(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6978800
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】レース編地とその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04B 21/10 20060101AFI20211125BHJP
D04B 21/00 20060101ALI20211125BHJP
D04B 23/14 20060101ALI20211125BHJP
D04B 27/32 20060101ALI20211125BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20211125BHJP
A41D 31/04 20190101ALI20211125BHJP
【FI】
D04B21/10
D04B21/00 A
D04B23/14
D04B27/32
A41D31/00 502D
A41D31/04 G
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-165985(P2020-165985)
(22)【出願日】2020年9月30日
【審査請求日】2020年10月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000133054
【氏名又は名称】株式会社タケダレース
(72)【発明者】
【氏名】石田 幹夫
【審査官】
長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−229813(JP,A)
【文献】
特開2002−004158(JP,A)
【文献】
特開2013−155463(JP,A)
【文献】
特開昭50−005369(JP,A)
【文献】
特開2017−150094(JP,A)
【文献】
実開昭52−115757(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D31/00−31/32
D04B1/00−39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄構成糸を導糸するガイドが互いに1針ずれた1針おきの交互配列をなすように分割構成されて並設された2枚の分割ジャカード筬と、
少なくとも1枚の地筬とにより編成されてなるレース編地であって、
前記分割ジャカード筬の交互配列のガイドによりそれぞれ柄構成糸が導糸され、前記柄構成糸の組織はそれぞれ2ウエールに渡り互いに逆方向に移行される挿入組織を基本として、
ジャカード制御により該基本組織を変化せしめられたネット部が設けられ、
前記基本組織をチェーン番号で表すと、前記2枚の分割ジャカード筬の一方の基本組織が00/44/、他方の基本組織が66/22/であることを特徴とするレース編地。
【請求項2】
柄構成糸を導糸するガイドが互いに1針ずれた1針おきの交互配列をなすように分割構成されて並設された2枚の分割ジャカード筬と、
少なくとも1枚の地筬とを備える経編機により編成するレース編地の製造方法であって、
前記地筬により地編の組織を編成し、
更に前記分割ジャカード筬の交互配列のガイドによりそれぞれ柄構成糸を導糸し、前記柄構成糸の組織はそれぞれ2ウエールに渡り互いに逆方向に移行する挿入組織 を基本として、
ジャカード制御により該基本組織を変化させたネット部を設け、
前記基本組織をチェーン番号で表すと、前記2枚の分割ジャカード筬の一方の基本組織が00/44/、他方の基本組織が66/22/であることを特徴とするレース編地の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレース編地に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャカード筬を備える経編機により編成されたレース編地が知られている。このレース編地は、ジャカード筬に導糸される柄構成糸がジャカード変化することにより形成されるネット部を有している。経編機が2枚の分割ジャカード筬を有している場合であっても、ジャカード筬の基本組織は、2枚とも同じ組織である(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−4158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジャカード変化によるネット部の形状は、実用性を考えるとある程度見慣れた物が多くなっている。ネット部の目寄れが出難いようにしたり、ネット部の破裂強度をある程度高めにしようとしたりすると、どうしても選べるネット部の形状が限られてきてしまう。
【0005】
そこで本発明は、ジャカード変化によるネット部を、実用性を維持しつつ、新規な意匠を有する形状としたレース編地及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する本発明は、柄構成糸を導糸するガイドが互いに1針ずれた1針おきの交互配列をなすように分割構成されて並設された2枚の分割ジャカード筬と、少なくとも1枚の地筬とにより編成されてなるレース編地であって、前記分割ジャカード筬の交互配列のガイドによりそれぞれ柄構成糸が導糸され、
前記柄構成糸の組織はそれぞれ2ウェールに渡り互いに逆方向に移行される
挿入組織を基本として、ジャカード制御により該基本組織を変化せしめられたネット部が設けられ
、前記基本組織をチェーン番号で表すと、前記2枚の分割ジャカード筬の一方の基本組織が00/44/、他方の基本組織が66/22/であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2は、前記のレース編地の製造方法であり、柄構成糸を導糸するガイドが互いに1針ずれた1針おきの交互配列をなすように分割構成されて並設された2枚の分割ジャカード筬と、少なくとも1枚の地筬とを備える経編機により編成するレース編地の製造方法であって、前記地筬により地編の組織を編成し、更に前記分割ジャカード筬の交互配列のガイドによりそれぞれ柄構成糸を導糸し、
前記柄構成糸の組織はそれぞれ2ウェールに渡り互いに逆方向に移行する
挿入組織を基本として、ジャカード制御により該基本組織を変化させたネット部を設け
、前記基本組織をチェーン番号で表すと、前記2枚の分割ジャカード筬の一方の基本組織が00/44/、他方の基本組織が66/22/であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のレース編地によれば、ジャカードの基本組織を従来にないものとすることで、該基本組織を変化せしめたネット部が、これまでにない新規な意匠を有する形状とすることができ、シャープなイメージが形成できる。また、本発明の製造方法によれば、前記のような新規な意匠のネット部を有するレース編地を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基いて説明する。本発明に係るレース編地は、1針おきの交互配列、すなわち1針ずらせた1イン1アウトの配列をなすように分割構成され、かつ前後に隣接して並設された独立制御可能な2枚の分割ジャカード筬(L2−1)(L2−2)と、少なくとも1枚の地筬とにより編成される。前記の2枚の分割ジャカード筬(L2−1)(L2−2)は、筬の基本組織運動とは別に、それぞれ1針おきに配列された各ガイドがさらに編針ピッチの1針分緯方向に変位できるように設けられており、各々がジャカード装置の変位プログラムに従って制御されて、所望のレース調の柄の編成が行なわれるようになっている。
【0011】
すなわち、
図1に示すとおり、地筬L1に導糸される地編糸1にて鎖編組織を編成し、更に前記2枚の分割ジャカード筬(L2−1)(L2−2)により、それぞれ柄構成糸2,3を導糸してジャカードの基本組織が編成される。
【0012】
具体的には、柄構成糸2,3は、それぞれ2ウエールに渡り互いに逆方向に移行される組織である。チェーン番号で表すと次のようになる。
柄構成糸2(筬L2−1):00/44/
柄構成糸3(筬L2−2):66/22/
【0013】
ジャカード筬の基本組織から緯方向に変位することで、基本組織から変化した任意のネット部を設けることができる。代表的な組織として本発明の穴地組織を
図2に示す。本発明の実施形態では、基本組織から1コースおきに左方向に変位して穴目を設けている。チェーン番号で表すと次のようになる。
柄構成糸2(筬L2−1):22/44/
柄構成糸3(筬L2−2):66/44/
【0014】
次に、ジャカード筬の基本組織から変化した別の組織として、厚地組織を
図3に示す。本発明の実施形態では、基本組織から1コースおきに左方向に変位して柄構成糸が2本重なる部分を設けている。チェーン番号で表すと次のようになる。
柄構成糸2(筬L2−1):00/66/
柄構成糸3(筬L2−2):88/22/
【0015】
ここで、従来のレース編地の基本組織を
図5に、穴地組織を
図6に、厚地組織を
図7に示す。どの組織も本発明の実施形態とは異なるものである。
【0016】
本発明は2枚の分割ジャカード筬を備えた経編機にて実施できる。使用糸としては、地編糸には任意の糸を用いることができるが、レース編地の需要としては、ナイロン糸またはポリエステル糸を用いることが望ましい。また、芯糸をポリウレタン糸、被覆糸をナイロン糸もしくはポリエステル糸とした複合糸を用いても良く、低融点で熱接着性の糸を用いてレース編地のほつれを防止しても良い。
【0017】
ジャカード筬に導糸される柄構成糸にも任意の糸を用いることができるが、ナイロン糸、ポリエステル糸、レーヨン糸、綿糸等を用いることが望ましい。また、芯糸をポリウレタン糸、被覆糸をナイロン糸、ポリエステル糸、レーヨン糸または綿糸とした複合糸を用いても良く、低融点で熱接着性の糸を用いてレース編地のほつれを防止しても良い。
【0018】
地編糸及びジャカード筬に導糸される柄構成糸以外にも、柄筬に導糸される柄糸を追加して、レース柄の表現を高めても良い。また、ポリウレタン糸等の伸縮性糸を別の地筬に導糸して、レース編地に伸縮性を持たせても良い。また、低融点で熱接着性のある糸を柄糸・伸縮性糸のいずれかに用いてレース編地のほつれを防止しても良い。
【0019】
本発明のレース編地のネット部は、
図4に示すとおりであり、従来のネット部である
図8と比較して、くっきりとしており、今までにない新鮮な意匠となりえる。
【符号の説明】
【0020】
1…地編糸、2,3…柄構成糸、4…ネット部
【要約】
【課題】ジャカード変化によるネット部を、実用性を維持しつつ、新規な意匠を有する形状としたレース編地及びその製造方法を提供する。
【解決手段】柄構成糸2,3を導糸するガイドが互いに1針ずれた1針おきの交互配列をなすように分割構成されて並設された2枚の分割ジャカード筬と、少なくとも1枚の地筬とにより編成されてなるレース編地であって、前記分割ジャカード筬の交互配列のガイドによりそれぞれ柄構成糸2,3が導糸され、それぞれ2ウエールに渡り互いに逆方向に移行される組織を基本として、ジャカード制御により該基本組織を変化せしめられたネット部4が設けられることを特徴とする。
【選択図】
図1