(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御システムは、前記走査レートに略等しい変調レートにおいて前記少なくとも1つのパラメータを変調させるように構成されている、請求項2に記載の光学システム。
各導波管は、関連付けられた深度平面を有し、各導波管から放出されるビームは、その導波管の関連付けられた深度平面から生じるように現れる、請求項21に記載の光学システム。
前記光学システムは、フレーム、1つ以上のレンズ、または、耳掛け部のうちの少なくとも1つを含むアイウェア内に統合されている、請求項21に記載の光学システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(概要)
3次元(3D)ディスプレイが、深度の真の感覚、より具体的には、表面深度のシミュレートされた感覚を生成するために、ディスプレイの視野内の点毎に、その仮想深度に対応する遠近調節応答を生成することが望ましくあり得る。ディスプレイ点に対する遠近調節応答が、収束および立体視の両眼深度キューによって決定されるようなその点の仮想深度に対応しない場合、ヒトの眼は、遠近調節衝突を体験し、不安定な結像、有害な眼精疲労、頭痛、および遠近調節情報の不在下では、表面深度のほぼ完全な欠如をもたらし得る。
【0027】
VRおよびAR体験は、複数の深度平面に対応する画像が視認者に提供されるディスプレイを有する、ディスプレイシステムによって提供されることができる。画像は、深度平面毎に異なってもよく(例えば、場面またはオブジェクトの若干異なる提示を提供する)、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面に関する異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または合焦からずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴を観察することに基づいて、ユーザに深度キューを提供することに役立ち得る。本明細書のいずれかに議論されるように、そのような深度キューは、信用できる深度の知覚を提供する。
【0028】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、ディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザ、装着者、または視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等によって、ローカルデータ処理モジュール71に動作可能に結合68され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る。
【0029】
ローカル処理およびデータモジュール71は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(例えば、カメラ)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、全地球測位システム(GPS)ユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等の(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様にユーザ60に取り付けられ得る)センサから捕捉されるデータ、および/またはb)場合によっては処理または読出後にディスプレイ62の通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して入手および/または処理されるデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール71は、これらの遠隔モジュールがローカル処理およびデータモジュール(71)へのリソースとして利用可能であるように、通信リンク76および/または78によって、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。加えて、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74は、相互に動作可能に結合されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0031】
ヒト視覚系は、複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、困難である。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動移動(vergence)と遠近調節(accmmodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを3次元として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動(例えば、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような瞳孔の回転)は、眼の水晶体の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節−輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、輻輳・開散運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、遠近調節の整合変化を誘起するであろう。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0032】
図3は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図3を参照すると、z−軸上の眼302および304からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼302および304によって遠近調節される。眼302および304は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz−軸に沿った異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面306のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼302および304毎に、画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって、シミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼302および304の視野は、例えば、z−軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。
【0033】
(導波管スタックアセンブリ)
図4は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム100は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム100は、
図2に示されるシステム80に対応してもよく、
図4は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ178は、
図2のディスプレイ62の中に統合されてもよい。
【0034】
図4を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズであってもよい。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、それぞれ、眼304に向かった出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成され得る、導波管182、184、186、188、190の中に画像情報を投入するために利用されてもよい。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力縁の中に投入される。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼304に向かって指向される、クローン化されたコリメートビームの場全体を出力してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208はそれぞれ、それぞれの対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。
【0036】
コントローラ210が、スタックされた導波管アセンブリ178および画像投入デバイス200、202、204、206、208の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール71または72(
図2に図示される)の一部であってもよい。
【0037】
導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、主要な上部表面および底部表面およびそれらの主要な上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼304に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、光抽出光学要素282、284、286、288、290を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光抽出光学要素はまた、外部結合光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光再指向要素に衝打する場所において出力される。光抽出光学要素282、284、286、288、290は、例えば、反射および/または回折光学特徴であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管182、184、186、188、190の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、モノリシック材料部品であってもよく、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0038】
図4を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、そのような導波管182の中に投入されるにつれて、コリメートされた光を眼304に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼304に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼304に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管186は、眼304に到達する前に、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通して通過させる。第1および第2のレンズ192および194の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の上方の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0039】
他の導波管層(例えば、導波管188、190)およびレンズ(例えば、レンズ196、198)も同様に構成され、スタック内の最高導波管190を用いて、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の光抽出光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(例えば、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0040】
図4を継続して参照すると、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する、異なる構成の光抽出光学要素を有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、立体特徴または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。回折格子等の光抽出光学要素は、2015年6月25日に公開された米国特許公開第2015/0178939号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)。
【0041】
いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼304に向かって偏向される一方、残りが、全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼304に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0043】
いくつかの実施形態では、深度平面および/または被写界深度の数および分布は、視認者の眼の瞳孔サイズおよび/または配向に基づいて、動的に変動されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ500(例えば、デジタルカメラ)が、眼304の画像を捕捉し、眼304の瞳孔のサイズおよび/または配向を決定するために使用されてもよい。カメラ500は、装着者60が見ている方向(例えば、眼姿勢)を決定する際に使用するために、または装着者のバイオメトリック識別のために(例えば、虹彩識別を介して)、画像を取得するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、カメラ500は、フレーム64に取り付けられてもよく(
図2に図示されるように)、処理モジュール71および/または72と電気通信してもよく、これは、カメラ500からの画像情報を処理し、例えば、ユーザ60の眼の瞳孔直径および/または配向を決定してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラ500が、眼毎に利用され、各眼の瞳孔サイズおよび/または配向を別個に決定し、それによって、各眼への画像情報の提示がその眼に動的に調整されることを可能にしてもよい。いくつかの他の実施形態では、片眼304のみの瞳孔直径および/または配向(例えば、一対の眼あたり単一のカメラ500のみを使用して)が、決定され、視認者60の両眼に対して類似すると仮定される。
【0044】
例えば、被写界深度は、視認者の瞳孔サイズと反比例して変化してもよい。その結果、視認者の眼の瞳孔のサイズが減少するにつれて、被写界深度は、その平面の場所が眼の焦点深度を越えるため判別不能である1つの平面が、判別可能となり、瞳孔サイズの低減および被写界深度の相当する増加に伴って、より合焦して現れ得るように増加する。同様に、異なる画像を視認者に提示するために使用される、離間される深度平面の数は、減少された瞳孔サイズに伴って減少されてもよい。例えば、視認者は、一方の深度平面から他方の深度平面への眼の遠近調節を調節せずに、第1の深度平面および第2の深度平面の両方の詳細を1つの瞳孔サイズにおいて明確に知覚することが可能ではない場合がある。しかしながら、これらの2つの深度平面は、同時に、遠近調節を変化させずに、別の瞳孔サイズにおいてユーザに合焦するには十分であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、瞳孔サイズおよび/または配向の決定に基づいて、または特定の瞳孔サイズおよび/または配向を示す電気信号の受信に応じて、画像情報を受信する導波管の数を変動させてもよい。例えば、ユーザの眼が、2つの導波管と関連付けられた2つの深度平面間を区別不能である場合、コントローラ210は、これらの導波管のうちの1つへの画像情報の提供を停止するように構成またはプログラムされてもよい。有利には、これは、システムへの処理負担を低減させ、それによって、システムの応答性を増加させ得る。導波管のためのDOEがオンおよびオフ状態間で切替可能である実施形態では、DOEは、導波管が画像情報を受信するとき、オフ状態に切り替えられてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、出射ビームに視認者の眼の直径未満の直径を有するという条件を満たさせることが望ましくあり得る。しかしながら、本条件を満たすことは、視認者の瞳孔のサイズの変動性に照らして、困難であり得る。いくつかの実施形態では、本条件は、視認者の瞳孔のサイズの決定に応答して出射ビームのサイズを変動させることによって、広範囲の瞳孔サイズにわたって満たされる。例えば、瞳孔サイズが減少するにつれて、出射ビームのサイズもまた、減少し得る。いくつかの実施形態では、出射ビームサイズは、可変開口を使用して変動されてもよい。
【0047】
図5は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を示す。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されるであろう。光400が、導波管182の入力縁382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、また、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼304に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼304からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、光抽出光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されるであろう。他の導波管または他の光抽出光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼304がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼304に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0048】
図6は、導波管装置と、光を導波管装置へまたはそこから光学的に結合するための光学結合器サブシステムと、制御サブシステムとを含む、光学ディスプレイシステム100の別の実施例を示す。光学ディスプレイシステム100は、多焦点立体、画像、またはライトフィールドを生成するために使用されることができる。光学システムは、1つ以上の一次平面導波管1(1つのみのが
図6に示される)と、一次導波管1の少なくともいくつかのそれぞれと関連付けられた1つ以上のDOE2とを含むことができる。平面導波管1は、
図4を参照して議論される導波管182、184、186、188、190に類似することができる。光学システムは、分散導波管装置を採用し、光を第1の軸(
図6の図では、垂直またはY−軸)に沿って中継してもよい。種々の実施形態では、分散導波管装置は、第1の軸(例えば、Y−軸)に沿って光の有効射出瞳を拡張させ、および/または視認者がその眼を光学ディスプレイシステムを視認するように位置付け得るエリア(本明細書では、アイボックスとも称される)を拡張させるように構成されてもよい。分散導波管装置は、例えば、分散平面導波管3と、分散平面導波管3と関連付けられた少なくとも1つのDOE4(二重破線によって図示される)とを含んでもよい。分散平面導波管3は、少なくともいくつかの点において、それと異なる配向を有する一次平面導波管1と類似または同じであってもよい。同様に、少なくとも1つのDOE4は、少なくともいくつかの点において、DOE2と類似または同じであってもよい。例えば、分散平面導波管3および/またはDOE4は、それぞれ、一次平面導波管1および/またはDOE2と同一材料から成ってもよい。
図4または6に示される光学ディスプレイシステム100の実施形態は、
図2に示されるウェアラブルディスプレイシステム80の中に統合されることができる。
【0049】
中継され、射出瞳が拡張された光は、分散導波管装置から1つ以上の一次平面導波管1の中に光学的に結合される。一次平面導波管1は、好ましくは、第1の軸に直交する、第2の軸(例えば、
図6の図では、水平またはX−軸)に沿って、光を中継する。着目すべきこととして、第2の軸は、第1の軸に対して非直交軸であることができる。種々の実施形態では、一次平面導波管1は、その第2の軸(例えば、X−軸)に沿って、光の有効射出瞳を拡張させ、および/または視認者が光学ディスプレイシステムを視認し得るアイボックスを拡張させるように構成されることができる。例えば、分散平面導波管3は、光を垂直またはY−軸に沿って中継および拡張させ、光を水平またはX−軸に沿って中継および拡張させる、一次平面導波管1にその光を通過させることができる。
【0050】
光学システムは、単一モード光ファイバ9の近位端の中に光学的に結合され得る、1つ以上の有色光源(例えば、赤色、緑色、および青色レーザ光)110を含んでもよい。光ファイバ9の遠位端は、圧電材料の中空管8を通して螺合または受容されてもよい。遠位端は、固定されない可撓性カンチレバー7として、管8から突出する。圧電管8は、4つの象限電極(図示せず)と関連付けられることができる。電極は、例えば、管8の外側、外側表面または外側周縁、または直径に鍍着されてもよい。コア電極(図示せず)もまた、管8のコア、中心、内側周縁、または内径に位置する。
【0051】
例えば、ワイヤ10を介して電気的に結合される、駆動電子機器12は、対向する対の電極を駆動し、圧電管8を独立して2つの軸において屈曲させる。光ファイバ7の突出する遠位先端は、機械的共鳴モードを有する。共鳴の周波数は、光ファイバ7の直径、長さ、および材料性質に依存し得る。圧電管8をファイバカンチレバー7の第1の機械的共鳴モードの近傍で振動させることによって、ファイバカンチレバー7は、振動させられ、大偏向を通して掃引し得る。
【0052】
2つの軸において共振振動を刺激することによって、ファイバカンチレバー7の先端は、2次元(2−D)走査を充填する面積内において2軸方向に走査される。光源11の強度をファイバカンチレバー7の走査と同期して変調させることによって、ファイバカンチレバー7から発せられる光は、画像を形成する。そのような設定の説明は、米国特許公開第2014/0003762号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0053】
光学結合器サブシステムのコンポーネント6は、走査ファイバカンチレバー7から発せられる光をコリメートする。コリメートされた光は、鏡面表面5によって、少なくとも1つの回折光学要素(DOE)4を含有する、狭分散平面導波管3の中に反射される。コリメートされた光は、全内部反射によって分散平面導波管3に沿って(
図6の図に対して)垂直に伝搬し、そうすることによって、DOE4と繰り返し交差する。DOE4は、好ましくは、低回折効率を有する。これは、光の一部(例えば、10%)をDOE4との交差部の各点においてより大きい一次平面導波管1の縁に向かって回折させ、光の一部をTIRを介して分散平面導波管3の長さを辿ってそのオリジナル軌道上で継続させる。
【0054】
DOE4との交差部の各点において、付加的光が、一次導波管1の入口に向かって回折される。入射光を複数の外部結合セットに分割することによって、光の射出瞳は、分散平面導波管3内のDOE4によって垂直に拡張されることができ、および/またはアイボックスも、拡張されることができる。分散平面導波管3から外部結合された本垂直に拡張された光は、一次平面導波管1の縁に進入する。
【0055】
一次導波管1に進入する光は、TIRを介して、一次導波管1に沿って(
図6の図に対して)水平に伝搬する。光は、複数の点においてDOE2と交差するにつれて、TIRを介して、一次導波管1の長さの少なくとも一部に沿って水平に伝搬する。DOE2は、有利には、線形回折パターンおよび半径方向対称回折パターンの総和である、位相プロファイルを有し、光の偏向および集束の両方を生成するように設計または構成され得る。DOE2は、有利には、ビームの光の一部のみが、DOE2の各交差部で視認者の眼に向かって偏向される一方、光の残りが、TIRを介して、導波管1を通して伝搬し続けるように、低回折効率(例えば、10%)を有し得る。
【0056】
伝搬する光とDOE2との間の交差部の各点において、光の一部は、一次導波管1の出射表面に向かって回折され、光がTIRから逃散し、一次導波管1の出射表面から発せられることを可能にする。いくつかの実施形態では、DOE2の半径方向対称回折パターンは、加えて、焦点深度から生じるように現れるように、発散を回折された光に付与し、それによって、個々のビームの光波面を成形(例えば、曲率を付与する)し、そしてビームを設計される焦点深度に合致する角度に操向する。
【0057】
故に、これらの異なる経路は、異なる角度におけるDOE2の多重度、焦点深度、および/または射出瞳において異なる充填パターンをもたらすことによって、光を一次平面導波管1の外部で結合させることができる。射出瞳における異なる充填パターンは、有利には、複数の深度平面を伴うライトフィールドディスプレイを生成するために使用されることができる。導波管アセンブリ内の各層またはスタック内の層のセット(例えば、3層)が、個別の色(例えば、赤色、青色、緑色)を生成するために採用されてもよい。したがって、例えば、第1の3つの層のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第1の焦点深度において生成するために採用されてもよい。第2の3つの層のセットが、それぞれ、赤色、青色、および緑色光を第2の焦点深度において生成するために採用されてもよい。複数のセットが、種々の焦点深度を伴うフル3Dまたは4Dカラー画像ライトフィールドを生成するために採用されてもよい。
【0058】
(ARシステムの他のコンポーネント)
多くの実装では、ARシステムは、ウェアラブルディスプレイシステム80(または光学システム100)に加え、他のコンポーネントを含んでもよい。ARデバイスは、例えば、1つ以上の触知デバイスまたはコンポーネントを含んでもよい。触知デバイスまたはコンポーネントは、触覚をユーザに提供するように動作可能であってもよい。例えば、触知デバイスまたはコンポーネントは、仮想コンテンツ(例えば、仮想オブジェクト、仮想ツール、他の仮想構造)に触れると、圧力および/またはテクスチャの感覚を提供してもよい。触覚は、仮想オブジェクトが表す物理的オブジェクトの感覚を再現してもよい、または仮想コンテンツが表す想像上のオブジェクトまたはキャラクタ(例えば、ドラゴン)の感覚を再現してもよい。いくつかの実装では、触知デバイスまたはコンポーネントは、ユーザによって装着されてもよい(例えば、ユーザウェアラブルグローブ)。いくつかの実装では、触知デバイスまたはコンポーネントは、ユーザによって保持されてもよい。
【0059】
ARシステムは、例えば、1つ以上の物理オブジェクトを含んでもよく、これは、ユーザによって操作可能であって、ARシステムへの入力またはそれとの相互作用を可能にする。これらの物理的オブジェクトは、本明細書では、トーテムと称され得る。いくつかのトーテムは、例えば、金属またはプラスチック片、壁、テーブルの表面等、無生物オブジェクトの形態をとってもよい。代替として、いくつかのトーテムは、生物オブジェクト、例えば、ユーザの手の形態をとってもよい。本明細書に説明されるように、トーテムは、実際には、任意の物理的入力構造(例えば、キー、トリガ、ジョイスティック、トラックボール、ロッカスイッチ)を有していなくてもよい。代わりに、トーテムは、単に、物理的表面を提供してもよく、ARシステムは、ユーザにトーテムの1つ以上の表面上にあるように見えるように、ユーザインターフェースをレンダリングしてもよい。例えば、ARシステムは、トーテムの1つ以上の表面上に常駐するように見えるように、コンピュータキーボードおよびトラックパッドの画像をレンダリングしてもよい。例えば、ARシステムは、トーテムとしての役割を果たす、アルミニウムの薄い長方形プレートの表面上に見えるように、仮想コンピュータキーボードおよび仮想トラックパッドをレンダリングしてもよい。長方形プレート自体は、任意の物理的キーまたはトラックパッドまたはセンサを有していない。しかしながら、ARシステムは、仮想キーボードまたは仮想トラックパッドを介して行われた選択または入力として、長方形プレートを用いたユーザ操作または相互作用またはタッチを検出し得る。
【0060】
本開示のARデバイス、HMD、およびディスプレイシステムと使用可能な触知デバイスおよびトーテムの実施例は、米国特許公開第2015/0016777号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0061】
(射出瞳エクスパンダを伴う光学システム)
全内部反射を介して導波管を通して伝搬する内部結合された光を出力するように構成される、導波管(例えば、平面導波管1)を備える、光学システム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム80または光学システム100)は、射出瞳を通してシステムから出射する光線がユーザによって視認され得るように構成される、射出瞳と関連付けられることができる。ユーザの眼の瞳孔サイズより大きい射出瞳は、一部の光を無駄にするが、ユーザの頭部または眼の側方移動においてある程度の公差を可能にする。光学システムはまた、アイボックスと関連付けられることができ、これは、ユーザが、光学システムの全視野(FOV)および/または全分解能を犠牲にせずに、自身の眼を設置し得る、体積に対応する。
【0062】
光学システム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム80または光学システム100)の種々の実施形態は、光学システムから出射する光ビームのサイズを増加させるように構成される、付加的導波管(例えば、
図6に図示される分散導波管装置3)を含むことができる。光学システムから出射する光ビームのサイズの増加は、有利には、光学システムの射出瞳のサイズを拡張させることができる。射出瞳のサイズの拡張は、光学システムがユーザによって直接視認されるように構成されるとき、および/または接眼ディスプレイ用途において有用であり得る。射出瞳のサイズの拡張はまた、光学システムを視認するとき、眼の眼精疲労を緩和する際に有利であり得る。
【0063】
光学システム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム80または光学システム100)の種々の実施形態は、2つの反射表面、すなわち、第1の反射表面および第2の反射表面を有する、導波管(例えば、平面導波管1)を備えることができる。角度θにおいて第1の反射表面上に入射する入射光ビームは、第1および第2の反射表面における全内部反射を介して導波管を通して伝搬するように、導波管の中に結合されることができる。第1および第2の反射表面における全内部反射の各発生は、入射光ビームのコピーを生産すると見なされ得る。故に、入射光ビームの複数のコピーが、光ビームが導波管を通して伝搬するにつれて生産されることができる。導波管を通して伝搬する入射光ビームは、第2の反射表面を通して導波管から外部結合されることができる。内部結合された光ビームの各コピーは、内部結合された光ビームの万華鏡様コピーまたは鏡像と見なされ得る。故に、導波管の第2の反射表面から結合される光は、内部結合された光ビームのコピーである複数の光ビームを含む、ビームレットアレイを含むと見なされ得る。複数の光ビームはそれぞれ、内部結合された光ビームのビーム直径と等しいビーム直径を有することができる。ビームレットアレイの複数の光ビームはそれぞれ、内部結合された光ビームが全内部反射される反射表面のある側上に配置される、仮想源から生じるように現れることができる。故に、導波管の各反射表面は、入射光ビームを放出する、入力光源の鏡像コピーのセットを生産する。鏡像コピーのセットは、個別の反射表面のある側上にあるように現れる。これは、角度θにおいて導波管710の第1の反射表面712b上に入射し、導波管710の第1の反射表面712bおよび第1の反射表面712bと反対の第2の反射表面712aにおける複数回の全内部反射によって、導波管710を通して伝搬する、内部結合された光ビーム701を図示する、
図7を参照して以下にさらに説明される。反射された光ビーム702、703、704、705、および706は、表面712aおよび/または712bに対する法線に対して角度θにおいて表面712aおよび/または712bから反射される。上記に議論されるように、各反射されたビーム702、703、704、705、および706は、内部結合された光ビーム701のコピーと見なされ得る。各反射されたビーム702、703、704、705、および706の一部は、第2の反射表面712aを通して導波管710から出射し、複数の光ビームを含む、ビームレットアレイを形成することができ、複数の光ビーム内の各光ビームは、内部結合された光ビームのコピーである。例えば、複数の光ビーム内の各光ビームは、同一画像情報を備えることができる。種々の実施形態では、ビームレットアレイ内の各反射されたビーム702、703、704、705、および706の部分は、内部結合された光ビーム701のサイズと等しいサイズを有することができる。
図7は、導波管(例えば、平面導波管1)を備える光学システム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム80または光学システム100)によって生産される、2次元ビームレットアレイの簡略化された1次元バージョンを図示する。本2次元ビームレットアレイは、例えば、導波管(例えば、平面導波管1)の第1/第2の反射表面の平面に沿って延在してもよい。
【0064】
例えば、導波管710の2つの表面のうちの1つ(例えば、
図7に図示されるような第2の反射表面712a)を視認する、ヒトの眼等の枢動可能光学システムは、導波管710から出射する、反射されたビーム702、703、704、705、および706のうちの1つ以上のものの一部を受信することができる。いくつかのそのような実施形態では、枢動可能光学システムは、(i)内部結合された光ビーム701および導波管710と垂直な平面715上に位置する源(例えば、701p、703p、705p)から放出されるように表面712aに向かって内部結合されたビーム701(例えば、反射されたビーム703および705)と平行方向に伝搬する他の反射されたビームと、(ii)平面715上に位置する源(例えば、702p、704p、706p)から放出されるように表面712bに向かって反射されたビーム702(例えば、反射されたビーム704および706)と平行方向に伝搬する反射されたビームとを知覚することができる。複数の源701p、702p、703p、704p、705p、および706pは、内部結合された光ビームが放出される、入力源の鏡映コピーである。
図7に図示されるように、源701p、703p、および705pは、導波管710の下方に位置するように知覚されることができ、源702p、704p、および706pは、導波管710の上方に位置するように知覚されることができる。源701p、703p、および705pは、相互から等距離であることができる。源702p、704p、および706pもまた、相互から等距離であることができる。入力光源が、コヒーレントである場合、複数の鏡映源701p、702p、703p、704p、705p、および706pによって生産された光学波面は、相互に相互作用し、ファブリ・ペロー干渉計、ブラッグ回折格子、および薄膜光学によって生産された干渉パターンに類似し得る、角度選択的干渉パターンを生産することができる。連続点源701p、703p、および705p(または702p、704p、および706p)間の距離sは、表面712aと712bとの間の距離に対応する導波管の厚さ「d」と導波管710の屈折率「n」との積の2倍に等しくあることができる。故に、連続点源701p、703p、および705p(または702p、704p、および706p)間の距離sは、方程式s=2ndを使用して計算されることができる。
図7に描写されるように、同一方向に沿って伝搬し、複数の仮想源701p、703p、および705p(または702p、704p、および706p)によって生産される、ビームレットアレイ内の2つの隣接する光ビーム間の距離b(本明細書では、ビームレット間間隔とも称される)は、方程式b=2ndsinθによって与えられ、式中、角度θは、内部結合された光ビームの入射角である。いかなる一般性も失うことなく、入力光源からの光は、反射表面712aまたは712bのうちの1つを通して、または反射表面712aまたは712b間の縁のうちの1つを通して、導波管710の中に結合されることができる。内部結合された光ビームがプロジェクタ(例えば、
図6に図示されるファイバカンチレバー7を含む、投影システム)によって導波管710の中に導入される、種々の実施形態では、角度θは、走査角度であることができる。ビームレットアレイの隣接する光ビーム間の光学経路長、Γは、方程式Γ=2ndcosθによって与えられる。
【0065】
導波管から出力されたビームレットアレイの点拡がり関数(PSF)は、内部結合された光ビーム701を出力する、入力光源の特性に依存し得る。これは、
図8A−1、8A−2、8A−3、8B−1、8B−2、および8B−3を参照して本明細書に説明される。
図8A−1は、例えば、LCOSプロジェクタ等のインコヒーレント入力光源から出力された光を受信するように構成される、導波管710の実施形態を図示する。導波管710の実施形態を照明する、インコヒーレント入力光源は、ビーム直径「a」を有する、光のインコヒーレントビームを出力する。導波管710から出射する、ビームレットアレイは、光ビーム801a、801b、および801cを含む。入力光源は、インコヒーレントであるため、光ビーム801a、801b、および801cは、導波管から出射する光ビーム801a、801b、および801c間の位相関係が決定され得ないように、互いに対して相互にインコヒーレントである。加えて、
図8A−1に図示される実施形態に関して、2つの隣接する光ビーム間(例えば、801aと801bとの間または801bとビーム801cとの間)のビームレット間間隔bは、入力光ビームのビーム直径「a」と略同一である、出力ビームレットアレイ内の各光ビームのビーム直径を上回る。
図8B−1は、インコヒーレント入力光源からの光を受信する
図8A−1に図示される導波管710の実施形態から出力される、ビームレットアレイの個々のビームの回折パターン805aを図示する。
図8B−1に図示される回折パターン805aは、中心ピークと、2つのサイドローブとを有する。各サイドローブはまた、ピークを含む。回折パターン805aの第1のサイドローブの最大値間の幅θ
aは、インコヒーレント光源によって駆動される導波管710を含む、光学システムの開口サイズの測定値を提供することができ、比λ/aに比例し、λは、入射光の波長であって、「a」は、ビーム直径である。
図8A−1に図示されるようにインコヒーレント入力光源からの光を受信する、導波管710の実施形態から出力されたビームレットアレイに関する点拡がり関数(PSF)は、回折パターン805aの幅θ
aと等しく、「a」と等しいビーム直径を有する単一ビームによって生産される、広回折エンベロープに匹敵する。PSFは、光学システムが点源を形成する画像を表す。完璧な光学システムのPSFは、エアリーパターンであって、これは、減少強度の同心環によって囲繞される中心スポットまたはピークまたは明るい領域から成る。中心スポットと連続同心環との間の空間は、低減された強度を有する。サイズdを有する開口または瞳からの大距離では、中心スポットの中心と交差する軸と中心スポットと第1の同心環との間の低減された強度の領域との間の角度θは、方程式
【化1】
によって与えられ、式中、λは、光の波長である。故に、中心スポットのサイズがより小さくなるにつれて、瞳サイズは、より大きくなる。したがって、エアリーパターン(またはPSF)は、光学システムの瞳サイズの測定値を提供することができる。任意の理論に賛同するわけではないが、より大きい瞳サイズを伴うシステムは、より狭いPSFを有する。
【0066】
図8A−2は、コヒーレント入力光源から出力された光を受信するように構成される、導波管710の実施形態を図示する。導波管710の実施形態を照明する、コヒーレント入力光源は、ビーム直径「a」を有する、光のコヒーレントビームを出力する。導波管710から出射する、ビームレットアレイは、光ビーム802a、802b、および802cを含む。入力光源は、コヒーレントであるため、光ビーム802a、802b、および802cは、導波管から出射する光ビーム802a、802b、および802c間の位相関係が決定的であるように、互いに対して相互にコヒーレントである。加えて、
図8A−2に図示される実施形態に関して、2つの隣接する光ビーム間(例えば、802aと802bとの間または802bとビーム802cとの間)のビームレット間間隔bは、入力光ビームのビーム直径「a」と略同一である、出力ビームレットアレイ内の各光ビームのビーム直径を上回る。
図8B−2は、コヒーレント光ビーム802a、802b、および802c間の光学干渉によって生産された干渉パターン805bを図示する。
図8B−2に図示される干渉パターン805bは、中心ピークと、4つのサイドローブとを有する。各サイドローブはまた、ピークを含む。干渉パターン805bの第1のサイドローブの最大値間の幅θ
bは、比λ/bに比例し、λは、入射光の波長であって、bは、ビームレット間間隔である。コヒーレント入力光源からの光を受信する
図8A−2に図示される導波管710の実施形態から出力される、ビームレットアレイに関する点拡がり関数(PSF)は、干渉パターンとアレイの個々のビームの回折エンベロープとの積であって、これは、パターン805aによって描写される。故に、コヒーレント入力光源からの光を受信する、
図8A−2に図示される導波管710の実施形態から出力される、ビームレットアレイに関するPSFは、ビームレットアレイのコヒーレントビーム間の相互の相互作用によって生産された干渉パターンによって角度フィルタリングされる、「a」と等しいビーム直径を有する単一ビームによって生産される、回折エンベロープに対応する。ビームレットアレイのコヒーレントビーム間の相互の相互作用によって生産された干渉パターンのフィルタ点間の間隔は、ビームの光学波長λに正比例し、ビームレット間間隔bに反比例する。コヒーレント入力光源からの光を受信する
図8A−2に図示される導波管710の実施形態から出力される、ビームレットアレイに関する開口サイズは、インコヒーレント入力光源によって駆動される導波管710を含む、光学システムの開口サイズを上回り得る。
【0067】
図8A−3は、コヒーレント入力光源から出力された光を受信するように構成される、導波管710の実施形態を図示する。導波管710の実施形態を照明する、コヒーレント入力光源は、ビーム直径「a」を有する、光のコヒーレントビームを出力する。導波管710から出射する、ビームレットアレイは、光ビーム803a、803b、および803cを含む、複合ビームである。入力光源は、コヒーレントであるため、光ビーム803a、803b、および803cは、導波管から出射する光ビーム803a、803b、および803c間の位相関係が決定的であるように、互いに対して相互にコヒーレントである。加えて、
図8A−3に図示される実施形態に関して、2つの隣接する光ビーム間(例えば、803aと803bとの間または803bとビーム803cとの間)のビームレット間間隔bは、入力光ビームのビーム直径「a」と略同一である、出力ビームレットアレイ内の各光ビームのビーム直径と略等しくなるように調節され、光学経路長差Γ=2ndcosθは、波長λの整数倍である。入射角および導波管710の厚さおよび屈折率が波長λの整数倍である、コヒーレント光源によって駆動される導波管710の本実施形態に関して、ビームレットアレイの種々のコヒーレントビームは、融合し、均一位相を伴う連続波面を形成する。
図8B−3に図示される干渉パターン805cと曲線805aによって図示される個々のビームの回折エンベロープとの積によって取得される、対応するPSFは、複合ビーム内のビームレットの数とビームレットアレイ内の各個々のビームのビーム直径「a」の積と等しい、直径「A」を伴う単一ビームによって生産されたより狭い回折エンベロープに匹敵する。
【0068】
図8Cは、コヒーレント入力光源からの光を受信する、導波管710の実施形態から出力された均一位相を有する連続波面815を伴う、光ビーム810を図示し、光学経路長差Γ=2ndcosθは、波長λの整数倍である。上記に議論されるように、光ビーム810のビーム直径「A」は、入力光ビームのビーム直径「a」を上回る。コヒーレント入力光源からの光が、光学経路長差Γ=2ndcosθが入射光の波長λの整数倍であるように、屈折率「n」および厚さ「d」を有する、導波管上に角度θにおいて入射する、光学システムでは、導波管は、射出瞳エクスパンダ(EPE)として機能するように構成されることができる。光学経路長差Γ=2ndcosθが入射光の波長λの整数倍ではない、光学システムは、必ずしも、システムの射出瞳を拡張させる必要はないが、代わりに、システムのアイボックスを拡張させることができる。アイボックスの拡張は、有利には、ユーザの頭部または眼の側方移動に対するシステム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム80または光学システム100)の公差を増加させることができる。
【0069】
走査プロジェクタ(例えば、
図6に図示されるファイバカンチレバー7を含む、投影システム)からの光が光ガイド(例えば、平面導波管1)の中に内部結合される、光学システム(例えば、光学システム100)の実施形態では、プロジェクタの開口サイズは、小さくあり得る。例えば、プロジェクタの出力開口サイズは、25ミクロン以上かつ50ミクロン以下、35ミクロン以上かつ75ミクロン以下、50ミクロン以上かつ100ミクロン以下、またはその間の値であることができる。そのような光学システムの種々の実施形態は、複雑なレンズベースの光学システムを採用し、プロジェクタの開口サイズに対応する、入力開口を拡張させることができる。例えば、射出瞳を拡張させるために採用される光学システムは、約200ミクロン以上かつ約1mm以下、約250ミクロン以上かつ約950ミクロン以下、約300ミクロン以上かつ約900ミクロン以下、約350ミクロン以上かつ約850ミクロン以下、約400ミクロン以上かつ約800ミクロン以下、約450ミクロン以上かつ約750ミクロン以下、約500ミクロン以上かつ約700ミクロン以下、約550ミクロン以上かつ約650ミクロン以下、約600ミクロン以上かつ約650ミクロン以下、またはその間の値の出力開口を達成するように構成されてもよい。
【0070】
レンズベースの射出瞳エクスパンダシステムは、所望の出力開口サイズを達成することができるが、それらは、嵩張りかつ重く、それらを接眼ディスプレイシステムと統合されるために非実践的なものにし得る。上記に議論されるように、屈折率「n」および厚さ「d」を有する、導波管は、入射光の波長λの整数倍である、導波管から出力されたビームレットアレイの隣接するビーム間の光学経路長差Γ=2ndcosθが、射出瞳を拡張させ得るとき、EPEとして機能することができる。故に、導波管は、重量または嵩張りに寄与することなく光学システムの射出瞳を増加させる、コンパクトな方法を提供することができる。
【0071】
しかしながら、
図8A−1から8Cに記載されたように、導波管を含む、光学システムは、入力光が導波管の中に内部結合される入射角度、導波管の屈折率「n」および厚さ「d」が、導波管から出力されたビームレットアレイの隣接するビーム間の光学経路長差Γ=2ndcosθが波長λの整数倍であるように構成されるときのみ、射出瞳エクスパンダとして機能することができる。走査プロジェクタ(例えば、
図6に図示されるファイバカンチレバー7を含む光源)からの光は、導波管を射出瞳エクスパンダとして採用する光学システム上に入射し、入力光が導波管の中に内部結合される入射角度θは、光学システムの視野(FOV)に対応する立体角Θを掃引する走査プロジェクタの走査角度に伴って変動する。例えば、入力角度θは、立体角Θ約30度〜約50度で変動することができる。走査プロジェクタが、ファイバ(例えば、
図6に図示されるファイバカンチレバー7を含む、光源)を備える場合、入力角度θが変動する周波数は、ファイバが旋回する周波数と等しくあり得る。ファイバを備える走査プロジェクタの種々の実施形態では、ファイバは、11,000〜30,000旋回/秒し得る。したがって、そのような実施形態における入力角度θは、周波数約0.1MHz〜約10MHzにおいて変動し得る。
【0072】
入力光が導波管の中に内部結合される入射角度が、立体角Θ内で変動するにつれて、導波管から出力されたビームレットアレイは、
図8A−2および8B−2を参照して上記に説明されるように、集束スポットの離散2次元(2D)グリッドによって角度フィルタリングされる。集束スポットは、隣接するビーム間の光学経路長差が光の波長の整数倍であるという位相同期条件を満たす、角度のセットに対応し得る。集束スポットの離散2次元(2D)グリッドによるビームレットアレイの角度フィルタレーションは、導波管の光学および機械的性質(例えば、屈折率「n」および厚さ「d」)が、ビームレットアレイの隣接するビーム間の光学経路長差が光の波長の整数倍であるように対応して変動しない場合、入射角が立体角Θ内で変動するにつれて、明るく緊密に集束されたピクセルに対応する干渉最大値と、暗いまたはブランクピクセルに対応する干渉最小値とを生産することができる。したがって、導波管から出力されたビームレットアレイの強度は、導波管の光学および機械的性質(例えば、屈折率「n」および厚さ「d」)が、ビームレットアレイの隣接するビーム間の光学経路長差が光の波長の整数倍であるように対応して変動しない場合、入射角が最大明度と最小明度との間の立体角Θ内で変動するにつれて、断続的に変動し得る。故に、入射角が変動するが、導波管の機械的性質および/または入射光の波長が、ビームレットアレイの隣接するビーム間の光学経路長差が全ての入射角度に関して光の波長の整数倍ではないように同一のままである光学システムの実施形態を通して投影される画像は、画像が黒色メッシュによって篩に掛けられたかのように現れ得る。
【0073】
光学信号源としての小開口サイズを伴う走査プロジェクタと、射出瞳エクスパンダとしての導波管とを含む光学システムでは、ディスプレイシステムおよび/または入力ビームの光学および/または機械的性質のうちの1つ以上のものを制御し、投影された画像の強度を閾値を上回る強度レベルに維持することが有利である。光学および/または機械的性質は、導波管の反射表面間の間隔(厚さ「d」とも称される)、導波管の屈折率「n」、または入力光学信号の波長λを含むことができる。ディスプレイシステムおよび/または入力ビームの光学および/または機械的性質は、集束スポットの離散2次元(2D)グリッドが角度偏移され得、プロジェクタの全ての走査角度が、コンパクトな緊密に集束されたPSF(
図8B−3に描写されるPSFに類似する)を有するビームレットアレイを生産するであろうような様式において、入力ビームの走査角度の変動と同期するように制御されることができる。
【0074】
走査入力ビームを複数の光ビームを含む規則的2次元ビームレットアレイに分裂させる導波管を備える光学システムによって生産された出力ビームは、導波管の物理的または光学性質および/または走査入力ビームの波長のうちの1つ以上のものが、おおよそ走査レートの周波数において変動されるとき、ビームレットアレイの複数の光ビームの個々のもののビーム直径を上回るビーム直径を有することができる。導波管の物理的または光学性質および/または走査入力ビームの波長のうちの1つ以上のものを走査レートの周波数において変動させることは、有利には、出力ビームが均一位相を伴う連続波面を有するように、ビームレットアレイ内の光ビーム間の相対的位相偏移を制御することができる。光学システムのそのような実施形態は、より大きいビーム直径を伴う出力ビームを形成および操向可能な光学位相アレイとして機能すると見なされ得る。そのような光学システムでは、プロジェクタの走査技術は、入力ビームを導波管の角度フィルタグリッド(集束スポットの2Dグリッドに対応する)の好ましい角度間で操向することができ、導波管の物理的または光学性質および/または走査入力ビームの波長のうちの1つ以上のものを走査レートの周波数において変動させるために採用される変調技術は、角度フィルタグリッドを入力ビームの異なる角度間で操向させることを担う。種々の実施形態では、導波管は、導波管の物理的または光学性質および/または走査入力ビームの波長のうちの1つ以上のものを走査レートの周波数において(例えば、1つ以上のホログラフィック構造を利用することによって)動的に変動させずに、導波管から出力されたビームレットアレイが、均一位相およびビームレットアレイ内の個々のビームのビーム直径より大きいビーム直径を伴う連続波面を有する光ビームを形成するように構成されることができる。入力光ビームの異なる走査角度に関するビームレットアレイの種々の光ビーム間の位相同期を動的または非動的に達成することができるシステムおよび方法は、以下に議論される。
【0075】
(1.動的位相同期)
種々の技法および方法が、導波管の物理的または光学性質および/または走査入力ビームの波長のうちの1つ以上のものを走査レートの周波数において変動させ、以下に議論される、入力光ビームの異なる走査角度に関するビームレットアレイの種々の光ビーム間の位相同期を動的に達成するために使用されることができる。種々の実施形態では、光学システムは、導波管の物理的または光学性質(例えば、屈折率、導波管の反射表面間の距離)および/または入力ビームの波長のうちの1つ以上のものを制御するように構成される制御システムを備えることができる。制御システムは、フィードバックループを含み、ビームレットアレイの個々の光ビーム間の位相同期を継続的に維持することができる。
【0076】
(1.1.屈折率)
上記に議論されるように、ビームレットアレイの個々の光ビーム間の位相同期を維持するために、光学経路長差Γ=2ndcosθは、波長λの整数倍であるべきである。故に、導波管の材料の屈折率が、光学経路長差Γ=2ndcosθが全ての入力角度θに関して波長λの整数倍であるように、走査レートの周波数(またはθが変動する周波数)において変動される場合、ビームレットアレイの個々の光ビーム間の位相同期は、全ての入力角度θに関して維持されることができる。
図9Aは、走査角度θのコサインに対する導波管の屈折率「n」の変動を示す、グラフを図式的に図示する。
図9Aの点901a、901b、および901cは、項2n
0dcosθ
m、2n
0dcosθ
m+1、および2n
0dcosθ
m+2が、それぞれ、mλ、(m+1)λ、および(m+2)λと等しく、mが、整数である、走査角度θ
m、θ
m+1、およびθ
m+2における屈折率値n
0を指す。
図9Aの点901dは、項
【化2】
がmλと等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+1における屈折率値
【化3】
を有する。
図9Aの点901eは、項
【化4】
が(m+1)λと等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+2における屈折率値
【化5】
を有する。
図9Aでは、mは、
【化6】
が
【化7】
と略等しいような大値を有すると見なされる。2ndcosθが波長λの整数倍である、屈折率「n」の可能性として考えられる値のうちのいくつかのみが、
図9Aに描写される。2ndcosθが波長λの整数倍である屈折率「n」の他の値も、可能性として考えられる。走査角度θ
mとθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の走査角度に関して、屈折率の値は、2ndcosθが波長λの整数倍のままであるように変化されることができる。屈折率「n」の値の小変化に関して、走査角度θ
mとθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の屈折率「n」の変動は、
図9Aに描写されるように、線形であることができる。種々の実施形態では、屈折率は、基本屈折率の約25%以下の量Δnだけ変動されることができる。基本屈折率は、上記で議論された屈折率値n
0に対応することができる。例えば、屈折率は、基本屈折率の約10%以下、約15%以下、約20%以下の量Δnだけ変動されることができる。上記に議論されるように、屈折率の変動は、走査角度θの変動と同期されることができる。別の実施例として、屈折率は、おおよそ0.001〜約0.01の量Δnだけ変動されることができる。屈折率の変動は、
図9Aに描写されるように、周期的であることができる。
【0077】
導波管の材料の屈折率は、限定ではないが、電場または光学場のパラメータの変動、導波管の材料の温度の変動、導波管内に含まれる種々の材料の化学組成および/または濃度の変動、ピエゾ光学効果等を含む、種々の技法によって変動されることができる。例えば、導波管は、結晶性および/または液晶材料を含むことができ、その屈折率は、いくつかの異なる電気光学効果を介して、電場の印加に伴って変動されることができる。別の実施例として、導波管は、液体溶液を備えることができ、その屈折率は、その溶液の混合および相対的濃度を制御することによって、変動されることができる。別の実施例として、導波管は、化学活性基板を備えることができ、その屈折率は、導波管を構成する材料内の化学反応率および/またはその結果を制御することによって、変動されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、導波管を構成する材料内の化学反応率および/またはその結果は、電場の印加、光学場の印加、または両方によって制御されることができる。別の実施例として、いくつかの実施形態では、導波管を構成する材料内の化学反応率および/またはその結果は、化学ポンプの使用によって制御されることができる。光学波長の変化はまた、屈折率の変化を生産することができる。故に、種々の実施形態では、屈折率の変化は、導波管上に入射する光の波長λと相関されることができる。例えば、入射光の波長λは、限定ではないが、導波管の入射光の変調、非線形性、および/または分散を含む、種々の要因に起因して変動し得る。例えば、種々の実施形態では、入射光の波長λは、変調に起因して、非変調入射光の波長λ
opticalの約1%〜10%の量Δλを変化させることができる。故に、光の材料の屈折率を変動させるように構成される、コントローラは、屈折率が変化されることになる量Δnを計算するとき、入射光の波長λの変化を考慮するように構成されることができる。種々の実施形態では、コントローラは、入力光ビームの異なる走査角度に関するビームレットアレイの種々の光ビーム間の位相同期が達成され得るように、入射光の波長λの変化に基づいて、動的に、入射光の波長λの変化を計算し、屈折率が変化されることになる量Δnを計算するように構成される、フィードバックループを含むことができる。
【0078】
(1.2.反射体平面間隔)
導波管の種々の実施形態は、反射表面(例えば、導波管710の反射表面712aおよび712b)間の空間(導波管の厚さとも称される)が、固定される必要はないが、代わりに、変動され得るように構成されることができる。例えば、導波管の種々の実施形態では、反射表面(例えば、導波管710の反射表面712aおよび712b)間の空間は、流体または空気によって占有されることができる。導波管は、光学経路長差Γ=2ndcosθが全ての入力角度θに関して波長λの整数倍であるように、反射表面の一方または両方を相互に対して移動させ、流体または空気を含む反射表面間の距離および/または空間の厚さを走査レートの周波数(またはθが変動する周波数)において変動させる、コントローラを備えることができる。
図9Bは、走査角度θのコサインに対する導波管の反射表面間の間隔「d」の変動を示す、グラフを図式的に図示する。
図9Bの点905a、905b、および905cは、項2nd
0cosθ
m、2nd
0cosθ
m+1、2nd
0cosθ
m+2が、それぞれ、mλ、(m+1)λ、および(m+2)λと等しく、mが整数であるような走査角度θ
m、θ
m+1、およびθ
m+2における導波管の反射表面間の間隔d
0の値を指す。
図9Bの点905dにおける導波管の反射表面間の間隔は、項
【化8】
が、mλと等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+1における
【化9】
である。
図9Bの点905eにおける導波管の反射表面間の間隔は、項
【化10】
が、(m+1)λと等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+2における
【化11】
である。
図9Bでは、mは、
【化12】
が
【化13】
と略等しいような大値を有すると見なされる。2ndcosθが波長λの整数倍である、導波管の反射表面間の間隔「d」の可能性として考えられる値のうちのいくつかのみが、
図9Bに描写される。2ndcosθが波長λの整数倍である、導波管の反射表面間の間隔「d」の他の値も、可能性として考えられる。走査角度θ
mとθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の走査角度に関して、導波管の反射表面間の間隔「d」の値は、2ndcosθが波長λの整数倍のままであるように変化されることができる。導波管の反射表面間の間隔「d」の値の小変化に関して、走査角度θ
mおよびθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の導波管の反射表面間の間隔「d」の変動は、
図9Bに描写されるように、線形であることができる。導波管の反射表面間の間隔「d」は、導波管の反射表面間の基本間隔の約25%以下の量Δdだけ変動されることができる。例えば、導波管の反射表面間の間隔「d」は、導波管の反射表面間の基本間隔の約10%以下、約15%以下、約20%以下の量Δdだけ変動されることができる。別の実施例として、導波管の反射表面間の間隔「d」は、約1ミクロン以下の量Δdだけ変動されることができる。種々の実施形態では、導波管の反射表面間の基本間隔は、上記に議論される間隔d
0に対応し得る。
【0079】
上記に議論されるように、導波管の反射表面間の間隔「d」の変動は、走査角度θの変動と同期されることができる。導波管の反射表面間の間隔の変動は、
図9Bに描写されるように、周期的であることができる。導波管の反射表面間の間隔は、限定ではないが、機械的方法、電気機械的方法、音響光学方法、電磁方法、圧電方法等を含む、種々の技法によって変化されることができる。例えば、導波管は、一対の反射表面と、反射表面間の距離を制御するように構成される、コントローラとを備える、微小電気機械(MEMS)デバイスとして構成されることができる。別の実施例として、導波管は、2つの表面によって境界される、音響光学材料を含むことができる。導波管の2つの表面は、音響ドライバによって生成された音響定常波によって誘発される、音響光学材料中の密度変動によって、反射性となるように構成されることができる。そのような実施形態では、2つの表面間の間隔は、音響定常波を生成する音響ドライバの周波数を変化させることによって、変動されることができる。
【0080】
別の実施形態では、導波管は、相互から離間される、複数の層を備えることができる。複数の層はそれぞれ、反射状態と透過状態との間で切り替えられるように構成されることができる。任意の所望の間隔をそれらの間に伴う、一対の反射表面は、選択的に、複数の層のうちの2つを反射状態であるように構成し、残りの複数の層を透過状態であるように構成することによって、取得されることができる。そのような実施形態では、複数の層はそれぞれ、電磁制御システムを使用して、反射状態と透過状態との間で切り替えられることができる。これは、3つの層907a、907b、および907cを備える、導波管907を描写する、
図9B−1を参照して以下により詳細に説明される。第3の層907cは、第1の層907aと第2の層907bとの間に配置される。第1の層907aは、反射状態に維持されることができる。第2の層907bを透過状態に、第3の層907cを反射状態に構成することによって、一対の導波管907の反射表面間の間隔は、d1であるように選択されることができる。第2の層907bを反射状態に、第3の層907cを透過状態に構成することによって、一対の導波管907の反射表面間の間隔は、d1+d2であるように選択されることができる。このように、導波管の反射表面間の間隔は、変動されることができる。付加的層が、導波管内に含まれ、より大きい範囲の間隔の変動を提供することができる。
【0081】
導波管のいくつかの実施形態では、反射表面は、圧電材料を含むことができる。そのような実施形態では、反射表面間の間隔は、電場の印加を介して導波管の機械的拡張または縮小を誘発することによって、変動されることができる。
【0082】
(1.3.波長)
導波管の種々の実施形態は、光学経路長差Γ=2ndcosθが全ての入力角度θに関して波長λの整数倍であるように、入射光(例えば、光ビーム701)の波長が走査レートの周波数(またはθが変動する周波数)において変動され得るように構成されることができる。
図9Cは、走査角度θのコサインに対する入射光の波長λの変動を示す、グラフを図式的に図示する。
図9Cの点910a、910b、および910cは、項2ndcosθ
m、2ndcosθ
m+1、および2ndcosθ
m+2が、それぞれ、mλ
0、(m+1)λ
0、および(m+2)λ
0と等しく、mが整数であるような走査角度θ
m、θ
m+1、およびθ
m+2における波長λ
0の値を指す。
図9Cの点910dにおける波長λは、項2ndcosθ
m+1が、mλ
0と等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+1における
【化14】
である。
図9Cの点910eにおける波長λは、項
【化15】
が、(m+1)λ
0と等しく、mが整数であるような走査角度θ
m+2における
【化16】
である。
図9Cでは、mは、
【化17】
が
【化18】
と略等しいような大値を有するとみなされる。2ndcosθが波長λの整数倍である、入射光の波長λの可能性として考えられる値のうちのいくつかのみが、
図9Cに描写される。2ndcosθが波長λの整数倍である、入射光の波長λの他の値も、可能性として考えられる。走査角度θ
mとθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の走査角度に関して、入射光の波長λの値は、2ndcosθが波長λの整数倍のままであるように変化されることができる。入射光の波長λの値の小変化に関して、走査角度θ
mとθ
m+1(またはθ
m+1とθ
m+2)との間の入射光の波長λの変動は、
図9Cに描写されるように、線形であることができる。入射光の波長λは、基本波長の約25%以下の量Δλだけ変動されることができる。例えば、入射光の波長λは、基本波長の約10%以下、約15%以下、約20%以下の量Δλだけ変動されることができる。別の実施例として、入射光の波長λは、約1nm〜約10nmの量Δλだけ変動されることができる。種々の実施形態では、基本波長は、上記に議論される波長λ
0に対応し得る。
【0083】
上記に議論されるように、入射光の波長λの変動は、走査角度θの変動と同期されることができる。入射光の波長λの変動は、
図9Cに描写されるように、周期的であることができる。入射光の波長λは、同調可能レーザを採用することによって、変動されることができる。例えば、光学源(例えば、
図6の光源/画像源11)は、例えば、レーザの波長λが電流および/または電圧の印加によって変動され得る、分布帰還型(DFB)レーザ、分布ブラッグ反射型(DBR)レーザ等の同調可能レーザを含むことができる。別の実施例として、光学源(例えば、
図6の光/画像源11)から出力された光の波長λは、光学源の温度を変動させることによって、変動されることができる。
【0084】
上記に議論されるように、光学波長の変化はまた、屈折率の変化を生産することができる。故に、種々の実施形態では、導波管上に入射する光の波長λの変化は、屈折率「n」の変化と相関されることができる。例えば、入射光の波長λを変動させるように構成される、コントローラは、導波管の材料の屈折率の変化を考慮するように構成されることができる。種々の実施形態では、コントローラは、入力光ビームの異なる走査角度に関するビームレットアレイの種々の光ビーム間の位相同期が達成され得るように、導波管の屈折率Δnの変化に基づいて、入射光の波長λの変化を動的に計算するように構成される、フィードバックループを含むことができる。
【0085】
一般に、動的位相同期に関して、位相同期条件を満たす角度間の角度間隔(ラジアン単位)は、導波管の幅によって除算される光の波長と略等しい。おおよそ100〜1000ミクロンの導波管幅およびビーム直径に関する角度偏移は、約0.001〜0.01ラジアン(または約0.1%〜1%のパーセンテージ変化)となり得る。位相同期を維持するために、角度偏移は、約0.001〜約0.01の範囲内の量だけ導波管の屈折率を減少させる、おおよそ1ミクロンだけ反射表面間の間隔(または導波管の幅)を増加または減少させる、または約1〜約10nmの範囲内で入射光の波長を増加または減少させることによって、補償されることができる。
【0086】
(2.非動的位相同期)
位相同期はまた、上記に議論される動的アプローチのいずれかを使用せずに達成されることができる。例えば、導波管は、複数のホログラフィック構造を備えることができ、複数のホログラフィック構造はそれぞれ、入射角度毎に、位相同期出力を提供する。故に、位相同期出力は、導波管の反射表面間の間隔、導波管の屈折率、または入射光の波長を入力ビームの走査レートにおいて能動的に同時変調させずに、入力ビームの入射角度が変動するにつれて取得されることができる。
【0087】
第1の入射角度に関する位相同期出力を提供する、複数のホログラフィック構造のうちの第1のものは、第1の入射角度においてホログラフィック媒体の第1の側からホログラフィック媒体上に入射する第1の基準ビームと、第1の側と反対のホログラフィック媒体の第2の側からホログラフィック媒体上に入射する第2の基準ビームとに干渉することによって、厚いホログラフィック媒体上に記録されることができる。第1の基準ビームは、走査プロジェクタから出力された光ビームの特性を有するように構成されることができる。例えば、第1の基準ビームは、いくつかの実施形態では、コリメートされることができる。第1の基準ビームは、約100ミクロン以下(例えば、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、60ミクロン以下、50ミクロン以下、40ミクロン以下、30ミクロン以下、25ミクロン以下、20ミクロン以下、またはその間の値の)ビーム直径を有することができる。第2の基準ビームは、第1の基準ビームが第1の入射角度において導波管上に入射するときに導波管から出力される、位相同期されるビームレットアレイの特性を有するように構成されることができる。例えば、第2の基準ビームは、
図8A−3および/または
図8Cに描写されるビームレットアレイに類似する均一位相を伴う連続波面を有する、コリメートされたビームであることができる。第2の基準ビームのビーム直径は、約200ミクロン以上かつ約10mm以下であることができる。例えば、第2の基準ビームのビーム直径は、約250ミクロン以上かつ約950ミクロン以下、約300ミクロン以上かつ約900ミクロン以下、約350ミクロン以上かつ約850ミクロン以下、約400ミクロン以上かつ約800ミクロン以下、約450ミクロン以上かつ約750ミクロン以下、約500ミクロン以上かつ約700ミクロン以下、約550ミクロン以上かつ約650ミクロン以下、約600ミクロン以上かつ約650ミクロン以下、またはその間の値であることができる。
【0088】
複数のホログラフィック構造は、第1の基準ビームの入射角を変動させることによって、同一ホログラフィック媒体上に記録される。例えば、第1の基準ビームの入射角は、約±30度間で継続的に変動されることができる。別の実施例として、第1の基準ビームの入射角は、約1度以下(例えば、0.9度以下、0.8度以下、0.7度以下、0.6度以下、0.5度以下、0.4度以下、0.3度以下、0.2度以下、0.1度以下、0.05度以下、またはその間の値の)離散ステップにおいて、約±30度間で変動されることができる。第2の基準ビームの入射角もまた、第1の基準ビームの入射角の変動に対応して変動されることができる。
【0089】
故に、少なくとも1つのホログラフィック構造が、第1の基準ビームの入射角と第2の基準ビームの入射角の組み合わせ毎に、ホログラフィック媒体上に記録される。このように記録される複数のホログラフィック構造を備える、導波管は、走査プロジェクタによって掃引される立体角Θ内の異なる角度θにおいて入射する入力ビームに関して位相同期ビームレットアレイを出力するように構成されることができる。さらに、出力ビームレットアレイの直径は、入力ビームの直径を上回り得る。そのような実施形態では、角度選択性は、入力光の入射角が変動されるにつれて、ビームレットアレイの種々のビーム間の位相を動的に同期させることが必要ではないように、導波管の中に内蔵される。したがって、そのような実施形態では、導波管の1つ以上のパラメータ(例えば、屈折率、導波管の反射表面間の間隔)および/または入射光の波長λは、導波管から出力されたビームレットアレイの種々の光ビーム間の位相同期を達成するために、走査レートの周波数において変動される必要はない。
【0090】
図10は、角度選択性が、入力光の入射角が変動されるにつれて、ビームレットアレイの種々のビーム間の位相を動的に同期させることが必要ではないように、導波管の中に内蔵される、導波管1010の実施形態を図示する。導波管1010は、層1012a、1012b、1012c、1012dのスタックを備える。層の各スタックは、1つ以上のホログラフィック構造を含むことができる。ホログラフィック構造は、体積ホログラムおよび/または空間的に多重化されたブラッグ回折格子を備えることができる。種々の実施形態では、複数のホログラムは、導波管の容積内で重畳または多重化されることができる。そのような実施形態では、導波管は、層のスタックを備える必要はない。各ホログラフィック構造は、上記に議論されるように、走査プロジェクタによって掃引される立体角Θ内の角度θにおいて入射する入力ビームに関して位相同期されるビームレットアレイを出力するように構成されることができる。
図10は、導波管1010の表面に対する法線に近接する角度において入射する入力光ビーム1001に関して、導波管1010によって出力される、位相同期されるビームレットアレイ1015を描写するが、導波管1010はまた、導波管1010の表面に対する法線に近接する角度と異なる角度において入射する入力ビームに関して位相同期されるビームレットアレイを放出するように構成されることができる。
【0091】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得る。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされた汎用コンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされる、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、または解釈されるプログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0092】
さらに、本開示の機能性のある実装は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つ以上の物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0093】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0094】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、追加される、削除される、修正される、または別様に本明細書に提供される例証的実施例から変更されることができる。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムまたはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、任意の特定のシーケンスに限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切な他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されることができる。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそれから除去され得る。さらに、本明細書に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証を目的とし、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。多くの実装変形例が、可能である。
【0095】
本プロセス、方法、およびシステムは、ネットワーク(または分散)コンピューティング環境において実装され得る。ネットワーク環境は、企業全体コンピュータネットワーク、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、クラウドコンピューティングネットワーク、クラウドソースコンピューティングネットワーク、インターネット、およびワールドワイドウェブを含む。ネットワークは、有線または無線ネットワークまたは任意の他のタイプの通信ネットワークであり得る。
【0096】
本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されない。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。本開示に説明される実装の種々の修正が、当業者に容易に明白であり得、本明細書に定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実装に適用され得る。したがって、請求項は、本明細書に示される実装に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0097】
別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装における組み合わせにおいて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実装において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることができる。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0098】
とりわけ、「〜できる(can)」、「〜し得る(could)」、「〜し得る(might)」、「〜し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「〜を備える」、「〜を含む」、「〜を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。
【0099】
本明細書で使用されるように、項目のリスト「〜のうちの少なくとも1つ」を指す語句は、単一の要素を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。ある実施例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにA、B、およびCを網羅することが意図される。語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の接続文は、別様に具体的に記載されない限り、概して、項目、用語等がX、Y、またはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝えるために使用されるような文脈で別様に理解される。したがって、そのような接続文は、概して、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在するように要求することを示唆することを意図されない。
【0100】
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。