(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0020]いくつかの特定の実施形態がより詳細に示される前に、本明細書に示される特定の実施形態が、本明細書に示される概念の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に切り離され、任意選択的に、本明細書に示された多数の他のいずれの実施形態の特徴とも組合せられ、またはそれらと置き換えられ得る特徴を有し得ることもまた理解されたい。
【0009】
[0021]本明細書に使用される術語に関しては、その術語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書に示される概念の範囲を限定するものでないこともまた理解されたい。別途示されない限り、序数(たとえば第1の、第2の、第3のなど)は、一群の特徴またはステップ内の様々な特徴およびステップを識別しまたは特定するために使用され、逐次的または数的制約を与えるものではない。たとえば、「第1の」、「第2の」、および「第3の」特徴またはステップは、その順序で必ずしも現れる必要はなく、そのような特徴またはステップを含む特定の実施形態が、3つの特徴またはステップに必ずしも限定される必要はない。別途示されない限り、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「前方の」、「逆の」、「時計方向」、「反時計方向」、「上へ」、「下へ」などのあらゆる表示、または「上方の」、「下方の」、「後部の」、「前部の」、「垂直な」、「水平な」、「近位の」、「遠位の」などのような他の同様な用語は、便宜的に使用され、たとえば、いずれか特定の定められた位置、向きまたは方向を意味するものではないこともまた理解されたい。そうではなく、そのような表示は、たとえば、相対的な位置、向きまたは方向を表すために使用される。「a」、「an」、および「the」の単数形は、内容が明らかに別様の指定をしていない限り、複数の意味を含むこともまた理解されたい。
【0010】
[0022]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって通例理解されるのと同じ意味を有する。
[0023]アテローム性動脈硬化症は、脂質、コレステロール、カルシウムなど血液に運ばれる物質を含むプラークの部分に形成される1つまたは複数の血管内病変によって特徴付けられる。バルーン血管形成術のようなアテローム性動脈硬化症に対する外科的処置は、開通性および失われた血液流を回復するために、1つまたは複数の血管内病変に対して用いられ得る。初期のバルーンは、膨張中の一様でない展開によって、壁に傷を生じることがあったので、バルーンの膨張および膨張によって加えられる力を制御するために、バルーンカテーテルに改変が行われてきた。しかし、それら改変は、しばしば、それらバルーンカテーテルのバルーンのみに留まらない。他のバルーンカテーテル構成要素およびそれらの性能も影響を受け得る。したがって、他のバルーンカテーテル構成要素の無欠性を維持しながら、バルーンの膨張および膨張によって加えられる力を制御する必要がある。本明細書でいくつかの実施形態において示されるのは、上記に対処するシステムおよび方法である。
【0011】
[0024]たとえば、いくつかの実施形態では、カテーテルは、ポリマー部分および金属部分を有する細長い本体と、ポリマー部分の少なくとも一部の上のバルーンと、ポリマー部分と金属部分とを覆って、またはそれらの間に形成された結合部と、1つまたは複数のスコアリングワイヤとを備える。金属部分は、細長い本体の伸びおよびキンクを防止するように構成されたスパイラルカット部分を備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤが、細長い本体の遠位端のチップに固定され、そこから、バルーンを越え、細長い本体のポリマー部分の中を通り、結合部の中を通り、細長い本体の金属部分まで延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、スパイラルカット部分の内面に固定され、またはスパイラルカット部分から形成され得る。
【0012】
オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル(over-the-wire balloon catheter)
[0025]
図1、4A、および5Aは、いくつかの実施形態による、少なくとも一対のスコアリングワイヤ130を備えるオーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100を示す概略図である。
【0013】
[0026]
図1に示されるように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100は、ポリマー部分112および金属部分114を有する細長い本体110と、細長い本体110のポリマー部分112の少なくとも一部の上のバルーン120と、1つまたは複数のスコアリングワイヤ130とを備え得る。オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100は、細長い本体110の遠位端にチップ116をさらに備え得る。さらに、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100は、図示のように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100のハブ140のガイドワイヤポート142を通ってオーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100に入るガイドワイヤGを有するように構成され得る。ハブ140は、バルーン120の制御された膨張および膨張解除用の膨張装置を取り付けるための膨張ポート144をさらに備え得る。
【0014】
[0027]
図4Aに示されるように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100は、1つまたは複数のスコアリングワイヤ430A用それぞれの1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aは、細長い本体410Aのポリマー部分412Aの、バルーン420Aの近位側に配置され得る。
【0015】
[0028]
図5Aに示されるように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100は、細長い本体510Aのポリマー部分512Aと金属部分514Aとの間に形成された結合部515Aを備え得る。細長い本体510Aのポリマー部分512Aの近位端が、結合部515Aの雄型端部コネクタを形成することができ、細長い本体510Aの金属部分514Aの遠位端が、結合部515Aの雌型端部コネクタを形成することができ、またはその逆である。細長い本体510Aの金属部分514Aは、細長い本体510Aの伸び(elongation)およびキンク(kinking)を防止するスプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分518Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aは、細長い本体510Aのスパイラルカット部分518Aの内面など、細長い本体510Aの金属部分514Aの内面上の1つまたは複数の固定箇所532Aにそれぞれ固定され得る。
【0016】
ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル(rapid-exchange balloon catheter)
[0029]
図2、4A、および5Aは、いくつかの実施形態による、少なくとも一対のスコアリングワイヤ230を備えるラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200を示す概略図である。
【0017】
[0030]
図2に示されるように、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200は、ポリマー部分212および金属部分214を有する細長い本体210と、細長い本体210のポリマー部分212の少なくとも一部の上のバルーン220と、1つまたは複数のスコアリングワイヤ230とを備え得る。ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200は、細長い本体210の遠位端にチップ216と、細長い本体210の近位端に、膨張ポート244を有するハブ240とをさらに備え得る。さらに、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200は、図示のように、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200のガイドワイヤポート242を通ってラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200に入るガイドワイヤGを有するように構成され得る。ガイドワイヤポート242は、細長い本体210のポリマー部分212に存在し得る。
【0018】
[0031]
図4Aに示されるように、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200は、1つまたは複数のスコアリングワイヤ430A用それぞれの1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aは、細長い本体410Aのポリマー部分412Aの、バルーン420Aの近位側に配置され得る。
【0019】
[0032]
図5Aに示されるように、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200は、細長い本体510Aのポリマー部分512Aと金属部分514Aとの間に形成された結合部515Aを備え得る。細長い本体510Aのポリマー部分512Aの近位端が、結合部515Aの雄型端部コネクタを形成することができ、細長い本体510Aの金属部分514Aの遠位端が、結合部515Aの雌型端部コネクタを形成することができ、またはその逆である。細長い本体510Aの金属部分514Aは、細長い本体510Aの伸びおよびキンクを防止するスプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分518Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aは、細長い本体510Aのスパイラルカット部分518Aの内面など、細長い本体510Aの金属部分514Aの内面上の1つまたは複数の固定箇所532Aにそれぞれ固定され得る。
【0020】
ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル(short rapid-exchange balloon catheter)(1)
[0033]
図3A、4A、および5Aは、いくつかの実施形態による、少なくとも一対のスコアリングワイヤ330Aを備えるショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aを示す概略図である。
【0021】
[0034]
図3Aに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aは、ポリマー部分312Aおよび金属部分314Aを有する細長い本体310Aと、細長い本体310Aのポリマー部分312Aの少なくとも一部の上のバルーン320Aと、1つまたは複数のスコアリングワイヤ330Aとを備え得る。ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aは、細長い本体310Aの遠位端にチップ316Aと、細長い本体310Aの近位端に、膨張ポート344Aを有するハブ340Aとをさらに備え得る。さらに、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aは、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aのチップ316Aのガイドワイヤポート342Aを通ってショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aに入るガイドワイヤGを有するように構成され得る。
【0022】
[0035]
図4Aに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aは、1つまたは複数のスコアリングワイヤ430A用それぞれの1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤポート413Aは、細長い本体410Aのポリマー部分412Aの、バルーン420Aの近位側に配置され得る。
【0023】
[0036]
図5Aに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aは、細長い本体510Aのポリマー部分512Aと金属部分514Aとの間に形成された結合部515Aを備え得る。細長い本体510Aのポリマー部分512Aの近位端が、結合部515Aの雄型端部コネクタを形成することができ、細長い本体510Aの金属部分514Aの遠位端が、結合部515Aの雌型端部コネクタを形成することができ、またはその逆である。細長い本体510Aの金属部分514Aは、細長い本体510Aの伸びおよびキンクを防止するスプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分518Aを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aは、細長い本体510Aのスパイラルカット部分518Aの内面など、細長い本体510Aの金属部分514Aの内面上の1つまたは複数の固定箇所532Aにそれぞれ固定され得る。
【0024】
ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル(2)
[0037]
図3B、4B、および5Bは、いくつかの実施形態による、スコアリングワイヤ330BおよびガイドワイヤGを備えるショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bを示す概略図である。
【0025】
[0038]
図3Bに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bは、ポリマー部分312Bおよび金属部分314Bを有する細長い本体310Bと、細長い本体310Bのポリマー部分312Bの少なくとも一部の上のバルーン320Bと、スコアリングワイヤ330Bと、追加のスコアリングワイヤとして機能するように構成されたガイドワイヤGとを備え得る。ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bは、細長い本体310Bの遠位端にチップ316Bと、細長い本体310Bの近位端に、膨張ポート344Bを有するハブ340Bとをさらに備え得る。さらに、ガイドワイヤGは、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bのチップ316Bのガイドワイヤポート342Bを通ってショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bに入り、また、追加のスコアリングワイヤとしてバルーン320B上を通ることができる。
【0026】
[0039]
図4Bに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bは、スコアリングワイヤ430B用のスコアリングワイヤポート413Bを備え得る。スコアリングワイヤポート413Bは、細長い本体410Bのポリマー部分412Bの、バルーン420Bの近位側に配置され得る。追加のスコアリングワイヤポートは排除されないものの、追加のスコアリングワイヤポートは、追加のスコアリングワイヤとしてのガイドワイヤGおよびその機能を考慮すると、細長い本体410Bのポリマー部分412Bにある必要はない。
【0027】
[0040]
図5Bに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bは、細長い本体510Bのポリマー部分512Bと金属部分514Bとの間に形成された結合部515Bを備え得る。細長い本体510Bのポリマー部分512Bの近位端は、結合部515Bの雄型端部コネクタを形成することができ、細長い本体510Bの金属部分514Bの遠位端は、結合部515Bの雌型端部コネクタを形成することができ、またはその逆である。細長い本体510Bの金属部分514Bは、細長い本体510Bの伸びおよびキンクを防止するスプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分518Bを備え得る。スコアリングワイヤ530Bは、細長い本体510Bのスパイラルカット部分518Bの内面など、細長い本体510Bの金属部分514Bの内面上の固定箇所532Bに固定され得る。
【0028】
スコアリングワイヤ(1)
[0041]1つまたは複数のスコアリングワイヤのそれぞれは、別々に形成され、次いでその自由端をカテーテルに固定され得る。
【0029】
[0042]
図1、2、および3Aに示されるように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、およびショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aの1つまたは複数のスコアリングワイヤは、それぞれ、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンを越えて延在することができる。
図4Aに示されるように、1つまたは複数のスコアリングワイヤ430Aは、細長い本体410Aのポリマー部分412Aの中を延在することができる。
図5Aに示されるように、1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aは、結合部515Aなどの少なくとも第1の結合部の中を通り、細長い本体の金属部分514Aまで延在することができる。たとえば、1対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンの互いに反対側の側部の一方を越え、細長い本体のポリマー部分の互いに反対側の側部の一方にあるスコアリングワイヤポートを通り、細長い本体のポリマー部分の内腔の少なくとも一部分を通り、結合部の内腔を通り、細長い本体の金属部分の内腔内へ延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体のチップ(オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、およびショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aに関し、それぞれ、
図1、2、および3Aを参照されたし)、ならびに、結合部に近接する、細長い本体の金属部分の内面(
図5A)に固定され得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤが固定され得る、細長い本体の金属部分の内面は、細長い本体の金属部分のスパイラルカット部分の内腔面であり得る。
【0030】
[0043]
図3Bに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bのスコアリングワイヤ330Bは、細長い本体310Bの遠位端のチップから、バルーン320Bを越えて延在することができる。ガイドワイヤGは、存在する場合、やはり、細長い本体310Bの遠位端のチップ316Bのガイドワイヤポートから、バルーン320Bを越えて延在することができる。
図4Bに示されるように、スコアリングワイヤ430Bは、細長い本体410Bのポリマー部分412Bの中を延在することができる。
図5Bに示されるように、スコアリングワイヤ530Bは、結合部515Bなどの少なくとも第1の結合部の中を通り、細長い本体510Bの金属部分514Bまで延在することができる。たとえば、スコアリングワイヤ530Bは、細長い本体510Bの遠位端のチップ316B(
図3B)から、ガイドワイヤGが存在する場合、それとは反対側でバルーン320Bを越え(
図3B)、細長い本体510Bのポリマー部分512Bにあるスコアリングワイヤポートを通り、細長い本体510Bのポリマー部分512Bの内腔の少なくとも一部分を通り、結合部515Bの内腔を通り、細長い本体510Bの金属部分514Bの内腔内へ延在することができる。スコアリングワイヤ530Bは、細長い本体510Bのチップ316B(
図3B)、ならびに、結合部515B(
図5B)に近接する、細長い本体510Bの金属部分514Bの内面に固定され得る。スコアリングワイヤ530Bが固定され得る、細長い本体510Bの金属部分514Bの内面は、細長い本体510Bの金属部分514Bのスパイラルカット部分の内腔面であり得る。
【0031】
[0044]上記に付随して、
図5Aの1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aまたは
図5Bのスコアリングワイヤ530Bは、1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Cに関して
図5Cに示された第2の結合部519Cの中をさらに延在することができる。第2の結合部519Cは、細長い本体510Cのポリマー部分512Cと金属部分514Cとを覆い、したがって結合部515C(図示せず)も覆うポリマースリーブを備え得る。ポリマースリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)などの生体適合性材料の熱収縮性ポリマースリーブであり得る。
【0032】
[0045]1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aが、細長い本体510Aのチップ316A(
図3A)および細長い本体510Aの金属部分514Aの内面に固定される方式は、限定されない。たとえば、レーザスポット溶接などのスポット溶接が、1つまたは複数のスコアリングワイヤ530Aのそれぞれを少なくとも細長い本体510Aの金属部分514Aの内面に固定することができる。ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bにおいて、スコアリングワイヤとしてガイドワイヤGが使用される場合、ガイドワイヤGは、細長い本体510Bのチップ316B(
図3B)または細長い本体510Bの金属部分514Bの内面に固定されない。
【0033】
[0046]1つまたは複数のスコアリングワイヤの少なくとも1つのスコアリングワイヤが、バルーンの作用長(working length)をX線撮影で表示するために設定されたX線不透過性のマーカを備え得る。
【0034】
スコアリングワイヤ(2)
[0047]1つまたは複数のスコアリングワイヤのそれぞれが、細長い本体の金属部分のスパイラルカット部分から形成され得、次いでその自由端をカテーテルに固定され得る。
【0035】
[0048]
図1、2、および3Aに示されるように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、およびショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aの1つまたは複数のスコアリングワイヤは、それぞれ、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンを越えて延在することができる。
図4Aに示されるように、1つまたは複数のスコアリングワイヤ430Aは、細長い本体410Aのポリマー部分412Aの中を延在することができる。
図6Aに示されるように、1つまたは複数のスコアリングワイヤ630Aは、ポリマー部分612Aから出て、細長い本体610Aの金属部分614Aのスパイラルカット部分618Aの形を取ることができる。たとえば、1対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンの互いに反対側の側部の一方を越え、細長い本体のポリマー部分の互いに反対側の側部の一方にあるスコアリングワイヤポートを通り、細長い本体のポリマー部分の内腔の少なくとも一部分を通って延在して、細長い本体の金属部分のスパイラルカット部分の形を取ることができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、スパイラルカット部分から絞り加工され(drawn)または他の方法で形成され、細長い本体のチップに固定され得る(オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、およびショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aに関し、それぞれ、
図1、2、および3Aを参照されたし)。
【0036】
[0049]1つまたは複数のスコアリングワイヤ630Aは、金属部分614Aの1つまたは複数のスパイラルカットをそれぞれ用いて金属部分614Aから形成され得る。
図6Aに示されるように、たとえば、長手方向にオフセットされた2つのスパイラルカットが、2つのスコアリングワイヤを形成する。
【0037】
[0050]
図3Bに示されるように、ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bのスコアリングワイヤ330Bは、細長い本体310Bの遠位端のチップから、バルーン320Bを越えて延在することができる。ガイドワイヤGは、存在する場合、やはり、細長い本体310Bの遠位端のチップ316Bのガイドワイヤポートから、バルーン320Bを越えて延在することができる。
図4Bに示されるように、スコアリングワイヤ430Bは、細長い本体410Bのポリマー部分412Bの中を延在することができる。
図6Bに示されるように、スコアリングワイヤ630Bは、ポリマー部分612Bから出て、細長い本体610Bの金属部分614Bのスパイラルカット部分618Bの形を取ることができる。たとえば、スコアリングワイヤ630Bは、細長い本体610Bの遠位端のチップ316B(
図3B)から、ガイドワイヤGが存在する場合、それとは反対側でバルーン320B(
図3B)を越え、細長い本体610Bのポリマー部分412B(
図4B)にあるスコアリングワイヤポートを通り、細長い本体610Bのポリマー部分612Bの内腔の少なくとも一部分を通って延在して、細長い本体610Bの金属部分614Bのスパイラルカット部分618Bの形を取ることができる。スコアリングワイヤは、スパイラルカット部分から絞り加工されまたは他の方法で形成され、細長い本体のチップに固定され得る(オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、およびショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aに関し、それぞれ、
図1、2、および3Aを参照されたし)。
【0038】
[0051]上記に付随して、
図6Aの1つまたは複数のスコアリングワイヤ630Aまたは
図6Bのスコアリングワイヤ630Bは、1つまたは複数のスコアリングワイヤ630Cに関する
図6Cに示された結合部619Cの中をさらに延在することができる。結合部619Cは、細長い本体610Cのポリマー部分612Cと金属部分614Cとを覆うポリマースリーブを備え得る。ポリマースリーブは、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)などの生体適合性材料の熱収縮性ポリマースリーブであり得る。
【0039】
[0052]1つまたは複数のスコアリングワイヤ730Aが細長い本体710Aのチップ316A(
図3A)に固定される方式は限定されない。ショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Bにおいて、スコアリングワイヤとしてガイドワイヤGが使用される場合、ガイドワイヤGは、細長い本体510Bのチップ316B(
図3B)に固定されない。
【0040】
[0053]1つまたは複数のスコアリングワイヤの少なくとも1つのスコアリングワイヤが、バルーンの作用長をX線撮影で表示するために設定されたX線不透過性のマーカを備え得る。
【0041】
[0054]
図7は、一部の実施形態による血管内の病変の修正を示す概略図である。
[0055]図示のように、オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、またはショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aもしくは300Bの1つなどのバルーンカテーテルが、血管内の病変Lに並ぶ位置にバルーン(たとえばバルーン120)および1つまたは複数のスコアリングワイヤ(たとえば1つまたは複数のスコアリングワイヤ130)が達するまで、患者の血管系を通して進められ得る。そのような位置でのバルーンの膨張が、バルーンの全長に亘って1つまたは複数のスコアリングワイヤに沿って、外向きに集中された力f
1およびf
2を病変Lに対して及ぼし、それによって、失われた開通性を血管内Lに回復する。力f
1およびf
2は、バルーンが未膨張または最小限に膨張されている状態にあるときの最小値から、バルーンが完全に膨張された状態にあるときの最大値まで増加することができる。上記は、様々な寸法および曲がった血管系にも発揮され得る。バルーンおよび1つまたは複数のスコアリングワイヤは、曲げられた血管系の血管内の病変を修正するのに十分な可撓性をもつ。
【0042】
[0056]オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、またはショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aもしくは300Bの1つなどのバルーンカテーテルは、腸骨動脈、大腿動脈、腸骨大腿動脈、膝窩動脈、膝窩動脈下動脈群、および腎動脈の狭窄を広げるため、および自己血管または人工血管動静脈瘻の閉塞性病変を処置するために使用され得る。バルーンカテーテルは、また、末梢血管系におけるバルーン膨張型ステント、自己膨張型ステント、およびステントグラフトの後膨張のためにも使用され得る。
【0043】
膨張装置
[0057]オーバーザワイヤ・バルーンカテーテル100、ラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル200、またはショートラピッドエクスチェンジ・バルーンカテーテル300Aもしくは300Bの1つなどのバルーンカテーテルは、バルーンカテーテルのバルーンを膨張するように構成された膨張装置を有するシステムにおいて使用され得る。その種の膨張装置は、ピストンポンプ、圧力計、少なくとも40atmの圧力に耐えるように構成された高圧配管、およびバルーンカテーテルの細長い本体の近位端のハブと接続するように構成されたアダプタを備え得る。一部の実施形態では、膨張装置は、アリゾナ州テンペ市のBard Peripheral Vascular, Inc.によるCALIBER(登録商標)Inflation DeviceまたはPRESTO(登録商標)Inflation Deviceである。
【0044】
[0058]依って、いくつかの実施形態で本明細書に示されるのは、ポリマー部分および金属部分を有する細長い本体と、細長い本体のポリマー部分の少なくとも一部の上のバルーンと、細長い本体のポリマー部分と金属部分との間に形成された結合部と、1つまたは複数のスコアリングワイヤとを備えるカテーテルである。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンを越え、細長い本体のポリマー部分の中を通り、結合部の中を通り、細長い本体の金属部分まで延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体のチップ、ならびに、結合部に近接する、細長い本体の金属部分の内面に固定され得る。対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤが固定され得る、細長い本体の金属部分の内面は、細長い本体の金属部分のスパイラルカット部分の内腔面であり得る。
【0045】
[0059]そのような実施形態では、細長い本体の金属部分は、スパイラルカット部分の伸びおよびキンクを防止するために、スプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分を備え得る。そのような実施形態では、細長い本体のポリマー部分の近位端は、結合部の雄型端部コネクタを形成することができ、細長い本体の金属部分の遠位端は、結合部の雌型端部コネクタを形成することができる。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤは、少なくとも1対のスコアリングワイヤであり得、その対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、バルーン上の互いに反対側の側部の一方を通り越すことができる。そのような実施形態では、対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、細長い本体のポリマー部分の互いに反対側の側部の一方にあるスコアリングワイヤポート、ならびに細長い本体のポリマー部分の内腔の少なくとも一部分を通ることができる。そのような実施形態では、対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、結合部の内腔、ならびに細長い本体の金属部分の内腔の少なくとも一部分をさらに通ることができる。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤの少なくとも1つのスコアリングワイヤが、バルーンの作用長をX線撮影で表示するために設定されたX線不透過性のマーカを備え得る。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤは、バルーンが低膨張レベルであっても膨張された状態にあれば、外向きに集中された力をバルーンの全長に沿って提供するように構成され得る。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤおよびバルーンは、バルーンが膨張された状態にあるとき、曲げられた血管系の血管内の病変を修正するのに十分な可撓性をもち得る。そのような実施形態では、カテーテルは、細長い本体の近位端のハブにガイドワイヤポートを有するオーバーザワイヤ・カテーテルとして構成され得る。そのような実施形態では、カテーテルは、バルーンと結合部との間の、細長い本体のポリマー部分にガイドワイヤポートを有するラピッドエクスチェンジ・カテーテルとして構成され得る。そのような実施形態では、カテーテルは、細長い本体のチップにガイドワイヤポートを有するショートラピッドエクスチェンジ・カテーテルとして構成され得る。
【0046】
[0060]やはり、いくつかの実施形態で本明細書に示されるのは、ポリマー部分および金属部分を有する細長い本体と、細長い本体のポリマー部分の少なくとも一部の上のバルーンと、細長い本体のポリマー部分と金属部分とを覆う結合部と、1つまたは複数のスコアリングワイヤとを備えるカテーテルである。細長い本体の金属部分は、細長い本体の伸びおよびキンクを防止するように構成されたスパイラルカット部分を備え得る。結合部は、熱収縮性ポリマースリーブを備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンを越え、ポリマー部分の中を通り、結合部の中を通り、金属部分まで延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、金属部分のスパイラルカット部分から形成され、細長い本体の遠位端のチップに固定され得る。
【0047】
[0061]そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤの各ワイヤは、スパイラルカット部分において長手方向に互いにオフセットされた個々のスパイラルカットから生じる。
【0048】
[0062]やはり、いくつかの実施形態で本明細書に示されるのは、ポリマー部分および金属部分を有する細長い本体と、細長い本体のポリマー部分の少なくとも一部の上のバルーンと、細長い本体のポリマー部分と金属部分との間に形成された結合部と、少なくとも1対のスコアリングワイヤとを備えるカテーテルである。細長い本体の金属部分は、スパイラルカット部分の伸びおよびキンクを防止するために、スプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分を備え得る。結合部は、雄型端部コネクタおよび雌型端部コネクタを備え得、雄型端部コネクタは、細長い本体のポリマー部分の近位端から形成され得、雌型端部コネクタは、細長い本体の金属部分の遠位端から形成され得る。対のスコアリングワイヤの各スコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンの互いに反対側の側部の一方を越え、細長い本体のポリマー部分の互いに反対側の側部の一方にあるスコアリングワイヤポートを通り、細長い本体のポリマー部分の内腔を通り、結合部の内腔を通り、細長い本体の金属部分の内腔内へ延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体のチップ、ならびに、結合部に近接する、細長い本体のスパイラルカット部分の内面に固定され得る。
【0049】
[0063]そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤは、バルーンが低膨張レベルであっても膨張された状態にあれば、外向きに集中された力をバルーンの全長に沿って提供するように構成され得る。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤおよびバルーンは、バルーンが膨張された状態にあるとき、曲げられた血管系の血管内の病変を修正するのに十分な可撓性をもち得る。そのような実施形態では、1つまたは複数のスコアリングワイヤの少なくとも1つのスコアリングワイヤが、バルーンの作用長をX線撮影で表示するために設定されたX線不透過性のマーカを備え得る。そのような実施形態では、カテーテルは、バルーンと結合部との間の、細長い本体のポリマー部分にガイドワイヤポートを有するラピッドエクスチェンジ・カテーテルとして構成され得る。そのような実施形態では、カテーテルは、細長い本体のチップにガイドワイヤポートを有するショートラピッドエクスチェンジ・カテーテルとして構成され得、ガイドワイヤポートを通るガイドワイヤが、対のスコアリングワイヤの1つのスコアリングワイヤになり得る。
【0050】
[0064]また、本明細書でいくつかの実施形態に示されているのは、カテーテルおよび膨張装置を備えるシステムである。カテーテルは、ポリマー部分および金属部分を有する細長い本体と、細長い本体のポリマー部分の少なくとも一部の上のバルーンと、細長い本体のポリマー部分と金属部分との間に形成された結合部と、1つまたは複数のスコアリングワイヤとを備え得る。細長い本体の金属部分は、細長い本体の伸びおよびキンクを防止するスプリング機構として作用するように構成されたスパイラルカット部分を備え得る。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体の遠位端のチップから、バルーンを越え、細長い本体のポリマー部分の中を通り、結合部の中を通り、細長い本体の金属部分まで延在することができる。1つまたは複数のスコアリングワイヤは、細長い本体のチップ、ならびに、結合部に近接する、細長い本体のスパイラルカット部分の内面に固定され得る。膨張装置は、カテーテルのバルーンを膨張するように構成され得る。
【0051】
[0065]そのような実施形態では、膨張装置は、ピストンポンプ、圧力計、少なくとも40atmの圧力に耐えるように構成された高圧配管、およびカテーテルの細長い本体の近位端のハブと接続するように構成されたアダプタを備え得る。
【0052】
[0066]一部の特定な実施形態が本明細書に示され、特定の実施形態がある程度詳細に示されてきたが、特定の実施形態が本明細書に表された概念の範囲を限定することを意図するものではない。付加的な改変および/または変更が、当業者には案出し得、より広範な態様に、それら改変および/または変更も包含される。したがって、本明細書に示された概念の範囲から逸脱することなく、本明細書に示された特定の実施形態から発展が行われ得る。