特許第6978209号(P6978209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978209
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】縫製システム
(51)【国際特許分類】
   D05B 33/00 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   D05B33/00
【請求項の数】18
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-28408(P2017-28408)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2018-130499(P2018-130499A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝見 健
(72)【発明者】
【氏名】平岡 浩次
(72)【発明者】
【氏名】平山 元樹
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−271593(JP,A)
【文献】 特開平10−118375(JP,A)
【文献】 特開平06−142354(JP,A)
【文献】 特開2000−197783(JP,A)
【文献】 実開平03−058270(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンと、
生地供給装置から供給された生地を保持して前記ミシンに搬送する生地搬送装置と、を備え、
前記ミシンは、テーブルと、前記テーブルに設置された前記生地を縫合するミシンヘッドと、を有し、
前記生地供給装置は、前記生地が設置される設置台を有し、
前記生地搬送装置は、前記テーブルと前記設置台との間に配置されているベース部材と、前記ベース部材を移動可能な多関節ロボットと、前記多関節ロボットに保持され前記生地を吸着保持する吸着部材と、を有し、
前記多関節ロボットは、前記吸着部材を、前記設置台に対向する供給位置及び前記テーブルに対向するミシン位置のそれぞれに移動可能である、
縫製システム。
【請求項2】
前記生地搬送装置は、前記生地を上方から保持する、
請求項1に記載の縫製システム。
【請求項3】
前記生地搬送装置は、前記生地を前記テーブルに搬送する、
請求項1又は請求項2に記載の縫製システム。
【請求項4】
前記生地搬送装置は、前記ミシンヘッドの縫合において、前記生地を保持する、
請求項3に記載の縫製システム。
【請求項5】
前記ミシンヘッドは、前記生地を縫製方向に送りながら縫合し、
前記生地搬送装置は、前記ミシンヘッドの縫合と同期して、前記生地を保持して前記縫製方向に移動する、
請求項3又は請求項4に記載の縫製システム。
【請求項6】
前記生地搬送装置は、前記生地を前記テーブルに押さえ付ける、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項7】
前記ミシンは、第1ミシンと、第2ミシンとを含み、
前記生地搬送装置は、前記生地を前記第1ミシンから前記第2ミシンに搬送する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項8】
前記生地搬送装置は、前記生地供給装置から前記第1ミシンまでの前記生地の搬送、前記第1ミシンの縫合、及び前記第1ミシンから前記第2ミシンまでの前記生地の搬送において、前記生地を保持し続ける、
請求項7に記載の縫製システム。
【請求項9】
前記生地搬送装置は、前記ミシンにおいて前記生地の位置を調整する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項10】
前記生地搬送装置は、前記生地と接触可能な接触部材を有し、前記生地の少なくとも一部と接触した前記接触部材を移動して、前記生地の位置を調整する、
請求項9に記載の縫製システム。
【請求項11】
前記生地の位置を検出する検出装置を備え、
前記生地搬送装置は、前記検出装置の検出結果に基づいて、前記生地の位置を調整する、
請求項10に記載の縫製システム。
【請求項12】
前記検出装置は、前記生地供給装置に配置される、
請求項11に記載の縫製システム。
【請求項13】
前記生地の位置の調整は、前記ミシンに規定される目標位置に対する前記生地の位置の調整を含む、
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項14】
前記ミシンは、前記生地の第1部分を固定する生地押え部材を有し、
前記生地の位置の調整は、前記第1部分に対する前記生地の第2部分の位置の調整を含む、
請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項15】
前記生地搬送装置は、前記生地を上方から吸着保持する吸着面を有する吸着部材と、前記吸着部材に移動可能に支持される可動部材と、を有し、
前記接触部材は、前記可動部材を含み、
前記吸着部材の吸着保持が解除された前記生地の前記第1部分が前記生地押え部材に固定された後、
前記生地搬送装置は、前記吸着面から離れた前記生地と前記接触部材とを接触させた状態で移動して、前記第2部分の位置を調整する、
請求項14に記載の縫製システム。
【請求項16】
前記生地は、第1生地と、第2生地とを含み、
前記生地の位置の調整は、前記ミシンに設置されている前記第1生地に対する前記第2生地の位置の調整を含む、
請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の縫製システム。
【請求項17】
前記生地供給装置は、前記第1生地を供給する第1生地供給装置と、前記第2生地を供給する第2生地供給装置とを含み、
前記生地搬送装置は、第1生地供給装置から前記第1生地を前記ミシンに搬送して前記第1生地の位置を調整した後、前記第2生地供給装置から前記第2生地を前記ミシンに搬送して、前記ミシンに設置されている前記第1生地に対する前記第2生地の位置を調整する、
請求項16に記載の縫製システム。
【請求項18】
前記生地搬送装置は、前記生地を前記設置台から1枚ずつ搬送する、
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の縫製システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製システムに関する。
【背景技術】
【0002】
衣料の製造工程において、特許文献1及び特許文献2に開示されているようなミシンが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−131614号公報
【特許文献2】特開2016−131632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衣料は、例えば生地とラベルとを縫合する工程及び生地と生地とを縫合する工程のような複数の工程を経て製造される。衣料の生産性の低下を抑制するために、生地をミシンに迅速且つ正確に供給できる技術が要望される。
【0005】
本発明の態様は、衣料の生産性の低下を抑制できる縫製システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、ミシンと、生地供給装置から供給された生地を保持して前記ミシンに搬送する生地搬送装置と、を備える縫製システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、衣料の生産性の低下を抑制できる縫製システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る縫製システムの一例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、本実施形態に係る生地位置調整装置の一例を模式的に示す側断面図である。
図3図3は、本実施形態に係る生地位置調整装置の一部を破断した斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係る第1生地供給装置の一例を模式的に示す側断面図である。
図5図5は、本実施形態に係る吸着部材の一例を示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態に係る吸着部材の一例を示す平面図である。
図7図7は、本実施形態に係る可動部材の動作の一例を模式的に示す側面図である。
図8図8は、本実施形態に係る縫製システムの制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図9図9は、本実施形態に係る前身頃を搬送する生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す平面図である。
図10図10は、本実施形態に係る後身頃を搬送する生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す平面図である。
図11図11は、本実施形態に係る生地供給装置における生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す側面図である。
図12図12は、本実施形態に係る第1ミシンにおける生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、本実施形態に係る前身頃及び後身頃のそれぞれを模式的に示す図である。
図14図14は、本実施形態に係る前身頃と後身頃とを重ね合わせた状態を模式的に示す図である。
図15図15は、本実施形態に係る第2ミシンにおける生地位置調整装置の動作の一例を模式的に示す平面図である。
図16図16は、本実施形態に係る第2ミシンにおける前身頃及び後身頃の一例を模式的に示す平面図である。
図17図17は、本実施形態に係る第2ミシンの動作の一例を模式的に示す平面図である。
図18図18は、本実施形態に係る第2ミシンにおける生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す平面図である。
図19図19は、本実施形態に係る第2ミシンにおける生地搬送装置の動作の一例を模式的に示す平面図である。
図20図20は、本実施形態に係る第2ミシンの動作の一例を模式的に示す平面図である。
図21図21は、本実施形態に係る縫製システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向とし、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向とし、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とし、Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とし、Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。また、以下の説明においては、所定面を適宜、XY平面、と称する。本実施形態においては、XY平面と水平面とが平行であることとする。
【0011】
[構造]
図1は、本実施形態に係る縫製システム1の一例を模式的に示す平面図である。図1に示すように、縫製システム1は、ミシン2と、生地供給装置3と、生地供給装置3から供給された生地Cを保持してミシン2に搬送する生地搬送装置4とを備える。
【0012】
生地搬送装置4は、ロボット5と、ロボット5に保持される吸着部材6とを有する。ロボット5は、ベース部材7上を移動可能である。XY平面内において、ベース部材7は、ミシン2と生地供給装置3との間に配置される。吸着部材6は、生地Cを吸着保持する。
【0013】
本実施形態において、ミシン2は、第1ミシン21と、第2ミシン22とを含む。生地供給装置3は、第1生地供給装置31と、第2生地供給装置32とを含む。生地Cは、第1生地Caと、第2生地Cbとを含む。第1生地供給装置31は、第1生地Caを供給する。第2生地供給装置32は、第2生地Cbを供給する。
【0014】
本実施形態において、縫製システム1は、衣料としてTシャツを製造する。第1生地Caは、Tシャツの前身頃である。第2生地Cbは、Tシャツの後身頃である。以下の説明においては、第1生地Caを適宜、前身頃Ca、と称し、第2生地Cbを適宜、後身頃Cb、と称する。
【0015】
<第1ミシン>
第1ミシン21は、後身頃CbとラベルLとを縫合するラベル縫いミシンである。ラベルLは、布の小片である。ラベルLには、衣料のサイズ及び繊維の種類のような衣料についての情報又は取扱いの注意書きなどが記載される。ラベルLは、ラベル供給装置8からラベル搬送装置9を介して第1ミシン21に供給される。
【0016】
ラベル供給装置8は、ラベルLを供給する。ラベル供給装置8は、積層された複数のラベルLが収容されるラベル収容部材84と、ラベル収容部材84に収容されているラベルLをラベル搬送装置9に移送するラベル移送機構85とを有する。
【0017】
本実施形態において、ラベルLは、第1ラベルL1と、第2ラベルL2と、第3ラベルL3とを含む。ラベル供給装置8は、第1ラベルL1を供給する第1ラベル供給装置81と、第2ラベルL2を供給する第2ラベル供給装置82と、第3ラベルL3を供給する第3ラベル供給装置83とを含む。第1ラベル供給装置81と第2ラベル供給装置82と第3ラベル供給装置83とは、X軸方向に配置される。
【0018】
ラベル搬送装置9は、ラベル供給装置8から供給されたラベルLを第1ミシン21に搬送する。ラベル搬送装置9は、ラベルLを保持するクランプ機構91と、クランプ機構91をX軸方向にガイドするガイド機構92と、クランプ機構91をX軸方向に移動させる動力を発生するアクチュエータ93とを有する。クランプ機構91は、第1ラベル供給装置81、第2ラベル供給装置82、及び第3ラベル供給装置83のそれぞれから、第1ラベルL1、第2ラベルL2、及び第3ラベルL3を順次受け取って保持する。クランプ機構91は、第1ラベルL1と第2ラベルL2と第3ラベルL3とを積層した状態で保持する。アクチュエータ93は、第1ラベルL1、第2ラベルL2、及び第3ラベルL3を保持したクランプ機構91をX軸方向に移動させる動力を発生する。クランプ機構91は、アクチュエータ93が発生した動力に基づいて、ガイド機構92にガイドされながら第1ミシン21に移動する。これにより、第1ラベルL1と第2ラベルL2と第3ラベルL3とは、積層された状態で第1ミシン21に搬送される。
【0019】
後身頃Cbは、生地搬送装置4により、第2生地供給装置32から第1ミシン21に搬送される。ラベルLは、ラベル搬送装置9により、ラベル供給装置8から第1ミシン21に搬送される。第1ミシン21は、第2生地供給装置32から供給された後身頃Cbとラベル供給装置8から供給されたラベルLとを縫合する。
【0020】
第1ミシン21は、後身頃Cbが設置される設置面211Sを有するテーブル211と、テーブル211に設置された後身頃CbとラベルLとを縫合するミシンヘッド212とを有する。設置面211Sは、テーブル211の上面を含む。設置面211Sは、XY平面と実質的に平行である。生地搬送装置4は、後身頃Cbをテーブル211に搬送する。
【0021】
ミシンヘッド212は、ミシン針213を上下方向に移動させる駆動機構214と、テーブル211に設置された後身頃Cbを上方から押える第1押え部材215と、ラベルLを上方から押える第2押え部材216とを有する。後身頃Cbが第1押え部材215で押えられ、後身頃Cb上に設置されたラベルLが第2押え部材216で押えられた状態で、ミシン針213が上下方向に移動することにより、後身頃CbとラベルLとが縫合される。以下の説明においては、ミシン針213によって縫合が実施される位置を適宜、第1縫合位置PM1、と称する。第1縫合位置PM1は、ミシン針213が降下する針落ち位置を含む。
【0022】
<第2ミシン>
第2ミシン22は、前身頃Caと後身頃Cbとを縫合する。本実施形態において、第2ミシン22は、前身頃Caの肩部分Kと後身頃Cbの肩部分Kとを縫合する肩合わせ縫いミシンである。
【0023】
前身頃Caは、生地搬送装置4により、第1生地供給装置31から第2ミシン22に搬送される。後身頃Cbは、生地搬送装置4により、第1ミシン21から第2ミシン22に搬送される。後身頃Cbは、ラベルLが縫合された状態で、第1ミシン21から第2ミシン22に搬送される。第2ミシン22は、第1生地供給装置31から供給された前身頃Caと第2ミシン22から供給された後身頃Cbとを縫合する。
【0024】
第2ミシン22は、前身頃Ca及び後身頃Cbが設置される設置面221Sを有するテーブル221と、テーブル221に設置された前身頃Caと後身頃Cbとを縫合するミシンヘッド222とを有する。設置面221Sは、テーブル221の上面を含む。設置面221Sは、XY平面と実質的に平行である。生地搬送装置4は、前身頃Ca及び後身頃Cbのそれぞれをテーブル221に搬送する。
【0025】
ミシンヘッド222は、ミシン針223を上下方向に移動させる駆動機構224と、テーブル221に設置された前身頃Ca及び後身頃Cbを上方から押える押え部材225とを有する。前身頃Ca及び後身頃Cbが押え部材225で押えられた状態で、ミシン針223が上下方向に移動することにより、前身頃Caと後身頃Cbとが縫合される。以下の説明においては、ミシン針223によって縫合が実施される位置を適宜、第2縫合位置PM2、と称する。第2縫合位置PM2は、ミシン針223が降下する針落ち位置を含む。
【0026】
また、第2ミシン22は、テーブル221において前身頃Ca及び後身頃Cbを搬送する生地押え搬送装置230と、テーブル221に設置された前身頃Ca及び後身頃Cbを上方から押えて固定する生地押え部材240と、テーブル221に設置された前身頃Caの位置を調整する生地位置調整装置250とを備える。
【0027】
生地押え搬送装置230は、テーブル221に設置された前身頃Ca及び後身頃Cbを上方から押える生地押え部材231と、アーム部材232を介して生地押え部材231と連結されるスライダ233と、スライダ233をX軸方向にガイドするガイド部材234と、スライダ233をX軸方向に移動させる動力を発生するアクチュエータ235とを有する。
【0028】
生地押え部材240は、第1生地押え部材240Lと、第2生地押え部材240Rとを含む。第1生地押え部材240Lと第2生地押え部材240RとはX軸方向に配置される。第1生地押え部材240Lは、第2生地押え部材240Rよりもミシンヘッド222側に配置される。
【0029】
生地押え部材240は、支持装置241を介してテーブル221に支持される。支持装置241は、例えばエアシリンダのようなアクチュエータを含み、生地押え部材240を少なくともZ軸方向に移動可能に支持する。なお、支持装置241は、生地押え部材240をX軸方向、Y軸方向、θX方向、θY方向、及びθZ方向の少なくとも1つの方向に移動可能に支持してもよい。支持装置241は、第1生地押え部材240Lを移動可能に支持する第1支持装置241Lと、第2生地押え部材240Rを移動可能に支持する第2支持装置241Rとを含む。第1支持装置241L及び第2支持装置241Rを含む支持装置241は、第1生地押え部材240Lと第2生地押え部材240Rとを別々に移動可能である。
【0030】
図2は、本実施形態に係る生地位置調整装置250の一例を模式的に示す側断面図である。図3は、本実施形態に係る生地位置調整装置250の一部を破断した斜視図である。第2ミシン22のテーブル221は、生地Cが設置される設置面221Sを有する。設置面221Sは、テーブル221の上面を含む。設置面221Sは、XY平面と実質的に平行である。
【0031】
生地位置調整装置250は、テーブル221に設置された前身頃Caの少なくとも一部の位置を調整する。生地位置調整装置250は、XY平面内における前身頃Caの一部分の位置を調整する。
【0032】
生地位置調整装置250は、テーブル221の設置面221Sに設けられ、前身頃Caを保持する保持面251Sを有するプレート部材251と、テーブル221の内部に設けられ、設置面221Sと平行な方向にプレート部材251を移動して、プレート部材251に保持されている前身頃Caの位置を調整するアクチュエータ252とを有する。
【0033】
保持面251Sは、プレート部材251の上面を含む。保持面251Sは、XY平面と実質的に平行である。プレート部材251は、保持面251Sと、保持面251Sの反対方向を向く下面251Tと、保持面251Sと下面251Tとを貫通する吸引孔253とを有する。保持面251Sと平行な方向において、吸引孔253は、間隔をあけてプレート部材251に複数設けられる。保持面251Sと設置面221Sとは、実質的に平行である。
【0034】
テーブル221の設置面221Sは、開口221Kを有する。プレート部材251は、設置面221Sの開口221Kを覆うように配置される。設置面221Sは、保持面251Sの周囲に配置される。プレート部材251の下面251Tの外縁領域と開口221Kの周囲の設置面221Sの一部とが対向する。
【0035】
生地位置調整装置250は、プレート部材251を支持する支持部材254を有する。支持部材254の少なくとも一部は、プレート部材251の下面251Tに固定される。支持部材254は、ベース部材255に支持される。支持部材254及びベース部材255は、テーブル221の内部空間に設置される。
【0036】
ベース部材255は、テーブル221の内部空間においてテーブル221の少なくとも一部に固定される。ベース部材255は、支持部材254を移動可能に支持する。支持部材254は、XY平面内において移動可能にベース部材255に支持される。支持部材254は、例えばボール又はコロを含むスライド機構を介してベース部材255に支持される。なお、支持部材254がXY平面内において移動可能であれば、スライド機構はボール又はコロを含まなくてもよい。アクチュエータ252は、プレート部材251を移動させる動力を発生する。アクチュエータ252は、例えば支持部材254とベース部材255との間に配置される。なお、ベース部材255に対して支持部材254が移動可能であれば、アクチュエータ252は、支持部材254とベース部材255との間に配置されなくてもよい。アクチュエータ252は、支持部材254を介してプレート部材251を移動する。アクチュエータ252は、支持部材254を移動させることにより、支持部材254に固定されているプレート部材251をXY平面内において移動させる。ベース部材255は、固定子として機能し、支持部材254は、可動子として機能する。アクチュエータ252の作動により、プレート部材251は、設置面221Sと平行なXY平面内において移動する。
【0037】
支持部材254は、プレート部材251の下面251Tとの間で空間VSを形成する。プレート部材251と支持部材254との間の空間VSは、真空ポンプ及び制御弁を含む真空系70に接続される。支持部材254の一部に形成された開口とチューブ部材256とが接続される。チューブ部材256は可撓性である。真空系70と空間VSとは、チューブ部材256を介して接続される。
【0038】
真空系70の作動により空間VSが負圧になると、プレート部材251の保持面251S側の気体の少なくとも一部が、吸引孔253を介して空間VSに吸引される。図2に示すように、保持面251Sに前身頃Caが設置された状態で真空系70が作動することにより、前身頃Caは、保持面251Sに吸着保持される。
【0039】
プレート部材251は、前身頃Caの少なくとも一部を保持面251Sで吸着保持する。前身頃Caが保持面251Sに吸着保持された状態で、アクチュエータ252が作動され、プレート部材251が移動することにより、プレート部材251に保持されている前身頃Caの位置が調整される。生地位置調整装置250は、テーブル221に設置された前身頃Caの少なくとも一部の位置を調整する。生地位置調整装置250は、XY平面内における前身頃Caの一部分の位置を調整する。
【0040】
<生地供給装置>
第1生地供給装置31は、前身頃Caを供給する。図1に示すように、第1生地供給装置31は、複数の前身頃Caを収容する収容装置311と、前身頃Caが設置される設置台312と、収容装置311に収容されている複数の前身頃Caから1枚の前身頃Caを保持して設置台312に設置する第1ピックアップ装置とを有する。収容装置311において複数の前身頃Caが積層される。第1ピックアップ装置は、積層されている複数の前身頃Caのうち最も上に配置されている1枚の前身頃Caを保持して設置台312に搬送する。第1ピックアップ装置は、1枚の前身頃Caを設置台312に設置する。
【0041】
第2生地供給装置32は、後身頃Cbを供給する。図1に示すように、第2生地供給装置32は、複数の後身頃Cbを収容する収容装置321と、後身頃Cbが設置される設置台322と、収容装置321に収容されている複数の後身頃Cbから1枚の後身頃Cbを保持して設置台322に設置する第2ピックアップ装置とを有する。収容装置321において複数の後身頃Cbが積層される。第2ピックアップ装置は、積層されている複数の後身頃Cbのうち最も上に配置されている1枚の後身頃Cbを保持して設置台322に搬送する。第2ピックアップ装置は、1枚の後身頃Cbを設置台322に設置する。
【0042】
図4は、本実施形態に係る第1生地供給装置31の一例を模式的に示す側断面図である。第1生地供給装置31の構造と第2生地供給装置32の構造とは実質的に同一である。以下、第1生地供給装置31について説明し、第2生地供給装置32についての説明は簡略又は省略する。
【0043】
図4に示すように、第1生地供給装置31は、前身頃Caが設置される設置台312を有する。設置台312には1枚の前身頃Caが設置される。設置台312は、プレート部材33と、プレート部材33を支持する支持装置34とを有する。
【0044】
プレート部材33は、前身頃Caが設置される上面33Sと、上面33Sの反対方向を向く下面33Tと、上面33Sと下面33Tとを貫通する孔37とを有する。上面33Sと下面33Tとは平行である。上面33Sと平行な方向において、孔37は、間隔をあけてプレート部材33に複数設けられる。
【0045】
孔37の直径φは、隣り合う孔37の間隔dよりも小さい。本実施形態において、孔37の直径は、2[mm]以下に定められる。
【0046】
支持装置34は、上面33SとXY平面とが平行となるように、プレート部材33を支持する。支持装置34は、θX方向、θY方向、及びZ軸方向の少なくとも1つの方向にプレート部材33を移動可能に支持する。
【0047】
支持装置34は、ベース部材35と、ベース部材35とプレート部材33との間に配置されるばね36とを有する。ばね36の上端部は、プレート部材33に接続される。ばね36の下端部は、ベース部材35に接続される。XY平面内において、ばね36は、複数配置される。
【0048】
プレート部材33に外力が作用していない場合、プレート部材33の上面33SとXY平面とは実質的に平行である。プレート部材33に外力が作用した場合、プレート部材33の上面33Sは、θX方向、θY方向、及びZ軸方向の少なくとも1つの方向に移動する。
【0049】
すなわち、本実施形態において、ばね36を含む支持装置34は、プレート部材33を揺動可能に支持するフローティング機能を有する。プレート部材33に外力が作用していない場合、支持装置34は、プレート部材33の上面33SとXY平面とが実質的に平行となるように、プレート部材33を支持する。プレート部材33に外力が作用した場合、支持装置34は、プレート部材33の上面33SがθX方向、θY方向、及びZ軸方向の少なくとも1つの方向に移動するように、プレート部材33を支持する。
【0050】
また、第1生地供給装置31は、前身頃Caの位置を検出する検出装置313を有する。検出装置313は、XY平面内における前身頃Caの位置を検出する。本実施形態において、検出装置313は、前身頃Caの光学像を画像データで取得する撮像装置を含む。検出装置313は、設置台312よりも上方に設けられる。検出装置313は、設置台312のプレート部材33に設置されている前身頃Caの位置を検出する。検出装置313は、設置台312のプレート部材33に設置されている前身頃Caの画像データを前身頃Caの上方から取得する。
【0051】
同様に、第2生地供給装置32は、後身頃Cbの位置を検出する検出装置323を有する。検出装置323は、XY平面内における後身頃Cbの位置を検出する。本実施形態において、検出装置323は、後身頃Cbの光学像を画像データで取得する撮像装置を含む。検出装置323は、設置台322よりも上方に設けられる。検出装置323は、設置台322のプレート部材33に設置されている後身頃Cbの位置を検出する。検出装置323は、設置台322のプレート部材33に設置されている後身頃Cbの画像データを後身頃Cbの上方から取得する。
【0052】
<生地搬送装置>
図1に示すように、生地搬送装置4は、ベース部材7に移動可能に支持されるロボット5と、ロボット5に保持される吸着部材6とを有する。本実施形態において、ロボット5は、水平多関節ロボット(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)である。ロボット5は、吸着部材6を保持するアーム51を有する。ロボット5は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ軸方向の4つの方向に移動可能である。吸着部材6は、ロボット5のアーム51に保持された状態で、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ軸方向の4つの方向に移動可能である。
【0053】
生地搬送装置4は、吸着部材6を使って、生地Cを上方から吸着保持する。吸着部材6は、真空系70に接続されており、生地Cを上方から吸着保持する。
【0054】
ロボット5は、ベース部材7上を移動可能である。ロボット5は、吸着部材6を、第1生地供給装置31の設置台312と対向する第1供給位置PF1、第2生地供給装置32の設置台322と対向する第2供給位置PF2、第1ミシン21のテーブル211と対向する第1ミシン位置PH1、及び第2ミシン22のテーブル221と対向する第2ミシン位置PH2のそれぞれに移動可能である。第1供給位置PF1と第2供給位置PF2と第1ミシン位置PH1と第2ミシン位置PH2とは、XY平面内において異なる位置である。吸着部材6は、設置台312の上方、設置台322の上方、テーブル211の上方、及びテーブル221の上方のそれぞれに移動可能である。
【0055】
図5は、本実施形態に係る吸着部材6の一例を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る吸着部材6の一例を示す平面図である。
【0056】
図5及び図6に示すように、吸着部材6は、生地Cを上方から吸着保持する吸着面HSを有する。吸着面HSは、吸着部材6の下面を含む。吸着面HSは、XY平面と実質的に平行である。
【0057】
吸着部材6は、本体部材60と、生地Cを上方から吸着保持する第1吸引部材61と、生地Cを上方から吸着保持する第2吸引部材62とを有する。本実施形態において、吸着面HSは、第1吸引部材61に設けられている吸着面HS1と、第2吸引部材62に設けられている吸着面HS2とを含む。
【0058】
吸着面HS1は、第1吸引部材61の下面を含む。吸着面HS1は、XY平面と実質的に平行である。XY平面内において、吸着面HS1の外形は、四角形状である。吸着面HS2は、第2吸引部材62の下面を含む。吸着面HS2は、XY平面と実質的に平行である。XY平面内において、吸着面HS2の外形は、円形状である。吸着面HS1と吸着面HS2とは、同一平面内に配置される。第1吸引部材61の吸着面HS1は、第2吸引部材62の吸着面HS2よりも大きい。
【0059】
本体部材60は、フレーム状の部材である。本体部材60は、第1部材60Aと、第2部材60Bと、第3部材60Cと、第4部材60Dとを有する。第1部材60A、第2部材60B、第3部材60C、及び第4部材60Dはそれぞれ、棒状の部材である。第1部材60Aと第2部材60Bとは実質的に平行に配置される。第3部材60Cと第4部材60Dとは実質的に平行に配置される。
【0060】
第1部材60Aは、第2部材60Bよりも長い。第3部材60Cは、第1部材60Aの一端部及び第2部材60Bの一端部のそれぞれに接続される。第4部材60Dは、第1部材60Aの中間部及び第2部材60Bの他端部のそれぞれに接続される。第3部材60Cは、第1部材60A及び第2部材60Bのそれぞれと直交する。第4部材60Dは、第1部材60A及び第2部材60Bのそれぞれと直交する。
【0061】
また、本体部材60は、第5部材60E及び第6部材60Fを有する。第5部材60E及び第6部材60Fはそれぞれ、棒状の部材である。
【0062】
第5部材60E及び第6部材60Fは、第3部材60Cと第4部材60Dとの間に配置される。第3部材60Cと第4部材60Dと第5部材60Eと第6部材60Fとは、実質的に平行に配置される。第5部材60Eの一端部は、第1部材60Aに接続される。第5部材60Eの他端部は、第2部材60Bに接続される。第6部材60Fの一端部は、第1部材60Aと接続される。第6部材60Fの他端部は、第2部材60Bと接続される。第5部材60Eは、第6部材60Fよりも第3部材60Cに近い位置に配置される。
【0063】
第1吸引部材61は、内部空間を有する箱状の部材である。第1吸引部材61は、上板61Aと、下板61Bと、上板61Aと下板61Bとの間に配置される側板61Cとを有する。
【0064】
上板61Aは、第1部材60Aの一部、第2部材60Bの一部、第3部材60C、第5部材60E、及び第6部材60Fのそれぞれに接続される。下板61Bは、生地Cと対向可能な吸着面HS1を有する。吸着面HS1は、下板61Bの下面である。側板61Cは、フレーム状の板部材であり、上板61A及び下板61Bのそれぞれに接続される。上板61Aと下板61Bと側板61Cとによって、第1吸引部材61の内部空間が規定される。
【0065】
下板61Bは、複数の吸引口を有する。吸引口は、下板61Bの吸着面HS1と上面とを貫通する貫通孔を含む。すなわち、下板61Bは、多孔板である。貫通孔は、第1吸引部材61の内部空間と外部空間とを接続する。吸引口は、下板61Bの下面において一定の間隔で複数配置される。
【0066】
吸着部材6は、真空系70と接続されるコネクタ64を有する。コネクタ64は、上板61Aに複数設けられる。コネクタ64は、第1吸引部材61の内部空間と接続される。真空系70が作動すると、第1吸引部材61の内部空間の気体がコネクタ64を介して真空系70に吸引される。下板61Bの吸着面HS1と生地Cとが接触した状態で真空系70が作動することにより、第1吸引部材61は、生地Cを上方から吸着面HS1で吸着保持することができる。
【0067】
第2吸引部材62は、複数設けられる。複数の第2吸引部材62のそれぞれは、生地Cと対向可能な吸着面HS2を有する。
【0068】
第2吸引部材62は、吸着面HS2に設けられた吸引口を有する。第2吸引部材62の吸引口は、真空系70に接続される。第2吸引部材62の吸着面HS2と生地Cとが接触した状態で真空系70が作動することにより、第2吸引部材62は、生地Cを上方から吸着面HS2で吸着保持することができる。
【0069】
第1部材60Aの一部は、第4部材60Dから突出する。また、吸着部材6は、第4部材60Dに移動可能に支持される第1支持部材65及び第2支持部材66を有する。第1支持部材65及び第2支持部材66のそれぞれは、棒状の部材である。第1部材60Aと第1支持部材65と第2支持部材66とは、実質的に平行に配置される。
【0070】
第1支持部材65は、固定機構67により第4部材60Dに固定される。固定機構67は、解放可能に第1支持部材65を固定する。第2支持部材66は、固定機構68により第4部材60Dに固定される。固定機構68は、解放可能に第2支持部材66を固定する。
【0071】
第4部材60Dは、第1支持部材65及び第2支持部材66を第4部材60Dの長手方向にガイドするガイド機構69を有する。第1支持部材65及び第2支持部材66のそれぞれは、第4部材60Dに設けられているガイド機構69にガイドされながら、第4部材60Dの長手方向に移動可能である。
【0072】
固定機構67による第1支持部材65と第4部材60Dとの固定が解除されると、第1支持部材65は、ガイド機構69にガイドされて第4部材60Dの長手方向に移動可能である。固定機構67により第1支持部材65と第4部材60Dとが固定されると、第4部材60Dの長手方向における第1支持部材65の位置が固定される。
【0073】
固定機構68による第2支持部材66と第4部材60Dとの固定が解除されると、第2支持部材66は、ガイド機構69にガイドされて第4部材60Dの長手方向に移動可能である。固定機構68により第2支持部材66と第4部材60Dとが固定されると、第4部材60Dの長手方向における第2支持部材66の位置が固定される。
【0074】
第4部材60Dから突出する第1部材60Aは、複数の第2吸引部材62を支持する。第1支持部材65は、複数の第2吸引部材62を支持する。第2支持部材66は、複数の第2吸引部材62を支持する。
【0075】
本実施形態において、第2吸引部材62は、第1部材60Aの長手方向に間隔をあけて3つ設けられる。第2吸引部材62は、第1支持部材65の長手方向に間隔をあけて3つ設けられる。第2吸引部材62は、第2支持部材66の長手方向に間隔をあけて3つ設けられる。すなわち、本実施形態において、第2吸引部材62は、9つ設けられる。
【0076】
第1支持部材65が第4部材60Dの長手方向に移動されることにより、第2吸引部材62の位置が調整される。第2支持部材66が第4部材60Dの長手方向に移動されることにより、第2吸引部材62の位置が調整される。例えば生地Cの大きさに合わせて第1支持部材65及び第2支持部材66が移動されることにより、第2吸引部材62による生地Cの吸着位置が調整される。
【0077】
吸着部材6は、ロボット5と連結される連結部材71を有する。連結部材71は、第5部材60E及び第6部材60Fに固定されているプレート部材72に支持される。連結部材71は、円柱状の部材である。第5部材60E及び第6部材60Fの長手方向において、連結部材71は、第5部材60Eの中央部及び第6部材60Fの中央部に固定される。
【0078】
生地搬送装置4は、吸着部材6に対して移動可能な可動部材63を有する。可動部材63は、吸着部材6に移動可能に支持される。本実施形態において、可動部材63は、第3部材60Cに移動可能に支持される。第3部材60Cの長手方向において、可動部材63の寸法は、第3部材60Cの寸法よりも小さい。図5の矢印Raで示すように、可動部材63は、吸着面HSと直交する上下方向に移動可能である。可動部材63は、吸着部材6の吸着面HSに対して移動可能である。
【0079】
吸着部材6は、可動部材63を上下方向に移動させる動力を発生するアクチュエータ73を有する。アクチュエータ73は、例えばエアシリンダを含む。可動部材63は、アクチュエータ73の作動により、上下方向に移動可能である。
【0080】
図7は、本実施形態に係る可動部材63の動作の一例を模式的に示す側面図である。図7(A)に示すように、可動部材63の上下方向の可動範囲において、可動部材63が可動範囲の上端部に配置されているとき、可動部材63の下端部は、吸着部材6の吸着面HSよりも上方に配置される。換言すれば、可動部材63が可動範囲の上端部に配置されているとき、可動部材63の下端部は、吸着部材6の吸着面HSよりも下方に突出しない。
【0081】
図7(B)に示すように、可動部材63の上下方向の可動範囲において、可動部材63が可動範囲の下端部に配置されているとき、可動部材63の下端部は、吸着部材6の吸着面HSよりも下方に配置される。換言すれば、可動部材63が可動範囲の下端部に配置されているとき、可動部材63の下端部は、吸着部材6の吸着面HSよりも下方に突出する。
【0082】
図7(A)に示すように、吸着面HSで生地Cを吸着保持するとき、可動部材63の下端部は、吸着部材6の吸着面HSよりも上方に配置される。図7(B)に示すように、吸着面HSで生地Cが吸着保持されていない状態において、吸着部材6の吸着面HSよりも下方に配置されている可動部材63の下端部は、生地Cと接触可能である。
【0083】
図6に示すように、前身頃Ca及び後身頃Cbを含む生地Cは、2つの肩部分Kと、2つの脇部分Wとを有する。肩部分Kは、右肩部分KR及び左肩部分KLを含む。脇部分Wは、右脇部分WR及び左脇部分WLを含む。
【0084】
肩部分Kを含む生地Cの上部は、第1吸引部材61に吸着保持される。第1吸引部材61の吸着面HS1は十分に大きく、肩部分K全体を一括して吸着保持することができる。吸着部材6は、第1吸引部材61を使って、肩部分Kの位置ずれを抑制しつつ生地Cの上部を安定して保持することができる。
【0085】
脇部分Wを含む生地Cの下部は、第2吸引部材62に吸着保持される。第2吸引部材62の重量は、第1吸引部材61の重量よりも十分に小さい。また、第2吸引部材62を保持する第1部材60A、第1支持部材65、及び第2支持部材66のそれぞれは、棒状の部材であり、軽量である。これにより、吸着部材6の軽量化が図られる。
【0086】
<制御装置>
図8は、本実施形態に係る縫製システム1の制御装置10の一例を示す機能ブロック図である。縫製システム1は、制御装置10を有する。制御装置10は、コンピュータシステムを含み、縫製システム1を制御する。制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを有する。演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施する。
【0087】
図8に示すように、制御装置10は、第1ミシン21、第2ミシン22、第1生地供給装置31に配置されている検出装置313、第2生地供給装置32に配置されている検出装置323、及び生地搬送装置4のそれぞれと接続される。
【0088】
制御装置10は、前身頃Caの位置データを取得する前身頃位置データ取得部11と、後身頃Cbの位置データを取得する後身頃位置データ取得部12と、第1ミシン21を制御する制御信号を出力する第1ミシン制御部13と、第2ミシン22を制御する制御信号を出力する第2ミシン制御部14と、生地搬送装置4を制御する制御信号を出力する搬送制御部15と、記憶部16と、入出力部17とを有する。
【0089】
前身頃位置データ取得部11は、第1生地供給装置31に配置されている検出装置313の検出データに基づいて、前身頃Caの位置データを取得する。前身頃位置データ取得部11は、XY平面内における前身頃Caの位置データを取得する。本実施形態において、検出装置313は、検出データとして、設置台312に設置されている前身頃Caの画像データを取得する。検出装置313は、少なくとも肩部分K及び脇部分Wを含む前身頃Caの周縁部分の画像データを取得する。検出装置313は、前身頃Caの画像データを、設置台312に設けられている基準マークの画像データとともに取得する。なお、基準マークは、検出装置313の光学系に設けられていてもよい。前身頃位置データ取得部11は、前身頃Caの画像データ及び基準マークの画像データを検出装置313から取得する。前身頃位置データ取得部11は、前身頃Caの画像データ及び基準マークの画像データを画像処理する。前身頃位置データ取得部11は、前身頃Caの画像データ及び基準マークの画像データを画像処理して、基準マークと前身頃Caの周縁部分との相対位置を算出する。XY平面内における基準マークの位置データは既知データであり、記憶部16に記憶されている。前身頃位置データ取得部11は、記憶部16に記憶されている基準マークの位置データと、検出装置313の検出データに基づいて算出された基準マークと前身頃Caの周縁部分との相対位置とに基づいて、XY平面内における前身頃Caの周縁部分の位置データを算出する。
【0090】
後身頃位置データ取得部12は、第2生地供給装置32に配置されている検出装置323の検出データに基づいて、後身頃Cbの位置データを取得する。後身頃位置データ取得部12は、XY平面内における後身頃Cbの位置データを取得する。検出装置313と同様、検出装置323は、少なくとも肩部分K及び脇部分Wを含む後身頃Cbの周縁部分の画像データを、設置台322に設けられている基準マークの画像データとともに取得する。なお、基準マークは、検出装置323の光学系に設けられていてもよい。後身頃位置データ取得部12は、記憶部16に記憶されている基準マークの位置データと、検出装置323の検出データに基づいて算出された基準マークと後身頃Cbの周縁部分との相対位置とに基づいて、XY平面内における後身頃Cbの周縁部分の位置データを算出する。
【0091】
第1ミシン制御部13は、ラベル供給装置8、ラベル搬送装置9、及びミシンヘッド212のそれぞれを制御する。
【0092】
第2ミシン制御部14は、支持装置241、生地位置調整装置250、及びミシンヘッド222のそれぞれを制御する。
【0093】
搬送制御部15は、前身頃位置データ取得部11で取得された前身頃Caの位置データに基づいて、生地搬送装置4を制御する。搬送制御部15は、縫製システム1に規定されているXYZ直交座標系においてロボット5を移動させる。ロボット5の移動量は、ロボット5に設けられているエンコーダのような移動量センサによって検出される。搬送制御部15は、設置台312に設置されているときの前身頃Caの位置データを基準として、吸着部材6を介して前身頃Caを保持しているロボット5の移動量を制御することによって、XY平面内における目標位置に前身頃Caを搬送することができる。同様に、搬送制御部15は、後身頃位置データ取得部12で取得された後身頃Cbの位置データに基づいて生地搬送装置4を制御することにより、XY平面内における目標位置に後身頃Cbを搬送することができる。
【0094】
[動作]
次に、本実施形態に係る縫製システム1の動作の一例について説明する。
【0095】
<前身頃の搬送ルート>
図9は、本実施形態に係る前身頃Caを搬送する生地搬送装置4の動作の一例を模式的に示す平面図である。生地搬送装置4は、第1生地供給装置31から供給された前身頃Caを保持して第2ミシン22に搬送する。第1生地供給装置31において、第1ピックアップ装置により、1枚の前身頃Caが設置台312に設置される。搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、設置台312に設置されている前身頃Caと対向する第1供給位置PF1に生地搬送装置4を移動させる。
【0096】
生地搬送装置4は、設置台312に設置されている前身頃Caを上方から保持する。搬送制御部15は、前身頃Caを保持した生地搬送装置4を第2ミシン22に移動させる。第1生地供給装置31において前身頃Caを保持した生地搬送装置4は、前身頃Caを第2ミシン22に搬送する。生地搬送装置4は、前身頃Caを設置台312から1枚ずつ搬送する。
【0097】
生地搬送装置4は、検出装置313の検出結果に基づいて、前身頃Caの位置を調整する。搬送制御部15は、前身頃位置データ取得部11で取得された前身頃Caの位置データに基づいて、ロボット5の移動量を制御する。図9に示すように、搬送制御部15は、ロボット5を制御して、第2ミシン22のテーブル221と対向する第2ミシン位置PH2に、前身頃Caを保持した吸着部材6を移動させる。
【0098】
生地搬送装置4は、検出装置313の検出結果に基づいて、第2ミシン22において前身頃Caの位置を調整する。搬送制御部15は、第2ミシン22に規定されている前身頃Caの目標位置に前身頃Caが配置されるように生地搬送装置4の位置を調整する。前身頃Caが第2ミシン22に規定されている前身頃Caの目標位置に配置された後、生地搬送装置4は、吸着面HSによる前身頃Caの吸着保持を解除する。これにより、前身頃Caは、第2ミシン22に渡され、テーブル221に設置される。
【0099】
<後身頃の搬送ルート>
図10は、本実施形態に係る後身頃Cbを搬送する生地搬送装置4の動作の一例を模式的に示す平面図である。生地搬送装置4は、第2生地供給装置32から供給された後身頃Cbを保持して第1ミシン21に搬送する。第2生地供給装置32において、第2ピックアップ装置により、1枚の後身頃Cbが設置台322に設置される。搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、設置台322に設置されている後身頃Cbと対向する第2供給位置PF2に生地搬送装置4を移動させる。
【0100】
生地搬送装置4は、設置台322に設置されている後身頃Cbを上方から保持する。搬送制御部15は、後身頃Cbを保持した生地搬送装置4を第1ミシン21に移動させる。第2生地供給装置32において後身頃Cbを保持した生地搬送装置4は、後身頃Cbを第1ミシン21に搬送する。生地搬送装置4は、後身頃Cbを設置台322から1枚ずつ搬送する。
【0101】
生地搬送装置4は、検出装置323の検出結果に基づいて、後身頃Cbの位置を調整する。搬送制御部15は、後身頃位置データ取得部12で取得された後身頃Cbの位置データに基づいて、ロボット5の移動量を制御する。図10に示すように、搬送制御部15は、ロボット5を制御して、第1ミシン21のテーブル211と対向する第1ミシン位置PH1に、後身頃Cbを保持した吸着部材6を移動させる。
【0102】
生地搬送装置4は、検出装置323の検出結果に基づいて、第1ミシン21において後身頃Cbの位置を調整する。搬送制御部15は、第1ミシン21に規定されている後身頃Cbの目標位置に後身頃Cbが配置されるように生地搬送装置4の位置を調整する。
【0103】
本実施形態において、生地搬送装置4は、第1ミシン21のミシンヘッド212の縫合において、後身頃Cbを保持する。すなわち、第1ミシン21における後身頃CbとラベルLとの縫合において、生地搬送装置4は、後身頃Cbを保持し続ける。後身頃Cbは、生地搬送装置4に保持された状態で、第1ミシン21においてラベルLと縫合される。
【0104】
生地搬送装置4は、ラベルLとの縫合が終了した後身頃Cbを第1ミシン21から第2ミシン22に搬送する。図10に示すように、搬送制御部15は、ロボット5を制御して、第2ミシン22のテーブル221と対向する第2ミシン位置PH2に、後身頃Cbを保持した吸着部材6を移動させる。
【0105】
生地搬送装置4は、検出装置323の検出結果に基づいて、第2ミシン22において後身頃Cbの位置を調整する。搬送制御部15は、第2ミシン22に規定されている後身頃Cbの目標位置に後身頃Cbが配置されるように生地搬送装置4の位置を制御する。後身頃Cbが第2ミシン22に規定されている後身頃Cbの目標位置に配置された後、生地搬送装置4は、吸着面HSによる後身頃Cbの吸着保持を解除する。これにより、後身頃Cbは、第2ミシン22に渡され、テーブル221に設置される。
【0106】
このように、本実施形態においては、生地搬送装置4は、第2生地供給装置32から第1ミシン21までの後身頃Cbの搬送、第1ミシン21の縫合、及び第1ミシン21から第2ミシン22までの後身頃Cbの搬送において、後身頃Cbを保持し続ける。
【0107】
本実施形態においては、単一のロボット5及び吸着部材6を使って生地供給装置3から供給された前身頃Ca及び後身頃Cbを第2ミシン22に搬送するとき、前身頃Caの搬送ルートと後身頃Cbの搬送ルートとは異なる。前身頃Caは、第1生地供給装置31から第2ミシン22のテーブル221にダイレクトに搬送される。後身頃Cbは、第2生地供給装置32から第1ミシン21を経由して第2ミシン22のテーブル221に搬送される。
【0108】
<生地供給装置からの生地の搬出>
図11は、本実施形態に係る生地供給装置3における生地搬送装置4の動作の一例を模式的に示す側面図である。図11は、生地搬送装置4が第1生地供給装置31の設置台312から前身頃Caを搬出するときの動作を模式的に示す図である。
【0109】
生地搬送装置4は、前身頃Caを上方から真空吸着保持して搬送する。支持装置34は、生地搬送装置4の吸着部材6の吸着面HSと対向可能な位置においてプレート部材33を支持する。
【0110】
設置台312のプレート部材33に前身頃Caが設置されている状態で、検出装置313は、前身頃Caの画像データを取得する。検出装置313で取得された前身頃Caの画像データは、前身頃位置データ取得部11に取得される。前身頃位置データ取得部11は、前身頃Caの画像データに基づいて、XY平面内における前身頃Caの位置を算出する。
【0111】
プレート部材33の孔37は、微小である。本実施形態において、プレート部材33の孔37の直径φは、2[mm]以下である。そのため、検出装置313で取得された前身頃Caの画像データに孔37が映り込んでも、前身頃位置データ取得部11における画像処理に影響を及ぼすことが抑制される。
【0112】
搬送制御部15は、生地搬送装置4を、設置台312のプレート部材33に設置されている前身頃Caと対向する第1供給位置PF1に移動させる。生地搬送装置4が第1供給位置PF1に移動された後、搬送制御部15は、吸着面HSの吸引動作を実施しながら生地搬送装置4を下降させる。これにより、生地搬送装置4の吸着面HSとプレート部材33の上面に設置されている前身頃Caとが接触し、前身頃Caは、生地搬送装置4の吸着面HSに真空吸着保持される。生地搬送装置4は、プレート部材33の上面33Sに設置されている前身頃Caを上方から真空吸着保持する。
【0113】
本実施形態においては、プレート部材33に孔37が設けられている。これにより、生地搬送装置4とプレート部材33に設置されている前身頃Caとが接近又は接触した状態で、生地搬送装置4の吸着面HSの吸引孔から気体が吸引されるとき、図11の矢印Fで示すように、プレート部材33の下面33T側の空間の気体が、孔37を介してプレート部材33の上面33S側の空間に流れる。これにより、生地搬送装置4の吸着面HSによる前身頃Caの真空吸着保持は安定して実施される。
【0114】
本実施形態において、ロボット5は、水平多関節ロボットであり、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ方向の4つの方向に移動可能である。生地搬送装置4の吸着面HSは、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ方向に移動可能である。支持装置34は、プレート部材33を揺動可能に支持するフローティング機能を有する。プレート部材33は、θX方向、θY方向、及びZ軸方向の少なくとも1つの方向に移動可能に支持装置34に支持される。
【0115】
すなわち、本実施形態においては、XY平面内及びZ軸方向にのみ移動可能な生地搬送装置4の吸着面HSに対して、前身頃Caを支持するプレート部材33は、θX方向、θY方向、及びZ軸方向に移動可能である。したがって、生地搬送装置4の吸着面HSとプレート部材33の上面33Sとが平行でなくても、生地搬送装置4を下降させて生地搬送装置4の吸着面HSとプレート部材33の上面33Sに設置されている前身頃Caとを接触させるとき、生地搬送装置4の吸着面HSとプレート部材33の上面33Sとが平行になるようにプレート部材33が揺動する。これにより、生地搬送装置4の吸着面HSとプレート部材33の上面33Sとは十分に接触することができ、前身頃Caは、生地搬送装置4の吸着面HSに安定して真空吸着保持される。
【0116】
なお、図11を参照して、生地搬送装置4が第1生地供給装置31から前身頃Caを搬出する動作について説明した。生地搬送装置4が第2生地供給装置32から後身頃Cbを搬出する動作は、第1生地供給装置31から前身頃Caを搬出する動作と同様であるため説明を省略する。
【0117】
<第1ミシンにおける生地搬送装置の動作>
図12は、本実施形態に係る第1ミシン21における生地搬送装置4の動作の一例を模式的に示す斜視図である。
【0118】
第1ミシン21は、生地搬送装置4と協働して後身頃CbとラベルLとを縫合する。図12に示すように、第1ミシン21は、後身頃Cbが設置される設置面211Sを有するテーブル211と、テーブル211に設置された後身頃CbとラベルLとを縫合するミシンヘッド212とを有する。
【0119】
ミシンヘッド212は、ミシン針213を上下方向に移動させる駆動機構214と、テーブル211に設置された後身頃Cbを上方から押える第1押え部材215と、後身頃Cb上に設置されたラベルLを上方から押える第2押え部材216とを有する。
【0120】
生地搬送装置4は、ミシンヘッド212による後身頃CbとラベルLとの縫合において、後身頃Cbを保持する。搬送制御部15は、後身頃Cbの目標部位にラベルLが縫合されるように、検出装置313の検出結果に基づいて、生地搬送装置4を移動させる。本実施形態において、搬送制御部15は、後身頃Cbの脇部分Wの目標部位が第1縫合位置PM1に配置されるように、検出装置313の検出結果に基づいて、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbの位置を調整する。
【0121】
本実施形態においては、後身頃Cbの脇部分Wの位置を検出する位置センサ217が第1ミシン21に設けられる。位置センサ217は、後身頃Cbの周縁部分に検出光を照射して、脇部分Wの位置を光学的に検出する。搬送制御部15は、後身頃Cbの脇部分Wの目標部位が第1縫合位置PM1に配置されるように、位置センサ217の検出結果に基づいて、後身頃Cbを保持した生地搬送装置4の位置を調整する。すなわち、本実施形態において、搬送制御部15は、位置センサ217の検出結果に基づいて、後身頃Cbの脇部分Wの目標部位と第1縫合位置PM1との相対位置を調整する。
【0122】
ミシンヘッド212は、後身頃Cb及びラベルLを縫製方向に送りながら後身頃CbとラベルLとを縫合する。生地搬送装置4は、ミシンヘッド212の縫合と同期して、後身頃Cbを保持して縫製方向に移動する。図12に示す例において、縫製方向は、X軸方向である。
【0123】
第1ミシン制御部13は、後身頃CbとラベルLとが規定の縫製方向に送られながら縫合されるように第1ミシン21を制御する。第1ミシン21は、後身頃Cb及びラベルLを規定の縫製方向に送りながらミシン針213を上下方向に移動させて、後身頃CbとラベルLとを縫合する。搬送制御部15は、第1ミシン21による後身頃Cb及びラベルLの縫製方向の送り動作と同期して、後身頃Cbを保持した生地搬送装置4を規定の縫製方向に移動させる。生地搬送装置4は、第1ミシン21による後身頃Cb及びラベルLの縫製方向の送り動作と同期して、後身頃Cbを保持した状態で規定の縫製方向に移動する。これにより、第1ミシン21による後身頃CbとラベルLとの縫合は円滑に実施される。
【0124】
本実施形態において、生地搬送装置4は、後身頃Cbをテーブル211に押さえ付ける。搬送制御部15は、生地搬送装置4の重量よりも大きい荷重がテーブル211に作用するように、生地搬送装置4をテーブル211に押し付けながら、規定の縫製方向に移動させる。
【0125】
本実施形態においては、ラベルLと縫合される後身頃Cbの脇部分Wの目標部位は、第1部材60Aに設けられている一対の第2吸引部材62の間に配置される。ラベルLと縫合される脇部分Wの目標部位は、吸着部材6で覆われていない。これにより、第1押え部材215及び第2押え部材216は、後身頃Cbの脇部分Wを上方から円滑に押えることができる。また、ラベルLと縫合される脇部分Wの目標部位が吸着部材6で覆われていないため、ミシン針213による縫合は円滑に実施される。
【0126】
<第2ミシンにおける生地搬送装置及び生地位置調整装置の動作>
次に、第2ミシン22における生地搬送装置4及び生地位置調整装置250の動作の一例について説明する。上述のように、本実施形態において、第2ミシン22は、前身頃Caの肩部分Kと後身頃Cbの肩部分Kとを縫合する肩合わせ縫いミシンである。
【0127】
図13は、本実施形態に係る前身頃Ca及び後身頃Cbのそれぞれを模式的に示す図である。図13に示すように、前身頃Caは、2つの肩部分K及び2つの脇部分Wを有する。後身頃Cbは、2つの肩部分K及び2つの脇部分Wを有する。2つの肩部分Kは、一方の肩部分Kである左肩部分KLと他方の肩部分Kである右肩部分KRとを含む。2つの脇部分Wは、一方の脇部分Wである左脇部分WLと他方の脇部分Wである右脇部分WRとを含む。第2ミシン22においては、前身頃Caの左肩部分KLと後身頃Cbの左肩部分KLとの縫合、及び前身頃Caの右肩部分KRと後身頃Cbの右肩部分KRとの縫合が実施される。
【0128】
図14は、本実施形態に係る前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせた状態を模式的に示す図である。図14に示すように、前身頃Caの肩部分Kと後身頃Cbの肩部分Kとを縫合するとき、第2ミシン22において、前身頃Caと後身頃Cbとが重ね合わせられる。前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせたとき、前身頃Caの肩部分Kの位置と後身頃Cbの肩部分Kの位置とが一致しない可能性がある。例えば、図14に示すように、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせたとき、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とがずれてしまう可能性がある。なお、前身頃Caの肩部分Kの位置と後身頃Cbの肩部分Kの位置とが一致しない原因として、例えば生地Cの伸び又は裁断ずれなどが挙げられる。
【0129】
前身頃Caの肩部分Kの位置と後身頃Cbの肩部分Kの位置とが一致しない状態で、前身頃Caの肩部分Kと後身頃Cbの肩部分Kとが縫合されてしまうと、不良な衣料が製造されてしまう。
【0130】
生地位置調整装置250は、前身頃Caの肩部分Kの位置と後身頃Cbの肩部分Kの位置とのずれを補正する。生地位置調整装置250は、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせたとき、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とのずれ量Gが小さくなるように、前身頃Caの右肩部分KRの位置を調整する。
【0131】
前身頃Caが第2ミシン22に搬送される前、XY平面内における前身頃Caの左肩部分KLの位置及び前身頃Caの右肩部分KRの位置が、第1生地供給装置31に配置されている検出装置313によって検出される。後身頃Cbが第2ミシン22に搬送される前、XY平面内における後身頃Cbの左肩部分KLの位置及び後身頃Cbの右肩部分KRの位置が、第2生地供給装置32に配置されている検出装置323によって検出される。
【0132】
前身頃位置データ取得部11は、検出装置313で取得された画像データに基づいて、XY平面内における前身頃Caの左肩部分KLの位置データ及び前身頃Caの右肩部分KRの位置データを算出する。後身頃位置データ取得部12は、検出装置323で取得された画像データに基づいて、XY平面内における後身頃Cbの左肩部分KLの位置データ及び後身頃Cbの右肩部分KRの位置データを算出する。
【0133】
第2ミシン制御部14は、前身頃位置データ取得部11で算出された前身頃Caの左肩部分KLの位置データ及び前身頃Caの右肩部分KRの位置データと、後身頃位置データ取得部12で算出された後身頃Cbの左肩部分KLの位置データ及び後身頃Cbの右肩部分KRの位置データとに基づいて、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせたときの、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とのずれ量Gを算出する。第2ミシン制御部14によって算出されたずれ量Gは、記憶部16に記憶される。
【0134】
図15は、本実施形態に係る第2ミシン22における生地位置調整装置250の動作の一例を模式的に示す平面図である。図15は、生地搬送装置4によって第1生地供給装置31から第2ミシン22のテーブル221に搬送された前身頃Caを模式的に示す。
【0135】
生地搬送装置4は、検出装置313の検出結果に基づいて、第2ミシン22に規定されている目標位置に前身頃Caが設置されるように、前身頃Caをテーブル221に搬送する。生地搬送装置4は、前身頃Caの左肩部分KLがテーブル221の設置面221Sに設置され、前身頃Caの右肩部分KRが生地位置調整装置250のプレート部材251の保持面251Sに設置されるように、前身頃Caをテーブル221に搬送する。
【0136】
前身頃Caがテーブル221に設置された後、生地位置調整装置250は、吸引孔253による吸引動作を実施して、プレート部材251の保持面251Sで前身頃Caの右肩部分KRを吸着保持する。これにより、テーブル221の設置面221Sに前身頃Caの左肩部分KLが設置された状態で、プレート部材251の保持面251Sに前身頃Caの右肩部分KRが保持される。
【0137】
第2ミシン制御部14は、生地位置調整装置250のアクチュエータ252を制御して、設置面221Sと平行な方向にプレート部材251を移動して、前身頃Caの右肩部分KRの位置を調整する。第2ミシン制御部14は、検出装置313の検出結果及び検出装置323の検出結果に基づいて算出され記憶部16に記憶されているずれ量Gが小さくなるように、右肩部分KRを吸着保持しているプレート部材251を設置面221Sと平行な方向に移動させる。
【0138】
すなわち、第2ミシン制御部14は、テーブル221に設置されている前身頃Caの右肩部分KRと、後にテーブル221に搬送される後身頃Cbの右肩部分KRとのずれ量Gが小さくなるように、アクチュエータ252を制御して、前身頃Caの右肩部分KRを保持しているプレート部材251の移動量を調整する。
【0139】
これにより、図15に示すように、前身頃Caの右肩部分KRの位置は、点線で示す位置から実線で示す位置に調整される。プレート部材251の移動により前身頃Caの右肩部分KRが移動しても、前身頃Caの左肩部分KLは、テーブル221の設置面221Sとの摩擦力により実質的に静止する。なお、テーブル221の設置面221Sに真空系70と接続される吸引口が設けられ、前身頃Caの左肩部分KLがテーブル221の設置面221Sに吸着保持されてもよい。前身頃Caの左肩部分KLがテーブル221の設置面221Sに吸着保持されることにより、プレート部材251の移動により前身頃Caの右肩部分KRが移動しても、テーブル221の設置面221Sに吸着保持されている前身頃Caの左肩部分KLは、実質的に静止する。
【0140】
生地位置調整装置250は、テーブル221の設置面221Sに前身頃Caの左肩部分KLが設置された状態で、前身頃Caの右肩部分KRを吸着保持したプレート部材251をXY平面内において移動させることにより、XY平面内における、保持面251Sに保持されている前身頃Caの右肩部分KRと、設置面221Sに設置されている前身頃Caの左肩部分KLとの相対位置を調整することができる。
【0141】
テーブル221に設置されている前身頃Caの右肩部分KRの位置が生地位置調整装置250によって調整された後、生地搬送装置4により、後身頃Cbが第2ミシン22のテーブル221に搬送される。搬送制御部15は、検出装置323の検出結果に基づいて、後身頃Cbがテーブル221に規定されている目標位置に配置されるように生地搬送装置4を制御して、後身頃Cbの位置を調整する。生地搬送装置4は、第2ミシン22のテーブル221に設置されている前身頃Caと後身頃Cbとが重なり合うように、テーブル221に設置されている前身頃Caに対する後身頃Cbの位置を調整する。
【0142】
搬送制御部15は、検出装置313及び検出装置323の検出結果に基づいて、テーブル221の設置面221Sに設置されている前身頃Caの左肩部分KLと、生地搬送装置4によりテーブル221に搬送される後身頃Cbの左肩部分KLとが一致するように、生地搬送装置4を制御する。これにより、テーブル221の設置面221Sにおいて前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように、テーブル221に設置されている前身頃Caの上に後身頃Cbが搬送される。生地搬送装置4により後身頃Cbがテーブル221に搬送された後、搬送制御部15は、吸着部材6の吸着面HSによる後身頃Cbの吸着保持を解除する。
【0143】
図16は、本実施形態に係る第2ミシン22における前身頃Ca及び後身頃Cbの一例を模式的に示す平面図である。テーブル221に後身頃Cbが搬送される前に、第2ミシン制御部14は、ずれ量Gが小さくなるように、生地位置調整装置250のアクチュエータ252を制御して、プレート部材251の保持面251Sに保持されている前身頃Caの右肩部分KRと、生地搬送装置4によって搬送される後身頃Cbの右肩部分KRとの相対位置を調整する。第2ミシン制御部14は、生地位置調整装置250のアクチュエータ252を制御して、プレート部材251の保持面251Sにおいて前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とが一致するようにプレート部材251を移動する。すなわち、生地位置調整装置250により、テーブル221に設置されている前身頃Caの右肩部分KRと左肩部分KLとの相対位置は、生地搬送装置4によって搬送される後身頃Cbの右肩部分KRと左肩部分KLとの相対位置と一致するように調整される。したがって、生地搬送装置4によって、テーブル221に設置されている前身頃Caの上に後身頃Cbが搬送されることにより、図16に示すように、テーブル221において、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とが一致し、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように、前身頃Caと後身頃Cbとが重なり合う。
【0144】
図17は、本実施形態に係る第2ミシン22の動作の一例を模式的に示す平面図である。前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とが一致し、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように、前身頃Caと後身頃Cbとが重ね合わせられた後、図17に示すように、第2ミシン制御部14は、第1生地押え部材240Lで前身頃Caの左肩部分KL及び後身頃Cbの左肩部分KLを固定する。前身頃Caの左肩部分KL及び後身頃Cbの左肩部分KLは、第1生地押え部材240Lによって上から押さえ付けられることにより、第1生地押え部材240Lとテーブル221との間において固定される。
【0145】
図18及び図19は、本実施形態に係る第2ミシン22における生地搬送装置4の動作の一例を模式的に示す平面図である。第1生地押え部材240Lで前身頃Caの左肩部分KL及び後身頃Cbの左肩部分KLが固定された後、図7(B)を参照して説明したように、搬送制御部15は、可動部材63の下端部が吸着面HSよりも下方に配置されるように、吸着部材6の可動部材63を下降させる。
【0146】
搬送制御部15は、生地搬送装置4の位置を調整して、可動部材63の下端部と後身頃Cbとを接触させる。搬送制御部15は、後身頃Cbの少なくとも一部と可動部材63とが接触した状態で、ロボット5を制御して、後身頃Cbの少なくとも一部と接触した可動部材63をXY平面内において移動させて、XY平面内における後身頃Cbの位置及び前身頃Caの位置を調整する。
【0147】
図18に示すように、本実施形態においては、搬送制御部15は、生地Cの右肩部分KRの近傍と可動部材63とを接触させた状態でXY平面内において生地搬送装置4を移動させて、第1生地押え部材240Lに固定されている左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置を調整する。図19に示すように、搬送制御部15は、右肩部分KRと左肩部分KLとが直線状に配置されるように、左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置を調整する。
【0148】
図20は、本実施形態に係る第2ミシン22の動作の一例を模式的に示す平面図である。左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置が調整された後、図20に示すように、第2ミシン制御部14は、第2生地押え部材240Rで、右肩部分KRを固定する。これにより、左肩部分KLのシームラインSLと右肩部分KRのシームラインSRとが同一直線上に配置される。
【0149】
[手順]
図21は、本実施形態に係る縫製システム1の動作の一例を示すフローチャートである。第1生地供給装置31の収容装置311に積層されている複数の前身頃Caのうち最も上に配置されている1枚の前身頃Caが第1ピックアップ装置によって設置台312に搬送される。設置台312に設置された前身頃Caが検出装置313によって検出される。第2生地供給装置32の収容装置321に積層されている複数の後身頃Cbのうち最も上に配置されている1枚の後身頃Cbが第2ピックアップ装置によって設置台322に搬送される。設置台322に設置された後身頃Cbが検出装置323によって検出される。前身頃位置データ取得部11は、検出装置313の検出データに基づいて、XY平面内における前身頃Caの位置データを算出する。後身頃位置データ取得部12は、検出装置323の検出データに基づいて、XY平面内における後身頃Cbの位置データを算出する(ステップS10)。
【0150】
前身頃Caの位置データは、XY平面内における、前身頃Caの左肩部分KL、右肩部分KR、左脇部分WL、及び右脇部分WRを含む前身頃Caの周縁部分の位置データを含む。後身頃Cbの位置データは、XY平面内における、後身頃Cbの左肩部分KL、右肩部分KR、左脇部分WL、及び右脇部分WRを含む後身頃Cbの周縁部分の位置データを含む。
【0151】
第2ミシン制御部14は、ステップS10において算出された前身頃Caの左肩部分KLの位置データ、前身頃Caの右肩部分KRの位置データ、後身頃Cbの左肩部分KLの位置データ、及び後身頃Cbの右肩部分KRの位置データに基づいて、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせたときの、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とのずれ量Gを算出する。記憶部16は、算出されたずれ量Gを示すデータを記憶する。
【0152】
搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、第1生地供給装置31から前身頃Caを第2ミシン22に搬送する(ステップS20)。
【0153】
搬送制御部15は、第1供給位置PF1に生地搬送装置4を移動させる。搬送制御部15は、第1生地供給装置31の設置台312に設置されている1枚の前身頃Caを生地搬送装置4の吸着面HSで吸着保持させる。搬送制御部15は、前身頃Caを保持した生地搬送装置4を第2ミシン位置PH2に移動させる。搬送制御部15は、第2ミシン22のテーブル221に規定されている目標位置に前身頃Caが搬送されるように、第2ミシン位置PH2において、生地搬送装置4に保持されている前身頃Caの位置を調整する。
【0154】
本実施形態において、搬送制御部15は、前身頃Caの左肩部分KLがテーブル221の設置面221Sに設置され、前身頃Caの右肩部分KRがテーブル221に設けられているプレート部材251の保持面251Sに設置されるように、生地搬送装置4で前身頃Caをテーブル221に搬送する。
【0155】
搬送制御部15は、生地搬送装置4により前身頃Caを第2ミシン22のテーブル221に搬送して前身頃Caの位置を調整した後、生地搬送装置4の吸着面HSによる前身頃Caの吸着保持を解除する。これにより、前身頃Caは、第2ミシン22のテーブル221に渡される。前身頃Caが生地搬送装置4から第2ミシン22のテーブル221に渡された後、搬送制御部15は、第2供給位置PF2に生地搬送装置4を移動させる。
【0156】
第2ミシン制御部14は、生地位置調整装置250を制御して、テーブル221に設置されている前身頃Caの右肩部分KRの位置を調整する(ステップS30A)。
【0157】
図15を参照して説明したように、前身頃Caの右肩部分KRがプレート部材251に吸着保持される。前身頃Caの左肩部分KLはテーブル221の設置面221Sに設置される。第2ミシン制御部16は、生地位置調整装置250のアクチュエータ252を制御して、設置面221Sと平行な方向にプレート部材251を移動して、記憶部16に記憶されているずれ量Gが小さくなるように、右肩部分KRを吸着保持しているプレート部材251を設置面221Sと平行な方向に移動させる。
【0158】
生地位置調整装置250による前身頃Caの右肩部分KRの位置調整の処理の少なくとも一部と並行して、搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、第2生地供給装置32から後身頃Cbを第1ミシン21に搬送する(ステップS30B)。
【0159】
搬送制御部15は、第2供給位置PF2に生地搬送装置4を移動させる。搬送制御部15は、第2生地供給装置32の設置台322に設置されている1枚の後身頃Cbを生地搬送装置4の吸着面HSで吸着保持させる。搬送制御部15は、後身頃Cbを保持した生地搬送装置4を第1ミシン位置PH1に移動させる。搬送制御部15は、第1ミシン21のテーブル211に規定されている目標位置に後身頃Cbが搬送されるように、第1ミシン位置PH1において、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbの位置を調整する。
【0160】
図12を参照して説明したように、搬送制御部15は、後身頃Cbの脇部分Wの目標部位が第1縫合位置PM1に配置されるように、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbの位置を調整する。搬送制御部15は、位置センサ217の検出結果に基づいて、第1ミシン位置PH1において、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbと第1縫合位置PM1との相対位置を微調整する。
【0161】
第1ミシン制御部13は、第1ミシン21を制御して、生地搬送装置4の吸着面HSに吸着保持されている後身頃Cbとラベル供給装置8から供給されたラベルLとを縫合する(ステップS30C)。
【0162】
ミシンヘッド212は、後身頃Cb及びラベルLを縫製方向に送りながら後身頃CbとラベルLとを縫合する。搬送制御部15は、第1ミシン21のミシンヘッド212による後身頃CbとラベルLとの縫合と同期して、後身頃Cbを保持している生地搬送装置4を縫製方向に移動させる。また、搬送制御部15は、生地搬送装置4で後身頃Cbをテーブル211に押さえ付けながら、生地搬送装置4を縫製方向に移動させる。
【0163】
第1ミシン21において後身頃CbとラベルLとの縫合が終了した後、搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、第1ミシン21から後身頃Cbを第2ミシン22に搬送する(ステップS40)。
【0164】
搬送制御部15は、後身頃Cbを保持した生地搬送装置4を第2ミシン位置PH2に移動させる。搬送制御部15は、第2ミシン22のテーブル221に規定されている目標位置に後身頃Cbが搬送されるように、第2ミシン位置PH2において、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbの位置を調整する。本実施形態において、搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、第2ミシン22のテーブル221に設置されている前身頃Caに対する後身頃Cbの位置を調整する。
【0165】
搬送制御部15は、テーブル221に設置されている前身頃Caと、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbとが、テーブル221において重なり合うように、生地搬送装置4の位置を調整する。本実施形態においては、生地搬送装置4で後身頃Cbがテーブル221に搬送される前に、ステップS30Aにおいて、前身頃Caの右肩部分KRの位置が調整されている。そのため、搬送制御部15は、テーブル221の設置面221Sに設置されている前身頃Caの左肩部分KLと、生地搬送装置4によりテーブル221に搬送される後身頃Cbの左肩部分KLとが一致するように生地搬送装置4を制御することにより、図16を参照して説明したように、テーブル221において、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とが一致し、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように、前身頃Caと後身頃Cbとを重ね合わせることができる。
【0166】
搬送制御部15は、生地搬送装置4を制御して、生地搬送装置4に保持されている後身頃Cbを第2ミシン22のテーブル221に搬送して後身頃Cbの位置を調整した後、生地搬送装置4の吸着面HSによる後身頃Cbの吸着保持を解除する。これにより、後身頃Cbは、第2ミシン22のテーブル221に渡され、前身頃Caと重ね合わせられる。前身頃Caと後身頃Cbとは、前身頃Caの右肩部分KRの位置と後身頃Cbの右肩部分KRの位置とが一致し、前身頃Caの左肩部分KLの位置と後身頃Cbの左肩部分KLの位置とが一致するように、重ね合わせられる。
【0167】
前身頃Ca及び後身頃Cbが第2ミシン22のテーブル221に設置され、生地搬送装置4による後身頃Cbの吸着保持が解除された後、図17を参照して説明したように、第2ミシン制御部14は、第1生地押え部材240Lで前身頃Caの左肩部分KL及び後身頃Cbの左肩部分KLを固定する(ステップS50)。
【0168】
前身頃Caの左肩部分KL及び後身頃Cbの左肩部分KLが第1生地押え部材240Lに固定された後、図7(B)を参照して説明したように、搬送制御部15は、可動部材63の下端部が吸着面HSよりも下方に配置されるように、吸着部材6の可動部材63を下降させる。
【0169】
搬送制御部15は、生地搬送装置4の位置を調整して、可動部材63の下端部と生地搬送装置4の吸着面HSから離れた後身頃Cbとを接触させる。搬送制御部15は、可動部材63と後身頃Cbとを接触させた状態で、ロボット5を制御してXY平面内において可動部材63を移動させて、後身頃Cb及び前身頃Caの位置を調整する。
【0170】
図18を参照して説明したように、搬送制御部15は、生地Cの右肩部分KRの近傍と可動部材63とを接触させた状態でXY平面内において生地搬送装置4を移動させて、第1生地押え部材240Lに固定されている左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置を調整する。
【0171】
図19を参照して説明したように、搬送制御部15は、右肩部分KRと左肩部分KLとが直線状に配置されるように、左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置を調整する。図20を参照して説明したように、搬送制御部15は、左肩部分KLのシームラインSLと右肩部分KRのシームラインSRとが同一直線上に配置されるように、左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置を調整する(ステップS60)。
【0172】
なお、右肩部分KRと左肩部分KLとが直線状に配置されるように左肩部分KLに対する右肩部分KRの位置が調整されることにより、右肩部分KRと左肩部分KLとの間の生地Cの少なくとも一部に皺が発生する可能性がある。搬送制御部15は、可動部材63と生地Cとを接触させた状態でロボット5をXY平面内において移動させることにより、皺を伸ばすことができる。
【0173】
生地搬送装置4の可動部材63で右肩部分KRの位置が調整された後、図20を参照して説明したように、第2ミシン制御部14は、第2生地押え部材240Rで前身頃Caの右肩部分KR及び後身頃Cbの右肩部分KRを固定する(ステップS70)。
【0174】
第1生地押え部材240L及び第2生地押え部材240Rで前身頃Ca及び後身頃Cbが固定された後、第2ミシン制御部14は、生地押え搬送装置230を制御して、前身頃Ca及び後身頃Cbを生地押え搬送装置230に保持させる。第2ミシン制御部14は、ミシンヘッド222を制御して、シームラインSL及びシームラインSRに沿って、前身頃Caと後身頃Cbとを縫合する(ステップS80)。前身頃Ca及び後身頃Cbは、X軸方向と平行な縫製方向に移動されながら、ミシンヘッド222により縫合される。
【0175】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、縫製システム1は、生地供給装置3から供給された生地Cを保持してミシン2に搬送する生地搬送装置4を備える。ロボット5を含む生地搬送装置4が設けられることにより、生地Cはミシン2に迅速且つ正確に供給される。したがって、衣料の生産性の低下が抑制される。
【0176】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、生地Cを上方から保持する。これにより、生地搬送装置4は、第1供給位置PF1、第2供給位置PF2、第1ミシン位置PH1、及び第2ミシン位置PH2のそれぞれの上方を移動して、生地Cを上方から保持したり保持を解除したりして、迅速に搬送することができる。
【0177】
また、本実施形態においては、第1ミシン21は、テーブル211と、テーブル211に設置された後身頃Cbを縫合するミシンヘッド212とを有し、生地搬送装置4は、後身頃Cbをテーブル211に搬送する。これにより、第1ミシン21は、テーブル211に搬送された後身頃CbとラベルLとの縫合を迅速に実施することができる。また、第2ミシン22は、テーブル221と、テーブル221に設置された前身頃Ca及び後身頃Cbを縫合するミシンヘッド222とを有し、生地搬送装置4は、前身頃Ca及び後身頃Cbをテーブル221に搬送する。これにより、第2ミシン22は、テーブル212に搬送された前身頃Caと後身頃Cbとの縫合を迅速に実施することができる。
【0178】
また、本実施形態において、生地搬送装置4は、ミシンヘッド212における縫合において、後身頃Cbを保持する。例えば、ミシンヘッド212における縫合の前に生地搬送装置4による後身頃Cbの保持が解除されると、第1縫合位置PM1と後身頃Cbとの相対位置の調整のための位置調整機構を別途設ける必要が生じる可能性がある。また、位置調整機構による位置調整に要する時間を確保する必要が生じる可能性がある。その結果、装置コストが増大したり、衣料の生産性が低下したりする可能性がある。本実施形態においては、後身頃Cbは生地搬送装置4に保持された状態で第1ミシン21においてラベルLと縫合される。したがって、装置コストの増大及び生産性の低下が抑制される。
【0179】
また、本実施形態においては、ミシンヘッド212は、後身頃Cbを縫製方向に送りながら縫合し、生地搬送装置4は、ミシンヘッド212による縫合と同期して、後身頃Cbを保持して縫製方向に移動する。これにより、ミシンヘッド212における縫合は円滑に実施される。
【0180】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、後身頃Cbをテーブル211に押さえ付ける。これにより、第1ミシン21における縫合は円滑に実施される。
【0181】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、後身頃Cbを第1ミシン21から第2ミシン22に搬送する。これにより、衣料が複数のミシン2による複数の工程を経て製造される場合においても、生地Cが複数のミシン2のそれぞれに迅速且つ正確に供給される。そのため、衣料の生産性の低下が抑制される。
【0182】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、第1生地供給装置31から第1ミシン21までの後身頃Cbの搬送、第1ミシン21における後身頃Cbの縫合、及び第1ミシン21から第2ミシン22までの後身頃Cbの搬送において、後身頃Cbを保持し続ける。生地搬送装置4による後身頃Cbの保持解除と保持とが頻繁に繰り返されると、生地搬送装置4が後身頃Cbの保持を解除するのに要する時間及び後身頃Cbを保持するのに要する時間を確保する必要がある。また、後見頃Cbの保持解除と保持とを繰り返す度に、別途設けられた位置調整機構によって後身頃Cbの位置調整を実施する必要がある。その結果、装置コストが増大したり、衣料の生産性が低下したりする可能性がある。本実施形態においては、生地搬送装置4は後身頃Cbを保持し続けるので、生地搬送装置4が後身頃Cbの保持を解除するのに要する時間及び後身頃Cbを保持するのに要する時間を省略することができる。したがって、衣料の生産性の低下が抑制される。
【0183】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、第1ミシン21及び第2ミシン22のそれぞれにおいて、生地Cを保持した状態で生地Cの位置を調整する。これにより、第1ミシン21及び第2ミシン22のそれぞれにおいて、生地Cは目標位置に正確に搬送される。
【0184】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、生地Cと接触可能な接触部材である可動部材63を有し、生地Cの少なくとも一部と可動部材63の下端部とを接触させた状態で生地搬送装置4を移動して、生地Cの位置を調整する。これにより、ロボット5を含む生地搬送装置4の高い位置決め精度を利用して、生地Cの位置を高精度に調整することができる。
【0185】
また、本実施形態においては、前身頃Caの位置を検出する検出装置313及び後身頃Cbの位置を検出する検出装置323が設けられ、生地搬送装置4は、検出装置313の検出結果及び検出装置323の検出結果に基づいて、前身頃Caの位置及び後身頃Cbの位置を調整する。これにより、生地搬送装置4は、縫製システム1に規定される座標系において生地Cを目標位置に高精度に搬送することができる。
【0186】
また、本実施形態においては、検出装置313は、第1生地供給装置31に配置され、検出装置323は、第2生地供給装置32に配置される。前身頃Caの搬送の起点となる第1生地供給装置31において前身頃Caの位置が検出されるため、生地搬送装置4は、前身頃Caの搬送の起点となる第1生地供給装置31から搬送の終点となる第2ミシン22まで、検出装置313の検出結果に基づいて、前身頃Caの位置を高精度に調整することができる。同様に、後身頃Cbの搬送の起点となる第2生地供給装置32において後身頃Cbの位置が検出されるため、生地搬送装置4は、後身頃Cbの搬送の起点となる第2生地供給装置32から搬送の終点となる第2ミシン22まで、検出装置323の検出結果に基づいて、後身頃Cbの位置を高精度に調整することができる。
【0187】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4による生地Cの位置の調整は、第1ミシン21に規定される目標位置に対する生地Cの位置の調整、及び第2ミシン22に規定される目標位置に対する生地Cの位置の調整を含む。生地搬送装置4により、生地Cはミシン2に規定される目標位置に高精度に配置されるため、生地Cの目標部位が良好に縫合される。したがって、衣料の製造不良が抑制される。
【0188】
また、本実施形態においては、第2ミシン22は、生地Cの左肩部分KLを固定する第1生地押え部材240Lを有し、生地搬送装置4による生地Cの位置の調整は、左肩部分KLに対する生地Cの右肩部分KRの位置の調整を含む。これにより、図18及び図19を参照して説明したように、生地搬送装置4を使って、シームラインSLとシームラインSRとを同一直線上に正確に配置することができる。
【0189】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、生地Cを上方から吸着保持する吸着面HSを有する吸着部材6と、吸着部材6に移動可能に支持される可動部材63とを有する。吸着部材6の吸着保持が解除された生地Cの左肩部分KLが第1生地押え部材240Lに固定された後、生地搬送装置4は、吸着面HSから離れた生地Cと可動部材63の下端部とを接触させた状態でXY平面内において移動して、生地Cの右肩部分KRの位置を調整する。これにより、XY平面内における左肩部分KLと右肩部分KRとの相対位置の調整が円滑に実施される。
【0190】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4による生地Cの位置の調整は、第2ミシン22のテーブル221に設置されている前身頃Caに対する後身頃Cbの位置の調整を含む。これにより、第2ミシン22のテーブル221において、前身頃Caに後身頃Cbを正確に重ね合わせることができる。
【0191】
また、本実施形態においては、生地搬送装置4は、第1生地供給装置31から前身頃Caを第2ミシン22に搬送して前身頃Caの位置を調整した後、第2生地供給装置32から後身頃Cbを第2ミシン22に搬送して、第2ミシン22に設置されている前身頃Caに対する後身頃Cbの位置を調整する。本実施形態においては、単一のロボット5及び吸着部材6を含む生地搬送装置4によって、前身頃Ca及び後身頃Cbを第2ミシン22に順次搬送して、前身頃Caの位置及び後身頃Cbの位置を正確に調整することができる。
【0192】
また、本実施形態においては、第1生地供給装置31は、前身頃Caが設置される設置台312を含み、生地搬送装置4は、前身頃Caを設置台312から1枚ずつ搬送する。また、第2生地供給装置32は、後身頃Cbが設置される設置台322を含み、生地搬送装置4は、後身頃Cbを設置台322から1枚ずつ搬送する。これにより、ミシン2において、前身頃Ca及び後身頃Cbが1枚ずつ縫合されるため、衣料の製造不良が抑制される。
【符号の説明】
【0193】
1…縫製システム、2…ミシン、3…生地供給装置、4…生地搬送装置、5…ロボット、6…吸着部材、7…ベース部材、8…ラベル供給装置、9…ラベル搬送装置、10…制御装置、11…前身頃位置データ取得部、12…後身頃位置データ取得部、13…第1ミシン制御部、14…第2ミシン制御部、15…搬送制御部、16…記憶部、17…入出力部、21…第1ミシン、22…第2ミシン、31…第1生地供給装置、32…第2生地供給装置、33…プレート部材、33S…上面、33T…下面、34…支持装置、35…ベース部材、36…ばね、37…孔、51…アーム、60…本体部材、60A…第1部材、60B…第2部材、60C…第3部材、60D…第4部材、60E…第5部材、60F…第6部材、61…第1吸引部材、61A…上板、61B…下板、61C…側板、62…第2吸引部材、63…可動部材、64…コネクタ、65…第1支持部材、66…第2支持部材、67…固定機構、68…固定機構、69…ガイド機構、70…真空系、71…連結部材、72…プレート部材、73…アクチュエータ、81…第1ラベル供給装置、82…第2ラベル供給装置、83…第3ラベル供給装置、84…ラベル収容部材、85…ラベル移送機構、91…クランプ機構、92…ガイド機構、93…アクチュエータ、211…テーブル、211S…設置面、212…ミシンヘッド、213…ミシン針、214…駆動機構、215…第1押え部材、216…第2押え部材、217…位置センサ、221…テーブル、221K…開口、221S…設置面、222…ミシンヘッド、223…ミシン針、224…駆動機構、225…押え部材、230…生地押え搬送装置、231…生地押え部材、232…アーム部材、233…スライダ、234…ガイド部材、235…アクチュエータ、240…生地押え部材、240L…第1生地押え部材、240R…第2生地押え部材、241…支持装置、241L…第1支持装置、241R…第2支持装置、250…生地位置調整装置、251…プレート部材、251S…保持面、251T…下面、252…アクチュエータ、253…吸引孔、254…支持部材、255…ベース部材、256…チューブ部材、311…収容装置、312…設置台、313…検出装置、321…収容装置、322…設置台、323…検出装置、C…生地、Ca…前身頃(第1生地)、Cb…後身頃(第2生地)、HS…吸着面、HS1…吸着面、HS2…吸着面、K…肩部分、KR…右肩部分、KL…左肩部分、L…ラベル、L1…第1ラベル、L2…第2ラベル、L3…第3ラベル、PF1…第1供給位置、PF2…第2供給位置、PH1…第1ミシン位置、PH2…第2ミシン位置、PM1…第1縫合位置、PM2…第2縫合位置、SL…シームライン、SR…シームライン、VS…空間、W…脇部分、WR…右脇部分、WL…左脇部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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