(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記閉じ手段(40)は、具体的には剛性又は可撓性の少なくとも1つの摺動壁(41、43)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の座席の配置構造(11)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特定の「ビジネスクラス」の航空機客室座席配置によると、航空機の客室の長手方向軸に沿って前後に配置された2つの座席の間に設けられた通路を介して、全ての乗客用の通廊に直接アクセスすることができる。乗客は、特に、座席が「寝台」位置にあるときに容易に座席を離れることができる。
【0006】
その結果、乗客又は乗務員が座席の横に位置する通廊を、特に航空機の客室の後方に向かって歩いているときに、座席に座っている乗客と直接目が合う可能性がある。そのような状況は、プライバシーがないと感じるという意味において、座っている乗客に不快な感情をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、とりわけ航空機客室に取り付けられることを目的とした座席配置構造を提案することによって、効果的に上記不都合を是正することを特に目的とし、この座席配置構造は、
−航空機客室の長手方向軸に沿って前後に位置付けられ、それぞれが「着座」位置から「寝台」位置に移動することができる少なくとも1つの座席を含む少なくとも1つの「前」座席ユニット及び少なくとも1つの「後」座席ユニットと、
−通廊へのアクセスを可能にするために、「前」座席ユニットと「後」座席ユニットとの間に配置された横方向通路とを含み、
座席配置構造は、展開される(または作動する)と横方向通路を少なくとも部分的に閉じるように適合された移動可能な閉じ手段を含む。
【0008】
したがって、本発明によると、座席の周りに閉じた内部空間を画定して、通廊を歩いている他の乗客及び/又は搭乗乗務員による直視を回避することにより、乗客にプライバシー感覚を提供することができる。
【0009】
一実施形態では、座席は、航空機客室の通廊の方に向けられている。
【0010】
一実施形態によると、閉じ手段は、具体的には剛性又は可撓性の少なくとも1つの摺動壁を含む。
【0011】
一実施形態によると、閉じ手段は、第1の壁を含み、その第1の壁は、
−「列」位置と、
−第1の壁が「前」座席ユニットと「後」座席ユニットとの間の横方向通路の少なくとも一部を閉じる「展開」位置との間を、第1展開方向に摺動することができる。
【0012】
一実施形態によると、閉じ手段は、第2の壁を含み、その第2の壁は、
−「列」位置と、
−第2の壁が「前」座席ユニットと「後」座席ユニットとの間の横方向通路の少なくとも一部を閉じる「展開」位置との間を、第2展開方向に摺動することができる。
【0013】
一実施形態では、第2の壁の第2展開方向は、第1の壁の第1展開方向の逆である。
【0014】
一実施形態では、座席ユニットは、座席ユニットに対して移動可能に取り付けられた第1の壁と第2の壁を備える。
【0015】
一実施形態では、第1の壁と第2の壁は、具体的には座席ユニットの固定シェルの一部により構成される中間壁のいずれかの側に位置付けられる。
【0016】
一実施形態によると、第1の壁は、中間壁上に固定されたレールと協働する少なくとも1つの摺動面に組み付けられており、及び/又は第2の壁は、中間壁上に固定されたレールと協働する少なくとも1つの摺動面に組み付けられている。
【0017】
一実施形態では、中間壁は、凹部を画定する波形をしており、2つの連続する凹部は、2つの反対方向に開口し、第1の壁又は第2の壁のうちの一方の壁のレールは、座席の側の開口凹部に収納され、第1の壁及び第2の壁のうちの他方の壁のレールは、座席と反対方向の開口凹部に収納される。
【0018】
一実施形態では、第1の壁及び/又は第2の壁を取り扱うときに、指を挟む危険を避けるために、カバーが少なくとも1つの対応するレールを覆って延在する。
【0019】
一実施形態によると、第1の壁及び/又は第2の壁の下部は、第1の壁及び/又は第2の壁が格納位置にある場合、それぞれ対応する座席ユニットのサイドキャビネット内に収納される。
【0020】
一実施形態によると、第1の壁及び第2の壁は、平行移動若しくは回転移動、又は少なくとも1回の平行移動と少なくとも1回の回転を含む組合せ移動により移動可能である。
【0021】
一実施形態では、閉じ手段は、少なくとも1つの遮光仕切りを含む。
【0022】
一実施形態によると、仕切りは、
−仕切りが「前」座席ユニット内、具体的には「前」座席ユニットの固定シェル内に位置付けられる「列」位置と、
−仕切りが横方向通路の少なくとも一部を閉じる「展開」位置との間において、移動可能な関節型支持体に取り付けられている。
【0023】
一実施形態によると、この支持体は、「列」位置から「展開」位置へ移動するために、「前」座席ユニットに対して平行移動及び/又は回転して移動可能である。
【0024】
一実施形態によると、仕切りは、
−仕切りが「前」座席ユニット内に、具体的には「前」座席ユニットの固定シェル内に位置付けられる「列」位置と、
−仕切りが横方向通路の少なくとも一部を閉じる「展開」位置との間において摺動フレームに取り付けられている。
【0025】
一実施形態によると、閉じ手段は、具体的には巻取り可能であって、具体的には「前」座席ユニット内に埋め込まれた第1仕切り及び/又は第2仕切りを含み、第1仕切りは、巻き解かれると、横方向通路の少なくとも一部、具体的には横方向通路の下部を閉じることができ、及び/又は第2仕切りは、巻き解かれると、横方向通路の少なくとも一部、具体的には横方向通路の上部を閉じることができる。
【0026】
一実施形態によると、閉じ手段は、少なくとも1自由度で互いに対して移動可能であって、同じ展開方向又は2つの異なる方向に展開可能な少なくとも2つの壁を含む。
【0027】
当然ながら、本発明の各種特徴、変形例及び/又は実施形態は、それらが互いに不適合でない又は互いを除外しない範囲内において、様々に組み合わせて互いを関連付けてよい。
【0028】
本発明は、添付されている図面を参照する図示によって与えられ、非限定的例によって提示される実施形態を含む以下の詳細な説明を読むと、より良く理解され、他の特徴や利点が明らかとなるであろう。これらの実施形態は、本発明の理解とその実施の提示を完全なものにするために、また、該当する場合は、その定義に貢献するために用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、座席の配置構造11を有し長手方向軸X1に沿って延在する航空機客室10を示す。本発明に係る座席の配置構造11は、単一の座席13をそれぞれ含む複数の座席ユニット12を含む。有益なことに、座席13は、特に航空機の停止、離陸、及び着陸段階の間に使用される位置に対応する「着座」位置から、座席13が乗客のための略水平な就寝面を画定する「寝台」位置に移動することができる。特に、「着座」位置と「寝台」位置は、両極端な位置にある座席13の形態を構成する。
【0032】
代替実施形態によると、座席13は、これらの両極端な位置の間の、リラックス位置と称される中間位置にもなり得る。複数の座席ユニット12は、好ましくは航空機客室10の長手方向軸X1に沿って延在する少なくとも1列15aに配置されるのが理想的である。
図1に示される例によると、複数の座席ユニット12が理想的に4列15a、15b、15c及び15dに配置されている。
【0033】
様々な特定の実施形態によると、列15a内において、列15a、15b、15c及び15dそれぞれについて同様であるが、座席ユニット12は、座席13が航空機の前方及び/又は後方に向くように方向付けることができる。
【0034】
なお、以下の説明において、「座席ユニット」という表現に関係して使用される「前」及び「後」という用語は、列15a、15b、15c及び15dそれぞれ内における座席13の相対的な位置を局所的に画定するのであって、決して航空機客室10内における座席13の方向付けを指さない。つまり、『「前」座席ユニット』という表現は、座席ユニットがその列内の他の座席ユニットのすぐ前に位置しているという意味であり、一方、『「後」座席ユニット』という表現は、座席ユニットがその列内の他の座席ユニットのすぐ後ろに位置しているという意味である。
【0035】
示されている実施形態によると、座席の配置構造11は、複数の座席ユニット12からなる2つの左右グループ16a、16bを含む。この2つの左右グループ16a、16bは、それぞれ、航空機客室10の胴体の側壁17に沿って位置付けられた2列15a、15bの座席ユニット12で構成される。座席の配置構造11は、さらに、中央グループ20を含む。中央グループ20は、好ましくは2列15c、15dの座席ユニット12で構成される。このような配置において、2列15c、15dの座席ユニット12は、互いに対して横方向に特に隣接している。
【0036】
左右グループ16a、16bは、それぞれ、通廊21によって中央グループ20から分離される。したがって、
図1に示される構成によると、2つの通廊21は、航空機客室10に、具体的には各左右グループ16a、16bと中央グループ20との間に設けられている。変形例では、2つの左右グループ16a、16bは、それぞれ、数列の座席ユニット12で形成され得る。
【0037】
各座席13は、座席13の長手方向延長方向に略対応する延長軸X2を有する。とりわけ、延長軸X2は、「寝台」位置にある座席13の長手方向延長方向に対応する。有益なことに、延長軸X2は、航空機客室10の長手方向軸X1と零でない角度を形成する。
【0038】
特定の配置によると、各座席13は、列15aに、列15a、15b、15c及び15dそれぞれについて同様であるが、隣接する通廊21の方へ向いている。このように配置されると、各乗客は、座席13から通廊21に直接アクセスできる。また、通廊21への直接アクセスは、乗客の足が通廊21の側に位置付けられることによって、容易になる。
【0039】
また、中央グループ20において、理想的には、2つの座席ユニット12が互いに対して横方向に隣接して配置される。有益なことに、2つの座席ユニット12は、2つの異なる方向に延在する座席13を有する。好ましくは、2つの座席ユニット12のそれぞれの延長軸X2は、ある鋭角をなす。このような構成は、2つの座席ユニット12が「V」をなすような構成である。特に、2つの座席ユニット12の「V」字形の先端は、2つの座席ユニット12のそれぞれの背もたれ24の背後に位置する。
【0040】
航空機客室10の幅に対する航空機客室10の密集度の最適化は、とりわけ、航空機客室10の長手方向軸X1に対する座席13の延長軸X2の角度を修正することによって可能である。
【0041】
様々な実施形態によると、座席13の延長軸X2は、航空機客室10の長手方向軸X1に対し略同じ角度を形成することができる。また、中央グループ20の2つの隣接する座席13の延長軸X2は、ほぼ1点で航空機客室10の長手方向軸X1に交差することができる。最後に、その代りとして、左右に隣接する2つの座席13は、長手方向軸X1に沿って互いに対してオフセットされ得るため、左右に隣接する2つの座席13の延長軸X2は、異なる点で長手方向軸X1に交差する。
【0042】
示されている例において、座席13は、航空機客室10の前方を向いて、即ち、航空機の操縦室を含む領域の方向に方向付けられている。ある代替実施形態では、座席13は、航空機客室10の後方を向いて、即ち、航空機の操縦室と反対の領域を向いて方向付けられる。
【0043】
前に既に定義し、特に
図2に図示されるように、各座席ユニット12は、したがって、座席13を含む。ある有益な実施形態によると、座席13は、具体的に傾斜度を調節可能な背もたれ24と、具体的に傾斜度を潜在的に調節可能な座部25とを含む。また、座席13は、具体的に傾斜度を調節可能なレッグレスト26を含み得る。また、座席ユニット12は、特に
図6に目視できるフットレスト27を含み得る。
【0044】
その代わりとして、フットレスト27は、とりわけ乗客の足受け専用のハウジング29内に配置された固定クッション28で構成されてもよい。好ましくは、フットレスト27の固定クッション28は、座席13が「寝台」位置にあるときは座席13の延長上にある。
【0045】
その代りとして、フットレスト27は、レッグレスト26の端部に位置付けられた要素で構成されてもよい。
【0046】
座席ユニット12は、とりわけ固定棚及び/又は食事配膳台としての役割を果たすことのできるサイドキャビネット32も含み得る。
【0047】
座席ユニット12は、さらに、分離をもたらすことのできる固定シェル33を含み得る。したがって、この固定シェル33は、各乗客のプライバシーを確実にする。有益なことに、プライバシーを保証するこのような機能を果たすために、固定シェル33は、座席13の背もたれ24の周囲に延在して、座席13が配置される完全に又は部分的に包囲された内部空間を創出する。
【0048】
2つの座席ユニット12を前後に配置する際に、これら2つの座席ユニット12は、その間に少なくとも部分的に上下方向の重なりを画定するように配置されるのが有益である。ある代替実施形態によると、2つの座席ユニット12の間の上下方向の重なりは、示されるように、対応する「前」座席ユニット12のサイドキャビネット32の下方の、「後」座席ユニット12のフットレスト27のハウジング29の位置にある。
【0049】
また、座席ユニット12は、肘掛け34を含み得る。肘掛け34は、格納式であり得るため、肘掛け34が乗客の体の一部、特に乗客の腕を支えることができる「起立」位置と、特に座席13が着座位置にあるときは、肘掛け34が座席13の座部25と同じ高さに位置付けるように適合される「格納」位置との間で移動可能である。そのため、乗客は、例えば、脚を含む体の一部を「格納」位置にある肘掛け34の上に載せることによって、快適な位置を利用することができる。
【0050】
また、座席ユニット12は、任意に、固定クッション(不図示)を含んでもよい。とりわけ、固定クッションは眠りを最大限にすることができる。このために、有益には、座席13が「寝台」位置にあるとき、座席13の延伸部、特に横方向延伸部に位置付けられることを目的としている。
【0051】
特に
図1から分かるように、横方向通路37は、列15aの、列15a、15b、15c及び15dそれぞれについて同様であるが、2つの連続する座席ユニット12、つまり、「前」座席ユニット12と「後」座席ユニット12との間に形成される。より具体的には、示された実施形態によると、横方向通路37は、「後」座席ユニット12と「前」座席ユニット12の固定シェル33との間に延在する。
【0052】
横方向通路37は、特に座席13が「寝台」位置にあるときに、乗客が座席13から通廊21に移動できるように配置される。
【0053】
本発明によると、閉じ手段40、特に着脱自在な閉じ手段40が横方向通路37に配置される。閉じ手段40は、横方向通路37を塞ぐことができる。そのため、このような閉じ手段40は、特に座席ユニット12の固定シェル33と協働して、座席13の周囲に、包囲された空間を画定することができる。
【0054】
閉じ手段40を展開(または作動)すると、特に
図3c及び
図6に図示されるように、列15aの、列15a、15b、15c及び15dそれぞれについて同様であるが、2つの連続する座席ユニット12の間に形成された横方向通路37は、例えば、壁及び/又は仕切り等の閉じ手段40によって閉じられる。
【0055】
その結果として、座席13に座っている乗客は、座席13の周囲に延在する固定シェル33と協働する閉じ手段40によって、通廊21を歩く乗客及び/又は乗務員から分離される。したがって、乗客は、このように創出される包囲された空間によって画定される私的な領域に着座している。
【0056】
図3aから
図3cに示される実施形態では、閉じ手段40は、少なくとも第1の壁41を含む。具体的には、第1の壁41は、略鉛直面内に延びている。
【0057】
また、好ましくは、第1の壁41は、座席ユニット12に対して、具体的には座席ユニット12の中間壁42、特に「後」座席ユニット12の中間壁42に対して、第1の方向D1に摺動可能である。
【0058】
したがって、第1の壁41は、
−
図3aに示されるように、第1の壁41が、航空機客室10の長手方向軸X1に沿って、座席ユニット12の中間壁42、特に「後」座席ユニット12の中間壁42と少なくとも部分的に重なる「列(または並び)」位置と、
−
図3bに図示されるように、第1の壁41が「前」座席ユニット12と「後」座席ユニット12との間の横方向通路37の全て又は一部を閉じる「展開(または作動)」位置との間で移動可能である。
【0059】
特に、第1の壁41は、略鉛直面内で延びている。本発明のある代替案によると、閉じ手段40は、少なくとも第2の壁43を含む。
【0060】
また、好ましくは、第2の壁43は、座席ユニット12に対して、具体的には座席ユニット12の中間壁42、特に「前」座席ユニット12の中間壁42に対して、第2の方向D2に摺動可能である。
【0061】
したがって、第2の壁43は、
−
図3bに示されるように、第2の壁43が、航空機客室10の長手方向軸X1に沿って、座席ユニット12の中間壁42、特に「前」座席ユニット12の中間壁42と少なくとも部分的に重なる「列」位置と、
−
図3cに図示されるように、第2の壁43が「前」座席ユニット12と「後」座席ユニット12との間の横方向通路37の全て又は一部を閉じる「展開」位置との間で移動可能である。
【0062】
ある例示的な実施形態によると、第2の壁43が移動する第2の方向D2は、第1の壁41が移動する第1の方向D1の逆である。第1の方向D1と第2の方向D2は、好ましくは、航空機客室10の長手方向軸X1に平行である。
【0063】
より具体的には、第1の壁41によって閉じられる横方向通路37の部分と第2の壁43によって閉じられる横方向通路37の部分とは、有益なことに、長手方向軸X1に沿って相補的であるため、横方向通路37は、その長手方向寸法全体に沿って閉じられる。
【0064】
特に、本発明のある代替案によると、第1の壁41は、「後」座席ユニット12のサイドキャビネット32の上方に位置する空間も閉じることができる。また、第2の壁43は、2つの座席ユニット12の間の横方向通路37の残りも閉じることができる。
【0065】
第1の壁41と第2の壁43が「展開」位置に移動されると、第1の壁41と第2の壁43は、好ましくは、略隣接する端を含む。また、第1の壁41と第2の壁43のそれぞれの端は、互いに対して多少間隔が空いていてもよい。
【0066】
図3aから
図3c及び
図7aから
図7cの実施形態では、第1の壁41は、座席ユニット12の上部のみを覆って延在する。そのような配置では、横方向通路37の下部の部分は、サイドキャビネット32によって閉じられる。また、第2の壁43は、座席ユニット12の上部及び下部を覆って延在する。ある変形例では、第2の壁43は、
図9に図示されるように、上部のみを覆って延在する。
【0067】
ある代替実施形態によると、中間壁42に対して摺動するように取り付けられ、有益には座席ユニット12に対して固定される第1の壁41及び/又は第2の壁43を、座席ユニット12は備える。
【0068】
図4及び
図5に示される実施形態によると、第1の壁41と第2の壁43は、中間壁42のいずれかの側に位置付けられる。第1の壁41と第2の壁43は、それぞれ、特に中間壁42に固定された少なくとも1つのレール47と協働する少なくとも1つの摺動面46に組み付けられている。このために、第1の壁41と第2の壁43は、それぞれ、第1の壁41又は第2の壁43と摺動面46との間の接続を確立する取付金具48を含み得る。
【0069】
座席ユニット12は、例えば、中間壁42の下部に、上部に及び中間領域にそれぞれ位置付けられた3つのレール47を含み得る。
【0070】
図5を参照すると、中間壁42は、好ましくは波形を有し、各波形が1つの凹部50を画定する。したがって、2つの連続する凹部50は、2つの反対方向に開口している。このような実施形態では、第1の壁41と第2の壁43のうちの一方の壁のレール47は、座席13に向かって開口する凹部50内に収納され、第1の壁41と第2の壁43のうちの他方の壁のレール47は、通廊21に向かって開口する凹部50内に収納される。
【0071】
示されている例では、第1の壁41は、内側に、即ち、座席13の側に位置付けられることができ、第2の壁43は、外側、即ち、通廊21の側に位置付けられる。
【0072】
上記記載の構造は、無論逆でもよく、即ち、第1の壁41が外側に位置付けられてもよく、第2の壁43が内側に位置付けられてもよい。
【0073】
更なる例示的な実施形態によると、カバー53が、レール47の上方に延在することができる。カバー53により、乗客が第1の壁41及び/又は第2の壁43を取り扱うときに指を挟む危険を避けることができる。
【0074】
例えば、中間壁42は、固定シェル33の一部により構成されても、また固定シェル33に取り付けられた壁であってもよく、さらに、固定シェル33に組み付けられるか若しくは固定されてもよい。
【0075】
図8の実施形態では、第2の壁43の下部は、第2壁43が「列」位置にあるときは、サイドキャビネット32内に収納される。
【0076】
ある変形例では、第1の壁41と第2の壁43は、特に航空機客室10の長手方向軸X1に略垂直な軸に沿った回転移動、あるいは少なくとも1回の平行移動と少なくとも1回の回転を含む組合せ移動により移動可能である。
【0077】
第1の壁41と第2の壁43を異ならせる利点は、第1の壁41及び/又は第2の壁43が同時に機能障害を起こす確率は大変低いため、乗客は、特に航空機からの脱出を要する危険な状況の場合に、通廊21にアクセスするために第1の壁41又は第2の壁43のうちの少なくとも一方を常に移動させることができるという点にある。
【0078】
図10、
図11a及び
図11bの実施形態では、閉じ手段40は、1列の座席ユニット12のうちの2つの連続する座席ユニット12の間に形成された横方向通路37を閉じるための単一壁56を含む。
【0079】
第1の代替案によると、
図10、
図11a及び
図11bに示されるように、この単一壁56は、単一壁56が「前」座席ユニット12の固定シェル33と少なくとも部分的に重なる「列」位置と、単一壁56が「前」座席ユニット12と「後」座席ユニット12との間の横方向通路37を閉じる「展開」位置との間を摺動することができる。
【0080】
示されていない第2の代替案によると、単一壁56は、単一壁56が「後」座席ユニット12の固定シェル33と少なくとも部分的に重なる「格納」位置と、単一壁56が「前」座席ユニット12と「後」座席ユニット12との間の横方向通路37を閉じる「展開」位置との間を摺動することができる。
【0081】
単一壁56の高さは、必要に応じて適合させることができる。したがって、
図10の実施形態では、単一壁56の高さは、固定シェル33の高さより低く、一方、
図11a及び
図11bの実施形態では、単一壁56の高さは、固定シェル33の高さに略等しい。
【0082】
提示されている例によると、単一壁56は、有益には、航空機の長手方向に対応する航空機客室10の長手方向軸X1に平行な平行移動方向D2‘に移動する。
【0083】
ある変形例として、単一壁56は、特に略水平軸、略鉛直軸、若しくは長手方向軸X1と角度をなす軸に沿った回転移動、又は少なくとも1回の平行移動と少なくとも1回の回転を含む組合せ移動により移動可能である。
【0084】
図12の実施形態では、特に摺動している第1の壁41は、サイドキャビネット32の上方に位置する空間を閉じることができる。この実施形態では、第2の壁43は、支持体55に取り付けられた遮光仕切り54に置き換えられている。
【0085】
有益なことに、支持体55は、関節型であり、
図12に示されるように、
−仕切り54が「前」座席ユニット12内に、例えば、「前」座席ユニット12の固定シェル33内に位置付けられる「列」位置と、
−仕切り54が横方向通路37の全て又は一部を閉じる「展開」位置との間を移動可能である。
【0086】
「列」位置から「展開」位置への移動を可能にするために、支持体55は、「前」座席ユニット12に対して平行移動で及び/又は回転して移動可能であり得る。
【0087】
図13の実施形態では、特に摺動している第1の壁41は、サイドキャビネット32の上方の空間を閉じることができる。この実施形態では、第2の壁43は、フレーム59に取り付けられた仕切り58に置き換えられている。
【0088】
有益なことに、フレーム59は、
−仕切り54が「前」座席ユニット12の中に、例えば、「前」座席ユニット12の固定シェル33の中に位置付けられる「列」位置と、
−仕切り54が横方向通路37の全て又は一部を閉じる「展開」位置との間をD2の方向に摺動している。
【0089】
このために、フレーム59は、「前」座席ユニット12内で、特に中間壁42内で摺動することができる2つの腕のあるU字形を含み得る。
【0090】
図12及び
図13の特定の実施形態のある代替実施形態によると、「展開」位置では、仕切り54は、「前」座席ユニット12の中間壁42と第1の壁41との間の空間の全て又は一部を閉じる。
【0091】
図14の実施形態では、特に摺動している第1の壁41は、サイドキャビネット32の上方に位置する空間を閉じることができる。この実施形態では、第2の壁43は、少なくとも第1仕切り61、具体的には第1仕切り61及び第2仕切り62に置き換えられている。
【0092】
有益なことに、第1仕切り61及び/又は第2仕切り62は、巻取り可能であって、「前」座席ユニット12内に埋め込まれている。
【0093】
第1仕切り61は、D2方向に巻き解かれると、少なくとも横方向通路37の一部、具体的には横方向通路37の下部を閉じることができる。加えてあるいはその代わりに、第2仕切り62は、D2方向に巻き解かれると、横方向通路37の少なくとも一部、具体的には横方向通路37の上部を閉じることができる。
【0094】
第1仕切り61及び/又は第2仕切り62の「巻き解かれ」状態の維持は、「後」座席ユニット12の壁上の第1仕切り61及び/又は第2仕切り62の自由端の係止システム63によって得ることができる。この係止システム63は、フック又は磁石を有するシステムであり得る。
【0095】
代わりに、第1仕切り61及び/又は第2仕切り62は、伸縮自在材料で作られてもよい。
【0096】
別の実施形態によると、第1仕切り61は、「後」座席ユニット12内に埋め込むことができる。同様に、第2仕切り62は、「後」座席ユニット12内に埋め込むことができる。その代わりの方法として、第1仕切り61及び第2仕切り62は、別々の座席ユニット12内に位置付けられる。
【0097】
図15a及び
図15bの実施形態では、閉じ手段40は、好ましくは、互いに対して移動可能で且つ互いに組み付けられた少なくとも2つの壁67、68を含む。言い換えるならば、壁67、68は、少なくとも1自由度をもって互いに接続されている。
【0098】
壁67、68は、
図15a及び
図15bに示されるように、
−「前」座席ユニット12内、具体的には、「前」座席ユニット12の固定シェル33内の「列」位置に配置され、
−2つの座席ユニット12の間の横方向通路37を閉じるために、同じ展開方向D3に従って、「展開」位置に展開される。
【0099】
図16aから
図16cの実施形態では、閉じ手段40は、好ましくは、互いに対して移動可能で且つ組み付けられた少なくとも第1の壁71及び第2の壁72を含む。言い換えるならば、第1の壁71及び第2の壁72は、少なくとも1自由度をもって互いに接続されている。
【0100】
第1の壁71及び第2の壁72は、
−「前」座席ユニット12内、具体的には、「前」座席ユニット12の固定シェル33内の「列」位置に配置され、
−2つの異なる展開方向に従って、「展開」位置に展開される。
【0101】
したがって、第1の壁71は、
図16bに示されるように、横方向通路37の少なくとも一部、具体的には横方向通路37の下部を閉じるために、具体的には航空機客室10の長手方向軸X1に平行な第1展開方向D4に、第2の壁72と共に変位することができる。例えば、第1の壁71は、水平平行移動で移動することができる。
【0102】
第2の壁72は、
図16cに示されるように、横方向通路37の少なくとも一部、具体的には横方向通路37の上部を閉じるために、第2展開方向D5、具体的には上下方向に第1の壁71に対して変位することができる。例えば、第2の壁72は、上下方向平行移動で移動することができる。
【0103】
なお、本発明は、各座席13が航空機客室10の通廊21に向いて方向付けられる客室配置に限定されない。本発明は、また、航空機客室10の長手方向軸X1に沿って前後に配置された2つの座席ユニット12の間に配置される横方向通路37があって、通廊21に直接アクセスできる航空機客室10の配置も含む。
【0104】
したがって、本発明は、座席を通廊21の方向とは反対の方向に向ける座席配置構造にも適用可能である(いわゆる英語の「へリングボーン」形状)。
【0105】
本発明は、更に、バス、電車、又は船の座席のような他の輸送手段に設置される座席に実施することも可能である。
【0106】
当然ながら、本発明は、上記に記載され、単に例として提供されている実施形態に限定されない。本発明は、当業者が本発明の範囲内において考え得る各種改変、代替形態、及び他の変形例、並びにとりわけ、別個に又は組み合わせてなされ得る上記に記載された異なる動作モードの任意の組合せを含む。