(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変化特定部は、前回応答文を作成した時点の直前の期間閾値に相当する期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した前記投稿者の状態と、前回応答文を作成した時点以降の期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した前記投稿者の状態との変化を特定する、
請求項1又は2に記載の文章作成装置。
前記感情推定部は、前記選択感情候補語が前記投稿者に選択された時点に対して所定の期間の範囲内において特定した前記第1感情スコアに基づいて、前記投稿者に関連付けて、前記選択感情候補語に対応する前記第2感情スコアを決定し、決定した当該第2感情スコアを前記投稿者及び前記選択感情候補語に関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項11に記載の文章作成装置。
前記感情推定部は、前記選択感情候補語が前記投稿者に選択された時点との時間差に基づいて、複数の時点で投稿された前記複数の投稿文に対応する複数の前記第1感情スコアを加重平均することにより、前記投稿者に関連付けて、前記選択感情候補語に対応する前記第2感情スコアを決定する、
請求項12に記載の文章作成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムは、受信したメッセージに基づいて感情指数を算出し、算出した感情指数に基づいて情報を提供していた。このシステムでは、たとえば、「怒る」という単語に対しては「―3」という感情指数が画一的に付与され、メッセージの含まれる単語と感情指数が一対一に対応しているので、異なる感情状態のユーザに対しても、「怒る」という用語を用いたユーザに対しては「―3」という同一の感情指数が付与されてしまう(特許文献1の表1)。
【0005】
しかし、同一の単語を用いたユーザであっても、ユーザ毎に様々な感情状態がありうる。例えば、通常から怒り状態を示す傾向にあるユーザと、通常はほとんど怒り状態とならない傾向のあるユーザでは、「怒る」という用語を用いた際の感情状態は異なる。このように、同一の感情指数であっても、ユーザによって状態が異なるので、感情指数に対応する同一の情報を全てのユーザに送信してしまうと、送信した情報がユーザに適していない場合があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、投稿文を投稿した投稿者の状態に適した情報を提供することができる文章作成装置、文章作成方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の文章作成装置は、投稿者により投稿された複数の投稿文を取得する投稿文取得部と、前記複数の投稿文から、前記投稿者の状態を示す複数の特徴語を抽出する抽出部と、前記複数の投稿文に含まれる前記複数の特徴語を比較することにより、前記投稿者が投稿した前記複数の投稿文に表れている前記状態の変化を特定する変化特定部と、前記変化特定部が特定した前記変化に対応する内容の応答文を作成する応答文作成部と、を有する。
【0008】
前記応答文作成部は、前記投稿者による前記投稿文の投稿頻度に基づいて前記応答文の内容を決定してもよい。
【0009】
前記投稿文取得部は、複数の前記投稿者それぞれから前記複数の投稿文を取得し、前記応答文作成部は、前記複数の投稿者それぞれに対応する頻度閾値と、前記変化特定部が前記状態の変化を特定する対象となる前記複数の投稿文が投稿された期間における前記投稿頻度とを比較した結果に基づいて、前記複数の投稿者それぞれに対応する前記応答文の内容を決定してもよい。
【0010】
前記応答文作成部は、過去の第1期間内における前記投稿者の前記投稿頻度に基づいて決定した頻度閾値と、前記第1期間よりも短い第2期間内における前記投稿者の前記投稿頻度とを比較した結果に基づいて、前記応答文の内容を決定してもよい。
【0011】
前記変化特定部は、前回応答文を作成した時点の直前の期間閾値に相当する期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した前記投稿者の状態と、前回応答文を作成した時点以降の期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した前記投稿者の状態との変化を特定してもよい。
【0012】
前記変化特定部は、前記投稿者が最初に投稿してから前記期間閾値以上の期間が経過した後に前記変化を特定してもよい。
【0013】
前記投稿文取得部は、複数の前記投稿者それぞれから前記複数の投稿文を取得し、前記変化特定部は、前記複数の投稿者それぞれに対応する前記期間閾値を用いて、前記複数の投稿者それぞれが投稿した前記複数の投稿文における前記変化を特定してもよい。
【0014】
前記変化特定部は、前記投稿者による前記投稿文の投稿頻度に基づいて前記期間閾値を決定してもよい。
【0015】
前記変化特定部は、前記投稿頻度の変化に応じて前記期間閾値を変更してもよい。前記変化特定部は、例えば、前記投稿頻度が低ければ低いほど前記期間閾値を大きくする。
【0016】
前記応答文作成部は、複数の前記状態に対応する複数の前記変化のうち、変化量が最も大きい前記変化に対応する内容の前記応答文を作成してもよい。
【0017】
前記文章作成装置は、前記複数の投稿文に基づいて前記投稿者の感情を推定する感情推定部をさらに有し、前記応答文作成部は、前記変化と、前記感情推定部が推定した感情とに対応する内容の前記応答文を作成してもよい。
【0018】
前記文章作成装置は、前記投稿者が使用する情報端末に表示された複数の感情候補語から前記投稿者が選択した選択感情候補語を取得する感情候補語取得部をさらに有し、前記感情推定部は、前記複数の投稿文に基づいて特定した第1感情スコアと、前記選択感情候補語に基づいて特定した第2感情スコアとを加重平均することにより、前記投稿者の感情を推定してもよい。
【0019】
前記文章作成装置は、前記投稿者に関連付けて前記選択感情候補語に対応する前記第2感情スコアを記憶する記憶部をさらに有し、前記感情推定部は、前記記憶部に記憶された前記第2感情スコアを参照することにより前記第2感情スコアを特定してもよい。
【0020】
前記感情推定部は、前記選択感情候補語が前記投稿者に選択された時点に対して所定の期間の範囲内において特定した前記第1感情スコアに基づいて、前記投稿者に関連付けて、前記選択感情候補語に対応する前記第2感情スコアを決定し、決定した当該第2感情スコアを前記投稿者及び前記選択感情候補語に関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0021】
前記感情推定部は、前記選択感情候補語が前記投稿者に選択された時点との時間差に基づいて、複数の時点で投稿された前記複数の投稿文に対応する複数の前記第1感情スコアを加重平均することにより、前記投稿者に関連付けて、前記選択感情候補語に対応する前記第2感情スコアを決定してもよい。
【0022】
本発明の第2の態様の文章作成方法は、コンピュータが実行する、投稿者により投稿された複数の投稿文を取得するステップと、前記複数の投稿文から、前記投稿者の状態を示す複数の特徴語を抽出するステップと、前記複数の投稿文に含まれる前記複数の特徴語を比較することにより、前記投稿者が投稿した前記複数の投稿文に表れている前記状態の変化を特定するステップと、特定した前記変化に対応する内容の応答文を作成するステップと、を有する。
【0023】
本発明の第3の態様の情報処理システムは、投稿者が使用する情報端末と、前記情報端末に表示させる文章を作成する文章作成装置と、を備え、前記文章作成装置は、前記投稿者により前記情報端末を用いて投稿された複数の投稿文を取得する投稿文取得部と、前記複数の投稿文から、前記投稿者の状態を示す複数の特徴語を抽出する抽出部と、前記複数の投稿文に含まれる前記複数の特徴語を比較することにより、前記投稿者が投稿した前記複数の投稿文に表れている前記状態の変化を特定する変化特定部と、前記変化特定部が特定した前記変化に対応する内容の応答文を作成する応答文作成部と、前記応答文を前記情報端末に送信する通信部と、を有し、前記情報端末は、前記投稿者が入力した前記投稿文を前記文章作成装置に送信する投稿文送信部と、前記投稿文送信部が前記投稿文を送信した後に、前記文章作成装置から前記応答文を受信し、受信した前記応答文を表示部に表示させる応答文受信部と、を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、投稿文を投稿した投稿者の状態に適した情報を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、文章作成装置1と情報端末2とを備える。情報処理システムSは、投稿文を投稿した投稿者Uに対して、投稿者Uの状態に適した応答文を提供するためのシステムである。
【0027】
文章作成装置1は、投稿者Uが投稿した投稿文を取得し、取得した投稿文の分析結果に基づいて応答文を作成するコンピュータである。情報端末2は、投稿者Uが使用する情報端末であり、例えばスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。
図1に示すように、情報端末2は、投稿者Uにより入力された投稿文を、ネットワークNを介して文章作成装置1に送信する。文章作成装置1は、投稿文を受信した後に、ネットワークNを介して応答文を情報端末2に送信する。
【0028】
投稿者Uが投稿する投稿文の内容は任意であるが、例えば日記のように、投稿者Uが行動した内容及び感じたこと等が含まれることが想定されている。文章作成装置1は、所定の期間(例えば1週間又は1ヵ月間)に投稿者Uが投稿した複数の投稿文を分析することにより、投稿者Uの変化を分析し、変化に対応する内容の応答文を作成する。また、文章作成装置1は、投稿者Uの感情を推定し、推定した感情に対応する内容の応答文を作成する。
【0029】
図2は、文章作成装置1が作成する応答文を含むメッセージの一例を示す図である。文章作成装置1は、予め設定された複数の項目に対応する複数の応答文を作成し、作成した複数の応答文を組み合わせることにより、メッセージを作成する。
図2においては、複数の応答文として、「挨拶」、「変化」、「感情」、「感情要因」の4つの項目が例示されている。
【0030】
「挨拶」は、応答文を作成する時期に関連する内容、及び投稿者Uの過去の投稿内容に関連する話題を含む応答文である。「変化」は、投稿者Uが投稿した複数の投稿文から特定される投稿者Uに関連する変化に関連する内容を含む応答文である。文章作成装置1が特定する変化は、例えば、投稿者Uによる投稿の量又は頻度の変化、投稿者Uが滞在している地域の変化、投稿者Uが投稿文を投稿した場所の変化、投稿者Uが投稿文を投稿した時間の変化、又は投稿者Uの行動の変化である。文章作成装置1が投稿者Uの変化を特定して応答文を作成する処理の詳細は後述する。
【0031】
「感情」は、投稿者Uの投稿文に含まれる単語、又は投稿者Uが情報端末2に表示された複数の感情候補語から選択した感情候補語等に基づいて文章作成装置1が推定した、投稿者Uの感情に関連する内容を含む応答文である。感情候補語は、「満足」、「感謝」、「嬉しい」、「楽しい」、「スッキリ」、「ドキドキ」、「安心」、「退屈」、「不安」、「悲しい」、「疲れた」等のように、投稿者Uの状態を表す単語である。
【0032】
文章作成装置1は、投稿者Uが所定の期間内に投稿した複数の投稿文に含まれるポジティブな内容とネガティブな内容に基づいて、投稿者Uの感情を推定してもよい。そして、文章作成装置1は、「感情」に対応する応答文として、例えば、
図2に示すように、投稿者Uが所定の期間内に投稿した複数の投稿文のうち、最もポジティブな内容を含む文と、最もネガティブな内容を含む文とを紹介する内容の応答文を作成する。
【0033】
「感情要因」は、投稿文の内容の傾向に基づいて、文章作成装置1が推定した感情を投稿者Uが抱いた要因を分析した結果を含む応答文である。文章作成装置1は、投稿者Uが滞在した場所、所定の期間内の天気、曜日、時間等の外部要因のうち、何が感情に最も影響しているかを分析し、分析した結果に対応する応答文を作成する。
以下、文章作成装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0034】
[文章作成装置1の構成]
図3は、文章作成装置1の構成を示す図である。文章作成装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、投稿文取得部131と、抽出部132と、変化特定部133と、感情候補語取得部134と、感情推定部135と、応答文作成部136と、を有する。
【0035】
通信部11は、ネットワークNを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信インターフェースである。通信部11は、情報端末2から受信した投稿文を投稿文取得部131に入力する。また、通信部11は、情報端末2から受信した感情候補語を感情候補語取得部134に入力する。また、通信部11は、応答文作成部136が作成した応答文を情報端末2に向けて送信する。
【0036】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、投稿者Uから受信した投稿文を、受信した日時に関連付けて記憶する。
【0037】
また、記憶部12は、文章作成装置1が投稿者Uの感情を特定するために用いる各種のデータを記憶する。記憶部12は、例えば、感情候補語と、感情のポジティブ度又はネガティブ度を示す感情スコアとを関連付けて記憶する。記憶部12は、投稿者Uに関連付けて、感情候補語に対応する感情スコアを記憶してもよい。
【0038】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、投稿文取得部131、抽出部132、変化特定部133、感情候補語取得部134、感情推定部135及び応答文作成部136として機能する。詳細については後述するが、応答文作成部136は、変化特定部133から通知された投稿者Uの変化に基づいて、「変化」に関連する応答文を作成し、感情推定部135から通知された投稿者Uの感情に基づいて、「感情」に関連する応答文を作成する。
【0039】
投稿文取得部131は、通信部11を介して、投稿者Uにより投稿された複数の投稿文を取得する。投稿文取得部131は、投稿文が投稿された日時に関連付けて、投稿文を記憶部12に記憶させる。投稿文取得部131は、複数の投稿者Uそれぞれから複数の投稿文を取得してもよい。その場合、投稿文取得部131は、複数の投稿者Uを識別するための投稿者識別情報に関連付けて、それぞれの投稿者Uが投稿した投稿文を記憶部12に記憶させる。投稿文取得部131は、投稿文を取得したことを抽出部132に通知してもよい。
【0040】
抽出部132は、投稿文取得部131が取得した複数の投稿文から、投稿者Uの状態を示す複数の特徴語を抽出する。抽出部132は、例えば、投稿文を取得したという通知を投稿文取得部131から取得すると、記憶部12に記憶された投稿文を読み出す。抽出部132は、予め投稿者U又は文章作成装置1の管理者により設定されたタイミングで、記憶部12に記憶された複数の投稿文を読み出してもよい。文章作成装置1が毎週日曜日に応答文を情報端末2に送信するように設定されている場合、抽出部132は、日曜日に、先週の日曜日に投稿文を読み出した後に情報端末2が投稿した投稿文を読み出す。
【0041】
抽出部132は、例えば形態素解析をすることにより投稿文に含まれる複数の単語を特定し、特定した単語のうち、投稿者Uの状態を示す単語を特徴語として抽出する。特徴語は、例えば、投稿者Uが滞在している地域、投稿者Uが投稿した場所、投稿者Uの行動又は投稿者Uの感情等の複数のカテゴリーに関連する単語である。カテゴリーは、投稿者Uの状態を特定する際に用いられる項目に対応する。
【0042】
「地域」というカテゴリーに関連する単語は、市区町村名を示す単語である。「場所」というカテゴリーに関連する単語は、建物名、施設名、施設のジャンル等を示す単語である。「行動」というカテゴリーに関連する単語は、「仕事」、「野球」、「食事」、「旅行」のように、投稿者Uの行動内容を示す単語である。「感情」というカテゴリーに関連する単語は、「楽しい」、「悲しい」、「忙しい」のように、投稿者Uが感じていることを示す単語である。
【0043】
抽出部132は、抽出した複数の特徴語を変化特定部133に通知する。抽出部132は、特徴語が含まれていた投稿文が投稿された日時に関連付けて、特徴語を記憶部12に記憶させてもよい。
【0044】
(投稿者Uの状態の変化の特定)
変化特定部133は、投稿者Uが投稿した複数の投稿文に基づいて、投稿者Uの状態の変化を特定する。一例として、変化特定部133は、複数の投稿文に含まれる複数の特徴語を比較することにより、投稿者Uが投稿した複数の投稿文に表れている状態の変化を特定する。変化特定部133は、投稿者Uが投稿文を投稿した時間の変化を特定してもよい。変化特定部133は、特定した変化を感情候補語取得部134に通知する。
【0045】
変化特定部133は、特徴語に基づいて投稿者Uの状態の変化を特定する場合、投稿文に含まれる同じカテゴリーに属する特徴語が、複数の投稿文において変化しているか否かを特定する。変化特定部133は、文章作成装置1が前回応答文を作成する際に使用した投稿文における特徴語と、今回応答文を作成する際に使用する投稿文における特徴語とが異なっている場合に、投稿者Uの状態が変化したと特定する。
【0046】
例えば、前回応答文を作成する際に使用した投稿文が投稿されたある期間(例えば現時点の2週間前から1週間前の間)に投稿された投稿文において、変化特定部133が、地域を示す特徴語として「東京」という単語を特定し、感情を示す特徴語として「忙しい」という単語を特定したとする。そして、今回応答文を作成する際に使用する投稿文が投稿された期間(例えば現時点の1週間前から現時点までの間)に投稿された投稿文において、変化特定部133が、地域を示す特徴語として「大阪」という単語を特定し、感情を示す特徴語として「楽しい」という単語を特定したとする。この場合、変化特定部133は、投稿者Uが滞在している地域が東京から大阪に変化したこと、及び投稿者Uが2週間前よりも楽しいと感じているということを特定する。変化特定部133は、特定した状態の変化を応答文作成部136に通知する。
【0047】
変化特定部133が投稿者Uの状態の変化を特定する際に、状態のカテゴリーごとに、状態の変化が投稿文に表れる度合いが異なり得る。そこで、変化特定部133が投稿者Uの状態の変化を特定する対象となる期間は、状態のカテゴリーごとに異なっていてもよい。変化特定部133は、例えば、前回応答文を作成した時点の直前の期間閾値に相当する期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した投稿者Uの状態と、前回応答文を作成した時点以降の期間に投稿された一以上の投稿文に基づいて特定した投稿者Uの状態との変化を特定する。変化特定部133は、状態のカテゴリーに関連付けられた期間閾値以上の期間だけ離れた複数の日時に投稿された複数の投稿文における変化を特定してもよい。
【0048】
「地域」というカテゴリーに関しては、投稿者Uの状態が変化したと変化特定部133が判定するには、比較的長い期間にわたって特徴語を比較することが望ましく、期間閾値が4週間に設定されている。一方、投稿文が投稿された「時間」というカテゴリーに関しては、「地域」の変化を特定するよりも短い期間で十分であると考えられ、「地域」というカテゴリーに対応する期間閾値よりも短い2週間に期間閾値が設定されている。
【0049】
このような場合、変化特定部133は、直近の4週間に投稿されていた投稿文から特定されていた地域から、最新の1週間に投稿された投稿文から特定された地域が変化した場合に、投稿者Uが滞在している地域が変化したと特定する。また、変化特定部133は、直近の2週間において投稿文が投稿されていた時間から、最新の1週間に投稿文が投稿された時間が変化した場合に、投稿者Uが投稿文を投稿する時間の傾向が変化したと特定する。
【0050】
なお、投稿者Uが、情報処理システムSを利用して投稿文を登録するための登録をしてから短時間しか経過していない場合、投稿者Uの変化を特定するために使用可能な投稿文の数が不十分だと考えられる。そこで、変化特定部133は、投稿者Uが最初に投稿してから期間閾値以上の期間が経過した後に変化を特定してもよい。すなわち、変化特定部133は、投稿者Uが最初に投稿してから期間閾値以上の期間が経過していることを条件に、複数の投稿文に表れている投稿者Uの状態の変化を特定してもよい。
【0051】
ところで、投稿者Uごとに、応答文において示される内容の好みが異なり、文章作成装置1が投稿者Uの状態を適切に特定していない内容になっていることに不満を抱く投稿者Uもいれば、自身の変化に対する応答が遅いということに不満を抱く投稿者Uもいる。そこで、変化特定部133は、複数の投稿者Uそれぞれに対応する期間閾値を用いて、複数の投稿者Uそれぞれが投稿した複数の投稿文における変化を特定してもよい。
【0052】
記憶部12は、例えば、予め投稿者U又は文章作成装置1の管理者により設定された投稿者Uに対応する期間閾値を記憶しており、変化特定部133は、記憶部12に記憶された投稿者Uに対応する期間閾値を読み出して、読み出した期間閾値を用いる。変化特定部133がこのように投稿者Uに対応する期間閾値を用いることで、投稿者Uの好みに合った応答文が情報端末2に送信される蓋然性が高まる。
【0053】
また、投稿者Uごとに投稿文を投稿する頻度(以下、「投稿頻度」という場合がある)が異なる。投稿頻度は、所定の期間内の投稿数によって表されてもよく、所定の期間における投稿間隔の逆数により表されてもよい。
【0054】
変化特定部133が、投稿頻度が低い投稿者Uの状態の変化を特定するには、投稿頻度が高い投稿者Uの状態の変化を特定する場合に比べて、より長い期間だけ異なる日時に投稿された複数の投稿文を比較する必要があると考えられる。一方、投稿者Uの投稿頻度が高いにもかかわらず、投稿者Uの状態を判定するために必要以上に時間をかけ過ぎると、投稿者Uが応答文の内容に違和感を持ってしまうという可能性がある。
【0055】
そこで、変化特定部133は、投稿者Uによる投稿文の投稿頻度に基づいて期間閾値を決定してもよい。変化特定部133は、例えば、投稿頻度が低ければ低いほど期間閾値を大きくする。すなわち、変化特定部133は、投稿頻度が低い投稿者Uに対応する期間閾値を、投稿頻度が高い投稿者Uに対応する期間閾値よりも大きくする。変化特定部133がこのように動作することで、投稿頻度が異なるそれぞれの投稿者Uに対して適切なタイミングで状態の変化を特定することができる。
【0056】
投稿者Uの投稿頻度は、一定ではなく変化する場合がある。そこで、投稿者Uの投稿頻度が変化した場合であっても、投稿者Uに適したタイミングで状態の変化を特定できるように、変化特定部133は、投稿頻度の変化に応じて期間閾値を変更してもよい。変化特定部133は、例えば投稿者Uに対応する期間閾値よりも短い複数の期間それぞれにおける投稿数を計数し、ある期間における投稿数と、当該期間の後の期間における投稿数との差が所定数以上である場合に、投稿頻度が変化したと判定して期間閾値を変更する。変化特定部133は、投稿頻度が低くなった場合に期間閾値を大きくし、投稿頻度が高くなった場合に期間閾値を小さくする。
【0057】
(投稿者Uの感情の推定)
文章作成装置1においては、感情候補語取得部134及び感情推定部135が連動することにより、投稿者Uの感情を推定する。感情候補語取得部134は、投稿者Uの感情を示す感情候補語を取得する。感情候補語は、上述したように、「満足」、「感謝」、「嬉しい」、「楽しい」、「スッキリ」、「ドキドキ」、「安心」、「退屈」、「不安」、「悲しい」、「疲れた」等のように、投稿者Uの状態を表す単語であり、感情候補語取得部134は、投稿者Uの操作に応じて、これらの感情候補語を情報端末2に表示させる。感情候補語取得部134は、投稿者Uが使用する情報端末2に表示された複数の感情候補語から投稿者Uが選択した選択感情候補語を取得する。感情候補語取得部134は、取得した選択感情候補語を感情推定部135に通知する。
【0058】
感情候補語取得部134は、投稿者Uが選択した感情候補語を情報端末2から取得するとともに、感情候補語に関連付けられた色であって、投稿者Uが選択した色を示す情報を取得してもよい。感情候補語取得部134は、投稿者Uが選択した色を示す選択色情報を感情推定部135に通知する。
【0059】
感情推定部135は、複数の投稿文に基づいて投稿者Uの感情を推定する。感情推定部135は、例えば、抽出部132が投稿文から抽出した、感情を示す特徴語に基づいて投稿者Uの感情を推定する。一例として、記憶部12には、特徴語ごとにポジティブなレベル又はネガティブなレベルの少なくともいずれかを示すスコアが記憶されており、投稿文に含まれている一以上の特徴語に対応するスコアを演算処理することにより、投稿文に基づいて特定される感情に対応する第1感情スコアを特定する。
【0060】
一例として、「とても楽しい」という特徴語に+1点のスコアが付されており、「少し悲しい」という特徴語に−0.5点のスコアが付されているとする。変化特定部133が、所定の期間内に投稿文取得部131が取得した投稿文に「とても楽しい」という特徴語と「少し悲しい」という特徴語が1回ずつ使用されていた場合、感情候補語取得部134は、+1点と−0.5点を加算することにより、第1感情スコアを+0.5点と算出する。
【0061】
また、感情推定部135は、感情候補語取得部134から通知された選択感情候補語に関連付けて記憶部12に記憶された感情スコアを参照することにより第2感情スコアを特定する。感情推定部135は、複数の投稿文に基づいて特定した第1感情スコアと、選択感情候補語に基づいて特定した第2感情スコアとを加重平均することにより、投稿者Uの感情を推定する。感情推定部135は、感情候補語取得部134から通知された選択色情報に対応する第3感情スコアをさらに特定し、第1感情スコアと、第2感情スコアと、第3感情スコアとを加重平均することにより投稿者Uの感情を推定してもよい。
【0062】
第1感情スコアをS
1、第2感情スコアをS
2、第3感情スコアをS
3とする場合、感情推定部135は、例えば、感情スコア=aS
1+bS
2+cS
3により投稿者Uの感情スコアを算出する。上記の式においてa、b、cはそれぞれの感情スコアの重み係数である。
【0063】
感情推定部135は、予め文章作成装置1の管理者により設定された重み係数を使用してもよいが、投稿者Uの状態によって重み係数を決定してもよい。感情推定部135は、例えば所定の期間における投稿者Uの投稿数が多ければ多いほど、第1感情スコアS1に対応する重み係数aを他の重み係数よりも大きくすることで、投稿文の内容が感情スコアに影響しやすくする。このように、感情推定部135ができるだけ投稿文を活用することで、投稿者Uの潜在的な感情を推定しやすくなる。
【0064】
(投稿者Uの感情スコアのカスタマイズ)
ところで、複数の投稿者Uが同じ感情を持っているとしても、その時点で選択する感情候補語は投稿者Uによって異なるということが考えられる。例えば、ある投稿者Uは、普通の感情状態であっても「楽しい」を選ぶのに対して、他の投稿者Uは、普通の感情状態では「楽しい」を選択せず、非常に楽しいと感じたときにのみ「楽しい」を選ぶということがある。そこで、投稿者Uごとに、感情候補語と第2感情スコアとの関係を決定することが望ましい。
【0065】
投稿者Uごとに感情候補語に対応する感情スコアを決定するために、感情推定部135は、選択感情候補語が投稿者Uに選択された時点に対して所定の期間の範囲内において特定した第1感情スコアに基づいて、投稿者Uに関連付けて、選択感情候補語に対応する第2感情スコアを決定してもよい。感情推定部135は、例えば、感情候補語取得部134が情報端末2から選択感情候補語を取得した日と同じ日に投稿者Uにより投稿された投稿文に基づいて第1感情スコアを算出し、算出した第1感情スコアを、当該選択感情候補語に対応する第2感情スコアに決定する。感情推定部135は、決定した当該第2感情スコアを投稿者U及び選択感情候補語に関連付けて記憶部12に記憶させる。感情推定部135がこのように動作することで、感情候補語に関連付けて記憶部12に記憶される第2感情スコアが、投稿者Uが感情候補語を選択したときの投稿者Uの感情に対応したものになる。
【0066】
投稿者Uが選択感情候補語を選択したときの感情は、その時点に近い時点で投稿された文に表れやすいと考えられる。そこで、感情推定部135は、選択感情候補語が投稿者Uに選択された時点との時間差に基づいて、複数の時点で投稿された複数の投稿文に対応する複数の第1感情スコアを加重平均することにより、投稿者Uに関連付けて、選択感情候補語に対応する第2感情スコアを決定してもよい。
【0067】
感情推定部135は、例えば、選択感情候補語が投稿者Uに選択された時点に近い時点で投稿された投稿文に表れている感情に対応する第1感情スコアの重みを、選択感情候補語が投稿者Uに選択された時点から遠い時点で投稿された投稿文に表れている感情に対応する第1感情スコアの重みよりも大きくする。具体的には、感情推定部135は、選択感情候補語が投稿者Uにより選択された時点の前後の1時間以内に投稿された文に基づく第1感情スコアに対する重みを、選択感情候補語が投稿者Uにより選択された時点から1時間より前、又は1時間より後に投稿された文に基づく第1感情スコアに対する重みよりも大きくして、複数の第1感情スコアを加重平均する。
【0068】
そして、感情推定部135は、選択感情候補語が投稿者Uにより選択された時点に対して所定の時間以上の差がある時点で投稿された文に基づく第1感情スコアを用いない。所定の時間は、例えば、投稿者Uが抱いた感情が変化するのに要する時間であり、例えば1日である。感情推定部135がこのように選択感情候補語が選択された時点からの時間差に基づいて、第1感情スコアを加重平均することにより、投稿者Uごとに、感情候補語に対応する第2感情スコアを高い精度で決定することができる。
【0069】
(応答文の作成)
応答文作成部136は、投稿者Uの投稿に対する応答文を作成する。応答文作成部136は、例えば
図2に示したように、複数の項目に対応する応答文を作成する。応答文作成部136は、一例として、変化特定部133が特定した変化に対応する内容の応答文を作成する。また、応答文作成部136は、変化特定部133が特定した変化と、感情推定部が推定した感情とに対応する内容の応答文を作成してもよい。
【0070】
応答文作成部136は、複数の状態に対応する複数の変化のうち、変化量が最も大きい変化に対応する内容の応答文を作成してもよい。応答文作成部136が、このように投稿者Uの変化に対応する応答文を作成することで、応答文を読んだ投稿者Uが、自分では変化があったことを意識していなかったとしても、自身の状態又は感情の変化に気付くことが可能になる。
【0071】
応答文作成部136は、投稿者Uによる投稿文の投稿頻度に基づいて応答文の内容を決定してもよい。応答文作成部136は、例えば投稿頻度が所定の頻度閾値未満である場合、変化特定部133が投稿文に基づいて投稿者Uの変化を特定したり、感情推定部135が投稿文に基づいて投稿者Uの感情を特定したりすることが難しい。そこで、応答文作成部136は、投稿頻度が所定の頻度閾値未満である場合、所定の期間における投稿数を示す応答文を作成する。一方、応答文作成部136は、投稿頻度が所定の閾値以上である場合、変化特定部133が特定した変化又は感情推定部135が推定した投稿者Uの感情の少なくともいずれかに対応する応答文を作成する。
【0072】
頻度閾値は、投稿者Uごとに定められていてもよい。そして、応答文作成部136は、複数の投稿者Uそれぞれに対応する頻度閾値と、変化特定部133が状態の変化を特定する対象となる複数の投稿文が投稿された期間における投稿頻度とを比較した結果に基づいて、複数の投稿者Uそれぞれに対応する応答文の内容を決定してもよい。応答文作成部136は、例えば、頻度閾値に比べて、変化特定部133が状態の変化を特定する対象となる複数の投稿文が投稿された期間における投稿頻度が高い場合、投稿頻度が増えたことを評価する内容の応答文を作成する。応答文作成部136は、頻度閾値に比べて、変化特定部133が状態の変化を特定する対象となる複数の投稿文が投稿された期間における投稿頻度が低い場合、投稿頻度を高めることを推奨する内容の応答文を作成する。
【0073】
応答文作成部136は、応答文の内容を決定するために使用する複数の投稿文の投稿期間(例えば1週間)に対して十分に長い第1期間(例えば3ヵ月)における投稿者Uによる投稿頻度に基づいて、投稿者Uに対応する頻度閾値を決定する。応答文作成部136は、過去の第1期間内における投稿者Uの投稿頻度に基づいて決定した頻度閾値と、第1期間よりも短い第2期間(例えば1週間)内における投稿者Uの投稿頻度とを比較した結果に基づいて、応答文の内容を決定する。応答文作成部136がこのように動作することにより、第2期間内の投稿者Uの投稿頻度が通常の投稿者Uの投稿頻度から変化しているか否かを検出し、変化の有無に応じて投稿者Uに役立つ内容の応答文を作成することができる。
【0074】
応答文作成部136が頻度閾値を決定する方法は任意であるが、例えば、以下の方法により頻度閾値を決定する。応答文作成部136は、直近の第1期間(例えば3ヵ月)における投稿頻度がガウス分布、ラプラス分布又は一様分布等のいずれかの確率分布fに従うものと仮定し、確率分布fの累積分布Fが一定の割合を超えるときの投稿頻度を頻度閾値に決定する。投稿頻度の確率分布は時間の経過とともに変化するので、応答文作成部136は、時間の経過に伴って頻度閾値を更新する。
【0075】
[情報端末2の構成]
図4は、情報端末2の構成を示す図である。情報端末2は、通信部21と、表示部22と、操作部23と、記憶部24と、制御部25と、を有する。制御部25は、投稿文送信部251と、応答文受信部252と、を有する。
【0076】
通信部21は、ネットワークNを介して文章作成装置1との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。通信部21は、例えば無線通信コントローラを有しており、投稿文送信部251から入力された投稿文を文章作成装置1に送信し、文章作成装置1から応答文を受信する。通信部21は、受信した応答文を応答文受信部252に入力する。
【0077】
表示部22は、文章作成装置1から受信した応答文を表示するディスプレイである。操作部23は、投稿者Uの操作を受け付ける操作デバイスであり、例えば表示部22に重ねて設けられたタッチパネルである。操作部23は、投稿者Uの操作内容を投稿文送信部251に通知する。
【0078】
記憶部24は、ROM及びRAMを含んでおり、制御部25が実行するプログラムを記憶する。
制御部25は、例えばCPUを含んでおり、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、投稿文送信部251及び応答文受信部252として機能する。
【0079】
投稿文送信部251は、投稿者Uが操作部23において入力した投稿文を、通信部21を介して文章作成装置1に送信する。応答文受信部252は、投稿文送信部251が投稿文を送信した後に、文章作成装置1から応答文を受信し、受信した応答文を表示部22に表示させる。
【0080】
[応答文作成のフローチャート]
図5は、文章作成装置1が応答文を作成する処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
図5に示すフローチャートは、投稿者Uが投稿文を投稿した時点から開始している。
【0081】
投稿文取得部131が投稿文を取得すると(S11)、投稿文取得部131は、投稿文を取得した日時に関連付けて投稿文を記憶部12に記憶させる(S12)。応答文作成部136は、投稿文取得部131が応答文を取得すると、応答文を作成するタイミングになったか否かを判定する(S13)。応答文作成部136は、例えば、所定の期間(例えば1週間)ごとに作成する応答文を作成してから所定の期間が経過したか否かを判定する。
【0082】
応答文作成部136は、応答文を作成するタイミングであると判定すると(S13においてYES)、前回応答文を作成してからの所定の期間内の投稿頻度が頻度閾値以上であるか否かを判定する(S14)。応答文作成部136は、投稿頻度が頻度閾値以上であると判定した場合(S14においてYES)、投稿者Uが登録されてから期間閾値が示す期間が経過しているか否かを判定する(S15)。応答文作成部136は、投稿者Uが登録されてから期間閾値以上の期間が経過していると判定した場合(S15においてYES)、変化特定部133が、変化の有無を判定する期間内に投稿者Uに変化があったか否かを判定する(S16)。
【0083】
応答文作成部136は、投稿者Uに所定の項目(例えば、地域、投稿場所、投稿時間、又は行動)の変化があったことを変化特定部133が検出した場合(S16においてYES)、変化の内容を分析した結果を含む応答文を作成する(S17)。応答文作成部136は、S14、S15、S16においてNOと判定された場合には、投稿数を提示する応答文を作成する(S18)。
【0084】
続いて、応答文作成部136は、感情推定部135が推定した投稿者Uの感情に基づいて、感情を分析した結果を含む応答文を作成する(S19)。また、応答文作成部136は、投稿者Uがそのような感情を抱いた要因を分析した結果を含む応答文を作成する(S20)。応答文作成部136は、これらの応答文を
図2のような態様で結合し、通信部11を介して情報端末2に送信する(S21)。
【0085】
[感情の推定のフローチャート]
図6は、応答文作成部136が感情を分析した結果を含む応答文を作成する処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、
図5に示したS19の処理の内容に対応する。
【0086】
まず、感情推定部135は、投稿文取得部131が取得した投稿文から抽出部132が抽出した、投稿者Uの状態を示す単語を特徴語に基づいて、第1感情スコアを算出する(S191)。続いて、感情候補語取得部134が選択感情候補語を取得すると(S192)、感情推定部135は、選択感情候補語に関連付けて記憶部12に記憶された感情スコアのデータを読み出すことにより(S193)、選択感情候補語に対応する第2感情スコアを算出する(S194)。
【0087】
感情推定部135は、第1感情スコアと第2感情スコアを加重平均することにより、投稿者Uの感情を示す感情スコアを算出し(S195)、算出した感情スコアを応答文作成部136に通知する。応答文作成部136は、通知された感情スコアに基づいて、感情分析文を作成する(S196)。応答文作成部136は、投稿者Uがポジティブな感情を抱いていることを感情スコアが示している場合、ポジティブな感情に関連付けて予め記憶部12に記憶された応答文のテンプレートに基づいて感情分析文を作成する。応答文作成部136は、投稿者Uがネガティブな感情を抱いていることを感情スコアが示している場合、ネガティブな感情に関連付けて予め記憶部12に記憶された応答文のテンプレートに基づいて感情分析文を作成する。
【0088】
また、感情推定部135は、記憶部12に記憶された複数の感情候補語のうち、選択感情候補語に対応する感情スコアを、S195で特定した感情スコアに基づいて更新する(S197)。S197の処理は、S196の処理の前に実行されてもよい。
【0089】
[文章作成装置1による効果]
以上説明したように、文章作成装置1は、複数の投稿文に含まれる複数の特徴語を比較することにより、投稿者Uが投稿した複数の投稿文に表れている投稿者Uの状態の変化を特定する変化特定部133と、変化特定部133が特定した変化に対応する内容の応答文を作成する応答文作成部136と、を有する。文章作成装置1がこのように構成されていることで、文章作成装置1は、投稿文を投稿した投稿者の状態に適した情報を提供することができる。
【0090】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【解決手段】文章作成装置1は、投稿者により投稿された複数の投稿文を取得する投稿文取得部131と、複数の投稿文から、投稿者の状態を示す複数の特徴語を抽出する抽出部132と、複数の投稿文に含まれる複数の特徴語を比較することにより、投稿者が投稿した複数の投稿文に表れている状態の変化を特定する変化特定部133と、変化特定部が特定した変化に対応する内容の応答文を作成する応答文作成部136と、を有する。