特許第6978495号(P6978495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978495
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】電子装置用ケース
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/11 20060101AFI20211125BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H04M1/11 Z
   A45C11/00 E
【請求項の数】43
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-514743(P2019-514743)
(86)(22)【出願日】2017年9月15日
(65)【公表番号】特表2019-533346(P2019-533346A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(86)【国際出願番号】US2017051855
(87)【国際公開番号】WO2018053311
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2020年9月15日
(31)【優先権主張番号】62/395,831
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516045012
【氏名又は名称】アーバン アーマー ギア、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング スティーヴン
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−527175(JP,A)
【文献】 特開2014−069570(JP,A)
【文献】 特開2012−044138(JP,A)
【文献】 特開2000−013044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0111623(US,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1385314(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
A45F 3/00
3/02
3/04
3/12
B65D 57/00−59/08
81/00−81/17
G06F 1/00
1/16− 1/18
H04B 1/38− 1/58
H04M 1/02− 1/23
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置用の多層複合材ケースであって、前記ケースは、
2つまたは3つ以上の内側連結壁および前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と操作可能に連結されたベースによって構成された電子装置クレードルを有し、
実質的に剛性の材料のシャープレートを有し、前記シャープレートは、前記ベースの少なくとも第1の部分を形成し、
前記シャープレートに作動的に連結されるとともに少なくとも前記ベースの第2の部分を形成する実質的に剛性の材料のフレームを有し、
前記シャープレートまたは前記フレームとは異なる剛性を有する材料の裏当て層を有し、前記裏当て層は、前記シャープレートと前記フレームとの間に位置決めされた状態で少なくとも前記ベースの第3の部分を形成し、
前記2つまたは3つ以上の内部連結壁は、弾性のかつ耐衝撃性の材料で構成され、
前記電子装置クレードルは、前記電子装置の収容の際、前記電子装置の周辺部分の少なくとも一部分に隣接して位置する前記2つまたは3つ以上の内側連結壁および前記電子装置の裏に隣接して位置する前記ベースと所定の配向関係をなして前記電子装置を収容するようになっている、ケース。
【請求項2】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁は、前記シャープレートまたはフレームよりも剛性の低い材料で構成されている、請求項1記載のケース。
【請求項3】
前記2つまたは3つ以上の壁は、直角に相互に連結された4つの壁から成る、請求項1記載のケース。
【請求項4】
前記電子装置は、スクリーン部分、前記裏部分、および前記周辺部分を有し、前記スクリーン部分と前記裏部分は、前記電子装置の互いに反対側に位置している、請求項1記載のケース。
【請求項5】
前記裏当て層、前記シャープレートおよび前記フレームは、一緒になって、多層サンドイッチ構造体を形成している、請求項1記載のケース。
【請求項6】
前記シャープレートおよび前記フレームは、同種の材料で作られている、請求項1記載のケース。
【請求項7】
前記シャープレートと前記フレームは、互いに異なる剛性を有する材料で作られている、請求項1記載のケース。
【請求項8】
前記裏当て層は、前記2つまたは3つ以上の内側連結壁とは異なる剛性を有する材料で作られている、請求項1記載のケース。
【請求項9】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁、前記シャープレート、および前記裏当て層は、互いに異なる剛性、互いに異なるレジリエンス、または互いに異なる耐衝撃性を有する互いに異なる材料で作られている、請求項1記載のケース。
【請求項10】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁、前記シャープレート、前記フレーム、および前記裏当て層は、互いに異なる剛性、互いに異なるレジリエンス、または互いに異なる耐衝撃性を有する互いに異なる材料で作られている、請求項1記載のケース。
【請求項11】
前記裏当て層、前記フレーム、または前記シャープレートは、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられる、請求項1記載のケース。
【請求項12】
前記裏当て層、前記フレーム、または前記シャープレートは、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない、請求項1記載のケース。
【請求項13】
前記裏当て層、前記フレーム、および前記シャープレートは、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない、請求項1記載のケース。
【請求項14】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁は、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられる、請求項1記載のケース。
【請求項15】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁は、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない、請求項1記載のケース。
【請求項16】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁のうちの少なくとも1つは、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない、請求項1記載のケース。
【請求項17】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁のうちの複数の壁は、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置の前記周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない、請求項1記載のケース。
【請求項18】
前記2つまたは3つ以上内側連結壁のうちの少なくとも1つは、前記電子装置クレードル内への収容時、前記電子装置のポート、ボタン、ドック、レバー、ノブ、スピーカ、または開口部に接近するようになった部分を有する、請求項1記載のケース。
【請求項19】
前記実質的に剛性の材料は、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーから成る、請求項1記載のケース。
【請求項20】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリカーボネートプラスチックから成る、請求項19記載のケース。
【請求項21】
前記シャープレート、前記裏当て層、および前記フレームは、構造的に合致した幾何学的形状をなして互いに嵌め込まれている、請求項5記載のケース。
【請求項22】
前記構造的合致幾何学的形状は、前記フレームに設けられた構造と対応して嵌合するようになった前記シャープレートまたは前記裏当て層に設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する、請求項21記載のケース。
【請求項23】
前記構造的合致幾何学的形状は、前記裏当て層または前記フレームに設けられた構造と対応して嵌合するようになった前記シャープレートに設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する、請求項21記載のケース。
【請求項24】
前記構造的合致幾何学的形状は、前記裏当て層に設けられた構造と対応して嵌合するようになった前記シャープレートまたは前記フレームに設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する、請求項21記載のケース。
【請求項25】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と前記シャープレートは、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌め込まれている、請求項5記載のケース。
【請求項26】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と前記フレームは、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌め込まれている、請求項5記載のケース。
【請求項27】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と前記裏当て層は、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌まり合う、請求項5記載のケース。
【請求項28】
前記シャープレートは、前記電子装置の裏全体よりも少ない程度にわたって覆うようになっている、請求項1記載のケース。
【請求項29】
前記フレームは、前記2つまたは3つ以上の内側連結壁に隣接して位置する前記シャープレートの周辺領域を覆うようになっている、請求項1記載のケース。
【請求項30】
前記電子装置クレードルは、前記電子装置の光デバイス用の遮られていない開口部または窓を提供するようになっている、請求項1記載のケース。
【請求項31】
前記ベースは、前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と構造的に合致した幾何学的形状をなして一緒に嵌め込まれている、請求項1記載のケース。
【請求項32】
前記弾性のかつ耐衝撃性の材料は、熱可塑性ポリウレタンから成る、請求項1記載のケース。
【請求項33】
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁、前記シャープレート、前記フレーム、および前記裏当て層は、互いに異なる材料で作られ、各材料は、異なる弾性モジュラスを有する、請求項1記載のケース。
【請求項34】
前記2つまたは3つ以上の壁は、熱可塑性ポリウレタンゴムから成り、前記シャープレートは、ポリカーボネートから成る、請求項1記載のケース。
【請求項35】
前記2つまたは3つ以上の壁は、熱可塑性ポリウレタンゴムから成り、前記フレームは、ポリカーボネートから成る、請求項1記載のケース。
【請求項36】
前記裏当て層は、なめし革から成る、請求項1〜35のうちいずれか一に記載のケース。
【請求項37】
前記裏当て層は、木材、木材パルプ、または木部繊維から成る、請求項1〜35のうちいずれか一に記載のケース。
【請求項38】
前記裏当て層は、炭素繊維から成る、請求項1〜35のうちいずれか一に記載のケース。
【請求項39】
前記裏当て層は、織布または不織布から成る、請求項1〜35のうちいずれか一に記載のケース。
【請求項40】
前記布は、天然繊維布から成る、請求項39記載のケース。
【請求項41】
前記布は、合成繊維材料または合成繊維布から成る、請求項39記載のケース。
【請求項42】
前記なめし革は、フルグレイン、トップグレイン、矯正グレイン、またはスプリットグレイン型なめし革から成る、請求項36記載のケース。
【請求項43】
請求項1記載の前記多層複合材ケースを組み立てる方法であって、前記方法は、
前記2つまたは3つ以上の内側連結壁と前記シャープレートを連結するステップと、
前記裏当て層を前記シャープレートと前記フレームとの間に配置して前記フレームを前記2つまたは3つ以上の内側連結壁あるいは前記シャープレートと組み立て、それにより少なくとも前記シャープレートと前記裏当て層と前記フレームとの間に多層サンドイッチを形成するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、一般に、携帯型電子装置用の保護ケース、特に電子装置、例えばスマートフォン、タブレット、PDA、およびラップトップ用の保護ケースに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2016年9月16日に出願された米国特許仮出願第62/395,831号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権および権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
習慣性の高まりにつれて、保護ケースが様々なコンピュータデバイス(computing device)、例えばスマートフォン、タブレット、PDAおよび/または他の携帯型コンピュータデバイス向きに作られている。これらそれぞれの設計は、様々であって保護の程度に幅があるが、保護された環境中においてコンピュータデバイスを使用しやすくする。
【0004】
ケースは、落下や掻き傷に対してある程度の基本的な保護を提供するシリコーンまたは熱可塑性ポリウレタンゴムを用いて成形により作られることが知られている。他のケース設計例は、実質的に剛性の射出プラスチック、例えばポリカーボネートで作られている。したがって、公知のケースの設計および構造は、ある特定の材料に関する所望程度の保護、所望程度のコスト、および所望程度の検討事項ならびにコンピュータデバイスそれ自体の性能の発揮を容易にする特徴とバランスの取れた取り付け方式に応じて様々である。例えば、ある特定の材料は、基本的な構造的保護を提供することができかつ比較的安価であるが、この材料は、ケースとコンピュータデバイスの容易な取り付けまたはケースとは異質の他の物体、例えばユーザの体の部分または他の物体とのグリップを妨害する大きすぎる摩擦力(例えば、グリップ)をユーザにもたらす場合がある。
【0005】
また、ケースには、嵩張りすぎていることやしまっておくことが困難であるという欠点のある場合がある。また、ある特定のケースの材料は、経時的に劣化する場合があり、それによりケースの保護能力を低下させるとともにコンピュータデバイスとのその取り付けをゆるくする。審美的に、すり減ったケースはまた、ケースおよびこれに取り付けられたコンピュータデバイスの全体的印象を損ねる。かかるケースはまた、これらのゴム相当品に対して減少した嵩を有する場合があり、しかも持ち運ぶのが困難である。これは、最終使用者が例えば電子装置を持ち運ぶか財布を持ち運ぶかについて決定しなければならない場合、嵩張ったケースとともに用いる場合に特に問題である。加うるに、プラスチック射出成形ケースには、弾性およびクッション作用の相違に起因して比較的高い材料応力を電子装置それ自体に伝えるという欠点がある場合がある。したがって、敏感なディスプレイまたは入力媒体を備えたかかる装置の場合、かかる保護は、望ましくはない場合がある。
【0006】
さらに、通常の使用によって生じる公知の解決策に用いられるコンピュータデバイスについて実施される落下または衝突による応力試験により、装置の損傷およびケースの分離が生じる場合がある。ユーザは、コンピュータデバイスを修理しなければならず、新品を購入しなければならず、かつ/あるいはケースを再び組み立てる必要がある。したがって、当該技術分野においてこれらの問題および他の問題を解決する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
以下の簡略化した概要説明は、クレーム請求された本発明の幾つかの観点の基本的な理解を提供するために提供されている。この概要説明は、大々的な概観ではなく、また、重要な/必須の要素を識別しまたはクレーム請求される本発明の範囲を特定するものではない。その目的は、あとで提供される詳細な説明に対する前置きとして簡略化された形態で幾つかの概念を提供することにある。一連の実施形態において説明するが、種々の実施形態の種々の特徴を本明細書において説明する仕方で互いに組み合わせることができる。例えば、本開示内容による相互連結壁、シャープレート、裏当て材または裏当て層(本明細書では、裏当て材と裏当て層は区別なく用いられる)、および/またはフレームの特定の観点についてある特徴、ある連結方式、またはある材料種類を別の説明する特徴、連結方式、または材料種類に代えて用いることができ、したがって、本明細書において説明する特定の実施形態全体は、例示であるにすぎない。
【0008】
ある特定の実施形態では、電子装置用の多層複合材ケースが提供され、このケースは、2つまたは3つ以上の内側連結壁および2つまたは3つ以上の内側連結壁と操作可能に連結されたベースによって構成された電子装置クレードルと、実質的に剛性の材料のシャープレートとを有し、シャープレートは、ベースの少なくとも第1の部分を形成し、このケースは、シャープレートに作動的に連結されるとともに少なくともベースの第2の部分を形成する実質的に剛性の材料のフレームと、シャープレートまたはフレームとは異なる剛性を有する材料の裏当て層とを更に有し、裏当て層は、シャープレートとフレームとの間に位置決めされた状態で少なくともベースの第3の部分を形成し、2つまたは3つ以上の内部連結壁は、弾性のかつ耐衝撃性の材料で構成され、電子装置クレードルは、電子装置の収容の際、電子装置の周辺部分の少なくとも一部分に隣接して位置する2つまたは3つ以上の内側連結壁および電子装置の裏に隣接して位置するベースと所定の配向関係をなして電子装置を収容するようになっている。最も多くの実施形態では、電子装置は、スクリーン部分、裏部分、および周辺部分を有し、スクリーン部分と裏部分は、電子装置の互いに反対側に位置する。
【0009】
ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁は、シャープレートまたはフレームよりも剛性の低い材料で構成されている。提供される多くの実施形態では、2つまたは3つ以上の壁は、直角に相互に連結された4つの壁から成る。
【0010】
多くの実施形態では、裏当て層、シャープレートおよびフレームは一緒になって、多層サンドイッチ構造体を形成する。多くの場合、シャープレートとフレームは、同種材料から成る。また、多くの場合、シャープレートとフレームは、互いに異なる剛性を有する材料で作られる。ある特定の多くの実施形態では、裏当て層は、2つまたは3つ以上の内側連結壁とは異なる剛性を有する材料で作られる。多くの実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁、シャープレート、および裏当て層は、互いに異なる剛性、互いに異なるレジリエンス、または互いに異なる耐衝撃性を有する互いに異なる材料で作られる。また、多くの実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁、シャープレート、フレーム、および裏当て層は、互いに異なる剛性、互いに異なるレジリエンス、または互いに異なる耐衝撃性を有する互いに異なる材料で作られる。
【0011】
ある特定の多くの実施形態では、裏当て層、フレーム、またはシャープレートは、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられる。
【0012】
より多くの実施形態では、裏当て材、フレーム、またはシャープレートは、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない。多くの実施形態では、裏当て材、フレーム、およびシャープレートは、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない。多くの実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁は、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられる。それほど多くはない実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁は、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない。ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁のうちの少なくとも1つは、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない。また、ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁のうちの複数の壁は、電子装置クレードル内への収容時、電子装置の周辺部分に少なくとも部分的に巻き付くように取り付けられることはない。
【0013】
多くの実施形態では、2つまたは3つ以上内側連結壁のうちの少なくとも1つは、電子装置クレードル内への収容時、電子装置のポート、ボタン、ドック、レバー、ノブ、スピーカ、または開口部に接近するようになった部分を有する。
【0014】
多くの実施形態では、実質的に剛性の材料は、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーから成る。多くの場合、熱可塑性ポリマーは、ポリカーボネートプラスチックから成る。
【0015】
多くの場合、本明細書において説明する実施形態の各々に関し、シャープレート、裏当て材料、およびフレームは、構造的に合致した幾何学的形状をなしてまたは本明細書において説明する材料のサンドイッチ配向状態をなして互いに嵌まり合う。多くの場合、構造的合致幾何学的形状は、フレームに設けられた構造と対応して嵌合するようになったシャープレートに設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する。また、多くの場合、構造的合致幾何学的形状は、裏当て層またはフレームに設けられた構造と対応して嵌合するようになったシャープレートに設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する。ある特定の実施形態では、構造的合致幾何学的形状は、裏当て層に設けられた構造と対応して嵌合するようになったシャープレートまたはフレームに設けられている第1の凹み、溝、独立部材、または隆起部分を有する。ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁とシャープレートは、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌め込まれる。また、ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁とフレームは、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌め込まれる。ある特定の実施形態では、2つまたは3つ以上の内側連結壁と裏当て層は、構造的に合致する幾何学的形状をなして互いに嵌まり合う。
【0016】
多くの実施形態では、シャープレートは、電子装置の裏全体よりも少ない程度にわたって覆うようになっている。また、多くの実施形態では、フレームは、2つまたは3つ以上の内側連結壁に隣接して位置するシャープレートの周辺領域を覆うようになっている。
【0017】
多くの場合、電子装置クレードルは、電子装置の光デバイス用の遮られていない開口部または窓を提供するようになっている。多くの場合、ベースは、2つまたは3つ以上の内側連結壁と構造的に合致した幾何学的形状をなして一緒に嵌め込まれる。
【0018】
多くの場合、弾性のかつ耐衝撃性の材料は、熱可塑性ポリウレタンから成る。また、多くの場合、2つまたは3つ以上の壁は、熱可塑性ポリウレタンゴムから成り、シャープレートは、ポリカーボネートから成る。多くの場合、2つまたは3つ以上の壁は、熱可塑性ポリウレタンゴムから成り、フレームは、ポリカーボネートから成る。
【0019】
多くの場合、現時点で説明している実施形態によれば、裏当て材は、なめし革から成る。多くの場合、なめし革は、フルグレイン、トップグレイン、矯正グレイン、またはスプリットグレイン型なめし革から成る。また、多くの場合、裏当て材は、木材、木材パルプ、または木部繊維から成る。ある特定の実施形態では、裏当て材は、炭素繊維から成る。また、ある特定の実施形態では、裏当て材は、織布または不織布、例えば天然繊維布または合成繊維材料もしくは合成繊維布から成る。天然繊維布を含む実施形態では、天然繊維は、綿繊維、アルパカ、キャメル、コイア、亜麻、ジュート、カラムシ、サイザル麻、アバカ、アンゴラ、カシミア、ヘンプ、モヘア、シルク、もしくはウール、またはこれら繊維のうちの2種類または3種類以上のブレンドから成る。ある特定の実施形態では、裏当て材は、合成繊維布ではなく天然繊維布から成る。ある特定の実施形態では、天然繊維と合成繊維のブレンドが含まれる。
【0020】
同様に提供される実施形態では本明細書において説明する多層複合材ケースを組み立てる方法が提供され、この方法は、2つまたは3つ以上の内側連結壁とシャープレートを連結するステップと、裏当て層をシャープレートとフレームとの間に配置してフレームを2つまたは3つ以上の内側連結壁あるいはシャープレートと組み立て、それにより少なくともシャープレートと裏当て層とフレームとの間に多層サンドイッチを形成するステップとを含む。
【0021】
開示するケースを利用し、製造し、かつ/あるいは組み立てる様々な方法およびシステムもまた、種々の状況および環境内で想定される。上述の目的および関連目的の達成のため、ある特定の例示の観点が以下の説明および添付の図面と関連して本明細書において説明される。これら観点は、クレーム請求された本発明の原理を採用することができる種々の方法を表しているが、ほんの一部であり、クレーム請求される本発明は、かかるすべての観点およびこれらの均等例を含むものである。他の利点および他の新規な特徴は、図面と関連して考慮されると以下の詳細な説明から明らかになると言える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】図示するとともに本明細書において説明するケースを組み立てる一方法の例示の概観図である。
図2】組み立て状態のケースの別の実施形態の後から見た斜視図である。
図3A図2のケースの別の実施形態の断面図である。
図3B図3Aに示されたケースの断面図の輪郭図である。
図4】ケースの別の実施形態の分解組立図である。
図5】ケースの別の実施形態の別の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
今開示している解決策の特徴は、1つまたは2つ以上の別々の部品および関連コンポーネントを用いることによって経済的に成形可能でありまたは組み立て可能であり、これら部品およびコンポーネントは、公知のまたは設計されるべきコンピュータデバイスケースを用いて経済的な仕方で取り外し可能または一体形用途向けに互いに組み立て可能であり、この発明の特徴は、特定の形態にもかかわらず、本明細書において開示するサービス提供装置を形成することができる。別段の指定がなければ、すべての技術用語、すべての表記および他の科学用語または本明細書で用いる用語は、本発明の属する当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0024】
共通に理解される意味を有する用語は、分かりやすくするためにかつ/あるいは容易に参照できるよう本明細書において定義される場合があり、かかる定義が本明細書に記載されていることは、当該技術分野において一般的に理解される技術内容と比較して相当な差を表すものとは必ずしも解されるべきであるとは限らない。本明細書において言及するすべての特許、出願公開および他の技術文献を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。本項において記載される定義が特許、出願、出願公開に記載されている定義と異なっている場合または一致していない場合、本項において記載されている定義は、上記参照により引用して本明細書の一部とする定義に代えて用いられる。
【0025】
本明細書に対応した原文明細書において用いられている“a ”または“an”は、「少なくとも1つ」または「1つまたは2つ以上」を意味している。本明細書で用いられている「ユーザ」、「当事者」、「最終使用者」などという用語は、特定の企業または個人には限定されない。例えば、「ユーザ」は、本明細書において説明するシステムおよび方法を用いる個人を意味する場合があり、多くの場合、技術者である場合がある。しかしながら、この用語は、最終使用者または技術者には限定されず、かくして、開示するシステムおよび方法を使用することができる様々な人々を含む。
【0026】
開示する解決策は、今や、以下の詳細な説明を参照して良好に理解できる。図示の実施形態は、実施例として記載されており、最後に特許請求の範囲に記載された実施形態に対する限定ではないことが明示的に理解されるべきである。本発明の実施形態は、コンピュータデバイス、例えばラップトップ、スマートフォン、タブレットまたは任意他の携帯可能なコンピュータデバイスのためのカバーを提供する。ケースは、これと一体に形成されまたは取り外し可能な多くの部品で構成されるのが良い。
【0027】
「電子装置」は、任意のコンピュータデバイス、例えばラップトップ、スマートフォン、タブレットコンピュータデバイス、PDAなどを意味する場合のあることは言うまでもない。
【0028】
開示するケースに関して本明細書で用いられる「シールド」は、落下または例えば衝撃または衝突による事故の際の損傷、使用中および使用相互間における擦りおよび引っ掻き、および/または電子装置の外面および内部機構体に対する他の損傷からコンピュータデバイスを保護する仕方で対応のコンピュータデバイスを保護し、これに巻き付くように取り付けられまたはこれを包囲することを意味する場合がある。
【0029】
本明細書で用いられる「耐衝撃性」または「耐衝撃性の」は、衝撃力の存在下において、無傷のままであり、永久損傷を回避し、破損のない変形、リバウンド、保護などを可能にする材料の性質を意味している。ある特定の実施形態では、耐衝撃性は、弾性モジュラス(弾性率)測定を用いて測定される。「耐衝撃性の」または「耐衝撃性」は、これが本明細書において開示するケースの特徴に関しているので、開示したケースおよびこのケース内に収容された任意のデバイスに加えられる力または関連した衝撃に耐えるよう設計された任意の特徴を意味する場合がある。したがって、耐衝撃性をもたらしまたは耐衝撃性であるとして本明細書において説明される特徴または材料は、衝撃(落下、衝突、事故など)を招くケースおよびこれに対応したコンピュータデバイスのライフサイクル中における予想される出来事の影響を軽減するのに向いたケースの材料特性および/または構造設計を利用する。
【0030】
本明細書で用いられる「剛性」は、最も多くの場合、材料の可撓性を意味し、あるいは剛性材料の場合には可撓性または柔軟性を欠いていることを意味している。剛性材料は、本明細書では、そのスチフネス、硬度、堅さ、可撓性、曲げ性または弾性の観点で言及される場合がある。本明細書で言及される材料の剛性は、別の既知の材料との比較によるものであるのが良く、各々の材料特性は、既知のまたは知ることのできる値である。場合によっては、材料の剛性は、測定値、例えば1メートル当たりのニュートン、1インチ当たりのポンド、1自由度に沿って力によって生じた変位によって除算された力、または回転剛性の場合、1回転当たりの加えられたモーメント、1ラジアン当たりのニュートン‐メートルまたは1°あたりのインチ‐ポンドによるものであるのが良い。ある特定の実施形態では、実質的に剛性のまたは剛性の材料は、剛性の低いまたは可撓性の材料に対して高い弾性モジュラスを示す。
【0031】
本明細書において用いられる「実質的に」という用語は、50%を超える特徴に言及する一般的な意味を有するものであり、多くの場合、「たいていの場合」、「主として」、または「基本的に」という表現と区別なく使用できる。材料特性に言及する場合、「実質的に」という用語は、絶対値を含むが、材料の特性比較に基づく場合が多い自由度を含む特徴を意味している。例えば、「実質的に剛性の」という表現は、例示のケースまたはクレーム請求されているケースにおいて別の材料に対する可撓性の最小限のまたは既知の量を有する材料に加えて剛性の材料を含むものである。
【0032】
本明細書で用いられる「弾性の」または「レジリエンス」という用語は、材料の硬度を意味するようになっている。硬度およびかくしてレジリエンスは、多くの場合、ジュロメータスケールまたはロックウェル硬度スケールで測定される。ジュロメータ測定値またはロックウェル硬度測定値は、材料レジリエンス/硬度を測定しまたは意味する考え抜かれた手法である。多くの場合、材料は、高いジュロメータを有する材料(これは、硬いまたは弾性が低いと見なされる)に対して低いジュロメータを有していて軟質または弾性であると見なされる。
【0033】
本明細書で用いられる「あらかじめ定められた(所定の)」という用語は、意図されたまたは計画された作用、向きまたは特性を意味している。したがって、あるものがあらかじめ定められている場合、これは、ある特定の基本的な前提条件を有する使用、向き、配置、設計または方法を意味する場合がある。例えば、本明細書で用いられる「所定の」という用語は、電子装置がケース内に収容されまたはケースに存在している場合、電子装置の完全な作用を可能にするよう本発明において計画されたケースの1つまたは2つ以上の観点の適応または状況を意味する場合があり、かかる電子装置の作用としては、装置スクリーン、ポート、ボタン、ドック、レバー、ノブ、スピーカ、もしくは開口部または任意他の外部アクチュエータもしくは外部作動式であるが内部で動作可能な機能などの作用および/または接近が挙げられる。換言すると、本発明のケースは、電子装置に対して保護作用を提供する一方で、電子装置がケース内に特定の向きで正しく収容された場合、ケース内に収容されたときのその電子装置の完全な機能発揮を可能にするようになっている。これとは逆に、スクリーンへの接近が遮断されるように装置がケース内に位置している場合、かかる向きは、この用語が本明細書において用いられているときにケースに対する電子装置の所定の向きではない。と言うのは、装置の種々の機能(例えば、スリープ、ボリューム、電源など)へのアクセスが阻止されまたは妨害される場合があるからである。
【0034】
本明細書で用いられる「前」、「後」、「側」または他の類似の用語は、特段の指定がなければ、そのありのままの観点を意味するようになっている。
【0035】
本明細書において開示するケースおよび使用方法は、様々な電子装置を収容したり保護したりするために提供される。最も多くの場合、電子装置は、ワイヤードまたはワイヤレスデータ転送および/または電話機能を備えたモバイル機器である。例えば、電子装置は、モバイルフォンと通称されている装置であるのが良く、ただし、かかる装置は、通話操作を十分に上回る電子データ機能を有するのが良い。
【0036】
幾つかの実施形態は、例えば装飾部分、実質的に剛性の部分およびシャーシで構成された多部品ケースを含む。実質的に剛性の部分は、互いに接合された様々な材料の副部品に含まれる場合がある(例えば、一部品は、射出成形TPUゴムであるのが良く、別の部分は、オーバーモールド(被覆成形または複合成形)されたポリカーボネートシールドであるのが良い)。
【0037】
実質的に剛性の部分は、幾つかの実施形態では、内側の平坦な表面または弧状の表面から外方に延びる1つまたは2つ以上の周縁構造から成る場合がある。周縁は、この中に固定されたときに電子装置の裏を保護するベースを備えた連続のまたは多数の個別的な部分であるのが良い。好ましくは、相互連結壁の周縁は、取り付けの際に外方に撓むよう動作できるバンパおよび/または内方に延びるリップを形成するのが良い。この点に関し、内方に延びるリップは、電子装置の前面と係合することができ、そして落下または衝撃の際に追加の保護作用をもたらすことができる。
【0038】
電子装置がケース内に取り付けられる(すなわち、収容される、位置決めされる)と、ケースおよびデバイスは、機械的手段により実質的に同一の広がりを有し、その結果、衝撃、鋭利な物品、電子装置に対する衝撃および掻き傷に対する耐性を提供する保護システムが実現されるようになっている。電子装置は、一般に、ベースと相互連結壁との間にクレードルを形成し、このクレードルは、電子装置をしっかりと保持し、保持されたときのその完全な機能の発揮を可能にするようになっている。幾つかの実施形態では、機能は、諸観点、例えば取り外し可能なポートプロテクタなどへの接近により提供できる。また、ある特定の実施形態では、全機能に対する接近は、電子装置がケース内に収容されている間であって電子装置がユーザによる通常の動作中にある間は一般的には接近が行われない電子装置のシムカードまたは別のコンポーネントへの接近が禁止される場合のある状況を含むようになっている。したがって、本明細書において説明する解決策は、電子装置をたいていの動作条件にしっかりと保持するとともに保護する電子装置用の保護システムを形成することができ、かかる保護システムとしては、ケースの材料重量およびサイズを最小限に抑えた状態でMIL-STD810G,516.6 により記載された規格が挙げられるが、これには限定されない。
【0039】
本発明の電子装置の裏当て層または裏当て材は、本明細書において説明するケースに様々な利点を付与する複数の材料の斬新なサンドイッチのコアコンポーネントを形成する。独特の審美性を提供しながら、裏当て材は、互いに異なる特性を有する材料の組み合わせによってのみ達成できる独特の保護品質を与える。スチフネス、レジリエンス、および耐衝撃性は、これら特性のうちのほんの数例である。層のサンドイッチ組み合わせによるレジリエンスおよび/またはスチフネス特性の組み合わせにより、材料の節約が得られるとともにコア裏当て層を提供しないで単一の材料またはそれどころか材料の2つの層により接近できない電子装置に対して追加の保護が得られる。ある特定の実施形態では、裏当て層は、本明細書において説明するサンドイッチ構造により提供される機能上および構造上の利点に付加的である装飾層または装飾材料で構成された層と呼ばれる。
【0040】
裏当て層は、例えばなめし革、木材、炭素繊維、ガラス繊維、織布、不織布、合成繊維、石、ガラス、または金属のような材料で構成されるのが良い。多くの場合、裏当て材は、なめし革、木材または炭素繊維で構成される。ある特定の実施形態では、裏当て材は、プラスチックではない。ある特定の実施形態では、裏当て材は、ゴムではなく、高い弾性モジュラスを有するゴムでもない。布から成るある特定の実施形態では、天然布繊維、例えば綿繊維、アルパカ、キャメル、コイア、亜麻、ジュート、カラムシ、サイザル麻、アバカ、アンゴラ、カシミア、ヘンプ、モヘア、シルクまたはウールが利用される。非天然または合成布または布繊維は、天然に作られるのではなく、化学的に作られる。
【0041】
ある特定の多くの実施形態では、裏当て材は、シャープレートおよび/またはフレームを覆いまたはこれらと同一の広がりを有するようになっている。ある特定の多くの実施形態では、裏当て材は、シャープレートおよび/またはフレームの一部分だけを覆いまたはこれと同一の広がりを有するようになっておりまたはこれより小さい。ある特定の多くの実施形態では、裏当て材は、少なくとも単一の観点では、シャープレートおよび/または少なくとも1つの観点ではフレームを越えて延びまたはこれらよりも大形であるようになっている(例えば、相互連結側壁を包みまたはこれに巻き付くように取り付けられるために)。ある特定の実施形態では、裏当て材は、フレームがケースに取り付けられると、見栄または触れることができるよう露出されるようになっている。裏当て材がフレームとシャープレートとの間にサンドイッチされた状態でフレームをシャープレートに取り付けることにより、独特の軽量の構造的保護が得られる。
【0042】
相互連結壁は、多くの場合、単一のまたは連続した材料またはマトリックスとして提供される。場合としてそれほど多くはないが、相互連結壁は、多数の部品で組み立てられる。したがって、相互連結壁は、電子装置の周辺部分の周りに位置するようになった単一の壁を有するクレードルの一観点を形成する。多数の「壁」の各壁は、この用語が「相互連結壁」という語句で用いられる場合、異なる角度で位置した壁を意味している。例えば、1つの壁は、壁のすぐ隣の観点に対して90°の角度をなして位置するのが良く、これを異なる壁という場合がある。別の言い方をすれば、電子装置の周辺側部分に隣接して位置するようになった壁は、この壁材料が連続している場合であっても、電子装置の頂部または底部周辺部分に隣接して位置するようになった壁とは異なる壁である。
【0043】
フレームは、様々な形態で提供できる。理論に束縛されるものではないが、フレームは、多くの今日の電子装置のうちの多くのものの不必要なバルクを追加することなくしかも今日の電子装置のうちの多くのもののスマートなデザインを保って、本発明のケースに強度を追加するスリムでかつ軽量の構造的解決策を提供する。フレームは、多くの場合、剛性のまたは実質的に剛性の材料(例えば、ポリカーボネートまたは別の実質的に剛性の熱可塑性樹脂)で構成される。多くの場合、フレームは、1つまたは2つ以上の方向に(例えば、開いたクレードルに向かう方向またはねじれ撓み)に撓まないようにするよう提供され、この点に関し、比較的薄くかつ比較的平らなまたは僅かに丸みを帯びた輪郭形状を有するのが良い。フレームとして、これは、多数の方向に広がった1つまたは2つ以上のレッグを備えた中実コア構造体を有するのが良い。変形例として、フレームは、ケースの裏から見て開放コア構造、拡散した構造、または集中していない構造を有しても良い。フレームはそれ自体、多くの場合、単一材料片から成形されまたは形成される。変形例として、フレームは、裏当て層上に組み立てられる多数の部品から形成され、これら多数の部品は、組み立てられると、ケースに対して高められた構造的支持作用および保護作用を提供する。いずれの場合においても、フレームは、これが1つまたは2つ以上の特定の方向に撓むよう付勢されるが1つまたは2つ以上の別の方向の撓みには抵抗するよう提供されるのが良い。ある特定の実施形態では、フレームは、2つまたは3つ以上の方向における撓みに対して抵抗するよう設けられる。この材料は、例えばシャープレートを形成する材料と同種の材料であっても良くまたはこれとは異種の材料であっても良い。裏当て層、シャープレートおよび相互連結壁と一緒にサンドイッチされた状態で利用されると、フレームは、電子装置を遮蔽するのに必要とされる場合、(例えば、ケース内に収容された場合)効率的な支持および保護を提供するとともに使用しやすさを可能にするよう必要とされる場合(例えば、電子装置をケースに挿入したりこれから取り出したりする場合、デバイス特徴への接近など)に可撓性を提供する。本明細書において提供される実施例に示されているようにフレームは、多くの場合、フレームによって覆われていない部分に関して裏当て層を露出させるよう位置するのが良い。かかる露出により、ケースの重要な領域における保護または機能を犠牲にしないで、ケースのスマートなデザインや携帯しやすさを保つ。フレームはまた、偶発的な落下が生じないよう保護するとともに電子装置がユーザの手の中で使用されているときに様々な快適な保持位置および向きの実現を可能にするようケースそれ自体の掴みやすさを高める。テキスチャおよび物理的特徴の追加により、衝撃に対して保護が得られるとともに衝撃がユーザの手から滑ることによって偶発的に起こる恐れが少なくなり、他方、ユーザのポケット、バッグまたは財布の中への収納しやすくするスマートなデザインのプロフィールが保たれる。本発明者は、例示の実施形態のフレーム(本明細書において説明する)の図示の向きがこれらの利点および他の利点を提供する上で特に有利であることを見出した。
【0044】
図1は、本明細書において説明するとともに図示する例示のケースに関する例示の一成形およびレイアップ方法を記載している。このプロセスは、本明細書において説明する実施形態に当てはまり、かかるプロセスとしては、図2図5に示されているプロセスが含まれる。
【0045】
図2に示された実施形態に関し、多層(またはサンドイッチ型)形態が図示されている。この実施形態ではシャープレートは見えない。相互連結壁(10)が裏当て材または裏当て層(30)および裏当て材または裏当て層(30)の一部分を覆いフレーム(20)に加えて周囲周りに巻き付いた状態で取り付けられている状態で見える。締結具(40)もまた図示されている。裏当て材(30)、フレーム(20)、およびシャープレートは、一緒になって、相互連結壁(10)において包囲されたクレードルのベースを構成する(クレードルの開口部は、この図から遠ざかる方向に向いている)。
【0046】
図3Aと3Bは、図2の構造の断面図である。サンドイッチ構造がこれらの図で見え、かかる構造は、裏当て材(30)およびフレーム(20)に対するシャープレート(50)ならびに相互連結壁(10)を含む。
【0047】
図4は、本発明の例示のデバイスのクレードルベースに向いた分解組立斜視図である。相互連結壁(10)、シャープレート(50)、裏当て材(30)およびフレーム(20)の例示の配置が提供されている。この実施形態では、光学デバイスのための開口部(40)が上側相互連結壁(10)の材料の左上部分に見える。対応の開口部または切欠きがシャープレート(40A)、裏当て材(40B)およびフレーム(40C)に見える。ケース全体の特定の部分に提供されているが、これは、例示であるにすぎない。ある特定の実施形態では、相互連結壁材料には開口部(40)が設けられていない。
【0048】
図5は、図4の分解組立状態のケースの内部クレードルに向いた斜視図である。手短に言えば、注目されるように、シャープレート(50)は、電子装置(図示せず)に向いたクレードルのベースの部分である。このシャープレート(50)は、グリップ、保護または美観を高めるパターンまたはコーティング、例えばハニカムパターンを有するのが良い。電子装置に隣接しまたはこれに触れて位置する(すなわち、クレードル内のベース上の)シャープレートのこの部分またはこの部分の観点は、シャープレートを形成する実施形態に剛性の材料とは異なる材料で構成されるのが良い。この材料は、シャープレート(50)の主構造材料とは異なる弾性モジュラスを有するのが良い。ある特定の実施形態では、パターンがシャープレート(50)の主構造材料のシャープレート(50)のこの部分に形成される。
【0049】
図2図5に示された実施形態に関し、多層(またはサンドイッチ型)形態が図示されている。図示の実施形態では、シャープレート(50)が一般に設けられ、このシャープレートは、剛性を有する材料、例えば実施形態に剛性の材料、剛性であるように形成された材料、変形または曲げに対して耐性のある材料から成る。このシャープレートを構成する材料は、様々であって良く、かかる材料としては、材料のうちでも複合材料またはポリカーボネートが挙げられる。全体としてより柔軟性があり、軟質でありまたは剛性の低い材料、例えばゴム(例えば、TPU)は、多くの場合、実質的に剛性のシャープレート上にオーバーモールドされる。この相互連結壁材料は、多くの場合、パターン、例えば六角形、線、溝および切欠き、またはクレードル開口部から遠ざかる方向に向いた向きの他のパターンを有するのが良く(しかしながら、必ずしもそうである必要はなくまたはこれらに限られるわけではない)、この相互連結壁は、電子装置がクレードル内に収容されると、露出されるようになる。この特徴または類似の特徴は、例えば、1つまたは2つ以上の周縁に沿ってケースの把持特性または掴みやすさを高める。ゴムは、シャープレートにくっついてこれに結合する。オーバーモールド材料は、相互連結壁(10)内で識別される。次に、裏当て層(30)を被着させるが、これは、別の材料、例えばなめし革、木材、炭素繊維などから成っていても良い。次に、フレーム(20)を取り付ける。フレームは、硬質プラスチックまたは複合材料から成るのが良く、かかるフレームは、様々な向きで、例えば、X字形(または全体として星形、例えば6つの枝をもつ星または図示されている3〜8個の枝で構成されたハブおよびスポーク設計(例えば、星形))フレームで提供できる。締結具が装置に挿入されるのが良い。締結具は、金属またはプラスチックもしくは別の材料であって良く、この締結具は、リベットの形態をしているのが良い。ある特定の実施形態では、締結具は、構造的機能ではなく美的機能を提供する。他の実施形態では、締結具は、ケースの1つまたは2つ以上の要素を締結することができまたはかかる1つまたは2つ以上の要素の位置決めを助けるのが良い。かかる実施形態では、締結具は、裏当て材をシャープレートに締結するのを助けるのが良い。また、かかる実施形態では、締結具は、フレームを裏当て材またはシャープレートに締結するのを助けるのが良い。次に、電子装置は、フレーム、裏当て材、およびシャープレートから成るベースと反対側の開口端に形成されたクレードル内に導入されるようになっている。上記のことは、全体として、1つの例示のレイアッププロセスを説明しており、ただし、異なるコンポーネントが異なる順序で組み合わされるよう他のステップまたは別のステップを提供することができる。
【0050】
互いに異なる材料で構成された多数の層は、嵩および重量を最小限に抑えた状態で美的観点と保護的観点の両方から多くの新規な利点を有するケースを提供する。互いに異なる材料の各々は、電子装置内で同時に働く異なる剪断特性および耐衝撃性を有する。サンドイッチ構造は、衝撃力が分散して被覆成形、付着および/または圧力嵌め構造により得られる材料インターフェースを介して散逸するようにこれら材料の各々を包装する。作用について特定の理論に束縛されるものではないが、シャープレートに導入される衝撃力は、このシャープレートそれ自体でさらにゴム、裏当て層、およびフレームを介して散逸され、それによりケース内に入っている電子装置に伝わる衝撃の大きさを減少させることができる。
【0051】
したがって、以下の特許請求の範囲の用語または要素の定義は、文字通りに記載されている要素の組み合わせしか含むことのないように本明細書において定義されている。また、2つまたは3つ以上の要素の均等な置換が以下の特許請求の範囲に記載された要素のうちの任意の1つについて実施可能でありまたは単一の要素が特許請求の範囲に記載された2つまたは3つ以上の要素に代えて使用できることが想定される。要素がある特定の組み合わせの状態で作用するものとして上述されるとともに更に当初そのようにクレーム請求されているが、クレーム請求されている組み合わせからの1つまたは2つ以上の要素は、幾つかの場合において、組み合わせから除かれることおよびクレーム請求されている組み合わせがサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形例に関する場合のあることが明白に理解されるべきである。
【0052】
当業者によって想到でき、現在のところ知られまたは後で案出されるような、クレーム請求されている発明についての重要ではない変更は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で均等であると明白に想定される。したがって、当業者に今知られておりまたは後で知られる明白な置換は、指定された要素の範囲に含まれるものである。かくして、特許請求の範囲は、具体的に図示されるとともに上述された内容、概念的に均等であるもの、明らかに置換可能であるものおよび更に実施形態の本質的な特徴を備えたものを含むものと理解されるべきである。
【0053】
上述した内容は、1つまたは2つ以上の実施形態の実施例を含む。当然のことながら、上述の実施形態を説明する目的でコンポーネントまたは方法のあらゆる想到可能な組み合わせを記載することはできず、当業者であれば、種々の実施形態の更に多くの組み合わせおよび置換が可能である。したがって、上述の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲に属するかかる全ての変更例、改造例、および変形例を含むものである。さらに、“includes”(訳文では「〜を含む」としている場合が多い)という用語が原文の詳細な説明または特許請求の範囲で用いられている限り、かかる用語は、“comprising”(「〜を有する」)という用語と同様に包括的であることを意図している。と言うのは、“comprising”は、特許請求の範囲において伝統的な用語として用いられたときに解釈されるからである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5