(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る食品製造装置100を示す概念図である。食品製造装置100は、切断して麺を形成するためのシート状の食品を製造する装置である。本実施形態では、食品製造装置100は、切断部15を有しているため、シート状の食品を切断することで、麺にした状態の食品を製造できる。また、本実施形態では、食品製造装置100は、豆腐麺を製造するものとする。従って、食品製造装置100は、シート状の食品として豆腐シートを製造する。
図2は、食品製造装置100での各工程における食品の状態を示す概念図である。
図1に示すように、食品製造装置100は、第1のシート部材供給部1と、ペースト製造部2と、ペースト供給部3と、第2のシート部材供給部4と、水切り部6と、積層体形成部7と、圧縮部8と、シート部材剥離部9と、切断部15と、を備える。なお、本明細書では、特段の説明がない場合、各動作については機械の駆動部が自動的に行ってもよく、作業者の手作業で動かしてもよい。作業者が手作業で動かす場合でも、食品製造装置100を用いることで、各作業を各段に精度良く、簡単に行うことが可能となる。
【0020】
第1のシート部材供給部1は、搬送経路に対して通水性を有する第1のシート部材10(
図2(a))を供給する。第1のシート部材10の材質は、食品のペースト層12(
図2(b))からの水分を透過させることが出来るものであれば特に限定されないが、例えば、木綿布などを採用してよい。第1のシート部材供給部1は、長手方向に連続的に延びた状態の第1のシート部材10を供給する。第1のシート部材10の幅は、製造したい豆腐シート13(
図2(e))の幅よりも僅かに広い寸法に設定される。
【0021】
ペースト製造部2は、豆腐のペースト11(食品のペースト)を製造する。ペースト製造部2は、大豆から豆乳を製造し、当該豆乳に凝固剤(塩化マグネシウムを主成分とするにがり、硫酸カルシウムを主成分とする澄まし粉などの豆乳に対し凝固作用を示す処理剤)を加えて撹拌することで、ペーストを製造する。ペースト供給部3は、第1のシート部材10上にペースト製造部2で製造したペースト11を供給して、第1のシート部材10上に薄板状に広がったペースト層12を形成する(
図2(a))。ペースト供給部3の詳細な構成については後述する。
【0022】
第2のシート部材供給部4は、第1のシート部材10との間でペースト層12を挟むように通水性を有する第2のシート部材16を供給する(
図2(b))。第2のシート部材16は、第1のシート部材10と同様な材質、大きさのものが用いられる。このように、ペースト層12を第1のシート部材10及び第2のシート部材16で挟むことによって、積層シート17が形成される。
【0023】
水切り部6は、第1のシート部材10及び第2のシート部材16で挟まれた積層シート17の状態のペースト層12から、水分を取り除く。水切り部6は、第1のシート部材10及び第2のシート部材16を透過した水分が、再びペースト層12に入り込まないように、積層シート17から出て来た水を排出する。水切り部6は、重力の影響でペースト層12の水切りをしてもよいし、積極的に積層シート17に圧力を付与して水切りを行ってもよい。
【0024】
積層体形成部7は、積層シート17を型内で往復させて多層に重ねることで積層体19(
図5参照)を形成する。積層体形成部7は、水切り部6によって水切りがなされた状態の積層シート17を型で受けると共に、当該型を往復移動させることで、型の内部で積層シート17を繰り返し折り畳むことで、積層体19を形成する。
【0025】
圧縮部8は、積層シート17を圧縮する(
図2(c))。これにより、積層シート17の中のペースト層12は、水切り部6での水切りよりも更に強く水切りされると共に、圧搾されることで豆腐シート13(
図2(d))として固まる。
【0026】
シート部材剥離部9は、圧縮後の豆腐シート13から第1のシート部材10及び第2のシート部材16を剥離させる。シート部材剥離部9は、豆腐シート13を搬送することに伴って、第1のシート部材10及び第2のシート部材16を両面側からそれぞれローラで巻き取ることなどによって、剥離を行う。
【0027】
切断部15は、豆腐シート13を切断することによって麺18を製造する(
図2(e))。切断部15は、押し出しによって切断したり、ブレードで切断したりするなどの装置によって構成され、切断方法は特に限定されない。
【0028】
上述の構成要素のうち、第1のシート部材供給部1と、ペースト供給部3と、第2のシート部材供給部4と、水切り部6とは、
図3に示すように積層シート形成装置110(積層シート形成部)としてユニット化された状態で構成されている。また、積層シート形成装置110の下流側には、積層体形成部7を構成する積層体形成装置120、及び圧縮部8を構成する圧縮装置130が設けられる。従って、
図3を参照して、各構成要素の具体的な構成について更に詳細に説明する。
図3は、食品製造装置100の積層シート形成装置110、積層体形成装置120、及び圧縮装置130の概略側面図である。
図3に示すように、積層シート形成装置110は、搬送コンベア20(搬送経路)を有しており、当該搬送コンベア20で各種部材を搬送しながら、第1のシート部材10、ペースト層12、及び第2のシート部材16を積層させた積層シート17を製造する。
【0029】
搬送コンベア20は、ベルト21と、ローラ22と、を備える。ベルト21は、積層シート17を搬送する無端の帯状部材である。ローラ22は、少なくともベルト21の長手方向における両端に配置される。搬送コンベア20の両端の一対のローラ22の上端部同士の間には、ベルト21が架け渡された状態となり、当該部分の上面が搬送面21aとなる。ローラ22が回転することによって、搬送面21aは、搬送方向D1(
図3における紙面右側から左側へ向かう方向)へ移動する。なお、
図3における紙面右側を搬送方向D1における上流側と称し、
図3における紙面左側を搬送方向D1における下流側と称する場合がある。本実施形態では、搬送面21aは水平に広がり、搬送方向D1に延びる面となっている。搬送方向D1と直交する水平方向を幅方向D2と称する。
【0030】
第1のシート部材供給部1は、搬送コンベア20の搬送方向D1の上流側の端部付近に設けられる。第1のシート部材供給部1は、供給ロールR1を支持する回転軸23と、第1のシート部材10を案内するガイドローラ24と、を備える。回転軸23は、搬送コンベア20の搬送面21aから上方へ離間した位置にて幅方向D2に延びる。供給ロールR1は、第1のシート部材10をロール状に巻き取ったロール体である。供給ロールR1は、回転軸23を中心として回転し、搬送面21aへ向けて第1のシート部材10を連続的に巻き出す。ガイドローラ24は、搬送面21aと僅かな隙間をあけて、搬送面21aの上方に設けられる。ガイドローラ24は、搬送面21aとの間の隙間に第1のシート部材10をガイドする。以上より、第1のシート部材供給部1は、搬送面21a上に第1のシート部材10を供給する。第1のシート部材10の長手方向は搬送方向D1と平行になり、第1のシート部材10の幅方向は幅方向D2と平行になる。
【0031】
ペースト供給部3は、ペースト11を供給する供給部26と、供給部26からのペースト11を幅方向D2に広げる枠体27と、を備える。枠体27は、供給部26からのペースト11を第1のシート部材10の幅方向D2に広げた状態で、第1のシート部材10上に供給する。
【0032】
第2のシート部材供給部4は、ペースト供給部3よりも搬送方向D1の下流側の位置に設けられる。第2のシート部材供給部4は、供給ロールR2を支持する回転軸41と、第2のシート部材16を案内するガイドローラ42と、を備える。回転軸41、ガイドローラ42、及び供給ロールR2の構成は、回転軸23、ガイドローラ24、及び供給ロールR1と同様の構成を有するため、説明を省略する。第2のシート部材供給部4は、ペースト層12上に第2のシート部材16を供給する。これにより、ペースト層12がシート部材10,16に挟み込まれて、積層シート17が形成される。
【0033】
ここで、ペースト層12が搬送面21aで搬送されている間、ペースト層12からシート部材10,16を介して水分がしみ出す。搬送コンベア20のベルト21は、金網や多孔質の部材などによって構成されることで、しみ出した水分を下方へ落下させることができる。この場合、ベルト21のうち、ペースト層12を搬送する領域E1は、水切り部6として機能する。従って、搬送コンベア20は、第2のシート部材供給部4よりも搬送方向の下流側において、十分な長さで構成されている。搬送コンベア20の搬送方向D1の下流側の端部と第2のシート部材供給部4との間には、搬送面21aとの間で積層シート17を押圧するローラ43が設けられる。当該ローラは、ペースト層12の水分を除去する水切り部6として機能する。搬送コンベア20の搬送方向D1の下流側の端部まで到達した積層シート17は、落下して積層体形成装置120にセットされた型53に供給される。
【0034】
積層体形成装置120は、往復台車60と、往復台車プラットフォーム61と、駆動機構62と、を備える。往復台車60は、型53を上側に載置し、当該型53と共に往復移動する台車である。往復台車60は、本体部63と、車輪64と、ガイド部66と、を有する。車輪64は、本体部63の下端側に設けられており、往復台車プラットフォーム61上を走行可能に設けられている。往復台車60は、車輪64を介して、往復台車プラットフォーム61上を往復移動する。
【0035】
ガイド部66は、往復移動中に型53を載置させると共に、型53の受け渡しの際に、当該型53の移動をガイドするための部材である。往復台車60は、型53内で積層体19を形成したら、ガイド部66で型53をガイドすることで、型53ごと積層体19を圧縮装置130へ受け渡す。ガイド部66は、本体部63の搬送方向D1における下流側の端部63aから延びる延長部66aを有する。ガイド部66の構造については、圧縮装置130のガイド部と合わせて後述する。
【0036】
駆動機構62は、往復台車60が往復移動するための駆動力を付与するための機構である。駆動機構62は、一対の歯車67A,67Bと、一対の歯車67に架け渡された往復チェーン68と、往復台車60を押し引きする押し引き棒69と、を備える。駆動機構62は、図示されないモータで一方の歯車67Aを回転させ、往復チェーン68を介して他方の歯車67Bを往復回転させる。これによって、歯車67Bに接続された押し引き棒69が、往復台車60を押し引きし、当該往復台車60が往復移動するための駆動力を付与する。
【0037】
圧縮装置130は、往復台車60から積層体19を型53ごと受け取る台車本体部70と、台車本体部70上に載置された積層体19をプレスするプレス部71と、を備える。圧縮装置130は、積層体形成装置120とは別装置として構成されている。台車本体部70は、車輪72と、ガイド部73と、を有する。車輪72は、台車本体部70の下端側に設けられており、床面上を走行可能に設けられている。台車本体部70は、車輪72を介して、床面上を移動する。ガイド部73は、台車本体部70上に型53を載置させると共に、型53の受け渡しの際に、当該型53の移動をガイドするための部材である。台車本体部70は、積層体形成装置120にて積層体19の形成が完了したら、ガイド部73が積層体形成装置120のガイド部66の延長部66aと連結される位置まで移動する。これにより、型53は、ガイド部66及びガイド部73でガイドされながら、積層体形成装置120から圧縮装置130へ移動して乗り替える。
【0038】
圧縮装置130は、積層体形成装置120から型53を受け取ったら、積層体形成装置120から離間した位置へ移動することができる。これにより、圧縮装置130は、型53を受け取る位置とは異なる位置にて、積層体19を圧縮することができる。なお、圧縮装置130は、空の型53を積層体形成装置120へ供給することができる。圧縮装置130は、ガイド部73に載置された状態の積層体19をプレス部71にてプレスする。なお、プレス部71及びガイド部73の更に詳細な構造については、後述する。
【0039】
次に、
図4を参照して、型53及び往復台車60の構成について詳細に説明する。
図4(a)(b)は、往復台車60の往復移動によって積層体19を形成している様子を示す概略図である。なお、型53の側壁部54については断面図が示されている。また、ガイド部66の手前側のガイド壁も省略されている。
【0040】
図4(a)(b)に示すように、型53は、上方及び下方に開口部を有し、四方を側壁部54で囲まれた矩形筒状の部材である。型53の側壁部54は、プレス時にしみ出した水分を型53の外に排出するための多数の貫通孔を有してよい。これにより、型53は、往復台車60と圧縮装置130との間を移動可能である。また、型53は、側壁部54の内部に、底板56を有している。底板56は、側壁部54内に水平方向に広がるように配置されて、積層体19を載せることができる板である。底板56は、側壁部54に対して固定されていないため、側壁部54の内部を上下方向に移動可能である。底板56は、側壁部54の底部では、側壁部54から内周側へ突出した爪部58で支持される。型53は、側壁部54の下端に設けられた車輪59を有する。
【0041】
往復台車60は、積層シート17の落下位置に対して相対的に型53の側壁部54及び底板56を往復移動させる。型53は、積層体19の積層中は、往復台車60に対して相対的に移動しない状態に維持される。従って、往復台車60が往復移動することで、型53も同様に往復移動する。往復台車60は、落下してくる積層シート17が、型53の搬送方向D1における上流側の端部53aから下流側の端部53bへ向かって積層体19上(または底板56上)に敷かれるように、往動方向D3へ移動する(
図4(a))。次に、往復台車60は、落下してくる積層シート17が、型53の端部53bから端部53aへ向かって積層体19上(または底板56上)に敷かれるように、復動方向D4へ移動する(
図4(b))。往復台車60が当該往復移動を繰り返すことで、積層シート17が多層に積み重ねられた積層体19が完成する。なお、積層シート17が折り返される箇所には、折り返し部BDが形成される(
図2(c)参照)。
【0042】
往復台車60は、底板56を昇降させる昇降機構57を有する。昇降機構57は、積層済みの積層体19の厚さに応じて、底板56の高さ位置を調整する。昇降機構57は、底板56の高さ位置を段階的に変更してよい。具体的に、
図4(a)に示すように、側壁部54の高さに対応する空間を領域Aとした場合、往復台車60は、側壁部54の上から一定の範囲の領域Bの中で積層シート17を折り畳む動作を繰り返す。ここで、側壁部54の上端にはセンサが設けられており、当該センサは、領域Bが積層体19で一杯になったことを検知できる。当該検知のタイミングで、昇降機構57は、底板56を高さ位置L1まで降ろす(
図4(b)参照)。これにより、領域Bは、再び空の空間となる。従って、往復台車60は、領域Bの中での積層シート17の折り畳みを繰り返す。同趣旨の動作を繰り返しながら、昇降機構57は、底板56を段階的に降ろし、最終的には、側壁部54の下端まで底板56が降りる。なお、昇降機構57の動作は、必ずしも上述の動作に限定されるものではなく、底板56を連続的に徐々に降ろしてもよい。また、側壁部54の高さによっては、昇降機構57を省略し、底板56が常時側壁部54の下端に配置されていてもよい。
【0043】
次に、
図5を参照して、圧縮装置130の構成について詳細に説明する。
図5(a)(b)は、圧縮を行うときの圧縮装置130の様子を示す断面図である。
図5(a)は、幅方向D2から見たときの断面図であり、
図5(b)は、搬送方向D1の下流側からみたときの断面図である。
図5(a)(b)に示すように、圧縮装置130は、前述の台車本体部70と、前述のプレス部71と、前述の車輪72と、前述のガイド部73と、支持部74と、貯留部76と、を備える。
【0044】
プレス部71は、油圧式のシリンダ80と、ピストンロッド81と、押圧部82と、を備える。シリンダ80は、台車本体部70内に収容されている。ピストンロッド81は、シリンダ80の上端から上方へ向かって延びている。シリンダ80は、油圧によってピストンロッド81を伸縮させる。押圧部82は、ピストンロッド81の上端に設けられた、板状の部材である。押圧部82は、底板56の下面と接触し、当該底板56を介して積層体19を押圧する。なお、押圧部82は、爪部58と干渉しない大きさに形成されている。従って、プレスを開始するときは、押圧部82が、側壁部54の下端の開口から入り込み、底板56の下面と接触する。押圧部82が更に上昇することで、底板56が更に押し上げられて爪部58から持ち上がり、積層体19をプレスする。
【0045】
ガイド部73は、天板83と、一対の側壁部84と、を備える。天板83は、台車本体部70の上壁部を構成すると共に、型53の走行路として機能する。側壁部84は、天板83の幅方向D2の両端から、上方へ突出すると共に、搬送方向D1へ平行に延びる。型53の車輪59は、側壁部84と近接した位置にて、天板83の上面を搬送方向D1と平行な方向に走行可能である。なお、積層体形成装置120のガイド部66は、圧縮装置130のガイド部73と同様、天板及び一対の側壁部を有した構成をなしている。ガイド部73とガイド部66が接続されることで(
図3に示す状態)、各ガイド部の天板の上面、及び一対の側壁部が搬送方向D1に連続したような構成となる。
【0046】
支持部74は、支持板86と、調整部87と、支持フレーム88と、を備える。支持板86は、型53の上端側から、積層体19の上端を支持する部材である。これにより、積層体19は、上端側を支持フレーム88で支持されて不動となった状態で、下側から押圧部82で押圧されることで、下側から圧縮される。調整部87は、プレス時における支持板86の高さ位置を調整するための機構である。調整部87は、支持フレーム88に対して、下方への突出量を調整可能な状態で取り付けられている。調整部87は、プレス時に積層体19と共に型53内を上昇する支持板86を上方から支持する。支持フレーム88は、調整部87を支持することによって、支持板86を支持する。支持フレーム88は、型53の上方で幅方向D2に延びるフレーム88aと、型53の幅方向D2の外側の位置で上下方向に延びる部分88bと、を有する(
図5(b)参照)。型53が圧縮装置130に設置されたら、調整部87のフレーム88aからの突出量が調整される。例えば、調整部87の下端が型53の内部まで延びる場合、支持板86は、型53の上端まで移動しなくとも、調整部87で支持されることで、積層体19を圧縮することができる。
【0047】
上述のような機構により、圧縮装置130は、積層体19を下側からプレスすることができる。ここで、
図6を参照して、下側からプレスするときの積層体19の圧縮の様子について説明する。なお、
図6では、積層体19がデフォルメされた状態で示されている。また、
図6では、積層体19の層のうち、含まれている水分が多いほど濃い色が付されている。
図6(a)は、プレス前の状態における積層体19を示す。
図6(a)に示すように、積層体19を形成するときには、下から順に層が形成されるため、下側の層は圧縮が進んでおり、下側の層ほど水分が少ない状態となっている。このような積層体19に対し、
図6(b)に示すように、上側から押圧部82で押圧した場合、圧縮力が下側の方が強くなるため、もともと水分が多い上側の層では水分が多く、下側の層では残存する水分がすくなる場合があり、食品シートの水分が積層体19の位置によって不均一になる場合がある。これに対し、
図6(c)に示すように、下側から押圧部82で押圧した場合、残存している水分の多い上側を強い圧縮力で圧縮できるため、もともと水分が多い上側の層を十分に圧縮することで、上側と下側の層に残存する水分を均一とすることができる。これにより、食品シートの水分が積層体19の位置によらずに均一となる。
【0048】
貯留部76は、積層体19をプレスすることによって排出された水分を貯留させる。貯留部76は、台車本体部70の所定の高さ位置に設けられた、トレイ状の部材である。貯留部76は、台車本体部70から外周側へ広がる底壁部76aと、底壁部76aの外周側の縁部から上方へ突出する側壁部76bと、を備える。底壁部76aには、貯留部76に貯留された水を排出する排出口76cが形成されている。排出口76cには、排水ホースなどが接続されてよい。
【0049】
ここで、型53は、
図8に示すような構成を備えてよい。具体的に、
図8(a)に示すように、型53は、複数の側壁部54A,54Bを有する。一対の側壁部54Aは、型53の短手方向に対向する。一対の側壁部54Bは、型53の長手方向に対向する。型53は、圧縮部8によるプレスに伴い、隣り合う側壁部54A,54B同士の間の隙間を大きくすることで脱水口90を形成可能であってよい。例えば、一方の側壁部54Aは、下端部を一対の側壁部54Bによって回転可能に支持されている。また、一方の側壁部54Aの上端部は、一対の側壁部54Bの上端部に対して、弾性支持部材91で往復移動可能に支持されている。他方の側壁部54Aも同趣旨の構造を有する。このため、側壁部54Aは、積層体19のプレスが行われる前は、弾性支持部材91の弾性力によって側壁部54Bとの間で脱水口90が設けられないように塞がれた状態で支持される(
図5(b)に示す状態)。一方、積層体19のプレスが行われたら、水圧などによって、側壁部54Aが回転して、脱水口90が形成される。これにより、積層体19から排出された水分DWが、各脱水口90を介して型53の外部へ脱水される。脱水が終わったら、側壁部54Aは、弾性支持部材91の弾性力によって、元の位置に戻される。
【0050】
なお、各側壁部54A,54Bをどのように開くかは特に限定されない。例えば、
図8(b)に示すように、一方の側壁部54Aのみ開くようにしてもよい。また、
図8(c)に示すように、長手方向に対向する側壁部54Bが開くようにしてもよい。あるいは、機構を工夫することで、側壁部54A,54Bが両方開くようにしてもよい。
【0051】
ここで、圧縮装置130は、積層体形成装置120とは別装置として構成されており、積層体形成装置120とは異なる位置にて、圧縮を行うことができる。従って、
図7に示すように、一つ当たりの積層体形成装置120に対して、複数の圧縮装置130が積層体19を受け取り可能である。例えば、具体的に、積層体形成装置120が一つの積層体19を形成したら、複数の圧縮装置130のうちの一つが、積層体形成装置120まで移動し、積層体19を型53ごと受け取る。積層体19を受け取った圧縮装置130は、別の場所へ移動して、圧縮を行う。その間、別の圧縮装置130が空の型53と共に積層体形成装置120まで移動し、型53を受け渡す。そして、積層体形成装置120が積層体19を形成したら、型53ごと圧縮装置130へ受け渡す。当該動作を繰り返すことで、各圧縮装置130では、積層体形成装置120での積層体19の形成速度によらず、適切な時間をかけて積層体19を圧縮することができる。例えば、積層体形成装置120が一つの積層体19を形成するのに要する時間と、圧縮装置130が積層体19を圧縮するのに要する時間は5分〜5時間の何れかに設定される。
【0052】
次に、本実施形態に係る食品製造装置100の作用・効果について説明する。
【0053】
この食品製造装置100において、積層体形成部7は、積層シート形成装置110で形成された積層シート17を型53内で往復させて多層に重ねることで積層体19を形成する。これに対し、圧縮部8は、積層体19を型53内でプレスすることによって、積層シート17を圧縮する。ここで、圧縮前の積層体19は、下側の層よりも上側の層の方が残存している水分が多い。これに対し、圧縮部8は、積層体19を下側からプレスする。この場合、水分が多い積層体19の上側の方が圧縮力が高くなるため、積層体19の各層の水分が均一になるように圧縮することができる。これにより、積層体19における位置によらず、シート状の食品を適切な硬さにすることができる。以上より、食感の良い麺を形成できるシート状の食品を製造することができる。
【0054】
圧縮部8は、積層体形成部7とは別装置によって構成されてよい。例えば、一つの装置が積層体形成部7及び圧縮部8の両方の機能を有する場合、積層体19の形成と圧縮を同時に行うことができない。これに対し、圧縮部8が積層体形成部7と別装置によって構成される場合、積層体形成部7が積層体19を形成している途中であっても、圧縮部8は積層体19の圧縮を行うことができる。
【0055】
一つ当たりの積層体形成部7に対して、複数の圧縮部8が積層体19を受け取り可能であってよい。この場合、複数の圧縮部8によってバッチ処理を行うことができるため、シート状の食品の製造速度を向上することができる。
【0056】
積層体形成部7は、型53ごと積層体19を圧縮部8へ受け渡し、積層体形成部7、及び圧縮部8は、型53の移動をガイドするガイド部66を有してよい。この場合、積層体形成部7が型53ごと積層体19を圧縮部8へ受け渡すとき、型53をガイド部66でガイドしながら正確に受け渡すことができる。
【0057】
圧縮部8は、油圧によって積層体19をプレスしてよい。ここで、圧縮部8は、下側から積層体19を圧縮するため、油圧式のシリンダ80を積層体19よりも下側に配置することができる。この場合、油漏れなどが発生した場合などであっても、積層体19の食品に油が付着することを防止できる。
【0058】
圧縮部8は、積層体19のプレスによって排出された水分を貯留する貯留部76を有してよい。この場合、貯留部76は、プレスによって排出された水分を貯留させて、所望の位置の排出口76cなどから外部で排出することが可能となる。これにより、圧縮部8の周囲で水が飛び散ることを抑制できる。
【0059】
型53は、複数の側壁部54A,54Bを有し、圧縮部8によるプレスに伴い、隣り合う側壁部54A,54B同士の間の隙間を大きくすることで脱水口90を形成可能であってよい。この場合、プレスされた積層体19から排出された水分が、脱水口90から脱水される。そのため、積層体19の水分を速やかに除去することができる。
【0060】
上述の実施形態では、豆腐の麺を形成する装置について説明した。しかし、このような豆乳製品のみならず、穀物ペーストに野菜をいれるような食品を製造する装置に、本発明が適用されてもよい。
【0061】
上述の実施形態では、第1のシート部材10をまず始めに搬送し、その上にペースト層12を形成し、最後に第2のシート部材16で覆っていた。しかし、各部材を供給するタイミングは特に限定されず、シート部材10,16が重なるタイミングと、ペースト11が供給されるタイミングが同じであってもよい。例えば、第1のシート部材10と第2のシート部材16との間に、ペースト11を流し込む構成でもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、二枚のシート部材で食品のペースト層を挟むことで積層シートを形成し、積層シートを重ねることで積層体を形成した。この場合、積層体内では、一対のペースト層の間に二枚のシート部材が存在していた。これに代えて、一枚のシート部材とペースト層が交互に重ね合わせられた積層体が形成されてもよい。例えば、型内で一枚のシート部材を広げて、その上に食品のペースト層を形成し、その上に一枚のシート部材を広げ、当該動作を繰り返すことで積層体が形成されてよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、一つの積層体形成装置に対して複数の圧縮装置が設けられていたが、一つの積層体形成装置に対して一つの圧縮装置が設けられてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、積層体形成部と圧縮部とが別装置として構成されていたが、同じ装置として構成されてもよい。例えば、積層体形成装置が型内で積層体を形成したら、その場で下側から積層体をプレスしてよい。この場合、積層体形成装置は、圧縮装置としても機能する。
【解決手段】切断して麺を形成するためのシート状の食品を製造する食品製造装置であって、通気性を有するシート部材及び食品のペースト層を多層に重ねることで積層体19を形成する積層体形成部7と、積層体を型内でプレスすることによって、積層シートを圧縮する圧縮部8と、を備え、圧縮部は、積層体を下側からプレスする、食品製造装置。好ましくは、圧縮部は、積層体形成部とは別装置によって構成される。