特許第6978813号(P6978813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6978813
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】空間除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/015 20060101AFI20211125BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20211125BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20211125BHJP
   F24F 8/26 20210101ALI20211125BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20211125BHJP
   F24F 8/98 20210101ALI20211125BHJP
【FI】
   A61L9/015
   A61L9/20
   F24F8/22
   F24F8/26
   F24F8/80 238
   F24F8/80 220
   F24F8/80 252
   F24F8/98
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2021-28138(P2021-28138)
(22)【出願日】2021年2月25日
【審査請求日】2021年4月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521037606
【氏名又は名称】有限会社都工業
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】山村 憲二
【審査官】 佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−254441(JP,A)
【文献】 特開2009−240697(JP,A)
【文献】 特開昭54−114471(JP,A)
【文献】 特開2003−310723(JP,A)
【文献】 特開2005−342509(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0107021(KR,A)
【文献】 国際公開第2019/131124(WO,A1)
【文献】 特開2003−116973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00− 9/20
F24F 8/00− 8/99
B01D 53/34−53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に吸気孔、上部に排気孔を有し、内部空間に、切欠を有する複数の仕切板を横方向に設置し、前記吸気孔から前記排気孔に至る通路を設ける筐体と、
前記吸気孔から空気を吸い込み、上方に排出する送風機と、
前記内部空間の上部領域に配置され、紫外線を発生することによりオゾンを分解する紫外線発生部と、
前記内部空間の下部領域に配置され、オゾンを発生し、空気を殺菌するオゾン発生部と、
前記排気孔から流出する空気を加速させる、前記排気孔に向かって前記通路の断面積が縮減するオリフィス又はノズルを有する流体加速機構と、を備え、
前記吸気孔から吸い込んだ空気を、前記通路に沿って、下方から上方に向かって、曲がりくねらせて上昇させ、前記オゾン発生部からのオゾンに曝露させること、
該曝露された空気を前記紫外線発生部からの紫外線に当て、前記オゾンを分解すること、
及び、前記排気孔から流出する空気を天井に吹き付けることで、ダウンフローを発生させ、室内の下部に押し下げられた空気は、再び、前記吸気孔から吸気し、前記オゾンの暴露と分解を行うことを特徴とする空間除菌装置。
【請求項2】
前記上部領域の仕切板を透明な材質とし、前記紫外線発生部と前記オゾン発生部を仕切る仕切板を不透明な材質とする請求項1に記載の空間除菌装置。
【請求項3】
前記紫外線発生部の紫外線の波長が260〜400nmであり、前記オゾン発生部が、紫外線によりオゾンを発生させるものであり、該紫外線の波長が100〜240nmである請求項1又は2に記載の空間除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が集まる空間の除菌、消臭を行う空間除菌装置である。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1に示す通り、紫外線殺菌システムの殺菌効果評価のためのCFD解析方法が提案されている。
【0003】
紫外線とオゾンを使って空気を殺菌し、オゾンを分解することは、特許文献1と特許文献2に記載されている。
【0004】
特許文献1の発明は、空気殺菌・脱臭を行うことができるとともに、オゾンの外部への漏れを著しく低減することの可能な空気清浄機を提供する。この発明は、空気流入口と空気流出口とを有する筐体内において、空気流入口近傍に第1紫外線ランプが設置され、空気流出口近傍に第2紫外線ランプが設置されており、第1紫外線ランプは、波長が250〜270nm帯域(例えば波長254nm)の紫外線と、波長が100〜220nm帯域(例えば波長185nm)の紫外線とを発生し、第2紫外線ランプ22は、波長が250〜270nm帯域(例えば波長254nm)の紫外線のみを発生する。
【0005】
特許文献2の空気浄化装置は、通気体を有する。通気体の両端にはそれぞれ開口が形成されており、開口それぞれにはフィルタ設けられている。通気体は、その内部を空気が通過するようになっている。通気体の内部には、送風機と、複数の紫外線ランプと、オゾンランプと、複数の光触媒フィルタとが配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−153897号公報
【特許文献2】特許第6009585号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】成旻起ら、「紫外線殺菌システムの殺菌効果評価のためのCFD解析方法の検討」、2008.8.27〜29、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、p.2047〜2050
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の紫外線除菌機では波長、光量共に人体への影響があり、消毒、除菌を目的とした地肌への直接照射に適した技術体系では無く、従来の技術では空調を利用し、一度、室内の空気を吸い出し紫外線に晒す機構であり、装置の工事、使用できる環境の限定、装置費用の高騰等のマイナス要素を兼ね、一般企業や家庭などの導入は、購入負荷やメンテナンス負荷などの負担がかかってしまっていた。実稼働まで至ったとしても、空気の除菌であるため、飛沫や循環しきらない埃等の殺菌には不向きであった。又、オゾンに関しても曝露量に規制があり、多量を人の介在する環境に発生させると体調不良を起こす等、扱いが難しい技術となっているのが現状である。
【0009】
そこで、本発明の課題は、一般企業や家庭で使用できる、空間の除菌を行う装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下部に吸気孔、上部に排気孔を有し、内部空間に、切欠を有する複数の仕切板を横方向に設置し、前記吸気孔から前記排気孔に至る通路を設ける筐体と、前記吸気孔から空気を吸い込み、上方に排出する送風機と、前記内部空間の上部領域に配置され、紫外線を発生することによりオゾンを分解する紫外線発生部と、前記内部空間の下部領域に配置され、オゾンを発生し、空気を殺菌するオゾン発生部と、前記排気孔から流出する空気を加速させる、前記排気孔に向かって前記通路の断面積が縮減するオリフィス又はノズルを有する流体加速機構と、を備え、前記吸気孔から吸い込んだ空気を、前記通路に沿って、下方から上方に向かって、曲がりくねらせて上昇させ、前記オゾン発生部からのオゾンに曝露させること、該曝露された空気を前記紫外線発生部からの紫外線に当て、前記オゾンを分解すること、及び、前記排気孔から流出する空気を天井に吹き付けることで、ダウンフローを発生させ、室内の下部に押し下げられた空気は、再び、前記吸気孔から吸気し、前記オゾンの暴露と分解を行うことを特徴とする空間除菌装置である。
【0011】
この構成により、上部の排気孔により天井へ向け除菌済み空気を排出し、天井に吹き付けることで、ダウンフロー(下降気流)を発生させ、細菌を含んだ汚染空気を室内下部に押し下げる。室内下部に押し下げられた空気は、再度、装置に吸気され、室内に対流、循環を生み、室内の空気の全体的で持続的な循環を実現し、常に清潔な空気を排出し続けることにより、空間の除菌を行うことができる。このダウンフローの発生により、空気中の飛沫やエアロゾルを人の頭の高さから共に離し、エアロゾルの抑制を実現し、感染予防を行う。オゾンを使っているため、除菌に加えて、消臭をすることもできる。
【0012】
従来のオゾン除菌機と違い、紫外線を当てて空気の除菌、消臭に使用したオゾンを分解することにより、オゾンが室内に直接排出されないため、人体に与える健康上の影響を抑制することができる。
【0013】
本発明の層別構造の仕切板により除菌、消臭、無害化のプロセスを円滑に行い、常に同条件の空気の排出を実現した。筐体の吸気孔より吸い上げた空気を装置内で層別の仕切板に通し、オゾン発生部により発生させた低濃度のオゾンに菌を曝露する。これにより、菌の活性力を弱め、装置上層部で紫外線による殺菌が行われるため、排出される空気には活性菌の減少、死滅が確認された。「低濃度のオゾン」とは、0.1〜0.8ppmの濃度を意味する。
【0014】
電気がありさえすれば、建物内で換気の必要なく使用できる。下部にキャスタがついているため移動が簡単であり場所を選ばない上、置き場を選ばないため使用状況に合わせて、室内を自由に行き来できる。仕切板にステンレス鋼を使用すれば、腐食に強く清掃が簡単である。それらの全ての要素が人の介在する空間に必要とされている現代、様々な接客業や会社形態に適用可能なシステムを提供できる。
【0015】
前記上部領域の仕切板を透明な材質とする。
【0016】
この構成により、紫外線によるオゾンの分解効果を高めることができる。
【0017】
前記紫外線発生部と前記オゾン発生部を仕切る仕切板を不透明な材質とする。
【0018】
この構成により、オゾンの曝露領域に紫外線発生部からの紫外線を当てないようにすることができる。
【0019】
前記紫外線発生部の紫外線の波長が260〜400nmである。
【0020】
この構成により、紫外線発生部の紫外線によりオゾンの分解、及びオゾンで除菌しきれなかった細菌の除菌を行うことができる。
【0021】
前記オゾン発生部が、紫外線によりオゾンを発生させるものであり、該紫外線の波長が100〜240nmである。
【0022】
この構成により、オゾンを効果的に発生することができ、0.1〜0.8ppmの低濃度のオゾンを安定的に発生させることができる。
【0023】
前記排気孔から流出する空気を加速させる流体加速機構を備える。流体加速機構としては、オリフィス等が例示される。
【0024】
この構成により、室内のダウンフローの流速を増幅できる。
【0025】
具体的には、本発明は、自立型の装置で下部に吸気口、上部に空気の排気孔があり、下部についた車輪により機器の移動が可能である。装置内部は空洞になっており、仕切板によりジグザグの通路を有し、内部に複数の層を形成する。内部にはオゾン発生用のUV管、紫外線発生用のUV管、ファンがあり、それらで除菌、消臭を行う。
【0026】
この具体例では、装置下部のファンが室内の空気を筐体内に吸入し、装置内部を通す。装置下層部のオゾン発生用のUV管からオゾンを発生させ、空気の除菌や消臭を行う。オゾンにより除菌や消臭を行った空気に、装置上層部の紫外線発生用のUV管で発生する紫外線を当て、オゾンの分解、及びオゾンで除菌しきれなかった細菌の除菌を行う。
【0027】
筐体内の上部領域に紫外線を透過させるための透明の仕切板があり、下部領域に不透明の仕切板がある。紫外線の装置外への排出を防ぐための有色の仕切板を設けている。装置の下部に運搬用キャスタを備えている。
【発明の効果】
【0028】
天井から床にかけてダウンフローを生じることで、一般企業や家庭で使用できる空間の除菌、消臭を行う装置を提供することができる。筐体内の空気の通路の長さを長くできるので、オゾンによる室内の空間の効果的な除菌、消臭が可能であり、紫外線によりオゾンを効果的に無害化できるため、人が介在する空間においても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明実施形態の空間除菌装置の内部構造を示す斜視図である。
図2】(a)(b)は、同装置の外観斜視図である。
図3】同、縦断面図である。
図4】同、使用状態参考図である。
図5】本発明の他の実施形態の空間除菌装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明実施形態の空間除菌装置1(以下、装置1という。)は、内部空間2に、切欠3を有する、複数の仕切板4a〜4eにより構成される通路5を設け、上部に排気孔6、底部に吸気孔7を有する筐体8と、吸気孔7から空気を吸い込み、排気孔6から排出させる送風機9と、筐体8の上部領域に配置され、紫外線を発生する紫外線発生部10と、筐体8の下部領域に配置され、オゾンを発生するオゾン発生部11と、を備えている。
【0031】
装置1は、吸気孔7からの空気を、通路5に沿って、下方から上方に向かって、ジグザグに上昇させ、オゾン発生部11から発生したオゾンに曝露させること、曝露された空気を紫外線発生部10から発生した紫外線に当て、オゾンを分解すること、この空気を排気孔6から排出させることを特徴とする。以下、各要素を詳細に説明する。
【0032】
切欠3は各仕切板4a〜4eに設けられ、好ましくは端部に設けられる。図3に示す通り、ここでは、互い違いに切欠3が設けられることで、ジグザグの通路5を設けている。仕切板4eは両端部に切欠3を設けている。この切欠3は、短手方向と長手方向とを備えて、所定の幅と長さを有し、その寸法は適宜設定できる。
【0033】
仕切板4a〜4eが層別に横方向に配置され、前板8c、後板8d、及び/又は側板8e、8fの内側に固定されている。仕切板4a〜4dのそれぞれの片側に切欠3を備え、仕切板4eの両側に切欠3を備えている。仕切板4c、4dを透明な材質、例えば、透明アクリル体とし、仕切板4a、4b、及び4eを不透明な材質、例えば、ステンレス板又は黒色アクリル体とする。
【0034】
仕切板4aは、内部の仕切り板であり、ステンレス製の不透明な板である。筐体8内の空気の流れを制限し一定方向にのみ動くようにするものである。仕切板4aが不透明であり、紫外線を透過しないため、紫外線が装置1下部から漏れ出ることを防止することができる。仕切板4aの材質としては、紫外線を透過せず、オゾンにより腐食されないものであればよく、黒色等の有色で不透明なアクリル体、木、非鉄金属等も採用可能である。オゾンにより腐食されるものであっても、オゾンによって腐食されない材料、例えばフッ素樹脂等を表面にコーティングしたものであれば採用可能である。
【0035】
仕切板4bは、内部の仕切り板であり、ステンレス製の不透明な板である。筐体8内の空気の流れを制限し一定方向にのみ動くようにするものである。仕切板4bが不透明であり、紫外線を透過しないため、仕切板4bの上の通路を通過している空気にオゾン発生部11の紫外線が当たらないようにすることができる。仕切板4bの材質としては、仕切板4aと同様のものを採用可能である。
【0036】
仕切板4cは、内部の仕切り板であり、透明アクリル体である。筐体8内の空気の流れを制限し一定方向にのみ動くようにするものである。仕切板4cが透明であり、紫外線を透過するため、仕切板4cの下の通路を通過している空気にも紫外線発生部10の紫外線を当てることができ、オゾンを分解する領域を拡大することができる。これにより、オゾンの分解が促進される。
【0037】
仕切板4dは、内部の仕切り板であり、透明アクリル体である。筐体8内の空気の流れを制限し一定方向にのみ動くようにするものである。仕切板4dが透明であり、紫外線を透過するため、仕切板4dの下の通路を通過している空気にも紫外線発生部10の紫外線を当てることができ、オゾンを分解する領域が拡大することができる。これにより、オゾンの分解が促進される。
【0038】
最上層の仕切板4eは、両側に一対の切欠3が設けられたステンレス製の不透明な板であり、紫外線の外部への流出を防ぎ、上部の排気孔6より内部空間2に落下する物体から装置1の内蔵物を保護するものである。切欠3の個数や位置は適宜、設定できる。仕切板4eの材質としては、紫外線を透過せず、オゾンにより腐食されず、排気孔6より内部空間2に落下する物体から装置1の内蔵物を保護できるものであればよく、黒色等の有色で不透明なアクリル体、木、非鉄金属等も採用可能である。オゾンにより腐食されるものであっても、オゾンによって腐食されない材料、例えばフッ素樹脂等を表面にコーティングしたものであれば採用可能である。
【0039】
通路5は、装置1の内部空間2に仕切板4a〜4eが配置されていることにより、下方から上方に向かってジグザグとなっているため、通路5を流れる空気が加速と減速を繰り返すことで、紫外線の効果を高めることができる。
【0040】
排気孔6は、除菌、消臭済みの空気を排出するものである。
【0041】
吸気孔7は、装置1内への吸気を行うためのものである。
【0042】
筐体8は、ボディーであり、装置1の内部空間2を構築するためのベース部品であり、内部空間2で発生する紫外線を乱反射させてロスを減らすため、及び内蔵物保護のための外装である。
【0043】
この筐体8は、内部空間2を包む、上板8aと、底板8bと、前板3cと、後板3dと、側板8e、8fと、を備えている。底板8bは、送風機9、吸気孔7等を取り付けるベースであり、内蔵物の破損を防ぐものである。
【0044】
送風機9は、吸気ファン又は吸気ブロワであり、装置1の下部の吸気孔7より空気を吸入するものである。
【0045】
紫外線発生部10は、波長が260〜400nmである、オゾン分解用の紫外線を発生するUV管を備え、内部空間2で発生させたオゾンが、外部に漏れ出さないようにオゾンの分解を行い、無害化するものであり、通路5の仕切板4d、4eで画定される領域に配置される。紫外線発生部10の紫外線により、オゾンで除菌し切れなかった菌を死滅させることもできる。仕切板4b、4eが不透明であり、仕切板4c、4dが透明であるため、通路5の仕切板4b〜4eで画定される領域を通過する空気に紫外線発生部10で発生させた紫外線を当てることができる。紫外線発生部10が発生させる紫外線の波長が260nmよりも長いため、オゾンの発生を防止することができ、紫外線の波長が400nmよりも短いため、オゾンの分解をすることができる。紫外線発生部10が発生させる紫外線の波長範囲としては、280〜300nmであることがより好ましく、この波長範囲であれば、オゾンの発生の防止とオゾンの分解をより効果的に行うことができる。
【0046】
オゾン発生部11は、波長が100〜240nmである、オゾン発生用の紫外線を発生するUV管を有し、紫外線を利用してオゾンを発生させるものであり、通路5の仕切板4a、4bで画定される領域に配置される。仕切板4a、4bが不透明であるため、通路5の仕切板4a、4bで画定される領域を通過する空気にオゾン発生部10で発生させた紫外線を当てることができる。オゾン発生部11が発生させる紫外線の波長が100nmよりも長いため、オゾンを発生することができ、紫外線の波長が240nmよりも短いため、オゾンの分解を防止することができる。オゾン発生部11が発生させる紫外線の波長範囲としては、200〜220nmであることがより好ましく、この波長範囲であれば、オゾンの発生とオゾンの分解の防止をより効果的に行うことができる。オゾン発生部11としては、沿面放電、又は無声放電によりオゾンを発生させる装置等の公知のものを採用することも可能である。
【0047】
流体加速機構13は、排気孔6に向かって断面積が縮減するオリフィス又はノズルを備え、装置1内で生成された除菌、消臭済み空気の流速を加速させ、室内100の天井101へ向けて噴出するための機構である。流体加速機構13は、上板8aから排気孔6の下側領域に配置されている。流体加速機構13の筐体の断面積は、筐体8の断面積よりも小さく設定されている。
【0048】
ブレーカースイッチ14は、漏電時や施設停電時に自動で断電し装置1の勝手な稼働を防ぎ、非使用時に電源を落とすものである。
【0049】
キャスタ15は、装置1の移動のための機構であり、筐体8の下部と装置1を設置する床面とに隙間を空け、吸気孔7への空気の流入量を増加するものである。
【0050】
把手16は、キャスタ15による移動を支援するものである。前板8cの右上にランプ17が設けられ、運転時に点灯するようになっている。
【0051】
以上説明した装置1によれば、図4に示す通り、上部の排気孔6により室内100の天井101へ向け除菌済み空気を排出し、天井101に吹き付けることで、ダウンフローを発生させ、細菌を含んだ汚染空気を室内100の下部に押し下げる。室内100の下部に押し下げられた空気は、再度、装置1に吸気され、室内100に対流、循環を生み、室内100の空気の全体的で持続的な循環を実現し、常に清潔な空気を排出し続けることにより、室内100の除菌を行うことができる。このダウンフローの発生により、空気中の飛沫やエアロゾルを人の頭の高さから共に離し、エアロゾルの抑制を実現し、感染予防を行う。オゾンを使っているため、除菌に加えて、消臭をすることもできる。
【0052】
従来のオゾン除菌機と違い、空気の除菌、消臭に使用したオゾンを紫外線で分解することにより、オゾンが室内100に直接排出されないため、人体に与える健康上の影響を抑制することができる。
【0053】
装置1の層別構造の仕切板4a〜4eにより、ジグザグ状に曲がりくねらせて、空気を流すので、除菌、消臭、無害化のプロセスを円滑に行うことができ、常に同じレベルで除菌、消臭された空気の排出を実現した。吸気孔7より吸い上げた空気を装置1内で層別の仕切板4a〜4eの周辺の通路5に通し、オゾン発生部11により発生させた0.1〜0.8ppmの低濃度のオゾンに菌を曝露する。これにより、菌の活性力を弱め、装置1の上層部で紫外線による殺菌が行われるため、排出される空気には活性菌の減少、死滅が確認された。
【0054】
電気供給源さえ有れば、建物内で換気の必要なく使用できる。下部にキャスタ15がついていて、把手16を備えていることにより、移動が簡単であり、置き場所を選ばないため、使用状況に合わせて、室内100を自由に行き来できる。仕切板4a、4b、4eにステンレス板を使用しているので、腐食に強く清掃が簡単である。これにより、様々な接客業や会社形態に適用可能なシステムを提供できる。
【0055】
仕切板4aを不透明な材質とするので、オゾン発生部11からの紫外線が装置1下部から漏れ出ることを防止することができる。仕切板4c、4dを透明な材質とするので、紫外線発生部10からの紫外線によるオゾンの分解効果を高めることができる。
【0056】
紫外線発生部10とオゾン発生部11を仕切る仕切板4bを不透明な材質とするので、オゾンの曝露領域に紫外線発生部10からの紫外線を当てないようにすることができる。仕切板4eを不透明な材質とすることにより、紫外線の装置1外部への流出を防ぐことができる。仕切板4eが最上層に配置されているため、排気孔6より内部空間2に落下する物体から装置1の内蔵物を保護することができる。
【0057】
紫外線発生部10の紫外線の波長が260〜400nmであるので、オゾンの分解及び空気の除菌を効果的に行うことができる。
【0058】
オゾン発生部11の紫外線の波長が100〜240nmであるので、オゾンを効果的に発生することができ、0.1〜0.8ppmの低濃度のオゾンを安定的に発生させることができる。
【0059】
排気孔6から流出する空気を加速させる流体加速機構13を備えるので、室内100内のダウンフローの流速を増幅できる。
【0060】
本発明の他の実施形態である空間除菌装置200について、図5を参照して説明する。この他の実施形態は上記実施形態とは、概ね共通しているが、仕切板4a〜4eの切欠3と、仕切板204a〜204eの切欠203とは、その位置や数が相違し、その通路205が変更されている。仕切板204aの右端部と中央部に切欠203が設けられている。仕切板204bの両端部と中央部に切欠203が設けられている。仕切板204cの両端部と中央部に切欠203が設けられている。仕切板204dの両端部と中央部に切欠203が設けられている。仕切板204eは仕切板4eと同様である。
【0061】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれる。本発明の筐体8は、内部が空洞の柱状の構造体が例示されるが、丸形等の他の適宜の形状を採択可能である。筐体8が、オゾン発生部11を備える箱体と、紫外線発生部10を備える箱体と、の2つに分かれており、孔や管等を介して2つの箱体の内部空間が連通するように、それらを接続したものであってもよい。切欠3、仕切板4a〜4eの位置や枚数や材質は適宜、採択が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は人の集まる空間での細菌感染リスクの低減、空気の除菌、清浄を目的とし開発され、会議室や学校、待合室など人が複数集まることが想定される場所を目的に作られている。使用例として、会議室での会議、打ち合わせ、商談等の場面、喫煙所等の局所空間、病院の待合室、学校での授業中の教室、小規模店舗等の店員と客の距離の近い環境等に適用されることから、その産業上の利用可能性は、大である。
【符号の説明】
【0063】
1、200・・・空間除菌装置
2・・・内部空間
3、203・・・切欠
4a〜4e、204a〜204e・・・仕切板
5、205・・・通路
6・・・排気孔
7・・・吸気孔
8・・・筐体
8a・・・上板
8b・・・底板
8c・・・前板
8d・・・後板
8e、8f・・・側板
9・・・送風機
10・・・紫外線発生部
11・・・オゾン発生部
13・・・流体加速機構
14・・・ブレーカースイッチ
15・・・キャスタ
16・・・把手
17・・・ランプ
100・・・室内
101・・・天井
【要約】      (修正有)
【課題】一般企業や家庭で使用できる、室内空気の除菌を行う装置を提供する。
【解決手段】空間除菌装置1は、内部空間2に、切欠3を有する、複数の仕切板4a〜4eにより構成される通路5を設け、上部に排気孔6、底部に吸気孔7を有する筐体8と、吸気孔7から空気を吸い込み、排気孔6から排出させる送風機9と、筐体8の上部領域に配置され、紫外線を発生する紫外線発生部10と、筐体8の下部領域に配置され、オゾンを発生するオゾン発生部11と、を備え、吸気孔7からの空気を、通路5に沿って、下方から上方に向かって、ジグザグに上昇させ、オゾン発生部11からのオゾンに曝露させること、曝露された空気を紫外線発生部10からの紫外線に当て、オゾンを分解すること、この空気を排気孔6から排出させることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5