(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各フォトサイトの輝度値を変更することが、各フォトサイトの輝度値に、各フォトサイトと関連づけられたそれぞれの重み値を乗算することによって実行される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記ライトフィールドカメラがさらに、重み値及び補正値の組を記憶する記憶装置を備え、重み値の前記それぞれの組が前記ライトフィールドカメラのそれぞれの設定と関連づけられ、それぞれの重み値が前記それぞれのフォトサイトと関連づけられ、前記それぞれの補正値により、フォトサイト上のカラーフィルタの前記色によって影響を受けた輝度値を補正する、請求項1に記載の方法。
複数のフォトサイトを含むイメージセンサアレイを備えたライトフィールドカメラによって取り込まれたイメージに生じる、口径食効果を補正するデバイスであって、各フォトサイトの口径食効果を補償するための重み値の組を記憶する記憶装置を備える、デバイスと、
ライトフィールドカメラによって取り込まれた各フォトサイトの輝度値を取得するように、
各フォトサイトの重み値の組を取得するように、かつ
各フォトサイトの前記輝度値を、前記取得された重み値の組に基づいて変更するように
構成されたプロセッサと、を備え、
前記ライトフィールドカメラがさらに、カラーフィルタの異なる色が各フォトサイトと関連づけられているカラーフィルタアレイを備え、
前記重み値が、
ランバート物体イメージが取り込まれたときの各フォトサイトの輝度値を受け取ることと、
フォトサイト上のカラーフィルタの色の最大輝度値を、前記受け取った輝度値から決定することと、
前記フォトサイト上の前記カラーフィルタの前記色による影響を受けた輝度値を補正する補正値を取得することと、
フォトサイトの重み値を、前記フォトサイトの前記輝度値、前記補正値、及び色の前記最大輝度値に基づいて計算することと、
によって計算される、デバイス。
通信ネットワークからダウンロード可能な、及び/又はコンピュータによって読取り可能な媒体に記録された、及び/又はプロセッサによって実行可能な、コンピュータプログラム製品であって、請求項1から6の少なくとも一項による方法のステップを実施するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム。
【背景技術】
【0002】
ライトフィールドカメラは、イメージセンサを横切る各光束に沿って進む光の量を、主レンズとイメージセンサの間に配置されているマイクロレンズアレイを使用して測定することができる。次に、このライトフィールドは後処理されて、その場面の異なる視点からのイメージが再構築される。ライトフィールドはまた、使用者がそのイメージの焦点を変えることも可能にする。
【0003】
図1は、ライトフィールドカメラの例示的な構成を示す。ライトフィールドカメラ1は、イメージセンサアレイ13と結合されたレンズ構成を備える。イメージセンサアレイ13は、X列とY行からなる格子の形に配置された、大きい数pのフォトサイト(photosites)131、132、133〜13pを備え、pはX×Yに相当する要素の数である。カラーフィルタアレイ12がイメージセンサアレイ13の上に配置される。カラーフィルタアレイ12では通常、RGB(赤、緑及び青)カラーフィルタをイメージセンサアレイ13の上に配置する。このRGB配置は、たとえばベイヤーフィルタモザイクとすることができる。レンズ構成は、主レンズとも呼ばれる一次レンズ10と、mが正の整数である複数のm個のマイクロレンズ111、112、11mを含む、小型レンズアレイ11とを含む。マイクロレンズ111、112、11mは、複数のフォトサイト131、132、133〜13pに光学的に結合されるように配置される。フォトサイト131、132、133〜13pの番号は、ライトフィールドカメラによって取得された場面の視像の番号に対応する1つのマイクロレンズと光学的に関連づけられる。異なる視像を得るために、生イメージ(すなわち、イメージセンサアレイ13により取り込まれたカラーセンサデータ)がデモザイクされてから、逆多重化される。デモザイクステップの後で、RGBイメージデータ値が、各視像のそれぞれのフォトサイト位置で取得される。
【0004】
ライトフィールドカメラによる場面の取込イメージは、視像逆多重化、すなわち2D生イメージから4Dライトフィールドへのデータ変換を受けなければならない。逆多重化処理は、生イメージのフォトサイトを、ある特定の入射角の光線を取り込むすべてのフォトサイト131が、サブアパーチャー画像(sub-aperture view)を生成する同一のイメージとして保存されるように再編成することから成る。各サブアパーチャー画像は、ある異なる角度のもとでの場面の投影像である。サブアパーチャー画像の組はブロックマトリクスを生成し、中心のサブアパーチャー画像は、主レンズの中心部分を通過する光線を取り込むフォトサイトを記憶する。実際、光線の角度情報は、マイクロレンズイメージ中心に対するマイクロレンズイメージ内の相対的フォトサイト位置によってもたらされる。
【0005】
ライトフィールドカメラを使用する際の欠点の1つは、周辺サブアパーチャー画像に暗い視像(輝度値が小さいことによる)を生じさせる口径食効果(vignetting effect:ヴィネット(ヴィネッティング)効果)である。
【0006】
図1は、屈折光エネルギーが周辺サブアパーチャー画像では小さいことによるライトフィールドカメラのこのような欠点を示す。破線は、口径食効果により屈折光エネルギーが小さい光線を表す。
【0007】
主レンズの光学的欠陥により、入射角が大きければ大きいほど屈折される光エネルギーが小さくなる。2Dモードでは、その結果がイメージの輝度不均一性になり、隅部が中心よりも暗くなる。ライトフィールドカメラでは、周辺サブアパーチャー画像は、中心サブアパーチャー画像と比較してあまりに暗いので使用不能である。
図1に示されるように、周辺サブアパーチャー画像102(マイクロレンズイメージの中心に対して周辺に位置するフォトサイト131及び133を集めたものによる)は、視像102が露光不足であり、したがってノイズが多いために暗すぎることが主な理由で、使用可能ではない。一方、主レンズ中心を通ってフォトサイト132まで進む光線を取り込んだ、中心配置のフォトサイト132を集めたものによる中心サブアパーチャー画像101は、視像101がより適切に露光され、ノイズが少ないので使用可能である。
【0008】
図2は、
図1に描かれたイメージセンサアレイ13の拡大図である。中心フォトサイト132は、主レンズ中心を通ってフォトサイト132まで進んだ光線を取り込み、周辺フォトサイト131及び133は、中心フォトサイト132と比べて傾斜した角度で入ってくる光線を取り込み、周辺フォトサイト131及び133の輝度レベルは、いくつかの理由により小さい。第1には、傾斜した角度で入ってくる光は、イメージ隅部まで進むべき経路がより長い。第2には、軸を外れた点から見た瞳孔(pupil)は円ではなく楕円であり、中心フォトサイト132から見た丸い瞳孔よりも面積が小さい。第3には、光はイメージ中心には直角の入射角で当たるが、イメージ隅部には角度bで当たる。すべてのコサイン係数が合わさった効果は、輝度がイメージ隅部に向かって低下するcos
4則(コサイン四乗則)になる。
【0009】
図3は、センサの中心部分の、イメージアレイ13からの白色信号のイメージを示す。このイメージでは、口径食効果は対称的cos
4則(コサイン四乗則)低下にほぼ従う。中心マイクロレンズのフォトサイトについては、口径食効果はたとえば、cos
4則(コサイン四乗則)係数又はガウス低下関数によって公式化することができる。
【0010】
その低下は、cos
4則又は他の任意の低下計算によってシミュレーションすることができるが、これらの低下は単なる理論的低下計算の結果にすぎない。したがって、周辺フォトサイトにおける明るさ低下をより正確に推定するために、較正ステップが使用されることがある。
【0011】
さらに、信号振幅問題とは別に、これらの口径食効果はまた、コンテンツ認識デモザイク法を適用する場合にカラーアーティファクトを招く。
【0012】
参照文献、2015年3月20日、N.Sabater、M.Seifi、V.Drazic、G.Sandri、及びP.Perez、「Accurate Disparity Estimation for Plenoptic Images」、http://link.springer.com/article/10.1007%2F978−3−319−16181−5_42/lookinside/000.pngによれば、輝度レベルの差(中心と周辺の間)は、対応する白色イメージ(すなわち、ランバート光放射型物体(Lambertian light-emitting type object)のイメージ)によって生データを分割することにより得られる重み付け行列を使用して、低減させることができる。
【0013】
上記の参照文献では、白色イメージを重み付け行列とみなすことが、すべてのマイクロレンズについて口径食を数学的にモデル化することよりも、計算的に効率的であると説明されている。すべてのマイクロレンズについて口径食効果を数学的にモデル化することは、カメラの固有のパラメータ、又は各レンズの設計についての正確な知識が不足しているので実際的ではない。参照文献で提案されている解決策のいくつかの問題は、フォトサイト上のマイクロレンズイメージの位置がカメラパラメータに、たとえばカメラのズーム及び焦点調節に依存するので、カメラパラメータ(ズーム/焦点調節)が変更されるときにはいつも、重み付け行列を計算するためにランバート光放射型物体イメージが取り込まれる必要があることである。すなわち、カメラパラメータ(ズーム/焦点調節)が変更されるときにいつも、重み付け行列を計算する目的のためにランバート光放射型物体イメージを取り込むのは実際的ではない。
【0014】
加えて、参照文献欧州特許出願15306059.5では、傾斜フィルタを一次レンズとフォトサイト組の間の止め開口の位置に導入することによって口径食問題を解決する方法を開示している。この手法の欠点は、フォトサイト上のマイクロレンズイメージの位置を推定するために、カメラの焦点調節/ズームを変更するときにはいつもランバート光放射型物体イメージが取り込まれる必要が依然としてあるということである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は当業者によって実施できることが予想され、それによって、図に示された要素の一部については詳細に説明されない。たとえば、携帯電話、タブレット、デジタルスチルカメラ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルテレビジョンなどの、プロセッサをベースとするデバイスは詳細に説明される必要がないであろう。また、提示される開示は、プログラミング技法を使用して、たとえば、そういうものとして本明細書では説明されないAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を使用して、実施できることに留意されたい。最後に、図の同様の番号は類似の要素を表す。以下では色処理に言及されるが、図は白黒である。すなわち、図に色(白黒以外)を使用することは、提示された構成概念を理解するのに不必要であることにも留意されたい。
【0027】
図4は、本開示の一実施形態による追加レンズを備えたライトフィールドカメラの例示的な構成を示す。技術参照文献の1つ、EP15305988.6では、追加レンズ21を一次レンズ10と小型レンズアレイ11の間に、マイクロレンズイメージの位置がカメラのズーム/焦点調節に依存しないように設置するという構成概念を開示している。追加レンズ21は、一次レンズ10と小型レンズアレイ11の間で固定位置に配置される。たとえば、ライトフィールドカメラ1の製造中に、又はライトフィールドカメラ1が製造された後に、追加レンズ21が、一次レンズ10から距離L1で、かつ小型レンズアレイ11から距離L2のところに移される、又は追加される。追加レンズ21の焦点距離は、一次レンズ10と追加レンズ21の間の距離L1に相当する値に等しい。
【0028】
追加レンズ21は、ライトフィールドカメラ1の焦点調節距離/ズームパラメータのすべての組について、マイクロイメージ中心の一組を推定するのに寄与する。言い換えると、この解決策によってマイクロイメージの中心は、異なるズーミング又は焦点調節の設定であっても推定することができる。
【0029】
追加レンズ21の焦点距離が距離L1と等しいので、マイクロレンズ110、11iの中心を通過する主光線301、302及び30iは、ライトフィールドカメラ1の光軸2001と平行になる。すなわち、追加レンズを出てから小型レンズアレイ11のマイクロレンズの中心を通過する光線は、ライトフィールドカメラ1の光軸2001と平行になる。追加レンズ21の焦点距離を距離L1に設定することが、小型レンズアレイ11の下でイメージセンサアレイ13上に形成されるマイクロイメージの中心間で一定の距離を可能にする。隣接する2つのマイクロイメージの中心間の距離は、対応する小型レンズアレイ11の中心間の距離、参照符号L、に等しい。イメージセンサアレイ13上のマイクロイメージの中心の規則的配置が、ライトフィールドカメラ1を較正する場合に、このような中心を決定するときの助けになる。さらに、追加レンズ21の焦点距離が、距離L1が変化するとき(たとえば、ズーミング又は焦点調節のとき)もL1に等しくなるように制御されるので、イメージセンサアレイ13上のマイクロイメージの中心の位置は変化しない。このような技法を使用することが、主レンズ10のズーミング及び/又は焦点調節パラメータが変わるごとにいつもマイクロイメージの中心を決定することを回避する助けになる。i番目マイクロレンズ11iを例にとると、光線30iは、追加レンズ21から出力されたときに光軸2001と平行になり、この光線30iが当たる点は、マイクロレンズ11iの下に形成されたマイクロイメージの中心34iになり、主レンズ10のいかなる焦点距離及び/又はズーミングパラメータでも、すなわち、いかなる距離L1の値でも、同じ点に光線30iが当たる。
【0030】
追加レンズ21を使用することによって、マイクロイメージの中心は、ズーミング又は焦点調節の設定にかかわらず、センサアレイ13上の同じ位置で取り込むことができ、それにより、フォトサイトの感度を変更することが、背景の項で述べた技術的問題を解決するのにより効果的になる。
【0031】
本開示の1つの例示的な実施形態では、所要のフォトサイト感度の計算が、
図4に示された追加レンズ21を有することにより行われる。いくつかの例示的な実施形態では、追加レンズ21の設置は、ライトフィールドカメラ1が単焦点カメラである限り、所要のフォトサイト感度の計算に必要とされない(言い換えると、ライトフィールドカメラ1がズーム/焦点調節設定の機能を有していない場合、追加レンズ21は必要とされない)可能性があり、或は、重み値の組をそれぞれのズーム/焦点調節設定と関連づける手段があるときには必要とされない可能性がある。
【0032】
本開示の1つの例示的な実施形態では、較正ステップが、均一に照明された、光を全方向に等しく放射する白色物体(以後、「ランバート物体」と呼ばれる)を取り込むことによって実行される。取り込まれるこのようなランバート物体イメージは、均一に白色であるはずと予想されるが、取り込まれるイメージは実際には、口径食及びカラーフィルタ効果により均一に白色にならない。イメージセンサアレイ13上に配置されているRGB(赤、緑、及び青)カラーフィルタは輝度レベルに影響を及ぼし、このカラーフィルタの影響は補償されなければならない。
【0033】
同時に、輝度レベルが、機械的キャッツアイ口径食による機械的キャッツアイ口径食の閾値(以後、「最小閾値」と呼ぶ)未満のフォトサイト131、132、133〜13pがいくつかある。
【0034】
図5は、センサアレイの周辺への口径食効果及びカラーフィルタ効果を示す。
【0035】
センサの周辺及び中心から遠くのフォトサイトの中には、機械的キャッツアイ口径食による場合に、いかなる使用可能な光も全く受光しないものもある。したがって、本開示では、口径食低下効果が補償されるフォトサイトと補償されないフォトサイトとを区別するために、最小閾値が事前設定される。一部のフォトサイトは、前レンズ開口、後レンズ開口及び絞り開口による「影」の中にある(言い換えると、このようなフォトサイトは光を受光しない)。最小閾値は、フォトサイトが機械的キャッツアイ口径食により光をいつも受光しているのかどうかを判定するように選択することができる。最小閾値の一例は、1のうちの0.1である。本開示では、最小閾値未満である輝度値のフォトサイトは、機械的キャッツアイ口径食により使用可能光を受光していないと判定されるので、補償されない。
【0036】
本開示の別の実施形態では、各フォトサイトの輝度値は増大(又は低減)させることができ、或は、各フォトサイトの感度を、純色量をサンプリングするために使用されるカラーフィルタの効果を補正するように設計することもできる。たとえば、青色フィルタの後のフォトサイトは感度をより高く設計して、緑色フィルタの後に配置されたフォトサイトと同じ値を理想白色信号に対応して取り込むことができる。詳細なステップは、後で本明細書のこの部分で説明される。
【0037】
図6は、本開示の様々な実施形態を開示する、デバイスのハードウェア構成を示す図である。
図6には、デバイス5がライトフィールドカメラ1(又は1A、本明細書の後の部分で説明される)を含むことが描かれているが、ライトフィールドカメラ1は、デバイス5とは別個に構成することができる。デバイス5は、たとえば、デスクトップ又はパーソナルコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、携帯電話、携帯情報端末(「PDA」)などの任意のデバイス、並びに、エンドユーザとライトフィールドカメラ1の間の情報の伝達を容易にする他のデバイスとすることができる。ライトフィールドカメラ1はまた、デバイス5と同等のハードウェア構成を内部に有することもできる。
【0038】
デバイス5は、アドレス及びデータの、クロック信号もまた搬送する、バス54によって互いに接続されている以下の要素、すなわち、プロセッサ51(又はCPU)と、ROM(読み出し専用メモリ)型の不揮発性メモリ52と、ランダムアクセスメモリすなわちRAM 53と、無線インターフェース(RX)56と、データの伝送に適合されたインターフェース55(TX)と、ライトフィールドカメラ1と、ユーザに情報を表示するように、かつ/又はデータ若しくはパラメータを入力するように適合されたMMI(マンマシンインターフェース)58(I/Fアプリケーション)とを備える。
【0039】
メモリ52及び53の説明で用いられる「レジスタ」又は「記憶装置」という用語は、上述のメモリのそれぞれにおいて、小容量のメモリ区域並びに大容量のメモリ区域を示す(そのようなメモリ内に格納されるプログラム全体、又はそのようなメモリのために受信又は復号されたデータを表すデータの全部又は一部、をイネーブルにする)。
【0040】
ROM 52は、プログラム「prog」を含む。本開示に特有の、かつ以下で説明される、方法のステップを実施するアルゴリズムは、ROM 52メモリ内に記憶され、これらのステップを実施するデバイス5と結合される。電源が投入されると、プロセッサ51は、これらのアルゴリズムの命令をロードし実行する。
【0041】
RAM 53は特に、レジスタ及び/又はメモリ内に、デバイス5の切換えを担うプロセッサ51のオペレーティングプログラム、受信パラメータ(たとえば、変調、符号化、MIMO(多入力多出力)、フレームの繰り返しに関するパラメータ)、送信パラメータ(たとえば、変調、符号化、MIMO、フレームの繰り返しに関するパラメータ)、無線インターフェース56によって受信及び復号されたデータに対応する着信データ、アプリケーションのインターフェース58において送信されるように形成された復号データ、主レンズ10のパラメータ、及び/又は、マイクロレンズアレイのマイクロレンズによって形成されたマイクロイメージの中心を表す情報を含む。
【0042】
図6に関して説明されたものとは別のデバイス5の構造が本開示と互換性がある。特に、様々な代替実施形態によれば、デバイス5は、全くのハードウェア実現によって、たとえば専用構成要素の形で(たとえば、ASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はVLSI(大規模集積)として)、又は装置に埋め込まれたいくつかの電子構成要素の形で、さらにはハードウェア要素とソフトウェア要素の混合の形で、実施することができる。
【0043】
無線インターフェース56及びインターフェース55は、IEEE802.11(Wi−Fi)、IMT−2000規格(3Gとも呼ばれる)準拠の標準規格、3GPP LTE(4Gとも呼ばれる)準拠の標準規格、IEEE802.15.1(ブルートゥース(登録商標)とも呼ばれる)など、1つ又はいくつかの通信標準規格に従った信号の受信及び送信に適合されている。
【0044】
一代替実施形態によれば、デバイス5は、いかなるROMも含まずにRAMだけを含み、本開示に特有の方法のステップを実施するアルゴリズムがこのRAMに記憶される。
【0045】
図7は、本開示の一実施形態による、ライトフィールドカメラを使用して各フォトサイトの重み値の組を計算するための例示的な流れ図を示す。計算された重み値w(u,v)を使用して、位置(u,v)におけるフォトサイトの輝度値に乗算することができる。この流れ図に記述されたステップは、プロセッサ51によって実行することができる。この例示的な流れ図では、(u,v)は、センサアレイ13面上のi番目フォトサイトの座標を示す。「u」及び「v」の各値は、処理されるべきフォトサイトの番号iに応じてステップ7(S7)でインクリメントされる。
【0046】
ステップ1(S1)で、プロセッサ51は、ライトフィールドカメラ1が、光を均一に全方向に放射するランバート物体のイメージを取り込むと、すべてのフォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を受け取る。
【0047】
輝度値は、色成分の重み付け合計を用いて計算することができる。たとえば、輝度値は次式を用いて計算することができる。
【0048】
l(u,v)=h_red×q_red+h_green×q_green+h_blue×q_blue
【0049】
たとえば、輝度l(u,v)=((q_red×299)+(q_green×587)+(q_blue×114))/1000である。フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を計算するための他の技法が本開示の原理に従って使用されてもよい。
【0050】
ステップ1で、プロセッサ51はまた、各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を、その最大値がフォトサイトで得ることができる最大の大きさにまで変換されるように、正規化する。
【0051】
たとえば、8ビットセンサの255は、
l’(u,v)=255×l(u,v)/max_l
ここで、l’(u,v)は(u、v)のフォトサイト位置の正規化輝度値を表し、l(u,v)は(u、v)のフォトサイト位置の輝度値を表し、max_lは全フォトサイト131、132、133〜13pの中の最大輝度値を表す。
【0052】
ステップ2(S2)で、プロセッサ51は、正規化最大輝度値max_l’を決定し登録する。1つの例示的な実施形態では、プロセッサ51は、全フォトセットの輝度値l(u,v)をRAM 53又はROM 52などのメモリに一時的に登録することができ、また、登録された全輝度値から最大輝度値max_lを決定することができる。プロセッサ51は、正規化最大輝度値max_l’をメモリに同様に登録する。最大輝度値max_lを有するフォトサイト131、132、133〜13pは通常、センサアレイ13の中心部の近くに位置する。
【0053】
各フォトサイト131、132、133〜13pの重み値の組(重み行列)の計算が、ステップ3(S3)〜7(S7)で行われる。
【0054】
前述のように、センサアレイ13の周辺、及びセンサアレイ13の中心から遠くのフォトサイト131、132、133〜13pの中には、機械的キャッツアイ口径食により、場合によってはいかなる使用可能光も全く受光することができないものもある。したがって、本開示では、min_thresholdが用意され決定される。本開示のシステムでは、閾値未満である輝度値l(u,v)のフォトサイト131、132、133〜13pは機械的キャッツアイ口径食による影響を受けているとみなし、これらのフォトサイト131、132、133〜13pの設定重み値は0に等しい。
【0055】
ステップ3(S3)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値l(u,v)がmin_threshold未満であるかどうかを判定する。i番目フォトサイトの輝度値l(u,v)がmin_threshold値未満であると判定された場合、処理はステップ4(S4)へ進む。値l(u,v)がmin_threshold以上であると判定された場合には、処理はステップ5(S5)へ進む。
【0056】
ステップ4(S4)で、このi番目フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値l(u,v)が閾値未満であると判定されている場合、プロセッサ51は、このフォトサイトの重み値を0に等しく設定する。
【0057】
ステップ5(S5)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイト131、132、133〜13pの重み値を計算する。
次に、プロセッサ51は、メモリから値max_lを読み出し、次いで、位置(u,v)におけるフォトサイトの補正重み値である比w(u,v)=max_l/l(u,v)を計算することによって、i番目フォトサイトの重み値w(u,v)を計算する。この例では、w(u,v)が、赤、緑及び青成分を補正するのに使用される。
【0058】
特定の実施形態が本明細書では説明されているが、輝度値の計算又は重み値の計算がこの実施形態に限定されないこと、並びに、この実施形態に対して多くの修正及び追加が本開示の範囲内で加えられ得ることを理解されたい。
【0059】
ステップ6(S6)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイトの計算された重み値をメモリに記憶する(重み行列記憶装置87)。追加レンズ21がライトフィールドカメラに設置されない場合には、センサアレイ13上のマイクロレンズイメージの位置は、カメラパラメータに、たとえばカメラのズーム及び焦点調節に、依存することに留意されたい。追加レンズ21が設置されない場合には、計算された重み値の組が、添付の図には記載されていない手段によって検出される現在のズーム/焦点調節設定と関連づけられたメモリに、登録されなければならない。重み値はさらに、センサアレイ13面上の対応するフォトサイト(u,v)の輝度値に適用するために、センサアレイ13面上のフォトサイトの位置(u,v)と関連づけることができる。言い換えると、センサアレイ13面上のフォトサイトの位置(u,v)に対して計算された重み値は、後で説明されるステップ114(S114)で、センサアレイ13面上の同じフォトサイトの位置(u,v)で取り込まれた輝度値に乗算するために使用される。
【0060】
ステップ7(S7)で、プロセッサ51は、これがアレイ内の最後のフォトサイトであるかどうかを判定する。あるフォトサイトが最後のフォトサイトであるかどうかを判定する例示的な方法の1つは、処理するフォトサイト番号iと、メモリに事前登録されている最大フォトサイト番号i
maxとを比較することである。たとえば、100×100の合計で10000個のフォトサイトがセンサアレイ13面上に配置されている場合、プロセッサ51は、i=9999(「i」が0から9999の整数である場合)のフォトサイトの重み値が計算されるとループを終了させる。あるフォトサイトが最後のフォトサイトではない場合、プロセッサ51は、フォトサイト番号iをインクリメントし、ステップ3(S3)に戻る。これが、あるフォトサイトが最後のフォトサイトi
maxであると判定された場合には、重み値の組(i=0からi=9999まで10000個のフォトサイトの重み値の組など)が計算されているので、処理が終了される。
【0061】
この流れ図では、読者が本開示を容易に理解できるようにするために、処理されるフォトサイトはi番目の形で表現されている。しかし、当業者には、異なる計算の形を使用できることが理解されよう。たとえば、処理されるべきフォトサイトが(u,v)の形をとることができ、その場合、処理は、u=u
max及びv=v
max(たとえば、100×100のセンサでu
max=99及びv
max=99(「u」及び「v」が0から99までの整数である場合))のフォトサイトの計算が完了すると終了される。
【0062】
図8は、各フォトサイトの重み値の組をカラーチャネルに基づいて計算する代替実施形態の例示的な流れ図を示す。前述のように、各カラーチャネルによってもたらされる効果が異なり得るので、各フォトサイト131、132、133〜13pの上に配置されたカラーフィルタに応じて重み値を変えなければならない。この流れ図に記載された方法全体がプロセッサ51によって実行される。この例示的な流れ図では、(u,v)は、センサアレイ13の面上のi番目フォトサイトの座標を示す。「u」及び「v」の各値は、処理されるべきフォトサイトの番号iに応じてステップ80(S80)でインクリメントされる。言うまでもなく、各フォトサイトに対応するカラーフィルタの色を検出する手段がある。
【0063】
ステップ10(S10)で、プロセッサ51は、ライトフィールドカメラ1が、光を均一に全方向に放射するランバート物体のイメージを取り込むと、フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値l(u,v)を受け取る。
図7のステップ1(S1)で述べたように、取り込まれた輝度値を正規化するステップが実行される。先述のように、l’(u,v)、max_l’及びq’(max,color)はそれぞれ正規化輝度値を表す。
【0064】
ステップ20(S20)で、プロセッサ51は、ベイヤーフィルタなどのカラーフィルタで構成される各色の正規化最大輝度値q’_(max,color)を受信信号(全輝度値)から決定する。1つの例示的な実施形態では、プロセッサ51は、全フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を、それぞれのフォトサイト131、132、133〜13pの上に配置されたカラーフィルタのそれぞれの色を関連づけることによって、一時的に登録することができる。たとえば、プロセッサ51は、赤のカラーフィルタが上に配置されたフォトサイト131、132、133〜13pには色の「赤」を関連づけて、輝度値を登録することができる。そうすると、プロセッサ51は、色ごとの最大輝度値を登録された全輝度値から捜し出すことができる。プロセッサ51は、それぞれの最大輝度値をメモリに登録することができる。たとえば、カラーフィルタが赤色、緑色及び青色で構成されている場合、それぞれの色ごとに正規化最大輝度値(q’_(max.red)、q’_(max.green)、q’_(max.blue))が決定される。最大輝度値を有するフォトサイト131、132、133〜13pは通常、イメージセンサアレイ13の中心部の近くに位置する。
【0065】
各フォトサイトの重み値の組の計算が、ステップ30(S30)〜ステップ80(S89)で行われる。ステップ30(S30)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイトの正規化輝度値l’(u,v)がmin_threshold未満であるかどうかを判定する。正規化輝度値のl’(u,v)がmin_threshold値未満であると判定された場合、処理はステップ40(S40)へ進む。値l’(u,v)の値がmin_threshold以上であると判定された場合には、処理はステップ50(S50)へ進む。
【0066】
ステップ40(S40)で、このi番目フォトサイトの正規化輝度値が閾値未満であると判定されているので、プロセッサ51は、このi番目フォトサイトが機械的キャッツアイ口径食により光を受光しないと判定する。プロセッサ51は、このi番目フォトサイトの重み値を0に等しく設定する。
【0067】
ステップ50(S50)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイト上のカラーフィルタの色を決定し、このフォトサイト上のカラーフィルタの色に対する補正値を得る。
【0068】
ステップ60(60)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイトの、たとえば次式を用いて計算できる重み値を計算する。
w(u,v)=h_color×q’_(max,color)/l’(u,v)
【0069】
l’(u,v)は、ランバート物体がライトフィールドカメラ1によって取り込まれたときに、位置(u,v)のフォトサイトで測定された正規化輝度値である。q’_(max,color)は、ランバート物体がライトフィールドカメラ1によって取り込まれたときに、イメージセンサアレイ13で測定された色ごとの正規化最大輝度値である。h_colorは、フォトサイト上に配置されているカラーフィルタの色(たとえば、赤、緑及び青)に対応する既定補正値である。
【0070】
たとえば、座標(u,v)のi番目フォトサイト上のカラーフィルタが赤色である場合、重み値は次式を用いて計算される。
w(u,v)=h_color(red)×q’_(max.red)×1/l’(u,v)
【0071】
ステップ70(S70)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイトの計算された重み値を登録する。このステップで、追加レンズ21がライトフィールドカメラに設置されていない場合には、計算された重み値の組をメモリに、現在のズーム/焦点調節設定と関連させて登録することができる。
【0072】
ステップ80(S80)で、プロセッサ51は、処理するフォトサイト番号iと、メモリに事前登録することができる最大フォトサイト番号i
maxとを比較することによって、これが最後のフォトサイトであるかどうかを判定する。あるフォトサイトが最後のフォトサイトであると判定された場合、処理は終了される。あるフォトサイトが、重み値の計算がされる最後のフォトサイトではないと判定された場合には、プロセッサ51は、そのフォトサイト番号iをインクリメントし、ステップ30(S30)に戻って次のフォトサイト(i+1番目フォトサイト)の重み値を計算する。
【0073】
この流れ図では、読者が本開示を容易に理解できるようにするために、処理されるフォトサイトはi番目の形で表現されている。しかし、当業者には、異なる計算の形を使用できることが理解されよう。たとえば、処理されるべきフォトサイトが(u,v)の形をとることができ、その場合、処理は、u=u
max及びv=v
max(たとえば、100×100のセンサでu
max=99及びv
max=99(「u」及び「v」が0から99までの整数である場合))のフォトサイトの計算が完了すると終了される。
【0074】
[第1の実施形態]
図9は、本開示の一実施形態による、計算されたそれぞれの重み値を各フォトサイトからの出力信号に適用するための構成の例示的な図を示す。計算された重み値の組は、イメージが取り込まれるときに生じた口径食効果を補償するために、それぞれ各フォトサイトの輝度値に適用される。
【0075】
図9に示されるように、イメージセンサアレイ13によって取り込まれた信号は、行アクセスドライバ81、列増幅器82及びアナログ利得83を介して、アナログ−デジタル変換デバイス84へ送られる。クロック発生80が、命令が実行される速度を統制する。重み値の組がプロセッサ51によって計算され、重み行列記憶装置87の中に登録される。取り込まれた信号がデジタルストリームに変換された後、各フォトサイトからの信号には、口径食効果を補償するために乗算器86において、対応する重み値を乗算することができる。或は、各フォトサイトからの信号は、デジタルストリームに変換される前に増大させることができる。この実施態様においては、各フォトサイトのサイズ又はフィルファクタを変更して各フォトサイトの感度を調整する必要がない。口径食効果は、計算された重み値の組(重み行列)に応じて、イメージを取り込んだ後に補償される。ライトフィールドカメラ1の現在の設定(ズーム/焦点調節など)を検出する手段が添付の図には示されていないが、ライトフィールドカメラ1は、そのような手段を有するように構成することができる。
【0076】
この実施形態の一変形形態では、重み行列記憶装置87に記憶された重み値の組は、ユーザによって更新することができる。ユーザは、重み値の組(重み行列の組)を外部のソースからダウンロードすることができ、或は、前述の較正ステップのいくつかを使用して重み値の組を取得し、取得した重み値の組を重み行列記憶装置87の中に登録する。この実施形態は、追加レンズ21を用いる場合でも用いない場合でも有用であり得る。追加レンズ21を用いても、口径食効果を変えるいくつかの要因があり得る。1つの場合は、主レンズが変更されたときである。これは口径食効果を変え、したがって、重みは再計算される必要がある。別の場合では、カメラのバイアス又はノイズが口径食効果を変える。このバイアスは、時間が経過すると現れる(温度、機械的変化、物理的変化などによってもたらされるバイアス)。口径食効果を変えるいくつか他の要因があり、相対的配置の変化に応じて重み値の組をユーザが変更できることは、これらの状況を補償する助けになる。
【0077】
重み値の組は、光学的セットアップの所与のチューニングを用いてランバート物体を取り込み、次に、上述のアルゴリズムを用いて重み値の組を計算することによって、直接計算することができ、次に、外部インターフェースを介してアップロードすることができる。この場合、重み値の組(重み行列)がカメラ内でプログラム可能であるので、追加レンズ21の使用は必要がない可能性がある。重み値の組が限定的なハードウェアで実施されない場合、ユーザはシステムを、適切なときに(ズーム/焦点調節変更)ランバート物体を使用して、較正することができる。重み値の組は、本明細書に記載のアルゴリズムに従って計算され、次に、重み値の組は、ランバート物体が取り込まれたときのライトフィールドカメラ1の設定と関連づけられたメモリ(重み行列記憶装置87)に記憶することができる。
【0078】
図10は、本開示の一実施形態による、計算された重み値の組を各フォトサイトの輝度値の組に適用するための例示的な流れ図を示す。この流れ図に示された処理全体が、プロセッサ51によって実行される。以下の説明で、(u,v)はセンサアレイ面13上のフォトサイトの座標を指す。
【0079】
ステップ111(S111)で、プロセッサ51は、各フォトサイト131、132、133〜13pから、ライトフィールドカメラ1によって取り込まれた輝度値を取得し、正規化する。
【0080】
ステップ112(S112)で、プロセッサ51は、記憶装置(重み行列記憶装置87など)にアクセスして各フォトサイト131、132、133〜13pの重み値の組を取得する。重み値の組は、ライトフィールドカメラ1の現在のズーム/焦点調節設定と関連づけることができる。前述のように、ライトフィールドカメラ1は、現在の設定(ズーム/焦点調節など)を検出する手段を有し、現在の設定はメモリに記憶される。現在のズーム/焦点調節設定と関連づけられた重み値の組が記憶装置(重み行列記憶装置87)に見出されると判定された場合、処理はステップ114(S114)へ進む。現在のズーム/焦点調節設定と関連づけられた重み値の組が見出されないと判定された場合には、処理はステップ113(S113)へ進む。一変形形態では、追加レンズ21をライトフィールドカメラ1に設置することができる。この場合、センサアレイ13上のマイクロレンズイメージの組の位置が固定されているので、重み値の組は、それぞれのズーム/焦点調節設定と関連づけられなくてよい。
【0081】
ステップ113(S113)で、プロセッサ51はユーザに、
図7又は
図8に示された重み値の組の計算ステップを実行するように促し、或はユーザに、現在のズーム/焦点調節設定と関連づけられた重み値の組を登録するように促す。重み値の組は、インターネット又は製造者のサイトなど、外部ソースから取得することができる。プロンプトは、MMI(マンマシンインターフェース)85を介してメッセージを示すこと、又は音声メッセージを出力することなどによる、当技術分野で知られている任意の方法で行うことができる。
【0082】
ステップ114(S114)で、プロセッサ51は、各フォトサイトからの輝度値に、対応する重み値を乗算する。計算された重み値w(u,v)を使用して、位置(u,v)におけるフォトサイトの輝度値に乗算することができる。各フォトサイトの輝度値に、対応する重み値を乗算することによって、口径食効果により影響を受ける各フォトサイトの輝度値が増加される。最終的に、ライトフィールドカメラ1に取り込まれるイメージに対する口径食効果が補償されることになる。
【0083】
[第2の実施形態]
以下の第2の実施形態は、各フォトサイトの感度を追加のハードウェア構成を用いて調整することに関連している。
【0084】
図11は、本開示の第2の実施形態によるライトフィールドカメラの例示的な構成を示す。
図1に描かれたライトフィールドカメラ1との違いは、感度がそれぞれ調整されるフォトサイト131A、132A、133A〜13pAを含むイメージセンサアレイ13Aである。他の構成は、
図1に描かれたライトフィールドカメラ1とほとんど同じとすることができる。第2の実施形態では、相対的に高い輝度値を出力する中心フォトサイト132Aは、中心フォトサイト132Aのサイズを低減させることによって、又は中心フォトサイト132Aのフィルファクタを、フォトサイトの表面を覆うか、又は隠して調整することによって、捕捉する光子が少なくなるように設計される。この実施形態では、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAのハードウェア構成が変更されるので、イメージの中心がズーム/焦点調節設定にかかわらず同じ位置にいつもあるように設定するには、追加レンズ21が設置される必要があり得る。しかし、追加レンズ21の設置は、ライトフィールドカメラ1Aが単焦点カメラである限り、必要とされない可能性がある(言い換えると、ライトフィールドカメラ1Aがズーム/焦点調節設定の機能を有していない場合、追加レンズ21は必要とされない可能性がある)。
【0085】
各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値に、対応する重み値を乗算することによって、輝度値を計算的に変更することに関連がある第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態は、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を、各フォトサイト13A1、132A、133A〜13pAのハードウェア構成を変えることによって調整することに関連がある。言い換えると、第2の実施形態は、フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの輝度値を均一にすることに関連しており、これは、全フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの出力を、取り込まれたランバート物体イメージに対して相対的に同じ輝度値にすることを目的としている。この目的は、周辺フォトサイト131A及び133Aと比較して多くの光子を捕捉する中心フォトサイト132Aの感度を低減させることによって、又は周辺フォトサイト131A及び133Aの感度を高めることによって、実現することができる。
【0086】
上述のように、本開示の第2の実施形態は、イメージセンサアレイ13Aに含まれる各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を設計(調整)することに関連している。各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度は、それぞれの重み値を考慮して調整される。各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAで捕捉される光子の数は、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAのサイズ又はフィルファクタに比例し得る。製造段階又は製造前段階で、本明細書に記載されている重み値の組の計算が行われ、次に各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAのサイズ又はフィルファクタが、フォトサイト131、132、133〜13A及び131A、132A、133A〜13pAの計算された重み値の組に応じて設計(調整)され得る。
【0087】
図12は、本開示の第2の実施形態による、フォトサイトの重み値(重み行列)の組を計算するための例示的な流れ図を示す。重み値の組の計算が、
図1に描かれている別のライトフィールドカメラ1を使用して行われることを理解するのは重要である。ライトフィールドカメラ1は、イメージセンサアレイ13を除いて、
図11に描かれているライトフィールドカメラ1Aと同じ構成を有する。フォトサイト131、132、133〜13pを含むライトフィールドカメラ1のイメージセンサアレイ13の感度は調整されていない。言い換えると、ライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pの感度は均一である。また、ライトフィールドカメラ1がライトフィールドカメラ1Aと同じフォトサイト構成(フォトサイトの数及び配向)を有することを理解するのも重要である。以下の説明では、(u,v)は、センサアレイ面13又は13A上のフォトサイトの座標を指す。
【0088】
ステップ121(S121)で、ライトフィールドカメラ1は、光を均等に全方向へ放射するランバート物体を取り込み、信号をプロセッサ51へ送る。言い換えると、ステップ121(S121)で、プロセッサ51は、ランバート物体イメージがライトフィールドカメラ1によって取り込まれたときの、ライトフィールドカメラ1の各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を取得する。以下の表は、小型レンズアレイ11の中心にある1つのマイクロレンズに対応する11×11の合計で121個のフォトサイト131、132、133〜13pの輝度値の一例を示す。
【0090】
この例では、最大輝度値は220である。
【0091】
ステップ122(S122)で、各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値は、その最大値がフォトサイトで得ることができる最大の大きさにまで変換されるように、正規化することができる。
【0092】
たとえば、8ビットセンサの255では、
【0093】
l’(u,v)=255×l(u,v)/max_l(u, v)
となる。
【0094】
以下の表2は、1つのマイクロレンズに対応する11×11の合計で121個のフォトサイト131、132、133〜13pの正規化輝度値の一例を示す。
【0096】
強調表示された値は、輝度値が最小閾値(min_threshold)を超えるフォトサイトである。この例示的な実施形態では、25を最小閾値に設定している(min_threshold=25)。これらの強調表示されたフォトサイトは、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAによって取り込まれる光の強度を均一化するために、そのサイズ又はフィルファクタが、取り込まれる光子を低減させるように変更する必要がある。
【0097】
ステップ123(S123)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pの正規化輝度値が最小閾値(min_threshold)以上であるかどうかを判定する。最小閾値(min_threshold)は任意の事前設定値であり、メモリに記憶される。
【0098】
ステップ124(S124)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pの重み値を、このi番目フォトサイト131、132、133〜13pの正規化輝度値が最小閾値(min_threshold)以上である場合に、最小閾値(min_threshold)をi番目フォトサイト131、132、133〜13pの正規化輝度値で割ることによって、計算する。
【0099】
重み値の計算には、次式を用いることができる。
(外1)
【0100】
或は、重み値は次式で計算することができる。
w(u,v)=min_threshold/max(l’(u,v),min_threshold)
【0101】
ステップ125(S125)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pの計算された重み値をメモリに、センサアレイ面13上のフォトサイト131、132、133〜13pの座標(u,v)と関連させて登録する。たとえば、プロセッサ51は、重み値wをセンサアレイ面13上のフォトサイトの位置(u,v)と関連させて登録し、それにより、その計算された重み値が、ライトフィールドカメラ1Aのセンサアレイ面13A上の同じ座標(u,v)のフォトサイト131A、132A、133A〜13pAに適用される。
【0102】
ステップ127(S127)で、プロセッサ51は、フォトサイト131、132、133〜13pの正規化輝度値が最小閾値(min_threshold)以上ではないと判定された場合に、重み値を「1」に設定する。
【0103】
ステップ126(S126)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイト131、132、133〜13pが最後のものであるかどうかを判定する。これが最後のフォトサイト131、132、133〜13pであるかどうかをプロセッサ51が判定できる例示的な方法の1つは、処理するフォトサイト番号iと、メモリに事前登録されている最大フォトサイト番号i
maxとを比較することである。たとえば、100×100の合計で10000個のフォトサイトがデバイス5に備えられている場合、プロセッサ51は、i=9999(「i」が0から9999の整数である場合)のフォトサイトの重み値が計算されるとループを終了させる。この場合、このフォトサイトが最後のフォトサイトではないならば、プロセッサ51は、フォトサイト番号iをインクリメントし、ステップ123(S123)に戻る。これが最後のフォトサイトi
maxであるならば、重み値の組(重み行列)が計算されているので、処理が終了される。
【0104】
この流れ図では、読者が本開示を容易に理解できるようにするために、処理されるフォトサイトはi番目の形で表現されている。しかし、当業者には、異なる計算の形を使用できることが理解されよう。たとえば、処理されるべきフォトサイトが(u,v)の形をとることができ、その場合、処理は、u=u
max及びv=v
max(たとえば、100×100のセンサでu
max=99及びv
max=99(「u」及び「v」が0から99までの整数である場合))のフォトサイトの計算が完了すると終了される。
【0105】
次表は、1つのマイクロレンズに対応する各フォトサイト131、132、133〜13pの計算された重み値の組を示す。
【0106】
【表3】
それぞれの重み値に応じて、たとえば次式を用いて、その感度が調整されるフォトサイトが強調表示されている。
Surface(u,v)=maximum_surface×w(u,v)
maximum_surfaceは、min_threshold輝度値に達するフォトサイトのサイズ又はフィルファクタを指す。上記の例では、maximum_surfaceは、輝度値25に達する周辺フォトサイトのサイズ又はフィルファクタによって定義される。
【0107】
たとえば、1つ前の表中で輝度値が255に達する中心フォトサイトでは、サイズ又はフィルファクタは、次式により調整することができる。
【0108】
Size(又はFill Factor)(u,v)=maximum_surface(又はFill Factor)×0.098
【0109】
それぞれのフォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度の調整は、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの受光面を部分的に隠すキャッシュを置くこと、又は各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの前にマスクを作ることによって実施して、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAのフィルファクタを低減させることができる。
【0110】
フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を変更するための代替方法は、グレーフィルタパターンを設計し、これを、白色イメージを取り込むときに観測される高い値を減衰させるように、(たとえば、蒸着技法によって)フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの上に印刷することである。
【0111】
中心フォトサイトのサイズ又はフィルファクタを低減させることによって、フォトサイトの感度が低減する。この結果、ノイズが多い、暗いイメージになる。ノイズを低減させるには、カメラ露光時間を増加させればよい。露光時間を増加させると、明るく、口径食のないイメージを得ることができる。すなわち、露光時間は、取り込まれるイメージの明るさを考慮して調整されてよい。
【0112】
第2の実施形態の代替実施態様では、口径食効果による影響を受ける周辺フォトサイト131A、132A、133A〜13pAは、より多くの光子を、第1の実施形態で説明されたステップ(
図7及び
図8に記載)によって計算される重み値の組に基づいて捕捉するように設計することができる。周辺フォトサイトのフィルファクタ又はサイズは、計算された重み値を考慮して増加させることができる。
w’(u,v)=max_l’/max(l’(u,v),min_threshold)
max_l’は、フォトサイトで得ることができる最大の大きさにまで変換されている正規化最大輝度値を指す。l’(u,v)は、座標(u,v)に位置するフォトサイトの正規化輝度値を指す。8ビットセンサが使用される場合、式は下記とすることができる。
w’(u,v)=255/max(l’(u,v),min_threshold)
Surface(u,v)=minimum_surface×w’(u,v)
minimum_surfaceは、製造されることが望まれる最小フォトサイトのサイズ又はフィルファクタを指し、最大輝度に達するフォトサイトのサイズに対応する。上記の例では、minimum_surfaceは、前記の表中の輝度値255に達する中心フォトサイトのサイズ又はフィルファクタによって定義される。
【0113】
別の代替実施態様では、周辺フォトサイトのフィルファクタ又はサイズは、「Smax」で示される最大有意フィルファクタ(値「Smax」はセンサの製造者によって設定され、たとえばSmax=0.9)と、「Smin」で示される最小値(値「Smin」はセンサの製造者によって設定され、たとえばSmin=0.2)とを考慮して増加させることができる。2つの隣接するフォトサイトの中心間の距離は「PhotoSize」で示される(2つの各隣接フォトサイト間の距離は、式を有効に保つためにセンサアレイ13の上で一定又は均一であると仮定されている)。キャッツアイの閾値を「min_threshold」で示し、また正規化輝度値[00101]をl’(u,v)と示すと、センサアレイ面13上の座標(u,v)におけるフォトサイトのフィルファクタ又はサイズは、次式で計算することができる。
Surface(u,v)=(a(l’(u,v)−min_threshold)+Smax)×PhotoSize
a=(Smin−Smax)/(255−min_threshold)
【0114】
たとえば、(u,v)のフォトサイトの元のフィルファクタ又はサイズは、PhotoSizeのサイズの0.5である。Smin=0.3及びSmax=0.9と仮定すると、フォトサイトの最小フィルファクタ又はサイズは、PhotoSizeの0.3になり、最大はPhotoSizeの0.9になる。min_threshold=20、l’(u,v)=min_thresholdであるフォトサイトでは、フォトサイトのフィルファクタ又はサイズは、PhotoSizeの0.9になる必要があり、したがって、フォトサイトの元のフィルファクタ又はサイズよりも大きく、またl’(u,v)=255であるフォトサイトでは、PhotoSizeの0.3になる必要があり、これはフォトサイトの元のフィルファクタ又はサイズよりも小さい。
【0115】
図13は、本開示の第2の実施形態によるフォトサイトについて、フォトサイトのフィルファクタ又はサイズfの組を計算するための例示的な流れ図を示す。
【0116】
ステップ131(S131)で、ライトフィールドカメラ1は、光を均等に全方向へ放射するランバート物体を取り込み、信号をプロセッサ51へ送る。言い換えると、ステップ131(S131)で、プロセッサ51は、ランバート物体イメージがライトフィールドカメラ1によって取り込まれたときの、ライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pそれぞれの輝度値を取得する。
【0117】
ステップ132(S132)で、各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値は、その最大値がフォトサイトで得ることができる最大の大きさ(8ビットセンサでは255)にまで変換されるように、正規化することができる。
l’(u,v)=255×l(u,v)/max_l(u,v)
【0118】
ステップ133(S133)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pのフィルファクタfを次式によって計算する。
Surface(u,v)=(a(l’(u,v)−min_threshold)+Smax)×PhotoSize
a=(Smin−Smax)/(255−min_threshold)
【0119】
ステップ134(S134)で、プロセッサ51は、i番目フォトサイト131、132、133〜13pの計算されたフィルファクタfをメモリに、センサアレイ面13上のフォトサイト131、132、133〜13pの位置(u,v)と関連させて登録する。たとえば、プロセッサ51は、フィルファクタfをセンサアレイ面13上のフォトサイトの位置(u,v)と関連させて登録し、それにより、その計算されたフィルファクタfが、ライトフィールドカメラ1Aのセンサアレイ面13A上の同じ位置(u,v)のフォトサイト131A、132A、133A〜13pAに適用される。
【0120】
ステップ135(S135)で、プロセッサ51は、このi番目フォトサイト131、132、133〜13pが最後のものであるかどうかを判定する。これが最後のフォトサイト131、132、133〜13pであるかどうかをプロセッサ51が判定できる例示的な方法の1つは、処理するフォトサイト番号iと、メモリに事前登録されている最大フォトサイト番号i
maxとを比較することである。たとえば、100×100の合計で10000個のフォトサイトがデバイス5に備えられている場合、プロセッサ51は、i=9999(「i」が0から9999の整数である場合)のフォトサイトの重み値が計算されるとループを終了させる。この場合、このフォトサイトが最後のフォトサイトではないならば、プロセッサ51は、フォトサイト番号iをインクリメントし、ステップ133(S133)に戻る。これが最後のフォトサイトi
maxであるならば、重み値の組(重み行列)が計算されているので、処理が終了される。
【0121】
この流れ図では、読者が本開示を容易に理解できるようにするために、処理されるフォトサイトはi番目の形で表現されている。しかし、当業者には、異なる計算の形を使用できることが理解されよう。たとえば、処理されるべきフォトサイトが(u,v)の形をとることができ、その場合、処理は、u=u
max及びv=v
max(たとえば、100×100のセンサでu
max=99及びv
max=99(「u」及び「v」が0から99までの整数である場合))のフォトサイトの計算が完了すると終了される。
【0122】
別の変形実施態様(周辺フォトサイトのフィルファクタ又はサイズを増加させる)は、取り込まれるイメージが、フォトサイトのフィルファクタ又はサイズを低減させる実施形態と比較して全体的に明るくノイズが少ないので、露光時間を調整する必要がない。
【0123】
図14は、本開示の一実施形態による、複数のフォトサイトを含むイメージセンサアレイを製造するための例示的な流れ図を示す。
【0124】
ライトフィールドカメラ1を使用して、均一に照明された、光を均等に全方向へ放射するランバート物体を取り込み、信号をプロセッサ51へ送る。言い換えると、ステップ141(S141)で、別のライトフィールドカメラ1のプロセッサ51(又は、ライトフィールドカメラ1とは別個に構成されているデバイス5のプロセッサ51)は、ランバート物体イメージがライトフィールドカメラ1によって取り込まれたときの、各フォトサイト131、132、133〜13pそれぞれの輝度値を取得する。
【0125】
ステップ142(S142)で、イメージに生じた口径食効果を補正するための重み値の組(重み行列)(又は新フィルファクタ)を、取り込まれたランバート物体イメージに基づいて計算する。
【0126】
ステップ143(S143)で、フォトサイト131A、132A、133A〜13pAを含むイメージセンサアレイ13Aを製造する。フォトサイトそれぞれの感度は、別のライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pの各座標と関連がある計算された重み値の組(又は新フィルファクタ)に応じて調整されている。上述のように、重み値w(又は新フィルファクタf)は、ライトフィールドカメラ1のセンサアレイ面13上のフォトサイト131、132、133〜13pの座標と関連づけられて登録される。ライトフィールドカメラ1は、ライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pの感度が調整されていない(言い換えると、ライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pの感度は均一である)ことを除けば、ライトフィールドカメラ1Aと同じ構成を含む。したがって、別のライトフィールドカメラ1のフォトサイト131、132、133〜13pの数及び配置は、ライトフィールドカメラ1Aのフォトサイト131A、132A、133A〜13pAと同じである。製造段階では、センサアレイ面13上のそれぞれの座標と関連づけられたそれぞれの重み値(又は新フィルファクタf)に応じて、それぞれのフォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を調整する。たとえば、センサアレイ面13A上の座標(0,5)のフォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度が、センサアレイ面13上の座標(0,5)と関連づけられた重み値(又は新フィルファクタf)に応じて調整される。
【0127】
フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を調整するための他のすべての様々な実施態様が、本発明で使用されてもよいことを理解されたい。
【0128】
上記の開示された表又は式、又は流れ図は、様々な実施形態の原理を提示するための例にすぎない。式、閾値、輝度値の計算、又は重み値の計算は、上記に限定されず、多くの修正及び追加を本発明の範囲内で上記に加えることができる。本開示の一実施形態によれば、ユーザが、重み値の組(重み行列の組)を外部のソースからダウンロードすること、又は本明細書に詳述された較正ステップによって重み値の組を取得することができ、またユーザが、取得された重み値の組を重み行列記憶装置87に登録する。重み行列記憶装置87は、それぞれのズーム/焦点調節設定にそれぞれが関連づけられた重み値の組を記憶する。このシステムは、重み値の組を、ライトフィールドカメラ1によって取り込まれたイメージに生じる口径食効果を補正するように、重み行列記憶装置87からの現在のズーム/焦点調節設定に適合させることを見い出すことができる。したがって、各フォトサイト131、132、133〜13pの輝度値を変更することは、上記の部分で述べた技術的問題を解決するのに有効になる。
【0129】
本開示の別の実施形態によれば、ライトフィールドカメラ1Aの各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度が、別のライトフィールドカメラ1を使用して計算された重み値の組に応じて調整される。ライトフィールドカメラ1Aはさらに、マイクロイメージ中心の1つの組を推定するのに寄与する追加レンズ21を、ライトフィールドカメラ1の焦点調節距離/ズームパラメータのすべての組に対して備えることができる。したがって、各フォトサイト131A、132A、133A〜13pAの感度を変更することは、上記の部分で述べた技術的問題を解決するのに有効になる。
【0130】
当然ながら、本開示は先述の実施形態に限定されない。特に、本開示は、ライトフィールドカメラ1又は1Aに限定されず、また、これらを制御及び/又は構成する方法、並びにこの制御/較正方法を実現するハードウェア回路にも及ぶ。
【0131】
ライトフィールドカメラ1又は1Aによって取り込まれたイメージに生じる口径食効果を補正する本明細書に記載の方法は、プロセッサ51によって実行される命令によって実施することができ、このような命令(及び/又は実施によって生成されるデータ値)は、プロセッサ可読媒体に記憶することができ、この媒体としては、たとえば、集積回路、ソフトウェア担体又は他の記憶デバイスがあり、たとえば、ハードディスク、コンパクトディスケット(「CD」)、光ディスク(たとえば、デジタル多用途ディスク又はデジタルビデオディスクと呼ばれることが多いDVD)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)又は読み出し専用メモリ(「ROM」)などがある。命令は、プロセッサ可読媒体上に有形に具現化されたアプリケーションプログラムの形をとることができる。命令は、たとえば、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は組合せの形とすることができる。命令は、たとえば、オペレーティングシステム、別個のアプリケーション、又はこれら2つの組合せの形で見出すことができる。したがって、プロセッサ51は、たとえば、処理を実行するように構成されたデバイスとしても、処理を実行するための命令を有するプロセッサ可読媒体を含むデバイス(記憶デバイスなど)としても、特徴づけることができる。さらに、プロセッサ可読媒体は、命令に加えて、又はその代わりに、一実施態様によって生成されたデータ値を記憶することもできる。
【0132】
当業者には明らかであるように、諸実施態様では、たとえば記憶又は伝送することができる情報を搬送するようにフォーマットされた様々な信号を生成することができる。情報は、たとえば、ある方法を実施するための命令、又は記載された実施態様の1つによって生成されたデータを含むことができる。たとえば、信号は、記載された実施形態のシンタックスを書き込む、又は読み出すための規則をデータとして搬送するように、又は記載の実施形態によって書き込まれた実際のシンタックス値をデータとして搬送するように、フォーマットすることができる。このような信号は、たとえば電磁波として(たとえば、スペクトルの無線周波数部分を使用)、又はベースバンド信号としてフォーマットすることができる。このフォーマット化は、たとえば、データストリームを符号化すること、及び搬送波を符号化データストリームで変調することを含むことができる。信号が搬送する情報は、たとえば、アナログ又はデジタル情報とすることができる。信号は、知られているように、様々な異なる有線又は無線リンクを介して伝送することができる。信号は、プロセッサ可読媒体に記憶することができる。
【0133】
いくつかの実施態様が説明された。しかしながら、様々な修正を加えることができることを理解されたい。たとえば、別々の実施態様の要素を結合、補足、修正、又は除去して別の実施態様を作り出すことができる。加えて、当業者には、開示されたものの代わりに別の構造及び処理を代用できること、並びに、その結果としての実施態様が、少なくとも実質的に同じ機能を、少なくとも実質的に同じように実行して、開示された実施態様と少なくとも実質的に同じ結果が得られること、が理解されよう。したがって、上記及び他の実施態様が本出願によって企図されている。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
複数のフォトサイト(131、132、133、13p)を含むイメージセンサアレイ(13)を備えたライトフィールドカメラ(1)によって取り込まれたイメージに生じる、口径食効果を補正する方法であって、
各フォトサイト(131、132、133、13p)から輝度値を取得するステップ(S111)と、
各フォトサイト(131、132、133、13p)の口径食効果を補償するための重み値の組を取得するステップであって、前記重み値の組が前記ライトフィールドカメラ(1)の現在の設定と関連づけられているステップ(S112)と、
各フォトサイト(131、132、133、13p)の前記輝度値を、前記取得された前記重み値の組に基づいて変更するステップ(S114)と、
を含む方法。
(付記2)
前記重み値が、
ランバート物体イメージが取り込まれたときの各フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値を受け取るステップ(S1)と、
前記受け取った輝度値から最大輝度値を決定するステップ(S2)と、
前記最大輝度値を、前記ランバート物体イメージが取り込まれたときの各フォトサイト(131、132、133、13p)の前記それぞれの輝度値で割るステップ(S5)と、
によって計算される、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記ライトフィールドカメラ(1)がさらに、カラーフィルタの異なる色が各フォトサイト(131、132、133、13p)と関連づけられているカラーフィルタアレイ(12)を備え、
前記重み値が、
ランバート物体イメージが取り込まれたときの各フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値を受け取るステップ(S10)と、
フォトサイト(131、132、133、13p)上のカラーフィルタの色の最大輝度値を、前記受け取った輝度値から決定するステップ(S20)と、
前記フォトサイト(131、132、133、13p)上の前記カラーフィルタの前記色による影響を受けた輝度値を補正する補正値を取得するステップ(S50)と、
フォトサイト(131、132、133、13p)の重み値を、前記フォトサイト(131、132、133、13p)の前記輝度値、前記補正値、及び色の前記最大輝度値に基づいて計算するステップ(S60)と、
によって計算される、付記1に記載の方法。
(付記4)
前記計算するステップがさらに、
値を、ある色の前記最大輝度値を前記フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値で割ることによって決定するステップと、
前記決定された値に前記補正値を乗算するステップ(S60)と、
を含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値を閾値と比較するステップ(S3、S30)と、
前記フォトサイト(131、132、133、13p)の前記輝度値が前記閾値未満である場合、前記フォトサイト(131、132、133、13p)の前記重み値を0に等しく設定するステップ(S4、S40)と、
をさらに含む、付記2から4のいずれか一項に記載の方法。
(付記6)
各フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値を変更する前記ステップが、各フォトサイト(131、132、133、13p)の輝度値に、各フォトサイト(131、132、133、13p)と関連づけられたそれぞれの重み値を乗算することによって実行される(S114)、付記1から5のいずれか一項に記載の方法。
(付記7)
前記ライトフィールドカメラ(1)がさらに、重み値及び補正値の組を記憶する記憶装置(87)を備え、重み値の前記それぞれの組が前記ライトフィールドカメラ(1)のそれぞれの設定と関連づけられ、それぞれの重み値が前記それぞれのフォトサイト(131、132、133、13p)と関連づけられ、前記それぞれの補正値により、フォトサイト(131、132、133、13p)上の前記カラーフィルタの前記色によって影響を受けた輝度値を補正する、付記1に記載の方法。
(付記8)
複数のフォトサイト(131、132、133〜13p)を含むイメージセンサアレイ(13)を備えたライトフィールドカメラ(1)によって取り込まれたイメージに生じる、口径食効果を補正するデバイス(5)であって、各フォトサイト(131、132、133、13p)の口径食効果を補償するための重み値の組を記憶する記憶装置(87)を備えるデバイスと、
ライトフィールドカメラ(1)によって取り込まれた各フォトサイト(131、132、133〜13p)の輝度値を取得するように、
各フォトサイト(131、132、133〜13p)の重み値の組を取得するように、かつ
各フォトサイト(131、132、133〜13p)の前記輝度値を、前記取得された重み値の組に基づいて変更するように
構成されたプロセッサ(51)と、を備えるデバイス(5)。
(付記9)
前記ライトフィールドカメラ(1)がさらに、
主レンズ(10)と、
前記イメージセンサアレイ(13)と前記主レンズ(10)の間に設置された、複数のマイクロレンズ(111、112、133、11m)を含む小型レンズアレイ(11)と、
前記主レンズ(10)と前記マイクロレンズ(111、112、133、11m)の間の、前記主レンズ(10)から距離(L1)のところに配置された追加レンズ(21)と、
を含み、前記追加レンズ(21)が前記距離(L1)に相当する焦点距離を有する、付記8に記載のデバイス(5)。
(付記10)
主レンズ(10)と、
マイクロレンズ(111、112、11n)と、
複数のフォトサイト(131A、132A、133A〜13pA)を含むイメージセンサアレイ(13A)と、
を備えるライトフィールドカメラ(1A)であって、
前記フォトサイト(131A、132A、133A〜13pA)が、前記ライトフィールドカメラ(1A)によって取り込まれたイメージに生じる口径食効果を補償するように調整されたそれぞれの感度を有する、ライトフィールドカメラ(1A)。
(付記11)
前記主レンズ(10)と前記マイクロレンズ(111、112、133、11m)の間の、前記主レンズ(10)から距離(L1)のところに配置された追加レンズ(21)をさらに備え、前記追加レンズ(21)が前記距離(L1)に相当する焦点距離を有する、付記10に記載のライトフィールドカメラ(1A)。
(付記12)
各フォトサイト(131A、132A、133A〜13pA)の感度が、各フォトサイト(131A、132A、133A〜13pA)と関連づけられた重み値に基づいて調整される、付記10又は11に記載のライトフィールドカメラ(1A)。
(付記13)
各フォトサイト(131A、132A、133A〜13pA)の前記重み値が、別のライトフィールドカメラ(1)のフォトサイト(131、132、133〜13p)が均一の感度を有することを除けば前記ライトフィールドカメラ(1A)と同じ構成を備える、前記別のライトフィールドカメラ(1)の前記イメージセンサアレイ(13)と通信できるプロセッサ(51)によって、
ランバート物体イメージが前記別のライトフィールドカメラ(1)によって取り込まれたときの、前記別のライトフィールドカメラ(1)の各フォトサイト(131、132、133〜13p)の輝度値を取得して、
前記別のライトフィールドカメラ(1)の各フォトサイト(131、132、133〜13p)の輝度値が最小閾値(min_threshold)以上であるかどうかを判定して、かつ
それぞれの重み値を、前記別のライトフィールドカメラ(1)の各フォトサイト(131、132、133〜13p)の輝度値が最小閾値(min_threshold)以上である場合には、前記最小閾値(min_threshold)を前記別のライトフィールドカメラ(1)の各フォトサイト(131、132、133〜13p)で割ることによって得られるそれぞれの値に設定し、それ以外は1に設定して
計算される、付記12に記載のライトフィールドカメラ(1A)。
(付記14)
通信ネットワークからダウンロード可能な、及び/又はコンピュータによって読取り可能な媒体に記録された、及び/又はプロセッサによって実行可能な、コンピュータプログラム製品であって、付記1から7の少なくとも一項による方法のステップを実施するためのプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム製品。
(付記15)
非一時的な有形コンピュータ可読媒体であって、これに記録され、プロセッサによって実行することができるコンピュータプログラム製品を、付記1から7の少なくとも一項による方法のステップを実施するためのプログラムコード命令を含めて備える、非一時的な有形コンピュータ可読媒体。