(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
過去に無線端末と第1アクセスポイントとの接続がユーザによって切断されて前記無線端末の接続先アクセスポイントが前記第1アクセスポイントから前記第1アクセスポイントと同じローカルエリアネットワークに配設された第2アクセスポイントへ切り替えられたときの前記第1アクセスポイントと前記無線端末との相対位置に関し、且つ、前記無線端末と前記第1アクセスポイントとの接続が前記ユーザによって切断されたときに、前記無線端末が前記ローカルエリアネットワーク内に存在しているか否かを確認するために送信された存在確認信号に対する応答信号が受信されたときに保持された、第1切替位置パラメータと、前記第1アクセスポイントに接続されている前記無線端末の現在位置に関する現在位置パラメータとに基づいて、前記無線端末と前記第1アクセスポイントとの接続を継続するか又は切断するかを判定する接続制御部と、
前記存在確認信号を送信する制御を実行する存在確認制御部とを、具備し、
前記第1切替位置パラメータ及び前記現在位置パラメータは、それぞれ、前記第1アクセスポイントを基準として前記無線端末が位置する方向に関する方向パラメータ、及び、前記第1アクセスポイントと前記無線端末との離間距離に関する距離パラメータを含み、
前記接続制御部は、
切断制御実行条件が満たされたときに、前記接続を切断すると判定し、
前記切断制御実行条件は、前記第1切替位置パラメータに含まれる第1方向パラメータが示す第1方向と前記現在位置パラメータに含まれる第2方向パラメータが示す第2方向との為す角度値が第1範囲内に含まれ、且つ、前記第1切替位置パラメータに含まれる第1距離パラメータが示す第1距離が前記現在位置パラメータに含まれる第2距離パラメータが示す第2距離以下である条件を含む、
制御装置。
過去に無線端末と第1アクセスポイントとの接続がユーザによって切断されて前記無線端末の接続先アクセスポイントが前記第1アクセスポイントから前記第1アクセスポイントと同じローカルエリアネットワークに配設された第2アクセスポイントへ切り替えられたときの前記第1アクセスポイントと前記無線端末との相対位置に関し、且つ、前記無線端末と前記第1アクセスポイントとの接続が前記ユーザによって切断されたときに、前記無線端末が前記ローカルエリアネットワーク内に存在しているか否かを確認するために送信された存在確認信号に対する応答信号が受信されたときに保持された、第1切替位置パラメータと、前記第1アクセスポイントに接続されている前記無線端末の現在位置に関する現在位置パラメータとに基づいて、前記無線端末と前記第1アクセスポイントとの接続を継続するか又は切断するかを判定することと、
前記存在確認信号を送信する制御を実行することと、
切断制御実行条件が満たされたときに、前記接続を切断すると判定することと、を含む
処理を、前記第1アクセスポイントに実行させ、
前記第1切替位置パラメータ及び前記現在位置パラメータは、それぞれ、前記第1アクセスポイントを基準として前記無線端末が位置する方向に関する方向パラメータ、及び、前記第1アクセスポイントと前記無線端末との離間距離に関する距離パラメータを含み、
前記切断制御実行条件は、前記第1切替位置パラメータに含まれる第1方向パラメータが示す第1方向と前記現在位置パラメータに含まれる第2方向パラメータが示す第2方向との為す角度値が第1範囲内に含まれ、且つ、前記第1切替位置パラメータに含まれる第1距離パラメータが示す第1距離が前記現在位置パラメータに含まれる第2距離パラメータが示す第2距離以下である条件を含む、
制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
<第1実施形態>
<通信システムの概要>
図1は、第1実施形態の制御装置を有するアクセスポイントを含む通信システムの一例を示す図である。
【0013】
図1において通信システム1は、アクセスポイント10−1,10−2と、無線端末30とを含んでいる。アクセスポイント10−1とアクセスポイント10−2とは、無線又は有線によって接続されており、例えば家庭内に配設された、ローカルエリアネットワーク(LAN)を構成している。また、アクセスポイント10−1,10−2は、LANの外のインターネット(図示せず)と接続されている。なお、アクセスポイント10−1,10−2を総称してアクセスポイント10と呼ぶことができる。ここでは、一例として、LANに配設されている、アクセスポイント10及び無線端末30の数を、それぞれ2つ及び1つとしているが、数はこれに限定されるものではない。
【0014】
無線端末30は、アクセスポイント10−1及びアクセスポイント10−2のいずれか一方と接続することにより、LANに配設されている機器(図示せず)、及び、インターネット(図示せず)と通信することができる。
【0015】
<アクセスポイントの構成例>
図2は、第1実施形態の制御装置を有するアクセスポイントの一例を示すブロック図である。アクセスポイント10−1とアクセスポイント10−2とは同じ構成であるので、アクセスポイント10−1の構成を説明する。
【0016】
図2においてアクセスポイント10−1は、無線通信部11と、制御部(制御装置)12とを有している。
【0017】
無線通信部11は、無線端末30がアクセスポイント10−1に無線接続しているときに、無線端末30との間で無線信号を送信又は受信する。例えば、無線通信部11は、制御部12から受け取る信号に対して送信無線処理を施して得られた無線信号を、アンテナ(図示せず)を介して送信する。また、無線通信部11は、アンテナ(図示せず)を介して受信した無線信号に対して受信無線処理を施して得られた受信信号を制御部12へ出力する。
【0018】
制御部(制御装置)12は、接続制御部12Aを有する。接続制御部12Aは、「切替位置パラメータ(以下では、「第1切替位置パラメータ」と呼ぶことがある)」と、「現在位置パラメータ」とに基づいて、アクセスポイント10−1に無線接続している無線端末30とアクセスポイント10−1との無線接続を継続するか又は切断するかを判定する。ここで、「第1切替位置パラメータ」は、過去に無線端末30とアクセスポイント10−1との無線接続がユーザによって切断されて無線端末30の接続先アクセスポイントがアクセスポイント10−1からアクセスポイント10−2へ切り替えられたときのアクセスポイント10−1と無線端末30との相対位置に関するパラメータである。また、「現在位置パラメータ」は、アクセスポイント10−1に無線接続されている無線端末30の現在位置に関するパラメータである。
【0019】
この制御部(制御装置)12の構成により、第1切替位置パラメータが示す無線端末30とアクセスポイント10−1との相対位置と、現在位置パラメータが示す無線端末30とアクセスポイント10−1との相対位置とが例えば同じ又はそれらの差が所定範囲内である場合には、アクセスポイント10−1と無線端末30との無線接続を自動的に切断することができる。これにより、制御部(制御装置)12は、無線端末30に対して、アクセスポイント10−2への無線接続を促すことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
<第2実施形態>
第2実施形態は、より具体的な実施形態に関する。第2実施形態の通信システムの基本構成は、第1実施形態の通信システム1と同じであり、
図1におけるアクセスポイント10−1,10−2の代わりに、後述するアクセスポイント50(50−1,50−2)とすればよい。
【0021】
<アクセスポイントの構成例>
図3は、第2実施形態の制御装置を有するアクセスポイントの一例を示すブロック図である。アクセスポイント50−1とアクセスポイント50−2とは同じ構成であるので、アクセスポイント50−1の構成を説明する。ここで、図示していないが、アクセスポイント50−1,50−2は、それぞれ、複数のアンテナを有していることを前提に説明する。
【0022】
図3においてアクセスポイント50−1は、無線通信部11と、制御部(制御装置)51と、LAN通信部52とを有している。
【0023】
無線通信部11は、第1実施形態の無線通信部11と同様に、無線端末30がアクセスポイント50−1に無線接続しているときに、無線端末30との間で無線信号を送信又は受信する。例えば、無線通信部11は、制御部51から受け取る信号に対して送信無線処理を施して得られた無線信号を、アンテナ(図示せず)を介して送信する。また、無線通信部11は、アンテナ(図示せず)を介して受信した無線信号に対して受信無線処理を施して得られた受信信号を制御部51へ出力する。
【0024】
また、無線通信部11は、無線端末30から送信された信号を受信したときの電波強度(例えば、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を所定周期で測定する。
【0025】
また、無線通信部11は、例えばアクセスポイント50−1と無線端末30との間の通信品質に応じて通信レート(例えば、MCS:Modulation and Coding Scheme)を変えながら、無線端末30との間で通信する。
【0026】
LAN通信部52は、アクセスポイント50−1を含むLANに配設されている他のアクセスポイント(つまり、アクセスポイント50−2)との間で有線又は無線を介して通信する。例えば、アクセスポイント50−2に無線端末30が新たに無線接続した場合、アクセスポイント50−2が「ARP(Address Resolution Protocol)信号」をLANに送出するので、LAN通信部52は、そのARP信号を受信する。このARP信号によって、後述するように、制御部51は、アクセスポイント50−2に新たに無線接続した無線端末30の新しいIPアドレスを取得することができる。
【0027】
制御部(制御装置)51は、取得部51Aと、存在確認制御部51Bと、テーブル管理部51Cと、記憶部51Dと、接続制御部51Eとを有している。
【0028】
取得部51Aは、無線通信部11及び複数のアンテナ(図示せず)を介して、サウンディングフレームを所定周期で無線送信する。このサウンディングフレームを受信した無線端末30は、各アンテナ(図示せず)で受信したサウンディングフレームの振幅及び位相に関する情報(つまり、チャネル状態情報:CSI(Channel State Information))をアクセスポイント50−1へ送信してくる。そして、取得部51Aは、アンテナ(図示せず)及び無線通信部11を介して、チャネル状態情報を取得する。そして、取得部51Aは、最後に(つまり、直近に)取得したチャネル状態情報を保持する。なお、このチャネル状態情報は、送信ビームフォーミングを行う際にも用いられる。
【0029】
また、取得部51Aは、無線通信部11から電波強度に関する情報を所定周期で取得する。そして、取得部51Aは、最後に(つまり、直近に)取得した電波強度に関する情報を保持する。
【0030】
また、取得部51Aは、無線通信部11から通信レートに関する情報を所定周期で取得する。そして、取得部51Aは、最後に(つまり、直近に)取得した通信レートに関する情報を保持する。
【0031】
存在確認制御部51Bは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断されたときに、無線端末30がLAN内に存在しているか否かを確認するための「存在確認信号」を無線通信部11に送信させる制御を実行する。存在確認信号は、アクセスポイント50−1と接続していたときの無線端末30のIPアドレス又はその切断タイミングより後にアクセスポイント50−2から送信されてきたARP信号が示すIPアドレスを含んでいる。無線端末30は、LAN内に存在する場合、この存在確認信号を受信して該存在確認信号に対する応答信号を送信する。このため、アクセスポイント50−1は、該応答信号を受信したかしないかによって、無線端末30がLAN内に存在しているか否かを判断することができる。存在確認信号としては、Ping又はARPパケットが用いられてもよい。そして、存在確認制御部51Bは、無線端末30がLAN内に存在しているか否かを示す存在通知情報をテーブル管理部51Cへ出力する。
【0032】
テーブル管理部51Cは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断されたときに、記憶部51Dに記憶されている「端末情報テーブル」を更新する。例えば、テーブル管理部51Cは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断されたときに、取得部51Aが保持している、電波強度、通信レート、及びチャネル状態情報を取得する。また、テーブル管理部51Cは、その無線接続が切断されたときに、接続制御部51Eからその無線接続が切断される前に用いられていた無線端末30のIPアドレス及びMACアドレス、又はその無線接続の切断タイミングより後にアクセスポイント50−2から送信されたARP信号が示すIPアドレスを取得する。また、テーブル管理部51Cは、その無線接続が切断されたときに、存在確認制御部51Bから、無線端末30がLAN内に存在しているか否かを示す存在通知情報を取得する。また、テーブル管理部51Cは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断されたときの時刻(切断時刻)を取得する。
【0033】
このように取得した情報を用いて、テーブル管理部51Cは、「端末情報テーブル」を更新する。
図4は、第2実施形態の端末情報テーブルの一例を示す図である。
図4において端末情報テーブルは、項目として、「電波強度(RSSI)」、「通信レート(MCS)」、「切断時の位相データ」、「IPアドレス」、「再接続OK」、及び「切断時間」を含んでいる。これらの項目のうち、「切断時の位相データ」は、上記のチャネル状態情報に対応し、「切断時間」は、上記の切断時刻に対応する。また、「再接続OK」の項目には、上記の存在通知情報がLAN内に無線端末30が存在していることを示す場合、「OK」が入力され、上記の存在通知情報がLAN内に無線端末30が存在していないことを示す場合、「NG」が入力される。ここで、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断された後にも無線端末30がLAN内に存在する場合、ユーザが無線端末30をアクセスポイント50−2に無線接続させるために、切断したと判断できる。このため、「再接続OK」の項目には、「OK」が入力される。
図4における各エントリは、MACアドレス(つまり、端末識別子)に対応する無線端末30とアクセスポイント50−1との無線接続が切断されたときに追加されたものである。
図4の端末情報テーブルには、複数種類のMACアドレスが記憶されているので、異なる複数の無線端末30に対応する複数のエントリが記憶されている。
【0034】
記憶部51Dは、上記の端末情報テーブルを記憶している。
【0035】
接続制御部51Eは、「切断制御実行条件」が満たされたときに、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を自動的に切断すると判定する。「切断制御実行条件」は、例えば「第1条件」及び「第2条件」の両方が満たされることである。「第1条件」は、例えば、「第1切替位置パラメータ」に含まれる「第1方向パラメータ」が示す「第1方向」と「現在位置パラメータ」に含まれる「第2方向パラメータ」が示す「第2方向」との成す角度値が「第1範囲」内に含まれる、ことである。また、「第2条件」は、例えば、「第1切替位置パラメータ」に含まれる「第1距離パラメータ」が示す「第1距離」が「現在位置パラメータ」に含まれる「第2距離パラメータ」が示す「第2距離」以下である、ことである。
【0036】
上記の通り、「第1切替位置パラメータ」は、過去に無線端末30とアクセスポイント10−1との無線接続がユーザによって切断されて無線端末30の接続先アクセスポイントがアクセスポイント50−1からアクセスポイント50−2へ切り替えられたときのアクセスポイント50−1と無線端末30との相対位置に関するパラメータである。また、「第1方向パラメータ」は、アクセスポイント50−1を基準として無線端末30が位置する方向に関するパラメータである。具体的には、「第1方向パラメータ」は、「端末情報テーブル」に記憶されている「チャネル状態情報」に対応する。また、「第1距離パラメータ」は、無線端末30とアクセスポイント10−1との離間距離に関するパラメータである。具体的には、「第1距離パラメータ」は、「端末情報テーブル」に記憶されている電波強度及び通信レートに対応する。
【0037】
また、上記の通り、「現在位置パラメータ」は、アクセスポイント50−1に無線接続されている無線端末30の現在位置に関するパラメータである。また、「第2方向パラメータ」は、具体的には、現在(つまり、「切断制御実行条件」が満たされているか否かを判定するタイミングにて)、取得部51Aによって保持されている、チャネル状態情報である。また、「第2距離パラメータ」は、具体的には、現在(つまり、「切断制御実行条件」が満たされているか否かを判定するタイミングにて)、取得部51Aによって保持されている、電波強度及び通信レートである。
【0038】
すなわち、「切断制御実行条件」が満たされることは、過去に無線端末30とアクセスポイント10−1との無線接続がユーザによって切断された位置又はその付近に、現在無線端末30が位置していることを意味している。これにより、無線端末30がアクセスポイント50−1及びアクセスポイント50−2の両方に接続可能な場所に位置している場合でも、ユーザによる過去のアクセスポイントの切替実績に基づいて自動的にアクセスポイント50−1との無線接続を切断できる。これにより、ユーザによって無線端末30が無線接続されたアクセスポイント50−2へ無線端末30が自動的に無線接続することを促すことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0039】
ここで、「切断制御実行条件」に用いられる「第1切替位置パラメータ」は、端末情報テーブルの項目「再接続OK」が「OK」であるものに限定されてもよい。すなわち、端末情報テーブルの項目「再接続OK」が「NG」であるエントリは、「切断制御実行条件」に用いられる「第1切替位置パラメータ」から除外されてもよい。これは、項目「再接続OK」が「NG」のエントリに対応する無線端末30の位置及び方向は、無線端末30がLANのエリアからいなくなったためにアクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続が切断された位置及び方向であると考えられるためである。
【0040】
<アクセスポイントの動作例>
以上の構成を有するアクセスポイント50−1の処理動作の一例について説明する。
【0041】
〈端末情報テーブルの更新処理〉
図5は、第2実施形態の端末情報テーブルの更新処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、第2実施形態の通信システムの一例を示す図である。
【0042】
図6に示すように、アクセスポイント50−1は、建物の1階に配設され、アクセスポイント50−2は、2階に配設されている。ユーザは、例えば、無線端末30とアクセスポイント50−1とが無線接続している状態で無線端末30を持って2階に移動すると、無線端末30とアクセスポイント50−2とを無線接続させるために、無線端末30とアクセスポイント50−1との無線接続を切断する。このように無線端末30とアクセスポイント50−1との無線接続がユーザによって切断されたときに、
図5のフローチャートがスタートする。
【0043】
テーブル管理部51Cは、取得部51Aから、電波強度、通信レート、及びチャネル状態情報を取得する(ステップS101)。
【0044】
存在確認制御部51Bは、ARPを監視し(ステップS102)、ARPに含まれるIPアドレスが新規であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0045】
ARPに含まれるIPアドレスが新規である場合(ステップS103YES)、存在確認制御部51Bは、新規のIPアドレスを含む存在確認信号を送信する(ステップS104)。
【0046】
ARPに含まれるIPアドレスが新規でない場合(ステップS103NO)、存在確認制御部51Bは、無線接続切断前のIPアドレスを含む存在確認信号を送信する(ステップS105)。
【0047】
存在確認制御部51Bは、無線接続が切断された無線端末30のMACアドレスを含む応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS106)。
【0048】
無線接続が切断された無線端末30のMACアドレスを含む応答信号を受信しない場合(ステップS106NO)、テーブル管理部51Cは、LANから移動した無線端末として該無線端末の情報を端末情報テーブルに記録する(ステップS107)。すなわち、このときのエントリの項目「再接続OK」には「NG」が入力される。
【0049】
無線接続が切断された無線端末30のMACアドレスを含む応答信号を受信した場合(ステップS106YES)、テーブル管理部51Cは、LAN内に引き続き存在する無線端末として該無線端末の情報を端末情報テーブルに記録する(ステップS108)。すなわち、このときのエントリの項目「再接続OK」には「OK」が入力される。
図6の例では、項目「再接続OK」には「OK」が入力されることになる。
【0050】
このようにして
図4に示したような端末情報テーブルが作成される。
【0051】
〈切断制御処理〉
図7は、第2実施形態の切断制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7のフローチャートは、アクセスポイント50−1と無線接続する無線端末30が現れると、その無線端末30を判定対象の無線端末としてスタートする。そして、判定対象の無線端末30がアクセスポイント50−1と無線接続している間、
図7のフローは繰り返し実行される。
【0052】
接続制御部51Eは、判定対象の無線端末30が通信中であるか否か、つまり、アクセスポイント50−1と無線端末30との間でデータを伝送しているか否かを判定する(ステップS201)。
【0053】
判定対象の無線端末30が通信中である場合(ステップS201YES)、接続制御部51Eは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を継続する(ステップS202)。
【0054】
判定対象の無線端末30が通信中でない場合、(ステップS201NO)、接続制御部51Eは、判定対象の無線端末30についてのエントリが端末情報テーブルに含まれているか否かを判定する(ステップS203)。判定対象の無線端末30についてのエントリは、判定対象の無線端末30のMACアドレスを含むエントリである。
【0055】
判定対象の無線端末30についてのエントリが端末情報テーブルに含まれていない場合(ステップS203NO)、接続制御部51Eは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を継続する(ステップS202)。
【0056】
判定対象の無線端末30についてのエントリが端末情報テーブルに含まれている場合(ステップS203YES)、接続制御部51Eは、「切断制御実行条件」が満たされているか否かを判定する(ステップS204)。
【0057】
「切断制御実行条件」が満たされていない場合(ステップS204NO)、接続制御部51Eは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を継続する(ステップS202)。
【0058】
「切断制御実行条件」が満たされている場合(ステップS204YES)、接続制御部51Eは、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を切断する(ステップS205)。
【0059】
ここで、
図7のフローでは、
図8に示すように端末情報テーブルのエントリのうちで、判定対象の無線端末30のエントリであり且つ項目「再接続OK」に「OK」が入力されているエントリが用いられる。そして、
図8に示すようにそのようなエントリが複数存在する場合には、「第1距離パラメータ」として、例えば、電波強度の最大値及び通信レートの最大値が用いられてもよい。すなわち、
図8に示す例では、「第1距離パラメータ」として、電波強度「28」及び通信レート「4」が用いられる。また、「第1方向パラメータ」が示す「第1方向」としては、例えば、そのような複数のエントリ(
図8では3つ)のチャネル状態情報がそれぞれ示す複数の方向の平均が用いられてもよい。
図8は、第2実施形態の切断制御の一例の説明に供する図である。
【0060】
以上で説明したように、
図6のような状況で無線接続がユーザによって切断されたときに
図5,7のフローが実行されると、無線端末30が
図9に示す「位相A」で表す位置及び「位相A’」で表す位置に移動したときには、「切断制御」が実行されることになる。一方、無線端末30が「位相B」で表す位置、「位相C」で表す位置、及び「位相D」で表す位置に移動したときには、「切断制御」は実行されない。ただし、「位相D」で表す位置に無線端末30が移動したときには、LANの外に位置することになるため、上記の切断制御とは関係無く、無線接続が切断されることになる。
図9は、第2実施形態の切断制御の一例の説明に供する図である。
【0061】
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態で説明した端末情報テーブルにおける項目「再接続OK」に「NG」が入力されているエントリを用いた、切断制御に関する。第3実施形態のアクセスポイントの基本構成は、第2実施形態のアクセスポイント50の基本構成と同じなので、
図3を参照して説明する。
【0062】
第3実施形態のアクセスポイント50−1の接続制御部51Eは、「切替位置パラメータ(以下では、「第2切替位置パラメータ」と呼ぶことがある)」及び「切替時刻」と、「現在位置パラメータ」及び「現在時刻」とに基づいて、アクセスポイント50−1に無線接続している無線端末30とアクセスポイント50−1との無線接続を継続するか又は切断するかを判定する。「第2切替位置パラメータ」は、過去に無線端末30とアクセスポイント50−1との接続がユーザによって切断されて無線端末30がローカルエリアネットワークに接続されていない状態になったときのアクセスポイント50−1と無線端末30との相対位置に関するパラメータである。すなわち、「第2切替位置パラメータ」は、端末状態テーブルのエントリのうちで、項目「再接続OK」に「NG」が入力されているエントリに対応する。
【0063】
例えば、接続制御部51Eは、第3実施形態の「切断制御実行条件」が満たされたときに、アクセスポイント50−1と無線端末30との無線接続を自動的に切断すると判定する。第3実施形態の「切断制御実行条件」は、「第3条件」及び「第4条件」の両方が満たされることである。「第3条件」は、「第2切替位置パラメータ」に含まれる「距離パラメータ(第3距離パラメータ)」が「第2距離パラメータ」よりも小さいことである。「第4条件」は、切替時刻を含む時間帯に現在時刻が含まれることである。すなわち、第3実施形態の切断制御では、「第2切替位置パラメータ」のうちの「方向パラメータ」は用いられずに「第3距離パラメータ」が用いられる。
【0064】
ここで、
図10に示すように、判定対象の無線端末30のエントリであり且つ項目「再接続OK」に「NG」が入力されているエントリが複数存在する場合、「第3距離パラメータ」として、例えば、電波強度の最小値及び通信レートの最小値が用いられてもよい。すなわち、
図10に示す例では、「第3距離パラメータ」として、電波強度「10」及び通信レート「2」が用いられる。また、「切替時刻」を含む時間帯としては、
図10に示す例では10時台が最も多いので、「10時台」を用いてもよい。
図10は、第3実施形態の切断制御の一例の説明に供する図である。
【0065】
ところで、ユーザの行動パターン(特に、外出パターン)は、「距離パラメータ」及び「時刻」によってパターン化することができる。このため、第3実施形態の「切断制御実行条件」を用いることによって、ユーザが特定の行動パターン(例えば、外出パターン)を取ったと判定されるときに、自動的に無線端末30とアクセスポイント50−1との無線接続を切断することができる。これにより、無線端末30の消費電力を低減させることができる。
【0066】
<他の実施形態>
図11は、制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
図11において制御装置100は、プロセッサ101と、メモリ102とを有している。第1実施形態から第3実施形態の制御部(制御装置)12,51の接続制御部12A,51Eと、取得部51Aと、存在確認制御部51Bと、テーブル管理部51Cとは、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、制御部(制御装置)12,51に供給することができる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によって制御部(制御装置)12,51に供給されてもよい。
【0067】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。