特許第6978306号(P6978306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978306
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】ローリフト形無人搬送車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20211125BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20211125BHJP
   B66F 9/12 20060101ALI20211125BHJP
   B66F 9/075 20060101ALI20211125BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B62B3/00 B
   B66F9/24 A
   B66F9/12 A
   B66F9/075 A
   B61B13/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-247984(P2017-247984)
(22)【出願日】2017年12月25日
(65)【公開番号】特開2019-111972(P2019-111972A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】508079304
【氏名又は名称】愛知機械テクノシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】山田 定生
(72)【発明者】
【氏名】益山 信也
【審査官】 金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−244163(JP,A)
【文献】 実開平02−104404(JP,U)
【文献】 実開昭56−158499(JP,U)
【文献】 米国特許第05403024(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00 −5/08
B61B 13/00
B66F 9/075,9/12,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送するローリフト形無人搬送車であって、
一対の駆動輪を有する駆動ユニットと、
該駆動ユニットを旋回可能に取付けられた車両本体と、
一端が前記車両本体に揺動可能に取り付けられた一対の第1および第2リンクアームと、
前記搬送物を載せるための一対のフォークを有し、前記一対の第1および第2リンクアームによって前記車両本体に連結されたフォーク体と、
前記車両本体と前記フォーク体とに接続され前記車両本体に対して前記フォーク体を昇降可能に構成されたアクチュエータと、
前記駆動ユニットを駆動制御すると共に前記アクチュエータを昇降制御する制御装置と、
一対のフォークの先端部に揺動可能に取り付けられた一対の揺動アームと、
該一対の揺動アームに揺動可能に支持された一対のロードホイールと、
前記一対の第1リンクアームと前記一対の揺動アームとを連結する一対の連結ロッドと、
を備え、
前記駆動ユニットは、床に敷設された誘導帯を検出する走行センサを有しており、
前記一対の第2リンクアームは、弾性部材によって構成されており、
前記制御装置は、前記走行センサからの信号に基づいて前記駆動ユニットを駆動制御するよう構成されており、
前記一対のロードホイールは、前記フォーク体の昇降に伴う前記一対の第1リンクアームの揺動に基づき前記一対の連結ロッドおよび前記一対の揺動アームを介して起立または倒伏するよう構成されている
ローリフト形無人搬送車。
【請求項2】
前記一対の第2リンクアームは、コイルスプリングとして構成されている
請求項1に記載のローリフト形無人搬送車。
【請求項3】
前記車両本体は、第1部材を支持する第1支持部を有しており、
前記フォーク体は、第2部材を支持する第2支持部を有しており、
前記一対の第2リンクアームは、前記第1支持部および前記第2支持部を利用して前記車両本体および前記フォーク体を連結するよう構成されている
請求項1または2に記載のローリフト形無人搬送車。
【請求項4】
前記フォーク体の昇降量は、前記第1リンクアームの前記フォーク体への支持部が前記第1リンクアームの揺動に伴って描く円弧状の軌跡と、前記支持部を通る鉛直方向に延在する鉛直線と、が交差することによって構成される弦の長さと略同じ大きさに設定されている
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のローリフト形無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送物を搬送するローリフト形無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−67963号公報(特許文献1)には、ステアリングホイールが取り付けられた本体部と、バッテリなどの電制部品を収容する格納部と、当該格納部に一体に設けられた一対のフォークと、本体部と格納部とに接続された油圧シリンダと、本体部と格納部とを連結する一対のリンクアームと、一対のフォークの先端部に一対の揺動アームを介して取り付けられたロードホイールと、リンクアームと揺動アームとを連結する一対のタイロッドと、を備える手動型のローリフト形搬送車が記載されている。
【0003】
当該ローリフト形搬送車では、油圧シリンダのロッドが伸縮されることによって格納部と一体にフォークが昇降されると共に、格納部の昇降に伴って揺動するリンクアームがタイロッドおよび揺動アームを作動することによってロードホイールを起立ないし倒伏する構成としている。これにより、フォークが上昇および下降のいずれの位置にあってもフォークの先端部をロードホールによって支持することができる。
【0004】
ところで、こうした手動型のローリフト形搬送車を簡単かつ安価に無人搬送車化させたいという要請がある。当該要請に対しては、上述した公報に記載の手動型のローリフト形搬送車のステアリングホイールに替えて、無人搬送車用の駆動ユニットを取り付ける構成とすることが考えられるが、上述した公報に記載の手動型のローリフト形搬送車では、本体部と格納部とが一対のリンクアームによって連結されているのみであるため、本体部がステアリングホイールを支点に前進走行方向側に倒れる前傾状態と後進走行方向側に倒れる後傾状態との間で自由に傾動する。これにより、無人搬送車化されたローリフト形搬送車が走行中に、無人搬送車用の駆動ユニットに設けた走行センサと床面に敷設した誘導帯との距離が変化してしまい、走行センサの読み取り性能の低下を招く場合がある。
【0005】
一方で、ローリフト形無人搬送車については、種々提案されており、例えば、実開平2−104404号公報(特許文献2)には、駆動輪を有する駆動ユニットが取り付けられた本体部と、バッテリなどの電制部品を収容する格納部と、当該格納部に一体に設けられた一対のフォークと、本体部と格納部とに接続された油圧シリンダと、本体部と格納部とを連結する2組のリンクアームと、一対のフォークの先端部に一対の揺動アームを介して取り付けられたロードホイールと、2組のリンクアームのうちの下方のリンクアームと揺動アームとを連結する一対のタイロッドと、を備えるローリフト形無人搬送車が記載されている。
【0006】
当該公報に記載のローリフト形無人搬送車では、2組のリンクアームによって本体部と格納部とを連結して平行リンク機構を構成し、当該平行リンク機構によって格納部と一体にフォークを昇降させる構成とすることによって、駆動輪を支点とした本体部の前傾状態と後傾状態との間の自由な傾動を規制し、ローリフト形無人搬送車が走行中に、走行センサと誘導帯との距離が変化して、走行センサの読み取り性能が低下することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−67963号公報
【特許文献2】実開平2−104404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した公報に記載の手動型のローリフト形搬送車を無人走行化するにあたり、こうした平行リンク機構を採用することにより、走行センサの読み取り性能の低下という不都合は回避することができる。しかしながら、平行リンク機構を構成するためには、2組のリンクアームを同じ長さに設定すると共に、2組のリンクアームを互いに平行に設置する必要があり、例えば、上述した公報に記載の手動型のローリフト形搬送車のように一対のリンクアームしか有さないローリフト形搬送車にもう一対のリンクアームを設置しようとすると、追加する一対のリンクアームを設置するためのスペースを新たに確保する必要があり、ローリフト形搬送車の無人搬送車化への改良のし易さという点において、なお改良の余地がある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、走行性能およびリフト性能の低下を招くことがないローリフト形無人搬送車を簡単かつ安価に実現することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のローリフト形無人搬送車は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0011】
本発明に係るローリフト形無人搬送車の好ましい形態によれば、搬送物を搬送するローリフト形無人搬送車が構成される。当該ローリフト形無人搬送車では、一対の駆動輪を有する駆動ユニットと、当該駆動ユニットを旋回可能に取付けられた車両本体と、一端が当該車両本体に揺動可能に取り付けられた一対の第1および第2リンクアームと、搬送物を載せるための一対のフォークを有すると共に一対の第1および第2リンクアームによって車両本体に連結されたフォーク体と、車両本体とフォーク体とに接続されると共に車両本体に対してフォーク体を昇降可能に構成されたアクチュエータと、駆動ユニットを駆動制御すると共にアクチュエータを昇降制御する制御装置と、一対のフォークの先端部に揺動可能に取り付けられた一対の揺動アームと、当該一対の揺動アームに揺動可能に支持された一対のロードホイールと、一対の第1リンクアームと一対の揺動アームとを連結する一対の連結ロッドと、を備えている。そして、駆動ユニットは、床に敷設された誘導帯を検出する走行センサを有している。また、第2リンクアームは、弾性部材によって構成されている。さらに、制御装置は、センサからの信号に基づいて駆動ユニットを駆動制御するように構成されている。また、一対のロードホイールは、フォーク体の昇降に伴う一対の第1リンクアームの揺動に基づき一対の連結ロッドおよび一対の揺動アームを介して起立または倒伏するように構成されている。
【0012】
本発明によれば、フォーク体が一対の第1および第2リンクアームによって車両本体に連結される構成であるため、車両本体が駆動輪を支点にローリフト形無人搬送車の前進走行方向側に倒れる前傾状態と後進走行方向側に倒れる後傾状態との間で自由に傾動されることを良好に防止できる。これにより、ローリフト形無人搬送車が走行中に、走行センサと誘導帯との距離が変化して、走行センサの読み取り性能が低下することを良好に防止することができる。また、一対の第2リンクアームを弾性部材により構成するため、一対の第2リンクアームを一対の第1リンクアームに対して平行に配置しなかったり、一対の第2リンクアームを一対の第1リンクアームと同じ長さに設定しなかったりすることに起因する不都合を回避できる。具体的には、一対の第2リンクアームが平行リンク機構を構成しないような寸法および配置とした場合、フォーク体の昇降に伴って車両本体がフォーク体に対して傾斜し、これにより車両本体のフォーク体に対する接近量が車両本体とフォーク体との間に設定された隙間よりも大きくなって、車両本体とフォーク体とが干渉し、フォーク体の昇降を阻害する方向の力が生じる場合があるが、第2リンクアームを弾性部材によって構成することにより、フォーク体の昇降を阻害する方向の力を一対の第2リンクアームの弾性変形により吸収することができる。これにより、一対の第2リンクアームを設定するに際し、一対の第2リンクアームの長さや設置スペースを考慮する必要がなくなる。この結果、走行性能の低下を招くことがないローリフト形無人搬送車を簡単かつ安価に実現することができる。
【0013】
本発明に係るローリフト形無人搬送車の更なる形態によれば、一対の第2リンクアームは、コイルスプリングとして構成されている。
【0014】
本形態によれば、一対の第2リンクアームを簡易に確保することができる。
【0015】
本発明に係るローリフト形無人搬送車の更なる形態によれば、車両本体は、第1部材を支持する第1支持部を有している。また、フォーク体は、第2部材を支持する第2支持部を有している。そして、一対の第2リンクアームは、第1支持部および第2支持部を利用して車両本体およびフォーク体を連結するように構成されている。
【0016】
本形態によれば、車両本体およびフォーク体に他の用途で設置されている既存の第1および第2支持部を利用して一対の第2リンクアームによって車両本体およびフォーク体を連結する構成であるため、一対の第2リンクアームを支持する専用の支持部を別途設ける必要がない。これにより、車両本体が駆動輪を支点に前傾状態と後傾状態との間で自由に傾動されることを防止する構成をきわめて簡易に実現できる。
【0017】
本発明に係るローリフト形無人搬送車の更なる形態によれば、フォーク体の昇降量は、第1リンクアームのフォーク体への支持部が第1リンクアームの揺動に伴って描く円弧状の軌跡と、当該支持部を通る鉛直方向に延在する鉛直線と、が交差することによって構成される弦の長さと略同じ大きさに設定されている。
【0018】
本形態によれば、フォーク体が最も上昇したとき、および、フォーク体が最も下降したときに、一対の第1リンクアームを介して車両本体に入力される車両本体を傾斜させる方向の力が生じないため、フォーク体が最も上昇したとき、および、フォーク体が最も下降したときにおける車両本体のフォーク体に対する傾斜を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、走行性能およびリフト性能の低下を招くことがないローリフト形無人搬送車を簡単かつ安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係るローリフト型無人搬送車1の構成の概略を示す側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るローリフト型無人搬送車1の要部を上方から見た要部拡大平面図である。
図3】手動型のローリフト形搬送車100の構成の概略を示す側面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るローリフト型無人搬送車1がフォーク体8を昇降する様子を示す説明図である。
図5】フォーク体8の昇降に伴い一対のロードホイール16,16が起立状態と倒伏状態となる様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0022】
本実施の形態に係るローリフト形無人搬送車1は、図1および図2に示すように、一対の駆動輪2a,2aを有する駆動ユニット2と、当該駆動ユニット2が旋回自在に設置された車両本体4と、駆動ユニットを挟むように車両本体4に取り付けられた一対のキャスタ6,6と、搬送物(図示せず)を載せるための一対のフォークF,Fを有するフォーク体8と、車両本体4およびフォーク体8に接続された油圧シリンダ9と、車両本体4およびフォーク体8を連結する一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12と、一対のフォークF,Fに揺動可能に取付けられた一対の揺動アーム14,14と、当該一対の揺動アーム14、14に揺動可能に支持された一対のロードホイール16,16と、一対のリンクアーム10,10および一対の揺動アーム14,14を連結する一対の連結ロッド18,18と、フォーク体8の上部に取付けられた制御ボックス20と、を備えている。なお、図1には、一対の駆動輪2a,2a、一対のキャスタ6,6、一対のリンクアーム10,10、一対の弾性リンクアーム12,12、一対のフォークF,F、一対の揺動アーム14,14、一対のロードホイール16,16および一対の連結ロッド18,18のうちローリフト形無人搬送車1の前進走行方向に向かって右側に配置された一方のみが記載されている。本実施の形態では、便宜上、図1中の下方を、「前進走行方向側」として規定し、図1中の上方を、「後進走行方向側」として規定する。また、図1中の左方を、「上方側」ないし「上側」と規定し、図1中の右方を、「下方側」ないし「下側」と規定する。
【0023】
本実施の形態に係るローリフト形無人搬送車1は、図3に示すような手動型のローリフト形搬送車100を無人搬送車化したものである。具他的には、手動型のローリフト形搬送車100において、主に、手動型のローリフト形搬送車100のハンドル130を取り除くと共にステアリングホイール104を駆動ユニット2に替え、さらに一対の弾性リンクアーム12,12を追加したものである。ハンドル130は、本発明における「第1部材」に対応する実施構成の一例である。
【0024】
手動型のローリフト形搬送車100は、ハンドル130が起立状態(図1の実線)と前傾状態(図1の二点鎖線)との間で往復回動されることによって、油圧シリンダ9に油圧が供給されてフォーク体8が昇降される構成とされている。なお、手動型のローリフト形搬送車100のうちローリフト形無人搬送車1と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】
駆動ユニット2は、図1に示すように、モータ(図示せず)によって駆動される一対の駆動輪2a,2aと、ローリフト形無人搬送車1の走行軌道として床面に敷設された誘導帯80を検出する走行センサRSと、を有しており、車両本体に対して図示しない旋回機構を介して取り付けられている。一対の駆動輪2a,2aの回転速度が等しい場合(等速)には、駆動ユニット2は車両本体4に対して旋回しないため、ローリフト形無人搬送車1を前進走行方向あるいは後進走行方向に直進走行させることができる。一方、一対の駆動輪2a,2aの回転速度が異なる場合には、駆動ユニット2は車両本体4に対して旋回するため、ローリフト形無人搬送車1を左旋回走行あるいは右旋回走行させることができる。なお、一対のキャスタ6,6は、ローリフト形無人搬送車1の重量を支えると共に、ローリフト形無人搬送車1の移動方向に追従して方向転換する。
【0026】
走行センサRSは、磁気テープや反射テープにより構成された誘導帯80を検出可能な磁気センサとして構成されており、図1に示すように、駆動ユニット2の前端部(図1の下方向端部)に配置されている。走行センサRSは、床面に敷設された誘導帯80の検出に応じた信号(例えば、オンオフ信号)を制御ボックス20の後述する制御部62に出力するように構成されている。
【0027】
車両本体4には、図1および図2に示すように、手動型のローリフト形搬送車100のハンドル130(図3参照)を回動可能に支持するための支持ブラケット42と、油圧シリンダ9を支持するための支持ブラケット44と、が設けられていると共に、一対のリンクアーム10,10を支持するための一対の支持部46が設けられている。
【0028】
支持ブラケット42には、図2に示すように、支持ロッド42aが支持されている。支持ブラケット44は、上方から見た平面視が略U字状に構成されており、U字の内側領域に油圧シリンダ9を収容可能に構成されている。また、支持ブラケット44は、油圧シリンダ9のシリンダ部(図示せず)を支持する支持部44aを有している。なお、支持ブラケット44は、U字の底部背面がフォーク体8側を向くように車両本体4に取付けられている。一対の支持部46は、図1に示すように、車両本体4の背面(支持ブラケット44の底部背面が向く方の面で図1の上方を向く面)寄りの下方部分に設けられている。支持ロッド42aは、本発明における「第1支持部」に対応する実施構成の一例である。
【0029】
フォーク体8は、図1に示すように、一対のフォークF,Fと、図示しないバッテリなどの電制部品(図示せず)を格納するように構成された格納部22と、を有しており、当該格納部22が一対のフォークF,Fの一端部に一体に取り付けられて側面視略L字状に構成されている。フォーク体8は、格納部22の背面(一対のフォークF,Fが延出される側の面とは反対側の面であって図1の下方を向く面)を車両本体4の背面(支持ブラケット44の底部背面が向く方の面で図1の上方を向く面)に対向させた状態で車両本体4に連結される。
【0030】
一対のフォークF,Fの先端部(図1の上側端部)近傍の下面(床面を向く面)には、一対の揺動アーム14,14を支持するための一対の支持部52,52が設けられている。
【0031】
格納部22の背面(フォークが延出される側の面とは反対側の面)には、図1および図2に示すように、昇降ガイドローラ24が設けられている。当該昇降ガイドローラ24は、車両本体4とフォーク体8とが連結された際に、車両本体4に設けた支持ブラケット44の背面に当接されるように構成されている。また、格納部22の背面寄りの下方部分には、一対のリンクアーム10,10を支持するための支持部25が設けられていると共に、格納部22の上端部分には、突出部22a(図1のみに記載)が背面から車両本体4側に向かって突出するように設けられている。当該突出部22aは、油圧シリンダ9のロッド部(図示せず)を支持する支持部22bを有している。昇降ガイドローラ24は、本発明における「第2部材」に対応し、昇降ガイドローラ24の軸部は、本発明における「第2支持部」に対応する実施構成の一例である。
【0032】
油圧シリンダ9は、図示しない油圧ポンプなどと共に油圧ユニット(図示せず)を構成しており、油圧ポンプから送り出されシリンダ部(図示せず)に供給される油圧によってロッド部(図示せず)の伸縮動作を行う。油圧シリンダ9は、図1に示すように、車両本体4とフォーク体8の格納部22に接続されている。具体的には、油圧シリンダ9は、シリンダ部(図示せず)の下端部が車両本体4に設けた支持ブラケット44の支持部44aに揺動可能に支持されると共に、ロッド部(図示せず)の先端部が格納部22に設けた突出部22aの支持部22bに揺動可能に支持される。なお、油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの間には、図2に示すように所定の隙間Cが設けられている。油圧シリンダ9は、本発明における「アクチュエータ」に対応する実施構成の一例である。
【0033】
一対のリンクアーム10,10は、図1に示すように、長尺柄部10aと、曲がり部10bと、短尺柄部10cと、を有する折れ曲がり状に構成されている。一対のリンクアーム10,10は、長尺柄部10a側の先端部が車両本体4に設けた支持部46に揺動可能に支持されると共に、曲がり部10bにおいてフォーク体8の格納部22に設けた支持部25に揺動可能に支持されている。即ち、一対のリンクアーム10,10によって、車両本体4の下方部分とフォーク体8(格納部22)の下方部分とが連結されている。また、一対のリンクアーム10,10の短尺柄部10c側の先端部には、一対の連結ロッド18,18の一端が揺動可能に連結されている。一対のリンクアーム10,10は、本発明における「一対の第1リンクアーム」に対応する実施構成の一例である。
【0034】
一対の弾性リンクアーム12,12は、図1および図2に示すように、コイルスプリングとして構成されており、一端部が支持ブラケット42に支持された支持ロッド42aの両先端部に係止されると共に、他端部が格納部22に設けた昇降ガイドローラ24の軸部の両先端部に係止されている。即ち、一対の弾性リンクアーム12,12は、専用の支持部を設けて当該支持部に支持するのではなく、既存の部品(支持ロッド42aおよび昇降ガイドローラ24の軸部)を利用して支持する構成とされている。
【0035】
これにより、一対の駆動輪2a,2aと床面の接地点を支点に車両本体4が前傾状態と後傾状態との間で自由に傾動されることを防止する構成をきわめて簡易に実現できる。なお、本実施の形態では、一対の弾性リンクアーム12,12の揺動支点間の長さ(支持ロッド42a軸中心から昇降ガイドローラ24の軸部の軸中心までの距離)が、一対のリンクアーム10,10の支点間の長さ(支持部46の中心から支持部25の中心までの距離)に比べて長くなっている。一対の弾性リンクアーム12,12は、本発明における「第2リンクアーム」に対応する実施構成の一例である。
【0036】
一対の揺動アーム14,14は、図1に示すように、折れ曲がり状に形成されており、その折曲部において一対のフォークF,Fに設けた一対の支持部52,52に揺動可能に支持されている。一対の揺動アーム14,14の両端部のうち当該一対の揺動アーム14,14が一対の支持部52,52に支持された際に一対のフォークF,Fの先端側に配置される端部には、一対のロードホイール16,16が回転可能に支持されており、一対の揺動アーム14,14の両端部のうちの他方の端部(一対の揺動アーム14,14が一対の支持部52,52に支持された際に格納部22側に配置される端部)には、一対の連結ロッド18,18の他端が揺動可能に連結されている。
【0037】
制御ボックス20は、ローリフト形無人搬送車1全体をコントロールする制御部62と、ローリフト形無人搬送車1の走行モードや走行速度、走行プログラムなどの各種設定を行う操作図示しない操作部と、を備えている。制御部62は、本発明における「制御装置」に対応する実施構成の一例である。
【0038】
制御部62は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサを備え、CPUの他に処理プログラムを記憶するROM(図示せず)や、データを一時的に記憶するRAM(図示せず)、入出力ポート(図示せず)、通信ポート(図示せず)などを備えている。制御部62には、走行センサRSからの信号や駆動ユニット2のモータ(図示せず)の回転数などが入力ポートを介して入力されている。また、制御部62からは、駆動ユニット2のモータ(図示せず)への駆動信号や油圧ユニット(図示せず)への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
【0039】
次に、こうして構成されたローリフト形無人搬送車1の動作、特に、フォーク体8を昇降する際の動作について説明する。ローリフト形無人搬送車1は、一対のフォークF,Fに搬送物を載せていない状態では、図1に示すように、フォーク体8が最下降位置に下降された状態となっている。この状態で搬送物を一対のフォークF,F状に載せた後、油圧ユニット(図示せず)を駆動して油圧シリンダ9のロッド部(図示せず)を突出させる(伸ばす)ことによって、フォーク体8を上昇させる。
【0040】
ここで、フォーク体8の上昇に伴って、当該フォーク体8に連結された一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12が、それぞれ支持部46および支持ロッド42aを中心に揺動する。当該一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12の揺動によって、本来であれば、一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12のフォーク体8への支持部である支持部25および昇降ガイドローラ24の軸部が、支持部46および支持ロッド42aを中心とする半径が支持部46の中心から支持部25の中心までの距離および支持ロッド42a軸中心から昇降ガイドローラ24の軸部の軸中心までの距離に等しい円弧状の軌跡CT1,CT2を描いて移動することになる。
【0041】
しかしながら、フォーク体8の昇降方向は油圧シリンダ9のロッド部の伸縮方向である鉛直方向に規制されているため、支持部25および昇降ガイドローラ24の軸部は、円弧状の軌跡CT1,CT2ではなく、支持部25および昇降ガイドローラ24の軸部を通る鉛直線VL1,VL2上を移動することになる。これにより、支持部25および昇降ガイドローラ24の軸部の移動方向が円弧状の軌跡CT1,CT2から鉛直線VL1,VL2に矯正されることに起因した反力が、一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12を介して車両本体4に入力される。
【0042】
当該反力は、一対の駆動輪2a,2aと床面との接地点を支点に車両本体4を前傾あるいは後傾させるように作用する。本実施の形態では、一対の弾性リンクアーム12,12の揺動支点間の長さ(支持ロッド42a軸中心から昇降ガイドローラ24の軸部の軸中心までの距離)が、一対のリンクアーム10,10の支点間の長さ(支持部46の中心から支持部25の中心までの距離)よりも長いため、車両本体4は、一対の駆動輪2a,2aと床面との接地点を支点に前傾される。
【0043】
ここで、車両本体4とフォーク体8との間、本実施の形態では、油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの間には、隙間Cが設定されているため、車両本体4のフォーク体8に対する傾斜が生じても車両本体4とフォーク体8との干渉(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの干渉)は、ある程度までは回避できる。
【0044】
しかしながら、本実施形態のように、手動型のローリフト形搬送車100を無人搬送車化する場合であって、既存の部品(支持ロッド42aや昇降ガイドローラ24の軸部)を利用して一対の弾性リンクアーム12,12を支持する構成の場合、一対の弾性リンクアーム12,12の長さは、当該既存の部品間の距離(支持ロッド42a軸中心から昇降ガイドローラ24の軸部の軸中心までの距離)に依存するため、場合によっては、車両本体4のフォーク体8に対する傾斜による車両本体4のフォーク体8への接近量(油圧シリンダ9の支持ブラケット44の底面44bへの接近量)が隙間Cよりも大きくなって、車両本体4とフォーク体8とが干渉(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとが干渉)して、フォーク体8の昇降を阻害してしまう場合が生じる。
【0045】
例えば、支持ロッド42aと昇降ガイドローラ24の軸部とが弾性を有さない一対のリンクアームで連結されている場合、車両本体4とフォーク体8との干渉(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの干渉)に起因して車両本体4とフォーク体8との間(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの間)に生じる摩擦力によってフォーク体8の昇降が阻害される。
【0046】
しかしながら、本実施の形態では、支持ロッド42aと昇降ガイドローラ24の軸部とがコイルスプリングにより構成された一対の弾性リンクアーム12,12によって連結される構成であるため、車両本体4とフォーク体8とが干渉(油圧シリンダ9の支持ブラケット44の底面44bとが干渉)した際に、一対の弾性リンクアーム12,12が当該干渉に応じた変形をして(伸びて)、車両本体4のさらなる傾斜が許容され得る。これにより、車両本体4とフォーク体8との間(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの間)に生じる摩擦力が低減され得る。この結果、フォーク体8の昇降が阻害されることを良好に防止できる。
【0047】
なお、本実施の形態では、フォーク体8の昇降量RFは、図4に示すように、支持部25の円弧状の軌跡CT1と支持部25を通る鉛直線VL1との交差によって構成される弦CHの長さに等しくなるように設定する構成としているため、フォーク体8が最も上昇したとき、および、フォーク体8が最も下降したときに、一対のリンクアーム10,10を介して車両本体4に入力される車両本体4を傾斜させる方向の力が生じないため、フォーク体8が最も上昇したとき、および、フォーク体8が最も下降したときにおける車両本体4のフォーク体8に対する傾斜(油圧シリンダ9の支持ブラケット44の底面44bに対する傾斜)を抑制できる。
【0048】
もとより、車両本体4とフォーク体8とが一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12によって連結される構成であるため、車両本体4が一対の駆動輪2a,2aと床面との接地点を支点に前傾状態と後傾状態との間で自由に傾動されることを良好に防止できる。これにより、ローリフト形無人搬送車1が走行中に、走行センサRSと誘導帯80との距離が変化して、走行センサRSの読み取り性能が低下することを良好に防止することができる。
【0049】
なお、フォーク体8が上昇される場合には、図5に示すように、一対のリンクアーム10が一対の支持部25,25を支点に反時計回り(実線矢印参照)に揺動され、これに伴い一対の連結ロッド18,18が一対のロードホイール16,16側(実線矢印参照)に向かって押し出される。これにより、一対の揺動アーム14,14が一対の支持部52,52を支点に時計回り(実線矢印参照)に揺動されて一対のロードホイール16,16が起立状態とされる。
【0050】
一方、フォーク体8が下降される場合には、図5に示すように、一対のリンクアーム10が一対の支持部25,25を支点に時計回り(破線矢印参照)に揺動され、これに伴い一対の連結ロッド18,18が駆動ユニット2側(破線矢印参照)に引っ張られる。これにより、一対の揺動アーム14,14が一対の支持部52,52を支点に反時計回り(破線矢印参照)に揺動されて一対のロードホイール16,16が倒伏状態とされる。
【0051】
このように、フォーク体8が上昇位置あるいは下降位置のいずれの位置にある場合であっても、一対のフォークF,Fの先端部は一対のロードホイール16,16によって支持される。
【0052】
以上説明した本実施の形態に係るローリフト形無人搬送車1によれば、車両本体4とフォーク体8とを一対のリンクアーム10,10および一対の弾性リンクアーム12,12によって連結する構成であるため、一対の駆動輪2a,2aと床面との接地点を支点に車両本体4が前傾状態と後傾状態との間で自由に傾動されることを良好に防止できる。これにより、ローリフト形無人搬送車1が走行中に、走行センサRSと誘導帯80との距離が変化して、走行センサRSの読み取り性能が低下することを良好に防止することができる。
【0053】
また、一対の弾性リンクアーム12,12をコイルスプリングにより構成するため、一対の弾性リンクアーム12,12を一対のリンクアーム10,10に対して平行に配置しなかったり、一対の弾性リンクアーム12,12を一対のリンクアーム10,10と同じ長さに設定しなかったりしても、一対の弾性リンクアーム12,12の変形(伸び)によって、車両本体4とフォーク体8との間(油圧シリンダ9と支持ブラケット44の底面44bとの間)に生じる摩擦力を良好に低減することができる。これにより、フォーク体8の昇降が阻害されることを良好に防止できる。
【0054】
なお、一対の弾性リンクアーム12,12は、既存の部品(支持ロッド42aや昇降ガイドローラ24の軸部)を利用して車両本体4およびフォーク体8に支持される構成であるため、一対の弾性リンクアーム12,12を支持する専用の支持部を別途設ける必要がない。これにより、一対の駆動輪2a,2aと床面との接地点を支点に車両本体4が前傾状態と後傾状態との間で自由に傾動されることを良好に防止し得る構成をきわめて簡易に実現できる。
【0056】
本実施形態では、フォーク体8の昇降量RFは、支持部25の円弧状の軌跡CT1と支持部25を通る鉛直線VL1との交差によって構成される弦CHの長さに等しくなるように設定する構成としたが、これに限らない。フォーク体8の昇降量RFは、弦CHの長さよりも長い量に設定しても良いし、弦CHの長さよりも短い量に設定しても良い。
【0057】
本実施形態では、手動型のローリフト形搬送車100を無人搬送車化する場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、一対の弾性リンクアーム12,12を有さないローリフト形無人搬送車に一対の弾性リンクアーム12,12を追加する場合にも適用可能である。
【0058】
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
【符号の説明】
【0059】
1 ローリフト形無人搬送車(ローリフト形無人搬送車)
2 駆動ユニット(駆動ユニット)
2a 駆動輪(駆動輪)
4 車両本体(車両本体)
6 キャスタ
8 フォーク体(フォーク体)
9 油圧シリンダ(アクチュエータ)
10 リンクアーム(第1リンクアーム)
10a 長尺柄部
10b 曲がり部
10c 短尺柄部
12 弾性リンクアーム(第2リンクアーム)
14 揺動アーム(揺動アーム)
16 ロードホイール(ロードホイール)
18 連結ロッド(連結ロッド)
20 制御ボックス
22 格納部
22a 突出部
22b 支持部
24 昇降ガイドローラ(第2部材)
25 支持部(支持部)
42 支持ブラケット
42a 支持ロッド(第1支持部)
44 支持ブラケット
44a 支持部
44b 底面
46 支持部
52 支持部
62 制御部(制御装置)
80 誘導帯
100 手動型のローリフト形搬送車
104 ステアリングホイール
130 ハンドル(第1部材)
RS 走行センサ(走行センサ)
F フォーク(フォーク)
C 隙間
CT1 円弧状の軌跡(円弧状の軌跡)
CT2 円弧状の軌跡
VL1 鉛直線(鉛直線)
VL2 鉛直線
RF 昇降量(昇降量)
CH 弦(弦)
図1
図2
図3
図4
図5