(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記摩擦低減添加剤は、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、40℃〜150℃での潤滑剤組成物の動摩擦係数を、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも20%低下させるように操作可能である、請求項1〜6のいずれか1項記載の非水性潤滑剤組成物。
前記摩擦低減添加剤は、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、100℃での潤滑剤組成物の動摩擦係数を、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも40%低下させるように操作可能である、請求項1〜7のいずれか1項記載の非水性潤滑剤組成物。
0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、40℃〜150℃で非水性潤滑剤組成物の動摩擦係数を、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも20%低下させる、請求項14又は15記載の使用。
前記非水性潤滑剤組成物でMicrotap IIスレッドタッピング機を使用して測定したときに、金属バーにおける予め穿孔された穴にてネジを切削するのに要求されるトルクの量は、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に少なくとも10%低下される、請求項20記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用される任意の上限量又は下限量又は範囲限界は、独立して組み合わせてよいことが理解される。
【0021】
本明細書で使用されるときに、用語「HLB」は、分子の親水性/親油性バランスを意味する。分子のHLB値は、それがどれほど親水性又は親油性であるかの程度の尺度であり、分子の異なる領域の値を計算することによって決定される。0のHLB値は完全親油性/疎水性分子に対応し、20の値は完全親水性/疎油性分子に対応する。
【0022】
HLB値は、試験される組成物の溶解挙動の、既知のHLBの標準組成物の溶解挙動との比較によって実験的に測定されても、又は、例えば、当該技術分野で知られているグリフィン法を用いて理論的に計算されてもよい。
【0023】
本明細書で定義されるすべての分子量は、特に記載しない限り、数平均分子量である。そのような分子量は、当該技術分野で周知の方法を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することができる。GPCデータは、一連の線状ポリスチレン標準品に対して較正することができる。
【0024】
摩擦低減添加剤はブロックコポリマーを含む。摩擦低減添加剤は、ブロックコポリマーの製造において溶媒又は希釈剤として使用されうるキシレンをさらに含むことができる。摩擦低減添加剤は、10wt%以下のキシレン、好ましくは5wt%以下のキシレンを含むことができる。あるいは、摩擦低減添加剤は実質的にキシレンを含まなくてもよく、すなわち、摩擦低減添加剤は実質的に溶媒不含であることができる。摩擦低減添加剤は、ブロックコポリマーから本質的になることができる。
【0025】
摩擦低減添加剤はブロックコポリマーからなることができる。非水性潤滑剤組成物は、ブロックコポリマー以外の他の摩擦低減添加剤を実質的に含まなくてよい。ブロックコポリマーは、非水性潤滑剤組成物中に存在する唯一の摩擦低減添加剤であることができる。非水性潤滑剤組成物は、ブロックコポリマー以外の摩擦低減添加剤を含まなくてよい。非水性潤滑剤組成物は、モノエステルである摩擦低減添加剤を含まなくてよい。非水性潤滑剤組成物は、C
5〜C
30カルボン酸のモノエステルである摩擦低減添加剤を含まなくてよい。
【0026】
ブロックコポリマーは構造ABを有することができる。ブロックコポリマーは構造ABAを有することができる。ブロックコポリマーは複数のAブロックを含むことができる。ブロックコポリマーは複数のBブロックを含むことができる。もしブロックコポリマーが複数のAブロックを含むならば、Aブロックは同一であっても又は異なっていてもよい。もしブロックコポリマーが複数のBブロックを含むならば、Bブロックは同じであっても又は異なっていてもよい。
【0027】
好ましくは、ブロックコポリマーは構造AB又はABAを有し、ここで、Aブロックは同じであっても又は異なっていてもよい。
【0028】
前記Aブロック又はその各々はポリエステルの残基であることができる。ポリエステルは、1種以上のヒドロキシカルボン酸から、又は、1種以上のヒドロキシカルボン酸と、1種以上のヒドロキシル基を含まないカルボン酸との混合物から誘導することができる。ヒドロキシル基を含まないカルボン酸はエンドキャップとして作用しうる。
【0029】
前記ヒドロキシカルボン酸又はその各々は、12〜20個の炭素原子を含むことができる。好ましくは、8〜14個の炭素原子はヒドロキシカルボン酸のヒドロキシル基とカルボキシル基との間にある。ヒドロキシカルボン酸中に存在するヒドロキシル基は、好ましくは第二級ヒドロキシル基である。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は飽和である。好ましくは、ヒドロキシカルボン酸は脂肪族である。
【0030】
ポリエステルを誘導することができる適切なヒドロキシカルボン酸の例は、9-ヒドロキシステアリン酸、10-ヒドロキシステアリン酸及び12-ヒドロキシステアリン酸である。
【0031】
ポリエステルが1種以上のヒドロキシカルボン酸と、1種以上のヒドロキシル基を含まないカルボン酸との混合物から誘導されるならば、カルボン酸は8〜20個の炭素原子を含むことができる。このようなカルボン酸の例は、ラウリン酸、パルミチン酸及びステアリン酸である。
【0032】
ポリエステルは、場合により溶媒及び/又はエステル化触媒の存在下で、1種以上のヒドロキシカルボン酸を、場合により、1種以上のヒドロキシル基を含まないカルボン酸とともに、好ましくは100〜250℃の温度で加熱することによって調製することができる℃。ポリエステルの調製において出発材料として使用することができるカルボン酸の適切な混合物の例は、9-ヒドロキシステアリン酸と10-ヒドロキシステアリン酸との混合物、12-ヒドロキシステアリン酸とステアリン酸の混合物、12-ヒドロキシステアリン酸とパルミチン酸及びステアリン酸との混合物である。
【0033】
前記Aブロック又はその各々は、ヒドロキシカルボン酸をBブロック上に反応させることによって調製することができる。あるいは、前記Aブロック又はその各々を別個のオリゴマー又はポリマーとして調製し、次いでBブロックに加えることができる。
【0034】
好ましくは、12-ヒドロキシステアリン酸から、又は、12-ヒドロキシカルボン酸から実質的になるカルボン酸の混合物から誘導される。前記Aブロック又はその各々は、ポリヒドロキシステアレートブロックであることができる。
【0035】
好ましくは、ヒドロキシカルボン酸はヒドロキシステアリン酸である。
【0036】
前記Aブロック又はその各々は、少なくとも2つの繰り返し単位、好ましくは少なくとも4つの繰り返し単位を含むことができる。前記Aブロック又はその各々は、10個以下の繰り返し単位、好ましくは8個以下の繰り返し単位を含むことができる。好ましくは、前記Aブロック又はその各々は約6個の繰り返し単位を含む。
【0037】
繰返し単位の数は、通常、コポリマー中の全てのAブロックについて同一の固有値を有せず、ポリマー材料に一般的であるように、記載の範囲内にある統計的に分布するおおよその平均値であろう。
【0038】
繰り返し単位はヒドロキシステアリン酸残基であることができる。好ましくは、繰り返し単位は12-ヒドロキシステアリン酸残基である。
【0039】
前記Aブロック又はその各々は、少なくとも500、好ましくは少なくとも1000の分子量を有することができる。前記Aブロック又はその各々は、3000以下、好ましくは2000以下の分子量を有することができる。
【0040】
Aブロックは、典型的には、式:
−O−CH−[(CH
2)
a.CH
3].(CH
2)
b.CO−
(式中、aは典型的には3〜8であり、bは典型的には8〜12であり、そしてa+bは典型的には11〜17である(前駆体酸中の14〜20の全炭素鎖長に対応する)の繰り返し単位から構成される。ブロックAにおける繰り返し単位は、特に望ましくは12-ヒドロキシステアリン酸であり、すなわち、aは5であり、bは10である。
【0041】
望ましくは、各ブロックA残基中の脂肪酸残基の数は平均して3〜10(900〜3000Da)、特に約4〜約8(約1200〜約2400Da)、特に約5〜約7(約1500〜2100Da)である。
【0042】
好ましくは、ポリマーブロックAの分子量は1000〜2500の範囲にある。
【0043】
実際には、このような酸は、ヒドロキシカルボン酸及び対応する非置換脂肪酸との混合物として市販されている。このように、12-ヒドロキシステアリン酸は、典型的には、C18不飽和ヒドロキシカルボン酸及び非置換不飽和脂肪酸(オレイン酸及びリノール酸)を含むヒマシ油脂肪酸の水素化により製造され、水素化時に12-ヒドロキシステアリン酸及びステアリン酸の混合物を与える。ポリエステル鎖の製造の間に、非置換酸の存在は、オリゴマー又はポリマーの鎖長を制限するように作用する。したがって、前記ポリマーAブロック又はその各々は、カルボン酸、例えばステアリン酸でエンドキャップされうる。
【0044】
約15%の非置換ステアリン酸を含有するヒドロキシステアリン酸は入手可能であり、これは、重合時に、ステアリン酸残基を末端とする約5〜7個のヒドロキシステアレート残基の平均鎖長を与える。
【0045】
2個の末端ヒドロキシル基の概念上の除去によって前記Bブロック又はその各々を誘導することができるポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、混合ポリ(エチレン-プロピレン)グリコール又は混合ポリ(エチレン-ブチレン)グリコールであることができる。
【0046】
好ましくは、ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールである。
【0047】
ポリアルキレングリコールは、少なくとも400、好ましくは少なくとも1000の分子量を有することができる。ポリアルキレングリコールは、6000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4500以下の分子量を有することができる。
【0048】
好ましくは、ポリマーブロックBの分子量は400〜4600の範囲にある。
【0049】
ポリアルキレングリコールは、異なる鎖長のポリアルキレングリコールの混合物を含むことができる。混合物中の第一のポリアルキレングリコールは、1000〜2000の分子量を有することができ、そして第二のポリアルキレングリコールは、3000〜5000の分子量を有することができる。第一のポリアルキレングリコールは混合物の20〜40wt%で存在することができ、そして第二のポリアルキレングリコールは混合物の60〜80wt%で存在することができる。
【0050】
好ましくは、前記Aブロック又はその各々はポリヒドロキシステアレートであり、前記Bブロック又はその各々はポリエチレングリコール(PEG)である。
【0051】
ブロックコポリマーは、少なくとも2000、好ましくは少なくとも2500、より好ましくは少なくとも3000、特に好ましくは少なくとも3200の数平均分子量を有することができる。ブロックコポリマーは10,000以下、好ましくは7500以下、より好ましくは5000以下、特に好ましくは4500以下の数平均分子量を有することができる。ブロックコポリマーは2000〜10,000、好ましくは2500〜7500、より好ましくは3000〜5000、特に好ましくは3200〜4500の数平均分子量を有することができる。
【0052】
理論に束縛されることを望むものではないが、上記で規定したとおりの数平均分子量を有するブロックコポリマーは、より小さいサイズと関連しうる拡散性の増加と、より大きなサイズに関連しうる、表面に残って摩擦を減少させる能力の増加との間のバランスを提供するサイズであることができる。2000未満の数平均分子量を有するブロックコポリマーは、適切な時間にわたって摩擦低減を提供するために表面に残ることができない可能性がある。10,000を超える数平均分子量を有するブロックコポリマーは、許容可能な速度で潤滑剤組成物中に拡散することができない。
【0053】
数平均分子量は、例えば本明細書に記載されるように、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0054】
ブロックコポリマーは6より大きいHLB値を有することができる。ブロックコポリマーは、少なくとも6.1、好ましくは少なくとも6.5、より好ましくは少なくとも6.7、さらにより好ましくは少なくとも7のHLB値を有することができる。ブロックコポリマーは14以下、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらにより好ましくは9.5以下、なおもより好ましくは9以下のHLB値を有することができる。ブロックコポリマーは、約8のHLB値を有することができる。
【0055】
6より大きいHLB値は摩擦低減添加剤の摩擦低減効果を有利に改善しうる。6を超えるHLB値は、より高い温度、例えば少なくとも80℃、少なくとも100℃又は少なくとも150℃において、摩擦低減添加剤の摩擦低減効果を改善することができる。これは摩擦低減添加剤が自動車エンジンなどの高温環境で使用される場合に有益でありうる。
【0056】
潤滑剤組成物はベースストックを含む。潤滑剤組成物は、少なくとも50wt%のベースストックを、好ましくは少なくとも60wt%のベースストックを、より好ましくは少なくとも70wt%のベースストックを含むことができる。潤滑剤組成物は、少なくとも80wt%のベースストックを含むことができる。潤滑剤組成物は、98wt%以下のベースストックを、好ましくは95wt%以下のベースストックを、より好ましくは90wt%以下のベースストックを含むことができる。
【0057】
潤滑剤組成物は、少なくとも0.02wt%の摩擦低減添加剤を含む。潤滑剤組成物は、少なくとも0.05wt%、好ましくは少なくとも0.1wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%、さらにより好ましくは少なくとも1wt%の摩擦低減添加剤を含むことができる。潤滑剤組成物は、少なくとも5wt%、又はさらには、少なくとも10wt%の摩擦低減添加剤を含むことができる。潤滑剤組成物は、20wt%以下、好ましく15wt%以下の摩擦低減添加剤を含むことができる。
【0058】
潤滑剤組成物は非水性である。しかしながら、潤滑剤組成物の成分は少量の残留水分(湿分)を含むことができ、該水分は、それゆえ、潤滑剤組成物中に存在しうることが理解されるであろう。
【0059】
潤滑剤組成物は、組成物の質量を基準として5質量%未満の水を含むことができる。より好ましくは、組成物は実質的に水を含まない、すなわち2質量%未満、1質量%未満、又は、好ましくは0.5質量%未満で水を含有する。好ましくは、潤滑剤組成物は実質的に無水である。
【0060】
好ましくは、潤滑剤組成物は、エンジンオイル、作動油又は流体、ギアオイル又は金属加工流体である。潤滑剤組成物を意図された用途に適合させるために、潤滑剤組成物は、1種以上の下記のさらなる添加剤タイプをさらに含むことができる。
【0061】
1.分散剤、例えば:アルケニルスクシンイミド、アルケニルコハク酸エステル、他の有機化合物で変性されたアルケニルスクシンイミド、エチレンカーボネート又はホウ酸による後処理によって変性されたアルケニルスクシンイミド、ペンタエリスリトール、フェネートサリチレート及びその後処理類似体、アルカリ金属又は混合アルカリ金属、アルカリ土類金属ホウ酸塩、水和アルカリ金属ホウ酸塩の分散体、アルカリ土類金属ホウ酸塩の分散体、ポリアミド無灰分散剤など、又は、そのような分散剤の混合物。
【0062】
2.酸化防止剤:酸化防止剤は鉱油が使用中に劣化する傾向を低減し、その劣化は金属表面上のスラッジ及びワニス様の堆積物などの酸化生成物及び粘度の増加によって証明される。酸化防止剤の例としては、4,4'-メチレン-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4'-ビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチル-フェノール)、4,4'-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4'-イソプロピリデン-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2,2'-イソブチリデン-ビス(4,6-ジメチルフェノール)、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-tert-ブチル-フェノール、2,6-ジ-tert-ジメチルアミノ-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-4-(N,N'-ジメチルアミノ-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルベンジル)-スルフィド及びビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)などのフェノールタイプの(フェノール)酸化防止剤が挙げられる。他のタイプの酸化防止剤としては、アルキル化ジフェニルアミン(例えば、Ciba-GeigyのIrganox L-57)、金属ジチオカルバメート(例えば、亜鉛ジチオカルバメート)及びメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)が挙げられる。
【0063】
3.耐摩耗剤:その名称が意味するように、これらの薬剤は、可動性金属部品の摩耗を低減する。このような薬剤の例としては、限定するわけではないが、リン酸塩、亜リン酸塩、カルバメート、エステル、硫黄含有化合物及びモリブデン錯体が挙げられる。
【0064】
4.乳化剤、例えば:Dow Chemical Companyから入手可能なTERGITOL(登録商標)15-S-3を含む線状アルコールエトキシレート。
【0065】
5.解乳化剤、例えば:アルキルフェノール及びエチレンオキシドの付加生成物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンソルビタンエステル。
【0066】
6.極圧剤(EP剤)、例えば:亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(第一級アルキル、第二アルキル及びアリールタイプ)、硫化油、硫化ジフェニル、トリクロロステアリン酸メチル、塩素化ナフタレン、フルオロアルキルポリシロキサン及びナフテン酸鉛。好ましいEP剤は亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZnDTP)である。
【0067】
7.多官能性添加剤、例えば:硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオエート、オキシモリブデンモノグリセリド、オキシモリブデンジエチレートアミド、アミン-モリブデン錯化合物及び硫黄含有モリブデン錯化合物。
【0068】
8.粘度指数向上剤、例えば:ポリメタクリレートポリマー、エチレン-プロピレンコポリマー、スチレン-イソプレンコポリマー、水素化スチレン-イソプレンコポリマー、ポリイソブチレン及び分散剤タイプの粘度指数向上剤。
【0069】
9.流動点降下剤、例えば:ポリメタクリレートポリマー。
【0070】
10.抑泡剤、例えば:アルキルメタクリレートポリマー及びジメチルシリコーンポリマー。
【0071】
潤滑剤組成物は、少なくとも0.5wt%のさらなる添加剤又はさらなる添加剤の混合物を含むことができ、好ましくは少なくとも1wt%、より好ましくは少なくとも5wt%で含むことができる。潤滑剤組成物は、30wt%以下のさらなる添加剤又はさらなる添加剤の混合物を含むことができ、好ましくは20wt%以下、より好ましくは10wt%以下で含むことができる。
【0072】
1つの添加剤又は複数の添加剤は、市販の添加剤パックの形態で入手可能であることができる。このような添加剤パックは、添加剤パックの必要な用途に応じて組成が異なる。当業者は、エンジンオイル、ギアオイル、作動流体及び金属加工流体のそれぞれのための適切な市販の添加剤パックを選択することができる。エンジンオイルのための適切な添加剤パックの例は、潤滑剤組成物の約10wt%で使用することが推奨されるAfton Chemical Corporation, USのHitec 11100である。ギアオイルのための適切な添加剤パックの例は、潤滑剤組成物の1.5〜3.5wt%で使用することが推奨されるRhein Chemie Rheinau GmbH, GermanyのAdditin RC 9451である。作動油又は流体のための適切な添加剤パックの例は、潤滑剤組成物の約0.85wt%で使用することが推奨されるRhein Chemie Rheinau GmbH, GermanyのAdditin RC 9207である。金属加工流体のための適切な添加剤パックの例は、潤滑剤組成物の2〜7wt%で使用することが推奨されるRhein Chemie Rheinau GmbH, GermanyのAdditin RC 9410である。
【0073】
本明細書中において、アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)によって定義されるベースストックグループ命名法が使用される。ベースストックは、潤滑剤組成物の意図された用途に基づいて選択されうる。
【0074】
好ましくは、ベースストックは、APIグループI、II、III、IV、Vのベースストック又はそれらの混合物からなる群より選ばれる。もしベースストックがグループIVからのポリアルファオレフィン(PAO)を含むならば、ベースストックはベースストック中の摩擦低減添加剤の溶解性を改善するために、グループI、II又はIIIからの鉱油又はグループVからのエステルを含むこともできる。グループVからのエステルは、ベースストック中の摩擦低減添加剤の溶解性を改善するために、潤滑剤組成物の5〜10wt%で存在しうる。ベースストックは、グループIV及びグループVのベースストックの混合物、又は、グループIV及びグループI、II又はIIIのベースストックの混合物であることができる。
【0075】
本発明の潤滑剤組成物は、エンジンオイルとして使用されるように適合されうる。
【0076】
好ましくは、潤滑剤組成物はエンジンオイルであり、そして摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する。
【0077】
自動車エンジンオイルに関して、ベースストックという用語は、ガソリン及びディーゼル(ヘビーデューティーディーゼル(HDDEO)エンジンオイルを含む)を包含する。ベースストックは、グループl〜グループVのベースオイル(グループIII+ガスから液体を含む)又はそれらの混合物から選ばれることができる。好ましくは、ベースストックは、グループII、グループIII又はグループIVのベースオイルの1つ、特にグループIIIのベースオイルを主要成分として有する。主要成分とは、ベースストックの少なくとも50wt%、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも85%を意味する。
【0078】
ベースストックはまた、非主要成分として、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満、特に10%未満の、ベースストックの主要成分として使用されていない、グループIII+、IV及び/又はVのベースストックのいずれか又は混合物を含むことができる。そのようなグループVのベースストックの例としては、アルキルナフタレン、アルキル芳香族化合物、植物油、エステル、例えばモノエステル、ジエステル及びポリオールエステル、ポリカーボネート、シリコーン油及びポリアルキレングリコールが挙げられる。1つより多くのグループVのベースストックは存在することができる。好ましいグループVのベースストックは、エステル、特にポリオールエステルである。
【0079】
エンジンオイルに関して、摩擦低減添加剤は、少なくとも0.2wt%、好ましくは少なくとも0.3wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%のレベルで存在しうる。摩擦低減添加剤は、5wt%以下、好ましくは3wt%以下、より好ましくは2wt%以下のレベルで存在することができる。
【0080】
自動車エンジンオイルはまた、エンジンオイルの総質量の0.1〜30wt%、より好ましくは0.5〜20wt%、なおもより好ましくは1〜10wt%のレベルで既知の機能性の他のタイプの添加剤を含むことができる。これらのさらなる添加剤は、洗剤、分散剤、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、耐摩耗添加剤、泡抑制剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤及びそれらの混合物を含むことができる。粘度指数向上剤は、ポリイソブテン、ポリメタクリレート酸エステル、ポリアクリレート酸エステル、ジエンポリマー、ポリアルキルスチレン、アルケニルアリール共役ジエンコポリマー及びポリオレフィンを含むことができる。泡抑制剤は、シリコーン及び有機ポリマーを含むことができる。流動点降下剤は、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ハロパラフィンワックス及び芳香族化合物の縮合生成物、ビニルカルボキシレートポリマー、ジアルキルフマレート、脂肪酸のビニルエステル及びアルキルビニルエーテルのターポリマーを含むことができる。無灰洗剤は、カルボン酸分散剤、アミン分散剤、マンニッヒ分散剤及びポリマー分散剤を含むことができる。耐摩耗添加剤は、ZDDP、無灰分及び灰含有の有機リン及び有機硫黄化合物、ホウ素化合物、及び有機モリブデン化合物を含むことができる。灰含有分散剤は、酸性有機化合物の中性及び塩基性アルカリ土類金属塩を含むことができる。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール及びアルキルジフェニルアミンを含むことができる。添加剤は、1つの添加剤中に1つを超える機能性を含むことができる。
【0081】
エンジンオイルでは、ベースストックは、SAE粘度グレード0W〜15Wの範囲であることができる。粘度指数は、好ましくは少なくとも90、より好ましくは少なくとも105である。ベースストックは、好ましくは、100℃における粘度が3〜10mm
2/sであり、より好ましくは4〜8mm
2/sである。 ASTM D-5800に従って測定したノアック揮発度は、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満である。
【0082】
本発明の潤滑剤組成物は、ギアオイルとして使用するように適合されうる。
【0083】
好ましくは、潤滑剤組成物はギアオイルであり、そして摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する。
【0084】
ギアオイルでは、摩擦低減添加剤は、少なくとも0.2wt%、好ましくは少なくとも0.3wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%のレベルで存在することができる。摩擦低減添加剤は、5wt%以下のレベルで、好ましくは3wt%以下、より好ましくは2wt%以下で存在することができる。
【0085】
ギアオイルは、ISO等級に従った動粘度を有することができる。ISOグレードは、40℃でのサンプルの中点動粘度をcSt(mm
2/s)で指定する。例えば、ISO100は約100cStの粘度を有し、ISO1000は約1000cStの粘度を有する。ギアオイルは、ISO 10〜ISO 2000、好ましくはISO 68〜ISO 1000の粘度を有することができる。
【0086】
潤滑剤組成物がギアオイルとして使用されるならば、潤滑剤組成物は1種以上の添加剤をさらに含むことができ、該添加剤は硫黄系添加剤及びリン系添加剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の極圧剤を含むことができ、又は、該少なくとも1種の極圧剤及び可溶化剤、無灰分散剤、流動点降下剤、泡抑制剤、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤及び摩擦調整剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含むことができる。
【0087】
本発明によるギアオイルは、本明細書に記載の1種以上のさらなる添加剤を含むことができる。
【0088】
ギアオイルは、風力タービンギアボックスに使用することができる。ギアボックスは、典型的には、風力タービンブレードアセンブリのロータと発電機のロータとの間に配置される。ギアボックスは、約10〜30回転/分(rpm)で風力タービンブレードロータによって回転される低速シャフトを、電気を発生するために大部分の発電機が必要とする回転速度である約1000〜2000rpmで発電機を駆動する1つ以上の高速シャフトに接続することができる。ギアボックスに加えられる高いトルクは、風力タービンのギア及びベアリングに大きな応力を生じることができる。本発明によるギアオイルは、ギア間の摩擦を低減することによって風力タービンのギアボックスの疲労寿命を向上させることができる。
【0089】
風力タービンのギアボックスの潤滑剤は、しばしば、メンテナンスの間、すなわち長いサービス間隔の間に長時間の使用に供される。したがって、長時間にわたり適切な性能を提供するために、高い安定性を有する長期間持続する潤滑剤組成物は要求されうる。
【0090】
本発明の潤滑剤組成物は、作動油又は流体として使用するように適合させることができる。
【0091】
好ましくは、潤滑剤組成物は作動油又は流体であり、摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する。
【0092】
作動油又は流体では、摩擦低減添加剤は、少なくとも0.2wt%、好ましくは少なくとも0.3wt%、より好ましくは少なくとも0.5wt%のレベルで存在することができる。摩擦低減添加剤は、5wt%、好ましくは3wt%以下、より好ましくは2wt%以下のレベルで存在することができる。
【0093】
作動油又は流体は、ISO 10〜ISO 100、好ましくはISO 32〜ISO 68の粘度を有することができる。
【0094】
システム内のあるポイントから別のポイントへ圧力を伝達する必要があるところのどこでも作動油又は流体は用途を見出す。作動流体が利用されている多くの商業的用途の幾つかは、航空機、ブレーキシステム、コンプレッサー、工作機械、プレス、ドローベンチ、ジャッキ、エレベータ、ダイカスト、プラスチック成形、溶接、石炭採掘、管成形機、紙機械プレスロール、カレンダースタック、金属加工操作、フォークリフト、自動車などである。
【0095】
本発明による作動油又は流体は、本明細書に記載の1種以上のさらなる添加剤を含むことができる。
【0096】
本発明の潤滑剤組成物は、金属加工流体として使用するように適合させることができる。
【0097】
好ましくは、潤滑剤組成物は金属加工流体であり、そして摩擦低減添加剤は1〜20wt%の範囲で存在する。
【0098】
金属作動流体では、摩擦低減添加剤は、少なくとも2wt%、好ましくは少なくとも3wt%、より好ましくは少なくとも5wt%のレベルで存在することができる。摩擦低減添加剤は、15wt%以下、好ましくは10wt%以下のレベルで存在することができる。
【0099】
金属加工流体は、少なくともISO 10、好ましくは少なくともISO 100の粘度を有することができる。
金属加工操作としては、例えば、圧延、鍛造、ホットプレス、ブランキング、曲げ、スタンピング、ドローイング、カッティング、パンチング、スピニングなどが挙げられ、一般に潤滑剤を使用して操作を容易にする。金属加工流体は、一般に、相互作用する金属表面の間で制御された摩擦又は滑りの膜を提供し、それによって操作に必要な全体的な出力を減少させ、ダイ、切削ビットなどの固着及び摩耗を防止することができる点でこれらの操作を改良する。時折、潤滑剤は特定の金属加工接点から熱を逃がすのに役立つことが期待される。
【0100】
金属加工流体は、しばしば、キャリア流体及び1種以上の添加剤を含む。キャリア流体は、金属表面にいくらかの一般的な潤滑性を付与し、金属表面に特殊な添加剤を輸送/送達する。さらに、金属加工流体は、金属部品上に残留膜を提供し、それによって、加工される金属に所望の特性を加えることができる。添加剤は、流体力学的膜潤滑を超える摩擦低減、金属腐食保護、極端な圧力又は摩耗防止効果を含む、様々な特性を付与することができる。キャリア流体はベースストックであることができる。
【0101】
キャリア流体としては、アメリカ石油協会グループI〜Vベースストックを含む様々な石油留出物が挙げられる。添加剤は、溶解、分散及び部分的に可溶性の材料を含む様々な形態でキャリア流体内に存在しうる。金属加工流体の一部は、加工プロセス中に金属表面に失われるか、金属表面上に堆積することがあり、又は、流出物、スプレイなどとして環境に失われることがあり、キャリア流体及び添加剤が使用中に有意に劣化しないならば、リサイクル可能である。ある割合の金属加工流体がプロセス製品及び工業プロセス流に入るので、金属加工流体に対する成分が最終的に生分解性であり、環境への生物蓄積のリスクがほとんどないことが望ましい。
【0102】
金属加工流体は、90wt%以下、より好ましくは80wt%以下のベースストックを含むことができる。
【0103】
本発明による金属加工流体は、本明細書に記載の1種以上のさらなる添加剤を含むことができる。金属加工流体は、少なくとも10wt%のさらなる添加剤を含むことができる。
【0104】
摩擦低減添加剤は、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、ミニトラクション機を使用して測定したときに、非水性潤滑剤組成物の摩擦係数を低下させることができる。摩擦係数は動摩擦係数であることができる。
【0105】
摩擦係数は、0℃〜200℃の温度範囲にわたって、好ましくは20℃〜180℃の範囲にわたって、より好ましくは40℃〜150℃の範囲にわたって、さらにより好ましくは100℃〜150℃の範囲にわたって低下されうる。
【0106】
摩擦係数は、0.01m/s及び/又は0.02m/sで測定したときに低下されうる。
【0107】
摩擦係数は、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも10%だけ低下されることができ、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、特に好ましくは少なくとも40%だけ低下されうる。
【0108】
好ましくは、摩擦低減添加剤は、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機によって測定したときに、40℃〜150℃で潤滑剤組成物の動摩擦係数を少なくとも20%だけ低下させるように操作可能である。
【0109】
好ましくは、摩擦低減添加剤は、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機によって測定したときに、潤滑剤組成物の100℃における動摩擦係数を少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、さらにより好ましくは少なくとも40%だけ低下させるように操作可能である。
【0110】
摩擦低減添加剤は、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、非水性潤滑剤組成物を使用したときに金属バーの予め穿孔された穴内でネジを切削するのに必要なトルクの量(例えば、スレッドタッピング機を用いて測定されるトルク)を低下させることができる。スレッドタッピング機は、Microtap USA, Inc.によって供給されるMicrotap II機であることができる。金属バーにおいてネジを切削するのに必要なトルクは、少なくとも10%低下させることができる。金属バーは、軟鋼又はアルミニウム6061から作られていることができる。好ましくは、非水性潤滑剤組成物を用いてMicrotap IIスレッドタッピング機を使用して測定したときに、金属バーの予め穿孔された穴においてネジを切削するのに必要なトルクの量は、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも10%低下される。
【0111】
更なる態様から見ると、本発明は、本質的に以下のものからなる、好ましくは以下のものからなる非水性潤滑剤組成物を提供する:
ベースストック、
少なくとも0.02wt%の、ヒドロキシカルボン酸のオリゴ又はポリエステル残基である少なくとも1つのブロックAと、ポリアルキレングリコールの残基である少なくとも1つのブロックBとのブロックコポリマーを含む摩擦低減添加剤、及び、
少なくとも1種のさらなる添加剤。
【0112】
摩擦低減添加剤は、本質的にブロックコポリマーからなるか、又は、ブロックコポリマーであることができる。
【0113】
前記さらなる添加剤又はその各々は、本明細書に記載の添加剤から選択することができる。前記さらなる添加剤又はその各々は非水性であることができる。
【0114】
なおもさらなる態様から見ると、本発明は、ヒドロキシカルボン酸のオリゴ-又はポリエステル残基である少なくとも1つのブロックAと、ポリアルキレンの残基である少なくとも1つのブロックBとのブロックコポリマーブロックコポリマーの使用であって、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、非水性潤滑剤組成物における動摩擦係数を低下させるための使用を提供する。
【0115】
ブロックコポリマーは本明細書で規定される通りであることができる。
【0116】
非水性潤滑剤組成物の摩擦係数は、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、本明細書で規定されるように低下されうる。
【0117】
非水性潤滑剤組成物はエンジンオイルであることができる。非水性潤滑剤組成物は作動油又は流体であることができる。非水性潤滑剤組成物はギアオイルであることができる。非水性潤滑剤組成物は金属加工流体であることができる。
【0118】
なおもさらなる態様から見ると、本発明は、本明細書で規定されるとおりの非水性潤滑剤組成物をシステムに添加することによって、システムにおいて摩擦を低減する方法を提供する。
【0119】
本明細書に記載される特徴の全ては、任意の組み合わせで、本発明の任意の上記態様と組み合わせることができる。
【実施例】
【0120】
例
以下の実施例を参照して、本発明を例示としてのみでさらに説明する。特に断らない限り、部及び%はすべて質量基準で示す。
【0121】
列挙されたすべての試験及び物理的特性は、本明細書中で特に断らない限り、又は、参照された試験方法及び手順に別段の記載がない限り、大気圧及び室温(すなわち、約20℃)で決定されたことが理解される。
【0122】
例1−ブロックコポリマーIの調製
蒸留コンデンサー及びオーバーヘッドスターラーを備えたフラスコに、73gの分子量約1500のポリエチレングリコール(PEG1500)及び146gのPEG4000を装填した。フラスコを攪拌し、反応混合物を窒素流下に保つために窒素スパージしながら85〜90℃に加熱した。次に、450gの12-ヒドロキシステアリン酸をフラスコに装填した。 12-ヒドロキシステアリン酸を装填したら、1.4gのチタン酸テトラブチル(TBT)触媒を添加した。反応混合物の温度を222℃に上げ、混合物の酸価を1時間ごとにモニターした。酸価が10mgKOH/g以下になったら、反応を停止した。反応生成物は、ポリヒドロキシステアレート(A)-ポリエチレングリコール(B)-ポリヒドロキシステアレート(A)のブロックコポリマーであった。ブロックコポリマーは、既知のHLBの組成物に対する水中への溶解度を比較することによって、実験的に測定して約8のHLB値を有していた。
【0123】
本実施例で製造したブロックコポリマーをブロックコポリマーIと呼ぶ。ブロックコポリマーIの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて以下のようにして決定した。
【0124】
ブロックコポリマーIのサンプルを、溶媒としてTHFを用いて約10mg/mlの濃度で調製した。約100mgのサンプルを10mlの溶離液に溶解した。溶液を室温で24時間放置して完全に溶解させ、次いで、GPCカラムに注入する前に0.2μmのPTFEフィルタを通してろ過した。サンプルを下記の条件を用いて分析した。サンプルは、自動サンプル注入を用いて注入された。Viscotekの「Omnisec」ソフトウェアを用いて、データ獲得及び次のデータ分析を行った。各サンプルを2回注入した。
【0125】
計器 Viscotek GPC Max
カラム 3*30cm Plgel 100A、1000A&10,000 GPCカラム
溶離液 THF + 1%TEA
流速 0.8ml/分
検出 RI(屈折率)
温度 40℃
【0126】
GPCシステムは、一連の線状ポリスチレン標準品に対する較正の従来の方法を用いて較正した。これらの標準品は、約150〜450,000ダルトンの範囲を網羅した。この分析のために選択されたGPCカラムは、約600,000ダルトンまで直線応答を有する。
【0127】
ブロックコポリマーIについて上記のように測定した数平均分子量は、3,500〜4,100の範囲であり、平均値は約3825であった。
【0128】
例2-ブロックコポリマーIIの製造
蒸留コンデンサー及びオーバーヘッドスターラーを備えたフラスコに、219gのPEG1500を装填し、攪拌及び窒素スパージを行いながら85〜90℃に加熱した。次に、450gの12-ヒドロキシステアリン酸をフラスコに装填した。12-ヒドロキシステアリン酸を装填したら、1.4gのTBT(チタン酸テトラブチル)触媒を添加した。反応混合物の温度を222℃に上げ、混合物の酸価を1時間ごとにモニターした。酸価が10mgKOH/g以下になったら、反応を停止した。反応生成物は、ポリヒドロキシステアレート(A)-ポリエチレングリコール(B)-ポリヒドロキシステアレート(A)のブロックコポリマーであった。ポリヒドロキシステアレート残基はそれぞれ約6個の酸残基を含み、約1800の各Aブロックの分子量に対応する。ブロックコポリマーは、既知のHLBの組成物に対する水中への溶解度を比較して、実験的に測定して約6のHLB値を有した。
【0129】
本例で製造したブロックコポリマーをブロックコポリマーIIと呼ぶ。ブロックコポリマーIIの数平均分子量は、例1について上記したようにゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定した。
【0130】
ブロックコポリマーIIについて測定された数平均分子量は、3700〜3900の範囲内であり、平均値は約3775であった。
【0131】
例3-ブロックコポリマーIによるエンジンオイル中の摩擦係数の低下の評価
92wt%のグループIVベースストック(Durasyn 166ポリアルファオレフィン、INEOSより)及び8wt%のグループVベースストック(Priolube 3970エステル、Crodaより)を含む、自動車エンジンオイル潤滑剤組成物(摩擦低減添加剤なし)の摩擦係数を、平滑なディスク上に3/4インチのボールを備えたミニトラクション機械(MTM)を用いて100℃及び150℃で決定した。
【0132】
MTMは、英国ロンドンのPCS Instrumentsから供給された。ディスクは鏡面仕上げ(Ra <0.01μm)のAISI 52100硬化ベアリング鋼であり、ボールはAISI 52100硬化ベアリング鋼であった。印加荷重は36N(1GPa接触圧)であり、回転速度は0.01〜0.05m/sであった。MTMは、所与の潤滑剤のストライベック曲線を定義する方法を提供する。ストライベック曲線は、粘度、速度及び荷重に対する摩擦のプロットである。MTMは、コンピュータ制御の精密トラクション測定システムである。試験片及び構成は、非常に大きな負荷、モータ又は構造を必要とすることなく、現実的な圧力、温度及び速度が達成されるように設計されている。本例で使用されている構成において、試験片は、19.05mm(3/4インチ)のスチールボールと46mmの直径のスチールディスクである。次いで、約60mlの潤滑剤組成物を添加する。ボールがディスクの面に押し付けられ、ボールとディスクが独立して駆動されて、回転/摺動接触を混在して形成する。ボールとディスクとの間の摩擦力は、力変換器によって測定される。追加のセンサは、印加される荷重、潤滑剤の温度、及び、(場合により)、試料の間の電気接触抵抗及びそれらの間の相対摩耗を測定する。
【0133】
潤滑剤組成物を40℃に加熱し、次いで、その温度に達したら0.03m/sで15分間運転した。ストライベック曲線プロットは、摩擦係数を速度(2.0m/sから0.01m/sに速度を低下させる)とともに測定することによって得られ、ストライベック曲線プロットはさらに2回繰り返される。次いで、潤滑剤組成物を100℃に加熱し、次いで150℃に加熱し、3つのストライベック曲線プロットを各温度で完了した。
【0134】
次いで、潤滑剤組成物に0.5wt%の例1のブロックコポリマーIを添加して上記の方法を繰り返した。 これらの試験からの0.01m/s及び0.02m/sでの結果を以下の表2に示す。
【0135】
比較のために、0.5wt%の既知の摩擦低減添加剤であるグリセロールモノオレエート及びオレイルアミドを潤滑剤組成物に添加した結果もまた提供される。ブロックコポリマーIは、グリセロールモノオレエート及びオレイルアミドよりも良好に機能する(摩擦係数が低い)ことが分かる。
【0136】
【表2】
【0137】
表2から、40℃で0.5wt%のブロックコポリマーIを添加すると、ブロックコポリマーIを含まない潤滑剤組成物と比較したときに、摩擦係数が0.01m/sで約30%(0.088と比較して0.062)だけ、0.02m/sで26%だけ低下したことが判る。100℃において、0.5wt%のブロックコポリマーIを添加すると、摩擦係数が0.01m/sで約50%、0.02m/sで約55%だけ低下した。150℃において、0.5wt%のブロックコポリマーIを添加すると、摩擦係数が0.01m/sで約64%、0.02m/sで約65%だけ低下した。
【0138】
また、0.5wt%のブロックコポリマーIIを添加すると、摩擦低減剤が存在しない潤滑剤組成物と比較したときに摩擦係数の低下を示す。また、40℃、100℃及び150℃でのオレイルアミドと比較したときに摩擦係数が低下している。ブロックコポリマーIIをブロックコポリマーIと比較すると、ブロックコポリマーIIにより与えられる摩擦低減は40℃でより大きいが、ブロックコポリマーIによって与えられる摩擦低減は100℃及び150℃でより大きいことが判る。理論に束縛されるものではないが、ブロックコポリマーIのHLB値(約8)は、ブロックコポリマーIIのHLB値(約6のHLB)と比較して、100℃及び150℃での改善された性能と関連していると考えられる。
【0139】
例4-ブロックコポリマーIによる作動流体の摩擦係数低下の評価
例3の実験手順を作動流体潤滑剤組成物について繰り返した。作動流体組成物A及びBを試験し、結果を比較した。
【0140】
作動流体組成物Aは99.15wt%のグループIIベースストック(Catenex T129)及び0.85wt%の市販の添加剤パッケージ(Rhein Chemie Rheinau GmbH, GermanyからのAdditin RC 9207)を含む。
【0141】
組成物Bは、1wt%のブロックコポリマーIを添加したある量の組成物Aを含む。
【0142】
これらの試験の結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0143】
表3から、ブロックコポリマーIは、試験したすべての条件下で組成物Bの摩擦係数を低下させることが判る。
【0144】
例5-ブロックコポリマーIの添加による四球摩耗試験における摩耗痕の減少の評価
四球摩耗(Four-Ball Wear)試験は標準化試験であり、ASTM D4172に記載されている。ASTM D4172に従って四球摩耗試験を実施するために、Surrey, UKのStanhope-Setaから入手可能なSeta-Shell 4 Ball Lubricant Testerを使用した。四球摩耗試験では、サンプル潤滑剤を含むポット内の3つの固定スチールボールに対してスチールボールを荷重下で回転させる。固定ボールに生じる摩耗痕の直径を、試験の完了後に測定する。所与の荷重に対して、磨耗痕の直径が小さいほど、流体の荷重保持特性は良好である。
【0145】
組成物C及びDを試験し、結果を比較した。組成物Cは、Shell社から入手可能なグループIベースストックであるCatenex S321であった。組成物Dは、組成物Cに5wt%のブロックコポリマーIを添加したものであり、次いで、C及びDの両方がISO22となるように、組成物Cと同じ粘度を有するINEOSのDurasyn162ポリアルファオレフィンで希釈した。
【0146】
結果を以下の表4に示す。
【0147】
【表4】
【0148】
表4から、ブロックコポリマーIが組成物Dの磨耗を減少させることが判る。
【0149】
例6- 金属加工流体に関するブロックコポリマーIのマイクロタップ試験
Microtap USA, Inc.により供給されるMicrotap IIスレッドタッピング機を使用して、金属加工流体のタッピングトルクを測定する。Microtap II機は、選択された一連の動作パラメータで、予めドリル加工された穴内でネジを切削する。試験は、直径3.7mmの穴を含む50mm×200mm×8mmの金属バーで行った。金属バーはRobert Speck Ltd.社から供給された。金属バーの2つの材料:軟鋼及びアルミニウム6061を試験した。
【0150】
本例では、以下のパラメータを使用した。
1mlの金属加工流体(潤滑剤組成物)をマイクロピペットを使用してMicrotap II機に添加する。
周囲温度
穴の深さ6.0 mm
4mm加工タップ
200Ncmに設定した最大トルク
切削速度1000rpm
【0151】
金属加工流体を塗布した後に、穴をネジ加工し、必要なトルクの量を記録した。
【0152】
潤滑剤組成物が、設定された最大トルク200Ncm以内でネジを加工することを可能にするのに十分でないならば、機械によって複数の試行を行い、その後、不合格と宣言される。
【0153】
結果を以下の表5に示す。
【0154】
【表5】
【0155】
軟鋼を使用して、100wt%のCatenex S321(GpI)の基準試験は不合格であった。5wt%のブロックコポリマーI(ISO 22に制御された粘度)を添加すると、トルクは198Ncmであった。10wt%のブロックコポリマーIの添加では、トルクは180Ncmであった。
【0156】
アルミニウム6061を使用して、100wt%のCatenex S321(GpI)の基準試験は62Ncmのトルクであった。5wt%のブロックコポリマーI(ISO 22に制御された粘度)を添加すると、トルクは39Ncmであった。10wt%のブロックコポリマーIの添加では、トルクは48Ncmであった。
【0157】
例7- ブロックコポリマーIの摩耗防止のReichert試験
摩耗防止試験には、Dahlewitz, GermanyのAnton Parrによって提供されたReichert試験機を使用した。 Reichart試験機では、しっかりクランプされたシリンダを回転摺動リングに押圧する。これは、周囲温度で1.5kgの荷重で既知の距離(100m)にわたってローラーベアリングを回転させることを含む。試験シリンダと試験リングとの間の接触点(摩擦摩耗点)に流入する流体が常に十分であることが保証されなければならない。試験の後、研磨領域(楕円摩耗痕)が試験シリンダ上に現れる。これらの摩耗痕の寸法は、試験流体の耐荷重能力及びA/W性能に依存する。耐荷重能力(A/W性能)が高いほど、一定の走行時間又は正確な距離の後に摩耗痕が小さくなる。
【0158】
本例では、次のパラメータを使用した。
硬化したスチールリング及びロールをReichert試験機に入れた。
リングを1000rpmで回転させた。
印加荷重は294Nであった。
【0159】
リング及びロールをクリーニングし、所定の位置に固定する。約25mlの潤滑剤組成物を試験リザーバに加える。荷重を加え、試験を開始し、100mの摺動距離で走行させる。次に、平均摩耗痕面積を計算する。
【0160】
Catenex S321(グループI)を含む基準組成物Cの摩耗痕面積は35mm
2であった。10wt%のブロックコポリマーIを添加した組成物Cを含む組成物Eは摩耗痕面積が25mm
2であった。したがって、組成物Eによって製造された磨耗痕面積は、組成物Cと比較して29%低下した。
【0161】
本発明は例としてのみ記載した上記の実施形態の詳細に限定されないことが理解されるべきである。多くの変更は可能である。
本開示は以下も包含する。
[1] ベースストック、及び、
少なくとも0.02wt%の、ヒドロキシカルボン酸のオリゴ又はポリエステル残基である少なくとも1つのブロックAとポリアルキレングリコールの残基である少なくとも1つのブロックBとのブロックコポリマーを含む摩擦低減添加剤、
を含む、非水性潤滑剤組成物。
[2] 前記ヒドロキシカルボン酸はヒドロキシステアリン酸である、上記態様1記載の非水性潤滑剤組成物。
[3] 前記ポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールである、上記態様1又は2記載の非水性潤滑剤組成物。
[4] 前記ブロックAの分子量は1000〜2500の範囲にある、上記態様1、2又は3記載の非水性潤滑剤組成物。
[5] 前記ブロックBの分子量は400〜4600の範囲にある、上記態様1〜4のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[6] 前記ブロックコポリマーの数平均分子量は3000〜5000の範囲にある、上記態様1〜5のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[7] 前記ブロックコポリマーは構造AB又はABAを有する、上記態様1〜6のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[8] 前記ブロックコポリマーは少なくとも6.5のHLB値を有する、先行の上記態様のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[9] 前記ベースストックは、APIグループI、II、III、IV、Vベースオイル又はそれらの混合物からなる群より選ばれる、先行の上記態様のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[10] 前記摩擦低減添加剤は、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、40℃〜150℃での潤滑剤組成物の動摩擦係数を、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも20%低下させるように操作可能である、先行の上記態様のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[11] 前記摩擦低減添加剤は、0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、100℃での潤滑剤組成物の動摩擦係数を、摩擦低減添加剤を含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも40%低下させるように操作可能である、先行の上記態様のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[12] 前記潤滑剤組成物はエンジンオイルであり、前記摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する、上記態様1〜11のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[13] 前記潤滑剤組成物は作動油又は流体であり、前記摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する、上記態様1〜11のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[14] 前記潤滑剤組成物はギアオイルであり、前記摩擦低減添加剤は0.1〜10wt%の範囲で存在する、上記態様1〜11のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[15] 前記潤滑剤組成物は金属加工流体であり、前記摩擦低減添加剤は1〜20wt%の範囲で存在する、上記態様1〜11のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物。
[16] ベースストック、
少なくとも0.02wt%の、ヒドロキシカルボン酸のオリゴ又はポリエステル残基である少なくとも1つのブロックAとポリアルキレングリコールの残基である少なくとも1つのブロックBとのブロックコポリマーを含む摩擦低減添加剤、及び、
少なくとも1つのさらなる添加剤、
から本質的になる非水性潤滑剤組成物。
[17] ヒドロキシカルボン酸のオリゴ又はポリエステル残基である少なくとも1つのブロックAとポリアルキレングリコールの残基である少なくとも1つのブロックBとのブロックコポリマーの使用であって、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に非水性潤滑剤組成物中の動摩擦係数を低減するための使用。
[18] 前記ブロックコポリマーは上記態様2〜8のいずれか記載のものである、上記態様17記載の使用。
[19] 0.01m/s及び0.02m/sでミニトラクション機により測定したときに、40℃〜150℃で非水性潤滑剤組成物の動摩擦係数を、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に、少なくとも20%低下させる、上記態様17又は18記載の使用。
[20] 前記非水性潤滑剤組成物はエンジンオイルである、上記態様17〜19のいずれか記載の使用。
[21] 前記非水性潤滑剤組成物は作動油又は流体である、上記態様17〜19のいずれか記載の使用。
[22] 前記非水性潤滑剤組成物はギアオイルである、上記態様17〜19のいずれか記載の使用。
[23] 前記非水性潤滑剤組成物は金属加工流体である、上記態様17〜19のいずれか記載の使用。
[24] 前記非水性潤滑剤組成物でMicrotap IIスレッドタッピング機を使用して測定したときに、金属バーにおける予め穿孔された穴にてネジを切削するのに要求されるトルクの量は、ブロックコポリマーを含まない同等の潤滑剤組成物と比較した場合に少なくとも10%低下される、上記態様23記載の使用。
[25] 上記態様1〜16のいずれか記載の非水性潤滑剤組成物を系に添加することによって系内の摩擦を低下させる方法。