特許第6978780号(P6978780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978780
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】腕装着具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/08 20060101AFI20211125BHJP
【FI】
   A41D13/08 102
   A41D13/08
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-119228(P2018-119228)
(22)【出願日】2018年6月22日
(65)【公開番号】特開2019-157325(P2019-157325A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2019年11月1日
(31)【優先権主張番号】特願2018-40559(P2018-40559)
(32)【優先日】2018年3月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512176288
【氏名又は名称】株式会社メディカサトウ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 青児
【審査官】 原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0246068(US,A1)
【文献】 特開2016−017232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の腕に装着される筒状体と、
前記筒状体に設けられ、前記腕に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部と、を備え、
前記帯状部は、拇指と人差指の間に当接する基部と、前記基部から手の平を通り、腕の内側において、手首と前腕と肘とを通り、肘を越えて延伸する第1帯状部と、前記基部から手の甲を通って手首の手の平側に湾曲して腕の内側に延び、腕の内側において、前腕と肘とを通り、前記肘を越えて延伸する第2帯状部と、を含み、
前記第1帯状部は、少なくとも前記手の平に当接し、前記第2帯状部は、少なくとも前記手の甲に当接し、
前記第1帯状部の上腕側の端部および前記第2帯状部の上腕側の端部は、互いに離れていることを特徴とする腕装着具。
【請求項2】
人の腕に装着される筒状体と、
前記筒状体に設けられ、前記腕に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部と、を備え、
前記帯状部は、拇指と人差指の間に当接する基部と、前記基部から手の平を通り、腕の内側において、手首と前腕と肘とを通り、肘を越えて延伸する第1帯状部と、前記基部から手の甲を通って手首の手の平側に湾曲して腕の内側に延び、腕の内側において、前腕と肘とを通り、前記肘を越えて延伸する第2帯状部と、を含み、
前記第1帯状部は、少なくとも前記手の平に当接し、前記第2帯状部は、少なくとも前記手の甲に当接し、
前記筒状体は、前腕から肘を越えて延伸し、当該肘の近傍に開口が設けられ、
前記開口に、前記第1帯状部の端部および前記第2帯状部の端部が接する口ゴム部が設けられることを特徴とする腕装着具。
【請求項3】
人の腕に装着される筒状体と、
前記筒状体に設けられ、前記腕に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部と、を備え、
前記帯状部は、拇指と人差指の間に当接する基部と、前記基部から手の平を通り、腕の内側において、手首と前腕と肘とを通り、肘を越えて延伸する第1帯状部と、前記基部から手の甲を通って手首の手の平側に湾曲して腕の内側に延び、腕の内側において、前腕と肘とを通り、前記肘を越えて延伸する第2帯状部と、を含み、
前記第1帯状部は、少なくとも前記手の平に当接し、前記第2帯状部は、少なくとも前記手の甲に当接し、
前記第1帯状部と、前記第2帯状部とが、腕の内側において、手首と肘との間で互いに接続される接続領域を有し、
前記第1帯状部および前記第2帯状部は、前記接続領域の肘側において肘よりも手首に近い位置で互いに分かれて別々に延びることを特徴とする腕装着具。
【請求項4】
前記第1帯状部と、前記第2帯状部とは、手首の内側近傍で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の腕装着具。
【請求項5】
前記第1帯状部と、前記第2帯状部とは、腕の内側の橈骨側に寄った位置で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の腕装着具。
【請求項6】
前記第2帯状部は、手の甲側から腕の内側へ螺旋状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の腕装着具。
【請求項7】
前記筒状体は、人差指の拇指側の根本を覆うことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の腕装着具。
【請求項8】
前記筒状体は、拇指を通す拇指孔が設けられ、
前記帯状部は、前記拇指孔を半周以上にわたって囲むように配置されることを特徴とする請求項に記載の腕装着具。
【請求項9】
前記第1帯状部の前記接続領域を除いた部分の横幅は一定に形成されていることを特徴とする請求項に記載の腕装着具。
【請求項10】
前記第2帯状部の前記接続領域を除いた部分の横幅は一定に形成されていることを特徴とする請求項に記載の腕装着具。
【請求項11】
前記第1帯状部の前記接続領域を除いた部分の横幅は、前記第2帯状部の前記接続領域を除いた部分の横幅より大きく形成されていることを特徴とする請求項に記載の腕装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の腕に装着するための腕装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
腕に装着されるサポータが知られている。例えば、特許文献1には、伸縮性を有する素材で形成され、肘部を覆う本体部と、本体部よりも強い緊締力を有する主緊締部を備える肘部を覆うサポータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−180199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、人の腕に装着される装着具について検討し、腕の拇指屈筋群に圧縮を加えることで、伸筋に弛緩をもたらしうることを認識した。このことにより、腕の動きが滑らかになり、腕の疲労が緩和することが期待できる。例えば、腕の拇指と人差指の間から手の平にわたる領域や橈骨周辺の筋肉に当接力を加えることにより、拇指屈筋群を刺激することが可能である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のサポータは、拇指と人差指の間から手の平にわたる領域に当接力を付与する機能を備えていない。このことから、発明者は、腕装着具には、腕の拇指と人差指の間から手の平にわたる領域や橈骨周辺の筋肉に当接力を加える観点で改善すべき余地があることを認識した。
【0006】
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、腕の橈骨周辺の筋肉に当接力を付与することが可能な腕装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の腕装着具は、人の腕に装着される筒状体と、筒状体に設けられ、腕に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部と、を備える。帯状部は、拇指と人差指の間に当接する基部と、基部から手の平を通り、肘を越えて延伸する第1帯状部と、基部から手の甲を通り、肘を越えて延伸する第2帯状部と、を含む。第1帯状部は、少なくとも手の平に当接し、第2帯状部は、少なくとも手の甲に当接する。
【0008】
この態様によると、帯状部を腕の所定の部位に当接させることができる。
【0009】
本発明の別の態様もまた、腕装着具である。この腕装着具は、人の腕に装着される筒状体と、筒状体に設けられ、腕に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部と、を備える。帯状部は、手首における腕の内側中央に当接する基部と、基部から腕の内側を通り、肘の内側を越えて延伸する第1帯状部と、基部から腕の内側を通り、肘の内側を越えて延伸する第2帯状部と、を含む。第1帯状部は肘の内側において肘窩より尺骨側の位置に当接し、第2帯状部は肘の内側において肘窩より橈骨側の位置に当接する。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、腕装着具付き衣類である。この腕装着具付き衣類は、上述の腕装着具を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、腕の橈骨周辺の筋肉に当接力を付与することが可能な腕装着具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る腕装着具を腕に装着した状態を示す装着図である。
図2図1の腕装着具の展開図である。
図3図1の腕装着具の別の展開図である。
図4】第2実施形態に係る腕装着具を腕に装着した状態を示す装着図である。
図5図4の腕装着具の展開図である。
図6図4の腕装着具の別の展開図である。
図7】第3実施形態に係る腕装着具を腕に装着した状態を示す装着図である。
図8図7の腕装着具の展開図である。
図9図7の腕装着具の別の展開図である。
図10】第4実施形態に係る衣類を身体に装着した状態を示す装着図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0015】
なお、以下の説明において、「平行」、「垂直」は、完全な平行、垂直だけではなく、誤差の範囲で平行、垂直からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
【0016】
[第1実施形態]
以下、図1図3を参照して、本発明に係る第1実施形態の構成について説明する。図1は、本発明に係る第1実施形態の腕装着具100を左腕に装着した状態を示す装着図である。便宜上、図1に示すように前腕の延伸方向において、肘から手に向かう方向を「先方向」、「先側」といい、その逆方向を「反先方向」、「反先側」という。また、腕を真っ直ぐに伸ばした状態で、手の平に沿った側を「腕の内側」といい、手の甲に沿った側を「腕の外側」という。また、腕の内側と腕の外側の境界を「内外境界」という。また、腕の内側および外側において、橈骨と尺骨とを平行にしたときに、腕の幅方向で橈骨側を「拇指側」といい、尺骨側を「反拇指側」という。なお、腕の各部位を示す符号が腕装着具100上を指している場合も、これらは腕の各部位を指すものであって、腕装着具100を指すものではない。
【0017】
図2は、左腕用の腕装着具100Lを平面に展開した展開図である。図3は、右腕用の腕装着具100Rを平面に展開した展開図である。図2および図3は、腕30の反拇指側の内外境界で開いて展開した状態を示している。これらの図において、破線Laは、腕30の拇指側の内外境界を示している。また、破線Lbは、後述する第1筒状体22と第2筒状体24の境界を示している。また、破線Lcは、後述する第2筒状体24と第3筒状体26の境界を示している。なお、破線La、Lb、Lcによる各部位の境界は、あくまでも一例であって、腕装着具100は任意の態様で装着することができる。
【0018】
図1図3に示すように、腕装着具100は、筒状体20と、帯状部10と、を含む。筒状体20は、人の腕30に装着される筒状の部分である。帯状部10は、筒状体20に設けられ、腕30に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状の部分である。
【0019】
(筒状体)
本実施形態の筒状体20は、主に手32の一部を収容する第1筒状体22と、主に前腕34を収容する第2筒状体24と、主に肘36を収容する第3筒状体26と、を含む。この例では、筒状体22、24、26は、糸を筒状に編成することによって一体に形成されている。筒状体20の第1筒状体22の先側には第1開口20hが設けられ、筒状体20の第3筒状体26の反先側には第2開口20jが設けられる。
【0020】
(口ゴム部)
筒状体20の先側の第1開口20hには第1口ゴム部20dが設けられ、反先側の第2開口20jには第2口ゴム部20eが設けられている。第1口ゴム部20dは、手32の一部を緊縮し、第2口ゴム部20eは、肘36の近傍を緊縮している。口ゴム部20d、20eは、例えば、編成ゴム帯を縫い付けまたはゴム糸などの弾性糸を編み込んでもよい。この例の口ゴム部20d、20eは、鹿の子編みされている。このように構成することにより、着用時のズレを抑制することができる。
【0021】
(第1筒状体)
前述したように。第1筒状体22は主に手32の一部を収容する。本実施形態の第1筒状体22は、人差指32fの拇指32e側の根本を覆う。この例では、第1開口20hは、人差指32fの根本と小指32gの根本を結んだ線の近傍に位置している。第1筒状体22には、拇指32eを通す拇指孔22hが設けられる。この例では、拇指孔22hの開口は、拇指32eの根本の近傍に位置している。拇指孔22hは、拇指32eが容易に通り、拇指孔22hの周辺が拇指32eの根本周りに当接する程度の大きさを有する。この例の拇指孔22hは、略長円形または略楕円形を有している。
【0022】
(帯状部)
帯状部10は、人の腕30に装着されることで、腕形状に沿って伸び、その復元力によって縮む方向の収縮力を腕30に付与する帯状体である。帯状部10は筒状体20より大きな伸縮性を有する材料から形成される。特に、帯状部10は筒状体20より弾性限界が大きく弾性率が小さいシート状の生地から形成される。帯状部10は、例えばゴムなど大きな弾性を有する素材が織り込まれた織物から形成されてもよい。帯状部10は筒状体20より厚い生地から形成されてもよい。
【0023】
本実施形態の帯状部10は、基部12と、第1帯状部14と、第2帯状部16と、を含む。基部12は、拇指32eと人差指32fの間に当接する部分である。第1帯状部14は、基部12から手の平32aを通り、肘36を越えて延伸し、少なくとも手の平32aに当接する部分である。第2帯状部16は、基部12から手の甲32bを通り、肘36を越えて延伸し、少なくとも手の甲32bに当接する部分である。基部12と、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、別々に形成されてもよいが、本実施形態では、連続して一体に形成されている。
【0024】
(第1帯状部)
図1図3に示すように、本実施形態の第1帯状部14は、基部12から延び、母指球の周囲で手首32h側に湾曲し、腕30の内側において、手首32hと前腕34と肘36とを通り、肘36の先まで延びている。一例として、第1帯状部14は、幅方向において、手首32hの中央から拇指側に寄った位置を通り、前腕34を拇指側から反拇指側に斜めに延びている。第1帯状部14の端部14eは、反拇指側の内外境界の近傍に位置している。
【0025】
(第2帯状部)
図1図3に示すように、本実施形態の第2帯状部16は、基部12から延び、手の甲32bを通って手首32h側に湾曲し、破線Laを越えて腕30の内側に延び、腕30の内側において、前腕34と肘36とを通り、肘36の先まで延びている。一例として、第2帯状部16は、幅方向において、前腕34の中央から拇指側に寄った位置を通り、その先で反拇指側に寄った位置を通り、その先で反拇指側から拇指側に斜めに延びている。第2帯状部16の端部16eは、拇指側の内外境界の近傍に位置している。
【0026】
(接続領域)
図1図3に示すように、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、手首32hと肘36との間で接続されている。第1帯状部14と第2帯状部16との接続領域10jは、腕30の内側において、幅方向で前腕34の中央から拇指側に寄った位置に設けられている。一例として、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、手首32hの内側で接続されている。この例の接続領域10jは、幅方向の中央近傍を、手首32hから反先方向に、前腕34の長さの15%〜30%にわたって延びている。
【0027】
第1帯状部14と第2帯状部16との接続領域10jが生地として二重である場合、その二重部分が厚くなり使用感が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、接続領域10jは見かけでは重なっているが、生地としては一重構造として生地の重なりを避けている。接続領域10jは第1帯状部14と同じ厚さの生地から一体に形成される。
【0028】
図1図3に示すように、本実施形態の帯状部10は、拇指孔22hを一周にわたって囲んでいる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、図4図6を参照して、本発明に係る第2実施形態の腕装着具200の構成について説明する。図4は、本発明に係る第2実施形態の腕装着具200を左腕に装着した状態を示す装着図であり、図1に対応する。図5は、左腕用の腕装着具200Lを平面に展開した展開図であり、図2に対応する。図6は、右腕用の腕装着具200Rを平面に展開した展開図であり、図3に対応する。第2実施形態の腕装着具200は、第1実施形態の腕装着具100に対して、帯状部10の配置が異なる点で相違し、他の構成は同様である。したがって、重複する説明を省略し、相違する構成について重点的に説明する。
【0030】
図4図6に示すように、本実施形態の腕装着具200は、筒状体20と、帯状部10と、を含む。帯状部10は、筒状体20に設けられ、腕30に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状の部分である。また、本実施形態の帯状部10は、基部12と、第1帯状部14と、第2帯状部16と、を含む。基部12は、拇指32eと人差指32fの間に当接する部分である。第1帯状部14は、基部12から手の平32aを通り、肘36を越えて延伸し、少なくとも手の平32aに当接する部分である。第2帯状部16は、基部12から手の甲32bを通り、肘36を越えて延伸し、少なくとも手の甲32bに当接する部分である。
【0031】
(第1帯状部)
図4図6に示すように、本実施形態の第1帯状部14は、基部12から母指球の周囲で手首32h側に湾曲し、腕30の内側において、手首32hと前腕34と肘36とを通り、肘36の先まで延びている。一例として、第1帯状部14は、幅方向において、手首32hの拇指側の端部に寄った位置を通り、前腕34の拇指側の内外境界に沿って反先方向に延びている。第1帯状部14の端部14eは、拇指側の内外境界の近傍に位置している。
【0032】
(第2帯状部)
図4図6に示すように、本実施形態の第2帯状部16は、基部12から手の甲32bを反拇指側に斜めに横切り、手首32hの近傍で腕30の外側から内側に延び、前腕34の内側に至る。さらに、第2帯状部16は、前腕34の内側を、拇指側に向かって斜めに横切り、前腕34の拇指側の内外境界近傍を反先方向に延びている。第2帯状部16の端部16eは、拇指側の内外境界の近傍に位置している。
【0033】
(接続領域)
図4図6に示すように、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、手首32hと肘36との間で接続されている。具体的には、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、腕30の内側の橈骨側(拇指側)に寄った位置で接続されている。本実施形態では、第1帯状部14と第2帯状部16との接続領域10jは、腕30の内側において、前腕34の拇指側の内外境界の近傍に設けられている。一例として、第1帯状部14と、第2帯状部16とは、肘36の近傍で接続されている。この例の接続領域10jは、幅方向において拇指側の内外境界の近傍を、前腕34の延伸方向中央近傍から反先方向に、前腕34の長さの30%〜50%にわたって延びている。
【0034】
図4図6に示すように、本実施形態の第2帯状部16は、手の甲32b側から腕30の内側へ向かって螺旋状に延びている。
【0035】
図4図6に示すように、帯状部10は、拇指孔22hを半周以上にわたって囲むように配置されている。
【0036】
[第3実施形態]
次に、図7図9を参照して、本発明に係る第3実施形態の腕装着具300の構成について説明する。図7は、本発明に係る第3実施形態の腕装着具300を左腕に装着した状態を示す装着図であり、図1に対応する。図8は、左腕用の腕装着具300Lを平面に展開した展開図であり、図2に対応する。図9は、右腕用の腕装着具300Rを平面に展開した展開図であり、図3に対応する。第3実施形態の腕装着具300は、第1実施形態の腕装着具100に対して、第1筒状体を有せず、帯状部10のうち第1筒状体に設けられていた部分を有しない点で相違し、他の構成は同様である。したがって、重複する説明を省略し、相違する構成について重点的に説明する。また、本実施形態における、第1実施形態と同一の符号を付した構成要素、部材には、別の説明をしない限り、第1実施形態の説明が適用される。
【0037】
図7図9に示すように、本実施形態の腕装着具300は、筒状体20と、帯状部10と、を含む。本実施形態の筒状体20は、主に前腕34を収容する第2筒状体24と、主に肘36を収容する第3筒状体26とを含む。本実施形態の筒状体20は、手の平を収容する第1筒状体を含まない点で第1実施形態と異なる。また、筒状体20の第2筒状体24の先側の第1開口20hには第1口ゴム部20dが設けられている。第1口ゴム部20dは、手首32hの一部を緊縮している。
【0038】
帯状部10は、筒状体20に設けられ、腕30に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状の部分である。また、本実施形態の帯状部10は、基部12と、第1帯状部14と、第2帯状部16と、を含む。基部12は、手首32hにおける腕30の内側中央に当接する部分である。第1帯状部14は、基部12から腕30の内側を通り、肘36の内側を越えて延伸する部分である。第2帯状部16は、基部12から腕30の内側を通り、肘36の内側を越えて延伸する部分である。
【0039】
第1帯状部14は、肘36の内側において肘窩38より尺骨42側の位置に当接する。第1帯状部14は、基部12から離れるにつれて徐々に尺骨42側に傾斜して延伸する。第2帯状部16は、肘36の内側において肘窩38より橈骨44側の位置に当接する。第1帯状部14は、基部12から離れるにつれて徐々に橈骨44側に傾斜して延伸する。つまり、第1帯状部14と第2帯状部16とは、基部12から離れるにつれて徐々に尺骨42側と橈骨44側とに離間し、その間の間隔が大きくなり、肘36の内側において肘窩38を挟む位置に互いに離れて当接する。
【0040】
図7図9に示すように、帯状部10には、第1帯状部14と第2帯状部16とが接続される接続領域10jが設けられる。本実施形態の接続領域10jは、基部12から腕30の内側中央近傍に延びている。この例の接続領域10jの延伸長は、非装着状態で40mm〜80mmの範囲に設定されている。
【0041】
第1帯状部14の接続領域10jを除いた部分14hの横幅14wは一定に形成されている。部分14hの横幅14wに限定はないが、一例として横幅14wは、非装着状態で14mm〜20mmの範囲に設定されてもよい。第2帯状部16の接続領域10jを除いた部分16hの横幅16wは一定に形成されている。この例の部分16hの横幅16wに限定はないが、一例として横幅16wは、非装着状態で10mm〜16mmの範囲に設定されてもよい。この例では、部分14hの横幅14wは、部分16hの横幅16wより大きく設定されている。
【0042】
接続領域10jの横幅10wに限定はないが、一例として、接続領域10jの横幅10wは、非装着状態で20mm〜26mmの範囲であって、部分14h、16hの横幅14w、16wより大きく形成されてもよい。接続領域10jの横幅10wは、基部12から離れるにつれて小さく設定されてもよい。接続領域10jは、腕30の内側において長掌腱膜40を覆う部分に当接するように形成されてもよい。
以上が第3実施形態の説明である。
【0043】
[第4実施形態]
次に、図10を参照して、本発明に係る第4実施形態の腕装着具付き衣類400の構成について説明する。第1〜第3実施形態の説明では、腕装着具が独立した装着体である例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、腕装着具は身体に装着される下着、衣類などの衣類やサポータなどの装着体の一部であってもよい。図10は、本発明に係る第4実施形態の腕装着具付き衣類400を身体に装着した状態を示す装着図である。腕装着具付き衣類400は、着用される形態によって、アンダーシャツ、長袖のTシャツ、スポーツシャツまたは肌着などと称されることがある。
【0044】
第4実施形態の腕装着具付き衣類400は、本体部48と、左右一対の腕装着具300L、300Rと、を備えている。腕装着具300L、300Rは、衣類の一部として本体部48と一体化されている。本体部48は、身体の胴部50に着用される部分で、図10の例ではアンダーシャツとして機能する。本体部48は、丸編みにより筒状体20と一体に形成されてもよい。本体部48は、筒状体20とは別に形成され、縫合により一体化されても良い。腕装着具300L、300Rは、腕30に着用されている。腕装着具300L、300Rは、第3実施形態に対して、衣類の一部として本体部48と一体化されている点で相違し、他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
【0045】
腕装着具付き衣類400において、腕装着具300L、300Rは、第3実施形態と同様の作用効果を奏する。加えて、腕装着具付き衣類400は、衣類を身体に着用することにより、左右の腕装着具300L、300Rを間違えることなく所定の腕の所定の位置に装着することができる。また、運動などの際に腕装着具300L、300Rの位置ずれを防ぐことができる。
以上が第4実施形態の説明である。
【0046】
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の腕装着具は、人の腕30に装着される筒状体20と、筒状体20に設けられ、腕30に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部10と、を備える。帯状部10は、拇指32eと人差指32fの間に当接する基部12と、基部12から手の平32aを通り、肘36を越えて延伸する第1帯状部14と、基部12から手の甲32bを通り、肘36を越えて延伸する第2帯状部16と、を含む。第1帯状部14は、少なくとも手の平32aに当接し、第2帯状部16は、少なくとも手の甲32bに当接する。
【0047】
この態様によると、帯状部10の基部12を拇指32eと人差指32fの間に当接させることができる。また、拇指32eと人差指32fの間から手の平32aにわたる領域および橈骨周辺の筋肉に当接力を加えることができる。この結果、腕30の拇指屈筋群に圧縮を加えて、伸筋に弛緩をもたらすことができる。伸筋が弛緩することにより、腕の動きが滑らかになり、腕30の疲労を緩和することができる。
【0048】
第1帯状部14と、第2帯状部16とは、手首32hと肘36との間で接続されてもよい。この場合、
【0049】
第1帯状部14と、第2帯状部16とは、手首32hの内側近傍で接続されてもよい。この場合、手首32hの内側近傍の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0050】
第1帯状部14と、第2帯状部16とは、腕30の内側の橈骨側に寄った位置で接続されてもよい。この場合、腕30の内側の橈骨側に寄った位置の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0051】
第2帯状部16は、手の甲32b側から腕30の内側へ螺旋状に延びてもよい。この場合、第2帯状部16の螺旋状部分に囲まれる部分の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0052】
筒状体20は、人差指32fの拇指32e側の根本を覆ってもよい。この場合、帯状部10を人差指32fと拇指32eの間の適切な位置に支持することができる。
【0053】
筒状体20は、拇指32eを通す拇指孔22hが設けられ、帯状部10は、拇指孔22hを半周以上にわたって囲むように配置されてもよい。この場合、帯状部10を拇指32eを囲む領域の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0054】
本発明の別の態様の腕装着具は、人の腕30に装着される筒状体20と、筒状体20に設けられ、腕30に装着されたときに所定の部位に当接する程度の伸縮性を有する帯状部10と、を備える。帯状部10は、手首32hにおける腕30の内側中央に当接する基部12と、基部12から腕30の内側を通り、肘36の内側を越えて延伸する第1帯状部14と、基部12から腕30の内側を通り、肘36の内側を越えて延伸する第2帯状部16と、を含む。第1帯状部14は肘36の内側において肘窩38より尺骨側の位置に当接し、第2帯状部16は肘36の内側において肘窩38より橈骨側の位置に当接する。
【0055】
この態様によると、帯状部10を、拇指屈筋を覆う部分に当接させることができる。特に、腕30の橈骨周辺の筋肉に当接力を付与することができる。この結果、腕30の拇指屈筋群に圧縮を加えて、伸筋に弛緩をもたらすことができる。伸筋が弛緩することにより、腕の動きが滑らかになり、腕30の疲労を緩和することができる。また、第1帯状部14と第2帯状部16とに囲まれた領域の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0056】
上述の腕装着具において、帯状部10には、第1帯状部14と第2帯状部16とが接続される接続領域10jが設けられてもよく、接続領域10jは基部12から延びていてもよい。この場合、接続領域10jが当接する領域の筋肉に効率的に当接力を付与することができる。
【0057】
上述の腕装着具において、第1帯状部14の接続領域10jを除いた部分14hの横幅14wは一定に形成されてもよい。この場合、橈骨側の屈筋群に一定の当接力を付与することができる。
【0058】
上述の腕装着具において、第2帯状部16の接続領域10jを除いた部分16hの横幅16wは一定に形成されてもよい。この場合、尺骨側の屈筋群に一定の当接力を付与することができる。
【0059】
上述の腕装着具において、接続領域10jの横幅10wは、第1帯状部14の接続領域10jを除いた部分14hおよび第2帯状部16の接続領域10jを除いた部分16hの横幅14w、16wより大きく形成されてもよい。この場合、横幅10wが小さく形成される場合より、接続領域10jが当接する領域の筋肉に一層強い当接力を付与することができる。
【0060】
上述の腕装着具において、第1帯状部14の接続領域10jを除いた部分14hの横幅14wは、第2帯状部16の接続領域10jを除いた部分16hの横幅16wより大きく形成されてもよい。この場合、尺骨側の屈筋群に橈骨側の屈筋群より強い当接力を付与することができる。
【0061】
上述の腕装着具において、接続領域10jは、腕30の内側において長掌腱膜40を覆う部分に当接するように構成されてもよい。この場合、長掌腱膜40の接続領域10jが当接する領域に当接力を付与することができる。
【0062】
本発明のさらに別の態様の腕装着具付き衣類は、上述の腕装着具を備える。この態様によると、拇指屈筋を覆う部分に帯状部10を当接させることができる衣類を提供することができる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0064】
[変形例]
以下、変形例について説明する。変形例の説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0065】
実施形態の説明では、筒状体20の反先側の第2開口20jが、肘36の近傍に位置する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、筒状体20の反先側の開口は、上腕または肩まで延びてもよい。
【0066】
実施形態の説明では、左右の腕装着具100が独立している例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、左右の腕装着具100は、一部でつながっていてもよい。
【0067】
実施形態の説明では、左右一対の腕装着具100を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。一方の腕のみの腕装着具100を備えるようにしてもよい。
【0068】
実施形態の説明では、左右の腕装着具100が、互いに対称な形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。左右の腕装着具100は、互いに非対称な形状を有していてもよい。例えば、一方の腕に、第1実施形態を装着し、他方の腕に第2実施形態を装着するようにしてもよい。
【0069】
第3実施形態の説明では、基部12が、手首32hの内側中央に当接する例を示したが、本発明はこれに限られない。基部12は、手首32hの内側中央より拇指側に寄った位置に当接してもよいし、反拇指側に寄った位置に当接してもよい。
【0070】
実施形態の説明では、筒状体20が丸編みにより一体の筒状に形成される例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、筒状体20は、平編みにより平らに編まれ、縫製等により筒状に形成されてもよい。あるいは、筒状体20は、所定の箇所にファスナを設け、ファスナを開いた状態で腕に巻き付け、ファスナを閉じて腕を包囲するようにしてもよい。
【0071】
これらの変形例は、前述の実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0072】
前述の各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる各実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0073】
10・・帯状部、 10j・・接続領域、 12・・基部、 14・・第1帯状部、 16・・第2帯状部、 20・・筒状体、 22・・第1筒状体、 22h・・拇指孔、 24・・第2筒状体、 26・・第3筒状体、 30・・腕、 32・・手、 32a・・手の平、 32b・・手の甲、 32e・・拇指、 32f・・人差指、 32g・・小指、 32h・・手首、 34・・前腕、 36・・肘、 38 肘窩、 40 長掌腱膜、 42 尺骨、 44 橈骨、 100、200、300・・腕装着具。
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10