(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやホームセンター、コンビニエンスストア等の店舗においては、一般的に、複数台のPOS(Point of Sales)端末(以下、「レジ」とも呼ぶ)をレーン形態で設置している。このような店舗におけるレジでは、繁忙時間帯において、買い物客(顧客)のレジ待ちが発生する。各顧客は、複数のレジの中から、行列の長さを見てレジ待ちでの待ち時間ができるだけ少ないレジに並ぼうとする。換言すれば、各買い物客は、どの列が早く会計できるPOS端末かを、レジ待ち状況を自身で見極めている。
【0003】
また、買い物客一人あたりの会計処理時間は、会計を行う買い物客の買い物カゴ内にある商品点数やPOS端末操作者の熟練度(処理スピード)に依存する。レジ待ち状況は、売り場管理者が目視で確認し、POS端末操作者の増員を行うケースが多い。またPOS端末操作などに不慣れで会計処理に時間を要するPOS端末操作者には、再教育を行うなどしている。
【0004】
このような状況において、先行技術として、顧客の待ち時間に関する情報を提供したり、複数の行列の中から顧客が並んでいる行列を適切に特定できる技術が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、顧客に待ち時間に関する情報を提供できる、情報処理装置を開示している。特許文献1に開示された情報処理装置は、取得部、商品量推定部、人数検出部、および待ち時間推定部を備える。取得部は、撮像部から商品登録装置(POS装置)に並んでいる人の列を撮影した画像を示す情報を取得する。商品登録装置の前には、複数の顧客が順番待ちをして、列を形成している。各顧客は買い物カゴを保持している。各買い物カゴに中には、各顧客が購入しようとする商品が入れられている。商品量推定部は、取得部が取得した画像を示す情報に基づき、列内の商品量を推定する。人数検出部は、画像内に含まれる人の数を検出する。待ち時間推定部は、推定された列内の商品量および人数検出部の検出結果に基づいて、商品登録装置毎の待ち時間の予測値を算出する。
【0006】
特許文献1では、その第11の実施形態において、商品量推定部は、商品登録装置(POS装置)に並んでいる人の買い物カゴの数を検出する。待ち時間推定部は、買い物カゴの数に基づいて、商品登録装置毎の待ち時間の予測値を算出する。
【0007】
1度の精算あたりに必要な時間の平均値、および1つの商品の登録あたりに必要な時間の平均値は、店員(POS端末操作者)の熟練度に依存して異なる場合がある。商品の登録および精算を行う店員毎に、これらの平均値が対応づけられて、メモリ等に保持されてもよい。配置されている店員に対応するこれらの平均値を、待ち時間推定部が読み出して用いるようにしてもよい。なお、1度の精算あたりに必要な時間の平均値、および1つの商品の登録あたりに必要な時間の平均値は、店員(POS端末操作者)の実際の処理時間に基づき更新される様にしても良い。待ち時間推定部により算出された待ち時間の予測値は、顧客が見ることができるように、商品登録装置ごとに顧客向け表示部に表示される。
【0008】
また、特許文献2は、複数の行列の中から顧客が並んでいる行列を適切に特定することができる、情報提供システムを開示している。特許文献2に開示された情報提供システムは、情報提供装置と、カメラと、複数の検知装置とを含む。
【0009】
情報提供装置は、店舗内のレジで商品の精算を行うために順番待ちしている顧客の待ち時間を予測して、顧客に提供する機能を有する。具体的には、たとえば、情報提供装置は、レジ(POS端末)ごとに設けられている電光掲示板に行列の待ち時間を表示する。
【0010】
カメラは、店舗内を撮影する機能を有し、順番待ちしている顧客を俯瞰する位置(天井)に設置されており、複数の行列を撮影可能である。カメラは、所定の時間間隔(たとえば、1/30[秒])で撮影した画像を画像I/F(インターフェース)を介して、情報提供装置に出力する。
【0011】
検知装置は、顧客が商品を収容するために利用する買い物カゴまたは/およびショッピングカートに取り付けられている。検知装置は、買い物カゴまたはショッピングカートに収容された商品の商品点数をカウントして、情報提供装置に送信する機能を有する。また、検知装置は、発光部を制御して、光を発する機能を有する。
【0012】
情報提供システムでは、検知装置によって買い物カゴに収容された商品の商品点数をカウントして、情報提供装置に通知する。この際、検知装置が商品点数の通知と同時に光を発することで、情報処理装置において撮影画像内の発光箇所から買い物カゴの位置を特定し、顧客が順番待ちしている行列を特定する。
【0013】
また、情報提供システムでは、情報提供装置において発光箇所と商品点数とを対応付けることで、顧客が利用している買い物カゴに収容されている商品点数を特定する。この結果、情報提供システムでは、各行列に属する買い物カゴの商品点数から各行列の待ち時間を予測して、店舗内の電光掲示板などに表示することができる。
【0014】
情報提供装置は待ち時間算出部を含む。待ち時間算出部は、所定の時間間隔(たとえば、1時間)で、単位商品当たりの精算時間の平均値を算出することで精算速度を動的に算出する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
最初に、本発明の特徴について説明する。本発明は、店舗において会計待ち(レジ待ち)の買い物客の混雑状況やPOS端末操作者の会計処理操作時間を、画像認識により管理する会計待ち管理システムである。
【0028】
本発明では、第1のカメラを使用してレジ待ちの列並び状況、買い物客のガゴ内商品点数を撮影して得られる第1の画像データを取得し、第2のカメラを使用してPOS端末操作者の会計処理動作を撮影して得られる第2の画像データを取得する。取得した第1および第2の画像データを管理端末で識別することで、混雑状況を把握・管理することができる。その結果、他レジへの案内やPOS端末操作者の増員など、混雑緩和に対するサービスを向上させることが可能となる。
【0029】
詳述すると、スーパーマーケットなど複数台のPOS端末をレーン形態で設置する店舗では、混雑時間帯には買い物客がレジ待ちで長い列となるケースがある。
【0030】
レジ待ちは買い物客へのサービス低下に繋がり、会計処理の時間は買い物客の商品点数やPOS端末操作者の熟練度にも依存する。混雑状況は目視や管理者の感に頼ることが多く、把握や管理することが難しかった。
【0031】
そこで、本発明では、このようなPOS端末周辺の混雑状況を遠隔で把握・監視・管理を可能とするため、次のような構成を採用している。まず、POS端末周辺に複数台のカメラを設置している。そして、買い物客の列(レジ待ち状況)、個々買い物客の買い物カゴ内の商品点数、POS端末の操作者の会計処理動作を管理端末で取得し管理する。そのことで、ディスプレイにより、空いているレジ(POS端末)へ買い物客を誘導することや予想待ち時間を表示するなどのサービスを提供することが可能となる。また、会計処理の遅いPOS端末の操作者に対しては、再教育により熟練度の向上など対応策も可能とする会計待ち管理システムである。
【0032】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
図1乃至
図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る会計待ち管理システム100について説明する。
図1は、会計待ち管理システム100の概略構成を示す図である。
図2は、会計待ち管理システム100に使用される管理端末300の概略のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は管理端末300の概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図1に示されるように、会計待ち管理システム100は、複数のPOS端末200を備えている。ただし、
図1では、1つのPOS端末200のみを図示している。
【0035】
会計待ち管理システム100は、第1のカメラ110と、第2のカメラ120とを備える。第1のカメラ110および第2のカメラ120の各々は、POS端末200周辺を撮影できるカメラである。第1のカメラ110は、買い物客SPが並ぶレジ待ち状況を撮影する。レジ待ち状況には、買い物客SPの人数や、各買い物客SPの買い物カゴSB内の商品Gの商品点数が含まれる。第2のカメラ120は、POS端末200の操作者OPの会計処理動作を撮影する。
【0036】
第1のカメラ110の台数は、1台でも複数台であってもよい。第2のカメラ120の台数も、1台でも複数台であってもよい。第1のカメラ110は、複数のPOS端末200の各々に並んでいるレジ待ち状況を撮影して、そのレジ待ち状況を表す第1の画像データを出力する第1の撮影手段として働く。第2のカメラ120は、複数のPOS端末200の各々を操作する操作者OPの会計処理動作を撮影して、その会計処理動作を表す第2の画像データを出力する第2の撮影手段として働く。
【0037】
各カメラ110および120は、画像識別制御(画像認識)が可能な管理端末300と第1のLAN(Local Area Network)510や無線などの通信方式で接続されている。管理端末300は、後述するように第1の画像データおよび第2の画像データを画像識別して、混雑状況を把握し、案内表示データを作成する。案内表示データは、空いているPOS端末200へ案内(誘導)することを指示するデータを含む。
【0038】
管理端末300は、買い物客SPへ案内表示するためのディスプレイ400と第1のLAN510や無線などの通信方式で接続されている。ディスプレイ400は、レジ待ちしている買い物客SPへ見えるように設置されている。
【0039】
POS端末200も、管理端末300と第2のLAN520や無線などの通信方式で接続されている。
【0040】
次に、
図1に示した会計待ち管理システム100の概略動作について説明する。
【0041】
POS端末200周辺に設置された第1および第2のカメラ110、120で撮影された第1および第2の画像データは、管理端末300へ送信される。管理端末300は、第1および第2の画像データに対して画像識別制御(画像認識)を行い、レジ待ちしている買い物客SPの人数、各買い物客SPの買い物カゴSB内の商品点数を推測する。また、管理端末300は、POS端末200の操作者OPの会計動作スピードの各データからレジ待ちの混在状況を識別し、レジ待ち時間の予測などを行う。
【0042】
管理端末300は、識別されたデータに基づき、空いているPOS端末200などを判断し、レジ待ちの買い物客SPへの案内や待ち時間などをディスプレイ400上に表示する。
【0043】
POS端末200は各買い物客SPの会計した商品点数、会計時間を管理端末300へ送信する。これにより、管理端末300は、第2のカメラ120で撮影したPOS端末200の操作者OPの会計処理動作を表す第2の画像データと一緒に各操作者OP別の会計処理の熟練度などを把握することができる。
【0044】
次に、
図2を参照して、管理端末300の概略のハードウェア構成について説明する。管理端末300は、PC(Personal Computer)等のコンピュータ端末であってよい。管理端末300は、会計待ち管理処理を行うために、管理端末300上で動作する会計待ち管理プログラムを搭載する。
【0045】
管理端末300は、CPU(Central Processing Unit)310と、ROM(Read-Only Memory)320と、RAM(Random Access Memory)330と、HDD(Hard Disk Drive)340と、入出力インターフェース350と、通信インターフェース360とを備える。これらの各部は、バスラインBLを介して相互に電気的に接続されている。入出力インターフェース350には、入力部370と表示部380とが接続されている。
【0046】
CPU310は、通信インターフェース360を介して受信したデータ(後述する)や、入出力インターフェース350を介して入力したデータ、後述するROM320に記憶された会計待ち管理プログラム(後述する)をRAM330上に読み出して処理を実行することにより、管理端末300の制御や機能を実現する演算装置である。
【0047】
ROM320は、上記会計待ち管理プログラムを記憶する書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリは、例えば、EPROM(Erasable Programmed Read-Only Memory)から成る。
【0048】
RAM330は、ROM320から読み出された会計待ち管理プログラムや通信インターフェース360を介して受信したデータ、入出力インターフェース350を介して入力したデータ等を一時的に保持する揮発性のメモリであり、CPU310の作業領域として使用される。
【0049】
HDD340は、記憶内容を書き換え可能は大容量かつ不揮発性の記憶装置である。HDD340は、例えば、OS(Operating System)、OSを起動するために使用されるブートローダ、OS上で動作し各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア等のプログラムやデータを記憶する。なお、管理端末300は、HDD340に替えて、または、これと共に、SSD(Solid State Drive)等の書き換え可能な不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
【0050】
通信インターフェース360は、上記第1および第2のLAN510、520のような有線又は無線等を介して、当該管理端末300とPOS端末200、第1のカメラ110、第2のカメラ120、およびディスプレイ400との間を接続するインターフェースである。
【0051】
入力部370は、管理者の操作入力を受け付けるユニットである。入力部370は、例えば、ハードウェアボタンユニット、タッチセンサ等として実現される。表示部380は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU310により処理された描画データに対応する画面を表示するユニットである。表示部380及び入力部370は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
【0052】
尚、実際には、CPU310は、ROM320に記憶されたプログラムに従って所定の処理を実行するが、以下では、そのことを、単に、プログラムが所定の処理を実行するとも記載する。
【0053】
続いて、
図3を参照して、管理端末300の機能構成について説明する。管理端末300は、機能的には、第1の画像取得部311、第2の画像取得部312、把握部313、作成部314、および出力部315から成る。
【0054】
第1の画像取得部311は、第1のカメラ(第1の撮影手段)110で撮影された上記第1の画像データを、第1のLAN510および通信インターフェース360を介して、取得する。第2の画像取得部312は、第2のカメラ(第2の撮影手段)120で撮影された上記第2の画像データを、第1のLAN510および通信インターフェース360を介して、取得する。
【0055】
把握部313は、取得した第1の画像データと取得した第2の画像データとを画像識別して、上記混雑状況を把握する。作成部314は、混雑状況に基づいて、上記案内表示データを作成する。出力部315は、案内表示データを、通信インターフェース360および第1のLAN510を介して、上記ディスプレイ400へ出力する。
【0056】
次に、
図4を参照して、
図3に示した管理端末300で実行される会計待ち管理方法について説明する。
【0057】
先ず、管理端末300の第1の画像取得部311は、上記第1の画像データを取得し、管理端末300の第2の画像取得部312は、上記第2の画像データを取得する(ステップS101)。
【0058】
引き続いて、管理端末300の把握部313は、取得した第1の画像データと取得した第2の画像データとを画像識別して、混雑状況を把握する(ステップS102)。そして、管理端末300の作成部314は、混雑状況に基づいて、案内表示データを作成する(ステップS103)。この案内表示データは、空いているPOS端末200へ案内(誘導)することを指示するデータを含む。
【0059】
最後に、管理端末300の出力部315は、上記案内表示データをディスプレイ400へ出力する(ステップS104)。これにより、ディスプレイ400には、案内表示データが案内表示される。
【0060】
図5は、
図3に図示した把握部313および作成部314の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0061】
把握部313は、第1の推測部3131と第2の推測部3132とを含む。第1の推測部3131は、取得した第1の画像データを画像認識して、POS端末200毎のレジ待ちしている買い物客SPの人数を推測する。第2の推測部3132は、取得した第2の画像データを画像認識して、POS端末200毎の操作者OPの会計動作スピードを推測する。
【0062】
一方、作成部314は、算出部3141を含む。算出部3141は、上記推測した買い物客SPの人数と、上記推測した会計動作スピードとに基づいて、POS端末200毎のレジ待ち時間の予測値を算出する。
【0063】
これにより、出力部315(
図3)は、上記案内表示データの一部として、上記算出したレジ待ち時間の予測値をディスプレイ400へ出力する。
【0064】
次に、
図6を参照して、
図5に示した把握部313および作成部314の処理動作について説明する。
【0065】
把握部313の第1の推測部3131は、取得した第1の画像データを画像認識して、POS端末200毎のレジ待ちしている買い物客SPの人数を推測する(ステップ201)。引き続いて、把握部313の第2の推測部3132は、取得した第2の画像データを画像認識して、POS端末200毎の操作者OPの会計動作スピードを推測する(ステップS202)。
【0066】
次に、作成部314の算出部3141は、上記推測した買い物客SPの人数と、上記推測した会計動作スピードとに基づいて、POS端末200毎のレジ待ち時間の予測値を算出する(ステップS301)。
【0067】
次に、本第1の実施形態の効果について説明する。
【0068】
第1の実施形態の効果は、正確に混雑状況を把握することができることである。その理由は、レジ周辺の混雑状況を、買い物客SPの列(人数)だけでなく、POS端末200の操作者OPの動作も含めて画像識別することで、想定される処理時間を推測しているからである。
【0069】
[第2の実施形態]
図7乃至
図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る会計待ち管理システムについて説明する。第2の実施形態に係る会計待ち管理システムは、管理端末の構成および動作が後述するように相違する点を除いて、
図1に示した会計待ち管理システム100と同様の構成を有し、動作をする。したがって、管理端末に300Aの参照符号を付している。以下では、重複した説明を避けるために、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0070】
図7は、管理端末300Aの概略構成を示すブロック図である。管理端末300Aは、把握部および作成部の構成及び動作が、
図3に示した管理端末300と相違する点を除いて、管理端末300と同様の構成を有し、動作をする。したがって、把握部および作成部に、それぞれ、313Aおよび314Aの参照符号を付してある。
【0071】
図8は、管理端末300Aで実行される会計待ち管理方法を説明するためのフローチャートである。把握部313Aは、後述するように、混雑状況を把握する(ステップS102A)。作成部314Aは、後述するように、案内表示データを作成する(ステップS103A)。
【0072】
図9は、
図7に図示した把握部313Aおよび作成部314Aの更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0073】
把握部313Aは、第1の推測部3131および第2の推測部3132に加えて、第3の推測部3133を更に含む。第3の推測部3133は、取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客SPの買い物カゴSB内に商品点数を推測する。
【0074】
一方、作成部314Aは、算出部3141Aを含む。算出部3141Aは、上記推測した買い物客SPの人数と、上記推測した商品点数と、上記推測した会計動作スピードとに基づいて、POS端末200毎のレジ待ち時間の予測値を算出する。
【0075】
これにより、出力部315(
図7)は、上記案内表示データの一部として、上記算出したレジ待ち時間の予測値をディスプレイ400へ出力する。
【0076】
次に、
図10を参照して、
図9に示した把握部313Aおよび作成部314Aの処理動作について説明する。ただし、
図6に示したものと同じ処理動作には、同じステップ番号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明を省略する。
【0077】
把握部313Aの第3の推測部3133は、取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客SPの買い物カゴSB内の商品点数を推測する(ステップS203)。
【0078】
次に、作成部314Aの算出部3141Aは、上記推測した買い物客SPの人数と、上記推測した商品点数と、上記推測した会計動作スピードとに基づいて、POS端末200毎のレジ待ち時間の予測値を算出する(ステップS301A)。
【0079】
次に、本第2の実施形態の効果について説明する。
【0080】
第2の実施形態の効果は、より正確に混雑状況を把握することができることである。その理由は、レジ周辺の混雑状況を、買い物客SPの列(人数)だけでなく、各買い物客SPの買い物カゴSB内の商品点数までを第1のカメラ110で撮影し、POS端末200の操作者OPの動作も含めて画像識別することで、想定される処理時間を推測しているからである。
【0081】
[第3の実施形態]
図11乃至
図14を参照して、本発明の第3の実施形態に係る会計待ち管理システムについて説明する。第3の実施形態に係る会計待ち管理システムは、管理端末の構成および動作が後述するように相違する点を除いて、
図1に示した会計待ち管理システム100と同様の構成を有し、動作をする。したがって、管理端末に300Bの参照符号を付している。以下では、重複した説明を避けるために、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0082】
図11は、管理端末300Bの概略構成を示すブロック図である。管理端末300Bは、受信部316および熟練度判断部317を更に備えている点を除いて、
図3に図示した管理端末300と同様の構成を有し、動作をする。
【0083】
各POS端末200は、各買い物客SPの会計した商品点数と会計時間とを第2のLAN520を介して管理端末300Aへ送信する。
【0084】
管理端末300Bにおいて、受信部316は、通信インターフェース360(
図2)を介して、上記会計した商品点数と上記会計時間とを受信する。熟練度判断部317は、上記会計した商品点数と、上記会計時間と、上記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者OPの会計処理の熟練度を判断する。
【0085】
図12は、管理端末300Bで実行される会計待ち管理方法を説明するためのフローチャートである。ただし、
図4に示したものと同じ処理動作には、同じステップ番号を付して、説明の簡略化のためにそれらの説明を省略する。
【0086】
受信部316は、上記会計した商品点数と上記会計時間とを受信する(ステップ105)。熟練度判断部317は、上記会計した商品点数と、上記会計時間と、上記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者OPの会計処理の熟練度を判断する(ステップS106)。
【0087】
図13は、
図11に図示した熟練度判断部317の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0088】
熟練度判断部317は、接客応対判断部3171と商品取扱判断部3172とを含む。接客応対判断部3171は、上記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者OPの買い物客SPへの応対を判断する。具体的には、接客応対判断部3171は、操作者OPの買い物客SPに対する挨拶、案内、金銭授受などの動作から、買い物客SPへの応対を判断する。商品取扱判断部3172は、上記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者OPの商品取り扱い動作を判断する。具体的には、商品取扱判断部3172は、操作者OPの、魚/肉、菓子、野菜などの商品ごとの取り扱い動作(例えば、包装や丁寧さ)を判断する。
【0089】
このように、第2の画像取得部312は、POS端末200の操作者OPの動作を示す第2の画像データを取得している。これにより、熟練度判断部317は、取得した第2の画像データを画像認識することで、買い物客SPへの対応(挨拶や金銭授受)や商品取り扱い動作(包装や丁寧さ)などの接客動作を把握することが可能となる。その結果、熟練度判断部317は、レジ待ちの状況およびPOS端末200から得られる処理時間(会計時間)を組み合わせることで、より正確な熟練度の指標として管理することができる。
【0090】
次に、
図14を参照して、
図13に示した接客応対判断部3171および商品取扱判断部3172の処理動作について説明する。
【0091】
接客応対判断部3171は、上記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者OPの買い物客SPへの応対を判断する(ステップS401)。商品取扱判断部3172は、上記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者OPの商品取り扱い動作を判断する(ステップS402)。
【0092】
ここで、熟練度判断部317は、熟練度の動作判断結果にレベルを設定してもよい。この場合、作成部314の算出部は、その設定したレベルを、POS端末200毎のレジ待ち時間の予測値の算出に反映することも可能である。また、出力部315は、上記案内表示レベルの一部として、そのレベルをディスプレイ400へ出力してもよい。これにより、ディスプレイ400に、レベルをそのまま案内表示して、買い物客SPへ告知(アナウンス)することも可能となる。
【0093】
また、POS端末200の操作者OPの動作は、操作者OPの頭の動きや手の動きなどから接客動作における熟練度の向上のための再教育にも用いることができる。
【0094】
次に、本第3の実施形態の効果について説明する。
【0095】
第1の効果は、正確に混雑状況を把握することができることである。その理由は、レジ周辺の混雑状況を、買い物客SPの列(人数)だけでなく、POS端末200の操作者OPの動作も含めて画像識別することで、想定される処理時間を推測しているからである。
【0096】
第2の効果は、買い物客SPの誘導および案内などのサービスを向上できることである。その理由は、第2のカメラ120で撮影された第2の画像データを利用することができるからである。
【0097】
第3の効果は、POS端末200の操作者OPの教育・訓練の素材としても有効に活用できることである。その理由は、第2のカメラ120で撮影された第2の画像データを利用することができるからである。
【0098】
[変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。
図1に図示した会計待ち管理システム100では、ディスプレイ400をレジ待ちしている買い物客SPへ見えるように設置することを想定している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、ディスプレイ400の代わりに小型ディスプレイを、買い物客SPが持参する買い物カゴSBや買い物カートへ設置し、無線通信などの手段で案内表示するようにしてもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【0100】
上記実施形態において、例えば管理端末300、300A、300Bが実行する会計待ち管理プログラムは、あらかじめROM320等に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上記の各種処理を実行させるための会計待ち管理プログラムを、既存の汎用コンピュータや、フレームワーク、ワークステーション等に実装することにより、上記実施形態に係る管理端末300、300A、300Bに相当する装置として機能させてもよい。
【0101】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM)等に格納して配布してもよいし、インターネットをはじめとするネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0102】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0103】
(付記1)
複数のPOS(Point of Sales)端末と、
前記複数のPOS端末の各々に並んでいるレジ待ちの状況を撮影して、前記レジ待ちの状況を表す第1の画像データを出力する第1の撮影手段と、
前記複数のPOS端末の各々を操作する操作者の会計処理動作を撮影して、前記会計処理動作を表す第2の画像データを出力する第2の撮影手段と、
前記第1の画像データおよび前記第2の画像データを画像識別して、混雑状況を把握し、案内表示データを作成する管理端末と、
前記案内表示データを案内表示するディスプレイと、
を備える会計待ち管理システム。
【0104】
(付記2)
前記案内表示データは、空いているPOS端末へ案内(誘導)することを指示するデータを含む、付記1に記載の会計待ち管理システム。
【0105】
(付記3)
前記管理端末は、
前記第1の画像データを取得する第1の画像取得手段と、
前記第2の画像データを取得する第2の画像取得手段と、
前記取得した第1の画像データと前記取得した第2の画像データとを画像識別して、前記混雑状況を把握する把握手段と、
前記混雑状況に基づいて、前記案内表示データを作成する作成手段と、
前記案内表示データを前記ディスプレイへ出力する出力手段と、
を備える、付記1又は2に記載の会計待ち管理システム。
【0106】
(付記4)
前記把握手段は、
前記取得した第1の画像データを画像認識して、前記POS端末毎のレジ待ちしている買い物客の人数を推測する第1の推測手段と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、前記POS端末毎の前記操作者の会計動作スピードを推測する第2の推測手段と、
を含み、
前記作成手段は、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する算出手段を含み、
前記出力手段は、前記案内表示データの一部として、前記算出したレジ待ち時間の予測値を前記ディスプレイへ出力する、
付記3に記載の会計待ち管理システム。
【0107】
(付記5)
前記把握手段は、前記取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客の買い物カゴ内の商品点数を推測する第3の推測手段を更に備え、
前記算出手段は、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した商品点数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する、
付記4に記載の会計待ち管理システム。
【0108】
(付記6)
前記複数のPOS端末の各々は、各買い物客の会計した商品点数と会計時間とを前記管理端末へ送信し、
前記管理端末は、
前記会計した商品点数と、前記会計時間とを受信する受信手段と、
前記会計した商品点数と、前記会計時間と、前記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者の会計処理の熟練度を判断する熟練度判断手段と、
を更に備える、
付記3乃至5のいずれか1つに記載の会計待ち管理システム。
【0109】
(付記7)
前記熟練度判断手段は、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の買い物客への応対を判断する接客応対判断手段と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の商品取り扱い動作を判断する商品取扱判断手段と、
を含む、付記6に記載の会計待ち管理システム。
【0110】
(付記8)
POS端末に並んでいるレジ待ちの状況を撮影した第1の画像データを取得する第1の画像取得手段と、
前記POS端末の操作者の会計処理動作を撮影した第2の画像データを取得する第2の画像取得手段と、
前記取得した第1の画像データと前記取得した第2の画像データとを画像識別して、混雑状況を把握する把握手段と、
前記混雑状況に基づいて、案内表示データを作成する作成手段と、
前記案内表示データをディスプレイへ出力する出力手段と、
を備える管理端末。
【0111】
(付記9)
前記把握手段は、
前記取得した第1の画像データを画像認識して、前記POS端末毎のレジ待ちしている買い物客の人数を推測する第1の推測手段と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、前記POS端末毎の前記操作者の会計動作スピードを推測する第2の推測手段と、
を含み、
前記作成手段は、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する算出手段を含み、
前記出力手段は、前記案内表示データの一部として、前記算出したレジ待ち時間の予測値を前記ディスプレイへ出力する、
付記8に記載の管理端末。
【0112】
(付記10)
前記把握手段は、前記取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客の買い物カゴ内の商品点数を推測する第3の推測手段を更に備え、
前記算出手段は、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した商品点数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する、
付記9に記載の管理端末。
【0113】
(付記11)
前記POS端末から、各買い物客の会計した商品点数と会計時間とを受信する受信手段と、
前記会計した商品点数と、前記会計時間と、前記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者の会計処理の熟練度を判断する熟練度判断手段と、
を更に備える、
付記8乃至10のいずれか1つに記載の管理端末。
【0114】
(付記12)
前記熟練度判断手段は、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の買い物客への応対を判断する接客応対判断手段と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の商品取り扱い動作を判断する商品取扱判断手段と、
を含む、付記11に記載の管理端末。
【0115】
(付記13)
管理端末で実行される会計待ち管理方法であって、
POS端末に並んでいるレジ待ちの状況を撮影した第1の画像データを取得する第1の画像取得ステップと、
前記POS端末の操作者の会計処理動作を撮影した第2の画像データを取得する第2の画像取得ステップと、
前記取得した第1の画像データと前記取得した第2の画像データとを画像識別して、混雑状況を把握する把握ステップと、
前記混雑状況に基づいて、案内表示データを作成する作成ステップと、
前記案内表示データをディスプレイへ出力する出力ステップと、
を含む会計待ち管理方法。
【0116】
(付記14)
前記把握ステップは、
前記取得した第1の画像データを画像認識して、前記POS端末毎のレジ待ちしている買い物客の人数を推測する第1の推測ステップと、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、前記POS端末毎の前記操作者の会計動作スピードを推測する第2の推測ステップと、
を含み、
前記作成ステップは、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する算出ステップを含み、
前記出力ステップは、前記案内表示データの一部として、前記算出したレジ待ち時間の予測値を前記ディスプレイへ出力する、
付記13に記載の会計待ち管理方法。
【0117】
(付記15)
前記把握ステップは、前記取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客の買い物カゴ内の商品点数を推測する第3の推測ステップを更に含み、
前記算出ステップは、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した商品点数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する、
付記14に記載の会計待ち管理方法。
【0118】
(付記16)
前記POS端末から、各買い物客の会計した商品点数と会計時間とを受信する受信ステップと、
前記会計した商品点数と、前記会計時間と、前記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者の会計処理の熟練度を判断する熟練度判断ステップと、
を更に含む、
付記13乃至15のいずれか1つに記載の会計待ち管理方法。
【0119】
(付記17)
前記熟練度判断ステップは、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の買い物客への応対を判断する接客応対判断ステップと、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の商品取り扱い動作を判断する商品取扱判断ステップと、
を含む、付記16に記載の会計待ち管理方法。
【0120】
(付記18)
管理端末のコンピュータに、会計待ち管理を行わせる会計待ち管理プログラムであって、前記コンピュータに、
POS端末に並んでいるレジ待ちの状況を撮影した第1の画像データを取得する第1の画像取得手順と、
前記POS端末の操作者の会計処理動作を撮影した第2の画像データを取得する第2の画像取得手順と、
前記取得した第1の画像データと前記取得した第2の画像データとを画像識別して、混雑状況を把握する把握手順と、
前記混雑状況に基づいて、案内表示データを作成する作成手順と、
前記案内表示データをディスプレイへ出力する出力手順と、
を実行させる、会計待ち管理プログラム。
【0121】
(付記19)
前記把握手順は、前記コンピュータに、
前記取得した第1の画像データを画像認識して、前記POS端末毎のレジ待ちしている買い物客の人数を推測する第1の推測手順と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、前記POS端末毎の前記操作者の会計動作スピードを推測する第2の推測手順と、
を実行させ、
前記作成手順は、前記コンピュータに、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出する算出手順を実行させ、
前記出力手順は、前記コンピュータに、前記案内表示データの一部として、前記算出したレジ待ち時間の予測値を前記ディスプレイへ出力させる、
付記18に記載の会計待ち管理プログラム。
【0122】
(付記20)
前記把握手順は、前記コンピュータに、前記取得した第1の画像データを画像認識して、各買い物客の買い物カゴ内の商品点数を推測する第3の推測手順を更に実行させ、
前記算出手順は、前記コンピュータに、前記推測した買い物客の人数と、前記推測した商品点数と、前記推測した会計動作スピードとに基づいて、前記POS端末毎のレジ待ち時間の予測値を算出させる、
付記19に記載の会計待ち管理プログラム。
【0123】
(付記21)
前記コンピュータに、
前記POS端末から、各買い物客の会計した商品点数と会計時間とを受信する受信手順と、
前記会計した商品点数と、前記会計時間と、前記取得した第2の画像データとに基づいて、各操作者の会計処理の熟練度を判断する熟練度判断手順と、
を更に実行させる、
付記18乃至20のいずれか1つに記載の会計待ち管理プログラム。
【0124】
(付記22)
前記熟練度判断手順は、前記コンピュータに、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の買い物客への応対を判断する接客応対判断手順と、
前記取得した第2の画像データを画像認識して、各操作者の商品取り扱い動作を判断する商品取扱判断手順と、
を実行させる、付記21に記載の会計待ち管理プログラム。