5部、IPBC 2.5部、PHMG 5部)。
【実施例10】
【0028】
ヨートルDP95 2.6部、OMACIDE IPBC 2.5部、ニューカルゲンCP‐120 5部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル 67.4部、PROXEL IB 12.5部、アモルデンDS25L 10部を十分混合して溶解したものを実施例10とした(DIMTS 2.5部、IPBC 2.5部、PHMB 2.5部、PHMG 2.5部)。
(ネコカリシウイルスに対する抗ウイルス性試験)
【0029】
ヒトノロウイルスは、現在細胞培養や小動物での増殖方法が確立していないため、その有効性評価は同じカリシウイルス科に属するネコカリシウイルスで代替試験されることが一般的である。このため本実施例でもノロウイルスに対する抗ウイルス評価として、ネコカリシウイルスF−9株(Feline calicivirus、Strain:F−9 ATCC VR−782)を用いた。
まず、このウイルスをCRFK細胞(ネコ腎臓由来細胞)で培養することによりウイルス感染価2×10PFU/mlの試験ウイルス懸濁液を得た。実施例の各組成物を滅菌精製水により所定濃度になるように希釈したもの0.9mlに、試験ウイルス懸濁液0.1mlを加え良く混合し、室温で2時間放置した後、この溶液0.1mlをSCDLP培地0.9mlと混合し、プラーク測定法によりウイルス感染価を測定した。
(インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス試験結果)
【0030】
インフルエンザウイルスH3N2株(influenza A virus:A/Hong Kong/8/68:TC adapted ATCC VR−1679)をMDCK細胞(イヌ腎臓由来細胞)で培養することによりウイルス感染価2×10PFU/mlの試験ウイルス懸濁液を得た。実施例の各組成物を滅菌精製水により所定濃度になるように希釈したもの0.9mlに、試験ウイルス懸濁液0.1mlを加えよく混合し、室温で2時間放置した後、この溶液0.1mlをSCDLP培地0.9mlと混合し、プラーク測定法によりウイルス感染価を測定した。
ウイルス感染価の測定結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
PFU=plaque forming units
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の抗ウイルス性組成物は、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよび/または3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメートを含有するものであり、本ウイルス性組成物を用いて、繊維や不織布、塗料や表面処理剤、コーティング剤などに加工することにより、繊維製品やフィルター、壁材や床材などの内装建材、自動車などの輸送機器、冷蔵庫やエアコンなどの家電やその部材、雑貨などの各種プラスチック製品、包装紙などの包装材料に抗ウイルス性を付与することが可能となり、衛生環境の向上に寄与するものである。