【実施例1】
【0024】
図1において、指示記号1で示したものは、端末機器の一例としてのノート型パソコンであって、このノート型パソコン1は、テンキーやキーボード等の入力手段2aを上面に設けた機器本体としての第1筐体2と、下面にディスプレイ装置3aを設けた蓋体としての第2筐体3とを有し、第1筐体2と第2筐体3とが本発明に係る開閉装置4、4を介して上下方向へ相対的に開閉可能に連結されている。
【0025】
図1に示すように、本発明に係る開閉装置4は、左右一対のものが設けられているが、構造は同じなので以下に右側の開閉装置4について説明する。この右側の開閉装置4は、第1筐体2側に取り付けられる第1筐体取付部材5と、第2筐体3側に取り付けられる第2筐体取付部材6と、開成状態のノート型パソコン1を机等の載置面上において安定保持させるためのスタンド部材7と、を備える。
【0026】
第1筐体取付部材5は、ノート型パソコン1に向かう使用者から見て第1筐体2の左右に、同一構成のものが一対配設される。各第1筐体取付部材5は、板状の取付部5aと、この取付部5aの一辺に沿って一体に取り付けられた筒部5bと、を備える。各第1筐体取付部材5の取付部5aは、図示しないねじ等の固着手段を用いて第1筐体5に固着される。
【0027】
第2筐体取付部材6は、横長の長方形の板状の取付部6aと、この取付部6aの一方の長辺に沿って一体に取り付けられた筒部6bと、を備える。第2筐体取付部材6の前記取付部6aは、図示しないねじ等の固着手段を用いて、第2筐体3の外表面(閉成状態における第2筐体の上面)に固着される場合もあるが、実施例のものは第2筐体取付部材6と第2筐体3は、図示してないが、磁力吸着手段によって互いに磁力吸着されており、必要に応じて第2筐体3を第2筐体取付部材6より取り外し、タブレットとして用いることができる。また、互いが磁力吸着されているが、第2筐体3を開閉する際にお互いが分離してしまうことはない。第2筐体取付部材6の第2筐体3への取付状態において、第2筐体取付部材6の前記筒部6bは、左右に位置する第1筐体取付部材5の前記筒部5bと端面を接触させてそれら同士の間の同心に位置する。
【0028】
スタンド部材7は、
図4に示すように、横長の長方形の枠板状のスタンド部7aと、このスタンド部7aの一方の長辺の左右両端に沿って一体に取り付けられた筒部7b,7bと、を備える。スタンド部7aには、第2筐体取付部材6の取付部6bを受入れ可能な開口部7cがある。また、スタンド部7aの厚みと第2筐体取付部材6の取付部6aの厚みは同一とされる。
図1に示すように、スタンド部材7の開閉装置4への取付状態において、スタンド部材7の前記筒部7b,7bは、左右に位置する第1筐体取付部材5の前記筒部5bの外端面と端面を接触させてそれらと同心に位置する。そして、
図2に示すように、第1筐体2に対して第2筐体3を閉じ且つスタンド部7aを第2筐体3上に重ね合わせた全閉状態においては、スタンド部材7の開口部7cに対して第2筐体取付部材6の取付部6aがぴったりと嵌り込み、且つ、スタンド部7aの上面と第2筐体取付部材6の取付部6aの上面とが段差なく連続する。スタンド部7aは第2筐体3上に重なっているので、第1筐体2に対して第2筐体3を開成操作すると、第2筐体3に押されてスタンド部材7も回転して開く。
【0029】
本発明においては、
図3、
図4及び
図13に示すように、第1筐体取付部材5と第2筐体取付部材6とスタンド部材7とが、ヒンジシャフト8によって相対的に回転可能に連結される。すなわち、ヒンジシャフト8は、一方の第1筐体取付部材5の筒部5bと、第2筐体取付部材6の筒部6bと、スタンド部材7の一方の筒部7bとを、相対回転可能に連結する。同様に、前記ヒンジシャフト8と同一構成のヒンジシャフトが、他方の第1筐体取付部材5の筒部5bと、第2筐体取付部材6の筒部6bと、スタンド部材7の他方の筒部7bとを、相対回転可能に連結する。
【0030】
本発明に係る開閉装置4は、スタンド部材7を第1筐体2に対する第2筐体3の所定開成角度から自動的に開かせるスタンド部材回転制御手段9を備える。このスタンド部材回転制御手段9は、第2筐体取付部材6を共有しつつ、ノート型パソコン1の左右に一対配設するのが好ましい。このようにすれば、スタンド部材回転制御手段9による回転制御力がスタンド部材7に対して左右でバランス良く及ぶからである。但し、本発明において単一のスタンド部材回転制御手段9を備える態様を排除する趣旨ではない。
【0031】
本実施例において左右のスタンド部材回転制御手段9は構成が同じであるので、以下その一方のみについて説明する。
【0032】
図4及び
図13に示すように、ヒンジシャフト8は、第1筐体取付部材5の筒部5bに挿通されて第2筐体取付部材6と常に一体に回転する。そして、前記スタンド部材回転制御手段9は、前記スタンド部材7と常に一体に回転する回転カム10と、該回転カム10と係合するスライドカム11と、該スライドカム11を前記回転カム10に向けて常時付勢する弾性手段12と、前記回転カムと係合する係合部材13と、を備える。そして、スタンド部材回転制御手段9はヒンジシャフト8の軸線上に配置される。
【0033】
図13に示すように、ヒンジシャフト8は、第1筐体取付部材5におけるヒンジシャフト挿通部としての前記筒部5bに挿通される。ヒンジシャフト8は、
図6に拡大して示すように、一端側から他端側へと順に、雄ねじ溝8a付きの第1変形軸部8bと、ワッシャ受けフランジ8cと、ばね装着部8dと、スライドカム装着部8eと、回転カム装着部8fと、雄ねじ溝8g付きの第2変形軸部8hと、を備える。また、ヒンジシャフト8の第1変形軸部8bには、雄ねじ溝8aのない平坦部8iに小さなねじ孔8jが形成されている。
【0034】
一方、ヒンジシャフト8が挿通される第1筐体取付部材5の筒部5b内には、
図5に示すように、一端側から他端側へと順に、ジョイント部材収容円形孔部5cと、ワッシャ収容変形孔部5dと、内向きフランジ5eと、ばね収容部5fと、スライドカム収容変形孔部5gと、回転カム収容円形孔部5hと、が形成されている。
【0035】
図4と
図7に示すように、ヒンジシャフト8には、一端側から、第1フリクショントルク発生手段14が取り付けられる。この第1フリクショントルク発生手段14は、
図13に示すように、第1筐体取付部材5の筒部5bにヒンジシャフト8を挿通した状態において、前記筒部5bの主としてワッシャ収容変形孔部5d内に位置する。
【0036】
この第1フリクショントルク発生手段14は、
図7に示すように、第1のワッシャ群14aと、第2のワッシャ群14bと、スプリングワッシャ14cと、押さえワッシャ14dと、止めナット14eと、を備える。第1のワッシャ群14aを構成する第1のワッシャ14fは、ヒンジシャフト8の第1変形軸部8bの断面形状に対応する変形孔14gを有し、且つ、第1筐体取付部材5のワッシャ収容変形孔部5d内において自由に回転できる外形を有する。このため、第1のワッシャ群14aは、ワッシャ収容変形孔部5d内において、ヒンジシャフト8と常に一体に回転する。一方、第2のワッシャ群14bを構成する第2のワッシャ14hは、ヒンジシャフト8の第1変形軸部8bに対して自由に回転できる円形孔14iを有し、且つ、ワッシャ収容変形孔部5dの断面形状に対応する外形を有する。このため、第2のワッシャ群14bは、ワッシャ収容変形孔部5dに回転不能に係合し、ヒンジシャフト8の回転からは自由である。
【0037】
図7に示すように、第1のワッシャ群14aを構成する第1のワッシャ14fと第2のワッシャ群14bを構成する第2のワッシャ14hとを交互に連続的にヒンジシャフト8に装着し、その上に重ねて適数のスプリングワッシャ14cと押さえワッシャ14dをヒンジシャフト8に装着し、第1変形軸部8bの雄ねじ溝8aに止めナット14eをねじ結合させる。これにより、第1のワッシャ群14aと第2のワッシャ群14bは、ヒンジシャフト8のワッシャ受けフランジ8cと止めナット14eとの間に、所望のフリクショントルクが得られるように圧接状態で保持される。第1筐体取付部材5の筒部5b内でヒンジシャフト8が回転すると、第1のワッシャ群14aはヒンジシャフト8と常に一体に回転するのに対し、第2のワッシャ群14bは回転しない。このため、第1のワッシャ群14aと第2のワッシャ群14bとの間にフリクションが発生し、第1筐体取付部材5の筒部5b内でのヒンジシャフト8の回転に所望の抵抗が付与される。回転抵抗の大きさは、第1のワッシャ14fと第2のワッシャ14hの配設数によって調整することができる。
【0038】
ヒンジシャフト8の一端の前記第1変形軸部8bには、ジョイント部材15が固着される。このジョイント部材15は、ヒンジシャフト8と第2筐体取付部材6の筒部6bとを常に一体回転可能に連結する。ジョイント部材15は、
図7及び
図8に示すように、変形筒部15aと、この変形筒部15aと同心に連続する円筒部15bと、この円筒部15bと変形筒部15aの中心部を軸線方向に貫通する変形孔15cと、円筒部15bの周壁を貫通して軸線方向に延びる切欠状の長孔15dと、を備える。前記変形孔15cはヒンジシャフト8の第1変形軸部8bと適合し、ヒンジシャフト8の第1変形軸部8bを回動不能に受け入れる。
【0039】
図7に示すように、ジョイント部材15の変形孔15cに対して円筒部15bの側からヒンジシャフト8の第1変形軸部8bを挿通し、円筒部15bの外側から長孔15dに連結ねじ16を挿通する。そして、この連結ねじ16をヒンジシャフト8の第1変形軸部8bのねじ孔8jにねじ込むことで、ヒンジシャフト8とジョイント部材15とが分離不能且つ常に一体回転可能に連結される。長孔15dの存在により、ジョイント部材15に対するヒンジシャフト8の固着位置を調整できる。
【0040】
図13に示すように、ジョイント部材15の前記円筒部15bは、第1筐体取付部材5の筒部5bのジョイント部材収容円形孔部5c内に摺動回転可能に収容される。一方、ジョイント部材15の変形筒部15aは、第2筐体取付部材6の筒部6bの端部に形成された変形孔6c(
図4参照)に適合する。よって、ジョイント部材15の変形筒部15aを第2筐体取付部材6の筒部6bの変形孔6cに挿入することで、ジョイント部材15と第2筐体取付部材6の筒部6bとが常に一体に回転するように連結される。その結果、第2筐体取付部材6の筒部6bとヒンジシャフト8とが、ジョイント部材15を介して常に一体回転可能に連結される。
【0041】
なお、組み立てに当たっては、ヒンジシャフト8に対して一端側から第1フリクショントルク発生手段14、ジョイント部材15の順でそれらを取り付け、これらの要素を搭載したヒンジシャフト8を他端側から第1筐体取付部材5の筒部5bに一杯まで挿通する。ヒンジシャフト8のワッシャ受けフランジ8cが第1筐体取付部材5の筒部5bの内向きフランジ5eに当接することにより、第1筐体取付部材5の筒部5bに対するヒンジシャフト8の挿通取付位置が定まる。この状態において、ジョイント部材15の変形筒部15aのみが第1筐体取付部材5の筒部5bから突出している。そこで、ジョイント部材15の変形筒部15aを第2筐体取付部材6の筒部6bの変形孔6cに対して係合させる。
【0042】
前記構成により、第1筐体取付部材5の筒部5bと第2筐体取付部材6の筒部6bとがそれらの端面同士を接触させて相対回転可能に連結される。第1筐体取付部材5に対して第2筐体取付部材6を回転させると、第1筐体取付部材5の筒部5b内において、ジョイント部材15を介してヒンジシャフト8が第2筐体取付部材6と常に一体に回転する。ヒンジシャフト8のこの回転には、第1フリクショントルク発生手段14によって所定の回転抵抗が付与される。したがって、第1筐体2に対して第2筐体3を開閉する際に、第2筐体3に所定の開閉抵抗が生じ、この開閉抵抗によって第2筐体3が任意の開閉角度に停止保持される。
【0043】
次に、主として
図4及び
図13を参照して、前記回転カム10と前記スライドカム11と前記弾性手段12とからなる第1カム機構20について説明する。この第1カム機構は、第1筐体2に対して第2筐体3を開成操作するときに、第2筐体3の所定開成角度からスタンド部材7を作用姿勢まで自動的に開かせる。同時に、第1カム機構20は、第1筐体2に対して第2筐体3を閉成操作するときに、第2筐体3の所定閉成角度からスタンド部材7を収納姿勢まで自動的に閉じさせる。
【0044】
なお、本実施例では、一例として、第1筐体2に対する第2筐体3
の所定開成角度を135度に設定し、第1筐体2に対する第2筐体3
の所定閉成角度を45度に設定してあるが、これらに限定されるものでないことは勿論である。また、スタンド部材7の前記作用姿勢とは、スタンド部材7がノート型パソコン1の後ろ側で机等の面に触れるように水平状態まで開いた姿勢を言う(
図16(a)参照)。一方、スタンド部材7
の収納姿勢とは、完全に閉じられたノート型パソコン1の第2筐体3上にスタンド部材7が重なっている状態を言う(
図2及び
図14(a)参照)。
【0045】
図4及び
図13に示すように、第1筐体取付部材5の筒部5bに一端側から挿通されたヒンジシャフト8に対し、該ヒンジシャフト8の他端側から、前記弾性手段12としての圧縮コイルばねと、ばね受けスリーブ17と、前記スライドカム11と、前記回転カム10と、前記係合部材13と、止めナット18と、が順に装着される。その結果、圧縮コイルばね12は、第1筐体取付部材5の筒部5b内において前記内向きフランジ5eに当接してばね収容部5f内に位置し、且つ、ヒンジシャフト8のばね装着部8d(
図6参照)に位置する。ばね受けスリーブ17は圧縮コイルばね12に当接し、スライドカム11はばね受けスリーブ17に当接し、回転カム10はスライドカム11に係合し、係合部材13は回転カム10に係合し、これらの係合状態が、ヒンジシャフト8の他端の雄ねじ溝8g付きの第2変形軸部8hにねじ結合される前記止めナット18によって保持される。
【0046】
図13に示すように、スライドカム11は、第1筐体取付部材5の筒部5b内において前記スライドカム収容変形孔部5g内に位置し、且つ、ヒンジシャフト8のスライドカム装着部8e(
図6参照)に位置する。
【0047】
スライドカム11は、
図9に示すように、回り止め部11aとカム部11bとを有し、中央部軸方向にヒンジシャフト8を回転可能に受け入れる挿通孔11cを備えている。回り止め部11aは、前記スライドカム収容変形孔部5gの断面形状(
図5(e)参照)に適合する形状である。このため、スライドカム11は、スライドカム収容変形孔部5g内において回転不能であり、ヒンジシャフト8の軸線方向へのスライドのみが許容される。カム部11bは回り止め部11aに対して回転カム10側に位置し、二つの凹部11d,11dと、二つの凸部11e、11eと、これらの凹凸部間を連続させる一対の緩傾斜面11f,11f及び一対の急傾斜面11g,11gと、で構成されている。一対の緩傾斜面11f,11fのそれぞれは、スライドカム11の軸線Xを中心とする135度の角度範囲に延在し、一対の急傾斜面11g,11gのそれぞれは、スライドカム11の軸線Xを中心とする45度の角度範囲に延在する。なお、スライドカム11は前記ばね受けスリーブ17と一体に設けてもよい。
【0048】
図13に示すように、回転カム10は、ヒンジシャフト8の回転カム装着部8fに位置し、且つ、第1筐体取付部材5の筒部5b内において前記回転カム収容円形孔部5h内に回転可能に位置する。回転カム10はヒンジシャフト8の回転からは自由である。
【0049】
回転カム10は、
図10に示すように、カム部10aと、Oリング装着部10bと、変形筒部10cと、従動凸部10dとを有し、中央部軸方向にヒンジシャフト8を回転可能に受け入れる挿通孔10eを備えている。前記カム部10aは、二つの凹部10f,10fと、二つの凸部10g,10gと、これらの凹凸部間を連続させる傾斜面10h,10hとで構成されており、スライドカム11の前記カム部11bと係合して、後述する所定の相互作用を奏する。Oリング装着部10bは回転カム10に一体形成した一対のフランジ10i,10iの間に形成される。
図13に示すように、Oリング装着部10bには適数のOリング19a、19a・・・から成る第2フリクショントルク発生手段19が装着され、これらの第2フリクショントルク発生手段19が前記回転カム収容円形孔部5hの内周面に摺接することによって回転カム10に回転抵抗が付与される。
【0050】
図4及び
図13に示すように、回転カム10の前記変形筒部10cは、スタンド部材7の前記筒部7bに形成される変形孔7dに適合する形状である。よって、回転カム10の変形筒部10cをスタンド部材7の筒部7bの変形孔7dに挿入することで、回転カム10とスタンド部材7とが常に一体に回転するように連結される。
【0051】
図10に示すように、回転カム10の前記従動凸部は、回転カム10の係合部材13側の端面の一部から係合部材13側へと突出している。
【0052】
図13に示すように、係合部材13は、スタンド部材7の筒部7bに形成される変形孔7d内で回転自在な大きさの筒体である。係合部材13は、
図11に示すように、中央部軸方向に貫通する変形孔13aを有する。この変形孔13aの断面形状は、ヒンジシャフト8の他端の前記第2変形軸部8h(
図6参照)の断面形状に適合する。このため、係合部材13をヒンジシャフト8の第2変形軸部8hに装着することで、両者は常に一体に回転可能となる。
【0053】
係合部材13の回転カム10側の端面の一部には、
図11に示すように、回転カム10側へと突出する係合部13bが形成されている。この係合部13bは、係合部材13の回転に伴って所定のタイミングで回転カム10の前記従動凸部10dに係合し、回転カム10を回転駆動する。係合部13bを有する係合部材13と従動凸部10dを有する回転カム10とにより、第2カム機構21(
図4及び
図13参照)が構成される。この第2カム機構21は、第1筐体2に対して第2筐体3を閉成操作するときに、所定のタイミングで回転カム10を所定の角度だけ戻り方向へと回転させる。これにより、スタンド部材7が所定のタイミングで閉じ方向へと自動的に回転する。
【0054】
次に、
図2及び
図14〜
図20を参照して、本実施例に係るスタンド自動開閉装置4の動作について説明する。なお、
図21には、本実施例に係る開閉装置4における、第2筐体3の開閉角度と、スタンド部材7の開閉角度と、回転カム10の角度位置と、スライドカム11の進退位置と、係合部材13の角度位置と、の相互関係をまとめてあるので、以下の動作説明の全過程を通じて参照されたい。また、以下に説明するスタンド自動開閉装置4の動作は、右側のスタンド自動閉装置4について述べるが、上述したように、左側のンスタンド自動開閉装置4もあり、この左側のスタンド自動開閉装置4の動作も同時に加わることになる。
【0055】
図2に示すように、ノート型パソコン1の第1筐体2に対して第2筐体3を完全に閉じた全閉状態においては、スタンド部材7がその開口部7cへ第2筐体3に取り付けた第2筐体取付部材6を収納した状態となっている。
【0056】
図2に示すノート型パソコン1の全閉状態(スタンド部材7の収納状態)においては、スタンド部材回転制御手段9を構成する第1カム機構20と第2カム機構21とが
図14に示す位置関係にある。すなわち、第1カム機構20を構成するスライドカム11と回転カム10は、
図14(b)に示すように、それらの凸部10g,11eが互いの凹部11d,10fに嵌り込んで係合している(原嵌合接触状態)。この係合状態は、
図13に示すように、圧縮コイルばね12によってスライドカム11が回転カム10の側へ圧接されることによりロックされている。一方、第2カム機構21を構成する係合部材13の係合部13bと回転カム10の従動凸部10dは、
図14(a)に示すように、ヒンジシャフト8の軸線Xを挟んで互いに180度の角度位置にある。
図14(a)の状態を、第2筐体3、スタンド部材7、回転カム10及び係合部材13のそれぞれについての0度の角度位置ということとする。
【0057】
次に、ノート型パソコン1を使用すべく使用者が第1筐体2に対して第2筐体3を開くと、ヒンジシャフト8が回転すると共に、第2筐体3に押されてスタンド部材7も回転して開く。このとき、
図15に示すように、ヒンジシャフト8の回転に伴って係合部材13が回転し、同時に、スタンド部材7の回転に伴って回転カム10も回転する。回転カム10のこの回転により、回転カム10のカム部10aの傾斜面10hとスライドカム11のカム部11bの緩傾斜面11hとが擦れ合いながら、スライドカム11が圧縮コイルばね12を押し縮める方向へと退避移動させられる(
図12参照)。本実施例では、
図15(a)に示すように、第2筐体3の開成角度が135度(所定開成角度)に達したときに、
図15(b)に示すように、回転カム10とスライドカム11の凸部10g,11e同士が当接する頂点接触の状態となる。
【0058】
そして、第2筐体3の開成角度が所定開成角度としての135度を超えると、第2筐体3に押されて回転するスタンド部材7と共に回転カム10が回転し、この回転カム10がスライドカム11に対して頂点接触の状態からずれるので、圧縮コイルばね12の付勢力によりスライドカム11が進出し、スライドカム11の急傾斜面11gと回転カム10の傾斜面10hとが擦れ合いながら、回転カム10が45度だけさらに回転駆動される。これにより、
図16(b)に示すように、スライドカム11と回転カム10の各凸部11e,10gが互いの凹部10f,11dに嵌り込んで係合する嵌合状態(180度回転嵌合接触状態)となる。回転カム10のこの回転に伴い、
図16(a)に示すように、スタンド部材7も45度だけさらに回転し、スタンド部材7が机等の面に接触する作用姿勢へと自動的に移行する。スタンド部材7のこの回転は、回転カム10に装着した複数のOリング19a、19a…から成る第2フリクショントルク発生手段19によって創出される回転抵抗により緩速で行われる。
【0059】
作用姿勢へと移行したスタンド部材7により、ノート型パソコン1の第2筐体3が支えられるので、転倒が防止され、使用者が135度に開かれた開成状態の第2筐体3に対してタッチ操作等の入力操作を行っても、第2筐体3が後方へ倒れてしまう心配がない。
【0060】
第2筐体3は、必要に応じて、135度超から180度の開成角度の間で、任意の角度に変更することができる。第1フリクショントルク発生手段14の作用により、第2筐体3は任意の開成角度に停止保持される。
図17(a)に示すように、第2筐体3を180度まで開くと、ヒンジシャフト8を介して係合部材13が
図14(a)の0度の角度位置に対して180度の角度位置まで回転する。ヒンジシャフト8と係合部材13の前記回転は、回転カム10とスライドカム11には何ら影響しないので、回転カム10とスライドカム11の位置関係に変化は起こらない。すなわち、
図16(b)と
図17(b)は全く同じ状態である。
【0061】
次に、
図18に示すように、第2筐体3を135度超〜180度の開成角度から閉成操作する場合、第2筐体3の開成角度が90度(第1の所定閉成角度)に達するまでの間は、ヒンジシャフト8を介して係合部材13が
図14(a)の0度の角度位置に対して
図18に示す90度の角度位置まで戻り方向へと回転する。この間、係合部材13の係合部13bと回転カム10の従動凸部10dとの接触はない(
図17(a)と
図18を比較すると明らか)ので、スタンド部材7は作用姿勢に開いたままの状態で不動である。
【0062】
係合部材13が90度の角度位置まで戻ると、
図18に示すように、係合部材13の係合部13bが回転カム10の従動凸部10dに当接する。そして、
図19(a)に示すように、第2筐体3を90度の開成角度からさらに第2の所定閉成角度である45度の開成角度まで閉成操作すると、ヒンジシャフト8を介して係合部材13が
図18に示す90度の角度位置から戻り方向へとさらに45度だけ回転する。これにより、係合部材13の係合部13bが回転カム10の従動凸部10dを回転駆動させ、回転カム10が
図14(a)の0度の角度位置に対して
図19(a)に示す135度の角度位置(中間角度位置)まで戻り方向へと45度だけ回転する。この回転によって、スタンド部材7が作用姿勢から135度の開成角度まで閉じられる。
【0063】
同時に、回転カム10の前記回転により、回転カム10のカム部10aの傾斜面10hとスライドカム11のカム部11bの急傾斜面11gとが擦れ合いながら、スライドカム11が圧縮コイルばね12を押し縮める方向へと退避移動させられる。そして、
図19(a)に示すように、第2筐体3の閉成操作によって第2筐体3の開成角度が45度に達したときに、
図19(b)に示すように、回転カム10とスライドカム11の凸部10g,11e同士が当接する頂点接触の状態(
図15(b)と同じ状態)となる。
【0064】
そして、
図20(a)に示すように、第2筐体3のさらなる閉成操作によって第2筐体3の開成角度が45度より小さくなると、回転カム10がスライドカム11に対して頂点接触の状態からずれるので、圧縮コイルばね12の付勢力によりスライドカム11が進出し、スライドカム11の緩傾斜面11hと回転カム10の傾斜面10hとが擦れ合いながら、回転カム10が
図19(a)に示す前記中間角度位置から
図14(a)に示す0度の角度位置へ向けて回転駆動される(
図20(b))。回転カム10のこの回転に伴い、スタンド部材7が
図14(a)に示す0度の角度位置へ向けて回転駆動され、
図20(a)に示すように、スタンド部材7が第2筐体3上に重なる。スタンド部材7のこの回転は、回転カム10に装着した複数のOリング19a、19a・・・から成る第2フリクショントルク発生手段19によって創出される回転抵抗により緩速で行われる。そして、第2筐体3のさらなる閉成操作によって、
図2及び
図14に示すように、第2筐体3とスタンド部材7が共に完全に閉じたノート型パソコン1の全閉状態へと移行する。尚、上述したように、第2筐体3と第2筐体取付部材6とは、互いに図示してない磁力吸着手段により磁力吸着されているが、第2筐体3を第1筐体2に対して開閉操作する場合にも、互いに分離してしまうことはない。もちろん第2筐体取付部材6と第2筐体3を互いに取付ネジなどで固着することは任意である。
【0065】
なお、第2筐体3の開閉操作に伴うスタンド部材7の開閉のタイミングは、本実施例のものに限定されないことは勿論である。前記第1カム機構20と前記第2カム機構21とを別の作用タイミングを有するものに変更することで、第2筐体3の開閉操作に伴うスタンド部材7の開閉のタイミングを自在に設定することができる。