特許第6978718号(P6978718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978718
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】レーザ駆動光源
(51)【国際特許分類】
   H01J 65/04 20060101AFI20211125BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H01J65/04 Z
   G03F7/20 501
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-196261(P2016-196261)
(22)【出願日】2016年10月4日
(65)【公開番号】特開2018-60640(P2018-60640A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106862
【弁理士】
【氏名又は名称】五十畑 勉男
(72)【発明者】
【氏名】野▲崎▼ 新一郎
(72)【発明者】
【氏名】住友 卓
(72)【発明者】
【氏名】横田 利夫
(72)【発明者】
【氏名】安田 幸夫
【審査官】 山本 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−035039(JP,A)
【文献】 特開2011−023712(JP,A)
【文献】 特開平07−085990(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/175760(WO,A1)
【文献】 特開2008−283107(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0311058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 65/00−65/08
G03F 7/20
H01L 21/027
H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ源と、該レーザ源からのレーザ光を集光する集光手段と、集光されたレーザ光が入射されてプラズマを生成するプラズマ容器とを有し、該プラズマ容器内に生じるプラズマからの励起光を凹面反射面から出射するレーザ駆動光源装置であって、
前記プラズマ容器が、本体と、該本体の後方開口に設けられた入射窓と、前記本体の前方開口に設けられた出射窓とからなり、前記凹面反射面は、前記本体の内面に一体として形成されるとともに、前記本体と前記入射窓と前記出射窓によって密閉空間が形成されているものであり、
前記本体の中心には光軸方向に貫通するレーザ光通過孔が設けられ、該レーザ光通過孔の入射側にはテーパー部が形成されており、
前記凹面反射面の焦点が、前記レーザ光の集光点に対し、前記凹面反射面の光軸上において、前記レーザ源側に離隔して位置していることを特徴とするレーザ駆動光源。
【請求項2】
レーザ源と、該レーザ源からのレーザ光を集光する集光手段と、集光されたレーザ光が入射されてプラズマを生成するプラズマ容器とを有し、該プラズマ容器内に生じるプラズマからの励起光を凹面反射面から出射するレーザ駆動光源装置であって、
前記レーザ光の出力に応じて、前記凹面反射面の焦点が、前記レーザ光の集光点に対し、前記凹面反射面の光軸上において、前記レーザ源側に離隔して位置するように制御することを特徴とするレーザ駆動光源。
【請求項3】
前記凹面反射面から出射される光の強度に応じた信号を出力する光検出部を有し、前記レーザ光の集光位置と前記凹面反射面の焦点位置とを相対的に移動させて前記信号が最大になるように制御する制御部を有することを特徴とする請求項に記載のレーザ駆動光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザ駆動光源に関するものであり、特に、プラズマ容器に生成したプラズマからの放射光を凹面反射面から出射するレーザ駆動光源に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体、液晶基板およびカラーフィルタ等の被処理物の製造工程においては、より出力の大きな紫外線光源が求められている。そしてこのような紫外線光源として、従来の高圧放電ランプに代えて、レーザにより放電空間にエネルギーを投入し、発光ガスを励起して紫外線放射を得る技術が提案されている。特表2009−532829号公報(特許文献1)がそれである。
【0003】
特許文献1には、図8に示すように、希ガス、水銀等のイオン性媒体が封入されたチャンバ(管球)51と、該チャンバ51内のイオン性媒体をイオン化するための点火源である一対の電極62、63と、連続またはパルス状のレーザエネルギーを照射するレーザ源54とを備えるレーザ駆動光源50が開示されている。
レーザ源54から出射されたレーザ光55は、光ファイバ、光学レンズ等を介して、チャンバ51の内のプラズマが存在する領域に集光される。
このレーザ駆動光源50は、アノード62およびカソード63からなる点火源によってチャンバ51内で予備放電を発生させてイオン性媒体をイオン化し、次いで、イオン化された媒体にレーザエネルギーを供給して高輝度光61を発生するプラズマ60を維持または生成するものである。
しかして、この光源では、プラズマの温度が放射および他のプロセスによってバランスされるまで上昇し、10000K〜20000Kという極めて高温になり、高温プラズマから放射される短波長の紫外線エネルギーが増加するものである。
【0004】
ところで、このようなレーザ駆動光源では、その用途に応じて発生する高輝度光の出力を調整するために、レーザ光55の出力を調整する必要がある。レーザ光の出力の調整は、レーザ源54への入力電力(W)を適宜調整することで行われる。
ところが、このようにレーザ源54への入力電力(W)を調整すると、チャンバ51内に生成されるプラズマ60の大きさが変動することが判明した。以下説明する。
【0005】
まず、レーザ光を集光することについて考察する。
図5に示すように、入射するレーザ光のパワーをQ(仕事率の単位、例えばW)、レーザ光の断面積をA(面積の単位、例えばmm)として、レーザパワー密度(例えばW/mm)ρ=Q/Aとすると、レーザ光の断面積は集光点Cに向かって小さくなっていくため、レーザパワー密度は徐々に増加し、集光点において最大となる。集光点から離れるにつれて、レーザ光の断面積Aが大きくなるため、レーザパワー密度集光点は低下する。
【0006】
次に、発光ガスにレーザ光を集光させ、プラズマを生成させることを考える。
レーザ光によるプラズマPは、レーザパワー密度がある値ρth以上で発生し、ρth以下では消滅する。つまり、しきい値ρth(W/mm)が存在する。
図6に概念的に示すように、レーザ光は集光点Cに向かうに従って断面積Aが小さくなっていくため、レーザパワー密度ρは増加し、ある位置でしきい値ρthに到達する。
さらにレーザ光が進行した位置では、レーザ光のエネルギーがプラズマ内で吸収されながら伝搬する。このため、入射するレーザ光のパワーQが減少し、レーザパワー密度も低下する。レーザパワー密度が、ρth以下になると、プラズマは消滅する。
プラズマの消滅する位置(プラズマ終端)は、多くの場合、ほぼレーザ光の集光点Cの位置となる。集光点Cを越えるとレーザ光の断面積Aが増加に転じ、レーザパワー密度は減少する一方となる。
【0007】
図7に示すように、入射するレーザ光のパワーが小さい場合(A)、しきい値ρthを超える位置はレーザの集光点Cの位置に極めて近く、プラズマPも小さい。
そのため、プラズマ発光の中心位置(X)は、実用上はほとんど集光点Cに一致するといって差し支えない。
一方、レーザ光のパワーが大きい場合(B)、レーザパワー密度がしきい値ρthを超える位置は、レーザ光のパワーが弱い場合に比べて、レーザ光源側(レーザ光の進行方向で上流側)に位置することになる。
そのため、プラズマPはレーザ光源側に大きく伸びて大きくなる。この時、集光点Cの位置は変わらないため、プラズマ発光の中心位置(X)は、レーザ光源側に移動することになる。
【0008】
プラズマからの励起光を反射鏡によって出射するレーザ駆動光源においては、多くの場合、レーザ光の集光点の位置と反射鏡の焦点の位置は一致させてあるため、レーザ光の出力(パワー)を変更すると、プラズマの大きさが変動し、プラズマ発光の中心位置が反射鏡の焦点からずれてしまい、反射鏡からの出射光が減少して所定の光量が得られなくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2009−532829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、レーザ源と、該レーザ源からのレーザ光を集光する集光手段と、集光されたレーザ光が入射されてプラズマを生成するプラズマ容器とを有し、該プラズマ容器内に生じるプラズマからの励起光を凹面反射面から出射するレーザ駆動光源において、レーザ源からのレーザ出力が変動した場合にあっても、凹面反射面からの出射光に所定の光量が得られるようにした構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明に係わるレーザ駆動光源は、前記凹面反射面の焦点が、前記レーザ光の集光点に対し、前記凹面反射面の光軸上において、前記レーザ源側に離隔して位置していることを特徴とする。
また、前記プラズマ容器が、凹面反射面を有する本体と、該本体の後方開口に設けられた入射窓と、前記本体の前方開口に設けられた出射窓とからなり、前記本体と前記入射窓と前記出射窓によって密閉空間が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記プラズマ容器は、管球形状であり、該プラズマ容器を取り囲む凹面反射鏡が設けられていることを特徴とする。
また、前記レーザ光の出力に応じて、前記凹面反射面の焦点が、前記レーザ光の集光点に対し、前記凹面反射面の光軸上において、前記レーザ源側に離隔して位置するように制御することを特徴とする。
また、前記凹面反射面からの出射光の強度に応じた信号を出力する光検出部を有し、前記凹面反射面の焦点と前記レーザ光の集光点とを相対的に移動させて前記信号が最大になるように制御する制御部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レーザ源からのレーザ光の出力に応じて、凹面反射面の焦点位置を前記レーザ光の集光点から、前記凹面反射面の光軸上で前記レーザ源側に離隔して位置しているので、前記凹面反射面からの出射光に所定の光量が得られるという効果を奏する。
また、凹面反射面からの出射光の強度に応じて、前記凹面反射面の焦点と前記レーザ光の集光点とを相対的に移動させて、出射光の強度が最大となるように制御するので、レーザ光の出力が変動した場合にあっても、常に適正な出射光強度が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施例の断面図(A)、その要部拡大図(B)。
図2】第2の実施例の断面図。
図3】第3の実施例の断面図。
図4】制御部を備えたレーザ駆動光源。
図5】集光レーザ光のパワー密度の説明図。
図6】レーザ光パワー密度とプラズマ生成の説明図。
図7】レーザ光の出力変動によるプラズマの挙動説明図。
図8】従来のレーザ駆動光源の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に本発明のレーザ駆動光源1が示されていて、レーザ駆動光源1は、プラズマ容器2と、レーザ源3と、集光光学系(集光レンズ)4とからなる。レーザ源3からのレーザ光Lは、集光レンズ4により集光されてプラズマ容器2内に入射する。
プラズマ容器2は、円柱形状の本体5を有しており、その内面に凹面反射面6が形成されている。この凹面反射面6は、出射光を集光光とするか、平行光とするかに応じて、楕円形状、放物面形状等適宜に選択される。また、この凹面反射面6は、本体5の凹面部にアルミニウムなどが蒸着された金属蒸着膜や、あるいは、誘電体多層膜によって形成されている。
本体5には後方開口5aと前方開口5bが形成されていて、後方開口5aに対応して入射窓7が設けられ、前方開口5bに対応して出射窓8が設けられている。なお、ここで、後方とは、レーザ光Lの進行方向で手前側(上流側あるいはレーザ源側)をいい、前方とは、レーザ光Lの進行方向で先方側(下流側あるいは反レーザ源側)をいう。
【0016】
そして、本体5の後方開口5aに対応した入射窓7、および、前方開口5bに対応した出射窓8は、それぞれ、金属製の弾性的なリング部材10、12と銀ロウなどのロウ付けにより接合され、一方、本体5の外周面の前後端部にはそれぞれ金属製の窓取付け筒体11、13がロウ付けにより接合されている。そして、前記リング部材10、12と窓取付け筒体11、13とが、TIG溶接やレーザ溶接などにより溶接接合されている。
なお、本体5には、多結晶アルミナ(Al)などのセラミックス材料を採用することができ、その場合は、該本体5の前後端部の外周面をメタライズ加工して、金属製の窓取付け筒体11、13をロウ付けする。また、入射窓7および出射窓8は水晶やサファイアなどの結晶材からなり、その外周面も同様にメタライズ加工されていて、金属製のリング部材10、12とロウ付けされる。
【0017】
本体5の中心にはこれを光軸方向に貫通するレーザ光通過孔9が穿設されている。このレーザ光通過孔9は、その後端側、即ち、入射側が面取りされてテーパー部9aが形成されている。このテーパー部9aは、集光されたレーザ光が光入射窓7を経て導入されてレーザ光通過孔9に導かれるときに、このレーザ光通過孔9の入射側で蹴られて遮断されることを防止するものである。
こうして、これら本体5と、入射窓7と、出射窓8とによって密閉空間Sが形成されてプラズマ容器2とされているものであり、この密閉空間S内に、キセノンガス、クリプトンガス、アルゴンガス等の希ガスや水銀ガスなどの発光ガスが所望の発光波長に応じて封入されている。
【0018】
図1(A)に示されるように、レーザ源3からのレーザ光Lは、集光レンズ4によって集光されて、入射窓7からプラズマ容器2内に入射する。ここで、図1(B)によく示されるように、レーザ光Lの集光点Cは、プラズマ容器2の凹面反射面6の焦点Fには一致せず、その前方側に位置するように設定されている。
換言すると、凹面反射面6の焦点Fは、レーザ光Lの集光点Cに対して、該凹面反射面6の光軸上において、前記レーザ源3側(レーザ光上流側)に離隔して位置しているものである。
このような配置とすることにより、レーザ光Lにより生成されるプラズマPの発光中心が前記凹面反射面6の焦点Fに一致するようになる。
図1(A)に示されるように、プラズマPによって励起された出射光(励起光)ELは、凹面反射面6によって反射されて前方の出射窓8から出射される。
【0019】
図2には、プラズマ容器の異なる形態を示す第2の実施例が示され、プラズマ容器2は、凹面反射鏡15と、この後方開口15aに設けられた入射窓16と、前方開口15bに設けられた出射窓17とから構成されていて、これら凹面反射鏡15と、入射窓16と、出射窓17とによって密閉空間Sが形成されていて、この密閉空間S内に発光ガスが封入されている。
そして、凹面反射鏡15の焦点Fが、レーザ源3からのレーザ光Lの集光点Cに対して、光軸上で前記レーザ源3側(上流側)に離隔して位置することは、図1の第1実施例と同様である。
【0020】
図3には、プラズマ容器の更に異なる形態を示す第3の実施例が示され、この実施例ではプラズマ容器2は、管球形状である。ここで、管球形状とは、ランプ技術における、略球形状や略楕円回転体形状などの発光管形状を意味し、例えば石英ガラスなどの透光性材料からなり、その内部に発光ガスが封入されている。 このプラズマ容器2を取り囲むように前方開放の凹面反射鏡15が設けられており、当該凹面反射鏡15が凹面反射面を構成する。このとき、プラズマ容器2は凹面反射鏡15の焦点Fに位置するように配置されることが好ましい。 そして、この実施例でも、凹面反射鏡15の焦点Fが、レーザ源3からのレーザ光Lの集光点Cに対して、光軸上で前記レーザ源3側(上流側)に離隔して位置していることは、図1、2の第1、第2の実施例と同様である。 凹面反射鏡15の後方開口15aには入射窓16が設けられていて、レーザ源3からのレーザ光Lは、この入射窓16から凹面反射鏡15内に入射し、プラズマ容器2に入射する。ここで生成されたプラズマPによって励起された出射光ELは、プラズマ容器2から出射して、凹面反射鏡15により反射されて、前方開口15bから出射される。
【0021】
上記のように、凹面反射面の焦点位置は、レーザ光の出力に応じて、レーザ光の集光点よりもレーザ源側(上流側)に位置させるが、そのための制御部を有する構成の一例が図4に示されている。 この例では、プラズマ容器からの出射光の強度に応じて、レーザ光集光点か凹面反射面の焦点を相対的に移動させるように制御するものである。レーザ光集光点の移動は、集光レンズを移動させるものであり、凹面反射面の焦点の移動は、凹面反射面を移動させるものである。 図4では、集光レンズ4を移動させる系統が実線で表され、プラズマ容器2を移動させる系統が点線で示されている。この制御はどちらか一方を移動させるものであってもよいし、両者を相対移動させるものであってもよい。
【0022】
図4において実線で示されるように、前記レーザ源3には制御部20が接続されており、その入力電力が制御される。また、前記集光レンズ4には前記制御部20に接続された集光レンズ駆動部22が設けられていて、該集光レンズ4が制御部20からの信号に基づいてレーザ光Lの光軸に沿って移動される。
一方、凹面反射面6の前方には光検出部21が配設されていて、プラズマ容器2からの出射光の強度を検知し、その光量情報信号を前記制御部20に伝達する。
また、点線で示さるように、前記プラズマ容器2には前記制御部20に接続された凹面反射面駆動部23が設けられていて、該凹面反射面6(プラズマ容器2)が制御部20からの信号に基づいてレーザ光Lの光軸に沿って移動される。
【0023】
なお図4の実施例の説明では、凹面反射面6はプラズマ容器2と一体であり、プラズマ容器2を移動させることが凹面反射面6を移動させることになる。 一方、図3の第3の実施例では、凹面反射鏡15自体を移動させることになる。ただし、前記したように、プラズマ容器2は、凹面反射鏡15とは所定の相対位置関係にあるのが好ましいので、凹面反射鏡15を移動させるときは、多くの場合、プラズマ容器2もこれとともに移動することになる。 この両者を総称して凹面反射面駆動部23と呼んでいる。勿論、凹面反射鏡15のみを移動させてもよい。 以上のように、プラズマ容器からの出射光の強度を検知して、その信号を制御部に送り、前記凹面反射面の焦点と前記レーザ光の集光点とを相対的に移動させて、出射光の強度信号が最大となるように制御するものである。
【0024】
上記のように、この発明のレーザ駆動光源では、プラズマ容器内にプラズマを生成・維持するレーザ光の出力が変動した際に、生成されるプラズマの大きさが変動するのに対応して、レーザ光の集光点を凹面反射面の焦点よりも、光軸上においてレーザ源側(上流側)に離隔して位置させたので、生成されるプラズマの発光中心が凹面反射面の焦点に位置するようになり、レーザ出力に応じた所定の出射光量を得ることができるものである。
【符号の説明】
【0025】
1 レーザ駆動光源
2 プラズマ容器
3 レーザ源
4 集光レンズ
5 本体
6 凹面反射面
7 出射窓
8 入射窓
9 レーザ光通過孔
10、12 リング部材
11、13 窓取付け筒体
15 凹面反射鏡
16 入射窓
17 出射窓
20 制御部
21 光検出部
22 集光レンズ駆動部
23 凹面反射面駆動部
S 密閉空間
P プラズマ
L レーザ光
EL 出射光(励起光)
C レーザ光の集光点
F 凹面反射面(鏡)の焦点
Q レーザパワー
A レーザ光の断面積


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8