特許第6978274号(P6978274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978274
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】客体推奨システム及び客体推奨方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20211125BHJP
【FI】
   G06Q30/02 480
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-206023(P2017-206023)
(22)【出願日】2017年10月25日
(65)【公開番号】特開2019-79300(P2019-79300A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年3月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇輝
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−092410(JP,A)
【文献】 特開2017−126223(JP,A)
【文献】 特開2015−109046(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0307458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの音声を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられる前記音声の収集結果に関する会話情報に基づいて特定した前記ユーザのプリファレンスに基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する制御と、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力する制御とを行う制御部と、を備え
前記受付部は、2以上のユーザについて前記会話情報を個別に収集し、
前記制御部は、前記2以上のユーザについて個別に収集される前記会話情報に基づいて前記検索条件を設定する制御を行う、客体推奨システム。
【請求項2】
設備の使用結果に関する実績情報を収集する収集部を備え、
前記制御部は、前記実績情報に基づいて特定した前記ユーザの行動パターンに基づいて前記検索条件を設定する制御を行う、請求項1に記載の客体推奨システム。
【請求項3】
前記音声は、暗示的な購入希望の音声である、請求項1又は2のいずれかに記載の客体推奨システム。
【請求項4】
制御部が、受付部によって受け付けられるユーザの音声の収集結果に関する会話情報を取得するステップAと、
前記制御部が、前記会話情報に基づいて、前記ユーザのプリファレンスを特定する制御を行うステップBと、
前記制御部が、前記プリファレンスに基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する制御を行うステップCと、
前記制御部が、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力する制御を行うステップDと、を備え
前記ステップAは、前記制御部が、前記受付部によって個別に収集された2以上の前記ユーザについての前記会話情報を取得するステップを含み、
前記ステップCは、前記制御部が、前記2以上のユーザについて個別に収集される前記会話情報に基づいて前記検索条件を設定する制御を行うステップを含む、客体推奨方法。
【請求項5】
ユーザの音声を受け付けるインタフェースを有するゲートウェイ装置と、
施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を収集する収集装置と、
前記ゲートウェイ装置によって受け付けられる音声の収集結果に関する会話情報及び前記実績情報に基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する客体推奨装置と、を備え、
前記客体推奨装置は、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力し、
前記ゲートウェイ装置は、2以上のユーザについて前記会話情報を個別に収集し、
前記客体推奨装置は、前記2以上のユーザについて個別に収集される前記会話情報に基づいて前記検索条件を設定する、客体推奨システム。
【請求項6】
ユーザの音声を受け付ける受付部と、
施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を収集する収集部と、
前記受付部によって受け付けられる前記音声の収集結果に関する会話情報を2以上の前記ユーザについて個別に収集する制御と、前記会話情報及び前記実績情報に基づいて前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する制御と、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力する制御と、を行う制御部と、を備える、客体推奨システム。
【請求項7】
ユーザの音声を受け付けるインタフェースを有するゲートウェイ装置と、
施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を収集する収集装置と、
前記ゲートウェイ装置によって受け付けられる音声の収集結果に関する会話情報及び前記実績情報に基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する推奨客体情報を出力する客体推奨装置と、を備え、
前記ゲートウェイ装置は、2以上のユーザについて前記会話情報を個別に収集し、
前記客体推奨装置は、前記2以上のユーザについて個別に前記推奨客体情報を出力する、客体推奨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、客体推奨システム及び客体推奨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引において、ユーザに商品を推奨するシステムが提案されている。具体的には、ユーザのアクセス履歴及び購入履歴に基づいて、ユーザに推奨する商品に関する条件が設定される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−164447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、商品としては、施設に設置される設備(例えば、分散電源、家電など)が考えられる。このような設備については、ユーザの使用態様によって消費電力等が大幅に異なる可能性がある。従って、アクセス履歴及び購入履歴だけでは、適切な設備を推奨することができない可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザに適切な設備を推奨することを可能とする客体推奨システム及び客体推奨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る客体推奨システムは、ユーザの音声を受け付けるインタフェースを有するゲートウェイ装置と、施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を収集する収集装置と、前記ゲートウェイ装置によって受け付けられる音声の収集結果に関する会話情報及び前記実績情報に基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する客体推奨装置とを備える。前記客体推奨装置は、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力する。
【0007】
第2の開示に係る客体推奨装置は、ユーザの音声の収集結果に関する会話情報をゲートウェイ装置から取得するとともに、施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を取得する取得部と、前記会話情報及び前記実績情報に基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する制御部とを備える。前記制御部は、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力する。
【0008】
第3の開示に係る客体推奨方法は、ゲートウェイ装置によって受け付けられるユーザの音声の収集結果に関する会話情報を取得するステップAと、施設に設けられる設備の使用結果に関する実績情報を収集するステップBと、前記会話情報及び前記実績情報に基づいて、前記ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定するステップCと、前記検索条件を用いて検索された前記推奨客体に関する推奨客体情報を出力するステップDとを備える。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、ユーザに適切な設備を推奨することを可能とする客体推奨システム及び客体推奨方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る客体推奨システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る設備管理装置200を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る客体推奨装置600を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る会話情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る実績情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る客体推奨方法を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る客体推奨方法を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る客体推奨方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0012】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
[実施形態]
(客体推奨システム)
以下において、実施形態に係る客体推奨システムについて説明する。図1に示すように、客体推奨システム100は、設備管理装置200と、施設300と、ECサーバ500を有する。図1では、施設300として、施設300A〜施設300Cが例示されている。設備管理装置200、施設300及びEC(Electric Commerce)サーバ500は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、設備管理装置200と施設300との間の回線、設備管理装置200とECサーバ500との間の回線、施設300とECサーバ500との間の回線を提供すればよい。例えば、ネットワーク120は、インターネットである。ネットワーク120は、VPNなどの専用回線を提供してもよい。
【0014】
設備管理装置200は、施設300に設けられる設備310を管理する。設備管理装置200は、施設300に設けられる設備310の使用結果に関する実績情報を収集する収集装置の一例である。設備管理装置200の詳細については後述する(図2を参照)。
【0015】
施設300は、設備310、EMS320及びゲートウェイ装置330を有する。設備310は、電力系統110に接続される。設備310は、電力系統110から解列された状態で分散電源から供給される電力を消費していてもよい。設備310は、電力系統110から供給される電力を消費してもよい。設備310は、発電を行う発電設備であってもよい。発電設備は、太陽光、風力又は地熱などの自然エネルギーを利用して発電を行う設備であってもよい。発電設備は、燃料電池装置であってもよい。設備310は、蓄電池装置であってもよい。設備310は、電力を消費する負荷設備であってもよい。負荷設備は、空調設備であってもよく、照明設備であってもよい。施設300は、2種類以上の設備310を有してもよい。施設300は、同種の設備310を複数有していてもよい。
【0016】
EMS320は、施設300における電力を示す電力情報を管理する装置(EMS;Energy Management System)である。施設300における電力とは、施設300内を流れる電力、施設300が買電する電力、又は施設300から売電する電力である。
【0017】
ゲートウェイ装置330は、ユーザの音声を受け付けるインタフェースを有する。インタフェースは、音声入力インタフェースを含む。インタフェースは、音声出力インタフェースを含んでもよい。ゲートウェイ装置330は、AI(Artificial Intelligence)機能を有しており、AI機能は、音声の収集結果を解析する機能を有しており、解析結果に基づいて各種動作を行う。各種動作は、ネットワーク120を介して接続されるサーバから情報を取得する動作を含んでもよく、ネットワーク120を介して接続されるサーバから取得される情報を出力する動作を含んでもよい。サーバは、設備管理装置200であってもよく、ECサーバ500であってもよい。各種動作は、インタフェースに入力される音声に基づいた制御コマンドを送信する動作を含んでもよく、制御コマンドに対する応答コマンドを受信する動作を含んでもよい。ゲートウェイ装置330は、EMS320を介して設備310に制御コマンドを送信してもよく、EMS320を介さずに設備310に制御コマンドを送信してもよい。ゲートウェイ装置330は、スマートスピーカ又はAIと称されてもよい。また、ゲートウェイ装置330は、ユーザが所有する携帯端末、自動車等に搭載されていてもよい。また、ゲートウェイ装置330は、施設300に固定される装置ではなく、ユーザが携帯可能な装置であってもよい。
【0018】
ここで、客体推奨システム100は、電力管理サーバを有していてもよい。例えば、電力管理サーバは、電力系統110から施設300に対する潮流量の制御を要求する潮流制御メッセージ、施設300から電力系統110に対する逆潮流量の制御を要求する逆潮流制御メッセージ、施設300に設けられる設備310(分散電源)の制御を要求する電源制御メッセージなどを施設300に送信する。
【0019】
ECサーバ500は、電子商取引を行うためのウェブサイトを提供する。ECサーバ500は、設備310に関する情報(設備310の識別情報、設備310のメーカ情報、設備310の価格情報、設備310の特徴情報、設備310の販売元情報など)を提供する。
【0020】
(設備管理装置)
以下において、実施形態に係る設備管理装置について説明する。図2に示すように、設備管理装置200は、管理部210と、通信部220と、制御部230とを有する。
【0021】
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDDなどの記憶媒体によって構成されており、複数の施設300に関する情報を管理する。管理部210は、施設300に設けられる設備310の使用結果に関する実績情報を管理する。実績情報は、施設300の消費電力量を示す情報を含んでもよい。実績情報は、施設300に設けられる設備310の消費電力量を示す情報を含んでもよい。実績情報は、施設300に設けられる設備310の運転履歴を含んでもよい。
【0022】
通信部220は、通信モジュールによって構成されており、ネットワーク120を介して施設300と通信を行う。例えば、通信部220は、実績情報をEMS320から受信する。通信部220は、施設300に電力系統110から供給される電力量を所定時間(例えば、30分)毎に受信してもよい。通信部220は、施設300に設けられる設備310の消費電力量を所定時間(例えば、30分)毎に受信してもよい。施設300に設けられる設備310の消費電力量は、施設300に電力系統110から供給される電力量の内訳である。通信部220は、施設300に電力系統110から供給される電力量を施設300に設けられるスマートメータから受信してもよい。通信部220は、設備310の運転履歴をEMS320から受信してもよい。
【0023】
制御部230は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、設備管理装置200に設けられる各構成を制御する。例えば、制御部230は、設備310を制御するEMS320から実績情報を収集する。制御部230は、自発的にEMS320から送信される実績情報を収集してもよく、EMS320に対する要求に応じてEMS320から送信される実績情報を収集してもよい。
【0024】
(客体推奨装置)
以下において、実施形態に係る客体推奨装置について説明する。客体推奨装置600は、ゲートウェイ装置330に設けられてもよく、設備管理装置200に設けられてもよく、ECサーバ500に設けられてもよい。図3に示すように、客体推奨装置600は、インタフェース610と、制御部620を有する。
【0025】
インタフェース610は、ゲートウェイ装置330によって受け付けられる音声の収集結果に関する会話情報を取得する。インタフェース610は、施設300に設けられる設備310の使用結果に関する実績情報を取得する。すなわち、実施形態では、インタフェース610は、会話情報及び実績情報を取得する取得部を構成する。インタフェース310は、会話情報又は実績情報を外部装置から取得する場合において、通信モジュールなどの外部インタフェースによって構成されてもよい。インタフェース310は、会話情報又は実績情報を内部装置から取得する場合において、コネクタピンなどの内部インタフェースによって構成されてもよい。
【0026】
制御部620は、メモリ及びCPUなどによって構成されており、客体推奨装置600に設けられる各構成を制御する。また、制御部620は、メモリ及びCPUなどによって記憶されているプログラムを実行することで、客体推奨装置600に設けられる各構成を制御してもよい。実施形態において、制御部620は、以下に示す制御を行う。
【0027】
第1に、制御部620は、会話情報及び実績情報に基づいて、ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する。制御部620は、会話情報に基づいてユーザのプリファレンスを特定し、特定されたプリファレンスに基づいて検索条件を設定してもよい。制御部620は、会話情報に基づいて、推奨客体と代替される対象客体を特定してもよい。制御部620は、実績情報に基づいてユーザの行動実績を特定し、特定された行動実績に基づいて検索条件を設定してもよい。
【0028】
ここで、客体とは、ユーザに提供されるものを表す用語として用いられており、有体物であってもよく、無体物であってもよい。例えば、客体は、製品及びサービスの少なくともいずれか1つを示す用語として用いる。製品は、エアコンなどの設備を含んでもよく、サービスは、電気料金プラン及び設備の動作モードなどを含んでもよい。
【0029】
例えば、図4に示すように、会話情報は、「電気代が高い」、「エアコンの効きが悪い」などの情報である。会話情報は、2以上のユーザについて個別に収集されてもよい。プリファレンスは、省エネ重視、価格重視、性能重視などである。制御部620は、「電気代が高い」という会話情報に基づいて、プリファレンスが省エネ重視であることを特定してもよい。制御部620は、「エアコンの効きが悪い」という会話情報に基づいて、プリファレンスが性能重視であることを特定してもよい。制御部620は、「エアコンの効きが悪い」という会話情報に基づいて、エアコンを交換するニーズがあることを特定してもよい。言い換えると、制御部620は、推奨客体と交換される対象客体としてエアコンを特定してもよい。
【0030】
例えば、図5に示すように、実績情報は、施設300の消費電力量を含んでもよく、施設300の電気料金を含んでもよい。実績情報は、設備310毎の消費電力量を含んでもよく、設備310毎の電気料金を含んでもよい。実績情報は、設備310毎の運転履歴を含んでもよい。電気料金は、EMS320から受信してもよいが、消費電力量に基づいて算出されてもよい。制御部620は、施設300の消費電力量又は電気料金に基づいて、施設300のユーザの行動パターンを特定してもよい。行動パターンは、朝型、夜型、昼型などである。制御部620は、消費電力量又は電気料金が多い時間帯にユーザが活動していると想定することが可能であるため、行動パターンを特定することができる。制御部620は、設備310の消費電力量又は電気料金に基づいて、設備310の使用パターンを特定してもよい。制御部620は、設備310の運転履歴に基づいて、設備310の使用パターンを特定してもよい。
【0031】
第2に、制御部620は、ECサーバ500によって提供されるウェブサイトにアクセスし、検索条件に合致する推奨客体を特定する。制御部620は、検索条件を用いて検索された推奨客体に関する推奨客体情報を出力する。
【0032】
制御部620は、推奨客体と対象客体との比較結果を含む推奨客体情報を出力してもよい。比較結果は、消費電力量の比較結果及び所要電気料金の比較結果の少なくともいずれか1つを含んでもよい。制御部620は、推奨客体の識別情報及び推奨客体の価格情報の少なくともいずれかを含む推奨客体情報を出力してもよい。
【0033】
(客体推奨方法)
以下において、実施形態に係る客体推奨方法について説明する。
【0034】
第1に、客体推奨装置600がゲートウェイ装置330に設けられるケースについて図6を参照しながら説明する。
【0035】
ステップS10において、設備管理装置200は、施設300に設けられる設備310の使用結果に関する実績情報を収集する。
【0036】
ステップS11において、ユーザの音声がゲートウェイ装置330に入力される。ここで入力される音声は、日常会話の音声であってもよい。
【0037】
ステップS12において、ゲートウェイ装置330は、音声の収集結果に関する会話情報を収集する。
【0038】
ステップS13において、ユーザの音声がゲートウェイ装置330に入力される。ここで入力される音声は、明示的な購入希望(例えば、「エアコンを買い換えたい」など)の音声であってもよく、暗示的な購入希望(例えば、「エアコンの調子が悪い」など)の音声であってもよい。
【0039】
ステップS21において、ゲートウェイ措置330は、実績情報を要求するメッセージ(実績情報要求)を設備管理装置200に送信する。
【0040】
ステップS22において、ゲートウェイ装置330は、実績情報を含むメッセージ(実績情報応答)を設備管理装置200から受信する。
【0041】
ステップS23において、ゲートウェイ装置330は、会話情報及び実績情報に基づいて、ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する。
【0042】
ステップS24において、ゲートウェイ装置330は、検索条件に合致する設備の情報を要求するメッセージ(検索要求)をECサーバ500に送信する。
【0043】
ステップS25において、ゲートウェイ装置330は、検索条件に合致する設備の情報を含むメッセージ(検索応答)をECサーバ500から受信する。
【0044】
ステップS26において、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を出力する。推奨客体情報は音声で出力されてもよい。
【0045】
また、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)をECサーバ500に送信してもよい。この場合、ECサーバ500は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)を出力してもよい。これにより、ECサーバ500は、ユーザに推奨客体情報を提示することができる。
【0046】
第2に、客体推奨装置600が設備管理装置200に設けられるケースについて図7を参照しながら説明する。図7において、ステップS10〜ステップS13は図6と同様であるため、これらのステップの説明については省略する。
【0047】
ステップS31において、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を要求するメッセージ(推奨客体要求)を設備管理装置200に送信する。
【0048】
ステップS32において、設備管理装置200は、会話情報を要求するメッセージ(会話情報要求)をゲートウェイ装置330に送信する。
【0049】
ステップS33において、設備管理装置200は、会話情報を含むメッセージ(会話情報応答)をゲートウェイ装置330から受信する。
【0050】
ステップS34において、設備管理装置200は、会話情報及び実績情報に基づいて、ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する。
【0051】
ステップS35において、設備管理装置200は、検索条件に合致する設備の情報を要求するメッセージ(検索要求)をECサーバ500に送信する。
【0052】
ステップS36において、設備管理装置200は、検索条件に合致する設備の情報を含むメッセージ(検索応答)をECサーバ500から受信する。
【0053】
ステップS37において、設備管理装置200は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)をゲートウェイ装置330に送信する。
【0054】
ステップS38において、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を出力する。推奨客体情報は音声で出力されてもよい。
【0055】
また、設備管理装置200は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)をECサーバ500に送信してもよい。この場合、ECサーバ500は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)を出力してもよい。これにより、ECサーバ500は、ユーザに推奨客体情報を提示することができる。
【0056】
第3に、客体推奨装置600がECサーバ500に設けられるケースについて図8を参照しながら説明する。図8において、ステップS10〜ステップS13は図6と同様であるため、これらのステップの説明については省略する。
【0057】
ステップS41において、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を要求するメッセージ(推奨客体要求)をECサーバ500に送信する。
【0058】
ステップS42において、ECサーバ500は、会話情報を要求するメッセージ(会話情報要求)をゲートウェイ装置330に送信する。
【0059】
ステップS43において、ECサーバ500は、会話情報を含むメッセージ(会話情報応答)をゲートウェイ装置330から受信する。
【0060】
ステップS44において、ECサーバ500は、実績情報を要求するメッセージ(実績情報要求)を設備管理装置200に送信する。
【0061】
ステップS45において、ECサーバ500は、実績情報を含むメッセージ(実績情報応答)を設備管理装置200から受信する。
【0062】
ステップS46において、ECサーバ500は、会話情報及び実績情報に基づいて、ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する。ECサーバ500は、検索条件に合致する設備を検索する。
【0063】
ステップS47において、ECサーバ500は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)をゲートウェイ装置330に送信する。
【0064】
ステップS48において、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を出力する。推奨客体情報は音声で出力されてもよい。
【0065】
また、ECサーバ500は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)を出力してもよい。これにより、ECサーバ500は、ユーザに推奨客体情報を提示することができる。
【0066】
(作用及び効果)
実施形態では、客体推奨装置600は、会話情報に加えて、実績情報に基づいて、ユーザに推奨する推奨客体に関する検索条件を設定する。このような構成によれば、ユーザのプリファレンスだけではなく、ユーザの行動パターン又は設備310の使用パターンに基づいて検索条件が設定される。従って、ユーザの購入履歴又はアクセス履歴に基づいて設備を推奨するケースと比べて、ユーザに適切な設備を推奨することができる。
【0067】
[具体例]
例えば、実績情報は、部屋を自動で動くように構成されたロボット掃除機の移動履歴であってもよい。このような移動履歴によれば、客体推奨装置600は、住居情報(部屋の間取り及び広さなど)を特定することができる。従って、客体推奨装置600は、住居情報に応じて適切な推奨客体(例えば、エアコン又は除湿器)を推奨することができる。
【0068】
例えば、会話情報は、ユーザの転居先情報(部屋の間取り及び広さなど)であってもよい。このような転居先情報によれば、客体推奨装置600は、転居先で用いる推奨客体として、適切な推奨客体(例えば、エアコン又は除湿器)を推奨することができる。
【0069】
例えば、客体推奨装置600は、設備310のメーカが提供するウェブサイトから、設備310の性能に関する情報を取得してもよい。客体推奨装置600は、会話情報及び実績情報に基づいて設備310の所望性能を特定し、設備310の性能に関する情報に基づいて、特定された所望性能を有する推奨客体を特定してもよい。
【0070】
例えば、客体推奨装置600は、実績情報をエリア毎に管理してもよい。客体推奨装置600は、設備310を推奨すべきユーザの施設300と同じエリアに属する施設300に関する実績情報に基づいて推奨客体を特定してもよい。このような構成によれば、気温、湿度などの環境条件が同じであると推定される実績情報を用いることによって、設備310を推奨すべきユーザの施設300に関する実績情報がなくても、適切な推奨客体(例えば、エアコン又は除湿器)を推奨することができる。
【0071】
例えば、客体推奨装置600は、会話情報が2以上のユーザについて個別に収集されるケースにおいて、ユーザについて個別に推奨客体を推奨してもよい。
【0072】
例えば、客体推奨装置600は、実績情報に基づいてユーザが未使用の機能を特定するとともに、未使用の機能の使用を推奨してもよい。具体的には、客体推奨装置600は、会話情報に基づいてユーザのニーズを特定し、特定されたニーズに対応する未使用の機能を推奨してもよい。
【0073】
例えば、客体推奨装置600は、推奨客体に加えて、推奨客体に関連する他の設備を推奨してもよい。具体的には、客体推奨装置600は、エアコンを推奨する場合に、エアコンと一緒に除湿器を推奨してもよい。
【0074】
例えば、客体推奨装置600は、推奨客体として、新モデルの設備310に加えて、旧モデルの設備310を推奨してもよい。このようなケースにおいて、客体推奨装置600は、会話情報に基づいてユーザのプリファレンスが性能重視であると判定された場合に、新モデルの設備310を推奨し、会話情報に基づいてユーザのプリファレンスが価格重視であると判定された場合に、旧モデルの設備310を推奨してもよい。
【0075】
例えば、客体推奨装置600は、実績情報に基づいて特定された行動パターン(外食回数、就寝時間、起床時間など)に基づいて、行動パターンの変更を推奨してもよい。客体推奨装置600は、行動パターンの変更によって得られる効果に関する情報(電気料金の抑制、生活習慣の改善)を出力してもよい。
【0076】
例えば、会話情報は、咳などの音声を含んでもよい。このようなケースにおいて、客体推奨装置600は、咳などの音声に基づいて除湿器を推奨してもよいし、近くの薬局を推奨してもよいし、近くの病院を推奨してもよい。
【0077】
例えば、会話情報は、ユーザが発する主要言語、外国語、方言等の言語情報を含んでもよい。これにより、客体推奨装置600は、ユーザの会話に対する相手に関する情報を特定し、アプリケーション(例えば、自動翻訳に関するアプリケーション)を推奨してもよい。
【0078】
例えば、会話情報は、ユーザの位置情報を含んでもよい。ユーザが家電量販店にいる場合には、ユーザが所有する携帯端末に搭載され、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)を出力してもよい。これにより、ユーザは、推奨客体または対象客体の実物を見ながら、推奨客体の購入を検討することができる。また、ゲートウェイ装置330が、自動車に搭載され、ユーザと共に移動している等の場合には、ゲートウェイ装置330は、推奨客体情報を含むメッセージ(推奨客体応答)を出力してもよい。これにより、ユーザは、自動車で移動しながらも、ユーザが必要としているであろう推奨客体を販売している販売店が、現在位置の近くに存在する等の情報を得ることができる。
【0079】
例えば、対象客体及び推奨客体がエアコンであるケースについて考える。このようなケースにおいて、電気料金(又は消費電力)が同じである場合において、客体推奨装置600は、既存エアコン(対象客体)の能力(例えば、設定温度又は風量)と推奨エアコン(推奨客体)の能力(例えば、設定温度又は風量)との比較結果を出力してもよい。例えば、このような比較結果は、エアコンが冷房として機能している場合に、既存エアコンが28℃の送風を行うのに対して、推奨エアコンが26℃の送風を行うことが可能であるという比較結果であってもよい。
【0080】
[その他の実施形態]
本発明を上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0081】
実施形態では、客体がエアコンなどの設備(製品)であるケースについて主として説明した。しかしながら、客体は、上述したように、電気料金プラン及び設備の動作モードなどのサービスであってもよい。このようなケースにおいて、客体推奨装置600(制御部620)は、プリファレンスが省エネ重視であることを特定した場合に、新たな電気料金プラン(例えば、低料金プラン)を推奨してもよく、新たな運転モード(例えば、省エネ運転モード)を推奨してもよい。或いは、客体推奨装置600(制御部620)は、プリファレンスがQoL(Quality Of Life)重視であることを特定した場合に、新たな電気料金プラン(例えば、高料金プラン)を推奨してもよく、新たな運転モード(例えば、快適重視運転モード)を推奨してもよい。ここで、低料金プランとは、施設300で利用可能な電力量の上限が第1上限量である料金プランであってもよく、高料金プランとは、施設300で利用可能な電力量の上限が第1上限量よりも大きい第2上限量である料金プランであってもよい。省エネ運転モードは、設備に設定可能な条件(温度、湿度など)を限定することによって設備の消費電力量を抑制する運転モードであってもよく、快適重視運転モードは、設備に設定可能な条件(温度、湿度など)をユーザが任意に設定可能な運転モードであってもよい。このような場合において、推奨客体は、新たな電気料金プラン及び新たな運転モードに相当し、対象客体は、現在の電気料金プラン及び現在の運転モードに相当する。
【0082】
実施形態では、客体推奨装置600は、ゲートウェイ装置330、設備管理装置200又はECサーバ500に設けられるが、実施形態はこれに限定されるものではない。客体推奨装置600は、EMS320に設けられてもよい。このようなケースにおいて、EMS320は、施設300に設けられる設備310の使用結果に関する実績情報を収集する収集装置の一例であると考えてもよい。
【0083】
実施形態では特に触れていないが、会話情報が2以上のユーザについて個別に収集されるケースにおいて、客体推奨装置600は、施設300のユーザの世帯構成を特定し、特定された世帯構成に基づいて検索条件を設定してもよい。
【0084】
実施形態では特に触れていないが、推奨客体と対象客体との比較結果を含む推奨客体情報を出力するケースにおいて、客体推奨装置600は、推奨客体のメーカが提供するウェブサイトから、推奨客体の消費電力量又は所要電気料金を取得してもよい。客体推奨装置600は、推奨客体の消費電力量又は所要電気料金をECサイト500から取得してもよい。対象客体の消費電力又は所要電気料金は実績情報に基づいて特定可能である。
【0085】
実施形態では、管理部210は、設備管理装置200に設けられているが、実施形態はこれに限定されるものではない。管理部210は、設備管理装置200とネットワーク120を介して接続されたサーバに設けられてもよい。
【0086】
実施形態では特に触れていないが、設備管理装置200が有する機能はクラウドサービスによって提供されてもよい。
【0087】
実施形態では、設備310を制御する制御装置がEMS320である。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。制御装置は、設備310そのものであってもよい。制御装置は、設備310に対する制御コマンドを送信するリモートコントローラであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
100…客体推奨システム、110…電力系統、120…ネットワーク、200…設備管理装置、210…管理部、220…通信部、230…制御部、300…施設、310…設備、320…EMS、330…ゲートウェイ装置、500…ECサーバ、600…客体推奨装置、610…インタフェース、620…制御部
図1
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