特許第6978501号(P6978501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6978501N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物、製造方法およびその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978501
(24)【登録日】2021年11月15日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物、製造方法およびその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/12 20060101AFI20211125BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20211125BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   C07D417/12CSP
   A61K31/4439
   A61P31/22
【請求項の数】10
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2019-528091(P2019-528091)
(86)(22)【出願日】2017年11月28日
(65)【公表番号】特表2020-509991(P2020-509991A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2017080653
(87)【国際公開番号】WO2018096170
(87)【国際公開日】20180531
【審査請求日】2020年5月27日
(31)【優先権主張番号】16200967.4
(32)【優先日】2016年11月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514134147
【氏名又は名称】アイクリス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨゲシュワル バックハブ
(72)【発明者】
【氏名】ビルフリート シュバプ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ビルクマン
(72)【発明者】
【氏名】クルト フェグトリ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−527995(JP,A)
【文献】 特表2003−519134(JP,A)
【文献】 特表2008−534539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/12
A61K 31/4439
A61P 31/22
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子式C1818432×0.5H2Oを有する、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項2】
5.9、11.7、15.5および18.7にXRPDのピークを含む、請求項1に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含む医薬組成物であって、ここで前記組成物は少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤をさらに含む医薬組成物。
【請求項4】
請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物と少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を製剤化することによって得られる医薬組成物。
【請求項5】
請求項3および4のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は約0.1〜約10%w/wの量で存在する医薬組成物。
【請求項6】
薬剤としての使用のための、請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項7】
ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項8】
前記ヘルペスウイルスはシンプレックスウイルスから選択される、ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項9】
再発性口唇ヘルペス、陰部ヘルペス、ヘルペス性角膜炎、ヘルペス髄炎および/または脳炎、ならびに新生児のヘルペス感染からなる群から選択される、請求項8に記載のヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、請求項1および2のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造方法であって、ここで前記方法が下記の工程を含む方法:
a)N−メチルピロロリドン(NMP)中で4−ピリジン−2−イル−フェニル)−酢酸とアミオノチアゾールスルホン酸アミドを混合する;
b)工程a)で得られた混合物を冷却する;
c)工程b)で得られた混合物にN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC×HCl)を加える;
d)工程c)で得られた溶液を撹拌し、精製H2Oに添加する;
e)工程d)で得られた溶液をろ過する;
f)工程e)で得られた生成物濾滓を洗浄する;
g)工程f)で得られた生成物を乾燥する;
h)工程g)で得られた溶液にH2Oを添加する;
i)工程h)で得られた懸濁液を撹拌する;
j)工程i)で得られた懸濁液を冷却する;
k)工程j)で得られた懸濁液を撹拌する;
l)工程k)で得られた懸濁液のろ過により生成物を単離する;
m)工程l)で得られた生成物をH2Oで洗浄する;
n)工程m)で得られた生成物を乾燥する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス活性剤、特にN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの遊離塩基半水和物形態(以下では「プリテリビル(Pritelivir)」および/または「遊離塩基半水和物」とも呼ばれる)の分野、ならびにその製造方法に関する。本発明はまた、ヒトヘルペスウイルス感染の治療および上記化合物を含む医薬品の製造における上記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドは、WO2006103011A1に開示されているように、単純ヘルペスウイルス(それぞれ単純ヘルペスウイルス1および2)の治療に用いられる既知の抗ウイルス化合物である。HSV−1および/または2感染症は、疾患、たとえば口唇ヘルペス(主にHSV−1感染による単純ヘルペス)、陰部ヘルペス(主にHSV−2感染による)の原因であるが、重症疾患、たとえば角膜炎および脳炎もまれに引き起こしうる。ウイルスは世界中に偏在的に分布している。単純ヘルペス感染症の治療に使用される周知の薬剤は、ウイルスDNAポリメラーゼの特異的阻害剤である、アシクロビル(2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−6H−プリン−6−オン)である。
【0003】
ヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬は、複数の方法で、例えば全身的、局所的、および非経口的に患者に投与することができる。すべての薬物と同様に、保存時および患者の体内または体内で使用したときの安定性が最も重要である。N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの安定性は既によいが、非常に高い純度を有する医薬組成物を提供する、さらに安定な、たとえば、より保存安定性で光安定性の化合物を提供することが目的である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の化合物の安定性は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含むように処方された医薬組成物が実質的に減少した量の分解/分解生成物を有することを確実にする。言い換えれば、活性成分は、より高い純度(すなわち、より少ない量の分解生成物)で存在するか、または体積単位当たりの活性化合物の用量はより多い。この特徴は、医薬組成物の製剤の活性N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの初期量を減らすことを可能にする。なぜなら、所与の医薬の単位体積当たりの有効濃度は、それぞれより低い量で達成され、そしてN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの半水和物形態に基づかない製剤と比較してより長期間保持することができるからである。
【0005】
さらに、本明細書中に記載されるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の本発明の製造プロセス(manufacturing process)は、製造プロセス(production process)、たとえば、溶媒、または製造プロセス(manufacturing process)で使用される活性化合物もしくは他の化合物のいずれかの分解生成物、から生じる不純物は、本質的に存在しないか、または分析方法によって検出可能ではないことを確実にする。対照的に、活性化合物のメシル酸塩は本質的に安定な形態の例であることが知られているが、それらはたとえば製造プロセス中に形成されるかまたは保管中に形成される遺伝毒性不純物または分解物の潜在的危険性を有する、従来の製造化合物から生じる潜在的に有害な不純物を含む。
【0006】
したがって、本発明は、それ自体、製造後に高純度を有し、そして安定性のために、長期間貯蔵することができる、予想外に安定な形態のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドを遊離塩基半水和物の形態で提供する。さらに、医薬品としての製剤と保存の際に、活性成分N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドは、本質的に分解することなく、または極めて低い分解で高濃度に存在し、これにより、分解プロセスによる活性物質含有量の有意な減少なしに、医薬の単位体積当たりの治療有効濃度を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のX線粉末回折(XRPD)分析。
図2】顕微鏡写真は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は顕微鏡下で複屈折を示す棒状結晶からなることを示す。
図3】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の1H−NMRスペクトル。
図4】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の13C−NMR。
図5】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のDSC。
図6-1】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のDVSサイクルは、有意な重量減少/増加がないことを示し、そして形態Cが安定な半水和物であることを示す。A):重量対相対湿度、B):経時的な測定。
図6-2】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のDVSサイクルは、有意な重量減少/増加がないことを示し、そして形態Cが安定な半水和物であることを示す。A):重量対相対湿度、B):経時的な測定。
図7】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のTGAは、溶剤損失を示す。2.1重量%は半水和物形態に対応する。
図8】A)およびB)は、異なる角度からのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の形態CのOrtep図を示す。
図9】N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の赤外分光データ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本明細書を通じて使用される特定の技術用語の定義を提供することが好都合であると考えられる。本発明は特定の実施形態に関して説明されるが、この説明は限定的な意味で解釈されるべきではない。本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する前に、本発明を理解するために重要な定義が与えられる。
【0009】
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形の「a」および「an」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、それぞれの複数形も含む。
【0010】
本発明の文脈において、用語「約(about)」および「約(approximately)」は、当業者が問題になっている特徴の技術的効果を依然として確実にするために理解するであろう正確さの隔たりを意味する。この用語は、典型的には、示された数値から±20%、好ましくは±15%、より好ましくは±10%、そしてさらにより好ましくは±5%の偏差を示す。
【0011】
「含む」という用語は限定的ではないことを理解すべきである。本発明の目的のために、用語「からなる(consisting of)」は用語「を含む(comprising of)」の好ましい実施形態であると考えられる。以下、基が少なくとも一定数の実施形態を含むと定義される場合、これは好ましくはこれらの実施態様のみからなる基もまた包含することを意味する。
【0012】
さらに、本明細書および特許請求の範囲中の用語「第一の」、「第二の」、「第三の」または「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等は、類似の要素を区別するために使用されており、そして必ずしも順番または時系列の順序を説明するために使用されているわけではない。そのように使用される用語は適切な状況下では交換可能であり、そして本明細書に記載される本発明の実施形態は本明細書に記載または例示された以外の順序でも動作可能であることを理解すべきである。
【0013】
用語「第一の」、「第二の」、「第三の」または「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等が方法または使用の工程に関連する場合、工程間に時間または時間間隔の一貫性がない、すなわち、本明細書の上記または下記に記載されるように、本出願において特に明記されない限り、工程は同時に実行されてもよく、または数秒、数分、数時間、数日、数週、数か月、または数年の時間間隔があってもよい。
【0014】
本発明によれば、用語「抗ウイルス有効量」は、有意な患者利益、すなわちヘルペスウイルス感染の阻害を特徴とする急性疾患の治癒を示すのに十分な各活性成分の総量を意味する。単独で投与される、個々の活性成分に適用される場合、この用語はその成分単独を指す。組み合わせに適用される場合、この用語は、組み合わせて、連続的にまたは同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分の組み合わせた量を指す。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「治療する(treat)、治療する(treating)、治療」は、ヘルペスウイルス感染に関連する疾患を予防または改善することを意味する。本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「予防(prophylaxis)または予防(prevention)」は、感染していない生物または生物の非感染細胞を感染から保護するための本明細書で開示された化合物または組成物の投与または使用を指す。すなわち、ある生物はウイルスに感染する可能性があるが、その生物内(細胞から細胞へ)またはその生物の社会的環境内でのウイルスの拡大は防止される。生物はヒトまたは他の哺乳動物であってもよい。本発明の一態様では、化合物または医薬組成物が投与される生物は、ヘルペスウイルス、たとえばHSV−1および/またはHSV−2に感染しているヒト、またはそのようなウイルスに感染する危険にさらされているヒトである。
【0016】
本明細書で言及される遊離塩基半水和物の物理的特性化は、欧州薬局方(Ph.Eur)および/または米国薬局方協定(USP)による公定法を用いて行われた。
【0017】
以下に、本発明の様々な実施形態がさらに詳細に説明される。組成物中の成分、医薬組成物の種類、成分の濃度、投与期間、投与頻度、治療すべき医学的徴候に関するそれぞれの代替物が言及されている場合はいつでも、当業者は、これらが技術的に可能である限り、またはそうでなければ明示的に示されていない限り、個々の組み合わせがなされうることを直ちに理解するであろう。
【0018】
一つの実施形態では、本出願は、分子式C1818432×0.5H2Oを有するN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。化合物のOrtep図が図8A及びBに示される。
【0019】
遊離塩基半水和物は、式(I)の二つの分子を含む:
【0020】
【化1】
【0021】
式(I)のこれら二つの分子は、化合物の末端にそれぞれ見いだされる二つの芳香環の間に驚くべきことに位置する一つの水分子によって互いに結合している。この驚くべき立体配座は、実施例のセクションで説明された式(I)による上記の化合物の一水和物形態の多形体スクリーニングにおいて同定された、他のいかなる多形体、塩、塩の多形体および溶媒和物/水和物にも見られない、異常に高い安定性を半水和物に提供する。一つの実施形態では、半水和物を含むかまたはそれからなる固体は、高度に貯蔵安定性であり、そしてまた驚くべき光安定性を示す。
【0022】
本明細書で使用されるとき、用語「保存安定性」または「光安定性」および対応する用語は、半水和物が長期間分解または分解しないことを示す。これは、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物濃度が、前記化合物および/またはその分解生成物の同定を可能にする標準的な測定方法、たとえば、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの標準プロファイルを示すHPLC、XRPD、ならびに13Cおよび1H−NMR分光法を用いて測定することができるように、常に非常に高いままであることを意味する。上記のように、本明細書で言及される遊離塩基半水和物の物理的特性化は、欧州薬局方(Ph.Eur)および/または米国薬局方条約(USP)による公定法を用いて行われた。
【0023】
(製造工程からの、またはN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基もしくはN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド半水和物の分解による)不純物が一般的に存在しないため、製造製品中および最初にN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含む組成物または薬剤の製剤中のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドの純度はとても高く、すなわち、単位体積当たりの高濃度のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミドが達成される。本発明の化合物が医薬品および薬剤の製剤に使用される場合、単位体積当たりの活性化合物の有効濃度が非常に高いので、これは非常に有益である。これは、製剤化時に本発明のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の量を減少させると同時に、活性化合物の適切に高い有効量を維持することを可能にする。局所的に適用される医薬品中の活性成分は、温度変化、光暴露、たとえば紫外線照射、湿度、皮膚または粘膜の患部への適用時の機械的ストレス等の点で過酷な環境条件にさらされるため、これは、局所用組成物として使用される医薬品(単一単位剤形、たとえば錠剤などの形態の本質的に固体の医薬品とは異なり、または別の例として、当業者には理解されるような即時使用、たとえば全身または非経口のための薬学的に許容される媒体または担体中で再構成するための剤形)にとって特に望ましい。そのような過酷な条件下では、活性化合物の十分に高くかつ治療上有効な濃度が治療された表面上および表面を形成する細胞中でできるだけ速く達成されることが重要である(たとえば、ヘルペスウイルスが罹患した細胞を損傷する、皮膚の表皮層)。治療領域(細胞、器官、たとえば皮膚、またはその一部)における有効な抗ウイルス濃度が急速に達すると、治療領域におけるヘルペスウイルスの数は減少する。これはまた、物理化学的刺激、たとえば心理的ストレス、紫外線ストレス、または影響を受けた細胞のバランスをヘルペスウイルスの潜伏期(およびそれぞれウイルス的にコードされたポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの発現)からヘルペスウイルスの再活性化に移行させるその他の要因による細胞の変化によって再活性化されるだけである潜伏状態でウイルスが持続する可能性がある神経細胞に感染する可能性がある患部におけるウイルス、特に単純ヘルペスウイルスの数も減少させる。再活性化はヘルペスウイルスを潜伏状態から脱させ、そして潜伏リザーバーを形成する細胞を残させ、ウイルス自体または宿主防御機構、たとえば免疫細胞、のいずれかにより後に破壊される細胞にのみ感染し、生産的に増殖する。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、それを必要とする対象に有効量の結晶質N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)−フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の組成物を投与することを含む、単純ヘルペスウイルスサブタイプ1または2の感染の発生の治療または抑制、または単純ヘルペスウイルスサブタイプ1または2の感染の伝染の抑制の方法である。
【0025】
本発明に関連する当該分野における用語「予防(prophylaxis)および/または予防(prevention)」または類似の用語は、感染の再発の抑制もしくは低減、または単純ヘルペスウイルスサブタイプ1または2の感染の伝染の抑制もしくは低減を当業者に明らかに意味する。本発明の文脈において、用語「予防(prophylaxis)および/または予防(prevention)」は、最も広い合理的な解釈の下でさえ、患者からの感染性ウイルス粒子または感染細胞の完全(complete)で完全な(total)欠如を意味しない。本発明の背景によれば、そのような見解は開示された主題に関連する技術分野において妥当である。用語「予防(prophylaxis)および/または予防(prevention)」のこれらの定義を擁護して、以下の刊行物が参照により本明細書に組み入れられる。
【0026】
Abdool Karim,S.S., et al. (2015). Tenofovir Gel for the Prevention of Herpes Simplex Virus Type 2 Infection. N Engl. J Med 373, 530−539.
Andrei,G. et al (2011). Topical tenofovir, a microbicide effective against HIV, inhibits herpes simplex virus−2 replication. Cell Host. Microbe 10, 379−389.
Corey, L., et al., (2004). Once−daily valacyclovir to reduce the risk of transmission of genital herpes. N. Engl. J. Med. 350, 11−20.
Kleymann, G., et al. (2002). New helicase−primase inhibitors as drug candidates for the treatment of herpes simplex disease. Nat. Med. 8, 392−398.
Mertz, G.J., et al., (1985). Frequency of acquisition of first−episode genital infection with herpes simplex virus from symptomatic and asymptomatic source contacts. Sex Transm. Dis. 12, 33−39.
Reitano, M., et al., (1998). Valaciclovir for the suppression of recurrent genital herpes simplex virus infection: a large−scale dose range−finding study. International Valaciclovir HSV Study Group. J. Infect. Dis. 178, 603−610.
Schiffer, J.T., et al., (1997). Frequent genital herpes simplex virus 2 shedding in immunocompetent women. Effect of acyclovir treatment. J. Clin Invest 99, 1092−1097.
Wald, A., et al. (2014). Helicase−primase inhibitor pritelivir for HSV−2 infection. N Engl. J Med 370, 201−210.
Wald, A., et al. (2000). Reactivation of genital herpes simplex virus type 2 infection in asymptomatic seropositive persons. N. Engl. J. Med. 342, 844−850.
Zhu, J., et al. (2007). Virus−specific CD8+ T cells accumulate near sensory nerve endings in genital skin during subclinical HSV−2 reactivation. J. Exp. Med. 204, 595−603.
Gold, D., and Corey,L., MINIREVIEW Acyclovir Prophylaxis for Herpes Simplex Virus Infection. Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Mar. 1987, p. 361−367.
Tyring, S., Baker,D., Snowden, W., Valacyclovir for Herpes Simplex Virus Infection: Long−Term Safety and Sustained Efficacy after 20 Years’ Experience with Acyclovir. The Journal of Infectious Diseases 2002; 186(Suppl 1):S40−6.
【0027】
これらの文献は、当技術分野において実証されているように、ヘリカーゼ−プライマーゼ阻害および予防または単純ヘルペスウイルス伝染の予防との間の相関関係を支持する。さらに、上記の2002年のKleymannは、再発性疾患および無症候性ウイルス放出が、人から人への感染を減少させる、すなわちHSVの感染を効果的に防止するように、ヘリカーゼ−プライマーゼ阻害剤によってほぼ完全に抑制されることを396ページの左列の一番下に教示している。2004年のCoreyの上記の開示は、バラシクロビルを用いた1日1回の抑制療法が感染の危険性を有意に減少させること、すなわち、異性愛、HSV−2不一致カップルの間で性器ヘルペスが伝染するのを予防したことを11ページの一番下および17ページの最初の列に教示している。この研究は、生殖器粘膜表面でのHSV2型(HSV−2)の放出を抑制することが示されている薬物によってこれらの結果を達成した。11ページの上部を参照されたい。さらに、生殖器粘膜表面に無症状で流出するHSVの頻度と量が、感染症の主な原因であることが見出されている。1997年、1998年、および1997年まで記載順にさかのぼる引用20〜22を参照されたい。そのため、生殖器粘膜表面に無症状で流出するHSVの頻度と量を減らすためのアプローチは、ヘルペスの伝染の予防を達成する方法である。
【0028】
2015年のKarimは、その中の研究に基づいて、530ページの一番下で、テノホビルゲルの周生期の適用が女性におけるHSV−2獲得を減少させる、すなわちHSVを得るのを予防したことが示されたことを教示する。有効性は51%の減少であった。534ページ、2列目を参照されたい。2010年までさかのぼる同じグループによる以前の研究では(この参考文献の引用6を参照)、テノホビルの局所膣ゲル製剤の周生期の適用はHIV感染を減少させることが示された。HIVは異なるウイルスであるが、薬物がウイルス感染の獲得を予防することができることを上記の点から見て当業者によって信じられないことではない。さらに、HSVの場合、Karimによってそのようなことが起こることが明確に確認されている。1987年3月のGoldおよびCoreyは、アシクロビル(すなわち、ウイルスDNAポリメラーゼ阻害剤)の周知の有効な予防を裏付ける。さらに、2002年のTyringらは、プロドラッグバラシクロビル(すなわち、ウイルスDNAポリメラーゼ阻害剤)の有効性を裏付ける。
【0029】
当業者は、HSV−1およびHSV−2感染の場合、感染のためにウイルスが体内に存在するが、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドがウイルスの流出および発症を効果的に抑制し、これはHSV−1およびHSV−2感染の結果として生じる症状に対する「予防」または「抑制」であるので、症候性の発症はないことを知っている。本発明の予防=抑制の局面をさらに支持するものとして、バラシクロビル(すなわち、2002年のTyringら)およびアシクロビル(すなわち、1987年のGoldら)についての上記引用が繰り返し行われており、これもまた、HSV感染が無症状の正常な個体にあること、およびこの分野において予防的/抑制的治療が意味するものが十分に確立されていることを証明している。さらに、効果的なHSV予防は、ヒト臨床試験等において臨床的に実証されている。これに関して、HSV−2陰部ヘルペスの症状についてのICAAC 2014からのポスターが参照により組み込まれる(Waldら、2014、上記)。最後に、当業者は、テノホビルと同様に、ヘリカーゼ−プライマーゼ阻害剤としてのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドは、HIVの場合にテノホビルよりもさらに高い抗ウイルス効果を有することが知られており、したがって当業者にとって、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドもまたより顕著な予防効果があると期待されるであろうことを知っている。これに関して、上記のようにAndreiらとKleymannらによる公表文献が特に関連している。テノホビルについてそこに示されているIC50値は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドと比較したとき有意に高い。
【0030】
別の実施形態では、本出願は、Mr 411.50の相対分子量を有する、前述の実施形態で定義されているN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0031】
別の実施形態では、本出願は、5.940、11.880および17.840の2θにXRPDピークを有する、前述の実施形態に定義されているN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。遊離塩基半水和物の分析の一例は、実験の節において上記に提供されている。
【0032】
別の実施形態では、本出願は、約204℃〜212℃、特に205℃〜211℃、特に206℃〜210℃、特に207℃〜209℃、たとえば約208.2℃の融点を有する、前述の実施形態で定義されたN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。当業者は、融点の決定が他の様々な環境パラメータ、たとえば湿度に依存しうることを知っている。
【0033】
別の実施形態では、本出願は、pKa計算値4.53を有する、前述の実施形態に定義されているようなN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0034】
別の実施形態では、本出願は、25℃で0.911±0.891のオクタノール/水分配係数を有する、前述の実施形態のいずれか一つで定義されているようなN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0035】
別の実施形態では、本出願は、pH4.5〜7.0の範囲で90〜100%の安定性を有するN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0036】
別の実施形態では、本出願は、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つで定義されるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含む、または最初に含むように処方される医薬組成物に関する。
【0037】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態のいずれか一つで定義されたX遊離塩基半水和物を少なくとも一つの医薬的に許容される賦形剤と共に処方することによって得られる医薬組成物に関する。前述の実施形態に従って得られる医薬組成物は、他の活性化合物、たとえば、抗炎症薬、抗ウイルス薬、中枢および末梢作用型鎮痛薬、(局所)麻酔薬等を含む群から選択される活性化合物をさらに含んでもよい。
【0038】
本明細書中で使用される場合、用語「抗炎症剤」は、一般に、炎症を経験している個体に投与すると、そのような炎症を軽減する傾向がある任意の化合物または化合物の組み合わせ、たとえば上記の節においても定義されるような、ステロイド、および非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を指す。
【0039】
本明細書で使用される用語「中枢および末梢作用型鎮痛薬」はオピオイド鎮痛薬を含む。オピオイド鎮痛薬は、たとえば、ブプレノルフィンまたはその生理的に許容される塩もしくはエステル、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブトルファノール、クロニタゼン、シクラゾシン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフォン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン(myrophine)、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ナルブフィン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロファドール、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、およびトラマドールを含む。前述のいずれかのエステル、塩および混合物も含まれる。
【0040】
本明細書中で使用される場合、非オピオイド鎮痛薬は、たとえば、NSAID、三環系抗うつ薬(たとえば、アミトリプチリン)、抗けいれん薬(たとえば、ガバペンチン)または抗片頭痛化合物(たとえば、スマトリプタンまたはナラトリプタン)を含む。NSAIDは、シクロオキシゲナーゼ(COX)COX−1またはCOX−2阻害剤でありうる。NSAIDの具体例は、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、エトドラク、ジフルシナール、メロキシカム、アセクロフェナク、フェノプロフェン、ナプロキセン、チアプロフェン酸、トルメチン、セレコキシブおよびロフェコキシブ、およびそれらの生理学的に許容される塩およびエステルを含む。好適な塩は、アルカリ付加塩、たとえばカリウム塩またはナトリウム塩である。
【0041】
本発明の組成物において、ブピバカイン、リドカイン、キシロカイン(xyclocaine)、テトロドトキシン(TTX)、サキシトキシン(STX)等を含む群から選択される長時間作用型および短時間作用型の局所および揮発性麻酔薬を使用することができる。
【0042】
一つの実施形態では、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を処方することによって得られる医薬組成物は局所麻酔薬を含む。
【0043】
一つの実施形態では、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を処方することによって得られる医薬組成物は局所麻酔薬を含み、ここで局所麻酔薬はリドカインである。
【0044】
別の実施形態では、本出願は、抗炎症薬、抗ウイルス薬、中枢および末梢作用型鎮痛薬、(局所)麻酔薬を含む群から選択されたものを含む群から選択される活性剤をさらに含むか、または最初に含むように処方された、前述の実施形態のいずれか一つに定義される医薬組成物に関する。
【0045】
別の実施形態において、本出願は、日焼け止め剤または紫外線遮断剤をさらに含む、前述の実施形態のうちのいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はオクチサレートである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤は二酸化チタンである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤は酸化亜鉛である。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はPABAである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はホモサラートである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はトロラミンサリチル酸である。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はジオキシベンゾンである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤は、スルイソベンゾンである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はオキシベンゾンである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はアボベンゾンである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤は、エカムスル(ecasmule)である。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はメラジマートである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はシノキセートである。一つの実施形態では、日焼け止め剤または紫外線遮断剤はオクトクリレンである。別の実施形態では、本出願は、パッチ投与用の局所製剤、クリーム、軟膏(ointments)、膏薬(salves)、ゲル剤、化粧水、ワックス製剤、口紅、トニック、および/またはムース、スプレー、局所用油、液剤、フィルム等を含む群から選択される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0046】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、ICHガイドラインQ1Bに従って測定される場合、約102〜105%(103.61〜105.11)の平均回収率に関して光安定性を有する、上記の実施形態のいずれか一つに記載の医薬組成物に関する。
【0047】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、ICHガイドラインQ1Bに従って測定される場合、約100%面積/面積の平均純度に関して光安定性を有する、上記の実施形態のいずれか一つに定義される医薬組成物に関する。
【0048】
別の実施形態では、本出願は、フランツ拡散セル中でHPLCにより2%w/vブリジ98のPBS溶液をレシーバ流体として用いて測定されるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、t=0で約90〜110%(92.24〜114.49)、2〜8℃でt=24で約102〜105%(103.16〜103.71%)、および37℃でt=25時間で約100〜102(101.47〜101.70)、2〜8℃でt=48時間で約102〜108(103.57〜106.24)、および37℃でt=48時間で約104〜118(105.42〜116.70);2〜8℃でt=120時間で約102〜107(103.78〜105.69)、および37℃でt=120時間で約84〜98(85.85〜96.40)の回収率を有する上記の実施形態のいずれか一つに定義される医薬組成物に関する。
【0049】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約0.1〜約10%w/wの量で含まれるように最初に処方される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。医薬中の遊離塩基の量は、上記の方法、たとえばHPLC、NMR分光法、XRPD法等を用いて決定することができる。
【0050】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約1.0〜約7.5%w/wの量で含まれるように最初に処方される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0051】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約2.5〜約6.0%w/wの量で含まれるように最初に処方される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0052】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が最初に約5.0%w/wの量で含まれるように処方される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物または局所医薬組成物に関する。
【0053】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が最初に約5.0%w/wの量で含まれるように処方される、軟膏である、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0054】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が最初に約1.0〜約7.5%w/w、特に約5.0%w/wの量で含まれるように処方される、医薬組成物は軟膏である、そして軟膏は一日に1〜10回、または一日に2〜10回、または一日に3〜8回、または一日に4〜6回、または一日に5回投与される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。各濃度が上記の頻度のいずれに従って投与されてもよいことは明らかである。当業者に理解されるように、各組み合わせは本発明の一実施形態を表す。
【0055】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が最初に1.0〜7.5%w/w、特に5.0%w/wの量で含まれるように処方される、医薬組成物は軟膏である、そして軟膏は一日に1〜10回、または一日に2〜10回、または一日に3〜8回、または一日に3〜7回、または一日に4〜6回、または一日に5回投与される、そして軟膏は2〜14日間、3〜10日間、3〜7日間、4〜5日間、または5日以上、または4日以上の期間にわたり投与される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。各濃度が上記の頻度のいずれかおよびそれぞれの期間のそれぞれに従って投与されてもよいことは明らかである。したがって、濃度/量、投与頻度および期間のリストからのそれぞれの可能な組み合わせは、当業者に理解されるように、各組み合わせは本発明のそれぞれの実施形態を表す。
【0056】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が5.0%w/wの量で存在し、医薬組成物は軟膏である、そして軟膏は一日に5回投与され、そして軟膏は4日間の期間にわたり投与される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0057】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物はゲルであり、そしてここで上記ゲルは一日5回投与され、そしてここで軟膏は4日間の期間にわたり投与される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0058】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物はクリームであり、そして上記クリームは一日5回投与され、そしてここで軟膏は4日間の期間にわたり投与される、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0059】
別の実施形態では、本出願は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、組成物による治療を受ける個体の表皮または真皮中において>10nMの濃度に達するのに十分な量で存在する、前述の実施形態のいずれか一つに定義されている医薬組成物に関する。
【0060】
別の実施形態では、本出願は、薬剤としての使用のための、前述の実施形態に定義されているN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0061】
別の実施形態では、本出願は、ヘルペスウイルス感染症の治療および/または予防における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0062】
別の実施形態では、本出願は、ヘルペスウイルス感染症の治療および/または予防における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関し、ここで前記ヘルペスウイルスは、シンプレックスウイルス目から選択される。
【0063】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態で定義されているヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関し、ここで前記単純ヘルペスウイルスは単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)および単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)から選択される。
【0064】
別の実施形態では、本出願は、それを必要とする対象における、ヘルペスウイルス感染症、特に単純ヘルペス感染症の治療および/または予防における経口医薬製剤への使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0065】
別の実施形態では、本出願は、それを必要とする対象における、ヘルペスウイルス感染症、特に単純ヘルペス感染症の治療および/または予防における局所用医薬製剤への使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0066】
別の実施形態では、本出願は、それを必要とする対象への局所投与における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関し、ここで前記局所投与は、皮膚表面および粘膜表面への塗布、たとえば一般的には皮膚への塗布、より具体的には顔への塗布、口への塗布、性器、および/または目用である。
【0067】
別の実施形態では、本出願はそれを必要とする対象への全身投与における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0068】
別の実施形態では、本出願は、再発性口唇ヘルペスの治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0069】
別の実施形態では、本出願は、口唇ヘルペスの前駆期の徴候を示す患者、紅斑を有する患者、口唇丘疹を示す患者、口唇小胞(labial vesicles)を有する患者、口唇潰瘍(labial ulcers)および/または軟痂皮(soft crusts)を有する患者、口唇硬痂皮(labial hard crusts)を有する患者、残存口唇紅斑を有する患者の群から選択される再発性口唇ヘルペスの治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0070】
別の実施形態では、本出願は、性器ヘルペスの治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0071】
別の実施形態では、本出願は、ヘルペス性角膜炎の治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0072】
別の実施形態では、本出願は、ヘルペス髄膜炎および/または脳炎の治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0073】
別の実施形態では、本出願は、新生児のヘルペス感染の治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0074】
別の実施形態では、本出願は、免疫応答性のおよび/または免疫不全の個体のヘルペス感染の治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関する。
【0075】
別の実施形態では、本出願は、免疫応答性のおよび/または免疫不全の個体のヘルペス感染の治療における使用のためのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物に関し、ここで免疫不全の個体は、臓器移植のレシピエント、別のウイルスまたは細菌、特にHIVおよび/または別のヘルペスウイルスの感染を有する個体、および少なくとも一つの抗ウイルス活性物質に対し耐性のある単純ヘルペスウイルスに感染した個体を含む群から選択される。
【0076】
別の実施形態では、本出願は、それを必要とする対象へのN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の投与を含む、ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防の方法に関する。
【0077】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態のいずれかに定義されているN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造方法に関し、ここで上記方法は以下の工程を含む:
a) N−メチルピロロリドン(NMP)中で4−ピリジン−2−イル−フェニル)−酢酸とアミノチオチアゾールスルホン酸アミドを混合する工程;
b) a)で得られた混合物を冷却する工程;
c) N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC×HCl)をb)の前記混合物に添加する工程;
d) c)で得られた溶液を撹拌し、精製H2Oに追加する工程;
e) d)で得られた溶液をろ過する工程;
f) e)で得られた生成物濾滓をH2Oで洗浄する工程;
g) f)で得られた生成物を乾燥する工程;
h) g)で得られた溶液に精製H2Oを追加する工程;
i) h)で得られた懸濁液を撹拌する工程;
j) i)で得られた懸濁液を冷却する工程;
k) j)で得られた懸濁液を撹拌する工程;
l) k)で得られた懸濁液のろ過により生成物を単離する工程;
m) l)で得られた生成物を水で洗浄する工程;
n) m)で得られた生成物を乾燥する工程。
【0078】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態のいずれかに定義されているN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造方法に関し、ここで上記方法は以下の工程を含む:
a) (温度約15〜25℃、たとえば20℃)においてN−メチルピロロリドン(NMP)(6.5〜7.5L、たとえば7L)およびTHF(34〜39L、たとえば36.5L)中で4−ピリジン−2−イル−フェニル)−酢酸(5.5〜6.3kg、たとえば5.905kg)とアミノチオチアゾールスルホン酸アミド(5.855kg)を混合する工程;
b) a)で得られた混合物を約−2℃〜2℃、たとえば0℃に冷却する工程;
c) N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC×HCl)をb)の前記混合物に6.2〜6.8kg(たとえば、6.538kg)の量で(たとえば、約4回に分けて約1.6kgずつ徐々に添加)添加する工程;
d) c)で得られた溶液をゆっくり1.5〜2.5時間、たとえば2時間撹拌し、精製H2O70〜76L、たとえば73Lに追加する工程;
e) d)で得られた溶液を1000〜1400mbar、たとえば1200mbarの圧力下でろ過する工程;
f) e)で得られた生成物濾滓を(精製H2Oで、たとえば2.5〜3.5、たとえば3Lずつ3回の洗浄(8.5〜9.5L、たとえば9L))洗浄する工程;
g) f)で得られた生成物を窒素流中で(真空中で20〜25℃、たとえば22℃で、より高い温度、たとえば35〜40℃で乾燥してもよい)乾燥する工程;
h) g)で得られた溶液に高い(たとえば、50〜55℃)温度で精製H2O(73+7L)を追加する工程;
i) h)で得られた懸濁液を少なくとも2〜6、たとえば4時間、撹拌する工程;
j) i)で得られた懸濁液を0〜10℃、たとえば5℃まで冷却する工程;
k) j)で得られた懸濁液を少なくとも15〜45分、たとえば30分間、撹拌する工程;
l) k)で得られた懸濁液のたとえば1200〜6000mbarの圧力下でのろ過により生成物を単離する工程;
m) l)で得られた生成物を約6000mbarの圧力下で精製H2Oで15〜20L、たとえば18Lで約3回洗浄する工程;
n) m)で得られた生成物を乾燥する工程(60〜70℃、たとえば65℃で、たとえば真空中で)。
【0079】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態による方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含む医薬組成物に関する。
【0080】
別の実施形態では、本出願は、少なくとも一つの医薬賦形剤を用いて、前述の実施形態による方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を製剤することによって得られる医薬組成物に関する。
【0081】
別の実施形態では、本出願は、前述の実施形態による方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の薬剤としての使用に関する。
【0082】
本発明によるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、感染症の治療および/または予防および/または感染症の伝染の予防に有用な化合物である。
【0083】
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、ヘルペスウイルス、およびヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症、および/または一つまたは複数のヘルペスウイルスの伝染に対して非常に活性である。したがって、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、ヘルペスウイルスによって引き起こされる、または一つまたは複数のヘルペスウイルスの伝染によって引き起こされる疾患の治療および/または予防のための医薬組成物の製造に特に有用である。
【0084】
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の治療および/または予防、あるいは一つまたは複数のヘルペスウイルスの伝染の予防に特に有用である。
【0085】
単純ヘルペスウイルス(HSV、サブタイプ1および2)による感染症は、感染部位に基づいていくつかの異なる疾患のうちの一つに分類される。口腔顔面単純ヘルペス感染症は、その目に見える症状は口語で単純ヘルペス(cold sore)または単純ヘルペス(fever blister)と呼ばれ、顔や口に影響を与える。口腔顔面ヘルペスは感染症の最も一般的な病型である。性器ヘルペスは、単純ヘルペス感染症の二番目に一般的な病型である。性器ヘルペスは主にHSV−2のみによって引き起こされると考えられているが、性器のHSV−1感染は増加している。他の疾患、たとえば疱疹性ひょう疽、剣状ヘルペス、眼ヘルペス(角膜炎)、脳ヘルペス感染脳炎、モラレ髄膜炎、新生児ヘルペス、およびおそらくベル麻痺もまた、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる。
【0086】
したがって、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の治療および/もしくは予防、ならびに/または単純ヘルペスウイルスの伝染の予防に有用である。
【0087】
本発明のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、他の活性物質、たとえば抗炎症薬、たとえばアセチルサリチル酸およびアセトアミノフェンと、または(局所)麻酔薬、他の抗ウイルス薬等と一緒に組み合わせて投与されてもよい。
【0088】
本発明のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物と麻酔薬との組み合わせ、ならびにそのような組み合わせを含む医薬組成物は、本発明の一つの実施形態である。
【0089】
さらに、本発明のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、抗ウイルス剤と組み合わせることができ、そして組み合わせて使用することができる。
【0090】
本発明のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物、およびさらなる活性剤、たとえば治療用ワクチン、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ナノ粒子またはn−ドコサノールなどのウイルス取り込み阻害剤などの抗炎症剤、免疫調節剤、または抗ウイルス剤、たとえばn−ドコサノールの組み合わせは、一つの単一医薬組成物または二つ以上の医薬組成物で同時に投与されてもよく、各組成物は少なくとも一つの活性剤を含む。
【0091】
本発明の医薬組成物は、慣用の固体および慣用の薬学的に製造されたアジュバント中で好適な投与量レベルで公知の方法で製造することができる。好ましい製剤は経口投与に適合させることができる。これらの投与形態は、たとえば丸剤、錠剤、フィルム錠、コーティング錠、徐放性製剤、およびカプセル剤を含む。
【0092】
本発明による医薬組成物は、1〜70重量%、より好ましくは1〜30重量%、たとえば1〜1〜10重量%のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物(全ての百分率データは医薬製剤の重量に基づく重量百分率である)を含んでもよい。
【0093】
本発明による医薬組成物は、全身投与、経口投与、局所投与または非経口投与のために適切に製剤化することができる。
【0094】
薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤として、たとえば好ましくは不活性担体、たとえばラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体充填カプセル);デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、天然および合成ゴム、たとえばアカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびワックス、糖、たとえばスクロース、小麦、コーン、米およびジャガイモ由来のデンプン、天然ゴム、たとえばアカシア、ゼラチンおよびトラガント、海藻派生物、たとえばアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、セルロース材料、たとえばメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、および無機化合物、たとえばケイ酸マグネシウムアルミニウムを含む好適な結合剤;滑沢剤、たとえばホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸カリウム、ステアリン酸、高融点ワックス、および他の水溶性滑沢剤、たとえば塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびD、L−ロイシン;崩壊剤(disintegrating agents)(崩壊剤;disintegrates)、たとえばデンプン、メチルセルロース、グアーガム、加工デンプン、たとえばデンプングリコール酸ナトリウム、天然および合成ゴム、たとえばイナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガント、および寒天、セルロース誘導体、たとえばメチルセルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、および架橋微結晶セルロース、たとえばクロスカルメセルロースナトリウム、アルギン酸塩、たとえばアルギン酸およびアルギン酸ナトリウム、粘土、たとえばベントナイト、および発泡性混合物;着色剤、甘味剤、香味剤、保存剤;滑剤(glidents)はたとえば二酸化ケイ素およびタルク;好適な吸着剤は粘土、酸化アルミニウムであり、好適な希釈剤は非経口注射用の水または水/プロピレングリコール溶液、ジュース、糖類、たとえばラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトール、小麦、コーンライス、およびジャガイモ、由来のデンプン、およびセルロース、たとえば微結晶セルロースが使用されてもよい。
【0095】
本発明の化合物および組成物はまた、生物、たとえばヘルペスウイルス、たとえばHSV−1および/またはHSV−2に感染している人間の体の一部に貼られているパッチを用いて投与されてもよい。より具体的には、そのようなパッチ発明は、皮膚接着剤層、バッキング層および剥離ライナーを含み、接着剤層は、低揮発性溶媒に溶解した本発明の半水和物および/または他の活性化合物ならびに高揮発性溶媒に溶けやすいポリマー接着剤を含む。抗ウイルス剤は、治療的および/または予防的に有効な量、たとえば、低揮発性溶媒に溶解した、乾燥接着剤層の0.1〜10重量%で接着剤層に組み込むことができる。溶媒はそれらの物理化学的性質の機能において分類することができる。特に重要な特性は、密度、粘度、誘電率、双極子モーメント、融点および沸点を含む。溶媒は、1 barでの沸騰温度に従って、低沸点、中沸点、高沸点に大別できる:低沸点:沸点は100℃以下の範囲である;中沸点:沸点は100℃〜150℃の間の範囲である;高沸点:沸点は150℃以上の範囲である。低沸点溶媒は高揮発性溶媒であるのに対して、高沸点溶媒は蒸発する傾向が低い溶媒であるため、低揮発性溶媒と定義することができる。本発明による低揮発性溶媒の一例は、乾燥接着剤層の10〜50重量%の量で存在しうるジメチルスルホキシドである。接着剤ポリマーは、ペクチン、寒天ガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸、ポリメタクリレート、アクリレート/アルキルメタクリレートコポリマー、任意のアクリル酸エステルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、セルロースまたはセルロース誘導体、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはそれらの混合物から選択される。接着剤層は、高揮発性溶媒、すなわち低沸点(40℃〜100℃の範囲)および高蒸気圧を有する接着剤ポリマーの溶液から形成することができる。乾燥後に接着剤層中に15重量%までの一定量が残っていても、上記溶媒は通常、製造工程中に蒸発する。接着剤ポリマーまたは接着剤ポリマー混合物は、乾燥接着剤層の20〜50重量%の量で存在してもよい。パッチは、たとえば、乾燥接着剤層の0.5〜15重量%の量で、非ポリマー結晶化抑制剤としてクエン酸、コハク酸、乳酸およびそれらのエステルをさらに含んでもよい。パッチはまた、他の賦形剤、たとえば架橋剤、浸透促進剤、可塑剤、防腐剤、酸化防止剤、芳香剤、皮膚軟化剤を含んでもよい。バッキング層は、透明、半閉塞性(semi−occusive)または閉塞性(occusive)、酸素透過性であってもよく、たとえば50〜3500g/m2/日のMVTR(水蒸気透過率)および20〜150μmの厚さを有する、ポリウレタンエーテルまたはエステルフィルム、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルまたはポリオレフィンフィルムからなる。バッキング層は、非常に柔軟で柔らかく、透明な、または着色されているべきであり、そして閉塞性(occusive)または発汗性(perspirating)であってもよく、単純ヘルペス(cold sore)のマスキング効果を提供する。さらに、それは損傷を受けた皮膚およびウイルス性病変を外部の接触から保護し、それによって患者の痛みおよびさらなる汚染または感染の可能性を減少させ、そして再上皮化プロセスを改善する。接着剤層は剥離ライナーによって外部環境から保護されており、剥離ライナーは、ウイルス性病変が関与している身体の部位にパッチを貼る前に取り除かなければならない。パッチが貼付されると、自己接着層を通して、6〜24時間その場で保持され、活性成分を皮膚内および皮膚全体に送達することができる。パッチは、接着剤ポリマーの溶液を高揮発性溶媒中で他の成分と一緒に混合し、そしてそれから乾燥および最終積層の前にシリコン被覆ライナーフィルム上に流し込む工程を含むプロセスによって製造される。高揮発性溶媒は蒸発して、剥離ライナー上に接着剤フィルムを残すが、低揮発性溶媒は接着剤層中に残り、薬物の結晶化を妨げる。本発明に従って使用されるポリマーは、感圧接着剤(PSA)または生体接着性フィルムを有機溶液または水溶液中で、接着剤混合物の組成の20〜80%、好ましくは20〜50%の範囲の濃度で製造するために通常使用されるものであるが、一方で高揮発性溶媒の濃度は10%〜50%である。接着剤層またはリザーバー層の他の成分は、増粘剤、化学浸透促進剤、非ポリマー結晶化抑制剤、香料、界面活性剤、架橋剤、緩衝剤、可塑剤、保存剤、酸化防止剤、顔料を含む。選択された溶媒およびポリマーはもちろん相溶性でなければならず、そして均一に流し込むことができる均一な溶液を形成しなければならない。低沸点溶媒、すなわち100℃以下の沸点を有する高揮発性溶媒は、好ましくは水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、より好ましくは水である。したがって、適用部位に連続的に送達されることができる有効量の有効半水和物薬物を有する抗ヘルペスパッチを製造することが可能である。低揮発性溶媒は、マトリックス中に活性物質を溶解させたままにしておくことによって結晶化を回避するのを助け、そして皮膚および作用部位に到達するためにマトリックスを通る薬物の拡散性に影響を及ぼす。マトリックスは、低揮発性溶媒または溶媒混合物の物理化学的特性に従って選択されなければならない。ポリマーは最終製品に良好な接着性を与えなければならない。接着剤混合物の定量的組成は、濃度、凝集特性、機械的耐性、皮膚接着性、剥離特性および取り扱いに関して許容されるフィルムを得るために選択される。乾燥マトリックス中のポリマー混合範囲は、低沸点溶媒または溶媒混合物中に可溶化された、5%〜50%、最も好ましくは20%〜35%である。接着剤層またはリザーバー層を製造するために流し込まなければならない混合物中の溶媒の割合は、20%〜70%、好ましくは35%〜55%の範囲である。乾燥マトリックスにおいて、低沸点溶媒の量は15重量%を超えてはならない。代わりに、低揮発性溶媒が乾燥マトリックス中に含まれ、ポリマー中に絡み合い、そして活性成分を溶解する。乾燥状態におけるこれらの溶媒の量は、10%〜50%の範囲内であるが、好ましくは30%〜55%の範囲内である。
【0096】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を明示するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において十分に機能することが本発明者によって発見された技術を表し、そしてしたがってその実施のための好ましい様式を構成すると見なすことができることは、当業者に理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示の観点から、開示された特定の実施形態に多くの変更を加えることができ、そしてそれでも本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を得ることを理解すべきである。
【0097】
本発明の様々な態様のさらなる改変および代替の実施形態は、この説明を考慮して当業者には明らかであろう。したがって、本明細書は例示としてのみ解釈されるべきであり、そして当業者に本発明を実施する一般的な方法を教示することを目的としている。本明細書に示され、記載される本発明の形態は、実施形態の例として解釈されるべきであることを理解されたい。本明細書のこの記載の恩恵を受けた後に当業者に明らかとなるように、要素および材料は、本明細書に例示および記載されているものの代わりに用いられてもよく、部品およびプロセスは逆にされてもよく、そして本発明の特定の特徴は独立して利用されてもよい。以下の特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の要素に変更を加えることができる。
【実施例】
【0098】
実験
実施例1− N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の同定
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物は、式I(N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド)のメシレートの遊離塩基)中の上記化合物の好適なまたは最も安定な形態を同定するために、式(I)による上記化合物の一水和物形態のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドから出発する広範な多形体水和物スクリーニングによって同定された:
【0099】
【化2】
【0100】
いくつかの多形体/溶媒和物が、単一のXRPDおよびDSC、カール・フィッシャー含水量によって同定および特性化された。驚くべきことに、遊離塩基半水和物は唯一の安定な多形体であった。多形スクリーニングは、速度論的に好ましい多形ならびに熱力学的に好ましいまたは言い換えればより安定な多形体を見つけるためのアプローチを用いて行われた。速度論的に好ましい多形体は蒸発および冷却結晶化を用いて調べられ、熱力学的に好ましい多形体はスラリー型実験を用いて調べられた。様々な形式の分類に使用される命名法は以下の通りである:形態は通常、経時的に大文字に割り当てられる。X線粉末回折によって単離および分析された最初の物質は形態Aと名付けられる。スクリーニングのために、二つの異なるロットの出発物質が使用され、両方ともXRPDに照らして同じ形態を有していた:形態B、これは一水和物である。
【0101】
蒸発スクリーニング法
蒸発実験のために、約100mgの一水和物形態Bは、下記の表1に列挙した各溶媒(最大4mL)に懸濁/溶解された。溶媒は高い多様性、たとえば極性、プロトン性/非プロトン性、ICHガイドラインに準拠した許容性、およびメシラート遊離塩基の特定の溶解性をとるものを有するように選択された。室温で溶解が起こらない実験は最高60℃に加熱され、それでも溶解が起こらない場合は高温でろ過してより濃縮された出発溶液が得られた。溶液は25℃および850mbarで開始する乾燥炉中で、3日間750mbar後に真空を減少させる一定流量の窒素で蒸発させられた;5日後、残りの溶液は窒素流を用いて濃縮された。得られた固体は視覚的に調べられ、そして十分な量の固体が得られた場合には粉末X線回折が行われた。全部で15の異なる多形体形態が同定された(初期形態Bを含む)。
【0102】
冷却および沈殿スクリーニング方法:
冷却実験のために、約100mgの一水和物多形体形態Bは、下記の各溶媒中でスラリー化され(最大4mL)、そして得られた懸濁液は最大65℃まで加熱された。それでも溶解が起こらない場合は、懸濁液はろ過またはデカントされ、そしてそれから懸濁液が得られるまで母液を氷浴中(約−10℃)で衝撃冷却された。低温で約15分後、自然核形成を伴わない溶液は下記の表2に示されるように貧溶媒で処理された。得られた懸濁液はろ過され、固体は少し乾燥させられ、そしてXRPDにより試験された。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
スラリースクリーニング法
スラリー実験は、約100mgの一水和物の形態Bを取り、そしてマグネチックスターラーを使用して以下の表に詳述されるように各溶媒混合物中でスラリー化することによって行われた。注目が水和物形態に設定されたので、表3に示されるように主に水性溶媒混合物が使用された。
【0106】
【表3】
【0107】
それから、同定された形態はいくつかの方法:XRPD、光学顕微鏡、1H−NMR、DSC、TGA、およびDVSによりさらに特性化された。本明細書で言及される遊離塩基半水和物の物理的特性化は、欧州薬局方(Ph.Eur)および/または米国薬局方協定(USP)による公定法を用いて行われた。
【0108】
DSCによる融点
原理:パワー補正付き示差走査熱量測定。
機器:DSCシステム(DSC 822e−Mettler Toledo)/分析用マイクロバランス。
手順:正確に秤量された量のサンプル(通常1〜5mg)は、清潔で乾燥したアルミニウム製るつぼに入れ、そして穴のあいたアルミニウム製キャップで閉じられる。第二のるつぼは基準るつぼである。
条件:
開始温度:20℃
加熱速度:10℃/分
最終温度:300℃
雰囲気:N2(流量20mL/分)
【0109】
TGA揮発性成分
原理:熱重量分析。
装置:炉、炉温度センサーおよび試料温度センサー/酸化アルミニウム皿/分析用微量天秤を含むTGA851e装置。
手順:空の酸化アルミニウムパンを用いてバックグラウンド曲線を集める。その後、正確に秤量された量のサンプル(通常10mg)が清潔で乾燥した皿に入れられる。測定は分析説明書に記載されているように行われる。
条件:
開始温度:25℃
加熱速度:5℃/分
最終温度:300℃
雰囲気:N2(流量50mL/分)
【0110】
1H−NMR
装置:Bruker AVANCE 400MHz
溶媒:DMSO−D6またはCDCl3
内部標準:テトラメチルシラン(TMS)または溶媒ピーク
デカップリング:逆ゲートデカップリング
アッセイ:化合物の積分面積と内部標準(通常hydrochinondimethylether)の積分面積とを比較することにより、ACD/Spec Manager 9用のマクロを用いてアッセイが決定される。
ホットステージ装置を備える光学顕微鏡:
Di−Li 5MPカメラとグラブ&測定ソフトウェアを搭載したOlympus BX41
FP 82加熱テーブル付きHotstage Mettler Toledo FP 90
方法:試料はブラシで対象物ホルダー上に準備される。観察は、非偏光または偏光を使用して、二つの偏光フィルターを使用して40、100、200または400倍の倍率で行われる。写真はソフトウェアによって撮影され、JPEGとしてエクスポートされる。スケールは概算であり、検証されていない。
【0111】
X線粉末回折(XRPD)
装置:シリコン低バックグラウンドサンプルホルダー(直径24mm、ピット0.2mm)を使用するリガク社製のMiniFlex。チューブ:Cu,l=1.54056Å,15kV
方法:角度:2θ=2°から2θ=40°;サンプリング幅0.02[2θ];測定時間:75分。
調製:十分な量が単離されたら、サンプルは乳鉢と乳棒で粉砕された;これは、より一貫した結果、あまり好ましくない配向および巨大な粒子サイズを有する材料のより良い取り扱いをもたらす。
グリースで調製され、ガラスの円盤で平らにされたサンプルホルダー上に固体が配置される。
【0112】
HPLC
以下の方法は、濃度を迅速に決定するための実験室的方法であり、C−019998の合成を追跡するために使用される方法とは異なる。
カラム:Phenomenex Luna 3μm C18(50×4.6mm)、検出:DAD検出器、240nmで記録;希釈剤:ACN/H2O 1:9+1%TFA中0.2mg/mL;溶離液:A=「H2O+0.05%CF3COOH」;B=「CH3CN+0.05%CF3COOH」;方法:注入:5μL;流量:1.0mL/分
【0113】
分 溶離液
0.00 %A=90.0
%B=10.0
0.10 %A=90.0
%B=10.0
10.1 %A=10.0
%B=90.0
12.1 %A=10.0
%B=90.0
12.1 %A=90.0
%B=10.0
15.1 %A=90.0
%B=10.0
【0114】
スクリーニングは合計14の異なる形態を同定した;スケールアップ段階で追加の形態が見つかった。XRPDによって同定されたほとんどの形態のうち、追加の分析を実施するのに十分な量は、スクリーニング段階からまだ利用可能であった。最初の顕微鏡観察(相、特徴)およびNMR(構造確認、残留溶媒)が行われ、そしてさらに多くの材料が利用可能な場合は、残留溶媒がどのように含まれていたかおよびどのような種類の形態変化が起こり得るか発想を得るためにDSCおよびTGAも実施された。以下の表は、スクリーニング段階後およびスケールアップ段階中に収集された分析データの要約を示す。
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
TGA重量減少については温度範囲が与えられている。DSCデータは、吸熱性および発熱性事象ならびに融点を示す;所与の温度はピーク温度を表す。溶媒含有量について収集されたデータをTGAデータと共に使用して、これらの形態は溶媒和物または少なくとも溶媒を集中的に含む形態であると仮定されたため、さらなる特性化作業から一連の形態が除外された。以下の形態は除外された:
−形態B:既に周囲温度よりわずかに高い温度で水を放出する一水和物。
−形態F:メタノール溶媒和物。
−形態G:エタノール溶媒和物。
−形態H:メタノールとジクロロメタンを大量に含む形態。
−形態K:おそらくメタノール溶媒和物。
−形態L:40〜160℃の間で水を放出する二水和物。
−形態M:イソプロパノール溶媒和物。
−形態N:アセトニトリル溶媒和物。
−形態O:メタノール溶媒和物。
−形態P:TBME溶媒和物。
【0119】
残りの形態からは、形態C、すなわちN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド半水和物のみが唯一の水和物形態として次の段階に取り込まれた。形態Eは、溶媒和形態または非溶媒和形態であることを明確に割り当てることはできないが、チャネル溶媒和物であると想定される。形態Eが結晶化実験に現在存在する溶媒を含む非溶媒和形態であると想定される場合、それは最も安定な非溶媒和物である形態Aと一致する全く安定な形態として見られるべきである。この場合、それは結晶化系の組成に大きく依存する;溶媒が存在しない場合、形態Aはおそらく形態Aに変換しないと結論付けるかもしれない。いくつかの形態は、0.5〜1当量の溶媒を含み、そして溶媒和物として割り当てられた。DSC/TGAによれば、水和物は明らかな安定性の順序を有するように思われる:C>L>Bであるが、形態L(二水和物)を製造するための実験は、形態Lが極めて不安定であることを示す。ほとんどの形態は、水または溶媒を含むのに十分な結晶格子内の空間を提供する。潜在的な隙間に水を含ませること、および高レベルの残留溶媒のリスクを減らすことが好ましい。
【0120】
好都合には、半水和物形態Cは、周囲温度で密閉容器内に貯蔵された場合に脱水のリスクが低いと共に十分な安定性を提供する。
【0121】
実施例2
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物のXRPD解析
試料調製:得られた固体の粉末回折パターンを得るために、約20mgの白色粉末サンプルは二枚のポリ酢酸塩を用いて標準試料ホルダーに調製され、続いて以下に記載するように分析された。
データ収集:透過型幾何学においてCuKα1−放射(1.54060Å)を使用して、Bruker D8 Advance Series 2θ/θ粉末回折システムで粉末回折パターンが得られた。このシステムには、VANTEC−1単光子計測PSD、ゲルマニウム単色光分光器、90ポジションオートチェンジャーサンプルステージ、固定発散スリットおよびラジアルソーラが装備されている。使用したプログラム:DIFFRAC plus XRD Commander V.2.4.1によるデータ収集ならびにEVA V.12.0およびMicrosoft Excelによる評価。サンプルは2θで4°〜40°の範囲(ステップサイズ:0.016°)で20分のスキャンで測定された。
【0122】
X線粉末回折パターン
遊離塩基半水和物の粉末X線回折パターン(図1)は、高度に結晶性の固体のものである。特徴的なピークはラベル付けされている。以下の表7は、図1に表される遊離塩基半水和物のPXRDパターンのピークリストを示す。特徴的なピークは太字で強調されている。
【0123】
【表7】
【0124】
形態の溶解度と相対的安定性
形態安定性の分析のために、水和物および無溶媒形態は別々に研究された。
【0125】
水和物
半水和物形態Cは大規模に単離された。スクリーニングのための出発物質(形態B)は一水和物であった。さらに、潜在的な二水和物(形態L)が同定された。DVSは、一水和物(形態B)が形態C(半水和物)よりも急速に水を放出および吸着するようであることを示した。DVS実験時間中(形態Cでは<600分)、25℃ではほとんど変化が観察されなかった。異なる相対湿度(RH)値への曝露を拡大するために、固体/飽和溶液を含む小さいバイアルの上に形態Cが上にあるオープンパンが乗せられ、密封されたバイアルは5日間保持された(異なる湿度レベルについては以下のデータを参照)。得られた半水和物はXRPDにより確認(check)され、そして全てのサンプルは形態C(遊離塩基半水和物)であることが確認(confirm)された。
【0126】
【表8】
【0127】
脱水温度間に約60℃の差が形態BおよびCについて観察され得るTGAおよびDSCからの結果と組み合わせると、半水和物の安定性は他の水和物形態と比較してはるかに高い。
【0128】
半水和物形態Cの詳細な特性化:
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の一般的な特性 表9:
【0129】
【表9】
【0130】
顕微鏡写真は図2に示され、形態Cが顕微鏡下で複屈折を示す棒状結晶からなることを示している。
【0131】
単結晶X線回折分析に好適な結晶を得るために、三種の異なる溶媒(エタノール/水 8:2、アセトニトリル/水 8:2、およびTHF/水 9:1)を用いて結晶化スクリーニングが実施された。一般的手順:N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物(50mg)の半水和物は、最小量の溶媒に60℃で溶解され、そして溶液は室温に冷却され、ゆっくり蒸発させられた。結果:溶媒としてエタノール/水およびアセトニトリル/水を用いて単結晶が得られた。しかしながら、エタノール/水中で得られた結晶のみが形態Cに相当した(P067−01−EOH−H2O−01)。サンプルは単結晶X線回折(SCXRD)によって特性化された。非対称単位は、二つの独立した有機化合物分子と一つの水分子を含む。以下の表10の測定された結晶は、図1に示されるような半水和物に一致する。
【表10】
【0132】
合成経路− N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造
出発物質(4−ピリジン−2−イル−フェニル)−酢酸(PP−酢酸;C−023930)およびアミノチアゾールスルホン酸アミド(C−023936)は、標準的反応条件(N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物(C−023931)を供給するためのN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC×HCl)、テトラヒドロフラン(THF)/N−メチルピロリドン(NMP))を用いてカップリングされた。半水和物を得るために、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド半水和物遊離塩基はTHF/水から再結晶された。N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドの合成を示すフローチャートは、下記の反応スキーム1において以下に提供される。
【0133】
【化3】
【0134】
N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造工程の説明
PP−酢酸およびアミノチアゾールスルホン酸アミドはTHF/NMP中で混合され、混合物は冷却され、そしてそれからEDC×HClが分割して加えられる。反応混合物は数時間撹拌され、そしてそれから精製水にゆっくり加えられる。懸濁液は撹拌され、そしてろ過される;生成物濾滓は精製水で洗浄され、そして室温で窒素流中でそしてそれから真空下で乾燥される。精製水がゆっくりと高温で添加され、懸濁液は数時間撹拌される。懸濁液は5℃に冷却され、そしてさらに数時間撹拌される。生成物はろ過により単離され、そして精製水で洗浄される。含水量の基準に達するまで、生成物は真空下65℃で乾燥される。N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド半水和物の遊離塩基の合成の主な利点は、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドメシル酸塩中に存在し得るメシレートエステルの存在に関連する不純物が存在しないことである。
【0135】
遊離塩基半水和物形態C(図3)の1H−NMRスペクトルによれば、溶媒は見えない。
【0136】
得られた赤外分光法データは、分子の官能基への最大バンドの割り当てによって示されるように、化学構造と一致している(図9)。
【0137】
個々の賦形剤中の遊離塩基および遊離塩基半水和物の比較溶解度
遊離塩基半水和物は、遊離塩基と比較して主要溶媒中で同様のまたはわずかに高い溶解度を示した;したがって、任意の遊離塩基の物理化学データは遊離塩基半水和物に外挿されることができる。
【0138】
PEG400およびプロピレングリコール中の二つの形態のプリテリビル(遊離塩基についてはバッチBXR2KVE、およびプリテリビル半水和物についてはM023862−CA15−033)の飽和溶解度(%w/w)、平均値(範囲、n=3)を以下の表11に示す。
【0139】
【表11】
【0140】
現在の臨床製剤O1v3の光安定性試験
製剤O1v3は、以下の賦形剤および活性成分(%w/w単位)を含む。
−PEG 400(超精製) 55.00
−0.5M NaOH/HCl pH4〜5にする
−PEG 400(超精製)(2回目の添加) 最終組成物が約67.62%までのSR PEG 400を含むように、適量100%。
−プロピレングリコール 9.78
−BHT 0.10
−PEG 4000 17.50
−プリテリビル半水和物 5.0
【0141】
この形態のプリテリビルを用いて調製された製剤を確認するための、プリテリビル半水和物を含有する主要製剤O1v3の光安定性試験は、曝露後も安定であった。O1v3を含む充填済みホウケイ酸塩バイアルのサンプルはICHガイドラインQ1Bに従って曝露され、そしてプリテリビル回収率と純度レベルはそれぞれ表12および13に集約された。
【0142】
製剤はICH条件下(1平方メートル当たり120万ルクス時および200ワット時以上)でUV光に暴露された。
【0143】
データは、UV光への曝露後、製剤中のプリテリビル(O1v3)が、t=0からの回収率および純度の変化がほとんどないために安定しているように見えたことを示している。
【0144】
【表12】
【0145】
【表13】
【0146】
いくつかの実施形態の概要
1. 分子式C1818432×0.5H2Oを有する、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
2. Mr 411.50の相対分子量を有する、実施形態1に記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
3. 5.9、11.7、15.5および18.7の2θにXRPDのピークを含む、実施形態1および2のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
4. 205℃〜211℃の融点を有する、実施形態1〜3のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
5. pKa計算値4.53を有する、実施形態1〜4のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
6. 25℃で0.911±0.891のオクタノール/水分配係数を有する、実施形態1〜5のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
7. pH4.5〜7.0の範囲で90〜100%の安定性を有する、実施形態1〜6のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
8. 実施形態1〜7のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を含む医薬組成物であって、ここで上記組成物は少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、医薬組成物。
9. 上記の実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物と少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤とを処方することによって得られる医薬組成物。
10. 抗炎症薬、抗ウイルス薬、中枢性および末梢性作用型鎮痛薬、麻酔薬を含む群から選択される活性成分をさらに含む、実施形態8および9のいずれか一つに記載の医薬組成物。
11. 紫外線遮断剤をさらに含む、実施形態8〜10のいずれか一つに記載の医薬組成物。
12. 実施形態8〜11に定義の医薬組成物であって、ここで上記組成物がパッチ投与のための局所製剤、クリーム剤、軟膏、膏薬、ゲル剤、スキンローション剤、ワックス製剤、口紅、トニック、ムース、フォーム、スプレー、フィルム、エマルジョン、ペースト、液剤、オイル、リポゲル、およびパッチを含む群から選択される、医薬組成物。
13. 実施形態8〜12のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、ICHガイドラインQ1Bに従って測定されて約95〜107%、特に約103.61〜105.11%の平均回収率に関して光安定性を有する、医薬組成物。
14. 実施形態8〜13のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約95〜105%面積/面積、有利には98〜102%の範囲の面積/面積の平均純度に関してICHガイドラインQ1Bによる光安定性を有する、医薬組成物。
15. 実施形態8〜14のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでレシーバ流体としてPBS中2%w/vのブリジ98の溶液を用いたフランツ拡散セル内でのHPLCによって測定されるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、t=0で約90〜110%(92.24〜114.49)、2〜8℃でt=24で約102〜105%(103.16〜103.71%)、および37℃でt=25時間で約100〜102(101.47〜101.70)、2〜8℃でt=48時間で約102〜108(103.57〜106.24)、および37℃でt=48時間で約104〜118(105.42〜116.70);2〜8℃でt=120時間で約102〜107(103.78〜105.69)、および37℃でt=120時間で約84〜98(85.85〜96.40)の回収率を有する、医薬組成物。
16. 実施形態8〜14のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約0.1〜約10%w/wの量で存在する医薬組成物。
17. 実施形態8〜16のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約1.0〜約7.5%w/wの量で存在する医薬組成物。
18. 実施形態8〜17のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約2.5〜約6.0%w/wの量で存在する医薬組成物。
19. 実施形態8〜18のいずれか一つに定義の医薬組成物または局所医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約5.0%w/wの量で存在する医薬組成物。
20. 実施形態8〜19のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物が軟膏である、医薬組成物。
21. 実施形態8〜20のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約1.0〜約7.5%w/w、特に約5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物が軟膏であり、そしてここで軟膏は一日に1〜10回、または一日に2〜10回、または一日に3〜8回、または一日に3〜7回、または一日に4〜6回、または一日に5回投与される、医薬組成物。
22. 実施形態8〜21のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約1.0〜約7.5%w/w、特に約5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物が軟膏であり、そしてここで軟膏は一日に1〜10回、または一日に2〜10回、または一日に3〜8回、または一日に3〜7回、または一日に4〜6回、または一日に5回投与され、そしてここで軟膏は2〜14日間、3〜10日間、3〜7日間、4〜5日間、または5日以上、または4日以上の期間にわたり投与される、医薬組成物。
23. 実施形態8〜22のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、約5.0%w/wの量で存在し、ここで医薬組成物は軟膏であり、そしてここで軟膏は一日に5回投与され、そしてここで軟膏は4日間の期間にわたり投与される、医薬組成物。
24. 実施形態8〜23のいずれか一つに定義の医薬組成物であって、ここでN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物が、上記組成物による治療を受ける個体の表皮または真皮中において>10nMの濃度に達するのに十分な量で存在する、医薬組成物。
25. 薬剤としての使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
26. ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
27. ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、ここで上記ヘルペスウイルスはシンプレックスウイルス目から選択される、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
28. 実施形態27に記載のヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における使用のための、ここで上記シンプレックスウイルスは単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)および単純ヘルペスウイルス2(HSV−2)から選択される、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
29. それを必要とする対象におけるヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における経口医薬製剤における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
30. それを必要とする対象におけるヘルペスウイルス感染の治療および/または予防における局所医薬製剤における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
31. それを必要とする対象における治療および/または予防治療における局所医薬製剤における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物であって、ここで上記対象はヘルペスウイルス感染を有する、またはヘルペスウイルス感染を有すると疑われる、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
32. それを必要とする対象における治療および/または予防治療における局所的投与における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物であって、ここで上記局所的投与は一般に、皮膚投与、顔面投与、ならびに/または口、性器、および/もしくは目への投与のためのものである、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
33. それを必要とする対象における治療および/または予防治療における全身投与における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物であって、ここで上記対象はヘルペスウイルス感染を有する、またはヘルペスウイルス感染を有すると疑われる、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
34. 再発性口唇ヘルペスの治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
35. 口唇ヘルペスの前駆期の徴候を示す患者、紅斑を有する患者、口唇丘疹を示す患者、口唇小胞(labial vesicles)を有する患者、口唇潰瘍(labial ulcers)および/または軟痂皮(soft crusts)を有する患者、口唇硬痂皮(labial hard crusts)を有する患者、残存口唇紅斑を有する患者の群から選択される再発性口唇ヘルペスの治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
36. 性器ヘルペスの治療および/または予防に使用するための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
37. ヘルペス角膜炎の治療および/または予防における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項に定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
38. ヘルペス髄膜炎および/または脳炎の治療における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
39. 新生児のヘルペス感染の治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
40. 免疫応答性のおよび/または免疫不全の個体のヘルペス感染の治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
41. 免疫不全の個体のヘルペス感染の治療および/または予防における使用のための、実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物であって、ここで免疫不全の個体は、臓器移植のレシピエント、別のウイルスまたは細菌、特にHIVおよび/または別のヘルペスウイルスの感染を有する個体、および少なくとも一つの抗ウイルス活性物質に対し耐性のある単純ヘルペスウイルスに感染した個体を含む群から選択される、N−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物。
42. それを必要とする対象に実施形態1〜7のいずれか一つに記載のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物を投与することを含む、ヘルペスウイルス感染の治療および/または予防の方法。
43. 実施形態1〜7のいずれか一つに定義のN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミド遊離塩基半水和物の製造方法であって、ここで上記方法が下記の工程を含む方法:
a)N−メチルピロロリドン(NMP)中で4−ピリジン−2−イル−フェニル)−酢酸とアミオノチアゾールスルホン酸アミドを混合する;
b)工程a)で得られた混合物を冷却する;
c)工程b)で得られた混合物にN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC×HCl)を加える;
d)工程c)で得られた溶液を撹拌し、精製H2Oに添加する;
e)工程d)で得られた溶液をろ過する;
f)工程e)で得られた生成物濾滓を洗浄する;
g)工程f)で得られた生成物を乾燥する;
h)工程g)で得られた溶液にH2Oを添加する;
i)工程h)で得られた懸濁液を撹拌する;
j)工程i)で得られた懸濁液を冷却する;
k)工程j)で得られた懸濁液を撹拌する;
l)工程k)で得られた懸濁液のろ過により生成物を単離する;
m)工程l)で得られた生成物をH2Oで洗浄する;
n)工程m)で得られた生成物を乾燥する。
44. 実施形態43に記載の方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドの宇友里塩基半水和物を含む医薬組成物。
45. 実施形態43に記載の方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドの宇友里塩基半水和物を少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤とともに製剤することによって得られる医薬組成物。
46. 実施形態43に記載の方法で得られるN−[5−(アミノスルホニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル]−N−メチル−2−[4−(2−ピリジニル)フェニル]−アセトアミドの宇友里塩基半水和物の薬剤としての使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8
図9