【実施例】
【0016】
次に、本発明の実施例について説明する。
図2は、本発明の実施例に係る評価情報生成システムの構成を示す図である。評価情報生成システムは、車載装置100と、インターネット等のネットワークNWを介して車載装置100に接続されたクラウドサーバ200とを含んで構成される。車載装置100は、車内の搭乗者の会話内容から施設等の評判情報を収集する機能を有する。他方、サーバ200は、複数の車載装置100、100−1、100−2と連携し、車載装置100から送信される会話情報等を分析し、施設等の評価情報を生成し、評価情報データベースに登録する。評価情報データベースに、SNS等の分析結果を含ませることも可能である。また、サーバ200は、車載装置100からレコメンド情報のリクエストがあったとき、評価情報データベースを活用してユーザーの嗜好に応じた施設等のレコメンド情報をユーザーに提供する。
【0017】
図3に、車載装置100の内部の構成を示す。車載装置100は、同図に示すように、ユーザーからの指示を受け取る入力部110、搭乗者の会話音声を入力し、入力された音声データの音声認識を行う音声認識モジュール120、GPS衛星から送信されるGPS信号や自立航法センサ等に基づき自車位置を検出し、検出された自車位置周辺の道路案内や目的地までの経路案内を行うナビゲーション部130、車両の動作に関する情報を取得する車両情報取得部140、外部とのデータ通信を可能にする通信部150、音声を出力する音声出力部160、ナビゲーション部130による道路地図等を表示する表示部170、車載装置100に必要なデータやソフトウエア等を記憶する記憶部180、各部を制御する制御部190を含んで構成される。なお、ここに示す車載装置の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、車載装置100は、音声データやビデオデータを再生するような機能を備えるものであってもよい。
【0018】
入力部110は、タッチパネル、リモコン、キー等の入力手段に加え、音声を入力するためのマイクロフォンを含む。マイクロフォンから入力された音声は、電気信号に変換された音声データとして音声認識モジュール120へ提供される。音声認識モジュール120は、入力された音声データの認識処理を行い、音声データをテキストデータ等に変換する。
【0019】
ナビゲーション部130は、GPS信号等に基づき自車位置を検出し、自車位置周辺の地図データを記憶部180から読出し、表示部170に表示させる。また、ナビゲーション部130は、ユーザーにより目的地や立ち寄り地が設定されると、現在地または指定された位置から目的地等までのルートを探索し、探索されたルートの案内を行う。さらに、ナビゲーション部130は、ユーザーからの施設等の検索の指示を受けると、地図データベースを参照し、施設等を検索する。後述するように、施設等の検索が行われるとき、ナビゲーション部130は、サーバ200から施設等のレコメンド情報を取得し、取得したレコメンド情報を道路地図上に表示させることができる。
【0020】
ナビゲーション部130が利用する地図データベースには、道路情報(リンク)、交差点情報(ノード)、POI情報(施設情報)等が含まれる。POI情報には、施設の名称、施設の位置、施設のジャンル(またはカテゴリー)などが含まれ、各施設には、POIID(識別)が付与されている。さらに地図データベースには、POIジャンル毎の評判キーワード辞書群が関連して記憶される。この詳細は、後述する。
【0021】
車両情報取得部140は、例えば、車内バス等に接続され、車両に関する情報(車速パルス情報、パーキングブレーキ情報、ステアリング情報など)を取得する。通信部150は、例えば、無線LAN、有線LAN、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、公衆無線回線網等を介して外部機器あるいは外部ネットワーク等との通信を可能にする。
【0022】
記憶部180は、車載装置100にとって必要なデータ(例えば、地図データベース)やソフトウエア等を記憶する。制御部190は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等を含み、ROMまたはRAMは、車載装置100の動作を制御するためのプログラムを格納する。本実施例では、制御部190は、評価情報生成システムの一部を担う評判情報収集プログラムを実行する。この評判情報収集プログラムは、車内の搭乗者の会話を収集し、収集した会話情報に評判情報が含まれていれば、会話情報をPOIIDとセットでサーバ200へ送信する。
【0023】
図4に、本実施例の評判情報収集プログラム300の機能的な構成を示す。評判情報収集プログラム300は、立ち寄り施設推定部310、集音開始部320、集音終了部330、集音会話解析部340およびサーバ送信判定部350を含む。
【0024】
立ち寄り施設推定部310は、ナビゲーション部130においてユーザーにより設定された目的地や経由地の情報、車両情報取得部140で取得された車両の停車時間、自車位置等から、立ち寄ったとされる施設を推定し、地図データベースに格納された施設情報(POI)と照合する。例えば、
図5に示すように、目的地として「施設A」が設定され、自車Mが施設Aの近傍で停車すると(車速が一定値以下あるいはパーキングブレーキがオン)、立ち寄り施設推定部310は、地図データベースを参照し、自車の停止位置近傍の施設を抽出し、抽出された施設と「施設A」とを照合し、両者が一致した場合、「施設A」の推定が有効であると判定する。
【0025】
集音開始部320は、立ち寄り施設推定部310により施設が推定されると、入力部110のマイクロフォンを介した集音を開始させる。
図5の例では、「施設A」の推定が行われた時刻Tsが集音の開始時である。集音が開始されると、マイクロフォンから出力された音声データが音声認識モジュール120に提供され、音声認識モジュール120は、音声データを認識処理し、テキストデータを生成する。生成されたテキストデータは、バッファメモリ等に順次蓄積される。
【0026】
集音終了部330は、自車位置が推定された立ち寄り施設から一定距離離れたとき、集音を終了させる。つまり、マイクロフォンへの音声入力を停止させるか、あるいは音声認識モジュール120への音声データの入力を停止させる。
図5の例では、集音終了部330は、「施設A」から一定距離離れた時刻Teのときに、集音を終了させる。こうして、時刻Tsから時刻Teの一定の時間期間、車内の搭乗者の会話情報が抽出される。
【0027】
会話情報解析部340は、時刻TsからTeの間に集音された会話情報(テキストデータ)を、評判キーワード辞書群を用いて解析する。評判キーワード辞書群は、例えば、地図データベースの施設情報に関連して用意される。評判キーワード辞書群は、好ましくは、施設のジャンル毎にその評判を表したキーワード群を格納している。施設のジャンルは、例えば、レストラン、娯楽施設、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、宿泊施設などであり、これらのジャンル毎に、評判を表すようなキーワード群が登録されている。例えば、レストランに関する評判であれば、「美味しい」、「まずい」、「辛い」などであり、娯楽施設に関する評判でれば、「面白い」、「つまらない」、「危険」などであり、コンビニエンスストアの評判であれば、「便利」、「安い」、「高い」などである。
図6に、評判キーワード辞書群の一例を示す。
【0028】
会話情報解析部340は、立ち寄り施設推定部310によって推定された施設のジャンルに対応するジャンルを検索子として評判キーワード辞書群を検索し、そこから評判キーワードを読出し、読出した評判キーワードと、会話情報であるテキストデータとを比較し、会話情報内に評判キーワードが含まれているか否かを解析する。その解析結果は、サーバ送信判定部350へ提供される。
【0029】
サーバ送信判定部350は、会話情報解析部340の解析結果に基づき、集音された会話情報(テキストデータ)を、サーバ200へ送信するか否かを判定する。つまり、会話情報に評判キーワードが含まれている場合には、サーバ送信判定部350は、会話情報をサーバ200へ送信すると判定し、評判キーワードが含まれていない場合には、会話情報をサーバ200へ送信しないと判定する。後者の判定の場合、会話情報は破棄される。
【0030】
図7に、会話情報解析部340とサーバ送信判定部350の動作フローを示す。搭乗者の会話の集音が終了すると、会話情報解析部340は、立ち寄り施設推定部310により推定された施設のジャンルに対応するジャンルの評判キーワードを評判キーワード辞書群から読み出す(S100)。次に、会話内容に評判キーワードが含まれているか否かを判定し(S102)、含まれていれば、会話情報をサーバへ送信すると判定し(S104)、施設のPOIIDと会話情報をセットでサーバ200に送信する(S106)。他方、会話情報に評判キーワードが含まれていなければ、会話情報をサーバに送信しないと判定し(S108)、会話情報を破棄する。
【0031】
サーバ200は、車載装置100からPOIIDと会話情報のセットを受け取ると、当該施設が提供するサービスまたは商品についての評価情報、または施設そのものの評価情報を自動的に生成する。サーバ200は、連続した会話の文脈を推定し、会話の主語がない場合にはその主語を補完し、施設の商品やサービスに関する評価情報の生成を可能にする。
【0032】
図8(A)に、サーバ200の構成例を示す。サーバ200は、通信部210、制御部220および記憶部230を含む。通信部210は、インターネット等のネットワークを介して車載装置100との通信を可能にする。制御部220は、評価情報生成システムの全体を制御し、例えば、車載装置100からのPOIIDと会話情報とを受け取ると、当該施設等についての評価情報を生成する。記憶部230は、評価情報生成システムに必要なデータやソフトウエア等を記憶し、また、制御部220によって生成された評価情報を登録する評価情報データベースを格納する。
【0033】
図8(B)は、制御部220により実行される評価情報生成プログラムの機能的な構成を示す図である。評価情報生成プログラム240は、車載装置100から送信された会話情報およびPOIIDを取得する会話情報取得部242と、取得された会話情報およびPOIIDに基づき施設等の評価情報を生成する評価情報生成部244と、生成された評価情報を評価情報データベースに登録する評価情報登録部246とを含む。
【0034】
施設立ち寄り後の会話内容に評判を表す評判キーワードが存在するが、会話内容に施設名が含まれていない場合、その施設に対する評判を話している可能性が高いが、その精度を高めるため、評価情報生成部244は、以下の判定処理を行う。
【0035】
(1)主語補完
連続した会話の場合、それらの文脈を推定し、会話の主語を補完する技術が存在する。このような技術を利用し、前後の文脈から会話文の主語を推定し、主語を補完する。
例えば、
図1に示す会話には、主語が存在しない。
この会話において、主語を補完すると次のようになる。なお、“ ”は、補完した主語であり、下線は、評判キーワードである。
「ハンバーグ“は”どうだった?“ハンバーグは”美味しかった。
また“ハンバーグ”を食べにこようね。うん。」
【0036】
(2)時制判断による採否判断
評判キーワードを含む文章が、現在時刻より過去や未来の時制を含む場合、評価の対象外とする。ある実施態様として、時間帯毎に評価対象外の時制単語を登録した辞書を用意し、会話情報が当該辞書の時制単語を含む場合には、評価の対象外とする。例えば、11時〜15時の時間帯の辞書例として、「昨年、昨日、昨晩、今朝、こないだ、今夜、明日、・・・」の時制単語を用意する。車載装置100から取得した会話情報の時間が11〜15時であるとき、上記辞書に登録された時制単語が会話内容に含まれている場合には、評判キーワードは立ち寄り施設に関するものではないと推測されるため、評価の対象外とする。
【0037】
(3)評価対象辞書による採否判断
(1)の主語補完処理により、評判キーワードに対する補完された主語が、レコメンド対象となる施設の商品またはサービスに該当すれば、会話情報を有効な評判情報として採用する。ある実施態様では、評判キーワード毎に、レコメンド対象となる施設の商品またはサービスとの関係を規定した評価対象辞書を作成する。
図10に、評価対象辞書の一例を示す。例えば、「美味しい」に対するレコメンド対象の商品またはサービスは、「ハンバーグ」、「とんこつラーメン」、「ナポリタン」、「ステーキ」等の料理名が規定される。また、「高い」に対するレコメンド対象となる施設の商品またはサービスは、「値段」、「価格」、「お金」、「金額」等の価格を表す単語が規定される。
【0038】
(4)主語が修飾されている場合の採否判断
(3)における主語が(〜の)で修飾されている場合、対象施設名や時制以外で修飾されている場合、評価の対象外とする。対象施設名は、会話情報とともに送信されてきたPOIIDにより特定される。また、この時制は、(2)の時制辞書に該当しない時制である。
例えば、立ち寄った施設名が、ABCグルメであるとする。
対象外とならないもの(施設名や時制により修飾)
ABCグリル「の」ハンバーグ
今日「の」ハンバーグ
さっき「の」ハンバーグ
対象外となるもの
○○軒のハンバーグ
△△のハンバーグ
【0039】
(5)施設全体の評判情報としての判断
主語が存在しなかった場合、または対象施設名が主語であった場合、施設全体の評価情報とする。
【0040】
評価情報生成部244は、上記のように会話情報の主語を補完し、その会話情報を評価情報に採用するか否かを判定する。評価情報登録部246は、この判定結果に応じて、評価情報と判定された会話情報を評価情報データベースに登録する。
【0041】
図9は、評価情報生成プログラム240の動作を説明するフローである。先ず、評価情報生成部244は、車載装置100から取得した評判キーワードを含む会話情報(テキストデータ)の主語を補完する(S200)。主語が補完された会話の文章に、過去・未来の時制が含まれているか否かを判定し(S202)、含まれていれば、その会話情報は、評価対象外とする(S220)。
【0042】
文章に過去・未来の時制が含まれていない場合には、主語が評価対象辞書に含まれているか否かを判定する(S204)。主語が評価対象辞書に含まれていない場合には、その会話情報は、対象施設全体の評価情報として登録する(S214)。他方、主語が評価対象辞書に含まれている場合には、さらに、主語が「の」で修飾されているか否かを判定し(S208)、「の」で修飾されていなければ、対象施設内の商品やサービスの評価情報として登録する(S212)。「の」で修飾されている場合には、さらに修飾されている単語が施設対象名か時制かを判定する(S210)。修飾されている単語が施設対象名または時制である場合には、対象施設内の商品やサービスの評価情報として登録する(S212)。それ以外は、評価対象外とする(S220)。
【0043】
図11に、評価情報生成部244による評価情報の採否判断例を示す。
下線:レストランのジャンルに登録された評判キーワード
“ ”:美味しいの評価対象辞書に含まれる単語
「 」:時制を表す用語
立ち寄った施設:ABCグリル
立ち寄り時刻:13:00
【0044】
次に、評価情報登録部246の詳細について説明する。評価情報登録部246は、個人キーおよびPOIIDと関連付けして評価情報を、評価情報データベースに登録する。上記したように、評判キーワードを修飾する主語が、施設が提供する商品やサービスに該当する場合には、その主語と評判キーワードとが評価情報として登録され、主語が存在しない場合または施設が主語である場合には、評判キーワードが施設全体を表す評価情報として登録される。
図12に、評価情報データベースの一例を示す。例えば、POIIDが「100」の評価情報は、レストランが提供する商品またはサービスとして、「ハンバーグ」が「美味しい」、「サラダ」が「美味しくない」を含み、また、レストラン全体の評価情報は、「味が濃い」を含む。評価情報データベースのPOIIDは、車載装置100がレコメンド情報として施設を表示するときのキーとなる。また、評価情報データベースは、例えば、ジャンル毎に評価情報を登録し、ジャンル毎に絞り込みが検索ができるようにしてもよい。
【0045】
サーバ200の制御部220はさらに、評価情報データベース(
図12)に基づきレコメンド情報をユーザーに提供するレコメンド情報提供プログラムを実行する。レコメンド情報提供プログラムは、車載装置100からのリクエストに応答して、評価情報データベースの個人キーまたは評価情報を検索キーとしてレコメンドする施設を検索し、検索された施設のPOIIDと評価情報を車載装置へ提供する。
【0046】
図13は、車載装置からレコメンド情報のリクエストがあったときのシステムの動作を説明する図である。例えば、ナビゲーション部130において施設の検索が行われるとき(S300)、ナビゲーション部130は、レコメンド情報のリクエストを作成し(S302)、このリクエストをサーバ200に送信する。リクエストの送信は、自動的に成されてもよいし、ユーザー操作により決定されてもよい。また、リクエストには、ユーザーの嗜好を含めることができ、例えば、ユーザーは、「肉の美味しい施設」をリクエストすることができる。ユーザーの嗜好は、例えば、予め用意された嗜好リストの中から選択できるようにしてもよい。
【0047】
サーバ200がレコメンド情報のリクエストを受け取ると、レコメンド情報提供プログラムが実行される(S304)。レコメンド情報提供プログラムは、ユーザーのリクエストに嗜好が含まれている場合には、評価情報データベースの個人キーを使用せず、評価情報を解析し、嗜好に該当する評価情報をもつ施設の評価ポイントを集計する。例えば、ユーザーから「肉の美味しい施設」のリクエストがあった場合、レコメンド情報提供プログラムは、評価情報データベースの評価情報の中から「肉」に関連する評価情報を選択し、施設毎の合計を計算する。この場合、同一の施設において、「肉が美味しい」と「肉がおいしくない」という相反する評価情報が存在する場合、その比率の高い方をその施設の評価情報とする。こうして、
図14に示すように、肉が美味しいという評価の合計が評価ポイントとなり、肉の美味しい施設の評価ランキングが得られる。
【0048】
レコメンド情報提供プログラムは、評価ランキングが一定以上の施設、または評価ポイントが一定以上の施設を選択し、選択された施設のPOIIDとその評価情報をレコメンド情報として車載装置100へ送信する(S306)。ナビゲーション部130は、レコメンド情報を受信すると、そこに含まれるPOIIDをキーに施設を識別し、表示部170の道路地図上にレコメンドされた施設を表示し、あわせてその評価情報を吹き出し等により表示させる(S308)。これにより、肉好きのユーザーに対し、肉の美味しい施設をレコメンドすることができる。
【0049】
一方、ユーザーからのリクエストに嗜好が含まれていない場合には、レコメンド情報提供プログラムは、POIIDを使用せず、個人キーから評価情報を集計する。つまり、評価情報データベースの中から、ユーザーに該当する個人キーの評価情報を検索し、検索された評価情報において、同一のレコメンド対象の商品またはサービスの出現回数を集計し、そのランキングを求める。ある実施態様では、車内において搭乗者が会話したときの音声データを識別することで個人キーを特定する(この場合、音声データと個人キーとの関連は予め登録されている)。他の実施態様では、ユーザーがサーバにログインすることで個人キーが特定される。例えば、
図15に示すように、ユーザーの評価情報に肉に関するものが多く含まれる場合、そのユーザーは肉に対する嗜好または興味が高いと判断することができる。こうして、レコメンド情報提供プログラムは、評価情報データベースの個人キーからユーザーの嗜好を判定し、その判定結果に基づき、上記と同様の方法により、ユーザーの嗜好を反映した施設のレコメンド情報を生成し、これを車載装置100へ送信する。
【0050】
このように本実施例の評価情報生成システムによれば、車内の会話内容から個人嗜好を学習しつつ、施設の評判も抽出し、レコメンドに使用するための情報を充実させることができる。さらに、立ち寄った施設から一定期間の会話情報を抽出することで、会話中に施設名に対する単語がなくとも、施設に対する評判情報を収集することができ、また、会話内容に施設名が含まれない場合でも主語を補完することで、精度よく施設の評価情報を自動生成することができる。
【0051】
また、施設に立ち寄る毎に、車載装置100からサーバ200の会話情報を送信し、サーバ200に解析させると、サーバの負荷が高くなるが、本実施例では、車載装置100がPOIジャンル毎の評判キーワード辞書群を備え、会話の中に、評判キーワード辞書群に登録された評判キーワードが含まれているか否かを判断する処理を車載装置側で行い、評判キーワードが含まれる場合のみ一定期間集音した会話データをサーバ200へ送信し、解析させるようにしたので、車載装置側で会話情報を一次判別し、サーバ側の負荷を軽減することができる。さらに、個人キーとセットで、サーバ上で評価情報データベースを管理することで、カーシェア等、個人が異なる車を使用するケースでも評価情報データベースを活用することができる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例では、集音開始部320および集音停止部330は、搭乗者の会話を集音するとき、会話の日時情報(年、月、日、時間など)を生成し、サーバ送信判定部350は、会話情報をサーバ200に送信するとき、日時報を会話情報に関連付けしてサーバ200へ送信する。
【0053】
サーバ200は、会話情報を受け取ると、第1の実施例のときと同様に会話情報から評価情報を生成する。サーバ200の評価情報登録部246は、評価情報を評価情報データベースに登録するとき、例えば、
図16に示すように、会話が成された日時情報も一緒に登録する。これにより、評価情報データベースは、時期や季節に応じた旬の評価情報を含むことができる。
【0054】
例えば、ユーザーXが日時SにレストランRで提供される旬の食材Aを食べ、その評価情報(美味しい、旬である)が評価情報データベースに登録され、別のユーザーYが日時Sの時期にレストラン(ジャンル)を検索した場合には、日時情報を検索キーに評価情報データベースが検索され、その中から評価ポイントの高いレストランがレコメンド情報としてユーザーYに提供される。レコメンド情報に、レストランRが提供する旬の食材Aの評価を含まれれば、ユーザーYは、それを知ることができる。あるいは、ユーザーYは、旬の食材Aとを検索キーにして、レストランを検索し、旬の食材Aが提供されるレストランとその時期を知ることもできる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。第3の実施例は、時期と、地域と、旬の素材を登録した旬データベースと連携して、旬の素材を扱う施設を登録し、旬の素材を扱う施設をレコメンドする。サーバ200は、
図17に示すように、時期、地域、および旬の素材を登録した旬データベースを含む。旬データベースは、評価情報データベースに包含されてもよいし、評価情報データベースと連携するものであってもよい。
【0056】
車載装置100は、搭乗者の会話情報を送信するとき、当該会話情報に加えて、会話情報が集音された日時情報と、立ち寄り施設推定部310により推定された施設のPOIIDおよび/またはその施設の位置情報とをサーバ200へ送信する。評価情報登録部246は、集音された会話情報の日時、推定された施設の位置(POIIDが送信された場合には、POIIDから特定される施設の位置)、および生成された評価情報(レコメンド対象の商品またはサービスの単語)と、旬データベースとを照合し、照合できた場合には、その施設のPOIIDを旬の素材を扱う施設として旬データベースに登録する。
【0057】
一方、車載装置100のユーザーからサーバ200に対してレコメンド情報のリクエストがあったとき、サーバ200のレコメンド情報提供プログラムは、旬データベースを参照し、リクエストに含まれる月日と地域(車載装置の現在位置、目的地あるいは立ち寄り地)に一致する施設が検索された場合には、旬の素材を提供する施設がレコメンド情報としてユーザーに提供される。なお、当該施設の評価情報も一緒にレコメンド情報として提供されるようにしてもよい。これにより、ユーザーは、旬の素材を提供する施設およびその施設が提供するサービス等の評価を知ることができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。