(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
信号エミッタ(2、8、34、36)によって生成される複数の信号(29)に由来し、少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)によって受信されるデータを空間的にフィルタ処理するシステム(100)であって、前記システムは、
前記複数の信号を受信するように構成された少なくとも1つのセンサ(103)と、
前記センサに連結され、複数の信号パラメータベクトル(138)を生成するように構成されたプリプロセッサ(104)であって、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルは前記複数の信号のうちの1つの信号に由来し、前記少なくとも1つのセンサに由来し前記信号エミッタに関連する情報を含む少なくとも1つの座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を含み、前記情報は第1の空間データタイプ及び第2の空間データタイプを含む少なくとも2つのタイプの空間データを含む、プリプロセッサ(104)と、
前記プリプロセッサに連結され、メモリ(134)を含むコンピューティングデバイス(132)であって、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルをデインターリーブするように構成されているコンピューティングデバイスとを備え、前記コンピューティングデバイスは、
第1の時点、及び前記第1の時点後に発生する第2の時点を含む期間にわたって、前記複数の信号パラメータベクトルを前記プリプロセッサから受信し、
前記第1の空間データタイプの複数の第1座標の第1の誤差の大きさ、及び前記第2の空間データタイプの複数の第2座標の第2の誤差の大きさを決定し、
前記第1の誤差の大きさが前記第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なるときには、前記メモリに保存され且つ複数のアレイ(402、404、406)を有するアレイデータ構造(401)に、前記複数のアレイの第1のアレイに対する前記複数の第1座標及び前記複数のアレイの第2のアレイに対する前記複数の第2座標を送信し、前記第1のアレイは第1の数のエレメント(407)を含み、前記第2のアレイはエレメントの前記第1の数とは異なる第2の数のエレメントを含み、前記複数のアレイの各アレイが、前記複数の信号が前記少なくとも1つのセンサによって受信される物理的な空間ドメイン(1、33)を表わしており、
前記複数の第1座標の第1の確率密度関数(“PDF”)を表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、及び前記複数の第2座標の第2の“PDF”を表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(416)を決定(1208)し、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの各々は、前記第1のアレイ及び前記第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされて前記メモリ内に保存されており、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部を含む交差領域(812)を決定し、前記交差領域は更に、前記第1の数のエレメントの少なくとも一部、及び前記第2の数のエレメントの少なくとも一部を含み、前記交差領域は前記第2の時点に前記物理的な空間ドメイン内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)を表わす
ようにプログラムされている、システム(100)。
前記コンピューティングデバイス(132)に連結されたディスプレイ(144)を更に含み、前記コンピューティングデバイスは更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタ(2、8、34、36)が存在する確率が最も高い前記場所(16)のうちの少なくとも1つを、ディスプレイを介して人が読むことができるデータとして表示するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム(100)。
電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで、前記少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)と連結されているデバイス(31)を更に備え、前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い前記場所(16)のうちの少なくとも1つの決定に基づいて、前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)に近づく方向及び遠ざかる方向のうちの少なくとも一方への前記デバイスの移動を指示するようにプログラムされている、請求項1又は2に記載のシステム(100)。
信号エミッタ(2、8、34、36)から複数の信号(29)を受信するように構成された、少なくとも1つのセンサ(103)を含む少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)によって生成される複数の信号パラメータベクトル(138)からのデータを空間的にフィルタ処理する方法(1200)であって、各信号パラメータベクトルは前記複数の信号の1つの信号に由来し、前記方法は、
第1の時点、及び前記第1の時点後に発生する第2の時点を含む期間にわたって、前記複数の信号パラメータベクトルを、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルをデインターリーブするように構成されたコンピューティングデバイス(132)で受信すること(1202)であって、前記各信号パラメータベクトルは、前記少なくとも1つのセンサに由来し前記信号エミッタに関連する情報を含む少なくとも1つの座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を有し、前記情報は第1の空間データタイプ及び第2の空間データタイプを含む少なくとも2つのタイプの空間データを含む、受信すること(1202)と、
前記第1の空間データタイプの複数の第1座標(1004)の第1の誤差の大きさ、及び前記第2の空間データタイプの複数の第2座標(1008)の第2の誤差の大きさを決定すること(1204)と、
前記第1の誤差の大きさが前記第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なるときには、メモリ(134)に保存され且つ複数のアレイ(402、404、406)を有するアレイデータ構造(401)に、前記複数のアレイの第1のアレイに対する前記複数の第1座標及び前記複数のアレイの第2のアレイに対する前記複数の第2座標を送信すること(1206)であって、前記第1のアレイは第1の数のエレメント(407)を含み、前記第2のアレイはエレメントの前記第1の数とは異なる第2の数のエレメントを含み、前記複数のアレイの各アレイは前記複数の信号が前記少なくとも1つのセンサによって受信される物理的な空間ドメイン(1、33)を表わしている、送信すること(1206)と、
前記複数の第1座標の第1の確率密度関数(“PDF”)を表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、及び前記複数の第2座標の第2の“PDF”を表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(416)を前記コンピューティングデバイスにより決定(1208)することであって、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの各々は、前記第1のアレイ及び前記第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされて前記メモリ内に保存される、決定すること(1208)と、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部を含む交差領域(812)を前記コンピューティングデバイスにより決定(1210)することであって、前記交差領域は更に、前記第1の数のエレメントの少なくとも一部、及び前記第2の数のエレメントの少なくとも一部を含み、前記交差領域は前記第2の時点に前記物理的な空間ドメイン内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)を表わす、決定すること(1210)と
を含む、方法(1200)。
前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトルを、ノイズ除去された信号(124)及びブラインド信号源分離信号(129)のうちの少なくとも1つから生成される信号パラメータベクトルとして受信することを含む、請求項4に記載の方法(1200)。
前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトル(138)に関連する少なくとも1つの標準偏差ベクトル(502)を受信することを含み、前記少なくとも1つの標準偏差ベクトルは、前記第1の誤差の大きさ及び前記第2の誤差の大きさを決定すること(1204)を促進するように構成されている、請求項4に記載の方法(1200)。
前記コンピューティングデバイス(132)により、前記交差領域(812)の第3の“PDF”を決定すること(1302)を更に含み、前記第3の“PDF”は、前記第2の時点に存在する確率が最も高い前記場所(16)に関連する空間誤差を表わす、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法(1300)。
前記複数のアレイの各アレイ(402、404、406)は複数のエレメント(407)を含み、前記方法は更に、前記コンピューティングデバイス(132)を使用して実行されるシャドウハッシュキールーチン(408)を使用して、前記複数のエレメントの中に、前記第1の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第1のマッチングエレメント及び前記第2の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第2のマッチングエレメントのうちの少なくとも1つが存在すると決定すること(1304)を含み、
前記アレイデータ構造(401)はハッシュテーブルとして機能するように構成されており、
前記第1及び第2のマッチングエレメントの存在は、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のぞれぞれの決定(1208)に必要不可欠である、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法(1300)。
前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の軸ペア及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の軸ペアを決定すること(1310)を更に含み、
前記第1の軸ペアは前記複数の第1座標(1004)の空間誤差を表わし、また、
前記第2の軸ペアは前記複数の第2座標(1008)の空間誤差を表わす、請求項4から8のいずれか一項に記載の方法(1300)。
前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)に対する前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の和集合エリア(1124、1126)の変化率、及び前記和集合エリアの変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定すること(1312)と、
前記コンピューティングデバイスにより、また、前記和集合エリアの前記変化率及び前記和集合エリアの前記変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定すること(1314)と
を含む、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法(1300)。
前記コンピューティングデバイス(132)により、前記交差領域(812)の交差エリア(1132、1134)の変化率及び前記交差エリアの変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定すること(1402)と、
前記コンピューティングデバイスにより、また、前記交差エリアの前記変化率及び前記交差エリアの前記変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定すること(1404)と
を含む、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法(1400)。
前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、第1の非空間座標及び第2の非空間座標を含む複数の非空間座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を受信することを含み、前記複数の非空間座標の各非空間座標は、前記信号エミッタ(2、8、34、36)を特定する少なくとも1つのタイプの非空間データを含む情報を含み、前記方法は更に、
前記アレイデータ構造(401)内に少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを維持することによって、前記第1の誤差の大きさ及び前記第2の誤差の大きさのうちの少なくとも1つが所定の値を超えるとき、前記コンピューティングデバイスにより、前記複数の第1座標(1004)の前記少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、前記複数の第2座標(1008)の前記少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを、特定すること(1406)及び削除すること(1408)の少なくとも一方と、
前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つを維持することが、前記信号エミッタに関する既知の特定情報と矛盾する情報を含むとき、前記コンピューティングデバイスを使用して、前記少なくとも2つのタイプの空間データと前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つとの間の前記アレイデータ構造内の関係性を分離すること(1410)と
を含む、請求項4から11のいずれか一項に記載の方法(1400)。
前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の中心(1016)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の中心(1022)を決定すること(1502)を更に含み、
前記第1の中心は前記複数の第1座標(1004)の平均値を表わし、
前記第2の中心は前記複数の第2座標(1008)の平均値を表わし、また、
前記第1の中心(1016)は更に、前記複数の第1座標(1004)に基づいて、前記物理的な空間ドメイン(1、33)内での前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)を表わし、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の前記第1の“PDF”は、前記複数の第1座標に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わし、
前記第2の中心(1022)は更に、前記複数の第2座標(1008)に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所を表わし、
前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の前記第2の“PDF”は、前記複数の第2座標に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わす、請求項4から12のいずれか一項に記載の方法(1500)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の明細書及び特許請求の範囲では、以下の意味を有するように定義される幾つかの用語について言及される。
【0011】
文脈において他のことを明示されていない限り、単数形「1つの(「a」、「an」、及び「the」)」は、複数の対象を含む。
【0012】
「オプションの」又は「オプションにより」は、記述されているイベントや状況が起こることもあれば起こらないこともありうること、また、その記述が、イベントが発生する事例とイベントが発生しない事例を含むことを意味する。
【0013】
近似的な言葉は、本書で明細書及び特許請求の範囲の随所で使用されているように、関連する基本的な機能を変化させることなく、許容範囲内で変化しうる量的な表現を修飾するときに適用されうる。したがって、「約」、「およそ」及び「実質的に」などの表現は、指定された正確な値に限定されない。少なくとも幾つかの例では、近似的な言葉は、値を測定するための機器の精度に対応しうる。ここでは、また、明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限界は組み合わされてもよく、及び/又は交換されてもよく、このような範囲は特定され、前後関係又は言語表現によって別途示されていないかぎり、そこに含まれるすべての部分範囲を含む。
【0014】
本書で使用されているように、「プロセッサ」及び「コンピュータ」という用語、並びに、「処理デバイス」、「コンピューティングデバイス」及び「コントローラ」などの関連用語は、従来技術においてコンピュータと称される集積回路に限定されることはなく、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他のプログラマブル回路を広義に意味し、本書ではこれらの用語は交換可能に使用される。本書に記載の実施例では、限定するものではないが、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ可読媒体、及び、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体などを含みうる。代替的に、フロッピーディスク、コンパクトディスク−読出し専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、及び/又はデジタル多用途ディスク(DVD)が使用されうる。また、本書に記載の実施例では、付加的な入力チャネルは、限定するものではないが、マウスやキーボードなどのオペレータインターフェースに関連付けられたコンピュータ周辺機器であってもよい。代替的に、例えば、限定するものではないが、スキャナを含みうる他のコンピュータ周辺機器も使用されうる。更に、例示的な実施例では、付加的な出力チャネルは、限定するものではないが、オペレータインターフェースモニタを含みうる。
【0015】
また、本書で使用されているように、「ブラインド信号源分離する」「ブラインド信号源分離された」及び「ブラインド信号源分離」という用語は、複数の混合信号から注目している信号を分離する(例えば、フィルタ処理する)ために採用されるシステム及び方法について言及している。限定するものではないが、充分に確定していない(例えば、信号源よりも観測信号が少ない)ケースを含む応用では、信号源の信号、又は信号混合プロセスに関する相当量の既知の情報に依存することなく、任意の時変信号(例えば、一又は複数の信号エミッタからのレーダーパルス)の組から注目している信号だけをフィルタ処理することが、ブラインド信号源分離によって容易になる。
【0016】
更に、「ノイズ除去する」「ノイズ除去された」及び「ノイズ除去」という用語は、ノイズの多い環境から受信した、注目している事前条件信号の品質を改善するために利用されるデバイス、システム及び方法に関する。受信した注目している信号のノイズ除去は、注目している信号がアンテナなどの受信デバイスによる最初の受信よりも下流で、追加のデバイス、システム、及び方法を使用して、受信した注目している信号の追加的な信号処理を促進する。
【0017】
更に、本書で使用されているように、「リアルタイム」という用語は、関連するイベントの発生時刻、所定のデータの測定及び収集の時刻、データを処理する時刻、及びイベントと環境にシステムが応答する時刻のうちの少なくとも1つを意味する。本書に記載の実施例では、これらの活動とイベントは実質的に即時発生する。
【0018】
本書に記載の広域監視センサによって生成された大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用する空間フィルタ処理のシステム及び方法は、空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する信号を効果的且つ効率的に受信し分類することを可能にする。本書に記載の実施例はまた、注目している信号の数が多く、分類のためには空間的内容(spatial content)が優先される場合に、ノイズ及び干渉からの信号の分離を促進する。本書に記載の実施例は、融合される2つ以上のセンサに由来する空間データを含め、複数のサンプリングフレーム間の情報を空間的にマッチングするため、ノイズ及び干渉の消去に必要な処理を単純化する。本書に記載の広域監視センサによって生成される大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用した空間フィルタ処理のシステム及び方法はまた、既知の空間フィルタ処理のシステム及び方法と比較して単純な処理アーキテクチャを使用して、広域センサによって監視される空間領域が大きく、空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する場合の効率的な位置マッチングを促進する。本書に記載の実施例は更に、設計上の制約の限界を超えて計算リソースを増大させることなく、航空監視業務での検出範囲の改善、処理及び分類性能の改善、並びに消費電力の低減を可能にする。本書に記載の広域監視センサによって生成される大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用した空間フィルタ処理のシステム及び方法はまた、大きな空間領域を監視する広域センサから得られた空間データに対する効率的且つ効果的な高性能ポストプロセッシングを促進する。本書に記載の実施例はまた、広域センサに由来し、次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する空間データを含むベクトルを、長期間にわたって統計学的にまとめることができる。本書に記載の実施例は更に、広域センサから得られた空間データを使用して、許容しうる誤差の範囲内で、固定式信号エミッタと移動式信号エミッタの識別を促進する。
【0019】
図1は、限定するものではないが、航空機7を含む航空監視プラットフォーム6によって監視される二次元の地表面4上に位置する少なくとも1つの信号エミッタ2を有する、例示的な物理環境1の概略図である。例示的な実施例では、移動式信号エミッタ2は車輪11を有する地上設置型信号エミッタ8で実装される。図示していないが他の実施例では、複数の地上設置型信号エミッタ8は地表面4上に存在する。地上設置型信号エミッタ8は、電磁ベース信号(例えば、限定するものではないが、パルスレーダー信号を含むレーダー信号)を、限定するものではないが、空域12を含む三次元空間へ送信するように構成された送受信器10を含む。送受信器10はまた、限定するものではないが、第1の時点に第1の場所16から空域12へ送信された第1の信号14、及び第2の時点に第2の場所20から空域12へ送信された第2の信号18を含む、少なくとも1つの信号の反射によって、航空監視プラットフォーム6を検出するように構成されている。地上設置型信号エミッタ8によって検出可能な航空監視プラットフォーム6の特性には、限定するものではないが、第1の信号14の第1の反射信号22及び第2の信号18の第2の反射信号24から識別される空域12の航空監視プラットフォーム6の空間情報が含まれる。空間情報には、限定するものではないが、送受信器10から航空監視プラットフォーム6までの距離(例えば、レンジ)、送受信器10からの方位角、送受信器10に対する仰角、及び航空監視プラットフォーム6の速度が含まれる。
【0020】
また、例示的な実施例では、航空監視プラットフォーム6は、アンテナ28を含む信号処理プラットフォーム26を含む。アンテナ28は、第1の信号14及び第2の信号18を含む複数の信号29を受信するように構成されている。アンテナ28はまた、第1の信号14及び第2の信号18のうちの少なくとも1つを信号処理プラットフォーム26へ送信するように構成されている。アンテナ28及び信号処理プラットフォーム26は、限定するものではないが、周波数、到来時刻、離脱時刻、パルス幅、パルス振幅、パルス反復間隔、及び到来角(AOA)を含む複数の信号29の様々な特性の検出、処理、定量、保存、及び表示のうちの少なくとも1つを行うように構成されているアナログ及びデジタル電子回路コンポーネント(図示せず)を含む。信号処理プラットフォーム26はまた、複数の信号29の各信号29から少なくとも1つの信号パラメータベクトルを生成するように構成されたアナログ−デジタル変換器を含む。信号パラメータベクトルは、非一過性コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ)から実行されるソフトウェアを動作させる電子ハードウェア上のコンピュータベースの方法を使用して、前述の特性のうちの少なくとも1つの特性を、処理されるデジタルデータ(例えば、本書では「座標」とも称される少なくとも1つの信号データブロック)として含む。
【0021】
動作中、例示的な実施例では、信号処理プラットフォーム26は、アンテナ28の監視可能領域30内の地表面4上に配置された地上設置型信号エミッタ8に関する空間情報と識別情報を提供する。他の実施例では、図示していないが、監視可能領域30は水域の表面下に位置する監視可能な領域となる。コンピュータベースの方法を含む、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法は、ほぼリアルタイムでデータを生成し、地上設置型信号エミッタ8の特性をほぼリアルタイムで決定することを促進する。信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性には、限定するものではないが、地上設置型信号エミッタ8が移動式又は固定式であるかどうか、並びに、航空監視プラットフォーム6、監視可能領域30内の他の地上設置型信号エミッタ8、及び監視可能領域30及び空域12の少なくとも一方に存在する他の任意の人物及び所有物(例えば、限定するものではないが、パトロールヘリコプター32を含む信号処理プラットフォーム26のユーザーに関連するシステム又はデバイス31)のうちの少なくとも1つに及ぼす脅威(例えば、敵味方識別(IFF))のレベルにかかわらず、地上設置型信号エミッタ8が監視可能領域30内で動作することの承認が含まれる。
【0022】
また、例示的な実施例での動作では、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特徴はまた、信号処理プラットフォーム26との電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで、物理的なデバイス及びシステムでの様々な種類のほぼリアルタイムの物理的動作を引き起こす。例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性は、限定するものではないが、監視可能領域30を含む二次元物理空間ドメインを表わすグリッドを有するマップとして、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)及びディスプレイのうちの少なくとも1つに表示され、地上設置型信号エミッタ8の識別、並びに現在、過去及び今後予測される位置の少なくとも1つは、各グリッド座標にほぼリアルタイムでプロットされる。また、例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性は、脅威になりうると決定された地上設置型信号エミッタ8の動作領域を回避するため、(例えば、航空機7が無人自律型ビークルである場合も含めて、航空機7の自動操縦機能によって)その回避操作を促進するため、航空監視プラットフォーム6のアクチュエータ制御装置(例えば、航空機7のラダー及びフラップ)へのデータとしてほぼリアルタイムで送信される。
【0023】
更なる実施例として、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性は、監視可能領域30内で承認なしで動作中の地上設置型信号エミッタ8への警告信号(warning signal)のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。警告信号に加えて、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性は、未承認の及び/又は脅威となる地上設置型信号エミッタ8の近傍で動作中の関連する移動式システム(例えば、パトロールヘリコプター32)への注意信号(alert signal)のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。例えば、注意信号は、警察及び軍隊のうちの少なくとも1つに送信されるが、(未承認の及び/又は脅威となる特定の地上設置型信号エミッタ8を無効にするために)データを受信して、未承認の及び/又は脅威となる地上設置型信号エミッタ8に向けられた動きを操作するように構成されたアクチュエータ制御装置を有する、少なくとも1つのロボット式且つ自律式のユニット(例えば、UAV)もこれに含まれる。また、例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ8の特性は、例えば、監視可能領域30内で承認なしで動作中の地上設置型信号エミッタ8の妨害信号(図示せず)に向けられる、近位のアンテナ28及び遠位の航空監視プラットフォーム6のうちの少なくとも1つを配置した電子支援対策(ESM)システム及び電子戦(EW)システムのうちの少なくとも1つに制御信号のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。
【0024】
図2は、限定するものではないが、UAV35を含む航空監視プラットフォーム6によって監視される二次元の地表面4上に位置する少なくとも1つの固定式信号エミッタ34を有する、代替的な物理環境33の概略図である。代替的な実施例では、固定式信号エミッタ34は地上設置型信号エミッタ36で実装される。図示していないが他の実施例では、複数の地上設置型信号エミッタ36は地表面4上に存在する。地上設置型信号エミッタ36は、電磁ベース信号(例えば、限定するものではないが、パルスレーダー信号を含むレーダー信号)を、限定するものではないが、空域12を含む三次元空間へ送信するように構成された送受信器10を含む。送受信器10はまた、複数の時点にわたって少なくとも1つの信号の反射によって、航空監視プラットフォーム6を検出するように構成されている。地上設置型信号エミッタ36によって検出可能な航空監視プラットフォーム6の特性には、限定するものではないが、送受信器10によって受信された第1の信号14の第1の反射信号22から識別される空域12の航空監視プラットフォーム6の空間情報が含まれる。空間情報には、限定するものではないが、送受信器10から航空監視プラットフォーム6までの距離、送受信器10からの方位角、送受信器10に対する仰角、及び航空監視プラットフォーム6の速度が含まれる。
【0025】
また、代替的な実施例では、航空監視プラットフォーム6は、アンテナ28を含む信号処理プラットフォーム26を含む。アンテナ28は、複数の信号29を受信し、第1の信号14を信号処理プラットフォーム26へ送信するように構成されている。アンテナ28及び信号処理プラットフォーム26は、限定するものではないが、周波数、到来時刻、離脱時刻、パルス幅、パルス振幅、パルス反復間隔、及びAOAを含む複数の信号29の様々な特性の検出、処理、定量、保存、及び表示のうちの少なくとも1つを行うように構成されているアナログ及びデジタル電子回路コンポーネント(図示せず)を含む。信号処理プラットフォーム26はまた、複数の信号29の各信号29から少なくとも1つの信号パラメータベクトルを生成するように構成されたアナログ−デジタル変換器を含む。信号パラメータベクトルは、非一過性コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ)から実行されるソフトウェアを動作させる電子ハードウェア上のコンピュータベースの方法を使用して、前述の特性のうちの少なくとも1つの特性を、処理されるデジタルデータ(例えば、本書では「座標」とも称される少なくとも1つの信号データブロック)として含む。
【0026】
動作中、例示的な実施例では、信号処理プラットフォーム26は、アンテナ28の監視可能領域30内の地表面4上の第3の場所38に配置された地上設置型信号エミッタ36に関する空間情報と識別情報を提供する。コンピュータベースの方法を含む、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法は更に、ほぼリアルタイムでデータを生成し、地上設置型信号エミッタ36の特性をほぼリアルタイムで決定することを促進する。信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性には、限定するものではないが、地上設置型信号エミッタ36が移動式又は固定式であるかどうか、並びに、航空監視プラットフォーム6、監視可能領域30内の他の地上設置型信号エミッタ36、及び監視可能領域30及び空域12の少なくとも一方に存在する他の任意の人物及び所有物(例えば、限定するものではないが、車輪11を有するパトロールビークル40を含む信号処理プラットフォーム26のユーザーに関連するシステム又はデバイス31)のうちの少なくとも1つに及ぼす脅威のレベルにかかわらず、地上設置型信号エミッタ36が監視可能領域30内で動作することの承認が含まれる。
【0027】
また、例示的な実施例での動作では、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性はまた、信号処理プラットフォーム26との電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで、物理的なデバイス及びシステムでの様々な種類のほぼリアルタイムの物理的動作を引き起こす。例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性は、限定するものではないが、監視可能領域30を含む二次元物理空間ドメインを表わすグリッドを有するマップとして、HMI及びディスプレイのうちの少なくとも1つに表示され、地上設置型信号エミッタ36の識別、並びに現在、過去及び今後予測される位置の少なくとも1つは、各グリッド座標にほぼリアルタイムでプロットされる。また、例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性は、脅威になりうると決定された地上設置型信号エミッタ36の動作領域を回避するため、(例えば、航空機35がドローンである場合も含めて、航空機7の自動操縦機能によって)その回避操作を促進するため、航空監視プラットフォーム6のアクチュエータ制御装置(例えば、UAV35のラダー及びフラップ)へのデータとしてほぼリアルタイムで送信される。
【0028】
更なる実施例として、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性は、監視可能領域30内で承認なしで動作中の地上設置型信号エミッタ36への警告信号のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。警告信号に加えて、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性は、未承認の及び/又は脅威となる地上設置型信号エミッタ36の近傍で動作中の関連する移動式システム(例えば、パトロールビークル40)への注意信号のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。例えば、注意信号は、警察及び軍隊のうちの少なくとも1つに送信されるが、(未承認の及び/又は脅威となる特定の地上設置型信号エミッタ36を無効にするために)データを受信して、未承認の及び/又は脅威となる地上設置型信号エミッタ36に向けられた動きを操作するように構成されたアクチュエータ制御装置を有する、少なくとも1つのロボット式且つ自律式のユニット(例えば、UAV35)もこれに含まれる。また、例えば、信号処理プラットフォーム26によって実装される信号処理方法によって決定される地上設置型信号エミッタ36の特性は、例えば、監視可能領域30内で承認なしで動作中の地上設置型信号エミッタ36の妨害信号(図示せず)に向けられる、近位のアンテナ28及び遠位の航空監視プラットフォーム6のうちの少なくとも1つを配置したESMシステム及びEWシステムのうちの少なくとも1つに制御信号のデータとしてほぼリアルタイムで送信される。
【0029】
図3は、
図1及び
図2に示した航空監視プラットフォーム6と併用されうる例示的な信号処理システム100の概略図である。例示的な実装では、信号処理システム100は、例えば、限定するものではないが、レーダー信号に由来する受信信号のブラインド信号源分離(BSS)を使用して、パルス記述子ワード(PDW)ベクトル138を生成する。より一般的に他の実装では、信号処理システム100は、本書に記述されているのとほぼ同様な方法で、PDWベクトルではなく、信号パラメータベクトル(例えば、信号パラメータベクトル138)を生成することができる。BSSは、ブラインド信号源分離として知られるが、複数の混合信号から一又は複数の注目している信号を分離(例えば、フィルタ)するためにも使用される。限定するものではないが、充分に確定していない(例えば、信号源よりも観測信号が少ない)ケースを含む応用では、信号エミッタ、注目している信号、又は信号混合プロセスに関する相当量の既知の情報に依存することなく、任意の時変信号(例えば、一又は複数の信号エミッタからのレーダーパルス)の組から注目している信号だけを分離して特定することが、BSSによって容易になる。
【0030】
例示的な実施例では、信号処理システム100は、アンテナ28に通信可能に連結された信号データプロセッサ101を含む。例示的な実施例では、アンテナ28は広域センサ103である。信号データプロセッサ101は、プリプロセッサ104とポストプロセッサ105を含む。センサ103は、例えば、限定するものではないが、移動式信号エミッタ2及び固定式信号エミッタ34から信号を受信するように構成されている。
図3には、2つの信号エミッタ2及び34が示されているが、当業者であれば、センサ103が監視可能領域30(
図1及び
図2に示した)の任意の数の信号エミッタからの信号を受信しうることを理解するであろう。
【0031】
センサ103は、プレコンディショナー108を介して、プリプロセッサ104に通信可能に連結されている。例示的な実施例では、プレコンディショナー108は、低ノイズ増幅器109、バンドパスフィルタ110、及び広帯域アナログ−デジタル変換器(ADC)111を含む。動作中、プレコンディショナー108は、センサ103から受信したセンサ出力信号112を、プリプロセッサ104へ送信される上り信号113に変換するように構成されている。各上り信号113は、センサ103で受信した時変信号に由来する。時変信号は、信号エミッタ2及び34から受信した混合信号を含みうる。例えば、時変信号は、第1の信号14及び第2の信号18を含みうる。
【0032】
例示的な実施例では、プリプロセッサ104は、一又は複数の信号ノイズ除去モジュール118、及び複数のブラインド信号源分離(BSS)モジュール120を含む。各BSSモジュール120は、単一の信号ノイズ除去モジュール118に連結され、1つのBSSチャネル200を表わす。信号処理システム100のBSSチャネル200の総数はKで表わされる。信号ノイズ除去モジュール118はノイズ除去された信号124と状態エネルギー信号126を、複数のBSSモジュール120の各BSSモジュール120(例えば、120a,120b・・・120K)に送信する。状態エネルギー信号126は、特定のサンプル時点(例えば、状態)での上り信号113の振幅に比例する量(例えば、アナログ電圧レベル)を表わす。
【0033】
動作中に、上り信号113は、プレコンディショナー108から、上り信号113がノイズ除去を受ける信号ノイズ除去モジュール118へ送信され、その後、ノイズ除去された信号124として各BSSモジュール120へ送信される。例えば、第1の信号14は最初、限定するものではないが、周波数と帯域幅を含む信号特性を有するパルスとして、センサ103で受信される。この例では、プレコンディショナー108によって処理された後の第1の信号14の信号パルスは、混合信号として信号ノイズ除去モジュール118で受信される(例えば、上り信号113は第1の信号14の信号パルスを表わし、限定するものではないが、ノイズ及び注目している所望の情報以外の情報を含む、様々な特性を有する)。信号ノイズ除去モジュール118は、周波数及び帯域幅(又は、規則的なパターンの周波数及び帯域幅)を有するノイズ除去された信号124をBSSモジュール120へ送信する前に、混合された上り信号113をノイズ除去する。信号処理システム100によって実装された方法は、上述のデバイス及びシステムによってほぼリアルタイムで実行される。
【0034】
更に、例示的な実施例では、プリプロセッサ104は、各BSSモジュール120に連結された一又は複数のPDW生成モジュール128、並びに、各BSSモジュール120に連結されたパルスノイズ除去モジュール130を含む。PDW生成モジュール128は、各BSSモジュール120から受信したブラインド信号源分離信号129に基づいて、PDWパラメータベクトル138を生成する。各PDWパラメータベクトル信号138は、ブラインド信号源分離信号129の特異パルスに由来する信号14及び18の1つの注目している特性(例えば、周波数、帯域幅、到来時刻、離脱時刻、パルス幅、パルス振幅、パルス反復間隔、及び/又はAOA)を表わすデータを含む。パルスノイズ除去モジュール130はまた、ブラインド信号源分離信号129に基づいて、未知の信号状態空間表現信号(signal state space representation signal)139を生成する。未知の信号状態空間表現信号139は、信号エミッタ2及び34のうちの1つについて使用可能な空間情報が識別できる、信号14及び18のうちの1つの注目している付加的な(例えば、非PDWタイプ)特性を表わすデータを含む。PDWパラメータベクトル138及び未知の信号状態空間表現信号139は、ポストプロセッサ105へ送信される。信号ノイズ除去モジュール118、PDW生成モジュール128、及びパルスノイズ除去モジュール130は、適切な信号フィルタ処理、信号増幅、信号変調、信号分離、信号調節、及び/又は、アナログ/デジタル電子回路コンポーネントを使用して実装されるADC回路を含む。また、例示的な実施例では、各BSSモジュール120は、各ブラインド信号源分離信号129(例えば、129a,129b・・・129K)を、PDW生成モジュール128及びパルスノイズ除去モジュール130へ送信する。
【0035】
ポストプロセッサ105は、メモリ134を含むコンピューティングデバイス132を含む。上述のように、PDW生成モジュール128は、各BSSモジュール120からブラインド信号源分離信号129を受信する。次に、PDW生成モジュール128はブラインド信号源分離信号129を利用してPDWパラメータベクトル138を生成し、これはその後、ポストプロセッサ105へ送信される。PDWパラメータベクトル138はコンピューティングデバイス132によって受信され、限定するものではないが、少なくとも1つのバッファされたデータセットを含む非一過性のコンピュータ可読データとして、メモリ134に保存される。パルスノイズ除去モジュール130はまた、各BSSモジュール120からブラインド信号源分離信号129を受信するように構成されている。パルスノイズ除去モジュール130は更に、ブラインド信号源分離信号129を利用して未知の信号状態空間表現信号139を生成するように構成されており、これはその後、ポストプロセッサ105へ送信される。未知の信号状態空間表現信号139はコンピューティングデバイス132によって受信され、限定するものではないが、少なくとも1つのバッファされたデータセットを含む非一過性のコンピュータ可読データとして、メモリ134に保存される。例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132は、非一過性メモリ134に保存されている命令セットから(例えば、一又は複数の非一過性コンピュータ可読記憶媒体から)実行されるソフトウェアを実行するオペレーティングシステムを採用するコンピュータに基づく方法を利用して処理するため、バッファされたデータセットをメモリ134から取り出す。
【0036】
コンピューティングデバイス132は、PDWパラメータベクトル138及び未知の信号状態空間表現信号139のうちの少なくとも1つに含まれるデータに基づいて操作を実行するため、コンピュータに基づく方法(例えば、メモリ134に保存されたソフトウェア命令の)を実装する。このような操作は、限定するものではないが、PDWパラメータベクトル138及び未知の信号状態空間表現信号139のうちの少なくとも1つでデータとして表わされる少なくとも1つの信号(例えば、信号18及び20)の様々な特性を(例えば、人が読むことのできる形態で)検出すること、処理すること、定量すること、保存すること、及び表示することを含む。例えば、PDW生成モジュール128によって生成されたPDWパラメータベクトル138は、ベクトルの形態で構築された複数のPDWベクトルデータブロックを含み、各PDWベクトルデータブロックは第1の信号14の1つのパラメータを含む。パラメータ(例えば、第1の信号14の少なくとも1つの特性を表わす)は、限定するものではないが、周波数、帯域幅、到来時刻、離脱時刻、パルス幅、パルス振幅、パルス反復間隔、及び/又はAOAを含む。コンピューティングデバイス132はPDWパラメータベクトル138を読み、複数のPDWベクトルデータブロックのうちの少なくとも1つのPDWベクトルデータブロックで、前述の操作の少なくとも1つを実行する。また、例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132は、PDWパラメータベクトル138を、その構成要素であるPDWベクトルデータブロックへ読込んで分離(例えば、デインターリーブ)し、PDWパラメータベクトル138に含まれていたPDWベクトルデータブロックの総数よりも少ないPDWベクトルデータブロックをメモリ134に保存する。PDWパラメータベクトル138のデインターリーブにより、例えば、限定するものではないが、信号エミッタ2及び/又は34の空間情報を正確に決定して追跡するため、コンピューティングデバイス132によって、信号14及び/又は18のうちの注目している特性を決定することができる。他の実装では、コンピューティングデバイス132は、すべてのPDWベクトルデータブロックを読み込んで互いに分離し、そこに含まれる全データをメモリ134に保存する。コンピューティングデバイス132は、センサ103によって信号14及び18を受信するとほぼ同時に(例えば、リアルタイムで)、前述の操作を実行する。
【0037】
コンピューティングデバイス132によって実行された操作の結果得られるデータは、メモリ134に保存される。更に、例示的な実施形態では、信号処理システム100のユーザーによる、相互作用、修正、視覚化、少なくとも1つの更なる操作、及び信号14及び18に関する情報の可視的な記録のうちの少なくとも1つを促進するため、コンピューティングデバイス132によって、ポストプロセッサ105はデータ出力信号142をHMIに送信する。HMIは、例えば、ポストプロセッサ105からデータ出力信号142を受信するディスプレイ144である。一実施例では、信号エミッタ2及び34の物理的配置を表わす特性(例えば、物理的な空間ドメイン内の、例えば、二次元地平面4内のグリッド座標などの配置特性)は、信号処理システム100によって決定されるように、ディスプレイ144上に表示され、ほぼリアルタイムで更新される。データ出力信号142はまた、ポストプロセッサ105から、信号処理システム100に関連付けられた少なくとも1つのデバイス及び/又はシステム(例えば、ビークル146)に送信される。更に、コンピューティングデバイス132により、ポストプロセッサ105は、アクチュエータ制御信号148をビークル内に含まれるアクチュエータ制御装置150にほぼリアルタイムで送信し、ビークル146の制御を促進することができる。例えば、ビークル146は、遠隔操作及び/又は自律操作される陸上ビークル及び/又は無人航空ビークル(例えば、UAV35)であってもよい。
【0038】
1つの操作モードでは、各PDWパラメータベクトル138に含まれる周波数及び帯域幅の情報の少なくとも1つは、各信号エミッタ2及び34の配置に沿ってディスプレイ144に表示され、配置の正確なトラッキングと特定の信号エミッタ2及び34との関連付けを促進する。少なくとも1つの信号エミッタ2及び34が移動式の場合、各移動式信号エミッタ2及び34の少なくとも1つの配置情報を示すため、ディスプレイ144はほぼリアルタイムで自動的に更新される。更に、コンピューティングデバイス132はまた、各移動式信号エミッタ2及び34の少なくとも1つの速度、加速度、軌跡、軌道(例えば、現在又は以前の配置を含む)のうちの少なくとも1つを決定する。操作の別のモードでは、信号データプロセッサ101によって決定された特性はまた、信号処理システム100と通信を行う物理的デバイス及びシステムの様々なほぼリアルタイムの物理動作を起動する。例えば、信号処理システム100によって決定された周波数及び帯域幅を含む信号エミッタ2及び34の特性は、データとして(例えば、UAV35のラダー及びフラップを制御するため)、ビークル146のアクチュエータ制御装置150にほぼリアルタイムで送信される。信号エミッタ2及び34が、脅威になりうると判断された未認証の(例えば、敵対的である、これまで未検出などの)信号エミッタである場合には、アクチュエータ制御装置150は、信号エミッタ2及び34の操作領域を回避するため、又は信号エミッタ2及び34を採用するため、ビークル146を操作する。更なる実施例として、本書に記載の信号データ処理方法によって決定された信号エミッタ2及び34の特性は、例えば、妨害信号を、センサ103の監視可能な環境内で認証なしで動作している信号エミッタ2及び34に向けるため、信号処理システム100に関連付けられたESM装置及びEWシステムのうちの少なくとも1つへの制御信号と、ほぼリアルタイムで送信される。
【0039】
動作中、信号処理システム100の複数のBSSモジュール120の各BSSモジュール120は、周波数、中心周波数、帯域幅、パルス時間、及びパルス幅情報のうちの少なくとも1つを含む高品質PWDの生成を可能にするため、動的更新によるフィタリング方法を実装する。例えば、注目している信号の周波数及び帯域幅を追跡するための、PDWの精度及び分解能のこのような改善は、関連する信号が放射される信号エミッタ2及び34の特定、決定、及び/又は解析を促進する。例えば、限定するものではないが、信号エミッタ2及び34のPDWに由来する情報を含む情報は、送信された後、ポストプロセッサ105によって、上述のようにデータ出力信号142としてディスプレイ144に表示される。この情報の改善により、信号処理システム100は、信号エミッタ2を信号エミッタ34と識別することができる。また、例えば、センサ103の監視環境内の異なる信号エミッタ2及び34は、ディスプレイ144上のそれぞれの配置(例えば、グリッド座標)に、(例えば、マップとして)プロットされる。
【0040】
また、動作中、複数のBSSモジュール120は、複数のノイズ除去された信号124を分離する。各BSSモジュール120は複数の可変フィルタ(図示せず)を含み、各フィルタは、限定するものではないが、中心周波数及び帯域幅を含む、フィルタパラメータに基づいて動作する。更に、例示的な実施例では、プリプロセッサ104はBSS制御モジュール196を含み、複数のBSSモジュール120の各BSSモジュール120の制御を促進する。BSS制御モジュール196は、限定するものではないが、周波数、帯域幅、及び状態を含むBSS関連情報を包含する各BSSデータ信号197(例えば、197a,197b・・・197K)を、複数のBSSモジュール120の各BSSモジュール120から受信する。BSSデータ信号197に含まれるBSS関連情報に基づいて、BSS制御モジュール196はまた、例えば、限定するものではないが、ノイズ除去された信号124の受信、並びに、PDW生成モジュール128及びパルスノイズ除去モジュール130のうちの少なくとも1つへの各ブラインド信号源分離信号129の送信のタイミングを制御するため、各BSS制御信号198(例えば、198a,198b・・・198K)を生成し、各BSSモジュール120へ返信する。BSSデータ信号197及びBSS制御信号198に含まれる情報は、フィードバック制御ループの実装を促進するためBSS制御モジュール196によって使用される。
【0041】
図4は、
図3に示された信号処理システム100と併用されうる信号パラメータベクトルデータをデインターリーブする例示的なプロセス400の概略図である。例示的な実施例では、少なくとも1つのアレイデータ構造401は、メモリ134(図示せず)の少なくとも1つのアドレスに保存される。アレイデータ構造401は、(例えば、粗い)スパースアレイ(“レベル1”で示したグリッド)402、ミディアムアレイ404(“レベル2”)、及びファインアレイ406(“レベル3”)を含む、複数のアレイを含む。複数のアレイの各アレイは、メモリ134内のアレイデータ構造401のアドレスからサブアドレスされる、複数のエレメント(例えば、グリッド座標)407を含む。スパースアレイ402はミディアムアレイ404よりも少ない数のエレメント407を含み、ファインアレイ406はミディアムアレイ404よりも数多くのエレメント407を含む。更に、スパースアレイ402、ミディアムアレイ404、及びファインアレイ406のエレメント407は、連続的に細かくなるほぼ等サイズのサブ領域からなる物理的な空間ドメイン(例えば、監視可能領域30)を表わす。どんなときでも、エレメント407の集合は、任意の時点に、監視可能領域30の面積を表わす。移動式信号データ処理システム100(図示せず)の場合には、エレメント407の集合は、時間的に連続する点(例えば、フレーム)に対して、ほぼ一定ではなく、むしろ変化する、監視可能領域30の面積を表わす。
【0042】
また、例示的な実施例では、シャドウハッシュキールーチン408はソフトウェア命令としてメモリ134に保存され、コンピュータに基づく方法でコンピューティングデバイス132(図示せず)によって実行される。シャドウハッシュキールーチン408は、限定するものではないが、信号処理システム100の電源投入及び起動のうちの少なくとも1つを含む、スタート状態410をユーザーが起動したときに、コンピューティングデバイス132上で実行される。スタート状態410は第1のサブルーチン412に進み、その間にコンピューティングデバイス132は、信号パラメータベクトル138データ及び未知の信号状態空間表現信号139データのうちの少なくとも1つがプリプロセッサ104からポストプロセッサ105によって受信されるか否かを、連続的にチェックする。信号パラメータベクトル138データ及び未知の信号状態空間表現信号139データのうちの少なくとも1つがポストプロセッサ105によって受信されない場合には、シャドウハッシュキールーチン408は循環して戻り、第1のサブルーチン412を再度実行する。第1のサブルーチン412中に、信号パラメータベクトル138データ及び未知の信号状態空間表現信号139データのうちの少なくとも1つがプリプロセッサ104からポストプロセッサ105によって受信される、とコンピューティングデバイス132が決定した場合には、シャドウハッシュキールーチン408は第2のサブルーチン414へ進む。第2のサブルーチン414中に、コンピューティングデバイス132はメモリ134と連動して、センサ103を使用して取得した空間的に画定されたデータを読み取る(例えば、取得する)こと、挿入する(例えば、書き込む)こと、及び消去することのうちの少なくとも1つを行うソフトウェア命令を実行する。また、第2のサブルーチン414中に、コンピューティングデバイスは次のように定義される第1のシャドウハッシュキー関数を実行する。
H1(k)=レベル1ハッシュ 方程式(1)
ここで、H1(k)はスパースアレイ402のエレメント407にキーをマッピングするためのハッシュ関数で、kはスパースアレイ402中の少なくとも1つの空間的に画定されたデータレコードのサブアドレスである(例えば、少なくとも1つの空間的に画定されたデータレコードがメモリ134に保存されるスパースアレイ402のエレメント407)。したがって、キーkは所定の時点に監視された物理的な空間ドメインのサブ領域に対応する。二次元の監視可能領域30を表わすスパースアレイ402の場合に、キーkは次のように定義される。
k1=x1*c1+y1 方程式(2)
ここで、k1はキーで、c1は(例えば、コンピューティングデバイス132によって決定される)定数で、x1及びy1は、各エレメント407のサブアドレスを有するスパースアレイ402にインデックスを画定する(例えば、物理的な空間ドメイン内の緯度と経度に対応する)。
【0043】
更に、例示的な実施例では、物理的な空間ドメイン内のサブ領域に対応するスパースアレイ402の各エレメント407で、信号パラメータベクトル138データ及び未知の信号状態空間表現信号139データのうちの少なくとも1つをメモリ134に保存するとの同時に、シャドウハッシュキールーチン408が実行される。第2のサブルーチン414中に、コンピューティングデバイス132は、H1(k)ハッシュ関数によってキーk1が見つかるか否かをチェックする。キーk1が見つからない場合には、コンピューティングデバイス132は、第1のシャドウハッシュキー関数とほぼ同様であるが、スパースアレイ402ではなくミディアムアレイ404で実行される第2のシャドウハッシュキー関数、H2(k)=レベル2ハッシュを実行する。キーk1が見つかった場合には、コンピューティングデバイス132は、スパースアレイ402内に空間的に画定された注目している信号があるか否かを決定する。空間的に画定された注目している信号がスパースアレイ402内にないときには、コンピューティングデバイス132はミディアムアレイ404のアドレスへのポインタがあるか否かを決定し、ある場合には第2のサブルーチン414はそのポインタへ向けられる。空間的に画定されたデータがミディアムアレイ404に保存されておらず、ミディアムアレイ404がファインアレイ406のアドレスへのポインタを含んでいる場合には、第2のサブルーチン414は同様にそのポインタへ向けられる。コンピューティングデバイス132が所望のデータ値又は注目している値を見つけるまで、或いはこれらの値がメモリ134に保存されていると決定されるまで、第2のサブルーチン414はこのように継続する。
【0044】
図5〜
図12を参照して、以下で更に示され説明されているように、長期間にわたり信号処理システム100によって受信され、ベクトル化され、デインターリーブされた各連続信号によって、アレイデータ構造401の複数のエレメント407は、関連する空間的に画定されたデータ値と共に、複数の信号ブロック内に保存される。関連する空間的に画定されたデータ値は、物理的な空間環境の監視可能な領域30での少なくとも1つの信号エミッタ2及び/又は34の空間特性に由来し、これを表わす。コンピューティングデバイス132はまた、大幅に変化する誤差の大きさを有し、スパースアレイ402、ミディアムアレイ404、及びファインアレイ406の2つ以上の複数のエレメント407に保存される空間情報を表わし、少なくとも1つの楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を生成してメモリ134に保存する、シャドウハッシュキールーチン408を実行する。
【0045】
例示的な実施例では、プロセス400は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420を含む。シャドウハッシュキールーチン408はまた、限定するものではないが、スパースアレイ402、ミディアムアレイ404、及びファインアレイ406のうちの少なくとも2つの中で様々な疎度(sparseness)の非スパース空間オブジェクトを含む空間データ値を、アレイデータ構造401を含む確率論的にスパースなツリーグリッド内で、コンピューティングデバイス132によって操作可能な少なくとも1つの楕円形の誤差領域確率オブジェクト416に結びつけることを促進する。背景となる実施例は、「Methods and systems for spatial filtering using a stochastic sparse tree grid」と題する米国特許第8,805,858号に記載されている。したがって、楕円形の誤差領域確率オブジェクト416は、最初に得られた空間データの表現を可能にし、更に、単一のオブジェクトを使用したメモリ効率が良く、計算効率の良い表現で、少なくとも1つのセンサ103に由来する。更に、例示的な実施例では、シャドウハッシュキールーチン408はシャドウハッシュキーを使用する効率的な参照方法を提供し、注目している空間信号データを保存、編成、選択、及び解析するため、並びに、操作効率が良く、計算効率が良く、メモリ効率が良い方法で、データを読み、書き、削除するため、個々のエレメント407及び楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を使用して、アレイデータ構造401内で動作する。
【0046】
前述の米国特許第8,805,858号に照らして、プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408は、信号ノイズ除去モジュール118及び少なくとも1つのブラインド信号源分離モジュール120(例えば、限定するものではないが、信号処理システム100の「EWフロントエンド」のサブシステムを含む。図示せず)の使用を促進する。また、図示していないが他の実施例では、プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408は、情報を共有し、様々なタイプのセンサ103、結果の融合を必要とするセンサ103、及び/又は、センサ103の出力信号に対して次元が変化し、大幅に異なる誤差の大きさを有するセンサデータを生み出す他のセンサ103のフロントエンドを採用するように構成された協働センサ(cooperating sensor)103収容監視プラットフォーム(例えば、一又は複数の航空監視プラットフォーム6を含む)間の空間情報を共有すること促進する。前述の米国特許第8,805,858号に記載の確率論的にスパースなツリーグリッドを使用する空間フィルタ処理のための方法及びシステムに、プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408を付加することにより、シャドウハッシュキーは、確率論的なツリーグリッドに対して、空間的に画定されたセンサ情報を取得、挿入及び削除するために、典型的なグリッドエレメント407に加えて、楕円体領域を参照することができる。
【0047】
動作中、例示的な実施例では、限定するものではないが、楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を含む楕円体領域は、一般的に、例えば、半平面領域の交差部分によって画定される角度領域に加えて、楕円体領域の交差部分を意味し、これを含む。半平面は、演算を目的とする変形楕円とみなすことができ、したがって、楕円体領域及びその交差部分は一般的な楕円体領域及びその交差部分を表わす。少なくとも1つのセンサ103の空間情報の大幅に異なる誤差の大きさは、これらの領域が非常に大きなサイズのこともあれば、非常に小さなサイズのこともあり、その結果、これらを標準グリッド(例えば、監視される物理的な空間環境の小さなエリアや領域内のスパースな空間データの場合に、コンピューティングデバイス132でのみ効率的に処理されるファインアレイ406)で処理するには、新しい効率的な方法論が必要となることを意味する。プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408により、この接合処理(joint processing)は、楕円体や最大M次元の半空間などのオブジェクトを含みうるグリッド設定方法論(gridding methodology)に基づいて、効率的且つ正確に実行可能となる。ここで、Mは(例えば)信号パラメータベクトル138内に存在する、或いは、一般的な電気工学的/赤外線センサ103の場合には二次元の、或いは、ある種の光/レーザー検出及び測距(LADAR/LIDAR)ベースの監視プラットフォームシステムの場合には三次元の、一般的なベクトル入力パラメータの数を表わす。
【0048】
例示的な実施例で、複数のタイプのセンサ103との通信による協働を含むセンサ融合は、複数の異なる可能な処理次元を含む。しかしながら、一般的に、プロセス400で使用されるツリーグリッドの入力(例えば、信号パラメータベクトル138)のベクトルサイズは、入力のベクトルがランダム変数で関連する標準偏差を有することを仮定すると、以下でMとして表わされる。前述の米国特許第8,805,858号に照らして、プロセス400のツリーグリッド及びシャドウハッシュキールーチン408がこのように、パラメータの組全体での暗黙の誤差又は測定誤差で使用されるときには、前述の米国特許第8,805,858号に記載のスパース技術を用いて実装される場合には、この領域は計算効率及びメモリ効率が悪くなるほど大きくなることがありうる。計算効率及びメモリ使用効率を改善するため、プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408は、
図5を参照して以下に示され説明されるように、確率密度関数(PDF)の台(support)及びその台上のPDFに基づいて、有用な操作を促進する。
【0049】
図5は、
図4に示したプロセス400と併用されうる、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500の概略図である。例示的な実施例では、楕円形の誤差領域確率オブジェクトの操作500は、メモリ134に保存され、メモリ134から実行されるソフトウェア命令から、コンピューティングデバイス132によって実施される。楕円形の誤差領域確率オブジェクトの操作500はまた、プロセス400及びシャドウハッシュキールーチン408と並行的に且つほぼ同時に実施される。また、例示的な実施例では、信号パラメータベクトル138は標準偏差ベクトルを含むように修正され、標準偏差ベクトル信号502を有する信号パラメータベクトルをもたらす。標準偏差ベクトル信号502で信号パラメータベクトルをデインターリーブした後、シャドウハッシュキールーチン408は、
図4を参照して以下に示され説明されるように、コンピューティングデバイス132によって実行される。ハッシュキーマッチがアレイデータ構造401のスパースアレイ402(図示せず)で見つかると、特定の信号エミッタ(例えば、移動式信号エミッタ2及び固定式信号エミッタ34のうちの少なくとも1つ。図示せず)に関する第1のタイプの空間データを表わす少なくとも2つの信号データブロックは、第1の楕円体誤差領域確率オブジェクト418を構築するため、コンピューティングデバイス132によって使用される。
【0050】
スパースアレイ402にハッシュキーマッチが見つからない場合には、コンピューティングデバイス132は、ミディアムアレイ404及びファインアレイ406のうちの少なくとも1つでアドレスへのポインタが存在するか否かを決定し、存在する場合には、(
図4を参照して上記に示され説明されているように)シャドウハッシュキールーチン408の第2のサブルーチン414はそのポインタへ向けられる。同様に、スパースアレイ402にハッシュキーマッチが見つかった場合でも、マッチが第2のタイプの空間データに対するものである場合には、第2のタイプの空間データを表わす少なくとも2つの信号データブロックは、第2の楕円体の誤差領域確率オブジェクト420を構築するため、コンピューティングデバイス132によって使用される。更に、標準偏差ベクトル信号502を有する信号パラメータベクトルの例がポストプロセッサ105によって受信され、デインターリーブされるにつれて、シャドウハッシュキールーチン408は更に、新たに受信した信号データブロックを、関連する各楕円形の誤差領域確率オブジェクト(例えば、第1のタイプの空間データに対する第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2のタイプの空間データに対する第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトで、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418も第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420も共に、少なくとも1つのセンサ103による監視下にある物理的な空間ドメイン内の特定の信号エミッタ(例えば、2又は34)関連付けられた空間誤差を表わす)にマッチングさせる。マッチングがスパースアレイ402に対してではなく、ミディアムアレイ404及びファインアレイ406のうちの少なくとも1つに対して行われる例では、これらのデータ値へのポインタは、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500で使用され、これらは第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420のうちの少なくとも1つに組み込まれる。
【0051】
また、例示的な実施例、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500では、コンピューティングデバイス132が第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420を決定した後、結果として得られる楕円体の組504はメモリ134に保存される。しかも、コンピューティングデバイス132は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の交差部分及び和集合のうちの少なくとも1つの量的な特性を決定する。図示していないが他の実施例では、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500は、限定するものではないが、未知の信号状態空間表現信号139に由来する非標準空間データを含みうる第3の空間データタイプに対する空間誤差を表わす第3の楕円形の誤差領域確率オブジェクトを含む、付加的な楕円形の誤差領域確率オブジェクト上のコンピューティングデバイス132による、ほぼ同様に決定を含む。
図6〜
図12を参照して更に示され、以下で説明されるように、コンピューティングデバイス132は、少なくとも2つの楕円形の誤差領域確率オブジェクト_416の少なくとも4つの量的な特性、すなわち、内部和集合楕円体(inner union ellipsoid)508、外部和集合楕円体(outer union ellipsoid)510、内部交差楕円体(inner intersection ellipsoid)512、及び外部交差楕円体(outer intersection ellipsoid)514を決定するように構成されている。
【0052】
動作時には、また、前述の米国特許第8,805,858号を参照すると、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500は、グリッドが少なくとも1つのセンサ103の最小空間誤差を表わすほど小さなサイズであり、ほとんどのグリッドエレメントは空で、監視下で注目している物理的な空間環境全体にわたる空間信号情報の疎度(sparsity)を表わすスパースツリーグリッド処理で展開する。大きな誤差を有するセンサ103由来の情報は、スパースツリーグリッド内に追加され、この大きな領域内に含まれるすべてのグリッドセルは追加されなければならない。グリッド法を使用するコンピューティングデバイス132で処理されるときには、ヒストグラムデータの構築は、センサ103由来の所定の情報に対する位置の確率を表わすPDFの加算に基づいている。しかしながら、すべてのグリッドセルが加算されると、この操作はもはやスパースではなくなり、計算効率もメモリ効率も非常に悪くなる。楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500、プロセス400、及びシャドウハッシュキールーチン408の組み合わせは、空間情報のPDFの台の形状並びに台上のPDFの処理を促進する。
図6〜
図12を参照して更に示され、以下で説明されるように、このシステム及び方法は、PDFの台と当該台の組の上の対応するPDFとの近似的な交差部分によって、空間情報の構築を可能にする。本処理は、どちらがより効率的かという観点から、新しい方法と従来のグリッドベースの方法のいずれかを使用できるため、既存のスパースな確率論的なツリーグリッドと共に(例えば、前述の米国特許第8,805,858号に基づいて)、PDF情報を効率的に処理することができる。したがって、グリッドエレメントは楕円体領域と協働して、注目している楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を空間的にフィルタ処理することができる。
【0053】
図6は、
図3に示された信号処理システム100と併用されうるフィルタ処理600のフロー図である。例示的な実施例では、アレイデータ構造401のスパースアレイ402のエレメント407に関連付けされて保存されている楕円形の誤差領域確率オブジェクト416上で動作するシャドウハッシュキールーチン408は、コンピューティングデバイス132が、第1のステップ602で、スパースアレイ402の特定のエレメント407に関連するすべての楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を決定(例えば、検出)するように促進する。次に、第2のステップ604で、コンピューティングデバイス132は大きな(例えば、所定の閾値以上の誤差の大きさを有する)楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を選択する。内部交差楕円体512が、楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500の一環として、コンピューティングデバイス132によって実行されるよう望まれる量的な特性である場合には、第3のステップ606で、コンピューティングデバイス132は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2のステップ604で選択された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420に対して、交差部分とPDFを決定する。
【0054】
例えば、限定するものではないが、第3のステップ606での内部交差楕円体512の決定に続いて、コンピューティングデバイス132は、第4のステップ608で、場合によっては、所定の閾値未満の誤差の大きさを有する楕円形の誤差領域確率オブジェクト416と、また、場合によっては、アレイデータ構造401の各エレメント407に存在する他の空間データ(例えば、未知の信号状態空間表現信号139に由来する非標準空間データ)と共に、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の各PDFの和を決定する。したがって、第5のステップ608以降は、結果としてメモリ134に保存されるデータ構造は、特定の信号エミッタ(例えば、移動式信号エミッタ2及び固定式信号エミッタ34のうちの少なくとも1つ)に関連付けられ、様々な次元と誤差の大きさを有する空間データを含む。最終的に、コンピューティングデバイス132による取得操作610のステップは、決定された場所に付随する関連の空間誤差値と共に、最終のグリッド値(例えば、物理的な空間ドメイン内の移動式信号エミッタ2又は固定式信号エミッタ34の場所を表わすアレイデータ構造401のスパースアレイ402、ミディアムアレイ404、及びファインアレイ406のうちの少なくとも1つのサブアドレス)を出力し、これらは共にメモリ134に保存される。
【0055】
動作中、コンピューティングデバイス132によって実行される基本的なフィルタ処理には、標準偏差ベクトル信号502を有する信号パラメータベクトルで受信された新しいセンサ情報(S)(例えば、デインターリーブされた信号データブロック)が、いつ大きな誤差(例えば、同一タイプのデータブロックに対する標準偏差に基づいて)を有するかを決定することが含まれる。次に、コンピューティングデバイス132は、M次元の楕円体によって、おおよその誤差領域を決定する。多くのセンサ103由来のデータはガウス分布誤差モデルを有すると考えられるため、これは妥当である。誤差領域は、3シグマ(3σ)などの妥当な閾値によって制限されており、現在のセンサ103空間情報の台(E=supp(S))として表わされる楕円体Eを形成する。中心qと形状マトリクスQを有するRnで定義されるこの楕円体E(μ,Q)は次のように設定される。
E(μ,Q)={x∈R
n|(x−μ),Q
−1(x−μ)≦1} 方程式(3)
これは、等価なガウス分布PDF形状を有する。
E(μ,Q)={x∈R
n|(x−μ)
TQ
−1(x−μ)≦1} 方程式(4)
【0056】
半空間(例えば、二次元の半平面)は、非有界楕円体(unbounded ellipsoid)、例えば、固有値以外は無限大である形状マトリクスを有する楕円体)として扱われうる。
【0057】
また、操作中、楕円体E(μ,Q)は、プロセス400、シャドウハッシュキールーチン408、及び上述の楕円形の誤差領域確率オブジェクト操作500を用いて、確率論的なツリーグリッド(例えば、アレイデータ構造401)に付加された楕円形の誤差領域確率オブジェクト416内に実装される。楕円体E(μ,Q)に関連するPDFは次のように定義される。
【0058】
したがって、コンピューティングデバイス132は、センサ103由来の各情報に関連する情報ペア
を決定する。この場合、2つのパラメータμとQは同じである。しかしながら、これは交差領域に対するPDF情報を捕捉するには不十分なため、一般的にこれらの情報ペア
はメモリ134に保存される。これは4M+2個しか必要としないため、既知の空間データフィルタ処理のシステム及び方法よりも、計算効率及びメモリ効率が大幅に高い例えば、センサ103のデータ利用に対して3シグマ(3σ)レベルで操作することにより、トリミングされた正規分布(すなわち、ガウス分布)状の誤差PDFの台(support)は楕円体に直接対応する。したがって、楕円形の誤差領域確率オブジェクト416は、台としてこの楕円体の形状を有するPDFへのダイレクトマップを有する。
【0059】
更に、操作中、2つの半平面の交差部分は、無限大まで続く二次元の角領域に対応するくさびを表わす。したがって、これは、AOA情報のみを取得するように構成されたセンサ103からの情報を表わすことができる。中心線に沿った距離は、幅が徐々に拡大する一次元(1D)ガウス分布PDFをパラメータ化することができる。これを所定の半径の円(特別な種類の楕円形)の交差部分と結合することによって、角領域は、既知の最大感度又は最大サイズの注目領域を有するセンサ103に対する最大距離まで、メモリ134に表わされている。各ペアが他のペアと直交している4つの半平面の交差部分、直角領域の表現、及び中心線に沿った距離は、直交するペアによって与えられる軸を有する二次元(2D)ガウス分布PDFをパラメータ化することができる。交差する楕円体、半平面、及びこれら2つは、交差部分を同じ一般的な形状で置き換えることに加えて、より複雑になることを防止している。
【0060】
しかも、楕円体の交差部分を決定するため、例示的な実施例に実装可能な方法が幾つかある。これは一般的に、M次元の空間における、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との交差領域への楕円体近似である。しかしながら、少なくとも幾つかの既知のシステム及び方法は、複雑な操作を必要とし、計算的にもメモリ的にも効率的ではない。更に、このような既知のシステム及び方法は、交差領域でのPDFの台への近似を生成しない。例えば、既知のシステム及び方法では、楕円形状の平均及び共分散にマッチしたPDFは、このPDFが交差領域内の合計PDFに充分にマッチするのを大幅に制限することがある。これは、supp(PDF)(μ,σ)からのPDF(μ,σ)の分離が、コンピューティングデバイス132による良好なPDFマッチングを促進することを意味する。したがって、我々は以下の表記を使用する。
PDF(μ
p,σ
p) 方程式(6)
supp(PDF)(μ
s,σ
s) 方程式(7)
【0061】
これにより我々は、
図7を参照して示し、以下に説明する新しい方法を使用することができる。
【0062】
図7は、
図3に示された信号処理システム100と併用されうるPDFマッチングプロセス700の概略図である。例示的な実施例では、少なくとも2つの楕円形の誤差領域確率オブジェクト416(例えば、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420)が、第1の操作702中にコンピューティングデバイス132に入力される。次に、第2の操作704中に、コンピューティングデバイス132は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間に、(0−2
M)の実際の交点を決定する。第2の操作の後、又は第2の操作とほぼ同時のいずれかで、コンピューティングデバイス132は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間の交差領域を画定するくさびに対する複数の弧部分を画定するため、複数の中間境界点を追加する第3の操作706を実行する。PDFマッチングプロセス700は次に、コンピューティングデバイス132が、第3の操作706中に決定された複数の境界点に対して、M次元の楕円体E(μ
s,Q
s)の最小二乗マッチングを決定する第4の操作へ進む。
【0063】
PDFマッチングプロセス700はまた、コンピューティングデバイス132が、(第3の操作706中に決定された)複数の中間境界点の少なくとも1つと、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と(第2の操作704中に決定された704)第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間の(0−2
M)の実際の交点との間の複数の線分として定義される、複数の内部メッシュポイントを決定する第5の操作を含む。(0−2
M)の実際の交点、複数の中間境界点、及び複数の内部メッシュポイントを決定すると、PDFマッチングプロセス700は、コンピューティングデバイス132がPDFに対するμ
p及びQ
pの最小二乗マッチングを決定する第6の操作に進む。最終的に、第7の操作714中に、コンピューティングデバイス132は、限定するものではないが、(
図6を参照して示し、上述したように)フィルタ処理プロセス600と連動して、交差楕円体及びそのPDFを決定し、両者はメモリ134に保存される。
【0064】
動作中、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との交差部分の境界上のポイントセットで、PDFマッチングプロセス700によって実行される最小二乗近似、並びに、これらの境界点から形成された内部メッシュポイントでのPDFの最小二乗近似は、次式を最小化するため、Q及びμを決定するコンピューティングデバイス132によるガウス分布PDFの適合(fitting)を含む。
ここで、{(x
i,y
i)}は、第5の操作710中の内部メッシュポイント生成で選択された点及びPDF値である。これは非線形最小化問題で、各交差部分に対する実装及び処理は複雑になることがありうる。これを変形し、対数をとることで、コンピューティングデバイス132は、これを以下のように(台の形状推定に使用されるように)標準的な最小二乗問題に変換する。
次いで、最終PDFで|Q|を考慮するため、最終値を調整する。加重最小二乗法は、計算効率及びメモリ利用効率に関して最低限のコストで、元の問題の解に近い解をもたらすことに留意されたい。このような最小二乗法の計算の複雑度は概念的にはかなり単純で、(2M+1)
3程度の複雑度である(したがって、前述の既知のシステム及び方法を大幅に下回る)。したがって、PDFマッチングプロセス700及びフィルタ処理プロセス600が、スパースな確率論的なツリーグリッドのシステム及び方法に照らして(例えば、前述の米国特許第8,805,858号に基づいて)検討されるときには、コンピューティングデバイス132は、グリッドを使用した同一の交差に対して、PDFを加算する交差を実行する際のリソース、時間、及び労力の比較を促進し、また、確率論的なツリーグリッド(例えば、アレイデータ構造401)内での内部表現の決定に加えて、所定の取得操作610の実行にどの方法のバリエーションが利用できるかを決定するため、総操作数(total operation count)を使用する。
【0065】
図8Aは、
図3に示した信号処理システム100によって決定される、4点の楕円体交差部分800の例示的なプロットである。
図8Bは、
図3に示した信号処理システム100によって決定される、3点の楕円体交差部分802の例示的なプロットである。
図8Cは、
図3に示した信号処理システム100によって決定される、2点の楕円体交差部分の例示的なプロットである。
図8Aを参照し、例示的な実施例では、4点の楕円体交差部分800は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間の4つの(例えば、(0−2
M)=4)の実際の交点806(黒丸で示した)を含む。この場合、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の長さL(例えば、主軸で定義される)は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の幅W(例えば、短軸で定義される)まで達し、したがって、コンピューティングデバイス132は4つの実際の交点806を決定する結果となる。端点として4つの実際の交点806を有する4つの弧部分810を有する交差部分くさび808は、交差領域812の面積を定義するまた、例示的な実施例では、4点の楕円体交差部分800は、4つの弧部分810の各弧部分810のほぼ中間点に画定された4つの境界点814(白丸で示した)を含む。
図7を参照して上記に示し説明されているように、実際の交点806及び境界点814は、PDFマッチングプロセス700中に、コンピューティングデバイス132によって決定される。
【0066】
図8Bを参照し、例示的な実施例では、3点の楕円体交差部分802は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間の3つの(例えば、(0−2
M)=3)の実際の交点806を含む。この場合、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の長さLは、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の幅Wに完全には達していない。むしろ、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の一端816は第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418に接しており、その結果、コンピューティングデバイス132が3つの実際の交点806を決定している。3つの弧部分810を有する交差部分くさび808は、端点として3つの実際の交点806を有し、交差領域812のエリアを画定する。また、例示的な実施例では、3点の楕円体交差部分802は、3つの弧部分810の各弧部分810のほぼ中点に画定された3つの境界点814を含む。
【0067】
図8Cを参照し、例示的な実施例では、2点の楕円体交差部分804は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420との間に2つの(例えば、(0−2
M)=2)実際の交点806を含む。この場合、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の長さLは、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の幅Wに完全には達しておらず、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の一端816は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の境界の内側に位置し、その結果、コンピューティングデバイス132が2つの実際の交点806を決定している。2つの弧部分810を有する交差部分くさび808は、端点として2つの実際の交点806を有し、交差領域812のエリアを画定する。また、例示的な実施例では、2点の楕円体交差部分804は、3つの弧部分810の各弧部分810の中点ではなく、その長さのほぼ3分の1を画定する点で画定された4つの境界点を含む。例示的な実施例の操作では、
図8A、
図8B、及び
図8Cを参照して示され上記で説明されている各事例で、コンピューティングデバイス132は、
図7を参照して示され上記で説明されているように(例えば、PDFマッチングプロセス700の第2の操作704、第3の操作706、及び第4の操作708で)、交差楕円体818を、実際の交点806及び境界点814のうちの少なくとも1つに近接させ、適合させる。
【0068】
図9は、
図3に示した信号処理システム100によって決定される、複数の内部メッシュポイント904の例示的なプロット900である。例示的な実施例では、交差楕円体818は、
図7、
図8A、
図8B、及び
図8Cを参照して示され上記で説明されているように、コンピューティングデバイス132によって決定される、6つの弧部分を画定する6つの境界点814(
図8A、
図8B、及び
図8Cに白丸で示した)を含む。コンピューティングデバイス132は更に、隣接する境界点814間を除くすべての可能な組み合わせで、6つの境界点814間に画定される複数の線分を決定する。したがって、例示的な実施例では、複数の境界点814の各境界点814は、3つの線分902の第1の端点を画定する。これら3つの線分902の各線分902は、3つの線分902の第1の端点を画定する境界点814に隣接する境界点814以外の、他のすべての境界点814のうちの1つの境界点814で画定される第2の端点まで延在する。例示的な実施例の6つの境界点814により、結果は、交差楕円体818のエリア903内に画定される合計9つの線分902となる。
【0069】
また、例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132は、9つの線分902間の複数の交点を決定する。
図9に示すように、これらの交点は、6つの境界点814から15個のメッシュポイント(四角形で示した)を画定する(例えば、
6つから2つ(6−4)を選ぶ組み合わせ=15)。図示していないが他の実施例では、実際の交点806はまた、複数のメッシュポイント904の決定で、コンピューティングデバイス132によって使用される。操作中、例示的な実施例では、PDFマッチングプロセス700は、
図7を参照して示され上記で説明されているように、交差楕円体818によって画定されるPDFの最小二乗近似のためのメッシュポイント904を使用する。
【0070】
図10は、
図3に示した信号処理システム100によって決定された複数の空間タイプ信号データブロックに基づく、楕円形の誤差領域確率オブジェクトの例示的なプロット1000である。例示的な実施例では、スパースアレイ402はa=3且つb=3で二次元(2D)のa×bアレイに実装され、監視可能領域30のサブ領域を表わす9個のエレメント407を有する。図示していないが他の実施例では、aはbに等しくない。図示していないが更に別の実施例では、スパースアレイ402は三次元(例えば、立方体の)アレイで実装される。スパースアレイ402は、メモリ134のアドレスによって画定される原点1002を含む。第1の時点に、第1の信号エミッタ34(図示せず)から受信した第1の空間タイプ(例えば、
図10の黒四角形で示した第1座標)の第1の信号データブロック1004(又は、幾つかの実施例では、そこへのポインタ)は、スパースアレイ402の第1のサブアドレス1006に位置する。同様に、第2の時点に、第2の信号エミッタ34から受信した第2の空間タイプ(例えば、
図10に黒菱形で示した第2のAOA)の第2の信号データブロック1008は、スパースアレイ402の第2のサブアドレス1010に位置する。次に、第3の時点に、第1の信号エミッタ34から受信した第3の空間タイプの(
図10に黒三角形で示した)第3の信号データブロック1012は、第1のサブアドレス1006に位置する。2つの空間タイプ信号データブロックを含む第1のサブアドレス1006を用いて、キーk
1=H
1(k
1)はシャドウハッシュキールーチン408によって検出され、コンピューティングデバイス132は、第3の信号データブロック1012に関して、第1の信号データブロック1004の特定の分解されたアドレス(例えば、物理的な空間ドメイン内の場所)の第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418を決定する。コンピューティングデバイス132による第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の決定は、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の第1の中心514及び第1の軸ペア(図示せず)を決定することを含む。第1の中心1016は、平均値と物理的な空間ドメイン(例えば、監視可能領域30)内で第1の信号エミッタ34が存在する確率が最も高い場所を表わしており、第1の軸ペアは、第3の時点で、第1の中心1016の空間誤差(例えば、標準偏差)を表わしている。第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418、第1の中心1016、第1の軸ペア、及び第1の中心1016の空間誤差(例えば、標準偏差)のうちの少なくとも1つは、メモリ134に保存されるか、人が読むことができるデータとしてディスプレイ144に表示される。
【0071】
第4の時点では、第1の空間タイプの第4の信号データブロック1018(
図10に黒四角形で示した)は、第3のサブアドレス1020に位置する。例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132が、第4の信号データブロック1018に対して、第2の信号データブロック1008の特定の分解されたアドレス(例えば、物理的な空間ドメイン内の場所)の第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420を決定するように、コンピューティングデバイス132は、第2の信号データブロック1008に照らして第4の信号データブロック1018に含まれる空間データの内容に基づいて、シャドウハッシュキールーチン408の間にシャドウハッシュキー関数H
1(k)を修正する。コンピューティングデバイス132による第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の決定は、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の第2の中心1022及び第2の軸ペア(図示せず)を決定することを含む。第2の中心1022は、第4の時点に、物理的な空間ドメイン内で第2の信号エミッタ2が存在する確率が最も高い場所を表わしており、第2の軸ペアは、第2の中心1022の空間誤差(例えば、標準偏差)を表わしている。第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420、第2の中心1022、第2の軸ペア、及び第2の中心1022の空間誤差のうちの少なくとも1つは、メモリ134に保存されるか、人が読むことができるデータとしてディスプレイ144に表示される。
【0072】
第5の時点及び第6の時点に、(
図10に黒四角形で示した)第1の空間タイプの第5の信号データブロック1024、及び(
図10にアステリスクで示した)第1の空間的な非標準データポイント1026は、それぞれ第1の信号エミッタ34から受信される。第5の信号データブロック1024は第1のサブアドレス1006に位置し、第1の非標準データポイント1026は、空間データに分解された後、第4のサブアドレス1028に位置する。例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132が、互いに対して、第1の信号データブロック1004、第3の信号データブロック1012、第5の信号データブロック1024、及び第5の非標準的データポイントの特定の分解されたアドレス(例えば、物理的な空間ドメイン内の場所)の改良された(例えば、更新された)第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1030を決定するように、コンピューティングデバイス132は、第1の信号データブロック1004及び第3の信号データブロック1012に照らして第5の信号データブロック1018及び第1の非標準データポイント1026に含まれる空間データの内容に基づいて、シャドウハッシュキールーチン408の間にシャドウハッシュキー関数H
1(k)を修正する。コンピューティングデバイス132による改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1030の決定は、改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1030の改良された第1の中心1032及び改良された第1の軸ペア(図示せず)を決定することを含む。改良された第1の中心1032は、更新された平均値と物理的な空間ドメイン内で第1の信号エミッタ34が存在する確率が最も高い更新された場所を表わしており、改良された第1の軸ペアは、第6の時点で、改良された第1の中心1032の更新された空間誤差(例えば、標準偏差)を表わしている。改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1030、改良された第1の中心1032、改良された第1の軸ペア、及び改良された第1の中心1032の更新された空間誤差(例えば、標準偏差)のうちの少なくとも1つは、メモリ134に保存されるか、人が読むことができるデータとしてディスプレイ144に表示される。
【0073】
第7の時点では、第1の非標準的なデータポイント1026と同じタイプの第2の非標準的なデータポイント1034(
図10でアスタリスクで示した)は、第2の信号エミッタ34から受信され、空間データに分解された後、第3のサブアドレス1020に位置する。例示的な実施例では、第2の信号データブロック1008及び第4の信号データブロック1018に含まれる空間データの内容に基づいて、前述の修正されたシャドウハッシュキー関数H
1(k)を用いて、コンピューティングデバイス132は、互いに対して、第2の信号データブロック1008、第4の信号データブロック1018、及び第2の非標準データポイント1034の特定の分解されたアドレス(例えば、物理的な空間ドメイン内の場所)の改良された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1036を決定する。コンピューティングデバイス132による改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1036の決定は、改良された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1036の改良された第2の中心1038及び改良された第2の軸ペア(図示せず)を決定することを含む。改良された第2の中心1038は、物理的な空間ドメイン内で第2の信号エミッタ34が存在する確率が最も高い更新された場所を表わしており、改良された第2の軸ペアは、第7の時点で、改良された第2の中心1038の更新された空間誤差(例えば、標準偏差)を表わしている。改良された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1036、改良された第2の中心1038、改良された第2の軸ペア、及び改良された第2の中心1038の更新された空間誤差(例えば、標準偏差)のうちの少なくとも1つは、メモリ134に保存されるか、人が読むことができるデータとしてディスプレイ144に表示される。
【0074】
また、例示的な実施例では、第2の非標準的なデータポイント1034が受信され、第7の時点が経過すると、第1のデータクラスタ1040及び第2のデータクラスタ1042は、メモリ134のアレイデータ構造401に保存されたデータとして存在する。第1のデータクラスタ1040に関しては、改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1030に対する第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の改良は、各空間誤差を増大させ、各楕円体領域の面積を増大させた。各楕円体オブジェクトの面積の増大は、第1の信号エミッタ34が移動中の状態にあることを示唆している。コンピューティングデバイス132はまた、移動式信号エミッタ2の移動の速度、及び方向のうちの少なくとも1つを決定し、このデータをメモリ134に保存すること、及びこれを人が読むことができる形式でディスプレイ144に表示することのうちの少なくとも1つを行うように構成されている。しかしながら、第2のデータクラスタ1042では、各空間誤差及び楕円体領域の面積は減少し、第2の信号エミッタ2が移動式でないことを示唆する。コンピューティングデバイス132はまた、メモリ134に保存され、メモリ134から実行されるソフトウェア命令から実施される異常値の統計的方法を使用して、異常値の信号データブロック及び少なくとも1つの異常値の非標準的なデータポイントのうちの少なくとも1つをメモリ134から削除するように構成されている。このような異常値の統計的方法は、メモリ134の効率的な使用を促進し、特定の信号エミッタ2及び/又は34が物理的な空間ドメイン内に実際に固定されているときに、これを移動式であるとする誤った特徴付けを防止する。
【0075】
更に、例示的な実施例では、特定の信号エミッタ2及び/又は34が許容可能な誤差を有する物理的な空間ドメイン内に配置されているときには、コンピューティングデバイス132は、スパースアレイ402から関連するデータを削除し、メモリ134内のスペースを解放するように構成されている。特定の信号エミッタ2及び/又は34が、許容可能な誤差を有する物理的な空間ドメイン内に配置されていないときには、信号処理システム100は、上述のように少なくとも1つのセンサ103に由来する受信信号を引き続きデインターリーブし、フィルタ処理し、解析し、更に誤差が許容しうる程度になるまで、楕円形の誤差領域確率オブジェクト416を改良する。
【0076】
図11Aは、
図3に示した信号処理システム100によって決定された、第1の時点での複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト416の和集合及び交差部分の例示的なプロット1100である。
図11Bは、
図3に示した信号処理システム100によって決定された、(第1の時点後に発生する)第2の時点での複数の楕円形の誤差領域確率の和集合及び交差部分の例示的なプロット1102である。
図11Aを参照すると、例示的な実施例では、プロット1100はスパースアレイ402の複数のエレメント407の第1エレメント1104及び第2のエレメント1106を含む。プロット1100は、第1の時点では、コンピューティングデバイス132によって、移動式か固定式か明確には決定されていない2つの信号エミッタ(2及び/又は34)の複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクトを示している。第1の時点では、第1のデータクラスタ1108は、上述のように、コンピューティングデバイス132(図示せず)によって第1のエレメント1104にマッピングされた第1の空間タイプの(三角形で示した)5つの信号データブロック1110を表わしている。第1のデータクラスタ1108はまた、コンピューティングデバイス132が第1の信号エミッタ2及び/又は34(例えば、限定するものではないが、移動式又は固定式)に関連する、第1の非空間タイプの(“X”で示した)5つの信号データブロック1112を表わしている。また、第1の時点では、第2のデータクラスタ1114は、コンピューティングデバイス132によって第2のエレメント1106にマッピングされた第2の空間タイプの(四角形で示した)2つの信号データブロック1116を表わしている。第2のデータクラスタ1114はまた、コンピューティングデバイス132が(例えば、限定するものではないが、移動式又は固定式の)第2の信号エミッタ2及び/又は34に関連する、第2の非空間タイプの(黒丸で示した)2つの信号データブロック1118を表わしている。
【0077】
また、例示的な実施例では、プロット1100は、上記で示し説明したように、コンピューティングデバイス132によって決定された5つの空間タイプの信号データブロック1110に対する、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1120を示している。プロット1100はまた、5つの非空間タイプの信号データブロック1112に対する、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1122を示している。更に、プロット1100は、コンピューティングデバイス132によって決定され、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1120と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1122の双方の境界を示す外部和集合楕円体1126によって画定される、外部和集合エリア1124を示している。同様に、プロット1100は、2つの空間タイプの信号ブロック1116に対する第3の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1128を示し、また、プロット1100は、2つの非空間タイプの信号データブロック1118に対する第4の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1130を示している。プロット1100は更に、コンピューティングデバイス132によって決定され、第3の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1128と第4の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1130の双方によって共有されるオーバーラップ領域(例えば、交差部分)の境界を示す内部交差楕円体1134によって画定される、内部交差エリア1132を示している。
【0078】
図11Bを参照すると、例示的な実施例では、プロット1102は、第2の時点に、2つの信号エミッタ2及び/又は34の複数の改良された楕円形の誤差領域確率オブジェクトを示している。第2の時点では、更新された第1のデータクラスタ1136は、第1の空間タイプの8つ(例えば、第1の時点の5つと追加された3つ)の信号データブロック1110を表わしており、7つは第1のエレメント1104に位置し、1つは第2のエレメント1106に位置する。更新された第1のデータクラスタ1136はまた、コンピューティングデバイス132が第1の信号エミッタ2(例えば、以下で説明するように移動式と決定される)に関連する、第1の非空間タイプの8つ(例えば、第1の時点の5つと追加された3つ)の信号データブロック612を表わしている。また、第2の時点では、更新された第2のデータクラスタ1138は、第2のエレメント1106にマッピングされた第2の空間タイプの3つ(例えば、第1の時点の2つと追加された1つ)の信号データブロック1116を表わしている。更新された第2のデータクラスタ1138はまた、第2の信号エミッタ2及び/又は34に関連した第2の非空間タイプの3つ(例えば、第1の時点の2つと追加された1つ)の信号データブロック618を表わしている。
【0079】
また、例示的な実施例では、プロット1102は、コンピューティングデバイス132によって決定された8つの空間タイプの信号データブロック1110に対する、改良された(例えば、更新された)第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1140を示している。プロット1102はまた、8つの非空間タイプの信号データブロック1112に対する、改良された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1142を示している。更に、プロット1102は、コンピューティングデバイス132によって決定され、改良された第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1140と改良された第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1142の双方の境界を示す更新された外部和集合楕円体1146によって画定される、更新された外部和集合エリア1144を示している。同様に、プロット1102は、3つの空間タイプの信号ブロック1116に対する改良された第3の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1148を示し、また、プロット1102は、3つの非空間タイプの信号データブロック1118に対する第4の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1150を示している。プロット1102は更に、改良された第3の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1148と改良された第4の楕円形の誤差領域確率オブジェクト1150との間のゼロ値の(コンピューティングデバイス132によって決定された)更新された内部交差エリア1152を示している。
【0080】
図11Aと
図11Bを比較すると、例示的な実施例では、プロット1100に示された第1の時点とプロット1102に示された第2の時点との間で、外部和集合エリア1124と更新された外部和集合エリア1144のエリア値は、(コンピューティングデバイス132によって決定されたように)高い変化率で急速に増大した。また、例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132は、空間タイプの信号データブロック1110と非空間タイプの信号データブロック1112(例えば、すべて第1の信号エミッタ2と関連している)との間の関係性を維持した。第1の時点での外部和集合エリア1124から、更新された外部和集合エリア1144までの急速な増大は、コンピューティングデバイス132によって、第1の移動式信号エミッタ2の監視可能領域30の移動があったことを示唆するものとして判断される。コンピューティングデバイス132はまた、外部和集合エリア1124の変化の方向1154を、第1の移動式信号エミッタ2の移動の方向(例えば、監視可能領域30の第1の場所16から第2の場所20まで)を示唆するものとして判断するように構成されている。更に、例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132はまた、監視可能領域30内の少なくとも1つの移動式信号エミッタ2の速度及び加速度のうちの少なくとも1つを決定するように構成されている。
【0081】
再び
図11Aと
図11Bを比較すると、例示的な実施例では、プロット1100に示された第1の時点とプロット1102に示された第2の時点との間で、内部交差エリア1132と更新された内部交差エリア1152のエリア値は、高い変化率で急速にゼロに近づき、(コンピューティングデバイス132によって決定されたように)実際に高い変化率でゼロに到達した。また、例示的な実施例では、コンピューティングデバイス132は、空間タイプの信号データブロック1116と非空間タイプの信号データブロック1118(例えば、第1の信号エミッタ2及び/又は34と関連していない)との間の関係性を除去した(例えば、分離した)。第1の時点の内部交差エリア1132から更新された内部交差エリア1152までのエリア値の減衰(例えば、負の変化率)は、コンピューティングデバイス132によって、空間タイプの信号データブロック1116と非空間タイプの信号データブロック1118との間に誤った関係性(例えば、誤った結合)が存在することを示唆するものとして判断される。
【0082】
図示していないが他の実施例では、コンピューティングデバイス132は、移動式信号エミッタ2の移動があったことを判断するため、第1の時点の内部和集合(図示せず)と第2の時点の更新された内部和集合(図示せず)を決定する。内部和集合エリアは、第1のデータクラスタ1108に対して、外部和集合エリア1124とは異なるエリアを有する内部和集合楕円体(図示せず)によって画定される。同様に、更新された第1のデータクラスタ1136に対して、更新された内部和集合エリアは、更新された外部和集合エリア1144とは異なるエリアを有する更新された内部和集合楕円体(図示せず)によって画定される。図示していないが更に他の実施例では、コンピューティングデバイス132は、空間タイプの信号データブロック1116と非空間タイプの信号データブロック1118との誤った結合があったことを判断するため、第1の時点の外部交差エリア(図示せず)と第2の時点の更新された外部交差エリア(図示せず)を決定する。外部交差エリアは、第2のデータクラスタ1114に対して、内部交差エリア1132とは異なるエリアを有する外部交差楕円体(図示せず)によって画定される。同様に、更新された第2のデータクラスタ1138に対して、更新された外部交差エリアは、更新された内部交差エリア1152とは異なるエリアを有する更新された外部交差楕円体(図示せず)によって画定される。
【0083】
図12は、
図3に示した信号処理システム100と併用されうる大幅に変化する誤差の大きさを有するデータを使用する、空間フィルタ処理の例示的な方法1200のフロー図である。例示的な実施例では、方法1200は、第1の時点、及び第1の時点後に発生する第2の時点を含む長期間にわたって、複数の信号パラメータベクトル138の各信号パラメータベクトル138をデインターリーブするように構成されているコンピューティングデバイス132で、複数の信号パラメータベクトル138を受信することを含み、各信号パラメータベクトル138は、少なくとも1つのセンサ103に由来し、信号エミッタ(例えば、移動式信号エミッタ2及び固定式信号エミッタ34のうちの少なくとも1つ)に関連する情報を含む少なくとも1つの座標を有し、情報は、第1の空間データタイプ及び第2の空間データタイプを含む少なくとも2つのタイプの空間データを含む。方法1200はまた、第1の空間データタイプの複数の第1座標の第1の誤差の大きさ、並びに、第2の空間データタイプの複数の第2座標の第2の誤差の大きさを決定すること1204を含む。
【0084】
また、例示的な実施例では、方法1200は、第1の誤差の大きさが第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なり、第1のアレイは第1の数のエレメント407を含み、第2のアレイは第1のエレメント数とは異なる第2の数のエレメント407を含み、複数のアレイの各アレイは複数の信号29が少なくとも1つのセンサ103によって受信される際の物理的な空間ドメイン(例えば、監視可能領域30及び空域12)を表わしているときには、メモリ134に保存され且つ複数のアレイ(例えば、スパースアレイ402、ミディアムアレイ404、及びファインアレイ406のうちの少なくとも2つ)を有するアレイデータ構造401に、複数のアレイの第1のアレイ(例えば、スパースアレイ402)に対する複数の第1座標及び複数のアレイの第2のアレイ(例えば、ミディアムアレイ404及びファインアレイ406のうちの少なくとも1つ)に対する複数の第2座標を送信すること1206を含む。方法1200は更に、コンピューティングデバイス132により、複数の第1座標の第1のPDFを表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418、及び複数の第2座標の第2のPDFを表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクトを決定すること1208を更に含み、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の各々は、第1のアレイ及び第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされてメモリ134内に保存される。しかも、例示的な実施例では、方法1200は、コンピューティングデバイス132により、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の少なくとも一部、及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の少なくとも一部を含む交差領域812を決定すること1210を含み、交差領域812は更に、第1の数のエレメント407の少なくとも一部、及び第2の数のエレメント407の少なくとも一部を含み、交差領域812は第2の時点に物理的な空間ドメイン内で信号エミッタが存在する確率が最も高い場所を表わす。
【0085】
図13は、
図3に示した信号処理システム100と併用されうる大幅に変化する誤差の大きさを有するデータを使用する、空間フィルタ処理の代替的な方法1300のフロー図である。代替的な実施例では、方法1300は、
図12を参照して上記に示し説明されているように、方法1200のステップを含む。方法1300はまた、コンピューティングデバイス132により、交差領域812の第3のPDFを決定すること1302を含み、第3のPDFは、第2の時点に存在する確率が最も高い場所16に関連する空間誤差を表わす。方法1300は更に、コンピューティングデバイス132を使用して実行されるシャドウハッシュキールーチン408を使用して、前記複数のエレメント407の中に、第1の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第1のマッチングエレメント407及び第2の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第2のマッチングエレメント407が存在すると決定すること1304を含む。また、この決定1304では、アレイデータ構造401はハッシュテーブルとして機能するように構成されており、第1及び第2のマッチングエレメント407はそれぞれ、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418と第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の決定に必要不可欠である。方法1300はまた、コンピューティングデバイス132で、複数の信号29の少なくとも1つの信号のノイズ除去されたパルス130に由来する非標準データポイント1026及び/又は1034を含む、少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号139を受信すること1306を含む。
方法1300は更に、コンピューティングデバイス132で、少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号139を、空間データ及び非空間データのうちの少なくとも1つに分解すること1308を含む。
【0086】
方法1300はまた、コンピューティングデバイス132で、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の第1の軸ペア及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の第2の軸ペアを決定すること1310を含み、第1の軸ペアは複数の第1座標1004の空間誤差を表わし、第2の軸ペアは複数の第2座標1008の空間誤差を表わす。方法1300は更に、コンピューティングデバイス132により、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420に対する第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の和集合エリア1124及び/又は1126の変化率、及び和集合エリア1124及び/又は1126の変化の方向1154のうちの少なくとも1つを決定すること1312を含む。方法1300はまた、コンピューティングデバイス132により、また、和集合エリア1124及び/又は1126の変化率及び和集合エリアの変化の方向1154のうちの少なくとも1つの値に基づいて、信号エミッタ(例えば、信号エミッタ2、8、34、及び36のうちの少なくとも1つ)の移動の有無、信号エミッタの移動の方向、信号エミッタの速度、及び信号エミッタの加速度のうちの少なくとも1つを決定すること1314を含む。
【0087】
図14は、
図3に示した信号処理システム100と併用されうる大幅に変化する誤差の大きさを有するデータを使用する、空間フィルタ処理の代替的な方法1400のフロー図である。代替的な実施例では、方法1400は、
図12を参照して上記に示し説明されているように、方法1200のステップを含む。方法1400はまた、コンピューティングデバイス132により、交差領域812の交差エリア1132及び/又は1134の変化率、並びに交差エリア1132及び/又は1134の変化の方向1154を決定すること1402を含む。方法1400は更に、コンピューティングデバイス132により、また、交差エリア1132の変化率及び交差エリア1132及び/又は1134の変化の方向1154のうちの少なくとも1つの値に基づいて、信号エミッタ(例えば、信号エミッタ2、8、34、及び36のうちの少なくとも1つ)の移動の有無、信号エミッタの移動の方向、信号エミッタの速度、及び信号エミッタの加速度のうちの少なくとも1つを決定すること1404を含む。
【0088】
方法1400はまた、アレイデータ構造401内に少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを維持することによって、第1の誤差の大きさ及び第2の誤差の大きさのうちの少なくとも1つが所定の値を超えるとき、コンピューティングデバイス132により、複数の第1座標1004の少なくとも1つの異常値の第1座標、及び複数の第2座標1008の少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを、特定すること1406及び削除すること1408のうちの少なくとも一方を含む。方法1400は更に、第1の非空間座標及び第2の非空間座標のうちの少なくとも1つを維持することが、信号エミッタに関する既知の特定情報と矛盾する情報を含むとき、コンピューティングデバイス132を使用して、少なくとも2つのタイプの空間データと第1の非空間座標及び第2の非空間座標のうちの少なくとも1つとの間のアレイデータ構造401内の関係性を分離すること1410を含む。
【0089】
方法1400はまた、コンピューティングデバイス132に連結されたディスプレイ144を介して、データ出力信号142を、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420、第1の誤差の大きさ、第2の誤差の大きさ、第1のPDF、第2のPDF、交差領域812、及び物理的な空間ドメイン1及び/又は33内で信号エミッタが存在する確率が最も高い場所16のうちの少なくとも1つを、人が読むことができるデータとして表示すること1412を含む。方法1400は更に、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420、第1の誤差の大きさ、第2の誤差の大きさ、第1のPDF、第2のPDF、交差領域812、及び物理的な空間ドメイン1及び/又は33内で信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(例えば、第1の場所16)のうちの少なくとも1つの決定に基づいて、電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで連結されている、少なくとも1つの監視プラットフォーム6及びデバイス31のうちの少なくとも1つの移動を、信号エミッタの場所16に近づく方向及び遠ざかる方向のうちの少なくとも一方に指示すること1414を含む。
【0090】
図15は、
図3に示した信号処理システム100と併用されうる大幅に変化する誤差の大きさを有するデータを使用する、空間フィルタ処理の代替的な方法1500のフロー図である。代替的な実施例では、方法1500は、
図12を参照して上記に示し説明されているように、方法1200のステップを含む。方法1500はまた、コンピューティングデバイス132によって、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の第1の中心1016及び第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の第2の中心1022を決定すること1502を含み、第1の中心1016は複数の第1座標1004の平均値を表わし、また、第2の中心1022は複数の第2座標1008の平均値を表わす。また、この決定1502では、第1の中心1016は更に、複数の第1座標1004に基づいて、物理的な空間ドメイン1及び/又は33内の信号エミッタ(例えば、信号エミッタ2、8、34、及び36のうちの少なくとも1つ)の場所16を表わし、第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418の第1のPDFは、複数の第1座標1004に基づいて、物理的な空間ドメイン1及び/又は33の場所16の空間誤差を表わす。更に、この決定1502では、第2の中心1022は更に、複数の第2座標1008に基づいて、物理的な空間ドメイン1及び/又は33内の信号エミッタの場所16を表わし、第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420の第2のPDFは、複数の第2座標1008に基づいて、物理的な空間ドメイン1及び/又は33内の信号エミッタの場所16の空間誤差を表わす。方法1500は更に、コンピューティングデバイス132によって、第2の時点後に発生する第3の時点を含む長期間にわたって、少なくとも1つの付加的な信号パラメータベクトル138を受信すること1202に基づいて、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト418及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト420のうちの少なくとも1つを更新すること1504を含む。更新すること1504はまた、第1のPDF、第2のPDF、第1の中心1016、第2の中心1022、第1の軸ペア、及び第2の軸ペアのうちの少なくとも1つを更新することを含む。
【0091】
広域監視センサによって生成された大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用する上述の空間フィルタ処理のシステム及び方法は、空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する信号を効果的且つ効率的に受信し分類することを可能にする。上述の実施例はまた、注目している信号の数が多く、分類のためには空間的内容(spatial content)が優先される場合に、ノイズ及び干渉からの信号の分離を促進する。上述の実施例は更に、融合される2つ以上のセンサに由来する空間データを含め、複数のサンプリングフレーム間の情報を空間的にマッチングするため、ノイズ及び干渉の消去に必要な処理を単純化する。広域監視センサによって生成される大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用した上述の空間フィルタ処理のシステム及び方法はまた、既知の空間フィルタ処理のシステム及び方法と比較して単純な処理アーキテクチャを使用して、広域センサによって監視される空間領域が大きく、空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する場合の効率的な位置マッチングを促進する。上述の実施例は更に、設計上の制約の限界を超えて計算リソースを増大させることなく、航空監視業務での検出範囲の改善、処理及び分類性能の改善、並びに消費電力の低減を可能にする。広域監視センサによって生成される大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用した空間フィルタ処理の上述のシステム及び方法はまた、大きな空間領域を監視する広域センサから得られた空間データの効率的且つ効果的な高性能ポストプロセッシングを促進する。上述の実施例はまた、次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する空間データを含むベクトルを、長期間にわたって統計学的にまとめることができる。上述の実施例は更に、広域センサから得られた空間データを使用して、許容しうる誤差の範囲内で、固定式信号エミッタと移動式信号エミッタの識別を促進する。
【0092】
広域監視センサによって生成される大幅に異なる誤差の大きさを有するデータを使用した空間フィルタ処理の上述のシステム及び方法の例示的な技術効果は、(a)空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する信号を効果的且つ効率的に受信し分類することを可能にすること、(b)注目している信号の数が多く、分類のためには空間的内容が優先される場合に、ノイズ及び干渉からの信号の分離を促進すること、(c)融合される2つ以上のセンサに由来する空間データを含め、複数のサンプリングフレーム間の情報を空間的にマッチングするため、ノイズ及び干渉の消去に必要な処理を単純化すること、(d)既知の空間フィルタ処理のシステム及び方法と比較して単純な処理アーキテクチャを使用して、広域センサによって監視される空間領域が大きく、空間データの次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する場合の効率的な位置マッチングを促進すること、(e)設計上の制約の限界を超えて計算リソースを増大させることなく、航空監視業務での検出範囲の改善、処理及び分類性能の改善、並びに消費電力の低減を可能にすること、(f)大きな空間領域を監視する広域センサから得られた空間データの効率的且つ効果的な高性能ポストプロセッシングを促進すること、(g)広域センサに由来し、次元数が異なり大幅に変化する誤差の大きさを有する空間データを含むベクトルを、長期間にわたって統計学的にまとめることが可能であること、(h)広域センサから得られた空間データを使用して、許容しうる誤差の範囲内で、固定式信号エミッタと移動式信号エミッタの識別を促進すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0093】
本開示の種々の実施例の特定の機能が一部の図面には示されて他の図面には示されないことがあるが、このような図解は便宜的に行われているにすぎない。本開示の原理によれば、図面のいかなる特徴も、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照される及び/又は特許請求されうる。
【0094】
幾つかの実施例は、一又は複数の電子デバイス又はコンピューティングデバイスの使用を含む。このようなデバイスは典型的に、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)デバイス、及び/又は、本書に記載の機能を実行可能な任意の他の回路又は処理デバイスなどの、プロセッサ、処理デバイス、又はコントローラを含む。本書に記載の方法は、限定するものではないが、記憶デバイス及び/又はメモリデバイス含むコンピュータ可読媒体で実装される実行可能な命令として符号化されうる。このような命令は、処理デバイスで実行された場合、本書に記載された方法の少なくとも一部を処理デバイスに行わせることができる。上記の実施例は例示的なものにすぎず、したがって、プロセッサ及び処理デバイスという用語の定義及び/又は意味を、いかなる方法においても、限定することを意図していない。
【0095】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
【0096】
条項1. 信号エミッタ(2、8、34、36)によって生成される複数の信号(29)に由来し、少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)によって受信されるデータを空間的にフィルタ処理するシステム(100)であって、前記システムは、
前記複数の信号を受信するように構成された少なくとも1つのセンサ(103)と、
前記センサに連結され、複数の信号パラメータベクトル(138)を生成するように構成されたプリプロセッサ(104)であって、複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルは複数の信号のうちの1つの信号に由来し、前記少なくとも1つのセンサに由来し、前記信号エミッタに関連する情報を含む少なくとも1つの座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を含み、前記情報は第1の空間データタイプ及び第2の空間データタイプを含む少なくとも2つのタイプの空間データを含む、プリプロセッサ(104)と、
前記プリプロセッサに連結され、メモリ(134)を含むコンピューティングデバイス(132)であって、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルをデインターリーブするように構成されているコンピューティングデバイスとを備え、前記コンピューティングデバイスは、
第1の時点、及び第1の時点後に発生する第2の時点を含む長期間にわたって、前記複数の信号パラメータベクトルを前記プリプロセッサから受信(1202)し、
第1の空間データタイプの複数の第1座標の第1の誤差の大きさ、及び第2の空間データタイプの複数の第2座標の第2の誤差の大きさを決定(1204)し、
前記第1の誤差の大きさが前記第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なり、第1のアレイは第1の数のエレメント(407)を含み、第2のアレイは第1のエレメント数とは異なる第2の数のエレメントを含み、前記複数のアレイの各アレイは前記複数の信号が前記少なくとも1つのセンサによって受信される際の物理的な空間ドメイン(1、33)を表わしているときには、前記メモリに保存され且つ複数のアレイ(402、404、406)を有するアレイデータ構造(401)に、前記複数のアレイの第1のアレイに対する前記複数の第1座標及び前記複数のアレイの第2のアレイに対する前記複数の第2座標を送信(1206)し、
前記複数の第1座標の第1の確率密度関数(“PDF”)を表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、及び前記複数の第2座標の第2の“PDF”を表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(416)を決定(1208)し、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの各々は、第1のアレイ及び第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされて前記メモリ内に保存されており、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部を含む交差領域(812)を決定(1210)し、前記交差領域は更に、前記第1の数のエレメントの少なくとも一部、及び前記第2の数のエレメントの少なくとも一部を含み、前記交差領域は第2の時点に前記物理的な空間ドメイン内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)を表わす
ようにプログラムされている、システム(100)。
【0097】
条項2. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記交差領域(812)の第3の“PDF”を決定(1302)するようにプログラムされており、前記第3の“PDF”は、第2の時点に存在する確率が最も高い場所(16)に関連する空間誤差を表わす、条項1に記載のシステム(100)。
【0098】
条項3. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトル(138)に関連する少なくとも1つの標準偏差ベクトル(502)を受信(1202)するようにプログラムされており、前記少なくとも1つの標準偏差ベクトルは、第1の誤差の大きさ及び第2の誤差の大きさを決定することを促進するように構成されている、条項1に記載のシステム(100)。
【0099】
条項4. 前記複数のアレイの各アレイ(402、404、406)は複数のエレメント(407)を含み、前記コンピューティングデバイス(132)は、シャドウハッシュキールーチン(408)を使用して、前記複数のエレメントの中に、前記第1の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第1のマッチングエレメント及び前記第2の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第2のマッチングエレメントが存在すると決定する(1304)ようにプログラムされており、前記アレイデータ構造(401)はハッシュテーブルとして機能するように構成されており、前記第1及び第2のマッチングエレメントの存在は、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のぞれぞれの決定に必要不可欠である、条項1に記載のシステム(100)。
【0100】
条項5. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトル(138)を、ノイズ除去された信号(124)及びブラインド信号源分離信号(120)のうちの少なくとも1つから生成される信号パラメータベクトルとして受信(1202)するようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0101】
条項6. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、
前記複数の信号(29)の少なくとも1つの信号のノイズ除去されたパルス(130)に由来する非標準データ(1026、1034)を含む、少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号(139)を受信(1306)し、
少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号を、空間データ及び非空間データのうちの少なくとも1つに分解(1308)する
ようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0102】
条項7. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、
前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)に対する前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の和集合エリア(1124、1126)の変化率、及び前記和集合エリアの変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定(1312)し、
前記和集合エリアの変化率及び前記和集合エリアの変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36、38)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定(1314)するようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0103】
条項8. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、
前記交差領域(812)の交差エリア(1132、1134)の変化率及び前記交差領域の変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定(1402)し、
前記交差エリアの変化率及び前記交差エリアの変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36、38)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定(1404)するようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0104】
条項9. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、
第1の非空間座標及び第2の非空間座標を含む複数の非空間座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を有する前記複数の信号パラメータベクトルを受信(1202)し、前記複数の非空間座標の各非空間座標は、前記信号エミッタ(2、8、34、36)を特定する少なくとも1つのタイプの非空間データを含む情報を含み、
前記アレイデータ構造(401)内に少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを維持することによって、前記第1の誤差の大きさ及び前記第2の誤差の大きさのうちの少なくとも1つが所定の値を超えるとき、前記複数の第1座標(1004)の少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、前記複数の第2座標(1008)の少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを、特定すること(1406)及び削除すること(1408)の少なくとも一方を行い、
前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つを維持することが、前記信号エミッタに関する既知の特定情報と矛盾する情報を含むとき、少なくとも2つのタイプの空間データと前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つとの間のアレイデータ構造内の関係性を分離(1410)する
ようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0105】
条項10. 前記コンピューティングデバイス(132)に連結されたディスプレイ(144)を更に含み、前記コンピューティングデバイスは更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタ(2、8、34、36)が存在する確率が最も高い場所(16)のうちの少なくとも1つを、ディスプレイを介して人が読むことができるデータとして表示するようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0106】
条項11. 電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで、前記少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)と連結されているデバイス(31)を更に備え、前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)のうちの少なくとも1つの決定に基づいて、前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)に近づく方向及び遠ざかる方向のうちの少なくとも一方の移動を指示(1414)するようにプログラムされている、条項1に記載のシステム(100)。
【0107】
条項12. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の軸ペア及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の軸ペアを決定(1310)するようにプログラムされており、前記第1の軸ペアは前記複数の第1座標(1004)の空間誤差を表わし、また、前記第2の軸ペアは前記複数の第2座標(1008)の空間誤差を表わす、条項1に記載のシステム(100)。
【0108】
条項13. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の中心(1016)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の中心(1022)を決定(1502)するようにプログラムされており、前記第1の中心は前記複数の第1座標(1004)の平均値を表わし、また、前記第2の中心は前記複数の第2座標(1008)の平均値を表わす、条項12に記載のシステム(100)。
【0109】
条項14. 前記第1の中心(1016)は更に、前記複数の第1座標(1004)に基づいて前記物理的な空間ドメイン(1、33)内での前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)を表わし、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の前記第1の“PDF”は、前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わし、
前記第2の中心(1022)は更に、前記複数の第2座標(1008)に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所を表わし、
前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の前記第2の“PDF”は、前記複数の第2座標に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わす、条項13に記載のシステム(100)。
【0110】
条項15. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、第2の時点後に発生する第3の時点を含む長期間にわたって、少なくとも1つの付加的な信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)に基づいて、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のうちの少なくとも1つを更新(1504)するようにプログラムされている、条項14に記載のシステム(100)。
【0111】
条項16. 前記コンピューティングデバイス(132)は更に、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記第1の中心(1016)、前記第2の中心(1022)、前記第1の軸ペア、及び前記第2の軸ペアのうちの少なくとも1つを更新(1504)するようにプログラムされている、条項15に記載のシステム(100)。
【0112】
条項17. 信号エミッタ(2、8、34、36)から複数の信号(29)を受信するように構成された、少なくとも1つのセンサ(103)を含む少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)によって生成される複数の信号パラメータベクトル(138)からのデータを空間的にフィルタ処理する方法(1200)であって、各信号パラメータベクトルは前記複数の信号の1つの信号に由来し、前記方法は、
第1の時点、及び第1の時点後に発生する第2の時点を含む長期間にわたって、前記複数の信号パラメータベクトルを、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルをデインターリーブするように構成されたコンピューティングデバイス(132)で受信すること(1202)であって、前記各信号パラメータベクトルは、前記少なくとも1つのセンサに由来し、前記信号エミッタに関連する情報を含む少なくとも1つの座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を有し、前記情報は第1の空間データタイプ及び第2の空間データタイプを含む少なくとも2つのタイプの空間データを含む、受信すること(1202)と、
前記第1の空間データタイプの複数の第1座標(1004)の第1の誤差の大きさ、及び前記第2の空間データタイプの複数の第2座標(1008)の第2の誤差の大きさを決定すること(1204)と、
前記第1の誤差の大きさが前記第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なり、前記第1のアレイは第1の数のエレメント(407)を含み、前記第2のアレイは第1のエレメント数とは異なる第2の数のエレメントを含み、前記複数のアレイの各アレイは前記複数の信号が前記少なくとも1つのセンサによって受信される際の物理的な空間ドメイン(1、33)を表わしているときには、メモリ(134)に保存され且つ複数のアレイ(402、404、406)を有するアレイデータ構造(401)に、前記複数のアレイの第1のアレイに対する前記複数の第1座標及び前記複数のアレイの第2のアレイに対する前記複数の第2座標を送信すること(1206)と、
前記複数の第1座標の第1の確率密度関数(“PDF”)を表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、及び前記複数の第2座標の第2の“PDF”を表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(416)を前記コンピューティングデバイスにより決定(1208)することであって、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの各々は、第1のアレイ及び第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされて前記メモリ内に保存される、決定すること(1208)と、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部を含む交差領域(812)を前記コンピューティングデバイスにより決定(1210)することであって、前記交差領域は更に、前記第1の数のエレメントの少なくとも一部、及び前記第2の数のエレメントの少なくとも一部を含み、前記交差領域は第2の時点に前記物理的な空間ドメイン内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)を表わす、決定すること(1210)と
を含む、方法(1200)。
【0113】
条項18. 前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトルを、ノイズ除去された信号(124)及びブラインド信号源分離信号(129)のうちの少なくとも1つから生成される信号パラメータベクトルとして受信することを含む、条項17に記載の方法(1200)。
【0114】
条項19. 前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、前記複数の信号パラメータベクトルの少なくとも1つの信号パラメータベクトル(138)に関連する少なくとも1つの標準偏差ベクトル(502)を受信することを含み、前記少なくとも1つの標準偏差ベクトルは、第1の誤差の大きさ及び第2の誤差の大きさを決定すること(1204)を促進するように構成されている、条項17に記載の方法(1200)。
【0115】
条項20. 前記コンピューティングデバイス(132)により、前記交差領域(812)の第3の“PDF”を決定すること(1302)を更に含み、前記第3の“PDF”は、第2の時点に存在する確率が最も高い場所(16)に関連する空間誤差を表わす、条項17に記載の方法(1300)。
【0116】
条項21. 前記複数のアレイの各アレイ(402、404、406)は複数のエレメント(407)を含み、前記方法は更に、前記コンピューティングデバイス(132)を使用して実行されるシャドウハッシュキールーチン(408)を使用して、前記複数のエレメントの中に、前記第1の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第1のマッチングエレメント及び前記第2の空間データタイプに関連して保存されたデータを含む第2のマッチングエレメントのうちの少なくとも1つが存在すると決定すること(1304)を含み、前記アレイデータ構造(401)はハッシュテーブルとして機能するように構成されており、前記第1及び第2のマッチングエレメントの存在は、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のぞれぞれの決定(1208)に必要不可欠である、条項17に記載の方法(1300)。
【0117】
条項22. 前記複数の信号(29)の少なくとも1つの信号のノイズ除去されたパルス(130)に由来する非標準データ(1026、1034)を含む、少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号(139)を、前記コンピューティングデバイス(132)で受信すること(1306)と、
前記コンピューティングデバイスにより、少なくとも1つの未知の信号状態空間表現信号を、空間データ及び非空間データのうちの少なくとも1つに分解すること(1308)と
を更に含む、条項17に記載の方法(1300)。
【0118】
条項23. 前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の軸ペア及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の軸ペアを決定すること(1310)を更に含み、
前記第1の軸ペアは前記複数の第1座標(1004)の空間誤差を表わし、また、
前記第2の軸ペアは前記複数の第2座標(1008)の空間誤差を表わす、条項17に記載の方法(1300)。
【0119】
条項24. 前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)に対する前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の和集合エリア(1124、1126)の変化率、及び前記和集合エリアの変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定すること(1312)と、
前記コンピューティングデバイス(132)により、また、前記和集合エリアの変化率及び前記和集合エリアの変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定すること(1314)と
を含む、条項17に記載の方法(1300)。
【0120】
条項25. 前記コンピューティングデバイス(132)により、前記交差領域(812)の交差エリア(1132、1134)の変化率及び前記交差領域の変化の方向(1154)のうちの少なくとも1つを決定すること(1402)と、
前記コンピューティングデバイスにより、また、前記交差エリアの前記変化率及び前記交差エリアの前記変化の方向のうちの少なくとも1つの値に基づいて、
前記信号エミッタ(2、8、34、36)の移動の有無、
前記信号エミッタの移動の方向、
前記信号エミッタの速度、及び
前記信号エミッタの加速度
のうちの少なくとも1つを決定すること(1404)と
を含む、条項17に記載の方法(1400)。
【0121】
条項26. 前記複数の信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)は、第1の非空間座標及び第2の非空間座標を含む複数の非空間座標(612、618、1004、1008、1012、1018、1024、1110、1112、1116、1118)を受信することを含み、前記複数の非空間座標の各非空間座標は、前記信号エミッタ(2、8、34、36)を特定する少なくとも1つのタイプの非空間データを含み、前記方法は更に、
前記アレイデータ構造(401)内に少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを維持することによって、前記第1の誤差の大きさ及び前記第2の誤差の大きさのうちの少なくとも1つが所定の値を超えるとき、前記コンピューティングデバイスにより、前記複数の第1座標(1004)の少なくとも1つの異常値の第1座標、及び、前記複数の第2座標(1008)の少なくとも1つの異常値の第2座標のうちの少なくとも1つを、特定すること(1406)及び削除すること(1408)の少なくとも一方と、
前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つを維持することが、前記信号エミッタに関する既知の特定情報と矛盾する情報を含むとき、前記コンピューティングデバイスを使用して、少なくとも2つのタイプの空間データと前記第1の非空間座標及び前記第2の非空間座標のうちの少なくとも1つとの間のアレイデータ構造内の関係性を分離すること(1410)と
を含む、条項17に記載の方法(1400)。
【0122】
条項27. 前記コンピューティングデバイス(132)に連結されたディスプレイ(144)を介して、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタ(2、8、34、36)が存在する確率が最も高い場所(16)のうちの少なくとも1つを、人が読むことができるデータとして表示することを更に含む、条項17に記載の方法(1400)。
【0123】
条項28. 前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)、前記第1の誤差の大きさ、前記第2の誤差の大きさ、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記交差領域(812)、及び前記物理的な空間ドメイン(1、33)内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)のうちの少なくとも1つの決定に基づいて、電気通信及びデータ通信のうちの少なくとも1つで連結されている、前記少なくとも1つの監視プラットフォーム(6)及びデバイス(31)のうちの少なくとも1つの移動を、前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)に近づく方向及び遠ざかる方向のうちの少なくとも一方に指示すること(1414)を更に含む、条項17に記載の方法(1400)。
【0124】
条項29. 前記コンピューティングデバイス(132)により、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の第1の中心(1016)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の第2の中心(1022)を決定すること(1502)を更に含み、
前記第1の中心は前記複数の第1座標(1004)の平均値を表わし、また、
前記第2の中心は前記複数の第2座標(1008)の平均値を表わす、条項17に記載の方法(1500)。
【0125】
条項30. 前記第1の中心(1016)は更に、前記複数の第1座標(1004)に基づいて前記物理的な空間ドメイン(1、33)内での前記信号エミッタ(2、8、34、36)の場所(16)を表わし、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)の前記第1の“PDF”は、前記複数の第1座標に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わし、
前記第2の中心(1022)は更に、前記複数の第2座標(1008)に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所を表わし、
前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)の前記第2の“PDF”は、前記複数の第2座標に基づいて、前記物理的な空間ドメイン内での前記信号エミッタの場所の空間誤差を表わす、条項29に記載の方法(1500)。
【0126】
条項31. 前記コンピューティングデバイス(132)により、第2の時点後に発生する第3の時点を含む長期間にわたって、少なくとも1つの付加的な信号パラメータベクトル(138)を受信すること(1202)に基づいて、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のうちの少なくとも1つを更新すること(1504)を更に含む、条項30に記載の方法(1500)。
【0127】
条項32. 前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)のうちの少なくとも1つを更新すること(1504)は、前記第1の“PDF”、前記第2の“PDF”、前記第1の中心(1016)、前記第2の中心(1022)、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの第1の軸ペア、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの第2の軸ペアのうちの少なくとも1つを更新することを含む、条項31に記載の方法(1500)。
【0128】
条項33. 内部に実装されているコンピュータ実行可能命令を有する非一過性コンピュータ可読メモリ(134)であって、コンピューティングデバイス(132)によって実行されると、前記コンピュータ実行可能命令によって前記コンピューティングデバイスは、
第1の時点、及び第1の時点後に発生する第2の時点を含む長期間にわたって、第1の空間データタイプの複数の第1座標(1004)及び第2の空間データタイプの複数の第2座標(1008)を含む複数の信号パラメータベクトル(138)を受信(1202)し、前記複数の信号パラメータベクトルの各信号パラメータベクトルは、信号エミッタ(2、8、34、36)によって生成され、少なくとも1つのセンサ(103)によって受信される複数の信号(29)の1つの信号に由来し、
複数の第1座標の第1の誤差の大きさ、及び複数の第2座標の第2の誤差の大きさを決定(1204)し、
前記第1の誤差の大きさが前記第2の誤差の大きさとは所定の量だけ異なり、前記第1のアレイは第1の数のエレメント(401)を含み、前記第2のアレイは第1のエレメント数とは異なる第2の数のエレメントを含み、前記複数のアレイの各アレイは前記複数の信号が前記少なくとも1つのセンサによって受信される際の物理的な空間ドメイン(1、33)を表わしているときには、前記メモリ(134)に保存され且つ複数のアレイ(402、404、406)を有するアレイデータ構造(401)に、前記複数のアレイの第1のアレイに対する前記複数の第1座標及び前記複数のアレイの第2のアレイに対する前記複数の第2座標を送信(1206)し、
前記複数の第1座標の第1の確率密度関数(“PDF”)を表わす第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(418)、及び前記複数の第2座標の第2の“PDF”を表わす第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(420)を含む、複数の楕円形の誤差領域確率オブジェクト(416)を決定(1208)し、前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクト及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの各々は、第1のアレイ及び第2のアレイのうちの少なくとも1つに関連付けされてメモリ内に保存され、
前記第1の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部、及び前記第2の楕円形の誤差領域確率オブジェクトの少なくとも一部を含む交差領域(812)を決定(1210)し、前記交差領域は更に、前記第1の数のエレメントの少なくとも一部、及び前記第2の数のエレメントの少なくとも一部を含み、前記交差領域は第2の時点に物理的な空間ドメイン内で前記信号エミッタが存在する確率が最も高い場所(16)を表わす、非一過性コンピュータ可読メモリ(134)。
【0129】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む実施例を開示し、且つ当業者が任意の機器やシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本実施例を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に想起される他の実施例も含みうる。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有する場合、あるいは、それらが特許請求の範囲の文言とわずかに異なる均等な構成要素を有する場合は、特許請求の範囲の範囲内にあることを意図する。