【実施例1】
【0013】
図1において、風力発電装置1は、発電機2と風車3とを備えている。発電機2に立設した垂直の主軸4の上端に、縦軸ロータ5のハブ5Aが固定され、ハブ5Aで支持された複数の水平の支持腕5Bの先端に、垂直の揚力型ブレード6(以下単にブレードという)が装着されている。
【0014】
主軸4の下端部は、任意の伝動手段8A、8Bを介して、電動機7と連係されている。すなわち、電動機7に設けた減速機7Aの出力軸7Cに設けた伝動手段8Bと、主軸4に設けた伝動手段8Aとは、適宜の連係手段8Cを介して連係されている。連係手段8Cには、必要に応じて、自動制御のクラッチも使用する。 電動機7は、例えば、定格出力100w仕様で、内部に、定格回転数を例えば、300rpmとする減速機7Aが組込まれている。
【0015】
外部からコード7Dを介して電力を供給し、自動スイッチ7Bを遠隔操作して電動機7を起動させると、無負荷での風車3は、トルクの大きな電動機7によって、容易に高速回転し、発電機2は、この回転に伴う発電量の発電をする。
【0016】
なお、発電機2の出力コード2Aには、コントローラ9及び蓄電池10が連結されている。上記の風力発電装置1を、風況のよい場所に設置し、電動機7による駆動によって、風車3を支持する発電機2の主軸4を、定格回転数で回転させる。
【0017】
一般的な電動機の回転数は、2500rpm〜3000rpmであるから、これを、例えば300rpmに減速して風車3を回転させると、トルクが大きく作用するので、風車3が大型であっても、容易に回転させることができる。
【0018】
風速の変化に伴い、高速の風が吹けば、揚力型ブレード6の揚力が大となって、主軸4は風力で回転し、発電量は増加するので、電動機7にかかる負荷は100w以下の小となる。
従って、コントローラ9の作用によって、取出す電流量を増加させ、電動機7の負荷を100wに維持して、蓄電池10に蓄電するか消費する。
【0019】
風速が低下すれば、発電量が低下し、風車3によって回転する主軸4の定格回転数を、例えば300rpmに維持させると、発電機2の発電量が増加して、電動機7にかかる負荷は増加する。
【0020】
その場合には、コントローラ9の作用によって、発電機2から取出す電流量を、自動的に減少させて、定格回転数を例えば300rpmに維持させ、一定の電圧を維持して出力をする。
【0021】
風車3の回転によって、主軸4が300rpmの定格回転数で回転するためには、風速をどの程度必要とするのかを例示すると、例えば縦軸ロータ5の大きさが、半径1m、揚力型ブレード6の長さ2.7m、受風面積5.4m
2、翼幅0.5m、翼枚数2枚として、風速約16m/sの時の数値に該当する。
【0022】
この風速で回転する風車3による発電機2の発電量は、約6000wとなる。すなわち、100wの電力を消費して電動機7を駆動し、風力発電装置1を回転させることにより、発電機2によって約6000wの発電をすることが可能となる。
【0023】
一般の風力発電機においては、風速が常に変化しているため、回転数を一定にすることは不可能であり、常に電圧と電流の変動が生じている。
従って、従来の小型風力発電機においては、定電圧の出力が困難である。
【0024】
しかし、本発明における風力発電装置1においては、電動機7によって風車3の主軸4を回転させて、常に定格回転数を維持させるので、縦軸ロータ5の回転によって生じる主軸4のトルクの増減変化も、取出す電流量の増減を調節することによって一定化させ、電圧を一定にして取出すことが出来る。
【0025】
風力で風車3を回転させると、風車3の回転速度が加速される時のエネルギー損失が生じるが、電動機7によって風車3を常に回転させておき、電動機7側の負荷変動を起さないように、出力側の電流取出し量を、コントローラ9により調節をすることによって、回転速度が加速した状態から出力を得られるため、風車3の加速時のエネルギー損が生じない。
【0026】
揚力型ブレード6のスパンを、回転直径より長くしておくと、次第に縦軸ロータ5の回転数が上って、回転している揚力型ブレード6の外側の空気が、遠心力で移動し、内側の空気は外側方向に引寄せられるため、揚力型ブレード6の回転軌跡よりも内側では、負圧となる。
【0027】
その結果、縦軸ロータ5の上下方向から、負圧となったハブ5Aの方向へ、外部から空気が引込まれ、回転する揚力型ブレード6によって、遠心方向へ吸い出される気流は、揚力型ブレード6の後縁に沿って外方へ流出し、その反動で、揚力型ブレード6は、回転方向へ揚力(推進力)が生じて回転する。
【0028】
この風力発電装置1は、単純に発電するだけではなく、他の方法で発電された外部電力を使用して電動機7を駆動させ、風力発電装置1を回転させて発電することによって、他の方法で発電された電力の余剰分を、ロスを少なくして保存すると共に、揚力型ブレード6に生じる揚力による回転力によって、新たな発電を継続的に行うこともできる。
【0029】
なお、この風車3における揚力型ブレード6を、1本の主軸4に多層状(例えば特開2005-188468号記載のよう)に固定することもできる。
また、揚力型ブレード6の翼端部を、主軸4方向へ傾斜する傾斜部6Aとすることによって、翼端外方向へ気流が拡散することを抑止し、回転効率を高めることができる。
【0030】
更に、台風対策として、自動風速検知器21を発電機2の横に臨設し、台風等により、一定の高速風を検知した時は、自動制御器22によって、電動機7の自動スイッチ7Bをオフに作動させて、電動機7を停止させると共に、発電機2に大きな負荷をかけて、主軸4を停止させる。
【0031】
また、一定(平均)以下の風速を、自動風速検知器21が検知した時には、発電機2の負荷を、自動的に解除すると共に、電動機7の自動スイッチ7Bを、自動制御器22によって自動的にオンにして、風車3の回転の復元を図る。
【実施例2】
【0032】
図2は、本発明の風力発電装置の実施例2の要部縦断正面図である。前例と同じ部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例2においては、横軸風車13を使用してある。支柱11Aの上端に、風車筐体11Bが、垂直軸11Dの周りを旋回可能に装着されている。
【0033】
風車筐体11Bは、前部が大きく、後端へかけて次第に細く形成してあり、後部に横軸風車13を装着してある。
風車筐体11Bの内部の、前方部分に配した発電機12から、水平に後方へ突出する主軸14の後端に、横軸ロータ15のハブ15Aを固定してある。
【0034】
ハブ15Aには、2枚〜5枚の揚力型ブレード16を、放射方向に向けて装着してある。揚力型ブレード16の断面は、
図3に示すように、前縁16Aが厚く、最大翼厚部16Cから後縁16Bにかけて、次第に薄く形成してある。
【0035】
揚力型ブレード16の前面16Dは、前縁16Aから後縁16Bへかけて、ほぼ直線的であるが、背面16Eは、最大翼厚部16Cを頂点として、後縁16Bへかけて緩く湾曲しており、回転すると、前面16Dに沿って流れる気流の速度よりも、背面16Eに沿って流れる気流の速度の方が早くなり、背面16E部分が負圧となる。
【0036】
従って、電動機17によって、横軸ロータ15を高速で空回転させると、揚力型ブレード16の前面16D方向から、後縁16B方向へ向かう気流が生じ、
図3におけるX矢示方向へ流れて、その反動で横軸ロータ15の、前縁16A方向への回転が助長される。また湾曲面をなす背面16Eへ、後縁16B方向から押す気流が生じて、回転に伴って、回転を助長する。
【0037】
風力によって、揚力型ブレード16が回転する時には、風力によって回転することに加えて、回転する揚力型ブレード16自体によって生じる揚力により、回転力が付加され、横軸ロータ15が風速よりも早く回転し、発電量が増加する。
【0038】
風車筐体11Bの後部内側に、減速機を備える電動機17を配設してあり、電動機17の出力軸17Cの回転力は、伝動手段18A、18Bを介して主軸14に伝達される。風車筐体11Bの前部内側に、コントローラ19と蓄電池20を収容してあり、発電機12から延出するコード12Aを、蓄電池20に接続してある。
【0039】
蓄電池20に接続したコード20Aは、支柱11Aの内部を通して下方へ導かれ、図示しない蓄電池に接続してある。電動機17には、電源に接続したコード17Aに、遠隔操作のための自動スイッチ17Bを介在させてあり、始動当初において、スリップリング、もしくは、無線による遠隔操作によってスイッチオンさせ、電動機17を始動させる。風車筐体11Bの上面に、図示するように避雷針11Cを設ける。
【0040】
この実施例2において、電動機17により、風車13の主軸14を定格回転させることによって、揚力型ブレード16に揚力が生じ、回転速度が高められる。揚力型ブレード16が風を受けて回転すると、揚力によって回転速度が加速される。
定格回転数の維持のために、取出し電流量を自動調節するコントローラ19の作用は、前例と同じである。