特許第6978070号(P6978070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許6978070通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム
<>
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000002
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000003
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000004
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000005
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000006
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000007
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000008
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000009
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000010
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000011
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000012
  • 特許6978070-通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978070
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/12 20090101AFI20211125BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20211125BHJP
   H04W 12/02 20090101ALI20211125BHJP
【FI】
   H04W40/12
   H04L12/44 Z
   H04W12/02
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-147738(P2018-147738)
(22)【出願日】2018年8月6日
(65)【公開番号】特開2020-25164(P2020-25164A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】古屋 祐
【審査官】 永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−246202(JP,A)
【文献】 特開2014−175747(JP,A)
【文献】 特開2005−176021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 40/12
H04L 12/44
H04W 12/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視する監視部と、
第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行する第1の順位付け部と、
第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行する第2の順位付け部と、
1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更する転送先変更部と
を備え、
前記第2の順位付け部は、前記第2のパラメータに基づく順位が同一の場合に、前記第1のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれる、通信装置。
【請求項2】
通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視する監視部と、
第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行する第1の順位付け部と、
第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行する第2の順位付け部と、
1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更する転送先変更部と
を備え、
前記第2の順位付け部は、前記第2のパラメータに基づく順位が同一の場合に、前記第1のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先し、
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれる、通信装置。
【請求項3】
前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量が含まれ、
前記第1の順位付け部及び前記第2の順位付け部は、前記データ転送量が少ないチャネルを優先する、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2の順位付け部は、第3のパラメータである前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量に基づき、前記複数の中継機を順位付け、
前記第2の順位付け部は、前記第3のパラメータに基づく順位が同一の場合、前記第2のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先する、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の中継機の順位付けの結果が示された画面を表示装置に表示する表示制御部を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
データの転送先を変更する転送先変更方法であって、
通信装置が、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視するステップと、
前記通信装置が、第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行するステップと、
前記通信装置が、第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行するステップと、
1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記通信装置が、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更するステップと、
を含
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれる、転送先変更方法。
【請求項7】
データの転送先を変更する転送先変更方法であって、
通信装置が、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視するステップと、
前記通信装置が、第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行するステップと、
前記通信装置が、第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行するステップと、
1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記通信装置が、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更するステップと、
を含み、
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれる、転送先変更方法。
【請求項8】
前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量が含まれ、
前記通信装置は、前記第1の順位付け処理又は前記第2の順位付け処理において、前記データ転送量が少ないチャネルを優先する、請求項6又は7に記載の転送先変更方法。
【請求項9】
前記通信装置が、第3のパラメータである前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量に基づき、前記複数の中継機を順位付けるステップと、
前記第3のパラメータに基づく順位が同一の場合、前記通信装置が、前記第2のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先するステップとを含む、請求項6又は7に記載の転送先変更方法。
【請求項10】
通信装置において実行される転送先変更プログラムであって、前記通信装置に対し、
通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視させるステップと、
1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行させるステップと、
2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行させるステップと、
または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更させるステップとを含
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれる、転送先変更プログラム。
【請求項11】
通信装置において実行される転送先変更プログラムであって、前記通信装置に対し、
通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視させるステップと、
第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行させるステップと、
第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行させるステップと、
1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更させるステップとを含み、
前記第1のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれとの通信に関するSN比が含まれ、
前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用する暗号方式が含まれる、転送先変更プログラム。
【請求項12】
前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータには、前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量が含まれ、
前記通信装置に対し、前記第1の順位付け処理又は前記第2の順位付け処理において、前記データ転送量が少ないチャネルを優先させる、請求項10又は11に記載の転送先変更プログラム。
【請求項13】
前記通信装置に対し、
第3のパラメータである前記複数の中継機のそれぞれが使用するチャネルの単位時間当たりのデータ転送量に基づき、前記複数の中継機を順位付けるステップと、
前記第3のパラメータに基づく順位が同一の場合、前記第2のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先するステップとを実行させる、請求項10又は11に記載の転送先変更プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラムに関し、特に、データの転送先を変更する通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN親機や無線LAN中継機等の通信装置の普及に伴い、これらの通信装置を利用した無線LAN環境を容易に構築することができるようになっている。一般に、複数の通信装置を用いて無線LAN環境を構築する場合、利用される通信装置の台数が多い程、通信で使用される周波数帯域が重複して通信が混雑する可能性が高くなる。
【0003】
この点に関し、例えば、特許文献1が開示する無線通信システムでは、無線LAN中継機が、無線LAN親機との通信で利用している周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、無線LAN子機と通信することにより、無線通信の混雑を回避することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−5462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示する無線通信システムは、無線LAN中継機に通信障害が発生した場合に通信を維持することができず、また、別の無線LAN中継機や無線LAN子機が無線LAN親機に接続した場合、周波数帯域が重複して通信が混雑する可能性があり、通信を良好に維持することができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、通信品質や通信速度、セキュリティレベルの低下を最大限抑えつつ、通信を維持することができる通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信装置は、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視する監視部と、第1のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第1の順位付け処理を実行する第1の順位付け部と、第2のパラメータに基づき、前記複数の中継機を順位付ける第2の順位付け処理を実行する第2の順位付け部と、1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、前記障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、前記第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更する転送先変更部とを備え、前記第2の順位付け部は、前記第2のパラメータに基づく順位が同一の場合に、前記第1のパラメータに基づく順位が高い中継機を優先する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、通信品質や通信速度、セキュリティレベルの低下を最大限抑えつつ、通信を維持することができる通信装置、転送先変更方法および転送先変更プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の通信システムの一実施形態を示す概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る通信装置の詳細な構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る通信装置の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る通信装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図5】第1の順位付け処理の一実施形態を示すフローチャートである。
図6】中継機情報テーブルおよび暗号方式順位テーブルの一実施形態を示す図である。
図7】第1の順位付けテーブルの一実施形態を示す図である。
図8】SN比算出処理の一実施形態を示すフローチャートである。
図9】通信状況テーブルの一実施形態を示す図である。
図10】第2の順位付け処理を示すフローチャートである。
図11】第2の順位付けテーブルの一実施形態を示す図である。
図12】ルーティングテーブルの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の通信システム100の一実施形態を示す概略図である。通信システム100は、通信装置10と、中継機20a,20b,20cとを含む無線LAN(Local Area Network)システムである。通信装置10は、電話回線に接続されたモデム(図示せず)や光回線に接続された光回線終端装置(図示せず)に接続され、インターネットやWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して、種々のデータサーバ(図示せず)と中継機20a,20b,20cとの間で通信データのルーティング等を行う無線LANルータである。通信装置10は、任意の数の中継機と、無線によるデータ通信を行うことができる。なお、通信装置10は、任意の数の中継機と、有線によるデータ通信を行うこともできる。
【0011】
中継機20a,20b,20cは、電波を介したデータ通信が可能なスマートフォンやPC、タブレット型端末、家電、センサ等の無線通信装置(以下、「子機」とする。)との間で、電波を介したデータ通信を行う無線LAN中継機である。中継機20a,20b,20cは、自機とデータ通信を行う子機の識別情報が設定される設定ファイルを備えている。中継機20a,20b,20cは、子機との通信接続が確立されたタイミングで、子機の識別情報を設定ファイルに保存すると共に、当該子機の識別情報と自機の識別情報を通信装置10に提供する。また、中継機20a,20b,20cは、通信装置10からの設定ファイル変更指示により、それぞれ設定ファイルを変更する。
【0012】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置10の詳細な構成を示すブロック図である。通信装置10は、CPU(Central Processing Unit)110と、PHY(Physical Layer)チップ120と、無線インタフェース(I/F)130と、記憶装置140とを備える。CPU110、PHYチップ120、無線I/F130および記憶装置140は、銅等の配線で接続されている。
【0013】
CPU110は、種々のプログラムを実行する演算装置である。CPU110は、ROM(Read Only Memory)に保存された本発明の転送先変更プログラムをRAM(Random Access Memory)に展開して実行することにより、本発明の転送先変更方法を実現する。CPU110は、プログラムである制御部111、接続処理部112、第1の順位付け部113、SN比算出部114、第2の順位付け部115、転送先変更部116、および監視部117を実行する。制御部111は、通信装置10の機能を実現する中心的な役割を果たし、後述するプログラムを呼び出して種々の処理を実行する。
【0014】
接続処理部112は、中継機20a,20b,20cとの通信接続に関する処理を実行するプログラムである。接続処理部112は、中継機20a,20b,20cとの通信接続を確立する際に、中継機情報テーブル141と、ルーティングテーブル142と、中継機および子機情報テーブル143を記憶装置140に構築する。
【0015】
中継機情報テーブル141は、図6に示すように、通信装置10との通信接続が確立されている中継機の識別情報と、当該中継機とのデータ通信において使用される暗号方式と、当該データ通信において利用される周波数帯域およびチャネルが関連付けて登録されるデータテーブルである。本実施形態では、中継機情報テーブル141には、中継機の識別情報としてMACアドレスが登録される。
【0016】
ルーティングテーブル142は、図12に示すように、転送対象のデータの送信先の子機が属するネットワークを示すネットワークアドレスと、当該転送対象のデータを中継する中継機の識別情報とが関連付けて登録されるデータテーブルである。本実施形態では、ルーティングテーブル142には、中継機の識別情報としてIPアドレスが登録される。
【0017】
中継機および子機情報テーブル143は、通信装置10と通信が確立された中継機の識別情報と、当該中継機がデータ通信を行う子機の識別情報とが関連付けて登録されるデータテーブルである。接続処理部112は、中継機20a,20b,20cとの通信接続を確立する際に、当該中継機に対し、当該中継機がデータ通信を行う子機の識別情報を要求する。接続処理部112は、当該中継機から子機の識別情報を受信すると、当該子機の識別情報を当該中継機の識別情報と関連付けて中継機および子機情報テーブル143に登録する。
【0018】
第1の順位付け部113は、第1のパラメータに基づき、中継機20a,20b,20cの順位付けを行う第1の順位付け処理を実行するプログラムである。本実施形態では、第1のパラメータとして、中継機とのデータ通信において使用される暗号方式が用いられる。第1の順位付け部113は、通信の障害または混雑が発生した中継機を含む中継機20a,20b,20cについて順位付けを行うことができる。この場合、通信の障害または混雑が発生した中継機の順位を最下位とすることができる。代替的に、第1の順位付け部113は、通信の障害または混雑が発生した中継機以外の中継機20a,20b,20cについて順位付けを行ってもよい。
【0019】
第1の順位付け部113は、制御部111から呼び出されると、中継機情報テーブル141を用いて、図7に示すような第1の順位付けテーブル145を生成する。第1の順位付けテーブル145は、通信装置10との通信接続が確立されている中継機の識別情報と、当該中継機とのデータ通信において使用される暗号方式と、当該暗号方式の優先順位が関連付けて登録されるデータテーブルである。なお、第1の順位付けテーブル145の生成時点では、暗号方式の優先順位カラムには、データが入力されない。
【0020】
第1の順位付け部113は、第1の順位付けテーブル145を生成すると、図6に示すような暗号方式順位テーブル144を参照し、第1のパラメータである暗号方式の優先順位に基づいて、中継機の識別情報が示す中継機の優先順位を決定する。暗号方式順位テーブル144は、中継機が利用し得る暗号方式と、当該暗号方式の優先順位とが関連付けて登録されるデータテーブルである。本実施形態では、暗号方式のセキュリティレベルおよび暗号化速度に基づいて優先順位が規定される。なお、通信データに対して暗号化が行われない場合には、最下位の優先順位が割り当てられる。
【0021】
SN比算出部114は、中継機との通信に関するSN比を算出するプログラムである。SN比算出部114は、制御部111から呼び出されると、中継機情報テーブル141を用いて、図9に示すような通信状況テーブル146を生成する。通信状況テーブル146は、通信装置10との通信接続が確立されている中継機の識別情報と、当該中継機とのデータ通信に関するRSSI(Received Signal Strength Indication)測定値(dBm)と、ノイズ測定値(dBm)と、SN比(dB)とが関連付けて登録される。なお、通信状況テーブル146の生成時点では、RSSI、ノイズおよびSN比の優先順位カラムには、データが入力されない。
【0022】
SN比算出部114は、通信状況テーブル146を参照して、SN比が算出されていない中継機を特定した後、中継機情報テーブル141を参照して、当該中継機が利用するチャネルを特定する。次いで、SN比算出部114は、PHYチップ120が備えるRSSI測定部123およびノイズ測定部124に対し、それぞれRSSIの測定を要求するRSSI測定要求と、ノイズの測定を要求するノイズ測定要求を送信する。RSSI測定要求およびノイズ測定要求には、中継機が利用するチャネルの識別情報が付加される。SN比算出部114は、RSSI測定部123およびノイズ測定部124からRSSI測定値およびノイズ測定値を受信すると、これらの測定値を通信状況テーブル146に登録する。そして、SN比算出部114は、RSSI測定値からノイズ測定値を減算することによってSN比を算出し、当該SN比を通信状況テーブル146に登録する。
【0023】
第2の順位付け部115は、第2のパラメータに基づき、中継機20a,20b,20cの順位付けを行う第2の順位付け処理を実行するプログラムである。本実施形態では、第2のパラメータとして、中継機とのデータ通信に関するSN比が用いられる。第2の順位付け部115は、通信の障害または混雑が発生した中継機を含む中継機20a,20b,20cについて順位付けを行うことができる。この場合、通信の障害または混雑が発生した中継機の順位を最下位とすることができる。代替的に、第2の順位付け部115は、通信の障害または混雑が発生した中継機以外の中継機20a,20b,20cについて順位付けを行ってもよい。
【0024】
第2の順位付け部115は、制御部111から呼び出されると、中継機情報テーブル141および通信状況テーブル146を用いて、図11に示すような第2の順位付けテーブル147を生成する。第2の順位付けテーブル147は、通信装置10との通信接続が確立されている中継機の識別情報と、当該中継機の優先順位と、当該中継機との通信に関するRSSI、ノイズおよびSN比と、当該中継機とのデータ通信において使用される暗号方式が関連付けて登録されるデータテーブルである。なお、第2の順位付けテーブル147の生成時点では、優先順位カラムにはデータが入力されない。
【0025】
第2の順位付け部115は、第2の順位付けテーブル147を生成すると、第2のパラメータであるSN比の大小に基づいて中継機の優先順位を決定し、当該優先順位を第2の順位付けテーブル147に登録する。SN比が同一の場合、第2の順位付け部115は、第1の順位付けテーブル145を参照し、第1のパラメータに基づく優先順位が高い中継機を上位の中継機として順位付ける。
【0026】
転送先変更部116は、通信装置10が受信したデータの転送先を変更するプログラムである。より詳細には、転送先変更部116は、1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合、当該障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、第2の順位付け処理によって得られた順位が最上位の中継機に変更する。例えば、図12に示す例では、IPアドレス「192.168.1.30」で識別される中継機に障害または混雑が発生し、当該中継機に転送されるデータの宛先である子機が、ネットワークアドレス「192.168.1.3」で識別されるネットワークに属し、かつ、IPアドレス「192.168.1.10」で識別される中継機が、第2の順位付け処理によって得られた順位が最上位の中継機である場合を想定している。この場合、転送先変更部116は、ネットワークアドレス「192.168.1.3」に関連する中継機のIPアドレスを、「192.168.1.30」から「192.168.1.10」に変更してルーティングテーブル142を更新する。
【0027】
監視部117は、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生しているか監視するプログラムである。監視部117は、通信接続が確立された中継機に対し、通信接続が維持されていることを確認するためのリクエストを定期的に送信する。監視部117は、当該リクエストの送信先である中継機からレスポンスが無い場合、当該中継機との通信において障害が発生したと判断し、その旨を示す障害発生イベントを制御部111に通知する。障害発生イベントは、当該中継機の識別情報が含まれる。
【0028】
また、監視部117は、PHYチップ120のデータ転送量監視部122が発行する混雑発生イベントを監視する。混雑発生イベントは、特定の周波数帯域を用いた通信において混雑が発生した旨を示すイベントであり、混雑が発生しているチャネルの識別情報が含まれる。監視部117は、混雑発生イベントを検出すると、当該混雑発生イベントを制御部111に通知する。
【0029】
PHYチップ120は、OSI参照モデルの第1層である物理層の処理を実行する半導体集積回路である。PHYチップ120は、CPU110と無線I/F130の間に配置され、データのシリアル化やパラレル化、電気信号のD/A変換、A/D変換、増幅等の処理を行う。また、PHYチップ120は、データ送受信部121と、データ転送量監視部122と、RSSI測定部123と、ノイズ測定部124とを備えている。
【0030】
データ送受信部121は、中継機20a,20b,20cやモデム等の外部装置との間で通信されるデータを送受信する論理回路である。データ送受信部121は、CPU110と無線I/F130の間に配置され、無線I/F130から受信したデータをCPU110に転送し、また、CPU110から受信したデータを無線I/F130に転送する。
【0031】
データ転送量監視部122は、データ送受信部121が単位時間当たりに送受信するデータの転送量を監視する論理回路である。データ転送量監視部122は、無線通信で利用される周波数帯域を構成するチャネル毎に、単位時間当たりのデータ転送量を監視し、当該データ転送量が所定の閾値を超えると、当該周波数帯域を用いた通信において混雑が発生したと判断し、その旨を示す混雑発生イベントを、CPU110の監視部117に送信する。
【0032】
RSSI測定部123は、中継機20a,20b,20cとの通信におけるRSSIを測定する論理回路である。RSSI測定部123は、SN比算出部114から中継機20a,20b,20cの利用するチャネルが指定されたRSSI測定要求を受信すると、当該チャネルのRSSIを測定し、その測定結果であるRSSI測定値をSN比算出部114に提供する。
【0033】
ノイズ測定部124は、中継機20a,20b,20cとの通信におけるノイズを測定する論理回路である。ノイズ測定部124は、SN比算出部114から中継機20a,20b,20cの利用するチャネルが指定されたノイズ測定要求を受信すると、当該チャネルのノイズを測定し、その測定結果であるノイズ測定値をSN比算出部114に提供する。
【0034】
無線I/F130は、PHYチップ120から受信したアナログ信号を、無線を介して中継機20a,20b,20cに送信すると共に、これらの中継機から受信したアナログ信号をPHYチップ120に供給する。
【0035】
記憶装置140は、種々のデータやプログラム、データテーブルが保存される記憶装置であり、ROMやRAMによって構成することができる。記憶装置140には、上述した中継機情報テーブル141、ルーティングテーブル142、中継機および子機情報テーブル143、暗号方式順位テーブル144、第1の順位付けテーブル145、通信状況テーブル146および第2の順位付けテーブル147が構築される。
【0036】
図3は、第1の実施形態に係る通信装置10が有する主要なプログラムを示すブロック図である。通信装置10は、主要なプログラムとして、上述した第1の順位付け部113、第2の順位付け部115、転送先変更部116および監視部117を備える。
【0037】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置10が実行する処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、1または複数の中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に実行される。図4に示す処理は、制御部111が、監視部117から障害発生イベントまたは混雑発生イベントを通知されると、ステップS100から開始する。ステップS101では、制御部111が、ルーティングテーブル142を参照し、通信装置10と通信接続が確立されている中継機を計数する。ステップS102では、制御部111は、ステップS101で計数した中継機の数が1以下であるか否か判断する。すなわち、通信装置10と通信接続が確立されている中継機が1台以下であるか否か判断する。中継機の数が1以下である場合(YES)、ステップS108で処理が終了する。一方、中継機の数が2以上である場合(NO)、ステップS103に処理が進む。
【0038】
ステップS103では、制御部111は、第1の順位付け部113を呼び出し、第1の順位付け部113が、図5を参照して詳述する第1の順位付け処理を実行する。ステップS104では、制御部111は、SN比算出部114を呼び出し、SN比算出部114が、図8を参照して詳述するSN比算出処理を実行する。ステップS105では、制御部111は、第2の順位付け部115を呼び出し、第2の順位付け部115が、図10を参照して詳述する第2の順位付け処理を実行する。ステップS106では、制御部111は、転送先変更部116を呼び出し、転送先変更部116が、第2の順位付けテーブルを参照して最上位の中継機を特定し、ルーティングテーブル142において、障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、当該最上位の中継機に変更する。ステップS107では、制御部111は、中継機および子機情報テーブル143を参照して、障害または混雑に関連する中継機の識別情報に関連付けられている子機の識別情報を特定し、当該子機の識別情報を設定ファイル変更指示に付加し、当該設定ファイル変更指示を当該最上位の中継機に送信し、ステップS108で処理が終了する。
【0039】
図5は、第1の順位付け処理の一実施形態を示すフローチャートである。図5は、ステップS200から開始し、ステップS201で第1の順位付け部113が、中継機情報テーブル141を用いて、第1の順位付けテーブル145を生成する。ステップS202では、第1の順位付け部113は、第1の順位付けテーブル145を参照し、順位付けがされていない1の中継機、すなわち、優先順位が未登録の中継機を選択すると共に、当該中継機が利用する暗号方式を特定する。ステップS203では、第1の順位付け部113は、暗号方式順位テーブル144を参照し、選択した中継機が利用する暗号方式の優先順位を特定する。ステップS204では、第1の順位付け部113は、特定した暗号方式の優先順位を当該中継機の識別情報と関連付けて、第1の順位付けテーブル145に登録する。ステップS205では、第1の順位付け部113は、第1の順位付けテーブル145の優先順位カラムを参照し、全ての中継機の順位付けが終了したか否か判断する。全ての中継機の順位付けが終了していない場合(NO)、ステップS201に処理が戻る。一方、全ての中継機の順位付けが終了した場合(YES)、ステップS206で処理が終了する。
【0040】
図8は、SN比算出処理の一実施形態を示すフローチャートである。図8は、ステップS300から開始し、ステップS301でSN比算出部114が、中継機情報テーブル141を用いて、通信状況テーブル146を生成する。ステップS302では、SN比算出部114は、通信状況テーブル146を参照し、SN比が算出されていない中継機を特定する。ステップS303では、SN比算出部114は、第1の順位付けテーブル145を参照し、SN比が算出されていない中継機のうち、第1の順位付けによる優先順位が最上位の中継機を特定する。ステップS304では、SN比算出部114は、RSSI測定部123に対し、当該最上位の中継機との通信におけるRSSI(dBm)を測定させ、通信状況テーブル146に登録する。ステップS305では、SN比算出部114は、ノイズ測定部124に対し、当該最上位の中継機との通信におけるノイズ(dBm)を測定させ、通信状況テーブル146に登録する。
【0041】
ステップS306では、SN比算出部114は、ステップS304で測定したRSSI(dBm)からステップS305で測定したノイズ(dBm)を減算することにより、当該最上位の中継機との通信に関するSN比(dB)を算出し、通信状況テーブル146に登録する。ステップS307では、SN比算出部114は、通信状況テーブル146を参照し、全ての中継機のSN比を算出したか否か判断する。全ての中継機についてSN比を算出していない場合(NO)、ステップS301に処理が戻る。一方、全ての中継機についてSN比を算出した場合(YES)、ステップS308で処理が終了する。
【0042】
図10は、第2の順位付け処理の一実施形態を示すフローチャートである。図10は、ステップS400から開始し、ステップS401で第2の順位付け部115が、中継機情報テーブル141および通信状況テーブル146を用いて、第2の順位付けテーブル147を生成する。ステップS402では、第2の順位付け部115が、優先順位を規定する変数Xを「1」で初期化する。ステップS403では、第2の順位付け部115は、第2の順位付けテーブル147を参照し、優先順位が未登録の中継機のうちSN比が最大の中継機を特定する。ステップS404では、第2の順位付け部115は、特定した中継機の数が2以上であるか否か判断する。特定した中継機の数が2以上でない場合、すなわち、特定した中継機の数が1の場合(NO)、ステップS406に処理が進む。一方、特定した中継機の数が2以上の場合(YES)、すなわち、SN比が同一の中継機が複数存在する場合、ステップS405に処理が進む。
【0043】
ステップS405では、第2の順位付け部115は、第1の順位付けテーブル145を参照し、第1の順位付け処理に基づく優先順位が高い中継機を特定する。ステップS406では、第2の順位付け部115は、特定した中継機の優先順位として、変数Xの値を第2の順位付けテーブル147に登録する。ステップS407では、第2の順位付け部115は、第2の順位付けテーブル147の優先順位カラムを参照し、全ての中継機について優先順位が登録されているか否か判断することにより、全ての中継機について順位付けが終了したか否か判断する。全ての中継機について順位付けが終了していない場合(NO)、ステップS408に処理が進む。ステップS408では、第2の順位付け部115は、変数Xをインクリメントし、ステップS403に処理が戻る。一方、全ての中継機について順位付けが終了した場合(YES)、ステップS409で処理が終了する。
【0044】
第1の実施形態では、以下の効果を奏する。中継機20a,20b,20cとの通信において障害または混雑が発生した場合、第1の順位付け部113が、第1のパラメータである暗号方式に基づき第1の順位付け処理を実行し、第2の順位付け部115が、第2のパラメータであるSN比に基づき第2の順位付け処理を実行する。そして、転送先変更部116が、ルーティングテーブル142を更新して、障害または混雑に関連する中継機に転送されるデータの転送先を、第2の順位付け処理で得られた順位が最上位の中継機に変更する。これにより、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、通信品質の低下を最大限抑えつつ、通信を維持することができる。
【0045】
また、第2の順位付け部115は、第2のパラメータであるSN比に基づく順位が同一の場合に、第1のパラメータである暗号方式に基づく順位が高い中継機を優先する。これにより、通信接続が確立された複数の中継機のうちの少なくとも1つの中継機との通信において障害または混雑が発生した場合に、通信品質だけでなく、通信速度やセキュリティレベルの低下をも最大限抑えつつ、通信を維持することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、通信装置10は、複数の中継機の順位付けの結果が示された画面を表示装置に表示する表示制御部を備えることができる。より詳細には、表示制御部は、例えば、図11に示すような第2の順位付けテーブルに含まれる情報(中継機識別情報、優先順位、RSSI測定値、ノイズ測定値、SN比、暗号方式等)を表示装置に表示させることができる。当該表示装置は、通信装置10が備える表示装置、通信装置10と通信可能な通信端末(スマートフォンやPC、タグレット型端末等)の表画装置等が考えられる。
【0047】
第2の実施形態では、以下の効果を奏する。表示制御部が、第2の順位付け処理の結果として生成された第2の順位付けテーブルを表示装置に表示する。これにより、ユーザが、通信装置10と通信接続が確立されている中継機を容易に把握できると共に、これらの中継機の優先順位、通信品質および暗号方式を容易に確認することができる。
【0048】
<その他の実施形態>
第1の実施形態では、第1のパラメータとして暗号方式を使用し、第2のパラメータとしてSN比を使用するが、他の実施形態では、第1のパラメータとしてSN比を使用し、第2のパラメータとして暗号方式を使用してもよい。これにより、セキュリティレベルおよび暗号化速度を優先して、通信を維持することができる。
【0049】
また、通信装置10は、ユーザが第1のパラメータおよび第2のパラメータを選択するためのGUI等のインタフェースを提供してもよい。この場合、CPU110は、ユーザ指示を受け付ける入力部を備え、ユーザが指定した第1のパラメータおよび第2のパラメータを受け付ける。第1の順位付け部113および第2の順位付け部115は、それぞれユーザが指定した第1のパラメータおよび第2のパラメータに基づいて順位付け処理を実行する。これにより、ユーザは、自ら選択したパラメータに基づいて中継機の順位付けを行うことができる。
【0050】
さらに、第1のパラメータまたは第2のパラメータとして、チャネル毎の単位時間当たりのデータ転送量を使用してもよい。この場合、第1の順位付け部113または第2の順位付け部115は、データ転送量監視部122からチャネル毎の単位時間当たりのデータ転送量を取得し、それぞれ第1の順位付け処理および第2の順位付け処理を実行する。このとき、第1の順位付け部113および第2の順位付け部115は、当該データ転送量が少ないチャネルを優先する。これにより、周波数帯域を有効に活用して通信の混在を回避することができ、通信を維持することができる。
【0051】
さらに、第3のパラメータとしてチャネル毎の単位時間当たりのデータ転送量を使用してもよい。この場合、第2の順位付け部115は、データ転送量監視部122からチャネル毎の単位時間当たりのデータ転送量を取得し、当該データ転送量に基づいて中継機の順位付けを行う。その結果、優先順位が同じ中継機が存在する場合、第2の順位付け部115は、SN比が大きい中継機を優先することができる。さらに、SN比が同一の場合には、第2の順位付け部115は、暗号方式による順位が高い中継機を優先することができる。これにより、周波数帯域を有効に活用して通信の混在を回避することができると共に、通信品質や通信速度、セキュリティレベルの低下を最大限抑えつつ、通信を維持することができる。
【0052】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに提供することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに提供されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0053】
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 通信装置
20a 中継機
20b 中継機
20c 中継機
100 通信システム
113 第1の順位付け部
115 第2の順位付け部
116 転送先変更部
117 監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12